JP2006006476A - スロットマシン - Google Patents

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康博 上高
Takumi Takemori
巧 竹森
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Abstract

【課題】 貯留領域の遊技球を遊技機外に直接排出可能な貯留皿部材を備え、且つ貯留領域からの遊技球の排出操作が容易で判り易いスロットマシンを提供する。
【解決手段】 滞留領域53の底面に第一球抜口80を、整流通路54の下流端部に第二球抜口82を夫々配設し、各球抜口80,82を介して、遊技機外へ遊技球xを排出可能とすると共に、第一球抜口80を開放する位置と閉止する位置に移動可能な第一開閉部材81と、第二球抜口82を開放する位置と閉止する位置に移動可能な第二開閉部材83とを夫々設け、さらに、単一の球抜操作具20の操作によって、第一開閉部材81及び第二開閉部材83により第一球抜口80及び第二球抜口82が閉止する定常閉止状態から、第一球抜口80のみが開放する第一球抜状態と、第一球抜口80及び第二球抜口82が開放する第二球抜状態とに変換し得る球抜操作手段を設けた。
【選択図】 図5

Description

本発明は、遊技球を遊技媒体とするスロットマシンに関する。
遊技球を遊技媒体とするスロットマシンが提案されている。かかるスロットマシンでは、通常、遊技媒体として使用されるメダルの替わりに、遊技球を遊技機に投入することにより回転ドラムが回転可能となり、回転ドラムの停止時に所定の当り態様となると、所定個数の遊技球が遊技者に払い出される。こうしたスロットマシンは、パチンコ機に用いる遊技球を使用して遊技できるため、パチンコ機と併存させて遊技場に備え付けることにより、遊技者は一種類の遊技媒体でパチンコ機とスロットマシンの両方を楽しむことが可能であり、遊技者の利便性を向上させることができる。
また、このスロットマシンは、遊技場のパチンコ機用の遊技島に装着し、パチンコ機用の球供給排出機構を利用させるようにすれば、遊技場にとっても設備を簡略化でき、遊技媒体の管理費も抑制できる。このため、既に提案されている構成においても、その外形や貯留皿部材等の多くの部分において、既存のパチンコ機と同様の構成が用いられている(例えば特許文献1、特許文献2)。ここで、パチンコ機は、貯留皿部材の貯留領域に遊技球を貯留しておき、貯留した遊技球を、遊技球の発射作動に伴い、発射装置へ順次供給するのに対し、上記スロットマシンは、遊技球を取り込む球取込装置を備え、回転ドラムを用いた遊技を開始する度に、貯留皿部材の貯留領域に貯留した遊技球を、遊技開始に必要な数だけ球取込装置に取り込むようにしている。
また、遊技球を遊技媒体とするスロットマシンでは、既存のパチンコ機同様に、貯留皿部材の下方に、遊技球を貯留する下部補助領域を有する補助下皿部材を備え、貯留皿部材が満杯の場合には、遊技球を下部補助領域に払い出して貯留すると共に、この下部補助領域から遊技球を遊技機外に排出可能としている。しかし、かかる補助下皿部材を備えた構成は、スロットマシンには不適である。なぜなら、パチンコ機にあっては、遊技操作のほとんどがハンドルの回動操作により行われ、遊技操作が極めて簡単であるため、貯留領域の遊技球が不足した場合に、遊技操作と並行して、下部補助領域の遊技球を貯留領域に手ずから補充することができるが、スロットマシンでは、遊技操作が比較的複雑であり、遊技者は、遊技操作と同時には、下部補助領域から貯留領域への遊技球の移し替えと遊技操作とを同時には行い難いため、貯留領域の遊技球が不足する度に遊技を中断しなくてはならないからである。
ここで、特許文献3のように、貯留皿部材の下方に補助下皿部材を備えず、貯留領域の遊技球を、遊技機外に直接排出可能としたパチンコ機が提案されている。かかる構成では、補助下皿部材を配設するスペースにまで貯留皿部材を拡大し、貯留領域を大容量化できるため、貯留領域の遊技球が枯渇し難く、貯留領域へ遊技球を補充する手間を軽減できる。一方で、貯留する遊技球を発射装置へ供給しつつ、必要に応じて遊技球を排出可能とするために、かかる構成では、貯留領域を、遊技球を貯留する幅広の滞留領域と、滞留領域の遊技球が流入して整列する細長形状の整流通路とで構成し、整流通路の下流端部から遊技球を発射装置に流下させると共に、滞留領域の底面と、整流通路の下流端部の二箇所に下方に連通する球抜口を形成している。そして、通常は、両球抜口を閉止して、貯留領域の遊技球を発射装置に流下させると共に、遊技中に貯留領域が遊技球で満杯になりそうな場合には、滞留領域の底面の球抜口を開放させることにより、整流通路の遊技球を発射装置へ流下させつつ、滞留領域から遊技球を排出可能とし、遊技終了時には、整流通路の下流端部の球抜口を開放させることにより、貯留領域に貯留した遊技球を残らず排出可能としている。従って、かかる構成を、遊技球を遊技媒体とするスロットマシンに採用すれば、貯留皿部材へ遊技球を補充する手間を軽減可能であり、また、上述したように、二箇所に球抜口を形成し、各球抜口を選択的に開放することで、遊技中においても、遊技終了時においても貯留領域から適切に遊技球を排出できる。
特公平7−47056号公報 特開2001−299995号公報 特開2003−265840号公報
ところが、上記特許文献3の貯留皿部材では、遊技球を排出する際に、二箇所の球抜口を個別に開閉する二つの球抜操作具を、遊技中と遊技終了時の場合に分けて、選択的に操作することにより、必要な球抜口を開放させなくてはならない。このため、貯留領域から遊技球を排出するための操作が煩雑であり、また、遊技者は、操作する際に、どちらの球抜操作具を操作すべきか判り難いため、操作に手間取り易い。また、遊技中に、球抜操作具を取り違えてしまうと、整流通路の遊技球が排出されてしまい、遊技が中断してしまうといった問題もある。
発明者は、かかる現状に鑑み、上記貯留皿部材の構成をスロットマシンに用いるにあたって、遊技球の排出方法の改善を試みたものであり、本発明は、遊技球を遊技媒体とするスロットマシンにあって、貯留領域の遊技球を遊技機外に排出可能な貯留皿部材を備え、かつ、貯留領域から遊技球を排出する操作が、容易で判り易い構成を提供することを目的とする。
本発明は、回転ドラムを備えた遊技機本体の前面に設けられ、遊技球が滞留する滞留領域と、該滞留領域の遊技球が流入して整列する細長形状の整流通路とからなる貯留領域を有する貯留皿部材を備え、整流通路の下流端部に形成された取込口から、遊技開始に必要な数の遊技球を、球取込装置に取り込ませる遊技球を遊技媒体とするスロットマシンであって、滞留領域の底面に第一球抜口を、整流通路の下流端部に第二球抜口を夫々配設し、各球抜口を介して、遊技機外へ遊技球を排出可能とすると共に、第一球抜口を開放する位置と閉止する位置に移動可能な第一開閉部材と、第二球抜口を開放する位置と閉止する位置に移動可能な第二開閉部材とを夫々設け、さらに、単一の球抜操作具の操作によって、第一開閉部材及び第二開閉部材により第一球抜口及び第二球抜口が閉止する定常閉止状態から、第一球抜口のみが開放する第一球抜状態と、第一球抜口及び第二球抜口が開放する第二球抜状態とに変換し得る球抜操作手段を設けたことを特徴とするスロットマシンである(請求項1)。
かかる構成によれば、遊技者が、単一の球抜操作具を操作することにより、定常閉止状態から、第一球抜状態と第二球抜状態に夫々変換することができる。ここで、第一球抜状態では、第一球抜口のみが開放されるため、滞留領域の遊技球が遊技機外へ排出されると共に、第二球抜口は閉止されたままであり、整流通路の遊技球は排出されない。従って、第一球抜状態では、貯留領域の遊技球を排出しつつも、取込口から整流通路の遊技球を取込可能であり、遊技中に貯留領域の遊技球を排出する場合には、第一球抜状態に変換することにより、遊技者は遊技を中断させることなく、遊技球を排出できる。一方、第二球抜状態では、第一球抜口及び第二球抜口が開放されるため、滞留領域の遊技球と整流通路の遊技球が遊技機外へ排出される。従って、第二球抜状態では、貯留領域の遊技球全てを排出可能であり、遊技終了時に、貯留領域の遊技球を排出する場合には、第二球抜状態に変換することにより、遊技者は貯留領域に遊技球を残すことなく、遊技を終えることができる。このように、本発明のスロットマシンにあっては、単一の球抜操作具の操作によって、定常閉止状態から、第一球抜状態と第二球抜状態に変換可能であるため、遊技中でも、遊技終了時でも、同じ球抜操作具を操作することによって、状況に応じたパターンで、貯留領域の遊技球を適切に遊技機外に排出することができる。このため、球抜口を二箇所に設けた上記構成にあっては、貯留領域から遊技球を排出するのに、遊技中と遊技終了時で、複数の球抜操作具の操作を要しているのに対して、本発明の構成では、遊技中であっても遊技終了時であっても、同一の球抜操作具を操作するだけでよいため、操作が容易であると共に、操作方法が分かり易く、球抜操作具の取り違えも防止することができる。また、球抜操作具が一つであるため、部品点数も削減される。
ここで、球抜操作手段の構成としては、第一開閉部材及び第二開閉部材を夫々移動させるモータやソレノイド等の電気的駆動装置を備え、球抜操作具の操作により、電気的駆動装置の駆動態様を切り替えるものであってもよいし、機械的な連係機構により、球抜操作具と共に各開閉部材を従動させるものであっても構わない。また、球抜操作具としては、レバー、ハンドル等を好適に用いることができ、その定常位置からの移動量や移動方向により、第一球抜状態と第二球抜状態への変換操作を区別させることが望ましい。また、球抜操作具は、押しボタン等によって構成することも可能であり、かかる場合には、ボタンの押圧回数や押圧時間を制御装置が検知するようにすれば、各球抜状態への変換操作を明確に区別することができる。
ここで、球抜操作手段の具体的態様としては、球抜操作具の定常位置からの一方向の移動操作により、定常閉止状態から、第一球抜状態と第二球抜状態とに順次変換することが望ましい(請求項2)。かかる構成では、定常閉止状態から第一球抜状態、定常閉止状態から第二球抜状態への変換操作を、球抜操作具の操作方向により区別するのではなく、球抜操作具の、定常位置からの一方向の移動操作の操作量に応じて、まずは第一球抜口のみを開放させて第一球抜状態に変換し、続いて、第二球抜口も開放して、第一球抜状態から第二球抜状態へと段階的に変換する。すなわち、第一球抜状態への変換操作と第二球抜状態への変換操作を取り違えて、遊技中に第二球抜口を開放し、整流通路の遊技球を排出してしまうと、球取込装置が遊技球を正常に取り込めず、遊技を中断しなくてはならなくなるが、本構成にあっては、球抜操作具の移動操作に対して、最初に第一球抜口、次に第二球抜口といった順番に開放するため、誤操作により第二球抜口が開放してしまう懸念がない。なお、かかる構成にあっては、球抜操作具を、所定位置で軽く係止する節度機構等を設け、球抜操作具を一方向に移動操作した際に、遊技者が、第一球抜状態に変換する位置と第二球抜状態に変換する位置とを、遊技球や球抜口を視認することなく容易に識別可能とすることが望ましい。
また、第二球抜口は、細長形状の整流通路の下流端部に配設されるため、その開口の大きさが制限されており、第二球抜口を介した遊技球の排出は、第一球抜口を介した遊技球の排出よりも時間が掛かる。このため、第一球抜口を、滞留領域の、整流通路への出口部分の底面に配設することが提案される(請求項3)。かかる構成にあっては、第一球抜口の開放時には、滞留領域の遊技球は、整流通路に流入することなく、第一球抜口から遊技機外に排出される。従って、第二球抜状態に変換して、両球抜口から遊技球を排出する場合に、遊技球の排出速度の遅い第二球抜口からは、整流通路に整列した少数の遊技球のみを排出するだけとなるため、第二球抜口で遊技球を滞らせることなく、貯留領域の遊技球を速やかに排出できる。
なお、本発明は、滞留領域の底面の球抜口と整流通路の下流端部の球抜との二箇所の球抜口から、遊技機外に遊技球を排出可能とした貯留皿部材にあって、二つの球抜口の開放操作を正確かつ容易に行い得るようにしたものであり、本発明は、上記特許文献3のように、遊技球を貯留する領域を貯留皿部材の貯留領域のみに限定するものではない。例えば、貯留皿部材の上方に設けられ、遊技球を貯留する上部補助領域を有する補助上皿部材と、遊技球を上部補助領域へ払い出す払出装置と、上部補助領域の遊技球を、貯留皿部材の滞留領域へ流下させる連絡通路とを備えた構成とすることも可能である(請求項4)。かかる構成では、貯留皿部材の上方に上部補助領域を有する補助上皿部材を設け、払出装置から払い出された遊技球を上部補助領域に流入させると共に、上部補助領域に貯留する遊技球を、連絡通路を介して、滞留領域へと順次流下することとなる。すなわち、本構成では、貯留領域が遊技球で満杯となった場合には、払い出された遊技球が上部補助領域に貯留され、貯留領域が遊技球を受け入れる余裕のある場合は、遊技者が移し替えを行うことなく、上部補助領域から遊技球が、順次貯留領域へと補充されることとなる。従って、本構成にあっても、遊技者が遊技球を移し替える手間を軽減することができる。
球抜操作手段の具体的な構成としては、球抜操作手段は、移動可能に取り付けられた球抜操作具と、該球抜操作具の動きを第一開閉部材に伝達して従動させる第一歯車機構と、球抜操作具の動きを第二開閉部材に伝達して従動させる第二歯車機構とを具備してなるものであり、第二歯車機構を相互に噛合するラックとピニオンにより構成し、該ラックとピニオンの少なくともいずれかに欠歯部を設けることにより、所定範囲の球抜操作具の動きに対し、第二開閉部材が従動しないようにして、球抜操作具を定常位置から一方向に移動操作すると、まず、第一歯車機構によって、第一開閉部材のみが従動して、第一球抜状態に変換し、球抜操作具を更に同方向に移動操作すると、第二歯車機構によって、第二開閉部材が従動して、第二球抜状態に変換するようにした構成が提案される(請求項5)。かかる構成のように、球抜操作手段を、電気的駆動装置を用いることなく、歯車機構を用いて機械的に構成すれば、球抜操作手段がシンプルとなり、球抜操作手段を低廉に実現できる。
以上に述べたように、本発明は、単一の球抜操作具の操作によって、滞留領域に配設された第一球抜口と、整流通路の下流端部に配設された第二球抜口とが閉止する定常閉止状態から、第一球抜口のみが開放する第一球抜状態と、第一球抜口及び第二球抜口が開放する第二球抜状態とに変換し得る球抜操作手段を設けたことを特徴とするスロットマシンであるから(請求項1)、単一の球抜操作具の操作によって、二つの球抜口を異なる態様で開放可能となり、遊技者は、遊技中、遊技終了時に関わらず、同一の球抜操作具を操作することにより、貯留領域の遊技球を遊技機外に適切に排出することができる。従って、本発明では、遊技球の排出に要する操作が簡単であり、遊技者は操作に手間取ることなく貯留領域の遊技球を、遊技機外の球箱等に移し替えることができ、補助下皿部材を省略し、貯留皿部材を大容量化したとしても、貯留領域から円滑に遊技球を排出することができる。また、各球抜口の開閉を操作する球抜操作具を共通化させているため、部品点数を削減することもできる。
また、球抜操作具の定常位置からの一方向の移動操作により、定常閉止状態から、第一球抜状態と第二球抜状態とに順次変換するようにした場合には(請求項2)、球抜操作具の誤操作によって第二球抜口が開放される危険性が少なく、遊技中に第二球抜口が開放し、遊技が中断してしまうのを防止できる。また、球抜操作具が単一であるだけでなく、所定方向への球抜操作具を移動操作で、第一球抜状態と第二球抜状態に変換できるため、操作方法が極めて簡単で判り易く、操作性に優れる。
さらに、滞留領域の、整流通路への出口部分の底面に第一球抜口を配設した場合には(請求項3)、開口面積が狭く、比較的遊技球の排出効率の低い第二球抜口からは、整流通路の少数の遊技球が排出されるのみであるため、貯留領域の遊技球を遅滞なくスムーズに排出できる。
また、貯留皿部材の上方に設けられ、遊技球を貯留する上部補助領域を有する補助上皿部材と、遊技球を上部補助領域へ払い出す払出装置と、上部補助領域の遊技球を、貯留皿部材の滞留領域へ流下させる連絡通路とを備えた構成にあっても(請求項4)、遊技者が遊技球を移し替える手間を軽減することができるため、上記貯留皿部材の構成と組み合わせることにより、遊技球を遊技媒体とするスロットマシンに適した遊技球の貯留機構を実現できる。
また、球抜操作手段は、移動可能に取り付けられた球抜操作具と、該球抜操作具の動きを第一開閉部材に伝達して従動させる第一歯車機構と、球抜操作具の動きを第二開閉部材に伝達して従動させる第二歯車機構とを具備してなるものであり、第二歯車機構を相互に噛合するラックとピニオンにより構成し、該ラックとピニオンの少なくともいずれかに欠歯部を設けることにより、所定範囲の球抜操作具の動きに対し、第二開閉部材が従動しないようにして、球抜操作具を定常位置から一方向へ移動操作すると、まず、第一歯車機構によって、第一開閉部材のみが従動し、球抜操作具を更に同方向に移動操作すると、第二歯車機構によって、第二開閉部材の両方が従動するようにした場合には(請求項5)、球抜操作手段が機械的に構成されるため製造が容易である。また、かかる球抜操作手段は、自己完結的な構成であるので、遊技制御手段等の構成に関わりなく多様な機種に採用することができる。
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
本実施例のスロットマシン1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、通常パチンコ機用の遊技島に対してパチンコ機同様に取り付けられる。すなわち、このスロットマシン1は、図1〜3に示すように、遊技島に固定されるパチンコ機と同形状の外枠2を備え、この外枠2に対して、回転ドラム12a〜12cを備えた遊技機本体3がヒンジ部材9を介して枢着される。また、スロットマシン1の左側には、スロットマシン1と接続されて、貸球数を記憶したプリペイドカードの読込みや書込みを行うカードユニット11が付属装置として装着される。
遊技機本体3は、図1〜3に示すように、ヒンジ部材9を介して外枠2に直接枢着する板状の前枠4や、該前枠4の背面側に着脱可能に取り付けられて、遊技球の流路を形成する裏機構板5等により構成される。そして、この遊技機本体3の前面側を覆うように前扉6が枢着され、さらに遊技機本体3の前面下部には、取付パネル33に固定された貯留皿部材19が着脱可能に取り付けられる。
前枠4は、外枠2に内嵌し得る形状に成形された板状樹脂材よりなり、図1,3に示すように、その上部中央に、外周面に多種類の図柄Pが配された3つの回転ドラム12a〜12cを備える。これらの回転ドラム12a〜12cは、これらを個別に駆動するドラムモータ及び該モータを支持する支持部材に組み付けられて、一体のドラムユニット10(図3参照)を構成しており、このドラムユニット10が、前枠4の背面側に取り付けられる。なお、このドラムユニット10は、既存のスロットマシンのものを好適に用いることができる。そして、前枠4の、ドラムユニット10の装着部位には、各回転ドラム12a〜12cを前方から視認可能とする表示窓23が形成され、この表示窓23に回転ドラム12a〜12c正面の図柄Pが表出される。また、表示窓23の下方には、レギュラーボーナス中の入賞回数等を表示するゲーム回数表示器14や、一回の入賞により獲得した賞球数が表示される払出数表示器15、払出動作が完了していない遊技球数を表示する未払出数表示器16が横並びに配設される。さらに、表示窓23の左側には、有効な入賞ラインを遊技者に報知する入賞ラインランプ24が設けられる。また、表示窓23の上方には、遊技状態に合わせて多様な演出パターンを表出する液晶表示装置29も配設される。
前扉6は、図1,2に示すように、前枠4の前面を、上縁から下部にかけて覆う矩形状をなし、その左縁に設けられたヒンジ部材(図示省略)を介して開閉可能に取り付けられる。この前扉6の上部には、略矩形のガラス板32が嵌め込まれており、前枠4に設けられた表示窓23や液晶表示装置29を透過視可能としている。そして、前扉6の、ガラス板32の下方位置には操作部39が形成される。この操作部39には、正面視左側よりスタートランプ40、スタートレバー41、三つのBETボタン42a〜42c、ストップボタン43a〜43cが横並びに設けられており、これらのボタンやレバーの操作により遊技が実行される。スタートランプ40は、回転ドラム12a〜12cが回転開始可能であることを遊技者に報知するためのものであり、このスタートランプ40の点灯時にスタートレバー41を押し下げると、各回転ドラム12a〜12cが回転開始する。BETボタン42a〜42cは、賭数単位で遊技球を投入するための投入スイッチを構成するものであり、後述するように、これらのボタン操作により貯留皿部材19内の遊技球が自動的に遊技機内へ取り込まれる。また、ストップボタン43a〜43cは回転ドラム12a〜12cの停止操作に用いるものであり、回転ドラム12a〜12cの回転中にこれらのボタンを押圧操作すると、この操作タイミングに基づいて制御装置が各ボタンに対応する回転ドラム12a〜12cを停止させる。また、上記の各ボタン42a〜42c,43a〜43cは、スイッチとランプを備え、ボタン操作は各スイッチのON作動により後述の主制御基板100へ伝えられると共に、夫々のランプの点灯によりボタン操作が有効であることを遊技者に報知するようになっている。
さらに、図1,2に示すように、前扉6の前面の、操作部39の下方位置には、補助上皿部材8が取り付けられる。この補助上皿部材8の上部には、遊技球を貯留する上部補助領域36が形成されており、該上部補助領域36に、左側後部に開口する球供給口35から流入した遊技球等が貯留され、貯留された遊技球は、右側底面に開口する連絡通路38の流入口91へと順次流入し、後述する貯留領域21へと流下するようになっている。また、補助上皿部材8の正面には、カードユニット11に投入したプリペイドカードを遊技者に返却するよう指示するカード返却ボタン25と、所定個数単位の遊技球xを貸球として払い出すよう指示する球貸ボタン26と、カードユニット11に投入したプリペイドカードの残高を表示する度数表示器27とを備えるカード操作部28が設けられている。
一方、前枠4の前面下部に位置する貯留皿部材19は、その上部に遊技球を貯留する貯留領域21を有する。貯留領域21は、図12に示すように、隔壁56により、その右前縁に沿った細長形状の整流通路54と、該整流通路54の左端と連通する幅広な滞留領域53とに区画形成される。そして、滞留領域53の右端に、連絡通路38の流出口92が開口しており、上部補助領域36から流下した遊技球が、この流出口92から滞留領域53へ流入すると共に、滞留領域53の全ての遊技球は整流通路54へ順次流入して、整流通路54の右端に開口する取込口66から、遊技開始に必要な数の遊技球が適時取り込まれるようになっている。また、図1に示すように、貯留皿部材19の前面下部には、球抜操作具20が設けられており、遊技者の球抜操作具20の操作により、貯留領域21の遊技球を遊技機外に排出可能となっている。なお、本発明の要部に係るため、補助上皿部材8及び貯留皿部材19の詳細な構成は別途後述する。
裏機構板5は、上述のように前枠4の背面に着脱可能に装着されて、前枠4と共に遊技機本体3を構成するものであり、図3に示すように、その背面には、電子回路を組み込まれた基板100〜106(図4参照)を内蔵する基板ユニット13,13が備え付けられる。これらの基板100〜106は相互に電気的に接続されると共に、スロットマシン1に設けられた各種センサ、スイッチ、モータ、ランプ等と接続されており、遊技を統括する制御装置を構成する。また、図2,3に示すように、裏機構板5の上部には、遊技島設備の球供給装置から遊技球xの供給を受ける球タンク30が設けられる。この球タンク30は、裏機構板5内部に形成される球供給通路17を通して、前記球供給口35と連通しており、該球供給通路17の中途位置に設けられた払出装置31が作動すると、球タンク30側に位置する所定数の遊技球xが、球供給口35へ向けて送出されて、上部補助領域36に流入するようになっている。また、球供給口35の奥には、満タンスイッチ48が設けられる。この満タンスイッチ48は、上部補助領域36が遊技球で満杯となった場合に、上部補助領域36に流入できずに、球供給口35の奥に滞留した遊技球を検知してON作動する。かかる上部補助領域36への遊技球供給機構は、既存のパチンコ機の構成を好適に用いることが可能である。
次に、本実施例のスロットマシン1の遊技作動を制御する制御回路を、図4を参照して説明する。マイクロコンピュータを構成する主制御基板100には、スロットマシン1の遊技制御を行うと共に、投入スイッチの操作に基づいて遊技球xの取込動作制御等を行うための基板回路が設けられている。この主制御基板100の基板回路には、周辺機器とデータ通信を行う入力ポート及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板100からの制御信号が、払出制御基板101、表示制御基板102、ランプ制御基板103、情報端子基板105の各入力ポートに向けて出力されるように接続されている。また、主制御基板100の入力ポートには、上述したスタートレバー41や各BETボタン42a〜42c、ストップボタン43a〜43cのスイッチが接続されており、主制御基板100は2msごとにこれらの操作状態を調べ、その操作に応じて遊技状態を制御する。また、主制御基板100には、後述する整流通路54に設けられる貯留球検知スイッチ75a〜75cや、球取込装置50の取込モータ72、球取込装置50により取り込まれた遊技球を検知する取込球検知スイッチ77も接続される。
上記払出制御基板101には、遊技球の払出作動の制御を行うための基板回路が設けられる。この基板回路は、上記払出装置31と接続されており、主制御基板100から入力されたコマンドに従い払出装置31を作動させて、貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板101は、貸球数を記憶したプリペイドカードの読込みや書込みを行う付属装置であるカードユニット11と、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板104を介して接続され、遊技球xの残球データ等をやり取りする。さらに、払出制御基板101には、前記球タンク30内の球切れを検出するための球切れスイッチや、上部補助領域36が遊技球で満杯になったことを検知するための満タンスイッチ48とも接続されている。
上記表示制御基板102は、回転ドラム12a〜12cの停止制御を行うための基板回路が設けられる。この基板回路には、各回転ドラム12a〜12cを回転駆動するドラムモータと、回転ドラム12a〜12cの回転角度を検出する基準位置センサと接続され、主制御基板100から入力されたコマンドに従ってドラムモータを作動させ、各回転ドラム12a〜12cを回転させると共に、所定回転角度で停止させる。また、表示制御基板102には、液晶表示装置29も接続されており、主制御基板100からのコマンドに応じて、液晶表示装置29に表示制御信号を送信し、様々な演出表示を実行させる。また、表示制御基板102は、回転ドラム12a〜12cの下方に設けられた各種表示器14〜16と接続されると共に、効果音や音声の出力制御を行う音声制御基板106を介してスピーカとも接続されている。
上記ランプ制御基板103には、入賞ラインランプ24や、操作部39のスタートランプ40や各種ボタン42a〜42c,43a〜43cに内蔵されたランプと接続されており、主制御基板100から入力されたコマンドに従い各種ランプを点灯制御して、入賞ラインやボタン操作が有効となったことを遊技者に報知する。
また、上記情報端子基板105は、遊技島設備の集中管理装置107と接続するためのものであり、主制御基板100や払出制御基板101から送られた賞球数や大当り回数等の情報を、この基板を介して集中管理装置107へ送信することができる。
上述したように、本実施例のスロットマシン1は、遊技機本体3の前面下部に、補助上皿部材8と貯留皿部材19が設けられており、払出装置31が送出した遊技球xを補助上皿部材8の上部補助領域36へ払い出すと共に、上部補助領域36の遊技球xを貯留皿部材19の貯留領域21へ流下させ、遊技の開始に必要な遊技球を、該貯留領域21から取り込むようにしている。以下に、これらの構成について詳細に説明する。
補助上皿部材8は、図1,2に示すように、前扉6の下部に固着されて、前扉6の閉止時に遊技機本体3の前面に位置するように設けられる。この補助上皿部材8は、直方体形状に成形された樹脂材よりなり、図5,8に示すように、その上部に、遊技球を貯留する上部補助領域36が設けられる。また、図9に示すように、補助上皿部材8の内部は空洞となっており、その右側に、上部補助領域36と貯留皿部材19の貯留領域21と連通する連絡通路38が形成される。上部補助領域36は、図5,8に示すように、前扉6を貫通する左後部の球供給口35を介して、裏機構板5に設けられた払出装置31と連通しており、払出装置31から払い出された遊技球xは、この球供給口35から上部補助領域36に流入する。一方、上部補助領域36右側底面には、連絡通路38への流入口91が形成され、また、上部補助領域36の底面は緩やかに該流入口91へ下り傾斜しており、上部補助領域36の遊技球xを連絡通路38に流入させるようになっている。
連絡通路38は、図5〜7に示すように、補助上皿部材8と貯留皿部材19の内部右側に上下方向に形成されて、上部補助領域36と貯留領域21とを連通し、流入口91から流入した上部補助領域36の遊技球xを、貯留領域21へ流下させる。ここで、図9〜11に示すように、補助上皿部材8の連絡通路38近傍位置には、貯留領域21が満杯であるか否かを検知する満杯検知手段や、遊技球が連絡通路38を流下可能な状態と流下不可能な状態とに変換する開閉手段と、満杯検知手段と開閉手段とを連係する連係手段とが設けられる。
満杯検知手段は、連絡通路38を臨む位置に軸支される検知部材94によって構成される。この検知部材94は、図11に示すように、下方の定常位置(図11(イ))と、上方の検知位置(図11(ロ))との間を傾動可能となっており、貯留領域21に遊技球を受け入れる余裕がある場合には、図10(イ)に示すように下方の定常位置にあり、貯留領域21が遊技球xで満杯となった場合には、図10(ロ)に示すように、貯留領域21へ流下不可能なって連絡通路38内に滞留した遊技球xによって、検知位置に押し上げられる。
一方、開閉手段は、検知部材94の上方に軸支される阻止部材93によって構成される。この阻止部材93は、図11に示すように、軸支部分の周囲に設けられる歯車部98と軸支部分より延出する板部99からなり、板部99を垂下させる開放位置(図11(イ))と、板状部を略水平とする閉塞位置(図11(ロ))との間を傾動可能となっており、その閉塞位置では、検知部材94の上方位置において、連絡通路38を閉止して、遊技球xの流下を妨げる。
そして、連係手段は、相互に噛合する歯車96と略L字形の連係ラック97により構成される。そして、図10,11に示すように、歯車96を阻止部材93の歯車部98と噛合させると共に、連係ラック97を検知部材94と当接させることにより、検知部材94と阻止部材93とを機械的に連係し、検知部材94が定常位置にある場合には、阻止部材93を開放位置に保持し、検知部材94が検知位置に傾動した場合には、阻止部材93を閉塞位置に傾動させて、検知部材94が定常位置に復帰するまで、阻止部材93を閉塞位置に保持するようにしている。
貯留皿部材19は、図5,12に示すように、補助上皿部材8と類似した直方体形状の成形樹脂材よりなり、その上部に、遊技球xを貯留する貯留領域21が形成される。そして、この貯留皿部材19も内部が空洞となっており、図13,14に示すように、その内部の空洞に、遊技球xを取り込む球取込装置50や遊技球を流下させる通路等が設けられる。貯留領域21は、図5,12に示すように、右縁から左方に延成される隔壁56により、右前縁に沿った細長形状の整流通路54と、貯留する遊技球xを整流通路54へ流下させる滞留領域53とに区画される。滞留領域53の右端部には、連絡通路38の流出口92が形成されており、上部補助領域36から連絡通路38に流入した遊技球xが、この流出口92から滞留領域53に流入する。そして、滞留領域53の底面は、整流通路54の右端の入口に向かう下り勾配が形成されており、滞留領域53の遊技球xが、整流通路54に順次流入するようになっている。
整流通路54は、図12,13に示すように、貯留領域21の前縁と、隔壁56との間に、細長形状に区画形成される。この整流通路54は、遊技球一個が通れる幅寸法をなし、その右端を先頭として、15個の、すなわち賭数三単位分の遊技球xが一列に整列し得る長さとされる。また、整流通路54は、右に向かって下方傾斜しており、その上流端(左端部)を滞留領域53から遊技球が流入する入口とすると共に、その下流端部(右端部)の底面には、一個の遊技球xが通過可能な取込口66が開口し、この取込口66の下方に球取込装置50が設けられる。また、整流通路54に整列する遊技球xの、先頭から5個目、10個目及び15個目を臨む位置に、それぞれ貯留球検知スイッチ75a〜75cが配設される。これらのスイッチ75a〜75cは、夫々の臨む位置に遊技球xが存在するとON作動するものであり。かかるスイッチ75a〜75cの作動状況により、主制御基板100が整流通路54に5個(賭数一単位)以上、10個以上若しくは15個(賭数三単位)以上の遊技球xが整列しているか否かを判定する。
取込口66の下方に設けられる球取込装置50は、図13,15,16に示すように、スプロケット71と該スプロケット71を回転させる取込モータ72とで構成され、整流通路54の下方に取り付けられて、スプロケット71を取込口66の直下に位置させる。取込モータ72は、ステッピングモータよりなり、裏機構板5に設けられた主制御基板100に接続されて、該主制御基板100からの制御信号に応じた回転角度で、スプロケット71を回転駆動させる。一方、スプロケット71は、整流通路54の幅寸法と略等しい厚み寸法を有すると共に、その周部に、三つの凹部70が等間隔に形成された側面略Y字型をなすものであり、各凹部70が取込口66と対向することにより、整流通路54から該凹部70に一つの遊技球xを取込可能となると共に、各凹部70の間の係止部73を取込口66と対向することにより、取込口66を閉塞し、遊技球xを整流通路54の下流端部で係止可能とする。また、図15,16に示すように、スプロケット71の後方には、後方へ伸びる取込球排出路49が樋部材により形成されており、取込モータ72がスプロケット71を回転させて、取込口66から遊技球xを収容した凹部70が、この取込球排出路49の入口に対向すると、該遊技球xが取込球排出路49に排出されるようになっている。また、図13に示すように、スプロケット71の外周面は、右方向に縮径しており、後述するように、整流通路54の先頭で係止する遊技球xを、右方へ案内するようになっている。
また、取込球排出路49は、下り傾斜しながら取付パネル33を貫通しており、取込球排出路49に流入した遊技球xを、取付パネル33の背面側へ流下させる。ここで、取込球排出路49の中途位置には、球取込装置50が取り込んだ遊技球を検出する取込球検知スイッチ77が設けられる。この取込球検知スイッチ77は、上述したように主制御基板100に接続されており、球取込装置50により取り込まれた遊技球xが取込球排出路49を通過する度に、この取込球検知スイッチ77がON作動し、これにより、主制御基板100が遊技球xを取り込んだと判断する。そして、図3に示すように、この取込球排出路49は、遊技機本体3の背面側まで通じており、取込球検知スイッチ77に検知された遊技球xは遊技島設備へと排出される。
以下に、貯留領域21からの遊技球の排出機構について詳述する。
本実施例の貯留皿部材19には、貯留領域21の遊技球xを遊技機外に排出するための球抜口80,82が二箇所に形成される。第一球抜口80は、図12,13に示すように、滞留領域53の、遊技球xが整流通路54に流入する部分の底面に配設される。この第一球抜口80の下方には、貯留皿部材19の下方に連通する第一球抜通路52aが配設されており、この第一球抜口80に流入した遊技球xは、第一球抜通路52aを介して遊技機外に排出される。一方、第二球抜口82は、図13に示すように、整流通路54の下流端部の、突き当て面に配設される。この第二球抜口82は、図14〜16に示すように、樋部材により形成される第二球抜通路52bの入口を構成しており、第二球抜口82に流入した遊技球xは、第二球抜通路52bを流下して、第一球抜通路52aに流入し、遊技機外へと排出される。ここで、図13に示すように、滞留領域53の底面に配設される第一球抜口80は、細長形状の整流通路54の下流端部に配設される第二球抜口82の開口面積よりも大きくなっており、第二球抜口82を介するよりも速やかに遊技球xを排出可能となっている。また、この第一球抜口80は、図12に示すように、整流通路54への出口部分の底面に配設されるため、第一球抜口80の開放時に、滞留領域53及び上部補助領域36の遊技球xの全てが、整流通路54に流入することなく、第一球抜口80から排出されるようになっている。
そして、貯留皿部材19には、各球抜口80,82を開放する位置と閉止する位置に移動可能な第一開閉部材81と第二開閉部材83が設けられると共に、各開閉部材81,83を位置変換させ得る球抜操作手段が配設される。
第一開閉部材81は、図16〜18に示すように、板状樹脂片からなり、第一球抜口80を横断状に閉止する右方位置と、第一球抜口80から退避して、第一球抜口80を開放する左方位置との間を移動可能に設けられる。また、第一開閉部材81の左下部には、球抜操作具20と連係するラック86bが一体的に設けられる。第二開閉部材83も板状樹脂片からなり、第二球抜口82を縦断状に閉塞する下方位置と、矩形の開口部84を第二球抜口82と一致させて、第二球抜口82を開放する上方位置との間を移動可能に設けられる。また、この第二開閉部材83の下部にも、球抜操作具20と連係するラック86dが一体的に設けられる。
球抜操作手段は、貯留皿部材19の前面下部に水平移動可能に取り付けられた球抜操作具20と、該球抜操作具20の動きを第一開閉部材に伝達して従動させる第一歯車機構と、球抜操作具20の動きを第二開閉部材に伝達して従動させる第二歯車機構とを具備してなる。球抜操作具20は、図5に示すように、貯留皿部材19の前面下部から前方に突出し、左右に移動可能に保持される。この球抜操作具20は、図18に示すように、貯留皿部材19の内部で左右に伸びる連係部材85の中央前縁に設けられており、連係部材85と一体的に左右に移動する。なお、連係部材85は、図示しない弾性部材により、右方向に付勢されており、常態では、球抜操作具20は可動範囲の右端に位置しており、この位置を球抜操作具20の定常位置としている。また、連係部材85の左右両端部には、上面に歯部を有するラック86a、86cが一体的に設けられる。
連係部材85の左端部に設けられるラック86aは、球抜操作具20の動きを第一開閉部材81に伝達する第一歯車機構を構成するものであり、図17,18に示すように、第一歯車機構は、このラック86aと、第一開閉部材81と一体的に設けられたラック86bと、各ラック86a,86bと噛合して連係する二つのピニオン87a,87bとからなる。そして、球抜操作具20が遊技者に移動操作され、連係部材85に設けられたラック86aが連動して左方に移動すると、この移動に伴いピニオン87a,87bが回転して、第一開閉部材81を左方に従動させる。
一方、連係部材85の右端部に設けられるラック86cは、球抜操作具20の動きを第二開閉部材83に伝達する第二歯車機構を構成するものであり、図17,18に示すように、第二歯車機構は、このラック86cと、第二開閉部材83に一体的に設けられたラック86dと、各ラック86c,86dと噛合して連係する半円形のピニオン87cとからなる。そして、第一歯車機構と同様に、球抜操作具20が遊技者に移動操作され、連係部材85に設けられたラック86cが連動して左方移動すると、この移動に伴いピニオン87cが回転して、第二開閉部材83を上方に従動させる。ここで、図18に示すように、ラック86cには欠歯部88が設けられており、球抜操作具20を定常位置から左方に移動操作しても、ラック86cの欠歯部88がピニオン87cの歯部と当接するため、しばらくの間、第二開閉部材83は従動せず、ラック86cとピニオン87cの歯部が相互に噛合してから第二開閉部材83は上方へ従動する。
本実施例のスロットマシン1の遊技作動を簡単に説明する。
本実施例のスロットマシン1では、5個の遊技球が賭数一単位を構成するものであり、遊技開始の度に貯留皿部材19に貯留されている遊技球を、賭数単位で取り込ませて遊技を行う。本実施例の遊技形態では、一回のゲームに三単位までの賭数を設定可能となっており、この賭数の設定は三つのBETボタン42a〜42cの操作により行われる。すなわち、MAXBETボタン42aを操作すると、合計15個の遊技球が球取込装置50により遊技機内部に取り込まれ、2BETボタン42bを操作すると10個の遊技球が、1BETボタン42cを操作すると5個の遊技球が球取込装置50に取り込まれることとなる。なお、回転ドラム12a〜12cの回転中や、既に15個の遊技球が取り込まれている場合、又は整流通路54内の遊技球数が不足している場合などには、各BETボタン42a〜42cを操作しても無効となり、球取込装置50は作動しない。
BETボタン42a〜42cの操作により、少なくとも賭数一単位分の遊技球が投入されるとスタートランプ40が点灯する。このスタートランプ40の点灯時にスタートレバー41を押し下げ操作すると、回転ドラム12a〜12cが回転開始する。そして、この回転中に、各ストップボタン43a〜43cを押圧操作すると、その操作タイミングに基づいて、主制御基板100が図柄Pの停止態様を決定し、当該停止態様となるように各ドラムモータを停止させる。そして、回転ドラム12a〜12cが停止した際に、入賞ライン上の図柄Pが所定の組合せで揃った場合には「当り」となり、払出装置31から所定数の遊技球が払い出されたり、遊技者に有利なボーナスゲーム等が実行されることとなる。なお、主制御基板100により実行される回転ドラム12a〜12cの停止制御機構や、上記ボーナスゲーム等の遊技内容は、公知のスロットマシンと同様にすることが可能である。
次に、球取込装置50による遊技球の取込作動について説明する。
BETボタン42a〜42cが有効な時に、該ボタン42a〜42cを操作すると、主制御基板100から取込モータ72へパルス信号が送られる。取込モータ72はステップ角が7.5°となっており、受信したパルス信号の数に応じて、図19中反時計回りにスプロケット71を回転させる。球取込装置50は、図19(イ)のように、スプロケット71の係止部73のいずれかを取込口66に対向する位置を通常状態とするものであり、取込モータ72は、常に通常状態で停止するように制御される。このため、取込モータ72の停止時には、整流通路54内の遊技球xは、その下流端部位置で係止部73により係止されて、取込口66へ流下不可能となっている。そして、取込モータ72の停止状態で、主制御基板100からパルス信号が送られて、取込モータ72が通常状態からスプロケット71を図19中反時計回りに60°回転させると、図19(イ)〜(ハ)に示すように、その凹部70が取込口66と対向し、凹部70内に整流通路54内の遊技球xが一つ収容される。そして、スプロケット71をさらに60°回転させると、図19(ハ)〜(ホ)に示すように、別の係止部73が整流通路54の出口と対向し再び通常状態となると共に、遊技球xを収容した凹部70は、右側方の取込球排出路49の入口と対向し、凹部70に収容した遊技球xは、取込球排出路49に流入し、取込球検知スイッチ77に検出された後、取付パネル33の背面側へと案内されて、遊技島の球回収装置へと排出されることとなる。
このように、本実施例にかかる球取込装置50は、スプロケット71を通常状態から図19中反時計回りに120°回転させることにより、整流通路54の先頭に位置する遊技球x一個を凹部70に収容し、続く遊技球xの流下を係止部73で阻止しつつ、該遊技球xを取込球排出路49へ排出する。従って、本実施例のスロットマシン1では、遊技者が1BETボタンを操作して、賭数一単位(遊技球5個)の投入を要求した場合には、主制御基板100は、スプロケットを上記方向に600°(120°×5個)回転させるように取込モータ72にパルス信号を送信し、取込口66から5個(一単位)の遊技球を取り込ませる。同様に、主制御基板100は、2BETボタン42bが操作された際には1200°(120°×10個)、MAXBETボタン42aが操作された際には1800°(120°×15個)回転させるように、取込モータ72に制御信号を送信し、整流通路54から10個(二単位)、15個(三単位)の遊技球を取り込ませる。なお、本実施形態では、取込モータ72の作動中(取込動作中)以外に取込球検知スイッチ77が遊技球xを検出しても、主制御基板100は、当該遊技球xを取り込んだ遊技球として計数せず、無効としている。
次に、1BETボタン42cの操作に伴い実行される遊技球の取込制御態様例を、図20のタイミングチャートを参照して具体的に説明する。まず、遊技者が1BETボタンを押圧操作すると、ボタン内部の1BETボタンスイッチ(1BETボタンSW)がON作動する。主制御基板100は、この1BETボタンスイッチのON作動を検知すると、賭数一単位の取込みが要求されたと判定し、当該ボタン操作が有効であるか否かの判定を行う。ここで、ボタン操作時には、回転ドラム12a〜12cが回転しておらず、かつ整流通路54に5個以上の遊技球が整列し、賭数が0であるため、主制御基板100は、当該ボタン操作を有効とし、賭数を一単位とした後、スプロケット71を上記方向へ600°回転させるように取込モータ72へパルス信号を送信し、スプロケット71を回転させる。そして、スプロケット71の回転に伴い、取込口66から取込球排出路49へ遊技球が一つずつ排出される度に、取込球検知スイッチ77(球検出SW)が即時にON作動し、主制御基板100は該基板に設けられる球取込数カウンタを1加算する。そして、スプロケット71が600°回転し、球取込数カウンタが5個の遊技球を計数すると、主制御基板100は賭数一単位を取り込んだと判断し、スタートランプ40を点灯させてスタートレバー41の操作を有効とする。その後、スタートレバー41の押し下げ操作を行い、内蔵されるスタートレバースイッチ(スタートレバーSW)がON作動すると、回転ドラム12a〜12cが回転開始しゲームが開始されると共に、主制御基板100の賭数や取込球数カウンタはリセットされる。なお、本実施例のスロットマシン1では、スタートレバー41を操作する前に、1BETボタン42cを再び操作すれば、さらに5個の遊技球を球取込装置50に取り込むことが可能となっている。
次に、払出装置31から払い出された遊技球の流下態様や貯留態様について説明する。
入賞ライン上の図柄Pが所定の組合せで揃い「当り」となった場合や、カード操作部28の球貸ボタンを押圧操作した場合に、払出装置31は、主制御基板100からの制御信号に従って所定数の遊技球を下方に払い出し、払い出された遊技球は、球供給通路17を流下して、球供給口35から上部補助領域36に流入する。ここで、貯留領域21に遊技球xを受け入れる余裕がある場合には、上部補助領域36に流入した遊技球xは、図6,7に示すように、連絡通路38に流入して、貯留領域21へと流下して、整流通路54に整列した後、上述したように、球取込装置50に取り込まれて、取込球排出路49を介して遊技島に排出されることとなる。
一方、ボーナスゲームが実行されるなどして、払出装置31から多量の遊技球が払い出され、貯留領域21が遊技球xで満杯となった場合には、連絡通路38の流出口92から遊技球xが流出不可能となり、連絡通路38が閉塞されて、払出装置31から払い出された遊技球は、上部補助領域36に貯留されることとなる。すなわち、図10に示したように、貯留領域21が満杯となって、連絡通路38に遊技球xが滞留すると、検知部材94が、かかる遊技球に押圧されて傾動し、これに合わせて、阻止部材93が閉塞位置に傾動し、遊技球xが流下しないように連絡通路38を閉塞するのである。かかる状態では、上部補助領域36に貯留される遊技球xは、連絡通路38内において、阻止部材93により、下方への流下を阻止されているため、上部補助領域36の遊技球が連絡通路38を流下しようとする球圧が、下方の貯留領域21の遊技球に加わることない。
また、遊技球xが取込口66から取り込まれたり、球抜口80,82から排出されて、満杯であった貯留領域21に遊技球xを受け入れる余裕ができた場合には、検知部材94の定常位置への復帰に伴って、阻止部材93が開放位置へ傾動し、連絡通路38が開放されることにより、上部補助領域36の遊技球xが、連絡通路38を介して、貯留領域21に補充されることとなる。なお、多量の遊技球xが払い出され、上部補助領域36も満杯となった場合には、上部補助領域36に流入不可能となり、球供給口35の奥に滞留した遊技球によって満タンスイッチ48がON作動する。そして、このON作動により、主制御基板100は、遊技球xを払い出すスペースがなくなったと判断し、球取込装置50を強制的に停止させて、遊技を続行不可能とすることにより、遊技者に貯留された遊技球xの排出を促す。このため、遊技者は、遊技の中断を防ぐため、上部補助領域36が満杯となる前に、後述するように、球抜操作具20を操作して、貯留領域21から遊技球xを排出しなくてはならない。
このように、本実施例のスロットマシン1では、貯留皿部材19が遊技球で満杯となった場合には、貯留皿部材19の上方に設けられた補助上皿部材8の上部補助領域36に遊技球xが貯留される。そして、この上部補助領域36に貯留した遊技球xは、自動的に連絡通路38を介して流下して貯留領域21に補充されるため、遊技者が、遊技球を手ずから補充する手間が少なくて済む。特に、上部補助領域36に遊技球を貯留する場合には、連絡通路38を阻止部材93により閉塞しているため、上部補助領域36の遊技球の球圧が貯留領域21に加わることがなく、上部補助領域36に遊技球を多量に貯留した場合でも、貯留領域21の遊技球を、上方からの球圧によって溢れさせたり、詰まらせたりすることなく、安定して貯留することができる。
次に、球抜操作具20の操作に伴い変換される、二つの球抜口80,82の開閉状態と、各開閉状態への変換態様について説明する。本実施例に係る貯留皿部材19にあっては、二つの球抜口80,82の開閉状態には、両球抜口80,82が閉止する定常閉止状態と、第一球抜口80のみが開放する第一球抜状態と、第一球抜口80及び第二球抜口82が開放する第二球抜状態との三つがある。まず、上述したように、連係部材85は常に右方向に付勢されるため、図17(イ),18(イ)に示すように、球抜操作具20を操作しない状態では、球抜操作具20は右側の定常位置にある。そして、かかる状態では、第一開閉部材81は第一球抜口80を閉止する右方位置にあり、また、第二開閉部材83も第二球抜口82を閉止する下方位置にあり、両球抜口80,82が閉止する定常閉止状態となっている。ここで、第一開閉部材81は、ラック86a,86b及びピニオン87a,87bの噛合によって右方位置に保持されているが、第二開閉部材83は、自重により下方位置に保持される。この定常閉止状態では、第一球抜口80及び第二球抜口82が閉止しているため、貯留領域21の遊技球xは、いずれの球抜口80,82からも排出されることなく貯留され、上述のように球取込装置50の作動により、貯留領域21の遊技球を取込口66から順次取込可能となっている。
次に、球抜操作具20を定常位置から左方に移動操作すると、かかる操作に合わせて、連係部材85両端のラック86a,86cが左方移動する。ここで、図17(イ),18(イ)に示すように、球抜操作具20の定常位置では、連係部材85の左端部のラック86aと、第一開閉部材81とは、ラック86b及びピニオン87a,87bを介して連係しているため、ラック86aの左方移動に伴い第一開閉部材81も左方に従動し、第一球抜口80が開放する。一方、球抜操作具20の定常位置では、ラック86cの欠歯部88とピニオン87cの歯部が当接しており、球抜操作具20を定常位置から左方に操作しても、ラック86cの歯部とピニオン87cの歯部が噛合するまでは、第二開閉部材83は、球抜操作具20の動きに対して従動しない。このため、図17(ロ),18(ロ)に示すように、球抜操作具20を定常位置から左方に移動操作すると、まず、第一開閉部材81のみが従動し、第一球抜口80のみが開放されて、定常閉止状態から第一球抜状態に変換することとなる。この第一球抜状態では、第一球抜口80が開放されるため、図17(ロ)に示すように、滞留領域53に遊技球xが貯留される場合には、該遊技球xは順次第一球抜口80へ流入し、第一球抜通路52aを通り、遊技機外に排出されることとなる。また、滞留領域53が遊技球xで満杯で、上部補助領域36にも遊技球xが貯留されている場合には、滞留領域53の遊技球xが排出されるのに伴い、上部補助領域36の遊技球xも連絡通路38を介して、滞留領域53に流下して、第一球抜口80から遊技機外に排出される。一方、第二球抜口82は閉止されているため、整流通路54の遊技球xは遊技機外に排出されない。このため、かかる第一球抜状態にあっては、滞留領域53や上部補助領域36に貯留された遊技球xを遊技機外に排出しつつ、整流通路54の遊技球xを球取込装置50に取り込ませ、遊技を行うことが可能である。従って、多量の遊技球が払い出され、遊技中に遊技球xを排出する必要が生じた場合でも、遊技者は、球抜操作具20を操作して第一球抜状態とすることで、遊技を中断することなく、滞留領域53や上部補助領域36の遊技球xを遊技機外に排出し、球箱等に移し替えることができる。
球抜操作具20を定常位置から左方に移動操作し、第一球抜状態とした状態から、さらに球抜操作具20を左方に移動操作すると、図17(ハ)、18(ハ)に示すように、ラック86cの歯部とピニオン87cの歯部が噛合して、球抜操作具20の移動操作に合わせて、第二開閉部材83が上方に従動し、第一球抜口80に加えて第二球抜口82も開放されて、第一球抜状態から第二球抜状態に変換する。この第二球抜状態では、第一球抜口80及び第二球抜口82が開放されるため、図17(ハ)に示すように、滞留領域53や上部補助領域36の遊技球xが第一球抜口80から遊技機外に排出されるだけでなく、整流通路54の遊技球xも、通路の下流端部の第二球抜口82に流入し、球抜通路52a、52bを介して、遊技機外に排出されることとなる。このため、かかる第二球抜状態にあっては、上部補助領域36及び貯留領域21の遊技球x、すなわち遊技者がスロットマシン1に貯留する全ての遊技球xを遊技機外に排出することが可能であり、遊技を終了する際に、貯留する遊技球xを、スロットマシン1に残すことなく回収できる。
このように、本実施例のスロットマシン1にあっては、単一の球抜操作具20の操作によって、二箇所の球抜口80,82を、第一球抜状態と第二球抜状態の二つの態様で開放させることが可能である。従って、二つの球抜操作具を用いて二箇所に配設した球抜口を選択的に開閉するようにしていた構成と比べ、本実施例は操作が簡単で、分かり易く、球抜操作具20を取り違えることなく迅速に操作して、貯留領域21から遊技球xを速やかに排出することができる。
特に、本発明にあっては、球抜操作具20の定常位置から左方への移動操作によって、球抜口80,82の開閉態様が、定常閉止状態から第一球抜状態へ、そして、第一球抜状態から第二球抜状態へと段階的に変換するようにしている。すなわち、球抜操作具20の定常位置からの左方移動により、最初に第一球抜口80が開放されて、滞留領域53の遊技球xから先に排出されるため、誤操作により、第二球抜口82が開放されて、整流通路54から遊技球xが排出されてしまい、遊技が中断してしまう危険性が少ない。
また、図12に示したように、第一球抜口80は、滞留領域53の、整流通路54への出口部分の底面に配設し、第二球抜状態にあっては、滞留領域53及び上部補助領域36の遊技球x全てを幅広な第一球抜口80から排出し、整流通路54に貯留される少数の遊技球xのみを第二球抜口82から排出するようにしている。すなわち、本実施例にあっては、大部分の遊技球xは、遊技球xの排出効率の高い第一球抜口80から排出されるため、貯留領域21の遊技球xを迅速に排出することができる。
さらに、本実施例にあっては、貯留皿部材19の上方に補助上皿部材8を備え、払出装置31が払い出した遊技球を補助上皿部材8の上部補助領域36に払い出すと共に、上部補助領域36の遊技球を、連絡通路38を介して、滞留領域53へ順次流下させるようにしている。このため、貯留領域21が遊技球xで満杯となった場合に、遊技球xは上部補助領域36に貯留される。そして、かかる遊技球xは、貯留領域21に順次流下して補充されるため、貯留領域21の遊技球が枯渇し難く、遊技者が手ずから遊技球を補充する手間が軽減される。
また、上記のように、球抜操作具20の動きを第二開閉部材83に伝える、ラック86cとピニオン87cを球抜操作具20の定常位置では噛合させず、球抜操作具20の定常位置からの左方操作によって、最初は、第一開閉部材81のみが従動して、第一球抜口80のみが開放され、球抜操作具20の更に左方操作すると、ラック86cとピニオン87cが噛合して、第二開閉部材83が従動し、第二球抜口82も開放されるようにしている。かかる構成のように、歯車機構により、球抜操作具20の動きを機械的に伝達させることにより、電気的な伝達機構を用いるよりも、少ない部品点数で低廉に球抜操作手段を実現可能である。
尚、本発明のスロットマシンは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、実施例では貯留皿部材19の上方に補助上皿部材8が設けられているが、補助上皿部材8を省き、貯留皿部材19を大型化して、払出装置31からの遊技球を直接滞留領域53に払い出すようにしてもよい。また、貯留皿部材19や補助上皿部材8は、前扉6や取付パネル33を介して、遊技機本体3の前面に取り付けられているが、前枠4や裏機構板5に対して、直接取り付けることもできる。また、球抜操作手段にあっても、上記歯車機構に替えて、ソレノイドやモータを用いて各開閉部材81,83を移動させることも可能であるし、球抜操作具に関しても、上記したように左右に移動させるものに限らず、摘みを回動させるようなものでもよいし、押しボタン式も採用可能である。さらに、球取込装置50に関しても、スプロケット71と取込モータ72からなる構成に限らず、取込モータ72に替えてソレノイドを使用するなど、既知の球取込装置の構成を好適に用いることが可能である。また、上記スロットマシン1では、遊技球5個を賭数一単位とし、遊技球を常に5個単位で取り込んでいるが、取り込む遊技球の数は適宜変更可能である。
スロットマシン1の正面図である。 スロットマシン1の平面図である。 スロットマシン1の背面図である。 遊技を制御する制御回路を示すブロック回路図である。 補助上皿部材8および貯留皿部材19の分離斜視図である。 補助上皿部材8および貯留皿部材19の正面図である。 補助上皿部材8および貯留皿部材19の右側面図である。 補助上皿部材8の平面図である。 図8中のA−A断面図である。 図9中のB部分を拡大して、連絡通路38の遊技球xの流下態様を示す説明図(イ),(ロ)である。 検知部材94および阻止部材93の連係態様を示す斜視図(イ),(ロ)である。 貯留皿部材19の平面図である。 図12中のC−C断面図である。 図12中のD−D断面図である。 取込球排出路49及び第二球抜通路52bを開放して、遊技球xの流路を示す平面図である。 取込球排出路49、球抜通路52a,52b等の配置関係を示す斜視図である。 図12中のC−C断面により、球抜口80,82の開閉状態を示す説明図であり、(イ)は定常閉止状態を、(ロ)は第一球抜状態を、(ハ)は第二球抜状態を示す。 球抜口80,82の各開閉状態での、球抜操作具20や第一開閉部材81、第二開閉部材83等の位置関係を示す説明図であり、(イ)は定常閉止状態を、(ロ)は第一球抜状態を、(ハ)は第二球抜状態を示す。 取込口66近傍の左側断面を拡大し、球取込装置50の作動を示す説明図(イ)〜(ホ)である。 遊技球の取込作動の一例を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 スロットマシン
3 遊技機本体
4 前枠
5 裏機構板
6 前扉
8 補助上皿部材
12a〜12c 回転ドラム
19 貯留皿部材
20 球抜操作具
21 貯留領域
31 払出装置
35 球供給口
36 上部補助領域
38 連絡通路
49 取込球排出路
50 球取込装置
52a 第一球抜通路
52b 第二球抜通路
53 滞留領域
54 整流通路
80 第一球抜口
81 第一開閉部材
82 第二球抜口
83 第二開閉部材
84 開口部
86a〜86d ラック
87a〜87c ピニオン
88 欠歯部
93 阻止部材
94 検知部材
x 遊技球

Claims (5)

  1. 回転ドラムを備えた遊技機本体の前面に設けられ、遊技球が滞留する滞留領域と該滞留領域の遊技球が流入して整列する細長形状の整流通路とからなる貯留領域を有する貯留皿部材を備え、
    整流通路の下流端部に形成された取込口から、遊技開始に必要な数の遊技球を、球取込装置により取り込むようにした遊技球を遊技媒体とするスロットマシンであって、
    滞留領域の底面に第一球抜口を、整流通路の下流端部に第二球抜口を夫々配設し、各球抜口を介して、遊技機外へ遊技球を排出可能とすると共に、
    第一球抜口を開放する位置と閉止する位置に移動可能な第一開閉部材と、第二球抜口を開放する位置と閉止する位置に移動可能な第二開閉部材とを夫々設け、
    さらに、単一の球抜操作具の操作によって、第一開閉部材及び第二開閉部材により第一球抜口及び第二球抜口が閉止する定常閉止状態から、第一球抜口のみが開放する第一球抜状態と、第一球抜口及び第二球抜口が開放する第二球抜状態とに変換する球抜操作手段を設けたことを特徴とするスロットマシン。
  2. 球抜操作手段は、球抜操作具の定常位置からの一方向の移動操作により、定常閉止状態から、第一球抜状態と第二球抜状態とに順次変換するものであることを特徴とする請求項1記載のスロットマシン。
  3. 滞留領域の、整流通路への出口部分の底面に、第一球抜口を配設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスロットマシン。
  4. 貯留皿部材の上方に設けられ、遊技球を貯留する補助貯留領域を有する補助上皿部材と、
    遊技球を補助貯留領域へ払い出す払出装置と、
    補助貯留領域の遊技球を、貯留皿部材の滞留領域へ流下させる連絡通路と
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスロットマシン。
  5. 球抜操作手段は、移動可能に取り付けられた球抜操作具と、該球抜操作具の動きを第一開閉部材に伝達して従動させる第一歯車機構と、球抜操作具の動きを第二開閉部材に伝達して従動させる第二歯車機構とを具備してなるものであり、
    第二歯車機構を相互に噛合するラックとピニオンにより構成し、該ラックとピニオンの少なくともいずれかに欠歯部を設けることにより、所定範囲の球抜操作具の動きに対し、第二開閉部材が従動しないようにして、
    球抜操作具を定常位置から一方向に移動操作すると、まず、第一歯車機構によって、第一開閉部材のみが従動して、第一球抜状態に変換し、
    球抜操作具を更に同方向に移動操作すると、第二歯車機構によって、第二開閉部材が従動して、第二球抜状態に変換するようにしたことを特徴とする請求項2記載のスロットマシン。
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