以下、本発明の実施形態に係る遊技機について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る遊技機を示している。この遊技機は、いわゆる「パチスロ機」である。このパチスロ機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとする。
パチスロ機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L、4C、4Rが設けられる。表示窓4L、4C、4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、選択BETスイッチ12、3−BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a、9b、9cの点灯で表示される。
ここで、入賞ライン8a〜8eは、役の入賞の成否に関わる。具体的には、所定の役(例えば、後述の「ベルの小役」)に対応する一の図柄)がセンターライン8cに対応する所定の位置(例えば、後述のBET数が"3"であれば左の表示窓4L内の中段の位置)に停止表示されること、又は所定の役に対応する図柄組合せを構成する図柄がいずれかの有効ラインに対応する所定の位置に並んで停止表示されることにより、所定の役が入賞することとなる。
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リールの図柄は表示窓4L、4C、4Rを透して目視できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば、80回転/分)する。
表示窓4L、4C、4Rの左側には、1−BETランプ9a、選択BETランプ9b、3−BETランプ9c、情報表示部18及び十字キー24が設けられる。1−BETランプ9a、選択BETランプ9b、3−BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。
1−BETランプ9aは、BET数が"1"で1本の入賞ラインが有効化されたとき(1本の有効ラインが設定されたとき)に点灯する。選択BETランプ9bは、一般遊技状態においてBET数が"3"で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたとき(5本の有効ラインが設定されたとき)に点灯すると共に、レギュラーボーナス(以下、「RB」という)遊技状態においてBET数が"1"で1本の入賞ラインが有効化されたとき(1本の有効ラインが設定されたとき)に点灯する。3−BETランプ9cは、BET数が"3"で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたとき(5本の有効ラインが設定されたとき)に点灯する。情報表示部18は、7セグメントLEDから成り、貯留(クレジット)されているメダルの枚数、入賞時のメダルの払出枚数などを表示する。十字キー24は、液晶表示装置5を操作して各種設定を行うためのものである。
表示窓4L、4C、4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、この台座部10と表示窓4L、4C、4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5の表示画面5aには、遊技に関する情報が表示される。液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1−BETスイッチ11、選択BETスイッチ12及び3−BETスイッチ13が設けられる。
1−BETスイッチ11の1回の押し操作により、遊技状態に関らず、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、3−BETスイッチ13の1回の押し操作により、遊技状態に関らず、クレジットされているメダルのうちの3枚が賭けられる。また、選択BETスイッチ12の1回の押し操作により、一般遊技状態においてはクレジットされているメダルのうちの3枚がゲームに賭けられ、同じく、RB遊技状態においてはクレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられる。これらのBETスイッチ11、12、13を操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により前記リールを回転させ、表示窓4L、4C、4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L、7C、7Rが設けられている。メダル受け部16の上方の左右には、スピーカ21L、21Rが設けられている。本実施形態では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L、3C、3Rが停止したときに終了する。
ここで、遊技状態中における「滑りコマ数」の最大値は"4"に設定している。この滑りコマ数は、停止ボタン7L、7C、7Rが操作され、この操作を検出してから、リール3L、3C、3Rを停止させるまでの間に表示させる図柄の数である。また、停止ボタン7L、7C、7Rが操作された後、対応するリール3L、3C、3Rが停止するまでの間に移動した図柄の数(図柄の移動量)である。具体的には、滑りコマ数は、停止ボタン7L、7C、7Rが操作された後、対応するリール3L、3C、3Rが停止するまでの間に図柄中央がセンターライン8cなどの所定の有効ラインを横切った図柄の数と一致する。
各リール3L、3C、3Rには、複数種類の図柄が21個配列された図柄列が表されている。各図柄には"00"〜"20"のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図7に示す)に格納(記憶)されている。各リール3L、3C、3R上には、 不図示の"ベル"、"Replay"、"BAR"の図柄で構成される図柄列が表わされている。なお、本実施形態の役には、RB、リプレイ(Replay)、ベルの小役、ハズレが設けられている。
また、本実施形態では、全てのリールが回転しているときに行われるリールの停止操作(停止ボタンの操作)を「第1停止操作」、第1停止操作の後に行われる停止操作を「第2停止操作」、第2停止操作の後に行われる停止操作を「第3停止操作」という。ここで、第1停止操作に対応するリールの最大滑りコマ数は"1"に設定され、第2停止操作及び第3停止操作に対応するリールの滑りコマ数(最大滑りコマ数)が、基本的に"0"に設定されるようにしている。
RBの入賞は、"BAR−BAR−BAR"が有効ラインに沿って並ぶことにより実現する。この場合の払出枚数は、一般遊技状態において1枚賭けのとき"104枚"、同じく、3枚賭けのとき"69.68枚"、同じく、選択賭けのとき"104枚"、である。
ベルの小役の入賞は、"ベル−ベル−ベル"が有効ラインに沿って並ぶことにより実現する。この場合の払出枚数は、いずれの遊技状態、いずれの賭け枚数においても"15枚"である。
リプレイ(Replay)の入賞は、"Replay−Replay−Replay"が有効ラインに沿って並ぶことにより実現する。この場合の払出枚数は、一般遊技状態において1枚賭けのとき"1枚"、同じく、3枚賭けのとき"3枚"、同じく、選択賭けのとき"3枚"、である。また、リプレイが入賞すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者はメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。すなわち、リプレイは、入賞することにより遊技価値の投入によらずに遊技を行うことができる役である。
図3は、本実施形態で用いる1枚賭け用確率抽選テーブルを示している。
図3の一般遊技状態において、RBに当選する確率は"1/32.77"、同じく、ベルの小役に当選する確率は"1/23.08"、同じく、リプレイに当選する確率は"1/5.46"、同じく、ハズレに当選する確率は"1/1.23"、である。図3のRB遊技状態において、RBに当選する確率は"0"、同じく、ベルの小役に当選する確率は"16383/16384"、同じく、リプレイに当選する確率は"0"、同じく、ハズレに当選する確率は"1/16384"、である。ここでは、前述した1枚賭け用確率抽選テーブルを用いた場合、一般遊技状態における期待獲得枚数は特定枚数"0枚"となる。同じく、RB遊技状態における期待獲得枚数は"13枚"となる。
図4は、本実施形態で用いる3枚賭け用確率抽選テーブルを示している。
図4の一般遊技状態において、RBに当選する確率は"1/13.54"、同じく、ベルの小役に当選する確率は"1/2.38"、同じく、リプレイに当選する確率は"1/5.46"、同じく、ハズレに当選する確率は"1/1.98"、である。図4のRB遊技状態において、RBに当選する確率は"0"、同じく、ベルの小役に当選する確率は"1/1.02"、同じく、リプレイに当選する確率は"0"、ハズレに当選する確率は"1/42.67"、である。ここでは、前述した3枚賭け用確率抽選テーブルを用いた場合、一般遊技状態における期待獲得枚数は特定枚数"0枚"となる。同じく、RB遊技状態における期待獲得枚数は"8.71枚"となる。
図5は、本実施形態で用いる選択賭け用確率抽選テーブルを示している。
図5の一般遊技状態において、RBに当選する確率は"1/13.54"、同じく、ベルの小役に当選する確率は、"1/2.38"、同じく、リプレイに当選する確率は"1/5.46"、同じく、ハズレに当選する確率は"1/1.98"、である。図5のRB遊技状態において、RBに当選する確率は"0"、同じく、ベルの小役に当選する確率は"16383/16384"、同じく、リプレイに当選する確率は"0"、同じく、ハズレに当選する確率は"1/16384"、である。ここでは、前述した選択賭け用確率抽選テーブルを用いた場合、一般遊技状態における期待獲得枚数は"2.53枚"となる。同じく、RB遊技状態における期待獲得枚数は"13枚"となる。
図6は、本実施形態で停止用当選役の決定に用いる停止用当選役選択テーブルを示している。
図6において、停止用当選役選択テーブルには、内部当選役ごと及び遊技状態ごとに、各停止用当選役を選択する確率(選択確率)が記されている。この停止用当選役は、リール3L、3C、3Rの停止制御に用いられる情報である。また、停止用当選役が決定された場合には、その役に対応する図柄又は図柄組合せの停止態様を表示窓4L、4C、4R内に停止表示することを許容した状態でリール3L、3C、3Rが停止制御される。更に、停止用当選役以外の役に対応する図柄又は図柄組合せを許容しない状態で停止制御が行われる。なお、各選択確率を実現するために、所定の乱数抽出範囲(例えば"0〜127")で抽出した乱数値から、内部当選役ごとに設定した所定の抽選値を減算し、減算した値が負である場合、その抽選値に対応する情報(停止用当選役)が選択される。
図6の一般遊技状態において、内部当選役がRBの場合、停止用当選役としての「RB」が"128/128"の確率で選択される。同じく、内部当選役がベルの小役の場合、停止用当選役としての「ベルの小役」が"128/128"の確率で選択される。同じく、内部当選役がリプレイの場合、停止用当選役としての「リプレイ」が"128/128"の確率で選択され、停止用当選役としての「リーチ目」が"0/128"の確率で選択され、停止用当選役としての「ハズレ」が"0/128"の確率で選択される。同じく、内部当選役がハズレの場合、停止用当選役としての「ハズレ」が"128/128"の確率で選択され、停止用当選役としての「リーチ目」が"0/128"の確率で選択される。
図6のRB遊技状態において、内部当選役がベルの小役の場合、停止用当選役としての「ベルの小役」が"128/128"の確率で選択される。同じく、内部当選役がリプレイの場合、停止用当選役としての「リプレイ」が"64/128"の確率で選択され、停止用当選役としての「リーチ目」が"32/128"の確率で選択され、停止用当選役としての「ハズレ」が"32/128"の確率で選択される。同じく、内部当選役がハズレの場合、停止用当選役としての「ハズレ」が"64/128"の確率で選択され、停止用当選役としての「リーチ目」が"64/128"の確率で選択される。なお、RB遊技状態において、内部当選役がRBの場合はない。
図7は、パチスロ機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5、スピーカ21L、21R、LED類101及びランプ類102を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示している。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33と、後述するゲーム最短時間計測用カウンタ、割込カウンタ、電磁カウンタなどの各種カウンタ(図示せず)と、を有している。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37と、が接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ちCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)するごとに行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル(図3、図4、図5に示す)、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止用当選役選択テーブル(図6に示す)、各種制御指令(コマンド)などが格納されている。この制御指令には、リール3の停止を指令する停止指令信号(リール停止コマンドに相当する)、遊技開始指令信号(スタートコマンドに相当する)、リール停止許可コマンド、入賞コマンドなどが含まれる。ここでは、副制御回路72が主制御回路71に対してコマンド、情報などを送信することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、リールの停止許可フラグ、停止要求フラグ、入賞役を示す入賞フラグ、制御対象のリールを示すリール識別子などの種々の情報が格納される。
図7の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ(1−BETランプ9a、選択BETランプ9b、3−BETランプ9c)と、情報表示部18と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払い出すホッパー(払出しのための駆動部を含む) 40と、リール3L、3C、3Rを回転駆動するステッピングモータ49L、49C、49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L、49C、49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、BETランプ9a、9b、9cを駆動制御するランプ駆動回路45、及び情報表示部18を駆動制御する表示部駆動回路48が、CPU31の出力部に入出力ポート(I/Oポート)38を介して接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、選択BETスイッチ12、3−BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L、7C、7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて、各リール3L、3C、3Rの位置を検出するための信号をCPU31ヘ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達したとき、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
図7の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている前述の確率抽選テーブルに基づいて、当選役が決定される。
リール3L、3C、3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L、49C、49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定の記憶領域に書き込まれる。リール3L、3C、3Rからは一回転ごとにリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が"0"にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L、3C、3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
前述したリール3L、3C、3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)が、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前記リセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチごとに順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバーごとに対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブル(図示せず)が格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。前記入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L、中央のリール3C、右のリール3Rの停止制御時、及び全リール3L、3C、3Rの停止後の入賞確認を行うときに参照される。
前記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)に基づいて、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L、7C、7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び停止制御テーブル(図示せず)に基づいて、リール3L、3C、3Rを停止制御する信号(停止指令信号に相当する)をモータ駆動回路39に送る。
当選した役の入賞を示す停止態様となれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定枚数のメダルの払出を行わせる。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止させ、メダル払出処理を終了する。
以上のように構成されたパチスロ機1について、図8、図9を用いてその制御動作を説明する。ここでは、電源断、乱数更新、リセットに伴う割込処理及び定期割込などの各種割込処理を多重化して実行し、各割込処理に優先順位を付与して実行している。
図8は、主制御回路71のリセット割込処理を示している。
初めに、CPU31は、電源投入時の初期化を行う(S101)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化などを行う。
次いで、CPU31は、ゲーム終了時のRAM33の所定の記憶内容(所定の記憶領域(例えば、内部当選役を記憶する領域)の情報)を消去する(S102)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定などを行う。
次いで、CPU31は、メダル投入監視及びスタートチェック処理を行う(S103)。具体的には、現在の遊技状態を判断すると共に、メダルセンサ22S又はBETスイッチ11、12、13からの入力があるか否かを判断する。更に、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判断する。これらの判断が"YES"のとき、CPU31は、前述したように確率抽選用の乱数を抽出する(S104)。
次いで、CPU31は、確率抽選処理を行う(S105)。具体的には、S103で得られた入力及び遊技状態により、S104で抽出した乱数と、前述した1枚賭け用確率抽選テーブル、3枚賭け用確率抽選テーブル及び選択用確率抽選テーブルのいずれかとを用いて内部抽選を行い、当選役を決定する。例えば、選択BETスイッチ12からの入力があった場合、一般遊技状態ではクレジットされたメダルから3枚賭けさせ、RB遊技状態では同じく1枚賭けさせ、前記乱数及び選択用確率抽選テーブルを用いて内部抽選を行う。
次いで、CPU31は、停止用当選役決定処理を行う(S106)。具体的には、S105で決定した内部当選役及び前記停止用当選役選択テーブルを用いて停止用当選役を決定する。
次いで、CPU31は、テーブルライン選択処理を行う(S107)。具体的には、S106で決定した停止用当選役に対応する図柄組合せを並べる入賞ラインを選択 (テーブルラインを選択)する。
次いで、CPU31は、スタートコマンドセット処理を行う(S108)。具体的には、副制御回路72へ送信するためのスタートコマンドをRAM33の所定の記憶領域に書き込む。このスタートコマンドには、内部当選役、停止用当選役を示す情報が含まれている。
次いで、CPU31は、ゲーム最短時間経過待ち処理を行う(S109)。具体的には、前回のゲームが開始してから所定時間(例えば、所定秒("4.1秒"など))経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
次いで、CPU31は、ゲーム最短時間計測用カウンタをセットし、現時点からの経過時間をカウントする(S110)。
次いで、CPU31は、全リール3L、3C、3Rの回転処理を行う(S111)。この後、CPU31は、リール停止許可コマンドセット処理を行う(S112)。具体的には、副制御回路72へ送信するためのリール停止許可コマンドをRAM33の所定の記憶領域に書き込み、全リールの停止許可フラグをセットする。
次いで、CPU31は、全リールの停止許可フラグが"オン"であるか否かを判断する(S113)。具体的には、停止ボタン7L、7C、7Rのいずれかが操作されたか否かを判断する。この判断が"YES"の場合、CPU31は、対象リールの滑りコマ数決定処理を行う(S115)。具体的には、内部当選役の図柄及び図柄位置などから滑りコマ数を決定する。
次いで、CPU31は、S115で決定された滑りコマ数分、停止操作された停止ボタン7L、7C、7Rに対応するリール3L、3C、3Rを回転させる(S116)。
次いで、CPU31は、対象リールの停止要求フラグを"オン"にし(S117)、更に副制御回路72へ送信するためのリール停止コマンドをRAM33の所定の記憶領域に書き込む(S118)。このリール停止コマンドは、停止リールを対象とした液晶表示装置5などによる演出を指令するものである。
次いで、CPU31は、全てのリールが停止したか否かを判断する(S119)。この判断が"YES"の場合、CPU31は、副制御回路72へ送信するための全リール停止コマンドをRAM33の所定の記憶領域に書き込む(S120)。
次いで、CPU31は、入賞検索処理を行う(S121)。この入賞検索処理では、表示窓4L、4C、4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞した役)を識別するための入賞フラグをセットする。具体的には、センターライン8cに沿っで並ぶ図柄のコードナンバー、及び前記入賞図柄組合せテーブルに基づいて入賞役を識別する。
次いで、CPU31は、誤入賞チェック処理を行い、入賞フラグが正常であるか否かを判断する(S122)。
次いで、CPU31は、入賞コマンドセット処理を行う(S123)。具体的には、副制御回路72へ送信するための入賞コマンドをRAM33の所定の記憶領域に書き込む。この入賞コマンドには、入賞役に関する情報が含まれている。
次いで、CPU31は、入賞役に応じてメダルのクレジット又は払出しを行う(ステップS124)。
図10は、主制御回路71の定期割込処理を示している。この定期割込処理は、1.1173msごとに発生する。
初めに、CPU31は、定期割込処理で用いるレジスタのデータを退避させる(S201)。次いで、CPU31は、入力ポートチェック処理を行う(S202)。具体的には、BETスイッチ11〜13からの入力、スタートレバー6の押下によるスタートスイッチ6Sからの入力などを確認する。
次いで、CPU31は、通信データ送信処理を行う(S203)。具体的には、図8のリセット割込処理においてRAM33の所定の記憶領域に書き込まれたデータを副制御回路72に送信する。
次いで、CPU31は、割込カウンタに"1"を加算する(S204)。この後、CPU31は、割込カウンタの値が偶数であるか否かを判断する(S205)。この判断が"YES"の場合はS206に移り、"NO"の場合にはS207に移る。
S206において、CPU31は、7SEG駆動制御処理を行う。具体的には、貯留(クレジット)されているメダルの枚数、入賞時のメダルの払出枚数などを情報表示部18に表示させる。
S207からS212において、CPU31は、制御対象のリールを示す情報をリール識別子として設定し、リール制御処理を行う。即ち、右リールを示す情報、中リールを示す情報、左リールを示す情報を順次、リール識別子として設定し、当該リールの駆動を順次、制御する。この後、CPU31は、リール制御に用いる各種カウンタの値を減算する(S213)。
次いで、CPU31は、電磁カウンタ制御処理を行う(S214)。この電磁カウンタ制御処理では、メダル投入口22から投入された適正なメダルの投入枚数を計数する。この後、CPU31は、S201で退避したレジスタのデータを復帰させる(S215)。
このような本発明の実施の一形態に係るパチスロ機1によれば、一般遊技状態及びRB遊技状態でメダル"1枚"を賭けた場合の所定の役の当選確率を設定した1枚賭け用確率抽選テーブルと、一般遊技状態及びRB遊技状態でメダル"3枚"を賭けた場合の所定の役の当選確率を設定した3枚賭け用確率抽選テーブルと、を記憶すると共に、一般遊技状態ではメダル"3枚"を賭け、かつRB遊技状態ではメダル"1枚"を賭けた場合の所定の役の当選確率を設定した選択賭け用確率抽選テーブルを記憶する記憶手段としての主制御回路71と、乱数サンプリングによって確率抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数と1枚賭け用確率抽選テーブル、3枚賭け用確率抽選テーブル及び選択賭け用確率抽選テーブルのいずれかに設定された当選確率とを用いて内部抽選を行う内部抽選手段としての主制御回路71と、を設けたことにより、同一遊技状態及び同一役においても、遊技者の賭けるメダル数に応じて異なる期待獲得枚数が実現されるので、遊技を多様化することができる場合がある。特に、選択賭け用確率抽選テーブルを用いた場合は、1枚賭け用確率抽選テーブル又は3枚賭け用確率抽選テーブルを用いた場合に比べ、一般遊技中の3枚賭けによってより高い期待獲得枚数が期待できるので、遊技者の遊技に対する興趣が増す場合がある。
また、本実施形態によれば、1枚賭け用確率抽選テーブル、3枚賭け用確率抽選テーブル及び選択賭け用確率抽選テーブルのいずれかを選択する選択手段としての1−BETスイッチ11、選択BETスイッチ12、3−BETスイッチ13及び主制御回路71を設けたことにより、遊技者の操作によって遊技を多様化することができる場合がある。特に、遊技者がRB中におけるメダルの賭け枚数を積極的に選択できるので、遊技者の遊技に対する興趣が増す場合がある。
なお、本実施形態では、第1の遊技価値を賭けた「第1の遊技状態における単位期待値」を第1の期待値とし、第2の遊技価値を賭けた前述の「第1の遊技状態における単位期待値」を第2の期待値としている。さらに、第1の遊技価値を賭けた「第2の遊技状態における単位期待値」を第3の期待値とし、第2の遊技価値を賭けた前述の「第2の遊技状態における単位期待値」を第4の期待値としている。ここで、第1の遊技状態(例えば、一般遊技状態)と第2の遊技状態(例えば、RB遊技状態)とは異なる遊技状態とし、第1の遊技価値(例えば、所定枚数"3枚"のメダル)と第2の遊技価値(例えば、所定枚数"1枚"のメダル)とは異なる遊技価値とし、第1の期待値は第2の期待値よりも単位期待値が大きく、第3の期待値は第4の期待値よりも単位期待値が小さく、遊技者に払い出す単位遊技当りの遊技価値の期待値を単位期待値(期待獲得枚数に相当する)と呼ぶこととしている。或いは、遊技者に払い出す単位遊技当りの遊技価値からその単位遊技に遊技者が投入した遊技価値を減算した、いわゆる差枚数の期待値を単位期待値と呼ぶこととしても良い。こうすることで、多様な出玉性能を備えることができ、バラエティに富んだ遊技内容により遊技者を飽きさせる危険性を少なくすることができる場合がある。
また、本実施形態では、第1の遊技状態として一般遊技状態を適用し、第2の遊技状態としてRB遊技状態を適用したが、これに限定されず、更に他の遊技状態に関してもこのような構成としても良い。例えば、上述に加え、第3の遊技価値を賭けた前述の「第1の遊技状態における単位期待値」を第5の期待値とし、第3の遊技価値を賭けた前述の「第2の遊技状態における単位期待値」を第6の期待値とし、更に、第1の遊技価値を賭けた「第3の遊技状態における単位期待値」を第7の期待値とし、第2の遊技価値を賭けた前述の「第3の遊技状態における単位期待値」を第8の期待値とし、第3の遊技価値を賭けた前述の「第3の遊技状態における単位期待値」を第9の期待値としても良い。この場合に、各遊技状態、各遊技価値、及び各期待値は次のように構成しても良い。
すなわち、第1の遊技状態(例えば、一般遊技状態など)、第2の遊技状態(例えば、RB遊技状態など)、及び第3の遊技状態(例えば、BB一般遊技状態など)をそれぞれ異なる遊技状態とし、遊技価値は、第1の遊技価値(例えば、所定枚数"3枚"のメダルなど)、第2の遊技価値(例えば、所定枚数"1枚"のメダルなど)、及び第3の遊技価値(例えば、所定枚数"2枚"のメダルなど)を異なる遊技価値とし、期待値は、第1の期待値は、第2の期待値及び第5の期待値よりも単位期待値が大きく、第4の期待値は、第3の期待値及び第6の期待値よりも単位期待値が大きく、第9の期待値は、第7の期待値及び第8の期待値よりも単位期待値が大きくなるようにしても良い。こうすることで、更に多様な出玉性能を備えることができる場合がある。ここで、BB一般遊技状態は、RBが当選と判定される確率が一般遊技状態よりも高い遊技状態を示している。
更に、前述した実施形態では、遊技者が選択BETスイッチ12を押下することにより、一般遊技中には3枚賭けとなり、RB遊技中には1枚賭けとなるようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに、選択BETスイッチ12の使用で所定の遊技状態における期待獲得枚数が増すことを示唆する画像を液晶表示装置5に表示させるようにしても同様の効果が得られる場合がある。
また、前述した実施形態では、遊技者が選択BETスイッチ12を押下することにより、一般遊技中には3枚賭けとなり、RB遊技中には1枚賭けとなるようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに、前述した1−BETスイッチ11と、押下することで一般遊技中には3枚賭けとなり、RB遊技中には1枚賭けとなる最大BETスイッチ(選択BETスイッチ12に相当する)と、オン状態では最大BETスイッチに賭け数の変更機能を持たせ、オフ状態では賭け数の変更機能を解除して3枚賭けのみとする設定/解除スイッチと、を設けても同様の効果が得られる場合がある。