JP2006028266A - 木質材料からの有機酸生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 木質材料から高効率で且つ低い生産コストで有価物としての有機酸を分解生成して回収するための木質材料からの有機酸生成方法を提供する。
【解決手段】 前処理として木質材料をアルカリ水溶液に浸漬し、その後、前処理した木質材料を浸漬した本処理用の流体を加温・加圧して亜臨界流体として一定時間保持する本処理を行い、その後、冷却する後処理を行うことで有機酸を生成した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、木質材料から有価物としての有機酸を分解生成して回収する方法に関するものである。
従来より、解体現場や木工工場等から排出される廃材は、グレード別に区分されるとともに粉砕によりチップ化されて、パルプとして利用されたり、木質ボードを作製したり、燃料として再利用(サーマルリサイクル)されたり、焼却(縮減)あるいは埋立て等により処分されている。
この廃材のうち木質ボード類等の木質廃材は、マテリアルリサイクルがし難く、その殆どが燃料として再利用されたり(サーマルリサイクル)、焼却(縮減)されて埋立て処分されている。焼却する場合は、ダイオキシンに対応した焼却炉で焼却する必要があるため使用できる焼却炉が限定されており、また、埋立て処分する場合は、埋立て地が減少していて数年先には埋立て地の確保ができない状況にあり、これらの状況から、サーマルリサイクルや縮減ではなくマテリアルリサイクルによる再資源化の必要性が高まってきている。
そこで、木質材料からマテリアルとしての有価物を得る技術が開発されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に示すような従来の分解方法は、高温高圧のアルカリ条件下でセルロース系バイオマスを処理して、燃料、或いは化学物質の原料となる油状物質に液化するものであるが、この従来の分解方法では、分解対象としてのセルロース系バイオマスを前処理しておらず、更に、不活性ガスを封入して二次熱分解を抑制しているため、有機酸の生成効率が低いものであった。
特公平3−36871号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、木質材料から高効率で且つ低い生産コストで有価物としての有機酸を分解生成して回収するための木質材料からの有機酸生成方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために請求項1に係る発明にあっては、前処理として木質材料をアルカリ水溶液に浸漬し、その後、前処理した木質材料を浸漬した本処理用の流体を加温・加圧して亜臨界流体として一定時間保持する本処理を行い、その後、冷却する後処理を行うことで有機酸を生成することを特徴とするものである。このような構成とすることで、前処理を行わない従来の分解方法と比較して、木質材料1質量部当りの酢酸、ギ酸、乳酸、グリコール酸等の有機酸の生成効率を向上させることができ、また、前処理を行わない従来の分解方法の場合と同量の有機酸を生成するのに本処理の処理時間が短くてすむため、本処理用の流体を亜臨界状態とする高コストの本処理の処理時間を抑えて生産コストの低減を図ることができる。
また、請求項2の発明は、前処理として木質材料をアルカリ水溶液に浸漬し、その後、本処理用の流体にアルカリを添加してアルカリ条件下とするとともに前処理した木質材料を浸漬して前記本処理用の流体を加温・加圧して亜臨界流体として一定時間保持する本処理を行い、その後、冷却する後処理を行うことで有機酸を生成することを特徴とするものである。このような構成とすることで、前処理を行わない従来の分解方法と比較して、木質材料1質量部当りの酢酸、ギ酸、乳酸、グリコール酸等の有機酸の生成効率をより一層向上させることができ、また、前処理を行わない従来の分解方法の場合と同量の有機酸を生成するのに本処理の処理時間が短くてすむため、本処理用の流体を亜臨界状態とする高コストの本処理の処理時間を抑えて生産コストの低減を図ることができる。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、木質材料として粒径50mm以下に粉砕したものを用いることを特徴とするものである。このような構成とすることで、木質材料の分解を容易にすることができる。
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、木質材料として粒径5mm以下に粉砕したものを用いることを特徴とするものである。このような構成とすることで、木質材料の分解をより一層容易にすることができる。
また、請求項5の発明は、請求項1又は2の発明において、本処理用の流体および木質材料のみを本処理で180℃〜315℃の温度で亜臨界状態とすることを特徴とするものである。このような構成とすることで、本処理の制御がし易いと共に、不活性ガス等のガスを封入しないため生産工程の簡略化および生産コストの低減を図ることが可能となる。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明において、本処理における亜臨界流体の温度を180℃〜220℃とすることを特徴とするものである。このような構成とすることで、木質材料の過分解を抑えることができる。
また、請求項7の発明は、請求項5の発明において、本処理における亜臨界流体の温度を220℃〜315℃とすることを特徴とするものである。このような構成とすることで、有機酸の生成効率を温度を220℃以下とした場合よりも向上させることができる。
また、請求項8の発明は、請求項1又は2の発明において、木質材料と共存させるアルカリがアルカリ金属の水酸化物であることを特徴とするものである。このような構成とすることで、容易に入手可能なアルカリ金属を用いてアルカリ水溶液を生成することができる。
また、請求項9の発明は、請求項8の発明において、アルカリ金属がKHOであることを特徴とするものである。このような構成とすることで、容易に入手可能なアルカリ金属を用いてアルカリ水溶液を生成することができる。
また、請求項10の発明は、請求項8の発明において、アルカリ金属がCaCOであることを特徴とするものである。このような構成とすることで、容易に入手可能なアルカリ金属を用いてアルカリ水溶液を生成することができる。
本発明にあっては、前処理を行わない従来の分解方法と比較して、木質材料1質量部当りの酢酸、ギ酸、乳酸、グリコール酸等の有機酸の生成効率を向上させることができ、また、前処理を行わない従来の分解方法の場合と同量の有機酸を生成するのに本処理の処理時間が短くてすむため、本処理用の流体を亜臨界状態とする高コストの本処理の処理時間を抑えて生産コストの低減を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、木質材料から有価物として有機酸を分解生成して回収するものである。
分解対象としての木質材料は、主に工場廃材や建築廃材等の廃材で、純木材や熱硬化性樹脂で接着してなる木質ボード類である。木質材料は、その粒径(細片の最大長さ)が50mm以下となるまで破砕するのであるが、より小さい方が容易に分解されるため5mm以下にまで破砕するのが好ましい。
そして本発明においては、亜臨界流体にて木質材料を分解する本処理に先立って、木質材料が分解し易くなるように前処理を行うものである。前処理は、木質材料を上述したように所定の粒径とした後、アルカリ水溶液に浸漬することで結束繊維をある程度単繊維に解繊するものである。アルカリとしてはアルカリ金属の水酸化物を用いるもので、KOHやCaCO等が挙げられるが特にこれらに限定されないものである。これにより、容易に入手可能なアルカリ金属を用いてアルカリ水溶液を生成することができる。
次に、前処理を行った木質材料を本処理用の流体(以下単に流体という)に浸漬する。このとき、木質材料と流体の比率は特に限定されないが、本実施形態のように流体として水を用いる場合は木質材料1質量部に対して水の添加量を1〜20質量部の範囲に設定するのが好ましい。そして、木質材料を浸漬した流体をの温度および圧力を上昇させて流体の臨界点(水の場合は臨界温度374.4℃、臨界圧力22.1MPa)よりも温度および圧力が小さい亜臨界状態として一定時間保持することで本処理を行うものである。ここで、流体が水の場合における本処理の処理条件について説明する。
まず処理温度についてであるが、亜臨界水(または超臨界水)による木質材料の分解は、木質材料の主な構成要素である繊維状セルロースをグルコースに分解する加水分解反応と、グルコースを更に分解して二酸化炭素やその他の物質を生成する熱分解反応とからなる。前記の分解反応は、約400℃の条件下では主に加水分解反応が起こり、約350℃の条件下では加水分解反応が起こりにくく相対的に熱分解反応が多く起こる。従って、木質材料のセルロースをグルコースに高効率で分解するには約400℃で処理する方が好ましいのであるが、350℃を超える温度では1/10〜1/100秒単位で反応を制御する必要が生じるとともに、過分解されて有機酸の回収ができなくなる惧れがあるため、実用上350℃以下の温度で処理するのが好ましいものである。
また、処理温度を180℃未満とすると、分解反応に多大な時間を要するため生産効率および生産コストの点から好ましくなく、結局処理温度は実用上180℃〜315℃が好ましい範囲となる。なお、処理温度が220℃を超えると、セルロースが過分解してしまうため、220℃以下とすることでセルロースの過分解を抑えることができる。
またこの時、この本処理用の流体(水)にアルカリを添加してアルカリ水溶液としておくことで、350℃以下の温度条件下でも木質材料の加水分解反応が促進されて分解反応時間(本処理の処理時間)を短縮することができる。アルカリの添加量は特に限定されるものではないが、木質材料1質量部に対して0.1〜10質量部の範囲が好ましい。
次に、本処理の処理時間であるが、処理時間が短い方が生産コストが低減されて好ましいが、処理温度などの条件によって異なるものであり、実際上は5〜120分程度が好ましいものである。
また、本処理の処理圧力は、特に限定されるものではないが、1〜20MPa程度の範囲に設定するのが好ましいものである。
上述したような本処理を行った後、木質材料を浸漬した流体を冷却して常温、常圧とする後処理を行うことで、一連の分解処理が終了し、これにより、木質材料を分解して得られた有機酸を回収し、これを生分解性プラスチック製造などの工業原料として再利用することができるものである。
本発明におけるように、木質材料をアルカリ水溶液に浸漬して前処理を行っておくことで、前処理を行わない従来の分解方法と比較して、木質材料1質量部当りの酢酸、ギ酸、乳酸、グリコール酸等の有機酸の生成効率(本処理の単位処理時間当りの生成効率および総生成量)を向上させることができ、また、前処理を行わない従来の分解方法の場合と同量の有機酸を回収するのに本処理の処理時間が短くてすむため、流体を亜臨界状態とする高コストの本処理の処理時間を抑えて生産コストの低減を図ることができる。
また、前処理において木質材料を浸漬したアルカリ水溶液をそのまま本処理に用いてもよく、この場合は使用するアルカリ水溶液が少なくてすむ。
また、前処理においてアルカリ水溶液に浸漬した木質材料を本処理用の流体に浸漬する場合、本処理の流体に新たにアルカリを添加しなくても前処理した木質材料に残存するアルカリによって本処理の流体をアルカリとすることができる。
また、従来の分解方法のように本処理を行うにあたり不活性ガス等のガスを封入しないため、生産工程の簡略化および、生産コストの低減を図ることが可能となる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
木質材料としてパーティクルボード(JIS A 5908で規定された市販品で、Mタイプのもの)を平均粒径3mmに粉砕し、この木質材料をKOH1モルのアルカリ水溶液に10時間以上浸漬することで前処理を行った。
次に、木質材料1質量部に対してKOH1モルのアルカリ水溶液8質量部を反応管に充填して不活性ガス等のガスを何ら加えることなく密閉するとともに、反応管を210℃の恒温槽に浸漬して急激に加熱し、反応管内部を亜臨界状態にして反応管内に設けた攪拌手段によってゆっくり攪拌しながら30分間保持することで、分解反応を起こす本処理を行った。
その後、反応管を恒温槽から取出して冷却槽に浸漬して急冷させて常温まで戻す後処理を行った。
これにより得られた反応管の内容物は、有機酸を含んだ水可溶性成分と、未分解物(固形残渣)とからなり、その内の未分解物を濾過・除去することで、有機酸を含む水可溶性成分が得られた。
得られた有機酸の生成率は、表1に示すように、木質材料1質量部当り、酢酸:3.0%、ギ酸:1.5%、乳酸:3.5%、グリコール酸:1.2%で、前記有機酸の生成率の合計:9.2%であった。また、この時得られた固形残渣は繊維状のセルロースであり、実施例1〜実施例4でも同様であった。更に、水で洗浄して乾燥させた固形残渣から木質材料1質量部当りの分解率を算出したところ(実施例1〜実施例4でも同様)、58.3%であった。
(実施例2)
反応管を280℃の恒温槽に浸漬する点以外は実施例1と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:7.3%、ギ酸:3.7%、乳酸:14.4%、グリコール酸:7.1%、前記有機酸の生成率の合計:32.5%、分解率:79.1%であった。
(実施例3)
KOHの代わりにCaCOを用いる点以外は実施例1と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:2.3%、ギ酸:1.3%、乳酸:0.5%、グリコール酸:1.2%、前記有機酸の生成率の合計:5.3%、分解率:30.0%であった。
(実施例4)
反応管を280℃の恒温槽に浸漬する点および、KOHの代わりにCaCOを用いる点以外は実施例1と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、4.7%、ギ酸:0.1%、乳酸:2.1%、グリコール酸:3.1%、前記有機酸の生成率の合計:10.0%、分解率:67.4%であった。
Figure 2006028266
PB:パーティクルボード
PB**:低圧メラミン化粧パーティクルボード

次に、前処理を施さない比較例について説明する。
(比較例1)
比較例1は、実施例1において前処理を略したものである。すなわち、平均粒径3mmに粉砕した木質材料1質量部に対してKOH1モルのアルカリ水溶液8質量部を反応管に充填して窒素ガス等を加えることなく密閉し、以降は実施例1と同様にして、反応管を恒温槽に浸漬し、30分間攪拌しながら保持した後、急冷して常温まで戻した。
得られた有機酸の生成率は、木質材料1質量部当り、酢酸:2.5%、ギ酸:1.2%、乳酸:3.0%、グリコール酸:1.1%で、前記有機酸の生成率の合計:7.8%であった。また、この時得られた固形残渣は繊維状のセルロースであり、比較例2〜比較例4でも同様であった。更に、水で洗浄して乾燥させた固形残渣から木質材料1質量部当りの分解率を算出したところ(比較例2〜比較例4でも同様とする)、53.1%であった。
(比較例2)
反応管を280℃の恒温槽に浸漬する点以外は比較例1と同様の条件で実施した。すなわち、前処理を行わない点以外は実施例2と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、木質材料1質量部当り、酢酸:6.9%、ギ酸:3.0%、乳酸:12.1%、グリコール酸:6.5%、前記有機酸の生成率の合計:28.5%、分解率:71.0%であった。
(比較例3)
KOHの代わりにCaCOを用いる点以外は比較例1と同様の条件で実施した。すなわち、前処理を行わない点以外は実施例3と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、木質材料1質量部当り、酢酸:2.2%、ギ酸:1.0%、乳酸:0.3%、グリコール酸:1.0%、前記有機酸の生成率の合計:4.5%、分解率:29.6%であった。
(比較例4)
反応管を280℃の恒温槽に浸漬する点および、KOHの代わりにCaCOを用いる点以外は比較例2と同様の条件で実施した。すなわち、前処理を行わない点以外は実施例4と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、木質材料1質量部当り、酢酸:4.6%、ギ酸:0.1%、乳酸:1.7%、グリコール酸:2.9%、前記有機酸の生成率の合計:9.3%、分解率:58.0%であった。
(比較例5)
木質材料の平均粒径を20mmとする点以外は比較例1と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:1.5%、ギ酸:0.8%、乳酸:2.2%、グリコール酸:0.7%、前記有機酸の生成率の合計:5.2%、分解率:45.3%であった。
(比較例6)
木質材料の平均粒径を60mmとする点以外は比較例1と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:0.9%、ギ酸:0.5%、乳酸:1.7%、グリコール酸:0.3%、前記有機酸の生成率の合計:3.4%、分解率:35.9%であった。
(比較例7)
木質材料として低圧メラミン化粧パーティクルボード(エガー社製)を用いた点以外は比較例1と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:2.2%、ギ酸:1.0%、乳酸:2.6%、グリコール酸:0.8%、前記有機酸の生成率の合計:6.6%、分解率:54.5%であった。
(比較例8)
比較例8は、比較例1においてアルカリ水溶液の代わりに水のみを用いたものである。すなわち、木質材料1質量部に対して水8質量部を反応管に充填して窒素ガス等を加えることなく密閉し、以降は比較例1と同様にして、反応管を恒温槽に浸漬し、30分間攪拌しながら保持した後、急冷して常温まで戻した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:1.5%、ギ酸:0.6%、乳酸:0.2%、グリコール酸:1.0%、前記有機酸の生成率の合計:3.3%、分解率:29.6%であった。
(比較例9)
比較例9は、比較例2においてアルカリ水溶液の代わりに水のみを用いたものである。すなわち、木質材料1質量部に対して水8質量部を反応管に充填して窒素ガス等を加えることなく密閉し、以降は比較例1と同様にして、反応管を恒温槽に浸漬し、30分間攪拌しながら保持した後、急冷して常温まで戻した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:4.6%、ギ酸:0.1%、乳酸:1.0%、グリコール酸:2.5%、前記有機酸の生成率の合計:8.2%、分解率:41.9%であった。
また参考例として、分解対象として樹脂単体を用いた場合を以下に挙げる。
(参考例1)
分解対象を木質材料の代わりに尿素樹脂(株式会社サンベーク製)とした点以外は比較例1と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:0.1%ギ酸:0.71%、乳酸:0.18%、グリコール酸:0.09%、前記有機酸の生成率の合計:1.08%、分解率:88.4%であった。
(参考例2)
反応管を280℃の恒温槽に浸漬する点以外は参考例1と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:0.15%、ギ酸:0.92%、乳酸:0.21%、グリコール酸:0.17%、前記有機酸の生成率の合計:1.45%、分解率:89.1%であった。
(参考例3)
分解対象をメラミン樹脂(株式会社サンベーク製)とした点以外は参考例1と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:0.11%、ギ酸:0.38%、乳酸:0.29%、グリコール酸:0.20%、前記有機酸の生成率の合計:0.98%、分解率:84.5%であった。
(参考例4)
反応管を280℃の恒温槽に浸漬する点以外は参考例3と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:0.19%、ギ酸:0.53%、乳酸:0.33%、グリコール酸:0.27%、前記有機酸の生成率の合計:1.32%、分解率:86.6%であった。
(参考例5)
分解対象をフェノール樹脂(株式会社サンベーク製)とした点以外は参考例1と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:0.15%、ギ酸:1,02%、乳酸:0.93%、グリコール酸:0.74%、前記有機酸の生成率の合計:2.84%、分解率:20.1%であった。
(参考例6)
反応管を280℃の恒温槽に浸漬する点以外は参考例5と同様の条件で実施した。
この時得られた有機酸の生成率は、酢酸:0.27%、ギ酸:1.53%、乳酸:1.17%、グリコール酸:0.97%、前記有機酸の生成率の合計:3.94%、分解率:21.54%であった。
以上の結果より、実施例1〜実施例4と比較例1〜比較例9とを比較してみる。
実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3、実施例4と比較例4を比較すると、いずれも前処理を行った本発明の実施例1〜実施例4の方が前処理を行っていない比較例1〜比較例9よりも木質材料の分解率および有機酸の生成率が高いことが分かる。
また、実施例1、比較例5、比較例6の比較により、粒径が小さい程、木質材料の分解率および有機酸の生成率が高いことが分かる。
また、実施例1および実施例2と、実施例3および実施例4との比較により、処理温度が210℃よりも280℃の方が木質材料の分解率および有機酸の生成率が高いことが分かる。
また、実施例1および実施例3と、実施例2および実施例4との比較により、添加するアルカリがCaCOよりもKOHの方が木質材料の分解率および有機酸の生成率が高いことが分かる。
また、実施例1と比較例7との比較により、低圧メラミンで化粧されていてもかなりの有機酸が生成されることが分かる。

Claims (10)

  1. 前処理として木質材料をアルカリ水溶液に浸漬し、その後、前処理した木質材料を浸漬した本処理用の流体を加温・加圧して亜臨界流体として一定時間保持する本処理を行い、その後、冷却する後処理を行うことで有機酸を生成することを特徴とする木質材料からの有機酸生成方法。
  2. 前処理として木質材料をアルカリ水溶液に浸漬し、その後、本処理用の流体にアルカリを添加してアルカリ条件下とするとともに前処理した木質材料を浸漬して前記本処理用の流体を加温・加圧して亜臨界流体として一定時間保持する本処理を行い、その後、冷却する後処理を行うことで有機酸を生成することを特徴とする木質材料からの有機酸生成方法。
  3. 木質材料として粒径50mm以下に粉砕したものを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の木質材料からの有機酸生成方法。
  4. 木質材料として粒径5mm以下に粉砕したものを用いることを特徴とする請求項3記載の木質材料からの有機酸生成方法。
  5. 本処理用の流体および木質材料のみを本処理で180℃〜315℃の温度で亜臨界状態とすることを特徴とする請求項1又は2記載の木質材料からの有機酸生成方法。
  6. 本処理での処理温度を180℃〜220℃とすることを特徴とする請求項5記載の木質材料からの有機酸生成方法。
  7. 本処理での処理温度を220℃〜315℃とすることを特徴とする請求項5記載の木質材料からの有機酸生成方法。
  8. 木質材料と共存させるアルカリがアルカリ金属の水酸化物であることを特徴とする請求項1又は2記載の木質材料からの有機酸生成方法。
  9. アルカリ金属がKHOであることを特徴とする請求項8記載の木質材料からの有機酸生成方法。
  10. アルカリ金属がCaCOであることを特徴とする請求項8記載の木質材料からの有機酸生成方法。
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