JP2006007134A - 水素透過装置、及びそれらの製造方法 - Google Patents

水素透過装置、及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、高価な金属及び合金の使用量を減少し、且つ薄くて均一な厚みのピンホールの無い水素透過金属膜を有する水素透過装置、及びこの製造方法を提供する。
【解決手段】 水素透過金属膜を有する水素透過装置は、水素透過装置が水素透過金属膜及び該水素透過金属膜を補強支持する多孔質金属補強支持体を有し、水素透過金属膜がピンホールを含まないで均一の厚みを有する薄膜であり、水素透過金属膜のいずれか一方の面を多孔質金属補強支持体で補強する。この水素透過装置の製造方法は、水素透過金属膜を堆積する仮支持担体を準備する工程、仮支持担体の一表面上に下塗り層を設ける工程、下塗り層上に水素透過金属膜を堆積させる工程、水素透過金属膜の上に水素透過性金属以外の別種の多孔質金属補強支持体を堆積する工程、及び下塗り層を溶解して多孔質金属補強支持体で補強された水素透過金属膜を仮支持担体から取り外しする工程を含む。
【選択図】 図4

Description

本発明は、水素透過金属膜をピンホールの無い状態で形成して、この形成後または形成と同時に別種の金属の多孔質補強支持体で補強した水素透過金属膜を備える水素透過装置、及び水素透過装置を製造する方法に関する。
水素透過装置は、メタン含有ガスと水蒸気、及びメタノールと水(水蒸気)を用いる燃料改質装置等において、水素を分離精製するために使用されている。従来の水素透過装置の水素透過金属膜は、圧延法による金属薄膜単体でできているか、またはスパッタリング及び電解メッキ等の方法を用いて、パラジウムまたはこれらの合金を多孔質のセラミック補強支持体に直接堆積させることにより形成されている。しかしながら、水素の透過に悪影響を及ぼすピンホールが無く且つ水素透過効率を上げるために薄くて均一厚みを有する水素透過金属膜を多孔質のセラミック補強支持体に形成することが困難である。また金属薄膜単体は、少なくとも20μmの厚みとなってしまう。また、多孔質のセラミックで形成されている水素透過金属膜のセラミック補強支持体は、水素透過装置の振動や熱応力発生によりセラミック自体が割れやすく、且つ高温度の雰囲気中では種々の材質変化などの問題が生じている。
特に、車両などの移動体用の燃料改質器に搭載される水素透過金属膜は、現実にはほとんどパラジウムとパラジウム−銀合金またはパラジウム−銅合金が使用されている。水素透過金属膜を形成するパラジウム及びこれらの合金は非常に高価であるので、膜厚を均一且つ薄くすることが要求されている。すなわち、この燃料改質器に使用される水素透過金属膜の最大の課題は、非常に高価な金属及びそれらの合金の使用量を減少させることによって、これらの装置の価格を低下させることである。
特願平2001−003054号 特願平2001−000000号
本発明は、非常に高価な金属及びそれらの合金の使用量を減少し、従来の水素透過金属膜より薄くて均一な厚みの薄膜をピンホールの無い状態で形成して、その後水素透過性金属以外の別種の多孔質金属補強支持体で水素透過膜を補強した水素透過金属膜を有する水素透過装置、及びこの水素透過装置の製造方法に関する。
本発明の水素透過装置は、水素透過金属膜(パラジウム及びパラジウム−銀合金またはパラジウム−銅合金)をプラスチック板やガラス板等の仮支持担体の表面にスパッタリング等を用いて堆積形成することにより、従来の水素透過金属膜と比較してその膜厚を薄く形成することができる。さらにこの水素透過金属膜の堆積後、この仮支持担体の表面に形成されている水素透過金属膜を補強するために、仮支持担体とは反対側の水素透過金属膜の表面に、メッキ等の方法を用いて水素透過金属以外の別種の金属膜を多孔質状に堆積形成する。さらにその後、多孔質金属補強支持体で補強された水素透過金属膜は、仮支持担体から取り外される。
上述するように、本発明の水素透過装置に備わる水素透過金属膜は、従来の水素透過装置に比較して水素透過金属膜を薄くすることができたために、単位面積あたりの水素透過量が格段に向上させることができ、且つ高価な水素透過金属膜(パラジウム及びパラジウム−銀合金)の使用量が減少できたものである。さらに、
(1)製作方法の利点としては、従来の方法は、水素透過金属膜のセラミック補強支持体として作用する多孔質体に直接水素透過性金属膜を形成するために、水素透過金属膜自体にピンホールの発生率が高くなり膜厚が厚くなってしまう。一方本発明の製造方法は、比較的滑らかなで平面に近い仮支持担体(例えばポリエチレンテレフタレート板)上の下塗り層膜に水素透過膜を形成するために、膜厚が最も薄くても水素透過金属膜にピンホールの発生を抑制することができた。
(2)従来の圧延法で作った金属薄膜を利用した水素透過装置では、水素透過膜の膜厚の下限値は20μmまでが限度であった。本発明の平面に近い仮支持担体上の下塗り層膜に水素透過膜を形成したものでは、10nmまでの薄膜にすることが可能であった。その結果高価なパラジウムの使用量を大幅に削減することができる。
(3)水素透過量は膜厚に対して一次反比例するので、本発明の水素透過装置は水素透過量を大幅な増加ができるとともにパラジウムの使用量を大幅に削減することができる。
(4)従来の方法は多孔質のセラミック補強支持体を使用するのに対して、本発明の方法は、比較的滑らかで平面に近い仮支持担体(例えばポリエチレンテレフタレート板)を用いるので、装置及び工程手順共に簡単であり、その製作コストが非常に安くなる。さらに、形成された水素透過装置が、振動、熱膨張・収縮に対して非常に耐久性を向上することができる。
本発明の水素透過装置は、プラスチック板等の仮支持担体の下塗り層表面にあらかじめ水素透過金属膜を被覆形成して、その後この水素透過金属膜を補強支持するために、水素透過金属膜上に別種の金属膜を多孔状に被覆形成して多孔質金属膜で被覆補強して、さらに下塗り層を溶解して仮支持担体を取り外すものである。
具体的には、本発明の水素透過金属膜2を有する水素透過装置1は、水素透過装置1が水素透過金属膜2及び該水素透過金属膜2を補強支持する多孔質金属補強支持体3を有し、水素透過金属膜2がピンホールを含まないで均一の厚みを有する薄膜であり、水素透過金属膜2のいずれか一方の面を多孔質金属補強支持体3で補強したことを特徴とする。
また、本発明の水素透過装置1は、水素透過金属被膜2が、パラジウム、75〜79wt%のパラジウムと21〜25wt%の銀とからなる合金、50〜70wt%のパラジウムと30〜50wt%の銅とからなる合金のいずれか1種からなることを特徴とする。好ましいパラジウム−銅合金は、Pd60wt%−Cu40wt%の組成を有する。
また、本発明の水素透過装置1は、多孔質金属補強支持体3が、ニッケル、銅、鉄、亜鉛及びこれらの金属からなる合金のいずれか1種から成ることを特徴とする。この多孔質金属支持体の厚みは、水素透過膜の補強のために5μm異状の厚みを必要とし、且つ水素透過効率の観点から5000μm以下とする
本発明の多孔質金属補強支持体3で補強された水素透過金属膜2を有する水素透過装置1の製造方法は、水素透過金属膜2を堆積させるための仮支持担体4を準備する工程、仮支持担体4のいずれか一表面上に下塗り層5を設ける工程、下塗り層5上に水素透過金属膜2を堆積させる工程、水素透過金属膜2の上に水素透過性金属以外の別種の多孔質金属補強支持体3を堆積する工程、及び下塗り層5を溶解して除去することにより多孔質金属補強支持体3で補強された水素透過金属膜2を仮支持担体4から取り外しする工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の水素透過装置1の製造方法は、下塗り層上に水素透過金属膜2を堆積させる工程、及び水素透過金属膜2の上に水素透過性金属以外の別種の多孔質金属補強支持体3を堆積する工程を同時に実施することを特徴とする。
さらに、本発明の多孔質金属補強支持体3で補強された水素透過金属膜2を有する水素透過装置1の製造方法は、水素透過金属膜2を堆積させる仮支持担体4を準備する工程、仮支持担体4のいずれか一表面上に下塗り層5を設ける工程、下塗り層5上に水素透過金属膜2を堆積させる工程、水素透過金属膜2の上にフィルムレジスト7を積層する工程、フィルムレジスト7をパターン化処理する工程、パターン化処理したフィルムレジスト7の上に、水素透過性金属以外の別種の金属補強支持体を堆積させ、多孔質金属補強支持体3を形成する工程、及び記下塗り層5及びフィルムレジスト7を溶解することにより金属補強支持体3を多孔化することで得られる多孔質金属補強支持体3で補強された水素透過金属膜2を仮支持担体4から取り外しする工程を含むことを特徴とする。
本発明の水素透過装置1は、本発明の製造方法である逆ビルドアップ法を用いて製造する。図1の(a)〜(d)を参照して、本発明の逆ビルドアップ法を以下に説明する。なお、従来の水素透過金属膜21は、図6に示すように、スパッタリング及び電解メッキ等の方法を用いて、パラジウムまたはこれらの合金の薄膜22を多孔質のセラミック補強支持体23に直接堆積させることにより形成されている。
実施例1
(1)第1の工程で、本発明の水素透過装置1は、図1の(a)に示すように、仮支持担体4となるプラスチック板(例えば、一片が10cm〜1mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)を用意して、このプラスチック板のいずれか一面に下塗り層5としての可溶性の膜を形成する。この仮支持担体4は、その一面に水素透過装置1が形成された後に、下塗り層5を適切な有機溶液により溶解させて、水素透過装置から取り除かれるものであり、水素透過金属膜の多孔質の金属補強支持体3とは相違する。
したがって、この仮支持担体4は、水素透過金属膜2が形成された後に水素透過金属膜2を破損及び変形することなく容易に剥離できることが必要である。この仮支持担体4であるプラスチック板はガラス板に代えることもでき、ガラス板は繰り返し利用することができ有効である。
(2)次に、第2の工程で、本発明の水素透過装置1は、図1の(b)に示すように、仮支持担体4の下塗り層5の面上に、例えば、水素透過金属膜2であるパラジウムまたはパラジウム−銀合金等をスパッタ法等を用いて成膜する。このパラジウムまたはパラジウム−銀合金等の薄膜が水素透過金属膜2として作用する。スパッタ法は、特に極薄の膜を形成することができ且つ平坦な薄膜を形成することが可能であるために、従来技術では下限は20μmが限界であった。本発明の方法では、膜厚を10nm〜5μmの範囲の極薄の均一な膜を形成することができる。また、スパッタ法は、仮支持担体4に水素透過金属膜2を適正な剥離強度で被覆することができるので、仮支持担体4から水素透過金属膜2を容易に剥離することができる。
本発明においては、水素透過金属膜2の形成法としては、上記スッパタ法以外に、無電解メッキ及び通常の電解メッキらを使用することができる。本発明の水素透過金属膜2としては、パラジウム、75〜79wt%のパラジウムと21〜25wt%の銀からなる合金、及び50〜70wt%のパラジウムと30〜50wt%の銅とからなる合金等がある。
(3)さらに、第3の工程で、本発明の水素透過装置1は、図1の(c)に示すように、上記パラジウム金属及びパラジウム−銀合金の水素透過金属膜2を形成した後に、この水素透過金属膜2の導電性を利用して、水素透過金属膜2の上にニッケルからなる金属補強支持体3を硫酸ニッケルを用いた電解メッキ法により多孔質に被覆する。電解メッキされたこの多孔質状の金属補強支持体(ニッケル)3は、水素透過金属膜2を通過してくる水素が通過させることができ、並びに水素透過金属膜2の強度を十分に補強することができる厚みを必要とする。そこで、このNi電解メッキでは、金属補強支持体3は、ニッケル粒子間にピンホールが存在する粗い膜に形成する。本発明においては、析出するニッケル粒子を粗大化するように電解メッキの条件を設定して、ニッケル粒子間の間隙を水素の気体が通り抜けるようにした。
上記Niの粒子を被覆する電解メッキ法は、Niからなる多孔質金属補強支持体3と水素透過金属膜2との接着性がよく、装置及び工程手順が簡単である。代表的なメッキは、硫酸ニッケル六水和物水溶液200g/Lを用いて液温65℃電流0.1Aの一定条件で行う。また、この電解メッキでは、銅、バナジウム等をメッキすることにより、多孔質金属補強支持体3とすることができる。
上記電解メッキには硫酸ニッケルをメッキ液として利用したが、硫酸パラジウムと硫酸ニッケルとの混合メッキ溶液を電気メッキに用いると、多孔質ニッケル層の空孔を水素透過性被膜2であるパラジウムで被覆することができる。したがって、第1の硫酸ニッケルメッキ液と第2のパラジウムメッキ液との混合物メッキ溶液を電解メッキ液として用いることが有効である。
(4)さらに、第4の工程で、本発明の水素透過装置1は、図1の(d)に示すように、水素透過金属膜2の上に多孔質金属補強支持体3を形成した後、下塗り層5を適切な有機溶液により溶解させて、仮支持担体4から水素透過装置1を取り外す。下塗り層を溶剤はアセトン、メタノールエタノールが挙げられる。さらに、下塗り層によって異なるが脂肪族溶液(ヘキサン、シクロヘキサン、四塩化炭素及びクロロホルム等)及び芳香族溶液(ベンゼン、トルエン、ナフタレン及びクロロベンゼン等)が挙げられる。
さらに、仮支持担体4から水素透過装置1を取り外すために、光反応を利用して溶かす方法、及び化学的に溶解する方法がある。光反応を利用して下塗り層5を分解・除去する方法としては、仮支持担体4であるPETフィルム側またはガラス板側から下の下塗り層5に光を当ててN2 ガスやCO2 ガス等を発生させる光化学分離反応、例えばキノンジアジド化合物を利用して剥離することも可能である。
仮支持担体4から取り外した本発明の粗いニッケルメッキによる多孔質金属補強支持体3を形成した水素透過装置1の断面を、図2に模式的に示す。
実施例2
本発明の水素透過装置1の水素透過金属膜2は、前述したように10nm〜5μmの厚みにすることができる。しかし、上記実施例1により作成された本発明に水素透過装置1は、スッパッタリングによる1.5μm厚みのパラジウム合金被膜を、電解メッキによりメッキ時間20分、35分及び40分の間多孔質ニッケル(厚み約40ミクロン)で補強支持した。一方従来技術の圧延法による既存金属水素透過被膜は20μmの厚みであった。本発明及び従来技術のパラジウム合金被膜は、パラジウム質量当たりの水素透過率を示す。この水素透過装置1の水素透過試験の結果を図3に示す。図3において、本発明のメッキ時間30分のニッケル補強被膜を有するパラジウム合金被膜(黒四角印し)が、パラジウム質量当たり最も良い水素透過率(0.02〜0.05mol.s-1.m-2.Pa-1/2.g-1)を示した。また、本発明のメッキ時間30分の結果は、従来のもの(白丸印し)より優れていることも図3に示される。なお、メッキ時間20分及び25分の水素透過装置は、メッキによる補強支持体の形成が不十分であり水素以外の他のガスの漏れがあり、水素のみを選択する水素透過膜を形成することができなかった。
実施例3
本発明の実施例1に記載する工程を含む方法(以下において、逆ビルドアップ法と述べる)を応用して、さらに水素透過金属膜2を補強し且つ補強支持材3の多孔性を確実に向上させることができる。図4は、本発明の工程からなる逆ビルドアップ法を応用した第2の水素透過装置1の形成工程を示す図である。図4の(a)〜(c)に示す工程は、図1の(a)〜(c)に示す工程と同様であるので説明を省略する。本発明の第2の水素透過装置1は、水素透過金属膜2を仮支持担体3に形成した後に、図4の(d)及び(e)に示すように、フィルムレジスト7をラミネートし、その後光処理により柱状のフィルムレジスト7を形成させ、レジスト開口部8を形成する。さらにその後、図4の(f)及び(g)に示すように、レジスト開口部を電解メッキによって銅及びニッケル等で被覆してその後フィルムレジスト7を光学法等によって取り除き、水素透過金属膜2上にレジストでパターン化した金属補強支持体9を形成する。さらにその後、図4の(h)に示すように、下塗り層5を適切な有機溶剤で溶解して仮支持担体4を取り除く。それによって、パターン化した金属補強支持体9で補強支持された水素透過金属膜2を有する第2の水素透過装置1が得られる。なお、必要に応じて、図4の(h)に示す第2の水素透過装置1を2枚作り、図4の(i−1)に示すように、2枚を圧着することができる。この場合圧着面10は水素の透過に支障がないようにする。または、図4の(h)に示す水素透過装置1に、図4の(d)〜(g)工程を施して図4の(i−2)に示す両面をパターン化した金属補強支持体9で補強支持された水素透過金属膜2を有する第2の水素透過装置1が得られる。これらの両面を金属補強支持体3で補強支持された水素透過装置1は、同一の水素透過性を示しながらさらにその構造を強化することができる。
実施例4
図5は、本発明の工程からなる逆ビルドアップ法を応用した第3の水素透過装置の形成工程を示す図である。図5の(a)〜(c)に示す工程は、図1及び図4の(a)〜(c)に示す工程と同様であるので説明を省略する。本発明の第3の水素透過装置1は、水素透過金属膜2を仮支持担体3に形成した後に、図5の(d)に示すように、光処理によりフィルムレジストの柱11を形成する。その後、図5の(e)に示すように、レジストの柱11の間隙を電解メッキによって銅及びニッケル等で被覆してその後フィルムレジストの柱11を溶解法または光学法等によって取り除き、水素透過金属膜2上に空孔13でパターン化したニッケル多孔層からなる金属補強支持体12を形成する。さらにその後、図5の(f)に示すように、下塗り層5を適切な有機溶剤で溶解して仮支持担体4を取り除く。それによって、空孔13でパターン化した多孔質ニッケルの金属補強支持体9で補強支持された水素透過金属膜2を有する第2の水素透過装置1が得られる。なお、必要に応じて、図5の(f)の第2の水素透過装置1を2枚作り、図5の(g)に示すように、2枚を圧着することができる。
本発明の水素透過装置は、水素透過金属膜を保持する金属補強支持体を堅固の形成することが可能であり、特に振動の多い車両などの移動体用の燃料改質器に搭載することができる。さらに、本発明の水素透過装置は、水素透過金属膜を非常に薄くすることができるので価格を低減することが可能であるので、汎用の装置に装備することができる。
また、1枚当たりの水素透過量は、膜厚に一次反比例する。よって、例えば従来利用されている圧延法の金属水素透過薄膜の下限厚みの20μmの膜に比べ、膜厚が本発明の実施例の1μm程度になれば水素透過量は理論上約20倍になり、さらに例えば100nmの透過膜厚にすれば水素透過量は200倍程度に増加することができる。よって、従来の20μmの金属水素透過幕を基準とすれば、この従来膜と同じ水素透過量を得るに必要な膜面積を、理論上各々1/20、1/200に減少することができる。
すなわち、本発明による酸素透過膜を用いることで、目指す燃料改質器の大きさも格段に小さくすることが可能であり、改質器の低容量化、軽量化、膜厚材料使用量の削減並びに定コスト化格とを達成することができる。
本発明の水素透過装置を製造する方法の工程手順を示した図である。 本発明の第1の方法で製造した粗いニッケルメッキの金属補強支持体を有する水素透過装置の断面を示す模式図である。 本発明と従来技術との水素透過装置におけるPd質量あたりの水素透過率分布を示す図である。 本発明の工程からなる逆ビルドアップ法を応用した第2の水素透過装置の形成工程を示す図である。 本発明の工程からなる逆ビルドアップ法を応用した第3の水素透過装置の形成工程を示す図である。 従来技術の方法により製作した水素透過装置の断面の模式図を示す。
符号の説明
1 水素透過装置
2 水素透過金属膜
3 多孔質金属補強支持体
4 仮支持担体
5 下塗り層
6 セラミック補強支持体
7 レジスト
8 レジストの開口部
9 レジストでパターン化した金属補強支持体
10 圧着面
11 レジスト柱
12 空孔を有する金属補強支持体
13 空孔
21 従来技術の水素透過金属膜
22 パラジウムまたはこれらの合金の薄膜
23 多孔質のセラミック補強支持体

Claims (6)

  1. 水素透過金属膜を有する水素透過装置であって、
    前記水素透過装置は、水素透過金属膜及び該水素透過金属膜を補強支持する多孔質金属補強支持体を有し、
    前記水素透過金属膜は、ピンホールを含まないで均一の厚みを有する薄膜であり、
    前記水素透過金属膜のいずれか一方の面を、前記多孔質金属補強支持体で補強した
    ことを特徴とする水素透過金属膜を有する水素透過装置。
  2. 前記水素透過金属被膜が、パラジウム、75〜79wt%のパラジウムと21〜25wt%の銀とからなる合金、50〜70wt%のパラジウムと30〜50wt%の銅とからなる合金のいずれか1種からなることを特徴とする請求項1記載の水素透過装置。
  3. 前記多孔質金属補強支持体が、ニッケル、銅、鉄、亜鉛及びこれらの金属からなる合金のいずれか1種から成ることを特徴とする請求項1または2に記載の水素透過装置。
  4. 水素透過金属膜を有する水素透過装置の製造方法であって、
    前記水素透過金属膜を堆積させるための仮支持担体を準備する工程、
    前記仮支持担体のいずれか一表面上に下塗り層を設ける工程、
    前記下塗り層上に前記水素透過金属膜を堆積させる工程、
    前記水素透過金属膜の上に水素透過性金属以外の別種の多孔質金属補強支持体を堆積する工程、及び
    前記下塗り層を溶解して除去することにより、前記多孔質金属補強支持体で補強された水素透過金属膜を前記仮支持担体から取り外しする工程、
    を含むことを特徴とする多孔質金属補強支持体で補強された水素透過金属膜を有する水素透過装置の製造方法。
  5. 前記下塗り層上に前記水素透過金属膜を堆積させる工程、及び
    前記水素透過金属膜の上に水素透過性金属以外の別種の多孔質金属補強支持体を堆積する工程を同時に実施することを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  6. 水素透過金属膜を有する水素透過装置の製造方法であって、
    前記水素透過金属膜を堆積させる仮支持担体を準備する工程、
    前記仮支持担体のいずれか一表面上に下塗り層を設ける工程、
    前記下塗り層上に前記水素透過金属膜を堆積させる工程、
    前記水素透過金属膜の上にフィルムレジストを積層する工程、
    前記フィルムレジストをパターン化処理する工程、
    パターン化処理した前記フィルムレジストの上に、水素透過性金属以外の別種の金属補強支持体を堆積する工程、及び
    前記下塗り層及び前記フィルムレジストを溶解することにより、前記金属補強支持体を多孔化することで得られる多孔質金属補強支持体で補強された水素透過金属膜を前記仮支持担体から取り外しする工程、
    を含むことを特徴とする多孔質金属補強支持体で補強された水素透過金属膜を有する水素透過装置の製造方法。
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