JP6840301B1 - 点火システム - Google Patents

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Abstract

共振回路の共振により点火プラグに印加する交流電圧を増幅させつつ、点火プラグに印加する交流電圧の周波数を変化させ、放電エネルギー密度を変化させることができる誘電体バリア放電型の点火システムを提供する。DC/AC変換器(2)と点火プラグ(4)との間を接続し、回路全体の共振周波数frを変化させる周波数変更回路(32)を有する周波数変更接続回路(3)と、DC/AC変換器(2)に交流周波数(fsw)の交流電圧を出力させ、周波数変更回路(32)を制御して共振周波数(fr)を変化させ、交流周波数(fr)を変化させる点火システム。

Description

本願は、点火システムに関するものである。
車両等に搭載される内燃機関の燃費を向上させる手法として、希薄混合気を燃焼させる希薄燃焼方式、排気ガスを燃焼室内に再循環させる排気ガス再循環方式、又は燃焼室を高圧縮比にする方式などが開発されている。しかし、いずれの方式も燃料への点火が難しいという課題があり、着火性の向上が要求されている。
点火装置の着火性向上要求に対して、非平衡プラズマである誘電体バリア放電で化学的活性種を発生させ、着火後の燃焼性促進、又は燃料への直接点火を実現する点火システム提案されている(特許文献1)。燃焼性促進では、点火時期の前において、点火しない程度のエネルギーを持つ非平衡プラズマを発生させ、多くの化学的活性種を発生させる。直接点火では、点火時期おいて、高エネルギーを投入することによって、燃料を直接的に燃焼させる。
特許第6482684号 特許第4924275号 特開平9−172788号公報
上述の通り、誘電体バリア放電を用いた点火装置は、目的によって放電に必要な放電エネルギーが異なるため、目的、タイミングに合わせて放電エネルギーを調整することが望ましい。誘電体バリア放電の放電エネルギーは、一般的に、点火プラグなどの構造及び電極間の環境等で定まる負荷容量、負荷印加電圧の最大値、放電維持電圧、負荷印加電圧の周波数、負荷への電圧印加時間によって定まる。負荷容量と放電維持電圧は、装置構造及び動作環境によって自ずと決定される。そのため、放電エネルギーの調整に使用可能なパラメータは、負荷印加電圧の最大値と周波数、及び負荷への電圧印加時間となる。
特許文献2では、所定の点火プラグを使用した点火装置において、出力交流電圧の電圧値、又は波数を制御することによって、放電エネルギーを調整することが提案されている。ここで波数は、交流電圧周波数と電圧印加時間から定まる。特許文献2には具体的な電気回路の構成は記述されていないが、高電圧出力の交流電源には非常に大きな巻き数比のトランス、多数の半導体スイッチが必要と考えられ、車両等の空間的制約の大きい場所への搭載は困難である。
高電圧出力の交流電源を比較的小型に構成する電源システムとして、特許文献3のように共振回路を利用したものが提案されている。この電源システムでは、供給する交流電源の周波数を、負荷のコイル及びコンデンサの直列共振周波数またはその近傍に設定し、負荷の共振によって電極に大きな直列共振電圧を発生させている。しかし、交流電源が負荷に印加可能な周波数は共振周波数近傍圧のみとなるため、誘電体バリア点火装置に適用した場合には負荷共振回路の構成を変更しない限り、周波数による放電エネルギーの調整ができない。その結果、誘電体バリア放電の放電エネルギー調整は、点火プラグへの交流電圧の印加時間と印加電圧の最大値によってのみ調整される。印加電圧の高電圧化は、絶縁距離拡大、電源出力向上が必要であり、装置体積の増大要因となるという問題がある。したがって、放電エネルギーの調整には、主に、電圧印加時間の増減が用いられる。その場合は、印加時間が長ければ電極間に大きい放電エネルギーが投入され、印加期間が短ければ電極間に小さい放電エネルギーが投入される。そのため、例えば、短時間に大きな放電エネルギーを投入する等の自由度の高い放電エネルギー出力ができない。その結果、局所的な高エネルギー投入を必要とする直接点火が不可能となる可能性がある。
そこで、本願では、共振回路の共振により点火プラグに印加する交流電圧を増幅させつつ、点火プラグに印加する交流電圧の周波数を変化させ、放電エネルギー密度を変化させることができる誘電体バリア放電型の点火システムを提供することを目的としている。
本願に係る点火システムは、
直流電源から供給された直流電力を交流電力に変換する、スイッチを有するDC/AC変換器と、
一対の電極、及び前記一対の電極の間に配置された誘電体を有し、内燃機関の燃焼室に配置される点火プラグと、
前記DC/AC変換器と前記点火プラグとの間を接続し、前記DC/AC変換器から前記点火プラグまでの回路全体の共振周波数を変化させる周波数変更回路を有する周波数変更接続回路と、
前記DC/AC変換器のスイッチをオンオフ制御して、前記DC/AC変換器に交流周波数の交流電圧を出力させ、前記点火プラグに供給させる制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記周波数変更接続回路の前記周波数変更回路を制御して前記共振周波数を変化させ、前記交流周波数を変化させ
前記共振周波数の変化に連動して、前記交流周波数を変化させ、前記交流周波数を、共振により前記DC/AC変換器の出力電圧に対して前記点火プラグの印加電圧が増幅される増幅周波数帯内に変化させるものである。

本願に係る点火システムによれば、DC/AC変換器と点火プラグとの間を接続する接続回路に、共振周波数を変化させる周波数変更回路が設けられている。そして、制御回路は、周波数変更回路を制御して共振周波数を変化させ、交流周波数を変化させるので、共振周波数及び交流周波数を変化させ、共振回路の共振により点火プラグに印加する交流電圧を増幅させつつ、点火プラグに印加する交流電圧の交流周波数を変化させ、放電エネルギー密度を変化させることができる。
実施の形態1に係る点火システムの概略回路図である。 実施の形態1に係る内燃機関に取り付けられた点火プラグの模式図である。 実施の形態1に係るバリア点火プラグの概略的な断面図である。 実施の形態1に係る制御回路のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る制御回路の処理を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態1に係る共振周波数及び交流周波数の設定を説明するための図である。 実施の形態2に係る周波数変更接続回路の概略回路図である。 実施の形態2に係るスイッチのオンオフパターンを説明する図である。 実施の形態2に係る共振周波数及び交流周波数の設定を説明するための図である。 実施の形態3に係る制御回路の処理を説明するためのタイミングチャートである。
以下、本願の点火システムについて、図を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。
1.実施の形態1
実施の形態1にかかる点火システムについて、図面を参照して説明する。図1は、実施の形態1の点火システムの概略回路図である。点火システムは、DC/AC変換器2、点火プラグ4、周波数変更接続回路3、及び制御回路6を備えている。
1−1.内燃機関1
図2に示すように、内燃機関1は、シリンダ11内をピストン12が上下運動するレシプロ型のガソリンエンジンとされている。シリンダ11及びピストン12内の空間が燃焼室13とされており、シリンダ11の頂部に点火プラグ4が配置されている。また、シリンダ11の頂部に、吸気管14から燃焼室13内に吸入される吸入空気量を調節する吸気バルブ15と、燃焼室13から排気管16に排出される排気ガス量を調節する排気バルブ17と、が設けられている。本実施の形態では、シリンダ11の頂部に、燃料を燃焼室13内に噴射するインジェクタ18が備えられている。なお、吸気管14にインジェクタ18が備えられてもよい。後述するように、内燃機関1は、制御回路6により制御される。
内燃機関1は、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、及び排気行程を1つの燃焼サイクルとした4ストローク機関とされている。吸気行程では、吸気バルブ15が開き、排気バルブ17が閉じた状態で、ピストン12が下降することによって、吸気管14から燃焼室13に空気が吸引される。吸気行程でインジェクタ18から燃料が噴射され、燃焼室13内に燃料と空気の混合気が形成される。圧縮行程では、吸気バルブ15及び排気バルブ17が閉じた状態で、ピストン12が上昇することによって、燃焼室13内の混合気が圧縮される。圧縮行程の終了時点(ピストン12の上死点)付近で点火プラグ4のバリア放電によって、混合気の燃焼が開始する。燃焼行程では、吸気バルブ15及び排気バルブ17が閉じた状態で、混合気の燃焼により燃焼室内の気体の圧力が上昇し、ピストン12が押し下げられる。排気行程では、吸気バルブ15が閉じ、排気バルブ17が開いた状態で、ピストン12が上昇することによって、燃焼室13から排気管16に燃焼後の既燃ガスが排出される。
1−2.点火プラグ4
点火プラグ4は、一対の電極(第1電極41及び第2電極42)、及び第1電極41と第2電極42の間に配置された誘電体43を有し、内燃機関1の燃焼室13に配置される。少なくとも一方の電極が誘電体43で覆われる。従来の火花点火プラグが、金属電極と金属電極の間に高電圧を印加してアーク放電を生じさせるのに対して、点火プラグ4は、第1電極41と第2電極42の間に誘電体43が配置されており、交流電圧を印加することにより、電極間で誘電体バリア放電(以下、バリア放電とも称す)を発生させる。バリア放電により、燃焼室13内の混合気を点火したり、燃焼を促進するための化学的活性種(ラジカル)を生成したりする。
点火プラグ4の一例として、図3に、内燃機関1の燃焼室13に取り付けられた状態の点火プラグ4の断面図を示す。従来のSIプラグと同様に、円筒状のプラグ外壁44は金属で形成されており、外周面にネジが切られ、燃焼室13の隔壁19(シリンダヘッド)に取り付けられる。よって、プラグ外壁44が、内燃機関1を介して接地される。プラグ外壁44の燃焼室13側に円筒状の第2電極42が形成されている。プラグ外壁44の中心には棒状の第1電極41が配置されている。プラグ外壁44と第1電極41との間の円筒状の空間には、誘電体43(例えば、セラミック)が配置され、絶縁されている。燃焼室13内に配置される下端部において、第1電極41を覆う誘電体43の肉厚が薄くなっており、誘電体43と第2電極42との間には、間隙が設けられている。この間隙が、バリア放電が発生する放電ギャップ45になる。点火プラグ4の燃焼室13内側の端部における第1電極41、第2電極42、誘電体43の形状は、図3の例に限定されず、様々な形状にされてもよい。
燃焼室13外側の端部において、第1電極41が誘電体43に覆われておらず、周波数変更接続回路3の一方の出力端子に接続される。第2電極42は、内燃機関1を介して、周波数変更接続回路3の他方の出力端子に接続される。
1−3.DC/AC変換器2
DC/AC変換器2は、直流電源7から供給された直流電力を交流電力に変換する、スイッチ21を有する電力変換器である。
DC/AC変換器2に接続される直流電源7は、例えば鉛バッテリ等の蓄電池であり、接続されたDC/AC変換器2に直流電力を供給する。直流電源7には、直流電圧を出力する機能を有するものであれば、どのような装置であってもよい。直流電源7に、直流電圧を昇圧又は降圧して出力するDC/DC変換器が設けられてもよい。或いは、DC/AC変換器2の入力側に、DC/DC変換器が設けられ、DC/DC変換器のスイッチは、制御回路6に制御されてもよい。
DC/AC変換器2は、制御回路6によりオンオフ制御されるスイッチ21を備えている。DC/AC変換器2は、スイッチ21が2つ直列に接続された直列回路を2つ備えたフルブリッジ回路とされている。第1の直列回路では、直流電源7の正極側に接続される正極側のスイッチ21aと、直流電源7の負極側に接続される負極側のスイッチ21bと、が直列に接続されている。第2の直列回路では、直流電源7の正極側に接続される正極側のスイッチ21cと、直流電源7の負極側に接続される負極側のスイッチ21dと、が直列に接続されている。
なお、DC/AC変換器2には、ハーフブリッジ回路、又は1つのスイッチから構成される回路等の各種の変換回路が用いられてもよい。各直列回路の2つのスイッチ21の中点が、周波数変更接続回路3に接続されている。
DC/AC変換器2のスイッチ21には、例えば、MOS−FET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、ダイオードが逆並列接続されたIGBT(Insulated-Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチが用いられる。制御回路6から出力された駆動信号は、スイッチ21のゲート端子に入力される。駆動信号がハイ(1)のときは、スイッチ21がオン状態になり、駆動信号がロー(0)のときはスイッチ21がオフ状態になる。DC/AC変換器2のスイッチ21は、オン及びオフすることによって電路の導通と遮断ができればどのようなものでもよく、例えば電極の接触、非接触でオンオフする機械的スイッチのように、半導体以外のスイッチで構成されていてもよい。
1−4.周波数変更接続回路3
周波数変更接続回路3は、DC/AC変換器2と点火プラグ4との間を接続し、DC/AC変換器2から点火プラグ4までの回路全体(負荷共振回路と称す)の共振周波数frを変化させる周波数変更回路32を有する接続回路である。
周波数変更接続回路3は、2つ以上のインダクタと、周波数変更回路32として、負荷共振回路に対するインダクタの接続関係を変化させる1つ以上のスイッチ32と、を有し、周波数変更接続回路3のスイッチ32のオン又はオフにより、負荷共振回路のインダクタンスが変化し、共振周波数frが変化する。
この構成によれば、周波数変更接続回路3を、2つ以上のインダクタと1つ以上のスイッチ32とにより構成することができ、周波数変更接続回路3を簡素で小型することができる。
本実施の形態では、周波数変更接続回路3は、インダクタとして、第1インダクタ31、トランス33の1次巻線33a及び2次巻線33bの漏れインダクタンスと、第2インダクタ34とを有している。第1インダクタ31は、DC/AC変換器2とトランス33との間の接続経路上に直列に接続されている。詳細には、第1インダクタ31の一方の端子は、DC/AC変換器2の一方の出力端子(本例では、第2の直列回路の中点)に接続され、第1インダクタ31の他方の端子は、トランス33の1次巻線33aの一方の端子に接続されている。トランス33の1次巻線33aの他方の端子は、DC/AC変換器2の他方の出力端子(本例では、第1の直列回路の中点)に接続されている。
第2インダクタ34は、トランス33と点火プラグ4との間の接続経路上に直列に接続されている。詳細には、第2インダクタ34の一方の端子は、トランス33の2次巻線33bの一方の端子に接続され、第2インダクタ34の他方の端子は、点火プラグ4の第1電極41に接続されている。トランス33の2次巻線33bの他方の端子は、点火プラグ4の第2電極42に接続されている。点火プラグ4の第2電極42は、グランドにも接続されている。
本実施の形態では、周波数変更接続回路3は、スイッチ32として、第1インダクタ31に並列接続された第1スイッチ回路321を備えている。第1スイッチ回路321は、2つのスイッチ32a、32bが直列に接続された双方向スイッチとされている。2つのスイッチ32a、32bには、MOS−FET、ダイオードが逆並列接続されたIGBT等が用いられる。2つのスイッチ32a、32bのドレイン端子は互いに接続されている。制御回路6から出力された駆動信号は、2つのスイッチ32a、32bのゲート端子に入力される。駆動信号がハイ(1)のときは、2つのスイッチ32a、32bがオン状態になり、駆動信号がロー(0)のときは2つのスイッチ32a、32bがオフ状態になる。周波数変更接続回路3のスイッチ32は、オン及びオフすることによって電路の双方向の導通と遮断ができればどのようなものでもよく、例えば電極の接触、非接触でオンオフするリレー等の機械的スイッチのように、半導体以外のスイッチで構成されていてもよい。
第1スイッチ回路321(2つのスイッチ32a、32b)がオンされ導通状態になると、第1インダクタ31の両端子が短絡され、負荷共振回路における第1インダクタ31のインダクタンスが0になる。一方、第1スイッチ回路321(2つのスイッチ32a、32b)がオフされ遮断状態になると、負荷共振回路における第1インダクタ31のインダクタンスは、そのままのインダクタンスになる。よって、第1スイッチ回路321のオン又はオフにより、負荷共振回路に対する第1インダクタ31の接続関係が変化し、後述するように負荷共振回路の共振周波数frが変化する。
周波数変更接続回路3は、全てのスイッチ32がオフになった状態でも、DC/AC変換器2から出力された交流電力を点火プラグ4に供給する。
よって、ノイズ又は故障等によって、スイッチ32のオンオフを正常に行えない場合でも、DC/AC変換器2から点火プラグ4に交流電力を供給でき、誘電体バリア放電を発生させることができる。
なお、周波数変更回路として、電動の可変インダクタンスのインダクタ、又は電動の可変容量のコンデンサ等が備えられ、制御回路6の駆動信号によりインダクタンス、又は静電容量が変化され、負荷共振回路の共振周波数frが変化されてもよい。
負荷共振回路を構成する成分には、インダクタ、コンデンサのような素子だけではなく、配線等の持つ寄生インダクタンス、周辺金属との間に発生する寄生容量のような分布定数成分が含まれてもよい。
トランス33は、DC/AC変換器2側に接続される1次巻線33aと、点火プラグ4側に接続される2次巻線33bと、1次巻線33a及び2次巻線33bが巻装される鉄心とを備えている。トランス33の昇圧比は、1次巻線33aの巻数に対する2次巻線33bの巻数の比により定まる。なお、トランス33は、放電に必要な交流電圧をトランス33なしで確保できる場合には備えられなくてもよい。
1−5.制御回路6
制御回路6は、DC/AC変換器2及び周波数変更接続回路3を制御する。本実施の形態では、制御回路6は、内燃機関1も制御する。制御回路6の各機能は、制御回路6が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御回路6は、図4に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置60(コンピュータ)、演算処理装置60とデータのやり取りをする記憶装置61、演算処理装置60に外部の信号を入力する入力回路62、及び演算処理装置60から外部に信号を出力する出力回路63等を備えている。
演算処理装置60として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置60として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置61として、演算処理装置60からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)、演算処理装置60からデータを読み出し可能に構成されたROM(Read Only Memory)等が備えられている。
入力回路62は、内燃機関の各種センサ57(クランク角度センサ、カム角センサ、吸気量検出センサ、水温センサ、吸気温センサ、筒内圧力センサ、イオン電流検出センサ等)が接続され、これらの出力信号を演算処理装置60に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路63は、DC/AC変換器2のスイッチ21及び周波数変更接続回路3のスイッチ32、及び内燃機関の各種の電気負荷58(インジェクタ、電動スロットルバルブ、電動EGRバルブ、吸排気VVT等)が接続され、これらに演算処理装置60から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。
入力回路62には、信号を増幅するオペアンプ及びバッファ等、及び信号を絶縁するフォトカプラ及びアイソレータ等が含まれてもよい。出力回路63には、信号を増幅するオペアンプ及びバッファ等、半導体スイッチを駆動するためのドライブ回路、信号を絶縁するアイソレータ等が含まれてもよい。
そして、制御回路6が備える各機能は、演算処理装置60が、ROM等の記憶装置61に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置61、入力回路62、及び出力回路63等の制御回路6の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、制御回路6が用いる基準値等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM等の記憶装置61に記憶されている。以下、制御回路6の各機能について詳細に説明する。
図5のタイミングチャートを参照して、制御回路6の処理を説明する。横軸は時間を示し、縦軸はそれぞれの信号、周波数の状態、電圧、1点火あたりのエネルギーを示す。信号は、1のときにハイであることを表し、0のときにローであることを表す。
<内燃機関の制御>
制御回路6は、内燃機関1の制御を行う。制御回路6は、基本的な制御として、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、クランク角度、燃焼サイクルの行程、回転速度、吸入空気量、充填効率、空燃比、冷却水温度、吸気温度、排気ガス再循環率(EGR率)、燃焼状態、燃焼の失火の有無等の各種の内燃機関の運転状態を検出する。制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて、目標空燃比、燃料噴射量、燃料噴射時期、目標スロットル開度、目標EGR開度、目標吸排気VVT位相角等を算出し、インジェクタ、電動スロットルバルブ、電動EGRバルブ、吸排気VVT等の内燃機関の各種の電気負荷58を駆動制御する。
<放電開始時期の設定>
図5の放電開始信号S1は、放電開始時期を示す信号である。制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて、各燃焼サイクルの放電開始時期(点火クランク角度)を決定し、放電開始信号S1を生成する。内燃機関の運転状態として、例えば、内燃機関の回転速度、燃焼室内の圧力情報(例えば、充填効率又は気筒内の圧力)、燃焼室の圧縮比(可変圧縮比機構が設けられる場合)、空燃比、及び排気ガス再循環率(EGR率)の少なくとも1つ以上が用いられる。
本実施の形態では、放電開始時期は、点火のための放電開始時期とされており、放電開始時期の後、点火のための誘電体バリア放電が行われる。
本実施の形態では、制御回路6は、放電開始時期の所定時間前に放電開始信号S1をハイ(1)にし、放電開始時期で、放電開始信号S1をロー(0)にする。
なお、外部の制御装置が、内燃機関の制御を行ってもよい。この場合は、外部の制御装置が、内燃機関の運転状態の情報を、通信を介して、制御回路6に伝達してもよく、外部の制御装置が、放電開始信号S1等のハイ、ロー信号を生成し、制御回路6に出力してもよい。
<DC/AC変換器2のオンオフ制御>
放電期間信号S2は、DC/AC変換器2に交流電力を出力させる期間を示す信号である。制御回路6は、内燃機関の運転状態、及び後述する共振周波数fr及び交流周波数fswに基づいて、放電時間を決定する。制御回路6は、放電開始時期後、放電時間が経過するまでの期間を放電期間に設定する。制御回路6は、放電期間では、放電期間信号S2をハイ(1)にし、放電期間以外では、放電期間信号S2をロー(0)にする。内燃機関の運転状態として、例えば、内燃機関の回転速度、燃焼室内の圧力情報(例えば、充填効率又は気筒内の圧力)、燃焼室の圧縮比(可変圧縮比機構が設けられる場合)、空燃比、及び排気ガス再循環率(EGR率)の少なくとも1つ以上が用いられる。この構成によれば、共振周波数fr及び交流周波数fswにより、単位時間当たりの放電エネルギーである放電の瞬時電力がわかるため、内燃機関の運転状態に適した放電エネルギー総量になるように、放電時間を決定することができる。よって、放電エネルギー不足による燃焼状態の悪化を抑制し、放電エネルギー過多による不要な消費電力の増大を抑制することができ、燃焼状態の向上及び消費電力の低減を行うことができる。
或いは、制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて、必要な放電エネルギー総量を決定し、必要な放電エネルギー総量を、共振周波数fr及び交流周波数fswに応じて定まる放電の瞬時電力Wで除算して、放電時間を決定してもよい。例えば、必要な放電エネルギー量が400mJであり、放電の瞬時電力Wが200Wのとき、400mJを200Wで除算した2msが放電期間に設定される。この構成によれば、内燃機関の運転状態に適した放電エネルギー総量を供給することができ、放電エネルギー不足による燃焼状態の悪化を抑制し、放電エネルギー過多による不要な消費電力の増大を抑制することができ、燃焼状態の向上及び消費電力の低減を行うことができる。
制御回路6は、放電期間信号S2がハイ(1)である放電期間中に、DC/AC変換器2のスイッチ21を、公知のPWM(Pulse Width Modulation)制御によりオンオフ制御して、DC/AC変換器2に交流周波数fswの交流電圧を出力させ、点火プラグ4に供給させる。一方、制御回路6は、放電期間信号S2がロー(0)のときに、DC/AC変換器2のオンオフ制御を停止し、DC/AC変換器2に交流電力を出力させない。制御回路6は、交流電力の交流周波数fswを変化させる。なお、交流周波数fswの変化については後述する。
例えば、制御回路6は、放電期間中は、第1の直列回路の正極側のスイッチ21a及び第2の直列回路の負極側のスイッチ21dをオンにすると共に第1の直列回路の負極側のスイッチ21b及び第2の直列回路の正極側のスイッチ21cをオフにする第1パターンと、第1の直列回路の正極側のスイッチ21a及び第2の直列回路の負極側のスイッチ21dをオフにすると共に第1の直列回路の負極側のスイッチ21b及び第2の直列回路の正極側のスイッチ21cをオンにする第2パターンと、を交流周波数fswで切り替える。一方、制御回路6は、放電期間中でない場合は、DC/AC変換器2の4つのスイッチ21a〜21cをオフにする。なお、制御回路6は、他のPWM制御の方法を用いてもよく、交流電圧の振幅を変化させてもよい。
<スイッチのオンオフによる共振周波数frの変化>
制御回路6は、周波数変更接続回路3の周波数変更回路32を制御して共振周波数frを変化させる。本実施の形態では、制御回路6は、周波数変更回路32としての第1スイッチ回路321(2つのスイッチ32a、32b)をオン又はオンにして、共振周波数frを変化させる。なお、共振周波数frの変化については後述する。
制御回路6は、ハイ(1)又はロー(0)のスイッチ駆動信号S3を第1スイッチ回路321に出力する。スイッチ駆動信号S3がハイ(1)の場合に、第1スイッチ回路321の2つのスイッチ32a、32bがオンになり、電路が導通し、スイッチ駆動信号S3がロー(0)の場合に、第1スイッチ回路321の2つのスイッチ32a、32bがオフになり、電路が遮断される。
共振周波数frは、DC/AC変換器2と周波数変更接続回路3と点火プラグ4とから構成される負荷共振回路の共振周波数である。周波数変更接続回路3のスイッチ32をオン又はオフさせることで、共振周波数frが変化する。共振周波数frは、例えば10kHzから500kHzまでの範囲に設定される。トランス33の励磁インダクタンスが漏れインダクタンスに対して非常に大きいとき、共振周波数frは、式(1)で表すことができる。ここで、Lは、負荷共振回路の合成インダクタンスであり、Cpは、点火プラグ4の合成容量である。
Figure 0006840301
第1スイッチ回路321がオフのときの合成インダクタンスLoffは、式(2)で表される。ここで、N1は、トランス33の1次巻線33aの巻数であり、N2は、トランス33の2次巻線33bの巻数であり、L1は、第1インダクタ31のインダクタンスであり、Lleak1は、トランス33の1次巻線33aの漏れインダクタンスであり、Lleak2は、トランス33の2次巻線33bの漏れインダクタンスであり、L2は、第2インダクタ34のインダクタンスである。
Figure 0006840301
第1スイッチ回路321がオンのとき、第1インダクタ31の両端が短絡されるため、負荷共振回路における第1インダクタ31のインダクタンスL1が0になる。よって、第1スイッチ回路321がオフのときの合成インダクタンスLonは、式(3)で表され、Loffよりもインダクタンスが小さくなる。
Figure 0006840301
従って、第1スイッチ回路321がオフのときの共振周波数fr1(以下、第1の共振周波数fr1と称す)は、第1スイッチ回路321がオンのときの共振周波数fr2(以下、第2の共振周波数fr2と称す)よりも低い周波数となる。なお、式(1)から式(3)には、配線インダクタンス、及び各部に分布する寄生容量を含めてもよい。
<共振周波数frと交流周波数fswとの連動変化>
制御回路6は、共振周波数frの変化に連動して、交流周波数fswを変化させる。図6に、周波数の連動変化の概念図を示す。横軸は周波数を示し、縦軸は、DC/AC変換器2から出力される交流電圧の振幅に対する点火プラグ4に印加される交流電圧の振幅のゲイン(比)を示す。増幅ゲインが1より大きい場合に、負荷共振回路により増幅されていることを示す。図6の曲線Aは、負荷共振回路が第1の共振周波数fr1に変化されているときの、各周波数と負荷共振回路の増幅ゲインとの特性であり、曲線Bは、負荷共振回路が第2の共振周波数fr2に変化されているときの、各周波数と負荷共振回路の増幅ゲインとの特性である。
図6のfsw1は、第1の共振周波数fr1に対応して設定される第1の交流周波数であり、fsw2は、第2の共振周波数fr2に対応して設定される第2の交流周波数fswである。図6に示すように、制御回路6は、交流周波数fswを、共振によりDC/AC変換器の出力電圧に対して点火プラグの印加電圧が増幅される増幅周波数帯内に変化させる。なお、増幅周波数帯は、図6の例では、増幅ゲインが1よりも大きい周波数帯になる。本実施の形態では、また、制御回路6は、交流周波数fswを、増幅周波数帯内であって、共振周波数fr以上の周波数に変化させる。
詳細には、第1の交流周波数fsw1は、第1の共振周波数fr1の増幅周波数帯内であって、第1の共振周波数fr1以上の周波数に設定されている。第2の交流周波数fsw2は、第2の共振周波数fr2の増幅周波数帯内であって、第2の共振周波数fr2以上の周波数に設定されている。なお、第1の交流周波数fsw1及び第2の交流周波数fsw2は、第1の共振周波数fr1及び第2の共振周波数fr2に対応させて記憶装置61に予め記憶されている。
この構成によれば、共振周波数frの変化に連動して、増幅周波数帯内に交流周波数fswが変化されるので、共振周波数frが変化しても、負荷共振回路により交流電圧を増幅させて、点火プラグ4に供給することができ、バリア放電を効率よく発生させることができる。
図6の設定とは逆に、交流周波数fswが、共振周波数frよりも低い周波数に設定されると、DC/AC変換器2の出力電流が出力電圧に対して進み位相になる。DC/AC変換器2の出力電流が出力電圧に対して進み位相の状態で、DC/AC変換器2のスイッチ21がオンオフされれば、各スイッチ21に対して逆並列接続されたダイオードが急峻に逆回復してリカバリ電流が流れ、急激な発熱を発生させる可能性がある。したがって、制御回路6は、交流周波数fswを共振周波数fr以上になるように制御することで、DC/AC変換器2のスイッチ21の急激な発熱を防ぐことができ、ヒートシンク等の冷却機構の大型化を防ぐことができる。
なお、点火プラグ4の印加電圧Vの振幅Vpが、電極間の絶縁破壊電圧に達せず、誘電体バリア放電が発生しないとき、制御回路6は、交流周波数fswを共振周波数frに近づけてもよい。これにより、点火プラグ4の印加電圧の振幅を増大させ、誘電体バリア放電を発生させることができる。このとき、制御回路6は、交流周波数fswを共振周波数frに一致させてもよいし、交流周波数fswを、変化幅Δfswずつ変化させて徐々に共振周波数frに近づけてもよい。この際、制御回路6は、交流周波数fswを、共振周波数frの近傍の増幅周波数帯内、又は共振周波数frと一致するように設定しておくことで、放電開始信号S1による点火指令から遅延なく誘電体バリア放電を発生させることができる。
<周波数の変化による放電の瞬時電力の変化>
点火プラグ4の電極間に印加される交流電圧Vは、共振現象で増幅されるため、実際の印加電圧の振幅Vpは、DC/AC変換器2の交流電力の出力開始後に、徐々に増大していき、出力終了後は、徐々に減少していく。ここで、点火プラグ4の印加電圧Vの振幅Vpは、直流電源7の出力電圧の振幅を、トランスの巻き数比倍したもの以上になっており、例えば1kV以上の高電圧である。点火プラグ4の印加電圧Vの振幅Vpは、点火プラグ4の電極間の絶縁破壊電圧以上、すなわち誘電体バリア放電を発生させることができる電圧以上になるように設定される。
点火プラグ4の放電の瞬時電力Wは、点火プラグ4の電極間に発生する誘電体バリア放電の単位時間あたりの放電エネルギーである。ここで、誘電体バリア放電の瞬時電力Wは、式(4)で表すことができる。Cgは点火プラグ4の誘電体の静電容量であり、C0は、点火プラグ4の電極間の静電容量であり、V*は、放電中の点火プラグ4の電極間に印加される放電維持電圧であり、Vpは、点火プラグ4の印加電圧Vの振幅である。
Figure 0006840301
式(4)において、点火プラグ4の誘電体の静電容量Cgは、構造及び材質に依存するため、制御回路6はこれを任意の値に調整できない。点火プラグ4の電極間の静電容量C0は、構造及び電極間の気体状態等で定まるため、制御回路6はこれを任意の値に調整できない。放電中の放電維持電圧V*は、構造及び放電状態で定まるため、制御回路6は任意に調整できない。よって、制御回路6は交流周波数fswと、点火プラグ4の印加電圧Vの振幅Vpとにより、放電の瞬時電力Wを調整できる。
しかし、制御回路6は、点火プラグ4の印加電圧Vの振幅Vpを、点火プラグ4の絶縁耐圧以下で、且つ誘電体バリア放電の放電開始電圧以上の範囲内で調整する必要があり、放電エネルギーの調整幅は小さい。一方、交流周波数fswの変更可能幅は大きいため、交流周波数fswの増減による放電エネルギーの調整幅は大きい。
しかし、交流周波数fswが、共振周波数frから離れれば、負荷共振回路の増幅ゲインが低下し、点火プラグ4の印加電圧の振幅Vpが大きく低下し、誘電体バリア放電を発生させることができない。そこで、上述したように、周波数変更接続回路3は、共振周波数frを変更可能なように構成され、制御回路6は、交流周波数fswと共振周波数frとを連動して変化させて、負荷共振回路の増幅ゲインを高い状態に維持している。
これにより、点火プラグ4の印加電圧Vの振幅Vpを適切な電圧に維持した状態で、交流周波数fswの増減により、放電の瞬時電力Wを増減させることができる。例えば、印加電圧Vの振幅Vpが一定電圧に維持されるように、交流周波数fsw及び共振周波数frが連動して約2倍にされると、放電の瞬時電力W、すなわちエネルギー密度を約2倍に増大させることができる。逆に、共振周波数fr及び交流周波数fswが、連動して約1/2倍にされると、放電の瞬時電力W、すなわちエネルギー密度を約1/2倍に低減させることができる。
放電期間の増減により、放電エネルギー総量を調整できるが、放電の瞬時電力を変えることができない。例えば、短期間に大きな放電エネルギーを発生させる必要がある場合は、共振周波数fr及び交流周波数fswの連動変化による、エネルギー調整が有効である。
図5のタイミングチャートのW1は、第1の交流周波数fsw1及び第1の共振周波数fr1に変化されたときの放電の瞬時電力であり、W2は、第2の交流周波数fsw2及び第2の共振周波数fr2に変化されたときの放電の瞬時電力である。
<内燃機関の運転状態に応じた周波数の変化>
制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて、交流周波数fsw及び共振周波数frを変化させる。この構成によれば、内燃機関の運転状態に適した放電エネルギー密度になるように、適切に交流周波数fsw及び共振周波数frを変化させて、燃焼状態の向上又は消費電力の低減を行うことができる。
制御回路6は、内燃機関の運転状態として、内燃機関の回転速度と、燃焼室内の圧力情報(例えば、充填効率又は気筒内の圧力)と、燃焼室の圧縮比(可変圧縮比機構が設けられる場合)と、空燃比と、排気ガス再循環率(EGR率)と、失火の有無とのうち少なくとも1つ以上を用いる。この構成によれば、燃焼状態に関係する内燃機関の運転状態に基づいて、精度よく適切に交流周波数fsw及び共振周波数frを変化させることができる。
制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて、放電の瞬時電力の増加が必要か否かを判定し、放電の瞬時電力の増加が必要であると判定した場合は、放電の瞬時電力の増加が必要でないと判定している場合よりも、交流周波数fsw及び共振周波数frを高くする。
本実施の形態では、制御回路6は、放電の瞬時電力の増加が必要であると判定した場合は、交流周波数fsw及び共振周波数frを第2の交流周波数fsw2及び第2の共振周波数fr2に変化させ、放電の瞬時電力の増加が必要でないと判定した場合は、交流周波数fsw及び共振周波数frを第1の交流周波数fsw1及び第1の共振周波数fr1に変化させる。
図5の周波数切換信号S_flagは、放電の瞬時電力の増加の必要性の判定結果を表す信号である。制御回路6は、放電の瞬時電力の増加が必要であると判定した場合は、周波数切換信号S_flagをハイ(1)に設定し、放電の瞬時電力の増加が必要ないと判定した場合は、周波数切換信号S_flagをロー(0)に設定する。
この構成によれば、放電の瞬時電力の増加が必要である場合は、放電の瞬時電力を増大させ、バリア放電による着火性を向上させることができる。特に、放電期間を増加できない場合でも、大きな放電エネルギーを混合気に投入できるため、着火性を向上させることができる。また、誘電体バリア放電によって混合気を直接的に着火しない場合においても、放電エネルギーの増加によって化学的活性種の発生量を増加できるため、着火後の燃焼の促進に寄与する。一方、放電の瞬時電力の増加が必要でない場合は、放電の瞬時電力を減少させ、消費電力を低減させることができる。
なお、外部の制御装置が、内燃機関の制御を行う場合は、制御回路6は、外部の装置から制御回路6に入力される信号に基づいて、放電の瞬時電力の増加の必要性を判定してもよい。
特に、制御回路6は、内燃機関の失火を検知した場合は、交流周波数fsw及び共振周波数frを、失火を検出していない場合よりも高くする。失火の有無は、クランク角度の変動情報、筒内圧力センサの検出情報、イオン電流検出センサの検出情報等に基づいて判定される。この構成によれば、失火を検知した場合に、放電の瞬時電力を増加させることにより、混合気の着火性を向上させ、失火の発生を抑制することができる。
制御回路6は、内燃機関の失火を検知した場合は、交流周波数fsw及び共振周波数frを第2の交流周波数fsw2及び第2の共振周波数fr2に変化させ、内燃機関の失火を検知していない場合は、交流周波数fsw及び共振周波数frを第1の交流周波数fsw1及び第1の共振周波数fr1に変化させる。
また、制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて、着火しにくい状態であるか否かを判定し、着火しにくい状態であると判定した場合に、交流周波数fsw及び共振周波数frを、着火しにくい状態でないと判定している場合よりも高くする。
この構成によれば、着火しにくい状態である場合に、放電の瞬時電力を増加させることにより、混合気の着火性を向上させ、燃焼状態の向上及び失火発生の抑制を行うことができる。
例えば、制御回路6は、内燃機関の運転状態のそれぞれと、各運転状態の判定値と比較することにより、着火しにくい状態であるか否かを判定する。制御回路6は、回転速度が、回転速度の判定値よりも低い場合、充填効率が、充填効率の判定値よりも低い場合、圧縮比が、圧縮比の判定値よりも低い場合、EGR率が、EGR率の判定値よりも高い場合、又は空燃比が、空燃比の判定値よりも高い場合に、着火しにくい状態であると判定し、それ以外の場合は、着火しにくい状態でないと判定する。各判定値は、放電の瞬時電力を増加させないと、失火が発生する可能性が高くなる運転状態と、失火が発生する可能性が高くならない運転状態との境界に設定される。なお、複数の運転状態が複合的に判定されてもよい。例えば、制御回路6は、回転速度が、回転速度の判定値よりも低く、且つ充填効率が、充填効率の判定値よりも低い場合に、着火しにくい状態であると判定する。
制御回路6は、着火しにくい状態であると判定した場合は、交流周波数fsw及び共振周波数frを第2の交流周波数fsw2及び第2の共振周波数fr2に変化させ、着火しにくい状態でないと判定した場合は、交流周波数fsw及び共振周波数frを第1の交流周波数fsw1及び第1の共振周波数fr1に変化させる。
或いは、制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて、着火しやすい状態であるか否かを判定し、着火しやすい状態であると判定したときに、前記交流周波数及び前記共振周波数を、着火しやすい状態でないと判定している場合よりも低くしてもよい。
この構成によれば、着火しやすい状態である場合に、放電の瞬時電力を減少させることにより、燃焼状態の悪化及び失火の発生が生じない範囲で、消費電力の低減を行うことができる。
例えば、制御回路6は、内燃機関の運転状態のそれぞれと、各運転状態の判定値と比較することにより、着火しやすい状態であるか否かを判定する。制御回路6は、回転速度が、回転速度の判定範囲内にある場合、充填効率が、充填効率の判定値よりも高い場合、圧縮比が、圧縮比の判定値よりも高い場合、EGR率が、EGR率の判定値よりも低い場合、及び空燃比が、空燃比の判定範囲内にある場合に、着火しやすい状態であると判定し、それ以外の場合は、着火しやすい状態でないと判定する。各判定値は、放電の瞬時電力を低下させても、失火が発生する可能性が生じない運転状態と、失火が発生する可能性が生じる運転状態との境界に設定される。なお、一部の運転状態が判定されてもよい。
制御回路6は、着火しやすい状態であると判定した場合は、交流周波数fsw及び共振周波数frを第1の交流周波数fsw1及び第1の共振周波数fr1に変化させ、着火しやすい状態でないと判定した場合は、交流周波数fsw及び共振周波数frを第2の交流周波数fsw2及び第2の共振周波数fr2に変化させる。
<周波数の変化時の制御>
制御回路6は、DC/AC変換器2の交流電圧の出力中に、共振周波数fr及び交流周波数fswを増加させる際に、交流周波数fswを増加させた後、共振周波数frを増加させる。
この構成によれば、交流周波数fswが共振周波数frよりも先に増加されるので、交流周波数fswが、共振周波数frよりも低くなる期間が生じないようにできる。よって、交流周波数fswが、共振周波数frよりも低い周波数になり、DC/AC変換器2の出力電流が出力電圧に対して進み位相になることを抑制できる。これにより、DC/AC変換器2の各スイッチ21がオンオフされたときに、各スイッチ21に対して逆並列接続されたダイオードにリカバリ電流が流れて発熱することを防止できる。よって、DC/AC変換器2のスイッチ21の発熱を防ぐことができ、ヒートシンク等の冷却機構の大型化を防ぐことができる。
交流周波数fswを増加させた後、共振周波数frを増加させるまでの遅れ時間は、交流周波数fswが、共振周波数frよりも低くなる期間が生じないような時間に設定される。
本実施の形態では、制御回路6は、交流周波数fswを第1の交流周波数fsw1から第2の交流周波数fsw2に増加させた後、第1スイッチ回路321をオフからオンにして、共振周波数frを第1の共振周波数fr1から第2の共振周波数fr2に増加させる。
逆に、制御回路6は、DC/AC変換器2の交流電圧の出力中に、共振周波数fr及び交流周波数fswを低下させる際に、共振周波数frを低下させた後、交流周波数fswを低下させる。
この構成によれば、共振周波数frが交流周波数fswよりも先に低下されるので、交流周波数fswが、共振周波数frよりも低くなる期間が生じないようにできる。よって、交流周波数fswが、共振周波数frよりも低い周波数になり、DC/AC変換器2の出力電流が出力電圧に対して進み位相になることを抑制できる。これにより、DC/AC変換器2の各スイッチ21がオンオフされたときに、各スイッチ21に対して逆並列接続されたダイオードにリカバリ電流が流れて発熱することを防止できる。よって、DC/AC変換器2のスイッチ21の発熱を防ぐことができ、ヒートシンク等の冷却機構の大型化を防ぐことができる。
共振周波数frを低下させた後、交流周波数fswを低下させるまでの遅れ時間は、交流周波数fswが、共振周波数frよりも低くなる期間が生じないような時間に設定される。
本実施の形態では、制御回路6は、第1スイッチ回路321をオンからオフにして、共振周波数frを第2の共振周波数fr2から第1の共振周波数fr1に低下させた後、交流周波数fswを第2の交流周波数fsw2から第1の交流周波数fsw1に低下させる。
或いは、制御回路6は、交流周波数fsw及び共振周波数frを変化させる際に、DC/AC変換器2の交流電圧の出力を停止し、交流電圧の出力停止中に、共振周波数frを変化させ、交流電圧の出力再開時に、交流周波数fswを変化させてもよい。
この構成によれば、交流電力の出力停止後、DC/AC変換器2の交流電力の出力再開時には、既に、共振周波数frが、交流周波数fswよりも低くなっているので、交流周波数fswが、共振周波数frよりも低くなる期間が生じないようにできる。よって、交流周波数fswが、共振周波数frよりも低い周波数になり、DC/AC変換器2の出力電流が出力電圧に対して進み位相になることを抑制できる。これにより、DC/AC変換器2の各スイッチ21がオンオフされたときに、各スイッチ21に対して逆並列接続されたダイオードにリカバリ電流が流れて発熱することを防止できる。よって、DC/AC変換器2のスイッチ21の発熱を防ぐことができ、ヒートシンク等の冷却機構の大型化を防ぐことができる。
<制御挙動の説明>
次に、図5のタイミングチャートを用いて、制御挙動について説明する。初期状態として、制御回路6は、周波数切換信号S_flagをロー(0)に設定しており、スイッチ駆動信号S3をロー(0)に設定し、第1スイッチ回路321をオフにし、共振周波数frを第1の共振周波数fr1に変化させている。また、制御回路6は、交流周波数fswを第1の交流周波数fsw1に設定している。
制御回路6は、放電開始時期の所定時間前の時刻t0で、放電開始信号S1を0から1に切り替え、放電開始時期の時刻t1で、放電開始信号S1を1から0に切り替える。放電開始信号S1が1から0に切り替わったときに、制御回路6は、放電期間信号S2を0から1に切り替える。上述したように、制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて決定した放電時間が経過した時刻t2で、放電期間信号S2を1から0に切り替える。
制御回路6は、放電期間信号S2が1である時刻t1から時刻t2までの期間において、上述したように、DC/AC変換器2のスイッチ21をオンオフ制御して、DC/AC変換器2に第1の交流周波数fsw1の交流電圧を出力させ、点火プラグ4に供給させる。第1の交流周波数fsw1は、第1の共振周波数fr1の近傍の増幅周波数帯内に設定されているので、周波数変更接続回路3により増幅された交流電圧Vが点火プラグ4に印加される。点火プラグ4に誘電バリア放電が発生し、混合気が点火される。
制御回路6は、放電期間信号S2が0である期間では、DC/AC変換器2のスイッチ21のオンオフ制御を停止し、交流電力の出力を停止させる。
時刻t3で、次の燃焼サイクルの点火制御の制御パラメータの判定タイミングになったので、制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて、次の燃焼サイクルの放電開始時期、放電期間、周波数切換信号S_flag等の制御パラメータを決定する。本例では、制御回路6は、前回の燃焼において内燃機関の失火を検知した、又は、内燃機関の運転状態に基づいて、着火しにくい状態であると判定したので、放電の瞬時電力の増加が必要であると判定し、周波数切換信号S_flagを1に設定している。
そして、時刻t4で、制御回路6は、周波数切換信号S_flagに基づいて、交流周波数fsw及び共振周波数frを設定する。制御回路6は、周波数切換信号S_flagが1に設定されているので、交流周波数fswを第2の交流周波数fsw2に設定し、スイッチ駆動信号S3を0から1に切り替え、第1スイッチ回路321をオンさせ、共振周波数frを第2の共振周波数fr2に変化させる。
制御回路6は、放電開始時期の所定時間前の時刻t5で、放電開始信号S1を0から1に切り替え、放電開始時期の時刻t6で、放電開始信号S1を1から0に切り替える。放電開始信号S1が1から0に切り替わったときに、制御回路6は、放電期間信号S2を0から1に切り替える。制御回路6は、放電時間が経過した時刻t7で、放電期間信号S2を1から0に切り替える。
制御回路6は、放電期間信号S2が1である時刻t6から時刻t7までの期間において、上述したように、DC/AC変換器2のスイッチ21をオンオフ制御して、DC/AC変換器2に第2の交流周波数fsw2の交流電圧を出力させ、点火プラグ4に供給させる。第2の交流周波数fsw2は、第2の共振周波数fr2の近傍の増幅周波数帯内に設定されているので、周波数変更接続回路3により増幅された交流電圧Vが点火プラグ4に印加される。点火プラグ4に誘電バリア放電が発生し、混合気が点火される。共振周波数frが増加されているので、放電の瞬時電力が増加され、着火しにくい状態で混合気の着火性を向上させることができる。
時刻t8で、次の燃焼サイクルの点火制御の制御パラメータの判定タイミングになったので、制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて、次の燃焼サイクルの放電開始時期、放電期間、周波数切換信号S_flag等の制御パラメータを決定する。本例では、制御回路6は、前回の燃焼において内燃機関の失火を検知しておらず、内燃機関の運転状態に基づいて、着火しにくい状態でないと判定したので、放電の瞬時電力の増加が必要でないと判定し、周波数切換信号S_flagを0に設定している。
そして、時刻t9で、制御回路6は、周波数切換信号S_flagに基づいて、交流周波数fsw及び共振周波数frを設定する。制御回路6は、周波数切換信号S_flagが0に設定されているので、交流周波数fswを第1の交流周波数fsw1に設定し、スイッチ駆動信号S3を1から0に切り替え、第1スイッチ回路321をオフさせ、共振周波数frを第1の共振周波数fr1に変化させる。
制御回路6は、放電開始時期の所定時間前の時刻t10で、放電開始信号S1を0から1に切り替え、放電開始時期の時刻t11で、放電開始信号S1を1から0に切り替える。放電開始信号S1が1から0に切り替わったときに、制御回路6は、放電期間信号S2を0から1に切り替える。制御回路6は、放電時間が経過した時刻t12で、放電期間信号S2を1から0に切り替える。
制御回路6は、放電期間信号S2が1である時刻t11から時刻t12までの期間において、上述したように、DC/AC変換器2のスイッチ21をオンオフ制御して、DC/AC変換器2に第1の交流周波数fsw1の交流電圧を出力させ、点火プラグ4に供給させる。第1の交流周波数fsw1は、第1の共振周波数fr1の近傍の増幅周波数帯内に設定されているので、周波数変更接続回路3により増幅された交流電圧が点火プラグ4に印加される。点火プラグ4に誘電バリア放電が発生し、混合気が点火される。着火しにくい状態でないので、共振周波数frが低下され、放電の瞬時電力が低下されている。よって、放電エネルギーの低減することができ、消費電力を低減することができる。
図5の例では、制御回路6は、燃焼サイクル毎に、交流周波数fsw及び共振周波数frを変化していたが、燃焼サイクル毎に変化しなくてもよい。例えば、制御回路6は、放電期間中に、交流周波数fsw及び共振周波数frを変化してもよい。また、制御回路6は、放電期間中に、共振周波数frを変化させないが、交流周波数fswを共振周波数frの増幅周波数帯内で変化させてもよい。
また、周波数変更接続回路3はトランス33を備えなくてもよい。この場合は、グランドに接続された点火プラグ4の第2電極42とDC/AC変換器2の他方の出力端子が接続されるため、DC/AC変換器2にフルブリッジ回路を用いることができない。そのため、DC/AC変換器2には、ハーフブリッジ回路等が用いられる。ただし、直流電源7又はDC/AC変換器2の入力側に絶縁型のDC/DCコンバータが用いられる場合は、DC/AC変換器2がグランドから浮いた電位になるため、DC/AC変換器2にフルブリッジ回路が用いられる。
2.実施の形態2
次に、実施の形態2に係る点火システムについて図面を参照して説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る点火システムの基本的な構成及び処理は実施の形態1と同様である。実施の形態1では、周波数変更接続回路3は、2段階に共振周波数frを変化させたが、本実施の形態では、周波数変更接続回路3は、3段階以上に共振周波数frを変化させる点が実施の形態1と異なる。
図7は、本実施の形態に係る周波数変更接続回路3の概略回路図である。実施の形態1と同様に、周波数変更接続回路3は、第1インダクタ31、トランス33、及び第2インダクタ34を備えている。本実施の形態では、周波数変更接続回路3は、第1インダクタ31に並列接続された第1スイッチ回路321に加えて、第1インダクタ31に並列接続された第2スイッチ回路322及びインピーダンス要素35を備えている。第2スイッチ回路322とインピーダンス要素35とは直列に接続されている。インピーダンス要素35は、インダクタンス又はキャパシタンスを有している。以下では、インピーダンス要素35が、第1インダクタ31と同等のインダクタンスL1を有する場合を説明する。第2スイッチ回路322は、第1スイッチ回路321と同様に、2つの半導体のスイッチが直列に接続された双方向スイッチ又は機械的スイッチであってもよい。第2スイッチ回路322は、第1スイッチ回路321と同様に、制御回路6によりオン又はオフにされる。
図8に示すように、第1スイッチ回路321及び第2スイッチ回路322を組み合わせてオン又はオフにすることにより、第1インダクタ31、第1スイッチ回路321及び第2スイッチ回路322の並列接続回路全体のインダクタを、3段階に変化させることができ、共振周波数frを、3段階に変化させることができる。
詳細には、第1スイッチ回路321及び第2スイッチ回路322をオフにすることで、並列接続回路全体のインダクタが、第1インダクタ31のインダクタンスL1になり、共振周波数frは、実施の形態1と同様の第1の共振周波数fr1になる。第1スイッチ回路321をオンにし、第2スイッチ回路322をオフ又はオンにすることで、並列接続回路全体のインダクタが0になり、共振周波数frは、実施の形態1と同様の第2の共振周波数fr2になる。第1スイッチ回路321をオフにし、第2スイッチ回路322をオンにすることで、並列接続回路全体のインダクタが、第1インダクタ31及びインピーダンス要素35を合成した、L1/2になり、共振周波数frは、第3の共振周波数fr3になる。第3の共振周波数fr3は、第1の共振周波数fr1と第2の共振周波数fr2の間の周波数になる(fr1<fr3<fr2)。
実施の形態1と同様に、制御回路6は、共振周波数frの変化に連動して、交流周波数fswを変化させる。図9に、周波数の連動変化の概念図を示す。横軸は周波数を示し、縦軸は、DC/AC変換器2から出力される交流電圧の振幅に対する点火プラグ4に印加される交流電圧の振幅のゲインを示す。ゲインが1より大きい場合に、負荷共振回路により増幅されていることを示す。図9の曲線Aは、負荷共振回路が第1の共振周波数fr1に変化されているときの、各周波数と負荷共振回路の増幅ゲインとの特性であり、曲線Bは、負荷共振回路が第2の共振周波数fr2に変化されているときの、各周波数と負荷共振回路の増幅ゲインとの特性であり、曲線Cは、負荷共振回路が第3の共振周波数fr3に変化されているときの、各周波数と負荷共振回路の増幅ゲインとの特性である。
図9のfsw1は、第1の共振周波数fr1に対応して設定される第1の交流周波数であり、fsw2は、第2の共振周波数fr2に対応して設定される第2の交流周波数fswであり、fsw3は、第3の共振周波数fr3に対応して設定される第3の交流周波数fswである。図9に示すように、制御回路6は、交流周波数fswを、各共振周波数frの近傍の増幅周波数帯内に変化させる。また、制御回路6は、交流周波数fswを、増幅周波数帯内であって、共振周波数fr以上の周波数に変化させる。
詳細には、第1の交流周波数fsw1は、第1の共振周波数fr1の増幅周波数帯内であって、第1の共振周波数fr1以上の周波数に設定されている。第2の交流周波数fsw2は、第2の共振周波数fr2の増幅周波数帯内であって、第2の共振周波数fr2以上の周波数に設定されている。第3の交流周波数fsw3は、第3の共振周波数fr3の増幅周波数帯内であって、第3の共振周波数fr3以上の周波数に設定されている。なお、第1の交流周波数fsw1、第2の交流周波数fsw2、及び第3の交流周波数fsw3は、第1の共振周波数fr1、第2の共振周波数fr2、及び第3の共振周波数fr3に対応させて記憶装置61に予め記憶されている。
第3の交流周波数fsw3及び第3の共振周波数fr3のときの第3の放電の瞬時電力W3は、第1の交流周波数fsw1及び第1の共振周波数fr1のときの第1の放電の瞬時電力W1よりも大きく、第2の交流周波数fsw2及び第2の共振周波数fr2のときの第2の放電の瞬時電力W2よりも小さい(W1<W3<W2)。
本実施の形態では、制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて、必要となる放電の瞬時電力を3段階に判定し、判定結果に基づいて、交流周波数fsw及び共振周波数frを3段階に変化させる。燃焼状態の向上及び消費電力の低減を、細かく行うことができる。
例えば、制御回路6は、失火を検出した場合、又は内燃機関の運転状態に基づいて着火しにくい状態であると判定した場合は、交流周波数fsw及び共振周波数frを第2の交流周波数fsw2及び第2の共振周波数fr2に変化させ、制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて着火しやすい状態であると判定した場合は、交流周波数fsw及び共振周波数frを第1の交流周波数fsw1及び第1の共振周波数fr1に変化させ、それ以外の場合は、交流周波数fsw及び共振周波数frを第3の交流周波数fsw3及び第3の共振周波数fr3に変化させる。
なお、周波数変更接続回路3は、他のインダクタンス要素に対して、並列に接続されたスイッチ回路を備えてもよく、3段階以上に共振周波数frを変化させてもよい。例えば、トランス33の1次巻線33a、トランス33の2次巻線33b、第2インダクタ34、点火プラグ4に対して並列にスイッチ回路が接続されてもよい。
或いは、第1インダクタ31に直列に接続されたスイッチを備え、制御回路6は必要に応じてオンオフしてもよい。
3.実施の形態3
次に、実施の形態3に係る点火システムについて図面を参照して説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る点火システムの基本的な構成及び処理は実施の形態1と同様である。実施の形態1では、制御回路6は、点火のための誘電体バリア放電を発生させたが、本実施の形態では、制御回路6は、化学的活性種(ラジカル)を発生させるための誘電体バリア放電も発生させる点が実施の形態1と異なる。
燃料と空気の混合気は、燃焼室内を流動しているため、混合気に含まれる分子は、点火プラグ4の近傍を流れるときに放電エネルギーを受ける。そのため、混合気の個々の分子に対して与えられる放電エネルギーは、点火プラグ4の放電の瞬時電力(放電のエネルギー密度)を増加又は減少させることで、増加又は減少される。
特許文献1によれば、バリア放電はラジカルを生成して着火後の燃焼を促進するほか、局所的に強いラジカルを発生させて燃料と反応させることで燃料に直接点火することが可能である。
そこで、制御回路6は、内燃機関の運転状態に応じて、着火後の燃焼を促進する燃焼支援としてのラジカル生成及び燃料への直接点火のいずれを行うか判定し、判定結果に基づいて、交流周波数fsw及び共振周波数frを変化させ、放電の瞬時電力を変化させる。
本実施の形態では、制御回路6は、燃焼室内への空気の流入が開始してから、点火を開始するまでの期間に設定された点火前期間と、点火を行う点火期間とにおいて、DC/AC変換器2に交流電力を出力させる。そして、制御回路6、点火前期間の交流周波数fsw及び共振周波数frと、点火期間の交流周波数fsw及び共振周波数frと、を変化させる。
この構成によれば、点火前期間においてラジカルを生成するために適した周波数及び放電の瞬時電力と、点火期間において点火をするために適した周波数及び放電の瞬時電力と、設定することができる。
特に、空燃比がリーンである場合、排気ガス再循環率が高い場合等の混合気の着火性が悪い運転状態において、点火前期間を設け、バリア放電を行い、ラジカルを生成すれば、着火性を向上させることができる。
制御回路6は、点火期間の交流周波数fsw及び共振周波数frを、点火前期間の交流周波数fsw及び共振周波数frよりも高くする。
本実施の形態では、制御回路6は、点火前期間の交流周波数fsw及び共振周波数frを、第1の交流周波数fsw1及び第1の共振周波数fr1に変化させ、点火期間の交流周波数fsw及び共振周波数frを、第2の交流周波数fsw2及び第2の共振周波数fr2に変化させる。
この構成によれば、点火前期間では、ラジカルを生成するが点火には至らない、比較的に低い放電の瞬時電力を発生させ、点火期間では、点火に至る比較底に高い放電の瞬時電力を発生させることができる。
図10のタイミングチャートを参照して、本実施の形態に係る制御回路6の処理の一例を説明する。横軸は時間を示し、縦軸はそれぞれの信号、周波数の状態、電圧、1点火あたりのエネルギーを示す。信号は、1のときにハイであることを表し、0のときにローであることを表す。
制御回路6は、放電開始時期の所定時間前の時刻t10で、放電開始信号S1を0から1に切り替え、放電開始時期の時刻t11で、放電開始信号S1を1から0に切り替える。放電開始信号S1が1から0に切り替わったときに、制御回路6は、放電期間信号S2を0から1に切り替える。制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて、点火前期間を決定し、点火前期間の開始時期を放電開始時期に設定する。そして、制御回路6は、点火前期間の終了時期の時刻t12で、放電期間信号S2を1から0に切り替える。点火前期間では、制御回路6は、周波数切換信号S_flagをロー(0)に設定しており、スイッチ駆動信号S3をロー(0)に設定し、第1スイッチ回路321をオフにし、共振周波数frを第1の共振周波数fr1に変化させている。
制御回路6は、放電期間信号S2が1である時刻t11から時刻t12までの点火前期間において、上述したように、DC/AC変換器2のスイッチ21をオンオフ制御して、DC/AC変換器2に第1の交流周波数fsw1の交流電圧を出力させ、点火プラグ4に供給させる。第1の交流周波数fsw1は、第1の共振周波数fr1の近傍の増幅周波数帯内に設定されているので、周波数変更接続回路3により増幅された交流電圧が点火プラグ4に印加される。点火プラグ4に比較的に低い瞬時の放電電力の誘電バリア放電が発生し、空気、又は空気と燃料の混合気にラジカルが生成される。
時刻t12の後の時刻t13において、制御回路6は、点火期間のバリア放電のために、周波数切換信号S_flagを0から1に変更する。時刻t13の後の時刻t14において、制御回路6は、周波数切換信号S_flagが1に設定されているので、交流周波数fswを第2の交流周波数fsw2に設定し、スイッチ駆動信号S3を0から1に切り替え、第1スイッチ回路321をオンさせ、共振周波数frを第2の共振周波数fr2に変化させる。
そして、時刻t15で、制御回路6は、点火期間の開始時期になったので、放電期間信号S2を0から1に切り替える。時刻t16で、制御回路6は、点火期間の終了時期になったので、放電期間信号S2を1から0に切り替える。制御回路6は、内燃機関の運転状態に基づいて、点火期間を決定する。点火期間は、失火が検知されたときに、長くされてもよい。
制御回路6は、放電期間信号S2が1である時刻t15から時刻t16までの点火期間において、DC/AC変換器2のスイッチ21をオンオフ制御して、DC/AC変換器2に第2の交流周波数fsw2の交流電圧を出力させ、点火プラグ4に供給させる。第2の交流周波数fsw2は、第2の共振周波数fr2の近傍の増幅周波数帯内に設定されているので、周波数変更接続回路3により増幅された交流電圧が点火プラグ4に印加される。点火プラグ4に比較的に高い瞬時の放電電力の誘電バリア放電が発生し、混合気が点火される。
制御回路6は、燃焼サイクル毎に、時刻t10から時刻t16までの処理を繰り返し実行する。
図10の例では、点火前期間と点火期間の間の時刻t12から時刻t15までの期間で、DC/AC変換器2の交流電圧の出力が停止されている。すなわち、制御回路6は、交流周波数fsw及び共振周波数frを変化させる際に、DC/AC変換器2の交流電圧の出力を停止し、交流電圧の出力停止中に、共振周波数frを変化させ、交流電圧の出力再開時に、交流周波数fswを変化させている。
この構成によれば、実施の形態1で説明したように、DC/AC変換器2の出力電流が出力電圧に対して進み位相になることを抑制できる。これにより、DC/AC変換器2の各スイッチ21がオンオフされたときに、各スイッチ21に対して逆並列接続されたダイオードにリカバリ電流が流れて発熱することを防止できる。よって、DC/AC変換器2のスイッチ21の発熱を防ぐことができ、ヒートシンク等の冷却機構の大型化を防ぐことができる。
交流電圧の出力停止期間は、停止前に負荷共振回路に流れていた電流が1/10以下に減衰するまでの期間に設定されるとよい。電流が十分に減衰した後に、交流電圧の出力を再開すると、リカバリ電流を確実に低減でき、発熱を確実に低減できる。
或いは、点火前期間と点火期間の間に、DC/AC変換器2の交流電圧の出力を停止する出力停止期間を設けなくてもよい。この場合は、実施の形態1で説明したように、制御回路6は、DC/AC変換器2の交流電圧の出力中に、共振周波数fr及び交流周波数fswを増加させる際に、交流周波数fswを増加させた後、共振周波数frを増加させてもよい。
例えば、制御回路6は、点火時期の直前に、交流周波数fswを第1の交流周波数fsw1から第2の交流周波数fsw2に変化させ、点火時期で、共振周波数frを第1の共振周波数fr1から第2の共振周波数fr2に変化させる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 内燃機関、2 DC/AC変換器、3 周波数変更接続回路、4 点火プラグ、6 制御回路、7 直流電源、13 燃焼室、21 DC/AC変換器のスイッチ、31 第1インダクタ、32 周波数変更回路(スイッチ)、33 トランス、41 第1電極、42 第2電極、43 誘電体、321 第1スイッチ回路、322 第2スイッチ回路、fr 共振周波数、fr1 第1の共振周波数、fr2 第2の共振周波数、fr3 第3の共振周波数、fsw 交流周波数、fsw1 第1の交流周波数、fsw2 第2の交流周波数、fsw3 第3の交流周波数

Claims (13)

  1. 直流電源から供給された直流電力を交流電力に変換する、スイッチを有するDC/AC変換器と、
    一対の電極、及び前記一対の電極の間に配置された誘電体を有し、内燃機関の燃焼室に配置される点火プラグと、
    前記DC/AC変換器と前記点火プラグとの間を接続し、前記DC/AC変換器から前記点火プラグまでの回路全体の共振周波数を変化させる周波数変更回路を有する周波数変更接続回路と、
    前記DC/AC変換器のスイッチをオンオフ制御して、前記DC/AC変換器に交流周波数の交流電圧を出力させ、前記点火プラグに供給させる制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記周波数変更接続回路の前記周波数変更回路を制御して前記共振周波数を変化させ
    前記共振周波数の変化に連動して、前記交流周波数を変化させ、前記交流周波数を、共振により前記DC/AC変換器の出力電圧に対して前記点火プラグの印加電圧が増幅される増幅周波数帯内に変化させる点火システム。
  2. 直流電源から供給された直流電力を交流電力に変換する、スイッチを有するDC/AC変換器と、
    一対の電極、及び前記一対の電極の間に配置された誘電体を有し、内燃機関の燃焼室に配置される点火プラグと、
    前記DC/AC変換器と前記点火プラグとの間を接続し、前記DC/AC変換器から前記点火プラグまでの回路全体の共振周波数を変化させる周波数変更回路を有する周波数変更接続回路と、
    前記DC/AC変換器のスイッチをオンオフ制御して、前記DC/AC変換器に交流周波数の交流電圧を出力させ、前記点火プラグに供給させる制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記周波数変更接続回路の前記周波数変更回路を制御して前記共振周波数を変化させ、前記交流周波数を変化させ、
    記内燃機関の失火を検知した場合に、前記交流周波数及び前記共振周波数を、失火を検出していない場合よりも高くする点火システム。
  3. 直流電源から供給された直流電力を交流電力に変換する、スイッチを有するDC/AC変換器と、
    一対の電極、及び前記一対の電極の間に配置された誘電体を有し、内燃機関の燃焼室に配置される点火プラグと、
    前記DC/AC変換器と前記点火プラグとの間を接続し、前記DC/AC変換器から前記点火プラグまでの回路全体の共振周波数を変化させる周波数変更回路を有する周波数変更接続回路と、
    前記DC/AC変換器のスイッチをオンオフ制御して、前記DC/AC変換器に交流周波数の交流電圧を出力させ、前記点火プラグに供給させる制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記周波数変更接続回路の前記周波数変更回路を制御して前記共振周波数を変化させ、前記交流周波数を変化させ、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、着火しにくい状態であるか否かを判定し、着火しにくい状態であると判定した場合に、前記交流周波数及び前記共振周波数を、着火しにくい状態でないと判定している場合よりも高くする点火システム。
  4. 直流電源から供給された直流電力を交流電力に変換する、スイッチを有するDC/AC変換器と、
    一対の電極、及び前記一対の電極の間に配置された誘電体を有し、内燃機関の燃焼室に配置される点火プラグと、
    前記DC/AC変換器と前記点火プラグとの間を接続し、前記DC/AC変換器から前記点火プラグまでの回路全体の共振周波数を変化させる周波数変更回路を有する周波数変更接続回路と、
    前記DC/AC変換器のスイッチをオンオフ制御して、前記DC/AC変換器に交流周波数の交流電圧を出力させ、前記点火プラグに供給させる制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記周波数変更接続回路の前記周波数変更回路を制御して前記共振周波数を変化させ、前記交流周波数を変化させ、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、着火しやすい状態であるか否かを判定し、着火しやすい状態であると判定したときに、前記交流周波数及び前記共振周波数を、着火しやすい状態でないと判定している場合よりも低くする点火システム。
  5. 直流電源から供給された直流電力を交流電力に変換する、スイッチを有するDC/AC変換器と、
    一対の電極、及び前記一対の電極の間に配置された誘電体を有し、内燃機関の燃焼室に配置される点火プラグと、
    前記DC/AC変換器と前記点火プラグとの間を接続し、前記DC/AC変換器から前記点火プラグまでの回路全体の共振周波数を変化させる周波数変更回路を有する周波数変更接続回路と、
    前記DC/AC変換器のスイッチをオンオフ制御して、前記DC/AC変換器に交流周波数の交流電圧を出力させ、前記点火プラグに供給させる制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記周波数変更接続回路の前記周波数変更回路を制御して前記共振周波数を変化させ、前記交流周波数を変化させ、
    記DC/AC変換器の交流電圧の出力中に、前記共振周波数及び前記交流周波数を増加させる際に、前記交流周波数を増加させた後、前記共振周波数を増加させる点火システム。
  6. 直流電源から供給された直流電力を交流電力に変換する、スイッチを有するDC/AC変換器と、
    一対の電極、及び前記一対の電極の間に配置された誘電体を有し、内燃機関の燃焼室に配置される点火プラグと、
    前記DC/AC変換器と前記点火プラグとの間を接続し、前記DC/AC変換器から前記点火プラグまでの回路全体の共振周波数を変化させる周波数変更回路を有する周波数変更接続回路と、
    前記DC/AC変換器のスイッチをオンオフ制御して、前記DC/AC変換器に交流周波数の交流電圧を出力させ、前記点火プラグに供給させる制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記周波数変更接続回路の前記周波数変更回路を制御して前記共振周波数を変化させ、前記交流周波数を変化させ、
    前記燃焼室内への空気の流入が開始してから、点火を開始するまでの期間に点火前期間と、点火を行う点火期間とにおいて、前記DC/AC変換器に交流電力を出力させ、前記点火前期間の前記交流周波数及び前記共振周波数と、前記点火期間の前記交流周波数及び前記共振周波数と、を変化させ、
    前記点火期間の前記交流周波数及び前記共振周波数を、前記点火前期間の前記交流周波数及び前記共振周波数よりも高くする点火システム。
  7. 前記周波数変更接続回路は、2つ以上のインダクタと、前記周波数変更回路として、前記回路全体に対する前記インダクタの接続関係を変化させる1つ以上のスイッチと、を有し、前記周波数変更接続回路のスイッチのオン又はオフにより、前記回路全体のインダクタンスが変化し、前記共振周波数が変化する請求項1から6のいずれか一項に記載の点火システム。
  8. 前記制御回路は、前記交流周波数を、前記増幅周波数帯内であって、前記共振周波数以上の周波数に変化させる請求項に記載の点火システム。
  9. 前記制御回路は、前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記交流周波数及び前記共振周波数を変化させる請求項1からのいずれか一項に記載の点火システム。
  10. 前記制御回路は、前記内燃機関の運転状態として、前記内燃機関の回転速度と、前記燃焼室内の圧力情報と、燃焼室の圧縮比と、空燃比と、排気ガス再循環率と、失火の有無とのうち少なくとも1つ以上を用いる請求項に記載の点火システム。
  11. 前記制御回路は、前記DC/AC変換器の交流電圧の出力中に、前記共振周波数及び前記交流周波数を低下させる際に、前記共振周波数を低下させた後、前記交流周波数を低下させる請求項1から10のいずれか一項に記載の点火システム。
  12. 前記制御回路は、前記交流周波数及び前記共振周波数を変化させる際に、前記DC/AC変換器の交流電圧の出力を停止し、交流電圧の出力停止中に、前記共振周波数を変化させ、交流電圧の出力再開時に、前記交流周波数を変化させる請求項1から4、及び6のいずれか一項に記載の点火システム。
  13. 前記周波数変更接続回路は、全てのスイッチがオフになった状態でも、前記DC/AC変換器から出力された交流電力を前記点火プラグに供給する請求項1から12のいずれか一項に記載の点火システム。
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