JP2010144618A - プラズマ点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁体側壁2により形成されたチャンバ1と、チャンバの一端側に配置された中心電極3と、チャンバの他端側に配置された接地電極4とを具備し、中心電極と接地電極との間の放電によりチャンバ内のガスをプラズマ化させて噴孔から噴射するプラズマ点火装置において、プラズマ化のためのチャンバ内の放電時に発生する熱による電極消耗を抑制する。
【解決手段】チャンバ内のガスをプラズマ化させるための放電は高電圧放電と低電圧放電とからなり、高電圧放電によりチャンバ内のガスの一部をプラズマ化させて高電圧放電より低電圧の低電圧放電を可能とし、低電圧放電によりチャンバ内のガスの大部分をプラズマ化させ、低電圧放電を交流電圧放電として設定期間だけ維持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ点火装置に関する。
内燃機関において、点火装置により気筒内全体の均質混合気又は気筒内の一部に存在する混合気を確実に着火させなければならない。しかしながら、点火ギャップに火花を発生させる一般的な点火装置は、混合気の一点を着火させるものであり、それほど高い着火性を有してはいない。
着火性に優れた点火装置として、プラズマジェットを噴射するプラズマ点火装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。プラズマ点火装置は、絶縁体側壁により形成されたチャンバと、チャンバの一端側に配置された中心電極と、チャンバの他端側に配置された接地電極とを具備し、中心電極と接地電極との間に電圧を印加して発生させた放電によってチャンバ内のガスをプラズマ化させ、こうしてチャンバ内の高温高圧のプラズマをプラズマジェットとしてチャンバと気筒内とを連通する噴孔から噴射するものであり、プラズマジェットの断面積に相当する混合気の所定面積を同時に着火させることによって、高い着火性を実現することができる。
このようなプラズマ点火装置において、チャンバ内のガスを効率的にプラズマ化させるために、先ずは、中心電極と接地電極との間に高電圧を印加して小電流放電を発生させ、こうしてチャンバ内のガスの一部がプラズマ化されれば、プラズマ化されたガスを通って比較的低い電圧で中心電極と接地電極との間に放電を発生させることができ、この低電圧放電によりチャンバ内のガスの大部分をプラズマ化させることができる(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−294257 特公昭63−43578 特開平11−257197 特開平11−297454 特開平7−77143 特開2000−161190 特公昭62−6112 特開昭61−234278
前述のように中心電極と接地電極との間に印加する電圧を制御すれば、それほど高い電圧を必要とせずに効率的にチャンバ内のガスの大部分をプラズマ化させることができる。しかしながら、一般的に低電圧放電の電圧はコンデンサ等によりもたらされるために、放電時間は非常に短時間(例えば、10μs)であり、このような短時間の放電によりチャンバ内のガスの大部分をプラズマ化させるには、放電電流は大電流(例えば、200A)としなければならない。このような大電流の短時間の放電は短時間で高いジュール熱を発生し、特に接地電極を大きく消耗させてしまう。
従って、本発明の目的は、絶縁体側壁により形成されたチャンバと、チャンバの一端側に配置された中心電極と、チャンバの他端側に配置された接地電極とを具備し、中心電極と接地電極との間の放電によりチャンバ内のガスをプラズマ化させて噴孔から噴射するプラズマ点火装置において、プラズマ化のためのチャンバ内の放電時に発生する熱による電極消耗を抑制することである。
本発明による請求項1に記載のプラズマ点火装置は、絶縁体側壁により形成されたチャンバと、前記チャンバの一端側に配置された中心電極と、前記チャンバの他端側に配置された接地電極とを具備し、前記中心電極と前記接地電極との間の放電により前記チャンバ内のガスをプラズマ化させて噴孔から噴射するプラズマ点火装置において、前記放電は高電圧放電と低電圧放電とからなり、前記高電圧放電により前記チャンバ内のガスの一部をプラズマ化させて前記高電圧放電より低電圧の前記低電圧放電を可能とし、前記チャンバ内のガスの大部分をプラズマ化させる前記低電圧放電を交流電圧放電として設定期間だけ維持することを特徴とする。
本発明による請求項2に記載のプラズマ点火装置は、請求項1に記載のプラズマ点火装置において、電源回路は、前記中心電極と前記接地電極との間に電圧を印加するための二次巻線と、前記高電圧放電用の一次巻線と、前記低電圧放電用の一次巻線とを具備することを特徴とする。
本発明による請求項3に記載のプラズマ点火装置は、請求項2に記載のプラズマ点火装置において、前記高電圧放電も前記低電圧放電と同一周波数の交流電圧放電とされ、前記高電圧放電用の一次巻線と前記低電圧放電用の一次巻線とは同一方向の磁界を発生するようにされ、前記高電圧放電を開始する際に前記高電圧放電用の一次巻線に前記高電圧放電のための交流電流を通電する時には、前記低電圧放電用の一次巻線にも同期して前記低電圧放電のための交流電流を同一方向に通電することを特徴とする。
本発明による請求項4に記載のプラズマ点火装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載のプラズマ点火装置において、機関出力を各運転状態における所望機関出力とするために、現在の機関出力が現在の運転状態における所望機関出力を下回る時には前記低電圧放電の現在の運転状態に対する前記設定期間を長くし、現在の機関出力が現在の運転状態における所望機関出力を上回る時には前記低電圧放電の現在の運転状態に対する前記設定期間を短くすることを特徴とする。
本発明による請求項5に記載のプラズマ点火装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載のプラズマ点火装置において、前記低電圧放電の前記設定期間は前記低電圧放電用の一次巻線の電流値がほぼゼロとなった時に終了するように設定されることを特徴とする。
本発明による請求項6に記載のプラズマ点火装置は、請求項1から5のいずれか一項に記載のプラズマ点火装置において、機関回転数が高いほど、前記低電圧放電の交流電圧の周波数を高くすることを特徴とする。
本発明による請求項1に記載のプラズマ点火装置によれば、チャンバ内のガスをプラズマ化させるための放電は高電圧放電と低電圧放電とからなり、高電圧放電によりチャンバ内のガスの一部をプラズマ化させて、高電圧放電より低電圧の低電圧放電を可能とし、低電圧放電によりチャンバ内のガスの大部分をプラズマ化させるようになっており、それにより、それほど高い電圧を必要とすることなくチャンバ内のガスをプラズマ化させることができる。また、低電圧放電は交流電圧放電とされるために、直流電圧放電に比較して放電を維持させ易く、容易に設定期間の放電を維持することができるために、設定期間を長くすれば放電電流を小さくしてもチャンバ内の大部分のガスのプラズマ化が可能であり、それにより、低電圧放電の発生熱量が小さくなり、電極消耗を抑制することができる。さらに、交流電圧放電では、高電位側と低電位側とが逆転する毎に、中心電極と接地電極とのそれぞれの放電位置が変化するために、放電による局部的な電極消耗も抑制することができる。
本発明による請求項2に記載のプラズマ点火装置によれば、請求項1に記載のプラズマ点火装置において、電源回路は、中心電極と接地電極との間に電圧を印加するための二次巻線と、高電圧放電用の一次巻線と、低電圧放電用の一次巻線とを具備するようになっており、一つの二次巻線を高電圧放電及び低電圧放電の両方に利用するために電源回路の部品点数を低減することができる。
本発明による請求項3に記載のプラズマ点火装置によれば、請求項2に記載のプラズマ点火装置において、高電圧放電も低電圧放電と同一周波数の交流電圧放電とされ、高電圧放電用の一次巻線と低電圧放電用の一次巻線とは同一方向の磁界を発生するようにされ、高電圧放電を開始する際に高電圧放電用の一次巻線に高電圧放電のための交流電流を通電する時には、低電圧放電用の一次巻線にも同期して低電圧放電のための交流電流を同一方向に通電するようになっている。それにより、高電圧放電を終了した時には、高電圧放電の一次電流による鉄心の残留磁界が悪影響することなく、低電圧放電を速やかに開始することができる。
本発明による請求項4に記載のプラズマ点火装置によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載のプラズマ点火装置において、機関出力を各運転状態における所望機関出力とするために、現在の機関出力が現在の運転状態における所望機関出力を下回る時には低電圧放電の現在の運転状態に対する設定期間を長くし、チャンバ内でより多くのプラズマを発生させて気筒内へ噴射し、混合気をさらに良好に着火燃焼させる。また、現在の機関出力が現在の運転状態における所望機関出力を上回る時には低電圧放電の現在の運転状態に対する設定期間を短くし、チャンバ内でより少なくプラズマを発生させるようにし、不必要な電力消費及び電極消耗を抑制する。
本発明による請求項5に記載のプラズマ点火装置によれば、請求項1から4のいずれか一項に記載のプラズマ点火装置において、低電圧放電の設定期間は低電圧放電用の一次巻線の電流値がほぼゼロとなった時に終了するように設定されており、それにより、低電圧放電の一次電流のエネルギを全て低電圧放電に利用することができると共に、雑音電波の発生も抑制することができる。
本発明による請求項6に記載のプラズマ点火装置によれば、請求項1から5のいずれか一項に記載のプラズマ点火装置において、機関回転数が高いほど、低電圧放電の交流電圧の周波数を高くするようになっており、それにより、チャンバ内のガスを短時間でプラズマ化することが好ましい機関回転数が高いほど、低電圧放電の設定期間を短くすることができ、また、低電圧放電の交流電圧の周波数を高くするほど低電圧放電終了時に発生する雑音電波が大きくなるために、機関回転数が低い時には雑音電波が大きくなることを抑制することができる。
図1は本発明のプラズマ点火装置の実施形態を示す概略縦断面図である。同図において、1は点火装置の軸線方向に延在するように絶縁体2の側壁により形成されてプラズマを生成する円筒状のチャンバであり、3はチャンバ1の基端側に配置された中心電極であり、4はチャンバ1の先端側に配置された接地電極である。5はチャンバ1と気筒内とを連通する噴孔である。6は、接地電極4を電気的及び機械的に固定すると共に絶縁体2を覆う金属製のハウジングである。
本実施形態においては、噴孔5は、接地電極4に形成されているが、これは本発明を限定するものではなく、絶縁体2とハウジング6とを貫通するように形成することも可能であり、また、接地電極4又は絶縁体2の形状によってはハウジング6だけを貫通するように形成することも可能である。
中心電極3及び接地電極4は、耐熱性と高い導電性とを有する金属、例えば、ステンレス等の鉄系金属、ニッケル系金属、又は、イリジウム系金属又はイリジウム合金とすることができる。中心電極3に対して接地電極4を絶縁するための絶縁体2の材質は、セラミックス(例えばアルミナセラミックス)とすることが好ましい。7は絶縁体2とハウジング6との間の隙間を密閉するための金属ガスケットである。
図2は図1の点火装置のチャンバ1近傍の拡大図である。チャンバ1内のガスをプラズマ化させるには、先ずは、中心電極3と接地電極4との間に高電圧を印加し、絶縁体2の側壁内面上に沿面放電S1(高電圧放電)を発生させる。こうして、チャンバ1内の沿面放電近傍のガス(混合気)をプラズマ化してイオン及び電子が生成されると、プラズマ化されたガスを通って比較的低い電圧での気中放電が可能となり、次いで、この気中放電S2(低電圧放電)を発生させる。
こうして、気中放電S2によってチャンバ1内のガスの大部分がプラズマ化されると、チャンバ1内のガスは高温高圧となってプラズマジェットとして噴孔5から噴射され、気筒内の混合気を良好に着火させる。
チャンバ1内のガスをプラズマ化させる際に、気中放電に比較して沿面放電の方が低い電圧で発生させることができる。しかしながら、沿面放電だけでチャンバ1内のガスの大部分をプラズマ化させることは、耐熱性向上等のために絶縁体2のコストをかなり高めることとなり、実用的ではなく、チャンバ1内に気中放電を発生させることが必要とされる。前述のように、沿面放電により一部のガスをプラズマ化させることにより気中放電を発生させるのに必要な電圧を低くすることができる。こうして、最初に沿面放電を発生させ、次いで気中放電を発生させることにより、それほど高電圧を必要とすることなくチャンバ1内のガスの大部分をプラズマ化させることができる。
しかしながら、放電によりチャンバ1内のガスをプラズマ化する際には、放電により発生するジュール熱によって電極が消耗し、中心電極3と接地電極4との間の放電距離が徐々に長くなるために放電時に必要とされる電圧が徐々に高くなってしまう。特に、図2に示すように、放電に際して電子を放出する接地電極4の放電位置における温度上昇は顕著となり、局部的に大きく消耗してしまう。本実施形態のプラズマ点火装置は、このような電極の局部的な大きな消耗を抑制することを目的としている。
図3は、本実施形態のプラズマ点火装置の電源回路を示す概略図である。10は点火コイルであり、11は高電圧放電用の第一電源であり、12は低電圧放電用の第二電源であり、13はECU(電子制御装置)である。ECU13には、特定気筒の特定ピストン位置を検出する基準位置センサ及びクランク角度センサ等が接続されている。点火コイル10は、プラズマ点火装置の中心電極3と接地電極4との間に電圧を印加するための二次巻線10aと、高電圧放電用の一次巻線10bと、低電圧放電用の一次巻線10cとを有している。
このように、点火コイル10は、一つの二次巻線10aを、チャンバ1内のガスの一部をプラズマ化させるための高電圧放電と、高電圧放電によりプラズマ化されたチャンバ内のガスにより可能となる低電圧放電とに利用するようになっており、こうして部品点数の低減により小型化が可能となるために、例えば、プラズマ点火装置の上部へ装着することもできる。
本実施形態のプラズマ点火装置は、図4に実線で示すように、ECU13によって、点火時期直前の予め定められた第一クランク角度C1から第二クランク角度C2の間において、第一電源11から高電圧放電用の一次巻線10bに、例えば、200Vで3.4Aの電流を通電し、次いで、第二クランク角度C2から第三クランク角度C3の間において、第二電源12から低電圧放電用の一次巻線10cに、例えば、200Vで60Aの周波数25kHzの交流電流を通電する。
その結果、二次巻線10aには、第一クランク角度C1から第二クランク角度C2の間において、例えば二次巻線10aと高電圧放電用の一次巻線10bとの巻数比171の関係によって、最大電圧34kVが発生し、中心電極3と接地電極4との間には絶縁体2上の沿面放電が起きて最大20mAの電流が流れる。次いで、第二クランク角度C2から第三クランク角度C3の間において、二次巻線10aには、例えば二次巻線10aと低電圧放電用の一次巻線10cとの巻数比6の関係によって、25kHzの交流最大電圧1.2kVが発生し、中心電極3と接地電極4との間には気中放電が起きて最大10Aの電流が流れる。
従来においては、低電圧気中放電がコンデンサ等を利用する直流電圧放電とされているために、図4に一点鎖線で示すように、低電圧放電は例えば10μsのような非常に短時間で終了し、チャンバ1内のガスの大部分をプラズマ化するためには、例えば200Aのような大きな放電電流が必要となり、電流値の二乗に正比例する発生ジュール熱は非常に大きくなって特に接地電極4を大きく消耗させていた。
これに対して、本実施形態では、低電圧気中放電を交流電圧放電としているために、直流電圧放電に比較して気中放電を持続させ易く、第二クランク角度C2から第三クランク角度C3のような設定期間において放電を容易に持続させることができる。放電エネルギは、放電時間に正比例して大きくなるために、設定期間を長くすれば放電電流を例えば10Aのように小さくしてもチャンバ内の大部分のガスのプラズマ化が可能である。こうして低電圧放電中の各時刻で発生するジュール熱を非常に小さくすることができ、各電極からの放熱も進行するために、中心電極3及び接地電極4の消耗を十分に抑制することができる。
また、交流電圧放電では、高電位側と低電位側とが逆転する毎に、中心電極3と接地電極4とのそれぞれの放電位置が変化するために、気中放電による接地電極4の局部的な電極消耗も抑制することができる。
高電圧放電は、図4のような電源回路を使用することなくコンデンサ放電方式(Capacitive Discharge)の直流電圧放電としても良く、また、トランジスタ制御方式(Transistor Controlled)の直流電圧放電としても良く、また、低電圧放電と異なる周波数の交流電圧放電又は低電圧放電と同一周波数の交流電圧放電としても良い。
図3に示す電源回路を使用して、高電圧放電を低電圧放電と同一周波数の交流電圧放電とする場合において、高電圧放電用の一次巻線10bと低電圧放電用の一次巻線10cとは同一方向の磁界を発生するようにし、図4に点線で示すように、高電圧放電用の一次巻線10bに高電圧放電のための交流電流を通電開始する第一クランク角度C1において、低電圧放電用の一次巻線10cにも同期して低電圧放電のための交流電流を同一方向に通電するようにしても良い。
それにより、二次巻線10aに発生する高電圧放電の放電電圧及び放電電流は、高電圧放電用の一次巻線10bへの通電だけでなく、低電圧放電用の一次巻線10cへの通電が加わるために、図4に点線で示すように、それぞれ前述より大きくなるが特に問題はない。このような通電によって、高電圧放電の終了時である第二クランク角度C2において、これまでの高電圧放電のための一次電流による鉄心の残留磁界が反対方向であると、この残留磁界がなくなるまで二次巻線には低電圧放電のための電圧が発生しないが、鉄心には反対方向の残留磁界は存在せず、低電圧放電を速やかに開始することができる。本実施形態においては、高電圧放電用の一次巻線10bに印加する交流電圧は半波として高電圧放電の終了時である第二クランク角度C2においては鉄心に残留磁界が発生しないようにしている。
このような放電制御においては、第一クランク角度C1だけを設定し、第一クランク角度C1から高電圧放電用の一次巻線10bには第一電源11から例えば半波の交流電流を通電し、また、第一クランク角度C1から低電圧放電用の一次巻線10cには第二電源12から例えば6.5波の交流電流を通電するようにしても良い。
ところで、交流電圧の低電圧放電を実施する設定期間(第二クランク角度C2から第三クランク角度C3の間)は、一定値としても良いが、例えば、気筒内の混合気の燃料量又は空気量が多いほど時間的に長くして、より多量のプラズマがチャンバ1から噴射されるようにし、混合気を十分に着火燃焼させて所望機関出力が発生するようにすることが好ましい。
また、機関出力を各運転状態における所望機関出力として低電圧放電を実施する設定期間を不必要に長くしないようにして不必要な電極消耗及び電力消費を抑制することが好ましく、そのためには、現在の機関出力が現在の運転状態における所望機関出力を下回る時には低電圧放電の設定期間を設定微小時間だけ長くし、チャンバ内でより多くのプラズマを発生させて気筒内へ噴射し、混合気をさらに良好に着火燃焼させるようにし、また、現在の機関出力が現在の運転状態における所望機関出力を上回る時には低電圧放電の設定期間を設定微小時間だけ短くし、チャンバ内でより少なくプラズマを発生させるようにしても良い。
ここで、現在の機関出力が現在の運転状態における所望機関出力を下回っているか、上回っているかの判断には、例えば、筒内圧センサを使用して検出される着火遅れ期間(点火から熱発生割合が例えば10%となるまでの期間)が設定値より長いか短いかを利用することができ、又は、筒内圧センサを使用して検出される平均有効圧が設定値より小さいか大きいかを利用することができ、又は、回転センサにより検出される圧縮行程初期のクランク軸の角加速度が設定値より小さいか大きいかを利用することができる。
ところで、交流電圧の低電圧放電を実施する設定期間は、使用する交流電圧の半波の整数倍となるようにして、低電圧放電用の一次巻線10cの電流値がゼロとなった時に低電圧放電を終了するように設定することが好ましい。それにより、低電圧放電の一次電流のエネルギを全て低電圧放電に利用することができると共に、一次巻線10cへの通電中に電流を遮断すると発生する雑音電波を抑制することができる。
また、低電圧放電を実施する設定期間は、基本的には時間であり、機関回転数が高いほどクランク角度範囲としては大きくしなければならない。また、低電圧放電の交流電圧周波数を高くすれば、設定期間を短くしても同じ放電エネルギを発生させることができる。それにより、機関回転数が高いほど、短時間でチャンバ内にプラズマを発生させることが好ましくなるために、低電圧放電の交流電圧周波数を高くするようにしても良い。電流遮断により発生する雑音電波は、電流周波数が高いほど大きくなるために、機関回転数が低い時には、低電圧放電の交流電圧周波数を低くすることが好ましい。また、低電圧放電の交流電圧周波数を低くして長い時間でチャンバ内にプラズマを発生させる方が、電極からの放熱が進行するために、電極消耗には有利である。
本発明によるプラズマ点火装置の実施形態を示す概略縦断面図である。 図1のプラズマ点火装置の先端部の拡大断面図である。 図1のプラズマ点火装置の電源回路を示す図である。 放電電圧及び放電電流の変化を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 チャンバ
2 絶縁体
3 中心電極
4 接地電極
5 噴孔

Claims (6)

  1. 絶縁体側壁により形成されたチャンバと、前記チャンバの一端側に配置された中心電極と、前記チャンバの他端側に配置された接地電極とを具備し、前記中心電極と前記接地電極との間の放電により前記チャンバ内のガスをプラズマ化させて噴孔から噴射するプラズマ点火装置において、前記放電は高電圧放電と低電圧放電とからなり、前記高電圧放電により前記チャンバ内のガスの一部をプラズマ化させて前記高電圧放電より低電圧の前記低電圧放電を可能とし、前記チャンバ内のガスの大部分をプラズマ化させる前記低電圧放電を交流電圧放電として設定期間だけ維持することを特徴とするプラズマ点火装置。
  2. 電源回路は、前記中心電極と前記接地電極との間に電圧を印加するための二次巻線と、前記高電圧放電用の一次巻線と、前記低電圧放電用の一次巻線とを具備することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ点火装置。
  3. 前記高電圧放電も前記低電圧放電と同一周波数の交流電圧放電とされ、前記高電圧放電用の一次巻線と前記低電圧放電用の一次巻線とは同一方向の磁界を発生するようにされ、前記高電圧放電を開始する際に前記高電圧放電用の一次巻線に前記高電圧放電のための交流電流を通電する時には、前記低電圧放電用の一次巻線にも同期して前記低電圧放電のための交流電流を同一方向に通電することを特徴とする請求項2に記載のプラズマ点火装置。
  4. 機関出力を各運転状態における所望機関出力とするために、現在の機関出力が現在の運転状態における所望機関出力を下回る時には前記低電圧放電の現在の運転状態に対する前記設定期間を長くし、現在の機関出力が現在の運転状態における所望機関出力を上回る時には前記低電圧放電の現在の運転状態に対する前記設定期間を短くすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプラズマ点火装置。
  5. 前記低電圧放電の前記設定期間は前記低電圧放電用の一次巻線の電流値がほぼゼロとなった時に終了するように設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のプラズマ点火装置。
  6. 機関回転数が高いほど、前記低電圧放電の交流電圧の周波数を高くすることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のプラズマ点火装置。
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