JP2006021473A - キャリッジ駆動制御装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録ヘッドを動作させて被記録媒体への記録を行う際には、記録区間でキャリッジを定速移動させることができ、単にキャリッジを移動させる際には、キャリッジをより短時間で目標停止位置まで移動させることができるようにする。
【解決手段】 プリンタにおいてキャリッジを移動させる際には、記録ヘッドによる記録動作を伴う移動であるか否かを判定し、記録動作時の移動(a)であれば、キャリッジが記録開始位置Xsに到達するまでの間は、比例・積分制御によってCRモータの制御量を演算してCRモータを駆動制御し、キャリッジが記録開始位置Xsに到達すると、制御則を速度制御ゲイン[F]を用いたロバスト制御に切り換えて、CRモータの制御量を演算する。また、記録動作を伴わない移動(b)の場合には、制御開始直後からロバスト制御の制御則に従いCRモータの制御量(駆動電圧)を演算してCRモータを駆動制御する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させることにより、被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、キャリッジを主走査方向に移動させるのに用いられるキャリッジ駆動制御装置及び方法に関する。
従来より、被記録媒体である記録用紙を副走査方向に移動させつつ、記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させることにより、記録用紙に画像を形成する画像形成装置が知られている。
そして、この種の画像形成装置において、記録ヘッドを動作させて記録用紙に画像を形成する際には、記録ヘッド(延いてはキャリッジ)を一定速度で移動させる必要があることから、従来のキャリッジ駆動制御装置は、図11に示すように、キャリッジの一走査毎に、記録ヘッドによる記録動作を開始させる記録開始位置Xsにてキャリッジの移動速度が一定の目標速度(定速目標速度)Vtになるように、キャリッジを停止位置(駆動開始位置)から加速させ、キャリッジが記録開始位置Xsに到達すると、その後、記録ヘッドによる記録動作を停止させる記録終了位置Xeまで、キャリッジを定速目標速度Vtにて定速移動させ、キャリッジが記録終了位置Xeに到達すると、キャリッジを減速させて、次の折り返し走査の際に、記録開始位置迄にキャリッジを定速目標速度に加速し得る停止位置(目標停止位置)Xtにて停止させるように構成されている(例えば、特許文献1、2等参照)。
特開2001−310517号公報 特開2003−335011号公報
このように、従来のキャリッジ駆動制御装置は、記録ヘッドによる記録領域にてキャリッジを一定速度(定速目標速度)で走行させるために、キャリッジが停止している駆動開始位置から記録開始位置Xsまでを加速区間、記録開始位置Xsから記録終了位置Xeまでを定速区間、記録終了位置Xeから目標停止位置Xtまでを減速区間として、キャリッジを駆動制御するように構成されているのであるが、こうしたキャリッジの駆動(移動)制御のための制御則は、例えば、記録ヘッドのメンテナンスのためにキャリッジをメンテナンス領域まで移動させる場合等、記録ヘッドを動作させることなく単にキャリッジを移動させる場合にも使用されることから、この場合のキャリッジの移動に時間がかかるといった問題があった。
つまり、記録ヘッドを動作させることなく単にキャリッジを移動させる場合には、記録用紙への画像形成を行う記録動作時のように、キャリッジの移動速度が定速目標速度を越えることのないように、加速区間でのキャリッジの加速度を制限する必要はないのであるが、従来のキャリッジ駆動制御装置では、常に一つの制御則を利用してキャリッジを駆動制御するようにされていたため、単にキャリッジを移動させる際にも、移動開始後の速度が、キャリッジの移動速度が定速目標速度を超えることのないように制限されてしまい、キャリッジを短時間で目標停止位置Xtまで移動させることができないのである。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、記録ヘッドを動作させて被記録媒体への記録を行う際には、その記録区間でキャリッジを定速移動させることができ、単にキャリッジを移動させる際には、キャリッジをより短時間で目標停止位置まで移動させることができるキャリッジ駆動制御装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、被記録媒体を副走査方向に移動させつつ、記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させることにより、被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、キャリッジを主走査方向に移動させるキャリッジ駆動制御装置であって、キャリッジを主走査方向に往復移動させるアクチュエータと、キャリッジの位置及び移動速度を検出する検出手段と、キャリッジの移動指令と共に画像形成装置側から入力される目標停止位置と検出手段にて検出されたキャリッジの現在位置との偏差に基づき、予め設定された第1速度を上限速度としてキャリッジを目標停止位置まで移動させるのに必要な目標速度を設定する位置制御手段と、この位置制御手段にて設定された目標速度と検出手段にて検出されたキャリッジの移動速度との偏差に基づき、キャリッジを目標速度で移動させるのに必要なアクチュエータの制御量を演算する速度制御手段と、この速度制御手段にて演算された制御量に従いアクチュエータを駆動する駆動手段と、画像形成装置側からの移動指令は、記録ヘッドによる被記録媒体への記録動作を伴うものか、或いは、単にキャリッジを移動させるものかを判定し、前記移動指令が前記記録ヘッドによる記録動作を伴うものであれば、駆動手段によるアクチュエータの駆動開始後、キャリッジが記録ヘッドによる記録開始位置に到達するまでの間、速度制御手段が制御量の演算に用いる制御則を、記録開始位置にてキャリッジの移動速度を第1速度に収束させることのできる第1制御則に設定し、それ以外の制御領域では、速度制御手段が制御量の演算に用いる制御則を、偏差に対する感度が第1制御則よりも高い第2制御則に設定する速度制御用制御則切換手段と、を備えたことを特徴とする。
従って、本発明のキャリッジ駆動制御装置によれば、キャリッジを主走査方向に移動させつつ記録ヘッドを介して被記録媒体に画像を形成する際には、キャリッジが記録ヘッドによる記録開始位置に達する迄の間に、キャリッジの移動速度を第1速度に制御して、被記録媒体に所望の画像を精度よく形成させることができるようになり、逆に、キャリッジを単に主走査方向に移動させる際には、キャリッジを目標停止位置まで短時間に移動させることができるようになる。
ここで、第2制御則は、第1制御則よりも感度が高く、速度偏差に対してより大きな制御量を設定できればよく、例えば、第1制御則と同様の制御系でその制御のためのパラメータのみを第1制御則とは異なる値に設定するようにしてもよいが、より好ましくは、請求項2に記載のように、第1制御則は、少なくとも偏差の比例項及び積分項を有する比例・積分制御系の制御則に設定し、第2制御則は、キャリッジとアクチュエータとからなる制御対象の挙動を記述した状態方程式及び出力方程式に基づき、制御対象をロバスト制御し得るようにパラメータが設定されたロバスト制御系の制御則に設定するとよい。
そして、このようにすれば、被記録媒体に画像を形成する記録動作時には、キャリッジの移動速度の比例・積分制御によって、キャリッジの移動速度を目標速度からオーバーシュートさせることなく、目標速度(第1速度)に収束させ、その後、ロバスト制御によって、キャリッジの移動速度を目標速度に追従させつつ、キャリッジを目標停止位置まで移動させることができる。
また、キャリッジを単に主走査方向に移動させる際には、最初からロバスト制御を行うことになるので、キャリッジの移動速度と目標速度との偏差が大きいキャリッジの駆動開始直後には制御量が大きくなりすぎ、キャリッジの移動速度が目標速度からオーバーシュートしてしまうが、目標速度に収束した後は、キャリッジの移動速度を目標速度に追従させることができるので、キャリッジを目標停止位置までより短時間で移動させつつ、キャリッジを目標停止位置にて停止させることができる。
ところで、キャリッジの減速時にキャリッジの移動速度が目標速度からずれてキャリッジの減速度合いが正常時よりも大きくなった場合、キャリッジが目標停止位置に到達する迄にキャリッジの移動速度が零になってしまうことがあり、その場合には、位置制御手段は再度キャリッジを加速する速度指令を出力することになる。そして、このように、キャリッジが一旦停止してから再度移動させる場合には、キャリッジの停止に伴う静摩擦力から開放されてキャリッジが移動し始めるまでに時間がかかるので、キャリッジが目標停止位置に到達するまでの時間が長くなってしまう。
そこで、本発明(請求項1又は請求項2)のキャリッジ駆動制御装置において、キャリッジを目標定位置位置付近に短時間で移動させるには、請求項3に記載のように、位置制御手段は、キャリッジの停止速度よりも高く第1速度よりも低い第2速度を下限速度として目標速度を設定するよう構成し、駆動手段は、アクチュエータを制御量に従い駆動することによってキャリッジが減速し始め、キャリッジの現在位置が第2速度に対応して設定された制動開始位置に達すると、制御量に基づくアクチュエータの駆動を停止して、アクチュエータに制動力を発生させるように構成するとよい。
そして、このようにすれば、キャリッジは、その移動速度が一旦第2速度に収束するように制御され、その速度制御によってキャリッジの位置が制動開始位置に達すると、アクチュエータに制動力が発生して、キャリッジが停止されることになる。
このため、請求項3に記載のキャリッジ駆動制御装置によれば、キャリッジの減速時にキャリッジの移動速度が目標速度からずれてキャリッジの減速度合いが正常時よりも大きくなったとしても、目標停止位置に達する前にキャリッジが停止してしまうようなことはなく、キャリッジを再加速する必要がないので、キャリッジを目標停止位置付近に短時間で停止させることができるようになる。
一方、請求項4に記載の発明は、被記録媒体を副走査方向に移動させつつ、記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させることにより、被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、キャリッジを主走査方向に移動させるキャリッジ駆動制御方法であって、キャリッジの移動指令と共に画像形成装置側から入力される目標停止位置とキャリッジの現在位置との偏差に基づき、予め設定された第1速度を上限速度として、キャリッジを目標停止位置まで移動させるのに必要な目標速度を設定すると共に、その設定した目標速度とキャリッジの移動速度との偏差に基づき、キャリッジを目標速度で移動させるのに必要な制御量を演算し、その演算した制御量に従いキャリッジを主走査方向に往復移動させるアクチュエータを駆動し、しかも、画像形成装置側からの移動指令は、記録ヘッドによる被記録媒体への記録動作を伴うものか、或いは、単にキャリッジを移動させるものかを判定し、移動指令は記録ヘッドによる記録動作を伴うものである場合には、アクチュエータの駆動開始後、キャリッジが記録ヘッドによる記録開始位置に到達するまでの間、制御量の演算に用いる制御則を、記録開始位置にてキャリッジの移動速度を第1速度に収束させることのできる第1制御則に設定し、それ以外の制御領域では、制御量の演算に用いる制御則を、偏差に対する感度が第1制御則よりも高い第2制御則に設定することを特徴とする。
従って、この請求項4に記載のキャリッジ駆動制御方法によれば、請求項1に記載のキャリッジ駆動制御装置と同様の手順でキャリッジを駆動制御することができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のキャリッジ駆動制御方法において、第1制御則は、少なくとも偏差の比例項及び積分項を有する比例・積分制御系の制御則であり、第2制御則は、キャリッジとアクチュエータとからなる制御対象の挙動を記述した状態方程式及び出力方程式に基づき、その制御対象をロバスト制御し得るようにパラメータが設定されたロバスト制御系の制御則であることを特徴とする。
従って、この請求項5に記載のキャリッジ駆動制御方法によれば、請求項2に記載のキャリッジ駆動制御装置と同様の手順でキャリッジを駆動制御することができ、請求項2と同様の効果を得ることができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載のキャリッジ駆動制御方法において、目標速度は、キャリッジの停止速度よりも高く第1速度よりも低い第2速度を下限速度として設定し、アクチュエータを制御量に従い駆動することによってキャリッジが減速し始め、キャリッジの現在位置が第2速度に対応して設定された制動開始位置に達すると、制御量に基づくアクチュエータの駆動を停止して、アクチュエータに制動力を発生させることを特徴とする。
従って、この請求項6に記載のキャリッジ駆動制御方法によれば、請求項3に記載のキャリッジ駆動制御装置と同様の手順でキャリッジを駆動制御することができ、請求項3と同様の効果を得ることができる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用されたインクジェットプリンタ(以下、単に「プリンタ」という)におけるキャリッジ駆動機構の構成を表す概略構成図である。
図1に示すように、このキャリッジ駆動機構においては、押さえローラ32等により搬送されてくる記録用紙33の幅方向に設置されたガイド軸34に、ノズルから記録用紙33に向けてインクを吐出させて記録を行う記録ヘッド30を搭載したキャリッジ31が挿通されている。
そして、キャリッジ31は、ガイド軸34に沿って設けられた無端ベルト37に連結され、その無端ベルト37は、ガイド軸34の一端に設置されたCRモータ35のプーリ36と、ガイド軸34の他端に設置されたアイドルプーリ(図示せず)との間に掛け止められている。
つまり、キャリッジ31は、無端ベルト37を介して伝達されるCRモータ35の駆動力により、ガイド軸34に沿って記録用紙33の幅方向に往復運動するように構成されている。
また、ガイド軸34の下方には、一定間隔(本実施形態においては、1/150inch=約0.17mm)ごとに一定幅のスリットを形成したタイミングスリット38が、ガイド軸34に沿って設置されている。
また、キャリッジ31の下部には、タイミングスリット38を挟んで発光素子と受光素子とが対面するように配置されたフォトインタラプタからなる検出部(図示されない)が備えられており、上述のタイミングスリット38と共に、後述のリニアエンコーダ39(図3参照)を構成している。
このリニアエンコーダ39を構成する検出部は、図2に示すように、互いに一定周期(本実施形態においては、1/4周期)ズレた2種類のエンコーダ信号ENC1,ENC2を出力する。そして、キャリッジ31の移動方向がホームポジション(図1の左端位置)からアイドルプーリ側に向かう順方向である場合は、ENC1がENC2に対して位相が一定周期進み、アイドルプーリ側からホームポジションに向かう逆方向である場合は、ENC1がENC2に対して位相が一定周期遅れるようにされている。
このようなキャリッジ駆動機構において、キャリッジ31は、ガイド軸34のプーリ35側端付近に設定されたホームポジション、前回の記録が終了した位置、若しくは、記録ヘッド30のメンテナンス等を行うための所定の停止位置に停止され、記録ヘッド30を動作させて記録用紙33へ画像を形成させる記録処理が開始されると、図11に示した従来と同様に、駆動開始位置(つまり停止位置)から記録開始位置Xsまでの間に定速目標速度Vtに達するよう加速され、その後、記録終了位置Xeまでの間は定速目標速度Vtで移動し、記録終了位置Xeを越えると、目標停止位置Xtにて停止するよう減速される。
そして、キャリッジ31をこのように移動させるために、プリンタには、キャリッジ駆動制御装置が内蔵されている。
このキャリッジ駆動制御装置は、図3に示すように、プリンタの制御を統括するCPU2からの指令を受けてキャリッジ31のアクチュエータであるCRモータ35を駆動するためのものであり、CRモータ35の回転速度や回転方向等を制御するためのPWM信号や、CRモータ35に制動力を発生させて停止させるための制動信号を生成するASIC(Application Specific Integrated Circuit)3、及び、このASIC3にて生成されたPWM信号若しくは制動信号に基づいてCRモータ35を駆動若しくは停止させるモータ駆動回路(以下、CR駆動回路という)4にて構成されている。
ここで、CR駆動回路4は、図4に示すように、4つのスイッチング素子(例えば、FET:電界効果型トランジスタなどからなる素子)S1〜S4と、各スイッチング素子に並列接続されたフライホイールダイオードFD1〜FD4とで構成されたHブリッジ回路からなり、これらスイッチング素子S1〜S4を外部からの信号(PWM信号、制動信号)を受けてON/OFFすることにより、CRモータ35への通電を制御する回路である。
つまり、CR駆動回路4は、例えば、スイッチング素子S3、S2をOFF、スイッチング素子S1をONさせ、スイッチング素子S4をPWM信号でON/OFF制御することにより、CRモータ35を正回転させて、キャリッジ31を一方向に移動(走査)させることができ、逆に、スイッチング素子S1、S4をOFF、スイッチング素子S3をONさせ、スイッチング素子S2をPWM信号でON/OFF制御することにより、CRモータ35を逆回転させて、キャリッジ31を多方向に移動(走査)させることができる。
また、このようにCRモータ35を回転させている状態で、全てのスイッチング素子S1〜S4をOFFさせると、CRモータ35内部のモータ巻線に蓄積されたエネルギにより、CRモータ35には、フライホイールダイオードFD2とFD3、若しくは、フライホイールダイオードFD4とFD1、モータ駆動時と同方向に電流が流れ、モータ巻線に蓄積されたエネルギが駆動電圧を供給する直流電源側に回生される。そして、このエネルギ回生動作によって、CRモータ35には制動力(回生ブレーキ)が発生し、CRモータ35、延いてはキャリッジ31は速やかに停止する。
一方、ASIC3には、CRモータ35の制御に用いる各種パラメータを格納するレジスタ群5、リニアエンコーダ39から取り込んだエンコーダ信号ENC1,ENC2によりキャリッジ31の位置や移動速度を算出するキャリッジ測位部6、CRモータ35を制御してキャリッジ31を駆動若しくは停止させるための指令信号を生成する駆動制御部7、駆動制御部7からの駆動指令(具体的にはCRモータ35の駆動電圧)に応じてCRモータ35をデューティ駆動するためのPWM信号を生成するPWM生成部8、駆動制御部7からの制動指令を受けてキャリッジ31を制動するための制動信号を生成する制動制御部9、駆動制御部7からの選択指令に従いPWM生成部8により生成されたPWM信号又は制動制御部9により生成された制動信号を選択的にCR駆動回路4側へ出力するセレクタ10、エンコーダ信号ENC1,ENC2より十分に周期が短いクロック信号CKをASIC3内部の各部に供給するクロック生成部11等が備えられている。
これらのうち、レジスタ群5には、CRモータ35を起動するための起動設定レジスタ5aに加えて、下記(a)〜(i)のレジスタ50〜58が備えられている。
(a)キャリッジ31を停止させるべき目標停止位置Xtを設定するためのレジスタ50。
(b)記録ヘッド30により記録用紙33への記録を開始すべき記録開始位置Xsを設定するためのレジスタ51。
(c)キャリッジ31の制動を開始する制動開始位置Xbを設定するためのレジスタ52。
(d)キャリッジ31を定速移動させる際の目標速度となる定速目標速度Vtを設定するためのレジスタ53。
(e)キャリッジ31の減速時にCRモータ35に制動力を発生させてキャリッジ31を停止させる際の停止目標速度Veを設定するためのレジスタ54。
(f)キャリッジ31を移動させる際の制御目標速度Vo(図5参照)を演算するのに必要な位置制御ゲインKpを設定するためのレジスタ55。
(g)キャリッジ31を制御目標速度Voで移動させるのに必要な制御量である駆動電圧を演算するのに必要な速度制御ゲイン[F]を設定するためのレジスタ56。
(h)記録用紙33への画像形成のためにキャリッジ31を移動させる際にキャリッジ31を上述した定速目標速度Vtを越えることのないように加速させるのに必要な2つの加速制御ゲイン(比例ゲインGp,積分ゲインGi)を設定するためのレジスタ57。
(i)キャリッジ31を移動させるに当たって記録ヘッド30を動作させて記録用紙33への画像形成を行うか、或いは記録ヘッド30を動作させることなく単にキャリッジ31を移動させるかを表す記録制御フラグfを設定するためのレジスタ58。
また、キャリッジ測位部6は、リニアエンコーダ39からのエンコーダ信号ENC1,ENC2に基づいてエンコーダ信号ENC1の各周期の開始/終了を表すエッジ検出信号(ここではENC2がハイレベルの時におけるENC1のエッジ)及びCRモータ35の回転方向(エッジ検出信号がENC1の立ち下がりエッジであれば順方向、立ち上がりエッジであれば逆方向)を検出するエッジ検出部60、エッジ検出部60が検出したCRモータ35の回転方向(つまりキャリッジ31の移動方向)に応じてエッジ検出信号をカウントアップ(順方向のとき)またはカウントダウン(逆方向のとき)することによりキャリッジ31がホームポジションから何番目のスリットに位置しているのかを検出する位置カウンタ61、エッジ検出部60からのエッジ検出信号の発生間隔をクロック信号CKによりカウントする周期カウンタ63、タイミングスリット38のスリット間の距離(1/150inch)とエンコーダ信号ENC1の前周期で周期カウンタ63がカウントした値の保持値Cn-1 とから特定される時間tn-1 (=Cn-1 ×クロック周期)とに基づいてキャリッジ31の移動速度(実速度)Vnを算出する速度変換部64、位置カウンタ61によるカウント値に応じてCPU2への停止割込信号の出力を行う割込処理部65などにより構成されている。
なお、この割込処理部65は、位置カウンタ61によるカウント値が目標停止位置設定レジスタ51にセットされている目標停止位置以上となった際に停止割込信号をCPU2へ出力する。そして、本実施形態では、このキャリッジ測位部6と、リニアエンコーダ39により、本発明の検出手段としての機能が実現される。
次に、駆動制御部7は、図5に示すように、レジスタ51に設定された目標停止位置Xtと位置カウンタ61のカウント値から定められるキャリッジ31の現在位置(実位置)Xnとの偏差(位置偏差)△Xに基づいて制御目標速度Voを演算するための位置制御部70と、速度変換部64にて求められたキャリッジ31の実速度Vnを、位置制御部70にて求められた制御目標速度Voに制御するための制御量(CRモータ35の駆動電圧)を演算する速度制御部80と、キャリッジ31の減速時に、位置カウンタ61のカウント値から定められるキャリッジ31の実位置Xnが、レジスタ52に設定された制動開始位置Xbに達したか否かを判定し、実位置Xnが制動開始位置Xbに達したと判定すると、CRモータ35に制動力を発生させるべく、制動制御部9を動作させて、セレクタ10に制動制御部9からの制動信号を選択させる制動開始判定部90と、から構成されている。
なお、本実施形態において、制動開始判定部90は、PWM生成部8、制動制御部9、セレクタ10、CR駆動回路4と共に、本発明の駆動手段として機能する。
また、位置制御部70は、本発明の位置制御手段に相当するものであり、目標停止位置Xtと実位置Xnとの位置偏差△Xを演算する減算部72と、減算部72で演算された位置偏差△Xに、レジスタ55に設定された比例制御(P制御)のための位置制御ゲインKpを乗じることで、位置偏差△Xtに比例した制御目標速度Voを演算する乗算部74と、この乗算部74にて演算された制御目標速度Voの上限を、レジスタ53に設定された定速目標速度Vtに制限すると共に、制御目標速度Voの下限を、レジスタ54に設定された停止目標速度Veに制限することで、速度制御部80に入力される制御目標速度Voを図6に示す如く設定する制限部76とから構成されている。
一方、速度制御部80は、本発明の速度制御手段(但し、速度制御用制御則切換手段も含む)に相当するものであり、位置制御部70にて設定された制御目標速度Voと実速度Vnとの速度偏差△Vを演算する減算部82と、この減算部82にて求められた速度偏差△Vとレジスタ56に設定された速度制御ゲイン[F]とに基づき制御量(CRモータ35の駆動電圧)を演算する通常制御量演算部84と、同じく速度偏差△Vとレジスタ57に設定された加速制御ゲイン(比例ゲインGp,積分ゲインGi)とを用いて制御量(CRモータ35の駆動電圧)を演算する加速制御量演算部86と、レジスタ58に設定された記録制御フラグfとレジスタ51に設定された記録開始位置Xsとキャリッジ31の実位置Xnとに基づき、PWM生成部8へ出力する制御量(CRモータ35の駆動電圧)を、通常制御量演算部84及び加速制御量演算部86にて演算された制御量の何れか一方に切り換える制御量切換部88とから構成されている。
ここで、通常制御量演算部84は、キャリッジ31の駆動系の挙動を記述した下記の状態方程式(1)と出力方程式(2)とを周知のシステム同定法等を利用して生成し、現代制御理論に基づく周知の設計手法に従い速度制御ゲイン[F]を設定することにより構築されており、特に、本実施形態では、制御の応答性を優先するために、周知のロバスト制御を実現するための制御則として構築されている。
なお、こうしたロバスト制御系の制御則の設計手法については、例えば、「システム制御情報学会編、細江繁幸・荒木光彦監修、「制御系設計−H∞制御とその応用」、朝倉書店(ISBN4254209703、1994.06.01出版)」等に詳述されているので、ここでは詳細な説明は省略する。
Figure 2006021473
また、加速制御切換部88は、本発明の速度制御用制御則切換手段に相当するものであり、レジスタ58に設定された記録制御フラグfがセット(f=1)されている場合には、CRモータ35の起動後、キャリッジ31の実位置Xnがレジスタ51に設定された記録開始位置Xsに到達するまで、加速制御量演算部86にて求められた制御量を選択して、PWM生成部8へ出力し、それ以外の制御領域、つまり、記録制御フラグfがリセット(f=0)されているか、或いは、記録制御フラグfがセット(f=1)されていてもキャリッジ31の実位置Xnが記録開始位置Xsを越えている場合には、通常制御量演算部84にて求められた制御量を選択して、PWM生成部8へ出力する。
なお、加速制御量演算部86によって実現される制御則は、比例ゲインGp,積分ゲインGiを用いた比例・積分制御(PI制御)系であるが、これらの加速制御ゲインGp,Giは、通常制御量演算部84にて実現されるロバスト制御系よりも速度偏差△Vに対する感度が小さくなるように、制御の安定性を重視して設定されている。これは、CRモータ35の加速時にキャリッジ31の実速度Vnが定速目標速度Vtを越えてオーバーシュートするのを防止するためである。
次に、駆動制御部7を上記のように動作させるためにCPU2が実行するCR走査処理、及び、駆動制御部7の動作シーケンスを、図7及び図8に示すフローチャートに沿って説明する。
図7に示す如く、CPU2が実行するCR走査処理では、まず、S110(Sはステップを表す)にて、これからキャリッジ31を走査しようとする走査領域(つまり、キャリッジ31の現在の停止位置(駆動開始位置)から次の目標停止位置Xt迄の領域)におけるキャリッジ制御のためのデータを読み込み、続くS120では、その領域では記録ヘッド30による記録動作を行うか否かを判断する。
そして、S120にて、次の走査領域で記録を行うと判断されると、S130に移行して、記録制御フラグfをセット(f=1)した後、S150に移行し、S120にて、次の走査領域では記録は行わないと判断されると、S140に移行して、記録制御フラグfをリセット(f=0)した後、S150に移行する。
S150では、S110で読み込んだデータに従い、上述したASIC3のレジスタ群5を構成している各レジスタ50〜58に、目標停止位置Xtを始めとするキャリッジ制御のための各種パラメータを書き込み、続くS160にて、ASIC3の起動設定用のレジスタ5aに起動設定を書き込むことにより、ASIC3の各部を起動させる。
そして、このようにASIC3を起動させた後は、S170にて、ASIC3の割込処理部65から停止割込信号が入力されたか否かを判断することにより、停止割込信号が入力されるのを待ち、停止割込信号が入力さると、本処理を終了する。
なお、CPU2がレジスタ群5の各レジスタに書き込むパラメータの内、レジスタ55に書き込む位置制御ゲインKpは、CRモータ35の減速時の減速度合いα、減速開始位置Xe、目標停止位置Xtに基づき、「Kp≧(α/(Xt−Xe))」となり、キャリッジ31が減速開始位置Xeよりも手前で減速を開始しないように設定される。
一方、CPU2のCR走査処理によってASIC3が起動されると、ASIC3内の駆動制御部7は、図8に示す駆動シーケンスで動作する。なお、駆動制動部7は、いわゆるハードウェア回路として以下の駆動シーケンスで制御動作を実行するように構成されているが、ここでは、その動作の理解を容易にするために、フローチャートを用いて説明するものである。
図8に示す如く、駆動制御部7が動作を開始すると、まずS210にて、レジスタ群5の各レジスタ50〜58からキャリッジ制御のための各種パラメータを読み込み、続くS220にて、目標停止位置Xtと実位置Xnとの位置偏差△Xを演算する減算部72としての動作を実行する。
そして、続くS230では、S220の動作にて求められた位置偏差△Xと、位置制御ゲインKpと、定速目標速度Vtと、停止目標速度Veとに基づき、制御目標速度Voを演算する、乗算部74及び制限部76としての動作を実行し、更に続くS240にて、制御目標速度Voと実速度Vnとの偏差△Vを演算する減算部82としての動作を実行する。
また、続くS250では、キャリッジ31の実位置Xnが記録開始位置Xsに到達したか否かを判定し、キャリッジ31の実位置Xnが記録開始位置Xsに到達していなければ、S260に移行して、記録制御フラグfがセット(f=1)されているか否かを判定し、記録制御フラグfがセット(f=1)されていれば、S270に移行して、S240で算出した速度偏差△Vと加速制御ゲインGp、Giとから制御量であるCRモータ35の駆動電圧を演算する、加速制御量演算部86としての動作を実行し、S300に移行する。なお、S250及びS260の判定動作は、制御量切換部88としての機能を実現している。
また、S250にて、キャリッジ31の実位置Xnが既に記録開始位置Xsに到達していると判断された場合には、S280に移行して、キャリッジ31の実位置Xnは制動開始位置Xbに到達しているか否かを判定する。
そして、このS280にて、キャリッジ31の実位置Xnが制動開始位置Xbに到達していないと判断されるか、或いは、S260にて、記録制御フラグfはセット(f=1)されていないと判断された場合には、S290に移行して、S240で算出した速度偏差△Vと速度制御ゲイン[F]とに基づき制御量であるCRモータ35の駆動電圧を演算する、通常制御量演算部84としての動作を実行し、S300に移行する。
S300では、S270若しくはS290にて演算された制御量(CRモータ35の駆動電圧)をPWM生成部8へ出力することにより、PWM生成部8に対して、CRモータ35を制御量に対応した駆動電圧で駆動するのに必要なPWM信号を生成させ、再度S220に移行する。
一方、S280にて、キャリッジ31の実位置Xnが制動開始位置Xbに到達したと判断された場合には、S310に移行して、制動制御部9及びセレクタ10に対して、制動指令を出力することにより、制動制御部9からCRモータ35に上述した回生ブレーキを発生させるための制動信号を出力させると共に、セレクタ10に対して、その制動信号を選択してCR駆動回路4に出力させ、処理を終了する。なお、このS310の処理動作とS280の判定動作は、制動開始判定部90としての機能を実現している。
以上説明したように、本実施形態のプリンタのキャリッジ駆動制御装置においては、CPU2からの指令(起動設定)に従い、キャリッジ31を主走査方向に移動させる際には、その移動が記録ヘッド30による記録動作を伴うものであるか否かを判定し、キャリッジ31の移動が記録ヘッド30による記録動作を伴う移動であれば、図9(a)に示す如く、キャリッジ31が記録開始位置Xsに到達するまでの間は、加速制御ゲインGp、Giを用いた比例・積分制御の制御則に従いCRモータ35の制御量(駆動電圧)を演算して、CRモータ35を駆動制御し、キャリッジ31が記録開始位置Xsに到達すると、制御量の演算に用いる制御則を、速度制御ゲイン[F]を用いたロバスト制御の制御則に切り換えて、CRモータ35の制御量(駆動電圧)を演算し、CRモータ35を駆動制御するようにされている。
従って、こうした記録動作時には、加速時の比例・積分制御によって、キャリッジ31の移動速度を定速目標速度Vtからオーバーシュートさせることなく、定速目標速度(本発明の第1速度)に収束させ、その後、ロバスト制御によって、キャリッジの移動速度を目標速度に追従させつつ、キャリッジを目標停止位置まで移動させることができる。
一方、キャリッジ31の移動が記録ヘッド30による記録動作を伴わない移動である場合には、図9(b)に示す如く、駆動開始位置から目標停止位置Xtまでの全移動領域で、速度制御ゲイン[F]を用いたロバスト制御の制御則に従いCRモータ35の制御量(駆動電圧)を演算し、CRモータ35を駆動制御する。
従って、キャリッジ31の実速度Vnと制御目標速度Voとの偏差が大きくなるキャリッジ31の加速区間では制御量が大きくなりすぎ、キャリッジ31の実速度Vnが制御目標速度Voからオーバーシュートしてしまうが、実速度Vnが制御目標速度Voに収束した後は、ロバスト制御によってキャリッジ31の移動速度を目標速度に追従させることができるので、キャリッジ31を目標停止位置Xtまでより短時間で移動させつつ、キャリッジ31を目標停止位置Xtにて停止させることができる。
また更に、本実施形態では、制御目標速度Voの下限値を、停止目標速度Veに制限していることから、減速時にキャリッジ31の実速度Vnが制御目標速度Voからずれて、キャリッジ31の減速度合いが正常時よりも大きくなった場合には、図10(a)に示すように、キャリッジ31が停止する前に、実速度Vnが停止目標速度Veに制御され、その後、キャリッジ31の実位置Xnが制動開始位置Xbに到達した時点で、CRモータ35に回生ブレーキによる制動力が発生して、キャリッジ31が速やかに停止されることになる。このため、本実施形態のキャリッジ駆動制御装置によれば、従来装置に比べて、キャリッジ31をより短時間で目標停止位置付近に停止させることができる。
つまり、従来のキャリッジ駆動制御装置では、本実施形態のように、制御目標速度Voの下限値を制限していないことから、減速時にキャリッジ31の実速度Vnが制御目標速度Voからずれて、キャリッジ31の減速度合いが正常時よりも大きくなった場合には、図10(b)に示すように、キャリッジ31は、目標停止位置Xtに到達する迄に一旦停止してしまい、その後、再度加速されることになる。そして、このように、キャリッジ31が一旦停止してから再度加速させる場合には、キャリッジ31が静摩擦力から開放されて移動し始めるまでに時間がかかるので、キャリッジ31が目標停止位置に到達するまでの時間が長くなってしまう。しかし、本実施形態では、キャリッジ31を停止させることなく目標停止位置Xtまで移動させることができるので、キャリッジ31をより短時間で目標停止位置Xtまで移動させることができるようになるのである。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内にて種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施形態においては、キャリッジ31の移動速度や位置の検出、PWM信号の生成等の実現にASIC3を採用したものを例示したが、ASIC以外に、例えば、PLD(Programmable Logic Device )を採用してもよい。
また、上記実施形態においては、通常制御量演算部84では、ロバスト制御の制御則にて制御量を演算し、加速制御量演算部86では比例・積分制御の制御則にて制御量を演算するものとして説明したが、通常制御量演算部84と加速制御量演算部86とでは速度偏差△Vに対する感度が異なればよいことから、例えば、通常制御量演算部84でも、比例・積分制御、若しくは比例・積分・微分制御の制御則にて制御量を演算するようにしてもよい。
実施形態のプリンタを構成しているキャリッジ駆動機構の概略構成を表す説明図である。 エンコーダ信号及びこの信号を処理するキャリッジ測位部の処理動作を説明する説明図である。 キャリッジを駆動制御する制御装置(ASIC)の構成を表すブロック図である。 図3に示すキャリッジ駆動回路の構成を表す回路図である。 図3に示す駆動制御部の構成(機能)を表すブロック図である。 図5の位置制御部から出力される制御目標速度を説明する説明図である。 CPUにて実行されるキャリッジ走査処理を表すフローチャートである。 図3に示した駆動制御部の動作シーケンスを表すフローチャートである。 キャリッジの制御状態をプリンタの記録動作時と非記録動作時とで比較して表す説明図である。 図5の位置制御部にて制御目標速度の下限を停止目標速度にて制限することによる効果を説明する説明図である。 従来のキャリッジ制御の概要を説明する説明図である。
符号の説明
2…CPU、3…ASIC、4…CR駆動回路、5…レジスタ群、5a,50〜59…レジスタ、6…キャリッジ測位部、7…駆動制御部、8…PWM生成部、9…制動制御部、10…セレクタ、11…クロック生成部、30…記録ヘッド、31…キャリッジ、33…記録用紙、34…ガイド軸、35…CRモータ、36…プーリ、37…無端ベルト、38…タイミングスリット、39…リニアエンコーダ、60…エッジ検出部、61…位置カウンタ、63…周期カウンタ、64…速度変換部、65…割込処理部、70…位置制御部、72…減算部、74…乗算部、76…制限部、80…速度制御部、82…減算部、84…通常制御量演算部、86…加速制御量演算部、88…制御量切換部、90…制動開始判定部、S1〜S4…スイッチング素子、FD1〜FD4…フライホイールダイオード。

Claims (6)

  1. 被記録媒体を副走査方向に移動させつつ、記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させることにより、被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記キャリッジを主走査方向に移動させるキャリッジ駆動制御装置であって、
    前記キャリッジを主走査方向に往復移動させるアクチュエータと、
    前記キャリッジの位置及び移動速度を検出する検出手段と、
    前記キャリッジの移動指令と共に画像形成装置側から入力される目標停止位置と、前記検出手段にて検出されたキャリッジの現在位置との偏差に基づき、予め設定された第1速度を上限速度として、前記キャリッジを前記目標停止位置まで移動させるのに必要な目標速度を設定する位置制御手段と、
    該位置制御手段にて設定された目標速度と、前記検出手段にて検出されたキャリッジの移動速度との偏差に基づき、前記キャリッジを前記目標速度で移動させるのに必要な前記アクチュエータの制御量を演算する速度制御手段と、
    該速度制御手段にて演算された制御量に従い前記アクチュエータを駆動する駆動手段と、
    前記移動指令は、前記記録ヘッドによる前記被記録媒体への記録動作を伴うものか、或いは、単にキャリッジを移動させるものかを判定し、前記移動指令が前記記録ヘッドによる記録動作を伴うものであれば、前記駆動手段によるアクチュエータの駆動開始後、前記キャリッジが前記記録ヘッドによる記録開始位置に到達するまでの間、前記速度制御手段が前記制御量の演算に用いる制御則を、前記記録開始位置にて前記キャリッジの移動速度を前記第1速度に収束させることのできる第1制御則に設定し、それ以外の制御領域では、前記速度制御手段が前記制御量の演算に用いる制御則を、前記偏差に対する感度が前記第1制御則よりも高い第2制御則に設定する速度制御用制御則切換手段と、
    を備えたことを特徴とするキャリッジ駆動制御装置。
  2. 前記第1制御則は、少なくとも前記偏差の比例項及び積分項を有する比例・積分制御系の制御則であり、前記第2制御則は、前記キャリッジと前記アクチュエータとからなる制御対象の挙動を記述した状態方程式及び出力方程式に基づき、該制御対象をロバスト制御可能にパラメータが設定されたロバスト制御系の制御則であることを特徴とする請求項1に記載のキャリッジ駆動制御装置。
  3. 前記位置制御手段は、前記キャリッジの停止速度よりも高く前記第1速度よりも低い第2速度を下限速度として、前記目標速度を設定するよう構成され、
    前記駆動手段は、前記アクチュエータを前記制御量に従い駆動することによって前記キャリッジが減速し始め、前記キャリッジの現在位置が前記第2速度に対応して設定された制動開始位置に達すると、前記制御量に基づくアクチュエータの駆動を停止して、前記アクチュエータに制動力を発生させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャリッジ駆動制御装置。
  4. 被記録媒体を副走査方向に移動させつつ、記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させることにより、前記被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記キャリッジを主走査方向に移動させるキャリッジ駆動制御方法であって、
    前記キャリッジの移動指令と共に画像形成装置側から入力される目標停止位置と、前記キャリッジの現在位置との偏差に基づき、予め設定された第1速度を上限速度として、前記キャリッジを前記目標停止位置まで移動させるのに必要な目標速度を設定すると共に、
    該設定した目標速度と、前記キャリッジの移動速度との偏差に基づき、前記キャリッジを前記目標速度で移動させるのに必要な制御量を演算し、
    該制御量に従い、前記キャリッジを主走査方向に往復移動させるアクチュエータを駆動し、
    しかも、画像形成装置側からの移動指令は、前記記録ヘッドによる前記被記録媒体への記録動作を伴うものか、或いは、単にキャリッジを移動させるものかを判定し、前記移動指令は前記記録ヘッドによる記録動作を伴うものである場合には、前記アクチュエータの駆動開始後、前記キャリッジが前記記録ヘッドによる記録開始位置に到達するまでの間、前記制御量の演算に用いる制御則を、前記記録開始位置にて前記キャリッジの移動速度を前記第1速度に収束させることのできる第1制御則に設定し、それ以外の制御領域では、前記制御量の演算に用いる制御則を、前記偏差に対する感度が前記第1制御則よりも高い第2制御則に設定することを特徴とするキャリッジ駆動制御方法。
  5. 前記第1制御則は、少なくとも前記偏差の比例項及び積分項を有する比例・積分制御系の制御則であり、前記第2制御則は、前記キャリッジと前記アクチュエータとからなる制御対象の挙動を記述した状態方程式及び出力方程式に基づき、該制御対象をロバスト制御可能にパラメータが設定されたロバスト制御系の制御則であることを特徴とする請求項4に記載のキャリッジ駆動制御方法。
  6. 前記目標速度は、前記キャリッジの停止速度よりも高く前記第1速度よりも低い第2速度を下限速度として設定し、
    前記アクチュエータを前記制御量に従い駆動することによって前記キャリッジが減速し始め、前記キャリッジの現在位置が前記第2速度に対応して設定された制動開始位置に達すると、前記制御量に基づくアクチュエータの駆動を停止して、前記アクチュエータに制動力を発生させることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のキャリッジ駆動制御方法。
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