JP2006028178A - 特定のシリコーンポリマー及びゲル化剤を含有する化粧料組成物 - Google Patents

特定のシリコーンポリマー及びゲル化剤を含有する化粧料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ケラチン物質上で、改善された光沢と快適さを保ちつつ、色の移行性又は移転性が低減された化粧料組成物の提供。
【解決手段】特定のシリコーンポリマー、液状脂肪相、及び該液状脂肪相のためのゲル化剤を含む、皮膚、口唇および/または体表面派生物への施与を意図された化粧用メークアップおよび/またはケア用化粧料組成物。特定のシリコンポリマーとしてポリグリセリル−3−ポリジメチルシロキシエチルジメチコンが例示される。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定のシリコーンポリマー、液状脂肪相、及び該液状脂肪相のためのゲル化剤を含む、皮膚、口唇および/または体表面派生物への施与を意図された化粧用メークアップおよび/またはケア用化粧料組成物に関する。
本発明に従う組成物は特に、改善された色の永続性、並びに、満足できる、又は改善さえされた光沢、及び満足できる、又は改善された快適さを示す。
本発明が向けられる化粧料組成物は、もっと特定すると、皮膚、口唇および/または体表面派生物への施与を意図されたメークアップおよび/またはケア製品、特に口紅、リップバーム、リップペンシル、液状または固形ファンデーション、特にスティックとして、またはディッシュに注型されたもの、コンシーラーおよび皮膚を着色する製品、一時的刺青、目をメークアップする製品、たとえばアイライナ−、特にペンシルの形態をしたもの、およびマスカラ、特にケーキの形態をしたもの、またはその他アイシャドーである。
シリコーンアルキルグリセリルエーテル誘導体を含む組成物が、特開平6−305933号および特開平7−330547号に開示された。油性のベースを持ち、シリコーンポリグリセリル化誘導体またはシリコーンフルオロアルキルポリグリセリル化誘導体を含む組成物が、特開平6−157236号、特開平9−071504号および特開平10−310504号において提案された。シリコーンアルキルグリセリル化された誘導体を含む組成もまた、欧州特許出願公開第0475130号並びに特開平2−844453号および特開平2−587797号に開示された。糖類、ブチレングルコールまたはグリセロールによってヒドロキシル化されたシリコーン誘導体を含む他の組成物が、特開平5−186596号および特開平6−145023号に開示された。
特開平6−305933号公報 特開平7−330547号公報 特開平6−157236号公報 特開平9−071504号公報 特開平10−310504号公報 欧州特許第0475130号公報 特開平2−844453号公報 特開平2−587797号公報 特開平5−186596号公報 特開平6−145023号公報
しかし、水の存在下では、これらの組成物は皮膚の表面上にゲルを形成し、時間が経つにつれて明らかになる不快感をもたらす。
本発明の目的のために、「ケラチン物質」の語、は皮膚、粘膜、たとえば口唇、爪、並びにケラチン繊維、たとえば睫毛および毛髪を包含するように意図される。
本発明に従う化粧料組成物は、皮膚及び口唇上での使用に特に有利である。
本発明者らは、思いがけず、少なくとも1の脂肪相のゲル化剤と組み合わせた一般式(I)のシリコーンポリマーの使用が、光沢に対する損失なしに、又は同様に改善された平均光沢すら伴って、ケラチン物質上で改善された落ちない性質を示し、改善された快適さを示しやすい可能性のある化粧料組成物の配合物に特に有利であることを見出した。ここで一般式(I)において

SiO(4−a−b−c)/2 (I)

は特にアルキル基であり、Rは一般式(III):

Q−O−X (III)

(ここで、Qは2価の炭化水素基であり、そしてXはポリヒドロキシル化炭化水素基である)
で表され、
そしてRは一般式(IV):
Figure 2006028178
(ここで、R基の夫々は、互いに独立に、アルキル基を表す)
の有機シロキサン基である。
従って第1の面に従うと、本発明は、少なくとも1の液状脂肪相、前記脂肪相のための少なくとも1の非結晶性、非シリコーンのゲル化剤、及び一般式(I)の少なくとも1のシリコーンポリマーを含む無水の化粧料組成物を提供する、

SiO(4−a−b−c)/2 (I)

ここで、
a、bおよびcは、aが1〜2.5であり、そしてbおよびcが互いに独立に0.001〜1.5であるようなものであり、
は、各出現において同一でも異なっていてもよく、以下の基:
必要に応じて1以上のフッ素原子、アミノ基および/またはカルボキシル基で置換されていてもよいC〜C30アルキル基;
アリール、及びアラルキル基;
一般式(II)の基:

−C2d−O−(CO)(CO) (II)

(ここで、RはC〜C30炭化水素基、またはR−(CO)−基であり、ここでRはC〜C30炭化水素基であり、そして、
d、eおよびfは、dが0〜15であり、そしてeおよびfが互いに独立に0〜50であるような整数である);および
これらの組み合わせ、
から選ばれ、
は一般式(III):

−Q−O−X (III)

(ここで、Qは、少なくとも1のエーテル結合および/または少なくとも1のエステル結合を含むことができる、2価のC〜C20炭化水素基であり、そして、
Xはポリヒドロキシル化炭化水素基である)
によって表される基であり、
は一般式(IV):
Figure 2006028178
(ここで、
R基の夫々は互いに独立に、必要に応じて1以上のフッ素原子で置換されていてもよいC〜C30アルキル基、およびアリール基およびアラルキル基から選ばれた基を表し、
gおよびhは、gが1〜5であり、そしてhが0〜500であるような整数である)
の有機シロキサン基である。
第2の面に従って、本発明は、少なくとも1の着色剤、少なくとも1の無機ゲル化剤、及び上で定義された一般式(I)の少なくとも1のシリコーンポリマーを含む。
第3の面に従って、本発明は、少なくとも1の液状脂肪相(該液状脂肪相は少なくとも1のシリコーン油を含む)、該液状脂肪相のための少なくとも1のゲル化剤、及び上で定義された一般式(I)の少なくとも1のシリコーンポリマーを含む無水化粧料組成物をもまた提供する。
第4の面に従って、本発明は、少なくとも1の液状脂肪相、少なくとも1の液状脂肪相ゲル化剤、少なくとも1の界面活性剤、及び上で定義された一般式(I)の少なくとも1のシリコーンポリマーを含む無水化粧料組成物をさらに提供する。
第5の面に従って、少なくとも1の液状脂肪相、該液状脂肪相のための少なくとも1のゲル化剤、及び上で定義された一般式(I)の少なくとも1のシリコーンポリマー、ただしRが一般式(IIIA)の基であるとき、

−C−O[CHCH(OH)CHO]H (IIIA)

(ここでnは1〜5の範囲の整数である)
は、C12アルキル基ではない、を含む無水化粧料組成物をさらに提供する。
さらに第6の面に従って、本発明は、口唇及び/又は皮膚、特に口唇をメークアップする、及び/又はケアすることを意図された、上で定義された化粧料組成物を提供し、特にリップスティックを提供する。
さらに別の面に従って、本発明は、ケラチン物質、特に皮膚及び/又は口唇に本発明に従う化粧料組成物少なくとも1を施与することを含む、ケラチン物質、特に皮膚及び/又は口唇をメークアップする、及び/又はケアする方法をもまた提供する。
別の面に従って本発明は、本発明に従う組成物の少なくとも1がその表面の一部又は全部に存在する合成支持体(synthetic support)を提供する。
さらに別の面に従って、本発明は、満足できる、又は改善さえされた光沢と併せて、改善された落ちない性質を示す化粧料組成物を製造するために、少なくとも1の上で定義された一般式(I)のシリコーンポリマーを、少なくとも1の液状脂肪相ゲル化剤と組み合わせた使用を提供する。
改善された落ちない性質により、改善された耐水性及び/又は対油性、及び/又は低減された移転が意味される。
本発明に従う化粧料組成物はペースト、液体、ゲル、クリームまたは固体の形態であることができる。特に、本発明に従う化粧組成物は注型された形態であり、そしてもっと特定するとそれはスティックの形態である。それは単純な水中油(oil-in-water)又は油中水(water-in-oil)エマルジョン又は多重エマルジョン(multiple emulsion)の形態、又は無水、固体、又は可撓性のあるゲルの形態でもまたあり得る。
特にそれらは無水の形態であり得る。
用語「注型形態における組成物」は、本発明の目的のために、溶融状態で型の中へ導入された組成物を冷却した後得られた固体又は半固体の組成物を意味する。該組成物は、スティック又はクレヨン又はディッシュの形態に注型され得る。
1つの特定の実施態様に従って本発明に従う化粧料組成物は、注型の形態、即ち固体又は半固体の形態、より特定的には、スティックの形態であり得る。
本発明に従う化粧料組成物の硬さを決定するために、直径12.7mmの円形の断面を有する該組成物のスティックが製造される。該スティックは、注型され、測定の前に20℃において24時間保たれた。
硬さは「チーズワイヤー」法で測定されることができ、該法は、直径250μmの直径の硬いタングステンワイヤーをスティックに対して100mm/分の速度で前進することにより、ワイヤーでスティックを横に切断することから構成される。硬さは、20℃においてワイヤーによってスティックにかけられた最大せん断応力に相当し、この応力はIndelco−Chatillon社によって販売されているDFGS2ダイナモメーターにより測定される。硬さはグラムで表現される。
この方法によれば、スティックの形態における本発明に従う化粧料組成物の硬さは特に、50〜300g、とりわけ70〜250g、そしてもっと特に100〜230gである。
本発明に従う化粧料組成物の利点の1は、特に低減された色の移行性 (migration)又は移転性(transfer)により明示されたように、改善された色の永続性、及び/又は改善された色の耐水性、及び/又は改善された色の耐油性、及び/又はメークアップの施与の間の低減された移行性を示す利点である。
本発明に従う化粧料組成物のもう1つの利点は、皮膚への効果的な付着を示しながら、心地よい感覚およびべたつき感の無さが維持されることである。
本発明に従う化粧料組成物の第3の利点は、時間が経っても美的効果、特に光沢効果が維持されることである。
第4の利点によれば、本発明に従う化粧料組成物は、柔らかで滑らかな感触を与え、かつ効果的な保湿性を維持することを可能にする。
第5の利点によれば、本発明に従う化粧料組成物は、その美的特性を変えてしまい易い外的因子、たとえば汗またはリップスティックの場合には食事、に関して良好な落ちない性質を示すことである。
一般式(I)のシリコーンポリマー
一般式(I)のシリコーンポリマーに従い、本発明に従う化粧料組成物に使用されることができるシリコーンポリマーは、欧州特許出願公開第1213316号に詳細に開示されており、該公報は参照することにより本明細書に取り込まれる。
一般式(I)のシリコーンポリマーは界面活性剤として、および/または油性ベースとして有用であるという利点を有する。
本発明の文脈では、本発明に従う組成物の実施(implementation)に適した一般式(I)のシリコーンポリマーは、表面処理剤としての機能を持たない。
十分な量で導入されると、該シリコーンポリマーは本発明に従う化粧料組成物に、落ちない性質の改善、光沢および/または快適さすらの改善をも、与える利点を有する。
詳細には、本発明に従う化粧料組成物に使用されることができるシリコーンポリマーは以下の一般式(I)によって表され、

SiO(4−a−b−c)/2 (I)

ここで、
a) a、bおよびcは、aが1〜2.5であり、そしてbおよびcが互いに独立に0.001〜1.5であるようなものであり、
b) Rは、同一でも異なってもよくて、以下の基:
必要に応じて1以上のフッ素原子、アミノ基および/またはカルボキシル基で置換されていてもよいC〜C30アルキル基;
アリールまたはアラルキル基;
一般式(II)の基:

−C2d−O−(CO)(CO) (II)

(ここで、
はC〜C30炭化水素基、またはR−(CO)−基であり、ここでRはC1〜C30炭化水素基である、そして、
d、eおよびfは、dが0〜15であり、そしてeおよびfが互いに独立に0〜50であるような整数である);および、
これらの組み合わせ、
から選ばれ、
c) Rは下の一般式(III):

−Q−O−X (III)

(ここで、
Qは、少なくとも1のエーテル結合および/または少なくとも1のエステル結合を含むことができる、2価のC〜C20炭化水素基であり、
Xはポリヒドロキシル化炭化水素基である)
によって表され、そして、
d) Rは一般式(IV):
Figure 2006028178
(ここで、
R基の夫々は、必要に応じて1以上のフッ素原子で置換されていてもよいC〜C30アルキル基、およびアリール基およびアラルキル基から選ばれた基を、互いに独立に表し、
gおよびhは、gが1〜5であり、そしてhが0〜500であるような整数である)
の有機シロキサン基である。
R基が、必要に応じて1以上のフッ素原子で置換されていてもよいC〜C30アルキル基、アリール基、およびアラルキル基から選ばれた基を表すときには、それらは上に定義されたR基と同じ意味を有する。
上に定義された一般式(I)のシリコーンポリマーのR、RおよびR基はランダムに又は統計的に分布していて、即ちこれらはポリマーの構造中に特定の順番なしに出現することが留意されるべきである。同様にR、RおよびRは一般式(I)の化合物中で異なった種類の基を夫々、表すことができる。
特定の実施態様では、
a)において、
より詳細には、aは1.2〜2.3である。そして、特に、bおよびcは、互いに独立に、0.05〜1である。
b)において、
がアルキル基であるときは、それはC〜C30アルキル基、特にC〜C25アルキル基、もっと特にC〜C20アルキル基、特にC〜C10アルキル基、そしてとりわけC〜Cアルキル基、そして特にC〜Cアルキル基であることができる。もっと特に、それはメチル、エチル、n−プロピル若しくはイソプロピル、n−ブチル、イソブチル、若しくは第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはラウリル基であることができる。それはシクロアルキル基、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基であることもできる。それは直鎖または分岐の、単不飽和または多不飽和のアルキル基であることもできる。それは1以上のフッ素原子で置換されたアルキル基、たとえばトリフルオロプロピルまたはヘプタデカフルオロデシル基であることもできる。それは1以上のアミノ基で置換されたアルキル基、たとえば2−アミノエチル、3−アミノプロピル、及び(2−エチルアミノ)−3−アミノプロピルであることもできる。それは1以上のカルボキシル基で置換されたアルキル基、たとえば3−カルボキシプロピル基であることもでき、
はアリールまたはアラルキル基、たとえばフェニル基、トリル基、ベンジル基およびフェネチル基であることもでき、
は一般式(II)

−C2d−O−(CO)(CO) (II)

によって表される有機基であることもできる。
特定の実施態様では、Rはヒドロキシル化された基、または飽和または不飽和の、直鎖または分岐の、アルケニルエーテルの付加反応から得られる基であることができ、該基においてd=0であり、したがって以下

−O−(CO)(CO)

の式となる。
この場合に、eおよびfが零に等しいときは、Rは4〜30炭素原子を持つアルコキシ基、例としてC〜C10の低級アルコキシ基、たとえばブトキシ若しくはペントキシ基、またはC11〜C30の高級アルコキシ基、たとえばオレオキシ若しくはステアロキシ基、すなわち、たとえばセチルアルコール、オレイルアルコールおよびステアリルアルコール、または酸、すなわち脂肪酸、たとえば酢酸、乳酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸およびベヘン酸から得られる基である。
eおよびfが1より大きいときは、Rはアルキレンオキサイドの付加反応から生じるヒドロキシル基である。
eおよびfが零に等しいときは、dは3、5または11であると特に有利である。この場合に、Rは、置換基Rの性質に依存して、アリルエーテル、ペンテニルエーテル若しくはウンデセニルエーテル基またはアリルステアリルエーテル、ペンテニルベヘニルエーテル若しくはウンデセニルオレイルエーテル基である。
eまたはfが零以外であるときは、アルコキシ基およびエステル基がポリオキシアルキレン基を介在して存在する。
eおよびfが何であれ、dが3〜5の範囲内にあると特に有利である。
1の実施態様では、R基は上に定義された基のどれでも、またはこれらの基の2以上の組み合わせでもあることができる。
はメチル基、ラウリル基およびこれらの組み合わせから選ばれたアルキル基であると有利である。
さらに、Rが、単一の一般式(I)において、2以上の基、たとえばメチル基およびラウリル基を表すときは、これらの基は構造中にランダムに、そしてこれらに特有な頻度で出現する。
特に、R基の少なくとも50%、特にR基の少なくとも70%そしてもっとより特に、R基の100%はメチル基である。
c)において、Qは特に、

−(CH−、−(CH−、−CHCH(CH)−CH、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH10−、−(CH11−、−(CH−CH(CHCHCH)−、−CH−CH(CHCH)−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−O−(CH−、−(CH−O−CHCH(CH)−、及び、−CH−CH(CH)−COO(CH

から選ばれた2価の炭化水素基であることができる。
Qは−(CH−および−(CH−から選ばれた2価の基であると有利である。
Xは特に、少なくとも2のヒドロキシル基を含むポリヒドロキシル化炭化水素基、特にグリセリル誘導体および糖誘導体から選ばれた炭化水素基であることができる。
グリセロール残基は以下の式を持つ化合物であることができ、ここでQは一般式(III)におけるのと同じ意味を持ち、そしてsおよびtは1〜20、特に1〜15、特に1〜10そしてもっと特に1〜5の範囲内の整数である。
Figure 2006028178
上の式において、1以上のヒドロキシル基はアルコキシ基またはエステル基によって置き換えられることができる。
一般式(III)で用いられることができる糖基は、単糖類、たとえばグリコシル、マンノシル、ガラクトシル、リボシル、アラビノシル、キシロシル若しくはフラクトシル基、オリゴ糖類、たとえばマルトシル、セロビオシル、ラクトシル若しくはマルトトリオシル、または多糖類、たとえばセルロースまたはデンプンであることができる。
特に、糖基は、単糖類またはオリゴ糖類である。
d)において、
R基の夫々は互いに独立に、特に、必要に応じて1以上のフッ素原子で置換されていてもよい、C〜C20アルキル基、もっと特にC〜C10アルキル基、とりわけC〜Cアルキル基から選ばれた基を表すことができる。R基が必要に応じて1以上のフッ素原子で置換されていてもよい、上に定義されたアルキル基から選ばれた基を表すときは、それは上に定義されたR基と同じ意味を持つ。
gは、特定の実施態様では、2であり
hは、特定の実施態様では、1〜50である範囲内にある。
しかし、上に定義された本発明の特定の面に従うと、そして特に第5の面に従うと、一般式(I)のシリコーンポリマーは、R基が一般式(IIIA):

−CO[CHCH(OH)CHO]H (IIIA)

(ここで、nは1〜5である。)
によって表されるときは、R基はC12アルキル基以外である。
特定の実施態様に従うと、本発明の実施に適する一般式(I)のシリコーンポリマーは以下のようなものである。
aは1〜1.4であり、そしてbおよびcは、互いに独立に、0.02〜0.03であり、
はC〜C10、特にC〜C、より特にC〜Cアルキル基であり、
は式(IIIA)

O[CHCH(OH)CHO]H (IIIA)

(ここでnは1〜5の範囲である)
により表され、
は式(IVA)

−C(CHSiO[(CHSiO]Si(CH (IVA)

(ここでmは3〜9である)
により表される。
別の特定の実施態様に従うと、本発明に従う化粧料組成物において使用され得る一般式(I)のシリコーンポリマーは、
aは1〜1.4であり、bおよびcは互いに独立に0.02〜0.04であり、
は、メチル基であり、
は、nは1〜5である一般式(IIIA)により表され、そして
は、mは3〜9である一般式(IVA)により表されるような化合物である。
本発明に従う化粧料組成物に使用される一般式(I)のシリコーンポリマーは、ポリグリセリル−3ポリメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル−3ポリメチルシロキシエチルジメチコンおよびポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコンから選ばれることができると有利であり、これらの式は夫々、以下の通りである。
ポリグリセリル−3ポリメチルシロキシエチルジメチコン(式(V)):
Figure 2006028178
ここで、
Sx:−C[(CHSiO]Si(CH
Gly:−CO[CH−CH(OH)CHO]
ここで、a=1〜1.4、b=0.02〜0.04、c=0.02〜0.04、m=3〜9そしてn=1〜5である。
ラウリルポリグリセリル−3ポリメチルシロキシエチルジメチコン(式(VI)):
Figure 2006028178
ここで、Sx、Gly、a、b、c、mおよびnは上と同じ意味を持ち、そしてRはメチル基またはラウリル基である。
ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコン(式(VII)):
Figure 2006028178
ここで、Gly、a、b、c、mおよびnは上と同じ意味を持ち、そして、
Sx:−O(CHSiO−Si(CHである。
一般式(I)のシリコーンポリマーは本発明に従う化粧料組成物中に、組成物の全重量に対して0.1〜40重量%の、特に0.5〜30重量%の、もっと特に1〜25重量%の、とりわけ5〜20重量%の、とりわけ7〜15重量%の割合で存在することができる。
一般式(I)のシリコーンポリマーは本発明において遊離の形態で特に使用される。
本発明の目的のために、「遊離の形態」の語は、たとえば例として欧州特許第1416016号および欧州特許第1424373号文献中において、対応する粉体を構成する粒子の表面活性を抑止するためにポリマーが、粉体または着色剤のコーティングの形態で存在するような、該ポリマーが他の物質と一緒にされ、またはその上に吸着された形態で使用されるのではない、一般式(I)のシリコーンポリマーの形態を意味する。
特定の実施態様では、一般式(I)のシリコーンポリマーは、信越社によってKF6100(商標)、KF6104(商標)およびKF6105(商標)の品番で販売されているポリマーから選ばれると有利である。
さらに他の実施態様では、KF6104(商標)の品番で販売されているポリマーは本発明に従う化粧料組成物の調製に特に適している。
さらに他の実施態様では、信越社によって販売されているKF6104(商標)の品番で表される化合物は、光沢に影響を与えることなく、同様に改善もされている平均光沢を持ってさえいる、ケラチン物質上での改善された落ちない性質を示す、本発明に従う化粧料組成物を調製するのに特に適している。
界面活性剤
1つの特定の実施態様に従って、本発明の化粧料組成物は、少なくとも1の界面活性剤をさらに含む。
界面活性剤により、少なくとも1の親水性部分及び少なくとも1の疎水性部分を有する化合物が意味される。親水性基及び疎水性基は、当業者によく知られている。
別の実施態様に従って、本発明の化粧料組成物は、一般式(I)のシリコーンポリマーとは異なる少なくとも1のシリコーン界面活性剤をもまた、含み得る。
本発明に従う組成物において有用な界面活性剤は、炭化水素界面活性剤及びシリコーン界面活性剤から選択され得る。
追加的な界面活性剤は、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性界面活性剤又は他の界面活性化乳化剤から有利に選択され得る。
界面活性剤の性質及び機能(乳化)の定義については、「化学技術の百科事典、Kirk−Othmer」第22巻、333〜432ページ、第3版1979年、ワイリー、を参照されたい。アニオン性、両性及びノニオン性界面活性剤については特に当該参考文献の347〜377ページを参照されたい。
ノニオン性界面活性剤
本発明に従う組成物中で、単独で又は混合物で、一般式(I)のシリコーンポリマーに加えて使用され得るノニオン性界面活性剤の非制限的な代表として、特に以下の物が挙げられ得る:
グリセロールのオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンエーテル(該エーテルは、1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含み得る);
脂肪族アルコール(特にC〜C24、好ましくはC12〜C18アルコール)のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンエーテル(該エーテルは、
1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含み得る)、例えば30のオキシエチレン基を含むセタリールアルコールのオキシエチレンエーテル(CTFA名「Ceteareth−30」)、及び7のオキシエチレン基を含むC12−C15脂肪族アルコールの混合物のオキシエチレンエーテル(CTFA名、「C12〜C15Pareth−7」、Shell Chemicals社から「Neodol 25−7」(商標)の名前で販売されている);
(1〜150のエチレングリコール単位を含むことのできる)ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル(特にC〜C24、好ましくはC16〜C22の酸)、例えばICI Uniqema社によりMYRJ 52Pの名前で販売されているPEG−50ステアレート、及びPEG−40ステアレート;
オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化され、(1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含むことのできる)グリセロールエーテルの脂肪酸エステル(特にC〜C24、好ましくはC16〜C22の酸)、例えばSEPPIC社により「Simulsol 220 TM」の名前で販売されているPEG−200グリセリルモノステアレート;30のエチレンオキシド基を含むポリエトキシル化グリセリルステアレート、例えばGoldschmidt社により販売されている製品Tagat S、30のエチレンオキシド基を含むポリエトキシル化グリセリルオレエート、例えばGoldschmidt社により販売されている製品Tagat O、30のエチレンオキシド基を含むポリエトキシル化グリセリルココエート、例えばSherex社により販売されている製品Varionic LI 13、30のエチレンオキシド基を含むポリエトキシル化グリセリルイソステアレート、例えばGoldschmidt社により販売されている製品Tagat L、及び30のエチレンオキシド基を含むポリエトキシル化グリセリルラウレート、例えばGoldschmidt社により販売されている製品Tagat I;
オキシエチレン化、及び/又はオキシプロピレン化され(そして1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含むことができる)ソルビトールエーテルの脂肪酸エステル(特にC〜C24、好ましくはC16〜C22の酸)、例えばUniquema社により「TWEEN 60」の名前で販売されているポリソルベート60;
エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドのコポリマー、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドと脂肪族アルコール、アミン若しくは脂肪族アミン(これらはポリエトキシレート化され、好ましくは2〜30モルのエチレンオキサイドを有する)、平均して1〜5のグリセロール基を含むポリグリセロール化された脂肪族アミド、ポリグリセロール化されたジグリコールアミド、ソルビタンの脂肪酸エステル、場合によりオキシエチレン化されていてもよい、スクロースの脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン化された脂肪酸エステル、場合によりオキシアルキレン化されていてもよいアルキルポリグリコシド、アルキルグルコシドエステル、N−アルキルグルコサミン誘導体、及びN−アシルメチルグルコサミン誘導体、及びアミンオキサイドとの重縮合体;
ジメチコンコポリオール、例えばDow Corning社により、「Q2−5220」の名前で販売されているもの、
ジメチコンコポリオール安息香酸エステル(Fintex 社のFinsolv SLB 101及び201)
プロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドのコポリマー、EO/PO重縮合体ともまた呼ばれる;
糖類のエステル及びエーテル、例えばスクロースステアレート、スクロースココエート、ソルビタンステアレート、及びそれらの混合物、例えばICIにより販売されているArlatone 2121;
ポリオール、特にグリセロール又はソルビトールの脂肪酸エステル(特にC〜C24,好ましくはC16〜C22酸)、例えばグリセリルステアレート、グリセリルステアレート、例えばGoldschmidt社によりTeginの名前で販売されている製品、グリセリルラウレート、例えばHuls社によりImwitor312の名前で販売されている製品、ポリグリセリル−2ステアレート、ソルビタントリステアレート、及びグリセリルリシノレート、
Dow Corning社により「Q2−3225C」の名前で販売されているシクロメチコン/ジメチコンコポリオール混合物
及びそれらの混合物。
該EO/PO重縮合体は、より特に、ポリエチレングリコールブロック及びポリプロピレンブロックからなるコポリマー、例えばトリブロックポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコール重縮合体である。
本発明に従って使用され得るEO/PO重縮合体として、ICI社により「Synperonic」、例えば「Synperonic PE/L44」及び「Synperonic PE/F127」の名前で販売されているトリブロックポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコール重縮合体が挙げられ得る。
本発明に従う化粧料組成物において使用され得る界面活性剤の中では、KSG−310,KSG−320,KSG−330及びKSG−340の製品番号で信越社により販売されている乳化シリコーンエラストマーが挙げられ得る。
用語「乳化シリコーンエラストマー」は、ポリグリセロール化された鎖以外に少なくとも1の親水鎖を含むシリコーンエラストマーを意味する。
特に、追加的な乳化シリコーンエラストマーは、ポリオキシアルキレン化されたシリコーンエラストマーから選択され得る。
ポリオキシアルキレン化されたシリコーンエラストマーは、ケイ素に結合された少なくとも1の水素を含むジオルガノポリシロキサン、及び少なくとも2のエチレン性不飽和基を有するポリオキシアルキレンの架橋付加反応により得られる得る架橋されたオルガノポリシロキサンである。
有利には、例えば米国特許第5236986号、及び米国特許第5412004号に開示されているように、ポリオキシアルキレン化され、架橋されたオルガノポリシロキサンは、それぞれケイ素に結合された少なくとも2の水素を含むジオルガノポリシロキサン(A1)及び少なくとも2のエチレン性不飽和基を有するポリオキシアルキレン(B1)の、特に白金触媒(C1)の存在下での架橋付加反応により得られる。
特にオルガノポリシロキサンは、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むポリオキシアルキレン(特にポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン)及びトリメチルシロキシ末端基を含むメチルヒドロポリシロキサンを白金触媒の存在下で反応させることにより得られ得る。
化合物(A1)のケイ素原子に結合された有機基は、1〜18の炭素原子を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(即ちラウリル)、ミリスチル、セチル、又はステアリル;置換されたアルキル基、例えば2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、及び3,3,3−トリフルオロプロピル:アリール基例えばフェニル、トリル、及びキシリル;置換されたアリール基、例えばフェニルエチル;及び置換された1価の炭化水素基、例えばエポキシ基、カルボキシレートエステル基、又はメルカプト基であり得る。
従って、化合物(A1)は、トリメチルシロキシ末端基を含むメチルヒドロポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン−メチルヒドロシロキサンコポリマー、環状ジメチルシロキサン−メチルヒドロシロキサンコポリマー及びトリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン−メチルヒドロシロキサン−ラウリルメチルシロキサンコポリマーから選択され得る。
化合物(C1)は、架橋反応の触媒であり、特に塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−アルケニルシロキサン錯体、塩化白金酸−ジケトン錯体、白金ブラック、及び支持体上の白金である。
ポリオキシアルキレン化されたシリコーンエラストマーは、ジビニル化合物、特にポリシロキサンのSi−Hと反応する、ビニル基少なくとも2を有するポリオキシアルキレンから形成され得る。ポリオキシアルキレン化されたシリコーンエラストマーは、少なくとも1の炭化水素油及び/又は1のシリコーン油中に含まれたエラストマー状のオルガノポリシロキサンからなるゲルの形態で搬送され得る。これらのゲルにおいて、オルガノポリシロキサン粒子は、しばしば非球形である。
ポリオキシアルキレン化されたエラストマーは、特に米国特許5236986号、米国特許第5412004号、米国特許第5837793号、及び米国特許第5811487号において開示されており、その内容は参照することにより取り込まれる。
ポリオキシアルキレン化されたシリコーンエラストマーとして、信越社による「KSG−21」「KSG−20」、「KSG−30」、「KSG−31」、「KSG−32」、「KSG−33」、「KSG−210」、「KSG−310」、「KSG−320」、「KSG−330」、「KSG−340」、及び「X−226146」、及びダウコーニング社による「DC9010」及び「DC9011」が使用され得る。
追加の乳化シリコーンエラストマーは、組成物の合計重量に対して0.1〜50重量%の範囲の量で存在し得、特に0.1〜40重量%の範囲、特に0.5〜30重量%の範囲、特に0.5〜20重量%、より特に1〜10重量%の範囲で存在し得る。
本発明に従う化粧料組成物において使用され得る界面活性剤の中では、上述されたシリコーンポリマー以外の親水性オルガノポリシロキサンが特に挙げられ得る。
親水性基は、式(II)に対応し得る:

−(CH−O−(CO)−(CO)−X (II)

(ここで
pは0〜5の範囲であり、qは0〜100の範囲であり、rは0〜50の範囲であり、p又はqはゼロではない、
単位(CO)及び (CO)は、ランダムに又はブロックで分布される、
Xは、水素又は必要に応じてヒドロキシル、チオール、アミン、カルボン酸、カルボキシレート、アミド、ホスフェート、サルフェート、又はスルホネートタイプの1以上の官能基で置換されていてもよいC〜C10のアルキル基である)。
特に、pは1〜5の範囲であり、qは1〜100の範囲であり、rは1〜50の範囲である。Xは、より特に水素原子である。
特に、本発明に従うオルガノポリシロキサンは、親水性基として少なくとも1のヒドロキシ−ポリアルキレンオキシ基、特にヒドロキシ−ポリエチレンオキシ基を含む。
本発明に従うオルガノポリシロキサンは、特に式(I)に対応し得る:
Figure 2006028178
(ここで
、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、互いに独立して、直鎖、分岐又は環状の、飽和又は不飽和のC〜Cアルキル基を表す、
HPは上で定義された親水性基を少なくとも1有する基である、
LPは、親油性基である、そして
Xは、1〜5000、yは0〜5000、zは0〜5000の範囲である)。
基LPに関しては、それは直鎖、分岐、又は環状C〜C40アルキル、オルガノシロキサン基、弗素原子、及びアリール、アリールオキシ、C〜C40炭化水素アシル、及びヒドロキシプロピレンオキシ基から選択され得る。
本発明の特定の1の変形に従うと、オルガノポリシロキサンはジメチコン−ポリエチレングリコールのクラスに属し、特にジメチコンコポリオール、特にセチルジメチコンコポリオール、及びその誘導体からなる群から選択される。本発明に従う親水性オルガノポリシロキサンは、Degussa−Goldschmidt社によりAbil WE 09又はAbil EM 90のブランド名で販売されている製品であり得る。本発明に従う親水性オルガノポリシロキサンは、信越社により製品番号KF−6017で販売されている製品でもまたあり得る。
オルガノポリシロキサン化合物は、全体的に又は部分的にフッ素化されていてもよい。特に低級ジアルキルシロキシ基は、1以上の弗素原子で置換されていてもよい。
本発明に従う化粧料組成物に、より特に適切であるノニオン性界面活性剤は、特にグリセロールのオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンエーテル、脂肪族アルコールのオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンエーテル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、ジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールベンゾエート、ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマー、シクロメチコン/ジメチコンコポリオール混合物、EO/PO重縮合体、糖のエステル及びエーテル、ポリオールの脂肪酸エステル、及びそれらの混合物から選択されたものである。
1の特定の実施態様に従って、本発明に従う化粧料組成物において使用され得る界面活性剤は、ジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールベンゾエート、ジメチコンコポリオールホスフェート、ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマー、シクロメチコン/ジメチコン混合物、及びそれらの混合物か選択されたシリコーン界面活性剤である。
1の特定の実施態様に従って、本発明に従う組成物の実施に有利に、適するシリコーン界面活性剤は、架橋されていないタイプのものである。
本発明にまた適しやすいのは、以下の条件を満足するハンセン溶解度空間に従う溶解度パラメーターδd及びδaを示す炭化水素タイプの界面活性剤である:
16.2 ≦δ≦20(J/cm1/2、好ましくは16.3≦δ≦19(J/cm1/2,よりよくさらに16.9≦δ≦18(J/cm1/2,及び
9.1≦δ≦20(J/cm1/2、好ましくは10≦δ≦18.1(J/cm1/2,よりよくさらに12≦δ≦14.5(J/cm1/2
Hansenに従う溶解度パラメーターの定義は当業者に周知であり、特に、C.M.Hansenによる論文「3次元溶解度パラメーター」、J.Paint Technol第39巻、105ページ(1967年)において記載されている。これらのパラメーターは、花王からの日本国公開特許公報第08−109121号、及びD.W.van Krevelen著「ポリマーの性質」(1990年)190ページにもまた記載されている。
このハンセン空間に従うと
δは、分子衝突の間に誘起される双極子の形成から生じるロンドン分散力を特徴とし、
δは、永久双極子間のデバイ相互作用力を特徴とし、及び
δは、特定の相互作用の力(例えば水素結合、酸/塩基、ドナー/アクセプター等)を特徴とする。
パラメーターδ、δP、δは、一般的に(J/cm1/2で表される。それらは、室温(25℃)において、特に上の花王の特許公報において示された計算方法に従って決定される。
本発明に従う組成物において、任意の流動体、特に液体、炭化水素界面活性剤、又は上の関係を満足する流動性炭化水素界面活性剤の混合物が使用され得る。この場合、混合物の溶解度パラメーターは以下の関係に従って独立して取られた、流動性炭化水素界面活性剤のパラメーターから決められる。
Figure 2006028178
(ここでXiは、混合物中における流動性炭化水素界面活性剤の体積フラクション(i)を表す)。
上の関係を満足する流動性炭化水素界面活性剤の混合物を得るために各流動性炭化水素界面活性剤の量を決めることは、当業者の能力の範囲内である。
該炭化水素界面活性剤は、有利に、−COOH:−OH; エチレンオキサイド −(O−CH−CH−);プロピレンオキサイド;
Figure 2006028178
−PO;NHR;NR(R及びRは、環を形成する可能性があり、直鎖、分岐状のC〜C20のアルキル又はアルコキシ基を表す)、又は
Figure 2006028178
(R’及びR’は、H又は直鎖、又は分岐状のC〜C20アルキル又はアルコキシ鎖である)
から選択された少なくとも1の極性基を含む化学構造を有する。
本発明に従う炭化水素界面活性剤は、以下:
エーテル変性された脂肪族アルコール、特にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドと、i)直鎖、又は分岐状の脂肪族アルコール、又はii)アルキルフェノールとの付加の生成物、
少なくとも1の脂肪酸と、エチレンオキサイド及びグリセロールの付加の少なくとも1の生成物、又はエチレンオキサイド及びポリグリセロールの付加の少なくとも1の生成物との反応から生じるエステル、
グリセロール又はポリグリセロールと、エチレンオキサイド及び飽和又は不飽和の脂肪酸の付加の少なくとも1の生成物との反応から生じるエステル、
少なくとも1の直鎖又は分岐状、飽和又は不飽和の脂肪酸、リシノール酸又は12−ヒドロキシステアリン酸と、少なくとも1のポリオール、例えばグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、糖アルコール、例えばソルビトール、特にポリグリセロールエステルとの反応から生じる部分エステル、
ソルビタンと少なくとも1の直鎖又は分岐状の、飽和又は不飽和の脂肪酸との反応から生じるエステル、
エーテル変性されたソルビタンエステル、特にiii)ソルビタンと、エチレンオキサイド及び飽和又は不飽和の脂肪酸の付加の少なくとも1の生成物との反応、又はiv)少なくとも1の飽和又は不飽和の脂肪酸と、エチレンオキサイド及びソルビタンの付加の少なくとも1の生成物との反応から生じるエステル、
エチレンオキサイドとひまし油及び/又は水素化されたひまし油との付加の生成物、
トリアルキルホスフェート及びアルキルモノ、ジ、及びトリホスフェート、及び
それらの混合物
から選択され、これらの化合物は上で定義された溶解度パラメーターを満足する。
本発明に従う無水化粧料組成物において使用され得る炭化水素界面活性剤の文脈において使用される用語「エステル」は、モノエステル、ジエステル、トリエステル、そしてより一般的には、ポリエステルを意味する。
好ましくは、炭化水素界面活性剤は、モノエステル、ジエステル、及び部分エステル化から生じるエステル、即ち最終エステルが1以上の遊離の−OH官能基を有するエステルから選択される。
有利に、炭化水素界面活性剤は、以下から選択される:
2〜30モルのエチレンオキサイド及び/又は0〜5モルのプロピレンオキサイドと、i)直鎖又は分岐状のC〜C40、よりよくさらにC〜C22脂肪族アルコール、又はii)アルキルフェノールとの付加の生成物、
少なくとも1のC〜C40、よりよくさらに C〜C22の脂肪酸と、1〜30モルのエチレンオキサイド及びグリセロールの少なくとも1の付加生成物、又は1〜30モルのエチレンオキサイド及びポリグリセロールの少なくとも1の付加生成物との反応から生じるエステル、
グリセロール又はポリグリセロールと、2〜30モルのエチレンオキサイド及び飽和又は不飽和のC〜C40、よりよくさらにC〜C22の脂肪酸の付加の少なくとも1の生成物との反応から生じるエステル、
少なくとも1の直鎖又は分岐、飽和又は不飽和のC〜C40、よりよくさらに C〜C22の脂肪酸、リシノール酸又は12−ヒドロキシステアリン酸とグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、又はソルビトールとの反応から生じる部分エステル、
ソルビタンと、少なくとも1の、直鎖又は分岐状の、飽和又は不飽和のC〜C40、よりよくさらに C〜C22脂肪酸との反応から生じるエステル、
iii) ソルビタンと、2〜30モルのエチレンオキサイド及び飽和又は不飽和のC〜C40、よりよくさらに C〜C22の脂肪酸の付加の少なくとも1の生成物との反応、又はiv)少なくとも1の飽和又は不飽和のC〜C40、よりよくさらに C〜C22の脂肪酸と、2〜30モルのエチレンオキサイド及びソルビタンの付加の少なくとも1の生成物との反応から生じるエステル、
2〜60モルのエチレンオキサイドとひまし油及び/又は水素化されたひまし油との付加の生成物、
トリアルキルホスフェート及びアルキルモノ、ジー、及びトリホスフェート、及び
それらの混合物。
炭化水素界面活性剤は以下から選択される:
15のエチレンオキサイド(即ちEO)基でオキシエチレン化されたミリスチルアルコール(δ=17.33(J/cm1/2及びδ=9.28(J/cm1/2)、
5EOでオキシエチレン化されたポリグリセリル−2モノイソステアレート(δ=17.34(J/cm1/2及びδ=12.22(J/cm1/2)、
ポリグリセリル−3 ジイソステアレート(δ=16.96(J/cm1/2及びδ=10.4(J/cm1/2)、
グリセリルモノイソステアレート(δ=16.32(J/cm1/2及びδ=11.01(J/cm1/2),
ポリグリセリル−2 モノイソステアレート(δ=17.03(J/cm1/2及びδ=13.25(J/cm1/2),
ポリグリセリル−3 イソステアレート(δ=17.38(J/cm1/2及びδ=14.48(J/cm1/2),
ポリグリセリル−4 イソステアレート (δ=17.57(J/cm1/2及びδ=15.37(J/cm1/2),
ポリグリセリル−6 モノイソステアレート(δ=17.86(J/cm1/2及びδ=16.61(J/cm1/2),
ポリグリセリル−10 モノイソステアレート(δ=18.22 (J/cm1/2及びδ=18.41(J/cm1/2),
ポリグリセリル−2 モノオレエート(δ=17.14(J/cm1/2及びδ=13.39(J/cm1/2),
ソルビタンイソステアレート(δ=17.33(J/cm1/2及びδ=13.56(J/cm1/2),
ソルビタンモノオレエート(δ=17.32(J/cm1/2及びδ=13.66(J/cm1/2),
5EOでオキシエチレン化されたソルビタンモノオレエート((δ=17.56(J/cm1/2及びδ=12.47(J/cm1/2)、及び
それらの混合物。
有利に、炭化水素界面活性剤は、ポリグリセロール、及びイソステアリン酸の部分エステル、ポリグリセロール及びオレイン酸の部分エステル、及びソルビタン及びオレイン酸の部分エステル、及びそれらの混合物から選択される。
本発明に従う組成物において有利に使用され得る炭化水素界面活性剤として、ポリグリセリル−2モノイソステアレート、例えば、Nisshin Oil Mills社により製造又は販売されるSalacos 41、ポリグリセリル−3ジイソステアレート、例えば Cognis社により製造又は販売されるLameform TGI、ポリグリセリル−2モノオレエート、例えばDanisco Ingredients社により製造又は販売されるRylo PG 29、又はソルビタン モノオレエート、例えばUniqema社により製造又は販売されるSpan 80、及びそれらの混合物から選択され得る。
別の特定の実施態様に従うと、本発明に従う化粧料組成物において使用され得る界面活性剤は、15エチレンオキサイド(即ちEO)基でオキシエチレン化されたミリスチルアルコール、5EOを含む,オキシエチレン化されたポリグリセリル−2モノイソステアレート、ポリグリセリル−3ジイソステアレート,グリセロールモノイソステアレート,ポリグリセリル−2モノイソステアレート,ポリグリセリル−3イソステアレート,ポリグリセリル−4イソステアレート,ポリグリセリル−6モノイソステアレート,ポリグリセリル−10モノイソステアレート,ポリグリセリル−2モノオレエート,ソルビタンイソステアレート,ソルビタンモノオレエート,5EOを含む、オキシエチレン化されたソルビタンモノオレエート、及びそれらの混合物から選択される界面活性剤である。
イオン性界面活性剤
本発明の文脈において使用されるイオン性界面活性剤は、アニオン性、又はカチオン性、また両性であり得る。
本発明に適切であるアニオン性界面活性剤の例として、以下のものが特に挙げられ得る:
16−C30の脂肪酸塩、特にアミンから由来する塩、例えばトリエタノールアミンステアレート;
ポリオキシエチレン化された脂肪酸塩、特にアミン又はアルカリ金属塩から由来するもの、及びそれらの混合物;
リン酸エステル、及びその塩、例えば「DEA oleth−10ホスフェート」(Croda社製のCRODAFOS N 10N);
スルホサクシネート、例えば「PEG−5クエン酸ラウリルスルホサクシネート2ナトリウム」及び「リシノールアミドMEAスルホサクシネート2ナトリウム」;
アルキルアミドエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、及びアルキルエーテルサルフェート、例えばラウリルエーテルサルフェートトナトリウム;
アルキルグリセリルスルホネート、アルキルスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、α−オレフィンスルホネート、及びパラフィンスルホネート;
イセチオネート;
アシルグルタメート、例えば「水素化タローグルタメート2ナトリウム」(味の素社により販売されているAmisoft HS−21 R)、及びそれらの混合物。
本発明に最も特に適切であるのは、トリエタノールアミンステアレートである。後者は、一般的に、ステアリン酸及びトリエタノールアミンを単純に混合することにより得られる。
カチオン性界面活性剤の例として、特に以下のものが挙げられ得る:
アルキルイミダゾリジニウム、例えばイソステアリルエチルイミドニウムエトサルフェート、
アンモニウム塩、例えばN,N,N−トリメチル−1−ドコサナミナム塩化物(塩化ベヘントリモニウム)
場合によってポリオキシアルキレン化及び/又は4級塩化されていてもよい脂肪族アミン、場合によりポリオキシアルキレン化及び/又は4級化されていてもよい脂肪酸のエステル、及びアミノアルコール、4級アンモニウム塩、例えばテトラアルキルアンモニウム、アルキルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウム、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウム、ジアルキルアミドアルキルジメチルアンモニウム、及びアルキルピリジニウムクロライド、又はブロマイド、及びイミダゾリン誘導体。
1つの特定の実施態様に従って、本発明に従う組成物は、アンモニウムタイプの界面活性剤のクラスに属する界面活性剤を欠いていると有利である。
本発明に従う組成物は、1以上の両性界面活性剤、例えばN−アシルアミノ酸、例えばN−アルキルアミノアセテート、及びココアンホジアセテート2ナトリウム、及びアミンオキサイド、例えばステアラミンオキサイド、又はそうでなければシリコーン界面活性剤、例えばジメチコンコポリオールホスフェート、例えばPhoenix Chemical社により「Pecosil PS 100」の名前で販売されているもの、及びスルホベタイン、アルキルアミノアルキルベタイン、アルキルアミドアルキルスルホテイン、及びイミダゾリウム誘導体、例えばアンホカルボキシグリシネート、又はアンホカルボキシプロピオネートのものをまた含み得る。
一般的に言うと、本発明に従う組成物は、組成物の総重量に対して、0.01〜40重量%、特に0.1〜20重量%、又は.0.5〜15重量%さえ、又は3〜10重量%さえ、又はさらに5〜8重量%さえの界面活性剤を含み得る。
1の特定の実施態様に従って、組成物の連続相は、水性相(又は親水相)又は脂肪相、又は2つの相の混合物を含み得る。
変形に従うと、本発明に従う化粧料組成物は、エマルジョンの形態で提供されてもよく、該エマルジョンには、上で定義された一般式(I)のシリコーンポリマーが界面活性剤の機能を有し得る。
本発明の目的のために、エマルジョンは、親油相及び親水相を含み、後者は系統的に水というわけではない。
従って、本発明に従う化粧料組成物は、油中水型、水中油型、多重又は無水エマルジョンの形態であり得る。
従って、本発明に従う化粧料組成物は、無水エマルジョンの形態であり得る。
特に該組成物は、例えば、組成物の合計重量に対して10重量%未満の水、特に5重量%未満、さらに1重量%未満さえの水を含む可能性のある連続脂肪相を有しうる。
本発明に従う化粧料組成物は、有利には無水であり、即ち、該化粧料組成物は組成物の合計重量の5重量%未満、特に3重量%未満、特に2重量%未満、より特に1重量%未満の水を含み得る。その場合、それらは、油性ゲル、油性液体、ペースト、又はスティック、又はさもなければイオン性及び/又はノニオン性液体を含むベシクル分散物の形態で存在し得る。
脂肪相
本発明に従う化粧料組成物は、特に油及び環境温度(20〜25℃)及び大気圧において固体である脂肪を含む脂肪相を含む。
油は、環境温度(20〜25℃)及び大気圧において液状である任意の脂肪物質である。液状脂肪相は、油以外に、該油に溶解された他の化合物、例えばゲル化剤、及び/又は構造剤をもまた含み得る。
本発明に従う化粧料組成物は、少なくとも1、好ましくは2の油を含み得る。
該オイルは、本発明に従う化粧料組成物の全重量に対して、0.1〜99重量%の、特に少なくとも1〜90重量%の、もっと特に5〜70重量%の、とりわけ10〜60重量%の、さらに20〜50重量%の割合で存在することができる。
本発明に従う化粧料組成物の調製に適した油は、揮発性または非揮発性の、シリコーンまたは非シリコーンの油であることができる。
本発明の目的のために、「揮発性の油」は、皮膚と接触すると環境温度で、および大気圧で1時間より短い内に蒸発することができる油(または非水性媒体)である。揮発性の油は、環境温度で液状であり、かつ環境温度および大気圧で特に零でない蒸気圧、とりわけ0.13Pa〜40000Pa(10-3〜300mmHg)の範囲の、 好ましくは1.3Pa〜13000Pa(0.01〜100mmHg)の範囲の、そして優先的には1.3Pa〜1300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲の蒸気圧を持つ揮発性の化粧用油である。
本発明の目的のために、「非揮発性の油」は、0.13Paより低い蒸気圧を持つ油である。揮発性または非揮発性の油は、炭化水素油、特に動物または植物由来の炭化水素油、合成油、シリコーン油、フッ素化油またはこれらの混合物であることができる。
本発明の目的のために、「シリコーン油」は、少なくとも1のケイ素原子、特に少なくとも1のSi−O基を含む油である。
「炭化水素油」は、主に水素原子および炭素原子を含み、場合によって酸素、窒素、硫黄および/またはリン原子を含んでいてもよい油である。
揮発性の炭化水素油は、8〜16炭素原子を持つ炭化水素油および特に分岐C〜C16アルカン(イソパラフィンとしてもまた公知である)、たとえばイソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとしてもまた公知である)、イソデカン、イソヘキサデカン、たとえばIsopar(商標)またはPermethyl(商標)の商品名で販売されている油から選ばれることができる。
揮発性の油として、揮発性のシリコーン、例えば揮発性の直鎖または環状のシリコーン、特に8センチストーク(8×10-6/ 秒)以下の粘度を持ち、そして特に2〜10個のケイ素原子、とりわけ2〜7個のケイ素原子を持つものが使用されることもでき、これらのシリコーンは1〜10炭素原子をもつアルキルまたはアルコキシ基を場合により含んでいてもよい。本発明に使用されることができる揮発性のシリコーン油として、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびこれらの混合物が特に挙げられることができる。
揮発性のフッ素化油、たとえばノナフルオロメトキシブタンまたはパーフルオロメチル−シクロペンタン、およびこれらの混合物を使用することもまたできる。
本発明に従う化粧料組成物の脂肪相は、少なくとも1の揮発性油をもまた含み得る。
特定の実施態様では、本発明に従う化粧料組成物は、組成物の全重量に対して、30重量%より少ない、特に15重量%より少ない、特に10重量%より少ない、そしてもっと特に5重量%より少ない揮発性の油を含む。
他の実施態様では、本発明に従う化粧料組成物は揮発性の油を含まない。
本発明に従う化粧料組成物の脂肪相は、少なくとも1の非揮発性の油をもまた含むことができる。
非揮発性の油は、適当であればフッ素化された炭化水素油、および/または非揮発性のシリコーン油から特に選ばれることができる。
非揮発性の炭化水素油として、以下のもの:
動物由来の炭化水素油、
植物由来の炭化水素油、例としてフィトステアリルエステル、たとえばオレイン酸フィトステアリル、イソステアリン酸フィトステアリルおよびラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリルグルタメート(味の素社、ELDEW PS203)、脂肪酸グリセロールエステルからなるトリグリセリドであって、その脂肪酸はC〜C24の色々な鎖長を持つことができ、これらの鎖は直鎖または分岐、そして飽和または不飽和であることができるトリグリセリド;これらの油は特にヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリドである、小麦麦芽油、ヒマワリ油、ブドウ種油、ゴマ油、トウモロコシ油、アプリコット油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、大豆油、甘扁桃油、ヤシ油、菜種油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカデミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ種油、カボチャ油、骨髄油(marrow oil)、クロフサスグリ油、マツヨイグサ油、キビ油、大麦油、キノア油、ライ麦油、ベニバナ油、クワイノキ油、トケイソウ油またはマスクローズ油;カリテバター;あるいはカプリル/カプリン酸のトリグリセリド、たとえばStearineries Dubois社によって販売されているもの、またはDynamit Nobel社に よってMiglyol 810(商標)、812(商標)および818(商標)の名称で販売されているもの、
10〜40炭素原子を持つ合成エーテル、
鉱物または合成由来の直鎖または分岐炭化水素、たとえば石油ゼリー、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、たとえばパーレアム(parleam)、及びスクアランおよびこれらの混合物、特に水素化ポリイソブテン;
合成エステル、例えば式RCOORの油、ここでRは、1〜40の炭素原子を含む直鎖又は分岐状脂肪酸の基を表し、Rは、1〜40の炭素原子を含む炭化水素鎖、特に分岐状の炭化水素鎖を表す、ただしR+R≧10であるという条件付である、
が特に挙げられることができる。
該エステルは、特に脂肪酸エステルから選択され得、例えば
セトステアリルオクタノエート、イソプロピルアルコールのエステル、例えばイソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、エチルパルミテート、2−エチルヘキシルパルミテート、イソプロピルステアレート若しくはイソステアレート、イソステアリルイソステアレート、オクチルステアレート、ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、ジイソプロピルアジペート、ヘプタノエート、及び特にイソステアリルヘプタノエート、アルコール又はポリアルコールのオクタノエート、デカノエート、又はリシノレート、例えばプロピレングリコールジオクタノエート、セチルオクタノエート、トリデシルオクタノエート、2−エチルヘキシル4−ジヘプタノエート及びパルミテート、アルキルベンゾエート、ポリエチレングリコールジヘプタノエート、プロピレングリコールジー2−エチルヘキサノエート、及びそれらの混合物、C12〜C15アルコールのベンゾエート、ヘキシルラウレート、ネオペンタン酸のエステル、例えばイソデシルネオペンタノエート、イソトリデシルネオペンタノエート、イソステアリルネオペンタノエート、及びオクチルドデシルネオペンタノエート、イソノナン酸のエステル、例えばイソノニルイソノナエート、イソトリデシルイソノナエート、及びオクチルイソノナノエート、及びヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート、及びジイソステアリルマレート;
ポリオールエステルおよびペンタエリスリトールのエステル、たとえばジペンタエリスリトールテトラヒドロキシステアリン酸エステル/−テトライソステアリン酸エステル;
ジオール2量体と二酸2量体とのエステル、たとえばLusplan DD−DA5(商標)およびLusplanDD−DA7(商標)、これは日本精化社によって販売され、そして2003年3月6日に出願された仏国特許出願公開第0302809号に開示されており、その内容は引用するによって本出願明細書に取り込まれる;
12〜26炭素原子を持つ、分岐および/または不飽和の炭素鎖を含む、環境温度で液状である脂肪族アルコール、たとえば2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノールおよび2−ウンデシルペンタ−デカノール;
高級脂肪酸、たとえばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびこれらの混合物;そして、
炭酸ジアルキルであって、2のアルキル鎖が同一または異なるもの、たとえばCognis社によってCetiolCC(商標)の名称で販売されている炭酸ジカプリリル;
から選択され得る。
本発明に従う化粧料組成物に使用されることができる非揮発性のシリコーン油は、非揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS)、 ペンダントのアルキルまたはアルコキシ基および/またはシリコーン鎖の末端にあるアルキルまたはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサンであって、これらの基が夫々2〜24炭素原子を持つもの、フェニルシリコーン、たとえばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサンおよび2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、ジメチコン、又は100cst以下の粘度を有するフェニルトリメチコンおよびこれらの混合物であることができる。
本発明に従う化粧料組成物を配合するために有利に使用され得る非揮発性シリコーン油は、特に、100cst以下の粘度を有するジメチコン、又はフェニルトリメチコン、特に2cst、6cst、10cst、及び50cstのジメチコンから選択される。
本発明に従う化粧料組成物に存在する非揮発性の油は、特に水素化ポリイソブテン、ヘプタン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、テトラヒドロキシステアリン酸/テトライソステアリン酸ジペンタエリスリトール、及び2−オクチルドデカノールおよびこれらの混合物から選ばれると有利である。
1の特定の実施態様に従うと、本発明に従う化粧料組成物に存在する非揮発性の油は、水素化ポリイソブテン、ヘプタン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、テトラヒドロキシステアリン酸/テトライソステアリン酸ジペンタエリスリトール、2−オクチルドデカノールの混合物である。
非揮発性の油は、本発明に従う化粧料組成物中に、組成物の全重量に対して20重量%〜99重量%、特に30重量%〜80重量%、そしてとりわけ40重量%〜80重量%の範囲の量で存在することができる。
特定の実施態様では、本発明に従う化粧料組成物の液状脂肪相がシリコーン油であるときには、それは組成物の全重量に対して 0〜90重量%、特に0.1〜80重量%、そしてとりわけ2〜80重量%の範囲の含有量で存在する。
他の実施態様では、シリコーン油は本発明に従う化粧料組成物中に、一般式(I)のシリコーン重合体に対して80:1、そして特に60:1、そしてもっと特に40:1の重量比で存在する。
1つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物は、有利に非揮発性の流動性シリコーン化合物を含む。
液状脂肪相は、適当であれば下に開示されているような液状脂肪相のためのゲル化剤を、その中に取り込むことによって増粘され、ゲル化され、または構造化されることができる。
本発明に従う組成物は、ワックス、ペースト状脂肪物質およびこれらの混合物から選ばれた、少なくとも1の化合物を含むこともまたできる。
ワックスは、環境温度(25℃)で固形であり、可逆的な固体/液体相変化を特徴とし、200℃までの範囲であることができる30℃より高い融点を持ち、0.5MPa超の硬さを持ち、そして固体状態において異方性の結晶配列(crystalline oraganization)を示す。それは、炭化水素の、フッ素化および/またはシリコーンをベースとすることができ、そして動物、植物、鉱物または合成由来であることができる。それはたとえばミツロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、パラフィンワックス、水素化ヒマシ油、合成ワックス、たとえばポリエチレンワックス(好ましくは400〜600の分子量を持つもの)またはフィッシャー−トロプシュワックス、シリコーンワックス、たとえば16〜45炭素原子を持つアルキルまたはアルコキシジメチコン、セレシンまたはオゾケライト、例えば、例としてその融点が40℃より低いイソパラフィン、たとえば日本精鑞社によって販売されているEMW−0003、α−オレフィンオリゴマー、たとえばNew Phase Technologies 社によって販売されている、Performa V(商標)ポリマー825、103および260、エチレン−プロピレンコポリマー、たとえば Performalene(商標)EP 700、およびその融点が85℃より高い微結晶ワックス、たとえば日本精鑞社によって販売されているHi−Mic(商標)製品1070、1080、1090および3080並びにこれらの混合物から選ばれることができる。
本発明に従う化粧料組成物に使用されるワックスは、ポリエチレンワックス、カンデリラロウおよびこれらの混合物から選ばれると有利である。
特定の実施態様では、本発明に従う化粧料組成物は、ポリエチレンワックスとカンデリラロウとの混合物を含む。
特定の実施態様では、本発明に従う化粧料組成物に使用される1または複数のワックスは、組成物の全重量に対して、約 1. 5〜約20重量%、特に約3〜約15重量%、特に約5〜約10重量%、そしてもっと特に約6.5重量%〜約8.5重量%である含有量で存在する。
本発明に従う化粧料組成物は、少なくとも1のペースト状化合物を含むこともできる。
「ペースト状」により、本発明の目的のために、可逆的な固体/液体状態変化を示し、23℃の温度で液状フラクションおよび固形フラクションを含む脂肪化合物が意味される。ベーストによりポリビニルラウレートもまた意味される。
本発明の目的のために、ペースト状化合物は、20℃で0.001〜0.5MPa、好ましくは0.002〜0.4MPaの範囲の硬さを示すと有利である。
本発明に従う組成物に使用されることができるペースト状化合物の中で、ラノリンおよびラノリン誘導体、たとえばアセチル化ラノリン、オキシプロピレン化ラノリンまたはラノリン酸イソプロピル、およびこれらの混合物が挙げられることができる。脂肪族アルコール又は酸のエステル、特に20〜65個の炭素原子を持つもの、たとえばクエン酸トリイソステアリルまたはクエン酸セチル;プロピオン酸アラキジル;ポリビニルラウレート;コレステロールエステル、例として植物由来のトリグリセリド、たとえば水素化植物油、粘稠なポリエステルおよびこれらの混合物を使用することもできる。植物由来のトリグリセリドとして、水素化ヒマシ油誘導体、たとえばRheox社の「Thixin(商標)」を使用することもまたできる。
カルボン酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルとのエステル化から生じるポリエステルもまた挙げられ得る。たとえば日本の会社、高級アルコール工業社によって販売されているRisocast(商標) DA−L(水素化ヒマシ油とジリノール酸の2対1の割合でのエステル化反応によって得られるエステル)およびRisocast(商標) DA−H(水素化ヒマシ油とイソステアリン酸の4対3の割合でのエステル化によって得られるエステ ル)が挙げられることもできる。
本発明に従う化粧料組成物の処方に有利に適したペースト状化合物として、水素化ココグリセリドが挙げられることができる。
ペースト状シリコーン化合物、たとえば高い分子量のポリジメチルシロキサン(PDMS)、そして特に、8〜24個の炭素原子を持つアルキルまたはアルコキシ型のペンダント鎖および20〜55℃の融点を持つもの、たとえばステアリルジメチコン、特にDow Corning社に よってDC2503(商標)およびDC25514(商標)の商標名で販売されているもの、並びにこれらの混合物もまた挙げられることができる。
水性相
本発明のある面に従って、本発明に従う組成物は、組成物の連続相を形成することができる、水性相を構成する少なくとも1の水性媒体を含むことができる。
水性相は本質的に水から構成される。
それは、水、及び水と混和する有機溶媒(25℃で50重量%より大きい水への混和性を有する)、例として1〜5個の炭素原子を持つ低級モノアルコール、たとえばエタノールまたはイソプロパノール、2〜8個の炭素原子を持つグリコール、たとえばプロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール及びジプロピレングリコール、C〜CケトンおよびC〜Cアルデヒドとの混合物をもまた含むことができる。
水性相(水、及び場合によって水と混和する有機溶媒)は、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜40重量%の範囲の、特に0.1重量%〜20重量%の範囲の、そしてとりわけ0.1重量%〜10重量%の範囲の量で存在することができる。
この水性相は、必要に応じて、慣用の水性ゲル化剤、特に鉱物起源のもの、例えば粘土、及び/又は有機起源のもの、例えば下に定義される水性ゲル化ポリマーの水性相への取り込みにより、増粘され、ゲル化され、又は構造化され得る。
ゲル化剤
本発明の目的のために、「ゲル化剤」は、組成物の液状脂肪相を構造化することのできる化合物である。
構造化された液状脂肪相により、硬くされた、又はゲル化された、又は単に増粘された液状脂肪相が意味される。
硬くされた液状脂肪相により、相がゲル化剤又は構造化剤と混合されたとき、それの自身の重みで流れないことが意味される。
ゲル化された、又は増粘された液状脂肪相により、ゲル化又は構造化剤との混合のために該相の粘度が増加されることが意味される。
本発明の目的のために、用語「非流動性の」は、それ自身の重さで流れる能力を欠いている任意の化粧料組成物を称する。
より特に、このタイプの化粧料組成物は、いわゆる流動性組成物と対照的に、「注型組成物」の用語によってもまた称される。これらの組成物は、環境温度(20〜25℃)におけるペースト状の外観を特徴とする。
1の特定の実施態様に従うと、ゲル化剤は、ポリマー状の形態のゲル化剤、及び鉱物又は無機の形態のゲル化剤から選択され得る。
本発明の目的のために、「無機ゲル化剤」は、その構造要素が炭素原子を欠いているゲル化剤である。しかし、これらのゲル化剤は、第2の又は変性する構造要素として炭素誘導体をもまた含み得る。そのような無機ゲル化剤の例として、下に定義される脂肪酸塩で変性された粘土が挙げられ得る。
対象的に、本発明の文脈において、有機ゲル化剤は、その基本的な構造要素が少なくとも1の炭素原子を含む剤として定義される。そのような剤の例として、下で定義されるポリオルガノシロキサン、シリコーンガム、又はポリウレタンが挙げられ得る。
別の実施態様において、ゲル化剤は、水性相、又は水に可溶ではなく、特に液状脂肪相ゲル化剤である。
粘度測定
本発明に従う化粧料組成物の25℃における動的粘度は、Mettler社の RM 180型回転粘度計により測定され得る。有利に粘度は0.1〜120Pa.sの範囲である。
Mettler社のRM 180装置(Rheomat)は、測定されるべき粘度の大きさのオーダーの関数として様々なスピンドルが装備され得る。0.18〜4.02Pa.sの範囲の粘度に対しては、装置にスピンドル3が装備される。1〜24Pa.sの粘度に対しては、装置にスピンドル4が装備され、8〜122Pa.sの粘度に対しては、装置にスピンドル5が装備される。
粘度は、該装置において偏差単位(deviation units 、DU)で読みとられる。次に、測定装置と共に与えられた表は対応する値ポをアズ単位で得られることを可能にする。
スピンドルの回転速度は約200回転/分である
一定の所与の回転速度(この場合は200回転/分)においてスピンドルが回転を開始したとき、組成物の粘度値は時間の経過とともに一定の値に到達するまで変化し得る。測定は規則的な間隔で、一定の測定値が得られるまで行われる。長期にわたり一定になった粘度値が、本発明の組成物の動粘度値として取られる値である。75測定システムに従って、粘度の測定は10分後に行われる。
組成物の粘度は、特に0.5〜50Pa.s、より特に3.5〜25Pa.sである。
ゲル化剤の添加は、組成物の粘度を変化させる目的のために当業者に公知である処方の要素の1つである。
従って、存在する、水性相及び/又は液状脂肪相ゲル化剤の割合に依存して、本発明に従う化粧料組成物は、性質が流動性である、又は固体であると考えられ得る。
液状脂肪相ゲル化剤
1つの特定の実施態様に従って、本発明に従う化粧料組成物は、少なくとも1の液状脂肪相ゲル化剤を含む。
具体的な実施態様に従うと、液状脂肪相ゲル化剤は無機ゲル化剤であり得る。
別の具体的な実施態様に従うと、液状脂肪相ゲル化剤は非結晶性の、非シリコーンのゲル化剤である。
1つの特定の実施態様において、本発明に従う化粧料組成物において使用され得る液状脂肪相ゲル化剤は、特に、化学的架橋によりゲル化する剤、及び物理的架橋によりゲル化する剤から選択される。
a化学的架橋によりゲル化するゲル化剤
1の実施態様に従うと、本発明に従う化粧料組成物を製造するために、3次元構造の架橋されたエラストマー状ポリオルガノシロキサン、例えばMQシリコーン樹脂、ポリアルキルセスキオサン、特にポリメチルセスキオサン、及びヒドロシリル化により架橋された樹脂が使用される。これらのシリコーン樹脂は、親水性基、例えばポリオキシエチレン又はコポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)を有し得る。
本発明において使用され得るポリオルガノシロキサンは、欧州特許出願公開公報第0 295 886号において開示されている架橋されたエラストマー状ポリオルガノシロキサンが特に使用され得、該公報の開示内容は参照することにより取り込まれる。これらのゲル化剤は、1分子当たり少なくとも2の低級C〜Cアルケニル基を有する少なくとも1のポリオルガノシロキサン;及び1分子当たりケイ素原子に結合された少なくとも2の水素原子を有するポリオルガノシロキサンを含む。米国特許公報第5 266 321号に開示されているポリオルガノシロキサンを使用することもまた可能であり、該公報の開示内容は参照することにより本明細書に同様に取り込まれる。
特に、化学的架橋によりゲル化するゲル化剤は、特に以下から選択される:
SiO及び RSiO1.5単位、及び場合によりRSiO0.5及び/又は SiO単位を含むポリオルガノシロキサン、ここで基Rは、互いに独立して、水素、アルキル、例えばメチル、エチル、又はプロピル、アリール、例えばフェニル又はトリル、不飽和脂肪族基、例えばビニルから選択され、RSiO単位:RSiO1.5単位の重量比は、1/1〜30/1である、
ポリオルガノヒドロシロキサン(1)及び不飽和脂肪族基を有するポリオルガノシロキサン(2)における水素又は不飽和脂肪族基の量がそれぞれ、ポリオルガノシロキサンが非環状であるとき1〜20モル%、及びポリオルガノシロキサンが環状であるときは1〜50モル%であるようなポリオルガノヒドロシロキサン(1)及び不飽和脂肪族基を有するポリオルガノシロキサン(2)の付加により得られる、シリコーン中に不溶であり、膨潤可能である(swellable)ポリオルガノシリコーン。
本発明に従って使用され得るポリオルガノシロキサンの例として、KSG6(商標)の名前で信越化学工業社より販売又は製造されているもの、Trefil E−505C(商標)又はTrefil E−506C(商標)の名称でダウコーニング社より販売されているもの、グラントインダストリーズ製のGransil(SR−CYC、SR DMF10、SR−DC556)、又は前構成された(preconstituted)ゲルの形で販売されているもの(信越社製のKSG15,KSG17,KSG16,KSG18及びKSG21、Gransil SR 5CYCゲル, Gransil SR DMF 10ゲル, Gransil SR DC556ゲル, General Electric 社製のSF 1204及びJK 113)が挙げられ得る。
これらのゲル化剤は、本発明に従う化粧料組成物において単独で又は混合物で使用され得る。
物理的な架橋によりゲル化するゲル化剤
該液状脂肪相ゲル化剤は、物理的な架橋、特に分子攪拌(molecular agitation)、水素相互作用、又は双極子相互作用により作用するゲル化剤からもまた選択され得る。
これらのゲル化剤のすべての中で、液晶基を有する脂溶性ポリマーが、本発明の実施に特に適切である。
分子攪拌によりゲル化するゲル化剤は、高い分子量、特に500000より高い分子量を有するポリマー、例えばシリコーンガムである。
シリコーンガムは、式(VIII)に相当し得る:
Figure 2006028178
(ここで
,R,R11及びR12は、互いに独立して同じであるか又は異なり、1〜6の炭素原子を含むアルキル基から選択され、
及びR10は、同じであるか又は異なり、それぞれ1〜6の炭素原子を含むアルキル基又はアリール基から選択される、
Xは、1〜6の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基、及びビニル基から選択される。
n及びpは、シリコーンガムに100000mPa.s.、例えば500000mPa.s.より大きい粘度を与えるように選択される)。
特にn及びpは、それぞれ0〜5000、例えば0〜3000の範囲の値を取り得る。
本発明に従うゲル化剤として使用され得るシリコーンガムの中で、以下のもの:
置換基R〜R12及びXはメチル基を表し,p=0及びn=2700であり、例えばGeneral Electric社によりSE30の名前で販売又は製造されている製品
置換基R〜R12及びXは、メチル基を表し、p=0及びn=2300であり、例えばWacker社によりAK500000の名前で販売又は製造されている製品、
置換基 R〜R12はメチル基を表し、置換基Xは、ヒドロキシル基を表し、p=0及びn=2700であり,シクロペンタシロキサンの13%溶液の形で、例えばダウコーニング社によりQ2−1401の名前で販売又は製造されている製品、
置換基R〜R12はメチル基を表し、置換基Xはヒドロキシル基を表し、p=0及びn=2700であり、ポリジメチルシロキサンの13%溶液の形である、例えばダウコーニング社によりQ2−1403の名前で製造又は販売されている製品、
置換基 R,R,R11,R12及びXはメチル基を表し、置換基R及びR10はアリール基を表し、ガムの分子量はおよそ600 000であり、例えばRhone−Poulenc(Rhodia Chimie)社により761の名前で製造又は販売されている製品、
が挙げられ得る。
水素相互作用によりゲル化するゲル化剤は特に以下:
欧州特許出願公開第0751170号に開示されている、アミノシリコーンのアミノ基に結合したトリアジニル基又はピリミジニル基を有するアミノシリコーンポリマー、該公報の開示内容は、この書類を参照することにより本明細書に取りまれる、
その末端がエステル又はトリアミド官能基を有する非シリコーンポリアミド、例えば特許、及び特許出願、米国特許第5783657号、米国特許第6268466号、国際公開公報01/95871号、国際公開公報 00/40216号、米国特許第2002/0035237号及び欧州特許出願公開第1068856号に開示された化合物、該公報の開示内容は参照することにより本明細書に取り込まれる、
ポリウレタン、例えばドイツ国特許出願公開公報第10022247号、及びフランス国特許出願公開公報第2814365号に開示された化合物、該公報の開示内容は、参照することにより、本明細書に取り込まれる、そして
相互の水素相互作用を与えることのできる側鎖を有する(メタ)アクリル及び/又はビニルポリマー、例えば国際特許出願公開公報第93/01797号に開示された化合物、該公報の開示内容は、参照することにより本明細書に取り込まれる、
から選択され得る。
ゲル化剤は、以下からもまた選択され得る:
米国特許第6225390号、米国特許第6160054号、米国特許第6174968号、及び米国特許第6225390号に開示されているコポリマー、例えばポリスチレン−シリコーン、又はポリエチレン−シリコーン、該公報の開示内容は参照することにより、本書類に取り込まれる、
シリコーン配列及び別の配列、又はグラフト(ポリビニル又はポリ(メタ)アクリルである)を含むコポリマー、例えば米国特許第5468477号、及び米国特許第5725882号に開示されているもの、各公報の開示内容は参照することにより本明細書に取りこまれる、
1以上のエチレン性結合、それは好ましくは共役していてもよい(又はジエン)、を含むエチレン性モノマーの重合化又は共重合化から生じるポリマー又はコポリマー、
エチレン性モノマーの重合化又は共重合化から生じるポリマー又はコポリマー、特にビニル、アクリル、又はメタクリルコポリマーを使用することが可能である。エチレン性ゲル化剤は、例えばスチレン(S)ブロック、又はアルキルスチレン(AS)ブロック、及びエチレン/ブチレン(EB)、エチレン/プロピレン(EP)、ブタジエン(B)、イソプレン(I)、アクリレート(A)、メタクリレート(MA)ブロック又はこれらのブロックの組み合わせから選択されたブロックを含み得る。
1つの特定の実施態様において、少なくとも1のスチレンブロックを含むコポリマーは、ゲル化剤として使用される。トリブロックコポリマー、特にポリスチレン/ポリイソプレン又はポリスチレン/ポリブタジエンタイプのもの、例えば「Luvitol HSB」の名前の下でBASFにより販売又は製造されているもの、及びポリスチレン/コポリ(エチレン−プロピレン)タイプのもの、又はポリスチレン/コポリ(エチレン−ブチレン)タイプのもの、例えば「Kraton」の商品名でShell Chemical社により販売又は製造されているもの、又はPenreco社によりゲル化されたPermethyl 99Aの商品名の下で販売されているものが使用され得る。スチレン−メタクリレートコポリマーもまた使用され得る。
本発明に従う組成物において使用され得るエチレン性ゲル化剤として、例えば、Kraton G1650(SEBS)、Kraton G1651(SEBS)、Kraton 1652(SEBS)、Kraton G1657X(SEBS)、Kraton G1701X(SEP)、Kraton G1702X(SEP)、Kraton G1726X(SEB)、Kraton D−1101(SBS)、Kraton D−1102(SBS)、Kraton D−1107(SIS)、ゲル化されたPermethyl 99A−750、ゲル化されたPermethyl 99A−753−58、ゲル化されたPermethyl 99A−753−59、Penreco製のVersagel 5970及びVersagel 5960、及びLubrizol 製のOS 129880,OS129881及びOS84383(スチレン−メタクリレートコポリマー)が挙げられ得る。
ジブロック又はトリブロック、例えばポリスチレン−コポリ(エチレン/プロピレン)又はポリスチレン−コポリ(エチレン/ブチレン)、例えば特許出願国際公開公報第98/38981号、及び米国特許第2002/0055562号に開示されているもの、が同様に本発明に含まれる。
双極子相互作用によりゲル化するゲル化剤は、特に国際公開公報第01/30886号及び米国特許第 6 228 967号に開示されている化合物から選択され、該公報の開示内容は、参照することにより本明細書に取り込まれる。該化合物のイオン化された基、例えば双性イオン基は、該双極子相互作用を与える。
ゲル化剤、例えば液晶基を有する脂溶性ポリマーもまた本発明に従う化粧料組成物の製造に適する。特にその骨格がシリコーン、ビニル性及び/又は(メタ)アクリルタイプである脂溶性ポリマー、及び液晶側鎖基を有する脂溶性ポリマーが有利に使用され得、特にフランス国公開特許公報第 2 816 503号に開示されている化合物が使用され得、該公報の内容は参照することにより、本明細書に取り込まれる。
別の特定の実施態様に従うと、液状脂肪相ゲル化剤は、鉱物又は無機の形態であり得る。
ゲル化剤は変性された粘土であり得る。使用され得る変性された粘土として、C10〜C22の脂肪酸の塩化アンモニウム、例えばジステアリルジメチルアンモニウムクロライドで変性されたヘクトライト、クオタニアム−18ベントナイトとしてもまた公知である、例えばRheox社によりBentone 34の名前で販売又は製造されている製品、Southern Clay社によりClaytone XL, Claytone 34及びClaytone 40の名前で販売又は製造されている製品、ベンズアルコニウムクオタニアム−18ベントナイトの名前で知られ、Claytone HT, Claytone GR及びClaytone PS名前でSouthern Clay社により販売又は製造されている変性された粘土、ステアラルコニウムベントナイトとしてもまた公知である、ステアリルジメチルベンゾイルアンモニウムクロライドで変性された粘土、例えばSouthern Clay社によりClaytone APA及び Claytone AFの名前で販売又は製造されている製品、及びRheox社により販売又は製造されているBaragel 24が挙げられ得る。
本発明において使用され得る他の鉱物のゲル化剤として、シリカ、例えば熱分解シリカ(pyrogenic silica)が挙げられ得る。熱分解シリカは、約5nm〜約200nmの範囲のナノメートル規模又はミクロメートル規模であり得る。
熱分解シリカは、酸水素フレーム(oxyyhydrogen flame)中でケイ素の揮発性化合物を高温加水分解し、細かく分割されたシリカを製造することにより得られ得る。この方法は、表面にかなりの数のシラノール基を有する疎水性シリカが得られることを許す。シラノール基は、例えば疎水性基により置換され得、そうすることにより疎水性シリカを与える。疎水性基は、以下の基であり得る:
ヘキサメチルジシラザンの存在下、熱分解シリカを処理することにより特に得られるトリメチルシロキシ基。このように処理されたシリカはCTFA(第6版、1995年)によると「シリカシリケート」として公知である。それらは例えば「アエロジルR812(商標)」の製品番号でDegussa社により、及び「Cab−O−Sil(商標)」の製品番号でCabot社により販売されている;
ジメチルシリルオキシル又はポリジメチルシロキサン基、それらはポリジメチルシロキサン又はジメチルジクロロシランの存在下で、熱分解シリカを処理することにより特に得られる。このように処理されたシリカはCTFA(第6版、1995年)によると「シリカジメチルシリケート」として公知である。それらは例えば「アエロジルR972(商標)」及び「アエロジルR974(商標)」の製品番号でDegussa社により、及び「Cab−O−Sil TS−610(商標)」及び「Cab−O−Sil TS−720(商標)」の製品番号でCabot社により販売されている;
熱分解シリカとシランアルキレート又はシロキサンとの反応から誘導される基。これらの処理されたシリカは、例えばDegussa社により「Aerosil R805(商標)」の製品番号で販売又は製造されている製品である。
本発明に従って、疎水性シリカ、例えば熱分解シリカは、ゲル化剤として使用され得る。
一般的に言うと、ゲル化剤は組成物の総重量に対して、例えば0.05重量%〜35重量%、例えば0.5重量%〜20重量%、又は1重量%〜10重量%の範囲の濃度で使用され得る。
特に、液状脂肪相ゲル化剤は、組成物の総重量に対して0.05重量%〜35重量%、特に0.5〜20重量%、より特に1〜10重量%の割合で存在する。
有利に、液状脂肪相ゲル化剤は、ゲル化されるべき液状脂肪相に対して、1:90,特に1:80,特に1:60,特に1:40,特に1:20,より特に1:10の割合において存在する。
1の特定の実施態様に従うと、本発明に従う化粧料組成物を構造化させるために使用される液状脂肪相ゲル化剤は、3次元構造の、架橋されたエラストマー状ポリオルガノシロキサン、例えばMQシリコーン樹脂、ポリアルキルセスキオサン、特にポリメチルセスキオサン及びヒドロシリル化により架橋された樹脂;シリコーンガム;アミノシリコーンポリマー;非シリコーンポリアミド;ポリウレタン;(メタ)アクリル及び/又はビニルポリマー;エチレン性モノマーの重合化又は共重合化から生じ、1以上のエチレン性結合を含むポリマー又はコポリマー;エチレン性モノマーの重合化又は共重合化から生じるポリマー又はコポリマー、特にビニル、アクリル、又はメタクリルコポリマー;トリブロックコポリマー、特にポリスチレン/ポリイソプレンタイプ又はポリスチレン/ポリブタジエンタイプのもの、又はポリスチレン/コポリ(エチレン−プロピレン)タイプ又はポリスチレン/コポリ(エチレン/ブチレン)タイプのもの;スチレン−メタクリレートコポリマー;変性された粘土、例えばクオタニアム−18ベントナイト、ベンズアルコニウムクオタニアム−18ベントナイト及びステアルコニウムベントナイト、及びそれらの混合物から選択され得る。
1の特定の実施態様に従って、本発明に従う化粧料組成物を構造化するために使用される液状脂肪相ゲル化剤は、非シリコーンのポリアミド;ポリウレタン;(メタ)アクリル及び/又はビニルポリマー;1以上のエチレン性結合を含むエチレン性モノマーの重合化又は共重合化から生じるポリマー又はコポリマー、エチレン性モノマーの重合化又は共重合化から生じるポリマー又はコポリマー、特にビニル、アクリル、又はメタクリルコポリマー;ポリスチレン/ポリイソプレン又はポリスチレン/ブタジエンタイプ又はポリスチレン/コポリ(エチレン−プロピレン)タイプ又はポリスチレン/コポリ(エチレン/ブチレン)タイプのトリブロックコポリマー;スチレン−メタクリレートコポリマー;スチレン−メタクリレートコポリマー;及びそれらの混合物から選択される、非結晶性の、非シリコーンのゲル化剤である。
別の特定の実施態様に従って、本発明に従う化粧料組成物を構造化するために使用される液状脂肪相ゲル化剤は、特に変性された粘土、特にC10〜C22脂肪酸のアンモニウムクロライドで変性されたヘクトライト、例えばクオタニアム−18ベントナイト、ベンズアルコニウムクオタニアム−18ベントナイト、及びステアラルコニウムベントナイト;熱分解シリカ;及びそれらの混合物から選択された無機又は鉱物のゲル化剤である。
組成物が水性相を含むとき、それは追加的に水性相ゲル化剤を含み得る。
本発明に従う化粧料組成物において使用され得る水性相のゲル化剤は、水中で、ある濃度より上でゲルを形成する能力を特に特徴とする。この組成は、問題のゲル化剤の性質に依存して広く変化し得る。
例として、この濃度は、ポリソルベート80/I−C16、例えばSEPPIC社により「Simulgel 600」の名前で販売されているものにおいて、40%における逆エマルジョン中のアクリルアミド/2−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ナトリウムのコポリマーに対して、1重量%〜2重量%であり、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)で架橋されたAMPS/エトキシレート化(25EO)セタリールメタクリレートコポリマーに対しては約0.5重量%である。
ゲル化剤は、水溶性ゲル化ポリマーであり得、従って溶解された形で組成物の水性相に存在する。
より特に、この水性相ゲル化ポリマーは以下のもの:
アクリル又はメタクリル酸又はそれらの塩及びそれらエステルのホモポリマー又はコポリマー、特にAllied Colloid社により「Versicol F」又は「Versicol K」の名前で、チバガイギー社により「Ultrahold 8」の名前で販売されている販売されている製品、又はSynthalen Kタイプのポリアクリル酸、
アクリル酸及びアクリルアミドのコポリマー、そのナトリウム塩の形でHercules社により「Reten」の名前で販売されているもの、Vanderbilt社により「Darvan N°7」の名前で販売されているポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、及びHenkel社により「Hydagen F」の名前で販売されているポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩
Pemulenタイプのポリアクリル酸/アルキルアクリレートコポリマー
Clariant社により販売されているAMPS (ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、アンモニアで部分的に中和され、高度に架橋されている)
SEPPIC社により販売されている、Sepigel又は SimulgelタイプのAMPS/アクリルアミドコポリマー、
Clariant社により販売されている、Aristoflex HMSタイプのAMPS/ポリエチレン化アルキルメタクリレートコポリマー(架橋されている、又は架橋されていない)
それらの混合物
から選択され得る。
水溶性のゲル化ポリマーの他の例として、好ましくは以下:
蛋白質、例えば植物起源の蛋白質、例として小麦タンパク、及び大豆タンパク;動物起源のタンパク、例えばケラチン、例えばケラチン加水分解物、及びスルホニックケラチン、
アニオン性、カチオン性、両性、又はノニオン性キチン、又はキトサンポリマー;
セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース、及び4級化されたセルロース誘導体;
ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル及び無水マレイン酸のコポリマー、ビニルアセテート及びクロトン酸のコポリマー、ビニルピロリドン及びビニルアセテートのコポリマー;ビニルピロリドン及びカプロラクタムのコポリマー、ポリビニルアルコール;
場合によって変性されていてもよい天然起源のポリマー、例えば
アラビアゴム、グアーガム、キサンタン誘導体、カラヤガム;
アルギン酸塩、及びカラギーナン;
グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、及びそれらの誘導体;
セラック樹脂、サンダラックガム、ダマール、エレミ、及びコーパル樹脂;
デオキシリボ核酸;
ムコポリ多糖類、例えばヒアルロン酸、及びコンドロイチンサルフェート、及びそれらの混合物
からなる群から選択される。
水性相ゲル化ポリマーは一般的に、剛性弾性率(rigidity modulus)を5500Pa以上、又は7000Pa以上でさえの値に調節するのに十分な量で組成物中に存在する。
水性相ゲル化ポリマーは、本発明に従う組成物中に、固体に換算した組成物の総重量に対して0.1重量%〜20重量%、特に組成物の総重量に対して0.5重量%〜20重量%、2重量%〜20重量%、特に5重量%〜15重量%の量で存在し得る。
さらに該ポリマーが、イオン性及び/又はノニオン性界面活性剤、及び/又はフィルム形成体、これらは該組成物の堅牢性(consistency)に影響することもまたできる、と組み合わされるか否かに依存して、この量は変動可能であることが理解される。
着色剤
本発明に従う化粧料組成物は、1以上の着色剤(colouring agent)、少なくとも1の有機または無機の着色剤(colorant)、特に化粧料組成物に慣用的に使用されている、顔料または真珠光沢剤型のものを有利に取り込むことができる。
顔料により、水性溶液に不溶であり、かつ生じたフィルムを着色しおよび/または不透明にするように意図された、白色のまたは着色された、鉱物または有機の粒子が意味される
顔料は、化粧料組成物の全重量に対して、0.01〜15重量%の、特に0.01〜10重量%の、そしてとりわけ0.02〜5重量%の割合で存在することができる。本発明に使用されることができる鉱物顔料として、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、および、酸化亜鉛、酸化鉄または酸化クロム、第二鉄ブルー、マンガンバイオレット、群青およびクロム水和物もまた挙げられることができる。
問題の顔料は、たとえばセリサイト/茶酸化鉄/二酸化チタン/シリカ型であることができる構造を持つこともできる。この種の顔料は、たとえばChemicals and Catalysts社によってCoverleaf NSまたはJSの品番で販売されており、そして30の近くのコントラスト比を有する。
着色剤は、たとえば酸化鉄を含むシリカ微小球の型であることができる構造を持つ顔料をさらに含むこともできる。この構造を有する顔料の例は、三好社によってPC Ball PC−LL−100Pの品番で販売されているものであり、この顔料は黄酸化鉄を含むシリカ微小球からなる。
本発明に使用されることができる有機顔料の内で、カーボンブラック、D&C型の顔料、コチニールカルミン、バリウム、ストロンチウム、カルシウム若しくはアルミニウムに基づいたレーキ、または欧州特許出願公開第542669号、欧州特許出願公開第787730号、欧州特許出願公開第787731号および国際公開第96/08537号に開示されたジケトピロロピロール(DPP)が挙げられることができる。
「真珠光沢剤(nacre)」により、任意の形の着色された粒子であって、虹色であっても(iridescent)、なくてもよく、特にある貝によってその貝殻内で生産され、または合成され、光干渉によって着色効果を示すものが意味される。
真珠光沢剤は、真珠光沢顔料、たとえば酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、オキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、有機染料で被覆されたチタンマイカ、およびオキシ塩化ビスマスに基づいた真珠光沢顔料から選ばれることができる。真珠光沢剤は、その表面に金属酸化物および/または有機着色剤の少なくとも2の逐次層が重ねられている、マイカ粒子をもまた含み得る。
真珠光沢剤の例として、酸化チタンで、酸化鉄で、天然顔料で、またはオキシ塩化ビスマスで被覆された天然マイカが挙げられることもできる。
市場で手に入る真珠光沢剤の内で、Engelhard社によって販売されているTimica、FlamencoおよびDuochrome(マイカに基づく)、Merck社によって販売されているTimiron真珠光沢剤、Eckart社によって販売されているマイカに基づいた真珠光沢剤Prestige、およびSun Chemical社によって販売されているマイカに基づいた合成真珠光沢剤Sunshineが挙げられることができる。
真珠光沢剤は、もっと特定すると、黄、ピンク、赤、青銅色、オレンジ、茶、金および/または銅の色、または輝きを持つことができる。
本発明の文脈で採用されることができる真珠光沢剤の例示として、特にEngelhard社によってBrilliant Gold 212G(Timica)、Gold 222C(Cloisonne)、Sparkle Gold(Timica)、Gold 4504(Chromalite)およびMonarch Gold 233X(Cloisonne)の名称で販売されている金色の真珠光沢剤;特にMerck社によってBronze Fine(17384)(Colorona)およびBronze(17353)(Colorona)の名称で、そしてEngelhard社によってSuper Bronze(Cloisonne)の名称で販売されている青銅色の真珠光沢剤;特にEngelhard社によってOrange 363C(Cloisonne)およびOrange MCR 101(Cosmica)の名称で、そしてMerck社によってPassion Orange(Colorona)およびMatt Orange(17449)(Microna)の名称で販売されているオレンジ色の真珠光沢剤;特にEngelhard社によってNu Antique Copper 340XB(Cloisonne)およびBrown CL4509(Chromalite)の名称で販売されている茶色の真珠光沢剤;特にEngelhard社によってCopper 340A(Timica)の名称で販売されている銅色の輝きを持つ真珠光沢剤;特にMerck社によってSienna Fine(17386)(Colorona)の名称で販売されている赤色の輝きの真珠光沢剤;特にEngelhard社によってYellow(4502)(Chromalite)の名称で販売されている黄色の輝きを持つ真珠光沢剤;特にEngelhard社によってSunstone G012(Gemtone)の名称で販売されている金色の輝きを持つ赤色の真珠光沢剤;特にEngelhard社によってTan opal G005(Gemtone)の名称で販売されているピンク色の真珠光沢剤;特にEngelhard社によってNu Antique Bronze 240 AB(Timica)の名称で販売されている金色の輝きを持つ黒色の真珠光沢剤;特にMerck社によってMatt Blue(17433)(Microna)の名称で販売されている青色の真珠光沢剤;特にMerck社によってXirona Silverの名称で販売されている銀色の輝きを持つ白色の真珠光沢剤;及び特にMerck社によってIndian Summer(Xirona)の名称で販売されている緑−金、ピンク系のオレンジ色の真珠光沢剤;およびこれらの混合物が特に挙げられることができる。
本発明に従う化粧料組成物は、水溶性または脂溶性染料を、組成物の全重量に対して、0.01〜10重量%の範囲の、特に0.01〜5重量%の範囲の含有量で含むこともできる。脂溶性染料は、たとえばスーダンレッド、DCレッド17、DCグリーン6、β−カロチン、大豆油、スダン茶、DCイエロー11、DCバイオレット2、DCオレンジ5またはキノリンイエローである。水溶性染料は、たとえばビート根液またはメチレンブルーである。
本発明に従う化粧料組成物は、特定の光学的効果を持つ、少なくとも1の材料を含むこともできる。
この効果は、単純な慣用の着色効果、言い換えれば慣用の着色材料たとえば単色性の顔料によって生成された種類の、統合され、そして安定化された効果とは異なる。本発明の意義の内では、「安定化された」は、観察の角度とともに、または温度の変化に応答して色の変動の効果がないことを意味する。
たとえば、この材料はメタリックの輝きを持つ粒子、角度変色性着色剤(goniochromatic coloringagent)、回折させる顔料、熱変色性着色剤、蛍光増白剤および繊維、特に干渉タイプから選ばれることができる。もちろん、これらの各種材料は、2の効果の同時表示を、本発明に従う新規な効果の同時表示さえも創り出すように組み合わせられることができることが理解される。
本発明に使用されることができるメタリックの粒子は、特に以下のものから選ばれる:
少なくとも1の金属および/または少なくとも1の金属誘導体の粒子、
少なくとも1の金属および/または少なくとも1の金属誘導体を含む、メタリックの輝きを持つ少なくとも1の層で少なくとも部分的に被覆された、1の物質又は多物質の、有機または無機の基体を含む粒子、および、
当該粒子の混合物。
当該粒子に存在することができる金属の内で、たとえばAg、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Zr、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、Te、Seおよびこれらの混合物または合金が挙げられることができる。Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、Mo、Crおよびこれらの混合物または合金(たとえば、青銅および真鍮)は好ましい金属である。
「金属誘導体」により、金属から誘導された化合物、特に酸化物、フッ化物、塩化物、及びスルフィドが意味される。
これらの粒子の例示として、アルミニウム粒子、たとえばSiberline社によってStarbrite 1200 EAC(商標)の名称で、およびEckart社によってMetalure(商標)の名称で販売されているものが挙げられることができる。
銅または合金混合物の金属粉体、たとえばRadium Bronze社によって販売されている品番2844、金属顔料、例としてアルミニウムまたは青銅、たとえばEckart社によってRotosafe 700の名称で販売されているもの、Eckart社からVisionaire Bright Silverの名称で販売されている、シリカで覆われたアルミニウム粒子(silica-seathed aluminium particles)、および金属合金の粒子、たとえばEckart社からVisionaire Bright Natural Goldの名称で販売されている、シリカで覆われた青銅(銅および亜鉛の合金)の粉体もまた挙げられることができる。
問題の粒子は、ガラス基体、たとえば日本板硝子社によってMicroglass Metashineの名称で販売されているものを含む粒子であり得る。
角度変色性着色剤は、たとえば多層干渉構造体(multilayer interference structure)および液晶着色剤から選ばれることができる。
本発明に従って生産される組成物に使用されることができる対称多層干渉構造体の例は、たとえば以下の構造体である。すなわち、Al/SiO/Al/SiO/Al、この構造を持つ顔料はDuPont de Nemours社によって販売されている;Cr/MgF/Al/MgF/Cr、この構造を持つ顔料はFlex社によってChromaflairの名称で販売されている;MoS/SiO/Al/SiO/MoS;Fe/SiO/Al/SiO/FeおよびFe/SiO/Fe/SiO/Fe、これらの構造を持つ顔料はBASF社によってSicopearlの名称で販売されている;MoS/SiO/マイカ−酸化物/SiO/MoS;Fe/SiO/マイカ−酸化物/SiO/Fe;TiO/SiO/TiOおよびTiO/Al/TiO;SnO/TiO/SiO/TiO/SnO;Fe/SiO/Fe;SnO/マイカ/TiO/SiO/TiO/マイカ/SnO、これらの構造を持つ顔料はMerck社(ダームシュタット)によってXironaの名称で販売されている。例として、これらの顔料はMerck社によってXirona Magicの名称で販売されているシリカ/酸化チタン/酸化スズ構造の顔料、Merck社によってXirona Indian Summerの名称で販売されているシリカ/茶色酸化鉄構造の顔料、およびMerck社によってXirona Carribean Blueの名称で販売されているシリカ/酸化チタン/マイカ/酸化スズ構造の顔料であることができる。資生堂社からのInfinite Colors顔料もまた挙げられることもがきる。各種の層の厚さおよび性質に依存して、異なった効果が得られる。すなわち、Fe/SiO/Al/SiO/Feの構造では、320〜350nmのSiO層について緑−金から赤−グレーへ;380〜400nmのSiO層について赤から金へ;410〜420nmのSiO層について紫から緑へ;そして430〜440nmのSiO層に付いて銅色から赤へ色が変わる。
重合体多層膜構造を持つ顔料の挙げられ得る例は、3M社によってColor Glitterの名称で販売されているものを含む。
使用され得る液晶角度変色性粒子の例は、たとえばChenix社によって販売されているもの、およびWacker社によってHelicone(商標)HCの名称で販売されている製品をもまた含む。
ポリオール
1の実施態様では、本発明に従う化粧料組成物は少なくとも1のポリオールすなわち多価アルコールをさらに含むこともできる。
「多価アルコール」または「ポリオール」により、本発明の目的のために、少なくとも2の遊離ヒドロキシル基を含む任意の有機分子が意味される。
本発明に従う化粧料組成物の処方に有利に適した多価アルコールは、特に2〜20の炭素原子、とりわけ2〜10の炭素原子、そしてもっと特に2〜6の炭素原子を有するものである。
好都合には、ポリオールは、たとえばグリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール;(特に3〜16の炭素原子を持つ)グリコールエーテル、たとえばモノ−、ジ−若しくはトリプロピレングリコールの(C〜C)アルキルエーテル、及びモノ−、ジ−若しくはトリエチレングリコールの(C〜C)アルキルエーテル、およびこれらの混合物から選ばれることができる。
フィラー
本発明に従う化粧料組成物は有利には、有機または鉱物の性質の、少なくとも1のフィラーを含むこともでき、該フィラーは組成物に押出に関する改善された安定性を与えることを特に可能にする。
用語「フィラー」は、組成物の媒体中に不溶であり、分散された形態である任意の形態の、無色または白色の、固形粒子を意味すると理解されるべきである。鉱物または有機の性質なので、フィラーは組成物にボディまたは堅さを、および/またはメイアップに柔らかさ、つや消し効果および均一性を与える。
本発明に従う組成物に使用されるフィラーは、薄葉状の、丸い、球状、または繊維の形態、またはこれらの規定された形態の中間の任意の他の形態であることができる。
本発明に従うフィラーはその表面がコーティングされていても、いなくてもよい。特に、フィラーはその表面がシリコーン、アミノ酸、フッ素化誘導体または組成物中のフィラーの分散および相容性を促進する任意の他の物質で表面処理されることができる。
本発明の目的のために、「鉱物フィラー」および「無機フィラー」の語は、互換的に使用される。
本発明に従う組成物に使用されることができる鉱物フィラーの内で、タルク、マイカ、シリカ、トリメチルシロキシシリケート、カオリン、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、中空シリカ微小球(Maprecos社のSilica Beads)、ガラスまたはセラミックのマイクロカプセル、シリカに基づいたフィラー、たとえばAerosil 200またはAerosil 300;旭硝子社によって販売されているSunsphere L−31及びSunsphere H−31;旭化成社によって販売されているChemicelen;及びシリカと二酸化チタンとの複合材、たとえば日本板硝子社によって販売されているTSG系統、並びにこれらの混合物が挙げられることができる。
本発明に従う組成物に使用されることができる有機フィラーの内で、ポリアミド粉体(Atochem社のNylon(商標)Orgasol)、ポリ−b−アラニン粉体、及びポリエチレン粉体、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(商標))粉体、ラウロイルリシン、デンプン、テトラフルオロエチレン重合体の粉体、中空ポリマー微小球、たとえばExpancel(Nobel Industrie社)、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸水素マグネシウム、8〜22の炭素原子、好ましくは12〜18の炭素原子を含む有機カルボン酸から誘導された金属石鹸、たとえばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛またはミリスチン酸マグネシウム、Polypore(商標)L 200(Chemdal Corporation社)、シリコーン樹脂ミクロビーズ(たとえば東芝社のTospearl(商標))、共重合体を含む、架橋されたポリウレタンの粉体であって、当該共重合体がトリメチロールヘキシルラクトンを含むものが挙げられることができる。特に、それはヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトン重合体であることができる。そのような粒子は、たとえば東色社からPlastic Powder D−400(商標)またはPlastic Powder D−800(商標)の名称で特に商業的に入手でき、及びこれらの混合物である。
フィラーは、本発明に従う化粧料組成物に、組成物の全重量の0.001重量%〜35重量%、好ましくは0.5重量%〜15重量%の割合で存在することができる。
フィラーはたとえば、100μmより小さい、特に1〜50μmの、たとえば4〜20μmの平均粒度を持つフィラーであることができる。
特定の実施態様では、本発明に従う組成物は、組成物の全重量に対して、0.01重量%〜60重量%の、特に0.5重量%〜20重量%の、もっと特に1重量%〜10重量%の割合で存在する、少なくとも1のフィラーを含む。
添加剤
本発明に従う化粧料組成物は、問題の分野で一般的に使用される任意の添加剤をもまた含み得、該添加剤は、2004年3月18日に出願されたフランス国公開特許公報第0450540号(その内容は参照することにより本出願に取り込まれる)に開示されているフィルム形成体、抗酸化剤、界面活性剤、たとえば2003年7月11日に公開された仏国公開特許公報第2834452号に開示されたもの(その内容は参照することにより本出願に取り込まれる)、精油、保存剤、香料、中和剤、保湿剤、防腐剤、ビタミン、たとえばビタミンB3、ビタミンE又はこれらの誘導体、並びにUV保護剤から選ばれる。
もちろん、当業者は、本発明に従う組成物に本質的に付属する有利な特性が目論まれた添加によって悪い影響を受けない、または実質的に受けないように、本発明に従う化粧料組成物に添加される任意的な一または複数の添加剤を選択することに注意するだろう。
1つのバージョンでは、本発明に従う化粧料組成物に使用される、一般式(I)のシリコーン重合体は、ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコンおよびこれらの混合物から選ばれる。
他のバージョンでは、本発明に従う化粧料組成物に使用される、一般式(I)のシリコーン重合体は、信越社によってKF 6100(商標)、KF 6104(商標)およびKF 6105(商標)の品番で販売されているシリコーン重合体、並びにこれらの混合物から選ばれる。
別のバージョンでは、本発明に従う化粧料組成物は、ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンと、フィルム形成体としてのアクリレート/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン共重合体、特に信越社によってKP 561(商標)の品番で販売されているものとを組み合わせる。
さらに別のバージョンでは、本発明に従う化粧料組成物は、ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンと、特にポリエチレンワックス、カンデリラワックス、水素化ココグリセリドワックス、およびこれらの混合物から選ばれた、少なくとも1のワックスとを組み合わせる。
本発明に従う化粧料組成物に使用されることができるある成分は、同時に異なる種類の化合物に属することができることは、はっきりと明らかである。従って、異なる種類の化合物に属する化合物の量を調節して、配合物中のその存在が所望される効果となり、適当であれば、当該異なる種類に属する製品の存在によって得られることが可能である効果に相当するようにすることは、当業者の通常の業務の限界の外にあるわけではない。
本発明に従う化粧料組成物は、特に口唇をメークアップするための製品の形態、特にリップスティックまたはリップバームの形態であり得る。
以下の組成物の実施例は、例示として、そして本発明を制限するいかなる効果もなしに、与えられる。
組成物の落ちない性質
「落ちない性質」の語は、本発明に従う化粧料組成物が、それと接触するかも知れない物の上に、より少ない程度に移転する特性、 および涙または汗のような液体との相互作用に耐える特性、または、たとえばリップスティックの場合に、食事中の食品との接触に耐える特性、並びに、特にリップスティックの場合に、メークアップの最初の輪郭を越えてに口唇周辺のしわや小じわの中に移行しない特性を意味する。
本発明に従う化粧料組成物は、少なくとも部分的には移転しない有利な点、換言すれば化粧料組成物が接触するかも知れないある種の基体上に、特にコップ、カップ、シガレット、ハンカチ、衣服または皮膚に、わずかな跡のみを残す有利な点を示す。化粧料組成物の 移転は、施与されたフィルムの不十分な落ちない性質を引き起こし、組成物の施与の規則的なやり直しを必要とさせる。
本発明に従う化粧料組成物はさらに、良好な色の永続性を示す。皮膚、口唇および/または体表面派生物に施与された組成物のフィルムは、液体、特に水または飲料、たとえば食事中に消費されるもの、または油、たとえば食品油、または他に皮脂または他に唾液と接触する間に一般に悪い影響を受けることがある。即ち色の永続性は、水に対するその色の堅牢性および/または油に対するその色の堅牢性によって特徴付けられることができる。
したがって、本発明に従う化粧料組成物の落ちない性質の評価は、以下の4パラメーター、すなわち耐移転性、水に対する色の堅牢性、油に対する色の堅牢性、および耐移行性の少なくとも1の測定によって特徴付けられることができる。
耐移転性、水に対する色の堅牢性、および油に対する色の堅牢性のパラメーターは、以下に記載された実験手順に従って順次に測定されることができる。
測定は、たとえば洗浄され、そして環境温度で5分間自然乾燥された前腕の内表面上で実施される。試験される化粧料組成物、たとえばリップスティックは、前腕の内表面の3領域に施与される。測定が実施される皮膚表面積は少なくとも1cmより大きくなければならない。一般に、測定は約3cmの直径の円形領域上で実施される。
化粧料組成物の約同量が3領域の夫々に塗布されることが必要である。これは化粧料組成物、たとえばリップスティックの重量を施与の各回の後に測定することによって、または等量の試験されるサンプルを予め準備することによって確認されることができる。一般に、1cmの表面積について約2mgに等しい量が必要である(その表面領域が3cmの直径を持つならば、その場合には約28mgの量が必要である)。
化粧料組成物の塗布の後、3領域の夫々の色L が測定され、そして得られた平均値は組成物の初期の色に相当する。色の測定はミノルタ社の比色計のCR200またはCM300またはCM500またはCM1000 またはCM2000系列を用いて行われることができる。特に、ミノルタ社のCR200系列の比色計が使用される。
20mg/cmの水が試験される3領域の夫々に加えられる(約3cmの直径を持つ領域については、約280mgの水が施与されなければならない)。試験される領域の夫々は、その後数秒間、特に2〜5秒間、そしてもっと特に2秒間、手によるマッサージを 受ける。
ある厚さの市販の白い紙ハンカチ、たとえばKleenex品が、その色L が測定された後、メークアップされた各領域に約5秒間、約100g/fの力で当てられる。この力は製造業者、今田社のDPZ−5Nデジタル圧力ダイナモメーターを用いて加えられることができる。
移転値Tは、試験される領域に当てる前に測定された白い織地の色L と、試験される組成物で覆われた前腕の各領域に当てられた後の各ハンカチについて得られる値の平均値に相当する平均色L との引き算によって得られる。
組成物を載せた前腕の領域に当てられる前と後のハンカチの色の間の色差ΔE(T)は次のように決定される。
Figure 2006028178
得られるΔE(T)の値が低ければ低いほど、化粧料組成物は耐移転性の良好なレベルを有するとみなされる。
本発明に従う化粧料組成物は有利には、0〜45の、特に45以下の、特に40以下の、とりわけ35以下の移転値ΔE(T)を持つ。
ハンカチを当てた後の組成物の平均色L が続けて測定される。
水に対する色の堅牢性は、移転性試験を実施した後に得られることができる。この値はたとえば、前腕に施与された組成物の平均初期色、L と、水を当てられそしてハンカチを当てられた後の組成物を載せた前腕の領域の平均色L との間の色の差に等しい。
Figure 2006028178
得られる値が低ければ低いほど、化粧料組成物は水に対する色の良好な堅牢性を持つとみなされる。
色の堅牢性は有利には、0〜15の間である。本発明に従う化粧料組成物は有利には、15以下の、特に10以下の、そしてもっと特に6以下の水に対する色の堅牢性を持つ。
油に対する色の堅牢性の試験は、試験される領域への、前腕の各領域への約20mg/cmの食用タイプの油(菜種油、大豆油またはヒマワリ油)の施与と、その後に続く数秒間、特に2〜5秒間、そしてもっと特に2秒間の手によるマッサージによって実施される。その後、ある厚さの市販の白紙のハンカチ、たとえばKleenexハンカチが、その領域に約5秒間、約100g/fの力で当てられる。この力は製造業者、今田社のDPZ−5Nデジタル圧力ダイナモメーターを用いて当てられることができる。
油に対する色の堅牢性、O、は油でマッサージし、そしてハンカチを当てた後の前腕に残留する組成物の平均色L と、最初に測定された平均色L との差に等しい。
Figure 2006028178
油に対する色の堅牢性の試験は、化粧料組成物たとえばリップスティックの食事の間の維持性を特に評価することを可能にする試験である。
特に、シリコーン重合体は、組成物中に十分な量で存在するときは、基体上に広げられると当該組成物の堆積物の油に対する色の堅牢性が、25以下であるようなものである。本発明に従う化粧料組成物は有利には、25以下の、特に10以下の、特に8以下の油に対する色の堅牢性を持つ 。
シリコーン重合体は有利には、組成物中に十分な量で存在するときは、基体上に広げられると当該組成物の移転値が35以下で あるようなものである。組成物は6より小さい水に対する色の堅牢性および8以下の油に対する色の堅牢性を好ましくは持つ。
組成物の平均光沢
一般式(I)のシリコーン重合体は好都合には、化粧料組成物中に十分な量で存在するときは、基体上に広げられると当該組成物の堆積物の60°での平均光沢が30以上、100までであるようなものである。
「平均光沢」の語は、光沢計を用いて以下の方法によって慣用的に測定されることができる光沢を表す。
ミノルタ社のGM268型の光沢計が使用されることができる。測定は1cmより大きい表面積を持つ試験領域上で実施される。標準的な方法では、試験される化粧料組成物が広げられる表面積は約2.5cm×4cmである。
評価される化粧料組成物はBioskin型の合成品表面に施与される。施与される化粧料組成物の量は約1mg/cmである。
光沢の値は約60°の角度での反射率を測定することによって得られる。
1サンプル当たり5つの測定値が必要である。最高値を有する測定値および最低値を有する測定値は捨てられ、そして残った3つの測定値についての平均が算出される。
本発明に従う化粧料組成物の平均光沢は、有利には30以上、特に40以上、そしてもっと特に45以上である。
快適さ
本発明に従う化粧料組成物の快適さは、以下に記載される試験に従って評価される。この試験では、組成物の快適さは、ラテックス の細片上での引張試験によって測定される。この試験は、化粧料組成物の堆積物について、皮膚の動きの結果として生じ易い薄片化および剥離に耐える能力を予測する。
化粧料組成物のサンプルが、たとえばAnsell Edmond Industrial社の品番#390、サイズ9型の手袋の手首の部分から切り出すことによって得られた、幅2.54cmのラテックス細片の、2.54cm×2.54cmの表面積に施与される。
堆積される化粧料組成物の量は、固体に換算した組成物の重量が約20mgでなければならないようなものである。
化粧料組成物は、使い捨てのリップブラシ、たとえばルイジアナ州、Femm Cosmetics社によって製造されるタイプのものを用いてラテックス細片に施与される。
このようにして調製されたサンプルは環境温度に24時間放置される。
続いて化粧料組成物の堆積物を含むラテックス細片の重量(B)が測定される。上記のように測定された値(B)から化粧料組成物のないラテックス細片の重量値(A)を引くことは、乾燥フィルムの重量に相当するはずであり、したがって約20±2mgでなければならない。
続いて、試験される化粧料組成物のサンプルを載せたラテックス細片は、サンプルを担う領域が約4.445cmの長さに達するように、引き伸ばされる。
ラテックス細片から剥がれた化粧料組成物のフィルム片が観察され、次いでリップブラシを用いて掃くことによって除かれる。
残りの化粧料組成物を含むラテックス細片の重量(D)がその後に測定される。
化粧料組成物のフィルムの重量減のパーセンテージが以下の式を用いてその後に計算される。
快適さの指数=[(D−A)/(B−A)]×100
測定は、試験される各化粧料組成物について3回繰り返される。本発明に従う化粧料組成物の快適さの指数は、これらの3測定値の平均に等しい。
有利には、一般式(I)のシリコーン重合体は、化粧料組成物中に十分な量で存在するときは、基体上に広げられると当該組成物の堆積物の快適さの指数が、90以上100までであり、好ましくは95より大きく100までのようなものである。
実施例1:リップスティック
信越社によってKF 6104(商標)の品番で販売されているポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを含むリップスティックが調製され、その組成は表1に明記されている。
Figure 2006028178
手順
イソノナン酸イソノニル、2−オクチルドデカノールおよびリンゴ酸ジイソステアリルをポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよびジメチコン油と加熱しながら(約95℃)混合することによって油性相が調製される。このようにして調製された油性相は約95℃で攪拌され、そしてフィラー(N−ラウロイル−L−リシンおよび熱分解シリカ(pyrogenic silica))が混合物に加えられる。
ワックス、顔料ペーストの形態をした顔料、水素化ポリイソブテンおよびシメチコンが次に混合物に加えられる。
このようにして得られた混合物はその後、リップスティック金型に注型され、固形の組成物が得られるまで放置冷却される。
その後この組成物の落ちない性質、快適さおよび光沢が、説明において前に記載された手順に従って測定される。
2つの市販製品の落ちない性質および光沢もまた同じ方法を用いて測定される。
− 対照例A:シリコーン重合体としてフェニルトリメチコンを含む、Maybelline社によって販売されたJelly Plumpy、
− 対照例B:シリコーン重合体として、以下の式を持つグリセロール化シリコーンを含む、花王社によって販売されたAube Rouge Glace。
Figure 2006028178
得られた結果は下の表2に示される。
Figure 2006028178
これらの測定では、前腕の内表面の色はL=63.9、a=8.4、b=13.3であり、そしてティッシュペーパーの色はL=97.9、a=0.6およびb=3.3である。
本発明に従うリップスティックは、等価の、又は等しくさえある光沢に対して、従来技術の市販製品AおよびBよりよい落ちない性質および、よりよい快適さを示す。
さらに、本発明に従うリップスティックは従来技術の対照Bより、3〜4倍少なく移行する。
実施例2及び3:リップスティック
パーセントは重量による。
Figure 2006028178

Claims (24)

  1. 少なくとも1の液状脂肪相、前記脂肪相のための少なくとも1のゲル化剤、及び一般式(I)の少なくとも1のシリコーンポリマーを含む無水の化粧料組成物において、前記ゲル化剤が非結晶性、非シリコーンゲル化剤である化粧料組成物、

    SiO(4−a−b−c)/2 (I)

    ここで、
    a、bおよびcは、aが1〜2.5であり、そしてbおよびcが互いに独立に0.001〜1.5であるようなものであり、
    は、各出現において同一でも異なっていてもよく、以下の基:
    必要に応じて1以上のフッ素原子、アミノ基および/またはカルボキシル基で置換されていてもよいC〜C30アルキル基;
    アリール、及びアラルキル基;
    一般式(II)の基:

    −C2d−O−(CO)(CO) (II)

    (ここで、RはC〜C30炭化水素基、またはR−(CO)−基であり、ここでRはC〜C30炭化水素基であり、そして、
    d、eおよびfは、dが0〜15であり、そしてeおよびfが互いに独立に0〜50であるような整数である);および
    これらの組み合わせ、
    から選ばれ、
    は一般式(III):

    −Q−O−X (III)

    (ここで、Qは、少なくとも1のエーテル結合および/または少なくとも1のエステル結合を含むことができる、2価のC〜C20炭化水素基である)
    によって表される基であり、
    は一般式(IV)
    Figure 2006028178

    (ここで、
    R基の夫々は互いに独立に、必要に応じて1以上のフッ素原子で置換されていてもよいC〜C30アルキル基;およびアリール基およびアラルキル基から選ばれた基を表し、
    gおよびhは、gが1〜5であり、そしてhが0〜500であるような整数である)
    の有機シロキサン基である。
  2. 少なくとも1の着色剤、少なくとも1の無機ゲル化剤、及び一般式(I)の少なくとも1のシリコーンポリマーを含むことを特徴とする化粧料組成物、

    SiO(4−a−b−c)/2 (I)

    ここで、
    a、bおよびcは、aが1〜2.5であり、そしてbおよびcが互いに独立に0.001〜1.5であるようなものであり、
    は、各出現において同一でも異なっていてもよく、以下の基:
    必要に応じて1以上のフッ素原子、アミノ基および/またはカルボキシル基で置換されていてもよいC〜C30アルキル基;
    アリール、及びアラルキル基;及び
    一般式(II)の基:

    −C2d−O−(CO)(CO) (II)

    (ここで、RはC〜C30炭化水素基、またはR−(CO)−基であり、ここでRはC〜C30炭化水素基であり、そして、
    d、eおよびfは、dが0〜15であり、そしてeおよびfが互いに独立に0〜50であるような整数である);
    およびこれらの組み合わせ、
    から選ばれ、
    は一般式(III):

    −Q−O−X (III)

    (ここで、Qは、少なくとも1のエーテル結合および/または少なくとも1のエステル結合を含むことができる、2価のC〜C20炭化水素基であり、そして、
    Xはポリヒドロキシル化炭化水素基である)
    によって表される基であり、
    は一般式(IV):
    Figure 2006028178

    (ここで、
    R基の夫々は互いに独立に、必要に応じて1以上のフッ素原子で置換されていてもよいC〜C30アルキル基、
    アリール基およびアラルキル基から選ばれた基を表し、
    gおよびhは、gが1〜5であり、そしてhが0〜500であるような整数である)
    の有機シロキサン基である。
  3. 少なくとも1の液状脂肪相、前記脂肪相のための少なくとも1のゲル化剤、及び一般式(I)の少なくとも1のシリコーンポリマーを含む無水の化粧料組成物、

    SiO(4−a−b−c)/2 (I)

    ここで、
    a、bおよびcは、aが1〜2.5であり、そしてbおよびcが互いに独立に0.001〜1.5であるようなものであり、
    は、各出現において同一でも異なっていてもよく、以下の基:
    必要に応じて1以上のフッ素原子、アミノ基および/またはカルボキシル基で置換されていてもよいC〜C30アルキル基;
    アリール、及びアラルキル基;
    一般式(II)の基:

    −C2d−O−(CO)(CO) (II)

    (ここで、RはC〜C30炭化水素基、またはR−(CO)−基であり、ここでRはC〜C30炭化水素基であり、そして、
    d、eおよびfは、dが0〜15であり、そしてeおよびfが互いに独立に0〜50であるような整数である);
    およびこれらの組み合わせ、
    から選ばれ、
    は一般式(III):

    −Q−O−X (III)

    (ここで、Qは、少なくとも1のエーテル結合および/または少なくとも1のエステル結合を含むことができる、2価のC〜C20炭化水素基であり、そして、
    Xはポリヒドロキシル化炭化水素基である)
    の基であり、
    ただし、Rが一般式(IIIA):

    −C−O[CHCH(OH)CHO]H (IIIA)

    (ここで、nは1〜5である整数である)
    の基である場合には、RはC12アルキル基ではない、
    は一般式(IV):
    Figure 2006028178

    (ここで、
    R基の夫々は互いに独立に、必要に応じて1以上のフッ素原子で置換されていてもよいC〜C30アルキル基、およびアリール基およびアラルキル基から選ばれた基を表し、
    gおよびhは、gが1〜5であり、そしてhが0〜500であるような整数である)
    の有機シロキサン基である。
  4. 少なくとも1のシリコーン油を含む少なくとも1の液状脂肪相、前記脂肪相のための少なくとも1のゲル化剤、及び一般式(I)の少なくとも1のシリコーンポリマーを含む無水化粧料組成物、

    SiO(4−a−b−c)/2 (I)

    ここで、
    a、bおよびcは、aが1〜2.5であり、そしてbおよびcは、独立に0.001〜1.5であるようなものであり、
    は、各出現において同一でも異なっていてもよく、以下の基:
    必要に応じて1以上のフッ素原子、アミノ基および/またはカルボキシル基で置換されていてもよいC〜C30アルキル基;
    アリール、及びアラルキル基;
    一般式(II)の基:

    −C2d−O−(CO)(CO) (II)

    (ここで、RはC〜C30炭化水素基、またはR−(CO)−基であり、ここでRはC〜C30炭化水素基であり、そして、
    d、eおよびfは、dが0〜15であり、そしてeおよびfが互いに独立に0〜50であるような整数である);および
    これらの組み合わせ、
    から選ばれ、
    は一般式(III):

    −Q−O−X (III)

    (ここで、Qは、少なくとも1のエーテル結合および/または少なくとも1のエステル結合を含むことができる、2価のC〜C20炭化水素基であり、そして、
    Xは置換されたポリヒドロキシル化炭化水素基である)
    の基であり、
    は一般式(IV):
    Figure 2006028178

    (ここで、
    R基の夫々は互いに独立に、必要に応じて1以上のフッ素原子で置換されていてもよいC〜C30アルキル基、アリール基、およびアラルキル基を表し、
    gおよびhは、gが1〜5であり、そしてhが0〜500であるような整数である)
    の有機シロキサン基である。
  5. 少なくとも1の液状脂肪相、前記脂肪相のための少なくとも1のゲル化剤、及び一般式(I)の少なくとも1のシリコーンポリマー、及び少なくとも1の界面活性剤を含む無水化粧料組成物、

    SiO(4−a−b−c)/2 (I)

    ここで、
    a、bおよびcは、aが1〜2.5であり、そしてbおよびcは、独立に0.001〜1.5であるようなものであり、
    は、各出現において同一でも異なっていてもよく、以下の基:
    必要に応じて1以上のフッ素原子、アミノ基および/またはカルボキシル基で置換されていてもよいC〜C30アルキル基;
    アリール、及びアラルキル基;
    一般式(II)の基、

    −C2d−O−(CO)(CO) (II)

    (ここで、RはC〜C30炭化水素基、またはR−(CO)−基であり、ここでRはC〜C30炭化水素基であり、
    d、eおよびfは、dが0〜15であり、そしてeおよびfが互いに独立に0〜50であるような整数である);および
    これらの組み合わせ、
    から選ばれ、
    は一般式(III):

    −Q−O−X (III)

    (ここで、Qは、少なくとも1のエーテル結合および/または少なくとも1のエステル結合を含むことができる、2価のC〜C20炭化水素基であり、そして、
    Xは置換されたポリヒドロキシ化炭化水素基である)
    の基であり、
    は一般式(IV):
    Figure 2006028178

    (ここで、
    R基の夫々は互いに独立に、必要に応じて1以上のフッ素原子で置換されていてもよいC〜C30アルキル基;アリール基、およびアラルキル基をから選択された基を表し、
    gおよびhは、gが1〜5であり、そしてhが0〜500であるような整数である)
    の有機シロキサン基である。
  6. シリコーンポリマーが、RがC〜C10アルキル基、特にC〜Cアルキル基、そしてより特にC〜Cアルキル基である一般式(I)の化合物であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. シリコーンポリマーが、一般式(I)の化合物であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物、

    SiO(4−a−b−c)/2 (I)

    ここで、
    aは1〜1.4であり、bおよびcは互いに独立に0.02〜0.04であり、
    は、C〜C10のアルキル基、特にC〜Cのアルキル基、そしてより特にC〜Cのアルキル基であり、
    は一般式(IIIA):

    −CO[CHCH(OH)CHO]H (IIIA)

    (ここで、nは1〜5である。)
    によって表され、
    は一般式(IVA):

    −C(CHSiO[(CHSiO]Si(CH (IVA)

    (ここで、mは3〜9である)
    g及びhは、gが1〜5であり、hが0〜500であるような整数である、
    により表される。
  8. シリコーンポリマーが、一般式(I)の化合物であることを特徴とする、請求項7に記載の組成物、

    SiO(4−a−b−c)/2 (I)

    ここで、
    aは1〜1.4であり、bおよびcは互いに独立に0.02〜0.04であり、
    は、メチル基であり、
    は一般式(IIIA)

    −C−O[CHCH(OH)CHO]H (IIIA)

    (ここで、nは1〜5である)によって表され、そして
    は一般式(IVA)

    −C(CHSiO[(CHSiO]Si(CH (IVA)

    (ここで、mは3〜9である)により表される。
  9. 該液状脂肪相ゲル化剤が、3次元構造の架橋されたエラストマー状ポリオルガノシロキサン、例えばMQシリコーン樹脂、ポリアルキルセスキオサン、特にポリメチルセスキオサン及びヒドロシリル化により架橋された樹脂;シリコーンガム;アミノシリコーンポリマー;非シリコーンポリアミド;ポリウレタン;(メタ)アクリル酸及び/又はビニルポリマー;エチレン性モノマーの重合化又は共重合化から生じ、1以上のエチレン性結合を含むポリマー又はコポリマー;エチレン性モノマーの重合化又は共重合化から生じるポリマー又はコポリマー、特にビニル、アクリル、又はメタクリルコポリマー;ポリスチレン/ポリイソプレンタイプ、又はポリスチレン/ポリブタジエンタイプ、又はポリスチレン/コポリ(エチレンープロピレン)タイプ、又はポリスチレン/コポリ(エチレン/ブチレン)タイプのトリブロックコポリマー;スチレン−メタアクリルコポリマー;変性された粘土、例えばクオタニアム−18ベントナイト、ベンズアルコニウムクオタニアム−18ベントナイト及びステアラルコニウムベントナイト;及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項3〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 液状脂肪相ゲル化剤が、非結晶性、非シリコーンの脂肪相ゲル化剤であることを特徴とする、請求項3〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記液状脂肪相ゲル化剤が無機のゲル化剤であることを特徴とする、請求項1及び3〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記非結晶性、非シリコーンの液状脂肪相ゲル化剤が、非シリコーンポリアミド;ポリウレタン;(メタ)アクリル酸及び/又はビニルポリマー;エチレン性モノマーの重合化又は共重合化から生じ、1以上のエチレン性結合を含むポリマー又はコポリマー、エチレン性モノマーの重合化又は共重合化から生じるポリマー又はコポリマー、特にビニル、アクリル、又はメタクリルコポリマー;ポリスチレン/ポリイソプレン又はポリスチレン/ブタジエンタイプ、又はポリスチレン/コポリ(エチレン−プロピレン)タイプ又はポリスチレン/コポリ(エチレン/ブチレン)タイプのトリブロックコポリマー;スチレン−メタクリレートコポリマー;及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1又は10のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 上記無機ゲル化剤が、変性された粘土、特にC10〜C22の脂肪酸の塩化アンモニウムで変性されたヘクトライト、例えばクオタニアム−18ベントナイト、ベンズアルコニウムクオタニアム−18ベントナイト及びステアラルコニウムベントナイト;熱分解シリカ;及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項2又は11のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 組成物が、少なくとも1の着色剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1及び3〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 着色剤が、有機顔料、鉱物顔料、真珠光沢剤、及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項2又は14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 組成物が少なくとも1のシリコーン油をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3及び5〜15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 上記シリコーン油が、
    直鎖または環状のシリコーン油、特に8センチストーク(8×10−6/秒)以下の粘度を持つもの、そしてとりわけオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、および、
    シリコーン油、たとえば非揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS)、ペンダント状のアルキルまたはアルコキシ基および/またはシリコーン鎖の末端にアルキルまたはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサンであって、これらの基が夫々2〜24炭素原子を持つもの、フェニルシリコーン、たとえばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、及び2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、および、
    これらの混合物、
    から選ばれることを特徴とする、請求項4又は16のいずれかに1項に記載の組成物。
  18. 組成物が、水素化ポリイソブテン、ステアリルヘプタノエート、イソノニルイソノナノエート、ジペンタエリスリトールテトラヒドロキシステアレート/テトライソステアレート、2−オクチルドデカノール、イソトリデシルイソノナノエート、ジイソステアリルマレート、及びそれらの混合物から選択された炭化水素油を含むことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 組成物が、
    8〜16の炭素原子、特にC〜C16の分岐状アルカンを有する炭化水素油、例えばイソドデカン、イソデカン、及びイソヘキサデカン、
    直鎖又は環状シリコーン油、特に8センチストーク(8×10−6/秒)以下の粘度を持つもの、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、
    フッ素化された溶媒、例えばノナフルオロメトキシブタン又はパーフルオロメチルシクロペンタン、及び
    それらの混合物
    から選択された揮発性油を含むことを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物。
  20. 上記揮発性油が、組成物の合計重量に対して、15重量%未満で存在することを特徴とする、請求項19に記載の組成物。
  21. ワックス、ペースト状脂肪物質、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1の化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
  22. 少なくとも1のフィラーをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. 皮膚及び/又は口唇のケア用及び/又はメークアップ用組成物、特にリップスティックであることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
  24. 少なくとも1液状脂肪相を含み、メークアップ基体上で改善された落ちない性質を示す化粧料組成物を調製するために、少なくとも1の液状脂肪相ゲル化剤と組み合わせて、請求項1、及び6〜8のいずれか1項において定義された一般式(I)の少なくとも1のシリコーンポリマーを使用する方法。
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