JP2006019555A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体装置に接続される負荷が短絡した過渡的なタイミングにおいて、半導体装置が破壊されるのを抑制する。
【解決手段】 トレンチゲート電極32間の間隙に存在するn型ドリフト領域24内の、ゲート絶縁膜34から所定距離を隔てた位置に形成されている絶縁領域42を備えるIGBTである。この所定距離は、通常のオン状態において電子が実質的に存在する範囲外であるとともに、負荷短絡時において電子が実質的に存在する範囲内であることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置に接続されている負荷が短絡した瞬間に半導体装置が破壊されるのを抑制する技術に関する。さらに、負荷が短絡した瞬間に半導体装置が破壊されるのを抑制するとともに、ターンオフ損失を低減する技術に関する。
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やサイリスタ等のバイポーラ動作する半導体装置の開発が活発に行われている。なかでも、チャネル幅を増大させることによるチャネル抵抗低減効果があり、寄生JFETによる電圧降下がないトレンチゲートタイプの半導体装置の開発が活発である。
この種の半導体装置では、トレンチゲート電極間の間隙に存在するドリフト領域内にキャリア蓄積層等と称される絶縁層が設けられる場合がある。この絶縁層は、その間を通過する正孔の流動を妨げる。正孔の流動を妨げることで、ドリフト領域内に正孔が蓄積され、ドリフト領域内の正孔濃度が上昇する。これにより伝導度変調が活発化し、オン電圧が低減される。この絶縁層が設けられている半導体装置が特許文献1に記載されている。
特開平9−331063号公報(その公報の図1参照)
図7に、特許文献1で提案されている半導体装置の要部断面図を模式的に示す。
この半導体装置はIGBTであり、裏面側にコレクタ電極112と、そのコレクタ電極112に接するp型コレクタ領域122と、そのp型コレクタ領域122によってコレクタ電極112から隔てられているn型ドリフト領域124と、そのn型ドリフト領域124によってp型コレクタ領域122から隔てられているp型ボディ領域126と、p型ボディ領域126によってn型ドリフト領域124から隔てられているn型エミッタ領域128を備えている。n型エミッタ領域128はエミッタ電極138に接している。
型エミッタ領域128とn型ドリフト領域124を隔てているp型ボディ領域126を貫通してn型ドリフト領域124内に侵入するとともに、ゲート絶縁膜134で被覆されているトレンチゲート電極132が形成されている。トレンチゲート電極132とエミッタ電極138は、層間絶縁膜136によって隔てられている。トレンチゲート電極132間の間隙に存在するn型ドリフト領域124内に絶縁層142が形成されている。
図8に、図7のVIII−VIII線に対応する断面図を示す。
図7と図8に示すように、トレンチゲート電極132間の間隙に存在するn型ドリフト領域124内に、トレンチゲート電極132の近傍を除いて絶縁層142が形成されている。換言すると、コレクタ電極112とエミッタ電極138を結ぶ方向(図7の紙面上下方向)を遮るように、絶縁層142がn型ドリフト領域124内に形成されている。
この半導体装置のオン状態では、n型エミッタ領域128からゲート絶縁膜134の側壁に沿って電子が注入される。この電子は、ゲート絶縁膜134と絶縁層142との間の間隙を通過するために、その流動が妨げられない。チャネル抵抗は増加しない。
一方、p型コレクタ領域122からn型ドリフト領域124内に注入された正孔は、トレンチゲート電極132間の間隙に設けられている絶縁層142の存在によってその流動が妨げられる。このため、絶縁層142直下のn型ドリフト領域124内の正孔濃度が大きくなり伝導度変調が活発化し、オン電圧が低減される。
しかしながら、絶縁層142の存在は、オン状態において正孔の流動を妨げるのみならず、この半導体装置がターンオフしたときにも正孔の流動を妨げ、正孔がエミッタ電極138へ排出されることを妨げてしまう。即ち、n型ドリフト領域124内に蓄積された過剰の正孔が、エミッタ電極138へ排出される経路に絶縁層142が存在するために、正孔が排出されるのに要する時間が長くなり、ひいてはターンオフ損失が増大するという問題がある。
また、この絶縁層142は、特許文献1の段落番号[0082]に記載されているように、降伏電圧を向上させるためにその膜厚を薄く形成するのが好ましいとされている。しかしながら、本発明者らは半導体装置に接続される負荷が短絡した瞬間における半導体装置内の電子密度を詳細に研究したところ、短絡時に半導体装置が破壊されるのを防止するには、特許文献1に記載されている絶縁層142とは異なる形状や位置関係を選択するのが有効であるのを見出した。即ち、通常に動作しているときの降伏電圧を向上させるのではなく、負荷が短絡した瞬間において半導体装置が破壊されるのを抑制するには、それに好適な絶縁層の形状や位置関係が存在することを見出した。負荷が短絡した瞬間に半導体装置が破壊される場合が多く存在し、この点を改善する技術は降伏電圧を向上するのにも増して必要とされることが多くある。
本発明の一つの目的は、負荷が短絡した瞬間に半導体装置が破壊されるのを抑制することができる構造を提供することである。
本発明の他の一つの目的は、負荷が短絡した瞬間に半導体装置が破壊されるのを抑制するとともに、ターンオフ損失を低減することができる構造を提供することである。
本発明の半導体装置は、コレクタ電極を備えている。そのコレクタ電極に第1導電型のコレクタ領域が接している。そのコレクタ領域によってコレクタ電極から隔てられている位置に第2導電型のドリフト領域が形成されている。そのドリフト領域によってコレクタ領域から隔てられている位置に第1導電型のボディ領域が形成されている。そのボディ領域によってドリフト領域から隔てられている位置に第2導電型のエミッタ領域が形成されている。そのエミッタ領域にエミッタ電極が接している。エミッタ領域とドリフト領域を隔てているボディ領域を貫通してドリフト領域内に侵入するとともに、ゲート絶縁膜で被覆されているトレンチゲート電極が形成されている。トレンチゲート電極間の間隙に存在するドリフト領域内の、ゲート絶縁膜から所定距離を隔てた位置に絶縁領域が形成されている。その所定距離は、通常のオン状態において第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲外であるとともに、負荷短絡時において第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲内である。
なお、ここで用いられる「絶縁領域」という用語は、第2導電型キャリアに対して絶縁性である材料であればよく、典型的には酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiN)、あるいは反対極性の第1導電型の半導体領域である。これらは通常の半導体製造プロセスで容易に作成できるので好適である。他にはバンドギャップの大きい半導体領域や空洞(空気)であってもよい。また、これらの組み合わせを採用してもよい。
本発明者らは、半導体装置がオン状態のときのトレンチゲート電極近傍の第2導電型キャリアの密度分布を詳細に研究したところ、通常のオン状態において第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲と、負荷短絡時において第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲に違いが見られることを突き止めた。負荷短絡時の第2導電型キャリアは、より広い範囲に分布して存在していることが判明した。本発明では、この第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲が異なるという現象を利用して、絶縁領域の位置関係を決定する。
より詳細には、通常のオン状態では、エミッタ領域からトレンチゲート電極に対向するボディ領域に形成される反転層を経由してドリフト領域内に第2導電型キャリアが注入される。この第2導電型キャリアは、トレンチゲート電極の電位に引き寄せられるので、トレンチゲート電極のゲート絶縁膜に沿って移動する。トレンチゲート電極が侵入するドリフト領域内においてもゲート絶縁膜の側壁に沿って移動する。そのため、ゲート絶縁膜の底面とのコーナー部まではその側壁に沿って移動し、コーナー部からはドリフト領域内をコレクタ電極へと拡散して移動する。したがって、通常のオン状態での第2導電型キャリアの分布は、トレンチゲート電極に近接した位置に比較的集中して分布している。
一方、負荷が短絡した瞬間には、エミッタ領域から注入される第2導電型キャリアは、ボディ領域内の反転層を経由し、ボディ領域とドリフト領域との界面を通過した後は、ドリフト領域内に広く分布して流れる。これは、負荷短絡時には、コレクタ電極とエミッタ電極間の電位差が電源電圧にほぼ等しくなるために、ドリフト領域内の電位が持ち上がり、その結果、第2導電型キャリアがトレンチゲート電極の電位に抗して、ドリフト領域内に拡散して流動するためと考えられる。このように、通常のオン状態と負荷短絡時では、その第2導電型キャリアの分布に特徴的な違いが見出せる。
本発明の絶縁領域は、オン状態において第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲外であるとともに、負荷短絡時において第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲内に形成することを特徴としている。ここで、「第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲」とは、第2導電型キャリアの最も高い密度値の10%までの範囲をいう。第2導電型キャリアが最も集中する箇所はトレンチゲート電極に沿った領域であり、この領域の密度値から10%までの範囲のことをいう。通常のオン状態の第2導電型キャリアに対しては、絶縁領域がこの範囲外に形成されているので、第2導電型キャリアの流動を妨げることがない。一方、負荷が短絡した瞬間の第2導電型キャリアに対しては、絶縁領域がこの範囲内に形成されているので、第2導電型キャリアの流動を妨げることができる。したがって、負荷が短絡した場合に第2導電型キャリアに対する抵抗値が高くなり、コレクタ電流を低減させることができる。コレクタ電流が低減されることで、半導体装置の破壊が抑制される。なお、通常のオン状態でのオン抵抗は上昇しない。
トレンチゲート電極間の間隙に存在するドリフト領域内に、ゲート絶縁膜から前記所定距離の範囲の他に、絶縁領域が形成されていない範囲が確保されていることが好ましい。換言すると、絶縁領域は、ゲート絶縁膜との間隙の他に、コレクタ電極とエミッタ電極を結ぶ方向を遮断しない部分を備えている。
コレクタ電極とエミッタ電極を結ぶ方向を遮断しない非絶縁部分を備えていることから、この半導体装置がターンオフしたときに、開口している部分を通過して第1導電型キャリアがエミッタ電極へと素早く排出される。ターンオフ損失が低減される。
トレンチゲート電極間の間隙に存在するドリフト領域内に、ゲート絶縁膜から前記所定距離を隔てた位置をゲート絶縁膜に沿って伸びる絶縁領域が一対で形成されていることが好ましい。一対で形成されているために、その間には絶縁領域が形成されていない。
一対で形成される絶縁領域によって、オン抵抗を増大させることなく、負荷短絡時にコレクタ電流を低減させて半導体装置の破壊を抑制することができる。
さらに、ターンオフ時にはドリフト領域内に蓄積されていた第1導電型キャリアが、絶縁領域が設けられていない領域を通過してエミッタ電極へと素早く排出されターンオフ損失が低減される。
本発明によって負荷短絡時に半導体装置が破壊されることを抑制できる作用効果は、バイポーラ動作する半導体装置に限らず、ユニポーラ動作する半導体装置でも得られる。
即ち、本発明の他の一つの半導体装置は、第2導電型のドリフト領域と、ドリフト領域に接する第1導電型のボディ領域と、ボディ領域によってドリフト領域から隔てられている第2導電型の半導体領域と、第2導電型半導体領域とドリフト領域を隔てているボディ領域を貫通してドリフト領域内に侵入するとともに、ゲート絶縁膜で被覆されているトレンチゲート電極と、トレンチゲート電極間の間隙に存在するドリフト領域内の、ゲート絶縁膜から所定距離を隔てた位置に形成されている絶縁領域を備えている。前記所定距離は、通常のオン状態において第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲外であるとともに、負荷短絡時において第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲内であることを特徴としている。
上記の半導体装置は、例えばMOSFETやサイリスタ等に適用することができる。
本発明によれば、負荷が短絡した瞬間に半導体装置が破壊されるのを抑制することができる。また、負荷が短絡した瞬間に半導体装置が破壊されるのを抑制するとともに、ターンオフ損失を低減することができる。なお、負荷が短絡すると保護回路が作動し始めるので、負荷が短絡した瞬間に半導体装置が破壊されるのを防止できれば、その後は保護回路によって半導体装置を保護できる場合が多い。
最初に実施例の主要な特徴を列記する。
(第1実施形態) 絶縁領域の高さL2は、その幅L1よりも大きく形成されている。
(第2実施形態) 絶縁領域はドリフト領域と反対極性の半導体領域で形成されている。
図1に、本実施例の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。
この半導体装置はIGBTであり、裏面側に例えばアルミニウムからなるコレクタ電極12を備えている。そのコレクタ電極12にp型コレクタ領域22が電気的に接続している。そのp型コレクタ領域22によってコレクタ電極12から隔てられている位置にn型ドリフト領域24が形成されている。なお、このp型コレクタ領域22とn型ドリフト領域24の間に不純物濃度が高濃度のn型のバッファ領域(あるいはフィールドストップ領域ともいう)が設けられていてもよい。n型ドリフト領域24によってp型コレクタ領域22から隔てられている位置にp型ボディ領域26が形成されている。p型ボディ領域26によってn型ドリフト領域24から隔てられている位置にn型エミッタ領域28が形成されている。n型エミッタ領域28はp型ボディ領域26の表面部に選択的に形成されている。n型エミッタ領域28は、例えばアルミニウムからなるエミッタ電極38に電気的に接続している。
型エミッタ領域28とn型ドリフト領域24を隔てているp型ボディ領域26を貫通してn型ドリフト領域24内に侵入するとともに、ゲート絶縁膜34で被覆されているトレンチゲート電極32が形成されている。トレンチゲート電極32とエミッタ電極38は、層間絶縁膜36によって電気的に隔てられている。
この半導体装置の特徴は、トレンチゲート電極32間の間隙に存在するn型ドリフト領域24内に、酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁領域42が形成されていることである。
図2に、図1のII−II線に対応する断面図を示す。
図1と図2に示すように、トレンチゲート電極32間の間隙に存在するn型ドリフト領域24内の、ゲート絶縁膜34から所定距離を隔てた位置に一対の絶縁領域42が形成されている。絶縁領域42は、ゲート絶縁膜34から所定距離を隔てた位置に、トレンチゲート電極32の長手方向に沿って伸びて形成されている。絶縁領域42は、トレンチゲート電極32間の間隙に一対で形成されており、その間はコレクタ電極12とエミッタ電極38を結ぶ方向を遮断しない(さえぎらない)。
次に、絶縁領域42が設けられることによって生じる現象を図3を用いて説明する。図3は、この半導体装置のトレンチゲート電極32近傍の拡大断面図であり、図中の矢印線が電子の流れを表している。図3(a)は通常のオン状態であり、図3(b)は半導体装置が接続されている負荷が短絡した瞬間の状態である。
図3(a)に示すように、通常のオン状態では、n型エミッタ領域28からトレンチゲート電極32に対向するp型ボディ領域26内の反転層を経由してn型ドリフト領域24内に電子が注入される。通常のオン状態ではコレクタ電極12とエミッタ電極38間の電位は2〜3V程度であるので、この電子はトレンチゲート電極32の正電位(例えば15V)に引き寄せられ、ゲート絶縁膜34の底面のコーナー部までその側壁に沿って移動する。そして、コーナー部の下方のn型ドリフト領域24内からコレクタ電極12に向けて拡散して移動する。電子はゲート絶縁膜34に沿った領域に最も集中して存在している。絶縁領域42は、この最も集中して存在している電子の密度値を基準として、その値に比して10%以下に電子密度が減少している位置に形成されている。したがって、電子は、絶縁領域42の存在によってその流動が実質的に妨げられることがない。即ち、絶縁領域42は、通常のオン状態において電子が実質的に存在する範囲外に形成されている。これにより、オン抵抗が増大することはない。
一方、負荷が短絡した瞬間には、この半導体装置のコレクタ電極12とエミッタ電極38間に、ほぼ電源電圧に等しい電圧(例えば500Vという高電圧である)が印加される。このため、n型ドリフト領域24内の電位が高いレベルに持ち上げられる。したがって、図3(b)に示すように、n型エミッタ領域28から注入される電子は、n型エミッタ領域28からトレンチゲート電極32に対向するp型ボディ領域26内の反転層を経由する間はゲート絶縁膜34の側壁に沿って移動するが、p型ボディ領域26とn型ドリフト領域24の界面を超えると、持ち上げられたn型ドリフト領域24の電位に引き寄せられn型ドリフト領域24内を拡散して移動する。絶縁領域42は、最も集中して存在している電子の密度値を基準として、その値に比して10%以上の電子が存在する範囲内に形成されている。この場合、絶縁領域42が設けられていると、この絶縁領域42によってその一部の電子の流動が実質的に妨げられる。したがって、負荷が短絡した瞬間には、絶縁領域42が抵抗成分としてコレクタ電流に影響する。即ち、絶縁領域42は、負荷短絡時において電子が実質的に存在する範囲内に形成されている。
図4に、負荷が短絡した場合の本実施例の半導体装置のコレクタ電流の経過時間特性を示す。なお、図中の番号1が本実施例の結果であり、図中の番号7が図7に示す従来構造の結果である。なお、図中の1a、7aの屈曲部において、半導体装置の破壊が生じている。
図4に示すように、本実施例の場合、絶縁領域42の存在によって負荷短絡時のコレクタ電流の値が従来構造に比して小さくなっている。これにより、本実施例の半導体装置が破壊されるまでに要する時間は、従来構造の半導体装置に比して優位に増加していることが分かる。一般的に、この種の半導体装置が組み込まれている回路には、負荷が短絡した場合の保護回路が設けられているが、負荷が短絡してからその保護回路が動作するまでにおよそ10μsecの時間が必要だとされている。本実施例のように、コレクタ電流値を減少させ、半導体装置が破壊されるまでに要する時間を長くすることで、保護回路が動作するまでの間に半導体装置が破壊されるという事態を回避することができる。即ち、半導体装置が破壊されることが抑制されるのである。
さらに、本実施例の半導体装置では、トレンチゲート電極32間の間隙に存在するn型ドリフト領域24に、コレクタ電極12とエミッタ電極38を結ぶ方向(図1の紙面上下方向)を遮断しない(さえぎらない)ように、絶縁領域42が形成されていない範囲が確保されている。したがって、半導体装置がターンオフしたときは、n型ドリフト領域24内に蓄積されていた正孔がその開口している領域を通過してエミッタ電極38へ素早く排出されるために、ターンオフ損失が低減される。
上記したように、本実施例では、絶縁領域42とトレンチゲート電極32のゲート絶縁膜34との位置関係が、半導体装置の特性に大きく影響することが分かる。この点に関して、図5を用いて詳細に説明する。図5は、この半導体装置のトレンチゲート電極32近傍の拡大断面図である。なお、半導体装置に所望されるオン電圧や耐圧等に応じて、各領域の構造パラメータ(例えば、n型ドリフト領域24の不純物の濃度や、p型ボディ領域26の厚みやトレンチゲート電極32の幅や高さやピッチ幅等である)はさまざまに設定されるため、この絶縁領域42の形状や位置関係に基づいて半導体装置の特性がどのように変動するかは一概に決まらない。本実施例はその一例であることに留意されたい。
絶縁領域42の幅L1を大きくすると、オン状態において正孔を蓄積させる効果が向上するので、オン抵抗を低減することができる。ターンオフしたときに正孔が素早く排出される範囲内で、この幅L1を大きくするのが好ましい。
絶縁領域42の膜厚L2を大きくすると、負荷短絡時の電子の流動を妨げる効果が向上するため好適である。なお、この絶縁領域42は、ゲート絶縁膜34の底面とのコーナー部よりも下方に伸びて形成されていても構わない。
ゲート絶縁膜34との距離L3は、負荷短絡時に半導体装置が破壊されるまでに要する時間と密接に関わっている。この距離が離れすぎると、負荷短絡時の電子の分布する範囲外に存在することになり、負荷短絡時に電子の流動を妨げることができない。したがって、半導体装置が破壊されるまでの時間を長期化することができない。また、この距離が短すぎると、負荷短絡時の電子がこの絶縁領域42の外側(ゲート絶縁膜34に対して反対側)を迂回するように流動するため、やはり電子の流動を妨げることができない。したがって、半導体装置が破壊されるまでの時間を長期化することができない。また、この距離が短すぎると、通常のオン状態の電子の流動を妨げてしまうため、オン抵抗を増大させる要因になり好ましくない。
したがって、この距離L3に関しては、半導体装置の特性を最も向上させる距離が存在する。なお、上記したように、その最適な距離L3は、それぞれの半導体装置によってさまざまであり得る。したがって、それぞれの半導体装置において、最も好適な距離L3を検討し、その結果に基づいて絶縁領域34を形成するのが好ましい。
図6に、本実施例の変形例を示す。これは、図2の断面図に対応しており、絶縁領域42の平面パターンを示している。
図6(a)は、トレンチゲート電極32の長手方向に沿って伸びている絶縁領域42の一部が離間している例である。絶縁領域42によって、負荷短絡時に一部の電子の流動を妨げることができる。ターンオフしたときに、n型ドリフト領域24内に蓄積されていた正孔を素早く排出することができる。
図6(b)は、トレンチゲート電極32間の間隙に存在するn型ドリフト領域24内に、絶縁領域42が分散配置されている例である。比較的広い範囲に亘って絶縁領域42が形成されている。この場合も、ゲート絶縁膜42からは所定距離を隔てられた位置に絶縁領域42が形成されているとともに、コレクタ電極12とエミッタ電極38を結ぶ方向を遮断しないように、絶縁領域42が形成されていない範囲が確保されている。したがって、負荷短絡時に一部の電子の流動を妨げるとともに、ターンオフしたときに、n型ドリフト領域24内に蓄積されていた正孔を、開口部を介して素早く排出することができる。なお、この例では、比較的広い範囲に亘って形成されている絶縁領域42によって、オン状態において正孔を蓄積する効果が向上しておりオン電圧が低減される。オン電圧の低減とターンオフ損失との特性を、開口部の位置や面積によって容易に調整することができる。
図6(c)は、トレンチゲート電極32間の間隙に存在するn型ドリフト領域24内を覆うように形成されている絶縁領域42の一部に開口部が形成されている例である。この場合も、ゲート絶縁膜34からは所定の距離を隔てられた位置に絶縁領域42が形成されているとともに、コレクタ電極12とエミッタ電極38を結ぶ方向を遮断しないように、絶縁領域42が形成されていない開口部が確保されている。したがって、負荷短絡時に一部の電子の流動を妨げるとともに、ターンオフしたときにn型ドリフト領域24内に蓄積されていた正孔を、開口部を介して素早く排出することができる。オン電圧の低減とターンオフ損失との特性を、開口部の位置や面積によって容易に調整することができる。
この他に、絶縁領域42が半導体装置の膜厚方向に複数形成されている場合や、絶縁領域42が非対称に形成されていてもよい。
また、本実施例の絶縁領域42は、例えば導電型がp型の半導体領域で形成されていてもよい。図7に示す従来構造の絶縁層142は、正孔を蓄積させる目的からp型の半導体領域で形成されない。本実施例では、負荷短絡時に電子の流動を妨げることができるp型の半導体領域であってもよい。この点において、従来技術と本実施例の技術は別異の技術と言える。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
実施例の半導体装置の要部断面図を示す。 実施例の半導体装置に設けられている絶縁領域の平面パターンを示す。 実施例の半導体装置のオン状態と負荷短絡時の電子の流れを示す。 負荷短絡時のコレクタ電流の経過時間特性を示す。 実施例の半導体装置のトレンチゲート電極近傍の拡大断面図を示す。 実施例の変形例に設けられている絶縁領域の平面パターンを示す。 従来の半導体装置の要部断面図を示す。 従来の半導体装置に設けられている絶縁領域の平面パターンを示す。
符号の説明
12:コレクタ電極
22:p型コレクタ領域
24:n型ドリフト領域
26:p型ボディ領域
28:n型エミッタ領域
32:トレンチゲート電極
34:ゲート絶縁膜
36:層間絶縁層
38:エミッタ電極
42:絶縁領域

Claims (4)

  1. コレクタ電極と、
    コレクタ電極に接する第1導電型のコレクタ領域と、
    コレクタ領域によってコレクタ電極から隔てられている第2導電型のドリフト領域と、
    ドリフト領域によってコレクタ領域から隔てられている第1導電型のボディ領域と、
    ボディ領域によってドリフト領域から隔てられている第2導電型のエミッタ領域と、
    エミッタ領域に接するエミッタ電極と、
    エミッタ領域とドリフト領域を隔てているボディ領域を貫通してドリフト領域内に侵入するとともに、ゲート絶縁膜で被覆されているトレンチゲート電極と、
    トレンチゲート電極間の間隙に存在するドリフト領域内の、ゲート絶縁膜から所定距離を隔てた位置に形成されている絶縁領域を備え、
    前記所定距離は、通常のオン状態において第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲外であるとともに、負荷短絡時において第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲内であることを特徴とする半導体装置。
  2. トレンチゲート電極間の間隙に存在するドリフト領域内に、ゲート絶縁膜から前記所定距離の範囲の他に、絶縁領域が形成されていない範囲が確保されていることを特徴とする請求項1の半導体装置。
  3. トレンチゲート電極間の間隙に存在するドリフト領域内に、ゲート絶縁膜から前記所定距離を隔てた位置をゲート絶縁膜に沿って伸びる前記絶縁領域が一対で形成されていることを特徴とする請求項1又は2の半導体装置。
  4. 第2導電型のドリフト領域と、
    ドリフト領域に接する第1導電型のボディ領域と、
    ボディ領域によってドリフト領域から隔てられている第2導電型の半導体領域と、
    第2導電型半導体領域とドリフト領域を隔てているボディ領域を貫通してドリフト領域内に侵入するとともに、ゲート絶縁膜で被覆されているトレンチゲート電極と、
    トレンチゲート電極間の間隙に存在するドリフト領域内の、ゲート絶縁膜から所定距離を隔てた位置に形成されている絶縁領域を備え、
    前記所定距離は、通常のオン状態において第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲外であるとともに、負荷短絡時において第2導電型キャリアが実質的に存在する範囲内であることを特徴とする半導体装置。
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