以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1.1.遊技機の基本的構成]
まず、本実施の形態にかかるプログレッシブシステムの基本的構成を図1、図2を参照しながら説明する。なお、プログレッシブシステムとは、一又は複数の遊技機を含むシステムであって、プレイヤの遊技機の遊技に基づき、累積的に加算される累積遊技価値(例えば、ジャックポット)の少なくとも一部または全部を所定の条件(例えば、払出条件、抽選による当選など)に応じていずれかの遊技機に付与するシステムである。
図1は、本実施の形態にかかるプログレッシブシステムPSの一例の斜視図であり、図2は図1に示すプログレッシブシステムPSの正面図である。
図に示す例では、プログレッシブシステムPSは、2つの遊技機10が横並びに連結された構成となっている。
図1において、各遊技機10は、メダル貸出機12aが備えられた筐体である遊技台11と、遊技台11に換装可能に設けられた遊技機本体12とにより構成されている。なお、図に示す例では、2つの遊技機10により構成されている例を示しているが、遊技機の数は2台に限られるものではなく、2台以上何台を連結する構成であっても良い。
遊技機本体12は、パチンコ機として動作するもの、スロットマシンとして動作するものなどが複数種類用意されており、適宜遊技機本体12を他の種類のものと交換して稼働させることが可能となっている。
遊技台11は、遊技機本体12の遊技盤13の遊技領域が遊技者の目の高さに位置するように遊技機本体12を支持している。図1、2に示すパチンコ機として機能する遊技機本体12には所定数の遊技球が封入されて貯留されており、この封入された遊技球を循環させて遊技を行うようになっている。
遊技盤13において打ち込まれた遊技球が流下する領域である遊技領域上には、多数の遊技くぎや風車などの障害物、始動入賞口19a、一般入賞口、開閉可能な扉、遊技球を受け入れる口(継続入賞口(図示せず)や普通入賞口(図示せず)など)および揺動可能なシーソ(図示せず)を有する大入賞口19cなどの入賞口や通過ゲート(図示せず)が適宜配置され、さらに、遊技領域の下部には、これらの入賞口に入賞しなかった遊技球が流入するアウト口が配置されている。
また、遊技領域には、特別図柄表示部21が設けられている。この特別図柄表示部21は、複数(例えば、3つ)の識別情報画像である図柄の表示態様が変化するもので、始動入賞口19aに遊技球が入賞したのを契機として図柄の始動および停止が行われる。そして、停止時における図柄の組み合わせが予め設定された特定の図柄の組み合わせとなった場合に、大入賞口19cが所定のパターンに従った開放状態となる遊技者に有利な特別遊技状態に移行する。
遊技盤13の下方には、前述のように皿ユニット17が配置されている。皿ユニット17には、払い出された遊技球および遊技領域に打ち込まれる遊技球が一時的に貯留される貯留皿22が設けられている。なお、貯留皿22の下方には下皿23が設けられているが、封入式遊技機である本実施の形態において、この下皿23には遊技球は貯留されない。
皿ユニット17の右側には、遊技盤13の遊技領域へ遊技球を打ち込む際に操作されるハンドル24が設けられている。このハンドル24を回動することにより発射装置90(図6)が動作し、発射位置に送り込まれた遊技球が弾発的に発射される。
遊技機本体12の一方端(図示する場合においては、向かって右側〉には、遊技者が投入した金額などに相当する数量の遊技球を貸し出すメダル貸出機12aが設けられている。このメダル貸出機12aは、その正面に、クレジット数表示部31、クレジット精算ボタン32、クレジット転送ボタン33、メダル数表示部34、および赤外線送受信部35などが設けられている。
ここで、クレジット数表示部31は、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、パチンコ遊技機本体12に現在クレジットされているコインの枚数(コインのクレジットデータが示す数。なお、コインのクレジットデータの初期値は「0」である。)を表示する。また、メダル数表示部34も、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、パチンコ遊技機本体12に現在クレジットされているメダル数(メダルのクレジットデータが示す数。なお、メダルのクレジットデータの初期値は「0」である。)を表示する。
クレジット転送ボタン33は、クレジットされているコイン(硬貨)やメダル等のクレジットデータを後述の遊技球データに換算するボタンであり、このボタンを押下することによってその換算が行われる。なお、その換算は例えば以下のように行われる。
クレジット転送ボタン33が押下されると、メダル貸出機12aの台基板30にクレジット転送信号が送信される。そして、そのクレジット転送信号は、台基板30によりパチンコ遊技機本体12の主制御回路200に転送される。主制御回路200のメインCPU201は、台基板30から受信したクレジット転送信号に基いてクレジットされているデータを確認する。その結果、コインがクレジットされていた場合は、コインのクレジットデータを遊技球データに換算する処理を行う。例えば、100円につき遊技球120個の価値があるとすると、コインのクレジットデータから「1」を減算し、遊技球データに「120」を加算する。なお、加算された遊技球データは、メインRAM203の発射可能遊技球数記憶頓域に記憶される。このとき、クレジット数表示部31には、「1」減算した数が表示される。
一方、確認の結果、メダルがクレジットされていた場合は、メダルのクレジットデータを遊技球データに換算する処理を行う。例えば、メダル1枚につき遊技球7個の価値があるとすると、メダルのクレジットデータから「1」を減算し、遊技球データに「7」を加算する。なお、加算された遊技球データは、メインRAM203の発射可能遊技球数記憶領域に記憶される。このとき、メダル数表示部34には、「1」減算した数が表示される。
なお、本実施の形態では、クレジット転送ボタン33を1回押下するにつき、100円玉1枚分またはメダル1枚分のクレジットデータが遊技球データに換算されるが、これに限らず、1回の押下で全てのクレジットデータを遊技球データに換算するようにしてもよい。
また、クレジット転送ボタン33の押下時に、コインおよびメダルの双方がクレジットされていた場合、本実施の形態では、コインのクレジットデータを優先的に遊技球データに換算しているが、逆に、メダルのクレジットデータを優先的に遊技球データに換算するようにしてもよい。
ここで、遊技球データは、ハンドル24の操作により遊技領域13aに発射可能な遊技球数を示すデータである。例えば、遊技球データが「120」であれば、120個の遊技球を遊技領域へ発射可能である。
クレジット精算ボタン32は、クレジットされているコインおよびクレジットされているメダルの払出を行うボタンであり、このボタンを押下することによって、主制御回路200がクレジット精算処理を行うため、上記の払出が行われる。なお、クレジットされているコインは、メダルに換算されてメダル払出口36より払い出される。
例えば、クレジットされているコインが100円玉2枚である場合、100円につきメダル17枚相当の価値があるため、クレジット精算ボタン32を押下することによって、合計34枚のメダルがメダル払出口36より払い出される。
一方、メダルは、クレジットされている枚数分そのままがメダル払出口36aより払い出される。例えば、クレジットされているメダルが6枚である場合、クレジット精算ボタン32を押下することによって、6枚のメダルがメダル払出口36より払い出される。
このような払出が終了すると、クレジット数表示部31およびメダル数表示部34には、クレジットの残高が0である旨が表示される。
メダル数表示部34とメダル投入口37との問には、赤外線送受信部35が設けられている。この赤外線送受信部35では遊技終了後の遊技データ(獲得メダル数)が送信可能になっており、例えば携帯端末TMで遊技データを受信して所定のサイトにアクセスすると、当該サイトに遊技者の獲得メダル数が登録される。そして、多数の遊技者が同様の登録を行うことによって、所定期間(例えば1日、1週間)における獲得メダル数の全国順位がランキング表示され、これによって遊技の興趣が一層高められる配慮がなされている。
また、コイン投入口38に投入されたコインは、後述する投入コインセンサによって検知される。
この投入コインセンサによって検知されると、コイン投入検知信号が、台基板30に送信される。次にコイン投入検如信号は、台基板30から主制御回路200に転送される。その転送を受けた主制御回路200は、コインのクレジットデータに「1」を加算し、そのデータをメインRAM203に記憶する。これにより、コインがクレジットされたこととなる。
また、メダル投入口37に投入されたメダルは、後述する投入メダルセンサ(図示せず)によって検知される。
この投入メダルセンサによって検知されると、メダル投入検知信号が、台基板30に送信され、次にメダル投入検知信号は、台基板30から主制御回路200に転送される。その転送を受けた主制御回路200は、メダルのクレジットデータに「1」を加算し、そのデータをメインRAM203に記憶する。これにより、メダルがクレジットされたこととなる。
次に、各遊技台11は、図中、破線で示されるホッパー40aおよびコイン貯留箱41を有している。メダル投入口37やメダル払出口36aの裏側には、メダルの貯蓄、払出しを行うホッパー40aが備えられている。さらに、ホッパー40aの下方にはコインを貯留するコイシ貯留箱41が備えられている。コイン投入口38に投入されたコインは、投入コインセンサによって検出された後、貯留通路(図示せず)を通過して、このコイン貯留箱41に貯留される。
各遊技台11の上部右側には、報知部ACをなすスピーカSPと、7セグメントディスプレイである表示器DSが設けられている。
[1.2.電気的構成例]
図3は図1、2に示した遊技機10の制御系の回路構成を示したブロック図である。
遊技機10のパチンコ遊技機本体12の制御系は、主制御回路200と、この主制御回路200に接続される副制御回路300、発射制御回路70を有している。
この制御系は主制御回路200を主な構成要素とし、遊技盤13の内部に搭載されている。
また、パチンコ遊技機本体12の主制御回路200には、メダル貸出機12aの制御系であるホッパー部40および台基板30がI/Oポート205を介して接続されている。
主制御回路200には、予め設定されたプログラムに従って遊技機10の遊技動作を行うメインCPU(超小型漬算処理装置)201、異常時に各種設定を初期値に戻す初期リセット回路204、メインCPU201が動作する上で必要な各種データを記憶するメインRAM203、メインCPU201が遊技機10の遊技動作を処理制御するためのプログラム、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブル、演出を抽選する際に参照される各種確率テーブルを格納しているメインROM202が実装されている。
ここで、メインCPU201は、始動入賞口19aへ遊技球が入賞して始動入賞が発生すると大当り判定を行う大当り判定処理、特別図柄表示部21に変動表示される特別図柄および背景画の演出表示の決定処理、普通図柄表示部に表示される内容の決定処理を行っている。
さらにメインCPU201は、遊技状態が特定遊技状態に移行されると、大入賞口19cの扉を開閉するように大入賞口SOL72Sを制御する大入賞口SOL制御手段を構成している。
主制御回路200のI/Oポート205には、通過ゲートの内側に設けられ、遊技球が通過するのを検知する通過ゲートスイッチ(SW)19Saや、始動入賞口19cに入賞した遊技球を検知する始動口ソレノイド(SOL)71Sが接続されている。また、大入賞口19c内の継続入賞口に設けられ、入賞した遊技球を検知するVカウントSW19Sd、大入賞口19c内の普通入賞口に設けられ、入賞した遊技球を検知するカウントSW19Se、一般入賞口19bへ入賞した遊技球を検知する一般入賞球SW19Sb、メインRAM203に記憶されている各種データを消去するためのバックアップクリアSW74Sが接続されている。また、ハンドル24の操作によって発射装置90から発射される遊技球を検知する発射球センサ(図示せず)、および発射されたものの遊技盤13の盤面まで到達せずにレールを戻ってきた遊技球を検知する戻り球センサ(図示せず)が接続されている。さらに、このI/Oポート205には、アクチュエータとして、球受入口が拡張する始動口SOL71S、大入賞口19cの扉を開閉する大入賞口SOL72S、大入賞口19c内のシーソーを駆動するシーソーSOL73S等が接統されている。
上記各スイッチ、センサが遊技球を検知すると、その検知信号は主制御回路200のメインCPU201に入力され、入力される検知信号に応じて、メインCPU201は上記名アクチュエータ71S、72S、73Sをそれぞれ駆動制御する、また、副制御回路300や発射制御回路70に対して、それぞれ主制御回路200のコマンド出力ポート206から制御指令が送信され、副制御回路300や発射制御回路70によって画像表示装置54や、スピーカ25、ランプ・LED39aなど、及び発射装置90の動作が制御される。
なお、メインCPU201は、前述の発射球センサ(図示せず)が1個の遊技球を検知する度に発射可能遊技球数記憶領域に記憶されている遊技球データから「1」減算すると共に、前述の戻り球センサが1個の遊技球を検知する度に遊技球データに「1」を加算する発射遊技球計数手段として機能する。
例えば、遊技球データが「140」である場合に、発射球センサが20個の遊技球を検知し、戻り球センサが4個の遊技球を検知したときは、上記遊技球データは「124」となる。
また、メインCPU201は、遊技球データが「0」から「1」以上となった場合に、発射制御回路70に対して打ち出し開始信号を送信する発射制御手段として機能する。さらに、この発射制御手段は、発射可能遊技球数記憶鎮域に記憶されている遊技球データの残数を監視し、その遊技球データが「0」となった場合に、発射制御回路70に対して、打ち出し開始信号の送信を停止する機能を有している。
副制御回路300には、サブCPU301、ワークRAM303、プログラムROM302が実装されている。サブCPU301は、コマンド入力ポート304を介して主制御回路200から受信した制御指令を解釈し、その解釈結果に従って画像制御回路305、音声制御回路306、ランプ制御回路307等の制御を行う。プログラムROM302には、サブCPU301が、主制御回路200から出力される画像制御指令信号に基づいて画像制御回路305を処理制御するための制御プログラム、主制御回路200から出力される音発生指令信号に基づき音声制御回路306を処理制御するための制御プログラムおよび主制御回路200から出力されるランプ制御指令信号に基づきランフ制御回路307を処理制御するための制御プログラムなどが記憶格納されている。ワークRAM303は、サブCPU301が上記制御プログラムに従う処理制御を行う際の一時的な記憶手段となる。
画像制御回路305には、画像表示装置54が接続されている。画像制御回路305は、サブCPU301の制御に基づいて、画像表示装置54に対し、大当り判定の結果に対応する特別図柄および背景画を変動表示させるなどの画像表示制御処理を行う。また、画像制御回路305および画像表示装置54は、特別図柄の変動表示時の演出表示態様によって当該遊技におけるリーチ演出発生の有無または発生するリーチ演出の種類または大当り発生の信頼度を報知する報知手段を構成している。
音声制御回路306にはスピーカ25が接続されている。音声制御回路306は、サブCPU301の制御に基づき、音信号を生成する。スピーカ25は、入力したこの音信号に基づいて音を発生する。
ランプ制御回路307にはランプ・LED表示装置39aが接続されている。ランプ制御回路307は、サブCPU301の制御に基づき、信号を生成する。ランプ・LED表示装置39aは、入力したこの信号に基づいて点灯表示等を行う。
発射制御回路70には、発射装置90が接続されている。発射制御回路70は、遊技球打ち出しフラグ(後述)に「1」がセットされている間、ハンドル24の回動操作に応じて発射ソレノイドを駆動制御する。これによって発射装置90から遊技球を発射させる。
なお、遊技球打ち出しフラグの初期値は「0」である。遊技球データが『1』以上となった場合に「1」がセットされる。
またメダル貸出機12aの台基板30は、パチンコ遊技機本体12の主制御回路200に接続され、クレジット転送ボタン33、クレジット精算ボタン32、設定変更ボタン50などから受信した信号を主制御回路200に送信する動作や、主制御回路200から受けた制御指令を基に、クレジット数表示部31やメダル数表示部34の表示を制御する動作などを行うとともに、一又は複数の遊技機を含むシステムであって、プレイヤの遊技機の遊技に基づき、累積的に加算される累積遊技価値(例えば、ジャックポット)の少なくとも一部または全部を所定の条件(例えば、払出条件、抽選による当選など)に応じていずれかの遊技機に付与する機能を有している。
台基板30は、これらの機能を実現するためのプログラムを実行するプロセッサ、メモリなどを搭載した装置である。
台基板30には、報知部ACを構成するスピーカSPと、表示器DSとが接続されており、その遊技機のプレイヤがジャックポット遊技に当選したことや、他のプレイヤがジャックポット遊技に当選が発生したことをプレイヤに報知するための演出がスピーカSPと、表示器DSを駆動させることにより行われる。
そして、台基板30には、クレジット数表示部31、メダル数表示部34、クレジット転送ボタン33、クレジット精算ボタン32、設定変更ボタン50などが接続されている。設定変更ボタン50は、大当り確率(大当り判定時に大当りと判定する確率。例えば、1/200から1/600の間で変更可)、確変突入率(例えば、1/1.5から1/5の間で変更可)、確変継統率(例えば、1/1.5から1/5の間で変更可)などの各種の確率を変更可能なボタンである。例えば、設定変更ボタン50を押下しながら遊技機10の電源を立ち上げると、遊技機10は、設定変更が可能なモードとなる。そのときに、各種の操作をすることで上記確率を変更する設定を行うことができる。
また、台基板30には、赤外線送受信部35が実装されている。ここで、赤外線送受信部35は、携帯電話39等の通信可能な端末からの信号等の受信およびその端末へのデータ等の送信等を行う。
またホッパー部40には、ホッパー制御部42、ホッパー駆動回路41、ホッパー40a、メダル検出部40Sa、40Sb、払出完了信号回路43が実装されている。そして、ホッパー制御部42が、パチンコ遊技機本体12の主制御回路200に接続されている。なお、ホッパー制御部42は、メダル払出信号が検出されれば、ホッパー駆動回路41a等を介してホッパー40aを駆動制御することによって、メダル払出信号が示す数のメダルの払出をホッパー40aに行わせる。
次に、遊技機10の動作例について説明する。上記遊技機10は、プレイヤによって、コイン投入口38に100円等の硬貨が投入されると、当該コインは投入コインセンサ(図略)によって検知され、コイン投入検如信号が台基板30に送信される。次にコイン投入検知信号は、台基板30から主制御回路200に転送される。その転送を受けた主制御回路200は、コインのクレジットデータに「1」を加算し、そのデータをメインRAM203に記憶する。
そして、主制御回路200のメインCPU201は、台基板30に制御指令を送信し、クレジット数表示部31に、現時点においてのコインのクレジットデータが示す数を表示させるよう制御する。
一方、プレイヤによって、メダル投入口37にメダルが投入されると、当該メダルは投入メダルセンサによって検知され、メダル投入検知信号が台基板30に送信される。次にメダル投入検知信号は、台基板30から主制御回路200に転送される。その転送を受けた主制御回路200は、メダルのクレジットデータに「1」を加算し、そのデータをメインRAM203に記憶する。
そして、主制御回路200のメインCPU201は、台基板30に制御指令を送信し、メダル数表示部34に、現時点においてのメダルのクレジットデータが示す数を表示させるよう制御する。
すなわち、遊技価値付与手段である主制御回路200のメインCPU201は、所定の条件(例えば、メダルの投入や大当りなど)が成立すると付与される特定の遊技価値(例えば、前述のメダルのクレジットデータの示す数)を、メダル数表示部34において表示している。
また、後述のクレジット転送処理および発射制御回路処理(発射制御回路処理では、遊技の可否に関する処理を行う)を主制御回路200のメインCPU201が行うことによって、前述の遊技価値やコインの遊技価値に応じた遊技が可能となる。そして、メインCPU201が行う後述のクレジット精算処理において、メダルを払出す準備および事後処理を行い、メダル貸出機12aのホッパー制御部42が行うホッパー制御処理において、メダルを払い出すようになっている。
[スロットマシンとして機能する遊技機本体の例]
遊技台11には、スロットマシンとして機能する遊技機本体12’を換装して、遊技機10をスロットマシンとして動作させることも可能である。図4,図5にスロットマシンとして機能する遊技機本体12’が装填された2つの遊技機10が横並びに連結されたプログレッシブシステムPSの構成例を示す。図4は、スロットマシンとして遊技可能な、本実施の形態にかかるプログレッシブシステムPSの一例を示す斜視図であり、図5は図4に示すプログレッシブシステムPSの正面図である。
遊技台11は、図1,2に示す遊技台11と同一であり、同一の構成要素・部材には同一の参照符号を付し、これらの詳細な説明を省略する。
次に、図4,5に示す遊技機10の電気的構成例について図6を参照しながら説明する。図6は、遊技機本体がスロットマシンとして機能する装置である場合の、遊技機10の電気的構成例を示す機能ブロック図である。
遊技機10となる遊技台11に嵌装される遊技機本体12’は、識別図柄を変動表示するための識別図柄表示部SL01と、プレイヤに当選予告情報などを提供するためのディスプレイ部SL01と、スロットマシンのプレイに賭けるクレジット数/コイン数をプレイヤに決定、入力させるためのBETボタンSL03と、識別図柄の変動表示を開始させるためのスタートレバーSL04と、識別図柄の変動表示を停止させる入力を行うための停止ボタンSL05と、プレイ実行中の音楽や当選演出を行うためのスピーカSL06,ランプ・LEDSL07などを有している。
遊技機本体12’は、図3に示す構成例と同様に、抽選の実行、当選判定などを行う主制御回路461と、主制御基板461にサブ制御部通信ポート479を介して接続されたサブ制御基板462aとを有している。
主制御基板461は、メインCPU464、及びこのメインCPU464に接続された制御RAM466、プログラムRAM465、及びI/Oポート471とにより構成される制御部463を有している。制御部463のメインCPU464には、抽選を行うためのサンプリング回路470、乱数発生器469と、各部の動作をシンクロさせるためのクロックパルスを生成するためのクロックパルス発生器467,分周器468とが接続されている。
また、制御部463のI/Oポート471は、スタートレバーSL04がONになったか否かを検知するためのスタートスイッチ430S、BETボタンSL03などの押下を検出する貯蓄メダル投入スイッチ426とに接続されている。識別図柄表示部SL01を構成する回動リール402,403,404にはこれらを回動させるためのステッピングモータ445が組み付けられており、ステッピングモータ445にはこれらに駆動信号を送るためのモータ駆動回路473が接続されている。モータ駆動回路473には制御部463のI/Oポート471を介して回動の開始や所定の識別図柄での回動の停止などを行うため、回動量を指示する制御信号がメインCPU464より送られる。また、回動リール402,403,404には、それぞれの回転位置を検出するためのリール位置検出回路477が接続されており、どの識別図柄が表示されているかをI/Oポート471を介してメインCPU464に通知するようになっている。
また、停止ボタンSL05の押下を検出するための停止ボタンスイッチ431,432,433にはリール停止信号回路478が接続されており、リール停止信号回路478は停止ボタンスイッチ431,432,433の押下を検出すると、I/Oポート471を介してメインCPU464に通知し、CPU464は停止ボタンの押下及びサンプリング回路470などによる抽選結果に応じてモータ駆動回路に制御信号を送り、適宜の識別図柄を表示する位置で回動リール402,403,404が停止するように制御動作を実行する。
なお、サブ制御基板462は、当選予告情報などを提供するための動画像の選択、決定、表示制御などを行う。
メダル貸出機12aの構成は図3に示す構成と同様なので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、これらの詳細な説明は省略する。
[1.2.1.台基板の構成例]
本実施の形態にかかるプログレッシブシステムPSは、主として台基板30がその主要な処理を行って実現される。以下、プログレッシブシステムPSの主要な動作にかかる台基板30の構成例について説明する。
プログレッシブシステムPSが二以上の遊技機10によって構成される場合、いずれか一つの遊技機10の台基板30がホスト(又はマスター)として機能し、他の遊技機10の台基板30は、そのクライアント(又はスレーブ)として機能する。
図7は、ホスト(又はマスター)として機能する台基板30の機能ブロック図である。台基板30は、通信制御部701と、通信制御部701に接続された中央制御部702と、中央制御部702に接続された徴収遊技価値処理部703、累積遊技価値記憶部704と、抽選実行部705と、演出実行部706とを有している。
通信制御部701は、他の台基板30との通信を行うための通信プロトコルの実行を行う。中央制御部702は、台基板30の各部の動作の決定、制御、調整、累積遊技価値の加算、減算などを行う機能を有する。徴収遊技価値処理部703は、遊技機本体12(又は12’)からの通知に応じて後述する徴収遊技価値を算出/決定する機能を有する。累積遊技価値記憶部704は、後述する累積遊技価値の値を記憶保持する機能を有する。抽選実行部705は、その遊技機10の遊技機本体12(又は12’)又は他の遊技機10の台基板30からの抽選実行要求に応じて、累積遊技価値の当選についての抽選を実行する機能を有する。演出実行部706は、累積遊技価値の当選の発生が通知された場合、所定の演出をスピーカSP,表示器DSに実行させる機能を有する。
図8は、クライアント(又はスレーブ)として機能する台基板30の機能ブロック図である。クライアント(又はスレーブ)として機能する台基板30は、抽選実行部705を有さない点を除いて、図7に示す台基板30の構成と同一である。なお、台基板30はホスト(又はマスター)として機能するものもクライアント(又はスレーブ)として機能するものも同一のハードウエア(チップセットなど)で構成されていて良く、台基板30に設けられた設定スイッチ(図示せず)や遊技機起動時に表示される設定画面で操作することによりソフトウエア的にホスト(又はマスター)とクライアント(又はスレーブ)との切替が行われるようにして良い。
[1.3.動作例]
次に、本実施の形態におけるプログレッシブシステムPSの動作例について図9を参照しながら説明する。図9は、本実施の形態におけるプログレッシブシステムPSの動作例を示すシーケンス図である。
図に示す例では、2つの遊技機10(両遊技機を区別するため、以下一方を「遊技機A」、他方を「遊技機B」と呼ぶ)によりプログレッシブシステムが構成されており、遊技機Aの台基板30Aがホストとして機能し、遊技機Bの台基板30Bはクライアントとして機能するよう予め設定されているものとする。
まず、遊技機Aにおいてクレジット蓄積条件が発生したものとする(ST901)。本プログレッシブシステムでは、各遊技機10から遊技価値(クレジット数、コイン枚数など)を集めて、集めた遊技価値(「累積遊技価値」と呼ぶ)を当選発生を条件に当選対象に支払うものである。各遊技機10から集められる遊技価値はクレジット蓄積条件が発生すると、その時点における累積遊技価値に加算される。
クレジット蓄積条件としては、様々なものを選択することが可能である。以下、クレジット蓄積条件として選択可能なものを例示する。
遊技機10がスロットマシンである場合は、スタートレバーがONにされたときをクレジット蓄積条件とすることが考えられる。また、遊技機10がパチンコ機である場合は、変動開始時をクレジット蓄積条件とすることが考えられる。
クレジット蓄積条件が発生すると、遊技機本体12Aは、台基板30Aに条件発生を通知するか、若しくは新たに累積遊技価値に加算させる遊技価値(「徴収遊技価値」と呼ぶ)を通知する(ST902)。
次に、遊技機本体12Aから通知などを受けた台基板30Aは、既に記憶している累積遊技価値に所定の遊技価値若しくは通知された遊技価値を加算する(ST903)。所定の遊技価値若しくは通知された遊技価値の値をどのように定めるかは種々考えられるが、一例としては以下のように設定することが考えられる。
遊技機10がスロットマシンである場合は、スタートレバーがONされるごとに0.05クレジット若しくは0.05枚を徴収遊技価値とし、遊技機10がパチンコ機である場合は、スロットマシンのクレジット若しくはコイン消費量とほぼ同じと見なせるよう、変動開始ごとに0.05クレジット若しくは0.05枚を徴収遊技価値とする。この様な設定によれば遊技機10がスロットマシンであるかパチンコ機であるかにかかわらず、公平な条件で累積遊技価値の獲得をプレイヤ間で争うことが可能となる。
加算処理(ST903)終了後、台基板30Aは、加算処理により更新された累積遊技価値を、クライアントである台基板30Bに通知する(ST905)。通知を受けた台基板30Bは、表示器DSに表示される値を更新された累積遊技価値とする表示更新を行う(ST905)。また、台基板30Aもその表示器DSに表示される値を更新された累積遊技価値とする(図示せず)。これにより、各プレイヤはジャックポットで得られる遊技価値を常に最新の内容で把握することが可能となる。
一方、他方の遊技機Bにおいてもクレジット蓄積条件が発生すると累積遊技価値への徴収遊技価値の加算が行われる。すなわち、遊技機Bにおいてクレジット蓄積条件が発生する(ST906)と、遊技機Bの遊技機本体12Bは、その台基板30Bに条件発生を通知若しくは徴収遊技価値を通知し(ST907)、この通知を受けた台基板30Bは、ホストとして設定されている遊技機Aの台基板30Aに徴収遊技価値の加算要求を送信する(ST908)。この要求を受け取った台基板30Aは、既に記憶している累積遊技価値に所定の遊技価値若しくは通知された遊技価値を加算する(ST909)。
次いで、加算処理(ST909)終了後、台基板30Aは、加算処理により更新された累積遊技価値を、クライアントである台基板30Bに通知する(ST910)。通知を受けた台基板30Bは、表示器DSに表示される値を更新された累積遊技価値とするよう表示更新を行う(ST911)。また、台基板30Aもそのこれにより各遊技表示器DSに表示される値を更新された累積遊技価値とする(図示せず)。これにより、どの遊技機12に起因する累積遊技価値の加算で合っても、各プレイヤはジャックポットで得られる遊技価値を常に最新の内容で把握することが可能となる。
このように各遊技機10においてクレジット蓄積条件が発生するごとに、徴収遊技価値が累積遊技価値に加算されていき、累積遊技価値の支払いが行われるまで累積遊技価値が増加していくこととなる。
さて、本プログレッシブシステムPSでは、所定の抽選条件が発生すると、その時点において有する累積遊技価値の支払いを行うか否かを抽選により決定し、支払いを行う場合は支払い対象となる遊技機10に累積遊技価値に付与する。以下、抽選条件の発生から累積遊技価値の付与までの動作例について説明する。
図9に示す例では、クライアントとして設定された遊技機Bにおいて抽選条件の発生があった(ST912)ものとする。なお、ホストとして設定された遊技機Aにおいても抽選条件の発生が起こり得るが、ここではその説明は省略する。
抽選条件としてどのようなものを設定するかは種々考えられるが、一例として以下のようなものが挙げられる。遊技機10がスロットマシンである場合は、ビックボーナス(BB)当選時、或いはスタートレバーON時を抽選条件発生として扱う。また、遊技機10がパチンコ機である場合は、大当たり当選時、或いは変動開始時を抽選条件発生として扱う。
抽選条件が発生する(ST912)と、遊技機本体12Bは、台基板30Bに通知する(ST913)。この通知に応答して、台基板30Bは、ホストとして設定された、遊技機Aの台基板30Aに抽選要求を送信する(ST914)。
抽選要求を受け取った台基板30Aは、抽選を実行する(ST915)。抽選は、たとえば抽選要求を受け取ると、乱数を発生させ得られた値を予め定めた値と一致すれば当選と判定し、そうでなければハズレとして扱う方法が考えられるが、他の抽選方法であっても構わない。
上記抽選処理の結果、当選であると判定された場合(ST916)、台基板30Aは累積遊技価値の付与を実行する。すなわち累積遊技価値の付与対象である遊技機10(図に示す例では遊技機Bとする)に当選通知及び付与される累積遊技価値の値を通知する(ST917)。なお、累積遊技価値の付与対象である遊技機10は、必ずしもその当選にかかる抽選を要求した遊技機10(図9に示す例では遊技機B)に限られる必要はなく、たとえば遊技機Bから発せられた抽選要求時に遊技実行中である他の遊技機Aを累積遊技価値の付与対象とするようにしても構わない。
この当選通知及び付与される累積遊技価値の値の通知を受けた遊技機Bの台基板30Bは、クレジット加算処理を行う(ST918)。すなわち、台基板30Bは、通知を受けた時点で記憶しているクレジットの値に、通知された累積遊技価値の値を加算し、加算後の値を新たなクレジットの値として記憶保持する。すなわち、遊技機Bのプレイヤはいわゆるジャックポット当選によるクレジットなどの支払いを受け取ることとなる。
また、台基板30Bは、プレイヤに当選したことを報知するため報知部ACに所定の動作をさせるという当選演出処理を行う(ST919)ようにしても良い。当選演出処理としては報知部ACであるスピーカSPより当選ファンファーレなどの音声を出力する、及び/又は表示器DSをフラッシュさせるなどの聴覚、視覚に訴える演出方法が考えられる。
なお、台基板30Aが他の遊技機Bにて当選があったことを遊技機Aのプレイヤに通知するため当選発生報知処理(ST920)を実行するようにしても良い。なお、この図に示す例では当選演出処理(ST919)と当選発生報知処理(ST920)とは異なる演出内容として、プレイヤに自分が当選したのか他のプレイヤが当選したのかを区別可能としているが、プログレッシブシステムに含まれるすべての遊技機10において当選発生報知処理(ST920)を実行する構成としても構わない。
一方、ホストとして設定された遊技機Aの台基板30Aは、累積遊技価値の支払い(ST917、ST918)に対応するべく、累積遊技価値の値を初期値(例えば、「0」「100」など)に戻す減算処理(ST921)を行う。
この減算処理(ST921)の後、台基板30Aは、減算処理により更新された累積遊技価値を、クライアントである台基板30Bに通知する(ST922)。通知を受けた台基板30Bは、表示器DSに表示される値を更新された累積遊技価値とするよう表示更新を行う(ST923)。また、台基板30Aもその表示器DSに表示される値を更新された累積遊技価値とする(図示せず)。これにより、各プレイヤは常に最新のジャックポットで得られる遊技価値を把握することが可能となる。
なお、プログレッシブシステムPSは、これ以降も、上述の徴収遊技価値の加算、抽選の実行、当選による累積遊技価値の付与を繰り返してプレイヤにいわゆるジャックポットゲームの興趣を提供する。
[2.第2の実施の形態]
[2.1.システムの基本的構成]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかるプログレッシブシステムPS’について図10を参照しながら説明する。図10は、第2の実施の形態にかかるプログレッシブシステムPS’の一例を示す正面図である。このプログレッシブシステムPS’は、横並びに連結された複数の遊技機10と、各遊技機10と通信可能に接続された管理装置1000とで構成されている。
管理装置1000は、システムPSの装飾として機能するとともに管理装置1000の筐体ともなる装飾筐体1001と、累積遊技価値であるジャックポットの数値や、当選が発生した場合の演出を表示する為の表示装置であって、装飾筐体1001に嵌着された表示部1002と、表示部1002外周に設けられた演出用ランプ・LED1003と、徴収遊技価値の蓄積加算、累積遊技価値(ジャックポット)の抽選などの処理を実行するための管理部(図略)とで構成される。
各遊技機10は、第1の実施の形態の場合と同様に、メダル貸出機12aが備えられた筐体である遊技台11と、遊技台11に換装可能に設けられた遊技機本体12とにより構成されている。図に示す例では、図面左側2台の遊技台11には、スロットマシンとして機能する遊技機本体12’が嵌装されており、図面右側2台の遊技台11には、パチンコ機として機能する遊技機本体12が嵌装されている。なお、プログレッシブシステムPS’は、図1,2に示す2台の遊技機10からなるプログレッシブシステムPSと図4,5示す2台の遊技機10からなるプログレッシブシステムPSを連結して構成しても実現できる。また、図に示す例では、4つの遊技機10により構成されている例を示しているが、遊技機の数は4台に限られるものではなく、2台以上何台を連結する構成であっても良い。
また、遊技機本体12は、パチンコ機として動作するもの、スロットマシンとして動作するものなどが複数種類用意されており、適宜遊技機本体12を他の種類のものと交換して稼働させることが可能となっている。
[2.2.電気的構成例]
図11に本実施の形態にかかるプログレッシブシステムPS’の機能ブロック図を示す。
各遊技機10は遊技機本体12とこれに接続された台基板30と、台基板30に接続された報知部ACとを有し、報知部ACはスピーカSPと表示器DSとを有している。
管理装置1000は、管理部1004とこれに接続された表示部1002とから成り、管理部1004は各台基板30と通信可能に接続されている。
図12に、管理部1004の構成例を示す機能ブロック図を示す。
図に示す管理部1004は、通信制御部1004Aと、通信制御部1004Aに接続された中央制御部1004Bと、中央制御部1004Bに接続された累積遊技価値記憶部1004Cと、抽選実行部1004Dと、当選報知部1004Eとを有している。
通信制御部1004Aは、各台基板30との通信を行うための通信プロトコルの実行を行う。中央制御部1004Bは、管理部1004の各部の動作の決定、制御、調整、累積遊技価値の加算、減算などを行う機能を有する。累積遊技価値記憶部1004Cは、累積遊技価値の値を記憶保持する機能を有する。抽選実行部1004Dは、遊技機10の台基板30からの抽選実行要求に応じて、累積遊技価値の当選についての抽選を実行する機能を有する。当選報知部1004Eは、累積遊技価値の当選の発生が通知された場合、所定の演出を表示部1002に実行させる機能を有する。なお、当選報知部1004Eは、当選に関する演出の実行を各台基板30に命令し、各台基板30はそれぞれの遊技機10に設けられた報知部ACにより、当選演出処理や当選発生報知処理を実行する構成としても良い。
なお、各遊技機10の電気的構成は第1の実施の形態にかかる遊技機10と同様である。
[2.3.動作例]
次に、本実施の形態におけるプログレッシブシステムPS’の動作例について図13(A)(B)を参照しながら説明する。
図13(A)は、本実施の形態におけるプログレッシブシステムPS’の動作例を示すシーケンス図であり、図13(B)は図13(A)に続くシーケンス図である。なお、同図に示す例では、管理装置1000、2つの遊技機10(両遊技機を区別するため、一方を「遊技機A」、他方を「遊技機B」と呼ぶ)によりプログレッシブシステムが構成されており、遊技機Aの台基板30A、及び遊技機Bの台基板30Bはともに管理装置1000のクライアントとして機能するよう設定されているものとする。
まず、遊技機Aにおいてクレジット蓄積条件が発生したものとする(ST1301)。本プログレッシブシステムPS’では、各遊技機10からクレジット蓄積条件の発生ごとに所定の遊技価値である徴収遊技価値を管理装置1000が集めて加算累積し、この累積した遊技価値(「累積遊技価値」と呼ぶ)を当選発生を条件に当選対象に支払うものである。各遊技機10から集められる遊技価値はクレジット蓄積条件が発生すると、その時点における累積遊技価値に加算される。
なお、第1の実施の形態と同様に、クレジット蓄積条件としては、様々なものを選択することが可能である。
クレジット蓄積条件が発生すると、遊技機Aの遊技機本体12Aは、台基板30Aにクレジット蓄積条件発生を通知するか、若しくは新たに累積遊技価値に加算させる遊技価値(「徴収遊技価値」と呼ぶ)を通知する(ST1302)。
次に、遊技機本体12Aから通知などを受けた台基板30Aは、管理装置1000にクレジット蓄積条件発生を通知するか、若しくは新たに累積遊技価値に徴収遊技価値を通知する(ST1304)。
この通知を受けた管理装置1000は、この時点で既に記憶している累積遊技価値に所定の遊技価値若しくは通知された徴収遊技価値を加算する(ST1304)。所定の遊技価値若しくは通知された徴収遊技価値の値をどのように定めるかは第1の実施の形態の場合と同様である。
加算処理(ST1304)終了後、管理装置1000は、加算処理により更新された累積遊技価値を、クライアントである台基板30A及び台基板30Bに通知する(ST1305、ST1307)。通知を受けた台基板30A及び台基板30Bは、それぞれの遊技機10の表示器DSに表示される値を更新された累積遊技価値とする表示更新を行う(ST1306,ST1308)。また、管理装置1000もその表示部1002に表示される値を更新された累積遊技価値とする(図示せず)。これにより、各プレイヤはジャックポットで得られる遊技価値を常に最新の内容で把握することが可能となる。
一方、他方の遊技機Bにおいてもクレジット蓄積条件が発生すると累積遊技価値への徴収遊技価値の加算が行われる。すなわち、遊技機Bにおいてクレジット蓄積条件が発生する(ST1309)と、遊技機Bの遊技機本体12Bは、その台基板30Bに条件発生を通知若しくは徴収遊技価値を通知し(ST1310)、この通知を受けた台基板30Bは、管理装置1000に徴収遊技価値の加算要求を送信する(ST1311)。この要求を受け取った管理装置1000は、この時点で既に記憶している累積遊技価値に所定の遊技価値若しくは通知された徴収遊技価値を加算する加算処理を実行する(ST1312)。
加算処理(ST1312)終了後、管理装置1000は、加算処理により更新された累積遊技価値を、クライアントである台基板30A及び台基板30Bに通知する(ST1313、ST1315)。通知を受けた台基板30A及び台基板30Bは、それぞれの遊技機10の表示器DSに表示される値を更新された累積遊技価値とする表示更新を行う(ST1314,ST1316)。また、管理装置1000もその表示部1002に表示される値を更新された累積遊技価値とする(図示せず)。これにより、各プレイヤはジャックポットで得られる遊技価値を常に最新の内容で把握することが可能となる。
このように各遊技機10においてクレジット蓄積条件が発生するごとに、管理装置1000が記憶する累積遊技価値に徴収遊技価値が加算されてゆき、累積遊技価値の支払いが行われるまで累積遊技価値の値が増加していくこととなる。
さて、第1の実施の形態と同様に本プログレッシブシステムでは、所定の抽選条件が発生すると、管理装置1000は、その時点において記憶している累積遊技価値の支払いを行うか否かを抽選により決定し、支払いを行う場合は支払い対象となる遊技機10に累積遊技価値に付与する。以下、抽選条件の発生から累積遊技価値の付与までの動作例について図13(B)を参照しながら説明する。
図13(B)に示す例では、まず遊技機Aにおいて抽選条件の発生があった(ST1317)ものとする。なお、他方の遊技機Bにおいても抽選条件の発生が起こり得るが、ここでは省略する。
なお、抽選条件としてどのようなものを設定するかは第1の実施の形態と同様である。
さて、遊技機Aにおいて抽選条件が発生する(ST1317)と、遊技機本体12Aは、台基板30Aに通知する(ST1319)。この通知に応答して、台基板30Aは、管理装置1000に抽選要求を送信する(ST1320)。
抽選要求を受け取った管理装置1000は、抽選を実行する(ST1321)。抽選は、たとえば抽選要求を受け取ると、乱数を発生させ得られた値を予め定めた値と一致すれば当選と判定し、そうでなければハズレとして扱う方法が考えられるが、他の抽選方法であっても構わない。
上記抽選処理の結果、当選であると判定された場合(ST1322)、管理装置1000は、各遊技機A、Bのプレイヤに当選が発生したことを報知するため表示部1002に所定の動作をさせるという当選発生報知処理を行う(ST1323)。当選発生報知演出処理としては表示部1002である液晶パネルに支払われた累積遊技価値の値を点滅表示させるとともに、表示部1002である液晶パネル外周に配置されたランプ・LED1003を、あたかも光点が液晶パネル外周を廻っているように発行制御するなどの視覚に訴える演出方法が考えられる。
なお、管理装置1000における当選発生報知処理(ST1323)に加えて、或いはこれに代えて、遊技機Aの報知部ACにより、第1の実施の形態にて述べた当選演出処理(ST919)を行い、遊技機Bの報知部ACにより、当選があったことを遊技機Bのプレイヤに通知するため当選発生報知処理(ST920)を実行するようにしても良い。
ST1323に続いて、管理装置1000は累積遊技価値の付与を実行する。すなわち累積遊技価値の付与対象である遊技機10(図に示す例では遊技機Aとする)に当選通知及び付与される累積遊技価値の値を通知する(ST1324)。
この当選通知及び付与される累積遊技価値の値の通知を受けた遊技機Aの台基板30Aは、クレジット加算処理を行う(ST1325)。すなわち、台基板30Aは、通知を受けた時点で記憶しているクレジットの値に、管理装置1000より通知された累積遊技価値の値を加算し、加算後の値を新たなクレジットの値として記憶保持する。すなわち、遊技機Aのプレイヤはいわゆるジャックポット当選によるクレジットなどの支払いを受け取ることとなる。
また、管理装置1000は、他の遊技機について当選が発生した通知を遊技機Bに送信する(ST1326)。なお、累積遊技価値の付与対象である遊技機10は、必ずしもその当選にかかる抽選を要求した遊技機10に限られる必要はなく、たとえばある遊技機Aから発せられた抽選要求時に遊技実行中である他の遊技機Bを累積遊技価値の付与対象とするようにしても構わない。
次に、管理装置1000は、累積遊技価値の支払い(ST1324,ST1325)に対応するべく、累積遊技価値の値を初期値(例えば、「0」「100」など)に戻す減算処理(ST1327)をおこなう。
減算処理(ST1327)終了後、管理装置1000は、加算処理により更新された累積遊技価値を、クライアントである台基板30A及び台基板30Bに通知する(ST1328、ST1330)。通知を受けた台基板30A及び台基板30Bは、それぞれの遊技機10の表示器DSに表示される値を更新された累積遊技価値とする表示更新を行う(ST1329,ST1331)。また、管理装置1000もその表示部1002に表示される値を更新された累積遊技価値とする(図示せず)。これにより、各プレイヤはジャックポットで得られる遊技価値を常に最新の内容で把握することが可能となる。
なお、プログレッシブシステムPS’は、これ以降も、上述の徴収遊技価値の加算、抽選の実行、当選による累積遊技価値の付与を繰り返してプレイヤにいわゆるジャックポットゲームの興趣を提供する。
[3.その他]
(1)前述の第1及び第2の実施の態様の双方において、複数のジャックポットを設定し、プレイヤに提供するようにしても良い。
例えば、第1及び第2のジャックポットが設定されるとすると、台基板30又は管理装置1000は、第1及び第2のジャックポットに相当する第1及び第2の累積遊技価値を記憶、管理する。
第1のジャックポットに相当する第1の累積遊技価値へ加算する徴収遊技価値は、遊技機本体12がスロットマシンである遊技機10の場合は、スタートレバーON時に0.05枚とし、遊技機本体12がパチンコ機である遊技機10の場合は、変動開始ごとに0.05枚として累積遊技価値へ加算する。一方、第2のジャックポットに相当する第2の累積遊技価値へ加算する徴収遊技価値は、遊技機本体12がスロットマシンである遊技機10の場合は、スタートレバーON時に0.02枚とし、遊技機本体12がパチンコ機である遊技機10の場合は、変動開始ごとに0.02枚として累積遊技価値へ加算する。
また、累積遊技価値の支払い抽選がおこなわれる条件は、第1の累積遊技価値については、遊技機本体12がスロットマシンである遊技機10の場合は、ビックボーナスの当選の発生とし、遊技機本体12がパチンコ機である遊技機10の場合は、大当たり当選の発生とする。一方、第2のジャックポットに相当する第2の累積遊技価値については、遊技機本体12がスロットマシンである遊技機10の場合は、スタートレバーON時とし、遊技機本体12がパチンコ機である遊技機10の場合は、識別図柄の変動開始時とする。
(2)第2の実施の形態にかかるプログレッシブシステムPS’において、当選発生放置処理(ST1323)は、管理装置1000の表示部1002によって行われる演出処理のみであっても良いし、これに各遊技機10の報知部DSによる演出処理を同時に行うものであっても良いし、管理装置1000の表示部1002による演出処理は行わず、各遊技機10の報知部DSによる演出処理のみであっても良い。
(3)第1及び第2のプログレッシブシステムPS、PS’において、当選演出処理(ST919)、及び/又は当選発生報知処理(ST920、ST1323)は、抽選実行(ST915,ST1321)の後、直ちに行う必要はなく、所定の条件が成立するまで、これら処理を保留するようにしても良い。
これら処理を保留する一例を挙げる。ジャックポットゲームの抽選実行の条件がパチンコ機における大当たり当選、パチスロ機/スロットマシンにおけるビックボーナス当選である場合、これら大当たり当選・ビックボーナス当選により遊技機10では当選にかかる演出が実行されているが、これら当選にかかる演出が終了したことを条件として、当選演出処理(ST919)、及び/又は当選発生報知処理(ST920、ST1323)を行うようにしても良い。具体的には台基板30は抽選処理実行後、主制御回路200、主制御基板461より演出終了コマンドを受け取るまで、当選演出処理(ST919)、及び/又は当選発生報知処理(ST920、ST1323)の実行を保留するように設定してもよい。
当選演出処理(ST919)及び/又は当選発生報知処理(ST920、ST1323)を、大当たり当選・ビックボーナス当選などの所定の条件の成立まで保留することにより、以下のような効果が期待できる。すなわち、この様な保留を行うプログレッシブシステムで自らが遊技したプレイヤや、他のプレイヤが遊技しているのを見ていたプレイヤは、大当たり当選・ビックボーナス当選の後にジャックポットゲームの当選が報知されその演出が行われることを体験し、その結果、大当たり当選・ビックボーナス当選の演出が遊技機で行われた場合、その演出に続いてジャックポットゲームの当選が報知される可能性が少なくないという、期待感をプレイヤが有するようになる。すなわち、この様な保留を行うプログレッシブシステムは、プレイヤに期待感を抱かせ、遊技意欲を高めることができる。