JP2006029491A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 変速により運転者に与える違和感を抑制する。
【解決手段】 ECUは、アクセルがオンである場合(S108にてYES)、車両の加速度に基づいて変更された変速線に従った特殊変速制御を終了するステップ(S110)と、特殊変速制御が終了してから予め定められた時間T(X)が経過するまでは(S114にてNO)、ギヤ段を維持するステップ(S118)と、予め定められた時間T(X)が経過した場合(S114にてYES)、1段アップシフトするステップ(S116)と、アップシフトしてから予め定められた経過時間が経過するまでは(S122にてNO)、ギヤ段を維持するステップ(S126)と、予め定められた時間T(Y)が経過した場合(S122にてYES)、通常時の変速線に従って、変速機の変速制御を行なうステップ(S124)とを含むプログラムを実行する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関し、特に、複数の変速モードのうちのいずれか1つに基づいて変速制御を行なう自動変速機の制御装置に関する。
自動変速機の変速制御装置において、登降坂時や急加速時などに、通常の変速制御から他の変速制御へ自動的に変更する技術が知られている。
特開平7−19331号公報(特許文献1)は、少なくともアクセルオフ状態であることを含む予め定められた自動エンジンブレーキ制御条件が成立したときに、通常の変速制御に代えて自動エンジンブレーキ制御を行なう自動変速機の変速制御装置を開示する。特許文献1に記載の自動変速機の変速制御装置は、予め定められた変速条件に従って自動変速機の変速段を変更する変速制御部と、少なくともアクセルがオフ状態であることを含む予め定められた自動エンジンブレーキ制御条件が成立したときに、変速制御部による変速制御に代えて、エンジンブレーキ作動低速段へのダウンシフトを含む自動エンジンブレーキ制御を行なう自動エンジンブレーキ制御部と、自動エンジンブレーキ制御部による自動エンジンブレーキ制御から変速制御部による変速制御に復帰する際に、予め定められた時間を経過するまでは少なくともアップシフトを禁止する復帰制限部とを含む。
この公報に記載の自動変速機の変速制御装置によれば、自動エンジンブレーキ制御部による自動エンジンブレーキ制御から変速制御部による変速制御へ復帰する際に、復帰制限部により予め定められた時間を経過するまでは少なくともアップシフトが禁止される。すなわち、アクセルが踏込み操作されることにより自動エンジンブレーキ制御から通常の変速制御へ復帰する際に、アクセル操作量が小さい段階でアップシフト判断がなされても、予め定められた時間を経過するまではアップシフトが行なわれない。その間にアクセル操作量が増大してそのアップシフト判断が解除されれば、アップシフトを行なうことなく通常の変速制御へ移行する。このため、通常の変速制御への移行時に不要なアップシフトが行なわれることが回避され、変速段のアップダウンによる駆動力の減少,増大に起因して運転者に違和感を感じさせることが防止される。
特開平7−19331号公報
しかしながら、特許文献1に記載の自動変速機の変速制御装置においては、予め定められた時間を経過するまでの間にアップシフト判断が解除されず、たとえば複数段離れた変速段へのアップシフト判断がされるおそれがある。この場合、予め定められた時間の経過後に複数段離れた変速段へアップシフトされ、駆動力が急変するおそれがある。そのため、運転者に違和感を与えるおそれがあるという問題点があった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、運転者に与える違和感を抑制することができる自動変速機の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る自動変速機の制御装置は、複数の変速モードのうちのいずれか1つに基づいて変速制御を行なうための制御手段と、変速モードの切替時に、予め定められた第1の期間は、予め定められた変速比の範囲内での変速を制限するための第1の制限手段と、第1の期間の経過時に、予め定められた変速比の範囲内で変速を行なうための変速手段と、変速手段による変速後、予め定められた第2の期間は、予め定められた変速比の範囲内での変速を制限するための第2の制限手段とを含む。
第1の発明によると、制御手段により、複数の変速モードのうちのいずれか1つに基づいて変速制御が行なわれ、第1の制限手段により、予め定められた第1の期間は、予め定められた変速比の範囲比の範囲での変速(たとえばアップシフト)が制限される。第1の期間の経過時に、変速手段によりアップシフトが行なわれ、変速手段による変速後、予め定められた第2の期間は、第2の制限手段により、アップシフトが制限される。この第2の制限手段の動作により、変速モードの切替時における変速比の急変を抑制し、駆動力の急変を抑制することができる。その結果、運転者に与える違和感を抑制することができる自動変速機の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1の発明の構成に加え、変速手段は、アップシフトを行なうための手段を含む。
第2の発明によると、第1の期間の経過時に、変速手段によりアップシフトが行なわれる。これにより、アップシフト時における変速比の急変を抑制し、駆動力の急変を抑制することができる。
第3の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第2の発明の構成に加え、自動変速機は、離散化された複数のギヤ比をそれぞれのギヤ段として設定された自動変速機である。変速手段は、ギヤ段を1段上げるための手段を含む。
第3の発明によると、第1の期間の経過時に、変速手段により、自動変速機のギヤ段が1段上げられる。これにより、ギヤ段を変更して変速が行なわれる自動変速機のアップシフト時における変速比の急変を抑制し、駆動力の急変を抑制することができる。
第4の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1ないし3のいずれかの発明の構成に加え、自動変速機は車両に搭載されている。制御手段は、予め定められた変速線に従った変速モードで変速制御を行なうための変速制御手段と、少なくともアクセルがオフ状態である予め定められた条件が成立したときに、変速制御手段による変速制御に代えて、ダウンシフトを伴う自動エンジンブレーキモードで変速制御を行なう自動エンジンブレーキ制御手段とを含む。第1の制限手段は、自動エンジンブレーキ制御手段による変速制御から変速制御手段による変速制御に復帰する際に、少なくともアップシフトを禁止するための手段を含む。
第4の発明によると、変速制御手段により、予め定められた変速線に従った変速モードで変速制御が行なわれる。少なくともアクセルがオフ状態である予め定められた条件が成立したとき、変速制御手段による変速制御に代えて、自動エンジンブレーキ制御手段が、ダウンシフトを伴う自動エンジンブレーキモードで変速制御を行なう。自動エンジンブレーキ制御手段による変速制御から変速制御手段による変速制御に復帰する際、少なくともアップシフトが禁止される。これにより、アクセルが踏込み操作されることにより自動エンジンブレーキモードでの変速制御から変速線に従った通常の変速制御へ復帰する際に、第1の時間を経過するまではアップシフトを禁止することができる。そのため、自動エンジンブレーキ制御終了時点の低いギヤ段で車両を加速させることができる。その結果、通常の変速制御への復帰時にアップシフトが行われ、運転者の要求する加速度が得られないことにより運転者に与える違和感を抑制することができる。
第5の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1ないし第3のいずれかの発明の構成に加え、自動変速機は車両に搭載されている。制御手段は、予め定められた変速線に従った変速モードで変速制御を行なうための変速制御手段と、アクセルペダルの踏込み量、踏込み速度が予め定められた値以上であるときに、変速制御手段による変速制御に代えて、予め定められた変速線を高車速側へずらした、若しくは、低スロットル側にずらした変速線に従った特殊変速モードで変速制御を行なうための特殊変速制御手段とを含む。第1の制限手段は、特殊変速制御手段による変速制御から変速制御手段による変速制御に復帰する際に、少なくともアップシフトを禁止するための手段を含む。
第5の発明によると、変速制御手段により、予め定められた変速線に従った変速モードで変速制御が行なわれる。アクセルペダルの踏込み量、踏込み速度が予め定められた値以上であるときに、変速制御手段による変速制御に代えて、特殊変速制御手段が、予め定められた変速線を高車速側へずらした、若しくは、低スロットル側にずらした変速線に従った特殊変速モードで変速制御を行なう。特殊変速制御手段による変速制御から変速制御手段による変速制御に復帰する際に、少なくともアップシフトが禁止される。これにより、特殊変速制御手段による変速制御から変速制御手段による変速制御に復帰する際に、第1の時間を経過するまではアップシフトを禁止することができる。そのため、自動エンジンブレーキ制御終了時点の低いギヤ段で車両を加速させることができる。その結果、通常の変速制御への復帰時にアップシフトが行われ、運転者の要求する加速度が得られないことにより運転者に与える違和感を抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置を搭載した車両について説明する。この車両は、エンジン100で発生した駆動力が、クラッチ200、変速機300、デファレンシャルギヤ400およびドライブシャフト402を介して車輪404に伝達されることにより走行する。エンジン100、クラッチ200および変速機300は、ECU(Electronic Control Unit)500により制御される。本実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、たとえば、ECU500において実行されるプログラムにより発現される。
クラッチ200は、エンジン100のクランクシャフト600に連結されている。クラッチ出力軸202は、スプライン310を介して変速機300の入力軸302に連結されている。
変速機300は、常時噛合い式のギヤトレーンから構成されている。変速機300におけるギヤ段の選択は、アクチュエータ304によりシフトフォークシャフトを摺動させることにより行なわれる。アクチュエータ304は、油圧により作動するものであってもよく、電力により作動するものであってもよい。なお、変速機300は、遊星歯車機構からなるAT(Automatic Transmission)やCVT(Continuously Variable Transmission)など、自動で変速比を選択可能なものであれば何でもよい。
ECU500には、アクセル開度センサ502、ブレーキスイッチ504、ポジションセンサ506、タイミングロータ508の外周に対向して設けられたクランクポジションセンサ510、入力軸回転数センサ512、出力軸回転数センサ514、車速センサ516およびGセンサ518から信号が送信される。
アクセル開度センサ502は、アクセルペダルのアクセル開度を検出する。ブレーキスイッチ504は、ブレーキがオン状態にあるかオフ状態にあるかを検出する。ポジションセンサ506は、シフトレバーのシフトポジションを検出する。クランクポジションセンサ510はエンジン回転数NEを検出する。入力軸回転数センサ512は、変速機300の入力軸302の回転数NIを検出する。出力軸回転数センサ514は、変速機300の出力軸306の回転数NOを検出する。車速センサ516は、車速を検出する。Gセンサ518は、車両の前後方向の加速度を検出する。
ECU500は、これらのセンサから送信された信号、メモリ(図示せず)に記憶されたプログラム、マップおよび変速線などに基づいて演算処理を行なう。これにより、ECU500は、エンジン100、クラッチ200および変速機300を制御する。
本実施の形態において、ECU500は、変速線にしたがった通常変速制御(通常変速モード)およびブレーキオン時若しくは、アクセルペダル解放時の加速度に応じて変速線を変更する特殊変速制御(特殊変速モード)とを実行する。特殊変速制御においては、通常変速制御に比べて、同じ車速でも低速のギヤ段が選択されるように、変速線が変更される。特殊変速制御により、エンジンブレーキがより大きく作用する。特殊変速制御から通常変速制御への切替え時は、タイマーカウンタ520によりカウントされる時間に従って、ギヤ段が選択される。
なお、特殊変速制御においては、変速線を変更する代わりにマップに基づいてギヤ段を選択してもよい。また、特殊変速制御は、ブレーキオン時の加速度に応じたもの以外に、その他、急なアクセルオン時にアクセル開度を水増しして読み込むものなどであってもよい。
さらに、特殊変速制御においては、アクセルペダルの踏込み量、踏込み速度が予め定められた値以上であるときに通常の変速線に従ったダウンシフトよりも早い時期でダウンシフトされるように、変速線を高車速側へずらしたり、低スロットル側にずらしたりしてもよい。さらに、アクセルペダルを急閉したときにも同様の制御を行なってもよい。本発明はこれらの制御にも適用できる。
図2を参照して、クラッチ200についてさらに説明する。クラッチ200は、乾式単板式の摩擦クラッチである。図2に示すように、クラッチ200は、クラッチ出力軸202と、クラッチ出力軸202に配設されたクラッチディスク204と、クラッチハウジング206と、クラッチハウジング206に配設されたプレッシャプレート208と、ダイヤフラムスプリング210と、クラッチレリーズシリンダ212と、レリーズフォーク214と、レリーズスリーブ216とを含む。
ダイヤフラムスプリング210が、プレッシャプレート208を図2において右方向に付勢することにより、クラッチディスク204が、エンジン100のクランクシャフト600に取り付けられたフライホイール602に押付けられ、クラッチが係合される。
クラッチレリーズシリンダ212が、レリーズフォーク214を介して図2において右方向へ、レリーズスリーブ216を移動させることにより、ダイヤフラムスプリング210の内端部が図2において右方向へ移動する。ダイヤフラムスプリング210の内端部が図2において右方向へ移動すると、プレッシャプレート208が図2において左方向に移動し、クラッチディスク204とフライホイール602とが離れてクラッチが解放される。
クラッチレリーズシリンダ212は、リザーバ218から油圧ポンプ220により汲み上げられた作動油の油圧が、クラッチソレノイドバルブ222を介して供給されることにより作動する。クラッチソレノイドバルブ222は、クラッチレリーズシリンダ212に対する油圧の供給および排出を切換える。クラッチソレノイドバルブ222は、ECU500により制御される。
クラッチレリーズシリンダ212に油圧が供給されると、クラッチレリーズシリンダ212のピストンが図2において左方向に移動し、レリーズスリーブ216が図2において右方向へ移動してクラッチが解放される。クラッチレリーズシリンダ212のピストンの位置(クラッチストローク)は、クラッチストロークセンサ522により検出される。クラッチストロークセンサ522の検出結果を表す信号は、ECU500に送信される。
ECU500は、クラッチストロークセンサ522から送信された信号に基づいて、クラッチ200が解放状態にあるか、係合状態にあるか、半係合状態にあるかを検出する。なお、クラッチ200を電力により作動するようにしてもよい。
図3を参照して、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU500は、ブレーキスイッチ504から送信された信号に基づき、ブレーキがオンであるか否を判別する。ブレーキがオンである場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。そうでない場合(S100にてNO)、この処理は終了する。
S102にて、ECU500は、Gセンサ518から送信された信号に基づき、車両の加速度を検出する。S104にて、ECU500は、検出された加速度に基づき、メモリに記憶された変速線を変更し、特殊変速制御を開始する。変速線の変更は、通常時の変速線と比べて、車速が同じであっても、ギヤ段が低速段に(ギヤ比が大きく)なるように行なわれる。
S106にて、ECU500は、ブレーキスイッチ504から送信された信号に基づき、ブレーキがオフであるか否かを判別する。ブレーキがオフである場合(S106にてYES)、処理はS108に移される。そうでない場合(S106にてNO)、処理はS102に移される。
S108にて、ECU500は、アクセル開度センサ502から送信された信号に基づき、アクセルがオンであるか否かを判別する。アクセルがオンである場合(S108にてYES)、処理はS110に移される。そうでない場合(S108にてNO)、処理はS102に移される。S110にて、ECU500は、特殊変速制御を終了する。
S112にて、ECU500は、特殊変速制御が終了してからの経過時間のカウントを開始する。S114にて、ECU500は、予め定められた時間T(X)が経過したか否かを判別する。予め定められた時間T(X)は、車両や変速機300に応じて定められた固定値であってもよく、車両の動作状態に関するパラメータに応じて変化する変動値であってもよい。予め定められた時間T(X)が経過した場合(S114にてYES)、処理はS116に移される。そうでない場合(S114にてNO)、処理はS118に移される。S116にて、ECU500は、変速機300を1段アップシフトする。なお、アップシフトする段数は、1段以外であってもよい。S118にて、ECU500は、現状のギヤ段からのアップシフトを制限する。
S120にて、ECU500は、アップシフトしてからの経過時間のカウントを開始する。S122にて、ECU500は、予め定められた時間T(Y)が経過したか否かを判別する。予め定められた時間T(Y)は、車両や変速機300に応じて定められた固定値であってもよく、車両の動作状態に関するパラメータに応じて変化する変動値であってもよい。予め定められた時間T(Y)が経過した場合(S122にてYES)、処理はS124に移される。そうでない場合(S122にてNO)、処理はS126に移される。S124にて、ECU500は、通常時の変速線に従って、変速機300の変速制御を行なう。S126にて、ECU500は、現状のギヤ段からのアップシフトを制限する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置のECU500の動作について説明する。
車両の走行中、ブレーキがオンにされると(S100にてYES)、車両の加速度が検出され(S102)、検出された加速度に基づき、メモリに記憶された変速線を変更して、特殊変速制御が行なわれる(S104)。これにより、ダウンシフトが行なわれ、エンジンブレーキがより大きく作用する。
ブレーキがオフにされ(S106にてYES)、アクセルがオンにされた場合は(S108にてYES)、運転者が車両の加速を要求している場合といえる。この場合、特殊変速制御が終了され(S110)、図4に示すように、特殊変速制御が終了してからの経過時間のカウントが開始される(S112)。
ここでは、特殊変速制御が終了した時点のギヤ段が2速であり、終了時点における車両の状態で通常変速制御に変更したとすれば、ギヤ段が4速に変更されると想定する。この場合、2速から4速に急にギヤ段が変更されると、変速比が急に小さくなるため、運転者の要求通りに車両が加速されないおそれがある。この状態で、車両を加速させるために運転者がさらにアクセルペダルを踏込めば、再度ダウンシフトが行なわれるビジーシフトとなり、運転者に違和感を与えるおそれがある。
そのため、予め定められた時間T(X)が経過するまでは(S114にてNO)、図4に示すように、特殊変速制御が終了した時点のギヤ段からのアップシフトが制限される(S118)。これにより、運転者の要求に沿って車両が加速される。
予め定められた時間T(X)が経過すれば(S114にてYES)、図4に示すように、1段だけアップシフトされ(S116)、アップシフトしてからの経過時間のカウントが開始される(S120)。
予め定められた時間T(Y)が経過するまでは(S122にてNO)、図4に示すように、アップシフト後のギヤ段からのアップシフトが制限され(S126)、予め定められた時間T(Y)が経過すれば(S122にてYES)、通常時の変速線に従って変速が行なわれる(S124)。これにより、特殊変速制御が終了し、通常の変速線に従った変速制御に切替える際、複数段にわたるアップシフトが急に行なわれ、駆動力が急変することを抑制することができる。そのため、要求通りの加速が得られなかったり、ビジーシフトとなったりして運転者に与える違和感を抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、特殊変速制御から通常変速制御に切替える際、アップシフトが制限されていたが、ダウンシフトを制限するようにしてもよい。さらに、予め定められた時間T(Y)が経過した後、変速を行ない、予め定められた時間T(Z)が経過するまでは、変速後のギヤ段を維持するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置を搭載した車両を示す制御ブロック図である。 本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置を搭載した車両のクラッチを示す図である。 本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置のECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 ギヤ段の変化を示すタイミングチャートである。
符号の説明
300 変速機、304 アクチュエータ、500 ECU、502 アクセル開度センサ、504 ブレーキスイッチ、506 ポジションセンサ、508 タイミングロータ、510 クランクポジションセンサ、512 入力軸回転数センサ、514 出力軸回転数センサ、516 車速センサ、518 Gセンサ、520 タイマーカウンタ。

Claims (5)

  1. 自動変速機の制御装置であって、
    複数の変速モードのうちのいずれか1つに基づいて変速制御を行なうための制御手段と、
    前記変速モードの切替時に、予め定められた第1の期間は、予め定められた変速比の範囲内での変速を制限するための第1の制限手段と、
    前記第1の期間の経過時に、前記予め定められた変速比の範囲内で変速を行なうための変速手段と、
    前記変速手段による変速後、予め定められた第2の期間は、前記予め定められた変速比の範囲内での変速を制限するための第2の制限手段とを含む、自動変速機の制御装置。
  2. 前記変速手段は、アップシフトを行なうための手段を含む、請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記自動変速機は、離散化された複数のギヤ比をそれぞれのギヤ段として設定された自動変速機であって、
    前記変速手段は、前記ギヤ段を1段上げるための手段を含む、請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記自動変速機は車両に搭載され、
    前記制御手段は、
    予め定められた変速線に従った変速モードで変速制御を行なうための変速制御手段と、
    少なくともアクセルがオフ状態である予め定められた条件が成立したときに、前記変速制御手段による変速制御に代えて、ダウンシフトを伴う自動エンジンブレーキモードで変速制御を行なう自動エンジンブレーキ制御手段とを含み、
    前記第1の制限手段は、前記自動エンジンブレーキ制御手段による変速制御から前記変速制御手段による変速制御に復帰する際に、少なくともアップシフトを禁止するための手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記自動変速機は車両に搭載され、
    前記制御手段は、
    予め定められた変速線に従った変速モードで変速制御を行なうための変速制御手段と、
    アクセルペダルの踏込み量、踏込み速度が予め定められた値以上であるときに、前記変速制御手段による変速制御に代えて、前記予め定められた変速線を高車速側へずらした、若しくは、低スロットル側にずらした変速線に従った特殊変速モードで変速制御を行なうための特殊変速制御手段とを含み、
    前記第1の制限手段は、前記特殊変速制御手段による変速制御から前記変速制御手段による変速制御に復帰する際に、少なくともアップシフトを禁止するための手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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