JP2006024456A - コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】嵌合状態の雄型コネクタハウジングと雌型コネクタハウジングとの間に生じるコネクタ嵌合方向およびコネクタ嵌合直交方向のガタツキを確実に防止できる構造を備え、これにより雄・雌両端子の電気接触部の摩耗等を確実に防止できるコネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタ10は、インナハウジング13の外周面に形成された第1ガタツキ規制傾斜面24aと、第1ガタツキ規制傾斜面24aと嵌合方向に並んでインナハウジング13の外周面に形成された第2ガタツキ規制傾斜面24cと、雌型コネクタハウジング42のコネクタ嵌合室44の内周面に形成された第1規制面45aと、第1規制面45aと嵌合方向に並んでコネクタ嵌合室44の内周面に形成された第2規制面45cと、を備えている。インナハウジング13と雌型コネクタハウジング42との嵌合時に第1ガタツキ規制傾斜面24aと第1規制面45aとが面接触し且つ第2ガタツキ規制傾斜面24cと第2規制面45cとが面接触する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガタツキ防止構造を備えたコネクタに関し、より詳細には、嵌合状態の雄型コネクタハウジングと雌型コネクタハウジングとの間のガタツキを防止する構造を備え、それにより両コネクタハウジング内の雌雄端子の電気接触部相互の摩耗の低減が図られたコネクタに関する。
図7および図8にガタツキ防止構造を備えた従来のコネクタが示される(例えば、特許文献1参照)。
このコネクタ61は、雌端子62を収容する一方のコネクタ63と、雄端子64を収容する他方のコネクタ65と、を備え、合成樹脂製の一方のコネクタハウジングの外側のフード部66の内面にガタツキ規制突部67を一体に形成し、他方のコネクタハウジング68の外壁面をガタツキ規制突部67の表面に隙間なく接触させて、両コネクタ63,65の嵌合方向と直交する方向(即ち、コネクタ嵌合直交方向)のガタツキを防止したものである。
一方のコネクタハウジングは雄型のインナハウジング64とその外側の矩形筒状のフード部66と、を有し、インナハウジング64内に雌端子62が収容されている。雌端子62は合成樹脂製のフロントホルダ69で二重係止されている。インナハウジング64の基部には防水パッキン71が装着されている。ガタツキ規制突部67は略長方形状を有している。
フード部66とインナハウジング64との間に他方のコネクタハウジング68が挿入される。図8は完全嵌合直前の状態を示している。両コネクタハウジングの嵌合と同時に雄・雌両端子62,70が接続され、他方のコネクタハウジング68の先端部が防水パッキン71に密着し、フード部66のロックアーム72が他方のコネクタハウジング68の係合突起に係合して、両コネクタがロックされ、それらと同時に、一方のコネクタハウジングのフード部66と他方のコネクタハウジング68とのコネクタ嵌合直交方向のガタツキが規制部67で防止され、車両走行時等の振動による雄・雌両端子62,70の電気接触部の摩耗の低減が図られる。
特開2002−198127号公報(第3−4頁、図4、図6)
しかしながら、上記従来のコネクタにあっては、コネクタ嵌合直交方向のガタツキは防止されるものの、コネクタ嵌合方向のガタツキが防止されないため、車両走行中の振動や近接の機器やエンジン等の振動による雄・雌両端子62,70の摩耗等が完全には解消されないという問題があった。また、一方のコネクタハウジングのフード部66と他方のコネクタハウジング68とのガタツキは防止されるものの、一方のコネクタハウジングの肝心の端子収容部であるインナハウジング64と他方のコネクタハウジング68とのガタツキが直接的には防止されないため、雄・雌端子62,70相互のガタツキが生じやすく、両端子62,70の摩耗が完全には解消されないという懸念があった。更に、長期にわたって使用された場合に、ガタツキ規制突部67が車両走行時等の振動によって摩耗や圧縮変形を起こし、コネクタ嵌合直交方向のガタツキを生じかねないという懸念もあった。
また、両コネクタハウジング間にリング状のガタツキ規制部材を介在させて、コネクタ嵌合方向およびコネクタ嵌合直交方向のうち少なくとも一方向のガタツキを規制することも考えられるが、別部品であるガタツキ規制部材を設けると、両コネクタハウジング間のガタツキが直接的には規制されず耐振動性能が不十分となるという問題や、ガタツキ規制部材の寸法精度のばらつきによって耐振動性能が安定しないという問題や、ガタツキ規制部材と両コネクタハウジングの摺動抵抗によってコネクタの嵌合荷重が増加するという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、嵌合状態の雄型コネクタハウジングと雌型コネクタハウジングとの間に生じるコネクタ嵌合方向およびコネクタ嵌合直交方向のガタツキを確実に防止できる構造を備え、これにより雄・雌両端子の電気接触部の摩耗等を確実に防止できるコネクタを提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明に係るコネクタは、下記(1)〜(10)を特徴としている。
(1) 雄端子を保持する雌型コネクタハウジングと、
前記雄端子と電気的に接続可能な雌端子を保持し、且つ該雌端子を前記雄端子に接続するように前記雌型コネクタハウジングと嵌合可能である雄型のインナハウジングと、
前記インナハウジングの外周面に形成された第1ガタツキ規制傾斜面と、
前記第1ガタツキ規制傾斜面と前記嵌合方向に並んで前記インナハウジングの外周面に形成された第2ガタツキ規制傾斜面と、
前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの嵌合時に前記インナハウジングを受け入れるために前記雌型コネクタハウジング内に形成されたコネクタ嵌合室と、
前記コネクタ嵌合室の内周面に形成された第1規制面と、
前記第1規制面と前記嵌合方向に並んで前記コネクタ嵌合室の内周面に形成された第2規制面と、
を備え、
前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの嵌合時に前記第1ガタツキ規制傾斜面と前記第1規制面とが面接触し且つ前記第2ガタツキ規制傾斜面と前記第2規制面とが面接触すること。
(2) 上記(1)の構成のコネクタにおける前記第1ガタツキ規制傾斜面と前記第1規制面との面接触および前記第2ガタツキ規制傾斜面と前記第2規制面との面接触が前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に同時になされるように前記インナハウジングおよび前記雌型コネクタハウジングが形成されていること。
(3) 上記(2)の構成のコネクタが、前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの嵌合方向に前記インナハウジングを移動自在に保持するアウタハウジングと、
前記インナハウジングと前記アウタハウジングとの間に配置され且つ、前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に前記第1ガタツキ規制傾斜面が前記第1規制面を押圧し且つ前記第2ガタツキ規制傾斜面が前記第2規制面を押圧するように前記インナハウジングを前記雌型コネクタハウジングへの嵌合方向に弾性反発力で付勢する弾性部材と、
を更に備えたこと。
(4) 上記(1)の構成のコネクタのインナハウジングが、その周壁上を前記嵌合方向に摺動自在な環状のガタツキ規制部材を含み、当該ガタツキ規制部材の外周面が前記インナハウジングの外周面の一部を形成すると共に前記第1ガタツキ規制傾斜面を有しており、当該コネクタが、
前記インナハウジングに設けられ且つ、前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に前記第1ガタツキ規制傾斜面が前記第1規制面を押圧するように前記ガタツキ規制部材を前記インナハウジングの前記雌型コネクタハウジングへの嵌合方向に弾性反発力で付勢する第1弾性部材と、
前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの嵌合方向に前記インナハウジングを移動自在に保持するアウタハウジングと、
前記インナハウジングと前記アウタハウジングとの間に配置され且つ、前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に前記第2ガタツキ規制傾斜面が前記第2規制面を押圧するように前記インナハウジングを前記雌型コネクタハウジングへの嵌合方向に弾性反発力で付勢する第2弾性部材と、
を更に備えたこと。
(5) 上記(3)の構成のコネクタが、前記インナハウジングと前記アウタハウジングとの間に設けられた前抜け防止機構を更に備え、当該前抜け防止機構が前記弾性部材による前記アウタハウジングからの前記インナハウジングの前記嵌合方向の前抜けを防止すること。
(6) 上記(4)の構成のコネクタが、
前記インナハウジングに設けられた第1前抜け防止機構と、
前記インナハウジングと前記アウタハウジングとの間に設けられた第2前抜け防止機構と、
を更に備え、
前記第1前抜け防止機構が前記第1弾性部材による前記インナハウジングからの前記ガタツキ規制部材の前記嵌合方向の前抜けを防止し、そして、
前記第2前抜け防止機構が前記第2弾性部材による前記アウタハウジングからの前記インナハウジングの前記嵌合方向の前抜けを防止すること。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかの構成のコネクタが、前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの嵌合動作を支援し、更には前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの完全嵌合状態を維持可能なコネクタ嵌脱動作支援機構を更に備えたこと。
(8) 上記(7)の構成のコネクタのコネクタ嵌脱動作支援機構が、
前記雌型コネクタハウジングの外周面上で前記嵌合方向と直交する方向に並ぶように前記雌型コネクタハウジングの両側に形成された一対の係合ロック突起と、
前記アウタハウジングの外周面上で前記嵌合方向と直交する方向に並ぶように前記アウタハウジングの両側に形成された一対の枢軸と、
前記枢軸を中心に回動自在となるように前記枢軸に取り付けられた回転ロックレバーと、
を備え、
前記回転ロックレバーが前記係合ロック突起をそれぞれ受け入れて案内する一対の円弧形のロック溝を有しており、前記回転ロックレバーが回動されることにより前記係合ロック突起が前記ロック溝に案内されて前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとが嵌合または離脱すること。
(9) 上記(3)〜(8)のいずれかの構成のコネクタにおける前記第1ガタツキ規制傾斜面が前記インナハウジングの前記雌型コネクタハウジングへの嵌合方向の前側に位置し、前記第2ガタツキ規制傾斜面が前記インナハウジングの前記雌型コネクタハウジングへの嵌合方向の後側に位置し、前記第1規制面が前記雌型コネクタハウジングの前記インナハウジングへの嵌合方向の後側に位置し、そして前記第2規制面が前記雌型コネクタハウジングの前記インナハウジングへの嵌合方向の前側に位置すること。
(10) 上記(1)〜(9)のいずれかの構成のコネクタにおける前記第1ガタツキ規制傾斜面および前記第2ガタツキ規制傾斜面の少なくとも一方を複数に分割するように、前記インナハウジングの周壁に前記嵌合方向に延びるスリットが周方向に間隔をおいて複数設けられていること。
上記(1)の構成のコネクタによれば、雄型コネクタハウジングであるインナハウジングと雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に第1規制面と第1ガタツキ規制傾斜面ならびに第2規制面と第2ガタツキ規制傾斜面といった嵌合方向に並んだ複数の傾斜部分が面接触できるので、コネクタ嵌合直交方向のガタツキのみならずコネクタ嵌合方向のガタツキも防止される。よって、雄・雌両端子の電気接触部の摩耗等が防止される。例えば、インナハウジングに保持された雌端子に電気的に接続された電線に振動によって揺れが生じた場合でも、第1規制面と第1ガタツキ規制傾斜面を設けて第2規制面と第2ガタツキ規制傾斜面を設けない構造またはその逆の構造を有するコネクタと比較して、その電線の揺れの影響を受け難い。
上記(2)の構成のコネクタによれば、インナハウジングと雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に第1規制面と第1ガタツキ規制傾斜面ならびに第2規制面と第2ガタツキ規制傾斜面が同時に面接触するので、コネクタ嵌合直交方向およびコネクタ嵌合方向のガタツキ防止効果が高められる。
上記(3)の構成のコネクタによれば、インナハウジングと雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に第1規制面と第1ガタツキ規制傾斜面ならびに第2規制面と第2ガタツキ規制傾斜面が弾性部材の弾性反発力(換言すれば、弾性復元力)を受けて強固に面接触するので、コネクタ嵌合直交方向およびコネクタ嵌合方向のガタツキ防止効果がより高められる。
上記(4)の構成のコネクタによれば、インナハウジングと雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に、第1規制面と第1ガタツキ規制傾斜面が第1弾性部材の弾性反発力(換言すれば、弾性復元力)を受けて強固に面接触し、それとは独立して第2規制面と第2ガタツキ規制傾斜面が第2弾性部材の弾性反発力(換言すれば、弾性復元力)を受けて強固に面接触するので、コネクタ嵌合直交方向およびコネクタ嵌合方向のガタツキが確実に防止される。また、上記(4)の構成のコネクタによれば、第1ガタツキ規制傾斜面と第2ガタツキ規制傾斜面との間の距離と第1規制面と第2規制面との間の距離との許容寸法公差を大きくとれるので、雌雄コネクタハウジングの成形が容易となり、またコストダウンも図れる。
上記(5)の構成のコネクタによれば、弾性部材によるアウタハウジングからのインナハウジングの嵌合方向の前抜けが前抜け防止機構を設けることにより防止される。
上記(6)の構成のコネクタによれば、第1弾性部材によるインナハウジングからのガタツキ規制部材の嵌合方向の前抜けが第1前抜け防止機構を設けることにより防止され、そして第2弾性部材によるアウタハウジングからのインナハウジングの嵌合方向の前抜けが第2前抜け防止機構を設けることにより防止される。
上記(7)の構成のコネクタによれば、コネクタ嵌脱動作支援機構によって、特に、雌型コネクタハウジングと当該雌型コネクタハウジング側へ弾性部材により付勢されているインナハウジングとの完全嵌合を容易に行なうことができる。
上記(8)の構成のコネクタによれば、簡単な構成でインナハウジングと雌型コネクタハウジングとの嵌合動作を支援でき、更にはインナハウジングと雌型コネクタハウジングとの完全嵌合状態を維持可能なので、好ましい。
上記(9)の構成のコネクタによれば、コネクタの構造を簡単にすることができる。
上記(10)の構成のコネクタによれば、分割された第1ガタツキ規制傾斜面がそれぞれ雌型コネクタハウジングの第1規制面に面接触および/または分割された第2ガタツキ規制傾斜面がそれぞれ雌型コネクタハウジングの第2規制面に面接触する。例えば、インナハウジングの周壁が切れ目無く連続的な第1ガタツキ規制傾斜面および切れ目無く連続的な第2ガタツキ規制傾斜面を有している場合、第1ガタツキ規制傾斜面全周ならびに第2ガタツキ規制傾斜面全周にわたって精度良く平滑に形成されていないと、第1規制面および第2規制面に対して良好に密着できず、所々に隙間ができて、これら隙間で傾き等が生じる可能性が高い。しかし、分割された第1ガタツキ規制傾斜面をそれぞれ第1規制面に当接させ且つ分割された第2ガタツキ規制傾斜面をそれぞれ第2規制面に当接させると、例え寸法誤差があったとしても、分割されているインナハウジングの周壁の各部分に生じる変形によって寸法誤差が吸収され、良好な面接触が得られることになり、この良好な面接触によってインナハウジングと雌型コネクタハウジングとが相互に強く結合される。
本発明によれば、雄型コネクタハウジングと雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に、第1ガタツキ規制傾斜面と第1規制面ならびに第2ガタツキ規制傾斜面と第2規制面といった嵌合方向に並んだ複数の傾斜部分の面接触により振動時のコネクタ嵌合方向および嵌合直交方向のガタツキが防止されるから、両コネクタハウジング内の雄・雌端子の電気接触部の摩耗が確実に防止され、電気接続の信頼性が向上する。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るコネクタの一実施形態(雄型コネクタ11と雌型コネクタ41とが嵌合した状態のコネクタ10)の横断面図、図2は図1の雄型コネクタ11の外観斜視図(回転ロックレバー17の位置はコネクタ10が完全嵌合状態にあるときの位置が示される。)、図3(a)は図2の雄型コネクタ11の分解斜視図、図3(b)は第1ガタツキ規制傾斜面24aおよび第2ガタツキ規制傾斜面24cの少なくとも一方を複数に分割するようにインナハウジング13の周壁13aにコネクタ嵌合方向に延びるスリット31が周方向に間隔をおいて複数設けられている変形例を示す要部破断斜視図、そして図4は図2の雄型コネクタ11の縦断面図である。
図1〜図4に示されるように、コネクタ10は、雄型コネクタ11と、該雄型コネクタ11と嵌合可能な雌型コネクタ41と、該雌型コネクタ41と係合可能なように雄型コネクタ11の枢軸20,20により回動自在に支持された回転ロックレバー17と、を具備する。尚、回転ロックレバー17は、枢軸20,20および雌型コネクタ41の係合ロック突起46,46と協働して、雄型コネクタ11と雌型コネクタ41とが少ない力で容易に嵌合および離脱されるように雄型コネクタ11および雌型コネクタ41の嵌脱動作を支援し、更には雄型コネクタ11と雌型コネクタ41とをそれらの完全嵌合状態が維持されるようにロック可能であるコネクタ嵌脱動作支援部材である。
雄型コネクタ11は、その雄型コネクタハウジングとして、アウタハウジング12と、該アウタハウジング12内でコネクタ嵌合方向に移動可能なように該アウタハウジング12により支持された雄型のインナハウジング13と、を備える。インナハウジング13は、雄型コネクタ11の端子収容部として機能し、その内部に2つの雌端子50をそれぞれ収容する2つの端子収容室13dを有している。雌端子50はそれぞれ弾性係止ランス(不図示)により仮係止されて端子収容室13d内に保持される。雄型コネクタ11は、更に、環状の防水パッキン14と、雌端子50をインナハウジング13の端子収容室13dに本係止するためのフロントホルダ15と、弾性部材の一例として一対の金属製のコイルバネ16,16と、上述した回転ロックレバー17と、を備える。一方、雌型コネクタ41は、2つ(1つのみ図示されている。)の雄端子51を保持した(より詳細には、2つの雄端子51と一体成形された)雌型コネクタハウジング42を有する。
ここで、説明の都合上、前後、上下、そして左右の定義を次のように定める。前後方向をコネクタ嵌合方向と定め、『前』を雄型コネクタ11、雌型コネクタ41各々の嵌合先端側とし、そしてその反対側を『後』とする。上下方向を2つの雌端子50の並び方向やそれらの電気接続対象である2つの雄端子51の並び方向と定め、『上』を回転ロックレバー17の操作部17aが位置する側(例えば、図1の奥側、図2の上側、図4の上側)とし、そしてその反対側を『下』とする。左右方向を枢軸20の並び方向や係合ロック突起46の並び方向と定める。
アウタハウジング12およびインナハウジング13は、それぞれ合成樹脂材料を射出成形することにより形成されたものである。アウタハウジング12は、その前面12aが開口した中空の略楕円筒状に形成されており、その中空部にインナハウジング13がコネクタ嵌合方向に沿って移動自在に配置される。図3(a)および図4に示されるように、インナハウジング13は、その略楕円筒状形の周壁13a後部の上下部分から後方にそれぞれ延長するように片持ち状に形成された一対の係合突部13bを有している。当該係合突部13bは、それらの板状本体からそれぞれ上下方向に突出する係合突起13cを有している。一方、アウタハウジング12は、その後部にあるハウジング装着部18の内周壁面の上下部分から後方にそれぞれ延長するように片持ち状に形成された一対の係止突部12bを有している。当該係止突部12bは、それらの板状本体からそれぞれ上下方向に突出する係止突起12cを有している。
インナハウジング13の係合突部13bはアウタハウジング12内で係止突部12bにより係止されるが、より詳細には、係合突起13cの前面がアウタハウジング12に対するインナハウジング13の前側への移動を規制するように係止突起12cの後面と係合(当接)する。このように、雄型コネクタ11は、インナハウジング13がコネクタ嵌合方向にアウタハウジング12から前抜けしないようにする前抜け防止機構(即ち、係合突部13bおよび係止突部12b)を備えている。
インナハウジング13を囲みながらハウジング装着部18から前方に延設されたアウタハウジング12の外周壁は、インナハウジング13との間に形成された環状の隙間に嵌入される雌型コネクタ41の雌型コネクタハウジング42の周壁43を案内するフードとして機能する。
また、アウタハウジング12の外周壁の左右の対向箇所には、図3(a)に示されるように、それぞれコネクタ嵌合方向に沿ってスリット状に形成されたロック突起受け入れ部19が設けられている。また、アウタハウジング12の外周壁上でロック突起受け入れ部19それぞれの延長線上には枢軸20がアウタハウジング12の外周壁と一体に形成されている。枢軸20それぞれには、後側に向かうに従って徐々に内側へ近づくように傾斜する傾斜面20aが設けられている。アウタハウジング12のハウジング装着部18の後壁内面の左右部分には、一対のコイルバネ16,16の後端部をそれぞれ収容するバネ収容穴23が形成されている。
インナハウジング13の前面21には、フロントホルダ15の雄端子挿入穴15aとそれぞれ一直線上に並ぶ収容室開口21aと、フロントホルダ15の挿入部15bが挿入され且つ係止される挿入穴21bが形成されている。インナハウジング13の収容室開口21aは端子収容室13dと連通しており、雌型コネクタ41の雄端子51の電気接触部は雄型コネクタ11と雌型コネクタ41との嵌合の際にフロントホルダ15の雄端子挿入穴15aおよびインナハウジング13の収容室開口21aを通って端子収容室13d内へ導かれ、端子収容室13d内に配置された雌端子50の電気接触部と接触して、これと電気的に接続される。
インナハウジング13の周壁13aの外周面は、インナハウジング13の前面21から係合突部13bのある後部へ向かって、順に、防水パッキン14が装着される面、その面に続く第1ガタツキ規制傾斜面24a、第1ガタツキ規制傾斜面24aに続く中間外周面24b、そして中間外周面24bに続く第2ガタツキ規制傾斜面24cを有しており、これらの面はそれぞれ周方向にわたって切れ目無く連続的に形成されている。このように、第1ガタツキ規制傾斜面24aと第2ガタツキ規制傾斜面24cはコネクタ嵌合方向に間隔をおいて並んでいる。第1ガタツキ規制傾斜面24aおよび第2ガタツキ規制傾斜面24cは、各々、単体では四つ角を丸めた略四角錐に近い外形を有する。
第1ガタツキ規制傾斜面24aは、より詳細には、その後側から前側に向かうに従って徐々にインナハウジング13の軸心線へ近づくように傾斜する。第2ガタツキ規制傾斜面24cは、より詳細には、その後側から前側に向かうに従って徐々にインナハウジング13の軸心線へ近づくように傾斜するが、第1ガタツキ規制傾斜面24aよりも傾斜角度が大きい。中間外周面24bは、より詳細には、第1ガタツキ規制傾斜面24aと第2ガタツキ規制傾斜面24cとの間にほぼ傾斜せずに形成されている。
第1ガタツキ規制傾斜面24aは、図1に示されるように、雄型コネクタ11と雌型コネクタ41との完全嵌合時に、雌型コネクタハウジング42の周壁43の内周面に形成された第1規制面45aと面接触する。また、第2ガタツキ規制傾斜面24cは、図1に示されるように、雄型コネクタ11と雌型コネクタ41との完全嵌合時に、雌型コネクタハウジング42の周壁43の内周面に形成された第2規制面45cと面接触する。中間外周面24bは、図1に示されるように、雄型コネクタ11と雌型コネクタ41との完全嵌合時に、雌型コネクタハウジング42の周壁43の内周面に形成された中間内周面45bと対向するが、全周で隙間無く面接触することが望ましい。
尚、図3(b)に示されるように、第1ガタツキ規制傾斜面24aおよび第2ガタツキ規制傾斜面24cの少なくとも一方を複数に分割するようにインナハウジング13の周壁13aにコネクタ嵌合方向に延びるスリット31を周方向に間隔をおいて複数設けてもよい。
インナハウジング13の周壁13aの後部には、一対のコイルバネ16,16の前端部をそれぞれ収容するために、アウタハウジング12のバネ収容穴23にそれぞれ対向するように配置されたバネ収容穴25が形成されている。防水パッキン14は、合成ゴム、エラストマ樹脂、等を構成材料として成形されたものであり、中空の略楕円筒状に形成されている。この防水パッキン14は、インナハウジング13における第1ガタツキ規制傾斜面24aの前側の周壁13aに装着され、フロントホルダ15により前抜けしないようにされている。
回転ロックレバー17は、枢軸20,20および係合ロック突起46,46と共にコネクタ嵌脱動作支援機構を構成する部材であり、金属、合成樹脂、等により形成されたものである。回転ロックレバー17は、操作部17aと、該操作部17aの左右両側からそれぞれ略直角に折り曲げられた側板部17b,17bと、を備え、断面略コ字形を有する。回転ロックレバー17の側板部17b,17bの間にはアウタハウジング12が挟まれるように配置される。各側板部17bは、アウタハウジング12の枢軸20に回動可能に係合される取付穴26と、アウタハウジング12の側面にバネ当接するバネ板部27と、円弧形のロック溝28と、を有する。ロック溝28は、それらの延長方向の一端が、雌型コネクタハウジング42の周壁43の左右側面上に形成された係合ロック突起46を容易に進入させることができるように、開口している。より詳細には、係合ロック突起46をロック溝28内に容易に受け入れ可能とするために、側板部17bの一部17c,17cをそれぞれ外側に膨出させることにより形成されたロック突起導入口29が、前述したロック溝28の開口と連設されている。
雌型コネクタ41は、その雌型コネクタハウジング42の周壁43の内側に、前面が開口した有底筒形のコネクタ嵌合室44を有している。コネクタ嵌合室44の周壁43の内周面は、コネクタ嵌合室44の雄端子が突出する内壁面側から前側の開口へ向かって、順に、フロントホルダ15の外周面を囲む面、その面に続いて防水パッキン14の外周面に密着する面、その面に続くテーパー状の第1規制面45a、第1規制面45aに続く中間内周面45b、そして中間内周面45bに続くテーパー状の第2規制面45cを有している。このように、第1規制面45aと第2規制面45cはコネクタ嵌合方向に間隔をおいて並んでいる。
第1規制面45aは、より詳細には、その前側から後側に向かうに従って徐々に雌型コネクタハウジング42の軸心線へ近づくように傾斜する。第1規制面45aは、雄型コネクタ11と雌型コネクタ41との嵌合の際に雄型コネクタ11の第1ガタツキ規制傾斜面24aに当接する面であり、第1ガタツキ規制傾斜面24aと同一の傾斜角度でコネクタ嵌合室44の周壁43に形成されている。第2規制面45cは、より詳細には、その前側から後側に向かうに従って徐々に雌型コネクタハウジング42の軸心線へ近づくように傾斜する。第2規制面45cは、雄型コネクタ11と雌型コネクタ41との嵌合の際に雄型コネクタ11の第2ガタツキ規制傾斜面24cに当接する面であり、第2ガタツキ規制傾斜面24cと同一の傾斜角度でコネクタ嵌合室44の周壁43に形成されている。中間内周面45bは、より詳細には、第1規制面45aと第2規制面45cとの間にほぼ傾斜せずに形成されている。
次に、雄型コネクタ11の組立方法について説明する。尚、雌型コネクタ41は、その雌型コネクタハウジング42および雄端子51をインサート成形することにより形成できるので、その組立方法に関しては詳細な説明を省略するが、雌型コネクタハウジング42に適宜な端子収容室を設けて、当該端子収容室内で雄端子51を弾性係止ランス等の適宜な係止手段により保持するようにしてもよい。
雄型コネクタ11は、次のようにして組み立てられる。端子収容室13dに雌端子50が収容されているインナハウジング13の周壁13aの前部に防水パッキン14を装着し、そしてインナハウジング13の挿入穴21bにフロントホルダ15の挿入部15bを挿入しながらフロントホルダ15をインナハウジング13の内部と係合させて取り付ける。インナハウジング13へのフロントホルダ15の装着により、雌端子50が端子収容室13d内で二重係止され且つ防水パッキン14のインナハウジング13からの前抜けが防止される。
次に、インナハウジング13の後側からバネ収容穴25内にコイルバネ16の前端部をそれぞれ装着し、そしてバネ収容穴25からコイルバネ16の後端部をそれぞれ突出させた状態で、これらコイルバネ16の後端部をアウタハウジング12のバネ収容穴23内に装着しながらインナハウジング13をアウタハウジング12のハウジング装着部18に嵌入していく。
そして、コイルバネ16の弾性反発力(換言すれば、弾性復元力)に抗しつつもインナハウジング13をハウジング装着部18の奥側へ深く押し込んでいき、インナハウジング13の係合突部13bをアウタハウジング12の係止突部12bに係合させると、コイルバネ16がインナハウジング13とアウタハウジング12との間で挟まれた状態が維持される。このようにして、インナハウジング13がアウタハウジング12に組み付けられる。尚、インナハウジング13とアウタハウジング12との組立が完了した状態でのコイルバネ16は、インナハウジング13およびアウタハウジング12により圧縮されていても、圧縮されていなくても、どちらでもよい。
次に、回転ロックレバー17をアウタハウジング12の後側に近づけ、そして回転ロックレバー17の一対の側板部17b,17bの間にアウタハウジング12が挟まれるように側板部17b,17bの間にアウタハウジング12を挿入していくと、側板部17b,17bの端縁が枢軸20,20の傾斜面20a,20aにそれぞれ当接し、そして各側板部17b,17bが外側に一時的に押し広げられながら取付穴26,26がそれぞれ枢軸20,20の左右に位置する所まで来たとき取付穴26,26内に枢軸20,20が係合される。このようにアウタハウジング12に回転ロックレバー17が取り付けられて、雄型コネクタ11の組立が終了する。
このようにして、回転ロックレバー17は、アウタハウジング12に対して、枢軸20を中心にして前後方向に回転自在に取り付けられるが、特に、回転ロックレバー17は、その操作部17aがアウタハウジング12の上面に対して略垂直な方向に沿って配置されて起立した状態になる図5(a)に示すアンロック位置と、操作部17aがアウタハウジング12の上面に対して略水平な方向に沿って配置されるよう後方に倒された倒伏状態になる図1、図2、図4および図5(b)に示すロック位置と、に切り換え可能である。
尚、図5(a)および図5(b)は、図1に示すコネクタのコネクタ嵌脱動作支援機構(即ち、回転ロックレバー17、枢軸20,20、および係合ロック突起46,46)のロック動作説明図である。図5(a)から明らかなように、回転ロックレバー17が起立したアンロック位置に配置されているとき、ロック突起導入口29は、前側、即ち、雄型コネクタ11と雌型コネクタ41との嵌合動作開始時に雌型コネクタハウジング42に向かって開口した状態にある。
次に、コネクタ10の嵌合方法について説明する。
雄型コネクタ11の回転ロックレバー17をアンロック位置、即ち、図5(a)に示すように配置させた状態で、アウタハウジング12とインナハウジング13との間の環状空間に雌型コネクタハウジング42の周壁43を嵌入していくと、インナハウジング13も雌型コネクタハウジング42のコネクタ嵌合室44に嵌入していく。その際、雌型コネクタハウジング42の係合ロック突起46がアウタハウジング12のロック突起受け入れ部19に進入した後、ロック突起導入口29を通してロック溝28の一端の開口内に配置される。図5(a)は、このときの状態を示しており、雄型コネクタ11と雌型コネクタ41とは半嵌合状態にある。
次いで操作部17aを後方へ押して枢軸20を中心に回転ロックレバー17を回動し、図5(a)に示されるアンロック位置から後方のロック位置側に倒していくと、係合ロック突起46がロック溝28の一端から他端に向けてロック溝28に案内されながら該ロック溝28に沿って移動し、これにより雄型コネクタ11と雌型コネクタ41との嵌合動作が進行する。この際、コネクタ嵌合室44の奥側の第1規制面45aがインナハウジング13の第1ガタツキ規制傾斜面24aに当接すると同時にコネクタ嵌合室44の開口端周縁の第2規制面45cがインナハウジング13の第2ガタツキ規制傾斜面24cに当接する。この状態から更に操作部17aを後方へ押して回転ロックレバー17を回動していき、回転ロックレバー17を図5(b)に示されるロック位置に配置すると、雄型コネクタ11と雌型コネクタ41とが完全嵌合し且つそれらの内部では第1規制面45aにより第1ガタツキ規制傾斜面24aが押され且つ第2規制面45cにより第2ガタツキ規制傾斜面24cが押されてコイルバネ16が圧縮される。
このコネクタ完全嵌合状態では、回転ロックレバー17等のコネクタ嵌脱動作支援機構により雄型コネクタ11と雌型コネクタ41とが離脱不能にロックされ、それらの嵌合状態が維持されるので、雌型コネクタハウジング42の第1規制面45aおよび第2規制面45cが、第1ガタツキ規制傾斜面24aおよび第2ガタツキ規制傾斜面24cを介してコイルバネ16の弾性復元力により付勢されて、第1ガタツキ規制傾斜面24aおよび第2ガタツキ規制傾斜面24cに密着している状態も維持される(換言すれば、第1ガタツキ規制傾斜面24aおよび第2ガタツキ規制傾斜面24cが、それぞれ第1規制面45aおよび第2規制面45cと面接触しながらコイルバネ16の弾性復元力により第1規制面45aおよび第2規制面45cを押圧する状態も維持される)。
また、このコネクタ完全嵌合状態では、図1に示されるように、雌端子50の箱形の電気接触部内に雄端子51の平板形の電気接触部が挿入されており、雌端子50の電気接触部と雄端子51の電気接触部とが電気的に接続されている。また、このコネクタ完全嵌合状態では、防水パッキン14が、図1に示されるように、雌型コネクタハウジング42のコネクタ嵌合室44の内周面とインナハウジング13の周壁13aの外周面とにより挟持されて、それら内周面と外周面との間を液密に封止する。尚、雄型コネクタ11と雌型コネクタ41との離脱動作が、上述した回転ロックレバー17の回動操作とは逆方向の回動操作により為されることは言うまでもない。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば上述したコネクタ10は、図6に示されるコネクタ100のように変形してもよい。尚、図6において、既に説明したコネクタ10の構成要素と同様な機能を有するものについては同一符号または相当符号を付して明確化を図り説明を簡略化または省略する。図6に示されるように、コネクタ100のインナハウジング113は、その周壁上をコネクタ嵌合方向に摺動自在な環状のガタツキ規制部材130を含み、当該ガタツキ規制部材130の外周面がインナハウジングの外周面の一部を形成すると共に第1ガタツキ規制傾斜面124aを有している。また、コネクタ100のインナハウジング113は、その周壁に防水パッキン14が装着される環状溝22を有している。防水パッキン14とガタツキ規制部材130との間には環状溝22を部分的に画成する周壁の環状部分が配置され、この環状部分とガタツキ規制部材130との間には第1弾性部材として一対のコイルバネ131,131が挟持されるように配置されている(本変形例の場合はコイルバネ16,16を第2弾性部材とする)。これらコイルバネ131,131は、インナハウジング113と雌型コネクタハウジング42との完全嵌合時に第1ガタツキ規制傾斜面124aが第1規制面145aを押圧するようにガタツキ規制部材130をインナハウジング113の雌型コネクタハウジング42への嵌合方向に弾性反発力で付勢する。本変形例におけるフロントホルダ15は、コネクタ10と異なり防水パッキン14の前抜け防止機能については有する必要はないが、係合されるインナハウジング113の内部と協働して、コイルバネ131,131によるインナハウジング113からのガタツキ規制部材130の嵌合方向の前抜けを防止する第1前抜け防止機構として働く(係合突部13bおよび係止突部12bについては図6での図示が省略されているが、本変形例の場合、これらは第2前抜け防止機構とする)。
この図6に示されるコネクタ100では、インナハウジング113と雌型コネクタハウジング42との完全嵌合時に、第1規制面145aと第1ガタツキ規制傾斜面124aがコイルバネ131,131の弾性反発力(換言すれば、弾性復元力)を受けて強固に面接触し、それとは独立して第2規制面45cと第2ガタツキ規制傾斜面24cがコイルバネ16,16の弾性反発力(換言すれば、弾性復元力)を受けて強固に面接触するので、コネクタ嵌合直交方向およびコネクタ嵌合方向のガタツキが確実に防止される。また、この図6に示されるコネクタ100では、第1ガタツキ規制傾斜面124aと第2ガタツキ規制傾斜面24cとの間の距離と第1規制面145aと第2規制面45cとの間の距離との許容寸法公差を大きくとれるので、雌雄コネクタハウジングの成形が容易となり、またコストダウンも図れる。
次に、コネクタ100の嵌合方法について簡単に説明する。コネクタ100を半嵌合状態にしてから、操作部17aを後方へ押して枢軸20を中心に回転ロックレバー17を回動し、アンロック位置(図5(a)参照)から後方のロック位置側(図5(b)参照)に倒していくと、コネクタ嵌合室44の奥側の第1規制面145aがインナハウジング113のガタツキ規制部材130の第1ガタツキ規制傾斜面124aに当接し、その後、コネクタ嵌合室44の開口端周縁の第2規制面45cがインナハウジング113の第2ガタツキ規制傾斜面24cに当接する。この状態から更に操作部17aを後方へ押して回転ロックレバー17を回動していき、回転ロックレバー17をロック位置(図5(b)参照)に配置すると、コネクタ100が完全嵌合状態となり、コネクタ100の内部では第1規制面145aにより第1ガタツキ規制傾斜面124aが押されてコイルバネ131が圧縮され且つ第2規制面45cにより第2ガタツキ規制傾斜面24cが押されてコイルバネ16が圧縮される。このコネクタ完全嵌合状態では、第1規制面145aが、ガタツキ規制部材130の第1ガタツキ規制傾斜面124aを介してコイルバネ131の弾性復元力により付勢されて、第1ガタツキ規制傾斜面24aに密着している状態も維持され、且つ第2規制面45cが、第2ガタツキ規制傾斜面24cを介してコイルバネ16の弾性復元力により付勢されて、第2ガタツキ規制傾斜面24cに密着している状態も維持される。また、このコネクタ完全嵌合状態では、図6に示されるように、雌端子50の箱形の電気接触部内に雄端子51の電気接触部が挿入されており、雌端子50の電気接触部と雄端子51の電気接触部とが電気的に接続されている。また、このコネクタ完全嵌合状態では、防水パッキン14が、図1に示されるように、雌型コネクタハウジング42のコネクタ嵌合室44の中間内周面45bとインナハウジング113の中間外周面24bとにより挟持されて、それら中間内周面45bと中間外周面24bとの間を液密に封止する。
尚、図6に示すコネクタ100に係る他の作用や効果については、上記コネクタ10に関する説明から容易に類推可能であるため、説明を省略する。
尚、上記実施形態およびその変形例では、弾性部材の一例としてコイルバネ(即ち、コイルバネ16、コイルバネ131)を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コイルバネの代わりに、例えば、合成ゴム、エラストマ樹脂、等を構成材料として成形された弾性部材を採用してもよい。しかし、上述したようなコイルバネと同様な機能を果たすものであれば弾性部材は何でもよい。尚、コイルバネは、例えば、合成ゴム、エラストマ樹脂、等を構成材料として成形された弾性部材と比較して、熱等により経年変化や特性変化し難く、へたり量が少ないので、好ましい。
さて、コネクタ10(100)の特徴を簡潔に述べると次のようになる。
即ち、コネクタ10(100)は、
雄端子51を保持する雌型コネクタハウジング42と、
雄端子51と電気的に接続可能な雌端子50を保持し、且つ該雌端子50を雄端子51に接続するように雌型コネクタハウジング42と嵌合可能である雄型のインナハウジング13(113)と、
インナハウジング13(113)の外周面に形成された第1ガタツキ規制傾斜面24a(124a)と、
第1ガタツキ規制傾斜面24a(124a)と嵌合方向に並んでインナハウジング13(113)の外周面に形成された第2ガタツキ規制傾斜面24cと、
インナハウジング13(113)と雌型コネクタハウジング42との嵌合時にインナハウジング13(113)を受け入れるために雌型コネクタハウジング42内に形成されたコネクタ嵌合室44と、
コネクタ嵌合室44の内周面に形成された第1規制面45a(145a)と、
第1規制面45a(145a)と嵌合方向に並んでコネクタ嵌合室44の内周面に形成された第2規制面45cと、
を備え、
インナハウジング13(113)と雌型コネクタハウジング42との嵌合時に第1ガタツキ規制傾斜面24a(124a)と第1規制面45a(145a)とが面接触し且つ第2ガタツキ規制傾斜面24cと第2規制面45cとが面接触する。
また、コネクタ10では、第1ガタツキ規制傾斜面24aと第1規制面45aとの面接触および第2ガタツキ規制傾斜面24cと第2規制面45cとの面接触がインナハウジング13と雌型コネクタハウジング42との完全嵌合時に同時になされるようにインナハウジング13および雌型コネクタハウジング42が形成されている。
また、コネクタ10は、
インナハウジング13と雌型コネクタハウジング42との嵌合方向にインナハウジング13を移動自在に保持するアウタハウジング12と、
インナハウジング13とアウタハウジング12との間に配置され且つ、インナハウジング13と雌型コネクタハウジング42との完全嵌合時に第1ガタツキ規制傾斜面24aが第1規制面45aを押圧し且つ第2ガタツキ規制傾斜面24cが第2規制面45cを押圧するようにインナハウジング13を雌型コネクタハウジング42への嵌合方向に弾性反発力で付勢するコイルバネ16と、
を更に備えている。
また、コネクタ100では、インナハウジング113が、その周壁上を嵌合方向に摺動自在な環状のガタツキ規制部材130を含み、当該ガタツキ規制部材130の外周面がインナハウジング113の外周面の一部を形成すると共に第1ガタツキ規制傾斜面124aを有しており、当該コネクタ100が、
インナハウジング113に設けられ且つ、インナハウジング113と雌型コネクタハウジング42との完全嵌合時に第1ガタツキ規制傾斜面124aが第1規制面145aを押圧するようにガタツキ規制部材130をインナハウジング113の雌型コネクタハウジング42への嵌合方向に弾性反発力で付勢するコイルバネ131と、
インナハウジング113と雌型コネクタハウジング42との嵌合方向にインナハウジング113を移動自在に保持するアウタハウジング12と、
インナハウジング113とアウタハウジング42との間に配置され且つ、インナハウジング113と雌型コネクタハウジング42との完全嵌合時に第2ガタツキ規制傾斜面24cが第2規制面45cを押圧するようにインナハウジング113を雌型コネクタハウジング42への嵌合方向に弾性反発力で付勢するコイルバネ16と、
を更に備えている。
また、コネクタ10(100)は、インナハウジング13とアウタハウジング12との間に設けられた前抜け防止機構を更に備え、当該前抜け防止機構がコイルバネ16によるアウタハウジング12からのインナハウジング13の嵌合方向の前抜けを防止する。
また、コネクタは、
インナハウジング113に設けられた第1前抜け防止機構と、
インナハウジング113とアウタハウジング12との間に設けられた第2前抜け防止機構と、
を更に備え、
第1前抜け防止機構がコイルバネ131によるインナハウジング113からのガタツキ規制部材130の嵌合方向の前抜けを防止し、そして、
第2前抜け防止機構がコイルバネ16によるアウタハウジング12からのインナハウジング13の嵌合方向の前抜けを防止する。
また、コネクタ10(100)は、インナハウジング13(113)と雌型コネクタハウジング42との嵌合動作を支援し、更にはインナハウジング13(113)と雌型コネクタハウジング42との完全嵌合状態を維持可能なコネクタ嵌脱動作支援機構を更に備えている。
また、コネクタ10(100)のコネクタ嵌脱動作支援機構は、
雌型コネクタハウジング42の外周面上で嵌合方向と直交する方向に並ぶように雌型コネクタハウジング42の両側に形成された一対の係合ロック突起46と、
アウタハウジング12の外周面上で嵌合方向と直交する方向に並ぶようにアウタハウジング12の両側に形成された一対の枢軸20と、
枢軸20を中心に回動自在となるように枢軸20に取り付けられた回転ロックレバー17と、
を備え、
回転ロックレバー17が係合ロック突起46をそれぞれ受け入れて案内する一対の円弧形のロック溝28を有しており、回転ロックレバー17が回動されることにより係合ロック突起46がロック溝28に案内されてインナハウジング13(113)と雌型コネクタハウジング42とが嵌合または離脱する。
また、コネクタ10(100)における第1ガタツキ規制傾斜面24a(124a)がインナハウジング13(113)の雌型コネクタハウジング42への嵌合方向の前側に位置し、第2ガタツキ規制傾斜面24cがインナハウジング13(113)の雌型コネクタハウジング42への嵌合方向の後側に位置し、第1規制面45a(145a)が雌型コネクタハウジング42のインナハウジング13(113)への嵌合方向の後側に位置し、そして第2規制面45cが雌型コネクタハウジング42のインナハウジング13(113)への嵌合方向の前側に位置する。これにより、第1ガタツキ規制傾斜面24a、第2ガタツキ規制傾斜面24c、第1規制面45a(145a)、および第2規制面45cについて他の位置関係を採用するよりもコネクタ10(100)の構造を簡単にすることができる。
また、コネクタ10(100)における第1ガタツキ規制傾斜面24a(124a)および第2ガタツキ規制傾斜面45a(145a)の少なくとも一方を複数に分割するように、インナハウジング13(113)の周壁に嵌合方向に延びるスリット31が周方向に間隔をおいて複数設けられている。
以上、説明したように、コネクタ10(100)によれば、雄型コネクタハウジングであるインナハウジング13(113)と雌型コネクタハウジング42との完全嵌合時に第1規制面45a(145a)と第1ガタツキ規制傾斜面24a(124a)ならびに第2規制面45cと第2ガタツキ規制傾斜面24cといった嵌合方向に並んだ複数の傾斜部分が面接触できるので、コネクタ嵌合直交方向のガタツキのみならずコネクタ嵌合方向のガタツキも防止される。よって、雄・雌両端子51,50の電気接触部の摩耗等が防止される。例えば、インナハウジング13(113)に保持された雌端子50に電気的に接続された電線に振動によって揺れが生じた場合でも、第1規制面45a(145a)と第1ガタツキ規制傾斜面24a(124a)を設けて第2規制面45cと第2ガタツキ規制傾斜面24cを設けない構造またはその逆の構造を有するコネクタと比較して、その電線の揺れの影響を受け難い。
また、コネクタ10によれば、インナハウジング13と雌型コネクタハウジング42との完全嵌合時に第1規制面45aと第1ガタツキ規制傾斜面24aならびに第2規制面45cと第2ガタツキ規制傾斜面24cが同時に面接触するので、コネクタ嵌合直交方向およびコネクタ嵌合方向のガタツキ防止効果が高められる。
また、コネクタ10によれば、インナハウジング13と雌型コネクタハウジング42との完全嵌合時に第1規制面45aと第1ガタツキ規制傾斜面24aならびに第2規制面45cと第2ガタツキ規制傾斜面24cがコイルバネ16の弾性反発力(換言すれば、弾性復元力)を受けて強固に面接触するので、コネクタ嵌合直交方向およびコネクタ嵌合方向のガタツキ防止効果がより高められる。
また、コネクタ100によれば、インナハウジング113と雌型コネクタハウジング42との完全嵌合時に、第1規制面145aと第1ガタツキ規制傾斜面124aがコイルバネ131の弾性反発力(換言すれば、弾性復元力)を受けて強固に面接触し、それとは独立して第2規制面45cと第2ガタツキ規制傾斜面24cがコイルバネ16の弾性反発力(換言すれば、弾性復元力)を受けて強固に面接触するので、コネクタ嵌合直交方向およびコネクタ嵌合方向のガタツキが確実に防止される。また、コネクタ100によれば、第1ガタツキ規制傾斜面124aと第2ガタツキ規制傾斜面24cとの間の距離と第1規制面45aと第2規制面45cとの間の距離との許容寸法公差を大きくとれるので、雌雄コネクタハウジングの成形が容易となり、またコストダウンも図れる。
また、コネクタ10(100)によれば、コイルバネ16によるアウタハウジング12からのインナハウジング13(113)の嵌合方向の前抜けが前抜け防止機構を設けることにより防止される。
また、コネクタ100によれば、コイルバネ131によるインナハウジング113からのガタツキ規制部材130の嵌合方向の前抜けが第1前抜け防止機構を設けることにより防止され、そしてコイルバネ16によるアウタハウジング12からのインナハウジング113の嵌合方向の前抜けが第2前抜け防止機構を設けることにより防止される。
また、コネクタ10(100)によれば、コネクタ嵌脱動作支援機構によって、特に、雌型コネクタハウジング42と当該雌型コネクタハウジング42側へコイルバネ16(131)により付勢されているインナハウジング13(113)との完全嵌合を容易に行なうことができる。
また、コネクタ10(100)によれば、簡単な構成でインナハウジング13(113)と雌型コネクタハウジング42との嵌合動作を支援でき、更にはインナハウジング13(113)と雌型コネクタハウジング42との完全嵌合状態を維持可能なので、好ましい。
また、コネクタ10(100)によれば、分割された第1ガタツキ規制傾斜面24a(124a)がそれぞれ雌型コネクタハウジング42の第1規制面45a(145a)に面接触および/または分割された第2ガタツキ規制傾斜面24cがそれぞれ雌型コネクタハウジング42の第2規制面45cに面接触する。例えば、インナハウジング13(113)の周壁が切れ目無く連続的な第1ガタツキ規制傾斜面24a(124a)および切れ目無く連続的な第2ガタツキ規制傾斜面24cを有している場合、第1ガタツキ規制傾斜面24a(124a)全周ならびに第2ガタツキ規制傾斜面24c全周にわたって精度良く平滑に形成されていないと、第1規制面45a(145a)および第2規制面45cに対して良好に密着できず、所々に隙間ができて、これら隙間で傾き等が生じる可能性が高い。しかし、分割された第1ガタツキ規制傾斜面24a(124a)をそれぞれ第1規制面45a(145a)に当接させ且つ分割された第2ガタツキ規制傾斜面24cをそれぞれ第2規制面45cに当接させると、例え寸法誤差があったとしても、分割されているインナハウジング13(113)の周壁の各部分に生じる変形によって寸法誤差が吸収され、良好な面接触が得られることになり、この良好な面接触によってインナハウジング13(113)と雌型コネクタハウジング42とが相互に強く結合される。
本発明に係るコネクタの一実施形態(雄型コネクタと雌型コネクタとが嵌合した状態のコネクタ)の横断面図である。 図1の雄型コネクタの外観斜視図(回転ロックレバーの位置はコネクタが完全嵌合状態にあるときの位置が示される。)である。 (a)は図2の雄型コネクタの分解斜視図、そして(b)は第1ガタツキ規制傾斜面および第2ガタツキ規制傾斜面の少なくとも一方を複数に分割するようにインナハウジングの周壁にコネクタ嵌合方向に延びるスリットが周方向に間隔をおいて複数設けられている変形例を示す要部破断斜視図である。 図2の雄型コネクタの縦断面図である。 (a)および(b)は図1に示すコネクタのコネクタ嵌脱動作支援機構のロック動作説明図である。 本発明のコネクタの一変形例を示す概略横断面図である。 従来のコネクタの一例を示す完全嵌合状態のコネクタの概略断面図である。 図7のコネクタの完全嵌合直前の状態を示す縦断面図である。
符号の説明
10 コネクタ
11 雄型コネクタ
12 アウタハウジング
12b 係止突部
12c 係止突起
13 インナハウジング
13a 周壁
13b 係合突部
13c 係合突起
13d 端子収容室
14 防水パッキン
15 フロントホルダ
16 コイルバネ
17 回転ロックレバー
18 ハウジング装着部
19 ロック突起受け入れ部
20 枢軸
23 バネ収容穴
24a 第1ガタツキ規制傾斜面
24b 中間外周面
24c 第2ガタツキ規制傾斜面
25 バネ収容穴
26 取付穴
27 バネ板部
28 ロック溝
29 ロック突起導入口
41 雌型コネクタ
42 雌型コネクタハウジング
43 周壁
44 コネクタ嵌合室
45a 第1規制面
45b 中間内周面
45c 第2規制面
46 係合ロック突起
50 雌端子
51 雄端子

Claims (6)

  1. 雄端子を保持する雌型コネクタハウジングと、
    前記雄端子と電気的に接続可能な雌端子を保持し、且つ該雌端子を前記雄端子に接続するように前記雌型コネクタハウジングと嵌合可能である雄型のインナハウジングと、
    前記インナハウジングの外周面に形成された第1ガタツキ規制傾斜面と、
    前記第1ガタツキ規制傾斜面と前記嵌合方向に並んで前記インナハウジングの外周面に形成された第2ガタツキ規制傾斜面と、
    前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの嵌合時に前記インナハウジングを受け入れるために前記雌型コネクタハウジング内に形成されたコネクタ嵌合室と、
    前記コネクタ嵌合室の内周面に形成された第1規制面と、
    前記第1規制面と前記嵌合方向に並んで前記コネクタ嵌合室の内周面に形成された第2規制面と、
    を備え、
    前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの嵌合時に前記第1ガタツキ規制傾斜面と前記第1規制面とが面接触し且つ前記第2ガタツキ規制傾斜面と前記第2規制面とが面接触することを特徴とするコネクタ。
  2. 前記第1ガタツキ規制傾斜面と前記第1規制面との面接触および前記第2ガタツキ規制傾斜面と前記第2規制面との面接触が前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に同時になされるように前記インナハウジングおよび前記雌型コネクタハウジングが形成されていることを特徴とする請求項1に記載したコネクタ。
  3. 前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの嵌合方向に前記インナハウジングを移動自在に保持するアウタハウジングと、
    前記インナハウジングと前記アウタハウジングとの間に配置され且つ、前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に前記第1ガタツキ規制傾斜面が前記第1規制面を押圧し且つ前記第2ガタツキ規制傾斜面が前記第2規制面を押圧するように前記インナハウジングを前記雌型コネクタハウジングへの嵌合方向に弾性反発力で付勢する弾性部材と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載したコネクタ。
  4. 前記インナハウジングが、その周壁上を前記嵌合方向に摺動自在な環状のガタツキ規制部材を含み、当該ガタツキ規制部材の外周面が前記インナハウジングの外周面の一部を形成すると共に前記第1ガタツキ規制傾斜面を有しており、
    前記インナハウジングに設けられ且つ、前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に前記第1ガタツキ規制傾斜面が前記第1規制面を押圧するように前記ガタツキ規制部材を前記インナハウジングの前記雌型コネクタハウジングへの嵌合方向に弾性反発力で付勢する第1弾性部材と、
    前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの嵌合方向に前記インナハウジングを移動自在に保持するアウタハウジングと、
    前記インナハウジングと前記アウタハウジングとの間に配置され且つ、前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの完全嵌合時に前記第2ガタツキ規制傾斜面が前記第2規制面を押圧するように前記インナハウジングを前記雌型コネクタハウジングへの嵌合方向に弾性反発力で付勢する第2弾性部材と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載したコネクタ。
  5. 前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの嵌合動作を支援し、更には前記インナハウジングと前記雌型コネクタハウジングとの完全嵌合状態を維持可能なコネクタ嵌脱動作支援機構を更に備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載したコネクタ。
  6. 前記第1ガタツキ規制傾斜面および前記第2ガタツキ規制傾斜面の少なくとも一方を複数に分割するように、前記インナハウジングの周壁に前記嵌合方向に延びるスリットが周方向に間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載したコネクタ。
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