JP2006024792A - プラズマプロセス装置およびプラズマプロセス方法 - Google Patents

プラズマプロセス装置およびプラズマプロセス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 大気圧下のプラズマを用いてプロセスを行なう装置において、プラズマ放電を支援するためのガスの使用量を低減でき、またプロセスを安定して再現性良く行なうことが可能なプラズマプロセス装置およびプラズマプロセス方法を提供する。
【解決手段】 大気圧下またはその近傍の圧力下でプラズマを形成するための電界を形成する複数の電極対(電力投入電極1と接地電極2)が設けられ、この電極対が対向する下方近傍領域に、プラズマを発生させるための電界が発生する。また、この電極対が対向する領域に、電極対に対応して、プロセスガス供給手段からプロセスガスが供給される。また、電極対が対向する領域の下方近傍領域に、電力投入電極1と接地電極2とが配列される方向に沿ってプラズマ生成ガスを供給し、一のガス流路7を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマを形成するプラズマプロセス装置およびプラズマプロセス方法に関し、特に大気圧下またはその近傍の圧力下でプラズマを発生し、処理を行なうプラズマプロセス装置およびプラズマプロセス方法に関する。
従来、酸素ガスや四フッ化炭素ガスなどを用いて真空中でプラズマを形成し、生成された活性種を被処理体の表面に照射して有機物を除去するアッシングやエッチングなどの表面処理を行なっていた。この真空中でプラズマを形成して処理する方法は、真空容器や排気ポンプ等を必要とするため、装置が大型化・複雑化する。
しかし、近年、半導体記憶装置などに代表される半導体デバイスやFPD(Flat Panel Display)などの分野では、被処理体の大型化が進んでいる。特に、FPDの場合、被処理体である基板は現在でも1m角から2m角というような大きなサイズからなっており、将来的にはさらにそれ以上の大きなサイズのものが用いられると推測される。被処理体の面積が大きくなるほど装置自体の価格が高騰し、処理コストが上昇するとともに、生産性においても真空排気を行なう必要があり処理可能な数量が制限されるという課題を有する。
そこで、比較的安価で生産性を向上させる手段として、大気圧またはその近傍の圧力でプラズマを発生して処理する方法が提案されている。特許文献1には図10に示すように、大気圧下において複数の電極101で複数のガス流路102を形成し、ガス流路102内にプラズマを発生させて活性種を生成し、これを被処理体に照射して、エッチングやアッシングなどの表面処理を行なう内容が開示されている。
一般的に、特許文献1に記載されているように、大気圧下でプラズマを発生させる場合、酸素ガスやフッソ系ガス等のプロセスを行なうためのプロセスガスに対して、放電しやすいガス、たとえば放電開始電圧の低いヘリウムガスやアルゴンガスなどの希ガスを、プラズマの生成を促すプラズマ生成ガスとして混入したものを使用している。
しかし、ヘリウムガスやアルゴンガスなどの希ガスを用いたプラズマ生成ガスは高価であり、プラズマプロセスのコストを高騰させる原因の一つとなっている。また、コストの低減や処理速度の向上を図るためにプラズマ生成ガスの量を減らし、プロセスガスの混入率を高めると、放電に必要な電圧が高くなり、グロー放電とならずにアーク放電になりやすい。したがって、特許文献1で示されているように、放電空間を複数形成した場合、各々の放電空間に対してプラズマ生成ガスを供給する必要があるため、プラズマ生成ガスの使用量は放電空間の数に比例して増加することになる。
特開2002−158219号公報
この発明が解決しようとする課題は、電極対の複数化にともない、各々の放電空間に対してプラズマ生成ガスを供給する必要があるため、プラズマ生成ガスの供給量が増大し、プラズマプロセスのコストが高騰する点にある。したがって、本発明の目的は、上述の課題を解決するためになされたもので、ヘリウムガスなどの希ガスを用いたプラズマ生成ガスの使用量を少なくしても、大気圧下もしくはその近傍の圧力下でプラズマを容易にかつ安定に生成することができる、プラズマプロセス装置およびプラズマプロセス方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に基づくプラズマプロセス装置においては、大気圧下またはその近傍の圧力下でプラズマを形成するための電界を形成する複数の電極対と、プラズマ生成ガス供給手段と、プロセスガス供給手段とを備えたプラズマプロセス装置であって、上記プラズマ生成ガス供給手段から供給されるプラズマ生成ガスの流れに対して、複数箇所交差する方向に、上記プロセスガス供給手段よりプロセスガスを供給し、上記プラズマ生成ガスと上記プロセスガスとの交差領域に、上記電極対を配設したことを特徴としている。
また、上記目的を達成するため本発明に基づくプラズマプロセス方法においては、上記プラズマプロセス装置を用いたプラズマプロセス方法であって、上記プロセスガス供給手段により、上記電極対に対応して供給される上記プロセスガスの供給量や種類を、上記電極対ごとに変化させることを特徴としている。
この発明に基づいたプラズマプロセス装置によれば、大気圧下またはその近傍の圧力下でプラズマを形成する電極対が複数配置されている構成の装置において、電極対の数が増加した場合においても、各電極対におけるプラズマはひとつのガス流路を通るプラズマ生成ガスを共用して、プラズマが生成されることになるため、電極対の数の増加に関係なく、プラズマ生成ガスの使用量を一定にすることができ、電極対の数に比例してプラズマ生成ガスの使用量が増加することがない。
また、この発明に基づいたプラズマプロセス方法によれば、各電極対に対してプロセスガスの量や種類を変化させるなど制御して供給することができ、電極対ごとに処理の内容や能力を変化させることができる。また、電極対を形成する電極部材間等に形成されるプロセスガス供給部から供給するガスは、放電開始電圧の高いプロセスガスであるので、上記プロセスガス供給部内で放電するという状態を防ぐことができ、所望の状態でプラズマプロセスを行なうことが可能となる。
以下、この発明に基づいた各実施の形態におけるプラズマプロセス装置およびプラズマプロセス方法について、図を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
この発明に基づいた実施の形態1におけるプラズマプロセス装置について、図1〜図4を参照して説明する。なお、図1は、本実施の形態におけるプラズマプロセス装置の概念を示す図であり、図2は本実施の形態におけるプラズマプロセス装置を示す模式的断面図であり、図3は図2中のA−A’断面を下側から見た場合の模式的断面図であり、図4は本実施の形態におけるプラズマプロセス装置の部分拡大図である。
まず、図1を参照して、本実施の形態におけるプラズマプロセス装置は、大気圧下またはその近傍の圧力下でプラズマを形成するための電界を形成する複数の電極対(電力投入電極1と接地電極2)が設けられ、この電極対が対向する下方近傍領域に、プラズマを発生させるための電界が発生する。また、プロセスガス供給手段により、供給手段から供給されるプラズマ生成ガスの流れに対して、複数箇所交差する方向にプロセスガスを供給し、プラズマ生成ガスとプロセスガスとの交差領域に、電極対が配設されるようにしている。より具体的には、電極対を形成する電力投入電極1と接地電極2とを横方向に所定の間隙を隔てて複数配列し、電力投入電極1と接地電極2との間隙から、電極対に対応してプロセスガスの供給を行ない、一方、プラズマ生成ガスは、電力投入電極1と接地電極2との間隙の下方に設けられた一のガス流路において、電力投入電極1と接地電極2との配列方向に沿って供給されることになる。これにより、プラズマ生成ガス供給手段から供給されるプラズマ生成ガスの流れに対して、交差する方向にプロセスガスが供給され、電極対が対向する領域に流れ着いたプラズマ生成ガスは、当該領域においてプラズマ31の生成に寄与した後に、再び、次の電極対が対向する領域においてプラズマ31の生成に寄与し、順次電極対が対向する領域において、プラズマ31の生成に寄与することとなる。
次に、図2から図4を参照して、本実施の形態のプラズマプロセス装置の具体的構成について説明する。このプラズマプロセス装置は、電力投入電極1と、接地電極2と、本体カバー3と、ステージ5と、ステージ搬送部6と、ガス流路7と、プラズマ生成ガスのガス供給部8とプロセスガスのガス供給部9〜15と、ガス排気部16と、絶縁部材17〜19と、誘電体カバー20と、電力投入電極1に接続される高周波電源51および電力供給路52と、ガス供給部9〜15へのプロセスガスの流量制御装置53と、ガスボンベ54と、排気ポンプ55とを主に有している。
図2に示すように、本体カバー3内には、電力投入電極1と接地電極2が平行に交互に並んで配置されている。電力投入電極1は、絶縁部材17〜19および誘電体カバー20により電気的に浮遊した状態になっており、高周波電源51から電源供給路52を介して高周波が供給されるように構成されている。接地電極2は本体カバー3と電位的に等しく接地された状態になっている。また、本体カバー3内には、プラズマ生成ガスのガス供給部8とプロセスガスのガス供給部9〜15と、ガス排気部16が形成されており、流量制御装置53とガスボンベ54および排気ポンプ55に接続されている。
図4に示すように電力投入電極1および接地電極2は、誘電体カバー20により表面が被覆されており、両電極間に高周波電圧を印加することにより、電力投入電極1および接地電極2から成る電極対の間の空間に電界が形成され、プラズマ生成ガスのガス供給部8およびプロセスガスのガス供給部9〜15から供給されたガスを励起し、プラズマ31が生成される。被処理体である基板4は、ステージ5およびステージ搬送部6により、プラズマ31と接触しない位置で搬送され、各電局対の直下を通過することにより、エッチングなどのプロセスが行なわれる。基板4を、装置外へ搬送された時には、所望のプロセスが完了している。各電極対の直下を通過したガスは排気ポンプ55により、図示しない除害装置を介して装置外に排気される。
ここで、本実施の形態におけるプラズマプロセス装置は、上述のように図4に示す位置でプラズマ31が生成され、プラズマを直接被処理体である基板4に接触させることなく処理を行なう。そのため、基板4がプラズマ31によりダメージを受けることが無い。また、電極部材間で生成したプラズマ31中のラジカルをガスのフローで被処理体に照射して処理を行なうリモート型の大気圧プラズマプロセス装置と比べ、プラズマ31が基板4に近い位置で生成されるのでより高い処理能力を得ることができる。
(希ガスの供給)
上述のように構成された実施の形態1のプラズマプロセス装置において、ガスの供給は以下のようにして行なう。まず、プラズマの発生および維持を促進するために用いられるプラズマ生成ガスとしての希ガスを、ガス供給部8からのみ供給する。ガス流路7内に供給された希ガスは、平行に並んで配置されている複数の電力投入電極1および接地電極2の配列方向に沿って供給され、順次電力投入電極1および接地電極2の直下に到達し、プラズマの発生および維持を促進する。ここで、電極対の数が増加した場合においても、各電極対におけるプラズマはひとつのガス流路7を通る希ガスを共用して生成するので、希ガスの使用量は一定であり、従来のように電極対の数に比例して増加することはない。また、希ガスを供給するガス供給部8は、複数の電極部材の中で端部に配置されている電極部材より外側に設置されたものとする。このような方法で希ガスを供給することにより、一度の供給で全ての電極対でのプラズマの生成および維持の促進を行なうことができる。
(プロセスガスの供給)
次に、プロセスガスの供給について説明する。本実施の形態においては、プロセスガスの供給を電力投入電極1及び接地電極2の間に形成されているプロセスガスのガス供給部9〜15から行ない、流量制御装置53により、プロセスガスは流量、組成比、および、種類を各電極対に対して変化させて供給することができる構成としている。
本発明のプラズマプロセス装置をSi膜のエッチングプロセスにおいて使用する場合、プロセスガスとして酸素ガスとフッソ系ガスとを使用する。ここでは、フッ素系ガスの一例としてCFを用いて説明する。図9に示す従来の構造の装置においては、CFおよび酸素ガスを希ガスと共に一つの供給部から供給している結果、ガス供給部22から見て近い位置(上流側)の電極対23と遠い位置(下流側)の電極対24に対して供給されるCFおよび酸素ガスの量が異なるという問題があった。
これは、ガス供給部22から見て近い位置の電極対23、すなわちガス流路7内において上流側に位置する電極対でプラズマが生成されるとプロセスガスが消費され、それより下流側の電極対にガスが到達する時には、プロセスガスの量が減少するためである。これにより、上流側と下流側の電極対で生成されるプラズマ中のラジカル等の反応種の組成や量が変化し、各電極対の直下で行なわれる処理の能力に差が生じ、この場合に、被処理体の搬送方向に処理ムラが生じる問題があった。
一方、本実施の形態におけるプラズマプロセス装置を用いることにより、プラズマの発生および維持を促進するために用いられる希ガスを複数の電極対で共用できると同時に、各電極対に対して供給するプロセスガスの量を適度に制御することが可能なので、各電極対での処理能力を一定にすることができる。
また、以上の効果が得られると同時に、各電極部材の間から供給するガスは、放電開始電圧の高いプロセスガスのみなので、プロセスガスのガス供給部9〜15内部でプラズマが生成することを防ぐという効果も得ることができる。図2および図4に示すように、電極対を形成する電極部材間に形成されたガス供給部に、希ガスとプロセスガスとの両方を供給すると、ガス供給部内でプラズマが生成され、図4に示す位置でプラズマを生成できず所望の処理が行なえないという問題があったが、本実施の形態におけるプラズマプロセス装置を用いることにより、この問題を解決することができる。ここで、フッ素系ガスとしては、C、C、CHF、CH、SFなどを使用しても良い。
(実施の形態2)
本実施の形態は、上述した実施の形態1において説明したプラズマプロセス装置を用いた、プロセスガスの供給方法に関するものである。本実施の形態では、特定の部分の電極対の処理能力を変化させるために、処理の能力に寄与するプロセスガスの供給する量や組成を、各電極対に対して変化させて供給することを特徴としている。
複数設けられた電極対のうち、エッチング終了直前の状態の部分に対してエッチングを行なう電極対については、エッチングレートがその他の電極対より低い条件で処理を行なうのが好ましい。これは、全ての電極対で同じエッチング処理能力であり、被処理体のエッチングにおいて面内に分布があると仮定した場合、ある部分の被処理体のエッチングが終了し、その他の部分にける被処理体のエッチングが終了せずに残っている状況で、さらにエッチング処理が行なわれると、被処理体のエッチングがすでに終了している部分では、その下層にある本来エッチングされるべきでない膜に対してエッチングが行なわれる、という問題が発生するからである。また、シリコンアイランドを形成するようなエッチングを行なう場合、シリコン層の側壁のエッチングが急速に進むという問題もある。
この側壁のエッチングについて、図5を用いて説明する。図5はガラス基板35上にSi膜33を形成した後、その膜をエッチングする工程の基板断面の部分拡大図である。ガラス基板35上にはSiOもしくはSiNなどのシリコン系化合物膜34が成膜された後、Si膜33が成膜されている。Si膜33の表面にはフォトリソグラフィ工程により、レジストパターン32が形成され、そのパターンと同じ形状になるようにSi膜33がエッチングされる。この際、エッチングが進行してレジストパターン32で覆われていない部分のSi膜が消失すると、図中の矢印Aの方向に、シリコン膜33の側壁のエッチングが急速に進行することになる。このようなシリコン膜33の側壁のエッチングが行なわれると、形成されたシリコンアイランドの面積が小さくなり、そのシリコンアイランドを元に作成されるTFTの性能に悪影響を与えることになる。
ここで、エッチング終了直前の状態の部分に対してエッチングを行なう電極対に、エッチングレートがその他の電極対より低くなるように、プロセスガスの供給する量や組成を変化させて処理を行なう。これにより、何らかの要因で、多少のエッチングレートの変動があった場合においても、エッチングレートが低いことから前記の変動幅も小さくなるので、下層にある膜に対するエッチングやシリコン膜33の側壁に対するエッチングを抑制することができ、よりプロセスの均一性を向上させることができる。
本実施の形態では、Si膜のエッチングを例に説明したが、要はこの発明に基づけば、プロセスの処理速度等を各電極対において制御できるということであり、他のプラズマプロセスについても適用することができる。
また、図2においては被処理体である基板4の搬送方向を、ガスの流れと同一の方向としているが、本実施の形態においては、基板4の搬送方向を、ガスの流れとは逆の方向にすることが好ましい。これは、希ガスのガス供給部8から離れた位置、すなわちガス流路7における下流側でエッチングレートが高くなる条件でガスを供給し、希ガスのガス供給部8に近い位置、すなわち上流側でエッチングレートが低くなる条件でガスを供給する方が、後者のガスを供給された電極対において確実にエッチングレートを低くすることができるためである。
これは、上流側でエッチングレートが高くなる条件、すなわち、プロセスガスの供給量が多い状態にすると、その供給された電極対で生成したプラズマの中だけではプロセスガスを消費しきれず、下流側のエッチングレートが低くなる条件でガスを供給している部分、すなわちプロセスガスの供給量が少ない部分に、上流側で消費しきれなかったプロセスガスが混入してしまうことがあるためである。よって、上流側でエッチングレートが低くなる条件のガスを供給し、基板4をガスの流れと逆方向に搬送することにより、実施の形態2で示した効果をより確実に得ることができる。また、基板4をガスの流れと逆方向に搬送することにより、エッチングにより生成する反応生成物を含まない上流側の清浄なガスで励起されたプラズマで、最後に処理を行なうことができ、エッチングプロセスをより清浄に行なうことができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は、上述した実施の形態1において説明したプラズマプロセス装置を用いた、プロセスガスの供給方法に関するものである。本実施の形態では、図2における希ガスのガス供給部8とそれに隣接するプロセスガスのガス供給部9からは、酸素ガスを含まないガスを供給することを特徴とする。
Si膜のエッチングプロセスにおける被処理体の基板4は、Si膜が全面に成膜され、その上層にフォトリソグラフィ工程によりレジストパターンが形成されている状態であるが、そのSi膜表面に自然酸化膜が形成されている場合がある。ここで、この基板4に対して、酸素ガスを含まないフッ素系ガスのみのプロセスガスを供給して生成させたプラズマを用いて、初めに表面処理を行なうことにより、Si膜をエッチングすることなしに、Si膜表面の自然酸化膜を除去することができる。この理由について、以下に説明する。
Cを含むフッソ系ガスを用いてSiやSiOのエッチングを行なった場合、エッチング対象物の表面にフルオロカーボン系の重合物が堆積される。このとき、SiOがエッチング処理対象物であれば、その層中には酸素が存在するので、酸素がSiOのエッチング中に解離して、堆積重合物と結合して揮発性の生成物であるCO、CO、COF分子を形成し揮発することにより、SiO表面上では堆積物の重合が抑制される。それに対し、Si表面では酸素が存在しないため上記のような堆積物の重合の抑制が行なわれず、この堆積重合物によりエッチングの進行が妨げられるので、CFXラジカル種はSiのエッチングに対して有効に働かない。一方、重合物の堆積が抑制されるSiOのエッチングに対しては有効に働く。
以上の理由から、酸素ガスを含まないフッ素系ガスのみのプロセスガスを供給して生成させたプラズマを用いて表面処理を行なうことにより、Si膜をエッチングすることなしに、Si膜表面の自然酸化膜を除去することができ、より均一なエッチングプロセスを行なうことを可能とする。また、本実施の形態においては、図2のように、被処理体である基板4の搬送方向をガスの流れと同一の方向にするのが好ましい。これは、酸素ガスを含まないガスで生成されたプラズマを用いて、初めに基板4に対して処理を行なうためである。
(実施の形態4)
本実施の形態は、上述した実施の形態1において説明したプラズマプロセス装置を用いた、プロセスガスの供給方法に関するものである。本実施の形態では、図2における希ガスのガス供給部8に近い位置(上流側)にあるプロセスガスのガス供給手段からは堆積性のフッ素系ガスを供給し、希ガスのガス供給部8から離れた位置(下流側)にあるプロセスガスのガス供給手段からは、非堆積性のフッ素系ガスを供給することを特徴とする。
本実施の形態は、SiO膜上のSi膜をエッチングするプロセスを例として説明する。Si膜のエッチングにおいて面内に分布があった場合、ある部分のSi膜のエッチングが終了し、その他の部分ではSi膜のエッチングが終了せずに残っている状態において、さらにエッチング処理が行なわれると、Si膜のエッチングがすでに終了している部分では、その下層にあるSiO膜に対してエッチングが行なわれる。
ここで、非堆積性のガスを用いるとSiのエッチング速度に対するSiOのエッチング速度の比率を低くすることができる。非堆積性のガスとは、たとえばSFのようにC原子を含まず、フルオロカーボン系の重合物が形成・堆積されないガスのことである。非堆積性のガスを用いることにより、Si膜の表面は、エッチングに対して妨げることになる重合物が常に堆積されない状態となるので、Siのエッチング速度のみが向上する。これによりSiに対する下地であるSiOのエッチング速度の比率を低くすることができる。よって、下層にあるSiO膜に対してエッチングが行なわれた場合においても、SiOのエッチング速度の比率は低いため、SiO膜のエッチングされる量を低減することができる。
なお、希ガスのガス供給部8に近い位置にあるプロセスガスのガス供給手段から、非堆積性ガスのみもしくはそれと酸素ガスとの混合ガスでエッチングを行なわない理由は、非堆積性ガスでエッチングを行なった場合、上記で記載したようにフルオロカーボン系化合物のような重合物を形成しないので、図5に示すように、被処理体の側壁に対して、等方的にエッチングが行なわれてしまうためである。一方、堆積性のガスを用いてエッチングを行なう場合は、重合物が形成され側壁表面に堆積するので、上記のような側壁に対するエッチングを抑制することができ、異方性を持ったエッチングを行なうことができる。
以上の理由から、希ガスのガス供給部8に近い位置(上流側)にあるプロセスガスのガス供給手段からは堆積性のフッ素系ガスを供給し、離れた位置(下流側)にあるプロセスガスのガス供給手段からは、非堆積性のフッ素系ガスを供給することにより、下層にあるSiO膜のエッチング量を低減させると同時に、異方性を持ったエッチングを行なうことを可能とする。また、上記の効果を得るために、本実施の形態においては、図2のように、被処理体である基板4の搬送方向をガスの流れと同一の方向にするのが好ましい。
(実施の形態5)
本実施の形態は、上述した実施の形態1において説明したプラズマプロセス装置を用いた、プロセスガスの供給方法に関するものである。本実施の形態では、図2におけるプロセスガスのガス供給手段の中で、酸素ガスのみを供給するガス供給手段を設けること特徴とする。実施の形態1で示すプラズマプロセス装置でエッチング処理を行なった際に、基板4のレジスト表面がプラズマによりダメージを受ける場合がある。ダメージを受けた箇所のレジストは、その後の薬液による剥離工程を行なっても、剥離できないという問題がある。ここで、実施の形態1で示すプラズマプロセス装置における電極対の中で、基板4が最後に到達する電極対においてプロセスガスとして酸素ガスのみを供給したプラズマを生成し、レジスト表面に対してアッシング処理を行なう。これにより、ダメージを受けた箇所のレジストを除去することができ、通常の薬液による剥離工程でレジストを剥離することができる。
また、上記の効果を得るために、本実施の形態においては図2のように、被処理体である基板4の搬送方向をガスの流れと同一の方向にするのが好ましい。これは、酸素ガスのみを供給するガス供給手段を、希ガスのガス供給部8から離れた位置、すなわちガス流路7における下流側に設け、プラズマを形成した場合に、その部分で消費しきれない酸素ガスが、他の電極対で生成されるプラズマに影響を及ぼすことがないためである。
(実施の形態6)
本実施の形態は、実施の形態1に示すプラズマプロセス装置とは別形態のプラズマプロセス装置であり、具体的にはガス供給部の構成に関するものである。図6は、本実施の形態におけるプラズマプロセス装置の電極部のみ抽出した模式的断面図であり、図7は図6中のB−B’断面を下側から見た場合の模式的断面図であり、図8は本実施の形態におけるプラズマプロセス装置の電極部の部分拡大図である。以下、図6〜図8を参照して本実施の形態におけるプラズマプロセス装置について説明する。
本実施の形態のプラズマプロセス装置は、電力投入電極1と、接地電極2と、本体カバー3と、ステージ5と、ガス流路7と、プラズマ生成ガスのガス供給部8と、プロセスガスのガス供給部9〜15と、ガス排気部16と、絶縁部材17,18と、誘電体カバー20と、ガス供給路形成部材21とを主に有し、基本的な構成は、上述した実施の形態1とほぼ同じ構成であり、ガス供給部の構成のみ異なる。
実施の形態1におけるプラズマプロセス装置において、電力投入電極1と接地電極2の間にプロセスガスのガス供給部9〜15を設けていたが、本実施の形態においては、図6および図7に示すように電力投入電極1と接地電極2の間ではなく、接地電極2の内部を通過する通路を設け、この通路によりプロセスガスのガス供給部10〜15を形成している。また、電極部材内部とは別の箇所に、ガス供給路形成部材21を用いることにより、プロセスガスのガス供給部9を形成している。
実施の形態1におけるプラズマプロセス装置においては、図4に示すように電力投入電極1の直下において、隣接して生成したプラズマに対して、たとえば、ガス供給部9とガス供給部10から組成や種類の異なるガスを供給すると、ガスが混合し所望のプラズマを生成できないおそれがあった。たとえば、上記実施の形態3に示すように、プロセスガスのガス供給部9からは酸素ガスを含まないガスを、プロセスガスのガス供給部10からは酸素ガスを含むガスを供給した場合、供給するガスの量によっては、酸素ガスを含むガスが、酸素ガスを含まないガスで生成されたプラズマに達し、表面の酸化膜が除去できないおそれがある。
本実施の形態の形態では、図8に示すように電力投入電極1の直下において、隣接して生成したプラズマに対しては、単一のガスのみを供給することができるため、前記のような問題の発生を防止することができる。
なお、実施の形態1と実施の形態2のガス供給方法は、各々別に記載して説明したが、必ずしもどちらか一方のガス供給方法を選択しないといけないわけではない。実施の形態1と実施の形態2との両方のガス供給方法を併せた方法としてもよい。また、本実施の形態のプラズマプロセス装置を用いて、実施の形態2〜5に示されているプロセスガス供給方法を行ない、プラズマプロセスを行なうことも可能である。
したがって、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明のプラズマプロセス装置およびプラズマプロセス方法の概念を説明するための模式図である。 本発明に基づいた実施の形態1におけるプラズマプロセス装置を示す模式的断面図である。 図2中のA−A’断面を下側から見た場合の模式的断面図である。 本発明に基づいた実施の形態1におけるプラズマプロセス装置の部分拡大図である。 Siエッチング工程における基板断面の部分拡大図である。 本発明に基づいた実施の形態6におけるプラズマプロセス装置の模式的断面図である。 図6中のB−B’断面を下側から見た場合の模式的断面図である。 本発明に基づいた実施の形態6におけるプラズマプロセス装置の部分拡大図である。 従来技術のプラズマプロセス装置の模式的断面図である。 従来技術のプラズマプロセス装置の模式的断面図である。
符号の説明
1 電力投入電極、2 接地電極、3 本体カバー、4 基板、5 ステージ、6 ステージ搬送部、7 ガス流路、8 プラズマ生成ガスのガス供給部、9,10,11,12,13,14,15 プロセスガスのガス供給部、16 ガス排気部、17,18,19 絶縁部材、20 誘電体カバー、21 ガス供給路形成部材、22 ガス供給部、23,24 電極対、31 プラズマ、32 レジスト、33 Si膜、34 シリコン系化合物膜、35 ガラス基板、51 高周波電源、52 電力供給路、53 流量制御装置、54 ガスボンベ、55 排気ポンプ、101 電極、102 ガス流路。

Claims (8)

  1. 大気圧下またはその近傍の圧力下でプラズマを形成するための電界を形成する複数の電極対と、プラズマ生成ガス供給手段と、プロセスガス供給手段と、を備えたプラズマプロセス装置であって、
    前記プラズマ生成ガス供給手段から供給されるプラズマ生成ガスの流れに対して、複数箇所交差する方向に、前記プロセスガス供給手段よりプロセスガスを供給し、前記プラズマ生成ガスと前記プロセスガスとの交差領域に、前記電極対を配設したことを特徴とする、プラズマプロセス装置。
  2. 前記電極対を形成する電極部材が横方向に所定の間隙を隔てて複数配列されるとともに、前記電極部材の間隙から、前記電極対に対応して前記プロセスガス供給手段による前記プロセスガスの供給を行ない、
    前記プラズマ生成ガスは、前記電極部材の間隙の下方に設けられた一のガス流路において、前記電極部材の配列方向に沿って供給される、請求項1に記載のプラズマプロセス装置。
  3. 前記電極対を形成する電極部材が横方向に所定の間隙を隔てて複数配列されるとともに、前記電極部材の内部に設けられた通路から、前記電極対に対応して前記プロセスガス供給手段による前記プロセスガスの供給を行ない、
    前記プラズマ生成ガスは、前記電極部材の間隙の下方に設けられた一のガス流路において、前記電極部材の配列方向に沿って供給される、請求項1に記載のプラズマプロセス装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマプロセス装置を用いた、プラズマプロセス方法であって、
    前記プロセスガス供給手段による、前記電極対に対応して供給される前記プロセスガスの供給量や種類を、前記電極対ごとに変化させることを特徴とするプラズマプロセス方法。
  5. 前記プラズマ生成ガス供給手段から供給されるプラズマ生成ガスの上流側においては、前記電極対に対応して供給される前記プロセスガスとして、酸素ガスを含まないプロセスガスが供給されること特徴とする、請求項4に記載のプラズマプロセス方法。
  6. 前記プラズマ生成ガス供給手段から供給されるプラズマ生成ガスにおいて、選択された前記電極対に対応して供給される前記プロセスガスとして、酸素ガスのみを供給することを特徴とする、請求項4に記載のプラズマプロセス方法。
  7. 前記プラズマ生成ガス供給手段から供給されるプラズマ生成ガスにおいて、前記電極対に対応して供給される前記プロセスガスの種類を、前記電極対ごとに変化させることを特徴とする、請求項4に記載のプラズマプロセス方法。
  8. 前記プラズマ生成ガス供給手段から供給されるプラズマ生成ガスの上流側においては、前記電極対に対応して供給される前記プロセスガスとして、堆積性のフッ素系ガスを供給し、
    前記プラズマ生成ガス供給手段から供給されるプラズマ生成ガスの下流側においては、前記電極対に対応して供給される前記プロセスガスとして、非堆積性のフッ素系ガスを供給することを特徴とする、請求項4に記載のプラズマプロセス方法。
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