JP2006015529A - プリントシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】プリンタの動作状態をリアルタイムで知ることのできるプリントシステムを提供する。
【解決手段】プリンタ90は、プリント注文装置70から送信される現在の動作状態の応答要求(#1)を待機しており、システムコントローラ10は応答要求を受信したことに応じて現在の動作状態を特定し(#2)、該特定された現在の動作状態をプリント注文装置70に応答する(#3)。現在の動作状態は、プリンタ90の印画動作ステップS1〜S42で特定することができる。プリント注文装置70は受信した応答内容をディスプレイ80に表示してもよい。
【選択図】 図6

Description

本発明はプリントシステムに係り、特にプリンタの動作状況を通知するプリントシステムに関する。
従来、パソコンに接続された外部機器の動作状態を得る方法が考案されている。例えば、特許文献1によると、プリンタを初めとする外部機器が接続される接続ポートを有するコンピュータ本体と、コンピュータ本体から出力された画像信号の内容を表示するモニタとを備え、外部機器制御部を有するコンピュータにおいて、外部機器制御部は、接続ポートに外部機器が接続されているか否かを確認し、接続ポートに外部機器が接続された場合、外部機器の動作状態を確認してモニタに表示する。
特開2003−76651号公報
ところで、証明写真などの各種写真プリントを販売する写真プリント販売システムにおいては、多数のユーザが続けてプリント注文するなどして処理すべきプリントデータが多量になり、プリント注文後に相当時間が経過しても写真プリントがプリンタから排出されないことがある。この場合、実際には印画動作が正常に進行しているにもかかわらずプリンタが故障してしまったとユーザが誤解してしまい、苦情の原因となる。この点、特許文献1のパソコンでは、パソコン内蔵の外部機器制御部により外部機器の動作状態を確認してモニタに表示するだけであり、プリンタが実際にどのような動作を行っているのかをリアルタイムに知ることはできない。本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、プリンタの動作状態をリアルタイムで知ることのできるプリントシステムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、プリンタと接続してデータを送受信する通信部と、前記プリンタの動作状態の応答を要求する応答要求部と、画像データの前記プリンタへの送信の制御及びプリントの実行を前記プリンタに指示する制御部とを有するプリンタ制御装置と、前記通信部を介して前記画像データ及び前記プリントの実行の指示を受信する受信部と、前記プリントの実行の指示及び前記画像データに基づいてプリント画像を印画するプリント部と、前記動作状態の応答を要求されたことに応じて前記プリント部の現在の動作状態を前記プリンタ制御装置に応答する動作状態応答部とを有するプリンタと、を備えるプリントシステムを提供する。
この発明によると、プリンタが動作状態の詳細な内容をプリンタ制御装置に応答することで、プリンタが現在どのような動作状態であるのかをプリンタ制御装置が認識できる。プリンタ制御装置はパソコンやマイコンなどで構成できる。
請求項2に係る発明は、前記制御部は前記応答された動作状態に応じて次のプリントの実行を指示する請求項1に記載のプリントシステムを提供する。
この発明によると、現在の動作状態に応じて次のプリントの実行を指示するため、次のプリント動作への移行時間を短縮できる。
請求項3に係る発明は、前記制御部は前記画像データを所定のプロセスカラーに応じて分解した画像データであるプロセスカラー画像データの各々を前記応答された動作状態に応じて前記プリンタに送信するよう制御し、前記プリント部は受信したプロセスカラー画像データに基づいて所定のプロセスカラーに関する印画を実行する請求項1又は2に記載のプリントシステムを提供する。
この発明によると、プリンタから応答された動作状態に応じてプロセスカラー画像データをプリンタに送信し、プリンタはその画像データに基づいて所定のプロセスカラーに関する印画を実行する。即ち、現在の動作状態に応じて次のプロセスカラーに関する印画を実行でき、次のプロセスカラー印画動作への移行時間を短縮できる。
請求項4に係る発明は、前記プリンタの応答した動作状態を表示装置に表示させる表示制御部をさらに備える請求項1〜3のいずれかに記載のプリントシステムを提供する。
この発明によると、プリンタの応答した動作状態をディスプレイなどの表示装置に表示すれば、ユーザが現在のプリンタの動作状態を詳細に把握できる。
請求項5に係る発明は、前記表示制御部は前記プリンタの応答した動作状態に基づいてプリントの進行状況を表示装置に表示させる請求項4に記載のプリントシステムを提供する。
この発明によると、プリンタの応答した動作状態に基づいてプリントの進行状況をLEDインジケータなどの表示装置に表示すれば、ユーザが現在のプリントの進行状況を詳細に把握できる。
この発明によると、プリンタが動作状態の詳細な内容をプリンタ制御装置に応答することで、プリンタが現在どのような動作状態であるのかをプリンタ制御装置が認識できる。
以下、添付した図面を参照し本発明の好ましい実施の形態を説明する。
[概略構成]
図1は、本発明に係るプリントシステムのブロック図である。このプリントシステムは、ユーザがプリント注文装置70の図示しないメディア挿入口にスマートメディアなどの記録媒体を挿入してお金を投入し、記録媒体に格納されているデジタル画像をプリンタ90がTAペーパーにプリントするシステムである。
プリント注文装置70は、タッチパネル98、ディスプレイ80が配設されており、ユーザはディスプレイ80を見ながらタッチパネル98を操作してプリントサイズ、プリント枚数などの必要な情報を入力する。プリント注文装置70には、1又は複数のプリンタ90が接続されており、プリンタ90がデジタル画像をプリントするようになっている。
ユーザが記録媒体をメディア挿入口に挿入すると、ハードディスクコントローラ74は、ハードディスク(図示せず)に記録されている制御ソフトウエアを作動させる。記録媒体には、画像データが所定の形式で圧縮された状態で記録されており、CPU72は、メディアリーダコントローラ82に画像データの読み出しを指示して記録媒体から所要の画像データを取得すると、この画像データを伸張して元の画像データに復元し、更に、所要の画像処理を施してその画像データをRAM76に記憶させる。
タッチパネル98からは、ユーザがプリントサイズ、プリント枚数などの必要な情報を入力し、入力された情報はディスプレイ80に表示されると共にシリアルコントローラ86に送られる。ディスプレイ80は、ディスプレイコントローラ78によって作動される。コインマシン88は、タッチパネル98から入力された情報に基づいてディスプレイ80に表示された金額をユーザが投入したかどうかを確認する。必要な金額が投入されたら、RAM76に格納されている画像データがSCSIコントローラ84を介してプリントジョブとして各プリンタ90に送られる。これらの一連の制御はCPU72が行う。
プリンタ90は、TA方式と呼ばれる印画方式を採用したもので、熱を加えると発色し、所定の波長の光を照射すると定着するという特性を有するTAペーパーを使用する。TA方式のプリンタにおいて一般的に行われている印画処理に関する構成及び動作について説明する。
図2はプリンタ90のブロック図である。図2に示すように、システムコントローラ10は、システム全体を統括的に制御する処理部であり、プリント注文装置70のSCSIコントローラ84に接続している。システムコントローラ10は、SCSIコントローラ84からジョブを受け渡される。このシステムコントローラ10により、各制御ブロックに対する画像データの受渡し、プリントの実行等の各種指示が与えられるようになっている。システムコントローラ10への各種処理の指示は、ユーザの操作によるタッチパネル98に基づいて、CPU72が与える。システムコントローラ10の動作プログラムは、FLASHメモリ19に記録されている。
SCSIコントローラ84から受け渡されたジョブは、システムコントローラ10、メモリコントローラ20を介してメモリ22に一旦記憶される。すなわち、メモリコントローラ20は、メモリ22に対するデータの書き込みと読み出しを制御する処理部であり、このメモリコントローラ20の処理によって、SCSIコントローラ84、システムコントローラ10から受け渡されたプリント画像等の画像データがメモリ22に記憶される。また、システムコントローラ10からの指示に従ってメモリ22に記憶されたプリント画像等の画像データがプリントコントローラ28に出力される。メモリ22には、記憶した画像データの累計のデータ量が記憶される。
プリントコントローラ28、ヘッド駆動回路30、ペーパー搬送制御部32、及び定着制御部34は、プリントを実行するための制御ブロックであり、これらの制御ブロックは、システムコントローラ10からのプリント実行の指示により互いに同期して各種制御を実行する。
ここで、このプリンタ90で使用されるTAペーパーについて説明する。図3に示すように、TAペーパー50は、支持体52の表面にシアン(C)発色層54、マゼンタ(M)発色層56、イエロー(Y)発色層58の3層が順に重ねて形成されている。C発色層54、M発色層56、Y発色層58の各発色層では、それぞれに対応した熱量が与えられると、その熱量に応じた濃度(階調)のC色、M色、Y色が発色する。また、C発色層54を除くM発色層56及びY発色層58の各発色層に、それぞれに対応した波長(M発色層56は約365nm、Y発色層58は約425nm程度)の光を照射すると、発色の状態が定着されるようになっている。
プリントコントローラ28は、システムコントローラ10からプリント実行の指示が与えられると、メモリ22に記憶されたプリント画像の画像データをメモリコントローラ20を介して取得し、そのプリント画像の画像データに基づいてプリント画像の各画素におけるC、M、Y各色の階調(印画階調値)を例えば8ビットの分解能の範囲(0〜255)で設定する。そして、そのプリント画像の各画素におけるC、M、Y各色の印画階調値のデータをTAペーパー50の走行と同期してその走行方向(副走査方向)と垂直な方向(主走査方向)の1ラインずつヘッド駆動回路30に出力する。
ヘッド駆動回路30は、上述のようにプリントコントローラ28からC、M、Y各色の印画階調値のデータが与えられると、その印画階調値に基づいて主走査方向に配列されたサーマルヘッド36の各ドットの発熱素子に印加する電圧及びその通電時間(パルス幅)をTAペーパーの走行に同期させて制御する。これにより、サーマルヘッド36の各ドットの発熱素子からTAペーパー50の各点に与えられる熱量がC、M、Y各色の印画階調値に応じて制御され、TAペーパー50の各発色層に対してプリントコントローラ28から指示された印画階調値に対応する濃度の色が発色される。
サーマルヘッド36には、センサ24が接続されており、このセンサ24がサーマルヘッド36の温度を検出するようになっている。センサ24は、システムコントローラ10にも接続しており、検出した温度情報をシステムコントローラ10に送っている。システムコントローラ10は、その受けた温度情報に基づいてサーマルヘッド36がオーバーヒート状態になっているかどうか判断する。
ペーパー搬送制御部32は、システムコントローラ10からプリント実行の指示が与えられると、TAペーパー収納部からTAペーパー50を印画処理部100に給送する。図4に示すように、TAペーパー収納部には、ロール状のTAペーパー50が装填されている。また、ペーパー搬送制御部32は、TAペーパーを印画処理部100に給送すると、キャプスタンローラ38をモータにより駆動してTAペーパー50を発色、定着の印画処理に同期させて走行させる。このとき、システムコントローラ10は、ホームポジション(HP)センサ40を使用してTAペーパー50がホームポジションにあることを検出し、そのホームポジションを基準にしたTAペーパー50の往復走行をペーパー搬送制御部32に実行させる。なお、TAペーパー50の具体的な搬送制御の内容については後述する。
定着制御部34は、サーマルヘッド36によるTAペーパー50のY発色層とM発色層の発色の処理と同期させてY定着用蛍光ランプ42及びM定着用蛍光ランプ44の点灯・消灯を制御する。Y定着用蛍光ランプ42は、少なくとも425nmをピーク波長とする発光特性をもつランプであり、このY定着用蛍光ランプ42が点灯してこのランプからTAペーパーに前記波長の光が照射されると、TAペーパー50のY発色層が定着される。一方、M定着用蛍光ランプ44は、少なくとも365nmをピーク波長とする発光特性をもつランプであり、このM定着用蛍光ランプ44が点灯してこのランプからTAペーパー50に前記波長の光が照射されると、TAペーパー50のM発色層が定着される。
Y定着用蛍光ランプ42、M定着用蛍光ランプ44には、それぞれセンサ12、14が接続されており、このセンサ12、14がY定着用蛍光ランプ42、M定着用蛍光ランプ44の照度値をそれぞれ測定している。センサ12、14は、システムコントローラ10にも接続されており、測定した照度値情報はシステムコントローラ10に送られている。システムコントローラ10は、その受けた照度値情報に基づいて、Y定着用蛍光ランプ42、M定着用蛍光ランプ44がそれぞれ照度低下状態になっているかどうか判断する。
図4は、プリンタ90において、TAペーパー50に対する発色と定着の印画処理が実行される印画処理部100の部材配置を示した配置図である。図4に示すように、印画処理部100において、TAペーパー50が給送される搬送路には、キャプスタンローラ38、ニップローラ39、サーマルヘッド36、サーマルヘッド36の温度を検出するセンサ24、プラテンローラ62、カッター63、HPセンサ40を構成する発光LED40A及び受光センサ40B、Y定着用蛍光ランプ42、M定着用蛍光ランプ44、Y定着用蛍光ランプ42の照度値を測定するセンサ12、M定着用蛍光ランプ44の照度値を測定するセンサ14が順に配置される。
搬送路の上流側から給送されたTAペーパー50は、キャプスタンローラ38とニップローラ39によって挟持されると共に、サーマルヘッド36とプラテンローラ62によって挟持され、印画処理実行時において、キャプスタンローラ38がモータによって回動されることによりTAペーパー50が同図矢印A及びA′に示す副走査方向に往復走行される。
サーマルヘッド36には、TAペーパー50の搬送方向である副走査方向に対して垂直な主走査方向に複数の発熱素子がライン状に配設されており、TAペーパー50が同図矢印Aに示す印画方向に搬送されているときに同期させて、主走査方向の1ラインずつTAペーパー50に所定の熱を与えて各発色層の発色を行う。
HPセンサ40のLED40Aは、TAペーパー50の搬送路を挟んで受光センサ40Bに向かって光を投光しており、この受光センサ40Bの検出信号に基づいてTAペーパー50の有無を検出できるようになっている。なお、受光センサ40Bから出力された検出信号は図示しないA/Dコンバータを介してシステムコントローラ10に入力される。
システムコントローラ10は、LED40Aから投光した光が受光センサ40Bによって受光されるか否かを検出することによって、そのHPセンサ40の位置にTAペーパー50が位置するか否かを判定する。そして、そのHPセンサ40の位置にTAペーパー50が位置しているときとしないときの切り替わりを検出することによってTAペーパー50の先端がHPセンサ40の位置に搬送されたか否かを検出する。これによって、HPセンサ40の位置にTAペーパー50の先端が搬送されたときをTAペーパー50のホームポジションとしてTAペーパーの位置合わせが行われ、この位置を基準にしてTAペーパー50の搬送と発色及び定着の印画処理が同期して行われる。
以上の如く構成されたプリンタ90の動作手順の概要を、図5のフローチャートに基づいて説明する。まず、プリンタ90の電源がオンになると、FLASHメモリ19からシステムコントローラ10へのプログラムのロードなどの初期化動作を行う(ステップ1)。初期化動作が終了すると、プリンタ90はプリカット動作を行う。このプリカット動作は、TAペーパー50を引き出し、その先端部分をカッター63により所定長さでカットしてプリンタ90の外部に排出し、先端が整えられたTAペーパー50を巻き戻すという一連の動作からなる。未使用のTAペーパー50の先端は、真っ直ぐでない場合や、側端縁に対して直角が出ていないなど品質が揃っていない場合がある。そのため、プリンタ90にTAペーパー50を新規にセットした際に、TAペーパー50の先端形状を整えるためにプリカット動作が行われる。
システムコントローラ10は、プリント実行の指示がプリント注文装置70から与えられたか否かを判断し(ステップ4)、プリント実行の指示が与えられたと判断した場合はステップ10以降の印画処理を開始する。まず、ペーパー搬送制御部32に対してTAペーパー50をペーパー収納部から印画処理部100に給送させる(ステップ10)。そして、所定の時点からTAペーパー50を一定速度で図4の矢印Aで示す印画方向へ給送させる(紙送り開始)(ステップ12)。システムコントローラ10は、一定速度の紙送りを開始させると、その紙送り動作に同期した同期信号のパルス数をカウントすると共に、HPセンサ40によりTAペーパー50の先端検出を行い、まず、規定のパルス内でTAペーパー50の先端がHPセンサ40によって検出されたか否かを判定する(ステップ14)。このとき、NOであれば、TAペーパー50がペーパー収納部に装填されていないか、紙詰まりが生じた等のエラーと判断し、印画処理の中止等のエラー処理を行う(ステップ16)。
一方、YESであれば、システムコントローラ10は、図2の定着制御部34によってY定着用蛍光ランプ42を点灯させ(ステップ18)、図4に示したようにサーマルヘッド36を通過してY定着用蛍光ランプ42の位置に搬送されたTAペーパー50の部分に順次、約425nm程度の波長の光を照射させるようにする。
また、システムコントローラ10は、プリントコントローラ28に対してY色に関する印画処理の実行を指示し、サーマルヘッド36の各ドットの発熱素子でTAペーパー50に付加する熱量をプリント画像の画像データによって定められたY色の印画階調値に基づいて制御させる。そして、プリントコントローラ28及びヘッド駆動回路30に、TAペーパー50がホームポジションを通過したときを基準にしてTAペーパー50の紙送り速度と同期した同期信号を与える。これにより、まず、TAペーパー50がサーマルヘッド36を通過したときに、TAペーパー50の最上層(Y発色層58)に対して発色させるべき点にサーマルヘッド36で低エネルギーの熱が加えられY色が発色される。サーマルヘッド36によってTAペーパー50の各点に与えられる熱量は、発色させるY色の濃度に応じて調整され、その発色させるY色の濃度は、プリントコントローラ28においてプリント画像の画像データに基づくY色の印画階調値によって設定される。
TAペーパー50が上述のようにサーマルヘッド36を通過し、そのサーマルヘッド36を通過してY色に関する発色が行われた部分は、次に、Y定着用蛍光ランプ42によって定着光が照射される位置に搬送され、そのY定着用蛍光ランプ42から定着光が照射されて定着が行われる。これにより、TAペーパー50のY色に関する印画処理が終了する(ステップ20)。
Y色に関する印画処理が終了すると、次に、システムコントローラ10は、ペーパー搬送制御部32に対してTAペーパー50を図4の矢印A′で示す戻し方向に搬送させ(紙戻し開始)(ステップ22)、上記ステップ14と同様にHPセンサ40によりTAペーパー50の先端検出を行い、規定のパルス内でTAペーパー50の先端がHPセンサ40によって検出されたか否かを判定する(ステップ24)。このとき、NOであればプリント処理の中止等のエラー処理を行う(ステップ26)。
一方、YESであれば、ホームポジションの位置でTAペーパー50の紙戻し動作を停止させて、上記ステップ12と同様に、TAペーパー50を矢印Aで示した印画方向に一定速度で紙送りさせる。そして、システムコントローラ10は、定着制御部34によってY定着用蛍光ランプ42を消灯させると共に(ステップ28)、M定着用蛍光ランプ44を点灯させ(ステップ30)、サーマルヘッド36を通過してM定着用蛍光ランプ44の位置に搬送されたTAペーパー50の部分に順次定着光を照射させるようにする。
また、システムコントローラ10は、TAペーパー50のY発色層58の発色のときと同様に、プリントコントローラ28に対してM色に関する印画処理の実行を指示し、サーマルヘッド36の各ドットの発熱素子でTAペーパー50に付加する熱量をプリント画像の画像データによって定められるM色の印画階調値に基づいて制御させる。そして、プリントコントローラ28及びヘッド駆動回路30に、TAペーパー50がホームポジションから紙送り動作を開始した時点を基準にしてTAペーパー50の紙送り速度と同期した同期信号を与える。これにより、今度は、TAペーパー50の中間層(M発色層56)に対して発色させるべき点にサーマルヘッド36で中エネルギーの熱が加えられM色が発色される(ステップ32)。なお、TAペーパー50の各点に与えられる熱量は、Y色のときと同様に発色させるM色の濃度に応じて調整され、その濃度は、プリント画像の画像データに基づくM色の印画階調値によって設定される。
TAペーパー50が上述のようにサーマルヘッド36を通過し、そのサーマルヘッド36を通過してM色に関する発色が行われた部分は、次に、M定着用蛍光ランプ44によって定着光が照射される位置に搬送され、そのM定着用蛍光ランプ44から定着光が照射されて定着が行われる。これにより、TAペーパー50のM色に関する印画処理が終了する(ステップ32)。
M色に関する印画処理が終了すると、次に、システムコントローラ10は、Y色に関する印画処理が終了したときと同様に、ペーパー搬送制御部32に対してTAペーパー50を図4の矢印A′で示す戻し方向に搬送させ(紙戻し開始)(ステップ34)、HPセンサ40によりTAペーパー50の先端検出を行い、規定のパルス内でTAペーパー50の先端がHPセンサ40によって検出されたか否かを判定する(ステップ36)。このとき、NOであればプリント処理の中止等のエラー処理を行う(ステップ38)。
一方、YESであれば、ホームポジションの位置でTAペーパー50の紙戻し動作を停止させて、上記ステップ12と同様に、TAペーパー50を図4の矢印Aで示した印画方向に一定速度で紙送り動作させる。そして、システムコントローラ10は、M定着用蛍光ランプ44を消灯させる(ステップ40)。
また、システムコントローラ10は、TAペーパー50のY発色層58、M発色層26の発色のときと同様に、プリントコントローラ28に対してC色に関する印画処理の実行を指示し、サーマルヘッド36の各ドットの発熱素子でTAペーパー50に付加する熱量をプリント画像の画像データによって定められるC色の印画階調値に基づいて制御させる。そして、プリントコントローラ28及びヘッド駆動回路30に、TAペーパー50がホームポジションから紙送り動作を開始した時点を基準にしてTAペーパー50の紙送り速度と同期した同期信号を与える。これにより、今度は、TAペーパー50の最下層(C発色層54)に対して発色させるべき点にサーマルヘッド36で高エネルギーの熱が加えられC色が発色される(ステップ42)。以上により、C、M、Y各色の発色と定着が行われ、所定のプリント画像が印画されたTAペーパー50がカッター63によってカットされ、プリンタ90から排紙される(ステップ43)。そして、TAペーパー50がホームポジションの位置まで巻き戻されて(ステップ44)、1つのプリント指示に対応するプリント印画処理が終了する。この後、処理はステップ4に戻り、次のプリント指示を待機する。
ここで、図6に示すように、プリンタ90は、プリント注文装置70から送信される現在の動作状態の応答要求(#1)を待機しており、システムコントローラ10は応答要求を受信したことに応じて現在の動作状態を特定し(#2)、該特定された現在の動作状態をプリント注文装置70に応答する(#3)。現在の動作状態は、上述したプリンタ90の動作ステップS1〜S44で特定することができる。応答すべき現在の動作状態の詳細な内容を、図7に例示するような応答テーブルで規定してもよい。即ち、この応答テーブルをEEPROM18に予め記憶させておき、プリンタ90が応答要求を受信した場合(#1)、現在実行している処理ステップ及びその処理ステップに対応する応答内容をEEPROM18の応答テーブルから特定し(#2)、その応答内容をプリント注文装置70に送信する(#3)。
図7に例示するような応答テーブルに従って応答するものとすると、例えば、ステップ1の実行中に応答要求を受信した場合、プリント注文装置70は「初期化中」である旨の応答を行う。あるいは、ステップ44の実行中に応答要求を受信した場合、プリント注文装置70は「巻き戻し中」である旨の応答を行う。
なお、プリント注文装置70からの応答要求(#1)の送信タイミングは任意である。例えば、所定時間経過ごと(5秒間隔など)に送信してもよく、タッチパネル98の操作に基づいて送信タイミングを設定できるようにしてもよい。
プリント注文装置70は受信した応答内容をディスプレイ80に表示してもよい。あるいは、LEDインジケータ89をプリント注文装置70に接続しておき、応答された動作状態に基づいて印画処理の進行状況をLEDインジケータ89で点灯表示させる制御をCPU72が実行してもよい。例えば、図8に示すように、LEDインジケータ89に4つのLED89a〜89dを設けておく。CPU72は、「Y印画中」(ステップ20)が応答された場合はLED89aを、「M印画中」(ステップ32)が応答された場合はLED89bを、「C印画中」(ステップ42)が応答された場合はLED89cを、「排紙中」(ステップ43)が応答された場合はLED89dを順次点灯させるようLEDインジケータ89を制御する。このようにすれば、ユーザがLEDインジケータ89を見て現在の印画処理の進行状況を視覚的に把握でき、実際には印画処理が進行しているにもかかわらず故障と誤解するのを防げる。印画処理の進行状況をさらに細かく把握させたい場合は印画処理の各動作ステップに対応させてLEDインジケータ89に設けるLEDの数を増減させればよい。印画処理の進行状況をディスプレイ80に表示する制御をディスプレイコントローラ78が行ってもよい。このように、プリンタ90が動作状態の詳細な内容をプリント注文装置70に応答することで、プリンタ90が現在どのような動作状態であるのかをユーザが詳細に知ることができる。
特に、プリンタ90は印画処理の状態を応答することができるから、1つのプリント指示に対応する印画処理の各ステップが終了したことをプリント注文装置70が認識できる。従って、例えば、プリント注文装置70は、「排紙中」が応答された場合、次のプリント指示を新たな画像データとともにプリンタ90に送信することができる。このようにすれば、TAペーパー50の巻き戻し中に次の印画動作に移行でき、次の印画処理のサイクルに移行するまでの時間を短縮できる。
また、画像データの総データ量の関係から、プリント注文装置70が1つの画像データをTAペーパー50の発色するプロセスカラー(Y、M、C)の画像データに分割して別個にプリンタ90に送信する場合もあるが、この場合も、状態応答に基づいてプリント注文装置70が各プロセスカラーの画像データを遅滞なくプリンタ90に送信することが可能である。例えば、まずプリント指示とともにプリント注文装置70がY色の画像データをプリンタ90に送信し、その後プリンタ90から「Y印画中」が応答された場合はM色の画像データを送信し、さらにその後プリンタ90から「M印画中」が応答された場合はC色の画像データを送信する。こうすることで、次の印画動作に必要なY、M、C各色の画像データを遅滞なくプリンタ90に送信することができ、次の印画処理のサイクルに移行するまでの時間を短縮することができる。
無論、プリンタ90が応答する現在の動作状態は、上述したプリンタ90の動作ステップS1〜S44とは無関係の各種のワーニングであってもよい。例えば、動作状態の応答要求の受信時にセンサ12、14によって検出した照度値が所定の照度値より低い場合、システムコントローラ10は照度が低下している旨を応答してもよい。あるいは、メモリ22に記憶された画像データの累計データ量が所定量以上になった場合、サーマルヘッド36のヘッドクリーニングが必要な旨を応答してもよい。
なお、本発明のプリントシステムは、上述のようにプリント注文装置70にプリンタ90複数台接続されたプリントシステムの他、パソコンなどプリンタ90のプリント動作を制御する各種ハードウェアにプリンタ90が1又は複数台接続されたプリントシステムにも適用できる。また、本発明のプリンタは、TAプリンタに限る必要はなく、昇華型熱転写方式プリンタインクジェット方式プリンタでもよい。
本発明に係るプリントシステムのブロック構成図 プリンタのブロック構成図 TAペーパーの断面図 印画処理部の部材配置図 プリンタの動作を示すフローチャート プリントシステムで実行される動作状態応答の流れを示す図 応答テーブルに記憶される情報の概念図 LEDインジケータによるプリンタの印画動作の進行状況を示した図
符号の説明
1:プリント注文装置、90:プリンタ

Claims (5)

  1. プリンタと接続してデータを送受信する通信部と、前記プリンタの動作状態の応答を要求する応答要求部と、画像データの前記プリンタへの送信の制御及びプリントの実行を前記プリンタに指示する制御部とを有するプリンタ制御装置と、
    前記通信部を介して前記画像データ及び前記プリントの実行の指示を受信する受信部と、前記プリントの実行の指示及び前記画像データに基づいてプリント画像を印画するプリント部と、前記動作状態の応答を要求されたことに応じて前記プリント部の現在の動作状態を前記プリンタ制御装置に応答する動作状態応答部とを有するプリンタと、
    を備えるプリントシステム。
  2. 前記制御部は前記応答された動作状態に応じて次のプリントの実行を指示する請求項1に記載のプリントシステム。
  3. 前記制御部は前記画像データを所定のプロセスカラーに応じて分解した画像データであるプロセスカラー画像データの各々を前記応答された動作状態に応じて前記プリンタに送信するよう制御し、
    前記プリント部は受信したプロセスカラー画像データに基づいて所定のプロセスカラーに関する印画を実行する請求項1又は2に記載のプリントシステム。
  4. 前記プリンタの応答した動作状態を表示装置に表示させる表示制御部をさらに備える請求項1〜3のいずれかに記載のプリントシステム。
  5. 前記表示制御部は前記プリンタの応答した動作状態に基づいてプリントの進行状況を表示装置に表示させる請求項4に記載のプリントシステム。
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