JP2006029097A - 蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法及び蓄圧式燃料噴射装置の故障判別装置 - Google Patents

蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法及び蓄圧式燃料噴射装置の故障判別装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006029097A
JP2006029097A JP2004204355A JP2004204355A JP2006029097A JP 2006029097 A JP2006029097 A JP 2006029097A JP 2004204355 A JP2004204355 A JP 2004204355A JP 2004204355 A JP2004204355 A JP 2004204355A JP 2006029097 A JP2006029097 A JP 2006029097A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel injection
pressure
common rail
fuel
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004204355A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4315869B2 (ja
Inventor
Tomohiro Otani
知広 大谷
Hitoshi Adachi
仁 足立
Fumiya Koto
文哉 古東
Hideo Shiomi
秀雄 塩見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Co Ltd filed Critical Yanmar Co Ltd
Priority to JP2004204355A priority Critical patent/JP4315869B2/ja
Publication of JP2006029097A publication Critical patent/JP2006029097A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4315869B2 publication Critical patent/JP4315869B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 蓄圧式燃料噴射装置のコモンレール内圧を検知するためのコモンレール圧力センサの故障と、その他の部分の故障等とを正確に判別することができる蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法及び蓄圧式燃料噴射装置の故障判別装置を提供する。
【解決手段】 圧力センサ13の圧力検知信号が常時低い値として出力される場合、エンジンのクランキング動作時に圧力検知信号が「燃料噴射可能圧力未満である」ことを示している状態が継続すると、インジェクタからの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を実行する。その後、インジェクタからの燃料噴射を開始し、エンジンが正常に始動した場合には、圧力センサ13が故障していると判別する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関(例えばディーゼルエンジン)の燃料供給系に適用される蓄圧配管(所謂コモンレール)を備えた蓄圧式(コモンレール式)燃料噴射装置の故障判別方法及び故障判別装置に係る。特に、本発明は、コモンレール内圧を検知するためのコモンレール圧力センサの故障と、その他の部分の故障とを判別可能とするための対策に関する。
従来より、多気筒ディーゼルエンジン等の燃料供給系として、メカニカルな燃料噴射ポンプ−ノズル方式に比べて制御性に優れた蓄圧式燃料噴射装置が提案されている(例えば、下記の特許文献1及び特許文献2)。
この種の燃料噴射装置は、高圧ポンプによって所定圧力に加圧された燃料をコモンレールに貯留しておき、このコモンレールに貯留した燃料を燃料噴射タイミングに合わせて所定の燃料噴射弁(以下、インジェクタという)から燃焼室内に噴射する構成となっている。また、エンジンの運転状態に対して最適な噴射条件で燃料が噴射されるように、コントローラが演算処理を行ってコモンレール内燃料圧力(以下、コモンレール内圧という)の制御や各インジェクタの制御を行う。
このように、蓄圧式燃料噴射装置は、燃料噴射量及びその噴射時期に加えて、コモンレール内圧によって決定される燃料噴射圧力をもエンジンの運転状態に応じて制御可能であるため、制御性に優れた噴射装置として注目されている。
−蓄圧式燃料噴射装置の概略構成−
以下、一般的な蓄圧式燃料噴射装置について説明する。
図7は、蓄圧式燃料噴射装置を備えた多気筒ディーゼルエンジンの燃料供給系の全体構成の概略を示している。この蓄圧式燃料噴射装置は、ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)aの各気筒に対応して取り付けられた複数のインジェクタb,b,…と、比較的高い圧力(コモンレール内圧:例えば100MPa)の高圧燃料を蓄圧するコモンレールcと、燃料タンクdから低圧ポンプeを経て吸入した燃料を高圧に加圧してコモンレールc内に吐出する高圧ポンプ(サプライポンプ)fと、上記インジェクタb,b,…及び高圧ポンプfを電子制御するコントローラ(ECU)gとを備えている。
各インジェクタb,b,…は、コモンレールcにそれぞれ連通する燃料配管の下流端に取り付けられている。このインジェクタbからの燃料の噴射は、例えば燃料配管の途中に設けられた噴射制御用電磁弁hへの通電および通電停止(ON/OFF)により制御される。つまり、インジェクタbは、噴射制御用電磁弁hが開弁している間、コモンレールcから供給された高圧燃料をエンジンaの燃焼室に向けて噴射する。このため、コモンレールcには、燃料噴射圧に相当する高い所定のコモンレール内圧が蓄圧されている必要があり、そのために燃料供給配管i、吐出弁jを介して高圧ポンプfが接続されている。
また、上記ECUgには、エンジン回転数やエンジン負荷等の各種エンジン情報が入力されており、これらの信号より判断される最適の燃料噴射時期及び燃料噴射量が得られるようにECUgは噴射制御用電磁弁hに制御信号を出力する。同時に、ECUgはエンジン回転数やエンジン負荷に応じて燃料噴射圧力が最適値となるように高圧ポンプfに対して制御信号を出力する。更に、コモンレールcにはコモンレール内圧を検出するための圧力センサkが取り付けられており、この圧力センサkの信号がエンジン回転数やエンジン負荷に応じて予め設定された最適値となるように高圧ポンプfからコモンレールcに吐出される燃料吐出量が制御される。
燃料噴射量を決定するための燃料噴射継続時間の設定動作としては、スロットル(舶用エンジンではレギュレータ)の開度信号をECUgが受け、この開度信号に応じたエンジン回転数(目標回転数)になるように決定された燃料噴射量及びコモンレール内圧により算出される。インジェクタbでは、コモンレール内圧に基づき、この決定された燃料噴射量となるように燃料噴射動作が継続され、この状態でのエンジン回転数を検出し、この実際のエンジン回転数と上記目標回転数とを比較して、この実際のエンジン回転数が目標回転数に近付くように燃料噴射量を補正(フィードバック補正)するようにしている。
特開2000−18052号公報 特開2003−328830号公報
ところで、適切なエンジン運転状態を継続するためには上記コモンレール内圧を正確に認識しておく必要がある。このため、仮に圧力センサkが故障した場合には、そのことを早期に発見し、それに対応した運転動作やメンテナンスを行うことが好ましい。
上記圧力センサkが故障した場合、この圧力センサkの出力値が低い状態(コモンレール内圧が低い状態であるときと同様の出力)のまま維持されたり、高い状態(コモンレール内圧が高い状態であるときと同様の出力)のまま維持されることが多いが、このような状況は、圧力センサkが故障した場合に限らず他の部分に故障等が発生した場合も想定される。
例えば、高圧ポンプfが故障して十分な燃料圧送量が得られていない場合や、燃料供給配管iやコモンレールcが破損して燃料がリークしている場合には、圧力センサkが故障していなくても、この圧力センサkの出力値が低い状態のまま維持されることになる。逆に、高圧ポンプfの駆動を制御するECUgが故障等によって誤動作し、高圧ポンプfからの燃料圧送量が過剰になった場合には、圧力センサkが故障していなくても、この圧力センサkの出力値が高い状態のまま維持されることになる。
このように、単に圧力センサkの出力値を認識するのみでは、圧力センサkが故障しているのか、または他の部分に故障等が生じているのかを判別することができない。その結果、圧力センサkが故障しているにも拘わらず、高圧ポンプfの故障の有無や、配管及びコモンレールcの破損の有無を点検せねばならず、また、他の部分に故障等が生じているにも拘わらず、圧力センサkの故障の有無を点検せねばならないといった無駄な作業を強いられることになっていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蓄圧式燃料噴射装置のコモンレール内圧を検知するためのコモンレール圧力センサの故障と、その他の部分の故障等とを正確に判別することができる蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法及び蓄圧式燃料噴射装置の故障判別装置を提供することにある。
−発明の概要−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決手段は、始動時において圧力センサ(コモンレール圧力検知手段)が故障しているか否かを判定するために、圧力センサが故障している可能性のある条件が成立したとき、インジェクタ(燃料噴射弁)からの燃料噴射を禁止した状態でエンジン(内燃機関)のクランキングを行い、その後に燃料噴射を開始して、エンジンが始動するか否かを判断している。そして、このとき、エンジンが始動すれば、圧力センサが故障しており、コモンレール内圧が誤認識されていたと判断できるようにしている。
−解決手段−
具体的に、コモンレール圧力検知手段が故障して圧力検知信号が常時低い値として出力される場合の対応策としては次に述べるものが掲げられる。つまり、燃料を圧送する燃料圧送手段と、この燃料圧送手段から圧送された燃料を貯留するコモンレールと、このコモンレールの内圧を検知して圧力検知信号を出力するコモンレール圧力検知手段と、コモンレールから燃料が供給されると共にコモンレールの内圧が所定の燃料噴射可能圧力以上であるときに内燃機関の燃焼室に向けての燃料噴射が可能となる燃料噴射弁とを備えた蓄圧式燃料噴射装置における故障判別方法を前提とする。この故障判別方法に対し、内燃機関始動時のクランキング動作において、上記コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力未満である」ことを示している状態が所定の始動判定時間継続したとき、燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を所定の初期加圧実行時間だけ実行した後に燃料噴射弁からの燃料噴射を開始し、その後に内燃機関が始動した場合にコモンレール圧力検知手段が故障していると判別するものである。
この特定事項により、上記圧力検知信号が常時低い値として出力される場合、つまり、コモンレール圧力検知手段が故障している可能性がある場合に、内燃機関始動時のクランキング動作を行い、この際、コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力未満である」ことを示している状態が上記始動判定時間継続すると、以下の判定動作に移る。つまり、燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を上記初期加圧実行時間だけ実行した後、つまり、燃料供給系が正常に作動している場合にコモンレール内圧が十分に上昇する間だけ待った後、燃料噴射弁からの燃料噴射を開始する。そして、この燃料噴射の開始によって内燃機関が正常に始動した場合には、コモンレール内圧が誤認識されていた、つまり、コモンレール圧力検知手段が故障していると判別する。このように、燃料供給系が正常に作動している状況で且つコモンレール圧力検知手段が故障している際に生じる現象を捉えることが可能な上記判定動作を実行することにより、コモンレール圧力センサの故障と、その他の部分の故障等とを正確に判別することができる。
また、コモンレール圧力検知手段が故障して圧力検知信号が常時高い値として出力される場合に対応策としては次に述べるものが掲げられる。つまり、燃料を圧送する燃料圧送手段と、この燃料圧送手段から圧送された燃料を貯留するコモンレールと、このコモンレールの内圧を検知して圧力検知信号を出力するコモンレール圧力検知手段と、コモンレールから燃料が供給されると共にコモンレールの内圧が所定の燃料噴射可能圧力以上であるときに内燃機関の燃焼室に向けての燃料噴射が可能となる燃料噴射弁とを備えた蓄圧式燃料噴射装置における故障判別方法を前提とする。この故障判別方法に対し、内燃機関始動時のクランキング動作において、上記コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力以上である」ことを示している状態が所定の始動判定時間継続しているにも拘わらず内燃機関が始動しない場合にコモンレール圧力検知手段が故障していると判別するものである。
この特定事項により、上記圧力検知信号が常時高い値として出力される場合、つまり、コモンレール圧力検知手段が故障している可能性がある場合に、内燃機関始動時のクランキング動作を行い(このとき、上記圧力検知信号が高い値であるため、燃料噴射弁からの燃料噴射は実行されることになる)、この際、コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力以上である」ことを示している状態が上記始動判定時間継続しているにも拘わらず内燃機関が始動しない場合にコモンレール圧力検知手段が故障していると判別する。つまり、上記圧力検知信号のとおりにコモンレールの内圧が燃料噴射可能圧力以上であった場合には、内燃機関始動時のクランキング動作の開始に伴って燃料噴射弁からの燃料噴射が開始され、直ちに内燃機関が始動するはずである。しかし、このような現象が現れないということは、実際には、コモンレールの内圧が燃料噴射可能圧力に達していないにも拘わらず上記圧力検知信号の出力に従って燃料噴射が行われてしまい、コモンレールの内圧が上昇しない状況となっていると推測できる。つまり、コモンレール内圧が誤認識されていたことに起因する現象であると認定でき、コモンレール圧力検知手段が故障していると判別することができる。このように、本解決手段にあっても、燃料供給系が正常に作動している状況で且つコモンレール圧力検知手段が故障している際に生じる現象を捉えることにより、コモンレール圧力センサの故障と、その他の部分の故障等とを正確に判別することができる。
また、同様にコモンレール圧力検知手段が故障して圧力検知信号が常時高い値として出力される場合に対応策として、次に述べるものも掲げられる。つまり、燃料を圧送する燃料圧送手段と、この燃料圧送手段から圧送された燃料を貯留するコモンレールと、このコモンレールの内圧を検知して圧力検知信号を出力するコモンレール圧力検知手段と、コモンレールから燃料が供給されると共にコモンレールの内圧が所定の燃料噴射可能圧力以上であるときに内燃機関の燃焼室に向けての燃料噴射が可能となる燃料噴射弁とを備えた蓄圧式燃料噴射装置における故障判別方法を前提とする。この故障判別方法に対し、内燃機関始動時のクランキング動作において、上記コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力以上である」ことを示している状態が所定の始動判定時間継続しているにも拘わらず内燃機関が始動しないとき、燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を所定の初期加圧実行時間だけ実行した後に燃料噴射弁からの燃料噴射を開始し、その後に内燃機関が始動した場合にコモンレール圧力検知手段が故障していると判別するものである。
この特定事項により、上記圧力検知信号が常時高い値として出力される場合、つまり、コモンレール圧力検知手段が故障している可能性がある場合に、内燃機関始動時のクランキング動作を行い(このとき、上記圧力検知信号が高い値であるため、燃料噴射弁からの燃料噴射は実行されることになる)、この際、コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力以上である」ことを示している状態が上記始動判定時間継続しているにも拘わらず内燃機関が始動しない場合には以下の判定動作に移る。つまり、燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を上記初期加圧実行時間だけ実行した後、つまり、燃料供給系が正常に作動している場合にコモンレール内圧が十分に上昇する間だけ待った後、燃料噴射弁からの燃料噴射を開始する。そして、この燃料噴射の開始によって内燃機関が正常に始動した場合には、コモンレール内圧が誤認識されていた、つまり、コモンレール圧力検知手段が故障していると判別する。このように、本解決手段にあっても、燃料供給系が正常に作動している状況で且つコモンレール圧力検知手段が故障している際に生じる現象を捉えることが可能な上記判定動作を実行することにより、コモンレール圧力センサの故障と、その他の部分の故障等とを正確に判別することができる。
また、上記故障判別方法において、上記初期加圧実行時間の経過後に燃料噴射弁からの燃料噴射を開始した後、内燃機関が始動しない場合には、燃料圧送手段が故障していると判別するようにしている。
また、内燃機関始動時のクランキング動作は複数回のリトライがなされるようになっており、内燃機関始動時のクランキング動作において、コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号を認識する動作を、複数回のクランキング動作がリトライされた後に実行するようにしている。これは、第1回目のクランキング動作で内燃機関が始動しない場合、コモンレール圧力検知手段の故障以外の要因で始動できなかった可能性もあるため、複数回のクランキング動作がリトライされた後に上記判定動作を実行するようにしたものである。これにより、コモンレール圧力検知手段の故障判定の信頼性を確保することができる。
更に、内燃機関始動時のクランキング動作において、コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号を認識する動作を、「始動判定時間が継続したとき」に代えて、「内燃機関の積算回転数が所定の検知信号判定回転数に達したとき」に実行するようにしている。
加えて、燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を実行した後に燃料噴射弁からの燃料噴射を開始する条件を、「初期加圧実行時間が経過したとき」に代えて、「内燃機関の積算回転数が所定の初期加圧実行回転数に達したとき」とするようにしている。
尚、上述した各解決手段に係る故障判別方法を実行するための故障判別装置も本発明の技術的思想の範疇である。具体的に、コモンレール圧力検知手段が故障して圧力検知信号が常時低い値として出力される場合の対策を講じた故障判別装置としては以下に述べるものが掲げられる。つまり、内燃機関始動時のクランキング動作において、上記コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号を受け、この圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力未満である」ことを示している状態が所定の始動判定時間継続したことを判定する始動判定手段と、この始動判定手段によって、上記圧力検知信号が「燃料噴射可能圧力未満である」ことを示している状態が所定の始動判定時間継続したと判定された際、燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を所定の初期加圧実行時間だけ実行する初期加圧実行手段と、この初期加圧実行手段によって、クランキング動作を所定の初期加圧実行時間だけ継続した後に、燃料噴射弁からの燃料噴射を開始する燃料噴射開始手段と、この燃料噴射開始手段によって燃料噴射が開始された後に内燃機関が始動した場合に、コモンレール圧力検知手段が故障していると判別する故障判別手段とを備えさせる構成である。
一方、コモンレール圧力検知手段が故障して圧力検知信号が常時高い値として出力される場合の対策を講じた故障判別装置としては以下に述べるものが掲げられる。つまり、内燃機関始動時のクランキング動作において、上記コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号を受け、この圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力以上である」ことを示している状態が所定の始動判定時間継続しているにも拘わらず内燃機関が始動しないことを判定する始動判定手段と、この始動判定手段によって、上記圧力検知信号が「燃料噴射可能圧力以上である」ことを示している状態が所定の始動判定時間継続しているにも拘わらず内燃機関が始動しないと判定された際、燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を所定の初期加圧実行時間だけ実行する初期加圧実行手段と、この初期加圧実行手段によって、クランキング動作を所定の初期加圧実行時間だけ継続した後に、燃料噴射弁からの燃料噴射を開始する燃料噴射開始手段と、この燃料噴射開始手段によって燃料噴射が開始された後に内燃機関が始動した場合に、コモンレール圧力検知手段が故障していると判別する故障判別手段とを備えさせる構成である。
以上の如く、本発明では、コモンレール圧力検知手段が故障している可能性のある条件が成立したとき、燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止した状態でクランキングを行い、その後に燃料噴射を開始して、エンジンが始動するか否かを判断している。そして、このとき、エンジンが始動すれば、コモンレール圧力検知手段が故障しており、圧力検知が誤認識されていたと判断できるようにしている。このため、コモンレール圧力検知手段が故障しているのか、他の部分に故障等が生じているのかを正確に判別することが可能になり、故障発生後の対応策を迅速に講じることが可能になり、内燃機関の復帰を短時間で行うことが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、6気筒舶用ディーゼルエンジンの燃料供給系に備えられた蓄圧式燃料噴射装置に本発明を適用した場合について説明する。
−燃料噴射装置の構成説明−
先ず、本実施形態に係るエンジンに適用される燃料噴射装置の全体構成について説明する。図1は6気筒舶用ディーゼルエンジンに備えられた蓄圧式燃料噴射装置を示している。
この蓄圧式燃料噴射装置は、ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)の各気筒に対応して取り付けられた複数の燃料噴射弁(以下、インジェクタという)1,1,…と、比較的高い圧力(コモンレール内圧:例えば100MPa)の高圧燃料を蓄圧するコモンレール2と、燃料タンク4から低圧ポンプ(フィードポンプ)6を経て吸入した燃料を高圧に加圧してコモンレール2内に吐出する燃料ポンプとしての高圧ポンプ(本発明でいう燃料圧送手段)8と、上記インジェクタ1,1,…及び高圧ポンプ8を電子制御するコントローラ(ECU)12とを備えている。
上記高圧ポンプ8は、例えばエンジンによって駆動され、燃料を運転状態等に基づいて定められる高圧に昇圧して燃料供給配管9を通じてコモンレール2に供給する所謂プランジャ式のサプライ用燃料供給ポンプである。例えば、この高圧ポンプ8は、エンジンのクランク軸に対してギアを介して動力伝達可能に連繋されている。また、この動力伝達のための他の構成として、高圧ポンプ8の駆動軸及びエンジンのクランク軸のそれぞれにプーリを設け、このプーリにベルトを架け渡して動力伝達可能にしたり、各軸にスプロケットを設け、このスプロケットにチェーンを架け渡して動力伝達可能にしてもよい。
各インジェクタ1,1,…は、コモンレール2にそれぞれ連通する燃料配管の下流端に取り付けられている。このインジェクタ1からの燃料の噴射は、例えばこのインジェクタに一体的に組み込まれた図示しない噴射制御用電磁弁への通電および通電停止(ON/OFF)により制御される。つまり、インジェクタ1は、この噴射制御用電磁弁が開弁している間、コモンレール2から供給された高圧燃料をエンジンの燃焼室に向けて噴射する。尚、このインジェクタ1は、コモンレール2の内圧が所定値(例えば30MPa)以上であるときにのみ燃焼室に向けての燃料噴射が可能な構成となっている。以下、この燃料噴射が可能となるコモンレール内圧を「燃料噴射可能圧力」と呼ぶ。図3は、コモンレール内圧が燃料噴射可能圧力以上(図中の燃料噴射可能領域)にあるときのコモンレール内圧と、噴射制御用電磁弁への通電時間と、それらによって決定される燃料噴射量との関係を示す図である。この図に示すように、コモンレール内圧が高いほど、また噴射制御用電磁弁への通電時間が長いほど燃料噴射量は多く得られることになる。
また、上記コントローラ12は、エンジン回転数やエンジン負荷等の各種エンジン情報が入力され、これらの信号より判断される最適の燃料噴射時期及び燃料噴射量が得られるように上記噴射制御用電磁弁に制御信号を出力する。同時に、コントローラ12はエンジン回転数やエンジン負荷に応じて燃料噴射圧力が最適値となるように高圧ポンプ8に対して制御信号を出力する。更に、コモンレール2にはコモンレール内圧を検出するための圧力センサ(コモンレール圧力検知手段)13が取り付けられており、この圧力センサ13の信号がエンジン回転数やエンジン負荷に応じて予め設定された最適値となるように高圧ポンプ8からコモンレール2に吐出される燃料吐出量が制御される。
各インジェクタ1への燃料供給動作は、コモンレール2から燃料流路の一部を構成する分岐管3を通じて行われる。つまり、燃料タンク4からフィルタ5を経て低圧ポンプ6によって取り出されて所定の吸入圧力に加圧された燃料は、燃料管7を通じて高圧ポンプ8に送られる。そして、この高圧ポンプ8に供給された燃料は所定圧力に昇圧された状態でコモンレール2に貯留され、コモンレール2から各インジェクタ1,1,…に供給される。インジェクタ1は、エンジンの型式(気筒数、本形態では6気筒)に応じて複数個設けられており、コントローラ12の制御によって、コモンレール2から供給された燃料を最適な噴射時期に最適な燃料噴射量でもって、対応する燃焼室内に噴射する。インジェクタ1から噴射される燃料の噴射圧はコモンレール2に貯留されている燃料の圧力に略等しいので、燃料噴射圧を制御するにはコモンレール2内の圧力を制御することになる。
また、分岐管3からインジェクタ1に供給された燃料のうち燃焼室への噴射に費やされなかった燃料やコモンレール内圧が過上昇した場合の余剰燃料は、戻し管11を通じて燃料タンク4に戻される。
電子制御ユニットである上記コントローラ12には、気筒番号及びクランク角度の情報が入力されている。このコントローラ12は、エンジン出力が運転状態に即した最適出力になるようにエンジン運転状態に基づいて予め定められた目標燃料噴射条件(例えば,目標燃料噴射時期、目標燃料噴射量、目標コモンレール内圧)を関数として記憶しており、各種センサが検出した現在のエンジン運転状態を表す信号に対応して目標燃料噴射条件(即ち、インジェクタ1による燃料噴射タイミング及び噴射量)を演算により求めて、その条件で燃料噴射が行われるようにインジェクタ1の作動とコモンレール内燃料圧力とを制御している。
図2は燃料噴射量を決定するためのコントローラ12の制御ブロックである。この図2に示すように、燃料噴射量の算出は、ユーザが操作するレギュレータの開度信号を指令回転数算出手段12Aが受け、この指令回転数算出手段12Aがレギュレータの開度に応じた「指令回転数」を算出する。そして、エンジン回転数がこの指令回転数となるように噴射量演算手段12Bが燃料噴射量を演算する。エンジン(内燃機関)Eのインジェクタ1では、この演算により求められた燃料噴射量で燃料噴射動作が行われ、この状態で回転数算出手段12Cが実際のエンジン回転数を算出し、この実際のエンジン回転数と上記指令回転数とを比較して、この実際のエンジン回転数が指令回転数に近付くように燃料噴射量を補正(フィードバック制御)するようになっている。
−故障判別−
本形態の特徴とするところは、エンジンEの始動が良好に行えない場合の故障発生箇所が、上記圧力センサ13にあるのか、それ以外の例えば高圧ポンプ8にあるのかを判別可能としている点にある。以下、この故障判別のための構成及び判別動作について説明する。
(故障判別のための構成)
図1に示すように、コントローラ12は、故障判別のための手段として、始動判定手段12D、初期加圧実行手段12E、燃料噴射開始手段12F、故障判別手段12Gを備えている。以下、各手段について説明する。
先ず、始動判定手段12Dは、エンジンEの始動時のクランキング動作において、圧力センサ13からの圧力検知信号を受け、この圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力未満である」ことを示している状態が所定の始動判定時間継続したか否かを判定する。この始動判定時間は例えば10sec(この値に限るものではない)として予め設定されている。そして、この圧力検知信号が「燃料噴射可能圧力未満である」ことを示している状態が上記始動判定時間継続したと判定した場合には、故障判定実行条件が成立したと判断して、その条件信号を初期加圧実行手段12Eに出力する。また、この始動判定手段12Dは、エンジンEの始動時のクランキング動作において、圧力センサ13からの圧力検知信号を受け、この圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力以上である」ことを示している状態が上記始動判定時間継続しているにも拘わらずエンジンEが始動しない状況であるか否かを判定する。この始動判定時間も例えば10sec(この値に限るものではない)として予め設定されている。そして、この圧力検知信号が「燃料噴射可能圧力以上である」ことを示している状態が上記始動判定時間継続しているにも拘わらずエンジンEが始動しないと判定した場合にも、故障判定実行条件が成立したと判断して、その条件信号を初期加圧実行手段12Eに出力する。
初期加圧実行手段12Eは、上記始動判定手段12Dから条件信号を受信すると、インジェクタ1,1,…からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を所定の初期加圧実行時間だけ実行する。この初期加圧実行時間例えば15sec(この値に限るものではない)として予め設定されている。この初期加圧実行時間は、エンジンEの積算運転時間に伴って異なる値として設定される。図4は、このエンジンEの積算運転時間と、初期加圧実行時間を決定するための噴射可能レール圧力昇圧時間(コモンレール内圧が燃料噴射可能圧力に達するまでに要する時間)との関係を示している。この図から判るように、エンジンEの積算運転時間が長くなると、コモンレール内圧が燃料噴射可能圧力に達するまでに要する時間が長くなっていく。このため、上記初期加圧実行時間もエンジンEの積算運転時間に伴って長く設定していく。具体的には、この図4によって求まる値よりも大きな値(初期加圧実行時間を長めに設定する値)に設定される。また、この初期加圧実行手段12Eは、燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を開始すると同時に燃料噴射開始手段12Fに対して判別動作開始信号を送信する。
燃料噴射開始手段12Fは、上記燃料噴射開始手段12Fから判別動作開始信号を受信した後、上記初期加圧実行時間の経過後に、クランキング動作を維持したままインジェクタ1からの燃料噴射を開始する。また、この燃料噴射開始手段12Fは、インジェクタ1からの燃料噴射を開始すると同時に故障判別手段12Gに対して燃料噴射開始信号を送信する。
故障判別手段12Gは、上記燃料噴射開始手段12Fから燃料噴射開始信号を受信すると共に、エンジン回転数センサからのエンジン回転数信号を受信する。そして、上記燃料噴射の開始後、エンジン回転数が上昇してエンジンが始動したことを認識した場合には、圧力センサ13が故障していると判別し、その故障判別信号を船舶の操作室にある図示しない操作パネルに送信して、その旨を操作パネル上に表示させる。
また、この故障判別手段12Gは、上記動作によってもエンジン回転数が上昇せず、エンジンが始動しない場合には、高圧ポンプ8が故障していると判別し、その故障判別信号を上記操作パネルに送信して、その旨を操作パネル上に表示させる。
(故障判別動作)
次に、故障判別動作について説明する。この故障判別動作としては、圧力センサ13からの圧力検知信号が常時低い値として出力されている場合と、この圧力検知信号が常時高い値として出力されている場合とにおいてそれぞれ実行される。先ず、圧力センサ13からの圧力検知信号が常時低い値として出力されている場合の故障判別動作について説明する。
圧力センサ13からの圧力検知信号が常時低い値として出力される場合、つまり、圧力センサ13が故障している可能性がある場合に、エンジン始動時のクランキング動作を行い、この際、圧力センサ13からの圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力未満である」ことを示している状態が上記始動判定時間継続すると(上記始動判定手段12Dの判定動作)、以下の判定動作に移る。つまり、インジェクタ1,1,…からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を上記初期加圧実行時間だけ実行(上記初期加圧実行手段12Eの動作)した後、つまり、燃料供給系が正常に作動している場合にコモンレール内圧が十分に上昇する間だけ待った後、インジェクタ1からの燃料噴射を開始する(上記燃料噴射開始手段12Fの動作)。そして、このインジェクタ1からの燃料噴射の開始によってエンジンEが正常に始動した場合には、コモンレール内圧が誤認識されていた、つまり、圧力センサ13が故障していると判別する(上記故障判別手段12Gの判別動作)。
図5は、圧力センサ13が故障して圧力検知信号が常時低い値として出力される場合における「圧力検知信号」及び「実際のコモンレール内圧(実レール圧力)」の変化状態を示している。この図に示すように、圧力センサ13が故障していることが原因で、「実レール圧力」が正常に上昇しているにも拘わらず「圧力検知信号」は低い値が維持されている。このため、本故障判定動作では、インジェクタ1,1,…からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を上記初期加圧実行時間だけ実行し、その後、例えば「実レール圧力」が図中のタイミングIの時点でインジェクタ1からの燃料噴射を開始している。図5に示す状況(圧力センサ13が故障して圧力検知信号が常時低い値として出力されている状況)では、エンジンEが正常に始動することになる(コモンレール内圧が燃料噴射可能領域に達しているため正常に始動する)ため、これによって圧力センサ13が故障していると判別することができる。
このように、本故障判別動作では、燃料供給系が正常に作動している状況で且つ圧力センサ13が故障している際に生じる現象を捉えることが可能な上記判定動作を実行することにより、圧力センサ13の故障と、その他の部分の故障等とを正確に判別することができる。
次に、圧力センサ13からの圧力検知信号が常時高い値として出力されている場合の故障判別動作について説明する。圧力センサ13からの圧力検知信号が常時高い値として出力される場合、つまり、圧力センサ13が故障している可能性がある場合に、エンジン始動時のクランキング動作を行い(このとき、上記圧力検知信号が高い値であるため、インジェクタ1からの燃料噴射は実行されることになる)、この際、圧力センサ13からの圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力以上である」ことを示している状態が上記始動判定時間継続しているにも拘わらずエンジンEが始動しない場合には(上記始動判定手段12Dの判定動作)、以下の判定動作に移る。つまり、インジェクタ1,1,…からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を上記初期加圧実行時間だけ実行(上記初期加圧実行手段12Eの動作)した後、つまり、燃料供給系が正常に作動している場合にコモンレール内圧が十分に上昇する間だけ待った後、インジェクタ1からの燃料噴射を開始する(上記燃料噴射開始手段12Fの動作)。そして、このインジェクタ1からの燃料噴射の開始によってエンジンEが正常に始動した場合には、コモンレール内圧が誤認識されていた、つまり、圧力センサ13が故障していると判別する(上記故障判別手段12Gの判別動作)。
図6は、圧力センサ13が故障して圧力検知信号が常時高い値として出力される場合における「圧力検知信号」及び「実際のコモンレール内圧(実レール圧力)」の変化状態を示している。この図に示すように、圧力センサ13が故障していることが原因で、コモンレール内圧が十分に上昇していないにも拘わらずインジェクタ1,1,…からの燃料噴射が行われてしまってコモンレール内圧が上昇されない状況が継続してしまうことになる。このため、本故障判定動作では、インジェクタ1,1,…からの燃料噴射を強制的に禁止した状態でのクランキング動作を上記初期加圧実行時間だけ実行し、燃料供給系が正常に作動しておればコモンレール内圧が十分に上昇する間だけ待った後にインジェクタ1からの燃料噴射を開始することで圧力センサ13の故障の有無を判定している。
このように、本判定動作にあっても、燃料供給系が正常に作動している状況で且つコモンレール圧力検知手段が故障している際に生じる現象を捉えることが可能な上記判定動作を実行することにより、圧力センサ13の故障と、その他の部分の故障等とを正確に判別することができる。
(変形例)
上記圧力センサ13からの圧力検知信号が常時高い値として出力されている場合の故障判別動作の変形例として以下に述べる動作を行うようにしてもよい。
エンジン始動時のクランキング動作において、圧力センサ13からの圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力以上である」ことを示している状態が所定の始動判定時間継続しているにも拘わらずエンジンEが始動しない場合に圧力センサ13が故障していると判別するものである。つまり、上記圧力検知信号のとおりにコモンレール内圧が燃料噴射可能圧力以上であった場合には、エンジン始動時のクランキング動作の開始に伴ってインジェクタ1,1,…からの燃料噴射が開始され、直ちにエンジンEが始動するはずである。しかし、このような現象が現れないということは、実際には、コモンレール2の内圧が燃料噴射可能圧力に達していないにも拘わらず上記圧力検知信号の出力に従って燃料噴射が行われてしまい、コモンレール2の内圧が上昇しない状況となっていると推測できる。つまり、コモンレール内圧が誤認識されていたことに起因する現象であると認定できる。その結果、圧力センサ13が故障していると判別することができる。このように、本例にあっても、燃料供給系が正常に作動している状況で且つ圧力センサ13が故障している際に生じる現象を捉えることにより、圧力センサ13の故障と、その他の部分の故障等とを正確に判別することができる。
−その他の実施形態−
上述した実施形態及び変形例では、6気筒舶用ディーゼルエンジンに本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、4気筒舶用ディーゼルエンジン等、種々の形式のエンジンに対して適用可能である。また、舶用エンジンに限らず、車両用など他の用途に使用されるエンジンへの適用も可能である。
また、一般にエンジンEの始動動作は、第1回目のクランキング動作で始動しない場合に、複数回のクランキング動作が繰り返されることになるが、上述した故障判別動作は、第2回目以降のクランキング動作が行われた後であることが好ましい。その理由は、圧力センサ13の故障以外が原因で第1回目のクランキング動作で始動できなかった場合、第2回目のクランキング動作では、良好に始動できる可能性があるため、第1回目のクランキング動作で始動できなかったからといって直ちに故障判定動作に移行することは好ましくないからである。つまり、複数回のクランキング動作を行ってもエンジンEが始動しなかった場合に上記判定動作を実行することで、圧力センサ13の故障判定の信頼性を確保することができるようにしている。例えば、3回のクランキング動作を行ってもエンジンEが始動しなかった場合に上記判定動作を実行する。
更に、エンジン始動時のクランキング動作において、圧力センサ13からの圧力検知信号を認識する動作を、「始動判定時間が継続したとき」に代えて、「エンジンEの積算回転数が所定の検知信号判定回転数に達したとき」に実行するようにしてもよい。この検知信号判定回転数は任意の値に設定可能であるが、例えば数回のクランキング動作が行われた後の積算回転数(例えば500回転程度)として設定される。
加えて、インジェクタ1からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を実行した後にインジェクタ1からの燃料噴射を開始する条件を、「初期加圧実行時間が経過したとき」に代えて、「内燃機関の積算回転数が所定の初期加圧実行回転数に達したとき」とするようにしてもよい。この初期加圧実行回転数は任意の値に設定可能であるが、例えばコモンレール内圧が30MPa(燃料噴射可能圧力の最低値よりも十分に高い圧力)に達するまでの回転数(例えば1000回転程度)として設定される。
実施形態に係る蓄圧式燃料噴射装置を示す図である。 燃料噴射量を決定するための制御ブロック図である。 コモンレール内圧が燃料噴射可能圧力以上にあるときのコモンレール内圧、噴射制御用電磁弁への通電時間、それらによって決定される燃料噴射量の関係を示す図である。 エンジンの積算運転時間と噴射可能レール圧力昇圧時間との関係を示す図である。 圧力センサが故障して圧力検知信号が常時低い値として出力される場合における「圧力検知信号」及び「実際のコモンレール内圧」の変化状態を示す図である。 圧力センサが故障して圧力検知信号が常時高い値として出力される場合における「圧力検知信号」及び「実際のコモンレール内圧」の変化状態を示す図である。 従来の蓄圧式燃料噴射装置を備えた多気筒ディーゼルエンジンの燃料供給系の全体構成の概略を示す図である。
符号の説明
1 インジェクタ(燃料噴射弁)
2 コモンレール
8 高圧ポンプ(燃料圧送手段)
13 圧力センサ(コモンレール圧力検知手段)
E エンジン(内燃機関)

Claims (7)

  1. 燃料を圧送する燃料圧送手段と、この燃料圧送手段から圧送された燃料を貯留するコモンレールと、このコモンレールの内圧を検知して圧力検知信号を出力するコモンレール圧力検知手段と、コモンレールから燃料が供給されると共にコモンレールの内圧が所定の燃料噴射可能圧力以上であるときに内燃機関の燃焼室に向けての燃料噴射が可能となる燃料噴射弁とを備えた蓄圧式燃料噴射装置における故障判別方法であって、
    内燃機関始動時のクランキング動作において、上記コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力未満である」ことを示している状態が所定の始動判定時間継続したとき、燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を所定の初期加圧実行時間だけ実行した後に燃料噴射弁からの燃料噴射を開始し、その後に内燃機関が始動した場合にコモンレール圧力検知手段が故障していると判別することを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法。
  2. 燃料を圧送する燃料圧送手段と、この燃料圧送手段から圧送された燃料を貯留するコモンレールと、このコモンレールの内圧を検知して圧力検知信号を出力するコモンレール圧力検知手段と、コモンレールから燃料が供給されると共にコモンレールの内圧が所定の燃料噴射可能圧力以上であるときに内燃機関の燃焼室に向けての燃料噴射が可能となる燃料噴射弁とを備えた蓄圧式燃料噴射装置における故障判別方法であって、
    内燃機関始動時のクランキング動作において、上記コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力以上である」ことを示している状態が所定の始動判定時間継続しているにも拘わらず内燃機関が始動しないとき、燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を所定の初期加圧実行時間だけ実行した後に燃料噴射弁からの燃料噴射を開始し、その後に内燃機関が始動した場合にコモンレール圧力検知手段が故障していると判別することを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法。
  3. 燃料を圧送する燃料圧送手段と、この燃料圧送手段から圧送された燃料を貯留するコモンレールと、このコモンレールの内圧を検知して圧力検知信号を出力するコモンレール圧力検知手段と、コモンレールから燃料が供給されると共にコモンレールの内圧が所定の燃料噴射可能圧力以上であるときに内燃機関の燃焼室に向けての燃料噴射が可能となる燃料噴射弁とを備えた蓄圧式燃料噴射装置における故障判別方法であって、
    内燃機関始動時のクランキング動作において、上記コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号が「上記燃料噴射可能圧力以上である」ことを示している状態が所定の始動判定時間継続しているにも拘わらず内燃機関が始動しない場合にコモンレール圧力検知手段が故障していると判別することを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法。
  4. 上記請求項1または2記載の蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法において、
    上記初期加圧実行時間の経過後に燃料噴射弁からの燃料噴射を開始した後、内燃機関が始動しない場合に、燃料圧送手段が故障もしくは燃料配管が損傷していると判別することを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法。
  5. 上記請求項1、2または4記載の蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法において、
    内燃機関始動時のクランキング動作は複数回のリトライがなされるようになっており、
    内燃機関始動時のクランキング動作において、コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号を認識する動作を、複数回のクランキング動作がリトライされた後に実行することを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法。
  6. 上記請求項1、2、4または5記載の蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法において、
    内燃機関始動時のクランキング動作において、コモンレール圧力検知手段からの圧力検知信号を認識する動作を、「始動判定時間が継続したとき」に代えて、「内燃機関の積算回転数が所定の検知信号判定回転数に達したとき」に実行することを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法。
  7. 上記請求項1、2、4、5または6記載の蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法において、
    燃料噴射弁からの燃料噴射を禁止した状態でのクランキング動作を実行した後に燃料噴射弁からの燃料噴射を開始する条件を、「初期加圧実行時間が経過したとき」に代えて、「内燃機関の積算回転数が所定の初期加圧実行回転数に達したとき」とすることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法。
JP2004204355A 2004-07-12 2004-07-12 蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法及び蓄圧式燃料噴射装置の故障判別装置 Expired - Fee Related JP4315869B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004204355A JP4315869B2 (ja) 2004-07-12 2004-07-12 蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法及び蓄圧式燃料噴射装置の故障判別装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004204355A JP4315869B2 (ja) 2004-07-12 2004-07-12 蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法及び蓄圧式燃料噴射装置の故障判別装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006029097A true JP2006029097A (ja) 2006-02-02
JP4315869B2 JP4315869B2 (ja) 2009-08-19

Family

ID=35895778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004204355A Expired - Fee Related JP4315869B2 (ja) 2004-07-12 2004-07-12 蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法及び蓄圧式燃料噴射装置の故障判別装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4315869B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007142012A1 (ja) * 2006-06-06 2007-12-13 Hitachi Construction Machinery Co., Ltd 電気駆動ダンプトラックの駆動システム
US7596447B2 (en) 2007-05-21 2009-09-29 Mitsubishi Electric Corporation Control apparatus for internal-combustion engine
JP2012087652A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Denso Corp 筒内噴射式内燃機関のフェールセーフ制御装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105257417B (zh) * 2015-10-12 2017-11-28 中国第一汽车股份有限公司无锡油泵油嘴研究所 共轨系统中轨压传感器的故障检测方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007142012A1 (ja) * 2006-06-06 2007-12-13 Hitachi Construction Machinery Co., Ltd 電気駆動ダンプトラックの駆動システム
US7596447B2 (en) 2007-05-21 2009-09-29 Mitsubishi Electric Corporation Control apparatus for internal-combustion engine
JP2012087652A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Denso Corp 筒内噴射式内燃機関のフェールセーフ制御装置
US8881707B2 (en) 2010-10-18 2014-11-11 Denso Corporation Fail-safe controller for direct injection engine

Also Published As

Publication number Publication date
JP4315869B2 (ja) 2009-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5387538B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関のフェールセーフ制御装置
JP4355346B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US9279404B2 (en) Fuel supply device and fuel supply control method for internal combustion engine
JP2005337031A (ja) 筒内燃料噴射式内燃機関の高圧燃料系異常診断装置
US8904985B2 (en) Method for starting an internal combustion engine with start-stop function
JP4045594B2 (ja) 蓄圧式燃料噴射装置
EP1441120A2 (en) Pressure accumulation type fuel injection system
JP2006329033A (ja) 蓄圧式燃料噴射装置
JP2000303887A (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
JP2004308464A (ja) 内燃機関用燃料噴射装置の故障診断装置
JP2003074397A (ja) 蓄圧式燃料噴射装置
JP2005139975A (ja) コモンレール式燃料噴射装置
JP2008106719A (ja) 内燃機関制御装置
JP4315869B2 (ja) 蓄圧式燃料噴射装置の故障判別方法及び蓄圧式燃料噴射装置の故障判別装置
JP3941667B2 (ja) 蓄圧式燃料噴射装置
KR102015234B1 (ko) 연료 분사 시스템을 제어하는 제어 방법 및 연료 분사 시스템
JP2011111905A (ja) 圧力センサの異常診断装置及び蓄圧式燃料噴射装置
JP5141706B2 (ja) 燃料圧力制御装置
JP2003041998A (ja) 内燃機関の燃料系診断兼制御装置
JP2003155948A (ja) コモンレール式燃料噴射システム
JP2006029096A (ja) 蓄圧式燃料噴射装置
JP2011102565A (ja) 異常部位診断装置
JP4509191B2 (ja) 筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置
JP2011064108A (ja) 燃料噴射装置
JP2006029098A (ja) 蓄圧式燃料噴射装置の異常判定方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060627

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061005

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090507

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090519

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130529

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130529

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140529

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees