JP2006015860A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドウォール部に補強ゴム層が配されたランフラットタイヤにおいて、ランフラット走行時の耐リム外れ性に優れたランフラットタイヤを提供すること。
【解決手段】環状のビード1aを有する一対のビード部1と、ビード部1から各々タイヤ外周側へ延びるサイドウォール部2と、サイドウォール部2に配され、タイヤ子午線断面が略三日月状をなす補強ゴム層9とを備えるランフラットタイヤにおいて、少なくとも一方のビード部1よりタイヤ幅方向外側に膨出し、リムフランジ8aの外周側湾曲面に沿った内周面を有する環状膨出部13と、少なくとも環状膨出部13が形成された側のサイドウォール部2に設けられ、ランフラット走行での車両旋回時に接地可能な隆起部15とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、サイドウォール部に補強ゴム層が配されたランフラットタイヤに関する。
ランフラットタイヤとは、パンク等の障害によりタイヤ内部の空気圧が低下した場合であっても、ある程度の距離を安全に走行することができるタイヤを言う。このようなランフラット走行を可能にするためのタイヤ構造の1つとして、サイドウォール部に補強ゴム層を備えた、いわゆるサイド補強タイプのランフラットタイヤが知られている。係るランフラットタイヤによれば、タイヤ内部の空気圧が低下した状態において、補強ゴム層がタイヤを支持して完全に偏平化することを防止し、ランフラット走行が可能となる。ところが、タイヤ内部の空気圧が低下した状態では、ビード部のリムへの押圧が弱まっているため、リムとの嵌合力が低下し、ビード部がリムから外れ易くなるという問題があった。
このリム外れの問題を解決するものとして、例えば、ビード部のタイヤ幅方向外側に環状膨出部が形成されたタイヤや、その環状膨出部に環状のビードを設けたランフラットタイヤが提案されている(下記特許文献1〜4参照)。かかる構造によれば、走行時に環状膨出部がリムフランジを抱持することにより、リム外れを抑制することができる。しかしながら、かかる構造は、車両旋回時における耐リム外れ性が十分ではないことがわかった。即ち、図6(a)に示すようにランフラット状態からR方向に旋回すると、遠心力により車両が図6(b)に示すような横力Fを受けるため、その車両の外側に位置するビード部1oが、リム8のハンプを越えて内側に外れ易くなるという問題があった。特に、ランフラット走行では、コーナリングフォースが極端に低下するため、正常空気圧での走行時よりも操舵角を大きく(ハンドルを切る量を大きく)する必要があり、それに伴ってスリップ角が増大してリム外れがより発生し易い傾向にあった。
実開昭52−19803号公報 特開2000−6621号公報 特開昭51−116507号公報 特開昭53−138106号公報
そこで、本発明の目的は、サイドウォール部に補強ゴム層が配されたランフラットタイヤにおいて、ランフラット走行時の耐リム外れ性に優れたランフラットタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明のランフラットタイヤは、環状の第1ビードを有する一対のビード部と、そのビード部から各々タイヤ外周側へ延びるサイドウォール部と、前記サイドウォール部に配され、タイヤ子午線断面が略三日月状をなす補強ゴム層と、を備えるランフラットタイヤにおいて、少なくとも一方の前記ビード部よりタイヤ幅方向外側に膨出し、リムフランジの外周側湾曲面に沿った内周面を有する環状膨出部と、少なくとも前記環状膨出部が形成された側の前記サイドウォール部に設けられ、ランフラット走行での車両旋回時に接地可能な隆起部とを備えることを特徴とする。
本発明のランフラットタイヤによると、ランフラット走行時において、環状膨出部がリムフランジを抱持してリムとの装着安定性を高めつつ、車両旋回時にサイドウォール部に設けられた隆起部が接地することにより、接地面積を増加することができる。これにより、車両旋回時のコーナリングパワー(コーナリングフォース)を増大することができ、スリップ角を抑制することができる。その結果、ランフラット走行において、車両旋回時の操舵角が比較的小さくて済み、耐リム外れ性を効果的に向上することができる。なお、ランフラット走行とは、パンク等に起因して、タイヤ内部の空気圧が0kPa又はそれに近い程度まで低下した状態(ランフラット状態)での走行を言う。
上記において、前記環状膨出部に配された環状の第2ビードと、前記補強ゴム層に沿って延び、前記第1ビードにてタイヤ幅方向外側に巻き上げられつつ、前記第2ビードをタイヤ外周側から巻くように配設されたカーカスプライとを備えるものが好ましい。
環状膨出部を備えるランフラットタイヤでは、ランフラット走行時のタイヤ転動の際、環状膨出部をタイヤ径方向内側に変位させる捻りモーメントが発生する。そこで、上記構成によれば、環状膨出部に作用する上記捻りモーメントにより、第2ビードがタイヤ径方向内側に変位するとともに、第2ビードに巻き付けられたカーカスプライをタイヤ幅方向外側に引っ張る方向に張力が発生する。その結果、第1ビードがリム側に押し付けられ、リムとの嵌合力を高めることができる。しかも、上述のようにスリップ角が抑制されるため、より効果的に耐リム外れ性を向上することができる。
上記において、前記隆起部は、タイヤ周方向に沿って環状に形成されつつ、タイヤ子午線断面において、前記隆起部の外周側端高さaとタイヤ断面高さhとの比率(a/h)が0.55〜0.75であるとともに、前記隆起部の頂点の高さpとタイヤ断面高さhとの比率(p/h)が0.51〜0.61であり、更に、隆起部の頂点からタイヤ赤道線までのタイヤ幅方向距離Wとトレッド幅TWの半分の距離との比率(2W/TW)が1.18〜1.26であるものが好ましい。
環状膨出部を備えるランフラットタイヤに上記比率を有する断面形状の隆起部が設けられることにより、ランフラット走行での車両旋回時に隆起部が接地し易くなり、上述のスリップ角の抑制効果を効果的に奏することができる。ここで、上記の高さaおよび高さpは、それぞれ規定リム装着時におけるノミナル径を基準としたタイヤ径方向高さとする。なお、規定リム装着時とは、タイヤサイズに対応してJATMAで決められた標準となるリムに、空気圧180kPaで装着した状態を指し、ノミナル径とは、リムおよびタイヤのサイズに応じて決められたリムの呼び径を言う。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るランフラットタイヤの一例を示す半断面図である。本発明のランフラットタイヤは、一対の環状のビード部1と、ビード部1から各々タイヤ外周側へ延びるサイドウォール部2と、サイドウォール部2の各々の外周側端同士をショルダ部3を介して連ねるトレッド部4とを備える。カーカス層5は、例えばポリエステルコードをタイヤ赤道線Cに対して略90°の角度で配列したカーカスプライ6からなり、一対のビード部1の間に架け渡されるように配されている。
サイドウォール部2のカーカス層5の内側には、タイヤ子午線断面が略三日月状をなす補強ゴム層9が配されている。これにより、タイヤ内部の空気圧が低下した際、タイヤの撓み変形が抑制され、ランフラット走行が可能となる。なお、本発明のランフラットタイヤが備える補強ゴム層9は、従来のサイド補強タイプのランフラットタイヤに用いられる補強ゴム層であれば、厚みや硬さなど特に制限されることなく何れも適用することができる。この構造は一般的なサイド補強タイプのランフラットタイヤと同じ構造であり、本発明は当該構造を有する何れのランフラットタイヤにも適用できる。
一対のビード部1には、それぞれスチールワイヤの収束体がタイヤ周方向に環状をなすビード1a(前記第1ビードに相当する。)と、ビード1aのタイヤ外周側に配されるビードフィラー7とが配設されている。カーカスプライ6は、ビード1aにてタイヤ幅方向外側に巻き上げられ、ビードフィラー7を挟み込むように配されている。ビード部1は、リム8のビードシート部8bのタイヤ外周側に配され、内圧によりリムフランジ8aに押圧されることで、タイヤがリム8に固定される。
カーカス層5の内周側には、空気圧保持のためのインナーライナー層10が配されるとともに、カーカス層5の外周側には、たが効果による補強を行うためのベルト層11およびベルト補強層12が配されている。ベルト層11は、例えばスチールコードをタイヤ赤道線Cに対して25°前後の角度で配列した2枚のベルトプライからなり、ベルトプライ間でスチールコードが互いに逆向きに交差するように積層されている。カーカスプライまたはベルトプライを構成するコードとしては、上記以外にレーヨン、ナイロン、アラミド等の有機繊維等が使用される。通常、これらコードにはゴムとの接着性を高めるべく、表面処理や接着処理等がなされている。
ビード部1のタイヤ幅方向外側には、環状膨出部13が形成されている。環状膨出部13は、リムフランジ8aよりもタイヤ幅方向外側に膨出するとともに、リムフランジ8aの外周側湾曲面に沿った内周面を有している。その内周面の先端側に位置する尖頭部14は、リムフランジ8aの外径に比して小径に設定されており、環状膨出部13はリムフランジ8aを抱持可能に形成されている。環状膨出部13は、両側のビード部1にそれぞれ形成されていることが好ましいが、少なくとも一方のビード部1に形成されていればよく、例えば装着時に車両外側となる側にのみ形成するものでも構わない。
上記ゴム層等の原料ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらのゴムはカーボンブラックやシリカ等の充填材で補強されると共に、加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等が適宜配合される。
図2は、隆起部の付近の形状を示す要部断面図である。本発明では、サイドウォール部2に、ランフラット走行での車両旋回時に接地可能な隆起部15が設けられている。本実施形態の隆起部15は、図1〜図2に示すようにタイヤ子午線断面が略台形をなして、タイヤ周方向に沿って環状に形成されている。なお、隆起部15は、環状に連続する必要はないが、車両旋回時にコーナリングパワーを増大してリム外れを抑制する上では、環状に連続することが好ましい。また、隆起部15は、少なくとも環状膨出部13が形成された側のサイドウォール部2に設けられたものであればよく、例えば装着時に車両外側となる側にのみ設けられたものでも構わない。
隆起部15は、タイヤ子午線断面において、外周側端高さaとタイヤ断面高さhとの比率(a/h)が0.55〜0.75であるとともに、頂点15aの高さpとタイヤ断面高さhとの比率(p/h)が0.51〜0.61であり、更に、隆起部の頂点からタイヤ赤道線までのタイヤ幅方向距離Wとトレッド幅TWの半分の距離との比率(2W/TW)が1.18〜1.26であることが好ましい。
比率(a/h)が0.55未満である場合または比率(p/h)が0.51未満である場合には、隆起部のタイヤ外周側面15bが路面と離れ過ぎるため、ランフラット走行での車両旋回時に隆起部15が路面に接地し難くなる傾向にある。また、比率(2W/TW)が1.18未満であると、隆起部のタイヤ外周側面15bが小さく、ランフラット走行での車両旋回時に接地面積を増大してスリップ角を抑制する効果が小さくなる傾向にある。一方、比率(a/h)が0.75を超える場合または比率(p/h)が0.61を越える場合には、隆起部のタイヤ外周側面15bが路面に近付き過ぎるため、ランフラット走行での車両旋回時に隆起部15が接地する際、隆起部15が路面に対して過度に押し付けられ、隆起部15が摩滅したり変形したりして接地面積を効果的に増大し得ない傾向にある。また、比率(2W/TW)が1.26を越えると、隆起部15が大きくなり過ぎ、タイヤ重量が不要に増加する傾向にある。
ここで、隆起部15の外周側端高さaとは、タイヤ子午線断面において、隆起部のタイヤ外周側面15bの輪郭と、サイドウォール部2の表面に現れた曲率半径の輪郭SRとの交点15cの、規定リム装着時におけるノミナル径NRを基準としたタイヤ径方向高さである。隆起部の頂点15aの高さpとは、タイヤ子午線断面において、規定リム装着時におけるノミナル径NRを基準とした頂点15aのタイヤ径方向高さを言い、隆起部15の断面形状が本実施形態のような台形や、矩形である場合は、上辺のタイヤ外周側端を頂点とする。また、トレッド幅TWは、サイドウォール部2の表面に現れた曲率半径の輪郭延長線17と、トレッド部4の表面に現れた曲率半径の輪郭延長線18との交点A同士のタイヤ軸方向距離で定義される。
本発明では、隆起部15の内周側端高さbとタイヤ断面高さhとの比率(b/h)は、0.45〜0.60であることが好ましい。比率(b/h)が0.45未満であると、隆起部15が大きくなり過ぎ、タイヤ重量が不要に増加する傾向にある。一方、比率(b/h)が0.60を越えると、隆起部15のタイヤ径方向寸法が小さくなり過ぎ、接地時の衝撃により折れ易くなる傾向にある。ここで、隆起部15の内周側端高さbは、タイヤ子午線断面において、隆起部15のタイヤ内周側面の輪郭と、サイドウォール部2の表面に現れた曲率半径の輪郭SRとの交点15dの、規定リム装着時におけるノミナル径NRを基準としたタイヤ径方向高さである。
隆起部15を構成するゴムは、特に限定されるものではなく、サイドウォール部2と同じ材質のものでもよい。隆起部15を構成するゴムは、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)による硬度が40〜65°であるものが好ましく、40〜55°であるものがより好ましい。当該硬度が40°未満であると、十分なコーナリングフォースが得られない傾向にあり、硬度が65°を越えると、接地時の衝撃により隆起部15にクラック等が発生し易い傾向にある。また、サイドウォール部2と異なる材質のゴムを使用する場合、耐摩耗性に有利な配合とするのが好ましい。
図3は、ランフラット走行での車両旋回時におけるランフラットタイヤの状態を示す半断面図である。タイヤ内部の空気圧が低下した状態では、タイヤが補強ゴム層9により支持され、サイドウォール部2の撓み変形が抑制されることにより、ランフラット走行が可能となる。このとき、環状膨出部13のタイヤ内周側面が、リムフランジ8aからの負荷を受ける。本発明では、環状膨出部13が形成されたサイドウォール2に隆起部15が設けられており、この隆起部15が車両旋回時に路面16に接地するように構成されている。即ち、旋回する車両の遠心力によってタイヤに横力が働き、特にタイヤのショルダ部3付近に変形が生じ、隆起部15が路面16に接地する。これにより接地面積が増大し、コーナリングパワーを増加させてスリップ角を抑制することができる。
本発明のランフラットタイヤは、環状膨出部13の内部にゴム層のみが配されているものが好ましい。通常、環状膨出部13を備えるタイヤは、リム8に組み付ける場合、ビード部1をリム8のビードシート部8bに配した後に、環状膨出部13をリムフランジ8aのタイヤ幅方向外側に配する必要がある。従って、環状膨出部13の内部にゴム層のみが配されている構成により、従来のような環状膨出部13にビードが配された構成と比べて、リム組み時にリムフランジ8aを超えさせ易く、優れたリム組み性を発揮することができる。かかる場合、環状膨出部13にビードが配されないことによる耐リム外れ性の低下は、隆起部15による上述の効果によって補填される。即ち、耐リム外れ性を確保しつつ、優れたリム組み性を発揮することができる。
本発明のランフラットタイヤの製造方法としては、タイヤモールドに隆起部15を形成するための凹部を設ける程度の改変で、その他は従来のタイヤ製造工程と同様にして、製造を行うことができる。
[第2実施形態]
第2実施形態は、構成が以下の通りである他は、第1実施形態と同様の構成・作用であるため、相違点のみ説明し、共通の説明は省略する。図4は、第2実施形態に係るランフラットタイヤの一例を示す半断面図である。
本実施形態では、環状膨出部13に、ビードワイヤがタイヤ周方向に環状をなすビード1b(前記第2ビードに相当する。)が配されている。ビード1bを構成するビードワイヤは、ビード1aと同じスチールワイヤの収束体からなるものに限られず、例えば、有機繊維の収束体からなるものや、繊維強化ゴムを素材としたゴムビード等であってもよい。ビード1bは、両側の環状膨出部13にそれぞれ配されていることが好ましいが、少なくとも一方の環状膨出部13に形成されていればよく、例えば装着時に車両外側となる側にのみ形成するものでも構わない。
また、本実施形態では、カーカスプライ6は、補強ゴム層9に沿って延び、ビード1aにてタイヤ幅方向外側に巻き上げられつつ、ビード1bをタイヤ外周側から巻くように配設されている。これにより、ランフラット走行時のタイヤ転動の際、環状膨出部13に作用する捻りモーメントMにより、ビード1bがタイヤ径方向内側に変位するとともに、ビード1bに巻き付けられたカーカスプライ6の巻き上げ部分をタイヤ幅方向外側に引っ張る方向に張力が発生する。その結果、ビード1aがリムフランジ8a側に押し付けられ、リム8との嵌合力を高めて効果的に耐リム外れ性を向上することができる。
本発明では、カーカスプライ6は、図4に示すようにビード1bに直接巻き付けられるものに限られず、ゴム層等を介して間接的に巻き付けられるものでもよい。また、カーカスプライ6の端部がビード1bのタイヤ内周側に達するものに限られない。更に、本発明では、カーカス層5が1枚のカーカスプライ6により構成されるものに限られず、複数枚のカーカスプライ6により構成されるものでもよい。かかる場合、カーカス層5を構成する全てまたは一部のカーカスプライ6が、ビード1bをタイヤ外周側から巻くように配設されるものであればよい。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、断面が略台形状の隆起部15を設ける例を示したが、本発明では、図5(a)〜(c)に示すように、種々の形状の隆起部15を設けることが可能である。例えば、図5(a)に示す隆起部15は、面取りされた三角形状であり、図5(b)に示す隆起部15は、四角形状であり、図5(c)に示す隆起部15は、円弧状(半円状)である。
(2)前述の実施形態では、タイヤ周方向に沿って、同一断面形状で環状に連続する隆起部15を設ける例を示したが、隆起部15は断続的に配置されているものでもよい。
(3)前述の第1実施形態では、内部にゴム層のみが配された環状膨出部13を備える例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、環状膨出部13にビードが配されるものでも構わない。また、環状膨出部13の内周面に沿って補強層を適宜に配設してもよい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
[耐リム外れ性]
タイヤサイズ245/40ZR18のテストタイヤを用いて、耐リム外れ性の試験を行った。試験では、ホイールサイズ18×8JJのリムに装着した各テストタイヤを、実車(国産3000ccクラスFR車)の左側前方に装着し、直進から半径20mの円形コースを右回りに旋回する、いわゆるJターン走行を行った。各テストタイヤは、内圧0kPaのランフラット状態とし、リム外れが発生したときの走行速度(横Gに比例)により耐リム外れ性を評価した。走行速度は、25km/hからスタートし、5km/h増分する方式でリム外れが発生するまで試験を行った。以下に示す従来例1の結果を100として指数評価し、数値が大きいほどリム外れが発生したときの走行速度が大きい、即ち耐リム外れ性に優れていることを示す。
従来例1、2
従来のサイド補強タイプのランフラットタイヤを作製し、従来例1とした。また、環状膨出部を備えるとともに、その環状膨出部にビードを配した点以外は従来例1と同じであるランフラットタイヤを作製し、従来例2とした。
実施例1〜3
図1に示すように、内部にゴム層のみが配された環状膨出部と隆起部とを備える点以外は従来例1と同じであるランフラットタイヤを作製し、実施例1とした。また、環状膨出部にビードを配した点以外は実施例1と同じであるランフラットタイヤを作製し、実施例2とした。更に、環状膨出部にビードを配するとともに、カーカスプライを図4に示すように配設した点以外は実施例1と同じであるランフラットタイヤを作製し、実施例3とした。なお、隆起部は、上述の比率(a/h)を0.7、比率(p/h)を0.56、比率(b/h)を0.53、比率(2W/TW)を1.22とし、車両外側となる側のサイドウォール部に設けた。
[リム組み性]
上記の従来例2および実施例1のテストタイヤを用いて、リム組み性の試験を行った。試験では、各テストタイヤをリムに組み付ける際に要した作業時間を測定し、リム組み性を評価した。従来例2の結果を100として指数評価し、数値が大きいほどリム組みに要した作業時間が短い、即ちリム組み性に優れていることを示す。
Figure 2006015860
表1の結果が示すように、実施例1は、従来例1よりも耐リム外れ性に優れており、環状膨出部および隆起部を設けたことにより耐リム外れ性が向上することがわかる。環状膨出部にビードが配された従来例2と比較した場合には、耐リム外れ性は若干劣るが、リム組み性に優れており、耐リム外れ性とリム組み性とを両立していることがわかる。実施例2は、従来例2よりも耐リム外れ性に優れており、隆起部を設けることによってスリップ角が抑制され、耐リム外れ性が高められることがわかる。実施例3は、実施例2よりも更に耐リム外れ性に優れており、上述のカーカスプライの配設により耐リム外れ性が向上することがわかる。
本発明の第1実施形態に係るランフラットタイヤの一例を示す半断面図 本発明のランフラットタイヤの隆起部付近の形状を示す要部断面図 本発明のランフラットタイヤによるランフラット走行での車両旋回時の状態を示す図 本発明の第2実施形態に係るランフラットタイヤの一例を示す半断面図 本発明のランフラットタイヤの隆起部付近の他の形状を示す要部断面図 従来のランフラットタイヤによるランフラット走行での車両旋回時の状態を示す図
符号の説明
1 ビード部
1a ビード(第1ビード)
1b ビード(第2ビード)
2 サイドウォール部
3 ショルダ部
4 トレッド部
6 カーカスプライ
8 リム
8a リムフランジ
9 補強ゴム層
13 環状膨出部
15 隆起部
15a 隆起部の頂点
15b 隆起部のタイヤ外周側面
a 隆起部の外周側端高さ
h タイヤ断面高さ
p 隆起部の頂点の高さ
C タイヤ赤道線
NR ノミナル径
TW トレッド幅
W 隆起部の頂点からタイヤ赤道線までのタイヤ幅方向距離

Claims (3)

  1. 環状の第1ビードを有する一対のビード部と、そのビード部から各々タイヤ外周側へ延びるサイドウォール部と、前記サイドウォール部に配され、タイヤ子午線断面が略三日月状をなす補強ゴム層と、を備えるランフラットタイヤにおいて、
    少なくとも一方の前記ビード部よりタイヤ幅方向外側に膨出し、リムフランジの外周側湾曲面に沿った内周面を有する環状膨出部と、少なくとも前記環状膨出部が形成された側の前記サイドウォール部に設けられ、ランフラット走行での車両旋回時に接地可能な隆起部と、を備えることを特徴とするランフラットタイヤ。
  2. 前記環状膨出部に配された環状の第2ビードと、前記補強ゴム層に沿って延び、前記第1ビードにてタイヤ幅方向外側に巻き上げられつつ、前記第2ビードをタイヤ外周側から巻くように配設されたカーカスプライと、を備える請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記隆起部は、タイヤ周方向に沿って環状に形成されつつ、タイヤ子午線断面において、前記隆起部の外周側端高さaとタイヤ断面高さhとの比率(a/h)が0.55〜0.75であるとともに、前記隆起部の頂点の高さpとタイヤ断面高さhとの比率(p/h)が0.51〜0.61であり、更に、隆起部の頂点からタイヤ赤道線までのタイヤ幅方向距離Wとトレッド幅TWの半分の距離との比率(2W/TW)が1.18〜1.26である請求項1又は2記載のランフラットタイヤ。
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