JP2006013007A - フレキシブル配線基板、電子機器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リサイクル歩留まりやリサイクルコスト低減、さらに、ACF残渣を端子部分に残さず、本圧着後の検査により不良を皆無にする。
【解決手段】 フレキシブル配線基板1には、機器側接続端子12に接続可能とする冗長接続端子4と、機器側接続端子12に接続可能とする基板側接続端子5と、これらの冗長接続端子4と基板側接続端子5間に設けられた基板側接続端子切り離し用の切断スペース6とを有している。端子接続処理後の機器側および端子接続側のいずれかに不良がある場合に、剥離処理後のフレキシブル配線基板1を切断スペース6に沿って切断して、剥離処理後のフレキシブル配線基板1から基板側接続端子5の部分を切り離す。さらに、切断処理後のフレキシブル配線基板1Aの冗長接続端子4と新たな機器の機器側接続端子11Bを接続させる。
【選択図】 図2
【解決手段】 フレキシブル配線基板1には、機器側接続端子12に接続可能とする冗長接続端子4と、機器側接続端子12に接続可能とする基板側接続端子5と、これらの冗長接続端子4と基板側接続端子5間に設けられた基板側接続端子切り離し用の切断スペース6とを有している。端子接続処理後の機器側および端子接続側のいずれかに不良がある場合に、剥離処理後のフレキシブル配線基板1を切断スペース6に沿って切断して、剥離処理後のフレキシブル配線基板1から基板側接続端子5の部分を切り離す。さらに、切断処理後のフレキシブル配線基板1Aの冗長接続端子4と新たな機器の機器側接続端子11Bを接続させる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、半導体素子が搭載された例えばFPC(Flexible Printed Circuit)やTCP(Tape Carrier Package)など可撓性を有するフレキシブル配線基板、これを用いた例えば液晶表示装置などの電子機器およびその製造方法に関する。
従来、この種の液晶表示装置における実装工程において、液晶パネル/FPC実装後の不具合モジュール(不正常な電気的接続や液晶パネル不良など)からFPCなどのフレキシブル配線基板を剥離して再生するためには、剥離後のFPCに残ったACF(異方性導電膜)を完全に除去する必要がある。これを安定して実施することが困難であるため、量産工程におけるFPC再生は一般的には不可とされている。
しかしながら、近年、高密度実装を実現するべく、FPC上に種々の電子部品をSMT実装したジュールが増加し、SMT実装済みのFPCの価格が高くなり、不具合モジュールからFPCを取り出してリサイクルする要求が高まっている。
これに対応したリサイクル技術として特許文献1には、半導体素子搭載のフレキシブル配線基板のリサイクル方法が開示されている。これを図4を用いて説明する。
このフレキシブル配線基板のリサイクル方法では、図4に示すように、例えば液晶パネル101AがNG品の場合に、TCPなどのフィルム配線基板102が良品であってもその実装品としては不良品であるため、まず、TCPなどのフィルム配線基板102をリサイクルするべく、スポットヒータなどでフィルム配線基板102の接続端子部分を加熱して、液晶パネル101A(LCDパネル)の接続端子からフィルム配線基板102の接続端子102aを剥離する。この場合に、フレキシブル配線基板102の接続端子102aの表面および端子間にはACF残渣が付着している。次に、被着体としての粗化銅箔103に転写用ACF104を乗せてフレキシブル配線基板102の接続端子102aを仮圧着する。その後、スポットヒータなどでフレキシブル配線基板102の接続端子部分を加熱して、フレキシブル配線基板102の接続端子102aから粗化銅箔103および転写用ACF104を剥離する。このとき、フレキシブル配線基板102の接続端子102aの表面および端子間に付着しているACF残渣は接続端子102a側から剥離されて、転写用ACF104側に転写される。このようにして、剥離したフレキシブル配線基板102の接続端子102aに付着したACF残渣を、粗化銅箔103側に圧着・転写させてTCPの接続端子102a側から除去できる。このフレキシブル配線基板102と良品の液晶パネル101Bを圧着することにより液晶パネル101Bにフレキシブル配線基板102を装着することができる。
また、特許文献2には、FPCを液晶パネル(LCDパネル)に仮圧着した状態で各種点灯検査を実施し、パネル不良が発生した場合には仮圧着したFPCを剥離して再利用するリサイクル方法が開示されている。FPCが装着された液晶パネルが良品であれば、FPCの接続端子を液晶パネルの接続端子に本圧着すればよい。
特開2002−170846号公報
特開平11−258619号公報
しかしながら、上記従来の特許文献1では、剥離を2回実施することによるストレスでTCP自体が破壊しかねないことや、ACF残渣の除去も不完全であり、フレキシブル配線基板102のリサイクルの歩留まりが低い。また、圧着を2回実施するための設備・工数が必要となり、リサイクルコストが高い。さらに、除去不完全のACF残渣によりリサイクル後の接続端子の圧着部で粒子連結が発生し、市場の信頼性を低下させる場合が起こり得る。
このように、リサイクル歩留まりが低く(90パーセント程度)、リサイクルコストが高く、さらに、ACF残渣を完全に除去しきれないため、市場での信頼性確保が困難となっている。
上記従来の特許文献2では、仮圧着の状態で製品検査を実施するため、仮圧着では接続状態が未完成であり、エージングなどの一部の検査を省略せざるを得ず、本圧着後の液晶パネルの不良を検査できず、これらの不良を皆無にすることもできない。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、リサイクル歩留まりやリサイクルコスト低減、さらに、ACF残渣を端子部分に残さず、本圧着後の検査により不良を皆無にできるフレキシブル配線基板、これを用いた電子機器およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のフレキシブル配線基板は、機器側接続端子に接続可能とする基板側接続端子が設けられた半導体素子搭載のフレキシブル配線基板において、該機器側接続端子に接続可能とする冗長接続端子と、該冗長接続端子と基板側接続端子間に設けられた該基板側接続端子切り離し用の切断スペースとを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明のフレキシブル配線基板における基板側接続端子は、一または複数設けられて、前記機器側接続端子の配列に対応するように横一列または複数列に配置され、前記冗長接続端子は、一または複数設けられて、該機器側接続端子の配列に対応するように横一列または複数列に配置されると共に、前記切断スペースを介して該基板側接続端子と1対1に対応するように接続されている。
さらに、好ましくは、本発明のフレキシブル配線基板における基板側接続端子と冗長接続端子を結ぶ直線方向に直交する方向の前記切断スペースの両端縁に切断目印が設けられている。
さらに、好ましくは、本発明のフレキシブル配線基板における切断目印は、前記両端縁の少なくとも一方に形成された切り欠き部である。
本発明の電子機器は、請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル配線基板の基板側接続端子が前記機器側接続端子に接続されているものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の電子機器の製造方法は、請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル配線基板の基板側接続端子を前記機器側接続端子に接続させる端子接続処理を行う際に、該端子接続処理後の機器側および端子接続側のいずれかに不良がある場合に、該機器側接続端子から該基板側接続端子を剥離する剥離処理をして該フレキシブル配線基板をリサイクル処理するリサイクル処理工程を有する電子機器の製造方法であって、該リサイクル処理工程は、該剥離処理後のフレキシブル配線基板を前記切断スペースに沿って切断する切断処理をして、該剥離処理後のフレキシブル配線基板から該基板側接続端子部分を切り離す切断工程と、該切断処理後のフレキシブル配線基板の冗長接続端子と新たな機器の機器側接続端子を接続させる端子接続工程とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の電子機器の製造方法は、請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル配線基板の基板側接続端子を前記機器側接続端子に接続させる端子接続処理を行う際に、該端子接続処理後の機器側および端子接続側のいずれかに不良がある場合に、該機器側接続端子から該基板側接続端子を剥離する剥離処理をして該フレキシブル配線基板をリサイクル処理するリサイクル処理工程を有する電子機器の製造方法であって、該リサイクル処理工程は、該剥離処理後のフレキシブル配線基板を前記切断スペースに沿って切断する切断処理をして、該剥離処理後のフレキシブル配線基板から該基板側接続端子部分を切り離す切断工程と、前記フレキシブル配線基板の冗長接続端子と補助基板の一方接続端子とを接続させる第1端子接続工程と、該一方接続端子に接続された該補助基板の他方接続端子と新たな機器の機器側接続端子を接続させる第2端子接続工程とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の電子機器の製造方法における補助基板は、前記一方接続端子が、一または複数設けられて、前記冗長接続端子の配列に対応するように横一列または複数列に配置され、前記他方接続端子が、一または複数設けられて、該機器側接続端子の配列に対応するように横一列または複数列に配置されると共に、前記切断スペースを介して該一方接続端子と1対1に対応するようにそれぞれ接続されている。
さらに、好ましくは、本発明の電子機器の製造方法における端子接続工程は、前記基板側接続端子、前記冗長接続端子および前記他方接続端子のうちの少なくともいずれかと機器側接続端子とを位置合わせした後に圧着処理する。
さらに、好ましくは、本発明の電子機器の製造方法における機器は液晶表示パネルである。
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
本発明においては、フレキシブル配線基板には、機器側接続端子に接続可能とする冗長接続端子と、機器側接続端子に接続可能とする基板側接続端子と、これらの冗長接続端子と基板側接続端子間に設けられた基板側接続端子切り離し用の切断スペースとを有している。
フレキシブル配線基板の基板側接続端子を電子機器の機器側接続端子に接続させる端子接続処理を行う際に、この端子接続処理後の機器側および端子接続側のいずれかに不良がある場合、機器側接続端子から基板側接続端子を剥離する剥離処理をしてフレキシブル配線基板をリサイクル処理する。
このリサイクル処理において、剥離処理後のフレキシブル配線基板を切断スペースに沿って切断して、剥離処理後のフレキシブル配線基板から基板側接続端子部分を切り離す。さらに、切断処理後のフレキシブル配線基板の冗長接続端子と新たな機器の機器側接続端子を接続させる。
このため、リサイクル歩留まりやリサイクルコスト低減、さらに、ACF残渣を端子部分に残さず、本圧着後の検査により不良を皆無にすることが可能となる。
以上により、本発明のよれば、剥離処理後のフレキシブル配線基板を切断スペースに沿って切断して、剥離処理後のフレキシブル配線基板から基板側接続端子部分を切り離す。さらに、切断処理後のフレキシブル配線基板の冗長接続端子と新たな機器の機器側接続端子を接続させる。このため、リサイクル歩留まりやリサイクルコスト低減、さらに、ACF残渣を端子部分に残さず、本圧着後の検査により不良を皆無にできる。
以下に、本発明のフレキシブル配線基板を用いた電子機器およびその製造方法の実施形態1,2を、液晶表示装置およびその製造方法に適用した場合について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明のフレキシブル配線基板の実施形態1における要部構成を模式的に示す平面図である。
(実施形態1)
図1は、本発明のフレキシブル配線基板の実施形態1における要部構成を模式的に示す平面図である。
図1において、フレキシブル配線基板1は冗長端子付きFPCである。フレキシブル配線基板1の基板本体2には、保護回路、コンデンサを含む昇圧回路および電圧調整用ボリュームなどの各種の半導体素子搭載用のSMT実装領域が設けられている。この基板本体2には、図示しない液晶パネル側の複数の接続端子に接続可能とする冗長接続端子4および基板側接続端子5と、これらの冗長接続端子4と基板側接続端子5間に設けられた切断スペース6とを有している。
冗長接続端子4は、複数設けられたFPCリサイクル用の冗長端子であり、図示しない液晶パネル側の複数の接続端子(機器側接続端子)の配列に対応するように横一列(または複数列)に配置されている。
基板側接続端子5は、複数設けられた通常の直行生産用のパネル接続端子であり、図示しない液晶パネル側の複数の接続端子(機器側接続端子)の配列に対応するように横一列(または複数列)に配置されていると共に、切断スペース6を介して冗長接続端子4と1対1に対応するように接続されている。この基板側続端子5は、冗長接続端子4と同じ配列(端子サイズ、例えば20個〜30個程度の数およびそのピッチが同一)で、基板本体2の先端縁上に配置されている。
切断スペース6は、横一列の冗長接続端子4と接続端子5の間に設けられ、例えば切断ライン6Aに沿って金型や押し切り装置、さらにはさみなどで切断できる。また、この切断スペース6によりフレキシブル配線基板1を折り曲げることが容易となる。さらに、切断スペース6には、横一列の冗長接続端子4および接続端子5の配列方向(または冗長接続端子4と基板側接続端子5を結ぶ直線方向に直交する方向)の両端縁側に切断目印としてV字状切り欠き部(図示せず)がそれぞれ形成されている。この切断目印としてのV字状切り欠き部は量産時(切り欠き部を検出して切断ライン6Aに沿って切断する自動切断装置など)に有効となる。
以下、電子機器としての液晶表示装置の製造方法として、フレキシブル配線基板1を液晶パネル(図示せず)に装着する際に、端子接続処理後の液晶パネル側および端子接続側のいずれかに不良がある場合に、フレキシブル配線基板1をリサイクル処理するリサイクル処理工程について図2を参照しながら説明する。
図2の(a)〜(c)は、本発明の実施形態1のフレキシブル配線基板1を液晶パネルに装着する場合のリサイクル処理工程の各処理ステップを説明するための模式図である。
図2の(a)に示すように、液晶パネル(LCDパネル)11Aおよびその端子接続部(接続端子5,12)に不良がある場合に、まず、液晶パネル11Aの機器側接続端子としての接続端子12から、リサイクルするために、フレキシブル配線基板1の基板側接続端子5を剥離する。このとき、スポットヒータなどでその端子接続部(接続端子5,12)を加熱しながら剥離処理を行う。
次に、この剥離したフレキシブル配線基板1の切断スペース6(ここでは切断ライン6A)に沿って切断することにより、剥離したフレキシブル配線基板1から基板側接続端子5を切り離してリサイクル用のフレキシブル配線基板1Aとする。
さらに、フレキシブル配線基板1Aの冗長接続端子4と、新たな良品の液晶パネル(LCDパネル)11Bの接続端子12とを圧着(加締めて接合)して電気的に接続させる。
このようにして、フレキシブル配線基板1を不良品(NG品)の液晶パネル11Aから剥がし、これを所定位置で切断したフレキシブル配線基板1Aを良品の液晶パネル11Aに装着することにより、フレキシブル配線基板1Aをリサイクルすることができる。
この場合、液晶パネル11A,11Bはそれぞれ、素子側基板と対向基板間に表示媒体として液晶層を挟持した状態で封止されている。この素子側基板は、複数の走査線と複数の信号線が直交して設けられており、この交差部毎にスイッチング素子のTFTが設けられ、TFTの制御電極に接続される走査線からTFTをオン/オフ制御し、これにより信号線から画素電極に信号電圧を入力制御することができる。複数の画素電極はマトリクス状に設けられ、各画素電極によって液晶の配向がそれぞれ制御されて表示画面上に画像表示することができるようになっている。この素子側基板から引き出された走査線や信号線の各端部にはソースドライバ(信号ドライバ)およびゲートドライバ(走査ドライバ)が設けられている。これらの各ドライバや電源回路は図2(a)のICチップに搭載されている。フレキシブル配線基板1からは、このICチップから引き出された接続端子(機器側接続端子)にクロック信号などの制御信号や各種データ信号の他、電源電圧などを入力することができる。このような液晶パネル11Aまたは11Bに接続されたフレキシブル配線基板1により液晶表示装置が構成されており、この液晶表示装置は携帯電話装置の表示画面として用いることができる。
(実施形態2)
上記実施形態1ではリサイクル品のフレキシブル配線基板1Aは通常のフレキシブル配線基板1に比べて基板の一方サイズが短いが、本実施形態2ではリサイクル品のフレキシブル配線基板1Bが通常のフレキシブル配線基板1と同一の長さで同一モデルとして用いることができる場合について説明する。
(実施形態2)
上記実施形態1ではリサイクル品のフレキシブル配線基板1Aは通常のフレキシブル配線基板1に比べて基板の一方サイズが短いが、本実施形態2ではリサイクル品のフレキシブル配線基板1Bが通常のフレキシブル配線基板1と同一の長さで同一モデルとして用いることができる場合について説明する。
図2(d)は、本発明のフレキシブル配線基板の実施形態2における要部構成を模式的に示す平面図である。
図2(d)において、フレキシブル配線基板1Bは冗長端子4および補助基板7付きFPCであり、基板本体2Aに半導体素子搭載用のSMT実装領域3が設けられている。この基板本体2Aには、図示しない液晶パネル側の複数の接続端子(機器側接続端子)に接続可能とする冗長接続端子4と、この冗長接続端子4に接続された補助基板7とを有している。
冗長接続端子4は、上記実施形態1の場合と同様に、複数設けられたFPCリサイクル用の冗長端子であり、液晶パネル11B側の複数の接続端子(機器側接続端子)の配列に対応するように横一列(または複数列)に配置されている。ここでは、冗長接続端子4は、液晶パネル11B側の複数の接続端子(機器側接続端子)の配置面に対する対向面とは反対側の面に設けられている。即ち、フレキシブル配線基板1は両面用FPCであるので、冗長接続端子4と基板側接続端子5とはフレキシブル配線基板1’の両面(互いに反対側の面)に容易に配置される。
補助基板7は、一方接続端子8が冗長接続端子4の配列に対応するように横一列(または複数列)に配置され、他方接続端子9が液晶パネル(LCDパネル)の接続端子の配列に対応するように横一列(または複数列)に配置されている。補助基板7には、接続端子8、9の間に切断スペース6と同等のスペース10が設けられており、横一列の接続端子8、9は1対1に対応するようにプリント配線などにより接続されている。この場合には、接続端子8,9は、液晶パネル11B(LCDパネル)の接続端子の配置面に対応する側の同一面に配列されている。即ち、補助基板7は片面用FPCであるので、両面用FPCに比べてそのコストが安い。
以下、電子機器としての液晶表示装置の製造方法として、本実施形態2のフレキシブル配線基板1Bを液晶パネルに装着する際に、端子接続処理後の液晶パネル側および端子接続側のいずれかに不良がある場合に、フレキシブル配線基板1Bとして、フレキシブル配線基板1Aをリサイクル処理するリサイクル処理工程について図2を参照しながら説明する。
図2の(a)、(b)、(d)および(e)は、本発明の実施形態2のフレキシブル配線基板1Bを液晶パネルに装着する場合のリサイクル処理工程の各処理ステップを説明するための模式図である。
液晶パネル(LCDパネル)11Aおよびその端子接続部に不良がある場合に、図2の(a)において、まず、液晶パネル11Aの機器側接続端子としての接続端子12から、フレキシブル配線基板1の基板側接続端子としての接続端子を剥離処理する。
次に、この剥離したフレキシブル配線基板1の切断スペース6(ここでは切断ライン)に沿って切断することにより、図2の(b)に示すように、剥離したフレキシブル配線基板1から接続端子5を切り離してフレキシブル配線基板1Aとする。
さらに、図2の(d)に示すように、フレキシブル配線基板1Aの冗長接続端子4と補助基板7の一方接続端子8とを圧着して接続させる。これらのフレキシブル配線基板1Aと補助基板7を接合することによりフレキシブル配線基板1Bが得られる。
さらに、図2の(e)に示すように、補助基板7の一方接続端子8にそれぞれ接続された他方接続端子9を、新たな良品の液晶パネル(LCDパネル)11Bの接続端子12に位置合わせをした後に圧着して電気的に接続させる。
これによって、フレキシブル配線基板1を不良品(NG品)の液晶パネル11Aから剥がして切断し、この切断したフレキシブル配線基板1Aに補助基板7を圧着し取付けたフレキシブル配線基板1Bの接続端子9を、良品の液晶パネル11Bの接続端子12に装着することによりフレキシブル配線基板1Aをリサイクルすることができる。
図3(a)は、図2(a)の折り曲げ状態を示す側面図であり、図3(b)は、図2(e)の折り曲げ状態を示す側面図である。
フレキシブル配線基板1は可撓性(折り曲げ自在)を有しており、図3(a)に示すようにフレキシブル配線基板1の切断スペース6を折り曲げることができる。また、本実施形態2のフレキシブル配線基板1Bにおいても、図3(b)に示すようにフレキシブル配線基板1Bの補助基板7の部分を折り曲げて撓ませることができるようになっている。
したがって、図2の(a)のように液晶パネル11Aに起因する不良が生じた場合、本実施形態1のフレキシブル配線基板1Aでは、図2の(a)のような直行品の形態であるフレキシブル配線基板1に比べてFPCの一方サイズ(上下長)が短くなり、同一モデル(同一サイズ)としてのリサイクルではなくなるが、リサイクルコストは極めて低い(従来に比べて十分の一/台)。本実施形態2のフレキシブル配線基板1Bでは、補助基板7を設ける分だけ、リサイクルコストは若干高くなる(従来に比べて半額程度/台)が、図2の(a)のような直行品と同様の形態(サイズ)であり、図2の(d)に示すように冗長接続端子4の位置と補助基板7の長さを調整すれば、図2の(a)のような直行品の代替としてリサイクル品(フレキシブル配線基板1B)を使用することもできる。
また、上記実施形態1,2のいずれの場合にも、フレキシブル配線基板(FPC)に剥離工程がないので、フレキシブル配線基板(FPC)にストレスが加わり難い。しかも、図2の(a)のような直行品の圧着部分(基板側接続端子部分)は切断して取り除くので、冗長接続端子4には従来の剥離した端子のようなACF残渣は全くない。
以上により、上記実施形態1,2によれば、フレキシブル配線基板1には、機器側接続端子12に接続可能とする冗長接続端子4と、機器側接続端子12に接続可能とする基板側接続端子5と、これらの冗長接続端子4と基板側接続端子5間に設けられた基板側接続端子切り離し用の切断スペース6とを有している。端子接続処理後の機器側および端子接続側のいずれかに不良がある場合に、剥離処理後のフレキシブル配線基板1を切断スペース6に沿って切断して、剥離処理後のフレキシブル配線基板1から基板側接続端子5の配置部分を切り離す。さらに、切断処理後のフレキシブル配線基板1Aの冗長接続端子4と新たな機器の機器側接続端子11Bを接続させる。これによって、リサイクル歩留まりやリサイクルコスト低減、さらには、従来のようにACF残渣を端子部分に残すことなく、本圧着後の必要な全検査により不良を皆無にできる。
なお、本実施形態1では、 冗長接続端子4および基板側接続端子5は、機器側接続端子12の配列に対応した横一列配置としたが、これに限らず、冗長接続端子4および基板側接続端子5は、機器側接続端子12の配列に対応した横複数列配置としてもよい。
以上のように、本発明の好ましい実施形態1,2を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1,2に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1,2の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、半導体素子が搭載された例えばFPC(Flexible Printed Circuit)やTCP(Tape Carrier Package)など可撓性を有するフレキシブル配線基板、これを用いた例えば液晶表示装置などの電子機器およびその製造方法の分野において、リサイクル歩留まりやリサイクルコスト低減、さらに、ACF残渣を端子部分に残さず、本圧着後の検査により不良を皆無にできる。
1,1A,1B フレキシブル配線基板
2,2A 基板本体
3 SMT実装領域
4 冗長接続端子
5 基板側接続端子
6 切断スペース
7 補助基板
8 一方接続端子
9 他方接続端子
10 スペース
11A 不良品の液晶パネル
11B 良品の液晶パネル
12 接続端子(機器側接続端子)
2,2A 基板本体
3 SMT実装領域
4 冗長接続端子
5 基板側接続端子
6 切断スペース
7 補助基板
8 一方接続端子
9 他方接続端子
10 スペース
11A 不良品の液晶パネル
11B 良品の液晶パネル
12 接続端子(機器側接続端子)
Claims (10)
- 機器側接続端子に接続可能とする基板側接続端子が設けられた半導体素子搭載のフレキシブル配線基板において、
該機器側接続端子に接続可能とする冗長接続端子と、
該冗長接続端子と基板側接続端子間に設けられた該基板側接続端子切り離し用の切断スペースとを有するフレキシブル配線基板。 - 前記基板側接続端子は、一または複数設けられて、前記機器側接続端子の配列に対応するように横一列または複数列に配置され、
前記冗長接続端子は、一または複数設けられて、該機器側接続端子の配列に対応するように横一列または複数列に配置されると共に、前記切断スペースを介して該基板側接続端子と1対1に対応するように接続されている請求項1に記載のフレキシブル配線基板。 - 前記基板側接続端子と冗長接続端子を結ぶ直線方向に直交する方向の前記切断スペースの両端縁に切断目印が設けられている請求項1または2に記載のフレキシブル配線基板。
- 前記切断目印は、前記両端縁の少なくとも一方に形成された切り欠き部である請求項3に記載のフレキシブル配線基板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル配線基板の基板側接続端子が前記機器側接続端子に接続されている電子機器。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル配線基板の基板側接続端子を前記機器側接続端子に接続させる端子接続処理を行う際に、該端子接続処理後の機器側および端子接続側のいずれかに不良がある場合に、該機器側接続端子から該基板側接続端子を剥離する剥離処理をして該フレキシブル配線基板をリサイクル処理するリサイクル処理工程を有する電子機器の製造方法であって、
該リサイクル処理工程は、
該剥離処理後のフレキシブル配線基板を前記切断スペースに沿って切断する切断処理をして、該剥離処理後のフレキシブル配線基板から該基板側接続端子部分を切り離す切断工程と、
該切断処理後のフレキシブル配線基板の冗長接続端子と新たな機器の機器側接続端子を接続させる端子接続工程とを有する電子機器の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル配線基板の基板側接続端子を前記機器側接続端子に接続させる端子接続処理を行う際に、該端子接続処理後の機器側および端子接続側のいずれかに不良がある場合に、該機器側接続端子から該基板側接続端子を剥離する剥離処理をして該フレキシブル配線基板をリサイクル処理するリサイクル処理工程を有する電子機器の製造方法であって、
該リサイクル処理工程は、
該剥離処理後のフレキシブル配線基板を前記切断スペースに沿って切断する切断処理をして、該剥離処理後のフレキシブル配線基板から該基板側接続端子部分を切り離す切断工程と、
前記フレキシブル配線基板の冗長接続端子と補助基板の一方接続端子とを接続させる第1端子接続工程と、
該一方接続端子に接続された該補助基板の他方接続端子と新たな機器の機器側接続端子を接続させる第2端子接続工程とを有する電子機器の製造方法。 - 前記補助基板は、
前記一方接続端子が、一または複数設けられて、前記冗長接続端子の配列に対応するように横一列または複数列に配置され、
前記他方接続端子は、一または複数設けられて、該機器側接続端子の配列に対応するように横一列または複数列に配置されると共に、前記切断スペースを介して該一方接続端子と1対1に対応するようにそれぞれ接続されている請求項6または7に記載の電子機器の製造方法。 - 前記端子接続工程は、前記基板側接続端子、前記冗長接続端子および前記他方接続端子のうちの少なくともいずれかと機器側接続端子とを位置合わせした後に圧着処理する請求項6または7に記載の電子機器の製造方法。
- 前記機器は液晶表示パネルである請求項6または7に記載の電子機器の製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2016167485A (ja) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | アルプス電気株式会社 | 配線基板、配線基板の接続構造及び配線基板の接続方法 |
JP2020072117A (ja) * | 2018-10-29 | 2020-05-07 | 神田工業株式会社 | フレキシブルプリント配線板及びそれを用いた薄型通信デバイス並びに薄型通信デバイスからフレキシブルプリント配線板を再利用する方法。 |
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2004
- 2004-06-23 JP JP2004185592A patent/JP2006013007A/ja not_active Withdrawn
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