JP2006028248A - 感熱ゲル化性エマルジョン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 主剤樹脂(a)、重合体(b)および界面活性剤(c)とから主としてなり、且つ下記要件(1)〜(3)を満たすことを特徴とする感熱ゲル化性エマルジョン。
(1)主剤樹脂(a)が、ウレタン樹脂(a1)および/またはウレタン−アクリル複合樹脂(a2)である;
(2)重合体(b)が、一般式(I)で示される構造のエチレン性不飽和モノマー(b1)80〜100質量%およびその他のエチレン性不飽和モノマー(b2)0〜20質量%を重合して得られる重合体である;
【化1】
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基から選ばれる基を表し、mは0以上の整数を表し、nは0〜10の整数を表す。ただし、m+nは2以上である。)
(3)重合体(b)中のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位の質量比が1:0.5〜1:5である。
【選択図】 なし
Description
これらの問題を解決するために、本発明者らは感熱ゲル化剤として側鎖にポリオキシエチレン基を有する特定の重合体を用いることを先に提案している(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、この方法においても主剤樹脂の濃度が極端に低い場合の感熱ゲル化性は必ずしも満足できるレベルではなく、その改良が望まれていた。
(1)主剤樹脂(a)が、ウレタン樹脂(a1)および/またはウレタン−アクリル複合樹脂(a2)である;
(2)重合体(b)が、一般式(I)で示される構造のエチレン性不飽和モノマー(b1)80〜100質量%およびその他のエチレン性不飽和モノマー(b2)0〜20質量%を重合して得られる重合体である;
本発明の感熱ゲル化性エマルジョンは、主剤樹脂(a)、重合体(b)および界面活性剤(c)とから主として構成されており、且つ下記要件(1)〜(3)を満たしている。また、本発明の感熱ゲル化性エマルジョンは、無機金属塩(d)をさらに含有していることが好ましい。
(1)主剤樹脂(a)が、ウレタン樹脂(a1)および/またはウレタン−アクリル複合樹脂(a2)である;
(2)重合体(b)が、一般式(I)で示される構造のエチレン性不飽和モノマー(b1)80〜100質量%およびその他のエチレン性不飽和モノマー(b2)0〜20質量%を重合して得られる重合体である;
(3)重合体(b)中のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位の質量比が1:0.5〜1:5である。
なお、感熱ゲル化性エマルジョンのマイグレーションは同一組成であっても該エマルジョンの樹脂濃度が低いほど起こりやすいことから、主剤樹脂(a)の割合が7〜40質量%であることがより好ましく、10〜40質量%であることがさらに好ましい。
また、感熱ゲル化性エマルジョンが、重合体(b)を0.3〜10質量%の割合で含有していることが、感熱ゲル化性およびマイグレーションの防止効果と液安定性を両立するために好ましく、重合体(b)を0.4〜8質量%の割合で含有していることがより好ましく、0.5〜6質量%の割合で含有していることがさらに好ましい。
さらに、感熱ゲル化性エマルジョンが、界面活性剤(c)を0.2〜5質量%の割合で含有していることが感熱ゲル化性およびマイグレーションの防止効果や液安定性が特に良好であるため好ましく、0.25〜4質量%であることがより好ましく、0.3〜3質量%であることがさらに好ましい。
そして、感熱ゲル化性エマルジョン中の無機金属塩(d)の含有量は、2質量%以下であることが液安定性の点から好ましい。感熱ゲル化性およびマイグレーションの防止効果と液安定性を両立するために、感熱ゲル化性エマルジョン中の無機金属塩(d)の含有量が0.1〜1.5質量%であることが特に好ましく、0.2〜1質量%であることがさらに好ましい。
このようなモノマーの例としては、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステルM−20G」「NKエステルM−40G」「NKエステルM−90G」など)、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のエトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(共栄社化学株式会社製「ライトアクリレートEC−A」など)、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のメトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(共栄社化学株式会社製「ライトアクリレートMTG−A」など)、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂株式会社製「ブレンマーPE−90」「ブレンマーPE−200」など)、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のポリエチレングリコールモノアクリレート(日本油脂株式会社製「ブレンマーAE−90」「ブレンマーAE−200」など)、オキシプロピレン単位の繰り返し数が2〜10のポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂株式会社製「ブレンマーPP−1000」「ブレンマーPP−500」など)、オキシプロピレン単位の繰り返し数が2〜10のポリプロピレングリコールモノアクリレート(日本油脂株式会社製「ブレンマーAP−400」「ブレンマーAP−550」など)、オキシプロピレン単位の繰り返し数が10以下且つオキシエチレン単位およびオキシプロピレン単位の繰り返し数の総和が2以上のポリプロピレングリコールーb−ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂株式会社製「ブレンマー70PEP−350B」「ブレンマー10PEP−550B」など)などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
さらに、重合体(b)の分子量を調整するためにオクタンチオール、チオグリセロール、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、α−メチルスチレンダイマーなどの連鎖移動剤を併用しても良い。重合体(b)の数平均分子量は5000〜10万であることが、感熱ゲル化性およびマイグレーションの防止効果が良好で、且つエマルジョンの液粘度への影響が小さいことから好ましい。
重合体(b)が、一般式(I)で示される構造のエチレン性不飽和モノマー(b1)80〜100質量%およびその他のエチレン性不飽和モノマー(b2)0〜20質量%を重合して得られる重合体であることが必要であり、一般式(I)で示される構造のエチレン性不飽和モノマー(b1)85〜100質量%およびその他のエチレン性不飽和モノマー(b2)0〜15質量%を重合して得られる重合体であることが感熱ゲル化性およびマイグレーションの防止効果と液安定性をより両立しやすいことから好ましい。一般式(I)で示される構造のエチレン性不飽和モノマー(b1)が80質量%未満の場合、液安定性が不十分である。
また、重合体(b)中のポリオキシエチレン基の割合が10〜40質量%であることが感熱ゲル化性およびマイグレーションの防止効果と液安定性を両立しやすいことから好ましく、12〜38質量%であることがより好ましく、14〜36質量%であることがさらに好ましい。
また、重合体(b)は、その10%水溶液の曇点が5〜50℃であることが、感熱ゲル化性エマルジョンの感熱ゲル化性およびマイグレーションの防止効果と液安定性を両立しやすいことから好ましく、7〜47℃であることがより好ましく、10〜45℃であることがさらに好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシドなどの油溶性過酸化物;2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビスイソ酪酸ジメチルなどの油溶性アゾ化合物;過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性過酸化物;アゾビスシアノ吉草酸、2,2´−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などの水溶性アゾ化合物などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。また、上記の重合開始剤とともに、還元剤および必要に応じてキレート化剤を併用したレドックス開始剤系を用いてもよい。
なお、ノニオン性界面活性剤(c1)のHLBが12未満の場合には、感熱ゲル化性エマルジョンの液安定性が不十分となる傾向があり、18を超えた場合には、感熱ゲル化性およびマイグレーションの防止効果が低下する傾向がある。
界面活性剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン−ポリシロキサンブロック共重合体などのノニオン性界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム(例えば、日光ケミカルズ株式会社製「ECT−3NEX」など)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;公知の浸透剤および消泡剤などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。なお、ノニオン性界面活性剤のHLB値は、藤本武彦著「全訂版新・界面活性剤入門」(三洋化成工業株式会社刊)の128〜131ページに従って計算することができる他、界面活性剤メーカーのカタログ等にも記載されている。
HLB値が12〜18のノニオン性界面活性剤を例示すると、花王株式会社製「エマルゲン108(HLB=12.1)」「エマルゲン109P(HLB=13.6)」「エマルゲン120(HLB=15.3)」「エマルゲン147(HLB=16.3)」「エマルゲン320P(HLB=13.9)」「レオドールTW−L120(HLB=16.7)」「レオドールTW−S120(HLB=14.9)」「エマノーン1112(HLB=13.7)」「エマノーン3115(HLB=13.4)」、三洋化成工業株式会社製「ナロアクティーN−85(HLB=12.6)」「ナロアクティーN−100(HLB=13.3)」「ナロアクティーN−140(HLB=14.7)」「ナロアクティーN−200(HLB=16.0)」「ナロアクティーN−400(HLB=17.8)」などが挙げられる(HLB値はいずれもメーカーカタログ値)。
高分子ポリオールとしては公知の高分子ポリオールのいずれも使用することができ、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)などのポリエーテルポリオール;ポリブチレンアジペートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン アジペート)ジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン セバケート)ジオール、ポリカプロラクトンジオールなどのポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン カーボネート)ジオールなどのポリカーボネートポリオール;ポリエステルカーボネートポリオールなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
この際に用いうる乳化剤としては、本発明の感熱ゲル化性エマルジョンが含有しうる界面活性剤(c)として先に例示したものを使用することができる。
また、乳化分散をしやすくするために、末端イソシアネートプレポリマーをアセトン、2−ブタノン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒で希釈しても良い。さらに、鎖伸長剤の一部または全部をウレタン樹脂の乳化前に反応させておいてもよい。
また、この際に用いうる重合開始剤としては、重合体(b)の製造時に用いうるラジカル重合開始剤として先に例示したものを使用することができる。
ウレタン−アクリル複合樹脂(a2)の原料として用いるウレタン樹脂とエチレン性不飽和モノマーの質量比は90:10〜10:90であることが好ましく、80:20〜15:85であることがより好ましく、70:30〜20:80であることがさらに好ましい。
粘度上昇率(%)=(静置後の粘度−静置前の粘度)/(静置前の粘度)×100
40℃密閉条件下で2週間静置した際の粘度上昇率が50%を超える場合には、夏場など温度が上がった時に、増粘やゲル化が起こり用途や使用方法が限定される。40℃密閉条件下で2週間静置した際の粘度上昇率が50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、30%以下であることがさらに好ましい。
密閉したガラス製サンプル管(内径:3cm,高さ6cmの円筒形状)中にエマルジョンを30g入れた後、70℃の熱水浴中に浸漬して静置し、熱水中に浸漬してから液全体がゲル化して流動性を失うまでの時間を1分単位で測定した。
密閉した容器中にエマルジョンを入れた後、40℃の恒温槽中に2週間静置し、40℃静置前後の粘度をJIS−K6828に従って測定し、下記式より求めた。
粘度上昇率(%)=(静置後の粘度−静置前の粘度)/(静置前の粘度)×100
密閉したガラス製サンプル管(内径:3cm,高さ6cmの円筒形状)中に10%濃度の水溶液を30g入れた後、3℃から1℃/分の速度で昇温し、水溶液が完全に白濁する点を曇点とした。
[参考例1]
冷却管付きフラスコに、蒸留水489gを秤取し、80℃に昇温した後、系内を十分に窒素置換した。メトキシテトラエチレングリコールモノメタクリレート50.4g、ポリプロピレングリコール(オキシプロピレン単位の繰り返し数が5)モノメタクリレート75.6g、n−オクタンチオール1.26gおよび2,2´−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.38gを添加して30分撹拌後、メトキシテトラエチレングリコールモノメタクリレート33.6gおよびポリプロピレングリコール(オキシプロピレン単位の繰り返し数が5)モノメタクリレート50.4ggの混合液を、滴下ロートからフラスコ内に180分間かけて滴下し、その後80℃に180分間保持して重合を完了させ、さらにロータリーエバポレーターにより水を除去して、側鎖にオキシエチレン単位およびオキシプロピレン単位を有する重合体を得た(以後、重合体b(1)と呼ぶ)。この重合体中のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位の質量比は1:1.8、重合体中のオキシエチレン単位の割合は25質量%であり、10%水溶液の曇点は34℃であった。
冷却管付きフラスコに、蒸留水489gを秤取し、80℃に昇温した後、系内を十分に窒素置換した。メトキシテトラエチレングリコールモノメタクリレート27.7g、ポリプロピレングリコール(オキシプロピレン単位の繰り返し数が5)モノメタクリレート98.3g、n−オクタンチオール2.52gおよび2,2´−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.38gを添加して30分撹拌後、メトキシテトラエチレングリコールモノメタクリレート18.5gおよびポリプロピレングリコール(オキシプロピレン単位の繰り返し数が5)モノメタクリレート65.5ggの混合液を、滴下ロートからフラスコ内に180分間かけて滴下し、その後80℃に180分間保持して重合を完了させ、さらにロータリーエバポレーターにより水を除去して、側鎖にオキシエチレン単位およびオキシプロピレン単位を有する重合体を得た(以後、重合体b(2)と呼ぶ)。この重合体中のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位の質量比は1:4.3、重合体中のオキシエチレン単位の割合は14質量%であり、10%水溶液の曇点は14℃であった。
冷却管付きフラスコに、蒸留水489gを秤取し、80℃に昇温した後、系内を十分に窒素置換した。メトキシテトラエチレングリコールモノメタクリレート50.4g、メトキシジエチレングリコールモノメタクリレート25.2g、ポリプロピレングリコール(オキシプロピレン単位の繰り返し数が5)モノメタクリレート44.1g、メタクリル酸メチル6.30g、n−オクタンチオール1.26gおよび2,2´−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.38gを添加して30分撹拌後、メトキシテトラエチレングリコールモノメタクリレート33.6g、メトキシジエチレングリコールモノメタクリレート16.8g、ポリプロピレングリコール(オキシプロピレン単位の繰り返し数が5)モノメタクリレート29.4gおよびメタクリル酸メチル4.2gの混合液を、滴下ロートからフラスコ内に180分間かけて滴下し、その後80℃に180分間保持して重合を完了させ、さらにロータリーエバポレーターにより水を除去して、側鎖にオキシエチレン単位およびオキシプロピレン単位を有する重合体を得た(以後、重合体b(3)と呼ぶ)。この重合体中のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位の質量比は1:0.8、重合体中のオキシエチレン単位の割合は35質量%であり、10%水溶液の曇点は31℃であった。
冷却管付きフラスコに、蒸留水489gを秤取し、80℃に昇温した後、系内を十分に窒素置換した。ポリプロピレングリコールーb−ポリエチレングリコール(オキシプロピレン単位の繰り返し数が3、オキシエチレン単位の繰り返し数が4)モノメタクリレート113.4g、メタクリル酸メチル12.6gおよび2,2´−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.38gを添加して30分撹拌後、ポリプロピレングリコールーb−ポリエチレングリコール(オキシプロピレン単位の繰り返し数が3、オキシエチレン単位の繰り返し数が4)モノメタクリレート75.6gおよびメタクリル酸メチル8.4gの混合液を、滴下ロートからフラスコ内に180分間かけて滴下し、その後80℃に180分間保持して重合を完了させ、さらにロータリーエバポレーターにより水を除去して、側鎖にオキシエチレン単位およびオキシプロピレン単位を有する重合体を得た(以後、重合体b(4)と呼ぶ)。この重合体中のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位の質量比は1:1.0、重合体中のオキシエチレン単位の割合は36質量%であり、10%水溶液の曇点は32℃であった。
冷却管付きフラスコに、蒸留水489gを秤取し、80℃に昇温した後、系内を十分に窒素置換した。メトキシテトラエチレングリコールモノメタクリレート37.8g、メトキシジエチレングリコールモノメタクリレート81.9g、メタクリル酸メチル6.30g、n−オクタンチオール1.26gおよび2,2´−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.38gを添加して30分撹拌後、メトキシテトラエチレングリコールモノメタクリレート25.2g、メトキシジエチレングリコールモノメタクリレート54.6gおよびメタクリル酸メチル4.2gの混合液を、滴下ロートからフラスコ内に180分間かけて滴下し、その後80℃に180分間保持して重合を完了させ、さらにロータリーエバポレーターにより水を除去して、側鎖にオキシエチレン単位を有する重合体を得た(以後、重合体b(5)と呼ぶ)。この重合体中のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位の質量比は1:0、重合体中のオキシエチレン単位の割合は49質量%であり、10%水溶液の曇点は34℃であった。
冷却管付きフラスコに、蒸留水489gを秤取し、80℃に昇温した後、系内を十分に窒素置換した。メトキシテトラエチレングリコールモノメタクリレート17.6g、ポリプロピレングリコール(オキシプロピレン単位の繰り返し数が5)モノメタクリレート108.4g、n−オクタンチオール1.26gおよび2,2´−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.38gを添加して30分撹拌後、メトキシテトラエチレングリコールモノメタクリレート11.8gおよびポリプロピレングリコール(オキシプロピレン単位の繰り返し数が5)モノメタクリレート72.2gの混合液を、滴下ロートからフラスコ内に180分間かけて滴下し、その後80℃に180分間保持して重合を完了させ、さらにロータリーエバポレーターにより水を除去して、側鎖にオキシエチレン単位およびオキシプロピレン単位を有する重合体を得た(以後、重合体b(6)と呼ぶ)。この重合体中のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位の質量比は1:7.4、重合体中のオキシエチレン単位の割合は9質量%であり、10%水溶液の曇点は6℃であった。
[参考例7]
(1)ウレタン樹脂エマルジョンの製造
フラスコに、数平均分子量が2000のポリテトラメチレングリコール150g、数平均分子量が2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール150g、2,2−ジメチロールブタン酸8.44g、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート105gを秤取し、乾燥窒素雰囲気下、90℃で3時間撹拌して系中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート基末端のプレポリマーを得た。これに2−ブタノン211gを加えて均一に撹拌した後、40℃にフラスコ内温度を下げ、トリエチルアミン5.65gを加えて10分間撹拌を行った。次いで、乳化剤(界面活性剤)としてラウリル硫酸ナトリウム8.45gを蒸留水378gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに加えホモミキサーで3分間撹拌して乳化した後、直ちにヒドラジン・1水和物3.46gおよびジエチレントリアミン7.13gを蒸留水246gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで3分間撹拌し、鎖伸長反応を行った.その後、2−ブタノンをロータリーエバポレーターにより除去し、樹脂濃度40質量%のウレタン樹脂エマルジョンを得た。
(2)ウレタン−アクリル複合樹脂エマルジョンの製造
冷却管付きフラスコに、上記(1)で得られたウレタン樹脂エマルジョン563g、硫酸第一鉄・7水和物0.002g、ピロリン酸カリウム0.34g、二酸化チオウレア0.45g、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム塩0.011gおよび蒸留水197gを秤取し、40℃に昇温した後、系内を十分に窒素置換した。次いで、アクリル酸ブチル214g、1,6−ヘキサンジオールジアクリリレート6.75g、メタクリル酸アリル4.50gおよびエマルゲン120(花王株式会社製ノニオン性界面活性剤)4.50gの混合液と、クメンヒドロパーオキシド0.45g、ECT−3NEX(日光ケミカルズ株式会社製アニオン性界面活性剤)0.225gおよび蒸留水10gの乳化液を別々の滴下ロートからフラスコ内に240分かけて滴下し、さらに滴下終了後40℃に60分間保持して重合を完了させ、樹脂固形分濃度45質量%のウレタン−アクリル複合樹脂エマルジョン(主剤樹脂(a)+界面活性剤(c)を含有)を得た。なお、このウレタン−アクリル複合樹脂は樹脂骨格中に主剤樹脂100gあたりカルボキシル基を6.7mmol含有している。また、このエマルジョンは70℃静置条件下で感熱ゲル化性を示さず、40℃で2週間静置後の粘度上昇率は1%であった。
実施例1において、参考例1で製造した重合体b(1)に代えて参考例5で製造した重合体b(5)を用いること以外は実施例1と同様にして、ウレタン−アクリル複合樹脂濃度が15質量%のエマルジョンを得た。このエマルジョンの70℃静置条件下での感熱ゲル化時間は13分と劣っており、40℃で2週間静置後の粘度上昇率は15%であった。
実施例1において、参考例1で製造した重合体b(1)に代えて参考例6で製造した重合体b(6)を用いること以外は実施例1と同様にして、ウレタン−アクリル複合樹脂濃度が15質量%のエマルジョンを得た。このエマルジョンの70℃静置条件下での感熱ゲル化時間は7分と感熱ゲル化性は良好であったが、40℃で2週間静置後の粘度上昇率は147%と粘度安定性が劣っていた。
Claims (7)
- 主剤樹脂(a)、重合体(b)および界面活性剤(c)とから主としてなり、且つ下記要件(1)〜(3)を満たすことを特徴とする感熱ゲル化性エマルジョン。
(1)主剤樹脂(a)が、ウレタン樹脂(a1)および/またはウレタン−アクリル複合樹脂(a2)である;
(2)重合体(b)が、一般式(I)で示される構造のエチレン性不飽和モノマー(b1)80〜100質量%およびその他のエチレン性不飽和モノマー(b2)0〜20質量%を重合して得られる重合体である;
(3)重合体(b)中のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位の質量比が1:0.5〜1:5である。 - 感熱ゲル化性エマルジョンが、さらに無機金属塩(d)を含有している請求項1に記載の感熱ゲル化性エマルジョン。
- 感熱ゲル化性エマルジョンが、主剤樹脂(a)を5〜40質量%、重合体(b)を0.3〜10質量%、界面活性剤(c)を0.2〜5質量%および無機金属塩(d)を0〜2質量%含有している請求項1または2に記載の感熱ゲル化性エマルジョン。
- 主剤樹脂(a)が、樹脂骨格中に主剤樹脂100gあたりカルボキシル基を1〜10mmol含有している請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱ゲル化性エマルジョン。
- 重合体(b)中のオキシエチレン単位の割合が10〜40質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱ゲル化性エマルジョン。
- 重合体(b)の10%水溶液の曇点が、5〜50℃である請求項1〜5のいずれか1項に記載の感熱ゲル化性エマルジョン。
- 界面活性剤(c)が、HLB値が12〜18のノニオン性界面活性剤(c1)30〜100質量%およびその他の界面活性剤(c2)0〜70質量%から構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の感熱ゲル化性エマルジョン。
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JP2004205908A JP2006028248A (ja) | 2004-07-13 | 2004-07-13 | 感熱ゲル化性エマルジョン |
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