図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
前面ドア2の正面には、略垂直面のパネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cが形成されている。また、前面ドア2の背後には、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L,3C,3Rが、回転自在に横一列に設けられている。各リール3L,3C,3Rは、一定の速度で回転する(例えば、80回転/分)。
各リール3L,3C,3Rの内部には、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に後述の表示窓21L,21C,21Rに停止して表示される縦3列の図柄(即ち、合計9個の図柄)の裏側にLED収納用回路基板が設置されている(図示せず)。LED収納用回路基板は、夫々3つ(即ち、合計で9つ)のLED収納部を有し、ここに複数のLEDランプが設けられている。
このLEDランプは、リール3L,3C,3Rの外周面に沿って装着されたリールシートの後面側を白色の光で照明する。より詳細には、後述の表示窓21L,21C,21Rに対応する領域を照明する。このリールシートは、透光性を有して構成され、LEDランプにより射出された光はリールシートの前面側へ透過するようになっている。
パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cの下方には略水平面の台座部4が形成されている。台座部4の右側には、メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。投入されたメダルは、クレジットされる(即ち、貯留される)か、ゲームを行うために消費される。また、台座部4の左側には、押し操作により、クレジットされているメダルのうち一のゲームを行うために消費されるメダルの枚数(以下「投入枚数」という)を選択するための1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられている。
1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、投入枚数として「1」が選択される。2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、投入枚数として「2」が選択される。最大BETスイッチ13は、1回の押し操作により、投入枚数として「3」が選択される。
これらのBETスイッチ11〜13が押下されることで、表示ラインが有効化される(詳しくは後述する)。BETスイッチ11〜13を押す操作及びメダル投入口10にメダルを投入する操作を、以下「投入操作」という。また、BETスイッチ11〜13の上方には、操作部17が設けられている。操作部17は、液晶表示部2bに遊技履歴などの情報を表示するために操作される。
台座部4の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押し操作により切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部5に溜められる。メダル受け部5の上方の左右には、遊技の演出に関する効果音などを出音するスピーカ9L,9Rが設けられている。
C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、後述の表示窓21L,21C,21R内での図柄の変動を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。図柄の変動を開始するために遊技者がスタートレバー6を傾動する操作を、以下「開始操作」という。
台座部4の前面部中央で、スタートレバー6の右側には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止するための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(即ち、単位遊技)は、基本的に、開始操作が行われることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
ここで、実施例では、全てのリールが回転しているときに行われるリールの停止操作(即ち、停止ボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。また、各停止ボタン7L,7C,7Rの裏側には、後述の停止スイッチ7LS,7CS,7RSが配置されている。これらの停止スイッチは、対応する停止ボタンの押し操作(即ち、停止操作)を検知する。
図2を参照して、パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cについて説明する。
パネル表示部2aは、ボーナス遊技情報表示部16、BETランプ17a〜17c、払出表示部18、及びクレジット表示部19により構成される。ボーナス遊技情報表示部16は、7セグメントLEDから成り、ボーナスゲーム(例えば、後述のビッグボーナスゲーム、及び後述のレギュラーボーナスゲーム)において、当該ボーナスゲームに関する情報を表示する。1−BETランプ17a、2−BETランプ17b及び最大BETランプ17cは、投入枚数に応じて点灯する。
1−BETランプ17aは、投入枚数が1枚のときに点灯する。2−BETランプ17bは、投入枚数が2枚のときに点灯する。最大BETランプ17cは、投入枚数が3枚のときに点灯する。払出表示部18及びクレジット表示部19は、夫々7セグメントLEDから成り、入賞が成立したときのメダルの払出枚数及びクレジットされているメダルの枚数を表示する。
液晶表示部2bは、表示窓21L,21C,21R、窓枠表示領域22L,22C,22R及び演出表示領域23により構成される。この液晶表示部2bの表示内容は、リール3L,3C,3Rの回転及び停止態様(即ち、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に、表示窓21L,21C,21Rに表示される図柄の組合せの態様)に基づいて、後述の液晶表示装置131の動作により変化するようになっている。
表示窓21L,21C,21Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、リール3L,3C,3R上に配置された図柄の表示や、演出のための種々の表示を行う。
表示窓21L,21C,21Rには、表示ラインとして、水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、並びに、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられる。これら5本の表示ラインは、前述のBETスイッチ11〜13を遊技者が押し操作すること又はメダル投入口10に遊技者がメダルを投入することにより、有効化される(有効化された表示ラインを、以下「有効ライン」と記載する)。
ここで、各表示窓21L,21C,21Rには、夫々縦方向(即ち、垂直方向)に3箇所(即ち、上段、中段、下段)の図柄表示領域が設けられている。すなわち、左リール3L上段、左リール3L中段、左リール3L下段、中リール3C上段、中リール3C中段、中リール3C下段、右リール3R上段、右リール3R中段、右リール3R下段の合計9箇所の図柄表示領域が設けられている。各表示窓21L,21C,21Rにおける図柄の変動が停止した場合には、各表示窓21L,21C,21Rに設けられた図柄表示領域の各々に図柄が停止して表示される。各表示ライン8a〜8eは、各表示窓21L,21C,21R内のうちの一の図柄表示領域を結んでいる。
表示窓21L,21C,21Rは、少なくとも、対応するリール3L,3C,3Rが回転中のとき、及び、対応する停止ボタン7L,7C,7Rの押し操作が可能なとき、遊技者がリール3L,3C,3R上の図柄を視認できるように、透過状態となる。
窓枠表示領域22L,22C,22Rは、各表示窓21L,21C,21Rを囲むように設けられ、リール3L,3C,3Rの前面に配置された表示窓21L,21C,21Rの窓枠を表したものである。
演出表示領域23は、液晶表示部2bの領域のうち、表示窓21L,21C,21R及び窓枠表示領域22L,22C,22R以外の領域である。この演出表示領域23は、内部当籤役としてボーナス(例えば、後述のBB1及びBB2)が決定されたことを報知する画像、ゲームの興趣を増大させるための画像、遊技者がゲームを有利に進めるために必要な情報等を表示する。
固定表示部2cは、予め定めた図、絵などが描かれる領域である。この固定表示部2cに描かれた図、絵などと、演出表示領域23に表示された画像を連接させることにより一つの静止画像又は動画像を表示できるようにしても良い。
図3は、各リール3L,3C,3Rの外周面上に表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には「00」〜「20」のコードナンバーが付されている。各図柄とコードナンバーとの対応関係の情報は、図柄配置テーブル(図示せず)として後述のROM32に格納されている。コードナンバーは、リール3L,3C,3Rの外周面上における図柄の位置を識別するための情報である。
各リール3L,3C,3R上には、「赤7(図柄91)」、「BAR(図柄92)」、「ベル(図柄93)」、「スイカ(図柄94)」、「チェリー(図柄95)」、「リプレイ(図柄96)」、及び「ブランク(図柄97)」の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図3の矢印方向に移動するように回転する。
「ブランク」は、基本的に、内部当籤役に係る図柄と直接関係のない図柄である。すなわち、「ブランク」がいずれかの有効ラインに沿って並んで表示された場合でも、メダルの払出し、メダルの自動投入、後述の遊技状態の移行などの利益が遊技者に付与されることはない。
実施例では、内部当籤役として、BB1、BB2、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、及びハズレが設けられている。BB1及びBB2を総称して、以下「BB(ビッグボーナス)」という。また、チェリー、ベル、及びスイカを総称して、以下「小役」という。
実施例の遊技状態は、基本的に、一般遊技状態と、ボーナスゲームであるレギュラーボーナスゲームを構成するレギュラーボーナス遊技状態(以下「RB遊技状態」と略記する)とがある。遊技状態は、内部当籤役を決定するための後述の内部抽籤処理において決定される可能性のある内部当籤役の種類、後述の内部抽籤処理において内部当籤役が決定される確率、最大の滑り駒数、及びボーナスゲームの作動が行われているか否かなどにより区別される状態である。
一般遊技状態は、遊技に賭けられた単位遊技価値(例えば、一のゲームを行うために消費されたメダル1枚)に対して遊技者に付与される遊技価値の期待値が「1」よりも小さい遊技状態であり、遊技者にとってみれば、不利な遊技状態である。
一般遊技状態では、後述の内部抽籤処理において内部当籤役としてBBが決定された場合に、BBに対応する図柄の組合せ(即ち、「赤7−赤7−赤7」又は「BAR−BAR−BAR」)が有効ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容されることがある。
ここで、BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合には、複数のレギュラーボーナスゲームで構成されるビッグボーナスゲームが開始(作動)する。このビッグボーナスゲームは、払出されたメダルの枚数(以下「払出可能枚数」という)が所定の枚数(例えば、350枚)を超えることを条件として終了する。
RB遊技状態は、遊技に賭けられた単位遊技価値に対して遊技者に付与される遊技価値の期待値が「1」よりも大きい遊技状態であり、遊技者にとってみれば、有利な遊技状態である。このRB遊技状態は、後述のRB作動中フラグのオン又はオフにより識別できる。
また、RB遊技状態は、後述のBB作動中フラグがオンであることを条件として開始する。このRB遊技状態は、RB遊技状態において行うことが可能な単位遊技の回数(以下「遊技可能回数」という)が0回となる、又はRB遊技状態において行うことが可能な単位遊技の回数(以下「入賞可能回数」という)が0回となることを条件として終了する。
図4は、遊技機1の動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(即ち、アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御信号に基づいて透過型の液晶表示装置131、スピーカ9L,9R、LED類101及びランプ類102を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数値の抽出を行うための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、CPU31、ROM32、及びRAM33を含む。
CPU31は、ROM32に記憶されたプログラムを実行して、ゲームの進行に関する処理を行うと共に、各アクチュエータの動作を直接的または間接的に制御する。CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、乱数を発生するための乱数発生器36及び、発生した乱数から乱数値を抽出するためのサンプリング回路37とが接続されている。なお、CPU31により乱数の発生及び乱数値の抽出を実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であるが、予備的に使用するために残しておくことも可能である。
ROM32は、CPU31が実行するプログラム(例えば、後述の図10〜図20)や固定的なデータを記憶する。ROM32には、例えば、抽出された乱数値に基づいて内部当籤役を決定するための内部抽籤テーブル(後述の図5及び図6)や停止操作に応じてリールの停止態様を決定するための表示役予想格納領域(図示せず)などが格納される。また、副制御回路72へ送信するための各種制御信号等が格納されている。なお、主制御回路71から副制御回路72へコマンドや情報等が送信されることはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
RAM33は、CPU31がプログラムを実行する際に一時的にデータを記憶するために使用される。RAM33には、例えば、内部当籤役、現在の遊技状態の情報等が格納される。
図4の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ(1−BETランプ17a、2−BETランプ17b、最大BETランプ17c)と、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー40と、リール3L,3C,3Rを回転させるステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rへパルス(例えば、励磁信号)を出力することによりステッピングモータ49L,49C,49Rの回転動作を制御するモータ駆動回路39、ホッパー40の動作を制御するホッパー駆動回路41、BETランプ17a,17b,17cの点灯及び消灯を制御するランプ駆動回路45、及び表示部(即ち、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19など)による表示を制御する表示部駆動回路48がCPU31に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御信号を発生するためにマイクロコンピュータ30へ送信される入力信号を発生するための手段として、スタートスイッチ6S、停止スイッチ7LS,7CS,7RS、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ10S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が傾動される操作を検出し、ゲームの開始を指令するための遊技開始指令信号を出力する。メダルセンサ10Sは、メダル投入口10に投入されたメダルを検出する。停止スイッチ7LS,7CS,7RSは、対応する停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて図柄の変動の停止を指令するための停止指令信号を発生する。
リール位置検出回路50は、リール3L,3C,3Rに設けられたリール回転センサからのパルスを受けて各リール3L,3C,3Rの回転位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sにより計数された値(即ち、ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された値に達した時、メダルの払出完了を検知するための信号を発生する。
図4の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が傾動される操作後の適宜のタイミングで、乱数発生器36が発生する乱数から1個の乱数値を抽出する。こうして抽出された乱数値は、RAM33に設けられた乱数値格納領域に格納され、例えばROM32内に格納されている内部抽籤テーブル(後述の図5及び図6)などに基づいて内部当籤役などを決定するために参照される。
リール3L,3C,3Rは、基本的に、ステッピングモータ49L,49C,49Rにパルス(即ち、励磁信号)が所定の回数(例えば、336回)出力されることにより1回転する。ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に出力されたパルスの数は、パルスの計数値としてRAM33の所定の領域に書き込まれる。
他方、リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られる。このリセットパルスがリール位置検出回路50を介してCPU31に入力されると、RAM33に格納されるパルスの計数値が「0」に更新される。これにより、パルスの計数値は、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応したものとなる。
また、ROM32に格納されている上記図柄配置テーブルは、リール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために用いられる。この図柄配置テーブルでは、リセットパルスが発生する回転位置を基準(基準位置)として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、コードナンバーの各々に対応する図柄を示す情報である図柄コードとが対応付けられている。
また、ROM32内には、図柄組合せテーブル(後述の図7)が格納されている。上記の図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの回転を停止する制御を行う際に、全リール3L,3C,3Rの停止後の後述の表示役及び遊技者に付与される利益(例えば、メダルの払出枚数)の決定を行うために参照される。
上記乱数値の抽出に基づく後述の内部抽籤処理により内部当籤役を決定した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングで停止スイッチ7LS,7CS,7RSから送られる入力信号、及び決定された停止テーブル(図示せず)などに基づいて、リール3L,3C,3Rの回転を停止する制御を行うための信号をモータ駆動回路39に送る。
小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定枚数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
副制御回路72へ送信される入力信号を発生するための手段として、上記操作部17及び音量調節部103がある。音量調節部103は、遊技場の従業員等により操作可能となっており、スピーカ9L,9Rから出力される音量の調節を行うための手段である。副制御回路72は、音量調節部103が送信する入力信号に基づいて、スピーカ9L,9Rから出力される音を送信された入力信号に応じた音量に調節する制御を行う。
図5及び図6を参照して、後述の内部抽籤処理で用いられる内部抽籤テーブルについて説明する。図5は、一般遊技状態において使用される一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図6は、RB遊技状態において使用されるRB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。
内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲の情報を備えている。CPU31は、この内部抽籤テーブルに基づいて内部当籤役を決定している(後述の内部抽籤処理)。
具体的には、CPU31は、内部抽籤処理(後述の図10のステップS7)において、抽出された乱数値が当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲内か否かを判別する予め定められた回数(以下「抽籤回数」という)と同じ当籤番号から降順に、当籤番号が「0」になるまで、「0」〜「65535」の範囲の乱数から抽出された乱数値が当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲内にあるか否かを判断する。
この乱数値が下限値及び上限値により示される数値範囲内にある場合、この数値範囲に対応する当籤番号に当籤(即ち、決定)となる。そして、当籤した当籤番号とこの当籤番号に対応する内部当籤役の情報(即ち、内部当籤役を識別するために内部当籤役の夫々に対応して設けられる「フラグ(データ)」)とが規定された内部当籤役決定テーブル(図示せず)に基づいて内部当籤役が決定される。
実施例では、内部当籤役決定テーブルには、当籤番号が「0」に対応する内部当籤役としてハズレ、当籤番号が「1」に対応する内部当籤役としてチェリー、当籤番号が「2」に対応する内部当籤役としてベル、当籤番号が「3」に対応する内部当籤役としてスイカ、当籤番号が「4」に対応する内部当籤役としてリプレイ、当籤番号が「5」に対応する内部当籤役としてBB2、当籤番号が「6」に対応する内部当籤役としてBB1に対応する情報が規定されている。
また、内部抽籤テーブルは、当籤する(即ち、決定される)可能性のある内部当籤役の各々に対応する上限値及び下限値により規定される数値範囲が重複するように設定されている。よって、一回の抽籤で内部当籤役が複数決定される場合がある。例えば、投入枚数が3枚の場合に一般遊技状態において抽出された乱数値が「1900」である場合には、この抽出された乱数値が下限値及び上限値により示される数値範囲内にある当籤番号は、「3」及び「6」である。
したがって、この場合には、当籤番号「3」及び「6」の両方で当籤となり、上記内部当籤役決定テーブルに基づいて、内部当籤役としてスイカ及びBB1の両方が決定される。また、チェリー及びBB2の各々に対応する上限値及び下限値により規定される数値範囲も重複するように設定されていることから、一回の抽籤で内部当籤役としてチェリー及びBB2の両方が決定されることが許容される。
なお、当籤番号が「0」になるまで乱数値が一度も下限値及び上限値により示される数値範囲内になかった場合、当籤番号は「0」となり、内部当籤役としてハズレが決定される。実施例では、ハズレは、遊技者に付与される利益(例えば、メダルの払出し)と対応付けられた内部当籤役ではない。また、ハズレに対応する図柄の組合せは、予め設けられた複数の役に対応する図柄の組合せとは別の任意の図柄の組合せであるとも考えることができるが、実施例では、ハズレに対応する図柄の組合せは設けられていないものとする。
図7を参照して、表示役の決定、及び決定された表示役に対応する払出枚数の決定に用いられる図柄組合せテーブルについて説明する。
図柄組合せテーブルは、後述の表示役と、この表示役に対応する払出枚数の情報とを備えている。表示役は、基本的に、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せを識別するための情報(即ち、データ)である。表示役は、所定の図柄の組合せ及び遊技者に付与される利益(例えば、メダルの払出し、遊技状態の作動)に対応して設けられる。
有効ラインに沿って「チェリー−ANY−ANY」の図柄の組合せが表示されると、チェリーが表示役になる。投入枚数が1枚又は2枚の場合には、15枚のメダルが払出され、投入枚数が3枚の場合には、4枚のメダルが払出される。「ANY」は、任意の図柄を示す。有効ラインに沿って「ベル−ベル−ベル」の図柄の組合せが表示されると、ベルが表示役になる。投入枚数が1枚又は2枚の場合には、15枚のメダルが払出され、投入枚数が3枚の場合には、8枚のメダルが払出される。
有効ラインに沿って「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄の組合せが表示されると、スイカが表示役になり、12枚のメダルが払出される。有効ラインに沿って「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄の組合せが表示されると、リプレイが表示役になり、メダルが自動投入される。すなわち、リプレイが表示役となったゲームの次のゲームでは、前ゲームで投入したメダルと同数のメダルが自動的に投入されるので、遊技者は、投入操作を行うことなく開始操作を行うことができる。
有効ラインに沿って「赤7−赤7−赤7」の図柄の組合せが表示されると、BB1が表示役になり、ビッグボーナスゲームが作動する。有効ラインに沿って「BAR−BAR−BAR」の図柄の組合せが表示されると、BB2が表示役になり、ビッグボーナスゲームが作動する。
図8を参照して、励磁パターンを決定するための励磁パターンテーブルについて説明する。
励磁パターンテーブルは、ステッピングモータ49L,49C,49Rに設けられた各相を励磁する順番を示す励磁パターンカウンタと、各相を励磁するための信号を示す励磁信号により励磁される相を示す励磁パターンとが対応付けられている。この励磁パターンは、CPU31が発生する所定のパルスにより実現される。このパルスは、モータ駆動回路39に入力され、モータ駆動回路39は、パルスに応じた励磁信号を供給(出力)することによりステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動する。
ここで、励磁信号が16回出力されることにより、リール3L,3C,3Rが1図柄分回転する。実施例では、リール3L,3C,3Rの各々に21の図柄が配置されている。また、励磁信号は、2.2346ms毎に出力される。したがって、定速制御中における各リール3L,3C,3Rの回転速度は、約79.91回転/分である。
図9を参照して、リール3L,3C,3Rの回転を制御するための加速テーブルについて説明する。
加速テーブルは、リール3L,3C,3Rを加速、定速、及び減速するための各段階を示す加速テーブルカウンタと、リール3L,3C,3Rを加速、定速、及び減速するための割込み時間を示す加速タイマ(加速タイマ「1」に対して1割込み時間)とが対応付けられている。
この加速タイマの値は、1.1173ms毎の定期的な割込処理で割込カウンタの値が奇数になる周期(即ち、2.2346ms毎)に「1」減算される。例えば、加速テーブルカウンタの値が「3」のときの加速制御中においては、励磁信号は、4.4692(2.2346×2(加速テーブルカウンタに対応する加速タイマの値))ms毎に供給される。他方、加速テーブルカウンタの値が「5」のときの定速制御中においては、加速タイマの値に基づく制御が行われないため、励磁信号は、基本的に、2.2346ms毎に供給される。ただし、後述の滑り駒数チェックフラグがオンの場合には、励磁信号は、4.4692(2.2346×2(後述の滑り駒数チェックカウンタに基づく2割込))ms毎に供給される。
図10〜図20に示すフローチャートを参照して、主制御回路71の制御動作について説明する。
図10を参照して、メインCPU(即ち、主制御回路71)の制御によるメインフローチャートについて説明する。
初めに、CPU31は、初期化処理を行う(ステップS1)。具体的には、CPU31は、RAM33の記憶内容の初期化等を行う。続いて、CPU31は、RAM33における指定格納領域(例えば、内部当籤役の情報を格納するための内部当籤役格納領域の情報)を消去(即ち、クリア)し(ステップS2)、続いてステップS3の処理を行う。具体的には、CPU31は、前回のゲームに使用されたRAM33の所定の領域のデータの消去等を行う。
ステップS3では、CPU31は、ボーナス作動監視処理を行い、続いてステップS4の処理を行う。このボーナス作動監視処理では、CPU31は、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグに基づいてRB遊技状態の作動を行う。BB作動中フラグは、RB遊技状態を作動するか否かを識別するための情報である。RB作動中フラグは、遊技状態がRB遊技状態であるか否かを識別するための情報である。
具体的には、CPU31は、BB作動中フラグがオンである場合には、RB遊技状態が終了したときにRB作動中フラグをオンに更新して、RB遊技状態が再び開始するように処理を行う。すなわち、BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された後は、BB作動中フラグがオフに更新されるまでRB遊技状態となる。また、CPU31は、遊技可能回数の初期値(例えば、12回)及び入賞可能回数の初期値(例えば、8回)をRAM33に格納する。
ステップS4では、CPU31は、メダル受付・スタートチェック処理を行い、続いてステップS5の処理を行う。ここで、CPU31は、スタートスイッチ6S、メダルセンサ10S、又はBETスイッチ11〜13からの入力(信号)に基づいて、投入枚数の情報を更新する処理、BETランプ17a〜17cを点灯又は消灯する処理、ベットコマンド及びデモコマンドを副制御回路72に送信する処理などを行う。なお、ベットコマンドを受信した副制御回路72は、投入操作時に行われる演出としての画像を液晶表示部2bに表示する制御を行う。また、デモコマンドを受信した副制御回路72は、いわゆるデモ画像を液晶表示部2bに表示する制御を行う。
ステップS5では、CPU31は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納し、続いてステップS6の処理を行う。この処理で抽出した乱数値は、内部抽籤処理(後述のステップS7)において使用される。
ステップS6では、CPU31は、遊技状態監視処理を行い、続いてステップS7の処理を行う。この遊技状態監視処理では、CPU31は、RB作動中フラグに基づいて、遊技状態を決定(移行)する。具体的には、CPU31は、RB作動中フラグがオンであるか否かを判別し、RB作動中フラグがオンであれば、RB遊技状態を示す識別子(情報)をRAM33の予め定められた格納領域に格納する。他方、RB作動中フラグがオフであれば、一般遊技状態を示す識別子(情報)をRAM33の予め定められた格納領域に格納する。
ステップS7では、CPU31は、上述した内部抽籤処理を行い、続いてステップS8の処理を行う。なお、この内部抽籤処理では、CUP31は、遊技状態に応じた抽籤回数を決定する。具体的には、遊技状態がRB遊技状態である場合には、CUP31は、抽籤回数として「3」を決定する。他方、遊技状態が一般遊技状態である場合には、CUP31は、基本的に、抽籤回数として「6」を決定する。
ただし、BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合には、CUP31は、抽籤回数として「4」を決定する。したがって、BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合には、当籤番号として「5」又は「6」が決定されないので、BB1、又はBB2が内部当籤役として決定されることがない。
ステップS8では、CPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に送信する処理を行い、続いてステップS9の処理を行う。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役などの情報を含み、副制御回路72に送信される。ステップS9では、CPU31は、前回のリールの回転開始から4.1秒が経過しているか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS11の処理を行い、NOのときは、続いてステップS10の処理を行う。
ステップS10では、CPU31は、ゲーム開始待ち時間消化の処理(即ち、ウェイト)を行い、続いてステップS11の処理を行う。具体的には、CPU31は、前回のゲームが開始してから所定時間(例えば、4.1秒)経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。ステップS11では、CPU31は、全リールの回転開始を要求し、続いてステップS12の処理を行う。具体的には、CPU31は、停止ボタン7L,7C,7Rの各々に対応する後述の3つの有効停止ボタンフラグを全てオンに更新する。
ステップS12では、CPU31は、後で図11を参照して説明するリール停止制御処理を行い、続いてステップS13の処理を行う。ステップS13では、CPU31は、図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定し、続いてステップS14の処理を行う。具体的には、CPU31は、表示窓21L,21C,21Rに表示された図柄の組合せと、図柄組合せテーブル(図7)とに基づいて表示役及び払出枚数を決定する。ステップS14では、CPU31は、表示役コマンドを副制御回路72に送信する処理を行い、続いてステップS15の処理を行う。この表示役コマンドは、ステップS13で決定された表示役の情報を含む。
ステップS15では、CPU31は、メダル払出処理を行い、続いてステップS16の処理を行う。ステップS16では、CPU31は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数の情報を計数するためのボーナス終了枚数カウンタを更新し、続いてステップS17の処理を行う。ここで、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であれば、メダルの払出枚数に応じて当該カウンタを減算する。ステップS17では、CPU31は、RB作動中フラグ又はBB作動中フラグのいずれかがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS18の処理を行い、NOのときは、続いてステップS19の処理を行う。
ステップS18では、CPU31は、ボーナス終了チェック処理を行い、続いてステップS19の処理を行う。このボーナス終了チェック処理では、CPU31は、ボーナスゲームの終了条件を満たした場合にボーナスゲームを終了する。実施例では、CPU31は、小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されたことを条件として、RB終了時処理又はBB終了時処理を行う。具体的には、CPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」である場合に、RB終了時処理及びBB終了時処理を行い、入賞可能回数の情報が「0」又は遊技可能回数の情報が「0」である場合に、RB終了時処理を行う。
RB終了時処理では、CPU31は、RB作動中フラグ、入賞可能回数の情報及び遊技可能回数の情報のクリアなどを行う。BB終了時処理CPU31は、BB作動中フラグ、及びボーナス終了枚数カウンタのクリアなどを行う。
ステップS19では、CPU31は、ボーナス作動チェック処理を行い、続いてステップS2の処理を行う。このボーナス作動チェック処理では、CPU31は、ボーナスゲームの開始条件を満たした場合にボーナスゲームを開始する。実施例では、CPU31は、BBに対応する図柄の組合せ(「赤7−赤7−赤7」又は「BAR−BAR−BAR」)が有効ラインに沿って表示されたことを条件として、BB作動時処理を行う。
BB作動時処理では、CPU31は、BB1又はBB2に対応するBB作動中フラグをオンに更新し、ボーナス終了枚数カウンタの初期値として予め規定した所定値(例えば、「350」)をセットする。
図11を参照して、内部当籤役や遊技者による停止操作のタイミング等に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を制御するためのリール停止制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、有効なストップボタンが押圧操作されたか否か、すなわち、回転しているリール3L,3C,3Rに対応する停止ボタン7L,7C,7Rが押し操作されたか否かを判別する(ステップS21)。具体的には、CPU31は、操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグをオフに更新し、続いてステップS22の処理を行い、NOのときは、ステップS21の処理を繰り返す。
ここで、有効停止ボタンフラグは、押し操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3R(以下「対象リール」という)が回転しているか否かを識別するための情報であり、停止ボタン7L,7C,7Rの各々に対応して3つ設けられている。対象リールが回転している場合には、押し操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグはオンである。対象リールが回転していない場合には、当該停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグはオフである。
ステップS22では、CPU31は、対象リール用のパルスカウンタの値が14より小さいか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS23の処理を行い、NOのときは、続いてステップS24の処理を行う。
パルスカウンタは、基本的に、リール3L,3C,3Rが定速制御中の状態において、リール3L,3C,3Rに配置された図柄が1駒(360/21の角度)分回転したか否かを識別するためのカウンタである。このパルスカウンタの値は、図柄が1駒分回転することを条件に初期値として「16」がセットされ(後述の図19のステップS133)、リール3L,3C,3Rが定速制御中の状態であるときにCPU31による割込処理が2回行われる毎に、「1」減算される(後述の図19のステップS131)。
ステップS23では、CPU31は、後で図12を参照して説明する図柄更新処理を行い、続いてステップS24の処理を行う。ステップS24では、CPU31は、滑り駒数チェックフラグをオフに更新し、続いてステップS25の処理を行う。滑り駒数チェックフラグは、定速制御中において励磁信号が供給される所定時間の周期(即ち、2.2346ms毎)を変更するか否かを識別するための情報である。
ステップS25では、CPU31は、内部当籤役に基づいて、「0」〜「4」のうち何れかを滑り駒数として決定してその決定結果をRAM33に格納し、続いてステップS26の処理を行う。より詳細には、CPU31は、投入枚数、遊技状態、内部当籤役、及び停止操作が行われたときの図柄停止位置などに基づいて滑り駒数を決定している。ステップS26では、CPU31は、滑り駒数が「1」であるか否かを判別する。この判別がYESのとき、続いてステップS27の処理を行い、NOのときは、続いてステップS28の処理を行う。
ステップS27では、CPU31は、滑り駒数チェックフラグをオンに更新して滑り駒数チェックカウンタをクリアし、続いてステップS28の処理を行う。滑り駒数チェックカウンタは、ステッピングモータ49L,49C,49RにCPU31が励磁信号を供給するか否かを識別するためのカウンタである。ここで、滑り駒数チェックカウンタの値は、2.2346ms(即ち、2割込)毎に「1」が加算され、滑り駒数チェックカウンタの値が偶数に更新された場合に励磁信号が供給される。したがって、励磁信号は、4.4692ms(即ち、4割込)毎に供給される。
ステップS28では、CPU31は、滑り駒数が「0」であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS31の処理を行い、NOのときは、続いてステップS29の処理を行う。ステップS29では、CPU31は、後で図12を参照して説明する図柄更新処理を行い、続いてステップS30の処理を行う。ステップS30では、CPU31は、滑り駒数の情報を「1」減算し、続いてステップS28の処理を行う。
ステップS31では、CPU31は、該当するリール3L,3C,3R(即ち、対象リール)の回転停止を要求し、続いてステップS32の処理を行う。この要求は、基本的に、リール3L,3C,3Rを停止させる位置(停止予定位置)の所定数分のステップ(例えば、4ステップ)前に出力される。リール3L,3C,3Rを停止させる位置は、停止操作が行われてから対象リールを滑り駒数分回転させた位置である。なお、実施例では、その所定数分のステップだけ対象リールが回転する間において、励磁信号が供給される所定時間の周期(間隔)が滑り駒数に応じて変更される場合がある。
このように、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作し、リール3L,3C,3Rが滑り駒数分回転した後に、リールの回転停止が要求される。すなわち、この要求を契機として実行される後述の停止要求処理において、リール3L,3C,3Rの制御の状態が停止制御中となるので、リール3L,3C,3Rが滑り駒数分回転する間は、リール3L,3C,3Rの制御の状態は、定速制御中である。
ステップS32では、CPU31は、押圧操作が有効なストップボタン(即ち、停止ボタン7L,7C,7R)があるか否かを判別する。具体的には、3つの有効停止ボタンフラグのうちいずれかがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS21の処理を行い、NOのときは、続いて図10のステップS13の処理を行う。すなわち、回転しているリール3L,3C,3Rがあり、3つの有効停止ボタンフラグのうちいずれかがオンである場合には、この判別はYESとなり、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止し、3つの有効停止ボタンフラグが全てオフである場合には、この判別はNOとなる。
図12を参照して、図柄の変動を監視する図柄更新処理について説明する。
初めに、CPU31は、図柄カウンタが変化したか否かを判別する(ステップS41)。この判別がYESのときは、続いて図11のステップS24又はステップS30の処理を行い、NOのときは、ステップS41の処理を繰り返す。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rの基準位置からずれた図柄の数を計数するためのカウンタである。この図柄カウンタの値は、基本的に、リール3L,3C,3Rが一回転することを条件に初期値として「0」がセットされ(後述の図14のステップS82)、図柄が1駒分変動(回転)する毎に、「1」加算される(後述の図19のステップS134)。
例えば、左のリール3L用の図柄カウンタの値が「03」の場合には、コードナンバー「00」に対応する「ベル」から3駒ずれたコードナンバー「03」に対応する「赤7」が基準位置にある。このように基準位置に基づいて、左の表示窓21Lの中段の図柄表示領域に表示される図柄を特定する(即ち、回転位置を検出する)ことができる。
図13を参照して、メインCPU(CPU31)により所定時間毎に実行される所定の処理を繰返し行うためのメインCPUの制御による割込処理について説明する。この割込処理は、1.1173ms毎に繰返し行われる。
初めに、CPU31は、入力ポートチェック処理を行い(ステップS51)、続いてステップS52の処理を行う。具体的には、CPU31は、スタートレバー6の傾動操作によるスタートスイッチ6Sからの入力等の有無を確認する。ステップS52では、CPU31は、割込カウンタの値に「1」を加算し、続いてステップS53の処理を行う。割込カウンタは、CPU31がリール制御処理(後述の図14)を行うか否かを識別するためのカウンタである。
ステップS53では、CPU31は、割込カウンタの値が偶数であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS60の処理を行い、NOのときは、続いてステップS54の処理を行う。ステップS54では、CPU31は、リール識別子に右のリール3Rを示す情報をセットし、続いてステップS55の処理を行う。リール識別子は、リール3L,3C,3Rのうちの何れの制御をするかを識別するための情報である。ステップS55では、CPU31は、後で図14を参照して説明するリール制御処理を行い、続いてステップS56の処理を行う。
ステップS56では、CPU31は、リール識別子に中央のリール3Cを示す情報をセットし、続いてステップS57の処理を行う。ステップS57では、CPU31は、後で図14を参照して説明するリール制御処理を行い、続いてステップS58の処理を行う。ステップS58では、CPU31は、回転制御の対象として、リール識別子に左のリール3Lを示す情報をセットし、続いてステップS59の処理を行う。ステップS59では、CPU31は、後で図14を参照して説明するリール制御処理を行い、続いてステップS60の処理を行う。
ここで、割込カウンタの値は、1.1173ms毎に更新(即ち、「1」加算)される。すなわち、ステップS55、ステップS57、及びステップS59に示すリール制御処理は、割込カウンタの値が奇数に更新された場合に行われる(即ち、2割込毎に行われる)ので、リール制御処理は、2.2346ms毎に行われる。
ステップS60では、CPU31は、7SEG駆動処理を行い、続いてステップS61の処理を行う。7SEG駆動処理では、CPU31は、LED類101を制御するための信号を副制御回路72に送信する。副制御回路72は、貯留(クレジット)されているメダルの数、メダルの払出枚数等をこの信号に基づいて払出表示部18に表示する。ステップS61では、CPU31は、ランプ駆動処理を行い、定期割込処理を終了する。ランプ駆動処理では、CPU31は、ランプ類102を制御するための信号を副制御回路72に送信する。副制御回路72は、BBETランプ17a〜17cの点灯及び消灯等をこの信号に基づいて行う。
図14を参照して、リール3L,3C,3Rの回転の制御を行うためのリール制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、図13のステップS54、ステップS56、及びステップS58で設定したリール識別子を参照し、該当するリールが制御中か否かを判別する(ステップS71)。この判別がYESのときは、続いてステップS72の処理を行い、NOのときは、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
ここで、制御中は、停止制御中、加速制御中、及び定速制御中のうちのいずれかの状態であることを示している。例えば、RAM33に設けられた停止制御中フラグの領域の値がオンであれば停止制御中と判定(判別)され、よって制御中と判定される。オフであれば停止制御中ではないと判定され、よって制御中ではないと判定される。加速制御中、及び定速制御中に関しても同様である。
このように、リール制御処理では、CPU31は、当該処理を呼び出す前に図13のステップS54、ステップS56、及びステップS58で設定したリール識別子を参照し、該当するリールに関する状態に応じた処理を行うようにしている。例えば、右のリール3Rの制御を行う場合は、ステップS54でリール識別子に右のリール3Rを示す情報(即ち、右のリール3Rを示す識別子)をセットしておき、ステップS54に続いて実行されるリール制御処理では、RAM33に設けられた右のリール3Rに関する停止制御中フラグ、加速制御中フラグ、及び定速制御中フラグなど、右のリール3Rに関する情報の参照・設定を行うとともに、右のリール3Rに関する信号の受信や励磁信号の供給を行う。また、左のリール3L及び中央のリール3Cに関しても同様に、それぞれに関する情報の参照・設定を行う。
ステップS72では、CPU31は、回転開始が要求されたか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS73の処理を行い、NOのときは、続いてステップS74の処理を行う。ステップS73では、CPU31は、後で図15を参照して説明する回転開始処理を行い、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
ステップS74では、CPU31は、加速制御中であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS75の処理を行い、NOのときは、続いてステップS76の処理を行う。ステップS75では、CPU31は、後で図16を参照して説明する加速制御処理を行い、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
ステップS76では、CPU31は、回転停止が要求されたか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS77の処理を行い、NOのときは、続いてステップS78の処理を行う。ステップS77では、CPU31は、後で図17を参照して説明する停止要求処理を行い、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
ステップS78では、CPU31は、停止制御中であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS79の処理を行い、NOのときは、続いてステップS80の処理を行う。ステップS79では、CPU31は、後で図18を参照して説明する停止制御処理を行い、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
ステップS80では、CPU31は、リールインデックスが検知されたか否か(リセットパルスが得られたか否か)を判別する。リールインデックスが検知された場合は、インデックスフラグがオンである。この判別がYESのときは、続いてステップS81の処理を行い、NOのときは、続いてステップS83の処理を行う。ステップS81では、CPU31は、パルスカウンタの値を「0」にセットして、続いてステップS82の処理を行う。
ステップS82では、CPU31は、図柄カウンタの値を「0」にセットして、続いてステップS83の処理を行う。ステップS83では、CPU31は、後で図19を参照して説明するパルスカウンタ更新処理を行い、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
したがって、定速制御中では、ステップS72、ステップS74、ステップS76、及びステップS78の判別がNOとなるので、2.2346ms毎に後述のパルスカウンタ更新処理を繰り返す。
図15を参照して、リール識別子に応じるリール3L,3C,3Rの回転を開始するための回転開始処理について説明する。
初めに、CPU31は、加速制御中(例えば、RAM33の加速制御フラグの領域をオンに設定しても良い)に設定し(ステップS91)、続いてステップS92の処理を行う。ステップS92では、CPU31は、加速テーブルカウンタの値に「0」をセットし、続いてステップS93の処理を行う。ステップS93では、CPU31は、加速タイマの値に「1」をセットし、続いてステップS94の処理を行う。
ステップS94では、CPU31は、後で図16を参照して説明する加速制御処理を行い、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
図16を参照して、リール識別子に応じるリール3L,3C,3Rの回転を加速するための加速制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、加速タイマの値を「1」減算し(ステップS101)、続いてステップS102の処理を行う。ステップS102では、CPU31は、加速タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS103の処理を行い、NOのときは、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
ステップS103では、CPU31は、加速テーブル(図9)を参照し、加速テーブルカウンタ(即ち、加速テーブルカウンタの値)に基づいて加速タイマをセットし、続いてステップS104の処理を行う。ステップS104では、CPU31は、加速テーブルカウンタの値に「1」を加算し、続いてステップS105の処理を行う。
ステップS105では、CPU31は、加速テーブルカウンタの値が「5」であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS106の処理を行い、NOのときは、続いてステップS107の処理を行う。ステップS106では、CPU31は、定速制御中(例えば、RAM33の加速制御フラグの領域をオフに設定し、RAM33の定速制御フラグの領域をオンに設定しても良い)をセットし、続いてステップS107の処理を行う。ステップS107では、CPU31は、後で図19を参照して説明するパルスカウンタ更新処理を行い、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
このように、加速制御処理では、2.2346msec毎に加速タイマの値を「1」減算し、減算した結果、加速タイマの値が「0」であるとき、加速テーブルカウンタの値を参照して加速タイマをセットし、加速テーブルカウンタの値に「1」を加算する。また、加速タイマの値が「0」であるとき、ステッピングモータ49L,49C,49Rを制御するCPU31は、後述のパルスカウンタ更新処理によって、励磁信号を供給する。そして、加速制御処理は、加速テーブルカウンタの値が「5」になるまで繰り返される。加速テーブルカウンタの値が「5」になると、リールの制御状況が加速制御中から定速制御中に移る。
図17を参照して、リール識別子に応じるリール3L,3C,3Rの回転が停止制御中である設定をするための停止要求処理について説明する。
初めに、CPU31は、停止制御中をセットし(ステップS111)、続いてステップS112の処理を行う。停止制御中のセットは、例えば、RAM33に設けられた定速制御中フラグ及び停止要求フラグの領域をオフにセットし、RAM33に設けられた停止制御中フラグの領域をオンにセットすることにより行う。なお、加速制御中及び定速制御中にセットする場合も同様にそれぞれのフラグをセットする構成にしても良い。
ステップS112では、CPU31は、後で図18を参照して説明する停止制御処理を行い、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
図18を参照して、リール識別子に応じるリール3L,3C,3Rの回転を停止するための停止制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、加速タイマの値を「1」減算し(ステップS121)、続いてステップS122の処理を行う。ステップS122では、CPU31は、加速タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS123の処理を行い、NOのときは、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
ステップS123では、CPU31は、加速テーブルカウンタの値が「9」であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS127の処理を行い、NOのときは、続いてステップS124の処理を行う。ステップS124では、CPU31は、加速テーブル(図9)を参照し、加速テーブルカウンタに基づいて加速タイマをセットし、続いてステップS125の処理を行う。ステップS125では、CPU31は、加速テーブルカウンタの値に「1」を加算し、続いてステップS126の処理を行う。ステップS126では、CPU31は、後で図20を参照して説明するパルス出力処理を行い、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
ステップS127では、CPU31は、OUTポートに出力していたパルスコード信号をオフ(全相オフ)とし、続いてステップS128の処理を行う。ステップS128では、CPU31は、非制御中をセット(例えば、RAM33の停止制御フラグの領域をオフに設定する。もちろん、停止制御中、加速制御中、及び定速制御中のそれぞれに対応するフラグ全てをオフにセットしても良い)し、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
停止制御処理では、2.2346ms毎に加速タイマの値を「1」減算し、減算した結果、加速タイマの値が「0」であるとき、加速テーブルを参照して加速タイマをセットし、加速テーブルカウンタの値を「1」加算する。また、加速タイマの値が「0」であるとき、ステッピングモータ49L,49C,49Rを制御するCPU31は、パルス出力処理によって、励磁信号を供給する。停止制御処理は、加速テーブルカウンタの値が「9」になるまで繰り返される。加速テーブルカウンタの値が「9」になると、リールの制御状況が停止制御中から非制御中、すなわちリール停止状態に移る。
図19を参照して、パルスカウンタ更新処理について説明する。
初めに、CPU31は、パルスカウンタの値を「1」減算し(ステップS131)、続いてステップS132の処理を行う。ステップS132では、CPU31は、パルスカウンタの値が「0」であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS133の処理を行い、NOのときは、続いてステップS137の処理を行う。
ステップS133では、CPU31は、パルスカウンタの値を「16」にセットし、続いてステップS134の処理を行う。ステップS134では、CPU31は、図柄カウンタの値に「1」を加算し、続いてステップS135の処理を行う。ステップS135では、CPU31は、図柄カウンタの値が「20」を超えるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS136の処理を行い、NOのときは、続いてステップS137の処理を行う。
ステップS136では、CPU31は、図柄カウンタの値をクリア(即ち、「0」に設定)し、続いてステップS137の処理を行う。ステップS137では、CPU31は、後で図20を参照して説明するパルス出力処理を行い、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
図20を参照して、励磁信号を供給するためのパルス出力処理について説明する。
初めに、CPU31は、図13のステップS54、ステップS56、及びステップS58で設定したリール識別子を参照し、該当するリールが定速制御中か否かを判別する(ステップS141)。この判別がYESのときは、続いてステップS142の処理を行い、NOのときは、続いてステップS145の処理を行う。
ステップS142では、CPU31は、滑り駒数チェックフラグがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS143の処理を行い、NOのときは、続いてステップS145の処理を行う。ステップS143では、CPU31は、滑り駒数チェックカウンタの値に「1」を加算し、続いてステップS144の処理を行う。
ステップS144では、CPU31は、滑り駒数チェックカウンタの値が偶数であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS145の処理を行い、NOのときは、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
ステップS145では、CPU31は、コモン信号をオンにし、続いてステップS146の処理を行う。ステップS146では、CPU31は、励磁パターンカウンタの値が「3」であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、続いてステップS147の処理を行い、NOのときは、続いてステップS148の処理を行う。
ステップS147では、CPU31は、励磁パターンカウンタの値に「−1」をセットし、続いてステップS148の処理を行う。ステップS148では、CPU31は、励磁パターンカウンタの値に「1」を加算し、続いてステップS149の処理を行う。ステップS149では、CPU31は、励磁パターンテーブルを参照し、励磁パターンカウンタに基づいて励磁パターンを決定し、続いてステップS150の処理を行う。
ステップS150では、CPU31は、決定された励磁パターンに基づいて励磁信号を供給し、続いて図13のステップS56、ステップS58、又はステップS60の処理をリール識別子に応じて行う。
以上のように、遊技者による停止操作などに基づいて決定された滑り駒数が1駒以外の場合には、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動するための励磁信号は2.2346ms毎に供給される。よって、リール3L,3C,3Rが滑り駒数分回転する間も2.2346ms毎に励磁信号が供給されることによりリール3L,3C,3Rが定速回転する。このように、リール3L,3C,3Rが定速回転している状態で停止制御が行われるので、通常、リール3L,3C,3Rの受ける慣性力は大きいものとなり、リール3L,3C,3Rは、回転揺れなどの振動を伴うことがある。
他方、滑り駒数が1駒の場合には、リール3L,3C,3Rが1駒分回転する間、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動するための励磁信号が供給される時間の周期は、2.2346msから4.4692msに変更される。故に、2.2346ms毎に供給されることにより定速回転しているリール3L,3C,3Rは、4.4692ms毎に励磁信号が供給されることにより、リール3L,3C,3Rは定速回転している速度より遅い速度で回転することになる。
すなわち、定速回転する速度より遅い速度でリール3L,3C,3Rが回転している状態で停止制御が行われるので、リール3L,3C,3Rの受ける慣性力は、滑り駒数が1駒以外の場合と比べて小さくなる。したがって、リール3L,3C,3Rの停止制御において、慣性力によるブレを低減することができる。慣性力によるブレが低減されることにより、回転揺れなどの振動を伴うことなく滑らかにリール3L,3C,3Rが停止する。
ここで、スロットマシンは、その仕様によっては善良の風俗を害するおそれのあるものとされているが、スロットマシンを製造する際には、著しく射幸心を煽ることがないようにする等、社会に与える影響に留意しなければならない。
この判断基準として、「風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律」における「遊技機の認定及び型式等に関する規則」があるが、ここに示される数値等の基準は、スロットマシンが善良の風俗を害するか否かを判断する社会的に認められた唯一の基準であり、スロットマシンを製造する上で非常に重要なものとなっている。そこで、実施例では、このような法律及び規則を遵守するものとしている。
例えば、リール3L,3C,3Rの回転は、開始操作した後、190ms以内に停止するものでなければならないという規定がある。これに対し、実施例では、停止操作が行われることを契機に励磁信号が供給される時間の周期を大きくする構成により、定速回転している通常の速度より遅い速度でリール3L,3C,3Rが回転するので、滑り駒数が1駒以上の場合には、190ms以内にリール3L,3C,3R停止しないおそれがある。このため、滑り駒数が1駒の場合に励磁信号が供給される時間の周期を大きくする構成を採用した。しかしながら、遊技場に設置されないなどの理由により上記法律及び規則を遵守する必要がない場合には、滑り駒数が1駒より大きい構成を採用することができる。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
実施例では、滑り駒数に基づいて励磁信号が供給される周期を変更しているが、これに限られるものではない。例えば、内部当籤役、遊技状態、又は滑り駒数を含めたそれらの組み合わせに基づいて励磁信号が供給される周期を変更してもよい。このようにすることで、リール3L,3C,3Rの停止制御時においてさらに変化に富むリールの動きを実現できる。また、遊技者は、リール3L,3C,3Rの停止制御におけるリール3L,3C,3Rの回転速度から内部当籤役及び遊技状態を推測して遊技を楽しむことができる。
また、この場合に、リールの停止制御においてリール3L,3C,3Rの回転速度に応じて液晶表示部2bで内部当籤役及び遊技状態を示唆又は報知してもよい。このようにすることで、遊技者は、内部当籤役及び遊技状態を容易に把握することができるので、特に初心者であっても安心して遊技を楽しむことができる。
実施例では、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動するための励磁信号が供給される時間の周期を2.2346ms(即ち、2割込)から4.4692ms(即ち、4割込)に変更する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、所定の周期(例えば、3.3519msの周期)、又は不規則な時間で励磁信号を供給するように変更する構成としてもよい。このようにすることで、リール3L,3C,3Rの停止制御時において、さらに変化に富むリールの動きを実現できるとともに、さらに滑らかにリール3L,3C,3Rを停止させることができる。
更に、本実施例のような遊技機1の他、パチンコ遊技機、パロット等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述の遊技機1での動作を家庭用ゲーム機用として疑似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。