JP2006027919A - 耐熱性塗料及び該塗料を用いた断熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性と耐熱衝撃性とに優れ、被着体の表面に隠蔽性の高い塗料層を形成できる塗料と、このような塗料を用いた発塵や低融点金属の溶出が抑えられた表面強度の高い断熱材を提供する。
【解決手段】 断熱材10を構成する耐熱性多孔質基材18の表面にシリカ粉末26,アルミナ粉末28および鱗片状耐熱粉末30を水ガラス24に分散した耐熱性塗料を塗布し、これを700〜1000℃で焼成することによって、断熱材10表面に鱗片状耐熱粉末30が幾重にも重なった層を有するムライト質の塗料層22を形成することができる。これにより、発塵や低融点金属或いは低融点化合物の溶出が抑えられた表面強度の高い断熱材10を提供することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、1000℃前後の高温下で使用する耐熱性塗料と、このような塗料を用いて発塵性等を低下させた断熱材に関するものである。
セラミック繊維などの無機繊維を抄造して形成した無機繊維ボードは、耐熱レンガやキャスタブルなどに比べて軽量で扱い易く、また断熱性にも優れているため、各種工業炉などの耐熱性や断熱性が要求される用途に使用されている。この一例として極めて高いクリーン度が要求される半導体製造工程の高温プロセスに用いられる電気炉が挙げられる。
ここで、断熱材として従来の無機繊維ボード(1)を用いた電気炉(2)(図4参照)では、炉内表面に無機繊維等が露出しているため、使用の際に無機繊維等が脱落して発塵するという問題があった。更に、従来の無機繊維ボード(1)では耐熱衝撃性が十分でないため、電気炉(2)で急激な加熱や冷却が行われると、無機繊維ボード(1)がこれに伴う膨張や収縮に耐えきれず、(特に電熱ヒータ(3)近傍や開口部近傍において)その表面にマイクロクラック(A)が発生し、無機繊維ボード(1)表面が剥離したり(所謂スポーリング)、当該マイクロクラック(A)を通じて無機繊維ボード(1)の内部に含まれるNaやKなどの低融点金属或いは揮発性の低融点化合物が高温時に電気炉(2)内に溶出して蒸発汚染を引き起こすようになる。このような無機繊維ボード(1)表面の剥離や低融点金属或いは低融点化合物による蒸発汚染は、上述した半導体製造工程の高温プロセスで使用する電気炉(2)において特に重大な問題となる。
以上のような問題を解決する技術として、無機繊維ボードなどの無機繊維質成形体すなわち耐熱性多孔質基材の表面に、球状の微粒子を含むアルミナとシリカとで構成されたコーティング層を設けた断熱材が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
かかる技術によれば、断熱材の表面強度や耐熱衝撃性を改善することができるので、当該断熱材を電気炉の内貼りとして使用した際に、断熱材表面の発塵やマイクロクラックの発生をある程度防止することができる。
しかしながら、この技術では、コーティング層を構成する各種材料の大部分が多孔質の基材内部へと浸透するため、断熱材の表面をコーティング層で完全に被覆するのが困難である。このため、断熱材を電気炉などの内面に取付ける際、断熱材の表面に露出した基材(即ち、コーティング層で被覆されていない弱い部分)に傷が付き易く、断熱材の加熱・冷却が繰り返されると、この傷が起点となってスポーリングが発生するという懸念がある。
また、コーティング層を構成する球状の粒子の間にはサブミクロンオーダーの空隙が形成されているため、高温時に基材内部からNaやKなどの低融点金属或いは低融点化合物が溶出して蒸発汚染を引き起こすのを止める事ができないという問題もあった。
岩田 耕治、外1名、"高まる炉内クリーン度の要求に対応した新しい断熱材 低発じん性断熱材"、[online]、ニチアス技術時報、NO.332(2002年4号)、[平成16年5月18日検索]、インターネット<URL:http://nichias.co.jp/technique/pdf/332/teihatujin.pdf>
それゆえに、本発明の主たる課題は、耐熱性や耐熱衝撃性に優れ、被着体の表面に隠蔽性の高い塗料層を形成できる耐熱性塗料と、このような塗料を用いた発塵や低融点金属或いは低融点化合物の溶出が抑えられた表面強度の高い断熱材を提供することである。
請求項1に記載した発明は、「シリカ粉末(26),アルミナ粉末(28)および鱗片状耐熱粉末(30)を水ガラス(24)に分散させてなる」ことを特徴とする耐熱性塗料である。
また、請求項2に記載した発明は、「耐熱性多孔質基材(18)の少なくとも一部の表面に、シリカ粉末(26),アルミナ粉末(28)および鱗片状耐熱粉末(30)を水ガラス(24)に分散させた塗料を塗布し、700〜1000℃で焼成した塗料層(22)が設けられている」ことを特徴とする断熱材(10)である。
本発明の耐熱性塗料を耐熱性多孔質基材(18)の表面に塗布して700〜1000℃で焼成すると、耐熱性塗料の水ガラス(24)が固化して熱衝撃に強いムライト質の塗料層(22)が形成される。この塗料層(22)は、耐熱性多孔質基材(18)表面近傍の微多孔に浸透し、耐熱性多孔質基材(18)に対して強固に接着すると共に、その表面部(即ち前記微多孔に浸透していない塗料層(22)の部分)には、鱗片状耐熱粉末(30)がその表面を耐熱性多孔質基材(18)の表面に向けるようにして幾重にも重なり耐熱性多孔質基材(18)の表面を完全に隠蔽する層が形成される。
このように本発明の耐熱性塗料では、断熱性多孔質基材(18)の表面を鱗片状耐熱粉末(30)で完全に隠蔽するムライト質の塗料層(22)を形成することができるので、耐熱性多孔質基材(18)の表面強度や耐熱衝撃性を向上できると共に、耐熱性多孔質基材(18)の内部からNaやKなどの低融点金属或いは揮発性の低融点化合物が溶出するのを防止することができる。
また、加熱或いは冷却によって耐熱性多孔質基材(18)が膨張或いは収縮した場合、耐熱性多孔質基材(18)の変形に合わせて塗料層(22)も変形するが、塗料層(22)の表面部では鱗片状耐熱粉末(30)がその表面を耐熱性多孔質基材(18)の表面に向けるようにして幾重にも重なった層が形成されているので、当該塗料層(22)が変形したとしても耐熱性多孔質基材(18)の表面は鱗片状耐熱粉末(30)によって常に隠蔽されたまま露出することはない。したがって、仮に耐熱性多孔質基材(18)が膨張或いは収縮することによりその表面にマイクロクラックが発生したとしても、耐熱性多孔質基材(18)の内部からNaやKなどの低融点金属や揮発性の低融点化合物が溶出して蒸発汚染を引き起こす心配はない。
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載の断熱材(10)において「耐熱性多孔質基材(18)が無機繊維を抄造した無機繊維ボード,耐熱レンガ,黒鉛ボードおよびキャスタブルのいずれかである」ことを特徴とするもので、これにより、1000℃前後での耐熱性や断熱性に優れ、発塵や低融点金属の溶出が抑えられた断熱材(10)を提供することができる。
本発明によれば、断熱材を構成する耐熱性多孔質基材の表面にシリカ粉末,アルミナ粉末および鱗片状耐熱粉末を水ガラスに分散した耐熱性塗料を塗布し、これを700〜1000℃で焼成することによって、断熱材表面に鱗片状耐熱粉末が幾重にも重なった層を有するムライト質の塗料層を形成することができ、これにより、断熱材の表面強度や耐熱衝撃性を向上できると共に、断熱材表面からの発塵や低融点金属或いは低融点化合物の溶出を抑えることができる。
したがって、耐熱性と耐熱衝撃性とに優れ、被着体の表面に隠蔽性の高い塗料層を形成できる耐熱性塗料と、このような塗料を用いた発塵や低融点金属或いは低融点化合物の溶出が抑えられた表面強度の高い断熱材を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の耐熱性塗料並びに当該塗料を使用した断熱材について説明する。
図1は本発明の断熱材(10)を使用したシリンダ型の電気炉(12)の概略を示す斜視図である。この電気炉(12)は、断熱材(10)のほかに金属製の円筒からなるケーシング(14)や1000℃前後に発熱が可能なニクロム線,セラミックファイバー或いは炭素繊維等で構成された電熱ヒータ(16)などを具備する。
断熱材(10)は、電気炉(12)内の熱を外部へ逃がさないように断熱するためのものであり、図2および図3に示すように耐熱性多孔質基材(18)、下塗り層(20)および塗料層(22)で構成されている。
耐熱性多孔質基材(18)は、アルミナ繊維やムライト繊維などのセラミック繊維(18a)をコロイダルシリカやアルミナゾルなどの無機バインダと共に水に分散してスラリーを調製し、このスラリーを抄造法などにより所定の形状に成形した無機繊維ボードである(図3参照)。なお、本実施例では、この耐熱性多孔質基材(18)が湾曲板状に形成されているものを示す。また、その内周面には長手方向に延ばされた複数の凹溝(18b)が設けられており、この凹溝(18b)に電熱ヒータ(16)が収容されるようになっている。
下塗り層(20)は、耐熱性多孔質基材(18)の少なくとも一部の表面近傍(本実施例では耐熱性多孔質基材(18)の内周面全体)に設けられ、後述する塗料層(22)が耐熱性多孔質基材(18)の内部奥深くまで浸透しないよう目留めするためのものであり、水ガラス(20a)を塗布・乾燥させて形成した層である。
塗料層(22)は、耐熱性多孔質基材(18)の少なくとも一部の表面に耐熱性塗料を塗設した層であり、耐熱性多孔質基材(18)の表面を被覆して当該基材(18)表面からの発塵や低融点金属の溶出を防止すると共に、その表面強度や耐熱衝撃性を向上させるものである(図3参照)。
ここで、塗料層(22)を構成する本発明の耐熱性塗料は、水ガラス(24)にシリカ粉末(26),アルミナ粉末(28)および鱗片状耐熱粉末(30)を分散してなるものである。
水ガラス(24)は、耐熱性塗料のベースとなるアルカリ−ケイ酸系ガラス[組成;Na2O・nSiO2(n=2〜4)]の濃厚水溶液である。この水ガラス(24)は、700〜1000℃程度の高温で焼成することによって結晶水が完全に除去されて固化し1000℃前後の高温に耐え得るケイ酸ガラスからなる皮膜を形成する。なお、上述した下塗り層(20)の材料となる水ガラス(20a)もこれと同じものである。
シリカ粉末(26)およびアルミナ粉末(28)は、耐熱性塗料を塗設して得られる塗料層(22)を熱衝撃に強いムライト質に改質するためのものである。なお、これらの粉末(26)(28)は1500℃程度に加熱しても実質的に膨張も収縮もしないため、水ガラス(24)に分散するシリカ粉末(26)およびアルミナ粉末(28)の量を調節することによって塗料層(22)の熱膨張率を調整することもできる。
水ガラス(24)に分散するシリカ粉末(26)およびアルミナ粉末(28)の粒子サイズは、耐熱性多孔質基材(18)の表面から内部にかけて存在する微多孔の径よりも小さいものであることが要件であり、具体的には平均粒径が1μm未満であるのが好ましい。このような粒子サイズにすることで、シリカ粉末およびアルミナ粉末(28)が水ガラス(24)と共に耐熱性多孔質基材(18)内部にまで均一に浸透し、耐熱性塗料全体にムライト質としての機能(即ち、耐熱衝撃性)を付与できるようになるからである。なお、シリカ粉末(26)およびアルミナ粉末(28)の粒子サイズが極端に小さい場合(例えば1nm未満)には、これらが継粉となり耐熱性多孔質基材(18)の内部に浸透できなくなるので好ましくない。
また、水ガラス(24)に分散するシリカ粉末(26)およびアルミナ粉末(28)の配合割合は水ガラス(24)100重量部に対してそれぞれ5〜40重量部で、且つシリカ粉末(26)とアルミナ粉末(28)とのモル比が概ねシリカ粉末(26):アルミナ粉末(28)=2:3となるように割合するのが好ましい。このような範囲でシリカ粉末(26)およびアルミナ粉末(28)を配合することによって、耐熱性塗料の粘度を耐熱性多孔質基材(18)に塗布するのに好適なものとすることができると共に、耐熱性塗料を塗設して得られる塗料層(22)をムライト質のものに改質することができる。ここで、「耐熱性多孔質基材(18)に塗布するのに好適な」粘度とは、計量した所定量の耐熱性塗料を確実に塗布することが可能(つまり、液切れ性が良い)であり、且つ塗布した耐熱性塗料の液状成分がある程度耐熱性多孔質基材(18)の表面に残留する(つまり、塗布した耐熱性塗料の液状成分の全てが基材(18)内に浸透しない)粘度である。
鱗片状耐熱粉末(30)は、塗料層(22)の表面に積層して耐熱性多孔質基材(18)の表面を隠蔽するものであり、1500℃以上の耐熱性を有する完全結晶化した寸法安定性の高いマスコバイトやフロコバイトなどの劈開性の鉱物や鱗片状のシリカ粒子などによって構成された粉末である。
この鱗片状耐熱粉末(30)の平均粒径は、耐熱性多孔質基材(18)の微多孔の径よりやや大きく設定されており、例えば、本実施例のように耐熱性多孔質基材(18)として無機繊維ボードを使用した場合、鱗片状耐熱粉末(30)の平均粒径は概ね1〜200μmの範囲である。鱗片状耐熱粉末(30)の平均粒径をこのような範囲に定めることによって、耐熱性塗料を当該基材(18)に塗布した際、鱗片状耐熱粉末(30)が耐熱性多孔質基材(18)の表面を被覆して隠蔽することができる。
また、水ガラス(24)に分散する鱗片状耐熱粉末(30)の配合割合は、水ガラス(24)100重量部に対して5〜40重量部の範囲であることが好ましい。鱗片状耐熱粉末(30)の配合割合が5重量部未満の場合には、耐熱性多孔質基材(18)表面の隠蔽性が劣るようになり、逆に、40重量部より多い場合には、耐熱性多孔質基材(18)表面の隠蔽性はよくなるものの、得られる塗料層(22)の強度が低下するようになるからである。
なお、鱗片状耐熱粉末(30)として用いるマスコバイトやフロコバイトは、低融点金属のKを含んでいるが、これらの鉱物は完全結晶化しており、1500℃程度の熱ではその内部からKが溶出する心配はない。
次に、以上のように構成された本発明の断熱材(10)を製造する際には、まず、耐熱性多孔質基材(18)の内周面全体に、刷毛,スプレー或いはロールコーターなど公知の塗布方法を利用して水ガラス(20a)を塗布し、これを直ちに乾燥させて下塗り層(20)を形成する。
続いて、下塗り層(20)が形成された耐熱性多孔質基材(18)の内周面全体に、刷毛,スプレー或いはロールコーターなど公知の塗布方法を利用して、水ガラス(24)にシリカ粉末(26),アルミナ粉末(28)および鱗片状耐熱粉末(30)を分散させた耐熱性塗料を、前記鱗片状耐熱粉末(30)の表面(鱗片状耐熱粉末(30)としてマスコバイトやフロコバイトを用いた場合にはその劈開面)が耐熱性多孔質基材(18)の表面を向くようにして塗布し、然る後、700〜1000℃程度の高温で焼成する。すると、水ガラス(24)の結合水が完全に除去されて固化し、耐熱性多孔質基材(18)表面近傍の微多孔に浸透した耐熱性塗料が耐熱性多孔質基材(18)と強固に接着すると共に、塗布した耐熱性塗料の表面部(即ち前記微多孔に浸透しない部分)には、鱗片状耐熱粉末(30)がその表面(劈開面)を耐熱性多孔質基材(18)の表面に向けるようにして幾重にも重なり耐熱性多孔質基材(18)の表面を完全に隠蔽する層が形成される。これにより、1000℃前後の高温に耐え得る熱衝撃に強いムライト質の塗料層(22)が形成された本発明の断熱材(10)が完成する。
次に、完成した断熱材(10)を用いて、図1に示す電気炉(12)を組立てる際には、まず、ケーシング(14)の内面全体に断熱材(10)を取着する。ここで、本発明の断熱材(10)は、内周面全体が強固な塗料層(22)で完全に被覆され、且つその表面が鱗片状耐熱粉末(30)によって保護されているので、ケーシング(14)に断熱材(10)を取着する際、断熱材(10)の内周面がケーシングのエッジなどに強く押し当てられたとしても、断熱材(10)の内周面に傷がついたり欠損したりすることはない。このため、断熱材(10)の加熱・冷却を繰り返しても、(表面の傷などが起点となり)スポーリングが発生するのを防止することができる。
そして、断熱材(10)の内周面に設けられた凹溝(18b)に電熱ヒータ(16)を取付け、この電熱ヒータ(16)とリード線等からなる給電回路(図示せず)とを接続することによって、電気炉(12)が完成する。
このように本実施例の断熱材(10)並びにこれを用いた電気炉(12)では、断熱性多孔質基材(18)の表面を鱗片状耐熱粉末(30)で完全に隠蔽するムライト質の塗料層(22)が形成されているので、耐熱性多孔質基材(18)の表面強度や耐熱衝撃性を向上させることができると共に、耐熱性多孔質基材(18)の内部から電気炉(12)内にNaやKなどの低融点金属或いは揮発性の低融点化合物が溶出して電気炉(12)内を蒸発汚染するのを防止することができる。
また、電気炉(12)の加熱或いは冷却によって耐熱性多孔質基材(18)が膨張或いは収縮した場合、耐熱性多孔質基材(18)の変形に合わせて塗料層(22)も変形するが、塗料層(22)内部では鱗片状耐熱粉末(30)がその表面(劈開面)を耐熱性多孔質基材(18)の表面に向けるようにして幾重にも重なり層を成しているので、当該塗料層(22)が変形したとしても耐熱性多孔質基材(18)の表面は鱗片状耐熱粉末(30)によって常に隠蔽されたまま露出することはない。したがって、仮に耐熱性多孔質基材(18)が膨張或いは収縮することによりその表面にマイクロクラックが発生した場合であっても、耐熱性多孔質基材(18)の表面は常に鱗片状耐熱粉末(30)によって隠蔽されているので、耐熱性多孔質基材(18)の内部から電気炉(12)内にNaやKなどの低融点金属が溶出する心配はない。
なお、上述の例では、耐熱性多孔質基材(18)として無機繊維ボードを用いた例を示したが、1000℃前後の温度に対する耐熱性を有し且つ多孔質構造によって断熱性を発揮できるものであれば如何なるものであってもよく、例えば耐熱レンガ、黒鉛ボード或いはキャスタブルなどであってもよい。
また、耐熱性多孔質基材(18)の表面に下塗り層(20)を設ける場合を示したが、耐熱性塗料を構成する水ガラス(24)が耐熱性多孔質基材(18)表面に十分留まることができるのであれば、下塗り層(20)を設けなくてもよい。
さらに、電気炉(12)としてシリンダ型のものを示したが、例えば矩形のものやハーフシリンダ型のものやパネル型のものなど如何なる形態のものであってもよい。
本発明の断熱材を用いた電気炉の一例を示す斜視図である。 図1におけるI-I線断面図である。 本発明における一実施例の断熱材の要部を示す概略断面図である。 従来の断熱材の要部を示す概略断面図である。
符号の説明
(10)・・・断熱材
(12)・・・電気炉
(14)・・・ケーシング
(16)・・・電熱ヒータ
(18)・・・耐熱性多孔質基材
(20)・・・下塗り層
(22)・・・塗料層
(24)・・・水ガラス
(26)・・・シリカ粉末
(28)・・・アルミナ粉末
(30)・・・鱗片状耐熱粉末

Claims (3)

  1. シリカ粉末,アルミナ粉末および鱗片状耐熱粉末を水ガラスに分散させてなることを特徴とする耐熱性塗料。
  2. 耐熱性多孔質基材の少なくとも一部の表面に、シリカ粉末,アルミナ粉末および鱗片状耐熱粉末を水ガラスに分散させた塗料を塗布し、700〜1000℃で焼成した塗料層が設けられていることを特徴とする断熱材。
  3. 前記耐熱性多孔質基材が無機繊維を抄造した無機繊維ボード,耐熱レンガ,黒鉛ボードおよびキャスタブルのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の断熱材。
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