JP5791265B2 - 火花点火式内燃機関 - Google Patents

火花点火式内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP5791265B2
JP5791265B2 JP2010263540A JP2010263540A JP5791265B2 JP 5791265 B2 JP5791265 B2 JP 5791265B2 JP 2010263540 A JP2010263540 A JP 2010263540A JP 2010263540 A JP2010263540 A JP 2010263540A JP 5791265 B2 JP5791265 B2 JP 5791265B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric field
voltage
spark
negative
ignition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010263540A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012112347A (ja
Inventor
毅 芹澤
毅 芹澤
高瀬 秀樹
秀樹 高瀬
宏朗 尾井
宏朗 尾井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2010263540A priority Critical patent/JP5791265B2/ja
Publication of JP2012112347A publication Critical patent/JP2012112347A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5791265B2 publication Critical patent/JP5791265B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

燃焼室内に生成される電界と点火プラグによる火花点火とを反応させてプラズマを生成して混合気に着火する火花点火式内燃機関に関するものである。
従来、例えば自動車用の火花点火式内燃機関では、点火プラグの中心電極と接地電極との間に高電圧を印加し、両電極間のギャップに生成する火花放電により、点火時期毎に燃焼室内の混合気に着火している。このような点火プラグによる着火において例えば、火花エネルギが不足して火炎核ができにくい場合が生じたりする。
上述した火花点火時の不具合を解決するために例えば、特許文献1に記載のもののように、燃焼室内にプラズマを生成し、そのプラズマと火花放電とを反応させることにより、火炎核を確実に生成するようにしたものが知られている。この特許文献1のものでは、点火プラグを介して供給するマイクロ波により、火花放電の直前あるいは火花放電とほぼ同時に高周波電界を発生させ、火花放電とプラズマとを反応させて、より強力な火炎核を生成している。
特許文献1では、高周波電界を生成するためにマイクロ波を使用しているが、マイクロ波を出力する装置は、構成が比較的複雑である。また、マイクロ波が内燃機関から漏れた場合には、人体に対する影響力も小さくない。このような点を考慮して、装置構成がマイクロ波発振装置に比較して複雑ではなく、マイクロ波より扱いが容易な、マイクロ波より周波数が低い高周波をマイクロ波に代えて使用することが考えられている。
ところで、火花放電は一般的に、負の高電圧を中心電極に印加して実施される。この負の高電圧による火花放電に対応して、プラズマを生成するための電界についても負の高周波電圧により生成して負極性にしている。これにより、点火プラグの電極近傍、したがってその周囲は負に帯電した状態になる。この一方で、火炎核、燃焼ガスあるいは燃焼雰囲気は正に帯電している。
このような帯電状態に伴って、火炎核や燃焼雰囲気が点火プラグの電極近傍に留まろうとする現象が観測される。このことは、火炎核等が拡大する、つまり火炎核の体積が増加することを阻害することになる。このため、着火性を良好にして、燃焼効率の向上を図ることが困難になることがある。
特開2010‐101182号公報
そこで本発明は以上の点に着目し、火花点火式内燃機関において、プラズマを利用して点火する場合の、着火性及び燃焼効率の向上を図ることを目的としている。
すなわち、本発明の火花点火式内燃機関は、点火プラグの中心電極と接地電極との間に点火コイルを介して印加される負の高電圧により生じる火花放電と、燃焼室内に生成されるプラズマ用電界とを反応させてプラズマを生成して混合気に着火する内燃機関であって、燃焼室が設けられ点火プラグが取り付けられるシリンダヘッドよりも下方に位置するシリンダボアの部分に負極性電界を生成するための負電界生成手段を備えてなることを特徴とする。
このような構成によれば、燃焼室の直下のシリンダボアに負極性電界が生成されるので、正に帯電している火炎核や燃焼雰囲気が生成された負極性電界に向かう引力を受けることになる。これにより、火炎核等が燃焼室の全体に向かって拡大するので、燃焼効率を向上させることが可能になる。したがって、燃費を改善することが可能になる。
負電界生成手段の動作効率を上げるためには、負電界生成手段を、プラズマ用電界の生成開始後に動作させることが望ましい。
本発明は、以上説明したような構成であり、負極性電界を負電界生成手段により生成するので、正に帯電している火炎核や燃焼雰囲気が負極性電界に向かう引力を受け、これにより、火炎核等が燃焼室の全体に向かって拡大させることができる。したがって、燃焼効率を向上させることができ、燃費を改善することができる。
本発明の実施形態の一気筒の構成を示す断面図。 同実施形態の負電界生成手段の電極部分を一部破断させて模式的に示す拡大斜視図。 同実施形態における点火装置の回路図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、点火プラグ1を備える火花点火式内燃機関である二気筒のエンジン100の一気筒の構成を示すものである。このエンジン100は、シリンダを備えるシリンダブロック2と、シリンダブロック2にヘッドガスケット3を介して取り付けられるシリンダヘッド4とを備える。シリンダヘッド4には、吸気ポート5と排気ポート6とが設けてあり、吸気ポート5が吸気弁7により、排気ポート6が排気弁8によりそれぞれ開閉される。吸気弁7は、シリンダヘッド4に回転可能に取り付けられる吸気カムシャフト9により、排気弁8は、同じく排気カムシャフト10によりそれぞれ駆動される。シリンダヘッド4には又、燃焼室11が設けてあり、その天井の中央には点火プラグ1が取り付けられ、シリンダ内に直接燃料が噴射されるように燃料噴射弁12が取り付けてある。
このようなシリンダヘッド4は、その下面に配置されるヘッドガスケット3とともに、シリンダブロック2に取り付けられる。シリンダブロック2には、シリンダボア13が形成してある。シリンダボア13には、その内部を往復作動するピストン14が収めてあり、ピストン14はクランク軸(図示しない)にコネクティングロッド15で接続される。同図において、符号16は、冷却水が循環するウォータジャケットである。なお、エンジン100は、ヘッドガスケット3を除いて、この分野で知られている火花点火式のものを適用するものであってよい。
ヘッドガスケット3は、誘電性を有するセラミックにより作られたもので、シリンダブロック2の上面の形状にほぼ一致する平面形状を有している。ヘッドガスケット3は、具体的には、各シリンダボア13の内径に対応して設けられるボア用開口17と、ウォータジャケット16のシリンダブロック2上面に設けられた開口18に対応するジャケット用開口19とを基本的に備え、それ以外の部分はシリンダブロック2とシリンダヘッド4とに密着してシール性を発揮するように構成してある。ヘッドガスケット3がシリンダヘッド4とシリンダブロック2との間に配置された場合、ボア用開口17は燃焼室11の一部として機能する。ボア用開口17の近傍には、負電界生成手段20を構成する電極21、22が、ボア用開口17を取り囲んで配置してある。この実施形態にあっては、ヘッドガスケット3の一部が、負電界生成手段20の誘電体23として機能する。
電極21、22は、例えばタングステン等の金属製のものであり、円環形状をなす第一の電極21と、この第一の電極21と同一の大きさ及び形状をなす第二の電極22とからなる。すなわち、これら第一及び第二の電極21、22は、それぞれシリンダボア13に対応するヘッドガスケット3のボア用開口17の外側に沿って取り付けられる大きさ及び形状を有したものである。そして、第一の電極21と第二の電極22とは、それぞれがシリンダボア13に沿って平行になるように配置されて、ヘッドガスケット3内に埋め込まれている。したがって、電極21、22はシリンダボア13内に露出しない。
電極21、22間には、シリンダボア13に面する位置、つまりこの実施形態にあっては、燃焼室11とシリンダブロック2との間のシリンダボア13部分であるボア用開口17内側に、負極性電界を生成するように負の直流電圧、又は負の脈流電圧を印加する。電極21、22のいずれかは、電気的に接地する。このような負の電圧を出力する負極性電源24は、負の電圧の印加タイミングを、点火時期に基づいて制御できる構成であればよい。電極21、22間に印加される電圧は例えば、約−4kV〜−8kVであってよい。このように、電極21、22に負の電圧を印加することにより、電極21、22の内周近傍部分に、負極性電界が生成される。
これに対して、点火プラグ1の中心電極41と接地電極42との間には、点火装置30により、火花放電のための高電圧が印加されるとともに、プラズマ用電界を生成するための高周波電圧が印加される。点火プラグ1は、この分野でよく知られたものを用いるものであってよい。
点火プラグ1に接続される点火装置30は、図3に示すように、第一気筒の点火プラグ1に接続される第一点火コイル31と、第二気筒の点火プラグ1に接続される第二点火コイル32と、第一点火コイル31の二次側巻線31aにアノードが接続される第一ダイオード33と、第二点火コイル32の二次側巻線32aにアノードが接続される第二ダイオード44と、昇圧トランスであるタップ付変圧器35をその出力段に備えて火花点火時の所定時期に、燃焼室11内、特には点火プラグ1の中心電極41を中心とする領域に電界を生成するための高周波電圧発生装置36とを備えている。電界生成手段である高周波電圧発生装置36は、タップ付変圧器35と、タップ付変圧器35に接続される発生装置本体37と、高周波に基づく電圧を点火プラグ1に印加する時期(タイミング)及び印加を停止する時期を制御するためのスイッチング手段38とを備えている。スイッチング手段38は、点火プラグ1における放電電圧の最高電圧の発生位置あるいは発生時刻(以下、ピーク時刻と称する)及び各気筒における1サイクルの圧縮上死点を検出する電子制御装置39により制御される。
高周波電圧発生装置36の発生装置本体37は例えば、車両用のバッテリの電圧例えば約12V(ボルト)を昇圧回路であるDC‐DCコンバータにて300〜500Vに昇圧し、昇圧された直流をHブリッジ回路にて周波数が約200kHz〜600kHzの交流に変化させる構成であり、高周波電圧発生装置36はタップ付変圧器25により約4kVp‐p〜8kVp‐pに昇圧した高周波を出力する構成である。出力される高周波の電圧は、後述する火花放電における誘導放電を持続させるに十分な、言い換えれば誘導放電を減衰させない電圧(以下、維持電圧と称する)以上に設定する。すなわち、高周波の電圧が維持電圧より小さいと、生成される電界の強度が低くなり、火花放電による電子の流れ及び火花放電によって生じたイオンやラジカルが、蛇行しなくなる可能性が生じ、後述するプラズマによる燃焼の促進が低下することがある。
タップ付変圧器35は、巻数を二分割する位置にタップの形成されている。したがって、二次側巻線35aは、同一電圧で、かつ位相が180度異なる二つの交流を出力する。タップ付変圧器35の二次側巻線35aが出力手段を構成する。このタップ付変圧器35の二次側巻線35aのタップ35bは、グランド(接地線)37に接続してあり、二次側巻線35aの一方の端部35cは第一ダイオード33のカソードに接続され、その他方の端部35dは第二ダイオード34のカソードに接続される。高周波電圧発生装置36は、前述のような周波数の交流を出力するものであれば、タップ付変圧器35以外の構成は特にこの実施形態に限られるものではない。
第一及び第二ダイオード33、34は、高周波電圧発生装置36が発生する交流に対しては整流手段として機能するとともに、第一及び第二点火コイル31、32が発生する火花放電のための高電圧に対しては、逆流防止ダイオードとして機能する。すなわち、この実施形態にあっては、燃焼行程において点火を実施する際には、点火コイル31(32)の二次側巻線31a(32a)から、点火プラグ1Aの中心電極41に負の高電圧が印加されるものである。したがって、第一及び第二ダイオード33、34は、そのそれぞれのアノードが対応する二次側巻線31a、32aに接続されるので、前記負の高電圧が高周波電圧発生装置36に逆流することを防止する。
電子制御装置39は、エンジン100に取り付けられる各種のセンサから出力される信号に基づいてエンジン100の運転状態を制御する運転制御プログラムを内蔵する。電子生魚装置39は、火花点火を実行するに際しては、点火プラグ1A(1B)の中心電極41と接地電極42との間に点火コイル31(32)を介して印加される高電圧により生じる火花放電と、燃焼室11内に生成される電界とを反応させてプラズマを生成して混合気に着火するもので、1サイクルにおける圧縮上死点以降は火花放電と反応させていた電界を遮断して、その後に電極21、22間に負の高電圧を印加してシリンダボア13を構成するボア側開口17内側に負極性を生成するように、高周波電圧発生装置26及び負極性電源24を制御する。
まず火花点火に際して、電子制御装置39から出力される点火信号が点火コイル31(32)のイグナイタに入力されると、点火コイル31(32)の二次側巻線31a(32a)から、点火プラグ1A(1B)の中心電極41に負の高電圧が印加されて、火花放電が始まる。火花放電が始まると、まず、容量放電による容量火花が生じ、その後に誘導放電による誘導火花が生じる。そして、誘導放電が始まる時点に対応して、スイッチング手段38を閉じて、高周波電圧を点火プラグ1A(1B)に印加する。なお、印加する高周波電圧は、誘導放電を維持するのに要する電圧以上に設定するものである。
この場合に、点火コイル31(32)の出力電圧である二次電圧を計測しておき、計測にて得られた二次電圧が所定電圧以下の場合には高周波電圧の印加、言い換えれば電界の生成を禁止する。つまり、平均的な容量放電における放電電圧の最大値(以下、ピーク電圧と称する)の約60%〜70%の電圧に設定する所定電圧を、計測にて得られた二次電圧が上回った後に電界を生成するためのタイミングを判定するための判定電圧以下になった場合にのみ、電界の形成を開始する。
判定電圧は、二次電圧が所定電圧を上回ってピーク電圧を発現した後に二次電圧が降下したことを判定するもので、所定電圧より低い値に設定する。したがってこのタイミングは、誘導放電に至らない容量放電中である場合もあるが、二次電圧が判定電圧以下であるので、容量放電の電圧に高周波電圧が重畳しても過大な電圧にはならない。それゆえ、火花放電が誘導放電になるまでスイッチング手段38をオンするタイミングを遅延させる必要はない。
このようにして、点火プラグ1A(1B)に高周波電圧を印加した後は、印加した高周波電圧を停止する、つまり電界の生成を遮断する制御を実施する。
この電界生成の遮断する制御は、まず、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程で構成される1サイクルにおける圧縮上死点であるか否かを判定する。この判定は、エンジン100の運転を制御するために取り付けられるクランク角センサが出力するクランク角信号に基づいて圧縮上死点を判定するものである。点火時期以降に圧縮上死点に達していないと判定した場合は、再度クランク角信号に基づいて圧縮上死点を判定する。
次に、エンジン100の運転の進行が1サイクルの圧縮上死点であるので、スイッチング手段38を開く制御を実行して高周波電圧の印加を中止する。これにより、電界の生成を遮断する。
そして、この電界の生成を遮断するタイミングとほぼ同時に、電極21、22間に、負極性電界を生成するための負の電圧を印加して、シリンダボア13におけるヘッドガスケット位置、言い換えれば燃焼室の直下に、負極性電界を生成する。
以上の構成において、この実施形態では、高周波電圧発生装置36からの高周波が、第一及び第二ダイオード33、34により半波整流されて負極性の脈流(電圧)となって中心電極41に印加され、脈流(電流)が中心電極41と接地電極42との間に流れることによって火花放電時の容量放電後半から誘導放電直前乃至誘導放電開始時点に中心電極41と接地電極42との間に電界が生成される。生成された電界と、中心電極41と接地電極42との間に発生する火花放電とが反応してプラズマが生成され、混合気に着火するものである。
すなわち、点火に際しては、点火プラグ1A(1B)に点火コイル31(32)により、圧縮上死点より前のタイミング、つまり進角された点火時期において火花放電を発生させると、その火花放電に伴って点火プラグ1A(1B)の間隙43間に、上述のタイミングで高周波電圧を印加することで脈流(電流)が流れることによって電界が発生する。これにより、火花放電(主として誘導放電)と電界とを反応させてプラズマを生成させることにより、燃焼室11内の混合気を急速に燃焼させる構成である。
具体的には、点火プラグ1A(1B)による火花放電が電界中でプラズマになる。この結果、生成したプラズマにて混合気に着火を行うことで火炎伝播燃焼の始まりとなる火炎核が火花放電のみの点火に比べて大きくなるとともに、所定空間内に大量のラジカルが発生することで燃焼が促進される。
これは、火花放電による電子の流れ及び火花放電によって生じたイオンやラジカルが、電界の影響を受け振動、蛇行することで行路長が長くなり、周囲の水分子や窒素分子と衝突する回数が飛躍的に増加することによるものである。イオンやラジカルの衝突を受けた水分子や窒素分子は、OHラジカルやNラジカルになると共に、イオンやラジカルの衝突を受けた周囲の気体は電離した状態、言換するとプラズマ状態となることで、飛躍的に混合気への着火領域が大きくなり、火炎伝播燃焼の始まりとなる火炎核も大きくなるものである。
この場合に、1サイクルの圧縮上死点を判断した場合はそれ以降における高周波電圧の印加を中止するので、上述した火炎核が点火プラグ1A(1B)の中心電極41近傍に留められることがない。したがって、火炎核が中心電極41に向かって引きつけられることなく、その体積が拡大し、燃焼が筒内全体に拡大する。
さらに、点火プラグ1A(1B)に印加していた高周波電圧の印加を中止した後ピストン14が上死点より降下する際に、燃焼室11の直下のシリンダボア13に負極性電界を形成していることから、体積が拡大した火炎核、さらにはその火炎核により着火した混合気つまり燃焼ガスが負極性電界に引き寄せられる。このため、火炎核等は、プラズマの生成を遮断した直後よりさらに拡大する。
このようにして、火炎核等がプラズマ生成時より拡大することで燃焼状態が促進されるので、燃焼効率が高くなり、燃費を向上させることができる。
これに先立って、火花放電における容量放電が成功しておらず失火が生じる場合には、電界を形成するための高周波電圧の出力を禁止し、容量放電が成功している場合にのみ電界を生成するようにしているので、確実に点火を実施することができる。また、点火できない場合に電界の生成を禁止しているので、高周波電圧発生装置36が点火装置30中に生じる回り回路に流れる高周波により破損されることを防ぐことができる。
加えて、この実施形態にあっては、容量放電におけるピーク電圧発生の後に電界の生成を実施することにより、容量放電時の電圧に電界を生成するための脈流の電圧が重畳することがないため、容量放電が不安定になることを防止することができる。しかも、両電圧の重畳により点火プラグ1に過剰な高電圧が印加されることを抑制することができるので、点火プラグ1の耐久性を保つことができる。しかも、誘導放電中に電界を生成しているので、プラズマによる火炎核の成長を促進させて燃焼効率を上げることができる。これに加えて、電界を生成するための高周波の電圧を、誘導放電の維持電圧以上に設定しているので、電界生成の確実性を高くすることができ、プラズマを安定させることができる。
さらに、この実施形態においては、タップ付変圧器35を高周波電圧発生装置36の出力段に用いることにより、各気筒に対してほぼ同じ電圧の交流を出力することができる。このため、このタップ付変圧器35によりあらかじめ出力する高周波の電圧を高く設定しておくことにより、第一及び第二ダイオード33、34における電圧降下分を補償することができ、適切な密度のプラズマを生成することができる。
又、一つの高周波電圧発生装置36を各気筒の点火プラグ1A、1Bにダイオード33、34を介して接続しているが、脈流(電流)が点火プラグ1A、1Bの中心電極41と接地電極42との間の間隙43に流れるのは、火花放電により間隙間抵抗値が下がる場合のみである。したがって、燃焼行程にない気筒、例えば点火が第一気筒で実行され、第二気筒は火花放電がない圧縮行程にある場合、第二気筒では脈流(電流)は流れないため、交流は消費されない。このため、高周波電圧発生装置36の消費電力は大きくならず、高周波電圧発生装置36における消費電力の増加を抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、エンジンの気筒数は、二気筒以外のものであってよい。
上述した実施形態においては、シリンダヘッド4とシリンダブロック2との間に負電界生成手段20の電極21、22を配置するものを説明したが、電極の位置はこの部位に限定されない。すなわち、シリンダボアを、燃焼室を含んで上死点から下死点に至るまでの空間とする場合、電極を接地する位置は、シリンダボアにおける燃焼室に近い位置に配置するものが好ましい。
また、負極性電界を生成するための負電界生成手段20を構成する電極21、22それぞれは、シリンダボア13を構成するボア用開口17に面して、少なくとも180°離れて配置される一対の電極からなるものであってもよい。具体的には例えば、ほぼ半円弧状の誘電体それぞれにほぼ半円弧状の電極を埋め込んで負電界生成手段の電極部分を形成する。このように、円環を二分割した半円弧状のものにすることにより、電極の保守性が向上する。したがって、例えば円環を三分割あるいは四分割した形状のものであってもよい。
また、負電界生成手段20の電極は、上述の円環状の2つの電極に限らず、円環状の3つ、または4つ以上の電極で構成するものであってもよい。この場合、それらの電極の形状及び製造方法は、上述の電極21、22と同様であってよい。
このように電極が、3以上である場合は、その内の一つの電極を接地し、残る2つの電極に対して負の電圧を選択的に印加する。すなわち、筒内圧が高い場合は、接地した電極との距離が短い方の電極に負の電圧を印加し、筒内圧が低い場合は、接地した電極との距離が長い方の電極に負の電圧を印加する。これは、筒内圧に応じて電界の生成状態が変化することに基づくものである。なお、筒内圧の検知手段としては、例えば燃焼室11に設ける筒内圧センサが挙げられる。
また、バリア放電用電極として、タングステンの他に銅を用いることも可能である。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の活用例として、ガソリンや液化天然ガスを燃料として点火プラグによる火花放電を着火に必要とする火花点火式の内燃機関に適用するものが挙げられる。
1…点火プラグ
13…シリンダボア
14…ピストン
20…負電界生成手段
21、22…電極
31、32…点火コイル
41…中心電極
42…接地電極

Claims (2)

  1. 点火プラグの中心電極と接地電極との間に点火コイルを介して印加される負の高電圧により生じる火花放電と、燃焼室内に生成されるプラズマ用電界とを反応させてプラズマを生成して混合気に着火する火花点火式内燃機関であって、
    燃焼室が設けられ点火プラグが取り付けられるシリンダヘッドよりも下方に位置するシリンダボアの部分に負極性電界を生成するための負電界生成手段を備えてなる火花点火式内燃機関。
  2. 負電界生成手段を、プラズマ用電界の生成開始後に動作させる請求項1記載の火花点火式内燃機関。
JP2010263540A 2010-11-26 2010-11-26 火花点火式内燃機関 Expired - Fee Related JP5791265B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010263540A JP5791265B2 (ja) 2010-11-26 2010-11-26 火花点火式内燃機関

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010263540A JP5791265B2 (ja) 2010-11-26 2010-11-26 火花点火式内燃機関

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012112347A JP2012112347A (ja) 2012-06-14
JP5791265B2 true JP5791265B2 (ja) 2015-10-07

Family

ID=46496819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010263540A Expired - Fee Related JP5791265B2 (ja) 2010-11-26 2010-11-26 火花点火式内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5791265B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012112347A (ja) 2012-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9331458B2 (en) Ignition system
US20130199508A1 (en) Method for controlling the ignition point in an internal combustion engine by means of a corona discharge
JP5255682B2 (ja) 点火装置
JP5482692B2 (ja) 内燃機関の点火制御装置
US8892335B2 (en) Method for controlling a corona ignition device
JP5253144B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP5835570B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP5681425B2 (ja) 内燃機関の火花点火方法
JP5791265B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP5787532B2 (ja) 火花点火式内燃機関の火花点火制御方法
JP5800508B2 (ja) 火花点火式内燃機関の火花点火制御方法
JP2013160216A (ja) 点火装置
JP5791266B2 (ja) 内燃機関の火花点火方法
JP2002324649A (ja) 内燃機関用点火装置および燃料室内に充填された燃料への点火方法
JP5794814B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP2015200255A (ja) 点火制御装置
JP2012067707A (ja) 内燃機関の火花点火方法
JP2010144618A (ja) プラズマ点火装置
JP2014088778A (ja) 内燃機関
JP5584484B2 (ja) 火花点火式内燃機関の制御方法
JP6426365B2 (ja) 内燃機関の点火制御装置
JP6840301B1 (ja) 点火システム
JP2010174691A (ja) プラズマ式点火装置の点火制御方法およびその方法を用いたプラズマ式点火装置
JP6531841B2 (ja) 点火装置
JP5963497B2 (ja) 点火プラグ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150804

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5791265

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees