JP2009166005A - 水素透過膜の製造方法 - Google Patents

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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

【課題】M(100−x−y)(Mは、Ni、Coの少なくともいずれかの金属であり、Nは、Ti、Zr、Hfの少なくともいずれかの金属であり、Lは、NbとV、Taの少なくともいずれかの金属であり、20<x<50原子%、10<y<60原子%である。)合金基板上にPd又はPd合金からなる触媒層を備える水素透過膜について、性状に優れた触媒層を形成する方法を提供する。
【解決手段】M(100−x−y)合金からなる水素透過性基板、前記水素透過性基板の少なくとも一面上に形成されPd又はPd合金からなる触媒層とからなる水素透過膜の製造方法であって、前記水素透過性基板をフッ化アンモニウムと硝酸の混合水溶液でエッチング後、めっきによりPd又はPd合金からなる触媒層を形成することを特徴とする水素透過膜の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、Pdの使用量を最小限に低減した水素透過膜の製造方法に関する。
水素ガスは不飽和結合への水素添加用、酸水素炎用その他各種用途に供される基礎原料であり、燃料電池用の燃料としても利用されている。水素ガスの工業的製造方法としては水の電解法、石炭やコークスのガス化法、液体燃料のガス化法、ガス体燃料の変成法、コークス炉ガスの液化分離法、メタノールやアンモニアの分解法など各種の方法が知られている。
例えば、ガス体燃料の変成法は、水蒸気改質によって行われるが、得られる改質ガスには主成分である水素のほか、一酸化炭素、二酸化炭素、余剰HOなどが含まれているため、燃料電池の燃料として使用する場合は、上記不純物を除去、精製して高純度の水素とすることが必要である。
将来的に高純度の水素の需要は、環境を配慮した燃料電池等の普及を目的として高まると予想されている。その精製法としては、例えば、高分子膜や金属膜を使用した水素透過膜法が実用化されている。
高分子膜による膜分離法では、多孔質高分子を使用し、分子中の細孔を通過する気体分子の拡散速度の違いから水素が分離、精製されるものであるが、この膜分離法では高純度に精製された水素は得られない。
また、金属膜を使用した場合の水素の透過機構は次の通りである。金属膜を挟んで不純水素側を高圧にすると、高圧力側では水素分子(H)が金属表面で原子(H)に解離して金属に固溶し、侵入、拡散する。この水素原子は、水素濃度勾配を駆動力として金属膜を透過し低圧力側表面でHに再結合して飛び出す。不純物は透過できないので、その結果水素の精製が行われる。金属膜による水素の精製は、分離係数と透過係数が極めて大きい。金属膜を用いる水素の精製では、例えば、99%程度の水素を99.99999%程度に純化することが可能である。従って、燃料電池用高純度水素の精製には、金属膜による膜分離法が適しているといえる(特許文献1参照)。
従来から水素透過膜として使用されている金属膜としては、Pd又はPd合金(例えばPd−Ag合金、Pd−Ti合金、Pd−Cu合金等)からなるPd系水素透過膜が知られている。燃料電池の使用が本格化し大量の水素が必要になれば、水素の透過用金属膜としてのPd系合金の需要が増す。そのような場合、高価で資源的にも希少なPdが制約となりPd系水素透過膜では対応不可能と予想され、Pd及びPd系合金に替わる金属膜の材料開発が要望されている。
上記のような問題を解決するために、M(100−x−y)合金(Mは、Ni、Coの少なくともいずれかの金属であり、Nは、Ti、Zr、Hfの少なくともいずれかの金属であり、Lは、NbとV、Taの少なくともいずれかの金属であり、20<x<50原子%、10<y<60原子%である。)を基板として使用した水素透過膜が提案されている(例えば、特許文献2ではこの系の合金として、MTiNb(100−x−y)(M:Ni及びCo、20<x<50原子%、10<y<60原子%)が提案されている。)。この合金は、水素脆化の問題を生じさせることなく水素原子を合金中で拡散できることから、Pd系水素透過膜の代替材料として有用である。但し、この合金は、その内部で水素拡散させることはできても、合金から水素原子を解離する能力に乏しい問題がある。従って、M(100−x−y)合金の水素原子解離能を改善できれば、この非Pd系金属膜の有用性が向上するといえる。
特開平1−164419号公報 特開2006−265638号公報
このM(100−x−y)合金の水素解離能を改善する方法としては、その表面にPd又はPd合金からなる触媒層を形成する方法が挙げられており、触媒層の形成方法としては、スパッタリング法が好適とされている。
しかしながら、スパッタリング法による成膜では、その製造工程において真空装置等を必要とするのでコストがかかり量産性に乏しい、また合金基板のサイズ等にも制限があった。更に、スパッタリングはステップカバリッジ(段差成形能)においても劣る面があり、基板形状によっては均一な触媒層を形成できないといった問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、M(100−x−y)合金基板上にPd又はPd合金からなる触媒層を備える水素透過膜について、性状に優れた触媒層を形成する方法を提供する。
本発明者等は、鋭意検討を行い触媒層の形成方法としてめっき法が好ましいと考えた。めっき法は、スパッタリングと異なり真空環境は不要であること、及び、ステップカバリッジ(段差成形能)も良好であることから、触媒層を性状よく形成することができ、また、工程が簡略であることから量産性にも優れる。
その一方、本発明者等の検討によれば、M(100−x−y)合金にそのままめっきを行った場合、触媒層の密着性に不足することが明らかにされている。触媒層の密着性の悪化は、水素透過膜の作動時における圧力差による触媒層剥離の要因となることから、その改善が必須のものとなる。このめっき法により形成される触媒層の密着性低下の要因について検討すると、M(100−x−y)合金は、その表面において不動態被膜を形成し易い傾向にあり、かかる不動態被膜とPd又はPd合金との結合性が不良であることが触媒層の密着性を低下させるものと考えられる。そこで本発明者等は、触媒層をめっき法により形成する場合、その前に、不動態被膜をエッチング除去することが必要であるとし、エッチングのための処理液につき検討を行ったところ、所定のエッチング液を適用することで、密着性に優れ、また、ピンホール、クラック等の欠陥のない緻密な触媒層を成形できことを見出し本発明に想到した。
即ち、本発明は、M(100−x−y)合金(Mは、Ni、Coの少なくともいずれかの金属であり、Nは、Ti、Zr、Hfの少なくともいずれかの金属であり、Lは、NbとV、Taの少なくともいずれかの金属であり、20<x<50原子%、10<y<60原子%である。)からなる水素透過性基板と、前記水素透基板の少なくとも一面上に形成されPd又はPd合金からなる触媒層とからなる水素透過膜の製造方法であり、前記水素透過性基板を化学的にエッチングして不動態被膜を除去した後に、めっき法によりPd又はPd合金からなる触媒層を形成することを特徴とする水素透過膜の製造方法である。
本発明に用いるエッチング溶液としては、フッ化アンモニウムと硝酸の混合水溶液である。この混合水溶液に限定するのは、これのみがM(100−x−y)合金上の不動態被膜を均一に除去し得るエッチング液だからである。この点、エッチング液として一般的に用いられるものとしては、例えば、フッ酸、フッ化水素含有水溶液等が知られているが、これらのエッチング溶液によっても触媒層の密着性を改善することはできない。また、フッ化アンモニウム及び硝酸を単独で用いてもエッチング液として作用せず、両者を混合したときにのみ密着性改善のためのエッチング液として作用する。
そして、フッ化アンモニウムと硝酸との配合割合は、硝酸が50〜250g/L、好ましくは、80〜150g/Lであり、フッ化アンモニウムが250〜750g/L、好ましくは、400〜600g/Lである。硝酸が50g/L未満、フッ化アンモニウムが250g/L未満であると、合金基板表面の不動態被膜の溶解が完全に行えない場合がある。又、硝酸が250g/L、フッ化アンモニウムが750g/Lを超えると人体に危険を及ぼす恐れが生ずる。
また、エッチング温度は、20℃〜40℃が望ましい。20℃未満であると、満足な不動態被膜の除去反応が得られず、40℃を超えると、気化による有毒ガスの発生等人体への影響が懸念される。エッチング時間については、1〜10分の間で行うことができるが、不動態被膜の完全除去と安全性とを考慮すると望ましくは3〜5分である。
Pd又はPd合金からなる触媒層の形成は、通常の電気めっきが適用できる。めっき液としては、ジニトロジアミン塩浴、ジクロロテトラアンミン塩浴、スルファミン酸塩浴、硫酸塩浴が適用でき、めっき条件としては、液温は40〜60℃、電流密度1〜5A/dmとするのが好ましい。また、めっき時間は、形成するPd又はPd合金の厚さとの兼ね合いから制御するが、0.1〜3μmが適当であると考えられる。
めっきにより形成する触媒層であるPd又はPd合金の厚さは、好ましくは0.5〜2.0μmである。上記厚みの範囲でPd又はPd合金からなる触媒層を形成すると、上記合金表面の酸化、窒化等を防止でき、Pdの触媒作用により水素の解離と再結合が容易に行われる。0.5μmに満たないと、Pdの触媒作用が効果的に作用せず、また、2.0μmを超えてもその効果はあまり変化せずコスト的な問題が起こる可能性がある。
以上説明したように、本発明の水素透過膜の製造方法によれば、M(100−x−y)合金を化学的にエッチングした後、少なくともその一面上にPd又はPd合金からなる薄層の触媒層の形成をめっき法で行うので、簡易な工程で触媒層の性状を良好に保つことができる。従ってPdの使用量を従来に比べて非常に低減した水素透過膜の製造方法であり、環境保全及び経済性に優れたものである。
以下、本発明の実施の形態を実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。
実施例1:水素透過性を有するM(100−x−y)合金基板として、Ni40Ti30Nb30(M:Ni、N:Ti、L:Nb x=40原子%、y=20原子%)からなる寸法が4.2×2.5cmの平板を用いた。まず、前処理として電解脱脂液中で60℃、電流密度3A/dmで1分間電解脱脂を行った後水洗して、基板表面の油分や汚れ等を十分に落とした。
脱脂洗浄した上記基板を、エッチング液としてフッ化アンモニウムと硝酸(濃度60%、比重1.38g/mL)との混合水溶液(NH4 F500g/L、HNO390mL/L(124g/L))中に室温(20℃)で3.5分間浸漬してエッチング処理を施し、エッチング後に再び空気中で不動態皮膜が形成されるのを極力防止するため純水で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液中に1分間浸漬して中和して再度純水で洗浄した。
次に、Pdめっき液(日本エレクトロプレイテイング・エンジニヤース製 パラデックスLF4)を用い、55℃の液温、電流密度1A/dmで3.5分間電解めっきして、触媒層としてPd膜を形成した。めっき処理終了後、基板を取り出して純水で十分洗浄した。以上の工程により、Pd(触媒層)/Ni40Ti30Nb30(基板)の水素透過膜を製造した。
実施例2:実施例1において、Ni40Ti30Nb30基板のエッチング液の組成を変更した(NH4 F250g/L、HNO350mL/L(69g/L))。そして、エッチング液の液温を30℃として10分間浸漬してエッチング処理を施した。その他は実施例1と同様とした。
実施例3:実施例1において、Ni40Ti30Nb30基板のエッチング液の組成を変更した(NH4 F500g/L、HNO350mL/L(207g/L))。そして、エッチング液の液温を25℃として2分間浸漬してエッチング処理を施した。その他は実施例1と同様とした。
比較例1:上記実施例と同様に前処理をした合金基板に、エッチング液としてはフッ酸・硫酸・硝酸の混合水溶液(HF14mL/L、HSO205mL/L、HNO369mL/L(95g/L))を使用して基板表面のエッチング処理を行った。また、エッチング後の水洗・中和処理後に、触媒層の下地としてPdのストライクめっき(Pdストライクめっき液、電流密度3A/dm、25℃で0.5分時間めっき処理)を行った。そして、Pdストライクめっき後に、実施例と同様にPd−Cu合金をめっきして触媒層を形成した。尚、この比較例では、ストライクめっき等の効果を確認するために、エッチング後の中和処理を行わない場合、ストライクめっきを行わない場合についても検討を行った。
比較例2:実施例と同様に前処理をした合金基板に、エッチング液としてフッ酸原液(HF46〜48%)を使用して基板表面のエッチング処理を行った(エッチング時間5分間)。また、エッチング後の水洗・中和処理後に、比較例1と同様にPdストライクめっきを行った。Pdストライクめっき後に、実施例と同様にPd−Cu合金をめっきして触媒層を形成した。
比較例3:実施例と同様に前処理をした合金基板に、エッチング液として100g/Lのフッ化アンモニウムを使用して基板表面のエッチング処理を行った。この比較例ではエッチング時間を2種類設定した。また、この比較例でもエッチング後の水洗・中和処理後に、Pdストライクめっきを行った。そして、Pdストライクめっき後に、実施例と同様にPd−Cu合金をめっきして触媒層を形成した。
比較例4:実施例と同様に前処理をした合金基板について、エッチング方法を変更して、100g/LのNaOH中で、電流密度5A/dmで電解する陽極エッチング(電解時間30秒、3分)を行った。そして、この比較例でもエッチング後の水洗・中和処理後に、Pdストライクめっきを行った。そして、Pdストライクめっき後に、実施例と同様にPd−Cu合金をめっきして触媒層を形成した。
触媒層の密着性の検討
上記実施例、比較例で製造した水素透過膜(Ni40Ti30Nb30(基板)/Pd−40wt%Cu(触媒層))について、エッチング直後のエッチングむらの有無及び触媒層の密着性を検討した。エッチングむらについては、目視で判定し、剥離試験については、JIS H 8504めっきの密着性試験方法に準じて測定した。結果は表1に示した。表中、エッチングむらが生じた場合は×、無しの場合は○で表示した。また、密着性については、引きはがしたテープの密着面にめっきの付着があれば×、無しの場合は○で表示した。
Figure 2009166005
表1の結果から明らかなように、各実施例で作製した水素透過膜は、エッチング処理後にエッチングむらもできず、めっきにて形成した触媒層はピンホール、クラックを生ずることもなく緻密な層が形成できた。また、テープ試験による剥がれも観察されず良好な密着性を有することが確認された。一方、比較例1では、ストライクめっきの有無にかかわらずエッチングむらは発生しなかったが、テープ試験による密着性も改善されなかった。比較例2では、エッチング溶液としてフッ酸原液を使用し更にストライクめっきを追加したが、エッチングむらが発生した。しかし密着性は良好に保てた。比較例3では、エッチング時間及びストライクめっきの有無にかかわらずエッチングむらは発生しなかったが、密着性は何れも低かった。比較例4の陽極エッチングではエッチング時間にかかわらずエッチングむらは発生しなかったが、密着性も低かった。
以上の結果から、エッチング溶液としてフッ化アンモニウムと硝酸の混合水溶液を使用してエッチング処理を行った場合、エッチングむらが発生せず、且つその後めっきにて触媒層を形成した際に、欠陥のない触媒層が密着性を保持して形成されることが確認できた。
水素透過量の測定
実施例1と同様の工程で触媒層としてPd−Cu40wt%合金層を両面に形成した水素透過膜を作製した。このとき触媒層の厚さを0.5〜2.0μmの範囲で0.5μm毎に各厚さで作製し、それぞれの厚みでの水素透過量を測定した。また、ここでは、比較のため厚さの異なる純Pd膜を水素透過膜としてその水素透過量を測定した。
水素透過測定は以下のような方法により行った。まず、水素透過膜をCuガスケットでシールした。次いで、水素透過膜の両側を油拡散ポンプにより排気して2×10−3Pa以下の圧力にし、その後試料を加熱してそれぞれ673、623、573、523Kにし、そのままでそれぞれ20分間保持した。それから水素ガス(純度99.99999%)を下流側及び上流側に、それぞれ0.1及び0.2MPa導入し、その後水素透過測定を行った。上流側の水素圧力を0.2MPaから0.97MPaまで増大させ、また、測定温度(絶対温度)は段階的に673Kから523Kまで50K間隔で下げた。この際、一定温度に20分保持してから水素透過試験を開始した。水素透過束J(molH−2−1)は、マスフローメータを用いて測定した。
水素透過材料の水素透過性は、水素透過係数φにより評価され、水素透過係数φ(molH−1−1Pa−0.5)は、単位時間、単位面積当たりに水素透過膜を透過する水素量J(molH−2−1)との間に下記式で示される関係がある。
Figure 2009166005
(式中、P及びPは、それぞれ上流側及び下流側の水素圧力(Pa)であり、Lは水素透過膜の厚さ(m)である。)
そして、水素透過係数φは、J×L対(P 0.5−P 0.5)プロットの傾きから求めることができる。この方法により算出された水素透過係数φ及びその温度依存性をアレニウスプロットの形式で示すのが図1である。
図1のグラフから明らかなように、実施例で作製した水素透過膜の673Kでの水素透過係数は、いずれも10−8(molH−1−1Pa−0.5)超えるものであり、触媒層の厚さによっては(2μm)、純Pdにかなり近い値を示すものであった。また、その温度依存性に関しても純Pdと同様の傾向を示すことがわかる。
以上の結果から、基板となるM(100−x−y)合金に適切なエッチング処理を行い、めっき法により触媒層を形成することで、良好な水素透過特性を有する水素透過膜を得ることができることが確認された。尚、上記水素透過試験においては、試験後においても触媒層の剥離は見られなかった。よって、本発明によれば、触媒層形成のための一般的な方法であるスパッタ法に替えてめっき法を用いることで水素透過膜を低コストで製造することができることも確認できた。
実施例及び純Pdの水素透過膜の水素透過係数の温度依存性をアレニウスプロットで示す図。

Claims (4)

  1. (100−x−y)合金(Mは、Ni、Coの少なくともいずれかの金属であり、Nは、Ti、Zr、Hfの少なくともいずれかの金属であり、Lは、NbとV、Taの少なくともいずれかの金属であり、20<x<50原子%、10<y<60原子%である。)からなる水素透過性基板と、前記水素透過性基板の少なくとも一面上に形成されPd又はPd合金からなる触媒層とからなる水素透過膜の製造方法であって、前記水素透過性基板をフッ化アンモニウムと硝酸の混合水溶液でエッチング後、めっきによりPd又はPd合金からなる触媒層を形成することを特徴とする水素透過膜の製造方法。
  2. フッ化アンモニウムと硝酸の混合水溶液の配合量は、硝酸が50〜250g/Lであり、フッ化アンモニウムが250〜750g/Lであることを特徴とする請求項1に記載の非Pd系水素透過膜の製造方法。
  3. エッチング温度は、20〜40℃であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水素透過膜の製造方法。
  4. 触媒層を形成するためのめっき条件は、電流密度1A/dm〜5A/dmで電解を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の水素透過膜の製造方法。
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