JP2006027261A - カム動作を行なうロック機構を備えるバーノブ - Google Patents

カム動作を行なうロック機構を備えるバーノブ Download PDF

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Abstract

【課題】チェーンソーのソーチェーンの張力を調整する張力調整構造を実現する保持アセンブリを提供する。
【解決手段】保持アセンブリは回転ノブを含み、この回転ノブはチェーンソーのエンジンシャーシ14、クラッチカバー30、及びガイドバー20と連動し、ガイドバーを正規の位置に保持する締め位置と、ガイドバーの位置を変えてソーチェーンの張力を調整するための操作を可能にする緩め位置との間で回転軸を中心に回転することができる。ロック機構を設けてノブのロック及びアンロックを行い、ノブの回転動作を可能にする。ロック機構がロック位置にあるとき、ノブの領域を超えて延びるロック機構の可動係合ポイントは固定係合ポイントと係合する。ロック機構がアンロック位置にあるとき、ノブの領域の内部に後退した可動係合ポイントは固定係合ポイントとの係合を解く。
【選択図】図1

Description

本発明は、チェーンソーのガイドバー上のエンドレスソーチェーンの張力を定期的に調整する張力調整構造を実現する保持アセンブリに関するものである。
チェーンソーのソーチェーンは結局のところ、チェーンを長くしてしまう磨耗のような原因から、使用後にはチェーンソーのガイドバーの上で緩くなる。チェーンソーの駆動スプロケットから長さ方向に離れるようにガイドバーを移動させてソーチェーンからたるみを取り除き、必要な張力をソーチェーンに生じさせる幾つかのチェーンソー構成及び関連する方法が在る。これにより、ソーチェーンのリンクが確実にガイドバーの周辺チャネルにぴったりと収まる状態になる。
ガイドバー上のソーチェーンの張力を調整する多くの張力調整構造及び関連する方法が知られている。通常、保持アセンブリは張力調整構造を実現するために設けられる。保持アセンブリはガイドバーを正規の位置に保持するように機能する。ガイドバーの位置を変え、ソーチェーンの張力を調整する必要がある場合、保持アセンブリを緩め、ガイドバーが駆動スプロケットから長さ方向に離れる方向に移動させ、ソーチェーンの張力を増大させる。その後、保持アセンブリを再度締めてガイドバーをその調整位置に固定する。場合によっては、別個の工具によって保持アセンブリを緩めたり締めたりする必要がある。他また、保持アセンブリがそれ自体を緩めたり締めたりする手段を含んで、別個の工具を必要としない場合もある。また、特定の構成及び関連する方法では、ネジ、油圧ピストン、又は偏心動作部品をチェーンソーに組み込んで使用することにより、基本的に自動でガイドバーを移動させ、保持アセンブリが緩んだときにソーチェーンの張力を増大させる。別の方法では、操作者がガイドバーを掴み、その調整位置に移動させることにより手動でガイドバーの位置を変える。
米国特許第6560879号
本発明は、チェーンソーのソーチェーンの張力を調整する張力調整構造を実現する保持アセンブリに関する。この保持アセンブリは別個の工具を使用することなく緩める、及び締めるという操作ができ、これにより、ソーチェーンの取り付け先となるチェーンソーガイドバーを移動させ、その位置を変えることができるので、ソーチェーンの張力を調整することができる。保持アセンブリはロック機構を含み、この機構により保持アセンブリが偶発的に緩まないようにする。一の態様によれば、本発明は、エンジンシャーシ、クラッチカバー、及びソーチェーン用のガイドバーを有するチェーンソーのソーチェーンの張力を調整する張力調整構造を実現する保持アセンブリを提供する。保持アセンブリは、エンジンシャーシ、クラッチカバー、及びガイドバーと連動する回転ノブを備え、これによりノブは、エンジンシャーシとクラッチカバーとの間の正規の位置にガイドバーが固定される締め位置と、ガイドバーを緩める緩め位置との間で、回転軸を中心として回転することができ、張力調整構造を使用してガイドバー上のソーチェーンの張力を調整することによりノブの位置を変更できる。クラッチカバーに対して固定される複数の係合ポイントを設ける。回転ノブはロック機構に接続され、このロック機構により、適宜、回転ノブをロックしてその回転軸を中心に回転しないようにし、また回転ノブをアンロックして回転ノブがその回転軸を中心に回転することができるようにする。ロック機構は、複数の可動係合ポイント、及びこれらの可動係合ポイントを適宜、回転ノブの領域から外側及び内側に向けて移動させることにより、それぞれクラッチカバーに対して固定される係合ポイントとの係合を行なわせ、また係合を解かせる手段を含む。クラッチカバーに対して固定される係合ポイントと可動係合ポイントが係合するとき、回転ノブはロックされて回転ノブの回転軸を中心に回転しない。クラッチカバーに対して固定される係合ポイントとの係合を可動係合ポイントが解くとき、回転ノブはアンロックされて回転ノブの回転軸を中心に回転することができる。
本発明の別の態様によれば、可動係合ポイントを移動させる手段は、これらの可動係合ポイントを適宜、回転ノブの回転軸の半径方向に沿って外側及び内側に、且つ回転軸にほぼ垂直に移動させ、それぞれクラッチカバーに対して固定される係合ポイントとの係合及び係合の解除を行う。
本発明の更に別の態様によれば、ロック機構はロックを含み、このロックの上には可動係合ポイントが位置する。ロックはスライド可能に回転ノブ内に取り付けられて適宜、回転ノブの回転軸の半径方向に沿って外側及び内側に、且つ回転軸にほぼ垂直に移動することにより、可動係合ポイントが、それぞれ、回転ノブの領域を越えて延びてクラッチカバーに対して固定される係合ポイントと係合し、また回転ノブの領域の内部に後退してクラッチカバーに対して固定される係合ポイントとの係合を解く。
本発明の更に別の態様によれば、ロック機構は、ロックと接触する部分を有するレバーを含む。レバーの第1方向の動きがロックと接触するレバーの当該部分により回転ノブの回転軸の半径方向に沿って外側にロックを移動させ、これによってロック上の可動係合ポイントがクラッチカバーに対して固定される係合ポイントと係合する位置に達するように、このレバーは回転ノブに取り付けられる。もう1つの動作として、レバーの第2方向の動きがロックと接触するレバーの部分を回転ノブの回転軸の半径方向に沿って内側に移動させ、これによって、ロックも回転ノブの回転軸の半径方向に沿って内側に移動し、ロック上の可動係合ポイントがクラッチカバーに対して固定される係合ポイントとの係合を解く。
更に別の態様によれば、レバーは回転可能に回転ノブに接続される端部を含み、この端部によってレバーは第1方向と第2方向の間で回転を行なうことができ、ロックと接触するレバーの当該部分はカムを含む。このカムは、レバーを第1方向に移動させると、回転ノブの回転軸の半径方向に沿ってロックを外側に移動させてロック上の可動係合ポイントをクラッチカバーに対して固定される係合ポイントと係合する位置に到達させる。レバーを第2方向に移動させると、カムによってロックが回転ノブの回転軸の半径方向に沿って内側に移動し、ロック上の可動係合ポイントがクラッチカバーに対して固定される係合ポイントとの係合を解く位置に達する。本発明の特定の態様では、バネのような弾性手段がロック及び回転ノブと接触し、ロックを回転ノブの回転軸の半径方向に沿って内側に継続的に押し込む。
本発明の別の態様によれば、可動係合ポイントは、スライド可能にロック上に配置されて、半径方向にそれぞれ外側及び内側に向かうロックの動きと同じ、半径方向に沿って外側及び内側に、ロックとは独立に移動することができる。バネのような弾性手段は、ロック及び可動係合ポイントと接触し、ロックに対して半径方向に沿って外側に、可動係合ポイントを継続的に押し込む。
図1及び2は、本発明によるチェーンソーのエンドレスソーチェーン18(図1参照)の張力を調整する張力調整構造を実現する保持アセンブリ34(図1参照)の一実施例を含むチェーンソー10を示す。チェーンソー10はエンジン(図示せず)用のエンジンシャーシ14、クラッチカバー30及びソーチェーン18用のガイドバー20を含む。以下に説明するように、エンジンは、エンジンの駆動シャフトに取り付けられる駆動スプロケット16(図2参照)を駆動する。駆動スプロケット16はソーチェーン18のリンクと係合し、ガイドバー20(図1参照)の周りでソーチェーンを駆動する。
ガイドバー20は、その外周にチャネル又は溝22(図2)を有する細長のプレート、及びその先端にアイドラースプロケット(図示せず)を有する構成であり、この先端にはソーチェーン18のリンクが載る。平行ピン又はスタッド24及び26がシャーシ14に取り付けられており、チェーンソーが水平面に載置されているときにほぼ水平になる共通平面に在る。ピン24及び26は、シャーシ14から垂直に延びてガイドバー20の細長の水平スロット28を貫通し、且つスロットにスライドして収まるようになっており、ガイドバー20をシャーシ14に対して位置合わせする。ピン24と26との間隔がスロット28の長さよりもかなり短いので、ガイドバーはこれらのピンに載る形で水平にスライドすることができ、これによって後述のように、ピン上のガイドバーの位置を変え、ソーチェーン18の張力を調整する。
クラッチカバー30は成形プラスチック又はダイカスト金属のような適切な材料であればどのような材料からも作成することができ、ガイドバー20を適宜正規の位置に保持する特定の部品群を収納するハウジングとなり、ガイドバーを解放することによりガイドバー20の位置を変え、よってソーチェーン18の張力を調整することができる。クラッチカバー30は、保持アセンブリ34(図1)によってエンジンシャーシ14に対して締まったり、緩んだりし、これによりガイドバー20を、それぞれ正規の位置に固定したり、正規の位置から解放したりすることができる。このために、クラッチカバー30はエンジンシャーシ14上のネジピン26にノブ35(図2)を介して取り外し可能に取り付けられており、このノブは保持アセンブリ34の一部品を構成する。隆起した複数のノジュール又はピン(図示せず)をクラッチカバー30の内面に設けてシャーシ14のスロット群の位置に合わせ、クラッチカバー及びシャーシを互いに対して位置合わせし易くしてもよい。
添付図面に示す本発明の実施形態では、ノブ35は内部にネジ山の付いたステム32(図2)を含み、このステムによってノブ35はネジピン26とネジ係合し、よってクラッチカバー30をシャーシ14に取り付けることができる。ノブ35及びそれに接続されるステム32は回転軸を中心として回転することができる。この回転軸はステム32及びピン26の長さを超えて延びており、この回転は、ガイドバー20がシャーシ14とクラッチカバー30との間の固定位置に保持される締め位置と、ガイドバーを長さ方向に移動させてその位置を変えることができる緩め位置との間で行なわれる。この位置変更操作は、ガイドバー20のスロット28及びピン24,26の連動により行なわれる。上述のように、回転ノブ35をエンジンシャーシ14、クラッチカバー30及びガイドバー20と連動して動作させることにより、ガイドバー20がエンジンシャーシ14とクラッチカバー30との間の正規の位置に固定される締め位置と、ガイドバーが緩んで張力調整構造を使用してその位置を変えることができる緩め位置との間で、ノブがその回転軸を中心に回転することができ、よってガイドバー20上のソーチェーン18の張力を調整することができる。
保持アセンブリは、回転ノブ35及びノブに接続されるステム32に加えてロック機構を備え、このロック機構はノブ35に接続されて、適宜、ノブがその回転軸を中心に回転しないようにノブをロックし、またノブがその回転軸の周りを回転できるようにノブをアンロックする。ロック機構はレバー36(図1)を含み、このレバーはピン38によって回転可能にノブ35に取り付けられる(図2及び3)。各ピン38はレバー36の該当する端部40を貫通して延びる。レバー36は、回転軸を中心としたノブ35の回転がロックされている、倒れた位置又は寝た位置(図7)から、ノブ35がアンロックされて回転軸を中心とした自由な回転が可能な起き上がり位置(図6)まで回転することができる。以上のように、レバー36は把持を容易にする便利な手段となり、この手段によってこの原理を回転ノブ35に適用してノブを締めたり緩めたりすることができる。
回転ノブ35をロックして回転できないようにする操作、及びノブを開放にして回転できるようにする操作は、レバー36、及びロック機構の追加部品を構成するロック50の連動により行なわれる。図8及び9から最も良く分かるようにロック50は通常ヨーク形状を有し、スライド可能にノブ35内に収納される。突起又は歯の形を呈する複数の可動係合ポイント44はヨークの頂部に位置し、ロック50の2つの端子部52はレバー36の該当する端部40に当接する。図10に最も良く描かれているように、コイルバネ53は、ノブ35の窪みによって形成される壁48と、ロック50の窪みによって形成される取付部49との間に位置し、継続的に力をロックに加えており、ノブ35の回転軸の半径方向に沿って内側に、且つ回転軸にほぼ垂直に力が加わる。
レバー36の両端部40の各々は偏心面又はカム42を含み、このカムはロック50の該当する端子部52と係合する。図10に示すように、レバー36が寝た位置にあるとき、レバー36の両端部40の各々のカム42はロック50の該当する端子部52に当接するので、ロック50がノブ35の回転軸の半径方向に沿って外側に、且つノブ35の回転軸にほぼ垂直な方向に、コイルバネ53の力に逆らって移動する。このモードでは、ロック50の係合ポイント44はノブ35の周辺又は領域から半径方向に沿って外側に移動する。反対に、レバー36が図6に示すように起きた位置にあるとき、レバー36の両端部40の各々のカム42はロック50の該当する端子部52から離れるように回転するのでコイルバネ53がノブ35の回転軸の半径方向に沿って内側にロック50を押す。この別のモードでは、ロック50の係合ポイント44はノブ35の領域から半径方向に沿って内側に移動する。
複数の凹部51がレバー36のカム42の所定の位置に設けられることによって、レバー36が起きた位置にあるとき、ロック50の各端子部52が該当する凹部に収まることによりレバーバネ63の力に逆らってレバー36を起きた位置に保持することができる。この場合レバーバネ63はノブ35の一端部及びこの一端部に対向するレバー36の端部に固定されてレバー36を寝た位置の方向に付勢する。レバー36が起きた位置にあると、レバー36は容易に把持することができ、余分な工具を使用することなくノブ35を回転させる(すなわち、締め位置と緩め位置との間で)ことができる。
クラッチカバー30(図2)には連続する固定係合ポイント46が設けられる。これらの係合ポイントは、ロック50の係合ポイント44と噛み合って回転ノブ35をロックしてノブがその回転軸を中心に回転しないように構成される。図示された本発明の実施形態では、係合ポイント46はクラッチカバー30の凹部の全周囲に設けられる複数のノッチを構成する(図2)。ここで、ロック50の係合ポイント44及びクラッチカバー30の係合ポイント46は図に示すものとは異なる形、構成などを有することができることを理解されたい。
図1に示すように、レバー36がロック位置にあるとき(図7)、ロック50の係合ポイント44はクラッチカバー30の相補的係合ポイント46と係合するので、ノブ35を固定位置に固定することができ、衝突又は振動によりノブ35が偶発的に回転して緩むのを防ぐことができる。レバー36がアンロック位置に回転するとき(図6)、係合ポイント44は固定係合ポイント46から外れるので、ノブ35はその回転軸を中心としてクラッチカバー30に対して回転することができ、よってシャーシ14とカバー30との間のガイドバー20を緩めたり締めたりすることができる。上述したように、添付図面に示す本発明の実施形態では、レバー36、レバーのカム42、ロック50、ロックの可動係合ポイント44、及びバネ53は、可動係合ポイント44を適宜、回転ノブ35の領域の外側及び内側に移動させる手段を構成し、それぞれクラッチカバー30に対して固定された係合ポイント46と係合させ、また係合ポイントとの係合を解く。添付図面に示す本発明の実施形態では、可動係合ポイントを移動させる手段は、可動係合ポイント44を適宜、回転ノブ35の回転軸の半径方向に沿って外側及び内側に、且つ回転軸にほぼ垂直に移動させ、よって係合ポイント46との係合及び係合解除を行う。
これらの図に示す本発明の実施形態は、ロック50の係合ポイント44及びクラッチカバー30の係合ポイント46がチェーンソー操作者から見えるように構成される。これにより、係合ポイント44及び46の位置合わせ操作が容易になり、操作者が係合ポイント44及び46が係合しているかどうかを判断することができる。しかしながら、係合ポイント44及び46が必要な精度で位置合わせされておらず、これらの係合ポイントが互いに動かなくなる場合がある。このような場合に係合ポイントが損傷しないように、ロック機構の第2の実施形態を提供する。
ロック機構の第2の実施形態を図11〜15に示す。これらの図では、ロック機構の第1及び第2の実施形態の両方に含まれる部品及び構成要素を表わすために、図6〜10に使用されるものと同じ参照番号を使用する。第2の実施形態では、図6〜10に示すロック機構の第1の実施形態に関して上述した態様とほぼ同様に、ノブ35内で連動関係にあるレバー36及びロック50を設ける。しかしながら第2の実施形態では、係合ポイントはロック50に直接組み込まれるのではない。そうではなく、図13〜15に示すように、係合ポイント54は、ロック50にスライド可能に取り付けられたフローティング支持55の上に配置される。この場合、ロック50はアンカーピン56を含み、フローティング支持55のアーム57と58との間にスライド可能に配置される。バネ59はピン56を丸く囲み、フローティング支持55のアーム57の開口61内に収まる2つの端部を有する。ここで、バネ59はフローティング支持55をロック50の半径方向に沿って外側に付勢するが、支持55の係合ポイント54に加わる力によって支持がロック50の半径方向に沿って内側にスライドする。
ロック機構の第2の実施形態の動作は、大部分がロック機構の第1の実施形態の動作と同じである。従って、図11〜15に示すように、レバー36が寝た位置にあるとき、レバー36の両端部40の各々のカム42はロック50の該当する端子部52に当接し、これにより、ノブ35の回転軸の半径方向に沿って外側に、コイルバネ53の圧縮力に逆らって、ロックが移動する。このように移動する際、ロック50はそれと一緒にフローティング支持55を移動させるので、図12及び15に示すように、支持55上に位置する係合ポイント54がノブ35の領域から飛び出す。逆に、図11に示すように、レバー36がバネ63の力に逆らって起きた位置にまで回転すると、コイルバネ53がノブ35の領域の内側に向かって支持55の上に位置する係合ポイント54がノブ35の領域の外から後退した地点までロック50、及びロックと一緒にフローティング支持55を押し込むように、レバー36の両端部40の各々のカム42が配置される。
従って、第1の実施形態のロック機構と比較して第2の実施形態のロック機構が異なる点は、係合ポイント54が、ロック50にスライド可能に取り付けられる支持55の上に配置されることである。このような構成であるので、ノブ35をクラッチカバー30にロックし、且つレバー36を図12に示す寝た位置に配置したい場合に、万一係合ポイント54がクラッチカバーの係合ポイント46と正しく噛み合わないような位置にノブ35があると、フローティング支持55及び係合ポイント54はノブ35の半径方向に沿って内側に押し込まれることになる。係合ポイント54及び46にほんのわずかな位置ずれがあっても、ロック機能に大きくは影響しない場合には、調整の必要は無い。しかしながら、重大な位置ずれが生じ、且つロック機能が大きく影響を受ける場合には、係合ポイント54及び46が十分な精度で位置合わせされるようにノブ35をわずかに回転させることができる。
ガイドバー20の位置を変えてソーチェーン18の張力を調整する局面に議論を戻すと、種々の構造、構成等を備えた上述の保持アセンブリの実施形態を利用してガイドバーを移動させることができることが分かる。例示したガイドバー20を移動させる実施形態は特定の構造群を含むが、これらの構造は単に、ガイドバーの位置を変える一例を示したものに過ぎず、従って本発明の保持アセンブリは他の構造を用いて使用することができる。
次に、本発明の保持アセンブリを採用できる張力調整構造の一例について説明する。図2〜5を参照すると、まず図2に示すように、ガイドバー20の細長の水平スロット28によって、ガイドバーは、駆動スプロケット16から長さ方向に離れる方向にピン24及び26に載ったスロット28に沿って移動することによりその位置を変えることができる。ガイドバー20のこの移動によってソーチェーン18の全ての緩みが取り除かれ、必要な張力をソーチェーンに加えることができる。ガイドバー20は、水平スロット28の上方に位置する開口60を有し、これによって、チェーンソーの動作中に、エンジンシャーシ14上のオイラー(図示せず)から油を潤滑油としてガイドバー及びソーチェーン18に供給することができる。スロット28の下方にはシリンダー開口62が位置しており、この開口に、ガイドバー20の平面から垂直に延びるシリンダー状の張り調整ピン64が、好ましくは永久的に、圧入又は固定される。図2に示すように、張り調整ピン64は少なくともガイドバーの厚さに少なくとも等しい距離、好ましくはガイドバーの厚さの2倍の距離だけガイドバー20から突出する。
ノブ35が締め位置にあるときにガイドバー20を固定位置に固定し易くするために、ロックプレート70を利用する。ロックプレート70はガイドバー20のスロット28と一致するスロット72を有し、さらに張り調整ピン64が通る穴74を有する。ロックプレート70はガイドバー20の上に、スロット28を貫通するように折り曲げたタブ76(図3)によって位置決めされる。細長の高摩擦面78は、ロックプレート70のクラッチカバー30に対向する方のスロット72の上方に設けられる。摩擦面78は三角形断面のかなり小さな縦隆線が連なった構造体を構成し、この構造体がプレート70に差し込まれる。
図示した実施例では、クラッチカバー30に機械ネジ84によって固定されるカバープレート82(図3)は、クラッチカバー30上の少なくとも一つの成形位置決めピン86によりロックプレート70に覆い被さるように配置され、このときこの位置決めピンはカバープレート82の該当する位置決め穴88の中に差し込まれる。カバープレート82の穴90及び92は、それぞれシャーシ14上のピン24及び26がこれらの穴を通るようにこれらのピンの上に位置し、よってカバープレート82をシャーシに固定する。細長の高摩擦面94がカバープレート82の上に形成され、ロックプレート70の摩擦面78に位置合わせされる。
図示した例では、六角フランジロックナット104により回転ピン102に対してカム100(図3)が取り付けられており、このカムは回転可能に回転ピンにロックされている。カム100(図4)は、作用エッジ面108、作用エッジ面の外周の隆起領域110、及びトレーリング部112を有する。カム100は、ねじりバネ114(図3)により継続的に張り調整ピン64に対して付勢される(図5A〜5C)。バネ114はクラッチカバー30のキャビティ内に配置される。
回転ピン102はクラッチカバー30を貫通して延び、オーバーライドレバー116に接続されている。このオーバーライドレバーはガイドバー20の位置を手動で調整できるように操作可能である。オーバーライドレバー116は回転ピン102の外端部に固定されるか、又は固く取り付けられ、クラッチカバー30の外面上の成形オーバーライドチャネル118内に配置される。オーバーライドレバー116は、カムが張り調整ピン64を付勢してガイドバー20をスプロケット16から長さ方向に離れさせてソーチェーン18の緩みを無くすとき、カム100の角度方向の動きに直接追随するように構成される。オーバーライドチャネルの辺に沿ってエンボス加工、又は塗布加工され、オーバーライドレバー116の自由端が指す方向に位置する表記によって、ソーチェーン18を取り替える必要のある時期を操作者に知らせることができる。ここで、クラッチカバー30がカバープレート82、カム100、回転ピン102、レバー116、及びノブ35を支持することを理解されたい。クラッチカバーに設けられた他の細かな構成部品が図示されているが(例えば図2及び3を参照)、これら他の構造は本発明を制限するものではない。
ノブ35が締め位置まで回転すると、カバープレート82上の摩擦面94がロックプレート70の摩擦面78に対して締まる。これらの2つの面を合体させると、張り調整ピン64がロックされて動かなくなり、ガイドバー20は固定位置に保持される。ノブ35がその緩め位置にまで回転し、摩擦面78及び94の圧力が解除されると、バネ付勢されたカム100はガイドバー20を新規の位置に向けて押し出し、ソーチェーン18から緩みを取り除き、その後ノブ35を締め位置にまで回転させることによりガイドバーが正規の位置に固定される。緩め位置を完全に超えるまでノブ35を回転させると、クラッチカバー30をエンジンシャーシ14から取り外すことができる。普通、この操作はソーチェーン18を交換するためにのみ行なわれる。クラッチカバー30がシャーシ14から外れると、カム100が張り調整ピン64から外れ、バネ114によって付勢されながら回転し切った位置にまで回転する。カム100のトレーリング部112(図4)はこのような場合、オーバーライドレバー116を図2に示すように反時計回りにバネ114の力に逆らって手動で動かすことによりカムを最初の位置に後退させないようにすると、ガイドバー20上の張り調整ピン64の端部に載る。これによって、カム100が張り調整ピン64の後部側に正しく位置するまでクラッチカバー30の装着ができなくなる。クラッチカバー30を再度エンジンシャーシ14に装着し、オーバーライドレバー116を解放すると、バネ付勢されたカム100は再度張り調整ピン64を付勢して、ソーチェーンが再度本来の最大張力を示す位置までガイドバー20を移動させる。
使用に当たって、操作者はノブ35が時計回りに最大限回転し(図1に示すように)、クラッチカバーアセンブリ30がシャーシ14に固定されていることを確認する。この状態で、レバー36は寝た位置にあり、係合ポイント44及び46は係合している。チェーンソー10を使用すると、ソーチェーン18の長さが長くなる(例えば、ソーチェーンのリンクがピンとの接合部で磨耗する)。操作者がソーチェーン18に過度の緩みを見つけると、操作者はレバー36を起こして係合ポイント44を係合ポイント46から外し、ノブ35をその回転軸を中心に緩め位置にまで回転させてクラッチカバー30をシャーシ14から少しだけ離す。この操作により、カバープレート82上の摩擦面94がロックプレート70上の摩擦面78から外れる。同時に、バネ114はカム100の作用エッジ面108を張り調整ピン64に向けて付勢し、ガイドバー20を駆動スプロケット16から長さ方向に新規の位置にまで離してソーチェーン18の緩みを取り除く。張り調整ピン64がスタッド24及び26下方に位置することによって、カム100から加えられる力がガイドバー20及びソーチェーン18のぶら下がり重量により生じるモーメントを打ち消しすのを助け、張り調整の動きを円滑にする。
ガイドバー20の上記調整が行なわれると、バネ付勢カム100に直接取り付けられるオーバーライドレバー116は、オーバーライドチャネル118内を上に向かって新規の位置まで移動する。必要であれば、オーバーライドレバー116を手動で動かすとバネ114が動作し易くなる。オーバーライドレバー116及びオーバーライドチャネル118に付されている表示は、ソーチェーンの伸びの許容限度を示す。例えば、表示には、「チェーン交換」のような説明が含まれ、これによってチェーンが交換必要ポイントまで伸びてしまった時期を示す。このような構成は特許文献1に開示されており、この文献を本明細書において参照することによりこの文献の全開示内容を本発明の開示に含有する。
図5A〜5Cは、ソーチェーン18に磨耗が生じるときのカム100の連続位置を示している。図5Aは、ソーチェーン18が新しいときの本来のカム100の位置を示す。図5Bは、中間点、すなわちソーチェーン18がその有効寿命の約2分の1の期間に渡って使用されたときのカム100を示し、そして図5Cは、ソーチェーンがその有効寿命に達してしまったときのカム位置を示している。
ガイドバー20を調整してソーチェーン18の緩みを全て取り除いたら、ノブ35を回転させて締め位置に戻し、ノブハンドル36を下方に回転させて係合ポイント44をノブ35の領域から半径方向に沿って外側に押し、クラッチカバーの該当する係合ポイント46と係合させると、ノブ35が締め位置に固定される。
上述に基づいて、本発明の保持アセンブリを上述以外の張力調整構造を含む形で用いることができることを理解されたい。例えば、本発明の保持アセンブリをバネ付勢カムが無い状態で使用することができ、関連素子が自動的にガイドバーを新規位置に移動させる。この場合、ガイドバーの位置は、操作者がバーを掴んで動かすことにより変えることができる。
本発明は種々の利点をもたらす。例えば、本発明によって操作者は余分な工具を用いることなくガイドバーを調整することができる。また本発明により、ノブが不所望の回転を行なわないように確実に固定することができるとともに、回転させたい場合にノブと他部品との係合を容易に解くことができる。
本発明に関する上記の記載から、この技術分野の当業者であれば、本発明の改良、変更及び変形が可能であることを理解できるであろう。このような改良、変更及び変形は請求の範囲に含まれる。
本発明の一実施例を含むチェーンソーの一部の側立面図である。 ソーのエンジンシャーシに面する、図1のチェーンソーの分解斜視図である。 ソーのエンジンシャーシとは反対側の、図1のチェーンソーのチェーンソー部品の幾つかを示す分解斜視図である。 本発明の一の実施形態に使用するチェーン張り調整カムの拡大斜視図である。 A,B,及びCは、チェーンソーのソーチェーンが伸びるにつれて変化する、図4のチェーン張り調整カムが張り調整ピンに当接する位置を時系列で示す拡大図である。 エンジンシャーシとクラッチカバーとの間でチェーンソーガイドバーを緩めたり締めたりするための保持アセンブリの回転ノブの斜視図であり、回転ノブがその回転軸を中心に回転することができる位置における保持アセンブリのロック機構の第1の実施形態を示す。 図6の回転ノブ及びロック機構の斜視図であり、回転ノブの回転軸を中心とした回転をロックする位置にあるロック機構を示す。 機構が図7に示すものと同じ相対位置にある回転ノブ及びロックの、チェーンソーのクラッチカバーに面する側を示す斜視図である。 図6,7及び8の回転ノブ及びロック機構の分解斜視図である。 図6,7,8及び9の回転ノブ及びロック機構の断面図であり、回転ノブの回転軸を中心とした回転をロックする位置にあるロック機構を示す。 エンジンシャーシとクラッチカバーとの間でチェーンソーガイドバーを緩めたり締めたりするための保持アセンブリの回転ノブの斜視図であり、回転ノブがその回転軸を中心に回転することができる位置における保持アセンブリのロック機構の第2の実施形態を示す。 図11の回転ノブ及びロック機構の斜視図であり、回転ノブの回転軸を中心とした回転をロックする位置にあるロック機構を示す。 図12に示すものと同じ相対位置にある回転ノブ及びロック機構の、チェーンソーのクラッチカバーに面する側を示す斜視図である。 図11,12及び13の回転ノブ及びロック機構の分解斜視図である。 図11,12,13及び14の回転ノブ及びロック機構の断面図であり、回転ノブの回転軸を中心とした回転をロックする位置にあるロック機構を示す。
符号の説明
10 チェーンソー
14 エンジンシャーシ
16 駆動スプロケット
18 ソーチェーン
20 ガイドバー
24,26 ピン
28 スロット
30 クラッチカバー
32 ステム
34 保持アセンブリ
35 ノブ
36 レバー
38 ピン
40 端部
42,100 カム
44 可動係合ポイント
46,54 係合ポイント
50 ロック
53 コイルバネ
55 フローティング支持
63 レバーバネ
64 張り調整ピン
70 ロックプレート
78,94 摩擦面
82 カバープレート
116 オーバーライドレバー
118 オーバーライドチャネル

Claims (7)

  1. エンジンシャーシ、クラッチカバー、及びソーチェーン用のガイドバーを有するチェーンソーのソーチェーンの張力を調整するための張力調整構造を実現する保持アセンブリであって、
    エンジンシャーシ、クラッチカバー、及びガイドバーと連動した回転ノブであって、ガイドバーがエンジンシャーシとクラッチカバーとの間の正規の位置に固定される締め位置と、ガイドバーが緩められた緩め位置との間で回転軸を中心として回転することができ、張力調整構造を使用して位置を変えることによりガイドバー上のソーチェーンの張力を調整できる回転ノブ;
    クラッチカバーに対して固定される複数の係合ポイント;及び
    回転ノブに接続されて適宜、回転ノブの回転軸を中心とした回転をロックし、また回転ノブがその回転軸を中心に回転することができるように回転ノブをアンロックするロック機構であって、複数の可動係合ポイントと、これらの可動係合ポイントを適宜回転ノブの領域の外側及び内側に移動させ、それぞれクラッチカバーに対して固定される係合ポイントとの係合及び係合の解除を行う手段とを含むロック機構
    を備える保持アセンブリ。
  2. 可動係合ポイントを移動させる手段は、これらの可動係合ポイントを適宜回転ノブの回転軸の半径方向に沿って外側及び内側に且つ回転軸にほぼ垂直な方向に移動させて、それぞれクラッチカバーに固定される係合ポイントとの係合及び係合の解除を行う、請求項1記載の保持アセンブリ。
  3. ロック機構はロックを含み、このロックの上に可動係合ポイントが位置し、ロックが回転ノブ内でスライド可能に取り付けられて、適宜回転ノブの回転軸の半径方向に沿って外側及び内側に且つ回転軸にほぼ垂直な方向に移動することができることにより、可動係合ポイントがそれぞれ、回転ノブの領域の外側に延びてクラッチカバーに対して固定される係合ポイントと係合し、また回転ノブの領域の内側に後退してクラッチカバーに対して固定される係合ポイントとの係合を解く、請求項2記載の保持アセンブリ。
  4. ロック機構は更にロックと接触する部分を有するレバーを含み、レバーの第1方向の動きがロックと接触するレバーの前記部分によりロックを回転ノブの回転軸の半径方向に沿って外側に移動させ、これによってロック上の可動係合ポイントがクラッチカバーに対して固定される係合ポイントと係合する位置に達し、またレバーの第2方向の動きがロックと接触するレバーの前記部分を回転ノブの回転軸の半径方向に沿って内側に移動させ、これによってロックも回転ノブの回転軸の半径方向に沿って内側に移動して、ロック上の可動係合ポイントがクラッチカバーに対して固定される係合ポイントとの係合を解くように、このレバーが回転ノブに取り付けられる、請求項3記載の保持アセンブリ。
  5. レバーは、回転可能に回転ノブに接続される端部を有し、この端部によってレバーは第1方向及び第2方向の回転を行なうことができ、そしてロックと接触するレバーの前記部分はカムを含み、このカムは、レバーを第1方向に移動させたときに、ロックを回転ノブの回転軸の半径方向に沿って外側に移動させて、ロック上の可動係合ポイントをクラッチカバーに対して固定される係合ポイントと係合する位置に到達させ、さらにレバーを第2方向に移動させたときに、ロックを回転ノブの回転軸の半径方向に沿って内側に移動させて、ロック上の可動係合ポイントとクラッチカバーに対して固定される係合ポイントとの係合を解く、請求項4記載の保持アセンブリ。
  6. ロック及び回転ノブと接触し、回転ノブの回転軸の半径方向に沿って内側にロックを継続的に押し込む弾性手段を含む、請求項5記載の保持アセンブリ。
  7. 可動係合ポイントはスライド可能にロック上に配置されて、半径方向に沿って外側及び内側に向かうロックの動きと同じ、半径方向に沿って外側及び内側に、ロックに対して独立に移動することができ、そして弾性手段はロック及び可動係合ポイントと接触して、ロックに対して、前記半径方向に沿って外側に、可動係合ポイントを継続的に押し込む、請求項3,4,5、又は6記載の保持アセンブリ。
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