JP6445322B2 - 内燃機関及びその制御方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献1には、ヘッドガスケットを正の電位に帯電させた場合、本来的に正極帯電の性質を持つ火炎とヘッドガスケットとの反発力により火炎面がピストンに押し当てられるので、内燃機関の暖気時間が短縮されると記載されている。
また、特許文献1に記載の技術は、ヘッドガスケットが燃焼室に露出した箇所の近傍のみに強い電界が形成され、ヘッドガスケットから離れた位置にあるピストンに強い磁界は形成されないと考えられる。そのため、ヘッドガスケットを負の電位に帯電させた場合、ピストンから火炎を遠ざけることは困難である。また、ヘッドガスケットを正の電位に帯電させた場合、ヘッドガスケットと火炎との反発力を利用してピストンへ火炎を強く押し当てることは困難である。
また、本発明は、内燃機関の燃焼室における火炎の制御方法を提供することを目的とする。
電圧印加手段により火炎を正の高電位の状態にした場合、その火炎面とシリンダの内壁およびピストンとが反発することが発明者らの実験により証明されている。そのため、この内燃機関は、シリンダの内壁またはピストンと火炎との接触に起因する火炎の膨張エネルギーの冷却損失を低減し、熱効率を高めることが可能である。したがって、燃費を向上すると共に、出力を高めることができる。
一方、電圧印加手段により火炎を負の高電位の状態にした場合、その火炎面とシリンダの内壁およびピストンとの間に放電が生じることが発明者らの実験により証明されている。そのため、この内燃機関は、その放電により、火炎面よりも外側にある混合気の燃焼を促進し、等容度を高めることが可能である。したがって、熱効率の向上および排ガスのエミッションを低減することができる。
これにより、燃焼室で火炎を正または負の高電位の状態にすることが可能である。したがって、この内燃機関は、第1発明と同様の作用効果を奏することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図12に示す。第1実施形態の内燃機関1は、例えば4サイクルレシプロエンジンであり、シリンダブロック2、シリンダヘッド3、ヘッドガスケット4、ピストン5および電圧印加手段等から構成される。本実施形態のシリンダブロック2、シリンダヘッド3およびヘッドガスケット4は、特許請求の範囲に記載の「シリンダ」の一例に相当する。以下の説明において、シリンダブロック2、シリンダヘッド3、ヘッドガスケット4及びシリンダライナーを総称して「シリンダ2」というものとする。なお、各図面において、シリンダ2の内側に嵌め込まれるシリンダライナーについてはシリンダ2に含まれるものとして図示を省略している。
シリンダ2の内側に往復移動可能にピストン5が設けられる。シリンダ2の内壁とピストン5により燃焼室6が形成される。本実施形態において、シリンダ2とピストン5は、グランド7に接続されている。
なお、本実施形態の内燃機関1に燃料を供給する燃料噴射弁(図示していない)は、吸気ポート9を流れる空気に対し燃料を噴射するものであってもよく、或いは、燃焼室6に燃料を直接噴射するものであってもよい。
図3に示すように、ステップ1では、燃焼行程において点火プラグ10が火花放電し、燃焼室6の混合気に点火する。
その後、ステップ2で点火プラグ10は電圧印加手段として機能し、側方電極15及び中心電極16の少なくともいずれか一方を正または負の電位とすることにより、その混合気が燃焼する火炎に対し電圧を印加する。
図4の時刻t1からt2の間、点火プラグ10は昇圧回路14により昇圧した負の電圧V1を中心電極16に印加する。これにより、側方電極15と中心電極16との間に火花放電が生じ、混合気が点火される。
次に、時刻t3からt4の間、点火プラグ10は昇圧回路14により昇圧した正の電圧V2を中心電極16に印加する。この時刻t3からt4までの時間は、混合気が点火された時刻から、その混合気が燃焼する火炎面がシリンダ2の内壁またはピストン5に到達する時刻までの時間内に設定されている。また、電圧V2は、側方電極15と中心電極16との間に放電が生じない程度の電圧であり、例えば+2から+8kvに設定される。これにより、点火プラグ10は電圧印加手段として機能し、火炎に対し正の高電圧を印加することが可能である。なお、図4では、時刻t3からt4の間、点火プラグ10は火炎に対し連続して電圧を印加しているが、電圧の印加方法はこれに限らず、例えばパルス状に電圧を印加してもよい。
このとき、火炎面20は、シリンダ2の内壁およびピストン5の頂面51(以下、シリンダ2の内壁およびピストン5の頂面51を適宜「ピストン頂面等」という)に対して反発し、釣鐘状に広がる。
これは、次の原理によるものと考えられる。
正の高電位状態の火炎面20に向けてグランド電位であるピストン頂面等の広い範囲から電子が放出され、その放出された電子が火炎面20とピストン頂面等との間に存在する混合気に付着し、マイナスイオン化された混合気イオンが火炎面20に衝突する。これにより、火炎面20が混合気イオンに押され、ピストン頂面等に対して火炎面20が反発するのである。
火炎面20とピストン頂面等との接触が抑制されることにより、内燃機関1は、ピストン頂面等と火炎との接触に起因する火炎の膨張エネルギーの冷却損失が低減されるため、熱効率を高めることが可能である。
図6の時刻t10からt11の間、点火プラグ10は昇圧回路14により中心電極16に負の電圧V1を印加する。これにより、側方電極15と中心電極16との間に火花放電が生じ、混合気が点火される。
次に、時刻t12からt13の間、点火プラグ10は昇圧回路14により中心電極16に負の電圧V3を印加する。この時刻t12からt13までの時間は、混合気が点火された時刻から、その混合気が燃焼する火炎面がシリンダ2の内壁またはピストン5に到達する時刻までの時間内に設定されている。また、電圧V3は、側方電極15と中心電極16との間に放電が生じない程度の電圧であり、例えば−2から−8kvに設定される。これにより、点火プラグ10は電圧印加手段として機能し、火炎に対し負の高電圧を印加することが可能である。なお、図6では、時刻t12からt13の間、点火プラグ10は火炎に対し連続して電圧を印加しているが、電圧の印加方法はこれに限らず、例えばパルス状に電圧を印加してもよい。
このとき、火炎面20とピストン頂面等との間に放電21が生じる。その放電21により、火炎面20よりも外側にある混合気の燃焼が促進される。なお、図7の符号22は、放電により、火炎面20よりも外側にある混合気が燃焼する火炎面22を模式的に示したものである。
内燃機関1は、火炎面20よりも外側にある混合気を放電によって点火し、そこからも燃焼を拡げることにより、燃焼室全域の混合気が早く燃えるので、等容度を高めることが可能である。
図8は、絶縁体からなる容器30の内側にプロパンガスを高圧充填し、そのプロパンガスにレーザ31を用いて着火した様子を示すものである。容器上部から容器内側に電極32が挿し込まれている。また、容器30の底には、グランドに接続された金属プレート33が設けられている。
図9は、容器30の内側でレーザにより着火されて膨張する火炎の様子を写した写真である。このとき、電極には正の高電圧が印加されているため、火炎は正の高電位状態となっている。図9の(A)、(B)、(C)の順に、時間経過とともに火炎は拡がっている。
図10は、図9(B)の容器30の底部分を拡大した写真である。図10では、火炎面が、容器30の底に設置したグランド電位の金属プレート33に反発し、釣鐘状に広がっている様子が捉えられている。これは、上述したように、正の高電位状態の火炎面に向けて金属プレート33から放出された電子が火炎面と金属プレート33との間に存在するガスに付着し、それによりマイナスイオン化されたガスイオンが火炎面に衝突することにより、金属プレート33に対して火炎面が反発したものと考えられる。
なお、火炎面が金属プレート33に反発する現象は、電極に+2から+8kvの電圧を印加したときに確認することができた。
図12は、図11(A)の容器30の底部分を拡大した写真である。図12では、容器30の底に設置したグランド電位の金属プレート33と火炎面との間に放電が生じている様子が捉えられている。なお、金属プレート33と火炎面との間に放電が生じる現象は、電極に−2から−8kvの電圧を印加したときに確認することができた。
第1実施形態の内燃機関1は、次の作用効果を奏する。
(1)第1実施形態では、電圧印加手段として機能する点火プラグ10は、燃焼室6に供給された燃料と空気との混合気が火花点火により燃焼する火炎に対し、正または負の電圧を印加することが可能である。また、内燃機関1のシリンダ2およびピストン5は、グランドに接続されている。
これにより、電圧印加手段は、燃焼室6の火炎を正または負の高電位の状態にすることが可能である。火炎を正の高電位の状態にした場合、その火炎面とピストン頂面等とが反発する。そのため、この内燃機関1は、火炎とピストン頂面等との接触に起因する火炎の膨張エネルギーの冷却損失を低減し、熱効率を高めることが可能である。したがって、燃費を向上すると共に、出力を高めることができる。
一方、火炎を負の高電位の状態にした場合、その火炎面とピストン頂面等との間に放電が生じる。そのため、この内燃機関1は、その放電により、火炎面よりも外側にある混合気の燃焼を促進し、等容度を高めることが可能である。したがって、熱効率の向上および排ガスのエミッションを低減することができる。
これにより、内燃機関1の構成を変えることなく、点火プラグ10の通電時間及び電圧を制御することにより、点火プラグ10を電圧印加手段として機能させることが可能である。
これにより、電圧印加手段により高電位の状態となった火炎から側方電極15へ電流が流れることを防ぐことが可能である。したがって、内燃機関1は、火炎面がピストン5の近傍に到達する前に、火炎の電位が低下することを防ぐことができる。
これにより、電圧印加手段により高電位の状態となった火炎からシリンダヘッド3の内壁へ電流が流れることを防ぐことが可能である。したがって、内燃機関1は、火炎面がピストン5の近傍に到達する前に、火炎の電位が低下することを防ぐことができる。
これにより、電圧印加手段は、火炎を正または負の高電位の状態にすることが可能である。
これにより、電圧印加手段は、火炎を正または負の高電位の状態にすることが可能である。
本発明の第2実施形態を図13に基づいて説明する。第2実施形態では、点火プラグ10の側方電極15とグランド7とを接続する配線に、その電気的接続を導通又は遮断可能な第1スイッチ回路23が設けられている。この第1スイッチ回路23は、特許請求の範囲に記載の「スイッチ回路」の一例に相当する。なお、第1スイッチ回路23として、例えばアナログスイッチまたは半導体スイッチ等、種々のスイッチを適用することが可能である。
本発明の第3実施形態を図14に基づいて説明する。第3実施形態では、シリンダヘッド3に、点火プラグ10とは別個に、電圧印加手段としての火炎用電極25が設けられている。火炎用電極25は、点火プラグ10に対し隣接した位置に設けられている。この位置は、点火プラグ10の火花放電により混合気が燃焼する火炎に対し、電圧を印加することの可能な位置である。なお、火炎用電極25を設ける場所は、図14に示した位置に限らず、例えばタンブル流またはスワール流などの燃焼室6の混合気の流れにより点火プラグ10から火炎の中心が移動する場合、その火炎の移動する位置に設けることが可能である。
また、火炎用電極25は、図14に示した針状のものに限らず、例えば球状または直方体状など、どのような形状でもよい。
第3実施形態では、点火プラグ10の回路構成を変更することなく、火炎に対し高電圧を印加することが可能である。
また、第3実施形態では、ディーゼル機関のような点火プラグ10を備えていない内燃機関1にも火炎用電極25を設置することで、火炎に対し高電圧を印加することが可能である。
本発明の第4実施形態を図15に基づいて説明する。第4実施形態では、火炎用電極27は、シリンダヘッド3側の断面積よりも、燃焼室6中心側の端部271の断面積の方が大きい形状である。これにより、火炎用電極27の燃焼室6中心側の端部271が火炎に接触する時間を長くすることが可能である。そのため、第4実施形態では、火炎をより高電位の状態にすることができる。
また、第4実施形態では、ヘッドガスケット4から延びる火炎用電極272を備えている。このように、火炎用電極25,27,272は、燃焼室6の様々な場所に設けることが可能である。
なお、第4実施形態の内燃機関1はディーゼル機関であるので、点火プラグを備えていない。ディーゼル機関に設けられた火炎用電極27、272は、燃焼室6に供給された混合気が圧縮自己着火により燃焼する火炎に対し、電圧印加手段は正または負の電圧を印加することが可能である。
本発明の第5実施形態を図16に基づいて説明する。第5実施形態では、ヘッドガスケット4が昇圧回路28に電気的に接続されている。また、ピストン頂面に設けられた帯電部29も、昇圧回路28に電気的に接続されている。昇圧回路28からの電圧の印加により、ヘッドガスケット4とピストン頂面に設けられた帯電部29は、正または負の電位に帯電可能である。
第5実施形態のヘッドガスケット4とピストン頂面に設けられた帯電部29は、いずれも特許請求の範囲に記載の「帯電部」の一例に相当する。なお、これらの帯電部4、29は、ヘッドガスケット4またはピストン頂面の一部に限らず、燃焼室6を形成する内壁の少なくとも一部に設けられていればよい。
なお、ヘッドガスケット4等を帯電部とする代わりに、帯電部として用いることの可能な電極(図示していない)を、火炎が届きにくいスキッシュエリアに設けることも可能である。
一方、第5実施形態では、火炎と帯電部4、29とを異極にした場合、その火炎面は帯電部4、29に引きつけられる。そのため、内燃機関1は、混合気の燃焼を促進することが可能である。
ステップ1で、内燃機関1の燃焼行程おいて点火プラグ10は火花放電し、燃焼室6の混合気に点火する。その後、ステップ2で、点火プラグ10は電圧印加手段として機能し、混合気が燃焼する火炎に対し電圧を印加する。
ステップ3は、ステップ2と同時に、火炎に印加した極性と異なる極性の電圧を帯電部4、29に印加する。これにより、火炎を帯電部4、29に引き寄せ、混合気の燃焼を促進することが可能である。
続いてステップ4では、火炎がシリンダ2の内壁に接触する直前に帯電部4、29の極性を変える。即ち、火炎に印加した極性と同じ極性の電圧を帯電部4、29に印加する。これにより、火炎と帯電部4、29とを反発させ、冷却損失を低減することが可能である。
また、第5実施形態は、上述した特許文献1に開示された技術に対し、火炎を正または負の高電位の状態にするので、燃焼室6で火炎を確実に制御することができる。
本発明の第6実施形態を図18に基づいて説明する。第6実施形態では、ピストン頂面の一部に、面粗さの粗い粗面部40が設けられている。なお、粗面部40は、ピストン頂面に限らず、燃焼室6を形成する内壁の少なくとも一部に設けることが可能である。
第6実施形態では、電圧印加手段により火炎を正の高電位の状態にした場合、粗面部40から電子が放出されやすくなる。そのため、粗面部40から放出された電子が混合気に付着し、マイナスイオン化された混合気イオンが火炎面に衝突することにより、粗面部40に対する火炎面の反発力が大きくなる。したがって、内燃機関1は、火炎の膨張エネルギーの冷却損失を低減することが可能である。
なお、粗面部40は、混合気が火花点火または圧縮自己着火する箇所から比較的遠い箇所に設けるのが好ましい。
本発明の第7実施形態を図19に基づいて説明する。第7実施形態では、ピストン頂面の一部に、シリンダ本体またはピストン本体よりも電気抵抗率の低い低抵抗部41が設けられている。低抵抗部41は、ピストン頂面に限らず、燃焼室6を形成する内壁の少なくとも一部に設けることが可能である。
第7実施形態では、電圧印加手段により火炎を正の高電位の状態にした場合、低抵抗部41から電子が放出されやすくなる。一方、電圧印加手段により火炎を負の高電位の状態にした場合、その火炎面から低抵抗部41へ電子が飛びやすくなる。したがって、第7実施形態は、第6実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、第7実施形態においても、低抵抗部41は、混合気が火花点火または圧縮自己着火する箇所から比較的遠い箇所に設けるのが好ましい。
本発明の第8実施形態を図20から図22に基づいて説明する。図20に示すように、第8実施形態では、内燃機関1は、シリンダ2に流れる電流を検出可能な第1電流センサ42と、ピストン5に流れる電流を検出可能な第2電流センサ43を備えている。第1電流センサ42と第2電流センサ43から出力される信号は、内燃機関1の制御装置(ECU44)に出力される。ECU44は、その信号に応じて、電圧印加手段として機能する点火プラグ10及びその昇圧回路14を制御する。
ステップ1で、内燃機関1の燃焼行程おいて点火プラグ10は火花放電し、燃焼室6の混合気に点火する。その後、ステップ2で、点火プラグ10は電圧印加手段として機能し、混合気が燃焼する火炎に対し電圧を印加する。
ステップ5では、ECU44は、第1電流センサ42または第2電流センサ43からの信号により、シリンダ2またはピストン5に電流が流れたことから、火炎面がシリンダ2の内壁またはピストン頂面に到達したことを検出する。
ステップ6で、ECU44は、電圧印加手段として機能する点火プラグ10に対し、火炎への電圧印加を停止する。これにより、ECU44は、火炎面がシリンダ2またはピストン5に到達した時に電圧印加手段による電圧印加を停止し、内燃機関1の電力消費量を低減することが可能である。
また、ECU44は、フィードバック制御により、火炎面がシリンダ2またはピストン5に到達する直前のみに電圧印加手段による電圧印加を行い、内燃機関1の電力消費量を低減することも可能である。
本発明の第9実施形態を図23及び図24に基づいて説明する。第9実施形態では、図23で示した内燃機関の回転数とトルクとの関係を示すマップに基づき、内燃機関1の運転状態が回転数が高く、または、トルクが大きい領域Aのとき、ECU44は、電圧印加手段から火炎に対しパルス状の電圧を印加する。一方、内燃機関1の運転状態が回転数が低く、かつ、トルクが小さい領域Bのとき、ECU44は、電圧印加手段から火炎に対し連続した電圧又はパルス状の電圧を印加する。
ここで、発明者らの実験により、電圧印加手段から火炎に対して連続した電圧を印加したときよりも、パルス状の電圧を印加したときの方が火炎面からグランド面へストリーマ放電が起こりにくいことが証明されている。そのため、例えば、燃焼室6の燃焼圧力が高いときに、電圧印加手段から火炎に対しパルス状の電圧を印加し、火炎をより高電位の状態にすることが好適である。一方、燃焼室6の燃焼圧力が低いときに、電圧印加手段から火炎に対し連続した電圧の印加、又はパルス状の電圧の印加のいずれを行うことも可能である。
ステップ10で、ECU44は、内燃機関1の回転数とトルクを検出する。
次にステップ11で、ECU44は、内燃機関1の運転状態が上記の所定領域Aにあるか否かを図23に示したマップに基づいて判定する。内燃機関1の運転状態がマップの所定領域Aにある場合(S11;YES)、処理はステップ12に移行する。ステップ12でECU44は、電圧印加手段から火炎に対しパルス状の電圧を印加する。
一方、ステップ11で、内燃機関1の運転状態がマップの所定領域Bにあると判定された場合(S11;NO)、処理はステップ13に移行する。ステップ13でECU44は、電圧印加手段から火炎に対し連続した電圧又はパルス状の電圧を印加する。
第9実施形態では、内燃機関1の運転状態に応じて電圧の印加方法を変えることで、火炎を正確に制御することが可能である。
本発明の第10実施形態を図25及び図26に基づいて説明する。第10実施形態では、図25に示すように、内燃機関1の運転状態が回転数が高く、または、トルクが大きい領域Cのとき、ECU44は、電圧印加手段による電圧印加時間を、点火時刻から火炎がピストン頂面等に到達する時刻までの時間とする。一方、内燃機関1の運転状態が回転数が低く、かつ、トルクが小さい領域Dのとき、ECU44は、電圧印加手段による電圧印加時間を、点火時刻から火炎がピストン頂面等に到達する時刻までの時間よりも短くする。
内燃機関1の回転数が低くトルクが小さい領域Dでは、領域Cに比べてピストン5の下降速度が遅く火炎の膨張速度も遅いので、点火時刻から火炎がピストン頂面等に到達する時刻までの時間が長くなる。しかし、シリンダ2の内壁およびピストン5と火炎面とを反発させるために必要な電位を火炎に印加するために電圧印加時間を必要以上に長くすると、電力消費が無駄になることが懸念される。したがって、ECU44は、内燃機関1の回転数が低くトルクが小さい領域Dにおいて電圧印加時間を短くすることにより、消費電力を低減することができる。
ステップ10で、ECU44は、内燃機関1の回転数とトルクを検出する。
次にステップ11で、ECU44は、内燃機関1の運転状態が上記の所定領域Cにあるか否かを図25に示したマップに基づいて判定する。内燃機関1の運転状態がマップの所定領域Cにある場合(S11;YES)、処理はステップ14に移行する。ステップ14でECU44は、電圧印加手段による電圧印加時間を、点火時刻から火炎がピストン頂面等に到達する時刻までの時間とする。
一方、ステップ11で、内燃機関1の運転状態がマップの所定領域Dにあると判定された場合(S11;NO)、処理はステップ15に移行する。ステップ15でECU44は、電圧印加手段による電圧印加時間を、点火時刻から火炎がピストン頂面等に到達する時刻までの時間よりも短くする。
第10実施形態では、内燃機関1の運転状態に応じて電圧の印加時間を変えることで、消費電力を低減することが可能である。
本発明の第11実施形態を図27に基づいて説明する。第11実施形態では、ECU44は、内燃機関1に使用される燃料の種類に応じて電圧印加時間を変えている。図27の表では、燃料の種類がF1,F2,F3の順に、燃焼に要する期間が短いもの、中間のもの、長いものであるとする。
内燃機関1にF1の燃料が使用されるとき、ECU44は、電圧印加手段による電圧印加時間を、点火時刻から火炎がピストン頂面等に到達する時刻までの時間とする。燃焼に要する期間が短いと、燃焼室の燃焼圧力が高くなる。そのため、ECU44は、燃焼に要する期間が短い燃料が使用されるとき、電圧印加手段による電圧印加時間を長くすることで、火炎を確実に制御することが可能である。
内燃機関1にF3の燃料が使用されるとき、ECU44は、電圧印加手段による電圧印加時間を、F2の時間よりも短くする。
燃焼に要する期間が長いと、燃焼室の燃焼圧力が低くなる。そのため、ECU44は、燃焼に要する期間が長い燃料が使用されるとき、電圧印加手段による電圧印加時間を短くすることで、火炎を確実に制御すると共に、消費電力を低減することが可能である。
(1)上述した実施形態では、内燃機関1として4サイクルエンジンを例に説明したが、他の実施形態では、内燃機関は2サイクルエンジンであってもよい。また、上述した実施形態では、内燃機関1としてレシプロエンジンを例に説明したが、他の実施形態では、内燃機関はロータリーエンジンであってもよい。この場合、シリンダ2およびピストン5に代えて、マユ型のハウジングとローターが内燃機関の構成要素となる。
このように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上述した複数の実施形態を組み合わせることに加え、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
2・・・シリンダブロック(シリンダ)
3・・・シリンダヘッド(シリンダ)
4・・・ヘッドガスケット(シリンダ)
5・・・ピストン
6・・・燃焼室
10・・・点火プラグ(電圧印加手段)
25,27・・・電圧印加手段
Claims (12)
- シリンダ(2,3,4)と、
前記シリンダ内に往復移動可能に設けられ、前記シリンダの内壁と共に燃焼室(6)を形成するピストン(5)と、
前記シリンダおよび前記ピストンが接続されるグランドと、
前記燃焼室に供給された燃料と空気との混合気が火花点火または圧縮自己着火により燃焼する火炎に対し、正または負の電圧を印加することの可能な電圧印加手段(10,25,27)と、を備え、
前記電圧印加手段は、側方電極(15)と中心電極(16)とを有する点火プラグ(10)であり、
前記点火プラグは、前記側方電極と前記中心電極との間の火花放電により前記燃焼室の混合気を着火した後、前記側方電極及び前記中心電極の少なくともいずれか一方を正または負の電位とすることにより、火炎に対し電圧を印加することを特徴とする内燃機関。 - 前記シリンダまたは前記ピストンは、前記燃焼室を形成する内壁の少なくとも一部に、正または負の電位に帯電可能な帯電部(4,29)を有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
- 前記シリンダまたは前記ピストンは、前記燃焼室を形成する内壁の少なくとも一部に、シリンダ本体またはピストン本体よりも電気抵抗率の低い低抵抗部(41)、または面粗さの粗い粗面部(40)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関。
- 前記点火プラグは、前記側方電極の放電箇所(17)を除く箇所に設けられた絶縁コート(18)を有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
- 前記点火プラグの前記側方電極とグランドとの電気的接続を導通または遮断可能なスイッチ回路(23)を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
- 前記シリンダは、シリンダブロック、シリンダヘッド及びヘッドガスケットから構成されるものであり、
前記シリンダヘッドの内壁は、電気的導通を遮断可能な絶縁部(19)を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関。 - 前記シリンダまたは前記ピストンに流れる電流を検出可能な電流センサ(42,43)を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の内燃機関。
- 請求項1に記載の内燃機関の制御方法であって、
混合気が火花点火された時刻または圧縮自己着火した時刻から、火炎面が前記シリンダの内壁または前記ピストンに到達する時刻までの時間に、その火炎に対し前記電圧印加手段により正または負の電圧を印加し(S2)、
前記電圧印加手段は、前記点火プラグであり、前記側方電極と前記中心電極との間で火花放電を行った後に(S1)、前記側方電極と前記中心電極との間の火花放電を抑制可能な電圧を火炎に印加すること(S2)を特徴とする内燃機関の制御方法。 - 前記電圧印加手段は、パルス状の電圧を火炎に印加すること(S12)を特徴とする請求項8に記載の内燃機関の制御方法。
- 前記電圧印加手段は、前記シリンダまたは前記ピストンに流れる電流を検出可能な電流センサの信号に基づき、火炎面が前記シリンダまたは前記ピストンに到達した時、又はそれより前に火炎への電圧印加を停止することを特徴とする請求項8または9に記載の内燃機関の制御方法。
- 前記電圧印加手段は、
前記内燃機関が備える制御装置に記憶された、前記内燃機関の回転数とトルクとの関係を示すマップの領域に基づき、
前記内燃機関の回転数が高く、または、トルクが大きい領域のとき、電圧印加時間を、混合気が火花点火された時刻または圧縮自己着火した時刻から火炎面が前記シリンダの内壁または前記ピストンに到達する時刻までの時間とし(S14)、
前記内燃機関の回転数が低く、且つ、トルクが小さい領域のとき、前記電圧印加時間を、混合気が火花点火された時刻または圧縮自己着火した時刻から火炎面が前記シリンダの内壁または前記ピストンに到達する時刻までの時間よりも短くすること(S15)を特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の内燃機関の制御方法。 - 前記電圧印加手段は、
前記内燃機関に使用される燃料の燃焼に要する期間が短いほど、電圧印加時間を長くし、
前記内燃機関に使用される燃料の燃焼に要する期間が長いほど、前記電圧印加時間を短くすることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の内燃機関の制御方法。
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