JP2006022758A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 センサによる検出値と予め定められた規定値とを比較して異常の程度を判定し,前記センサに関連する要素を判別すると共に,前記センサの異常の程度及び前記センサに関連する要素に応じて運転制御を行う圧縮機として構成されている。
【選択図】 図1
Description
逆に実際の圧力よりも高い圧力を検知した場合には,前記圧縮機は所望の圧力よりも低い圧力のガスを吐出しようとする。この場合は前記圧縮機により圧縮されたガスを使用する側の機器に異常が生じることになる。
上述のように,前記圧縮機で用いられる種々のセンサには常に良好な精度が求められるため,センサ自体の異常の判定や,検出値の狂い等の異常が発見された場合に,センサの検出値を補正することは,圧縮機を稼動する上で非常に重要な作業である。
センサの異常を判定する手法としては,センサから前記制御部への検出値の転送が途絶えた場合をセンサの異常と判定する手法が,従来から広く知られ,用いられている。ところがこの手法は,センサの完全な故障や,センサから制御装置までを結ぶ信号線の断線といった事態のみを異常と判定するものでしかない。従ってセンサの検出値に誤差が生じた場合でも,異常との判定がなされないまま運転が継続されることになり,センサの異常を判定する手法としては不十分であることがわかる。
そこで検出器の精度の確認及び補正を行う手法として,特許文献1が知られている。特許文献1では,二つの受圧部に加わる圧力の差を検知し,圧力の差に相当する出力DC電圧を出力する差圧センサに対して,一方の重圧部には検出圧Aを印加し,他方の受圧部には切替弁により検出圧A又は検出圧Bのいずれかを切替えて印加できるようにし,前記二つの受圧部に検出圧Aを印加して強制的に差圧ゼロの状態を作り出し,このときの差圧センサの出力DC電圧をセンサ出力の誤差出力信号電圧とすることを特徴とする圧力センサ補正装置と,それを適用した送風機制御装置を開示している。
また,検出器の検出誤差が余りにも大きいと,より根本的な故障が検出器に発生していると判断せねばならない。その場合は前記検出器の検出値を補正するのでは不十分であり,一旦圧縮機を停止させ,検出器の修理もしくは交換などを行わねばならない。
さらに,圧縮機には圧縮機の運転上必要不可欠なセンサとそうでないセンサがあり,後者のセンサで異常があった場合でも圧縮機を停止させると,圧縮機の運転維持に関する信頼性や効率が低下する。また,運転上必要不可欠なセンサに関しても,検出値の誤差が圧縮機の信頼性に影響を与えない程度に小さければ,検出値の補正を行うのみで十分である。従って検出値の小さな誤差で圧縮機の停止を行うと,やはり圧縮機の運転維持に関する信頼性が低下する。また圧縮機を停止させ,センサを検査する際に,その検査結果やセンサの重要度に応じてセンサの補正を行うか,また補正を行わず補正の必要性を示した警告を発するか,等の異なった対応を行うことが圧縮機の管理上好ましいが,従来技術ではそのような細かな対応がなされていない。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,センサ毎に異常の程度を判定し,異常の程度及びセンサに関連する要素,例えば運転上の重要性等に鑑みて,異常の補正もしくは圧縮機の停止といった制御を適切に行うことが可能な圧縮機を提供することにある。
前記規定値を複数段階に設定しておき,前記複数段階に設定された前記規定値と,前記センサによる検出値を比較することにより前記センサの異常の程度を判定することが考えられる。例えば,前記規定値が第1〜第3の3段階の範囲を規定するものであり,異常程度判定手段が,前記センサからの検出値が前記第1の範囲にあるときはセンサに異常なしとし,前記第2の範囲にあるときは軽異常とし,前記第3の範囲にあるときは重異常と判定する構成が考えられる。また,前記センサに関連する要素の具体例として,前記センサが前記圧縮機の運転上の重要性であることが考えられる。
前記所定時間は,前記圧縮機の吸い込み側もしくは吐出側の圧力を検出する圧力センサによる検出値が,予め定められた所定の値になるのを検知したことで経過したものと考えても良い。また,前記圧縮機の回転数を検出する回転数センサによる検出値がゼロ値になるのを検知することにより,所定時間の経過を検知しても良い。同様に前記圧縮機を駆動する電動モータに通電する電流値を検出する電流センサによる検出値がゼロ値になるのを検知することにより,所定時間の経過を検知するものであっても良い。
従って不必要な場合にまで前記圧縮機の運転を停止させることがなく,あるいは一旦センサの検査のために運転を停止させた圧縮機を,不必要に長く運転を停止したままで保持させることがなく,運転の信頼性を損なうことが無い。
例えば前記電流センサの精度及び信頼度が極めて高い場合,前記電流センサの検出値は,前記圧縮機を停止してからしばらくするとゼロになることが期待できるので,前記所定の値及び所定時間を,それぞれゼロ値,前記圧縮機を停止直後から前記電流センサの検出値がゼロになるまでの時間,のように定め,前記電流センサの検出値がゼロになったのを前記時間経過検知手段に検知させれば,確実に前記圧縮機の停止後について所定時間の経過が検知される。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る圧縮機の構成及び情報伝達のブロック図である。図2は本発明の実施の形態に係る圧縮機における各センサの検査の流れを示すフロー図である。図3は本発明の実施例に係る圧縮機における各センサの検査の流れを示すフロー図である。
例えば,前記吐出圧力センサ13が所望の圧力よりも高い圧力を検出した場合,検出した高い圧力に応じた信号が前記制御装置16に送られ,吸入するガスの量を減らすために吸気調整弁17を閉じる制御が行われる。
従って,検出されるべき値(0MPa)からずれた値が検出され,ずれた検出値に相当する出力が前記制御装置16に送られた場合には,前記吐出圧力センサ13には異常があると判定される。上述の場合では「+5%」の誤差があると,前記制御装置16により判定されることになる。
このような異常の程度の判定に用いる範囲は,予めセンサ毎に設定し,前記制御装置16に入力しておく。
そこで予めそれぞれのセンサが,重要なセンサまたは重要でないセンサのいずれに該当するものであるのかを決めておく。重要なセンサが軽異常と判定された場合には,センサの出力補正を行うと共に,センサに軽異常が発生し,出力補正を行った旨の表示を行う。
例えば,前記吐出圧力センサ13の出力が,異常の無い状態における「0%の状態」(0V)から「+5%」(0.5V)へとずれていた場合には,前記制御装置16で前記前記吐出圧力センサ13の出力値+5%を0%と読み直せばよい。つまり,以降の運転において前記吐出圧力センサ13の出力値から5%減じたもの,即ち前記吐出圧力センサ13の出力値から0.5Vを減じたものを実際に出力されるべき値として認識すれば,前記制御装置16では実際の圧力が正確に認識されることになり,所望の圧力のガスが前記圧縮機1により供給される。
運転を継続(S10)している前記圧縮機1に対して,例えばユーザーが種々の指令を入力する操作部からのセンサ検査要求がなされた場合(S20),運転を停止する(S30)。このように運転停止は,前記制御装置16の演算部が,センサ検査要求に対して自動で行う。
ここで前記圧縮機1を停止してから前記電流センサ15の検出値がゼロに収束するまでの時間T1は,他の全てのセンサの検出値がそれぞれ一定の値に収束するまでにかかる時間よりも長いものとする。つまり,前記圧縮機1が停止してからT1が経過した時点では,全てのセンサはそれぞれ一定の値に収束しているものとする。従って前記所定時間をT1とし,前記制御装置16内に設けられた時間経過検知回路(時間経過検知手段に相当)に,前記電流センサ15から検出値ゼロに対応する出力の信号が送られてくるのを検知させれば,確実に前記圧縮機1の停止後T1が経過したことを検知できる。また,前記電流センサ15から検出値ゼロに対応する出力の信号が送られてくるのを検知した時点では,他のセンサの検出値は全て一定の値に収束している。
S60において該検出値が前記第1の範囲内になければ(S60NO)S61に進み,該検出値が予め前記制御装置16に入力され記憶された第2の範囲内にあるか否かを判定する。前記第2の範囲内にあれば(S61YES)前記センサAに軽異常が発生したものと判定しS70に進む。S70において軽異常が発生した旨が,前記制御装置16に設けられたディスプレイに表示される。
S61において前記第2の範囲内になければ(S61NO)S62に進み,前記センサAの検出値が予め前記制御装置16に入力され記憶された第3の範囲内にあるか否かを判定する。前記第3の範囲内にあれば(S62YES)センサAに重異常が発生したものと判定しS75に進む。S75において重異常が発生した旨が,前記ディスプレイに表示される。
前記第3の範囲内になければ(S62NO)数値エラーがあったものとし,数値エラー警告の旨が前記ディスプレイに表示(S65)され,そのまま待機が行われる。前記第3の範囲とは,前述の例でいえば,誤差が10%を超え,100%以下である場合であり,そしてここでいう数値エラーとは,誤差が100%を超える場合である。この数値エラーの場合は,センサAの異常ではなく,センサAからの出力を受ける側の機器の異常といった事態が想定される。
S80において,前記センサ重要度判別回路により転送された前記センサAの種類を読み取り,重要なセンサであるか否かが判別される。センサの重要度は,予めセンサの種類毎に前記制御装置16内の記憶手段に記憶されており,この情報との比較によって重要なセンサと判定された場合は(S80YES)S85に進み,運転停止が継続されたまま前記ディスプレイにおいて前記センサA修理要求の表示(S85)を行う。S80で重要でないセンサと判別された場合は(S80NO)S90に進み,該センサAの出力補正を行う。
以上の手順により,各センサの異常の程度の判定及び重要度の判別がなされ,それらの結果に応じた前記圧縮機1への適切な制御が行われる。
前記圧縮機の運転中に各センサの検査を行う場合には,センサが軽異常と判定された場合,または重要でないセンサが重異常と判定された場合には,該センサの出力を補正して運転を継続し,重要なセンサに対して重異常と判定された場合には該圧縮機を停止する制御を行うものとすれば良い。
その他,本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて様々な実施例を採用することができる。
2…吸い込みフィルタ
3…圧縮機吸い込み配管
4…圧縮機本体
5…電動機
6…圧縮機吐出配管
7…逆止弁
8…冷却器
9…冷却ファン
10…放気弁
11…吸い込み圧力センサ
12…吸い込み温度センサ
13…吐出圧力センサ
14…吐出温度センサ
15…電流センサ
16…制御装置
17…吸気調整弁
Claims (14)
- 複数のセンサからの信号に基づいて圧縮機の運転制御を行う制御装置を備えた圧縮機において,
前記制御装置が,
前記センサによる検出値と予め定められた規定値とを比較して異常の程度を判定する異常程度判定手段と,
前記センサに関連する要素を判別するセンサ関連要素判別手段とを具備し,
前記異常程度判定手段により判定された前記センサの異常の程度及び前記センサ関連要素判別手段により判別された前記センサに関連する要素に応じて運転制御を行ってなることを特徴とする圧縮機。 - 前記規定値が複数段階に設定されており,前記複数段階に設定された前記規定値と,前記センサによる検出値を比較することにより前記センサの異常の程度を判定する請求項1に記載の圧縮機。
- 前記規定値が第1〜第3の3段階の範囲を規定するものであり,前記異常程度判定手段が,前記センサからの検出値が前記第1の範囲にあるときはセンサに異常なしとし,前記第2の範囲にあるときは軽異常とし,前記第3の範囲にあるときは重異常と判定する請求項1または2に記載の圧縮機。
- 前記センサに関連する要素が,前記センサの運転上における重要性である請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮機。
- 前記制御装置が,前記圧縮機を停止後,所定時間が経過したことを検知する時間経過検知手段を更に備え,
前記時間経過検知手段が,前記圧縮機の停止後から所定時間の経過を検知した後に,前記異常程度判定手段が前記センサによる検出値と前記規定値とを比較して異常の程度の判定を行い,同様に前記センサ関連要素判別手段が前記センサの関連要素を判別するものである請求項1〜4のいずれかに記載の圧縮機。 - 前記センサが前記圧縮機の吸い込み側もしくは吐出側の圧力を検出する圧力センサを含み,前記時間経過検知手段が,前記圧縮機が停止後に前記圧力センサによる検出値が予め定められた所定の値になるのを検知することにより,所定時間の経過を検知するものである請求項5に記載の圧縮機。
- 前記センサが前記圧縮機の回転数を検出する回転数センサを含み,前記時間経過検知手段が,前記圧縮機が停止後に前記回転数センサによる検出値がゼロ値になるのを検知することにより,所定時間の経過を検知するものである請求項5に記載の圧縮機。
- 前記センサが前記圧縮機を駆動する電動モータに通電する電流値を検出する電流センサを含み,前記時間経過検知手段が,前記圧縮機が停止後に前記電流センサによる検出値がゼロ値になるのを検知することにより,所定時間の経過を検知するものである請求項5に記載の圧縮機。
- 前記センサが軽異常と判定された場合に,または前記センサが重異常と判定された場合であって且つ該センサが前記圧縮機の運転上重要なセンサでないと判別された場合に,該センサの検出値が補正されてなる請求項4〜8のいずれかに記載の圧縮機。
- 前記センサが重異常と判定された場合であって且つ該センサが前記圧縮機の運転上重要なセンサであると判定された場合に,前記圧縮機の運転停止が継続されてなる請求項5〜9のいずれかに記載の圧縮機。
- 前記圧縮機の運転中に,前記異常程度判定手段が前記センサによる検出値と前記規定値とを比較して異常の程度の判定を行い,同様に前記センサ関連要素判別手段が前記センサの関連要素を判別するものである請求項1〜4のいずれかに記載の圧縮機。
- 前記異常程度判定手段により判定された結果を前記センサ毎に記憶する判定結果記憶手段を更に備え,
前記判定結果記憶手段が,前記センサについて軽異常と判定された場合に,または前記センサが重異常と判定された場合であって且つ該センサが前記圧縮機の運転上重要なセンサでないと判別された場合に,前記結果を記憶するものであり,前記判定結果記憶手段に記憶された前記結果に従って,前記圧縮機の運転停止中に前記センサの検出値が補正されてなる請求項11に記載の圧縮機。 - 前記センサが重異常と判定された場合であって,且つ該センサが前記圧縮機の運転上重要なセンサであると判別された場合に,前記圧縮機の運転を停止するものである請求項11または12に記載の圧縮機。
- 前記規定値が,前記センサと同種の予備センサの検出値から定められるものである請求項11〜13のいずれかに記載の圧縮機。
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