JP2006028230A - ポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着強度、特に接着直後の接着性(初期接着強度)を高めたポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤を提供する。
【解決手段】ケトン系溶剤と芳香族系溶剤とを均一に混合したポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤とする。そして、ケトン系溶剤として2種類を、芳香族系溶剤として1種類を用いることが好ましい。また、その混合割合は、ケトン系溶剤を50〜80容量%、芳香族系溶剤を50〜20容量%とする。芳香族系溶剤ケトン系溶剤で、接着強度と接着面の透明性と接着界面への浸透性を高め、芳香族系溶剤で接着時間の短縮を行う。
【選択図】なし
【解決手段】ケトン系溶剤と芳香族系溶剤とを均一に混合したポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤とする。そして、ケトン系溶剤として2種類を、芳香族系溶剤として1種類を用いることが好ましい。また、その混合割合は、ケトン系溶剤を50〜80容量%、芳香族系溶剤を50〜20容量%とする。芳香族系溶剤ケトン系溶剤で、接着強度と接着面の透明性と接着界面への浸透性を高め、芳香族系溶剤で接着時間の短縮を行う。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤に関し、より詳しくは、非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂同士の初期接着強度を高めたポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤に関する。
ポリエチレンテレフタレート樹脂はジカルボン酸とグリコールとを重合させたもので、透光性に富み、燃焼したときに有害なガスを発生することがないため、近年、広告用素材、雑貨用素材、医療・食品用素材、さらには工業用素材にまで用途が広がり、種々の形状に二次加工されて使用されている。この樹脂のなかで、特にグリコールとしてエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとを用いた非晶質ポリエチレンテレフタレート共重合体は、製造時に徐冷しても透明樹脂板とすることができ、得られた透明樹脂板は冷間で折り曲げても白化しないので、透明シートや透明板としての用途も拡大している。
上記樹脂板は、折り曲げによる他に、接着剤を用いた接着加工によっても、用途に適した形状に二次加工されている。このような接着剤として、エーテル系、ケトン系、エステル系、アミド系、ハロゲン系などの溶剤を用いたものが知られている(特許文献1)。さらに、該文献1の問題点である接着面の白化を抑制するために、ケトン系溶剤とアルコールとを混合した接着剤も知られている(特許文献2)。さらに、接着強度を高め且つ接着面の白化を抑制するために、メチルエチルケトンとこれより高沸点のケトン系溶剤を混合した接着剤も知られている(特許文献3)。
特開平5−117413号公報
特開平8−311421号公報
特開2000−8017号公報
しかし、特許文献1のように、1種類のみの溶剤を用いた接着剤は、ポリエチレンテレフタレート樹脂の溶解性(接着性)、浸透性、接着面の透明性などを十分に満たすことはできず、ポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤としては使用できなかった。また、特許文献2のように、ケトン系溶剤とアルコールとを混合した接着剤は、接着強度が不十分であり、実用性のある接着強度にまで高めることができなかった。さらに、特許文献3のように、低沸点と高沸点のケトン系溶剤を混合した接着剤は、接着直後の強度が弱く、接着加工体を接着直後に移動させることができず、接着面をしばらく手などで押さえておく必要があるため、接着作業性に劣っていた。
本発明は、このような従来の問題に鑑み、溶剤の取捨選択、組合せを種々行なうことにより、接着強度、特に接着直後の接着性(初期接着強度)を高めたポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤を提供することを解決課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤は、ケトン系溶剤と芳香族系溶剤とを均一に混合して成ることを特徴とするものである。
本発明の上記接着剤において、2種類のケトン系溶剤と1種類の芳香族系溶剤とからなることが好ましく、このケトン系溶剤としてアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのいずれかが、また芳香族系溶剤としてはキシレン、トルエン、ベンゼン、フェノールのいずれかが好ましく用いられ、特に、ケトン系溶剤としてアセトンとメチルエチルケトンを、芳香族系溶剤としてトルエンを用いることが望ましい。
また、ケトン系溶剤を50〜80容量%、芳香族系溶剤を50〜20容量%均一に混合してなることが好ましく、溶剤がアセトンとメチルエチルケトンとトルエンである場合は、それらを40〜60容量%、10〜20容量%、50〜20容量%均一に混合してなることが望ましい。
これらの接着剤で接着させるポリエチレンテレフタレート樹脂としては、ジカルボン酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとからなる非晶質共重合体であることが望ましい。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤は、ケトン系溶剤と芳香族系溶剤からなるので、これらの溶剤が相互に作用して接着直後の接着性(初期接着強度)を高めることができる。そのため、樹脂体同士を接着した直後であっても接着面がずれたり剥離することが少ないので、接着直後であっても接着加工体を治具等で保持する必要がないし、接着加工体を移動したり、即座に次の接着を行なうことができ、接着作業性を高め生産効率を飛躍的に高めることができる。また、接着面の透明性も良好で、透明ポリエチレンテレフタレート、特にジカルボン酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとからなる透明非晶質共重合体の透明樹脂体同士を接着しても、透明性を維持できる。
また、2種類のケトン系溶剤と1種類の芳香族系溶剤とを均一に混合させた接着剤は、接着直後の接着性(初期接着強度)が更に良好となるうえ、更にしばらくした後の接着強度も良好であるので、接着作業性を更に良好なものにすることができる。そして、2種類のケトン系溶剤を使用することで、ポリエチレンテレフタレート樹脂の溶解性、接着強度、透明性などを調整でき、バランスの取れた接着剤とすることができる。
また、ケトン系溶剤を50〜80容量%、芳香族系溶剤を50〜20容量%均一に混合されていると、バランスよく配合され、接着直後は勿論のこと、しばらくした後の接着強度も良好になる。
また、ケトン系溶剤がアセトンとメチルエチルケトンであり、芳香族溶剤がトルエンであって、アセトンを40〜60容量%、メチルエチルケトンを10〜20容量%、トルエンを50〜20容量%均一に混合させると、メチルエチルケトンにより主にポリエチレンテレフタレート樹脂を溶解して接着強度を向上させ,アセトンにより主に接着面の透明性、接着界面への浸透性を向上させ、トルエンにより主に接着時間の短縮を行い接着直後の接着性(初期接着強度)を良好にすることができる。
本発明の接着剤で接着されるポリエチレンテレフタレート樹脂は、ジカルボン酸とグリコールとを重合させた樹脂であり、テレフタル酸とエチレングリコールとを重合させた結晶性ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとを共重合させた非晶質ポリエチレンテレフタレート、特にグリコール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールの1モルに対してエチレングリコールを1.5〜4モルとした非晶質ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。これらの樹脂の中で、非晶質ポリエチレンテレフタレートは急冷することなく徐冷することによっても透明性を有する板材などの樹脂体を製造することができるので、製造が容易で好ましく用いられる。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂(以下PETという)用接着剤は、ケトン系溶剤と芳香族系溶剤とを均一に混合してなるものである。この接着剤は、上記のPETよりなる樹脂体同士、特に透明非晶質PET同士を接着すると、接着面の透明性を余り低下させないので著しい効果を発揮する。
本発明で使用するケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが使用される。このケトン系溶剤はその1種類を選択して使用してもよいが、2種類の溶剤を選択し使用することが好ましい。2種類のケトン系溶剤を使用すると、低沸点のケトン系溶剤が接着界面への浸透性と接着面の透明性を良好にし、高沸点のケトン系溶剤がPETを溶解して接着強度を向上させる作用をなす。この2種類の組合せのなかで、アセトンとメチルエチルケトンとの2種類を使用することが、上記各作用が顕著になされるので最も好ましい。
一方、芳香族系溶剤としては、キシレン、トルエン、ベンゼン、フェノールなどが使用され、これらの中から1種類が選択されることが好ましい。これらの中でも、トルエンは接着直後の接着性(初期接着強度)を向上させることができるので好ましく用いられる。
上記低沸点ケトン系溶剤と高沸点ケトン系溶剤と芳香族系溶剤との混合割合は、アセトンなどの低沸点ケトン系溶剤を40〜60容量%、メチルエチルケトンなどの高沸点ケトン系溶剤を10〜20容量%、トルエンなどの芳香族系溶剤を50〜20容量%とすることが好ましく、これらの3つの溶剤が均一に混合して使用される。低沸点ケトン系溶剤を多くすると、接着界面への浸透性と透明性が良好になるが、初期接着強度を得るまでの時間は長くなる傾向になる。一方、高沸点ケトン系溶剤を多くすると、固化後の接着強度は良好になるが、初期接着強度は弱くなるし、接着面の透明性も悪くなる傾向になる。さらに、芳香族系溶剤を多くすると、接着直後の接着性(初期接着強度)は良好になるが、固化後の接着強度は弱くなるし、接着面の透明性も悪くなる傾向になる。このため、この3つの溶剤の配合量を適宜選択することにより、一番必要とする性能を発揮させることができるのであるが、上記の配合割合にすることにより、接着直後の接着性(初期接着強度)と固化後の接着強度と接着面の透明性とを兼備した接着剤とすることができるのである。
以下実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
イーストマンケミカル社製の非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂「SPECTAR」を用いて、厚さ2mmと5mmの透明PET板A、Bを溶融成形した。一方、ケトン系溶剤であるアセトンを45容量%、メチルエチルケトンを15容量%、芳香族系溶剤であるトルエンを40容量%均一に混合して接着剤を調整した。この接着剤を用いて、上記透明PET板Aと透明PET板Bとを接着し、接着直後の接着性(初期接着性)、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を以下の方法で調べた。
イーストマンケミカル社製の非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂「SPECTAR」を用いて、厚さ2mmと5mmの透明PET板A、Bを溶融成形した。一方、ケトン系溶剤であるアセトンを45容量%、メチルエチルケトンを15容量%、芳香族系溶剤であるトルエンを40容量%均一に混合して接着剤を調整した。この接着剤を用いて、上記透明PET板Aと透明PET板Bとを接着し、接着直後の接着性(初期接着性)、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を以下の方法で調べた。
接着直後の接着性(初期接着性)は、図1に示す試験方法を用いて調べた。即ち、厚さ5mmのPET板Aを100mm×100mmの大きさに切断すると共に、厚さ2mmのPET板Bを50mm×50mmの大きさに切断した。そして、PET板Aを垂直に立てた後、PET板Bの端面B1をPET板Aの表面に当てると共に、直角支持具CでPET板Aに対して直角に支持し、更にPET板Bの他の端面B2(PET板Aに当てた端面B1の反対端面)の端部上面に分銅Wを載置した。その後、上記接着剤をPET板A表面とPET板Bの端面B1との界面に、全面に気泡無く浸透する分量を注射器と注射針を使用して注入し、直ちに手でPET板Bを押して端面B1をPET板A表面に圧着し、指定時間経過後に直角支持具Cを取り外し、PET板Bが落下するか否かを調べた。そして、指定時間を1秒、2秒、3秒、4秒、5秒と変え、さらに分銅Wを10g、20g、50gと変えて、各条件下で各5回テストし、PET板Bが落下した回数を比較した。その結果を表1に記載する。
さらに、1日経過後の接着強度を次の方法で調べた。上記の接着直後の接着性のテストにおいて、分銅Wを載置せずにPET板Aの表面にPET板Bの端面B1を同様に接着した。この接着体を1日放置した後、引張試験機(島津製作所社製のオートグラフ(IS−2000))を用いて、接着面の引張り強度を測定した。その結果を表1に併記する。
さらに、接着面の透明性は、厚さ2mmのPET板Bを50mm×50mmの大きさに切断し、この2枚のPET板B、Bを重ね合せて、その間の界面に約0.2mlの接着剤を流し込んだ。接着後1日経過した接着体のヘーズをスガ試験機社製のヘイズメーターにて測定した。その結果を表1に併記する。
さらに、上記接着面の透明性を調べる際に、接着剤の浸透性も同時に評価し、その結果を表1に併記する。浸透性が非常に良いものには◎を、良いものには○を、普通のものには△を、悪いものには×を付する。
さらに、上記の方法で測定乃至評価した接着直後の接着性、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を総合した結果を判断し、総合評価として表1に併記する。総合評価で、作業性が非常に良いものには◎を、良いものには○を、普通のものには△を、悪いものには×を付する。
(実施例2)
アセトンを50容量%、メチルエチルケトンを20容量%、トルエンを30容量%均一に混合した接着剤を調整した。この接着剤を用いて、実施例1と同様に透明PET板A、Bの接着直後の接着性(但し、分銅Wは50gの1種類のみ)、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を調べた。その結果を表1に併記すると共に、総合評価も示した。
アセトンを50容量%、メチルエチルケトンを20容量%、トルエンを30容量%均一に混合した接着剤を調整した。この接着剤を用いて、実施例1と同様に透明PET板A、Bの接着直後の接着性(但し、分銅Wは50gの1種類のみ)、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を調べた。その結果を表1に併記すると共に、総合評価も示した。
(実施例3)
メチルエチルケトンを70容量%、トルエンを30容量%均一に混合した接着剤を調整した。この接着剤を用いて、実施例1と同様に、透明PET板A、Bの接着直後の接着性(但し、分銅Wは50gの1種類のみ)、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を調べた。その結果を表1に併記すると共に、総合評価も示した。
メチルエチルケトンを70容量%、トルエンを30容量%均一に混合した接着剤を調整した。この接着剤を用いて、実施例1と同様に、透明PET板A、Bの接着直後の接着性(但し、分銅Wは50gの1種類のみ)、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を調べた。その結果を表1に併記すると共に、総合評価も示した。
(比較例1)
メチルエチルケトンを70容量%、ハロゲン系溶剤である塩化メチレンを30容量%均一に混合した接着剤を調整した。この接着剤を用いて、実施例1と同様に、透明PET板A、Bの接着直後の接着性、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を調べた。その結果を表1に併記すると共に、総合評価も示した。
メチルエチルケトンを70容量%、ハロゲン系溶剤である塩化メチレンを30容量%均一に混合した接着剤を調整した。この接着剤を用いて、実施例1と同様に、透明PET板A、Bの接着直後の接着性、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を調べた。その結果を表1に併記すると共に、総合評価も示した。
(比較例2)
メチルエチルケトンを80容量%、アルコール系溶剤であるメタノールを20容量%均一に混合した接着剤を調整した。この接着剤を用いて、実施例1と同様に、透明PET板A、Bの接着直後の接着性(但し、分銅Wは50gの1種類のみ)、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を調べた。その結果を表1に併記すると共に、総合評価も示した。
メチルエチルケトンを80容量%、アルコール系溶剤であるメタノールを20容量%均一に混合した接着剤を調整した。この接着剤を用いて、実施例1と同様に、透明PET板A、Bの接着直後の接着性(但し、分銅Wは50gの1種類のみ)、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を調べた。その結果を表1に併記すると共に、総合評価も示した。
(比較例3)
アセトン30容量%、メチルエチルケトンを70容量%均一に混合した接着剤を調整した。この接着剤を用いて、実施例1と同様に、透明PET板A、Bの接着直後の接着性(但し、分銅Wは50gの1種類のみ)、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を調べた。その結果を表1に併記すると共に総合評価も示した。
アセトン30容量%、メチルエチルケトンを70容量%均一に混合した接着剤を調整した。この接着剤を用いて、実施例1と同様に、透明PET板A、Bの接着直後の接着性(但し、分銅Wは50gの1種類のみ)、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を調べた。その結果を表1に併記すると共に総合評価も示した。
(比較例4)
ハロゲン系溶剤である塩化メチレンのみによる接着剤を調整した。この接着剤を用いて、実施例1と同様に、透明PET板A、Bの接着直後の接着性(但し、分銅Wは50gの1種類のみ)、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を調べた。その結果を表1に併記すると共に、総合評価も示した。
ハロゲン系溶剤である塩化メチレンのみによる接着剤を調整した。この接着剤を用いて、実施例1と同様に、透明PET板A、Bの接着直後の接着性(但し、分銅Wは50gの1種類のみ)、1日経過後の接着強度、接着面の透明性、接着剤の浸透性を調べた。その結果を表1に併記すると共に、総合評価も示した。
この表1からわかるように、実施例1は、分銅が10gでは1秒後であっても全く落下せず、20gでは1秒後に1個落下するが2秒後では落下せず、50gになると2秒後に2個落下するが3秒後では全く落下しないことがわかった。これに対し、比較例1は、分銅が10gでは1秒後であっても全く落下しないが、20gになると1秒後で4個落下し2秒後では2個落下し、落下しなくなるには4秒経過する必要があり、更に50gになると落下しなくなるには5秒経過する必要があり、また各経過秒における落下個数も実施例1に比べて多くなっていることがわかる。このことより、実施例1は比較例1に比べて接着直後の接着性に優れていることがわかる。
そして、各実施例と各比較例の分銅が50gの場合を比べると、各実施例は4秒経過すると全て落下しなくなり、初期接着性に優れていることがわかる。一方、各比較例は落下しなくなるまでには5秒以上が必要であり、比較例2、3、4では5秒経過しても一部が落下しており、いずれの比較例であっても初期接着性が各実施例に比べて劣っていることがわかる。そして、初期接着性に優れる各実施例のうちでも、特に実施例1,2のアセトンとメチルエチルケトンとトルエンの3種類の溶剤からなる接着剤は、メチルエチルケトンとトルエンの2種類の溶剤からなる実施例3の接着剤に比べても初期接着性に優れていることがわかるし、接着強度においても優れていることがわかる。このことより、3種類の溶剤からなる接着剤が2種類の溶剤からなる接着剤より優れていることがわかる。
また、1日経過後の接着強度は、各実施例は約450N以上の引張強度を有して比較例2、3、4より優れており、実用的な接着強度を有していることがわかる。そして、前記の如く、アセトンとメチルエチルケトンとトルエンからなる接着剤(実施例1,2)がメチルエチルケトンとトルエンからなる接着剤(実施例3)に比べて約50N及び110Nも高く、接着強度にも優れていることがわかる。
また、接着面の透明性(ヘーズ)については、各実施例は8〜18%の範囲にあるので、接着面の透明性も維持していることがわかる。さらに、接着剤の浸透性においても各実施例は良好であることがわかった。
上記の如く、各実施例は初期接着性、接着強度、接着面の透明性、浸透性において実用的な範囲の性能を有していて、特に初期接着性において優れていて接着作業性が良好であることがわかる。
A 厚さ5mmのポリエチレンテレフタレート樹脂板
B 厚さ2mmのポリエチレンテレフタレート樹脂板
B1 厚さ2mmのポリエチレンテレフタレート樹脂板の端面
B2 厚さ2mmのポリエチレンテレフタレート樹脂板の反対端面
C 直角支持具
W 分銅
B 厚さ2mmのポリエチレンテレフタレート樹脂板
B1 厚さ2mmのポリエチレンテレフタレート樹脂板の端面
B2 厚さ2mmのポリエチレンテレフタレート樹脂板の反対端面
C 直角支持具
W 分銅
Claims (7)
- ケトン系溶剤と芳香族系溶剤とを均一に混合して成ることを特徴とするポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤。
- 2種類のケトン系溶剤と1種類の芳香族系溶剤とからなることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤。
- ケトン系溶剤がアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのいずれかから選ばれ、芳香族系溶剤がキシレン、トルエン、ベンゼン、フェノールのいずれかから選ばれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤。
- ケトン系溶剤を50〜80容量%、芳香族系溶剤を50〜20容量%均一に混合してなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤。
- ケトン系溶剤がアセトンとメチルエチルケトンであり、芳香族系溶剤がトルエンであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤。
- アセトンを40〜60容量%、メチルエチルケトンを10〜20容量%、トルエンを50〜20容量%均一に混合してなることを特徴とする請求項5に記載のポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤。
- ポリエチレンテレフタレート樹脂が、ジカルボン酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとからなる非晶質共重合体であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート樹脂用接着剤。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7745975B2 (en) | 2007-01-15 | 2010-06-29 | Hitachi Media Electronics Co., Ltd. | Piezoelectric thin film resonator, piezoelectric thin film resonator filter and manufacturing method thereof |
JP2012078541A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Fujifilm Corp | 光学フィルム、偏光板、画像表示装置、及び光学フィルムの製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05150724A (ja) * | 1991-11-28 | 1993-06-18 | Toyobo Co Ltd | 胴巻きラベル |
-
2004
- 2004-07-13 JP JP2004205375A patent/JP2006028230A/ja active Pending
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