JP2006021934A - 複合セラミックスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複合セラミックスの工業規模での安定かつ効率的な製造方法を提供すること。
【解決手段】炭化ケイ素、仮焼後にその全部又は一部が炭素に転換し得る有機物、及び焼結助剤を湿式混合して得られた混合物を乾燥する工程(1)、及び工程(1)で得られた乾燥物を粉砕し、得られた粉砕物を仮焼する工程(2)を有する複合セラミックスの製造方法であって、工程(1)で得られた乾燥物の粉砕を、それにより得られる粉体粒子の粒径分布において、重量分布50%の粒子径が425〜1200μm、重量分布10%の粒子径が50〜250μm、かつ重量分布90%の粒子径が1000〜3000μmとなるように行う、複合セラミックスの製造方法。
【選択図】なし


Description

本発明は、複合セラミックスの製造方法に関する。
セラミックスは金属に比べ、耐熱性、強度、硬度、耐摩耗性、耐食性に優れ、しかも軽量であるため、近年、高温構造材料として、多くの開発がなされ実用化されている。例えば、その一つである炭化ケイ素セラミックスは高温における強度の劣化も少なく、耐食性、耐摩耗性にも優れ、熱伝導率も大きいなど多くの長所を持つため、自動車のエンジン部材やメカニカルシール、軸受け、制御バルブなどの耐食性、耐摩耗性、高温強度が要求される部分や、磁気ヘッドスライダーなどの精密摺動部材などへの適用が検討されている。
しかしながら、例えば、炭化ケイ素セラミックスは破壊靭性値が窒化ケイ素、ジルコニア等に比べ小さいため、構造材料として使用する場合は信頼性の面で問題を有する。また、炭化ケイ素セラミックスそれ自体は摩擦係数が大き過ぎ、これを摺動部材に使用した際は相手材を傷つけたり摩擦熱による膨張で寸法精度がでなくなるといった問題がある。
そこで、例えば、特許文献1には、そのような問題を解決した炭化ケイ素炭素複合セラミックスが開示されている。特許文献1には、該セラミックスの製法について一般的な記載はあるものの、該セラミックスの生産安定性の向上手段については具体的な開示はない。
特開平3−199164号公報
本発明は、複合セラミックスの工業規模での安定かつ効率的な製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく、複合セラミックスの各製造工程での製造条件を詳細に検討した結果、仮焼前原料の粒径分布を従来法と比べてシャープに調整することが前記課題の解決に有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、炭化ケイ素、仮焼後にその全部又は一部が炭素に転換し得る有機物、及び焼結助剤を湿式混合して得られた混合物を乾燥する工程(1)、及び
工程(1)で得られた乾燥物を粉砕し、得られた粉砕物を仮焼する工程(2)を有する複合セラミックスの製造方法であって、工程(1)で得られた乾燥物の粉砕を、それにより得られる粉体粒子の粒径分布において、重量分布50%の粒子径が425〜1200μm、重量分布10%の粒子径が50〜250μm、かつ重量分布90%の粒子径が1000〜3000μmとなるように行う、複合セラミックスの製造方法、に関する。
本発明の製造方法によれば、工業的生産過程において複合セラミックスを安定かつ効率的に製造することができる。
本発明の複合セラミックスの製造方法は、所定の原料の粒径分布を仮焼前に調整することを1つの大きな特徴とする。かかる構成を有することから、焼成後における複合セラミックス焼結体密度が安定して大きくなる。ここで、「複合セラミックス焼結体密度が安定して大きくなる」とは、焼結体がその理論密度に達している割合が高くなることをいう。焼結体密度がその理論密度に近いほど、外部応力に対する破壊抵抗性、いわゆる破壊靭性が良好となり、摩擦係数も良好になると考えられる。よって、本発明によれば、セラミックスの充分な特性を有しており、中でも破壊靭性及び摩擦係数が良好な複合セラミックスが安定に得られる。原料の粒径分布の調整は容易に行うことができるため、本発明の製造方法によれば、所望の特性を有する複合セラミックスの工業規模での効率的な製造が可能になる。
本明細書において複合セラミックスとは、炭化ケイ素炭素複合セラミックスの意として用いられる。
本発明で原料として使用する炭化ケイ素は複合セラミックスのマトリックスとなるものであり、α、βのいずれの結晶型のものであってもよい。
また、その純度としては、特に限定するものではないが、複合セラミックスに良好な焼結体密度、強度、及び破壊靭性を付与し、また、ヤング率等の機械的特性をも向上させる観点から、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上である。炭化ケイ素の形態としては焼結性が良好であることから、平均粒子径5μm以下の粉末であるのが好ましい。
また、仮焼後にその全部又は一部が炭素に転換し得る有機物(以下、単に有機物という場合がある)としては、焼成して焼結体セラミックスを作るために使用される原料であって、湿式混合に使用する溶剤に可溶性若しくは分散性を示すものであれば特に限定されるものではない。その性状としては球状であって結晶性の良好なものが好ましく、その平均粒子径としては5〜200μmが好適である。該有機物としては、仮焼後、炭素への転換率が高いことから、芳香族炭化水素が好ましく、例えば、フラン樹脂、フェノール樹脂、コールタールピッチ等が挙げられ、中でも、フェノール樹脂、コールタールピッチがより好適に使用される。
なお、本明細書において平均粒子径は、例えば、レーザー回折/散乱光式粒子径分布測定装置、光学顕微鏡、又はデジタルスコープにより測定することができる。
焼結助剤は、特に限定されるものではないが、例えば、ホウ素化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物、イットリア化合物等が挙げられる。
また、その他の成分として、焼結体セラミックスの製造に使用される公知の添加剤、例えば、TiC、TiN、Si34、AlN等を本発明の製造方法において上記原料と共に任意に使用してもよい。
本発明の製造方法における工程(1)では、炭化ケイ素、有機物、及び焼結助剤を湿式混合して得られた混合物を乾燥する。
湿式混合する際の炭化ケイ素、有機物、及び焼結助剤の混合割合としては、特に限定されるものではないが、通常、炭化ケイ素100重量部に対し、有機物を、好ましくは1〜48重量部、より好ましくは12〜36重量部、焼結助剤を、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは1〜3重量部混合すればよい。その他の成分を使用する場合は湿式混合する際に所定量を混合すればよい。
湿式混合は、例えば、ボールミル、振動ミル、遊星ミル等を用いて行えばよい。その際に使用する溶剤としては有機溶剤、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤や、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、また、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤などが好ましい。その他溶剤としては、水、水と前記有機溶剤との混合溶剤なども使用することができる。通常、以上のような原料1重量部に対し溶剤は50〜200重量部程度使用すればよい。
次いで、湿式混合により得られた混合物を、好ましくは100〜160℃、より好ましくは80〜140℃、さらに好ましくは100〜135℃で乾燥する。かかる温度範囲で該混合物を乾燥すると炭化ケイ素と有機物との緊密性が向上するので好適である。乾燥は、例えば、真空乾燥、熱風乾燥、振動式乾燥等により行えばよい。
工程(2)では、工程(1)で得られた乾燥物を粉砕し、得られた粉砕物(粉体粒子)を仮焼する。
乾燥物は、通常、10〜500mm程度の塊状で得られるので粉砕し、粉体粒子の形態とする。
乾燥物の粉砕は、それにより得られる粉体粒子の粒径分布において、重量分布50%の粒子径が425〜1200μm、重量分布10%の粒子径が50〜250μm、かつ重量分布90%の粒子径が1000〜3000μmとなるように行う。ここで、それぞれの粒子径は、粉体粒子の粒径分布を表わす後述の累積度数分布図を用いて求められる、それぞれ重量分布10%、50%、90%に相当する粒子径をいう。
本明細書において「粒径分布」はJIS R1639−1(ファインセラミックス−か(顆)粒特性の測定方法−第1部:か粒径分布)に基づいて求められる。具体的には、以下の電動式振動篩機を用いて「機械ふるい分け法」によりか粒径分布(重量分布)を測定する。
電動式振動篩機は以下の通りである。ふるいはJIS Z 8801の標準ふるいを使用する。
メーカー : 三田村理研工業(株)
機種名 : SIEVE SHAKER
TYPE : VIBRO
振動力目盛(0〜100): 80
振動時間 : 1回目 10分、2回目 30分
篩段数 : 5段積で2回分割で計10段分
使用篩目開き : 1回目 4000μm(4.7メッシュ)
3350μm(5.5メッシュ)
2000μm(8.6メッシュ)
1000μm(16メッシュ)
500μm(30メッシュ)
2回目 425μm(36メッシュ)
180μm(83メッシュ)
100μm(149メッシュ)
32μm(440メッシュ)
20μm(635メッシュ)
か粒径分布は、以下の式:
Q=(B/S)×100
(式中、Qは質量基準積算割合(%)を、Bは着目したふるい以下の粉体粒子の質量(g)を、Sは全てのふるい上及び受器上の全ての粉体粒子の質量の合計(g)を、それぞれ示す)
により求められる。Qは粉体粒子の累積的な重量分布を表わす。X軸に前記ふるいの細孔径D(μm)を小さい方から順にとり、一方、Y軸にQをとり、各ふるいの細孔径範囲での粉体粒子のQの値から、粉体粒子の粒径分布を表わす累積度数分布図を得る。なお、上記ふるいを用いた場合、各ふるいの細孔径範囲はそれぞれ、0〜20μm(10μm)、20〜32μm(26μm)、32〜100μm(66μm)、100〜180μm(140μm)、180〜425μm(302.5μm)、425〜500μm(462.5μm)、500〜1000μm(750μm)、1000〜2000μm(1500μm)、2000〜3350μm(2675μm)、3350〜4000μm(3675μm)、4000μm以上となる(各ふるいの細孔径範囲での括弧内にメジアン径を示す)。
次いで、各ふるいの細孔径範囲でのメジアン径におけるQの値を直線で結ぶ(以下、得られた折れ線を分布直線という)。重量分布50%の粒子径は、分布直線における、Qが50%の時のDの値として得られる。重量分布10%の粒子径は、分布直線における、Qが10%の時のDの値として得られる。また、重量分布90%の粒子径は、分布直線における、Qが90%の時のDの値として得られる。
工程(1)で得られた乾燥物を粉砕して得られる粉体粒子が前記粒径分布を有するように調整することで所望の複合セラミックスが得られるが、当該セラミックスの特性をより向上させる観点から、粉体粒子の粒径分布は以下の通りであるのが好適である。
重量分布50%の粒子径は、好ましくは500〜1000μm、より好ましくは500〜900μmである。
重量分布10%の粒子径は、好ましくは50〜250μm、より好ましくは100〜250μm、さらに好ましくは100〜140μm、特に好ましくは120〜140μmである。
重量分布90%の粒子径は、好ましくは1500〜3000μm、より好ましくは1200〜2000μmである。
重量分布50%の粒子径(50%粒径)が425〜1200μmであって、重量分布10%の粒子径(10%粒径)と重量分布90%の粒子径(90%粒径)との差が小さいほど粉体粒子の粒径分布がシャープである、すなわち、粉体粒子の粒子径が50%粒径を中心に集中して分布していることに対応する。粒径分布がシャープな程、仮焼がより均一に行われ、その結果、焼成後における複合セラミックス焼結体密度が大きくなる。
乾燥物の粉砕後に得られる粉体粒子は前記の通りの粒径分布を有することを必須とするが、さらに、粉体粒子の粒子径の範囲としては、続く粉体粒子の仮焼を過不足なく充分な程度に行い、ひいては焼成後の焼結体密度を増大させて焼結体の強度の向上を達成する観点から、好ましくは20μm(635メッシュ)〜4000μm(4.7メッシュ)、より好ましくは32μm(440メッシュ)〜3350μm(5.5メッシュ)である。
粉砕は、例えば、ロータリー式粉砕機、プレス式粉砕機等で行なうことができるが、粒径分布のシャープ化を容易に達成し得ることから、ロータリー式粉砕機で行うのが好ましい。かかるロータリー式粉砕機としては、特に限定されるものではないが、当該装置は、通常、粉砕機内に高速で回転が可能な鋭利な三枚刃を有する三角形のローターと、ケーシングに二〜四箇所の四〜八枚の固定刃を有する粉砕刃を持ち、全周排出と取り外し可能なメッシュスクリーンを供えた構造を有する。
ロータリー式粉砕機を用いる場合、乾燥物から前記の通りの粒径分布を有する粉体粒子を得るには、例えば、回転刃の周速が2〜40m/秒であり、メッシュスクリーンの目開きが1〜5mmである条件で粉砕を実施すればよい。
次いで、得られた粉砕物(粉体粒子)を仮焼する。かかる仮焼により、前記有機物の全部又は一部は炭素単体に転換することになる。仮焼は公知の方法に従って行えばよいが、該有機物を充分に炭素単体に転換させる一方、粒子の自由焼結を防いで良好な分散性を維持する観点から、好ましくは、不活性雰囲気下(例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の雰囲気下)、400〜800℃に粉砕物を維持し熱処理して行う。
以上の工程により、仮焼された原料粉体が得られる。これを公知の方法に従って、粉砕、造粒後に成形し、焼成することにより複合セラミックスを製造する。
成形方法は特に限定されるものではない。例えば、金型成形法、CIP(COLD ISOSTATIC PRESS)法、スリップキャスティング法等で成形を行なえばよい。
焼成は公知の方法に従って行えばよいが、不活性雰囲気下又は真空下、1800〜2300℃で仮焼された原料粉体を焼成するのが好ましい。焼成温度がかかる範囲にあれば、焼結体の密度、並びに強度、硬度等の機械的特性が良好となり得る。焼成方法としては、例えば、高密度化させるためにホットプレスや、HIP(HOT ISOSTATIC PRESS)法等を用いればよい。
このようにして所望の複合セラミックスが得られるが、当該セラミックスとしては、炭化ケイ素100重量部に対し8〜48重量部、特に10〜40重量部の炭素単体を含有してなり、該セラミックスをレーザーラマン分光法〔例えば、Jobin Yvon(ジョバン・イボン)社製Lab RAM HR-800使用〕で測定して得られるスペクトルにおける、1580cm-1付近を中心とする1450〜1700cm-1にかけてのピーク(炭素単体の結晶相に対応)と、1360cm-1付近を中心とする1300〜1450cm-1にかけてのピーク(炭素単体の非晶相に対応)とのピーク面積比(結晶相/非晶相)が0.1〜10であるものが種々のセラミックスの特性、例えば、強度、硬度等の機械的特性に優れ、好ましい。
かかる好適な複合セラミックスは、本発明の製造方法において、例えば、工程(1)で、炭化ケイ素100重量部に対し、有機物を1〜48重量部、焼結助剤を0.1〜10重量部混合し、工程(2)における粉砕物の仮焼を不活性雰囲気下に400〜800℃で行い、さらに、工程(3)として、仮焼後の粉砕物をさらに粉砕し、造粒後に成形し、不活性雰囲気下又は真空下に1800〜2300℃で焼成することにより得ることができる。そのようにして工程(2)を実施し、さらに工程(3)を実施する態様は、本発明の製造方法における好適な態様である。
本発明の製造方法によれば、破壊靱性に優れ、摩擦係数が小さい他、強度、硬度及び耐摩耗性に優れる、例えば、前記特許文献1に記載の複合セラミックスと同程度若しくはそれ以上の特性を有する複合セラミックスが得られる。該複合セラミックスは摺動特性に優れ、かつ耐摩耗性にも優れていることから、摺動部品として極めて好適である。摺動部品は機械要素がその可動する部分を有し、一時的に又は常時接触し、かつ相対的に摺動する部分において少なくとも、その摺動面が本発明の複合セラミックスより構成されているのが好ましい。摺動部品の具体例としては、軸受けリテーナー、メカニカルシール、石炭スラリーの流量バルブ、線引きダイス等が挙げられる。
実施例1〜12及び比較例1〜6
表1の配合に従い、平均粒子径0.69μmのα−炭化ケイ素(屋久島電工(株)製)、有機物としてコールタールピッチ(炭素含有量:59重量%)、及び焼結助剤としてB4C(炭化ホウ素;H. C. Starck-VTECH Ltd.製)を、湿式メディア攪拌型混合機(三井鉱山(株)製)により水を溶媒として湿式混合し、130℃で熱風乾燥した。乾燥後の固形物を、得られる粉体粒子の粒径分布が所定の状態になるように粉砕機により粉砕し、窒素雰囲気下450℃で仮焼した。粉砕機は、実施例ではロータリー式粉砕機((株)オリエント製)を、比較例ではプレス式粉砕機((株)吉田製作所製)を用いた。スプレードライで造粒後、金型成形法で成形し、次いで窒素雰囲気下600℃で脱脂し、2250℃で焼成した。以上により、各実施例及び比較例の複合セラミックス焼結体を得た。
Figure 2006021934
表1に、各実施例及び比較例の複合セラミックス焼結体について、理論密度、平均焼結体密度及び平均相対密度を併せて示す。なお、表中、有機物中の炭素の量は、複合セラミックス焼結体における炭化ケイ素100重量部に対する炭素単体の含有量と同じである。
理論密度はSIC(炭化ケイ素)の理論密度3.14 g/cm3と、炭素単体の理論密度2.26 g/cm3とにより求めた。平均焼結体密度は、各実施例及び比較例において同一条件で焼結体を3個製造し、全ての焼結体の密度を測定し、その平均値を算出して求めた。また、平均相対密度は、平均焼結体密度を理論密度で除し100を乗じて求めた。
粉砕物の50%粒径が425〜1200μmであって、10%粒径と90%粒径との差が小さいほど粉砕物の粒径分布がシャープであることに対応する。また、粉砕物の粒径分布がシャープな程、得られた焼結体が、その理論密度に達している割合が高くなり、平均相対密度が大きくなる。
表1に示すように、各実施例及び比較例の複合セラミックス焼結体は炭化ケイ素100重量部に対し炭素単体を35重量部(実施例1〜3、比較例1〜2)、25重量部(実施例4〜9、比較例3〜4)又は15重量部(実施例10〜12、比較例5〜6)含むものであるが、粉砕物の粒径分布がシャープであった実施例の焼結体は、それぞれの場合に平均相対密度が比較例のものに比べて大きくなっている。従って、本発明の製造方法によれば、破壊靭性や摩擦係数が良好な、優れた特性を有する複合セラミックスの生産を安定かつ効率的に行い得ることが分かる。
本発明により、複合セラミックスの工業規模での安定かつ効率的な製造方法が提供される。

Claims (4)

  1. 炭化ケイ素、仮焼後にその全部又は一部が炭素に転換し得る有機物、及び焼結助剤を湿式混合して得られた混合物を乾燥する工程(1)、及び
    工程(1)で得られた乾燥物を粉砕し、得られた粉砕物を仮焼する工程(2)を有する複合セラミックスの製造方法であって、工程(1)で得られた乾燥物の粉砕を、それにより得られる粉体粒子の粒径分布において、重量分布50%の粒子径が425〜1200μm、重量分布10%の粒子径が50〜250μm、かつ重量分布90%の粒子径が1000〜3000μmとなるように行う、複合セラミックスの製造方法。
  2. 工程(1)における混合物の乾燥を乾燥温度100〜160℃で行う請求項1記載の複合セラミックスの製造方法。
  3. 工程(2)における乾燥物の粉砕をロータリー式粉砕機により行う請求項1又は2記載の複合セラミックスの製造方法。
  4. 工程(2)における粉砕物の仮焼を不活性雰囲気下に400〜800℃で行い、さらに、仮焼後の粉砕物を成形した後、不活性雰囲気下又は真空下に1800〜2300℃で焼成する工程(3)を有する、請求項1〜3いずれか記載の複合セラミックスの製造方法。
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