JP2006016992A - 流体機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】 滑り軸受を備える流体機械において、滑り軸受と軸の摺動面に形成した被膜によって流体機械の信頼性を確実に向上させる。
【解決手段】 スクロール型圧縮機(1)では、フレーム(24)に設けられた軸受メタル(61)が駆動軸(50)の大径部分(53)と、下部軸受部材(40)に設けられた軸受メタル(63)が駆動軸(50)の小径部分(54)と、可動スクロール(26)に設けられた軸受メタル(62)が駆動軸(50)の偏心部(55)とそれぞれ摺動する。各軸受メタル(61,62,63)の内周面には、樹脂被膜が形成されている。この樹脂被膜は、PTFEとポリイミド樹脂とを主成分としている。
【選択図】 図1
【解決手段】 スクロール型圧縮機(1)では、フレーム(24)に設けられた軸受メタル(61)が駆動軸(50)の大径部分(53)と、下部軸受部材(40)に設けられた軸受メタル(63)が駆動軸(50)の小径部分(54)と、可動スクロール(26)に設けられた軸受メタル(62)が駆動軸(50)の偏心部(55)とそれぞれ摺動する。各軸受メタル(61,62,63)の内周面には、樹脂被膜が形成されている。この樹脂被膜は、PTFEとポリイミド樹脂とを主成分としている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、圧縮機や膨張機などの流体機械に関するものである。
従来より、潤滑状態を改善するための被膜を滑り軸受に形成した流体機械が知られている。例えば、特許文献1に開示されたスクロール圧縮機では、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂とグラファイトの混合物からなる被膜が滑り軸受に形成されている。そして、グラファイトの自己潤滑性を利用して滑り軸受の潤滑状態を改善すると共に、ポリイミド樹脂等の耐熱性の高い樹脂を用いることで熱による被膜の劣化等を抑制している。
特許第2512150号公報
ところが、グラファイトは比較的硬い物質である。このため、グラファイトを含む被膜を軸受に形成する場合は、軸を比較的硬い材料で形成したり、軸の表面粗度を高めておかないと、却って軸の摩耗を早めてしまうおそれがある。また、軸と軸受の間には、微細な異物が侵入する場合もある。このような場合において、グラファイトを含む比較的硬い被膜が軸受に形成されていると、侵入した異物が被膜に埋没せずに軸と接触することとなって軸の損傷を招くおそれがある。このように、従来のグラファイトを含む被膜が形成された流体機械では、その信頼性を充分に向上させることができないおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軸と軸受の摺動面に形成した被膜によって流体機械の信頼性を確実に向上させることにある。
第1の発明は、構成部材の回転運動に伴って容積が変化する流体室(27)を有する本体部(15)と、該本体部(15)に係合する回転軸(50)とを備える流体機械を対象としている。そして、上記回転軸(50)に摺接する滑り軸受と、該回転軸(50)のうち該滑り軸受と摺接する部分との一方又は両方には、フッ素樹脂とポリイミド樹脂とを主成分とする樹脂被膜(70)が形成されるものである。
第2の発明は、上記第1の発明において、樹脂被膜(70)は、その硬度がロックウェル硬さMスケールで70以上120以下となっているものである。
第3の発明は、上記第1の発明において、樹脂被膜(70)では、ポリイミド樹脂の質量割合がフッ素樹脂の質量割合よりも大きくなっているものである。
第4の発明は、上記第1,第2又は第3の発明において、固定スクロール(22)及び可動スクロール(26)が本体部(15)に設けられて構成部材としての該可動スクロール(26)に回転軸(50)が係合するスクロール型流体機械に構成される一方、回転軸(50)と可動スクロール(26)の係合部分に設けられた滑り軸受に樹脂被膜(70)が形成されるものである。
−作用−
上記第1の発明では、流体機械に本体部(15)が設けられる。本体部(15)において、回転軸(50)に係合する構成部材が回転すると、それに伴って流体室(27)の容積が変化する。本体部(15)では、流体室(27)内で流体が圧縮され、あるいは流体室(27)内で流体が膨張する。流体機械には、滑り軸受が設けられている。この滑り軸受は、回転軸(50)と摺接する。流体機械では、滑り軸受と回転軸(50)の摺接面の一方又は両方に樹脂被膜(70)が形成される。この樹脂被膜(70)は、極めて摩擦係数の低いPTFE(ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン樹脂)などのフッ素樹脂と、硬度や耐熱性の高いポリイミド樹脂とを主成分としている。
上記第1の発明では、流体機械に本体部(15)が設けられる。本体部(15)において、回転軸(50)に係合する構成部材が回転すると、それに伴って流体室(27)の容積が変化する。本体部(15)では、流体室(27)内で流体が圧縮され、あるいは流体室(27)内で流体が膨張する。流体機械には、滑り軸受が設けられている。この滑り軸受は、回転軸(50)と摺接する。流体機械では、滑り軸受と回転軸(50)の摺接面の一方又は両方に樹脂被膜(70)が形成される。この樹脂被膜(70)は、極めて摩擦係数の低いPTFE(ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン樹脂)などのフッ素樹脂と、硬度や耐熱性の高いポリイミド樹脂とを主成分としている。
上記第2の発明では、所定範囲の硬度を有する樹脂被膜(70)が、滑り軸受と回転軸(50)の摺接面の一方又は両方に形成される。
上記第3の発明では、ポリイミド樹脂の質量割合がフッ素樹脂の質量割合よりも大きい樹脂被膜(70)を、滑り軸受と回転軸(50)の摺接面の一方又は両方に形成している。高い硬度を有するポリイミド樹脂を比較的多く含むことから、樹脂被膜(70)の硬度も比較的高くなっており、樹脂被膜(70)の摩耗が抑制される。
上記第4の発明では、上記第1〜第3の発明の流体機械がスクロール型流体機械に構成され、その本体部(15)に固定スクロール(22)と可動スクロール(26)とが設けられる。この本体部(15)では、可動スクロール(26)が回転軸(50)と係合し、可動スクロール(26)の回転運動に伴って流体室(27)の容積が変化する。また、この発明の流体機械では、回転軸(50)と可動スクロール(26)の係合部分に設けられた滑り軸受に樹脂被膜(70)が形成される。つまり、互いに摺動する摺動面のうち滑り軸受側の摺動面に樹脂被膜(70)が形成される。
本発明では、フッ素樹脂を含む樹脂被膜(70)を、滑り軸受と回転軸(50)の摺接面の一方又は両方に形成している。つまり、本発明では、グラファイトに比べて硬度が低くて回転軸(50)や軸受の摩耗を促進するおそれの無いフッ素樹脂を利用して、回転軸(50)と滑り軸受の潤滑状態を改善している。このため、グラファイトを用いる場合のような回転軸(50)の材質に対する特別の配慮は必要なく、一般的な材質の回転軸(50)を採用しながら樹脂被膜(70)によって潤滑状態を改善することができる。また、フッ素樹脂は比較的柔らかいため、回転軸(50)と滑り軸受の間に異物が侵入した場合でも、この異物がフッ素樹脂に埋没することによって回転軸(50)や滑り軸受と異物との接触を回避することも可能である。従って、本発明によれば、滑り軸受と回転軸(50)の摺接面にフッ素樹脂を含む樹脂被膜(70)を形成することによって、流体機械の信頼性を確実に向上させることが可能となる。
上記第4の発明のスクロール流体機械では、可動スクロール(26)と回転軸(50)の係合部分に設けられた滑り軸受に樹脂被膜(70)を形成している。ここで、回転軸(50)のうち可動スクロール(26)と係合する部分には、常に一定の方向へ荷重が作用する。このため、回転軸(50)側の摺動面に樹脂被膜(70)を形成すると、その一部分だけに荷重が集中的に作用することとなり、その部分における樹脂被膜(70)の摩耗が進行して流体機械の信頼性を損なうおそれがある。これに対し、この発明では、回転軸(50)側ではなく滑り軸受側の摺動面に樹脂被膜(70)を形成している。このため、樹脂被膜(70)の一部で摩耗が過度に進行するのを回避でき、流体機械の信頼性を長期間に亘って確保することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態のスクロール型圧縮機(1)は、スクロール型流体機械である。このスクロール型圧縮機(1)は、冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続されて冷媒ガスを圧縮する。
図1に示すように、このスクロール型圧縮機(1)は、密閉ドーム型の圧力容器により構成されたケーシング(10)を備えている。このケーシング(10)の内部には、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構(15)と、この圧縮機構(15)を駆動する圧縮機モータ(16)とが収容されている。また、ケーシング(10)の内部には、圧縮機構(15)と圧縮機モータ(16)を連結する駆動軸(50)と、この駆動軸(50)を支持する下部軸受部材(40)とが収容されている。ケーシング(10)内において、圧縮機構(15)は圧縮機モータ(16)の上方に、下部軸受部材(40)は圧縮機モータ(16)の下方にそれぞれ配置されている。
上記ケーシング(10)には、冷媒回路の冷媒を圧縮機構(15)へ導入するための吸入管(19)と、ケーシング(10)内の冷媒をケーシング(10)外に導出するための吐出管(20)とが取り付けられている。
上記駆動軸(50)は、その軸方向がほぼ鉛直方向となる姿勢で配置されている。この駆動軸(50)には、主軸部(51)と偏心部(55)とが形成されている。主軸部(51)は、その上下方向の中央付近に位置する中央部分(52)が圧縮機モータ(16)に取り付けられている。主軸部(51)では、その中央部分(52)よりも大径の大径部分(53)が上端側に、その中央部分(52)よりも小径の小径部分(54)が下端側にそれぞれ形成されている。偏心部(55)は、主軸部(51)の上端面に連続して形成された円柱状の部分である。偏心部(55)の軸心は、主軸部(51)の軸心に対してオフセットされている。駆動軸(50)では、大径部分(53)の直下にバランスウェイト(56)が設けられている。
上記圧縮機構(15)は、固定スクロール(22)と、フレーム(24)と、可動スクロール(26)とを備え、本体部を構成している。フレーム(24)は、その外周面が全周に亘ってケーシング(10)の内周面と密着している。ケーシング(10)の内部空間は、フレーム(24)の下方の高圧空間(28)と、フレーム(24)の上方の低圧空間(29)とに区画されている。
上記フレーム(24)は、その中央部が下方へ膨出しており、その部分が軸受部(32)を構成している。軸受部(32)の中央部にはフレーム(24)を上下に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に円筒状の軸受メタル(61)が挿入されている。この軸受メタル(61)には、駆動軸(50)が挿通されている。具体的には、駆動軸(50)における主軸部(51)の大径部分(53)が軸受メタル(61)に挿通されている。そして、この軸受メタル(61)が設けられたフレーム(24)の軸受部(32)は、大径部分(53)と摺動して駆動軸(50)を支持する滑り軸受を構成している。また、フレーム(24)の上面側には、凹状に窪んだフレーム凹部(30)と、このフレーム凹部(30)よりも更に一段窪んだ中央凹部(31)とが形成されている。
上記固定スクロール(22)及び可動スクロール(26)は、それぞれ、鏡板(22a,26a)と渦巻き状のラップ(22b,26b)とを備えている。固定スクロール(22)では、鏡板(22a)の下面にラップ(22b)が突設されている。可動スクロール(26)では、鏡板(26a)の上面にラップ(26b)が突設されている。固定スクロール(22)のラップ(22b)と可動スクロール(26)のラップ(26b)は、互いに噛み合わされている。そして、圧縮機構(15)では、固定スクロール(22)と可動スクロール(26)によって圧縮室(27)が形成される。この圧縮室(27)は、流体室を構成している。
上記可動スクロール(26)は、オルダムリング(38)を介してフレーム(24)上に載置されている。オルダムリング(38)は、可動スクロール(26)の自転防止機構を構成している。また、可動スクロール(26)では、鏡板(26a)の下面に円筒状の軸受部(34)が突設されている。この軸受部(34)には、円筒状の軸受メタル(62)が挿入されている。軸受部(34)に設けられた軸受メタル(62)には、駆動軸(50)の偏心部(55)が挿入されている。そして、可動スクロール(26)の軸受部(34)は、偏心部(55)と摺動する滑り軸受を構成している。
上記下部軸受部材(40)は、厚肉の円筒状に形成された筒状部(41)と、該筒状部(41)の外周面から放射状に延びる複数の脚部(42)とを備えている。この下部軸受部材(40)は、各脚部(42)の突端面がケーシング(10)の内周面と密着することによってケーシング(10)に固定されている。下部軸受部材(40)の筒状部(41)では、その上部に軸受メタル(63)が同軸に設けられている。この軸受メタル(63)には、駆動軸(50)における主軸部(51)の小径部分(54)が挿通されている。そして、この軸受メタル(63)が設けられた下部軸受部材(40)の筒状部(41)は、主軸部(51)の小径部分(54)と摺動して駆動軸(50)を支持する滑り軸受を構成している。
上記駆動軸(50)の下端部には、給油ポンプ(49)が設けられている。また、駆動軸(50)には、図示しないが、その下端から上端に亘って給油通路が形成されている。駆動軸(50)の回転中には、給油ポンプ(49)がケーシング(10)の底部に貯留された冷凍機油を吸入する。給油ポンプ(49)により吸い上げられた冷凍機油は、駆動軸(50)内の給油通路を流通し、各軸受メタル(61,62,63)と駆動軸(50)の摺動部分などへ供給される。
上述のように、本実施形態のスクロール型圧縮機(1)には、滑り軸受の構成部品としての軸受メタル(61,62,63)が3つ設けられている。フレーム(24)に圧入された軸受メタル(61)は、その内径が駆動軸(50)の大径部分(53)の外径に対応した値となっている。可動スクロール(26)の軸受部(34)に圧入された軸受メタル(62)は、その内径が駆動軸(50)の偏心部(55)の外径に対応した値となっている。下部軸受部材(40)の筒状部(41)に圧入された軸受メタル(63)は、その内径が駆動軸(50)の小径部分(54)の外径に対応した値となっている。
図2に示すように、各軸受メタル(61,62,63)の内周面には、樹脂被膜(70)が形成されている。この樹脂被膜(70)は、フッ素樹脂であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン樹脂)と、いわゆるエンジニアリングプラスチックの一種であるポリイミド樹脂とを主成分としている。樹脂被膜(70)では、ポリイミド樹脂の質量割合がPTFEの質量割合よりも大きくなっている。また、樹脂被膜(70)の硬度は、ロックウェル硬さMスケール(略称:HRM)で70以上120以下となっている。尚、プラスチックのロックウェル硬さ試験方法については、「JIS K 7202」に規定されている。
上記樹脂被膜(70)は、PTFEとポリイミド樹脂を主成分とする樹脂材料を軸受メタル(61,62,63)に塗布する工程と、樹脂材料の塗布された軸受メタル(61,62,63)を200℃〜300℃程度にまで加熱して焼成する工程と、樹脂被膜(70)の表面を研磨する工程とを経て、軸受メタル(61,62,63)の内周面に形成される。尚、軸受メタル(61,62,63)は、最初から円筒状に成形されたものであってもよいし、平板状に成形されたものに曲げ加工を施して円筒状としたものであってもよい。
本実施形態のスクロール型圧縮機(1)において、圧縮機モータ(16)で発生した駆動力は、駆動軸(50)によって可動スクロール(26)へ伝達される。圧縮機構(15)では、可動スクロール(26)の運転に伴って圧縮室(27)の容積が変化し、吸入管(19)を通って圧縮室(27)へ吸入された冷媒ガスが圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、図外の吐出通路を通って高圧空間(28)へ流入し、その後に吐出管(20)を通ってケーシング(10)の外部へ送り出される。
−実施形態の効果−
本実施形態のスクロール型圧縮機(1)では、駆動軸(50)との摺動面を構成する軸受メタル(61,62,63)の内周面に、フッ素樹脂であるPTFEとポリイミド樹脂とを主成分とする樹脂被膜(70)を形成している。
本実施形態のスクロール型圧縮機(1)では、駆動軸(50)との摺動面を構成する軸受メタル(61,62,63)の内周面に、フッ素樹脂であるPTFEとポリイミド樹脂とを主成分とする樹脂被膜(70)を形成している。
つまり、本実施形態では、グラファイトに比べて硬度が低くて軸や軸受の摩耗を促進するおそれの無いPTFEを利用して、駆動軸(50)と軸受メタル(61,62,63)の潤滑状態を改善している。このため、グラファイトを用いる場合のような特別に硬い材料で駆動軸(50)を形成する必要がなく、一般的な材質の駆動軸(50)を採用しながら樹脂被膜(70)によって潤滑状態を改善することができる。
また、PTFEは比較的柔らかいため、駆動軸(50)と軸受メタル(61,62,63)の間に異物が侵入した場合でも、この異物がPTFEに埋没することによって駆動軸(50)と異物の接触を回避することも可能である。従って、本実施形態によれば、駆動軸(50)と摺動する軸受メタル(61,62,63)の内周面にPTFEを含む樹脂被膜(70)を形成することによって、スクロール型圧縮機(1)の信頼性を確実に向上させることが可能となる。
ここで、可動スクロール(26)と係合する駆動軸(50)の偏心部(55)には、この偏心部(55)に固定した座標上において一定方向へ荷重が作用する。このため、仮に偏心部(55)の外周面だけに樹脂被膜(70)を形成すると、この荷重が作用する部分の樹脂被膜(70)だけが摩耗してしまい、樹脂被膜(70)の形成による潤滑状態の改善が不充分となるおそれがある。これに対し、本実施形態のスクロール型圧縮機(1)では、偏心部(55)の外周面ではなく、この偏心部(55)と摺動する軸受メタル(62)の内周面に樹脂被膜(70)を形成している。このため、樹脂被膜(70)の一部で摩耗が過度に進行するのを回避でき、スクロール型圧縮機(1)の信頼性を長期間に亘って確保することができる。
−実施形態の変形例−
本実施形態では、軸受メタル(61,62,63)の内周面だけに樹脂被膜(70)を形成しているが、軸受メタル(61,62,63)の内周面と、駆動軸(50)の外周面のうち軸受メタル(61,62,63)と摺動する部分との両方に樹脂被膜(70)を形成してもよい。
本実施形態では、軸受メタル(61,62,63)の内周面だけに樹脂被膜(70)を形成しているが、軸受メタル(61,62,63)の内周面と、駆動軸(50)の外周面のうち軸受メタル(61,62,63)と摺動する部分との両方に樹脂被膜(70)を形成してもよい。
本発明の適用対象は、スクロール型圧縮機(1)に限定されるものではない。つまり、本発明は、スクロール型圧縮機だけでなく、スクロール型膨張機にも適用可能である。また、本発明は、スクロール型流体機械だけでなく、他の形式の流体機械、例えばローリングピストン型のロータリ式流体機械や、揺動ピストン型のロータリ式流体機械に適用してもよい。
軸に作用する荷重の方向が軸に固定した座標上で変化する場合には、軸受メタルではなく、軸受メタルと摺動する軸の外周面だけに樹脂被膜(70)を形成してもよい。
上記実施形態では、軸受メタル(61,62,63)を省略してもよい。例えば、駆動軸(50)の大径部分(53)と摺接する軸受メタル(61)を省略する場合には、フレーム(24)の軸受部(32)が駆動軸(50)の大径部分(53)と直接に摺接することとなる。そこで、この場合には、軸受部(32)における大径部分(53)との摺動面に樹脂被膜(70)を形成する。また、駆動軸(50)の偏心部(55)と摺接する軸受メタル(62)を省略する場合には、可動スクロール(26)の軸受部(34)が駆動軸(50)の偏心部(55)と直接に摺接することとなる。そこで、この場合には、軸受部(34)における偏心部(55)との摺動面に樹脂被膜(70)を形成する。また、駆動軸(50)の小径部分(54)と摺接する軸受メタル(63)を省略する場合には、下部軸受部材(40)の筒状部(41)が駆動軸(50)の小径部分(54)と直接に摺接することとなる。そこで、この場合には、筒状部(41)における小径部分(54)との摺動面に樹脂被膜(70)を形成する。
以上説明したように、本発明は、滑り軸受を備える流体機械について有用である。
(15) 圧縮機構(本体部)
(27) 圧縮室(流体室)
(50) 駆動軸(回転軸)
(61) 軸受メタル
(62) 軸受メタル
(63) 軸受メタル
(70) 樹脂被膜
(27) 圧縮室(流体室)
(50) 駆動軸(回転軸)
(61) 軸受メタル
(62) 軸受メタル
(63) 軸受メタル
(70) 樹脂被膜
Claims (4)
- 構成部材の回転運動に伴って容積が変化する流体室(27)を有する本体部(15)と、該本体部(15)に係合する回転軸(50)とを備える流体機械であって、
上記回転軸(50)に摺接する滑り軸受と、該回転軸(50)のうち該滑り軸受と摺接する部分との一方又は両方には、フッ素樹脂とポリイミド樹脂とを主成分とする樹脂被膜(70)が形成されている流体機械。 - 請求項1に記載の流体機械において、
樹脂被膜(70)は、その硬度がロックウェル硬さMスケールで70以上120以下となっている流体機械。 - 請求項1に記載の流体機械において、
樹脂被膜(70)では、ポリイミド樹脂の質量割合がフッ素樹脂の質量割合よりも大きくなっている流体機械。 - 請求項1,2又は3に記載の流体機械において、
固定スクロール(22)及び可動スクロール(26)が本体部(15)に設けられて構成部材としての該可動スクロール(26)に回転軸(50)が係合するスクロール型流体機械に構成される一方、
回転軸(50)と可動スクロール(26)の係合部分に設けられた滑り軸受に樹脂被膜(70)が形成されている流体機械。
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2004
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