JP2006009651A - 内燃機関の制御装置及び内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼効率の大幅な改善を図ること。
【解決手段】エンジンの燃焼室には、複数通りの組み合わせで電界形成を可能とする電界形成部材として、第1電極26と第2電極30a〜30hとが設けられている。高圧電源部41の正極には第1電極26が接続され、負極には電極切替部42を介して第2電極30a〜30hが接続されている。マイコン部50は、電極切替部42による電極切替動作を制御する。これにより、その都度用いられる第2電極30a〜30hに応じて燃焼室内の電界が変化する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、燃焼室内に電界を形成することにより燃焼効率を向上させる内燃機関の制御装置、及び内燃機関の構造に関するものである。
従来より、内燃機関の燃焼効率を向上させるべく、内燃機関の燃焼期間において燃焼室に電界を形成する技術が知られている。例えば、特許文献1では、シリンダブロックにおいて燃焼室を囲むようにして環状溝を形成すると共にこの環状溝にニクロム線よりなる伝導体部材を設置し、この伝導体部材に電圧を印加する構成としている。これにより、燃焼室内に電界を形成して火炎伝播速度を増加させ、内燃機関の燃焼効率を向上させるようにしていた。
また、特許文献2では、内燃機関に発生するノックを検出し、ノック発生時には、電界形成のための電源の電圧をノック強度に応じて変化させる構成としている。特に、ノック強度が大きいほど、電源電圧を高くしている。これにより、ノック抑制効果が得られるようにしている。
しかしながら、燃焼室に流入した燃料(混合気)は燃焼室内で流動し、そのために燃焼中における火炎の伝播方向も時々刻々変化する。かかる場合において、前記特許文献1では、常に固定された位置とタイミングで燃焼室内において一様に電界が形成される。従って、燃焼効率を向上させるには不十分な場合もあり、その改善が望まれている。また、前記特許文献2は、電界強度を変化させることでノック抑制効果が得られるが、電界強度を変化させること以外は、燃焼室内において一様に電界を形成する構成となっている。従って、やはり改善の余地が残されている。
特開2000−179412号公報 特開2002−295258号公報
本発明は、燃焼効率の大幅な改善を図ることができる内燃機関の制御装置及び内燃機関を提供することを主たる目的とするものである。
請求項1に記載の発明では、内燃機関の燃焼室内には、電界を形成するために複数の電界形成部材が設けられている。そして、複数の電界形成部材のうち、所定の電界形成部材に電圧を印加することにより、燃焼室内に形成される電界を変化させる構成となっている。この場合、燃焼室内で電界を変化させることにより、燃焼室内の状態に応じた電界形成が可能となり、燃焼効率の大幅な改善を図ることができる。
請求項2に記載の発明では、燃焼室内の火炎伝播パターンに応じて電界を変化させるので、燃焼室内において火炎の伝播状況が時々刻々と変化しても、それに追従して電界を変化させることができる。従って、燃焼の促進が図ることができる。
一般に、内燃機関では排気バルブが吸気バルブよりも高温となること等の理由から、燃焼開始後には先ず排気バルブ側へ火炎が伝播することが考えられる。そこで、請求項3に記載したように、燃焼開始後における排気バルブ側への火炎の伝播を反映して火炎伝播パターンを予め規定しておくのが望ましい。
火炎の伝播パターンは、内燃機関の運転状態に応じて変化することが考えられる。そこで、請求項4に記載したように、機関運転状態に応じて複数の火炎伝播パターンを予め規定しておき、その都度の機関運転状態に対応する火炎伝播パターンに合わせて電界を変化させると良い。
また、請求項5に記載したように、ノックが発生しやすいノック運転領域である場合、ノック抑制用の電界制御を実施すると良い。このように、ノック抑制用の電界制御を実施することで、ノック抑制を確実に実施できる。
また、請求項6に記載したように、ノック抑制用の電界制御において、燃焼室内におけるノック発生位置付近の電界形成部材に対して電圧を印加することで電界を形成すると良い。これにより、ノック発生位置付近における燃焼改善が図られ、結果としてノック抑制が実現できる。この場合、例えば、ノック発生位置付近の電界形成部材に対して燃焼開始から継続的に電圧を印加すると良い。
請求項7に記載の発明では、内燃機関の燃焼行程において、電圧印加する前記電界形成部材を所定クランク角毎に変化させて電界を変化させる。これにより、燃焼サイクルの進行に合わせて電界形成を行わせることができる。
請求項8に記載の発明では、内燃機関の燃焼行程において電界を形成する電界形成期間を内燃機関の運転状態に応じて設定する。これにより、内燃機関の運転状態が変化しても、それに追従させて所望の期間で電界形成が可能となる。例えば、機関回転数に応じて電界形成期間を設定する場合、高回転では電界形成期間を確保すべく電界形成期間を長くする。その他、機関負荷に応じて電界形成期間を設定しても良い。
請求項9に記載の発明では、複数の電界形成部材を、燃焼室の略中央部に設けられる第1電極部材と、同燃焼室の周囲に設けられる第2電極部材とにより構成し、第1電極部材と第2電極部材間に電圧を印加することで燃焼室内に電界を形成するようにしたので、燃焼室中央からの火炎の伝播を促進することができる。
燃焼開始後、火炎は点火プラグからその周囲に伝播していくことが考えられる。また、火炎に直流電界をかけると、火炎は負極に引き寄せられるようにして伝播する。この場合、請求項10に記載したように、燃焼室中央(点火プラグ付近)の第1電極部材を正極、燃焼室周囲の第2電極部材を負極としてこれら各電極部材間に直流電圧を印加する構成とすれば、本来の火炎の伝播方向に合わせて、火炎の伝播を促進することができる。従って、燃焼改善が可能となる。
請求項11に記載の発明では、電界形成部材に交流電圧を印加する構成としている。この場合、火炎に交流電界を印加すると、周期的に変化する極性により火炎中のイオンが振動し、火炎中の他の化学種に衝突する頻度が増大する。その結果、燃焼反応が活性化され、ひいては燃焼効率が改善される。
請求項12に記載の発明では、燃焼室の中央部に第1電極部材を配置すると共に、同燃焼室の周囲に分散して複数の第2電極部材を配置し、これら両電極部材によって電界形成部材を構成した。この場合、燃焼室中央からの火炎の伝播を促進することが可能となり、ひいては燃焼効率の改善を図ることができる。
請求項13に記載の発明では、第1電極部材を点火プラグと一体に又は点火プラグ近傍に設けたため、燃焼開始後において点火プラグからその周囲に火炎が伝播する場合に、その火炎の伝播を促進することが可能となる。
複数の第2電極部材を設けるための構成としては、請求項14に記載したように、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に配設されるガスケットに埋め込むようにすると良い。
以下、本発明を車両用火花点火式エンジンに具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1はエンジン10の構成を簡略化して示す断面図である。エンジン10において、シリンダブロック11には円筒状のシリンダ12が形成され、該シリンダ12にはピストン13が摺動可能に収容されている。シリンダブロック11にはガスケット14を介してシリンダヘッド15が取り付けられている。シリンダヘッド15には吸気管16と排気管17とが接続され、吸気管16に通じる吸気ポートと排気管17に通じる排気ポートにはそれぞれ吸気バルブ18と排気バルブ19が配設されている。シリンダ12内においてピストン13の上方に燃焼室22が形成されている。
シリンダヘッド15には、燃焼室22の天井部に相当する部位に点火プラグ23が取り付けられている。図2に拡大して示すように、点火プラグ23は先端部に中心電極24と接地電極25とを有しており、エンジン運転時の燃焼行程において中心電極24に高電圧が印加されることに伴い電極24,25間で放電火花が発生し、燃焼室22内の燃料が燃焼に供される。
また特に、本エンジン10には、燃焼室22内にて電界を形成するための電界形成部材が設けられている。該電界形成部材として、点火プラグ23の先端部には前記中心電極24及び接地電極25とは別に電極部材26が設けられると共に、燃焼室22を円周状に囲むガスケット14には複数の電極部材30が設けられている。電極部材26は「第1電極部材」に相当し、便宜上以下これを第1電極26と言う。また、電極部材30は「第2電極部材」に相当し、便宜上以下これを第2電極30と言う。
第2電極30は概ね棒状をなしており、燃焼室22の中心を向くようにしてガスケット14に埋め込まれている。第2電極30の構造を図3により簡単に説明すると、第2電極30は、電極本体31と、該電極本体31の周囲を覆う絶縁層32と、更に絶縁層32を覆うコート層33とよりなる。絶縁層32により、シリンダブロック11やシリンダヘッド15への電流の漏れ(リーク)が防止され、コート層33により、第2電極30の形状が保持されるようになっている。
図4は、本実施の形態における第1電極26及び第2電極30の配置を示す平面模式図である。図4の(a)に示すように、燃焼室22の中央部には第1電極26が配置されており、燃焼室22の周囲には計8個の第2電極30が均等配置されている。以下の説明では、各第2電極30を識別するために、各々を第2電極30a,30b,30c,30d,30e,30f,30g,30hとする。図中、吸気バルブ18と排気バルブ19の位置を破線で示しており、排気バルブ19側に第2電極30aが設けられ、その反対側の吸気バルブ18側に第2電極30eが設けられている。
例えば、第1電極26を正極、第2電極30a〜30hを負極として、第1電極26と第2電極30a〜30hの一つ(図では第2電極30a)とに高電圧を印加する場合、(b)に示すように燃焼室22内において両電極26,30a間に電界が形成される。この場合、点火プラグ23の点火により燃焼室22内の燃料が燃焼される状況では、図示の如く燃焼室22内に電界が形成されることにより、火炎が負極側(図4の(b)では第2電極30a側)に傾くようにして伝播される。これは、火炎中に存在する正イオンが電界によって負極側に移動して火炎中の他の化学種に衝突し、負極方向への運動量を与えるからである。
図5には、電界形成のための回路構成を簡略して示している。高圧電源部41は、車載バッテリを電源として数kV程度(例えば3kV)の高圧電源を生成するものであり、その正極には第1電極26が接続され、負極には電極切替部42を介して第2電極30a〜30hが接続されている。電極切替部42は、第2電極30a〜30hに各々対応する複数のスイッチを内蔵しており、この複数のスイッチを選択的にONすることにより、第2電極30a〜30hのうちから選択されたものが高圧電源部41の負極に接続される。これにより、第1電極26と選択された第2電極30とに高電圧が印加され、燃焼室22内の所定領域で電界が形成される。
電極切替部42による電極切替動作は、エンジンECU(エンジン制御用電子制御ユニット)を構成するマイコン部50により制御される。マイコン部50は、CPU、ROM、RAM等を備えてなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM内に予め記憶されている制御プログラム等に基づいて第2電極30a〜30hの切替を制御する。また、マイコン部50は、高圧電源部41による印加電圧値を可変設定する。
マイコン部50には、クランク角センサ51、吸気管圧力センサ52、水温センサ53等よりそれぞれ検出信号が入力される。ここで、クランク角センサ51は、エンジン10のクランク軸付近に設けられ、同クランク軸の回転に伴い所定のクランク角度毎(例えば30°CA毎)にNEパルス信号を出力する。吸気管圧力センサ52は吸気管16内において圧力を検出し、水温センサ53はエンジン水温を検出する。マイコン部50は前記各センサの検出信号からエンジン回転数、吸気管圧力、エンジン水温等を適宜検知する。
次に、燃焼室22内における火炎の伝播パターンの一例を図6に基づいて説明する。図6では、火炎伝播の様子を時間の経過に従い(a)〜(i)に順に示している。図中のハッチング領域が火炎の伝播領域を示している。なお、(j)には、火炎の伝播方向と前記図4で説明した電極配置とが対比できるよう、第1電極26及び第2電極30a〜30hの配置を示している。
図6において、火炎は、(a)に示すように燃焼室22の中心部(すなわち点火プラグ23付近)で発生した後、(b)のように図の矢印方向へと伝播する。このとき、図の矢印方向は排気バルブ19側(第2電極30a)に向かう方向であり、この方向に火炎が伝播する理由として、燃焼室22では吸気バルブ18よりも排気バルブ19の方が高温になり、燃焼ガスのイオン化が促進されるからであると考えられる。(c)以降、火炎は周囲に広がりながら伝播し、最終的には(i)に示すように、燃焼室22の全体に広がる。このように火炎の伝播パターンには方向性があることから、本実施の形態では、その伝播パターンに合わせるようにして燃焼室22内で電界を形成する。
火炎の伝播パターンに合わせて電界形成を制御するための制御手法について説明する。図7は、通常燃焼時において、第2電極30a〜30hを所定順序で選択して高電圧を印加する様子を示すタイムチャートである。図7では、横軸をクランク角度としており、図中のクランク角a〜iの期間が電界形成期間である。この電界形成期間は例えば60°CAであって、同期間を均等区分して各クランク角a〜iが決められている。なお、各クランク角a〜iは概ね前記図6の(a)〜(i)の火炎伝播状況に合致している。図7中の第2電極30a〜30hは、電界形成に使われる期間をHレベルとして示している。
さて、クランク角aでは、点火信号がHレベルからLレベルに立ち下がることで点火プラグ23の対向電極間に放電火花が発生し、混合気の燃焼が開始される。クランク角a以降、燃焼室22内において電界の形成が開始される。このとき、先ずは第2電極30aを用いて燃焼室22内において電界が形成される。すなわち、前記図6で説明したように、燃焼開始当初には燃焼室22の中心から第2電極30aに向けて火炎が伝播することから、先ずは第1電極26を正極、第2電極30aを負極として用いて第1電極26−第2電極30a間に高電圧が印加され、この両電極間に電界が形成される。第2電極30aによる電界形成はクランク角a〜dの期間で行われる。その後、クランク角b〜eでは、第2電極30aとは別に第2電極30bを用いて電界が形成され、更に、クランク角c〜fでは、第2電極30hを用いて電界が形成される。以下同様に、図示の如く第2電極が適宜切り替えられて電界が形成される。
上記の如く第2電極30a〜30hを切り替えることにより、燃焼開始から燃焼終了までの期間(クランク角a〜iの期間)において、前記図6で説明した火炎の伝播パターンに合わせて燃焼室22内の電界形成を制御することが可能となる。
前記図6には、正常燃焼時における火炎の伝播パターンを示したが、燃焼状態が異なると火炎の伝搬パターンが変化することが考えられる。例えば、ノック発生時について考える。図8は、ノック発生時における火炎伝播の様子を時間の経過に従い(a)〜(f)に順に示している。図中、(d)〜(f)に示す塗りつぶし部分は、ノックに伴い生じるノック火炎を示している。なお、図8の(a)〜(f)は、前記図6の(a)〜(f)と同じタイミングにおける火炎の伝播状態を示している。
図8では、(a)〜(c)において前記図6とほぼ同様に火炎が伝播する。そしてその後、(d)に示すように、シリンダ壁付近の図のA位置でノック火炎が発生する。本事例では、ノック発生位置が概ね第2電極30c,30dに合致している。その後、ノック火炎は(e),(f)に示すように広がっていく。この場合、前記図6では(i)の段階まで進んだ時点で火炎が燃焼室全体に広がるが、図8では(f)の段階まで進んだ時点で火炎が燃焼室全体に広がる。
本実施の形態では、前記図8のようなノック火炎の発生を抑えるべく、電界形成モードとしてノック抑制モードを設け、ノック発生の可能性が高いエンジン運転状態下においてノック抑制モードで第1電極26及び第2電極30a〜30hに高電圧を印加する。図9は、ノック抑制モードでの第2電極30a〜30hの電圧印加順序を示すタイムチャートである。前記図7との違いとして、図9では、ノック発生位置に対応する第2電極30c,30dが、クランク角a〜iの全電界形成期間を通じて電界形成に用いられている。
図10は、マイコン部50による電界生成処理を示すフローチャートである。ステップS101では、電界形成の実行条件が成立しているか否かを判別する。実行条件としては、燃焼室圧力が所定の低圧レベルにないこと、又は燃焼室温度が所定の高温レベルにないことが含まれており、これらが満たされれば実行条件成立とされて後続のステップS102に進み、満たされないと実行条件不成立とされてそのまま本処理を終了する。すなわち、燃焼室圧力が所定の低圧レベルにある場合、又は燃焼室温度が所定の高温レベルにある場合、第1電極26及び第2電極30a〜30hへの高電圧印加が禁止され、電界形成が行われない。
ステップS102では、エンジン回転数に基づいて電界形成期間(°CA)を決定する。例えば、図11の関係を用い、エンジン回転数が高いほど電界形成期間を長くする。なお、電界形成期間決定のパラメータとして、吸気管圧力や吸入空気量等のエンジン負荷を追加しても良い。
続くステップS103では、燃焼室圧力と燃焼室温度とに基づいて電界形成のための印加電圧値を決定する。例えば、図12の関係を用い、燃焼室圧力が低いほど印加電圧を低くすると共に、燃焼室温度が高いほど印加電圧を低くする。つまり、燃焼室圧力が低いと燃焼イオンが移動しやすくなる一方、燃焼室温度が高いと燃焼ガスのイオン化が促進されるため、かかる状態で印加電圧が高すぎると、正極である第1電極26に高電圧を印加した際に、第1電極26とその付近のグランド部(点火プラグ23の接地電極25やシリンダ壁面)とが導通されてしまう、いわゆる電圧リークが生じる。これに対して、図12の関係を用いて印加電圧値を決定すれば、電圧リークが抑制できる。なお、図中の燃焼室圧力Pxは、前記ステップS102の実行条件に用いる判定値であり、Px以下であれば、印加電圧値は設定されないようになっている。燃焼室圧力、燃焼室温度の何れか一方のみを用いて印加電圧値を決定することも可能である。
その後、ステップS104では、今現在のエンジン運転領域がノック発生領域であるか否かを判別する。NOであればステップS105に進み、YESであれば、ステップS106に進む。ステップS105では、通常モードでの電界形成を実施する。すなわち、通常燃焼時の火炎伝播パターンに合わせて電界が変化するよう、前記図7で説明したような形態で第2電極30a〜30hを切り替えて電界を変化させる。ステップS106では、ノック抑制モードでの電界形成を実施する。すなわち、ノック発生を抑制するよう、前記図9で説明したような形態で第2電極30a〜30hを切り替えて電界を変化させる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
燃焼期間中において第2電極30a〜30hを選択的に用いて第1電極26及び第2電極30a〜30hに高電圧を印加し、燃焼室22内の電界を変化させる構成としたため、燃焼室22内の状態に応じた電界形成が可能となり、燃焼効率の大幅な改善を図ることができる。この場合特に、燃焼室22内における火炎の伝播パターンに合わせて電界を変化させるため、燃焼室22内において火炎の伝播状況が時々刻々と変化しても、それに追従して電界を変化させることができる。従って、燃焼の促進が図ることができる。
また、電界制御モードとしてノック抑制モードを設けたため、ノック発生を確実に抑制することが実施できる。
電界形成期間をエンジン運転状態に応じて設定するようにしたため、エンジン運転状態が変化しても、それに追従させて所望の期間で電界形成が可能となる。
燃焼室圧力と燃焼室温度とに基づいて電界形成時の印加電圧を変更するようにしたため、高電圧印加時における電圧リークが抑制できる。
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
上記実施の形態では、直流電源を用いて第1電極26及び第2電極30a〜30h間に高電圧を印加したが、これに代えて、交流電源を用いて第1電極26及び第2電極30a〜30h間に高電圧を印加する構成としても良い。この場合、火炎に交流電界を印加すると、周期的に変化する極性により火炎中のイオンが振動し、火炎中の他の化学種に衝突する頻度が増大する。その結果、燃焼反応が活性化され、ひいては燃焼効率が改善される。
上記実施の形態では、電界形成モードとして、通常モードとノック抑制モードとを設定したが、それ以外のモードを適宜設定することも可能である。例えば、エンジン運転状態に応じて複数の火炎伝播パターンが存在する場合に、その都度のエンジン運転状態に対応する火炎伝播パターンに合わせて電界形成モードを切り替えて電界を変化させる。
上記実施の形態では、燃焼室内におけるノック発生位置を予め予測しておき、ノック抑制モードではノック発生位置で常時電界を形成する構成としたが、ノック発生時に燃焼室内におけるノック発生位置を検出し、そのノック発生位置で常時電界を形成する構成としても良い。ノック位置の検出手段として具体的には、振動式のノックセンサや、燃焼イオンを検出するイオン電流検出センサ等を燃焼室の周囲に複数設け、それらの検出信号に基づいてノック発生位置を検出する。ノック発生位置の検出結果を適宜学習するようにしても良い。すなわち、ノック発生位置の検出結果をスタンバイRAMやEEPROM等のバックアップ用メモリに記憶する。運転状態毎に学習値を持つ構成としても良い。
エンジン10のシリンダブロックにノックセンサを設け、このノックセンサの検出信号を用いてノック発生領域を学習するようにしても良い。これにより、ノックの抑制をより確実に行うことができる。
上記実施の形態のエンジン10では、点火プラグ23に一体に第1電極26を設けたが、点火プラグ以外に設ける構成であっても良い。また、第1電極26を複数設けることも可能である。
燃焼室22を囲むようにして8個の第2電極30a〜30hを均等配置したが、その構成を変更し、第2電極30a〜30hを不均等に配置することも可能である。例えば、第2電極30a側を密に、その反対側の第2電極30h側を粗に配置する。すなわち、最初に火炎が伝播する領域では第2電極を比較的密に配置し、その後火炎が伝播する領域では第2電極を比較的粗に配置する。
第2電極30a〜30hを燃焼室中央に向かって延びる棒状に形成し、棒状先端部を燃焼室内に露出させる構成としたが、その構成を変更する。例えば、第2電極30を略T字状(又はL字状でも可)に形成し、その先端部を、燃焼室周りで周方向に延びるような長手状にしても良い。
発明の実施の形態におけるエンジン構成を示す断面図である。 点火プラグの先端構造を示す正面図である。 第2電極の構造を示す図である。 第1電極及び第2電極の配置を示す平面模式図である。 電界形成のための回路構成を示す説明図である。 通常燃焼時における火炎の伝播パターンを示す説明図である。 電界形成時における第2電極の電圧印加順序を示すタイムチャートである。 ノック発生時における火炎の伝播パターンを示す説明図である。 電界形成時における第2電極の電圧印加順序を示すタイムチャートである。 電界形成処理を示すフローチャートである。 電界形成期間を決定するための特性図である。 電界形成のための印加電圧値を決定するための特性図である。
符号の説明
10…エンジン、11…シリンダブロック、14…ガスケット、15…シリンダヘッド、18…吸気バルブ、19…排気バルブ、22…燃焼室、23…点火プラグ、26…第1電極、30a〜30h…第2電極、41…高圧電源部、42…電極切替部、50…マイコン部。

Claims (14)

  1. 内燃機関の燃焼室内に電界を形成するために複数設けられる電界形成部材を備えた内燃機関の制御装置において、
    前記複数の電界形成部材のうち、所定の電界形成部材に電圧を印加することにより前記燃焼室内に形成される電界を変化させる電界制御手段を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記電界制御手段は、前記燃焼室内の火炎伝播パターンに応じて電界を変化させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃焼室に対して燃料ガスを吸入するための吸気バルブと、燃焼後の排気を排出するための排気バルブとを有する内燃機関に適用され、燃焼開始後における排気バルブ側への火炎の伝播を反映して火炎伝播パターンを予め規定したことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 機関運転状態に応じて複数の火炎伝播パターンを予め規定しておき、前記電界制御手段は、その都度の機関運転状態に対応する火炎伝播パターンに合わせて電界を変化させることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. ノックが発生しやすいノック運転領域である場合、前記電界制御手段は、ノック抑制用の電界制御を実施することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記電界制御手段は、前記ノック抑制用の電界制御において、前記燃焼室内におけるノック発生位置付近の電界形成部材に対して電圧を印加することで電界を形成することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記電界制御手段は、内燃機関の燃焼行程において、電圧印加する前記電界形成部材を所定クランク角毎に変化させて電界を変化させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一つに記載の内燃機関の制御装置。
  8. 内燃機関の燃焼行程において、電界を形成する電界形成期間を内燃機関の運転状態に応じて設定することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記複数の電界形成部材は、前記燃焼室の略中央部に設けられる第1電極部材と、同燃焼室の周囲に設けられる第2電極部材とにより構成され、前記電界制御手段は、第1電極部材と第2電極部材間に電圧を印加することで前記燃焼室内に電界を形成することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一つに記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記第1電極部材を点火プラグと一体に又は点火プラグ近傍に設け、前記電界制御手段は、当該第1電極部材を正極、前記第2電極部材を負極として各電極部材間に直流電圧を印加することで電界を形成することを特徴とする請求項9記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記電界制御手段は、前記電界形成部材に交流電圧を印加することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一つに記載の内燃機関の制御装置。
  12. 燃焼室内に電界を形成するための電界形成部材を備えた内燃機関において、
    前記電界形成部材として、前記燃焼室の中央部に配置した第1電極部材と、同燃焼室の周囲に分散して配置した複数の第2電極部材とを設けたことを特徴とする内燃機関。
  13. 前記第1電極部材を点火プラグと一体に又は点火プラグ近傍に設けたことを特徴とする請求項12に記載の内燃機関。
  14. 内燃機関を構成するシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に配設されるガスケットに埋め込むようにして前記複数の第2電極部材を設けたことを特徴とする請求項11又は13に記載の内燃機関。
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