JP6056023B2 - 金属複合水素透過膜とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池等に用いられる水素透過金属膜及びその製造技術に係り、より詳しくはパラジウム(Pd)合金膜を薄肉化し、その支持体として多孔質ニッケル(Ni)層を用いた金属複合水素透過膜とその製造方法に関する。
水素透過膜は、メタン含有ガス、液化石油ガス(LPG)、ガソリン、軽油、灯油、メチルシクロヘキサン、ジメチルエテルなどの気体または液体の炭化水素と水蒸気、及びメタノール、およびアルコール類と水(水蒸気)を用いる燃料改質装置等において、水素を分離精製するために使用される。通常の水素透過金属膜は、圧延法による金属薄膜単体でできているか、これを多孔質のセラミック補強支持体と貼り合わせることにより形成されている。
しかしながら、水素透過金属膜を多孔質のセラミック補強支持体に安定した状態で形成することは困難である。セラミック補強支持体は当該水素透過金属膜の振動や熱応力の発生によりセラミック自体が割れ易く、実用に必要な大面積を有したセラミック支持体の作成が困難である。かつ水素透過膜はセラミック支持体との接合は物理的な接触のみであるため、繰り返しの利用を経ると互いに剥離し、透過膜の破損が起こり、ピンホールが発生しやすく安定した水素透過性能を維持することが難しい。又、金属薄膜単体は展延法で作成できるが、少なくとも20μmの厚みとなってしまう。水素透過金属膜の形成に使用されるPd及びこれらの合金は、非常に高価であるため、膜厚を均一かつ薄くすることが要求されている。
そこで、従来、非常に高価な金属及びそれらの合金の使用量を減少し、これまでの水素透過金属膜より薄くて均一な厚みの薄膜をピンホールの無い状態で形成して、その後水素透過性金属以外の別種の多孔質金属補強支持体で水素透過膜を補強した金属複合水素透過膜が開発されている(特許文献1参照)。この方法はセラミックス支持体層を用いず、金属支持体を用いるため、振動、熱応力に強く実用に必要な大面積化が可能である。この金属複合水素透過膜は、逆ビルドアップ法を用いた製膜方法により製造されるもので、Pd及びPd−Ag合金又はPd−Cu合金からなる水素透過金属膜をプラスチック板やガラス板等の仮支持担体の表面にスパッタリング等を用いて堆積形成することにより、以前の水素透過金属膜と比較してその膜厚を薄く形成することができるので、単位面積あたりの水素透過量を格段に向上させることができ、かつ高価な水素透過金属膜(Pd及びPd−Ag合金、Pd及びPd−Cu合金)の使用量を減少できるという効果を奏する。さらに、その金属複合水素透過膜の製造方法(逆ビルドアップ法)によれば、膜厚が薄くても水素透過金属膜にピンホールの発生を抑制することができること、等の効果が得られる。
特許第4411409号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載の金属複合水素透過膜は、ガラスやプラスチック板等の仮支持担体の下塗り層表面に予め水素透過金属膜を被覆形成して、その後この水素透過金属膜を補強支持するために水素透過金属膜上に別種の金属膜を多孔状に被覆形成して多孔質金属膜で被覆補強して、さらに下塗り層を溶解して仮支持担体を取り外す、逆ビルドアップ法により作成されるが、水素透過金属膜上に施す金属補強支持体としてNiを用いた場合、この従来技術ではNi支持体層の多孔質化が困難であり、水素透過量を増大できないという課題がある。
本発明は、従来技術の前記課題を解決するためになされたもので、多孔質金属補強支持体にNiを用いる場合、めっき浴中に特定の有機物質を添加することによりNi支持体層の多孔質化を可能とし、ガス透過性に優れ、かつ強度を確保できるめっき皮膜を有する金属複合水素透過膜とその製造方法を提案しようとするものである。
本発明者らは、逆ビルドアップ法により作成される金属複合水素透過膜に関して、Ni支持体層の多孔質化を可能とし、ガス透過性に優れ、かつ強度を確保できるめっき皮膜を有する金属複合水素透過膜を得る手段について種々研究を重ねた結果、Ni支持体層の多孔質化のためにはNiめっき浴中に特定の有機物質、即ち、界面活性剤を添加することが有効であることを知見し、特に、イオン性のもので、金属との吸着性が強い性質の界面活性剤を適度な濃度でNiめっき浴中に添加することにより、Ni支持体層の多孔質化が可能であることを見出した。
即ち、本発明に係る金属複合水素透過膜は、多孔質金属補強支持体にNiを用いた逆ビルドアップ法により作成される金属複合水素透過膜であって、水素透過金属膜上に、めっき浴中に添加された界面活性剤を共析させためっき皮膜を熱処理(高温加熱処理)して皮膜中界面活性剤のみを燃焼除去して得られた、めっき皮膜中に膜厚方向に貫通した空孔を有する多孔質化したNiめっき皮膜から成る多孔質Ni支持体層を有することを特徴とするものである。
又、本発明に係る金属複合水素透過膜の製造方法は、多孔質金属補強支持体にNiを用いた逆ビルドアップ法により作成される金属複合水素透過膜の製造方法において、仮支持担体の一表面上に設けた可溶性下塗り層上に水素透過金属膜であるPd及びPd−Ag合金膜あるいはPd及びPd−Cu合金膜等の合金層を形成した後、該合金層からなる水素透過金属膜上に金属補強支持体としてNiめっきを施す工程において、界面活性剤を添加しためっき浴を調製し、直流あるいはパルス電解法を用い析出初期において前記界面活性剤を下地材料に分散吸着させ、得られためっき皮膜を電気炉等で熱処理することにより皮膜中の界面活性剤を焼散させて膜厚方向に貫通した空孔を有する多孔質化したNiめっき皮膜を得ることを特徴とするものである。
ここで、Niめっき浴中の界面活性剤の種類と濃度、めっき皮膜成膜時の浴温及びパルス電解条件、めっき皮膜中の界面活性剤を焼散させるための熱処理条件(高温加熱処理条件)は、水素透過性に優れ、かつ強度が確保できるめっき皮膜が得られるように適正に設定する。
上記したように、本発明の金属複合水素透過膜は、特許文献1に記載の従来の金属複合水素透過膜に比較してNiめっき皮膜が多孔質化されていることにより、単位面積あたりの水素透過量の増大がはかられ、水素透過性能が格段に優れかつ水素透過時の加圧力にも耐え得る強度を有するという、優れた効果を奏するものである。又、本発明の金属複合水素透過膜の製造方法によれば、Niめっき浴中に有機添加剤、即ち、イオン性のもので、金属との吸着性が強い性質の界面活性剤を適正な濃度で添加し、かつめっき皮膜成膜時の浴温及びパルス電解条件、めっき皮膜中の界面活性剤を焼散させるための熱処理条件(高温加熱処理条件)等を適正に選択することにより、多孔質かつ高温強度の優れた水素透過膜用Ni支持体を得ることができるので、この水素透過性能の優れた金属複合水素透過膜を用いた燃料改質器によってより効率的に水素分離が可能となり、高効率・高純度水素製造に大きく寄与する。
本発明の金属複合水素透過膜を逆ビルドアップ法を応用して製造する方法の工程手順を示す説明図である。 本発明の金属複合水素透過膜を逆ビルドアップ法を応用して製造する方法の工程手順を示す説明図である。 本発明の金属複合水素透過膜を逆ビルドアップ法を応用して製造する方法の工程手順を示す説明図である。 本発明の金属複合水素透過膜を逆ビルドアップ法を応用して製造する方法の工程手順を示す説明図である。 本発明方法により製造した多孔質化したNi支持体層を有する金属複合水素透過膜を模式的に示す断面図である。 従来の金属水素透過金属膜を模式的に示す断面図である。 本発明における実施例1の金属複合水素透過膜を示す電子顕微鏡写真である。 本発明における実施例2の金属複合水素透過膜を示す電子顕微鏡写真である。 従来技術による金属複合水素透過膜(従来例)を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例1、実施例2の金属複合水素透過膜の水素透過係数を従来技術による金属複合水素透過膜(従来例)と比較して示す図である。 本発明の実施例1の水素選択率を示す図である。 本発明の実施例2の水素選択率を示す図である。
本発明の金属複合水素透過膜は、前記したように多孔質金属補強支持体にNiを用いた逆ビルドアップ法により作成される金属複合水素透過金属膜であって、めっき浴中に添加された界面活性剤を共析させためっき皮膜を熱処理(高温加熱処理)して皮膜中界面活性剤のみを燃焼除去して得られた、膜厚方向に貫通した空孔を有する多孔質化したNiめっき皮膜を備えたものである。具体的には、例えばPd及びPd−Ag合金膜あるいはPd及びPd−Cu合金膜(水素透過金属膜)と、多孔質化したNi支持体層からなり、界面活性剤が燃焼除去されて生じた空孔がガス(水素)通過路となることを特徴とするものである。なお、本発明においては、水素透過膜用の多孔質金属支持体を湿式めっきで作成することを前提とした場合、ベース金属としては低応力、高硬度、高温での相転移、コスト等を考慮し、多孔質金属支持体にNiを選定した。しかしながら前記[0007]でしめした方法は一般性がありNi以外のメッキ用金属にも適用でき、多孔質金属支持体の材質はNiに限定するものではない。
又、本発明の金属複合水素透過膜の製造方法は、前記したようにNi支持体層の多孔質化のため、めっき浴中に特定の有機物質、即ち界面活性剤を添加し、粗であり、かつ当該界面活性剤を共析させためっき皮膜を作成し、高温加熱により皮膜中含有界面活性剤のみを燃焼除去させて多孔質化したNiめっき皮膜を得ることを特徴とするものである。
ここで、Ni支持体層の多孔質化のために界面活性剤を採用したのは、以下に記載する理由による。
即ち、界面活性剤はNiに優先して素地表面に吸着し、Niの析出を阻害する成分であり、特にイオン性のもので、金属との吸着性が強い性質のものを適度な濃度で使用することにより、Niの析出を抑制しNiめっき皮膜を粗にさせることができるとともに、ある熱処理条件で高温加熱処理することにより、Ni皮膜中に共析した界面活性剤が燃焼除去されて、その痕跡として素地から表面まで貫通した空孔となることが確認されたことによる。
上記した本発明の多孔質Ni支持体からなる金属複合水素透過膜の製造方法の一実施例を図1A〜1Dに基づいて説明する。
本発明の金属複合水素透過膜の作成に用いる逆ビルドアップ法は、図1Aに示すように、第1の工程で、仮支持担体4となるガラス板(プラスチック板に代えることもできる)の片面に下塗り層5としての可溶性の膜(樹脂層)を形成する。なお、仮支持担体4は、後述する多孔質Ni支持体層3が形成された後に、下塗り層5を適切な有機溶液により溶解させて、水素透過金属膜である合金層2から取り除かれるものである。
次に、第2の工程で、図1Bに示すように、仮支持担体4の下塗り層5の面上に、例えば、水素透過金属膜であるPd及びPd−Ag合金あるいはPd及びPd−Cu合金等の薄膜からなる合金層2をスパッタ法等を用いて形成する。このPd及びPd−Ag合金あるいはPd及びPd−Cu合金等の薄膜が水素透過金属膜として作用する。なお、スパッタ法は、特に極薄の膜を形成することが可能であることから、膜厚10nm〜5μmの範囲の極薄の均一な膜の形成も可能である。又、スパッタ法は、仮支持担体4から水素透過金属膜であるPd及びPd−Ag合金あるいはPd及びPd−Cu合金等の合金層2を容易に剥離することができる。
続いて、第3の工程で、図1Cに示すように、Pd及びPd−Ag合金あるいはPd及びPd−Cu合金等の薄膜からなる合金層2の上に、電解めっき法によりNiからなる多孔質Ni支持体層3を形成する。その際、本発明では、Ni支持体層3の多孔質化をはかるため、界面活性剤を適切な濃度で添加しためっき浴を調製する。界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えばアニオン系界面活性剤を使用することができる。この界面活性剤を添加しためっき工程では、析出初期において界面活性剤を下地材料であるPd及びPd−Ag合金あるいはPd及びPd−Cu合金等の薄膜からなる合金層2に分散吸着させ、又、めっき中においても共析を促すために、例えばパルス電解方法を用いる。
さらに、第4の工程で、図1Dに示すように、水素透過金属膜であるPd及びPd−Ag合金あるいはPd及びPd−Cu合金等の合金層2の上に多孔質Ni支持体層3を形成した後、下塗り層5を適切な有機溶液により溶解させて、仮支持担体4から、合金層2及びNi支持体層3の積層体を取り外す。なお、下塗り層5を溶解させる有機溶液としては、アセトン、メタノール、エタノール、トルエン、メチレンクロライド、脂肪族溶液等が挙げられる。さらに、仮支持担体4から積層体を取り外す方法としては、光反応を利用して溶かす方法、化学的に溶解する方法があり、光反応を利用して下塗り層5を分解・除去する方法としては、仮支持担体4側から下塗り層5に光を当ててN2ガスやCO2ガス等を発生させる光化学反応、例えばキノンジアジド化合物を利用して剥離することも可能である。
続いて、第5の工程で、取り外した積層体を例えば電気炉にて、大気中、あるいは水素などの還元雰囲気中、もしくは窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気中で、高温加熱(高温加熱条件としては、例えば500℃×30分)して、Ni支持体層3中の界面活性剤を燃焼除去することにより、その痕跡として素地から表面まで貫通した空孔を有する多孔質化したNi支持体層3を得る。尚、第5の工程は仮支持担体4から積層体を取り外す工程(第4の工程)の前に実施されてもよい。
尚、第2の工程において形成される水素透過金属膜の膜厚は0.01μm〜100μmであることが好ましく、0.5μm〜10μmであることがより好ましく、0.5μm〜6μmであることが更に好ましい。水素透過金属膜の膜厚が大きすぎると水素透過性能が低下し、製造コストも上昇する。一方、水素透過金属膜の膜厚が小さすぎると、ピンホールによるガスのリークが発生しやすくなる。また所望する強度も得られにくくなる。
また、第3の工程において形成される多孔質Ni支持体層3の厚さは、0.1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜10μmであることがより好ましく、2μm〜5μmであることが更に好ましい。多孔質Ni支持体層3の厚さが大きすぎると、多孔質化が困難になり、加工難易度が上昇し、製造コストが上昇しやすくなる。一方、多孔質Ni支持体層3の厚さが小さすぎると、強度不足になりやすい。
また、第5の工程において、界面活性剤を除去するための加熱処理の温度は、界面活性剤が燃焼除去されるような温度であればよいが、例えば350℃〜900℃である。加熱時間は、例えば、10分〜120分である。加熱温度が高すぎると、量産加工時におけるコストが上昇しやすくなる。また、水素透過金属膜と多孔質Ni支持体層3との間で相互拡散層が形成しやすくなり、その結果、水素透過膜ユニットとしての性能が低下しやすくなる。一方、加熱処理温度が低すぎる場合、多孔質化が発現しにくくなる。また、加熱時間が長すぎると、相互拡散層の形成による水素透過膜ユニットとしての性能低下が起こりやすくなり、短すぎると多孔質化が発現しにくくなる。
図2A及び図2Bは仮支持担体4から取り外した本発明の金属複合水素透過膜1の断面を従来の金属複合水素透過膜と比較して模式的に示したもので、界面活性剤を使用しない電気めっき法による従来の製造方法によるものは、図2Bに示すようにNi支持体層3´の多孔質化が不十分である金属複合水素透過膜1´であるのに対し、界面活性剤を適切な濃度で添加しためっき浴を用いた電気めっき法による本発明の製造方法によれば、図2Aに示すように素地から表面まで貫通したガス通過路となる空孔3−1を有する十分に多孔質化したNi支持体層3を有する金属複合水素透過膜1が得られる。
[めっき浴及びめっき条件]
続いて、第3の工程で使用されるめっき浴について詳細に説明する。本発明で使用されるめっき浴は、ニッケル塩及び界面活性剤を含む。
ニッケル塩は、ニッケルイオンの供給源として作用する。ニッケル塩としては、特に限定されるものではないが、スルファミン酸Ni、塩化Ni、硫酸Ni、及びクエン酸Niからなる群から選ばれる化合物が好ましく用いられる。これらの中でも、ニッケル塩は、スルファミン酸Niを含んでいることが好ましい。スルファミン酸Niを用いることにより、内部応力が低く、柔軟性が高い皮膜が得られる。
めっき浴中におけるニッケル塩の濃度は、100g/L〜800g/Lであることが好ましい。ニッケル塩の濃度が高すぎると、界面活性剤の飽和溶解濃度が低下し、多孔質化が困難になる。ニッケル塩の濃度が低すぎると、金属塩の濃度不足により限界電流密度が低下し、皮膜形成時に水素ガスが発生しやすくなり、下地Pd合金膜に水素が吸蔵し、割れが発生しやすくなる。また粗でピンホールが多いNiめっき皮膜になりやすい。
界面活性剤としては、上述のように特に限定されるものではないが、イオン性界面活性剤が好ましく用いられる。イオン性界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤が好ましく用いられる。
アニオン系界面活性剤の好適な例としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸塩、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、第2級アルカンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、更に、高級アルコールリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテルリン酸塩、脂肪酸石けん、不均化ロジン石けん、及びロート油からなる群から選ばれる化合物が挙げられる。これらの中でも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、及びアルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる化合物がより好ましい。
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩は、下記式1で表される、エチレンオキサイド含有化合物であることが好ましい。
(式1):R1−O−(CH2CH2O)n−X
尚、式1中、R1はアルキル基を表し、好ましくは炭素数10〜16、より好ましくは炭素数12〜14のアルキル基を表す。Xは、硫酸塩又はカルボン酸塩を示す。nは、1〜20、好ましくは2〜12である。
また、アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が8〜16である化合物が好ましく、より好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸塩である。
アニオン系界面活性剤の塩に使用される対イオンとしては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩などが挙げられ、これらの中でもアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩であることがより好ましい。
めっき浴中の界面活性剤の濃度は、0.1mL/L〜100mL/Lであることが好ましく、1mL/L〜50mL/Lであることがより好ましく、5mL/L〜30mL/Lであることが更に好ましい。界面活性剤の濃度が高すぎると、めっき析出を阻害し、緻密な皮膜が得られ難くなる。一方、濃度が低すぎると、多孔質化が困難になる。
めっき浴には、更に、pH調整剤、pH緩衝剤、応力緩和剤等の他の添加剤が添加されていてもよい。pH調整剤としては、例えば、硫酸、スルファミン酸、水酸化Ni等が用いられる。応力緩和剤としては、例えば、サッカリン等が用いられる。
めっき浴のpHは、2.0〜4.5であることが好ましい。pHが高すぎると、限界電流密度が低下し、水素ガスが発生しやすくなり、Pd合金膜に水素が吸蔵しやすくなる。また、Ni皮膜が、硬くて脆くなりやすい。一方、pHが低すぎると、めっき浴成分の分解が促進されやすくなる。
めっき時におけるめっき浴の浴温は、40℃〜65℃であることが好ましい。浴温が高すぎると浴成分の分解が進行しやすくなる。一方、浴温が低すぎると界面活性剤が沈殿しやすくなる。また、Niが異常析出しやすくなる。
既述のように、めっきは、直流電解でも可能であるが、パルス電解めっきにより行われることがより好ましい。この場合、平均電流密度は、1A/dm2〜20A/dm2であることが好ましい。平均電流密度が高すぎると、過剰に水素が発生し、下地Pd合金に影響を与える場合がある。また、Niの異常析出を招く場合がある。一方、平均電流密度が低すぎると多孔質化が進行しにくくなり、生産性が低下する。
パルス電流密度は、2A/dm2〜20A/dm2であることが好ましい。パルス電流密度が高すぎると、過剰に水素が発生を伴い、下地Pd合金に影響を与える場合がある。また、Niの異常析出を招くことがある。一方、パルス電流密度が低すぎると、多孔質化が進行しにくくり、生産性が低下する。
パルス印加時間tonとパルス休止時間toffとの比(ton/toff)は、0.1〜10であることがより好ましい。比(ton/toff)が大きすぎると多孔質化が困難になり、低すぎても多孔質化が困難になる。
パルス周波数は、0.1〜1000(Hz)であることが好ましい。パルス周波数が大きすぎると多孔質化が困難になり、低すぎても多孔質化が困難になる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例によって制限を受けるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で変更・実施することは、全て本発明の技術的範囲に含まれる。
第1の工程で、仮支持担体となるガラス板(サイズ:76×52mm)の片面に下塗り層として可溶性の樹脂層(5μm)を形成し、第2の工程で、仮支持担体であるガラス板の下塗り層の面上に膜厚3.8μmのPd合金層をスパッタ法を用いて形成した。続いて、第3の工程で、Pd合金層の上にNiからなる支持体層をスルファミン酸Niを用いた電解めっき法により形成した。その電解めっきは、浴組成として、スルファミン酸Ni600g/L、塩化Ni10g/L、ホウ酸40g/L、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)10mL/L、pH3.5、浴温60℃のめっき浴を用い、平均電流密度が5.9A/dm2、比(ton/toff)が1.4、の条件で行った。その後、第4の工程で、下塗り層を有機溶液(アセトン)により溶解させて、仮支持担体であるガラス板から、合金層と支持体層との積層体(厚み約7.1μm)を取り外した。しかる後、第5の工程で、この積層体を電気炉にて大気中で500℃×30分加熱した。
このようにして得られた本発明の金属複合水素透過膜の断面写真(電子顕微鏡写真)を図3Aに示す。この水素透過膜の断面は、走査型電子顕微鏡(SEM:倍率3000倍)観察による。
第1の工程で、仮支持担体となるガラス板(サイズ:76×52mm)の片面に下塗り層として可溶性の樹脂層(5μm)を形成し、第2の工程で、仮支持担体であるガラス板の下塗り層の面上に膜厚4μmのPd−Ag合金層をスパッタ法を用いて形成した。続いて、第3の工程で、Pd−Ag合金層の上にNiからなる支持体層をスルファミン酸Niを用いた電解めっき法により形成した。
その電解めっきは、浴組成として、スルファミン酸Ni600g/L、塩化Ni10g/L、ホウ酸40g/L、アニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸ナトリウム)10mL/L、pH3.5、浴温40℃のめっき浴を用い、平均電流密度が5.9A/dm2、比(ton/toff)が1.4の電解条件で行った。その後、第4の工程で、下塗り層を有機溶液(アセトン)により溶解させて、仮支持担体であるガラス板から、合金層と支持体層との積層体(厚み約7.1μm)を取り外した。しかる後、第5の工程で、この積層体を電気炉にて大気中で500℃×30分加熱した。
このようにして得られた本発明の金属複合水素透過膜の断面写真(電子顕微鏡写真)を図3Bに示す。この水素透過膜の断面も、前記実施例1と同様の走査型電子顕微鏡(SEM:倍率3000倍)観察による。
[従来例]
第1の工程で、仮支持担体となるガラス板(サイズ:76×52mm)の片面に下塗り層として可溶性の樹脂層(5μm)を形成し、第2の工程で、仮支持担体であるガラス板の下塗り層の面上に膜厚4.5μmのPd合金層をスパッタ法を用いて形成する。続いて、第3の工程で、Pd合金層の上にNiからなる支持体層を硫酸Niを用いた電解めっき法により形成した。その電解めっきは、浴組成として、硫酸Ni350g/L、塩化Ni60g/L、クエン酸三ナトリウム30g/L、pH4.6、浴温60℃のめっき浴を用い、電流0.1Aの一定条件で行った。その後、第4の工程で、下塗り層を有機溶液(アセトン)により溶解させて、仮支持担体であるガラス板から合金層とNi支持体層からなる金属複合水素透過膜(厚み約13.5μm)を取り外した。
このようにして得られた従来の金属複合水素透過膜の断面写真(電子顕微鏡写真)を図3Cに示す。この水素透過膜の断面も、前記実施例1、2と同様の走査型電子顕微鏡(SEM:倍率3000倍)観察による。
実施例1及び実施例2と従来例の図3に示す金属複合水素透過膜の断面写真より、図3Cに示す従来技術による金属複合水素透過膜1´は、Ni支持体層3´の多孔質化が不十分なものであるのに対し、界面活性剤を適切な濃度で添加しためっき浴を用いた電気めっき法による本発明の製造方法による実施例1、2の金属複合水素透過膜は、図3A、図3Bに示すように素地から表面まで貫通したガス通過路となる図2A中の空孔3−1を有する十分に多孔質化したNi支持体層3を有する金属複合水素透過膜1であることが明らかである。
上記実施例1及び実施例2と従来例の金属複合水素透過膜の水素透過試験の結果を実施例3として図4に、実施例1と実施例2の水素選択率を図5A及び図5Bにそれぞれ示す。
図4、図5A、図5Bに示すデータより明らかなように、本発明の実施例1、2の多孔質Ni支持体層を備えた金属複合水素透過膜は共に、500℃での水素選択率は99%以上を示し、水素分離膜として機能した。又、特に本発明の実施例1の水素透過係数(φ)[mol m-2-1 Pa-0.5]は、従来例の水素透過金属膜の2倍以上向上した。これらの結果より、本発明の金属複合水素透過膜は、Ni層が多孔質化された多孔質Ni支持体層が水素透過性能の向上に優れた効果を発揮することが明らかである。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕多孔質Niめっき皮膜を形成するための電解めっき用Niめっき浴であって、
ニッケル塩と、
界面活性剤と、
を含有するめっき浴。
〔2〕前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤を含む、
前記〔1〕に記載されためっき浴。
〔3〕前記アニオン系界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、及びアルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる化合物を含む、
前記〔2〕に記載されためっき浴。
〔4〕前記界面活性剤の濃度が、0.1mL/L〜100mL/Lである、
前記〔1〕から〔3〕のいずれかに記載されためっき浴。
〔5〕前記ニッケル塩が、スルファミン酸Niを含む、
前記〔1〕から〔4〕のいずれかに記載されためっき浴。
〔6〕前記〔1〕から〔5〕のいずれかに記載されためっき浴を用いて、前記Niめっき皮膜を形成する工程と、
前記Niめっき皮膜を形成する工程の後に、熱処理により、前記Niめっき皮膜中の界面活性剤を燃焼除去する工程と、
を含む、多孔質Niめっき皮膜の製造方法。
〔7〕前記Niめっき皮膜を形成する工程は、パルス電解めっきにより行われる、前記〔6〕に記載された多孔質Niめっき皮膜の製造方法。
〔8〕前記Niめっき皮膜の厚さが、0.1μm〜100μmである、前記〔6〕又は〔7〕に記載された多孔質Niめっき皮膜の製造方法。
〔9〕前記〔6〕から〔8〕のいずれかに記載された多孔質Niめっき皮膜の製造方法により製造された、Niめっき皮膜。
〔10〕水素透過金属膜と、
前記〔9〕に記載されたNiめっき皮膜と、
を備える金属複合水素透過膜。
〔11〕水素透過金属膜を形成する工程と、
前記〔6〕から〔8〕のいずれかに記載された多孔質Niめっき皮膜の製造方法を用いて、前記Niめっき皮膜を形成する工程と、
を含む、金属複合水素透過膜の製造方法。
〔12〕前記水素透過金属膜を形成する工程は、仮支持担体上に下塗り層を介して前記水素透過金属膜を形成する工程を含み、
金属複合水素透過膜の製造方法は、更に、前記Niめっき皮膜を形成する工程の後に、前記下塗り層を除去する工程を含む、
前記〔11〕に記載された金属複合水素透過膜の製造方法。
〔13〕前記水素透過金属膜は、Pdを含有する、
前記〔11〕又は〔12〕に記載された金属複合水素透過膜の製造方法。
〔14〕前記水素透過金属膜の膜厚は、0.5μm〜100μmである
前記〔11〕から〔13〕のいずれかに記載された金属複合水素透過膜の製造方法。
〔15〕多孔質金属補強支持体にNiを用いた逆ビルドアップ法により作成される金属複合水素透過膜であって、水素透過金属膜上に、めっき浴中に添加された界面活性剤を共析させためっき皮膜を熱処理(高温加熱処理)して皮膜中界面活性剤のみを燃焼除去して得られた、めっき皮膜中に膜厚方向に貫通した空孔を有する多孔質化したNiめっき皮膜から成る多孔質Ni支持体層を有することを特徴とする金属複合水素透過膜。
〔16〕多孔質金属補強支持体にNiを用いた逆ビルドアップ法により作成される金属複合水素透過膜の製造方法において、仮支持担体の一表面上に設けた可溶性下塗り層上に水素透過金属膜を形成した後、該水素透過金属膜上に金属補強支持体としてNiめっきを施す工程において、界面活性剤を添加しためっき浴を調製し、電解めっき法を用い前記界面活性剤を下地材料に分散吸着させ、得られためっき皮膜を熱処理することにより当該皮膜中の界面活性剤を焼散させて膜厚方向に貫通した空孔を有する多孔質化したNiめっき皮膜を得ることを特徴とする金属複合水素透過膜の製造方法。
1 金属複合水素透過金属膜
2 Pd又はPd合金層
3 多孔質Ni支持体層
3−1 空孔
4 仮支持担体
5 下塗り層

Claims (16)

  1. 多孔質Niめっき皮膜を形成するための電解めっき用Niめっき浴であって、
    ニッケル塩と、
    界面活性剤と、
    を含有し、
    前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、及びアルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる化合物を含む、めっき浴。
  2. 前記界面活性剤の濃度が、0.1mL/L〜100mL/Lである、
    請求項1記載されためっき浴。
  3. 前記ニッケル塩が、スルファミン酸Niを含む、
    請求項1又は2に記載されためっき浴。
  4. ニッケル塩と、界面活性剤とを含有する電解めっき用Niめっき浴を用いて、iめっき皮膜を形成する工程と、
    前記Niめっき皮膜を形成する工程の後に、熱処理により、前記Niめっき皮膜中の界面活性剤を燃焼除去する工程と、
    を含む、多孔質Niめっき皮膜の製造方法。
  5. 前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤を含む、
    請求項に記載された方法
  6. 請求項1から3のいずれかに記載されためっき浴を用いて、Niめっき皮膜を形成する工程と、
    前記Niめっき皮膜を形成する工程の後に、熱処理により、前記Niめっき皮膜中の界面活性剤を燃焼除去する工程と、
    を含む、多孔質Niめっき皮膜の製造方法。
  7. 前記Niめっき皮膜を形成する工程は、パルス電解めっきにより行われる、請求項4から6のいずれかに記載された多孔質Niめっき皮膜の製造方法。
  8. 前記Niめっき皮膜の厚さが、0.1μm〜100μmである、請求項4から7のいずれかに記載された多孔質Niめっき皮膜の製造方法。
  9. 請求項から8のいずれかに記載された多孔質Niめっき皮膜の製造方法により製造された、Niめっき皮膜。
  10. 水素透過金属膜と、
    請求項9に記載されたNiめっき皮膜と、
    を備える金属複合水素透過膜。
  11. 水素透過金属膜を形成する工程と、
    請求項から8のいずれかに記載された多孔質Niめっき皮膜の製造方法を用いて、前記Niめっき皮膜を形成する工程と、
    を含む、金属複合水素透過膜の製造方法。
  12. 前記水素透過金属膜を形成する工程は、仮支持担体上に下塗り層を介して前記水素透過金属膜を形成する工程を含み、
    金属複合水素透過膜の製造方法は、更に、前記Niめっき皮膜を形成する工程の後に、前記下塗り層を除去する工程を含む、
    請求項11に記載された金属複合水素透過膜の製造方法。
  13. 前記水素透過金属膜は、Pdを含有する、
    請求項11又は12に記載された金属複合水素透過膜の製造方法。
  14. 前記水素透過金属膜の膜厚は、0.5μm〜100μmである
    請求項11から13のいずれかに記載された金属複合水素透過膜の製造方法。
  15. 多孔質金属補強支持体にNiを用いた逆ビルドアップ法により作成される金属複合水素透過膜であって、水素透過金属膜上に、めっき浴中に添加された界面活性剤を共析させためっき皮膜を熱処理(高温加熱処理)して皮膜中界面活性剤のみを燃焼除去して得られた、めっき皮膜中に膜厚方向に貫通した空孔を有する多孔質化したNiめっき皮膜から成る多孔質Ni支持体層を有することを特徴とする金属複合水素透過膜。
  16. 多孔質金属補強支持体にNiを用いた逆ビルドアップ法により作成される金属複合水素透過膜の製造方法において、仮支持担体の一表面上に設けた可溶性下塗り層上に水素透過金属膜を形成した後、該水素透過金属膜上に金属補強支持体としてNiめっきを施す工程において、界面活性剤を添加しためっき浴を調製し、電解めっき法を用い前記界面活性剤を下地材料に分散吸着させ、得られためっき皮膜を熱処理することにより当該皮膜中の界面活性剤を焼散させて膜厚方向に貫通した空孔を有する多孔質化したNiめっき皮膜を得ることを特徴とする金属複合水素透過膜の製造方法。
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