JP2006022912A - 無段変速機の手動変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の手動変速制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】手動変速指令手段の2点間操作速度に応じMレンジでの手動変速速度を決定する場合において、手動変速応答を高め得るようにした手動変速制御装置を提案する。
【解決手段】手動変速指令手段の2点間操作速度に応じMレンジでの手動変速速度を決定する場合、手動変速指令手段が中立位置から遠い第2ストローク位置に達したt3から、Bのごとくに変速を開始させることになるため、変速応答が悪いし、変速終了もその分遅れる。そこで、手動変速指令手段が中立位置に近い第1ストローク位置に達したt2から、Cで示すように、t2の運転状態に応じた変速速度で変速を行わせて変速応答をΔt1だけ向上させ、t3からは同じくCで示すごとく、手動変速指令手段の第1ストローク位置および第2ストローク位置間における操作速度に応じた速度で変速を引き続き行わせ、変速終了をΔt2だけ早める。
【選択図】図7

Description

本発明は、Vベルト式無段変速機やトロイダル型無段変速機に代表される無段変速機の手動変速レンジでの手動変速を好適に制御するための装置に関するものである。
無段変速機は、自動変速レンジにおいては、エンジン負荷(スロットル開度)と車速とから予定の変速線を基に目標入力回転数を求め、実入力回転数がこの目標入力回転数になるよう、つまり、実変速比(実入力回転数/出力回転数)が目標入力回転数に対応した目標変速比(目標入力回転数/出力回転数)となるよう変速を行う構成となすのが普通である。
ところで無段変速機においては、これを手動変速させ得るよう構成することが求められており、これがため無段変速機は、上記自動変速レンジの他に手動変速レンジを有し、この手動変速レンジにおいて手動変速指令手段(ステアリングホイール近くに設けたシフトパドル等)を自己復帰中立位置から操作すると、予め設定された固定変速比の予定変速段へアップシフトまたはダウンシフトし得るように構成されることが多い。
一方、かかる手動変速レンジで手動変速指令手段を操作して行う手動変速に当たっては、運転者がこの手動変速操作手段を自己復帰中立位置から操作する時の操作の仕方により、上記アップシフトまたはダウンシフト時の変速速度を自分で決定できるようにするのが、無段変速機の商品価値を高める意味で好ましい。
この要求を満足するため従来、例えば特許文献1に記載のごとく、手動変速指令手段の操作ストローク方向に配して、この手動変速指令手段が予定の複数のストローク位置を越えて操作されたのを個々に検知する複数個のデジタルスイッチを設け、手動変速指令手段がこれらストローク位置間を通過するのに要した時間から手動変速指令手段の操作速度を求め、この操作速度に応じて上記アップシフトまたはダウンシフト時の変速速度を決定するようにした手動変速制御装置が提案されている。
特開平10−231926号公報
しかし、かように複数個のデジタルスイッチにより、手動変速指令手段が予定の複数のストローク位置を越えて操作されたのを検知し、これら予定のストローク位置間を通過するのに要した時間(手動変速指令手段の操作速度)に応じて変速速度を決定する従来の装置では、以下に説明するような問題を生ずる。
つまり、上記デジタルスイッチ間の間隔が短いと、運転者が手動変速指令手段をこれらデジタルスイッチ間のストローク域で過渡的に他のストローク域とは違った速度で操作したとき、本来運転者が望むと違う変速速度で変速が行われたり、変速速度が急激に変化してしまうという懸念がある。
この問題解決のためには、上記デジタルスイッチ間の間隔をできるだけ長くして、つまり、デジタルスイッチをそれぞれ手動変速指令手段の操作ストローク端近傍に配置して、手動変速指令手段の過渡的な操作速度変化による変速速度への影響を少なくする必要がある。
一方で、従来のように複数個のデジタルスイッチにより、手動変速指令手段が予定の複数のストローク位置を越えて操作されたのを検知し、これら予定のストローク位置間を通過するのに要した時間(手動変速指令手段の操作速度)に応じて変速速度を決定し、この変速速度で前記のアップシフトまたはダウンシフトを行う場合、複数個のデジタルスイッチのうち、前記中立位置から遠い側におけるデジタルスイッチが手動変速指令手段の通過を検知した後に変速を開始させることになる。
しかし前記のごとく、手動変速指令手段の過渡的な操作速度変化による影響を排除するため上記デジタルスイッチ間の間隔をできるだけ長くする必要があって、これらデジタルスイッチをそれぞれ手動変速指令手段の操作ストローク端近傍に配置することから、上記のごとく中立位置から遠い側におけるデジタルスイッチが手動変速指令手段の通過を検知した後に変速を開始させるというのでは、変速の大きな応答遅れが発生する。
図7により付言するに、この図は、瞬時t1に運転者が手動変速指令手段を自己復帰中立位置からAのように操作してストロークさせ始め、瞬時t2に手動変速指令手段が第1ストローク位置に達したのを第1のデジタルスイッチが検知し、瞬時t3に手動変速指令手段が第2ストローク位置に達したのを第2のデジタルスイッチが検知し、瞬時t4に手動変速指令手段がフルストローク位置に達した場合の動作説明図であり、
瞬時t2〜t3間における手動変速指令手段の操作速度(Aの時間変化勾配)に応じた変速速度で、Bにより示すごとく変速比を変速前変速比から目標変速比に向け変化させる変速を行う。
従来においては図7にBで示すように、中立位置から遠い側における第2のデジタルスイッチが手動変速指令手段の通過を検知した瞬時t3にならないと、変速比を変速前変速比から目標変速比に向け変化させる変速を開始しないため、運転者は瞬時t1から手動変速指令手段を操作しているのに変速開始が瞬時t3であることから、t1〜t3を変速応答遅れと感じ、きびきびした高応答な変速が使命の手動変速レンジでの運転性を不満に感じることがある。
本発明は、手動変速指令手段が中立位置から遠い側の予定位置に到達した時に(中立位置から遠い側における第2のデジタルスイッチが手動変速指令手段の通過を検知した時に)変速を開始させることが上記問題の発端であるとの事実認識にもとづき、
手動変速指令手段が上記よりも中立位置に近い位置を通過した時に変速を開始させるようになすことで、上記の問題を解消した無段変速機の手動変速制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による無段変速機の手動変速制御装置は、請求項1に記載のごとくに構成する。
先ず前提となる無段変速機は、運転状態に応じて自動変速を行う自動変速レンジの他に手動変速レンジを有し、この手動変速レンジでは手動変速指令手段の中立位置からの操作により、予め設定された固定変速比の予定変速段へアップシフトまたはダウンシフトするものとする。
本発明の手動変速制御装置は、かかる無段変速機における手動変速指令手段の操作ストローク方向に配して、この手動変速指令手段が予定の複数のストローク位置を越えて操作されたのを検知する手動変速指令手段操作位置検知器を設ける。
そして、手動変速指令手段が上記中立位置に近いストローク位置を通過したのを手動変速指令手段操作位置検知器が検知した時、予定の変速速度で上記無段変速機のアップシフトまたはダウンシフトを開始させる。
また、手動変速指令手段が上記中立位置に近いストローク位置を通過した後、該中立位置から遠いストローク位置を通過したのを手動変速指令手段操作位置検知器が検知した後は、
これらストローク位置間での手動変速指令手段の操作速度に応じた変速速度で上記無段変速機のアップシフトまたはダウンシフトを行わせるよう構成したものである。
かかる本発明の手動変速制御装置によれば、
手動変速指令手段が中立位置に近いストローク位置を通過したのを手動変速指令手段操作位置検知器が検知した時、予定の変速速度で前記無段変速機のアップシフトまたはダウンシフトを開始させることから、
手動変速指令手段が中立位置に近いストローク位置を通過した時にアップシフトまたはダウンシフトの変速が開始されることとなり、手動変速指令手段を中立位置から操作した直後より変速が開始されて変速の応答遅れに関する前記の問題を解消することができる。
また、手動変速指令手段が中立位置に近いストローク位置を通過した後、中立位置から遠いストローク位置を通過したのを手動変速指令手段操作位置検知器が検知した後は、これらストローク位置間での手動変速指令手段の操作速度に応じた変速速度で上記無段変速機のアップシフトまたはダウンシフトを行わせるため、
手動変速指令手段が中立位置から遠いストローク位置を通過した後は変速速度が手動変速指令手段の操作速度に応じたものとなり、運転者の要求通りの手動変速フィーリングを達成することができて、手動変速レンジ付き無段変速機の商品価値を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になるエンジンブレーキ制御装置を具えた車両のパワートレーンと、その制御系を示し、このパワートレーンをエンジン1と無段変速機2とで構成する。
エンジン1はガソリンエンジンであるが、そのスロットルバルブ3を運転者が操作するアクセルペダル4とは機械的に連結させず、これから切り離してスロットルアクチュエータ5によりスロットルバルブ3の開度を電子制御するようになす。
スロットルアクチュエータ5は、総合コントローラ21がアクセルペダル4の踏み込み量APOに応じて決定する目標スロットル開度tTVOに関した指令に応動するエンジンコントローラ22によって作動量を制御され、これによりスロットルバルブ3のスロットル開度TVOを当該目標スロットル開度tTVOに一致させ、エンジン1の出力を、アクセルペダル4の操作に応じた値となるように制御するものとする。
なおエンジンコントローラ22は、スロットルアクチュエータ5を介した上記スロットル開度制御を行うだけでなく、図示しなかったが、その他エンジン1の運転に際して必要な燃料噴射量制御や、フューエルカット制御や、点火時期制御をも行うものとする。
無段変速機2は周知のVベルト式無段変速機とし、ロックアップ式トルクコンバータ6を介してエンジン1の出力軸に駆動結合されたプライマリプーリ7と、これに整列配置したセカンダリプーリ8と、これら両プーリ間に掛け渡したVベルト9とを具える。
そして、セカンダリプーリ8にファイナルドライブギヤ組10を介してディファレンシャルギヤ装置11を駆動結合し、これらにより図示しない車輪を回転駆動するものとする。
無段変速機2の変速動作は、プライマリプーリ7およびセカンダリプーリ8のそれぞれのV溝を形成するフランジのうち、一方の可動フランジを他方の固定フランジに対して相対的に接近させてV溝幅を狭めたり、逆に離間させてV溝幅を拡げることにより行うようにし、
両可動フランジのストローク位置を、変速制御油圧回路12からのプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecの比により決定する。
変速制御油圧回路12は変速アクチュエータとしてのステップモータ13を具え、これを変速機コントローラ23が、後述する目標変速比tRTOに対応したステップ位置に駆動させることで、無段変速機2を、実変速比が目標変速比tRTOと一致するように無段変速させるものとする。
変速機コントローラ23は更に、ロックアップ(L/U)信号を変速制御油圧回路12に出力し、変速制御油圧回路12はこの信号に応じてトルクコンバータ6を、入出力要素間が直結されたロックアップ状態にしたり、このロックアップを解除する用もなすものとする。
変速機コントローラ23が上記の目標変速比tRTOを求めるに際しては、これを以下のようにして求める。
先ず、Vベルト式無段変速機2が自動変速(D)レンジにされている場合、総合コントローラ21が、図2に例示する自動変速(D)レンジでの変速マップを基にスロットル開度TVOおよび車速VSPから目標入力回転数DSRREVを求め、変速機コントローラ23がこの目標入力回転数DSRREVを変速機出力回転数No(車速VSPから求め得る)で除算することにより目標変速比tRTOを求める。
なお図2において、目標入力回転数DSRREVの上限値Nmaxはエンジンの許容上限回転数により決まる限界値である。
変速機コントローラ23が上記の目標変速比tRTOを求めるに際しては、これを以下のようにして求める。
先ず、Vベルト式無段変速機2が自動変速(D)レンジにされている場合、総合コントローラ21が、図2に例示する自動変速(D)レンジでの変速マップを基にスロットル開度TVOおよび車速VSPから目標入力回転数DSRREVを求め、変速機コントローラ23がこの目標入力回転数DSRREVを変速機出力回転数No(車速VSPから求め得る)で除算することにより目標変速比tRTOを求める。
なお図2において、目標入力回転数DSRREVの上限値Nmaxはエンジンの許容上限回転数により決まる限界値である。
次に、Vベルト式無段変速機2が手動変速(M)レンジにされている場合、総合コントローラ21が、図3に例示する手動変速(M)レンジでの変速マップに示した、予め設定されている固定変速比の変速段(第1速:GP1、第2速:GP2、第3速:GP3、第4速:GP4、第5速:GP5、第6速:GP6)のうちどれを用いるかを決定する。
この決定に当たって総合コントローラ21は、自動変速(D)レンジから手動変速(M)レンジへの切り替え直後は、現在の車速VSPのもとで現在の入力回転数に最も近い目標入力回転数DSRREVとなる変速段を目標変速段とし、以後は運転者による手動変速指令がある度に、アップシフト指令であれば隣の高速側変速段を新たな目標変速段としてこれへのアップシフトを指令し、ダウンシフト指令であれば隣の低速側変速段を新たな目標変速段としてこれへのダウンシフトを指令する。
そして総合コントローラ21は、かように決定した目標変速段に対応した図3における変速線マップを基に車速VSPから目標入力回転数DSRREVを求め、変速機コントローラ23がこの目標入力回転数DSRREVを変速機出力回転数No(車速VSPから求め得る)で除算することにより目標変速比tRTOを求める。
なお図3において、目標入力回転数DSRREVの上限値Nmaxは、図2におけると同様なエンジンの許容上限回転数により決まる限界値である。
ただし図3のMレンジ変速マップは、手動変速が完了した後における各変速段での車速VSPと目標入力回転数DSRREVとの関係を示し、変速段を切り替える過渡時の本発明による手動変速制御を総合コントローラ21は以下のごとくに行う。
この過渡的な手動変速制御のため総合コントローラ21には、前記したスロットル開度(TVO)制御用にアクセルペダル踏み込み量APOを検出するアクセル開度センサ24からの信号の他に、
車速VSPを検出する車速センサ25(出力回転数検出手段)からの後述する信号と、
手動変速指令手段を成すシフトパドル26からの信号と、
スロットルバルブ3のスロットル開度TVO(エンジン負荷)を検出するスロットル開度センサ27(エンジン負荷検出手段)からの信号と、
無段変速機2が自動変速(D)レンジ選択状態か、手動変速(M)レンジ選択状態かを検出するレンジセンサ28からの信号と、
車両に加わる水平面方向における加速度Gを検出する水平面加速度センサ29(加速度検出手段)からの信号とを入力する。
レンジセンサ28は、図4に示すような無段変速機のシフトレバー31が駐車(P)レンジ、後進走行(R)レンジ、中立(N)レンジ、前進自動変速(D)レンジ、手動変速(M)レンジのうちどのシフト位置にあるのかを検知するものとする。
ここでシフトレバー31は、上方から見てH字状のパターンに沿って操作し得るもので、該H字状パターンの平行溝孔32,33のうち、一方の溝孔32に沿ってPレンジ位置、Rレンジ位置、Nレンジ位置、Dレンジ位置を順次配置し、Dレンジ位置と横並びの位置において他方の溝孔33にMレンジ位置を配置し、H字状パターンの橋絡溝孔34によりシフトレバー31を二点鎖線31d,31mにより示すようにDレンジ位置およびMレンジ位置間で往来可能とする。
Mレンジ位置でシフトレバー31は、二点鎖線31mにより示す中立位置に弾支されており、その弾支力に抗してシフトレバー31を溝孔33に沿いアップシフト(+)方向へ限界位置までストロークさせることで、選択中の変速段より1段高速側の変速段へのアップシフトを指令し、上記の弾支力に抗してシフトレバー31を溝孔33に沿いダウンシフト(−)方向へ限界位置までストロークさせることで、選択中の変速段より1段低速側の変速段へのダウンシフトを指令するものとする。
よってシフトレバー31は、手動変速指令手段の用をなし得るが、本実施例では手動変速指令手段としてシフトパドル26を用いる。
このシフトパドル26は図4に示すように、車幅方向においてステアリングホイール35の直径方向に対向する2箇所の背後にそれぞれ設けたアップシフトパドル26uおよびダウンシフトパドル26dと、これらパドルの実線で示す中立位置から破線位置への操作を検知して対応するアップシフト信号またはダウンシフト信号を出力するストロークセンサ26us,26dsとで構成する。
アップシフトパドル26uおよびダウンシフトパドル26dは、運転者が両手でステアリングホイール31を握ったまま指により操作し得る位置に配置し、運転者が操作しない常態では実線で示す中立位置に弾性的に附勢されてこの位置に自己復帰可能で、運転者が実線で示す自己復帰中立位置から指により手前(矢印)方向に破線で示す限界位置まで引き寄せる時、その操作をストロークセンサ26us,26dsがそれぞれ検知してアップシフト信号sftupおよびダウンシフト信号sftdwnとして出力するものとする。
本実施例においては、アップシフトパドル26uおよびダウンシフトパドル26dのストローク中にそれぞれ、手動変速指令手段操作位置検知器を構成する第1アップシフトスイッチUpSW1および第1ダウンシフトスイッチDwnSW1と、同じく手動変速指令手段操作位置検知器を構成する第2アップシフトスイッチUpSW2および第2ダウンシフトスイッチDwnSW2とを順次配して設ける。
第1アップシフトスイッチUpSW1および第1ダウンシフトスイッチDwnSW1はそれぞれ、アップシフトパドル26uおよびダウンシフトパドル26dが中立位置に近い第1ストローク位置を通過したのをONにより検知するよう配置し、
第2アップシフトスイッチUpSW2および第2ダウンシフトスイッチDwnSW2はそれぞれ、アップシフトパドル26uおよびダウンシフトパドル26dがフルストローク位置に近い第2ストローク位置を通過したのをONにより検知するよう配置する。
なお、ストロークセンサ26us,26dsがアップシフトパドル26uおよびダウンシフトパドル26dのストローク量を検出するものである場合、第1アップシフトスイッチUpSW1および第1ダウンシフトスイッチDwnSW1と、第2アップシフトスイッチUpSW2および第2ダウンシフトスイッチDwnSW2に代え、ストロークセンサ26us,26dsがアップシフトパドル26uおよびダウンシフトパドル26dの第1ストローク位置および第2ストローク位置の通過を検知するようにしてもよいことは言うまでもない。
また、第1アップシフトスイッチUpSW1および第1ダウンシフトスイッチDwnSW1と、第2アップシフトスイッチUpSW2および第2ダウンシフトスイッチDwnSW2とは、図4に二点鎖線で示すごとくMレンジでのシフトレバー31のストローク域内に、図5の場合と同様の検知が可能になるよう配置してもよいこと勿論である。
総合コントローラ21は、レンジセンサ28からの信号を基に手動変速(M)レンジが選択されていると判定する間、図6の制御プログラムを実行して本発明が狙いとする過渡的な手動変速制御を以下のごとく行う。
先ずステップS1において、手動変速指令があるか否かを、つまり、アップシフトパドル26uまたはダウンシフトパドル26dが実線で示す中立位置から破線で示すフルストローク位置に向け操作され始めたか否かを、ストロークセンサ26u,26dからの信号をもとに判定する。
ステップS1で手動変速指令がないと判定する時は、本発明による過渡的な手動変速制御は不要であるから、制御をそのまま終了するが、手動変速指令があると判定する時は以下のようにして本発明による過渡的な手動変速制御を実行する。
先ずステップS2において、第1アップシフトスイッチUpSW1がONか否かを、また、ステップS3において、第1ダウンシフトスイッチDwnSW1がONか否かを判定する。
これら第1アップシフトスイッチUpSW1および第1ダウンシフトスイッチDwnSW1が何れもONになっていない場合、つまり、ステップS1で手動変速指令があると判定しても対応するシフトパドル26u,26dが未だ第1ストローク位置に達する前である場合、
ステップS4において、車速VSPおよび変速前変速段GPから図3のマップを基に目標入力回転数DSRREVを求め、これを変速機コントローラ23に出力して変速前変速段を維持する。
ステップS1で有りと判定した手動変速指令がアップシフト指令であって、その後ステップS2で第1アップシフトスイッチUpSW1がONになったと判定する場合、つまり、アップシフトパドル26uが図5の第1ストローク位置に達するとき、ステップS5において第2アップシフトスイッチUpSW2がONになったか否かを、つまり、アップシフトパドル26uが図5の第2ストローク位置に達したか否かを判定する。
アップシフトパドル26uが図5の第1ストローク位置を通過しても、未だ第2ストローク位置に至っていないと判定する場合、ステップS6において、アップシフトパドル26uが図5の第1ストローク位置を通過後、第2ストローク位置に達するまでの時間を計測するカウンターCOUNTを前回値COUNTold+1→今回値COUNTnowのようにインクリメント(歩進)させ、ステップS5で第2アップシフトスイッチUpSW2がONになったと判定する(アップシフトパドル26uが第2ストローク位置に達したと判定する)時のカウンター今回値COUNTnowを保持することで、カウンター今回値COUNTnowの大きさによりアップシフトパドル26uの第1ストローク位置および第2ストローク位置間での操作速度を計測する(COUNTnowが大きいほど低操作速度)。
ステップS5でアップシフトパドル26uが未だ第2ストローク位置に至っていないと判定する間は更に、ステップS7において、ステップS2でアップシフトパドル26uが第1ストローク位置を通過したと判定した時における車速VSP、水平面加速度Gおよびスロットル開度TVOから、演算サイクルごとの目標入力回転低下量Const1up(一定値)を求め、これを変速終了まで保持する。
この目標入力回転低下量Const1up(一定値)は、アップシフトパドル26uが第2ストローク位置に至る前におけるアップシフト用の目標入力回転低下速度、つまりアップシフトの変速速度を決定するもので、この変速速度が上記瞬時における車速VSP(変速機出力回転数)、水平面加速度Gおよびスロットル開度TVO(エンジン負荷)が大きいほど低速度となるよう目標入力回転低下量Const1up(一定値)を定める。
次のステップS8では、上記の目標入力回転低下量Const1upと、アップシフトパドル26uが第2ストローク位置を通過した後におけるアップシフト変速速度を定めた演算サイクルごとの目標入力回転低下量Const2up(詳しくはステップS14につき後述する)とを比較する。
ここで、アップシフトパドル26uが第2ストローク位置に達する前は、後者の目標入力回転低下量Const2upがステップS14で求められる前の段階にあり、前回のアップシフト終了時にステップS13で0にされていることから、0のままである。
従って、アップシフトパドル26uが第2ストローク位置に達する前はConst1up>Const2upである。
これがため、ステップS8でConst1up>Const2upと判定することから制御はステップS9に進み、ここにおいて、これら目標入力回転低下量Const1up,Const2upのうち、目標入力回転低下量Const1upを目標入力回転変化量Constrevにセットする。
次のステップS11では、今の目標入力回転数DSRREVが1段階高速側の変速段(GP+1)での目標入力回転数REV(GP+1)よりも高いか否か、つまり、DSRREV−REV(GP+1)>0か否かにより、アップシフトの変速中か変速終了かを判定する。
変速中であればステップS12において、前回の目標入力回転数DSRREVoldを、ステップS9における目標入力回転変化量Constrev(目標入力回転低下量Const1up)だけ差し引いた値を今回の目標入力回転数DSRREVとし、これを変速機コントローラ23に出力するループを繰り返すことにより、前記したConst1upにより決まる予定の変速速度でアップシフトを進行させる。
ステップS5で第2アップシフトスイッチUpSW2がONしたと判定した後は、つまり、アップシフトパドル26uが第2ストローク位置に至ったと判定した後は、ステップS14において、ステップS6におけるカウンター値COUNTnow(アップシフトパドル26uが第1ストローク位置から第2ストローク位置に達するまでの時間、つまり、アップシフトパドル26uの操作速度)で固定値Gainを除算することにより、アップシフトパドル26uが第2ストローク位置を通過した後におけるアップシフト変速速度を定める演算サイクルごとの目標入力回転低下量Const2upを求める。
従って、第2ストローク位置通過後の目標入力回転低下量Const2upは、カウンター値COUNTnowが大きいほど(アップシフトパドル26uの操作速度が遅いほど)小さくなり、アップシフトパドル26uの操作速度によりアップシフト変速速度を運転者自身が調整することができる。
かようにステップS14で第2ストローク位置通過後の目標入力回転低下量Const2upを求めた後は、ステップS8において、第2ストローク位置通過後の目標入力回転低下量Const2upと、第2ストローク位置通過前の目標入力回転低下量Const1upとを比較し、Const2up> Const1upならステップS10で、大きい方のConst2upを目標入力回転変化量Constrevにセットし、逆にConst2up< Const1upならステップS9で、大きい方のConst1upを目標入力回転変化量Constrevにセットする。
次のステップS11でDSRREV−REV(GP+1)>0、つまり、アップシフトの変速中と判定する間、ステップS12において、前回の目標入力回転数DSRREVoldを、ステップS9またはステップS10における目標入力回転変化量Constrev(Const1up,Const2upの大きい方)だけ差し引いた値を今回の目標入力回転数DSRREVとし、これを変速機コントローラ23に出力するループを繰り返すことにより、上記したConstrev(Const1up,Const2upの大きい方)により決まる変速速度でアップシフトを進行させる。
以上によるアップシフトの進行で変速が終了すると、ステップS11が制御をステップS13へ進め、ここで前記のカウンターCOUNTnowおよび目標入力回転低下量Const1up,Const2upを0にリセットして、本発明による手動アップシフト変速の過渡制御を終了する。
ところで本実施例においては、アップシフトパドル26uを操作して行う手動アップシフト変速の過渡制御に際し、
アップシフトパドル26uが中立位置に近い第1ストローク位置(図5参照)を通過したのを第1アップシフトスイッチUpSW1が検知した時(ステップS2)、ステップS7で定めた入力回転低下量Const1upにより決まる予定の変速速度で手動アップシフトを開始させることから(ステップS8、ステップS9、ステップS11、ステップS12)、
図7にCで示すごとく、アップシフトパドル26uが中立位置に近い第1ストローク位置を通過した瞬時t2にアップシフトの変速が開始されることとなり、アップシフトパドル26uを中立位置から操作した直後t2より変速が開始されて、従来の制御に対しΔt1だけ変速の応答遅れを改善することができると共に、変速の終了も従来の制御に対しΔt2だけ早めることができてMレンジで要求されるぎびきびした変速感を得ることができる。
また、アップシフトパドル26uが中立位置に近い第1ストローク位置を通過した後、中立位置から遠い第2ストローク位置を通過したのを第2アップシフトスイッチUpSW2が検知した図7の瞬時t3以後は、これら第1および第2ストローク位置間でのアップシフトパドル26uの操作速度(カウンター値COUNTnow)に応じた変速速度(Const2up)でアップシフトを行わせるため、
アップシフトパドル26uが中立位置から遠い第2ストローク位置を通過したt3以後は変速速度がCにより示すごとくアップシフトパドル26uの操作速度に応じたものとなり、運転者の要求通りの手動変速フィーリングを達成することができて、手動変速(M)レンジ付き無段変速機の商品価値を高めることができる。
なお、上記のごとくアップシフトパドル26uの操作速度に応じて決定する、アップシフトパドル26uが中立位置から遠い第2ストローク位置を通過したt3以後の変速速度(Const2up)が、それまでのt2〜t3間における予定の変速速度(Const1up)よりも遅いとステップS8で判定した時は、ステップS9において変速速度(Const2up)に代え、瞬時t2におけるスロットル開度TVO(エンジン負荷)や、車速VSP(変速機出力回転数)や、車両の水平面内加速度Gなどの運転状態に応じた予定の変速速度(Const1up)でアップシフトを行わせるよう指令するため、変速速度が運転状態に応じて要求される予定の変速速度(Const1up)よりも遅くなることがなく、これによる弊害を回避することができる。
また、予定の変速速度(Const1up)を前記したごとく、アップシフトパドル26uが第1ストローク位置を通過した時におけるスロットル開度TVO(エンジン負荷)が大きいほど遅くするよう定めたため、
スロットル開度TVO(エンジン負荷)が大きいほど発生し易い変速ショックを変速速度(Const1up)の低下により緩和して変速ショックの発生を抑制することができる。
更に、予定の変速速度(Const1up)を前記したごとく、アップシフトパドル26uが第1ストローク位置を通過した時における車速VSP(変速機出力回転数)が高いほど遅くするよう定めたため、
高車速時ほど手動変速による入力回転段差が大きくて変速ショックが大きくなるのを変速速度(Const1up)の低下により緩和して変速ショックの発生を抑制することができる。
また、予定の変速速度(Const1up)を前記したごとく、アップシフトパドル26uが第1ストローク位置を通過した時における車両の水平面内加速度Gが大きいほど遅くするよう定めたため、
旋回走行中や、急加速時や、急減速時のように水平面内加速度Gが大きい時に車輪タイヤの駆動力が急変すると車両の姿勢が不自然になるところながら、このような状況の下では変速速度(Const1up)が低下されることとなって、車両の姿勢が不自然になるのを抑制することができる。
ステップS1で有りと判定した手動変速指令がダウンシフト指令であって、その後ステップS3で第1ダウンシフトスイッチDwnSW1がONになったと判定する場合、つまり、ダウンシフトパドル26dが図5の第1ストローク位置に達するとき、ステップS15において第2ダウンシフトスイッチDwnSW2がONになったか否かを、つまり、ダウンシフトパドル26dが図5の第2ストローク位置に達したか否かを判定する。
ダウンシフトパドル26dが図5の第1ストローク位置を通過しても、未だ第2ストローク位置に至っていないと判定する場合、ステップS16において、ダウンシフトパドル26dが図5の第1ストローク位置を通過後、第2ストローク位置に達するまでの時間を計測するカウンターCOUNTを前回値COUNTold+1→今回値COUNTnowのようにインクリメント(歩進)させ、ステップS15で第2ダウンシフトスイッチDwnSW2がONになったと判定する(ダウンシフトパドル26dが第2ストローク位置に達したと判定する)時のカウンター今回値COUNTnowを保持することで、カウンター今回値COUNTnowの大きさによりダウンシフトパドル26dの第1ストローク位置および第2ストローク位置間での操作速度を計測する(COUNTnowが大きいほど低操作速度)。
ステップS15でダウンシフトパドル26dが未だ第2ストローク位置に至っていないと判定する間は更に、ステップS17において、ステップS3でダウンシフトパドル26dが第1ストローク位置を通過したと判定した時における車速VSP、水平面加速度Gおよびスロットル開度TVOから、演算サイクルごとの目標入力回転増大量Const1dwn(一定値)を求め、これを変速終了まで保持する。
この目標入力回転増大量Const1dwn(一定値)は、ダウンシフトパドル26dが第2ストローク位置に至る前におけるダウンシフト用の目標入力回転増大速度、つまりダウンシフトの変速速度を決定するもので、この変速速度が上記瞬時における車速VSP(変速機出力回転数)、水平面加速度Gおよびスロットル開度TVO(エンジン負荷)が大きいほど低速度となるよう目標入力回転増大量Const1dwn(一定値)を定める。
次のステップS18では、上記の目標入力回転増大量Const1dwnと、ダウンシフトパドル26dが第2ストローク位置を通過した後におけるダウンシフト変速速度を定めた演算サイクルごとの目標入力回転増大量Const2dwn(詳しくはステップS24につき後述する)とを比較する。
ここで、ダウンシフトパドル26dが第2ストローク位置に達する前は、後者の目標入力回転増大量Const2dwnがステップS24で求められる前の段階にあり、前回のダウンシフト終了時にステップS23で0にされていることから、0のままである。
従って、ダウンシフトパドル26dが第2ストローク位置に達する前はConst1dwn>Const2dwnである。
これがため、ステップS18でConst1dwn>Const2dwnと判定することとなり、制御はステップS19に進むこととなり、ここにおいて、これら目標入力回転増大量Const1dwn,Const2dwnのうち、目標入力回転増大量Const1dwnを目標入力回転変化量Constrevにセットする。
次のステップS21では、今の目標入力回転数DSRREVが1段階低速側の変速段(GP−1)での目標入力回転数REV(GP-1)よりも低いか否か、つまり、REV(GP-1) −DSRREV>0か否かにより、ダウンシフトの変速中か変速終了かを判定する。
変速中であればステップS22において、前回の目標入力回転数DSRREVoldに、ステップS19における目標入力回転変化量Constrev(目標入力回転増大量Const1dwn)を加算した値を今回の目標入力回転数DSRREVとし、これを変速機コントローラ23に出力するループを繰り返すことにより、前記したConst1dwnにより決まる予定の変速速度でダウンシフトを進行させる。
ステップS15で第2ダウンシフトスイッチDwnSW2がONしたと判定した後は、つまり、ダウンシフトパドル26dが第2ストローク位置に至ったと判定した後は、ステップS24において、ステップS16におけるカウンター値COUNTnow(ダウンシフトパドル26dが第1ストローク位置から第2ストローク位置に達するまでの時間、つまり、ダウンシフトパドル26dの操作速度)で固定値Gainを除算することにより、ダウンシフトパドル26dが第2ストローク位置を通過した後におけるダウンシフト変速速度を定める演算サイクルごとの目標入力回転増大量Const2dwnを求める。
従って、第2ストローク位置通過後の目標入力回転増大量Const2dwnは、カウンター値COUNTnowが大きいほど(ダウンシフトパドル26dの操作速度が遅いほど)小さくなり、ダウンシフトパドル26dの操作速度によりダウンシフト変速速度を運転者自身が調整することができる。
かようにステップS24で第2ストローク位置通過後の目標入力回転増大量Const2dwnを求めた後は、ステップS18において、第2ストローク位置通過後の目標入力回転増大量Const2dwnと、第2ストローク位置通過前の目標入力回転増大量Const1dwnとを比較し、Const2dwn> Const1dwnならステップS20で、大きい方のConst2dwnを目標入力回転変化量Constrevにセットし、逆にConst2dwn< Const1dwnならステップS19で、大きい方のConst1dwnを目標入力回転変化量Constrevにセットする。
次のステップS21でREV(GP-1) −DSRREV>0、つまり、ダウンシフトの変速中と判定する間、ステップS22において、前回の目標入力回転数DSRREVoldに、ステップS19またはステップS20における目標入力回転変化量Constrev(Const1dwn,Const2dwnの大きい方)を加算した値を今回の目標入力回転数DSRREVとし、これを変速機コントローラ23に出力するループを繰り返すことにより、上記したConstrev(Const1dwn,Const2dwnの大きい方)により決まる変速速度でダウンシフトを進行させる。
以上によるダウンシフトの進行で変速が終了すると、ステップS21が制御をステップS23へ進め、ここで前記のカウンターCOUNTnowおよび目標入力回転増大量Const1dwn,Const2dwnを0にリセットして、本発明による手動ダウンシフト変速の過渡制御を終了する。
ところで本実施例においては、ダウンシフトパドル26dを操作して行う手動ダウンシフト変速の過渡制御に際し、
ダウンシフトパドル26dが中立位置に近い第1ストローク位置(図5参照)を通過したのを第1ダウンシフトスイッチDwnSW1が検知した時(ステップS3)、ステップS17で定めた入力回転増大量Const1dwnにより決まる予定の変速速度で手動ダウンシフトを開始させることから(ステップS18、ステップS19、ステップS21、ステップS22)、
図7にCで示すごとく、ダウンシフトパドル26dが中立位置に近い第1ストローク位置を通過した瞬時t2にダウンシフトの変速が開始されることとなり、ダウンシフトパドル26dを中立位置から操作した直後t2より変速が開始されて、従来の制御に対しΔt1だけ変速の応答遅れを改善することができると共に、変速の終了も従来の制御に対しΔt2だけ早めることができてMレンジで要求されるぎびきびした変速感を得ることができる。
また、ダウンシフトパドル26dが中立位置に近い第1ストローク位置を通過した後、中立位置から遠い第2ストローク位置を通過したのを第2ダウンシフトスイッチDwnSW2が検知した図7の瞬時t3以後は、これら第1および第2ストローク位置間でのダウンシフトパドル26dの操作速度(カウンター値COUNTnow)に応じた変速速度(Const2dwn)でダウンシフトを行わせるため、
ダウンシフトパドル26dが中立位置から遠い第2ストローク位置を通過したt3以後は変速速度がCにより示すごとくダウンシフトパドル26dの操作速度に応じたものとなり、運転者の要求通りの手動変速フィーリングを達成することができて、手動変速(M)レンジ付き無段変速機の商品価値を高めることができる。
なお、上記のごとくダウンシフトパドル26dの操作速度に応じて決定する、ダウンシフトパドル26dが中立位置から遠い第2ストローク位置を通過したt3以後の変速速度(Const2dwn)が、それまでのt2〜t3間における予定の変速速度(Const1dwn)よりも遅いとステップS18で判定した時は、ステップS19において変速速度(Const2dwn)に代え、瞬時t2におけるスロットル開度TVO(エンジン負荷)や、車速VSP(変速機出力回転数)や、車両の水平面内加速度Gなどの運転状態に応じた予定の変速速度(Const1dwn)でダウンシフトを行わせるよう指令するため、変速速度が運転状態に応じて要求される予定の変速速度(Const1dwn)よりも遅くなることがなく、これによる弊害を回避することができる。
また、予定の変速速度(Const1dwn)を前記したごとく、ダウンシフトパドル26dが第1ストローク位置を通過した時におけるスロットル開度TVO(エンジン負荷)が大きいほど遅くするよう定めたため、
スロットル開度TVO(エンジン負荷)が大きいほど発生し易い変速ショックを変速速度(Const1dwn)の低下により緩和して変速ショックの発生を抑制することができる。
更に、予定の変速速度(Const1dwn)を前記したごとく、ダウンシフトパドル26dが第1ストローク位置を通過した時における車速VSP(変速機出力回転数)が高いほど遅くするよう定めたため、
高車速時ほど手動変速による入力回転段差が大きくて変速ショックが大きくなるのを変速速度(Const1dwn)の低下により緩和して変速ショックの発生を抑制することができる。
また、予定の変速速度(Const1dwn)を前記したごとく、ダウンシフトパドル26dが第1ストローク位置を通過した時における車両の水平面内加速度Gが大きいほど遅くするよう定めたため、
旋回走行中や、急加速時や、急減速時のように水平面内加速度Gが大きい時に車輪タイヤの駆動力が急変すると車両の姿勢が不自然になるところながら、このような状況の下では変速速度(Const1dwn)が低下されることとなって、車両の姿勢が不自然になるのを抑制することができる。
本発明の一実施例になる無段変速機の手動変速制御装置を具えた車両用パワートレーンを、その制御系と共に示すシステム図である。 同パワートレーンにおけるVベルト式無段変速機のDレンジ用変速線図である。 同Vベルト式無段変速機のMレンジ用変速線図である。 同Vベルト式無段変速機のシフトレバー位置決めゲートの平面図である。 同Vベルト式無段変速機の手動変速用シフトパドルを示す概略平面図である。 図1における総合コントローラが、手動変速制御用に目標入力回転数を求めるための制御プログラムを示すフローチャートである。 図6の手動変速制御プログラムによる動作タイムチャートを、従来の手動変速制御による動作タイムチャートと比較して示す動作説明図である。
符号の説明
1 エンジン
2 Vベルト式無段変速機(無段変速機)
3 スロットルバルブ
4 アクセルペダル
5 スロットルアクチュエータ
6 ロックアップ式トルクコンバータ
7 プライマリプーリ
8 セカンダリプーリ
9 Vベルト
10 ファイナルドライブギヤ組
11 ディファレンシャルギヤ装置
12 変速制御油圧回路
13 ステップモータ
21 総合コントローラ
22 エンジンコントローラ
23 変速機コントローラ
24 アクセル開度センサ
25 車速センサ(出力回転数検出手段)
26 シフトパドル(手動変速指令手段)
26u アップシフトパドル
26d ダウンシフトパドル
26us,26ds ストロークセンサ
27 スロットル開度センサ(エンジン負荷センサ)
28 レンジセンサ
29 水平面加速度センサ(加速度検出手段)
31 シフトバー
UpSW1 第1アップシフトスイッチ(手動変速指令手段操作位置検知器)
UpSW2 第2アップシフトスイッチ(手動変速指令手段操作位置検知器)
DwnSW1 第1ダウンシフトスイッチ(手動変速指令手段操作位置検知器)
DwnSW2 第1ダウンシフトスイッチ(手動変速指令手段操作位置検知器)
35 ステアリングホイール

Claims (5)

  1. 運転状態に応じて自動変速を行う自動変速レンジの他に手動変速レンジを有し、該手動変速レンジでは手動変速指令手段の中立位置からの操作により、予め設定された固定変速比の予定変速段へアップシフトまたはダウンシフトするようにした無段変速機において、
    前記手動変速指令手段の操作ストローク方向に配して、該手動変速指令手段が予定の複数のストローク位置を越えて操作されたのを検知する手動変速指令手段操作位置検知器を設け、
    前記手動変速指令手段が前記中立位置に近いストローク位置を通過したのを前記手動変速指令手段操作位置検知器が検知した時、予定の変速速度で前記無段変速機のアップシフトまたはダウンシフトを開始させ、
    前記手動変速指令手段が前記中立位置に近いストローク位置を通過した後、該中立位置から遠いストローク位置を通過したのを前記手動変速指令手段操作位置検知器が検知した後は、これらストローク位置間での手動変速指令手段の操作速度に応じた変速速度で前記無段変速機のアップシフトまたはダウンシフトを行わせるよう構成したことを特徴とする無段変速機の手動変速制御装置。
  2. 請求項1に記載の無段変速機の手動変速制御装置において、
    前記両ストローク位置間での手動変速指令手段の操作速度に応じた変速速度が前記予定の変速速度よりも遅いときは、該操作速度に応じた変速速度に代え前記予定の変速速度で前記無段変速機のアップシフトまたはダウンシフトを行わせるよう構成したことを特徴とする無段変速機の手動変速制御装置。
  3. 無段変速機がエンジンからの動力を伝達される、請求項1または2に記載の無段変速機の手動変速制御装置において、
    前記手動変速指令手段が前記中立位置に近いストローク位置を通過したときのエンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段を設け、
    該手段により検出したエンジン負荷が大きいほど前記予定の変速速度を遅くするよう構成したことを特徴とする無段変速機の手動変速制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の無段変速機の手動変速制御装置において、
    前記手動変速指令手段が前記中立位置に近いストローク位置を通過したときにおける無段変速機の出力回転数を検出する出力回転数検出手段を設け、
    該手段により検出した変速機出力回転数が高いほど前記予定の変速速度を遅くするよう構成したことを特徴とする無段変速機の手動変速制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の無段変速機の手動変速制御装置において、
    前記手動変速指令手段が前記中立位置に近いストローク位置を通過したときにおける水平面内における加速度を検出する加速度検出手段を設け、
    該手段により検出した水平面内加速度が大きいほど前記予定の変速速度を遅くするよう構成したことを特徴とする無段変速機の手動変速制御装置。
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