JP2006015570A - 導電性シート状弾性体およびその製造方法 - Google Patents

導電性シート状弾性体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パッキン等として使用されるシート状弾性基体の硬度等の各種物性を変化させず、充分な追従性を発現できる程度に接合できるように転写可能で、かつ所定の表面抵抗値を発現し得る導電層を備える導電性シート状弾性体を提供する。
【解決手段】シート状弾性基体12と、このシート状弾性基体12の少なくとも一方の表面に積層させた導電層14とからなる導電性シート状弾性体において、この導電層14はベース樹脂15と、該ベース樹脂15中に分散させた導電剤16とからなり、導電性シート状弾性体の最大点伸度/破断点伸度が0.95以上に設定されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、導電性シート状弾性体およびその製造方法に関し、更に詳細には、導電性を有して電子機器や精密機器等のガスケットまたはパッキン等といったシール材として好適に使用され、帯電等を防止し得る導電性シート状弾性体およびその製造方法に関するものである。
携帯電話、テレビ、その他コンピュータのディスプレイ等の電気機器には、液晶等の表示部、マイク部、その他スピーカー部等の入出力部が配設されている。このような入出力部は、電気機器筐体が外部に対して開口した部位に設けられており、例えば液晶の場合、この開口部と液晶との僅かな隙間から、ゴミの侵入,液晶表示に用いられるバックライトの光漏れおよび筐体に対するガタつき等を防止するためのパッキンが液晶の周縁と筐体との間に配設されている。このパッキンは用いられる材料が通常、樹脂やゴム等の絶縁体であるため、静電気が帯電し易い。このような状態では、液晶等に対して静電気の放電による、所謂静電気破壊等の悪影響が発生する。この他,静電気によってその周囲の入出力部および筐体に,ゴミ、粉塵、その他埃が付着するという問題も指摘される。
そこでパッキンの帯電を防止するため、その原料中に,例えば導電剤、カーボンファイバー等の電子伝導系の導電性フィラーやカチオン系または非イオン系等の界面活性剤等の導電性物質を混入して導電性を付与する方法が一般的に採用されている。しかし帯電を充分に防止し得る程度にパッキンの導電性を高めるには,多量の導電性フィラーを使用し、かつパッキン中に均質に分散させる必要があるが、多量の導電性フィラーを配合すること自体が難しく、また多量の導電性フィラーの使用によりパッキンの成形性や引張強度等の諸物性が低下する問題が生ずる。そこで融解熱が、200kJ/mol以下の長鎖ポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させることで、ガラス転移温度が30℃以下で、かつ体積固有抵抗値が10〜1010Ω程度の導電性を有するポリウレタン樹脂が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示された発明に係る「ポリウレタン樹脂」は、導電剤等の添加物を添加しないため、前述の諸物性を低下させることなく導電性を付与させることができるが、これをパッキンに利用した場合、電気機器等に必要とされる充分な導電性を得ることができない。
またパッキンの表面に対して、導電剤等の導電性発現物質を含む樹脂をコーティングまたは含浸させて導電性を付与する方法や、金属箔等の導電性シートを一体成形または粘着剤や接着剤等により一体化して導電性を付与する方法もある。特許文献2に開示された発明「電磁波遮蔽材料」の如く、ポリウレタン樹脂等の基材に、導電性導電剤を含む塗膜と金属薄膜層とを積層することで、導電性を付与したものも提案されている。このパッキンは、電気機器の複雑な内部構造に対応して充分なシール性を発現するために、密度や圧縮荷重等の各物性を綿密に設定して所要の柔軟性および弾力性を発現するよう設計されているが、基材に金属薄膜層からなる導電性シートを積層することで、この導電性シートの剛性故に基材の弾力性や柔軟性が損なわれてしまう欠点があり、また金属故に錆び易く、経時的に所要の導電性を発現しなくなる虞がある。更に導電性導電剤を含む塗膜は、導電剤とベース樹脂樹脂とを、(1)水もしくは(2)有機溶剤に溶解または分散させた塗料を塗布することで形成されるが、(1)溶媒が水の場合、短時間での乾燥は困難で生産効率が低下してしまい、また(2)溶媒が有機溶剤の場合、ポリウレタン樹脂等の基材を劣化させる点や、その高い環境負荷が問題となる。
この他、基材シートの表側面に金属、合金または金属酸化物をスパッタリングすることにより導電性を有するスパッタ層を設ける方法もある(特許文献3参照)。しかしこの方法の場合、生産工程がバッチ式のため量産性に乏しく生産効率が非常に悪い。またスパッタリングに際して基材シート全体を一定以上の真空度雰囲気下に保持する必要があるが、該基材シートが柔軟性、追従性に富む発泡体である場合には、真空度を所要の値とするために、例えば24時間以上といった長時間に亘る処理が必要となり、実際上の使用が困難である問題が指摘される。
特開平9−227649号公報 特開平8−331382号公報 特開2003−42296号公報
すなわちこの発明は、従来の技術に係る導電性シート状弾性体およびその製造方法に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、良好な導電性と柔軟性または弾力性とを併有し得ると共に、生産効率を向上し得る導電性シート状弾性体およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る導電性シート状弾性体は、シート状弾性基体と、このシート状弾性基体の少なくとも一方の表面に積層させた導電層とからなる導電性シート状弾性体において、
前記導電層はベース樹脂と、該ベース樹脂中に分散させた導電剤とからなり、
前記導電性シート状弾性体の最大点伸度/破断点伸度が0.95以上に設定されていることを特徴とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の別の発明に係る導電性シート状弾性体は、シート状弾性基体と、このシート状弾性基体の少なくとも一方の表面に積層させた導電層とからなる導電性シート状弾性体において、
前記導電層はベース樹脂と、該ベース樹脂中に分散させた導電剤とからなり、
前記導電性シート状弾性体の最大点応力/最大点伸度は0.1以下に設定されていることを特徴とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の更に別の発明に係る導電性シート状弾性体は、シート状弾性基体と、このシート状弾性基体の少なくとも一方の表面に積層させた導電層とからなる導電性シート状弾性体において、
前記導電層はベース樹脂と、該ベース樹脂中に分散させた導電剤とからなり、
前記導電性シート状弾性体の最大点伸度/破断点伸度が0.95以上に設定されると共に、その最大点応力/最大点伸度は0.1以下に設定されていることを特徴とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の更に別の発明に係る導電性シート状弾性体は、シート状弾性基体と、このシート状弾性基体の少なくとも一方の表面に積層的に接合させた導電層とからなる導電性シート状弾性体において、
前記導電層はベース樹脂と、該ベース樹脂中に分散させた導電剤とからなり、前記シート状弾性基体と接合させる際にゴム状態であって、その弾性率が1.0×10Pa以下となるよう設定され、
前記導電層を基材フイルム上に形成した導電層転写用フィルムを、その導電層の側を前記シート状弾性体に接合させた後に該基材フィルムを剥離することにより、該導電層が該シート状弾性体の前記表面に転写されていることを特徴とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の更に別の発明に係る導電性シート状弾性体の製造方法は、基材フィルムの一方の表面に導電剤を分散させたベース樹脂からなる導電層を形成した導電層転写用フィルムを準備し、
前記導電層転写用フィルムの導電層側に、流動状態にある弾性基体原料を供給し、
前記供給された弾性基体原料を、前記導電層がゴム状態であって、その弾性率が1.0×10Pa以下となる転写可能温度域で反応および硬化させることで、前記導電層に接合した所要厚みのシート状弾性基体を形成し、
前記導電層から基材フィルムを剥離することで転写するようにしたことを特徴とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の更に別の発明に係る導電性シート状弾性体の製造方法は、基材フィルムの一方の表面に導電剤を分散させたベース樹脂からなる導電層を形成した導電層転写用フィルムを準備し、
前記導電層転写用フィルムの導電層側に、流動状態にある弾性基体原料を供給し、
次いで前記導電層上の弾性基体原料に対して、別の導電層転写用フィルムを、その導電層が該弾性基体原料に対向するよう連続的に供給し、
前記供給された弾性基体原料を、前記導電層がゴム状態であって、その弾性率が1.0×10Pa以下となる転写可能温度域で反応および硬化させることで、その両面に前記夫々の導電層が接合された所要厚みのシート状弾性基体となし、
前記夫々の導電層から各対応の基材フィルムを剥離することで転写するようにしたことを特徴とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の更に別の発明に係る導電性シート状弾性体の製造方法は、基材シート上に流動状態にある弾性基体原料を供給し、
この弾性基体原料に対して、基材フィルムの一方の表面に導電剤を分散させたベース樹脂からなる導電層を形成した導電層転写用フィルムを、その導電層が該弾性基体原料に対向するよう連続的に供給し、
前記供給された弾性基体原料を、前記導電層がゴム状態であって、その弾性率が1.0×10Pa以下となる転写可能温度域で反応および硬化させることで、その一方の表面に前記導電層が接合されたシート状弾性基体を形成し、
前記導電層から前記基材フィルムを剥離することで、前記シート状弾性基体の一方の表面に導電層を転写するようにしたことを特徴とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の更に別の発明に係る導電性シート状弾性体の製造方法は、所要厚みのシート状弾性基体と、基材フィルムの一方の表面に導電剤を分散させたベース樹脂からなる導電層を形成した導電層転写用フィルムとを準備し、
前記シート状弾性基体に導電層が対向するよう導電層転写用フィルムを積層した後、該シート状弾性基体および導電層を該導電層がゴム状態であって、その弾性率が1.0×10Pa以下となる転写可能温度域で加熱するおよび/または加圧することで接合させ、
前記導電層から基材フィルムを剥離することで転写するようにしたことを特徴とする。
本発明に係る導電性シート状弾性体およびその製造方法によれば、導電層を構成する主成分であるベース樹脂と、このベース樹脂中に分散した導電剤とからなり、融解してシート状弾性体に浸透したり、内部に分散されている導電剤を偏在させることないように、制御された加熱を実施して該シート状弾性体に対して充分に接合するように調整した導電層を、別途用意した基材フイルム上に形成した後、この導電層をシート状弾性体の少なくとも一方の表面に転写して、基材フィルムを除去することで、シート状弾性体に導電層を積層的に付与するよう構成したので、シート状弾性基体から弾力性または柔軟性等の物性の発現を導電層が妨げることないから、良好な物性と帯電を防止するに足る充分な導電性とを併有すると共に、量産性に優れた導電性シート状弾性体を製造し得る。
次に、本発明に係る導電性シート状弾性体およびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本願の発明者は、クッション性やシール性等のパッキンに必要とされる物性を備えるシート状弾性基体の少なくとも一方の表面に対して、所要の導電剤を分散させ、かつ該シート状弾性基体に応じて物性を備えるベース樹脂からなる導電層を基材フィルム上に形成し、これを別途用意した導電層転写用フィルムを積層し、該導電層を転写することで携帯電話等にパッキンとして好適に使用し得るクッション性やシール性、柔軟性、形状追従性および形状保持性等の各種物性を有し、かつ所要の導電性が付与された肉薄の導電性シート状弾性体が得られることを知見したものである。また導電層において接着剤としての役割も担い得るベース樹脂の物性、具体的には弾性率を制御してシート状弾性基体に対して接合させるべく行なわれる加熱を所定の温度で実施することで、導電層のシート状弾性基体に対する追従性を確保し得ると共に、導電層がシート状弾性基体に対して流動により浸透等して硬度等の諸物性値に与える悪影響の発生と、また内部に分散されている導電剤の比重等の違いによる浮遊または沈降による偏在とを回避し得ることも併せて確認した。
本発明の好適な実施例に係る導電性シート状弾性体10は、図1に示す如く、所要のクッション性、シール性、柔軟性および形状追従性等の各物性を達成する弾性体からなるシート状弾性基体12と、このシート状弾性基体12の少なくとも一方の表面に転写された導電層14(後述[0020])とから基本的に構成される。シート状弾性基体12は、導電性シート状弾性体10の主体をなし、パッキン等のシール材に要求される各種物性を備える部材である。その材質としては、防塵および光漏れ等の機能を長期間に亘って維持し得る、すなわち材質的にヘタリおよび発生ガスが少なく、かつクッション性や柔軟性、曲面への追従性等を有する公知の物質、例えば合成樹脂やエラストマー等の発泡体等を使用することができる。具体的には、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等の各種樹脂或いはNBR(アクリロニトリルブタジエン共重合体)、SBR(スチレンブタジエン共重合体)、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)またはEPM(エチレンプロピレン共重合体)等の各種ゴムを材質としたソリッド体または発泡体が好適に使用される。
そして、その物性についてもパッキン用途に好適に使用されるシート状弾性基体12に準じるが、例えば25%圧縮硬さ(以下、25%CLDと云う)が0.035MPa以下に設定される。この値を超える場合には、シールすべき筐体等に過大な負荷が常時掛かってしまい、筐体にカケ等の物理的欠陥を生じさせる虞がある。この点からシート状弾性基体12としては、殊にメカニカルフロス法により製造される低硬度のポリウレタン発泡体が好適である。このメカニカルフロス法については、例えば特公昭53−8735号公報にその内容が記載されているので詳細は割愛するが、基本的には主原料であるポリオールおよびイソシアネート成分からなる2液性のウレタン原料に対して、触媒または整泡剤等の副原料を必要に応じて添加し、更に窒素等の造泡用気体を混合し、更にオークスミキサ等により混合攪拌することで後述する弾性基体原料Mを得るものである。
そしてシート状弾性基体12は、その厚みが0.1〜5.0mmの範囲に設定される。この厚みが前述の値の範囲外となると、充分なシール性を発現することが困難となる。殊に5.0mmを超える場合にはシール性の悪化だけではなく、その厚さ故に製造時における巻き取り(後述[0045])による回収性が低下し、製造効率が悪化する虞がある。またその長さとしては、5m以上の長尺品であることが好ましい。この場合、製造される導電性シート状弾性体10を所要形状に加工する、打ち抜き等の加工の連続実施が可能となるため、生産効率の向上による製造コストの低減が期待できる。
シート状弾性基体12に導電性を付与する導電層14は、所要のベース樹脂15と、このベース樹脂15中に分散された導電剤16とからなり、静電気等による各種弊害を回避するため、用途等に応じてその表面抵抗値が1.0×10〜1.0×10Ωの範囲に設定されている。また本発明においては、この導電層14をシート状弾性基体12に接合することで、後述([0027]〜[0031]参照)する如く、導電性シート状弾性体10の最大点伸度/破断点伸度が0.95以上に設定するおよび/またはその最大点応力/最大点伸度は0.1以下に設定するようにされている。
そして導電層14の厚みは、ベース樹脂15の種類によらず1〜10μmの範囲に設定される。導電層14の厚さが1μm未満であると、表面抵抗値が静電気等による各種弊害を回避し得る1.0×10Ωを超える場合があり、一方10μmを超えると、シート状弾性基体12に積層された導電層14、すなわち導電性シート状弾性体10のクッション性を損なう場合がある。
またシート状弾性基体12に対して、その物性に悪影響を与えることなく、また内部に分散されている導電剤16の比重等の物性の差違による浮遊または沈降といった偏在を防止して導電剤16による導電性を好適に発現させ、また容易に剥離し得ない程度に接合し得るように本発明に係る導電層14は、シート状弾性基体12に対する接合に際して加えられる熱(以下、この熱によって発現する温度域を転写可能温度域と云う)によって融解しないこと等が求められる。具体的には、転写可能温度域において導電層14が、ゴム状態(本発明においては、導電層14がガラス状態や、完全な融解状態でなく、若干の融解状態、すなわち層形状を保持したまま融解した粘性状態を意味する)を維持し、かつその弾性率が1.0×10Pa以下となるよう設定される。また転写可能温度域における弾性率は、好適には4.0×10Paが下限とされる。
導電層14の状態がゴム状態となっていない、すなわち(1)ガラス状態または(2)融解状態にあると、(1)の場合、シート状弾性基体12に対して接合しない、または(2)の場合、流体としてシート状弾性基体12内部に浸透してしまったり、流体化した導電層14内の導電剤16が偏在してしまうことになり、その結果、本発明に係る導電性シート状弾性体10とならない。またゴム状態であったとしても、転写可能温度域においてその弾性率が1.0×10Paを超える場合には、その性状がガラス状態となってしまい、その結果、前述した(1)と同様の状態となってしまう。
ベース樹脂15としては、シート状弾性基体12の物性、具体的には熱的性質、柔軟性および弾力性等を鑑みて選択され、クッション性や曲面への追従性等を有する公知の物質、例えば合成樹脂やエラストマー等を使用することができる。具体的には、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル変成ウレタン、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン共重合体)またはSBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)等を適宜選択して採用し得る。これらのベース樹脂の中でも、特に25℃における弾性率(TMA(熱機械分析)による測定)(以下、25℃弾性率と云う)が2.0×10Pa以下のものを用いるのが好ましい。25℃弾性率がこれよりも高いと、導電層14のクッション性が低下するので好ましくない。なおベース樹脂15単体としての25℃弾性率は、好ましくは1.0×10〜9.0×10Paの範囲に設定される。更にベース樹脂15については、導電層14の表面におけるタック性を低くするため、そのガラス転移温度が0℃以上のものを用いることが好ましい。
導電剤16としては、得られる導電性シート状弾性体10に必要とされる導電性(表面抵抗値)と、ベース樹脂15への添加し得る量とから適宜選択され、例えば硫化亜鉛、硫化銅、硫化カドミウム、硫化ニッケルまたは硫化パラジウム等の硫化物に導電性を付与した導電性フィラーや、硫酸バリウム或いは酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムまたは酸化チタン等の金属酸化物や、導電性カーボンフィラー、ケイ素有機化合物または表面金属鍍金フィラー等の導電性フィラーや、カチオン系または非イオン系等の界面活性剤等の一般的な導電剤が挙げられる。これらの中でもカーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンや、カーボンナノチューブまたはナノ単位の大きさとされた銀等の金属粒子が好適であり、殊に導電性(表面抵抗値)と、ベース樹脂15への添加し得る量とから、ハイストラクチャーでかつ高導電性を備えるアセチレンブラックまたはオイルファーネスブラックが好適に使用される。
シート状弾性基体12の表面に転写された導電層14は、このシート状弾性基体12の柔軟性(圧縮し易さ)または弾力性(曲がり易さ)等の物性に準じて発現するパッキンとしての性能を阻害しない好適な追従性が求められる。具体的には、本発明に係る導電性シート状弾性体10の主体をなすシート状弾性基体12が変形した際に、このシート状弾性基体12に接合して一体化している導電層14が、その変形に充分な追従性を発揮し、シワ等の隙間が生じてシール性等に問題が発生する状態とならなければよい。
そして本発明においてはこの追従性を、基本的にはシート状弾性基体12および導電層14の双方の柔軟性(圧縮し易さ)の差違で表すと共に、夫々の柔軟性を伸び率によって定義するようにしている。具体的には、積層状態にあるシート状弾性基体12および導電層14、すなわち導電性シート状弾性体10に引っ張りを加えて、その最大点伸度と破断点伸度とを測定する。そして前述([0020])の如く、最大点伸度/破断点伸度が0.95以上となるようにシート状弾性基体12および導電層14の組成が決定されている。そしてシート状弾性基体12および導電層14の柔軟性、すなわち伸び率の差違が小さい程、同一物質からなる一層の状態に近づくため、追従性は良好なものと評価し得る。
ここで破断点伸度とは、シート状弾性基体12および導電層14からなる導電性シート状弾性体10に引っ張る力を加え、シート状弾性基体12および導電層14の双方が千切れて破断する際の伸び率を表す数値であり、最大点伸度とは、導電性シート状弾性体10を引っ張る力が極大となった時点(この時点において引っ張りに供される力を、最大点応力と云う)における伸び率を表す数値である。そしてシート状弾性基体12および導電層14が積層している導電性シート状弾性体10において最大点応力は、シート状弾性基体12および導電層14の双方が未だ千切れない状態から、何れか一方が千切れた状態に移行し、引っ張りに対向する力が急減する瞬間に測定されるものである。すなわち最大点伸度は、シート状弾性基体12および導電層14の何れか一方が千切れた瞬間における伸び率を示すものである。
従って、導電性シート状弾性体10おける最大点伸度/破断点伸度が0.95以上とされた場合、導電性シート状弾性体10をなすシート状弾性基体12および導電層14の双方が殆ど同時に千切れて破断することを意味することになる。すなわちシート状弾性基体12および導電層14の伸び率により表される柔軟性が略同一であり、従って双方の柔軟性の差違により表すことができる追従性も良好な状態になっていると推定できる。
また前述([0029])の項目で、導電層14のシート状弾性基体12に対する追従性は、双方の柔軟性が略同一であれば良好となるとしているが、これはシート状弾性基体12に導電層14を積層した際に、導電層14の存在がシート状弾性基体12の物性(殊に柔軟性等)の発現に影響を与えなければ、同様に良好な結果を得ることが可能である。そして本願の発明者は、最大点伸度と最大点応力とを使用した、最大点応力/最大点伸度の値が0.1を超えると導電層14の表面にシワや亀裂が発生することを見出し、その値が0.1以下であれば、導電層14の存在がシート状弾性基体12の物性の発現に影響を与えず、追従性等について良好な結果が得られることを(後述の実験1[0061]参照)に確認した。すなわち最大点伸度と最大点応力とを使用し、最大点応力/最大点伸度の指標を用いることでも、本発明に係るシート状弾性基体12および導電層14から構成される導電性シート状弾性体10を定義し得る。また好適には、最大点応力/最大点伸度の値が0.01以下であることが望まれ、この場合、0.1以下で0.01を超える数値範囲に比較して、微細なシワ等は全く観察されず、非常に良好な追従性の発現が確認された。そしてこれら2つの指標については、夫々が単独であっても、重複した条件であっても、本発明に係る導電性シート状弾性体10を定義し得る。なお最大点応力/最大点伸度の値については、導電性シート状弾性体10のヤング率を擬似的に表したものである。
この他、シート状弾性基体12の追従性については、柔軟性(圧縮し易さ)の指標としての前述([0024])の25℃弾性率と、弾力性(曲がり易さ)の指標としての(擬似的な)ヤング率とによって定義することも可能である。そしてこの25℃弾性率が2.0×10Pa以下で、かつヤング率が一定値以下になるようすることで好適な追従性が発現することも確認されている。25℃弾性率が2.0×10Paより大きくなったり、ヤング率が一定値より大きくなると、柔軟性または弾力性が低下により追従性が悪化して、シート状弾性基体12に備える柔軟性または弾力性の発現が阻害され、パッキンに要求される各種物性が得られない。
以下にシート状弾性基体に対して、導電層を一体的に成形する(以下、一体成形工法と云う)ことで転写した実施例1に係る導電性シート状弾性体について説明する。その構造については図1と同様であり、所要のクッション性、シール性、柔軟性および形状追従性等の各物性を達成する弾性体からなるシート状弾性基体12と、このシート状弾性基体12の少なくとも一方の表面に転写された導電層14とから基本的に構成される。
シート状弾性基体12に導電性を付与する導電層14は、前述([0020])の如く、所要のベース樹脂15と、このベース樹脂15中に分散された導電性付与物質である導電剤16とからなり、シート状弾性基体12の表面抵抗値を1.0×10〜1.0×10Ωの範囲として導電性を確保して、静電気等による各種弊害を回避するものである。そして実施例1において導電層14は、基材フィルム18上に導電層14を所要の厚さで予め形成した導電層転写用フィルム20を用いることで、シート状弾性基体12に対して転写される。具体的には、導電層転写用フィルム20の導電層14上に、シート状弾性基体12の原料である流動状態の弾性基体原料Mを供給し、これに加熱を施して反応・硬化させることでシート状弾性基体12としつつ導電層14と接合させ、その後導電層14から基材フィルム18を剥離させることでなされる。なおこのときの加熱温度は、導電層14の転写可能温度域内に設定される。この転写可能温度域と、ベース樹脂15の種類選択との設定により、導電層14を所定のゴム状態に維持し、導電層14とシート状弾性基体12とを接合をより強固な状態とすることも可能である。
また導電層14は、前述([0022])の如く、シート状弾性基体12に対する接合時に掛けられる転写可能温度域において、ゴム状態を維持し、かつその弾性率が1.0×10Pa以下となっていればよい。そしてこの条件は実施例1において具体的には、DSC(示差走査熱量分析)を用いて測定したガラス転移温度が0℃以上であることで好適に達成され、更にベース樹脂15が非結晶性物質であるかで、またはベース樹脂15が結晶性物質である場合にはその融解温度が150℃以上になるよう設定されることで好適に達成される。シート状弾性基体12に対する一体成形工法による導電層14の転写は、後述([0043]および[0044])する如く、導電層転写用フィルム20に形成された導電層14に対して、流動状態の弾性基体原料Mを供給し、この弾性基体原料Mに熱を加えて反応・硬化させることでなされる。導電層14は、弾性基体原料Mを反応・硬化するため所定の温度(硬化温度)まで加熱した際の高温状態に耐えること、すなわち硬化温度が転写可能温度域内であって、少なくとも融解して液状化等せずにその層形状を保持する熱的性質を有することが必要とされる。これは前述される如く、非結晶性のベース樹脂15の使用によって好適に達成される。また結晶性のベース樹脂15であっても、その融解温度が弾性基体原料Mの硬化温度より高ければ使用可能である。
なおシート状弾性基体12と導電層14との接合は、加熱によって流動状態にある弾性基体原料Mを反応・硬化させて固体状とする際の変化を利用してなされている。このときこの接合強度を決定しているのは弾性基体原料Mだけであるが、弾性基体原料Mの加熱温度を、ベース樹脂15の融解温度等の転写可能温度域内に設定すれば、ベース樹脂15および弾性基体原料Mの双方が前述の接合に関係して、より強固な接合が期待できる。更にシート状弾性基体12として発泡体を使用すると、化学的な接合のみでなく接合面に開口したセルと導電層14との物理的なアンカー効果により、より強い接合強度の発現が期待できる。
一体成形工法においては、導電剤16は100質量部のベース樹脂15に対して10〜65質量部の範囲で使用される。導電剤16の使用量(配合割合)が、10質量部より少ないと、得られる導電性シート状弾性体10の表面抵抗値が1.0×10Ωを越えてしまい充分な導電性を確保し得ない。これに対して、導電剤16の使用量が、65質量部を超える場合には、導電性シート状弾性体10の表面抵抗値が小さくなる一方で、後述([0042])する導電層形成原料の粘度の上昇、導電層14の成形性の悪化、硬度の上昇および脆性の悪化等の物性的な問題が発生し、製造コストが上昇すると共に、シート状弾性基体12に転写した後の導電層14の追従性が悪化してしまう。
導電層転写用フイルム20を構成し、導電層14の基材をなす基材フィルム18は、その一面に形成された導電層14に剛性を持たせて製造時や使用時における導電層14の裂けまたは破れといった物理的な損傷を防止し、形状保持性を高めるものであるが、本実施例1においては、シート状弾性基体12の原料である弾性基体原料Mの移送媒体としての役割も担う。その材質としては、均質かつ安定的な導電層14の形成させるべく所定の張力に対して伸張せず、弾性基体原料Mに対する加熱等に充分耐え得る耐熱性を有する、例えばステンレス鋼箔、銅箔またはアルミニウム箔といった金属フィルムや、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドまたはポリ塩化ビニルといった樹脂フィルムが好適に使用され、この他に通常の紙材や、樹脂繊維等によって強化された紙材または不織布も使用し得る。またその厚みは、導電層14に必要な剛性、すなわち形状保持性を持たせると共に、移送時の引っ張りに耐える程度、具体的には金属フィルムの場合は10〜100μm、好ましくは10〜70μm、樹脂フィルム、紙または不織布の場合は基本的に10〜500μm、好ましくは25〜100μmに設定される。
(実施例1の製造方法)
次に、実施例1に係る導電性シート状弾性体を好適に製造する製造装置の一例と、該製造装置を用いた製造方法を以下説明する。なお原料となる弾性基体原料Mおよび導電層14が基材フィルム18の一面に形成された導電層転写用フィルム20が準備されているものとする。導電性シート状弾性体10の製造工程は、図2に示すように原料準備工程S1、原料供給・成形工程S2、加熱工程S3、フィルム除去工程S4および最終工程S5から基本的に構成され、図3に示す製造装置30により好適に製造される。この製造装置30は、基本的に前述の原料供給・成形工程S2、加熱工程S3、フィルム除去工程S4および最終工程S5を連続的に実施するものであり、原料準備工程S1は別の装置で実施している。なお原料準備工程S1については、シート状弾性基体12となる弾性基体原料Mを適宜な公知方法によって準備し、更に後述([0042])する方法で導電層転写用フィルム20を準備する工程であり、詳細な説明については省略すると共に、後述の実験例1で一例を挙げている。
(製造装置について)
製造装置30は、図3に示す如く、導電層14が形成されると共に、各種原料から、例えばメカニカルフロス法における原料調整により混合された弾性基体原料Mの移送媒体となる導電層転写用フィルム20を図示しない駆動源により駆動する供給ロール32a、基材フィルム回収ロール32bおよび製品回収ロール32cからなるロール機構32と、導電層14上に弾性基体原料Mを供給する吐出ノズル34と、吐出ノズル34の下流側に設置され、供給された弾性基体原料Mを所定の厚みのシート状とする製品厚制御手段36と、その下流側に設けられる所定長さのトンネル式加熱炉38とから基本的に構成される。
ロール機構32は、導電層14が形成された基材フィルム18(導電層転写用フィルム20)に所定の張力を掛けて製造ラインに供給し、その結果、得られる導電性シート状弾性体10と、導電層14をシート状弾性基体12に転写した後の基材フィルム18とを夫々回収する機構である。そして製造装置30の最上流に設置される供給ロール32aには、導電層転写用フィルム20が巻き付けられ、制御下に送出されるようになっている。そして製造装置30の最下流に設置される基材フィルム回収ロール32bおよび製品回収ロール32cは、供給ロール32aと対になることで、導電層転写用フィルム20(基材フィルム18)に所定の張力を掛けると共に、シート状弾性基体12に導電層14が積層的に転写された導電性シート状弾性体10の巻き取り回収および基材フィルム18を巻き去り回収・除去の役割を夫々担う。なお基材フィルム回収ロール32bに巻き取られた基材フィルム18は、再び導電層14を形成した導電層転写用フィルム20とすることが可能である。
吐出ノズル34は、導電層14が上側に露出し、所定の張力を掛けた状態で移送される導電層転写用フィルム20の上方に配置され、導電層14上に弾性基体原料Mを制御下に供給するものであり、一端が図示しない弾性基体原料Mの混合・貯留装置に接続されている。製品厚制御手段36は、導電層14上に吐出供給された弾性基体原料Mを所定の厚みのシート状物とするものであり、具体的にはナイフコーターまたはロールコーター等の従来公知の手段が採用される。そしてトンネル式加熱炉38は、所定の厚みとされた弾性基体原料Mに制御下で加熱を施して反応・硬化を進行させてシート状弾性基体12とするためのものである。またシート状弾性基体12を充分に反応・硬化させ得るものであれば、如何なる加熱方式でも採用可能である。この際、弾性基体原料Mは導電層14上で反応・硬化して、その結果、弾性基体原料Mおよび導電層14は強固に接合される。
(原料準備工程S1における導電層転写用フィルムの準備について)
実施例1において、予め準備される導電層転写用フィルム20は以下のよう製造されている。すなわち有機系または水系の溶媒に溶かしたベース樹脂15の原料に所定量の導電剤16を混合し、ホモミキサー等で高速分散させる等して均質に分散させた導電層形成原料を作製する。そしてこの導電層形成原料を、基材フィルム18の一面にべーカー式アプリケーター等の一般的な塗布手段を用いて所定の厚さで塗布し、ドライヤや乾燥炉等の乾燥手段で乾燥することで、基材フィルム18の一面に所定厚みの導電層14が剥離可能に形成される。なお導電層転写用フィルム20を製造するに際しては、基材フィルム18の導電層14の形成される側に、転写の際の剥離性を高める、例えばシリコーン系物質またはポリオレフィン系物質等の離型剤が予め各種コーター等の公知手段で付与され、この離型剤を介して導電層14が形成されている。
(原料供給・成形工程S2について)
本原料供給・成形工程S2は、図4に示す如く、ロール機構32によって所定の張力を掛けられた状態で水平に供給される導電層転写用フィルム20上に、原料準備工程S1で得られた弾性基体原料Mを吐出ノズル34から連続的に吐出し、これを製品厚制御手段36によって所定の厚みとする工程である(図4(a)参照)。
(加熱工程S3について)
本加熱工程S3は、前原料供給・成形工程S2を経ることで、導電層14上に所定の厚みとされた弾性基体原料Mを加熱することで反応・硬化させ、導電層14にシート状弾性基体12を接合させる工程である(図4(b)参照)。具体的には、トンネル式加熱炉38を通過する際に所定の温度に昇温、一定時間保持することでなされる。このときの加熱温度については、前述([0022])した導電層14の転写可能温度域内に設定される。具体的に転写可能温度域は、弾性基体原料Mを加熱することで反応・硬化させ得る150〜200℃程度の温度に設定されている。
(フィルム除去工程S4および最終工程S5について)
フィルム除去工程S4は、加熱工程S3を経て得られた導電層転写用フィルム20とシート状弾性基体12との接合体から、基材フィルム回収ロール32bにより基材フィルム18を分離除去して回収する工程であり(図4(c)参照)、最終工程S5はフイルム除去工程S4に引き続き連続的に実施される、出荷前の最終加工および検査等のための工程である。そしてフィルム除去工程S4を経ることで、シート状弾性基体12に対して導電層14だけが転写された導電性シート状弾性体10の長尺物が得られる。この導電性シート状弾性体10の長尺物は、最終検査を受けつつ製品回収ロール32cにより巻き取り回収され、そのままの形で出荷に供される。なお長尺の導電性シート状弾性体10は、製品回収ロール32cに回収せず、連続的に所定形状への打ち抜き等の最終加工およびその他検査等を実施等をし、パッキン等の各種最終製品としてもよい。また導電性シート状弾性体10の形状的強度や、ハンドリング性を考慮し、基材フィルム18の分離を実施せず、所要形状への打ち抜き加工等を実施した最終製品として出荷された後の使用直前に分離させて使用するようにしてもよい。この場合にはフィルム除去工程S4は不要となる。
このように導電性シート状弾性体10は、予め準備した導電層転写用フィルム20から導電層14をシート状弾性基体12に転写するに際して、弾性基体原料Mを反応・硬化させるための熱を利用しているので効率がよく省エネルギー化を図り得ると共に、連続的に転写し得るので量産性に優れ、生産効率を向上し得る。また導電性シート状弾性体10の製造工程とは、別工程で導電層14を形成した導電層転写用フィルム20を予め準備しておくので、有機溶媒について導電性シート状弾性体10の製造工程への持ち込みがないから、導電性シート状弾性体10の製造工程において作業環境の向上や廃棄物の減少による環境性を向上し得ると共に、シート状弾性基体12の有機溶媒による劣化を防止することができる。
なお本実施例1については、予め導電層転写用フィルム20を作製し、更にロールに巻くことで製造装置30に組み込むようにしているが、供給ロール32aに基材フィルム18だけを巻き掛けて制御下に送出し、吐出ノズル34の上流側で導電層14を形成する導電層形成原料を連続的に供給して、製造装置30内において導電層転写用フィルム20を連続的に作製しつつ、導電性シート状弾性体10を製造するようにしてもよい。
(変更例)
前述の実施例1では、シート状弾性基体12の一方の表面にだけ導電層14が転写された導電性シート状弾性体10について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図5に示すような導電性シート状弾性体24の如き形態、すなわちシート状弾性基体12の両面に導電層14,14が転写された構成も考えられる。この導電性シート状弾性体24は、その両面において除電や導電性が必要な場合に対応し得るといった特徴を有している。この導電性シート状弾性体24は、例えば図6に示す製造装置50によって製造される。製造装置50は、基本的に前述([0039])した製造装置30と同様の構造を備え、積層状態にある弾性基体原料Mおよび導電層転写用フィルム20の弾性基体原料Mの上方から、別の導電層転写用フィルム20を、その導電層14が弾性基体原料Mに対向するように連続的に供給することで、シート状弾性基体12の両面に導電層14,14が転写された導電性シート状弾性体24を製造する装置である。従って製造装置50には、製造装置30に対して、吐出ノズル34の下流側に設置され、 図示しない駆動源により駆動され、別の導電層転写用フィルム20を供給する第2供給ロール33aおよび第2基材フィルム回収ロール33bからなる第2ロール機構33が付加された構成となっている。
(別の変更例)
更に前述の実施例1および変更例においては、シート状弾性基体12の少なくとも一方の表面に導電層14が転写された構成の導電性シート状弾性体が説明されているが、本発明においてはシート状弾性基体12の一方の表面に対して、引張強度等の物理的強度を向上させる、基材シート22を一体的に積層した導電性シート状弾性体26の如き形態も考えられる。具体的に導電性シート状弾性体26は、図7に示す如く、その主体であるシート状弾性基体12の一方の表面に所定の基材シート22が一体的に積層され、他方の表面に導電層14が転写された構成となっている。
この導電性シート状弾性体26は、例えば図8に示す製造装置60によって製造される。製造装置60は、基本的に製造装置50([0048]参照)と同様の構造を備え、弾性基体原料Mの移送媒体として使用される導電層転写用フィルム20に代えて連続的に供給される基材シート22上に弾性基体原料Mを供給し、更にこの弾性基体原料Mの上方から、導電層転写用フィルム20を、その導電層14が弾性基体原料Mに対向するように連続的に供給し、加熱によって弾性基体原料Mをシート状弾性基体12とすると共に、その一方の面に導電層14を接合させて、導電層14から基材フィルム18を剥離させることでシート状弾性基体12に導電層14を転写させ、他方の面に基材シート22が一体的に積層された導電性シート状弾性体26を製造する装置である。
本製造装置60で使用される基材シート22は、基本的に基材フィルム18と同様の役割を果たす部材であるため、求められる物性および材質等も同等に設定される。また基材シート22を使用して導電性シート状弾性体26を製造した場合、基材シート22がシート状弾性基体12に対して一体的に積層し、導電性シート状弾性体26全体としての物理的強度を向上させるため、その裂けおよび切れを未然に防き、ハンドリング性等を良好にする効果が期待できる。このため、その材質としては耐久性に優れる金属または樹脂の採用が好ましく、殊にシート状弾性基体12と積層した際に、その動きに対して柔軟に対応して追従可能であり、例えば安価なポリエチレンテレフタレート(PET)の如きポリエステル樹脂が好適である。殊に基材シート22として、PET等の熱可塑性樹脂を使用した場合には加熱等による軟化が考えられるため、導電性シート状弾性体26に張力を掛けた際に「裂け」または「皺」等が発生することのない程度の厚みが必要とされ、その厚みは10〜500μm、好適には25〜250μmの範囲内とされる。なお基材シート22として金属、例えばステンレス鋼箔、銅箔またはアルミニウム箔といった素材の使用も可能である。
実施例2では、予め弾性基体原料Mを反応・硬化させて作製されたシート状弾性基体12に対して導電層14を積層し、これに熱を加えることでをシート状弾性基体12および導電層14を接合する場合(以下、熱転写工法と云う)で転写した導電性シート状弾性体について説明する。なお実施例1と共通する構成については、説明を省略して異なる構成のみ説明する。
実施例2に係る導電性シート状弾性体28は、予め準備されたシート状弾性基体12に対して、導電層転写用フィルム20の導電層14を当接させて加熱し、双方を熱接合することで、シート状弾性基体12に導電層14が転写されている。すなわち加熱によりゴム状態に移行した導電層14(の主体をなすベース樹脂15)がバインダとしても機能するものである。ここで導電層14をシート状弾性基体12に熱接合する際の温度は、転写可能温度域内、すなわち導電層14がゴム状態を維持し、かつその弾性率が1.0×10Pa以下となる温度域に設定され、これはシート状弾性基体12と導電層14をなすベース樹脂15との関係で決定される。そして本実施例2においてはその指標として、弾性基体原料Mをシート状弾性基体12に反応・硬化させる150℃における弾性率(以下、150℃弾性率と云う)も採用可能である。
弾性率は、本発明に係るベース樹脂15の如き可塑性物質においては、その粘着性を表す粘性率と密接な関係にあり、かつレオメーター等の利用によって容易に測定できる利点がある。そこで実施例2に係る導電層14としては、レオメーターを用いて測定した150℃弾性率が1.0×10Pa以下になるよう設定されている。この値が1.0×10Paより大きいと、前述([0023])と同様にガラス状態となってシート状弾性基体12に好適に接合し得ない。
熱転写工法を用いる場合、導電層14は、その転写性等の点から100質量部のベース樹脂15に対して、導電剤16の使用量(配合割合)を30質量部以下とするのが好ましい。導電剤16の使用量が30質量部を超えると、ベース樹脂15の導電剤16に対する量が相対的に減少することになるため、導電層14の接合強度、すなわち転写性が悪化し、更にシート状弾性基体12に対する追従性も悪化してしまう。導電剤16の使用量は、導電層14が達成すべき表面抵抗値により適宜選択されるものであり、例えば静電気によるトラブルを防止し得るパッキン等の用途では、表面抵抗値を1.0×10〜1.0×10Ωとなることが望まれるが、このような表面抵抗値はアセチレンブラックやオイルファーネスブラック等のカーボンブラックからなる導電剤16を、100質量部のベース樹脂15に対して10〜30質量部の範囲で使用することで達成される。
(実施例2の製造方法)
実施例2では、導電層転写用フィルム20と同様にシート状弾性基体12を予め準備し、この双方をベース樹脂15を制御下に転写可能状態とする、すなわち層形状を保持したまま溶解してシート状弾性基体12内部に浸透しない程度の状態となる転写可能温度域に加熱することで、シート状弾性基体12および導電層14を熱接合により積層した後、導電層14から基材フィルム18を剥離除去して導電性シート状弾性体28を製造している。この導電性シート状弾性体28は、基本的に図1に示す導電性シート状弾性体10と同様の構成を備えるもので、図9に示す製造装置70によって製造される。製造装置70は、基本的に前述([0039])した製造装置30と同様の構造を備えるが、シート状弾性基体12を弾性基体原料Mとして供給・硬化させるのではなく、別工程でシート状弾性基体12を予め製造してロール状に巻き取り、このロール状のシート状弾性基体12をロール機構32の一部を構成するシート状弾性基体供給ロール32dとして用い、製造装置70に対してシート状弾性基体12を供給している。この製造装置70は、シート状弾性基体供給ロール32dの下流に、導電層14を確実に熱を供給して加熱すると共に、シート状弾性基体12と導電層14とを確実に接合させる一対の加熱押圧ロール35,35が備えられている。すなわち製造装置70では、一対の加熱押圧ロール35,35で導電層14を加熱することで、転写可能状態になったベース樹脂15の化学的・物理的な接着力でシート状弾性基体12と導電層14とを接合・熱転写させている。また導電層14に加えられる熱は、転写対象物であり基材となるシート状弾性基体12に対して悪影響を及ぼさない60〜150℃の範囲に設定される。この温度が60℃未満の場合、一対の加熱押圧ロール35,35によって加えられる瞬間的な条件においての制御が困難となると共に、ベース樹脂15の如何似に関わらずらず転写に充分な弾性率となし得なくなる虞があり、150℃を超えるとシート状弾性基体12を構成する組成が熱硬化等の導電性シート状弾性体10としての使用に差し障る影響が無視できなくなる。
なお、シート状弾性基体12の一面に導電層転写用フィルム20の導電層14を対向させて熱接合する態様のみでなく、シート状弾性基体12の両面に対して導電層転写用フィルム20の導電層14を夫々供給して、シート状弾性基体12の両面に導電層14,14を一度に熱接合する形態も採用し得る。またベース樹脂15として、加熱によって転写可能状態となる物質に代えて、例えば一定以上に圧力(加圧)に対応して接着性を発現する、所謂感圧型の物質を採用すると共に、一対の加熱押圧ロール35,35に代えて一対の押圧ロールを採用するようにしてもよい、この場合、導電層14の転写に際して、シート状弾性基体12に対して熱を加えることがないため、弾性基体原料Mとして熱可塑樹脂等も採用し得ることになる。
このように、熱転写工法による導電性シール状弾性体の製造においても、実施例1と同様に環境性の向上および生産効率の向上を図り得る。更に製造装置70に対して製造すべき分量としたシート状弾性基体12および導電層転写用フィルム20を予めセットし得るため、例えば少数ロットにも容易に対応し、多種の製品需要にフレキシブルに対応し、製造の幅を広げることが可能となっている。
なお実施例1、変更例、別の変更例または実施例2では、夫々導電性シート状弾性体10,24,26および28が連続して製造されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば5m程度の導電層転写用フィルム20や、基材シート22を使用して、バッチ的に弾性基体原料Mの供給および加熱等を実施するようにしてもよい。またシート状弾性基体12と基材シート22とは、一体成形工法では加熱された弾性基体原料Mの反応・硬化時の接着作用の発現で強固に一体的に積層され、熱転写工法では加熱された導電層14のベース樹脂15による接着作用の発現で強固に接合されるが、導電層14におけるシート状弾性基体12に対向する面に塗布したホットメルト型等の接着剤を併用するようにして、シート状弾性基体および導電層14の接合強度を更に向上させることもできる。これは吐出ノズル34の上流に接着剤の付与機構を備えたり、導電層転写用フィルムの準備工程において、導電層14の露出面に対して予め接着剤を付与することでなされる。
(実験例)
以下に、本発明に係る導電性シート状弾性体についての実験を行なった。なお、本発明は、この実験例に限定されるものではない。
(実験1) 導電性シート状弾性体の追従性について
表1および表2に記載された各ベース樹脂(A〜D、JおよびK)および導電剤の使用量(質量部)に従って導電層形成原料とし、これにメチルエチルケトン400質量部を均一に混合・溶解させた溶液を厚さ50μmの離型処理されたPETフィルム上にベーカー式アプリケーターにて塗布し、温度130℃、時間3分間の条件で加熱乾燥し、厚さ5μmの導電層を転写し得る導電層転写用フィルムを作製する。そしてこの導電層転写用フィルムと、シート状弾性基体とを実施例1記載の一体成形工法と、実施例2記載の熱転写工法との双方によって積層・接合して導電性シート状弾性体を製造(詳細な製造方法は、後述の実験2および実験3を参照)し、この弾性体から実施例1記載の一体成形工法に係る実施例1−1〜1−6並びに比較例1−1および1−2の試験片(表1参照)を、実施例2記載の熱転写工法に係る実施例1−7〜1−12並びに比較例1−3および1−4の試験片(表2参照)を夫々作製し、最大点応力、最大点伸度および破断点伸度を引張試験により測定することで、その追従性等を示す最大点伸度/破断点伸度および最大点応力/最大点伸度を算出し、またその追従性および表面のタック性について、更に実施例2記載の熱転写工法については転写性についても、○:良好、△:多少悪い、×:使用不可の3段階または○:良好、×:使用不可の2段階の何れかで評価(詳細は後述[0064])し、またこれらの値および評価から導電性シート状弾性体としての総合評価を、○:良好、×:使用不可で示した。なお参考的にベース樹脂および導電剤からなる導電層のガラス転移温度(℃)および150℃弾性率(Pa)並びにタック性を示す剥離力(N/25mm)についても併記した。また参考例として、導電層を接合させない状態、すなわちシート状弾性基体だけについても同様の測定・算出を実施した。
使用物質について
・導電剤:オイルファーネスプラック
・シート状弾性基体:ポリウレタンフォーム(商品名 SR−S−24;イノアックコーポレーション製)
・ベース樹脂A:ポリウレタン(重量平均分子量240,000、TMA(熱機械分析)測定によるガラス転移温度−35.3℃))
・ベース樹脂B:ポリエステル変性ポリウレタン(質量平均分子量52,000、TMA測定によるガラス転移温度26.3℃)
・ベース樹脂C:スチレンプタジエンスチレン共重合体(質量平均分子量93,000、TMA測定によるガラス転移温度83.4℃(スチレン単量体とプタジエン単量体との質量比40:60))
・ベース樹脂D:ポリエステル変性ポリウレタン(質量平均分子量100,000、TMA測定によるガラス転移温度75.0℃)
・ベース樹脂J:ポリウレタン(重量平均分子量105,000、TMA(熱機械分析)測定によるガラス転移温度48.0℃))
・ベース樹脂K:ポリエステル変性ポリウレタン(質量平均分子量27,000、TMA測定によるガラス転移温度34.2℃)
・最大点伸度、破断点伸度および最大点応力を測定について
市販の引張試験機を使用し、試験片断面積:0.6mm、引張り速度:200mm/分の測定条件にて最大点伸度、破断点伸度および最大点応力を測定した。
・導電層の150℃弾性率の測定について
市販のレオメータを使用し、自動せん断応力制御下(せん断一定)において、単一(1Hz)の周波数によって測定した。
・導電層のガラス転移温度測定について
市販のTMAを使用し、引張・粘弾性モードで、昇温速度5℃/分の条件で測定した。
・追従性の評価方法について
ガラス基板上に各実施例または比較例に係る導電性シート状弾性体を導電層が上になるように載置し、5mmφのガラス棒を導電層に押し込めなくなるまで押し当てたときの導電層の状態を目視により観察し、○:シワまたは亀裂の発生が見られない、×:シワまたは亀裂の発生が見られる、で評価した。
・表面のタック性の評価方法について(剥離力の測定方法)
各実施例または比較例に係る導電性シート状弾性体を温度23℃、湿度65%RHの条件下で、幅25mm、長さ250mmに切断して試験片とし、この試験片の導電層側を、厚さ1.1mmのガラス板に2kgゴムローラを用いて、300mm/minの速さで一往復させて圧着し、23℃、65%RHの条件下で20分間放置し、引張試験機を用いて引張り速さ300mm/minの条件で導電層を180度方向に引き剥がしたときの剥離力(N/25mm)を測定した。またこの測定値を基として経験的に、その値が0.2(N/25mm)以下の場合には、本発明に係る導電性シート状弾性体上に被着した物質を容易に引き剥がせるとして○の評価を、0.2(N/25mm)を超える場合には引き剥がしが多少困難であるとして△の評価を、一部でも引き剥がせず剥離力が測定不能であった場合には×の評価を夫々与えるようにした。なおガラス板は試験片貼付け前に、エタノールで表面を洗浄後、乾燥したものを使用した。
・転写性の評価方法について(熱転写工法のみ)
導電層転写用フィルムから基材フィルムを剥離させた際に、基材フィルム上の状態を目視により観察し、○:導電層が完全に残っていない、×:導電層が残っている、で評価した。
Figure 2006015570
Figure 2006015570
(実験1の結果)
実験1の結果を上記の表1および表2に併記する。この表1および表2から、ベース樹脂の物性等の条件を、本発明に係る範囲内に設定することで良好な追従性等を示すことが確認された。
(実験2) 実施例1に係る一体成形工法で製造される導電性シート状弾性体について
本発明に係る導電性シート状弾性体を一体成形工法、具体的には前述([0039])した製造装置30を使用して以下の手順で製造した導電性シート状弾性体について、表3に示すベース樹脂の種類(実験1で使用したベース樹脂のうちA〜Cと、E〜I)および導電剤の使用量における実験例2−1〜2−11に係る導電性シート状弾性体を製造し、この表面抵抗値(Ω)と、追従性とについての測定・判定を行なった。ここで追従性については、○:良好、△:多少悪い、×:使用不可の3段階で評価した。なお参考的にベース樹脂および導電剤からなる導電層のカラス転移温度(℃)、25℃弾性率(Pa)および150℃弾性率(Pa)についても併記した。また使用した各原料であって実験1で説明がなされていないものについては、以下に記す。
使用物質について
・ベース樹脂E:ポリウレタン(重量平均分子量83,000、TMA(熱機械分析)測定によるガラス転移温度40.0℃))
・ベース樹脂F:ポリエステル変性ポリウレタン(質量平均分子量76,000、TMA測定によるガラス転移温度75.0℃)
・ベース樹脂G:ポリエステル変性ポリウレタン(質量平均分子量72,000、TMA測定によるガラス転移温度70.0℃)
・ベース樹脂H:スチレンプタジエンスチレン共重合体(質量平均分子量150,000、TMA測定によるガラス転移温度90.0℃(スチレン単量体とプタジエン単量体との質量比31:69))
・ベース樹脂I:ポリエステル変性ポリウレタン(質量平均分子量67,000、TMA測定によるガラス転移温度65.0℃)
(製造方法)
・導電層転写用フィルムの準備
別工程において、基材フィルムとして厚み50μmのPETフィルム(基材フイルム)を使用し、ベース樹脂として実験1で使用したベース樹脂A〜Cと、上記のE〜Iとを選択して使用し、導電剤としてオイルファーネスブラックを使用して、前述した([0042])の手順で5μmの厚みで導電層を形成した各実験例に係る導電層転写用フィルムを準備し、これを供給ロール32aにセットする。
ポリエーテルポリオール(平均分子量3000、水酸基価43.0)100質量部に対して、金属触媒(スタナスオクトエート)0.1質量部と、シリコーン整泡剤3質量部とから混合物を得て、ここに0.1NL/分の流量で造泡用気体としての窒素と、イソシアネートインデックスが0.9〜1.1となるように設定されたポリイソシアネート(クルードMDI、NCO含有量:31%)とを混合・剪断を実施して弾性基体原料Mを得る。そしてこの弾性基体原料Mをロール機構32上に29.4〜98.1N(3〜10kgf)(張力をかける対象物が1000mm幅の場合)程度のテンションをかけられた状態で供給ロール32aから連続的に供給されている導電層転写用フィルムの導電層上に吐出ノズル34から、シート状弾性基体の完成時密度が300kg/m3となるように供給し、製品厚制御手段36に設定により、製品完成時の導電性シート状弾性体の厚さが0.5mmとなるようにする。そしてトンネル式加熱炉内で条件150℃〜200℃、1〜3分間の加熱が実施して、弾性基体原料Mの反応および硬化が進行させて導電層に対してシート状弾性基体が接合した導電性シート状弾性体を得て、ここに積層されている基材フィルムだけを、基材フィルム回収ロール32bにより除去・回収しつつ、完成した導電性シート状弾性体を製品回収ロール32cで回収する。
そして各実験例に係る導電性シート状弾性体から、寸法100mm(縦)×100mm(横)×0.5mm(厚さ)の試験片を得て、これらについて前述した各測定・評価項目の測定・評価を行なった。なお測定に使用した機器および測定条件等は実験1と同様であり、実験2だけの測定・判定項目については以下に記す。
・導電性シート状弾性体の導電層側の表面抵抗値の測定について
測定機器:商品名 ULTRA HIGH RESISTANCE METER R8340;アドバンテスト製
測定条件:印加電圧:10V、ディスチャージ:10秒、チャージ:10秒、なお各実験例に係る試験片は、22℃×55%RH、24時間の条件で調整室に放置した後に測定した。
Figure 2006015570
(実験2の結果)
実験2の結果を上記の表3に併記する。この表3から、ベース樹脂の種類、導電剤の使用量および導電層の条件を、本発明に係る範囲内に設定することで、本発明に係る導電性が達成されると共に、良好な追従性を示すことが確認された。
(実験3) 実施例2に係る熱転写工法で製造される導電性シート状弾性体について
本発明に係る導電性シート状弾性体を熱転写工法、具体的には前述([0056])した製造装置70を使用して以下の手順で製造した導電性シート状弾性体について、表4に示すベース樹脂の種類(実験1または実験2で使用したベース樹脂のうちA〜E、H、JおよびKと、L〜N)および導電剤の使用量に従った実験例3−1〜3−14に係る導電性シート状弾性体を製造し、この表面抵抗値(Ω)の測定と、追従性および転写性についての判定とを行なった。ここで導電層転写用フィルムの製造方法および弾性率等の測定方法は実験1または実験2と同様であって、得られた各実験例に係る導電層転写用フィルムを、供給ロール32aにセットする。そして実験例3−14のみ導電層の厚みを10μmに設定し、それ以外は5μmに設定した。また追従性については、○:良好、△:多少悪い、×:使用不可の3段階で、転写性については、○:良好、×:使用不可の2段階で夫々評価した。なお参考的にベース樹脂および導電剤からなる導電層のカラス転移温度(℃)、25℃弾性率(Pa)および150℃弾性率(Pa)についても併記した。また使用した各原料であって実験1または実験2で説明がなされていないものについては、以下に記す。
使用物質について
・ベース樹脂L:スチレンプタジエンスチレン共重合体(質量平均分子量130,000、TMA測定によるガラス転移温度44.8℃(スチレン単量体とプタジエン単量体との質量比30:70))
・ベース樹脂M:ポリエステル変性ポリウレタン(質量平均分子量100,000、TMA測定によるガラス転移温度12.0℃)
・ベース樹脂N:ポリエステル変性ポリウレタン(質量平均分子量65,000、TMA測定によるガラス転移温度65.0℃)
別途用意した厚み0.5mmのシート状弾性基体(商品名 PORON SR−S−40P;イノアックコーポレーション製)をシート状弾性基体供給ロール32dにセットして、導電層およびシート状弾性基体に対して29.4〜98.1N(3〜10kgf)(張力をかける対象物が1000mm幅の場合)程度のテンションをかけた状態で1m/minのスピードで連続的に供給する。そして、導電層およびシート状弾性基体に対して3kg/cmの(シリンダ)圧力と100℃の熱が加えられた一対の加熱押圧ロール35,35の間を通過させてシート状弾性基体に対して導電層が接合した導電性シート状弾性体が得られ、ここに積層されている基材フィルムだけを、基材フィルム回収ロール32bにより除去・回収しつつ、完成した導電性シート状弾性体を製品回収ロール32cで回収する。
そして各実験例に係る導電性シート状弾性体から、寸法100mm(縦)×100mm(横)×0.5mm(厚さ)の試験片を得て、これらについて前述した各測定・評価項目の測定・評価を行なった。なお測定に使用した機器および条件並びに測定条件等は実験1および2と同様である。
Figure 2006015570
(実験3の結果)
実験3の結果を上記の表4に併記する。この表4から、ベース樹脂の種類および導電層の条件を、本発明に係る範囲内に設定することで、本発明に係る導電性が達成されると共に、良好な追従性および転写性を示すことが確認された。
本発明に係る導電性シート弾性体およびその製造方法は、携帯電話、テレビ、その他コンピュータのディスプレイ等の電気機器にあって、液晶等の表示部、マイク部、その他スピーカー部等の入出力部等といった内部機器の周縁部に配設され、機器本体である筐体と内部機器の周縁との間に介在して、防塵、バックライト等の光漏れの防止およびがたつきを防止に使用される。
本発明の好適な実施例1に係る導電性シート弾性体を一部切り欠いて示す概略斜視図である。 実施例1の導電性シート状弾性体の製造方法を示す工程図である。 実施例1の導電性シート状弾性体をメカニカルフロス法により製造する製造装置の一例である。 実施例1の導電性シート状弾性体を製造する際に使用する、弾性基体原料、シート状弾性基体、導電層および基材フィルム等の各工程での状態を概略的に示す状態図である。 実施例1の変更例に係る導電性シート状弾性体を拡大して示す縦断断面図である。 実施例1の変更例に係る導電性シート状弾性体の製造装置を示す概略図である。 実施例1の別の変更例に係る導電性シート状弾性体を拡大して示す縦断断面図である。 実施例1の別の変更例に係る導電性シート状弾性体の製造装置を示す概略図である。 実施例2の導電性シート状弾性体の製造装置を示す概略図である。
符号の説明
10 導電性シート状弾性体
12 シート状弾性基体
14 導電層
15 ベース樹脂
16 導電剤
18 基材フイルム
22 基材シート
24 導電性シート状弾性体
26 導電性シート状弾性体
28 導電性シート状弾性体
M 弾性基体原料

Claims (16)

  1. シート状弾性基体(12)と、このシート状弾性基体(12)の少なくとも一方の表面に積層させた導電層(14)とからなる導電性シート状弾性体において、
    前記導電層(14)はベース樹脂(15)と、該ベース樹脂(15)中に分散させた導電剤(16)とからなり、
    前記導電性シート状弾性体の最大点伸度/破断点伸度が0.95以上に設定されている
    ことを特徴とする導電性シート状弾性体。
  2. シート状弾性基体(12)と、このシート状弾性基体(12)の少なくとも一方の表面に積層させた導電層(14)とからなる導電性シート状弾性体において、
    前記導電層(14)はベース樹脂(15)と、該ベース樹脂(15)中に分散させた導電剤(16)とからなり、
    前記導電性シート状弾性体の最大点応力/最大点伸度は0.1以下に設定されている
    ことを特徴とする導電性シート状弾性体。
  3. シート状弾性基体(12)と、このシート状弾性基体(12)の少なくとも一方の表面に積層させた導電層(14)とからなる導電性シート状弾性体において、
    前記導電層(14)はベース樹脂(15)と、該ベース樹脂(15)中に分散させた導電剤(16)とからなり、
    前記導電性シート状弾性体の最大点伸度/破断点伸度が0.95以上に設定されると共に、その最大点応力/最大点伸度は0.1以下に設定されている
    ことを特徴とする導電性シート状弾性体。
  4. シート状弾性基体(12)と、このシート状弾性基体(12)の少なくとも一方の表面に積層的に接合させた導電層(14)とからなる導電性シート状弾性体において、
    前記導電層(14)はベース樹脂(15)と、該ベース樹脂(15)中に分散させた導電剤(16)とからなり、前記シート状弾性基体(12)と接合させる際にゴム状態であって、その弾性率が1.0×10Pa以下となるよう設定され、
    前記導電層(14)を基材フイルム(18)上に形成した導電層転写用フィルム(20)を、その導電層(14)の側を前記シート状弾性基体(12)に接合させた後に該基材フィルム(18)を剥離することにより、該導電層(14)が該シート状弾性基体(12)の前記表面に転写されている
    ことを特徴とする導電性シート状弾性体。
  5. 前記シート状弾性基体(12)の25%圧縮硬さは0.035MPa以下に設定されている請求項1〜4の何れかに記載の導電性シート状弾性体。
  6. 前記導電層(14)の転写により、得られる導電性シート状弾性体(10,24,26,28)の表面抵抗値が1.0×10〜1.0×10Ω以下に設定される請求項1〜5の何れかに記載の導電性シート状弾性体。
  7. 前記シート状弾性基体(12)は、発泡体からなる請求項1〜6の何れかに記載の導電性シート状弾性体。
  8. 前記導電層(14)の厚みは、1〜10μmの範囲に設定されている請求項1〜7の何れかに記載の導電性シート状弾性体。
  9. 前記導電剤(16)として、カーボンブラックが使用される請求項1〜8の何れかに記載の導電性シート状弾性体。
  10. 基材フィルム(18)の一方の表面に導電剤(16)を分散させたベース樹脂(15)からなる導電層(14)を形成した導電層転写用フィルム(20)を準備し、
    前記導電層転写用フィルム(20)の導電層(14)側に、流動状態にある弾性基体原料(M)を供給し、
    前記供給された弾性基体原料(M)を、前記導電層(14)がゴム状態であって、その弾性率が1.0×10Pa以下となる転写可能温度域で反応および硬化させることで、前記導電層(14)に接合した所要厚みのシート状弾性基体(12)を形成し、
    前記導電層(14)から基材フィルム(18)を剥離することで転写するようにした
    ことを特徴とする導電性シート状弾性体の製造方法。
  11. 基材フィルム(18)の一方の表面に導電剤(16)を分散させたベース樹脂(15)からなる導電層(14)を形成した導電層転写用フィルム(20)を準備し、
    前記導電層転写用フィルム(20)の導電層(14)側に、流動状態にある弾性基体原料(M)を供給し、
    次いで前記導電層(14)上の弾性基体原料(M)に対して、別の導電層転写用フィルム(20)を、その導電層(14)が該弾性基体原料(M)に対向するよう連続的に供給し、
    前記供給された弾性基体原料(M)を、前記導電層(14)がゴム状態であって、その弾性率が1.0×10Pa以下となる転写可能温度域で反応および硬化させることで、その両面に前記夫々の導電層(14)が接合された所要厚みのシート状弾性基体(12)となし、
    前記夫々の導電層(14)から各対応の基材フィルム(18)を剥離することで転写するようにした
    ことを特徴とする導電性シート状弾性体の製造方法。
  12. 基材シート(22)上に流動状態にある弾性基体原料(M)を供給し、
    この弾性基体原料(M)に対して、基材フィルム(18)の一方の表面に導電剤(16)を分散させたベース樹脂(15)からなる導電層(14)を形成した導電層転写用フィルム(20)を、その導電層(14)が該弾性基体原料(M)に対向するよう連続的に供給し、
    前記供給された弾性基体原料(M)を、前記導電層(14)がゴム状態であって、その弾性率が1.0×10Pa以下となる転写可能温度域で反応および硬化させることで、その一方の表面に前記導電層(14)が接合されたシート状弾性基体(12)を形成し、
    前記導電層(14)から前記基材フィルム(18)を剥離することで、前記シート状弾性基体(12)の一方の表面に導電層(14)を転写するようにした
    ことを特徴とする導電性シート状弾性体の製造方法。
  13. 前記導電剤(16)としてカーボンブラックが使用されると共に、その使用量は100質量部のベース樹脂(15)に対して10〜65質量部の範囲に設定される請求項10〜12の何れかに記載の導電性シート状弾性体の製造方法。
  14. 所要厚みのシート状弾性基体(12)と、基材フィルム(18)の一方の表面に導電剤(14)を分散させたベース樹脂(15)からなる導電層(14)を形成した導電層転写用フィルム(20)とを準備し、
    前記シート状弾性基体(12)に導電層(14)が対向するよう導電層転写用フィルム(20)を積層した後、該シート状弾性基体(12)および導電層(14)を該導電層(14)がゴム状態であって、その弾性率が1.0×10Pa以下となる転写可能温度域で加熱するおよび/または加圧することで接合させ、
    前記導電層(14)から基材フィルム(18)を剥離することで転写するようにした
    ことを特徴とする導電性シート状弾性体の製造方法。
  15. 前記導電層(14)の転写可能温度域は、60〜150℃の範囲で実施される請求項14記載の導電性シート状弾性体の製造方法。
  16. 前記導電剤(16)としてカーボンブラックが使用されると共に、その使用量は100質量部のベース樹脂(15)に対して10〜30質量部の範囲で添加される請求項14または15記載の導電性シート状弾性体の製造方法。
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