JP2006015237A - 水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水処理装置において、窒素除去の反応に適した電極を利用しつつ、当該装置のコストダウンを図る。
【解決手段】 水処理装置101では、電解槽10内にアノード電極31とカソード電極32とが収容され、これらの電極が通電されることにより、電解槽10内に収容された被処理水が電解処理を施される。アノード電極31は、鉄を主成分とする材料からなり、鉄を主成分とするステンレス鋼によって構成されても良い。薬剤槽22には、たとえばアミド硫酸等の、亜硝酸または亜硝酸イオンと反応して窒素ガスを発生させる所定の物質が貯蔵され、当該所定の物質は、電解槽10における電解処理が終了した後、当該電解槽10に供給される。
【選択図】 図10
【解決手段】 水処理装置101では、電解槽10内にアノード電極31とカソード電極32とが収容され、これらの電極が通電されることにより、電解槽10内に収容された被処理水が電解処理を施される。アノード電極31は、鉄を主成分とする材料からなり、鉄を主成分とするステンレス鋼によって構成されても良い。薬剤槽22には、たとえばアミド硫酸等の、亜硝酸または亜硝酸イオンと反応して窒素ガスを発生させる所定の物質が貯蔵され、当該所定の物質は、電解槽10における電解処理が終了した後、当該電解槽10に供給される。
【選択図】 図10
Description
本発明は、水処理装置に関し、特に、被処理水中に電極対を浸し、当該電極対を用いた電解反応により、被処理水から所定の成分を除去させる水処理装置に関する。
従来から、川や湖の富栄養化の原因の一つに、窒素化合物の存在があることは周知である。そして、従来から、生活排水や工場排水に対し、生物処理に代わって電解処理を行なうことにより、窒素化合物を効率良く除去するための技術が、特許文献1等において開示されてきた。
なお、特許文献1には、電解処理に用いるカソード電極の材料を、周期表の第11族もしくは第12族を含む導電体、または、同族を含む導電体を被覆されたものとすることにより、効率良く窒素酸化物を除去する技術が開示されている。
また、近年、アノード電極として、チタン上に白金族の貴金属をコーティングされた電極であるDSA(dimensionally stable anode)電極が利用されていた。
なお、電解処理による窒素化合物の除去の際には、たとえば、排水中に含まれる硝酸イオンが、カソード電極表面で、亜硝酸イオンを経て、アンモニアまで還元される。一方、アノード電極表面では、たとえば、排水中の塩化物イオンが酸化して塩素ガスとなり、当該塩素ガスの一部が水和して次亜塩素酸となる。そして、このような電極反応に基づいて生じたアンモニアと次亜塩素酸とが反応することにより、アンモニアに含有される窒素が酸化され、窒素ガスとして、排水から除去される。
そして、アノード電極としてDSA電極が利用されることにより、上記したアノード電極表面における塩素ガスの発生効率を向上させることができていた。
特開2002−248474号公報
しかしながら、上記したDSA電極は、貴金属が利用されるため、非常に高価なものである。したがって、DSA電極をアノード電極として使用することにより、水処理装置の価格が上昇していた。このことから、水処理装置において、従来から、コストダウンに対する要望が高かった。
また、電解槽において電極間の極性切替えが行なわれること等により、上記したDSA電極において貴金属のコーティングが剥離すると、当該電極が電流を流さなくなる。つまり、DSA電極は、コーティングが剥離すると電極としての役割を果たせなくなるため、寿命が比較的短いものであるということになる。このような観点から、DSA電極をアノード電極として使用することにより、水処理装置のランニングコストを上昇させていた。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、水処理装置において、窒素除去の反応に適した電極を利用しつつ、当該装置のコストダウンを図ることである。
本発明に従った水処理装置は、被処理水を収容する電解槽と、前記電解槽に設置されたアノード電極およびカソード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極の間に流す電流値を制御する制御手段とを備え、前記アノード電極は、鉄を主成分とする材料からなることを特徴とする。
また、本発明に従った水処理装置では、前記鉄を主成分とする材料は、ステンレス鋼であることが好ましい。
また、本発明に従った水処理装置では、前記鉄を主成分とする材料は、鉄の含有率が50.000%〜99.999%であることが好ましい。
また、本発明に従った水処理装置は、前記電解槽に亜硝酸または亜硝酸イオンと反応して窒素ガスを発生させる所定の物質を投入する、所定物質投入手段をさらに備えることが好ましい。
また、本発明に従った水処理装置では、前記制御手段は、前記電解槽内に被処理水が収容された場合、所定時間、前記アノード電極と前記カソード電極の間に電流を流し、前記所定物質投入手段は、前記制御手段によって前記アノード電極と前記カソード電極との間に前記所定時間電流が流された後に、前記電解槽に前記所定の物質を投入することが好ましい。
また、本発明に従った水処理装置では、前記所定の物質は、アミド硫酸であることが好ましい。
また、本発明に従った水処理装置では、前記カソード電極は、周期表の第11族または第12族を含む導電体からなる電極、または、第11族または第12族を含む導電体を被覆された電極であることが好ましい。
本発明に従うと、被処理水を電解反応によって処理する水処理装置において、アノード電極が、鉄を主成分とする材料からなる。これにより、DSA電極が利用される場合よりも、水処理装置のコストを低減できる。また、被処理水に硝酸イオンが含まれる場合、アノード電極の表面には、適度に、不動態が生成する。これにより、アノード電極の溶出が抑えられ、アノード電極の長寿命化を図ることができる。
また、本発明において、アノード電極が、鉄を主成分とするステンレス鋼によって構成されることにより、アノード電極の中の、被処理水に浸されない部分の腐食を抑えることができる。
また、本発明において、アノード電極が、鉄の含有率が50.000%〜99.999%である材料から構成されることにより、アノード電極近傍における塩素ガスの発生効率を向上させることができる。
また、本発明において、電解槽に上記した所定の物質を投入して被処理水中の窒素成分を除去することにより、アノード電極としてDSA電極以外のものが利用されたことによってアノード電極近傍で窒素成分の除去に利用される塩素ガスの発生効率が低下した場合でも、当該発生効率の低下を補うことができる。
また、本発明において、上記した所定の物質が、電解槽における電解が終了した後に、投入されることにより、当該所定の物質が、電解槽における電解の影響によって性質を変えられることを回避できる。
また、本発明において、上記した所定の物質が、アミド硫酸とされることにより、入手が容易でありかつ安価な物質によって構成されることになる。
また、本発明において、カソード電極が、周期表の第11族または第12族を含む導電体、または、当該導電体を被覆された電極とされることにより、カソード電極近傍における、被処理水中の硝酸イオンの亜硝酸イオンへの還元効率を向上させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の水処理装置の実施の形態を説明する。各図を通して同じ符号を付したものは、特記する場合を除き、同じ作用を奏するものとし、説明を繰り返さない。なお、本発明の水処理装置は、たとえば、家庭や工場から流出しかつ1次処理を施された廃水(被処理水)を導入され、そして、当該被処理水に対して主に窒素成分を除去する処理を行なう。
図1に、本発明の一実施の形態である水処理装置を模式的に示す。
図1を参照して、水処理装置1は、主に、被処理水を収容する電解槽10と、当該水処理装置1の動作を全体的に制御するための制御回路20と、電解槽10内に収容される電極に直流の電流を供給するための直流電源21とを含む。なお、直流電源21は、たとえば、外部の商用電源から供給される交流の電力を直流の電力に変換するものから構成される。
電解槽10は、当該電解槽10内に被処理水を導入するための給水口11、当該給水口11を開閉するための給水バルブ110、当該電解槽10外へ被処理水を排出するための排出口12、当該排出口12を開閉するための排水バルブ120、当該電解槽10外へ気体を排出するための排気口13、当該電解槽10内で被処理水を循環させるための循環管14、当該電解槽10の下方に位置する被処理水を当該循環管14を介して上方に流すための循環ポンプ141、および、当該電解槽10内から循環ポンプ141に導かれる被処理水の量を調整する循環バルブ140を含む。給水バルブ110、排水バルブ120、および、循環バルブ140は、それぞれ、その開閉を制御回路20に制御され、また、循環ポンプ141は、その動作を制御回路20に制御される。なお、基本的に、給水バルブ110、排水バルブ120、および、循環バルブ140は、閉じた状態とされているものとし、循環ポンプ141は、駆動されることにより、図1中の矢印A方向に水を送り出す。
水処理装置1は、さらに、電解槽10内に収容され、直流電源21から電力を供給されるアノード電極31およびカソード電極32、ならびに、電解槽10内の水位を検出するための水位計41を含む。
水位計41は、電解槽10内の水位が、電解槽10において電解処理が行なわれる際に適するとされる所定の水位(たとえば、図1に示す水面100の高さ方向の位置)となったか否かを検出する。
直流電源21からアノード電極31およびカソード電極32への電力の供給態様は、制御回路20によって制御される。また、水位計41の検出出力は、制御回路20に入力される。
電解槽10では、所定の量の被処理水が導入された後、給水バルブ110と排水バルブ120が閉じられ、そして、アノード電極31とカソード電極32との間に適当な電流値が流されることにより、当該所定の量の被処理水に対して電解処理がなされる。その後、電解槽10では、電解処理された当該所定の量の被処理水が電解槽10外へ排出口12を介して排出された後、新たに上記の所定の量の被処理水が導入されて、電解処理がなされる。つまり、本実施の形態では、電解槽10において、いわゆるバッチ処理で、被処理水に対する電解処理が施される。
ここで、電解槽10で、アノード電極31とカソード電極32との間に電流が流されることによって予測される化学反応の一例について説明する。
電解槽10内の被処理水中では、アノード電極31近傍において、式(1)に示すように、水の電気分解により酸素ガスが発生する。
2H2O ⇔ O2↑+4H++4e− (1)
また、電解槽10内の被処理水に含まれる塩化物イオンは、式(2)に示すように、塩素ガスとなり、そして、生じた塩素ガスの一部は、式(3)に示すように水和して次亜塩素酸となる。
また、電解槽10内の被処理水に含まれる塩化物イオンは、式(2)に示すように、塩素ガスとなり、そして、生じた塩素ガスの一部は、式(3)に示すように水和して次亜塩素酸となる。
2Cl− ⇔ Cl2↑+2e− (2)
Cl2+H2O ⇔ H++Cl−+HClO (3)
一方、カソード電極32近傍では、式(4)に示すように、水の電気分解により水素ガスが発生する。
Cl2+H2O ⇔ H++Cl−+HClO (3)
一方、カソード電極32近傍では、式(4)に示すように、水の電気分解により水素ガスが発生する。
2H2O+2e− ⇔ H2↑+2OH− (4)
そして、電解槽10内に導入された被処理水中の窒素成分である硝酸イオンは、カソード電極31表面で、アンモニウムイオン(式(5)参照)、または、亜硝酸イオン(式(6)参照)へと還元される。
そして、電解槽10内に導入された被処理水中の窒素成分である硝酸イオンは、カソード電極31表面で、アンモニウムイオン(式(5)参照)、または、亜硝酸イオン(式(6)参照)へと還元される。
NO3 −+7H2O+8e− ⇔ NH4 ++10OH− (5)
NO3 −+H2O+2e− ⇔ NO2 −+2OH− (6)
そして、上記の式(3)に従って生じた次亜塩素酸と、上記の式(5)に従って生じたアンモニウムイオンとが、次に示す式(7)に従って反応することにより、窒素ガスが生じる。
NO3 −+H2O+2e− ⇔ NO2 −+2OH− (6)
そして、上記の式(3)に従って生じた次亜塩素酸と、上記の式(5)に従って生じたアンモニウムイオンとが、次に示す式(7)に従って反応することにより、窒素ガスが生じる。
2NH4 ++4HClO → N2↑+4HCl+4H2O (7)
つまり、水処理装置1では、被処理水に対して電解処理がなされることにより、当該被処理水に含まれる窒素成分である硝酸イオンが、上記のように窒素ガスが発生することにより、被処理水から除去される。また、被処理水に亜硝酸イオンが含まれる場合でも、当該亜硝酸イオンが適宜アンモニウムイオンに還元されるため、同様に、上記のような窒素ガスの発生によって、被処理水から除去される。
つまり、水処理装置1では、被処理水に対して電解処理がなされることにより、当該被処理水に含まれる窒素成分である硝酸イオンが、上記のように窒素ガスが発生することにより、被処理水から除去される。また、被処理水に亜硝酸イオンが含まれる場合でも、当該亜硝酸イオンが適宜アンモニウムイオンに還元されるため、同様に、上記のような窒素ガスの発生によって、被処理水から除去される。
本実施の形態では、カソード電極32は、たとえば、真鍮、銅、亜鉛などの、周期表の第11族もしくは第12族の元素を含む導電体、または、そのような導電体を被覆された電極からなる。
また、アノード電極31は、鉄を主成分とする材料からなる。ここで、「鉄を主成分とする」とは、たとえば、鉄の含有率が50.000〜99.999%程度であることを意味する。
また、本実施の形態では、アノード電極31は、鉄を主成分とするステンレス鋼によって構成されても良い。特に、アノード電極31は、オーステナイト系のステンレス鋼によって構成されても良いし、オーステナイト・フェライト系のステンレス鋼によって構成されても良い。図2〜図4には、アノード電極31として利用されるステンレス鋼の成分(%)が、JIS規格に従った種類と関連付けられて、表形式で示されている。なお、図2〜図3では、オーステナイト系のステンレス鋼に関する例示がなされ、図4では、オーステナイト・フェライト系のステンレス鋼に関する例示がなされている。
図2〜図4で例示されている、アノード電極31として利用されるステンレス鋼は、鉄を主成分とし、他に、炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄、ニッケル、クロム、および、モリブデンのすべてまたは一部を成分とする。また、図2〜図4で例示されているステンレス鋼には、窒素、ニオブ、銅、または、チタンを成分とするものがある。
次に、水処理装置1の電解槽10内に導入された被処理水が電解処理をされる際の、水処理装置1の動作について、当該電解処理の際に制御回路20の実行する電解制御処理のフローチャートである図5をさらに参照して、より具体的に詳細に説明する。
電解制御処理では、制御回路20は、まずステップS10(以下、「ステップ」を省略して単にS10と呼ぶ)で、給水バルブ110を開ける。これにより、給水口11を介して、電解槽10に、被処理水が導入される。
次に、S20で、制御回路20は、水位計41が電解槽10内で上記した所定の水位まで被処理水が導入されたことを検出したか否かを判断する。そして、水位計41が上記した所定の水位に達したことを検出したと判断すると、制御回路20は、S30に処理を進める。
S30では、制御回路20は、給水バルブ110を閉じる。
次に、S40で、制御回路20は、直流電源21に、アノード電極31とカソード電極32の間に電流を流させることにより、電解槽10における電解を開始させる。アノード電極31とカソード電極32との間に流す電流値は、電解槽10に導入される被処理水の量や水質に応じて、適宜、決定される。
次に、制御回路20は、S50で、循環バルブ140を開け、S60で、循環ポンプ141を駆動させる。これにより、電解槽10において、被処理水が、循環されながら、電解処理を施される。
そして、S70で、制御回路20は、所定の電解時間が経過したか否かを判断する。制御回路20は、図示せぬタイマを備えており、S70では、当該タイマの計測する時間を参照することにより、判断を行なう。所定の電解時間とは、電解槽10内に導入された被処理水に含まれる窒素成分を電解処理により除去するために必要と考えられる時間であり、上記の所定の量や、電解槽10内に導入される被処理水の水質等に基づいて、適宜、決定される時間である。そして、制御回路20は、上記の所定の電解時間が経過したと判断すると、S80に処理を進める。
S80では、制御回路20は、直流電源21に対して、アノード電極31とカソード電極32との間の通電を停止させる。
次に、制御回路20は、S90で、循環ポンプ141の駆動を停止させ、S100で、排水バルブ120を開け、そして、S110で、排水バルブ120を開けてから所定の排水時間が経過したか否かを判断する。所定の排水時間とは、電解槽10内に導入された被処理水のすべてが、排水口12を介して電解槽10外へ流出するために必要な時間であり、電解槽10の容量や排水口12の径等に基づいて、適宜、決定される時間である。そして、制御回路20は、上記の所定の排水時間が経過したと判断すると、S120で、排水バルブ120を閉じて、S10に処理を戻す。
以上説明した本実施の形態では、電解槽10には、所定の量の被処理水が導入され、当該電解槽10内の所定の量の被処理水に対して電解処理が施された後、電解槽10内の被処理水が入れ替えられて、次の電解処理が施される。つまり、本実施の形態では、電解槽10において、いわゆるバッチ処理の方式で、電解処理が実行される。
ただし、本発明は、このようなバッチ処理の方式で被処理水に対する電解処理が実行されるものに限らず、被処理水に対する電解処理自体が実行される水処理装置であれば、すべての場合において、適用することができる。
また、以上説明した本実施の形態では、水処理装置1は、給水バルブ110が開けられれば、給水口11を介して電解槽10に被処理水が導入されるタイプの装置であったが、本発明はこれに限定されず、給水バルブ110よりも上流側(給水口11を介して電解槽10に導入される被処理水の流れについての上流側)に備えられたポンプが駆動されることによって、電解槽10に被処理水が導入されるタイプの装置であっても良い。
また、以上説明した本実施の形態において、直流電源21は、アノード電極31とカソード電極32との間に電流を流す際、アノード電極31とカソード電極32の間の電圧の上限値が設定できるよう構成されることが好ましい。ここで、上限値とは、アノード電極31とカソード電極32の間の電圧がその値を越えると異常な発熱等の観点から危険であると判断される値であって、たとえば、7V(ボルト)程度とすることができる。
また、以上説明した本実施の形態では、電解槽10内に収容される電極は、アノード電極31とカソード電極32の1対の電極とされているが、本発明はこれに限定されない。水処理装置1は、電解槽10内に複数の電極対が収容され、当該複数の電極対を利用して電解槽10内の被処理水に対する電解処理を実行するように構成されても良い。
また、電解槽10において、アノード電極31とカソード電極32は、必ずしも同数とされる必要はない。たとえば、図6〜図9に模式的に示されるように、電解槽10に設置されるアノード電極31とカソード電極32の数は、異なっても良い。なお、図6〜図9では、便宜上、アノード電極を示すものには、ハッチングが施されている。具体的には、たとえば、アノード電極31とカソード電極32とを板体により構成し、また、互いに主面を対向させるように配置し、そして、電解槽10には、図6に示されるように、2枚のカソード電極32A,32Bの間に1枚のアノード電極32Jを挟むように構成されるグループが複数設置されても良いし、図7に示されるように、両端がカソード電極(カソード電極32E,32H)となるように、カソード電極32E〜32Hとアノード電極31E〜31Gとが交互に配置されても良いし、図8に示されるように、2枚のアノード電極31J,31Kの間に1枚のカソード電極31Aを挟むように構成されるグループが複数設置されても良いし、図9に示されるように、両端がアノード電極(アノード電極31P,31S)となるように、アノード電極31P〜31Sとカソード電極32P〜32Rとが交互に配置されても良い。以上、図6〜図9に示された配置は、一例であって、電解槽10内には、図6〜図9に示された配置を1単位として、複数単位のアノード電極とカソード電極が配置されても良い。
また、以上説明した本実施の形態の水処理装置1では、アノード電極31が、上記したような成分の材料で構成されることにより、DSA電極で構成される場合よりも、当該アノード電極31近傍で生じる塩化物イオンを酸化させて塩素を発生させる反応(式(2)の反応を参照)の効率が低下する場合があると考えられる。したがって、本実施の形態の水処理装置1についての、このような場合を考慮した変形例として、図10に示される水処理装置101を挙げることができる。
図10を参照して、水処理装置101は、基本的に、図1に示された水処理装置1と同様の構成を備えるとともに、さらに、薬剤槽22と、薬剤槽22に収容される薬剤を電解槽10に送るためのポンプ220とを備えている。ポンプ220は、制御回路20に動作を制御される。
薬剤槽22は、亜硝酸または亜硝酸イオンと反応して窒素ガスを発生させる所定の物質を貯蔵する槽である。このような所定の物質としては、たとえば、アミド硫酸を挙げることができる。なお、アミド硫酸が亜硝酸イオンと反応することにより窒素ガスを発生させる際の反応式としては、以下の式(8)を挙げることができる。
NO2 −+NH2SO3H→N2↑+HSO4 −+H2O (8)
図11に、水処理装置101に備えられた制御回路20が実行する電解制御処理のフローチャートを示す。
図11に、水処理装置101に備えられた制御回路20が実行する電解制御処理のフローチャートを示す。
水処理装置101では、電解制御処理において、まず、S10〜S80として、図5を参照して説明した水処理装置1における電解制御処理と同様の処理が実行される。つまり、給水バルブ110が開けられ(S10)、水位計41が所定の水位に達したことを検出すると(S20でYES判断時)、給水バルブ110が閉じられ(S30)、電解が開始される(S40)。また、循環バルブ140が開けられ(S50)、循環ポンプ141が駆動される(S60)。これにより、電解槽10において、被処理水が、循環されながら、電解処理を施される。そして、所定の電解時間が経過すると(S70でYES判断時)、アノード電極31とカソード電極32との間の通電が停止される(S80)。
そして、水処理装置101では、S80の処理として、アノード電極31とカソード電極32との間の通電が停止された後、つまり、電解槽10内の被処理水に対する電解処理が終了した後、制御回路20は、S81で、ポンプ220を駆動させて、薬剤槽22内の所定の物質を電解槽10に供給する。ここで、所定の物質の、電解槽10への供給量は、ポンプ220の駆動時間等によって制御される。また、当該供給量は、電解槽10に導入される被処理水の水質や量等によって、適宜決定される。
次に、水処理装置101の制御回路20は、S81で所定の物質を電解槽10に供給してから、上記の所定の物質について予め定められた反応時間が経過したか否かを判断し、経過したと判断すると、処理をS90に進める。ここで、反応時間とは、所定の物質が、電解槽10内の被処理水と反応するための時間である。具体的には、所定の物質がアミド硫酸とされた場合には、式(8)として示された反応を行なわせるための時間である。
そして、水処理装置101の制御回路20は、S90以降の処理として、図5を用いて説明した電解制御処理と同様に、循環ポンプ141の駆動を停止させ(S90)、排水バルブ120を開け(S100)、そして、所定の排水時間が経過したと判断すると(S110でYES判断時)、排水バルブ120を閉じて(S120)、S10に処理を戻す。
以上、図10および図11を用いて説明した変形例では、電解槽10における電解処理が終了した後、電解槽10内に、薬剤槽22に貯蔵された所定の物質が供給される。
なお、所定の物質は、当該所定の物質の性質が電解によって電気的に影響を受けることを考慮すると、電解処理の終了後に供給されることが好ましいが、必ずしもこれに限定されず、たとえば、所定の物質は、電解処理の前または最中に、電解槽10の、アノード電極31および/またはカソード電極32から離間した場所に供給されても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,101 水処理装置、10 電解槽、11 給水口、12 排水口、13 排気口、14 循環管、20 制御回路、21 直流電源、22 薬剤槽、31 アノード電極、32 カソード電極、41 水位計、110 給水バルブ、120 排水バルブ、140 循環バルブ、141 循環ポンプ、220 ポンプ。
Claims (7)
- 被処理水を収容する電解槽と、
前記電解槽に設置されたアノード電極およびカソード電極と、
前記アノード電極と前記カソード電極の間に流す電流値を制御する制御手段とを備え、
前記アノード電極は、鉄を主成分とする材料からなる、水処理装置。 - 前記鉄を主成分とする材料は、ステンレス鋼である、請求項1に記載の水処理装置。
- 前記鉄を主成分とする材料は、鉄の含有率が50.000%〜99.999%である、請求項1または請求項2に記載の水処理装置。
- 前記電解槽に亜硝酸または亜硝酸イオンと反応して窒素ガスを発生させる所定の物質を投入する、所定物質投入手段をさらに備える、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の水処理装置。
- 前記制御手段は、前記電解槽内に被処理水が収容された場合、所定時間、前記アノード電極と前記カソード電極の間に電流を流し、
前記所定物質投入手段は、前記制御手段によって前記アノード電極と前記カソード電極との間に前記所定時間電流が流された後に、前記電解槽に前記所定の物質を投入する、請求項4に記載の水処理装置。 - 前記所定の物質は、アミド硫酸である、請求項4または請求項5に記載の水処理装置。
- 前記カソード電極は、周期表の第11族または第12族を含む導電体からなる電極、または、第11族または第12族を含む導電体を被覆された電極である、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の水処理装置。
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Cited By (1)
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DE102009026179A1 (de) * | 2009-07-15 | 2011-01-27 | Haas, Rüdiger, Dipl.-Geol. | Bioelektrolytische Denitrifikation |
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2004
- 2004-07-01 JP JP2004195269A patent/JP2006015237A/ja not_active Withdrawn
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