以下、上記図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、以下の説明における「役決定処理」とは予め設定された複数の役決定結果番号(1つまたは複数の遊技役またはハズレ(ハズレを設定しない場合は除く)により構成される)の中から、1つまたは複数の役決定結果番号(当選項目)を無作為に選択するために、電子機器等を用いて実行される抽選等の選択行為(「役決定」とも称する)を意味している。ここで、役決定結果番号とは、当該役決定結果番号が決定(選出)された遊技において成立することが許容される1つもしくは複数の遊技役(「成立許容役」や「当選役」とも称する)またはハズレを規定するものである。なお、役決定のことを「役抽選」または「内部抽選」とも称し、抽選や当選における「選」は「籤」または「せん」とも称する。
また、「遊技役が成立する」、「遊技役の成立」等と記載する場合の「成立」とは、決定された役決定結果番号に対応する遊技役(遊技メダルの払出しがある遊技役(小役)か、払出しのない遊技役(再遊技役や特別役)かは問わない)を構成する図柄組合せ(対応図柄)が、所定の停止態様(例えば、後述の有効ライン上に並ぶ態様)で表示されたことを示す概念として用いている。ただし、成立のタイミングについては、例えば、遊技役の対応図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能なタイミングでリール停止操作が行われた時点や、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示された時点、スロットマシンが、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示されたことを識別した時点や、識別した結果を記憶領域に格納した時点等、適宜のタイミングとすることができる。
また、以下の説明において、遊技者による、後述のメダル投入口21への遊技メダルの投入操作(手入れする操作)と、クレジット(貯留)された遊技メダルのうち、遊技を行うために必要な規定数の遊技メダルを遊技の用に供するための、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作を総称してベット操作と称する。また、このベット操作と、遊技者による、後述の清算スイッチ24の押圧操作、スタートレバー(「スタートスイッチ」とも称する)25の傾動操作、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作を総称して遊技操作と称する。なお、一般的に、スロットマシンにおける「投入」とは、遊技メダルを「スロットマシン内に入れる」という意味で用いられる場合と、遊技メダルを「遊技の用に供する」という意味で用いられる場合とがある。以下の説明では、基本的に、前者の意味において「投入」という語を用い、後者の意味においては「ベット」という語を用いることとする。
また、遊技メダルの「払出数」(「払出枚数」とも称する)とは、1回の遊技において遊技者に付与される遊技メダル数を意味する。また、遊技メダルを払い出すという行為には、遊技メダルを実際にスロットマシンから外部に払い出すという行為(「実払出し」とも称する)と、スロットマシン内に貯留される遊技メダルとして、電磁気的に記憶される数値を増加させるという行為(「貯留加算払出し」とも称する)とがある。
また、遊技メダルの「獲得数」(「獲得枚数」とも称する)とは、所定期間(任意に設定可であるが、例えば、ATの期間やボーナスの期間)において、遊技者が獲得した遊技
メダルの総数として、後述の獲得数カウンタによって計数される数値のことを意味する。また、遊技メダルの「差数」(「差枚数」とも称する)とは、所定期間における、払い出された遊技メダルの総数から、ベットされた遊技メダルの総数を引いた値(負値となることもある)を意味する。遊技メダルの「獲得数」と「差数」を同義で用いることもできるが、以下では別の概念として扱う。
また、「フリーズ」とは、遊技の進行に係る所定の制御処理の実行が一定の時間遅延されることをいう。フリーズとしては、スタートレバー25の操作が受け付けられたときにセットされるフリーズ(「リール回転開始時フリーズ」とも称する)と、全リールの回転停止後にセットされるフリーズ(「リール回転停止時フリーズ」とも称する)とを適宜設けることができる。フリーズの期間は、遊技者による遊技操作が有効に受け付けられない状態となる。
以下の説明において、「押しナビ」とは、役決定により選出された遊技役の成立をアシストするために押し順や押し位置を報知する処理(行為)をいう。押しナビのうち、特に再遊技役の成立をアシストするものを「RPナビ」(RPはリプレイの略)、入賞役(小役)の成立をアシストするものを「入賞ナビ」、特定の図柄が停止表示されることをアシストするものを「目押しナビ」(主に副制御手段側で行われる)とも称する。また、主制御手段側で行われる押しナビと副制御手段側で行われる押しナビとを区別したいときは、前者を「メイン側押しナビ」(「メイン側RPナビ」、「メイン側入賞ナビ」、「メイン側目押しナビ」)とも称し、後者を「サブ側押しナビ」(「サブ側RPナビ」、「サブ側入賞ナビ」、「サブ側目押しナビ」)とも称したり、「押しナビ演出」(「RPナビ演出」、「入賞ナビ演出」、「目押しナビ演出」)とも称したりする。
また、以下の説明及び図面においては、数値を、十進数の他に、二進数または十六進数で表記することがある。そこで、これらを区別するため、二進数で表記する場合は数値の末尾に「B」を付記し、十六進数で表記する場合は数値の末尾に「H」を付記することとする。また、十進数で表記する場合は数値の末尾には特に何も付記しないこととする。
《第1のスロットマシン》
図1には、本発明に係る遊技機の一実施形態としての第1のスロットマシン(「スロットマシン1」と称する)を示しており、以下このスロットマシン1の基本的な構成について図1〜図5を参照しながら説明する。
<スロットマシンの外観>
スロットマシン1は、図1に示すように、本体筐体の前面に開閉可能に取り付けられた前扉2を備えており、この前扉2の前面には、上部から順に、上パネルアセンブリ10、中パネルアセンブリ20、下パネルアセンブリ30及び受け皿アセンブリ40が取り付けられている。
上パネルアセンブリ10の中央部には、その裏面側に配された画像表示装置(「液晶表示装置」とも称する)11(図2参照)の表示画面11aが前方を臨むように配置されており、その周辺部には、第1演出ランプ12、第2演出ランプ13a,13b、第3演出ランプ14a,14bが配置されている。また、表示画面11aの下方左右には、一対の上部スピーカ15a,15bが配置されている。
中パネルアセンブリ20の中央部には、本体筐体内に横並びに配設された3個のリール3a,3b,3cの表面が臨む表示窓Wが設けられており、この表示窓Wの下方には、遊技メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口21、クレジットされた範囲内で1枚の遊技メダルをベットするための1−BETスイッチ22、最大ベット許容数(例えば3枚)の遊技メダルを一度にベットするためのMAX−BETスイッチ23、ベットされ
た遊技メダル、および/または、クレジットされた遊技メダルを払い出すための清算スイッチ24、全リール3a,3b,3c(リールのことを「回胴」とも称する)を回転開始させる際に操作されるスタートレバー25、各リール3a,3b,3cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ26a,26b,26c(図中左側のストップスイッチ26aはリール3aに対応し、中央のストップスイッチ26bはリール3bに対応し、右側のストップスイッチ26cはリール3cに対応する)、及びメダル投入口21から投入されて滞留した遊技メダルを返却するためのリジェクトスイッチ27等が設けられている。なお、スタートレバーのことを「スタートスイッチ」、ストップスイッチのことを「ストップボタン」等とも称する。
メダル投入口21の内部は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる場合に当該遊技メダルが通過する受入通路(後述のホッパー50に通ずる)と、投入された遊技メダルが受け入れられない場合に当該遊技メダルが通過する返却通路(後述の遊技メダル払出口41に通ずる)とに分岐しており、その分岐部には、ブロッカ48(図2参照)が設けられている。このブロッカ48は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを受入通路に導き、それ以外の期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを返却通路に導くように、受入通路と返却通路を選択的に、一方を開状態に他方を閉状態にできるように構成されている。以下の説明において、ブロッカ48がON状態とは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれる状態(遊技メダル受入可能状態)を示し、ブロッカ48がOFF状態とは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが返却通路に導かれる状態(遊技メダル受入不可状態)を示すものとする。
また、メダル投入口21の内部には、遊技メダルを検知するための3つの投入メダルセンサ28a,28b,28c(図2参照)が設けられている。投入メダルセンサ28aは、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたことを検出するものであり、投入された遊技メダルが流下する通路上において、ブロッカ48が設置された位置よりも上流側の位置に設置されている。投入メダルセンサ28bは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれ有効に受け入れられたことを検出するものであり、ブロッカ48が設置された位置よりも下流側(後述のホッパー50寄り)の位置に配置されている。投入メダルセンサ28cは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが、受入通路と返却通路との分岐部を通過したことを検出するものであり、当該分岐部近傍(ブロッカ48が設置された位置よりも少し投入メダルセンサ28b寄りの位置)に配置されている。
投入メダルセンサ28a及び投入メダルセンサ28bが共に遊技メダルを検出した場合は、遊技メダルがメダル投入口21に投入され、かつ投入された遊技メダルが有効に受け入れられたことを意味する。一方、投入メダルセンサ28aは遊技メダルを検出したが、投入メダルセンサ28bは遊技メダルを検出しない場合は、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたが、投入された遊技メダルが有効に受け入れられずに返却されたことを意味する。また、3つの投入メダルセンサ28a,28b,28cが所定の順序(28a,28c,28bの順序)とは異なる順序で遊技メダルの通過を検出した場合や一部の投入メダルセンサで遊技メダルの通過が検出されない場合は、遊技メダルが逆流するなどの異常通過が起きたことを意味する。
表示窓Wは、3個のリール3a〜3cが全て停止した際に、リール毎に3個の図柄、合計9個の図柄が遊技者から視認可能に表示されるように構成されている。リール3a,3b,3cの各中段の図柄表示領域を水平に結ぶ入賞ライン29は、規定数の遊技メダルがベットされることにより有効化される入賞ラインであり、有効化された入賞ライン上に停止表示された図柄組合せにより遊技役の成立の有無を判定できるように構成されている。有効化された入賞ラインのことを「有効ライン」とも称する。
また、スロットマシン1には、LEDランプ等により構成される各種の表示用ランプが配置されている。本実施形態では、表示用ランプとして、MAX−BETスイッチ表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、及び払出数表示ランプ46jを備えている。これらの表示用ランプは、後述の主制御基板60(主制御手段100)により制御されるように構成されている。
MAX−BETスイッチ表示ランプ46aは、遊技メダルをベットすることができる状況下で点灯されるものであり、MAX−BETスイッチ23の内部に配置され、点灯時にはMAX−BETスイッチ23を部分的または全体的に光らせるようになっている。その他の表示用ランプは、中パネルアセンブリ20において表示窓Wの側方または下方に配置されている。
BET数表示ランプ46b(以下「BETランプ46b」とも称する)は、ベットされた遊技メダルの枚数を表示するもので、ベットされた遊技メダルが、1枚以上の場合に点灯される1−BET表示ランプ46bCと、2枚以上の場合に点灯される2−BET表示ランプ46bBと、3枚の場合に点灯されるMAX−BET表示ランプ46bAとから構成されている。投入可能表示ランプ46cは、遊技メダルを投入することができる状況下で点灯されるものであり、遊技開始表示ランプ46dは、スタートレバー25を操作して遊技を開始させることができる状況下で点灯されるものである。再遊技表示ランプ46eは、任意の遊技において後述の再遊技役が成立し、後述の自動ベット処理により遊技メダルが自動的にベットされた際に点灯されるものである。
状態表示ランプ46fは、貯留(クレジット)されている遊技メダルを清算するときに点灯されるものであり、回数表示ランプ46gは、例えば、ATが設定されたときに、ATゲーム数の初期値(例えば「30」)を表示するとともに、その後毎遊技、ATゲーム数の表示値を1ずつ減算し、ATゲーム数の上乗せ数が決定されたときにはその上乗せ数を加算して表示するものである。貯留枚数表示ランプ46h(以下「CREランプ46h」とも称する)は、貯留された遊技メダルの枚数を1ずつインクリメントしながら表示するものであり、払出数表示ランプ46jは、後述の小役が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を1ずつインクリメントしながら表示するものである。貯留枚数表示ランプ46hや払出数表示ランプ46jは、上位桁の数字及び下位桁の数字を表示するため、各々2つの7セグメント表示器(数字を表すための7つのセグメントランプ、小数点(ドット)を表す1つのセグメントランプから成る)で構成されている。
また、この払出数表示ランプ46jは、スロットマシン1に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示す文字(アルファベット)や数字を表示するようにも構成されている。本実施形態において設定されるエラーとしては、HPエラー、HEエラー、H0エラー、CEエラー、CPエラー、CHエラー、C0エラー、C1エラー、FEエラー、E1エラー、E5エラー、E6エラー、E7エラー等がある。HPエラーは、後述するホッパー50のメダル払出口で遊技メダルが滞留したと判断した場合エラーであり、HEエラーは、ホッパー50の中の遊技メダルが空と判断した場合のエラー(ホッパーエンプティエラー)であり、H0エラーは、遊技メダルが払出センサを異常通過したと判断したときのエラーである。CEエラーは、投入メダルセンサにより遊技メダルが滞留したと判断した場合のエラー(遊技メダル滞留エラー)であり、CPエラーは、投入された遊技メダルが不正通過したと判断した場合のエラーであり、C0エラーは、投入メダルセンサに異常入力があったと判断したときのエラーであり、C1エラーは投入メダルセンサの通過に異常があったと判断した場合のエラーである。FEエラーは、後述の補助収納
庫85が満杯と判断した場合のエラー(満杯エラー)であり、E1エラーは、電源投入時に記憶装置(RAM)の内容が正常でない場合のエラー(RAMエラー)であり、E5エラーは、全回胴停止時の図柄の組合せが異常(成立許容役以外の役を構成する対応図柄が停止表示)となる場合のエラー(回胴停止エラー)である。E6エラーは、役決定確率を定めるための後述の設定値の値(設定値)が範囲外となる場合のエラー(設定値エラー)であり、E7エラーは、各抽選等において用いる内蔵乱数の更新状態の異常を検知した場合のエラー(内蔵乱数エラー)である。E1、E5、E6、E7の各エラー(これらを総称して「E系エラー」とも称する)は、後述の設定変更により解除され、その他のエラーは、後述のリセットスイッチ82の操作により解除されるようになっている。
さらに、この払出数表示ランプ46jは、ストップスイッチ26a〜26cの操作順(押し順)を示す、後述のナビ番号を表示する機能も有している。ナビ番号を表示する際の払出数表示ランプ46jのことを「メイン側押し順表示器」とも称する。また、この払出数表示ランプ46jは、後述する設定確認時及び設定変更時において、後述の設定値を表示する機能も有している。設定値を表示する際の払出数表示ランプ46jのことを「設定値表示器」とも称する。
下パネルアセンブリ30の中央部には、透明な下パネルカバー31が取り付けられており、その左右両端部には、飾りランプ32a,32bが配置されている。なお、下パネルカバー31の裏面側には、所定の図柄が設けられた半透明の下パネルベース及び下パネル照明灯(いずれも図示せず)が取り付けられており、この下パネル照明灯を点灯させることにより、下パネルベースの図柄を後面側から照明するように構成されている。
受け皿アセンブリ40には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口41が開設されているとともに、遊技メダル払出口41に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿42が設けられており、この遊技メダル貯留皿42の左には、灰皿43が設けられている。また、遊技メダル払出口41の左右には、受け皿アセンブリ40の背面側に配置された一対の下部スピーカ44a,44b(図2参照)の前面に対向して、多数の小孔からなるスピーカ口45a,45bが形成されている。
さらに、本体筐体内には、遊技の結果、所定の入賞態様が構成された場合に獲得される遊技メダルを払い出すためのホッパー50(図2参照)が設けられており、このホッパー50には遊技メダルを検出するためのメダル検出部51(図2参照)が設けられている。また、このホッパー50は、投入されて有効に受け入れられた遊技メダルを物理的に収容する機能を有している。さらに、ホッパー50の近傍位置には、ホッパー50から溢れた遊技メダルを収納するための補助収納庫85(図2参照)が設けられるとともに、この補助収納庫85が満杯状態(補助収納庫85から遊技メダルが溢れる可能性のある状態)であるか否かを検出する満杯検出部86(図2参照)が設けられている。
<リール>
各リール3a,3b,3cはそれぞれステッピングモータ35a,35b,35c(図2参照)の駆動により回転するように構成されている。また、各リール3a,3b,3cは透光性を有する部材により構成されており、その外周面には、複数種類の図柄(図3参照)が表示された、透光性を有するリールテープが貼り付けられている。また、各リール3a,3b,3cの内面側には、バックランプ38a,38b,38c(図2参照)が配設されており、このバックランプ38a,38b,38cを点灯させることにより、表示窓W内に臨む各リール3a,3b,3cの領域を内面側から全体的に照明したり、各リール3a,3b,3c上に停止表示された所定の図柄組合せ(例えば、有効ライン29上や、有効ライン29上とは異なる位置に並んだ遊技役の対応図柄等)を目立たせるように各リール3a,3b,3cの一部領域のみを照明したりするように構成されている。
<遊技を行うための基本操作>
スロットマシン1で遊技を行うには、まず実際にメダル投入口21に遊技メダルを投入することによりベットするか、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の何れかを操作してクレジットの範囲内で規定数の遊技メダルをベットすることにより、入賞ライン29を有効化する。本実施形態では、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、後述する非RT、RT1、RT2、RT3の各RT状態のいずれにおいても3枚に設定される。ただし、規定数についてはこれに限定されるものではなく、RT状態等に応じて規定数を異なる値に設定するなど、適宜変更することが可能である。また、複数の入賞ラインを設け、遊技メダルのベット数に応じて、有効化される入賞ラインの数等を変更するようにしてもよい。
次に、遊技者がスタートレバー25を操作すると、ベット数が確定する(ベットされた遊技メダルが遊技の用に供される)とともに、後述する役決定処理が行われ、その後、最小遊技時間(1つの遊技において全リールが回転開始してから、次の遊技において全リールを回転開始させるまでに最低限確保しなければならないとされる時間(例えば、4.1
秒間)のこと)が経過したことを確認した後、各リール3a〜3cが回転を開始し、リール3a〜3cの外周表面に表示された複数種類の図柄が表示窓W内を上下に(通常、上から下に)移動表示される。そして、リール3a〜3cの回転が所定の速度に達して定速回転となると各ストップスイッチ26a〜26cが有効化され(ストップスイッチの操作が有効に受付け可能とされ)、遊技者がストップスイッチ26aを操作するとリール3aの回転が停止し、ストップスイッチ26bを操作するとリール3bの回転が停止し、ストップスイッチ26cを操作するとリール3cの回転が停止するように構成されている。
ここで、有効ライン29上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様(遊技メダルを獲得することができる遊技役の対応図柄)となっていると判定された場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがホッパー50により払い出されるか、またはクレジットとして加算される。
<制御基板と各機器との接続>
本実施形態では、スロットマシン1を制御する主な制御基板として図2に示すように、主制御基板60、サブメイン制御基板70A、及びサブサブ制御基板70Bの3つの制御基板を備えている(サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bを総称して副制御基板70と称する)。遊技の進行に係る主たる制御(リール3a〜3cの駆動制御や役決定処理等を含む)が主制御基板60上に配設された制御回路により行われ、バックランプ38a〜38c等のランプによる照明制御等は、サブメイン制御基板70A上に配設された制御回路により行われるように構成されている。また、画像表示装置11による演出画像表示制御、上部スピーカ15a,15b等のスピーカからの音声発生制御は、主に、サブサブ制御基板70B上に配設された制御回路により行われるように構成されている。さらに、主制御基板60と副制御基板70との間の情報伝達は、主制御基板60からサブメイン制御基板70Aへの一方向のみ行うことが可能となっており、サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bとの間の情報伝達は、双方向で行うことが可能となっている。
主制御基板60には、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU61と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM62と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM63(「RAM」のことを「RWM」とも称する)とが配設されており、ROM62に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における遊技の進行に係る制御が行われるようになっている。なお、ROM62及びRAM63は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されな
い場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。
メインCPU61には、クロックパルス(クロック信号)を発生するためのクロックパルス発生器64、クロックパルス発生器64で発生したクロックパルスを分周するための分周器65、クロックパルス(または分周されたクロックパルス)に基づいて、役決定等に用いる乱数を発生するための乱数発生器66、及び乱数発生器66で発生した乱数を取り込むための乱数取込回路67が接続されている。クロックパルス発生器64は、2つの発振器(図示略)から構成され、それぞれの発振器から、互いに非同期のクロック信号が出力されている。以下、一方の発振器から出力される所定周波数のクロック信号のことを内部クロックと称し、他方の発振器から出力される所定周波数(内部クロックとは異なる周波数とするが同じでもよい)のクロック信号のことを外部クロックと称する。例えば、内部クロックは、メインCPU61の動作クロックや役決定以外の所定の抽選に用いられる乱数の更新クロックとして利用され、外部クロックは、役決定で用いられる乱数の更新クロックとして利用される。なお、メインCPU61、ROM62、RAM63、分周器65、乱数発生器66、乱数取込回路67、インターフェイス回路68等を1つのICチップ上に搭載し、ワンチップマイクロコンピュータとして構成してもよい。また、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、モータ駆動回路36a、表示用ランプ制御回路47、ホッパー駆動回路52及び副制御基板70に対して信号を送信するとともに、リール位置検出回路37a,37b,37c、払出検出信号回路53及び収納状態信号回路87からの信号を受信するように構成されている。
モータ駆動回路36aは、リール3a,3b,3cをそれぞれ回転駆動するステッピングモータ35a,35b,35cの回転・停止制御を行うための回路であり、表示用ランプ制御回路47は、上述した各種の表示用ランプの制御を行うための回路である。リール位置検出回路37a,37b,37cは、リール3a,3b,3cの各々に設置されたリールセンサ(図示せず)からの各検出信号を主制御基板60に送信する回路である(検出回路37aはリール3aに対応し、検出回路37bはリール3b、検出回路37cはリール3cに対応する)。ホッパー駆動回路52は、小役が成立した際に、ホッパー50を駆動して遊技メダルの払出しを行わせる回路であり、払出検出信号回路53は、ホッパー50から遊技メダルが払い出されたことがメダル検出部51により検出された際に、主制御基板60に払出検出信号を送信する回路である。収納状態信号回路87は、補助収納庫85が満杯状態であるか否かを示す収納状態信号を、満杯検出部86の検出結果に応じて、主制御基板60に送信する回路である。
また、スロットマシン1には、電源装置80からの電力が主制御基板60を介して供給されるようになっている。この電源装置80には、電源スイッチ81、リセットスイッチ82及び設定鍵型スイッチ83が接続されており、これら各スイッチからの信号がインターフェイス回路68を介して、メインCPU61に送信されるように構成されている。さらに、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、設定変更スイッチ84からの信号を受信するように構成されている。
電源スイッチ81は、電源装置80からスロットマシン1への電源投入及び電源断の操作を受け付けるスイッチであり、リセットスイッチ82は、スロットマシン1において所定のエラー(上述のE系エラーを除くエラー)が発生した場合に、エラーの原因が取り除かれてエラーが解消された際に遊技店員等により操作されるスイッチである。このリセットスイッチ82が操作されることにより、主制御基板60及び副制御基板70において記憶されたエラー発生の情報がクリアされ、それに伴いエラー解消時の処理が主制御基板60及び副制御基板70により実行される。また、設定鍵型スイッチ83は、役決定確率の高低の程度(ランク)を定める設定値の設定確認及び設定変更を行う場合に操作されるスイッチであり、設定変更スイッチ84は、設定値を複数段階(本実施形態では6段階)で
変更するためのスイッチである。
前扉2が開いた状態(「ドア開状態」とも称する)で、かつ、スロットマシン1に電源が供給されている状態(電源スイッチ81がON状態)において、設定鍵型スイッチ83がON状態に操作されることにより、設定確認が可能となる。また、ドア開状態であり、かつ、スロットマシン1に電源が供給されていない状態(電源スイッチ81がOFF状態)において、設定鍵型スイッチ83がON状態に操作され、その状態のまま電源スイッチ81がON状態に操作される(スロットマシン1に電源が投入される)ことにより、設定変更が可能となる。さらに、その状態で設定変更スイッチ84を操作するごとに、設定値を1段階ずつ更新することができる。また、設定値の更新後に、スタートレバー25を傾動操作することにより、更新された設定値が確定し、その確定後に設定鍵型スイッチ83をOFF状態に操作することによって、設定変更の作業が完了するようになっている。なお、設定鍵型スイッチ83は、所定の鍵部材(設定キー)を、本体側に設けられた所定の錠部材に差し込んで回動させることにより、ON状態とOFF状態が切り替えられるようになっている。また、設定確認及び設定変更は、遊技実行中の状態(遊技メダルがベットされている状態(自動ベットされた場合を含む)や、リールが回転している状態)では実行することができず、遊技待機中の状態でのみ実行することが可能となっている。なお、設定確認時及び設定変更時において、設定値は「1〜6」の6個の整数値を用いて、払出数表示ランプ46jに表示されるようになっている(設定値表示用の別のランプをスロットマシン1の筐体内等に設けてもよい)。
電源装置80からの電力は、主制御基板60を介してサブメイン制御基板70Aに供給され、さらにサブメイン制御基板70Aを介してサブサブ制御基板70Bに供給されるようになっている(電源装置80から直接、サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bに電力を供給するようにしてもよい)。電源装置80から主制御基板60に電力を供給する回路上と、主制御基板60を介してサブメイン制御基板70Aに電力を供給する回路上には、電圧の供給状態を監視する供給電圧監視回路(図示略)がそれぞれ設けられている。各々の供給電圧監視回路は、供給電圧が所定の電圧値まで低下したときに電源断と判定し電源断検出信号をメインCPU61、後述のサブメインCPU71に出力するようになっている。また、各々の供給電圧監視回路は、供給電圧が所定の電圧値(電源断判定のための電圧値とは異なる値(例えば、高い値)とするが、同じ値としてもよい)まで復帰したときに電源投入と判定し電源投入検出信号をメインCPU61、サブメインCPU71に出力するようになっている。なお、主制御基板60の電源断を検出するときの電圧値は、サブメイン制御基板70Aの電源断を検出するときの電圧値よりも高い値に設定され、サブメイン制御基板70Aよりも先に主制御基板60が、電源断時に実行するようにプログラムされた処理(電源断処理)を行うように構成されている(電源投入に関しても同様としてもよい)。
また、メインCPU61には、スイッチ基板90に接続されているかまたはスイッチ基板90上に搭載されている、リール停止信号回路91、スタートレバー25、投入メダルセンサ28a,28b,28c、1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23及び清算スイッチ24からの各信号が、インターフェイス回路68を介して入力されるようになっている。
また、メインCPU61には、インターフェイス回路68を介してブロッカ48が接続されており、このブロッカ48をON・OFF制御するように構成されている。以下の説明において、ブロッカ48をON・OFF制御するための信号を「ブロッカ信号」とも称する。さらに、図示は省略しているが、スロットマシン1には、前扉2の開閉状態を検出するドアセンサが設けられており、このドアセンサからの信号が、インターフェイス回路68を介してメインCPU61に入力されるようになっている。メインCPU61は、ド
アセンサからの信号により、前扉2が閉じた状態(「ドア閉状態」とも称する)であるか開いた状態(ドア開状態)であるかを判断するようになっている。
また、図示は省略しているが、メインCPU61は、所定の遊技状態(例えば、AT状
態やボーナス状態)となったときに、データカウンタやホールコンピュータ等に対し外部接続用端子基板等を介して所定の信号(「外端信号」とも称する)を出力し、この外端信号により、所定の遊技状態に設定された回数等を管理したり遊技者に提示したりできるように構成されている。
一方、サブメイン制御基板70Aには、主に演出の管理に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU71と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM72と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM73とが配設されており、ROM72に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における画像演出や音声演出の管理に関する制御、ランプ演出に関する制御等が行われるようになっている。なお、ROM72及びRAM73は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。また、サブメインCPU71には、不図示のクロックパルス発生器及び分周器が接続されており、このクロックパルス発生器及び分周器により生成したクロック信号に応じて、所定の処理を実行するようになっている。
サブメインCPU71は、インターフェイス回路74を介して、主制御基板60からの各種信号を受信し、ランプ制御回路18に対し信号を送信するように構成されている。ランプ制御回路18は、バックランプ38a〜38c等のランプの点灯を制御する回路である。
また、サブメインCPU71は、インターフェイス回路74を介して、サブサブ制御基板70Bに各種信号を送信するとともに、サブサブ制御基板70Bから各種信号を受信するように構成されている。以下、主制御基板60からサブメイン制御基板70Aに送信される信号(制御信号)を「制御コマンド」とも称し、サブメイン制御基板70Aからサブサブ制御基板70Bに送信される信号(報知信号や演出信号)を「演出コマンド」とも称する。また、サブサブ制御基板70Bからサブメイン制御基板70Aに送信される信号(状態信号)を「状態コマンド」とも称する。
サブサブ制御基板70Bには、主に画像演出及び音声演出の制御に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU75と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM76と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM77とが配設されており、ROM76に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、画像演出や音声演出に関する制御等が行われるようになっている。なお、ROM76及びRAM77は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。
サブサブCPU75は、インターフェイス回路78を介して、サブメイン制御基板70Aからの報知信号または演出信号を受信し、表示装置制御回路16、スピーカ制御回路17に対し信号を送信するとともに、サブメイン制御基板70Aに状態信号を送信するように構成されている。表示装置制御回路16は、画像表示装置11を制御して所定の演出画像を表示させる回路であり、スピーカ制御回路17は、上部スピーカ15a,15b等のスピーカから発生させる音声等の種類や音量を制御する回路である。なお、画像表示装置11は、ストップスイッチ26a〜26cの操作順(押し順)を表示する押し表示器(「サブ側押し順表示器」とも称する)としても機能するように構成されている。
<リールの図柄配置>
本実施形態では、各リール3a〜3cが表示する図柄が、図3に示すように配置されている(図3中の「左リール」、「中リール」、「右リール」は、リール3a,3b,3cをそれぞれ表す)。すなわち、各リール3a〜3cには、「赤セブン」、「青セブン」、「白セブン」、「バー」、「ブランク」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、及び「リプレイ」の10種類の図柄が所定数ずつ配置されている。以下、リール3a,3b,3cのことを、それぞれ、左リール(左回胴)、中リール(中回胴)、右リール(右回胴)とも称する。
<遊技役の種類>
本実施形態においては、各リール3a〜3cにおいて停止表示される図柄組合せが、図4に示すように設定されており、それらが遊技役を構成する図柄組合せ(対応図柄)となっている。本実施形態における遊技役としては、1個の特別役(BB役;BBはビッグボーナスの略。「1種BB」とも称する)と、再遊技役1〜5の5個の再遊技役と、小役1〜5の5個の入賞役(小役)との計11個が設定されている。それぞれの遊技役が成立するための図柄組合せ(対応図柄)、遊技役成立時における遊技メダルの払出数等は、図4に示す通りである。
BB役は、成立しても遊技メダルは払い出されず、その成立を契機として特別役物としての所定のボーナス(本実施形態では「BB」とも称する)が作動し、次遊技から、通常の遊技とは異なる条件下で実行される所定のボーナス遊技(「BB遊技」とも称する)が開始可能となることを示す遊技役(ボーナス役)である。BB役は、その対応図柄が「白セブン・白セブン・白セブン」(遊技役を構成する図柄の名称は、リール3a,3b,3cの順番で記す。以下において同じ)の図柄組合せとされている。BB役の対応図柄は、BB役が当選しているときに、各リールの押し位置によって、各リールで図柄「白セブン」を引き込める場合に有効ライン29上に停止表示される。BB役の成立により開始可能となるボーナス遊技は、所定回数の遊技(本実施形態では、例えば24ゲームとするが、数値は適宜変更可)が実行されたことにより終了する(変更態様として、所定数(例えば、215枚)超の遊技メダルが払い出されたことにより終了するようにしてもよい)。
本実施形態では、特別役としてBB役のみを設けているが、別の特別役として、RB役(RBはレギュラーボーナスの略)やMB役(MBはミドルボーナスの略。「2種BB」とも称する)を設けるようにしてもよい。そして、RB役が成立すると次遊技からボーナス遊技としてのRB遊技を開始するように設定し、MB役が成立すると次遊技からボーナス遊技としてのMB遊技を開始するように設定してもよい。この場合のRB遊技は、例えば、小役が所定回数(例えば、8回)成立したこと、または所定回数(例えば、12回)の遊技が消化されたことにより終了するようにし、MB遊技は、例えば、所定数(例えば、200超)の遊技メダルが払い出されたことにより終了するようにしてもよい。また、複数の特別役(例えば、複数種類のBB役を設けたり、BB役とMB役の両方を設けたりしてもよい)。
再遊技役1〜5は、成立した場合に遊技メダルの払出しはないが、遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく(新たに遊技メダルを投入することなく)、次の遊技を行うことが許可される遊技役(リプレイ役)である。それらのうち再遊技役2は、その成立が、後述の非RTからRT1への移行条件とされており、再遊技役3は、その成立が、RT1から非RTへの移行条件とされている。このことから、再遊技役2のことを「RT1移行RP」とも称し、再遊技役3のことを「非RT移行RP」とも称する。また、再遊技役1のことを「通常RP」とも称し、再遊技役4,5は、その対応図柄の中に図柄「白セブン」を含むことから、「白セブンRP」とも称する。
図3(リール図柄)に示すように、再遊技役1を構成する、左リール、中リール及び右リールの各リール上の図柄「リプレイ」は、各リール上において5図柄以内毎に配置されている。これにより、再遊技役1が当選した場合、その対応図柄「リプレイ・リプレイ・リプレイ」は、押し順や押し位置に拘わらず、有効ライン29上に停止表示させる(「引き込む」とも称する)ことが可能である(後述のリール制御手段134によるリールの回転停止制御の説明を参照)。この再遊技役1のように、各ストップスイッチの操作タイミングに拘わらず、その対応図柄(複数組ある場合にはそのうちのいずれか)を有効ライン29上に引き込むことが可能な役を、「100%引込み可能な遊技役」とも称する。なお、再遊技役2,3も、再遊技役1と同様、100%引込み可能な遊技役である。
小役1〜5は、成立時に所定数の遊技メダルが払い出されるように構成された遊技役(入賞役)である。小役1〜3は、各々の対応図柄の中に図柄「ベル」を含むことから、「ベル役」とも称する。ベル役のうち小役1は、その対応図柄が「ベル・ベル・ベル」(「出目A」とも称する)であることから「ベル揃いベル」とも称する。同様に、小役2は、その対応図柄が「リプレイ・ベル・リプレイ」(「出目B」とも称する)であることから「リプレイベル」とも称し、小役3は、その対応図柄が「リプレイ・ベル・スイカ/チェリー」(「出目C」とも称する。「/」は「または」の意)であることから「バラケ目ベル」とも称する。なお、対応図柄は適宜変更可能である。例えば、小役2の対応図柄を、所定の図柄(例えば「バー」)が揃う図柄組合せとしてもよい。小役1〜3は、いずれも100%引き込み可能な遊技役である。
小役4は、その対応図柄が「チェリー・ANY・ANY」(ANYは任意の図柄であることを示す)であることから、「チェリー役」とも称する。また、小役4は、役決定における当選確率が、他の小役よりも低く設定されることから、「レア役」とも称する。小役5は、その対応図柄が「青セブン・ブランク・ブランク」とされた入賞役である。小役5は、その成立時の払出数が1枚に設定されていることから、「1枚役」とも称する。
<役決定における当選項目>
役決定処理(役抽選)は、1回の遊技において1回行われ、そこで1つまたは複数の当選項目が役決定結果(抽選結果)として選出されるようになっている。図5には、役決定処理により選出される当選項目の種類と、それに対応する当選役を示している。なお、図5に示す「役決定番号(YK番号)」と「役物役決定番号(YYK番号)」とは、各当選項目に対応付けられた番号である。本実施形態では図示するように「1」から「13」までの13個の役決定番号(YK番号)と、1個の役物役決定番号(YYK番号)が設定されている。なお、各当選項目、または各当選項目に含まれる個々の当選役のことを「条件装置」とも称する。そして、例えば、再遊技Cが選出されることを「再遊技Cの条件装置が作動する」、または「再遊技1,2,4の条件装置が作動する」等とも称する。以下、具体的にいくつかの当選項目の内容について説明する。
図5(A)に示すYK番号1〜8は、当選役が再遊技役で構成される当選項目(再遊技A〜H)に対応付けられたものである。図5(A)の備考欄には、各当選項目に対応した当選役がどのような場合に成立するのか、当選役が成立した場合のRT状態の移行状況、及び、各RT状態(後述の非RT、RT1、RT2、RT3)における選出の可否(○は選出可能であることを示し、×は選出される可能性がないことを示す)等を記している(図5(B)の備考欄についても同様)。再遊技A(YK番号1)は、再遊技役1が単独当選役とする役決定結果であり、これが選出された場合には、押し順や押し位置に拘らず再遊技役1が必ず成立するようにリール停止制御が行われる。
再遊技B〜D(YK番号2〜4)は、再遊技役1と、RT1移行RPである再遊技役2を含む複数の再遊技役が重複当選役として対応付けられており、そのいずれかが選出され
た場合には、次のようなリール停止制御が行われる。すなわち、各ストップスイッチが所定の押し順(「正解押し順」とも称する)に従って操作されたとき(「押し順正解時」とも称する)には、RT1移行RPである再遊技役2が必ず成立し、各ストップスイッチが正解押し順に従わずに操作されたとき(「押し順不正解時」とも称する)には、重複当選している再遊技役1が必ず成立するようになっている。この再遊技B〜Dは、後述の非RT中でのみ選出可能に設定されており、押し順によって、RT状態を昇格させるのか(非RTからRT1へ移行させるか)、維持するのか(非RTに留まるのか)が制御される役決定結果(当選項目)として設定されている。なお、図中の備考欄に記載している「左第一」、「中第一」、「右第一」の「左」、「中」、「右」は、ストップスイッチ26a,26b,26cを意味しており、「第一」はそのストップスイッチを1番目に操作する押し順を意味している。例えば、「中第一」はストップスイッチ26bを1番目に操作する押し順(2番目以降の押し順は不問)を表すという具合である。
再遊技E〜G(YK番号5〜7)は、再遊技役1と、非RT移行RPである再遊技役3を含む複数の再遊技役が重複当選役として対応付けられている。再遊技E〜Gのいずれかが選出された場合、遊技者による押し順が正解押し順のときは必ず再遊技役1が成立し、不正解押し順のときは必ず再遊技役3が成立するように制御される。この再遊技E〜Gは、後述のRT1中でのみ選出可能に設定されており、押し順によって、RT状態を維持するか(RT1に留まるか)、転落させるか(RT1から非RTへ移行させるか)が制御される役決定結果として設定されている。
再遊技H(YK番号8)は、再遊技役1と、白セブンRPである再遊技役4,5が重複当選役として対応付けられている。再遊技Hが選出された場合、遊技者による押し順が「右→中→左」であり、かつ右リールと中リールでの押し位置によって、右リール及び中リールにおいていずれも図柄「白セブン」を引き込めた場合は再遊技役4が成立し、遊技者による押し順が「右→中→左」であり、かつ右リールにおいては図柄「白セブン」を引き込めたが、中リールにおいては図柄「白セブン」を引き込めなかった場合と、遊技者による押し順が「右→左→中」であり、かつ右リールにおいては図柄「白セブン」を引き込めた場合は、再遊技役5が成立するように制御される。一方、遊技者による押し順が左第一または中第一の場合と、右第一の押し順でありかつ右リールにおいて図柄「白セブン」を引き込めなかった場合は、必ず再遊技役1が成立するように制御される。この再遊技Hは、後述のRT1中でのみ選出可能に設定されており、選出されたときに右第一の押し順操作が行われた場合、図柄「白セブン」が有効ライン29上に揃いそうで揃わない、いわゆる煽り用の役決定結果として設定されている。なお、再遊技B〜Hは、遊技者の押し順によって、成立する再遊技役が異なることから、「押し順再遊技役」とも称する。
YK番号9〜13は、当選役が小役で構成される当選項目(入賞A〜D)に対応付けられたものである。入賞Aは、ベル役である小役1〜3が重複当選役として対応付けられている。入賞Aが選出された場合、遊技者による押し順が左第一の場合は小役1が、中第一の場合は小役2が、右第一の場合は小役3が、それぞれ必ず成立するように制御される。入賞Bは、ベル役である小役1〜3とチェリー役である小役4とが重複当選役として対応付けられている。入賞Bが選出された場合、遊技者による押し順が左第一の場合は小役3が、中第一の場合は小役1が、右第一の場合は小役2が、それぞれ必ず成立するように制御される。入賞Cは、ベル役である小役1〜3とチェリー役である小役4と1枚役である小役5とが重複当選役として対応付けられている。入賞Cが選出された場合、遊技者による押し順が左第一の場合は小役2が、中第一の場合は小役3が、右第一の場合は小役1が、それぞれ必ず成立するように制御される。入賞Dは、小役1〜5が重複当選役として対応付けられている。入賞Dが選出された場合は、入賞Aが選出された場合と同じく、遊技者による押し順が左第一の場合は小役1が、中第一の場合は小役2が、右第一の場合は小役3が、それぞれ必ず成立するように制御される。なお、入賞A〜Dは、遊技者の押し順
によって、成立する小役が異なることから、「押し順小役」とも称する。また、押し順再遊技役と押し順小役とを総称して、「押し順役」とも称する。
入賞Eは、チェリー役である小役4が単独当選役として対応付けられている。入賞Eが選出された場合、左リールでの押し位置によって、左リールにおいて図柄「チェリー」を引き込めた場合は小役4が成立し、引き込めなかった場合はハズレ目が停止表示されるように制御される。入賞A〜Dは、いずれのRT状態(後述の非RT、RT1、RT2、RT3)でも選出可能となっており、入賞Eは、RT3を除く非RT、RT1、RT2で選出可能となっている。
なお、本実施形態では、実際の押し順に応じて成立可能な入賞役が変わり、それに伴って付与される遊技メダル数も変わるような当選項目、例えば、正解押し順のときは払出数の多い(例えば9枚)のベル役が成立し、不正解押し順のときは払出数の少ない(例えば1枚)のベル役が成立するような当選項目(「押し順ベル」とも称する)を設けていないが、このような押し順ベルを設けてもよい。また、正解押し順を選ぶ際の選択肢数は、いわゆる3択(この場合、対応する当選項目の数は3の倍数となる)としてもよいし、6択(この場合、対応する当選項目の数は6の倍数となる)としてもよい。
図5(B)に示すYYK番号1は、BB役を当選役とする当選項目(BB1)に対応付けられたものである。BB1(YYK番号1)が選出された場合、遊技者による各リールにおける押し位置が、それぞれ図柄「白セブン」を引き込める押し位置であるときはBB役が成立し、引き込めない押し位置であるときはハズレ目が停止表示される。なお、役物役決定結果番号1が一旦選出されると、BB役が成立するまで、BB役の当選(当選フラグの情報)が次遊技に持ち越されるようになっている。また、BB役の当選が持ち越されている状態において、再遊技役または小役が当選役に選出された場合には、再遊技役または小役の対応図柄を優先して有効ライン29上に引き込むリール制御が行われるようになっている(BB役の成立を優先するようにしてもよい)。このBB1(YYK番号1)は、後述の非RTとRT1でのみ選出可能(当選確率は各RT状態共通)となっている。
<役決定確率と設定差>
役決定処理において、各々の当選項目が選出される確率(役決定確率)は、任意に設定することが可能である。また、役決定確率は、遊技店員等により設定される上述の設定値に応じて変更できるように構成することが可能である。本実施形態では、設定1〜6の6段階の設定値構成となっており、設定値に応じて役決定確率が変更される当選項目と、設定値が変わっても役決定確率が不変である当選項目とを設けている。以下、設定値に応じて役決定確率が変更されるように設定することを「設定差を設ける」と称する。各当選項目について、設定差を設けるのか否かについては、任意に定めることが可能である。一例として、スロットマシン1における出玉率(遊技の用に供された遊技メダル数に対する払出数の割合)に影響を及ぼす抽選の抽選契機となる当選項目については設定差を設けず、抽選契機とはならない当選項目については設定差を設けても設けなくてもよいとすることが挙げられる。
次に、図6〜図8を追加参照しながら、本実施形態に係るスロットマシン1の特徴構成について説明する。
<機能ブロック>
図6に示すように、本実施形態に係るスロットマシンは、機能的な観点から説明すれば主に、遊技メダルをベットするためのベット操作(例えば、メダル投入口21への遊技メダルの投入操作、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作)や、停止中の各リール3a〜3cを回転させるためのリール回転開始操作(例えば、スタートレバー25の傾動操作)、複数種類の図柄を可変表示する3個のリール3a,3b
,3cの回転を停止させるための各リール回転停止操作(例えば、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作)、ベットまたは貯留(クレジット)された遊技メダルを払い出すための清算操作(例えば、清算スイッチ24の押圧操作)等の、遊技者によりなされる各遊技操作に対応した信号(「遊技操作信号」とも称する)を出力する操作信号出力手段95と、遊技の進行に係る主要な制御を行う主制御手段100(主制御基板60に対応する)と、遊技の状況に応じて所定の演出制御を行う副制御手段200(副制御基板70に対応する)とを備えて構成される。
主制御手段100は、大別すると、主に遊技状態を管理する遊技状態管理手段110と、主に遊技進行を管理する遊技進行管理手段130と、主制御手段100における通信を制御するメイン通信制御手段150とを備えて構成されている。このうち、遊技状態管理手段110は、設定値制御手段111、RT状態制御手段112、再遊技作動制御手段113、ボーナス作動制御手段114、フリーズ制御手段115、遊技モード制御手段116、及び乱数発生・取込手段117を備えている。
また、遊技進行管理手段130は、受容メダル管理手段131、役決定手段132、演出グループ番号決定手段133、リール制御手段134、停止表示図柄判定手段135、払出メダル管理手段136、ブロッカ制御手段137、表示用ランプ制御手段138、押し順管理手段139、及び抽選グループ番号決定手段140を備えており、メイン通信制御手段150は、制御コマンド送信手段151と外端信号送信手段152を備えている。なお、主制御手段100における上述の各手段は、図2に示す主制御基板60上に配されたメインCPU61、ROM62、RAM63、電子回路等のハードウエア及びROM62等に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(遊技状態管理手段110を構成する各手段)
設定値制御手段111は、役決定確率の設定値(設定1〜設定6の6段階構成)を内部的に管理するための数値(「管理用設定値」とも称する)を制御するように構成されている。本実施形態では、管理用設定値として1から6までの連続する整数値(1〜6の整数値は設定1〜設定6にそれぞれ対応する)を用いている。管理用設定値のデータは、RAM63の所定の記憶領域に記憶されるようになっており、役決定処理において設定値を確認する際に参照されるとともに、設定確認時または設定変更時において、設定値表示器(払出数表示ランプ46j)に設定値を表示する際に参照されるようになっている。また、管理用設定値は、遊技店員による設定変更操作に応じて変更される。具体的には、設定鍵型スイッチ83がON状態に操作され、その状態で設定変更スイッチ84をするごとに、1ずつ更新されるようになっている。
RT状態制御手段112は、図7に示すように、非RT、RT1、RT2、RT3の4つのRT状態の設定を制御するように構成されている。非RTは、RAM(RAM63)が初期化された場合に設定されるRT状態であり、役決定において再遊技役が当選する確率(非RT中で選出可能な再遊技A〜Dの選出確率)が標準的な値(略「1/7.3」)
に設定されている。この非RT中において、条件P1が充足されたことを契機としてRT1に移行され、条件P2が充足されたことを契機としてRT2に移行されるようになっている。条件P1とは、RT1移行RP(再遊技役2)の対応図柄「リプレイ・チェリー・リプレイ」が有効ライン29上に停止表示されることである。条件P2とは、役抽選において当選項目のBB1(YYK番号1)が選出されること(但し、BB役は未成立)である。
RT1は、再遊技役が当選する確率(RT1中で選出可能な再遊技A,E〜Hの選出確率の合計)が非RTに比べて高い値(例えば、略「1/1.5」)に設定されるとともに
、役抽選においてハズレが選出される確率が低く設定された(ハズレ無しとしてもよい)RT状態である。このRT1中において、条件P2が充足されたことを契機としてRT2に移行され、条件P3が充足されたことを契機として非RTに移行されるようになっている。条件P3とは、非RT移行RP(再遊技役3)の対応図柄「リプレイ・チェリー・ベル」が有効ライン29上に停止表示されることである。
RT2は、BB役の当選が持ち越されているときに設定されるRT状態(「BB内部中」とも称する)であり、再遊技役が当選する確率(RT2中で選出可能な再遊技Aの選出確率)が非RTと同等に設定される。このRT2中において、条件P4が充足されたことを契機としてRT3に移行されるようになっている。条件P4とは、BB役が成立することである。
RT3は、BB役が成立したことを契機として次遊技から設定されるRT状態(「BB作動中」とも称する)であり、このRT3中において後述のボーナス遊技が実行可能となる。RT3では、再遊技役は当選せず、入賞A〜Dのいずれかが必ず当選するよう(ハズレ無し)に設定されている。また、RT3中において、条件P5が充足されたことを契機として非RTに移行されるようになっている。条件P5とは、RT3中において規定数の遊技(24ゲーム)が消化される(行われる)ことである。
図6に戻り、再遊技作動制御手段113は、再遊技役が成立したことを契機として、遊技者が所有する遊技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される状態(「再遊技作動状態」とも称する)に設定するように構成されている。再遊技作動状態に設定されると、RAM63の所定の記憶領域に再遊技作動状態であることを示す情報(「再遊技作動状態フラグ」とも称する)がセット(例えば、値「1」が記憶)される。セットされた再遊技作動状態フラグは、再遊技作動状態が解消されるまでの所定の時点でクリア(例えば、値「0」が記憶)される。
ボーナス作動制御手段114は、ボーナス役(本実施形態の場合、BB役)の当選時(
当選項目のBB1の当選時)から、BB役が成立したことを契機として実行されるボーナス遊技の終了時までの期間において、所定の処理を実行するように構成されている。具体的には、BB役(BB1)が当選すると、RAM63の所定の記憶領域にBB役が当選したことを示す情報(「BB当選フラグ」とも称する)をセットする。また、BB役が成立したことを契機として、RAM63の所定の記憶領域にBB作動状態であることを示す情報(「BB作動フラグ」とも称する)をセットする(このとき、BB当選フラグはクリアする)。また、ボーナス遊技の終了条件が充足されたことを契機として、BB作動フラグをクリアする。
フリーズ制御手段115は、所定の条件成立を契機として、遊技の進行に係る制御処理(例えば、ベット操作やリール回転開始操作、リール回転停止操作等を受け付ける処理等)の実行を所定時間遅延させるフリーズを設定するように構成されている。
遊技モード制御手段116は、図8に示すように、遊技モード0から遊技モード5までの6個の遊技モードの設定を制御するように構成されている。遊技モードとは、RT状態とは別に主制御手段側で制御する、主にATの設定状態に関連する遊技状態(「メイン遊技状態」とも称する)を意味する。
遊技モード0は、平均すると遊技中に滞在する期間が最も長くなる通常(非有利)の遊技状態である。遊技モード0中において、条件Q1が充足されたことを契機として遊技モード1に移行されるようになっている。条件Q1とは、役決定において入賞D(設定差は設けない)が当選することである。なお、入賞Dが当選したときに、遊技モード1に移行
するか否かを決定するための抽選(「CZ抽選」(CZはチャンスゾーンの略)とも称する)を行い、このCZ抽選において、遊技モード1に移行することが決定される抽選結果(「CZ当選」とも称する)が得られることを条件Q1としてもよい。
遊技モード1は、遊技モード0における役決定において入賞Dに当選したことを契機として、遊技モード0から移行されるCZ準備の遊技状態である。この遊技モード1中において、条件Q2が充足されたことを契機として遊技モード2に移行される。条件Q3とは、所定数(例えば、2回)の遊技が消化されることである。
遊技モード2は、遊技モード1において所定回数の遊技が消化されると、遊技モード1から移行される、CZ(チャンスゾーン)として設定された遊技状態である。この遊技モード2中において、条件Q1が充足されたことを契機として遊技モード3に移行され、条件Q3が充足されたことを契機として遊技モード0に移行される。条件Q3とは、条件Q1が充足することなく、所定数(例えば、15回)の遊技が消化されることである。なお、遊技モード2中の役決定結果に応じて、AT抽選やATストック抽選、遊技モード移行抽選を行うようにしてもよい。AT抽選はATを設定するか否かを決定する抽選であり、ATストック抽選は、ATの設定可能回数(ストック数)の加算の可否や加算数を決める抽選である。遊技モード移行抽選は、遊技モード2から他の遊技モード(例えば、遊技モード3)への移行の可否を決める抽選である。AT抽選に当選するとATが設定されることを識別するための所定のフラグ(「ATフラグ」とも称する)をセットする(「1」に設定する)処理が実行されるが、遊技モード2から遊技モード0に移行される場合は、ATフラグはクリア(「0」に設定)される。ATストック抽選に当選すると、ストック数を所定のカウンタ(「ATストックカウンタ」とも称する)に加算する処理が実行されるが、遊技モード2から遊技モード0に移行される場合は、そのカウントされた値はクリアされる。
遊技モード3は、遊技モード2中の役決定において入賞Dが当選すると、遊技モード2から移行されるAT準備の遊技状態である。この遊技モード3中において、条件Q4が充足されたことを契機として遊技モード4に移行される。条件Q4とは、役決定において再遊技B,C,Dのいずれかかが当選すること、または、RT状態がRT1であることである。また、この遊技モード3では、非RTまたはRT1の滞在中に再遊技B〜Hのいずれかかが当選したときには、正解押し順を報知するRPナビが実行される。そのため、RT状態が昇格する(非RT→RT1)ことが容易となる(RT1移行RPが成立し易い)とともに、RT状態が降格する(RT1→非RT)ことを防止することが容易となっている(再遊技役3の対応図柄が表示され難い)。
遊技モード4は、遊技モード3から移行されるATの遊技状態である。遊技モード3から遊技モード4に移行された際には、AT(遊技モード4)として実行可能な遊技数(ATゲーム数)を計数するためのATゲーム数カウンタの値が「30」にセットされる。このATゲーム数カウンタの値は、遊技モード4に滞在している間、毎遊技「1」ずつ減算される。この遊技モード4では、遊技モード3に滞在しているときと同様に、上述のRPナビが実行される。そのため、遊技モード4に滞在している間は、RT1に留まることが容易となっている。RT1は再遊技役の当選確率が高く、ハズレの確率が低く設定されるので、RT1に滞在している期間が長くなる程、遊技者にとっては有利となる。なお、遊技モード4中の役決定結果(例えば、入賞Dの当選)に応じて、ATストック抽選やATゲーム数を上乗せするための抽選(「ATゲーム数上乗せ抽選」とも称する)を行うようにしてもよい。ATゲーム数上乗せ抽選に当選すると、当選に対応した上乗せ数がATゲーム数カウンタに加算される。
この遊技モード4中において、条件Q5が充足されたことを契機として遊技モード0に
移行される。条件Q5とは、ATゲーム数分の遊技が消化されること(ATゲーム数カウンタの値が「0」となること)である。なお、ATストックカウンタによりATのストック数を管理(記憶)する場合には、ATゲーム数カウンタの値が「0」となったときに、ATのストック数をATゲーム数に変換(例えば、ストック数を「1」減算して、ATゲーム数カウンタの値を「30」にセット)してATを継続するようにしてもよい。また、ATを継続するか否かを抽選により決定してもよい。
遊技モード5は、遊技モード0〜4のいずれかに滞在中に、BB役が成立するという条件Q6が充足されたことを契機として次遊技から設定される、遊技者にとって有利となるボーナスの遊技状態である。この遊技モード5では、所定のボーナス遊技が実行される(詳細後述)。遊技モード5中において、条件Q7が充足されたことを契機として遊技モード0〜3のいずれかに移行される(詳細後述)。条件Q7とは、24ゲームの遊技が消化されることである。なお、BB内部中のときに滞在する遊技モードとして、遊技モード6を備えてもよい。
上述の5個の遊技モード0〜5は、通常区間に属する遊技モードと、有利区間に属する遊技モードとに分けられる。通常区間は、押しナビ(入賞ナビ、RPナビ及び目押しナビ)を行わない期間であり、押し順を判別できる情報(YK番号やナビ番号等の情報)を主制御手段側から副制御手段側に送信しない期間でもある。また、通常区間は、有利区間への移行の可否を決定するための抽選(例えば、CZ抽選)を行うことができる期間でもある。遊技モード0が通常区間に属する遊技モードに該当する。
有利区間は、押しナビを行うことができる期間であり、押し順を判別できる情報を主制御手段側から副制御手段側に送信してもよい期間でもある。また、有利区間は、有利区間の性能等を変更する抽選(例えば、遊技モード移行抽選)や有利区間中のゲーム数を上乗せする処理(例えば、ATストック抽選、ATゲーム数上乗せ抽選)等を行うことができる期間でもある。遊技モード1〜5が有利区間に属する遊技モードに該当する。さらに、有利区間では、有利区間中であることを遊技者に報知するための区間表示器(例えば、払出数表示ランプ46jのうち、7セグメントランプ以外のDPセグメントランプ)を点灯してもよい。有利区間に滞在中は、少なくとも1回は入賞ナビを行うようにしてもよい(この場合は、入賞ナビを1回も行っていないのであれば、通常区間へ移行することはできないようにしてもよい)。
また、有利区間に連続滞在できる上限(例えば、1500ゲーム)を設けてもよい。さらに、上限に達して有利区間を終了するときは、有利区間に関連する情報(例えば、ATフラグ、ATゲーム数カウンタの値、ATスットク数カウンタの値等の情報)は、全てクリアされる。なお、上限に達して有利区間を終了するときは、有利区間の滞在中に1回も入賞ナビが行われていなくてもよい。また、有利区間への移行の可否を決定するための抽選、有利区間の性能等を変更する抽選を、役決定結果(当選項目)に基づいて行う場合は、設定差を設けていない当選項目に限って行うようにしてもよいし、特に、有利区間の性能等を変更する抽選は、役決定結果以外の条件に基づいて行うようにしてもよい。そして、その際は、設定値を参照することなく行うようにしてもよい。
本実施形態では、有利区間に連続滞在しているゲーム数を把握するための有利区間クリアカウンタを設け、通常区間から有利区間に移行した際に、この有利区間クリアカウンタの値を「1500」にセットする。そして、有利区間でゲームを消化するごとに有利区間クリアカウンタの値を1減算し、カウンタの値が「0」となると通常区間に強制的に移行するようにしている。また、有利区間クリアカウンタの値が「0」となる前に有利区間から通常区間に移行した場合は、有利区間クリアカウンタの値をクリア(「0」にセット)し、再び通常区間から有利区間に移行した際に、有利区間クリアカウンタの値を「150
0」にリセットする。なお、ゲーム数の上限に代えて、差枚数の上限を設けてもよい。具体的には、差枚数を計数する差枚数カウンタを備え、有利区間の開始時にそのカウンタ値を「0」にセットし(有利区間の終了時に「0」にセットしてもよい)、以降毎遊技、遊技の結果に応じてカウンタ値を更新する。更新では、差枚数が0を下回る場合は、カウンタ値を「0」となるよう補正し、差枚数が正値となる場合はそのまま累積して更新する。そして、累積した差枚数が2400枚を超えると通常区間に強制的に移行するようにしてもよい。また、ゲーム数の上限を管理するカウンタ(第1の有利区間クリアカウンタ)と、差枚数の上限を管理するカウンタ(第2の有利区間クリアカウンタ)とを備え、いずれか一方のカウンタの値が上限に達した場合に有利区間を終了し、通常区間に移行するようにしてもよい。
図6に戻り、乱数発生・取込手段117は、上述のCPU61、クロックパルス発生器64、分周器65、乱数発生器66、乱数取込回路67で構成され、各種抽選に用いられる乱数を発生させ、取り込む。本実施形態では、最大で「0〜65535」までの数値範囲の乱数列を発生可能な4個(4ch:chは「チャンネル」の略)の16ビット乱数手段と、最大で「0〜255」までの数値範囲の乱数列を発生可能な4個(4ch)の8ビット乱数手段を有しており、それぞれが独立して乱数列を発生させることが可能となっている。これらの16ビット乱数手段または8ビット乱数手段が発生する乱数は、クロックパルス発生器64が発生するクロック信号に基づいて更新されるため、ハードウエア乱数(ハード乱数)とも称される。なお、図示はしていないが本実施形態では、乱数発生・取込手段118とは別の乱数発生手段を備えている。この乱数発生手段は、上述のCPU61、RAM63で構成され、役決定等に用いられる乱数として、所定の数値範囲の乱数列を発生可能な乱数手段を有している。この乱数は、プログラムに基づいて更新されるため、ソフトウエア乱数(ソフト乱数)とも称される。
(遊技進行管理手段130を構成する各手段)
受容メダル管理手段131は、メダル投入口21から投入された遊技メダル(「投入遊技メダル」とも称する)のうち実際に受け入れられた遊技メダル(受入通路に導かれて投入メダルセンサ28bにより検出された遊技メダルであり、「受容遊技メダル」とも称する)を、直接ベットされる遊技メダルとするのか、クレジットされる遊技メダルとするのかを制御するように構成されている。本実施形態では、ベット数が最大ベット許容数(遊技を実行するのに必要となるベット数(規定数「3」))に達していない場合には、受容遊技メダルを直接ベットされる遊技メダルとし、ベット数が最大ベット許容数に達しており、クレジット数が最大クレジット許容数(例えば「50」)に達していない場合には、受容遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとするように構成されている。
また、受容メダル管理手段131は、再遊技作動状態に設定された遊技において、自動ベット処理(遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく、前回の遊技におけるベット数と同数の遊技メダルがベットされた状態を設定する処理)を行うように構成されている。再遊技作動状態であっても、クレジット数が最大クレジット許容数に達していない場合には、投入された遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとして受け入れる(受け入れないようにしてもよい)。ベット数が最大ベット許容数に達しており、かつクレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、投入された遊技メダルは受け入れられずに返却されるようになっている。
役決定手段132は、スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、予め設定された役決定確率(抽選置数)に基づき複数の当選項目(役決定結果)の中から少なくとも1つの当選項目を選出するための役決定処理(内部抽せん)を行うように構成されている。この役決定処理は、上述の16ビット乱数手段が発生する乱数を用いて行われる。具体的には、スタートレバー25
が操作されたことを契機として、16ビット乱数手段が発生した乱数を取り込む。そして、役決定処理を行う際に、取り込んだ乱数を読み出し、その読み出した乱数に所定のソフト乱数を加算し、加算後の乱数を用いて、当選項目を選出するように構成されている。所定のソフト乱数を加算せず、読み出した乱数を用いて、当選項目を選出するようにしてもよい。
役決定処理は、予め設定された所定の役決定テーブル(図示略)を参照して行われる。役決定テーブルは、各当選項目に対応した抽選置数データが設定値別に、ROM62内の所定の記憶領域(複数のアドレス)に記憶された構成のものとなっている。役決定処理において、1つまたは複数の当選項目が選出されると、選出された当選項目に対応した遊技役が当該遊技における成立許容役となる。選出された当選項目(当選役)の情報はRAM63の所定の記憶領域に記憶されるが、1つの遊技において記憶された当選項目の情報が、小役や再遊技役の当選に関する情報である場合は、これら小役、再遊技役の成立の有無に拘わらず、当該遊技の終了後にクリア(「0」にリセット)される。一方、BB役の当選に関する情報は、BB役が当選しても成立しなかった場合、当該BB役が成立するまでクリアされずに記憶保持される。
演出グループ番号決定手段133は、役決定処理により選出された当選項目(YK番号)の情報から演出グループ番号の情報を生成する処理を行うように構成されている。この演出グループ番号(例えば、「0」から「10」までの演出グループ番号を用いる)は、役決定処理により選出される各YK番号に対応付けられるものであり、特に、押し順の違いによって遊技上の有利、不利(出玉への影響)が生じたり、遊技メダルの払出数(獲得数)に差が生じたりする一群のYK番号に対しては、1つの演出グループ番号が対応付けられるようになっている。
これに対し、押し順の違いによって遊技上の有利、不利に影響しない(出玉への影響がない)再遊技役の当選に対応するYK番号、押し順の違いによって遊技メダルの払出数(獲得数)に差が生じない小役(入賞役)の当選に対応するYK番号、獲得し得る遊技メダル数自体が少ない(例えば、ベットの規定数以下)の小役の当選に対応するのYK番号等については、複数のYK番号に対し1つの演出グループ番号を対応付けてもよいし、複数のYK番号に対し1つの演出グループ番号を対応付けなくてもよい。対応付けない場合は、例えば、YK番号の値と同じ値の演出グループ番号を対応付けるようにしてもよい。
リール制御手段134は、スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、最小遊技時間が経過していることを確認した後、リール3a〜3cを回転開始させ、回転開始させた全リールが定速回転状態となった後、ストップスイッチ26a,26b,26cが順次操作されたこと(ストップスイッチ26a〜26cの各操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、対応する各リール3a〜3cを順次回転停止させるように構成されている。
各リール3a〜3cの回転停止制御は、役決定処理により選出された役決定結果に応じて設定(セット)される各停止テーブル(図示略)に基づき、ストップスイッチ26a〜26cの操作態様(押し順や操作タイミング等)に応じて行われる。各リール3a〜3cは、ストップスイッチ26a,26b,26cが操作されたタイミングから、各リール3a〜3cが所定の停止許容時間(例えば190ミリ秒)以内に停止するように(本実施形態では、最大滑りコマ数5コマの範囲内で)行われる。
すなわち、役決定処理の結果、所定の遊技役が成立許容役として選出されている場合、停止許容時間の範囲内において可能な限り、その選出された遊技役の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されるように、ハズレの場合には、いずれの遊技役の対応図柄も有効
ライン29上に停止表示されないように、リール3a〜3cの停止制御がなされるようになっている。なお、特別役の当選持越し中に再遊技役または小役が当選する場合や、特別役と再遊技役または小役が重複当選する場合を設ける場合には、再遊技役、特別役、小役の順に優先して成立させる再遊技役優先(特別役よりも小役の優先順位を高くしてもよい)のリール回転停止制御を行ってもよい。
停止表示図柄判定手段135は、ストップスイッチ26a〜26cが操作されたタイミングに基づき、リール3a〜3cにより停止表示された図柄がどの図柄であるかを判定するとともに、有効ライン29上に停止表示されたと判定した図柄の組合せ(実際に停止表示された図柄組合せとは異なっていてもよい)に基づき、遊技役が成立しているかどうかを判定するように構成されている。
払出メダル管理手段136は、小役が成立した場合に成立した小役に応じた数の遊技メダルを、クレジット数が最大クレジット許容数に達していない場合には、クレジット数に加算する貯留加算払出しにより、クレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、ホッパー駆動回路52を介してホッパー50を駆動させる実払出しにより、払い出すようになっている。また、払出メダル管理手段136は、清算操作(清算スイッチ24の押圧操作)が有効に受け付けられた場合に、ベットされていた数の遊技メダルまたはクレジットされていた数の遊技メダルを、ホッパー50を駆動させて払い戻すようになっている。
ブロッカ制御手段137は、上述のブロッカ48を制御するためのブロッカ信号を出力して、ブロッカ48をON状態(遊技メダル受入可能状態)とOFF状態(遊技メダル受入不可状態)との間で切り替えるように構成されている。なお、ブロッカ48がOFF状態とされた場合、メダル投入口21に投入された遊技メダルは、返却通路に導かれ返却される。ただし、遊技メダルが投入されたことは、投入メダルセンサ28aにより検出されるようになっている。
表示用ランプ制御手段138は、上述の各種表示用ランプ(MAX−BET表示ランプ46a、BETランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、CREランプ46h、払出数表示ランプ46j)の点灯や消灯等に関する制御を、表示用ランプ制御回路47を介して行うように構成されている。なお、払出数表示ランプ46jをメイン側押し順報知器として機能させる場合は、押し順管理手段139により払出数表示ランプ46jの制御が行われる。
押し順管理手段139は、役決定処理により選出された役決定結果(当選項目)に応じて、報知する押し順に対応したナビ番号(例えば、「0」から「9」のいずれかとする)を選出するようになっている。ナビ番号0は、押し順を報知しないときに選出されるもので、ナビ番号1〜9は、押し順を報知したいときに選出されるものである。本実施形態では、ナビ番号1〜9の各々に対応付けられる押し順(「対応押し順」とも称する)を、例えば、図9に示すように設定する。具体的には、例えば、ナビ番号1の対応押し順は「左中右」であり、ナビ番号3の対応押し順は「中左右」であり、ナビ番号7の対応押し順は「左第一」であり、ナビ番号9の対応押し順は「右第一」に設定される。
また、押し順管理手段139は、払出数表示ランプ46jをメイン側押し順報知器として機能させ、選出したナビ番号を報知させることにより押しナビ(メイン側押しナビ)を行うようにも構成されている。この押しナビは、払出数表示ランプ46jに設けられた2つの7セグメントランプ(以下「7セグ」と略記することがある)を用いて、ナビ番号を報知する。具体的には、図9に示すように、左の7セグに「=」を表示し、右の7セグに
ナビ番号の数値(例えば、ナビ番号2であれば「2」)を表示する。左の7セグに表示する「=」は、払出数表示ランプ46jにおいて払出数を表示しているときと区別するためのものである。ナビ番号0が選出された場合には、払出数表示ランプ46jによる表示は行わないようにしているが、別の態様として、左の7セグに「=」を右の7セグに「0」を表示してもよいし、左の7セグと右の7セグとの両方に「0」を表示してもよいし、左右の7セグの一方のみに「0」を表示してもよい。
図6に戻り、抽選グループ番号決定手段140は、役決定処理により選出された当選項目(YK番号)に応じて、各種抽選において当選値を選出するために用いられる抽選グループ番号を決定するように構成されている。例えば、抽選グループ番号として、抽選グループ番号0から抽選グループ番号9までの10個の番号を設けるとともに、役決定結果に対応して決定されるYK番号を10個のグループに分け(いずれのグループにも含まれないYK番号を設けてもよい)、その各々のグループに対して、いずれかの抽選グループ番号を対応付けすることができる。その対応付けの仕方は任意に決めることができるが、例えば、抽選グループ番号を、設定差のない抽選グループ番号(例えば、抽選グループ番号1〜8)と、設定差のある抽選グループ番号(例えば、抽選グループ番号0,9)とに大別して、設定差のない抽選グループ番号は、設定差を設けていない当選項目に対応するYK番号のみで構成されるグループに対応付け、設定差のある抽選グループ番号は、設定差を設けている当選項目に対応するYK番号を含むグループに対応付けしてもよい。また、遊技モード状態とRT状態に基づき対応付けを変更して、通常時は抽選グループ番号の種類を多く設定し、AT取得のための抽選の確率を役抽選結果に応じて細かく設定し、AT中は抽選グループ番号の種類を少なく設定して上乗せ抽選などの当選確率を大まかに設定するようにしてもよい。
(メイン通信制御手段150を構成する各手段)
制御コマンド送信手段151は、遊技に関する各種の情報を含む制御コマンドを、所定のタイミングで送信するように構成されている。例えば、スタートレバー25が操作される前に送信する制御コマンドとしては、どの遊技モードに設定されているかのかを示す情報を含む制御コマンド(「遊技モードコマンド」とも称する)、どのRT状態に設定されているかのかを示す情報を含む制御コマンド(「RTコマンド」とも称する)、再遊技の作動状態を示す情報を含む制御コマンド(「作動状態コマンド」とも称する)がある。また、スタートレバー25が操作されたことを契機として送信する制御コマンドとしては、例えば、ナビ番号の情報を含む制御コマンド(「ナビ番号コマンド」とも称する)、役決定結果の情報を含む制御コマンド(「役決定結果コマンド」とも称する)、演出グループ番号の情報を含む制御コマンド(「演出グループ番号コマンド」とも称する)がある(役決定結果コマンドは送信せず、演出グループ番号コマンドを役決定結果の情報を含む制御コマンドとして送信してもよい)。この他に、設定値の情報を含む制御コマンド、ATゲーム数カウンタなど各種カウンタの値の情報を含む制御コマンド、副制御手段において実行する演出内容を指示する情報を含む制御コマンドや、後述のボーナス遊技で送信する情報を含む制御コマンド等を、スタートレバー25が操作される前や、スタートレバー25が操作されたことを契機として、またはその他を契機として送信するようにしてもよい。
また、制御コマンド送信手段151は、最小遊技時間の経過が確認されたことを契機として、全リールが回転開始するよりも前に、全リールが回転開始することを示す情報を含む制御コマンド(「全回胴回転開始コマンド」とも称する)を送信する。さらに、第一停止操作(1番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第一停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(「第一停止受付コマンド」とも称する)を送信するとともに、第一回胴停止(第一停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第一回胴停止の情報を含む制御コマンド(「第一停止コマンド」とも称する)を送信する。同様に、第二停止操作(2番目のリールを停止させ
るためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第二停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(「第二停止受付コマンド」とも称する)を送信するとともに、第二回胴停止(第二停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第二回胴停止の情報を含む制御コマンド(「第二停止コマンド」とも称する)を送信する。同じく、第三停止操作(3番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第三停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(「第三停止受付コマンド」とも称する)を送信するとともに、第三回胴停止(第三停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第三回胴停止の情報を含む制御コマンド(「第三停止コマンド」とも称する)を送信する。さらに、停止図柄判定をする前に、全回胴停止の情報を含む制御コマンド(「全停止コマンド」とも称する)、停止図柄判定した後に、遊技メダルの払出数の情報を含む制御コマンド(「払出数コマンド」とも称する)を送信する。主制御手段100と副制御手段200(サブメイン制御手段200A)との間の通信は、前者から後者への一方向のみ可能となっている。
外端信号送信手段152は、所定の遊技状態となったときに、データカウンタやホールコンピュータ等に対し外端信号を送信するように構成されている。例えば、外端信号として、BB信号を送信するようにしてもよい。このBB信号は、通常区間から有利区間へ移行するときにONにされ、有利区間から通常区間に移行するときにOFFにされる。
一方、副制御手段200は、主にランプ演出、画像演出及び音声演出の管理(指示)を行うサブメイン制御手段(「第1副制御手段」とも称する)200Aと、主に画像演出及び音声演出を制御(実行)するサブサブ制御手段(「第2副制御手段」とも称する)200Bとを備えて構成される。
サブメイン制御手段200Aは、大別すると、演出管理手段210とサブメイン通信制御手段230とを備えている。演出管理手段210は、ゲーム演出管理手段211、報知演出管理手段212及びランプ演出制御手段213を備えており、サブメイン通信制御手段230は、制御コマンド受信手段231、演出コマンド送信手段232及び状態コマンド受信手段233を備えている。なお、サブメイン制御手段200Aにおける上述の各手段は、図2に示すサブメイン制御基板70A上に配されたサブメインCPU71、ROM72、RAM73、電子回路等のハードウエア及びROM72に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(演出管理手段210を構成する各手段)
ゲーム演出管理手段211は、主に遊技の興趣向上や遊技性を高める目的で、サブサブ制御手段200Bにより実行される画像や音声による演出(「ゲーム演出」とも称する)の実行時期等を、主制御手段100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。ゲーム演出としては、例えば、連続演出や単発演出、アシスト演出等がある。
連続演出とは、複数の遊技期間に亘って連続する演出であり、主に画像表示装置11を用いて、一続きの物語となるような画像を複数の遊技期間に亘って表示するものや、所定の遊技モード(例えば、遊技モード5)に滞在中であることを象徴するような演出画像等を表示するものなどが挙げられる。なお、連続演出や次述する単発演出を行う際に、演出ランプ12,13a,13b,14a,14bや飾りランプ32a,32bを用いた演出を行ったり、スピーカ15a,15b,44a,44bを用いた演出を組み合わせて行ったりしてもよい。
単発演出とは、遊技の進行過程において特定の状況が生じた場合等に単発的に実行される演出である。例えば、各リールの回転時に、遊技役の当選期待度を暗示するような画像を、画像表示装置11により表示する演出などが挙げられる。また、主制御手段100に
おいてATゲーム数が加算されたことを契機として、加算されたATゲーム数の値(例えば「+30」等の文字)を、画像表示装置11の表示画面11a上に表示する演出も単発演出の例として挙げられる。
アシスト演出は、遊技者を支援するための演出で、本実施形態では、主に、主制御手段100からのナビ番号コマンドにより伝達されるナビ番号の情報に応じて、押しナビ演出が行われる。この押しナビ演出(サブ側押しナビ)は、画像表示装置11をサブ側押し順表示器として利用して、遊技者に対し、ナビ番号に応じた押し順(正解押し順)を表示画面11a上に表示する単発の演出である。本実施形態では、上述のRPナビに対応するRPナビ演出(サブ側RPナビ)と、入賞ナビに対応する入賞ナビ演出(サブ側入賞ナビ)と、目押しナビに対応する目押しナビ演出(サブ側目押しナビ)を実行するようになっている。
押し順を報知する押しナビ演出(RPナビ演出、入賞ナビ演出)の具体的態様としては、対応する押し順を示す数字を表示する態様(例えば、「左第一」の押し順の場合は、表示画面11aの左下部に「1」を表示し、「中→左→右」の押し順の場合は、表示画面11aの下部に押し順を示す数字を「2、1、3」の順番で左側から並べて報知する態様)が例として挙げられる。第一押し順から第三押し順までを表示する場合には、表示した第一押し順に従って遊技者が1番目のストップスイッチを操作した時点で第一押し順の表示を消し、表示した第二押し順に従って遊技者が2番目のストップスイッチを操作した時点で第二押し順の表示を消し、表示した第三押し順に従って遊技者が3番目のストップスイッチを操作した時点で第三押し順の表示を消すようにしてもよい。
また、表示した押し順とは異なる順番で遊技者がストップスイッチを操作した場合には、押し順ナビ演出を直ちに終了するようにしてもよい。さらに、押し順を表示する際には、「なか」という音声、「ひだり」という音声、及び「みぎ」という音声を、次に行うべき操作と対応付けてスピーカ15a,15b等から出力するようにしてもよい。さらに、演出ランプ13aを「左」、演出ランプ12を「中」、演出ランプ13bを「右」に対応させて、次に行うべき操作と対応付けて発光または点滅させるようにしてもよい。
報知演出管理手段212は、主に遊技に関する情報を遊技者に報知する目的で、サブサブ制御手段200Bにより実行される画像や音声による演出(以下「報知演出」と称する)の実行時期等を、主制御手段100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。報知演出としては、例えば、エラーが発生したことを「エラー発生」というような文字情報で報知するエラー報知演出や、電源断復帰時に画像が準備中であることを「画像準備中」というような文字情報で報知する演出等が挙げられる。また、遊技者が過度に遊技に没頭すること(のめり込み)を防止するために、遊技者の注意を喚起させるための文字情報を含む画像(「注意喚起画像」とも称する)を表示する演出も報知演出の例として挙げられる。
ランプ演出制御手段213は、演出ランプ12,13a,13b,14a,14b、飾りランプ32a,32b、バックランプ38a〜38dを用いた各種の照明演出を制御するように構成されている。
(サブメイン通信制御手段230を構成する各手段)
制御コマンド受信手段231は、主制御手段100からの制御コマンドを受信し、RAM73等の所定の記憶領域(例えば、受信した制御コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
演出コマンド送信手段232は、主制御手段100からの制御コマンドに基づき、演出
に関する各種の情報を含む演出コマンド(例えば、画像情報を含む演出コマンド等)をサブサブ制御手段200Bに送信するように構成されている。
状態コマンド受信手段233は、サブサブ制御手段200Bからの状態コマンド(例えば、演出コマンドの受信エラーが発生したという情報を含む状態コマンド等)を受信し、RAM73等の所定の記憶領域(例えば、受信した状態コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
以上のように構成されたサブメイン制御手段200Aに対し、サブサブ制御手段200Bは、大別すると、演出実行制御手段250とサブサブ通信制御手段270とを備えている。演出実行制御手段250は、ゲーム演出実行制御手段251と報知演出実行制御手段252を備えており、サブサブ通信制御手段270は、演出コマンド受信手段271と状態コマンド送信手段272を備えている。なお、サブサブ制御手段200Bにおける上述の各手段は、図2に示すサブサブ制御基板70B上に配されたサブサブCPU75、ROM76、RAM77、電子回路等のハードウエア及びROM76に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(演出実行制御手段250を構成する各手段)
ゲーム演出実行制御手段251は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置11やスピーカ15a,15b等を制御し、上述のゲーム演出を実行するように構成されている。
報知演出実行制御手段252は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置11やスピーカ15a,15b等を制御し、上述の報知演出を実行するように構成されている。
(サブサブ通信制御手段270を構成する各手段)
演出コマンド受信手段271は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドを受信し、RAM77等の所定の記憶領域(例えば、受信した演出コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
状態コマンド送信手段272は、上述の状態コマンドをサブメイン制御手段200Aに送信するように構成されている。
上述した制御コマンド送信手段151からの制御コマンドの送信、演出コマンド送信手段232からの演出コマンドの送信、及び状態コマンド送信手段272からの状態コマンドの送信は、いずれもシリアル通信方式により行われる(パラレル通信方式で行うようにしてもよい)。また、各送信手段151,232,272は、それぞれ同様の構成を有しており、送信するコマンドを一時記憶する記憶領域としてのコマンドバッファ(「CB」とも称する)、送信するコマンドの書込みや読出し等の処理を行うコマンド処理部、及び、シリアル通信によりコマンドを送信するコマンド送信部を備えて構成される。
CBは、各々のアドレスによって区別される複数の記憶領域を有し、各々の記憶領域に1バイトのコマンドデータを記憶できるように構成されている。コマンド処理部は、送信するコマンドデータを生成し、それをCBの書込ポインタが示すアドレス領域に書き込むとともに、CBの読込ポインタが示すアドレス領域から以前に書き込まれたコマンドデータを読み出し、それをコマンド送信部のTDR(送信用データレジスタ)に書き込むように構成されている。コマンド送信部は、TDRに書き込まれたコマンドデータをTSR(送信シフトレジスタ)に移し、そこでシリアル変換して送信するように構成されている。
なお、パラレル通信方式で行う場合は、CBの読込ポインタが示すアドレス領域から、以前に書き込まれたコマンドデータを読み出し、そのコマンドデータを所定の出力ポート(副制御手段に送信するための出力ポート)に書き込むことで送信するように構成される。本実施形態における1つのコマンドは、通常、2バイト構成である(チェックサムは1バイト構成)。また、通信方式は調歩同期式(非同期式)であり、1ビットのストップビット、1ビットのパリティビット(偶数パリティ)を有している(通信方式やコマンド構成は適宜変更可)。
〈ボーナス遊技〉
本実施形態では、上述したように、BB役が成立するとBB作動状態となり、遊技モード5(RT3)に移行されてボーナス遊技(BB遊技)が実行可能となる。以下、図10〜図12を追加参照して、ボーナス遊技の内容について説明する。図10(A)に示すように、ボーナス遊技期間として全24ゲームの期間が設定される。最初の8ゲームの期間は導入期間、次の12ゲームの期間は押し順選択ゲーム用期間、最後の4ゲームの期間は成果報知期間として設定される。ボーナス遊技とは、導入期間、押し順選択ゲーム用期間および成果報知期間に亘って行われる遊技の総称である。ボーナス遊技のうち、特に、押し順選択ゲーム用期間において実行される(最少で3回、最多で12回実行される)遊技のことを、押し順選択ゲーム(詳細後述)と称する。また、押し順選択ゲームが実行される特定期間のことを押し順選択ゲーム実行期間、押し順選択ゲームが実行されない非特定期間のことを押し順選択ゲーム非実行期間と称する。導入期間および成果報知期間は、その全期間が押し順選択ゲーム非実行期間となる。これに対し、押し順選択ゲーム用期間は、その全期間が押し順選択ゲーム実行期間となる場合もあるが、期間の途中で、押し順選択ゲーム実行期間から押し順選択ゲーム非実行期間に切り替わる場合もある。
ボーナス遊技の期間は、RT3の滞在期間と一致しており、毎遊技行われる役決定では、入賞A〜Dのいずれかが必ず当選するようになっている。入賞A〜Dの当選置数は、例えば、図11(A)に示すように設定される。すなわち、入賞A〜Cのいずれかが略1/
3の確率で選出され、入賞A〜Cがいずれも当選しない場合に入賞Dが選出されるよう設定される。
ボーナス遊技期間においては、役決定結果等に応じて、ボーナス遊技期間特有の押しナビとして、ベル揃えナビまたは勝ちナビが主制御手段100および副制御手段200により行われることがある。ベル揃えナビとは、役決定により入賞A〜Dのいずれかが選出されたときに、ベル揃いベルである小役1を成立させる(出目Aを停止表示させる)ための押し順を報知する押しナビであり、押し順選択ゲーム非実行期間において行われる。図12(A)に、副制御手段200により行われるベル揃え押しナビ(「ベル揃え押しナビ演出」とも称する)の態様例(役決定において入賞Aが選出された場合のベル揃え押しナビ演出の一例)を示している。具体的には、表示領域の左下に、○で囲んだ数字「1」を表示する態様であり、これにより、入賞A選出時に小役1を成立させるための「左第一」の押し順操作を実行させるよう促している。この例のようなベル揃え押しナビ演出が行われる場合、主制御手段100側では、やはり「左第一」の押し順を報知するために、払出数表示ランプ46jにおいて「=7」が表示される。ベル揃えナビは、導入期間および成果報知期間においては毎遊技実行される。また、押し順選択ゲーム用期間においても押し順選択ゲーム終了後(後述の星カウンタの値が「0」となり、押し順選択ゲーム実行期間から押し順選択ゲーム非実行期間へ切り替わった後)はベル揃えナビが毎遊技実行される。押し順選択ゲーム非実行期間においてはベル揃えナビを実行するとしたことにより、押し順選択ゲームが行われないということが、遊技者に分かり易くなるという効果が得られる。勝ちナビについては後述する。
導入期間では、その1ゲーム目の開始前または開始後において、BBカウンタが「24
」にセットされ、星カウンタが「3」にセットされる(星カウンタのセットは2ゲーム以降としてもよい)。また、ゲームレベル抽選が行われる。BBカウンタは、ボーナス遊技の残りゲーム数を計数するカウンタであり、遊技が行われるごとに「1」減算されるようになっている。星カウンタは、押し順選択ゲームにおける遊技者の持ち点(星の数)を計数するカウンタであり、その値が、各押し順選択ゲームの結果に応じて、その都度「1」加算されるか「1」減算されるかそのまま維持されるようになっている。ゲームレベル抽選は、後述する勝ちナビ抽選において当選値1が選出される確率に影響するゲームレベル(難易度)を決める抽選である。ゲームレベル抽選における当選値および当選置数は、例えば、図11(B)に示すように設定される。すなわち、0〜4の4個の当選値が設定されており、各当選値に割り当てられた当選置数の値は、当選値が大きくなるほど小さくなるよう設定されている。ゲームレベル抽選において1つの当選値が選出されると、その当選値に応じた値のゲームレベルが設定される(例えば、当選値2が選出された場合、ゲームレベルは「2」に設定される)。
導入期間におけるこれらの処理は、主制御手段100により行われ、抽選結果等の情報が副制御手段200へと通知される。副制御手段200は、押し順選択ゲームが間もなく開始されることを報知または示唆する演出や、ゲームレベル抽選により決定されたゲームレベルを報知または示唆する演出等を、画像表示装置11等を用いて行う。
押し順選択ゲーム用期間では押し順選択ゲームが実行される。押し順選択ゲームとは、役決定において入賞A〜Cのいずれかが選出された場合に、「左第一」、「中第一」、「右第一」の3通りの押し順の中から1つの押し順を遊技者に選択させて実行させるゲームである。そして、遊技者が選択実行した押し順が小役2を成立させる(出目Bを停止表示させる)押し順であった場合には「勝ち」として星カウンタの値を「1」加算し、選択実行した押し順が小役3を成立させる(出目Cを停止表示させる)押し順であった場合には「負け」として星カウンタの値を「1」減算し、選択実行した押し順が小役1を成立させる(出目Aを停止表示させる)押し順であった場合には「引き分け」として星カウンタの値を維持(±0)するゲームである。押し順選択ゲーム用期間は、基本的に星カウンタの値が「0」とならない限り、押し順選択ゲーム実行期間として設定され、その期間内において押し順選択ゲームが継続して実行される。しかし、星カウンタの値が「0」になると、それ以降は、押し順選択ゲーム非実行期間に切り替えられ、その期間内においては、押し順選択ゲームは実行されない(別態様として、特定の条件成立により再度実行可能となるようにしてもよい)。なお、1回の押し順選択ゲームにおいて、勝ちとなる確率、負けとなる確率、引き分けとなる確率は、それぞれ略3分の1となっている。
このような押し順選択ゲームにおいては、勝ちナビが行われる場合を除き、押しナビは行われない。すなわち、主制御手段100側では、払出数表示ランプ46jにおいて押し順を報知する表示は行われない。副制御手段200側でも、押しナビ演出は行われないが、それに代わる演出として、遊技者に押し順を選択することを促すための押し順選択演出が行われる。図12(B)に、この押し順選択演出の態様例を示している。具体的には、「左」の文字が記されたカード(「左カード」とも称する)と、「中」の文字が記されたカード(「中カード」とも称する)と、「右」の文字が記されたカード(「右カード」とも称する)と、「選択せよ!」という文字とを表示領域に表示する態様であり、これにより、3枚のカードの中からいずれかを選択することを促している。このような押し順選択演出が行われた際に、遊技者が左第一の押し順を実行すると演出上は左カードを選択したこととなり、中第一の押し順を実行すると演出上は中カードを選択したこととなり、右第一の押し順を実行すると演出上は右カードを選択したこととなる。
また、押し順選択ゲームでは、図10(B)に示すように、スタートレバー25の操作受付後に、勝ちナビ抽選が行わる。勝ちナビ抽選は、勝ちナビを実行するか否かを決める
抽選である。勝ちナビ抽選における当選値および当選置数は、例えば、図11(C)に示すように設定される。すなわち、0、1の2個の当選値が設定されており、各当選値に割り当てられた当選置数は、ゲームレベルの値に応じて異なっている。具体的には、ゲームレベルの値が大きいほど当選値1が選出される確率が高くなるよう設定されている。勝ちナビ抽選において当選値0が選出されると、勝ちナビフラグが「0」に設定され勝ちナビは実行されない。一方、勝ちナビ抽選において当選値1が選出されると、勝ちナビフラグが「1」に設定され勝ちナビが実行される。
勝ちナビとは、リプレイベルである小役2を成立させる(出目Bを停止表示させる)ための押し順を報知する押しナビであり、押し順選択ゲーム実行期間において行われる。図12(C)に、副制御手段200により行われる勝ちナビ(「勝ちナビ演出」とも称する)の態様例(役決定において入賞Aが選出された場合の勝ちナビ演出の一例)を示している。具体的には、左カード、中カードおよび右カードの3枚のカードと、中カードを指し示す矢印とを表示領域に表示する態様であり、これにより、入賞A選出時に小役2を成立させるための中第一の押し順を選択することを促している。この例のような勝ちナビ演出が行われる場合、主制御手段100側では、やはり中第一の押し順を選択させるために、払出数表示ランプ46jにおいて「=7」が表示される。勝ちナビは、勝ちナビ抽選において当選値1が選出された場合と、役決定において入賞Dが選出された場合に行われる。すなわち、入賞Dが選出されると、勝ちナビ抽選の結果に関係なく勝ちナビフラグが「1」に設定され勝ちナビが実行される。
また、押し順選択ゲームでは、図10(B)に示すように、全回胴の停止後に、星カウンタの更新が行われる。具体的には、前述したように、押し順選択ゲームにおいて、遊技者が選択実行した押し順が小役2を成立させる押し順であった場合には星カウンタの値が「1」加算され、選択実行した押し順が小役3を成立させる押し順であった場合には星カウンタの値が「1」減算され、選択実行した押し順が小役1を成立させる押し順であった場合には星カウンタの値が維持(±0)される。なお、押し順選択ゲーム用期間の最終ゲーム(12ゲーム目)において、押し順選択ゲームの結果により星カウンタの値が「1」加算され、それにより加算後の星カウンタの値が「2」になった場合には、さらに「1」加算される(計「2」加算される)ようになっている。
また、勝ちナビフラグが「1」に設定され勝ちナビが実行された場合には、遊技者が選択実行した押し順操作が小役2を成立させる押し順操作ではなかった場合でも、星カウンタの値が「1」加算される。例えば、押し順選択ゲームでの役決定において入賞Aまたは入賞Dが選出され、勝ちナビ抽選の結果、勝ちナビフラグが「1」に設定され勝ちナビが実行される場合、そのときの勝ちナビでは、小役2を成立させるための中第一の押し順が報知される。その際に、遊技者が左第一の押し順操作を選択実行すると、小役1が成立することになるが、その場合でも、星カウンタの値は「1」加算されるようになっている。なお、別態様として、勝ちナビが行われた場合でも遊技者がその勝ちナビに従わずに小役2が成立しなかった場合は、星カウンタの値を加算せず、減算または維持するようにしてもよい。また、勝ちナビが行われた場合には、遊技者による押し順に関係なく、必ず小役2を成立させるリール停止制御を行うようにしてもよい。また、入賞Dが選出された場合には、そのことを条件として(勝ちナビフラグの設定等は行わずに)、星カウンタの値を「1」加算するようにしてもよい。
星カウンタの値が更新されると、その結果を報知するためのゲーム結果報知演出が副制御手段200により行われる。そのゲーム結果報知演出の態様例(星カウンタの値が加算される場合のゲーム結果報知演出の一例)を、図12(D)に示している。具体的には、「勝ち!」という文字と、「☆:」のマークと、それに続く数式「3+1=4」とを表示領域に表示する態様であり、これにより、星カウンタが加算されること、更新前の星カウ
ンタの値が「3」、加算値が「1」、更新後の星カウンタの値が「4」であることを示している(態様は適宜変更可)。同様に、星カウンタの値が減算される場合のゲーム結果報知演出の態様例を図12(E)に示し、星カウンタの値が維持される場合のゲーム結果報知演出の態様例を図12(F)に示している(説明は省略)。
また、押し順選択ゲームでは、図10(A)に示すように、押し順選択ゲーム用期間において実行される最後の押し順選択ゲーム(押し順選択ゲーム実行期間における最後のゲーム)において、特典付与が行われる。具体的には、最後の押し順選択ゲームの結果、星カウンタの値が3以上であれば、押し順選択ゲームにおいて勝利したとして特典が付与される。本実施形態では、付与する特典をATとする(他の特典であってもよい)。すなわち、星カウンタの値が3以上であればATフラグが「1」にセットされ、これにより、ボーナス遊技期間終了後、遊技モード5(ボーナス)から遊技モード3(AT準備)に移行し、さらに遊技モード4(AT)へと移行するよう制御される。なお、最後の押し順選択ゲームにおいては、特典が付与される条件を遊技者に報知するようにしてもよい。例えば、最後の押し順選択ゲームの開始時において星カウンタの値が「2」の場合には、最後の押し順選択ゲームに勝てば特典が付与される旨を、最後の押し順選択ゲームの開始時において星カウンタの値が「3」の場合には、最後の押し順選択ゲームに勝つか引き分ければ特典が付与される旨を、副制御手段200が画像表示装置11等を用いて遊技者に報知してもよい。このような報知は、押し順選択ゲーム用期間の最終ゲームに限らず、2ゲーム前や3ゲーム前に行ってもよい。報知を行う遊技において特典付与の可否が決まることになるので、遊技者は当該遊技が重要な遊技であることを認識することが可能となる。
星カウンタの値が「3」であることによりATが付与される場合は、ATゲーム数カウンタの値は「30」に設定される。一方、星カウンタの値が4以上でATが付与される場合は、ATゲーム数カウンタの値は、「30」に星カウンタの値に応じた上乗せ数が加算されて設定される。具体的には、星カウンタの値において「3」を超える分の数値に、「10」を乗じた数値を上乗せ数とする。例えば、星カウンタの値が「12」であれば、上乗せ数は「90(=(12−3)×10)」となるので、ATゲーム数カウンタの値は「120(=30+90)」にセットされる。
このように、押し順選択ゲームでは、押し順選択ゲームの結果に応じて更新される星カウンタの値が、押し順選択ゲーム用期間の終了時点において初期値「3」以上である場合に特典が付与される。そのため、押し順選択ゲーム用期間の早い段階で星カウンタの値が初期値から乖離したとしても、その後に星カウンタの値が増減して、押し順選択ゲーム用期間の終了時点で初期値以上または初期値未満となる可能性があれば、特典が付与されるのか否かはその時点では確定しない。押し順選択ゲーム用期間の途中で特典付与の可否が確定するのは、その後に星カウンタの値がどのように増減しても押し順選択ゲーム用期間の終了時点での星カウンタの値が初期値以上となる可能性が無くなるか、逆に、初期値未満となる可能性が無くなる時点である。
1回の押し順選択ゲームにおいて、勝ち、負け、引き分けとなる各確率は、略等しいので、勝ちが続いたり負けが続いたりして星カウンタの値が初期値から大きく乖離する確率は高くはない。そのため、押し順選択ゲーム用期間の早い段階では特典付与の可否は確定せず、確定するのが押し順選択ゲーム用期間の終了時点までずれ込むことも多くなる。また、星カウンタの値が所定値に達すれば特典が付与されることが確定するという構成とした場合とは異なり、押し順選択ゲーム用期間の途中で特典付与の可否が内部的に確定した場合でも、その時点での星カウンタの値と残りゲーム数との関係を十分に把握していないと、特典付与の可否が確定したことを遊技者は認識し難くなっている。例えば、星カウンタの値が「7」となった場合、残りゲーム数が「4」以下であれば特典の付与が確定することになるが、そのことを明確に把握していなければ、特典の付与が確定したことを認識
できない。したがって、特典が付与されるのか否かが、押し順選択ゲーム用期間の終盤まで遊技者に分かり難くなっている。また、そのため、押し順選択ゲーム用期間での押し順選択ゲームの遊技性を高めることが可能となっている。
本実施形態では、押し順選択ゲーム用期間の途中で星カウンタの値が「0」まで減少した場合は、特典が付与されないことが決まる(後述の復活抽選による特典付与の場合は除く)。そのため遊技者は、星カウンタの値が「0」とならないように、ハラハラしながら押し順選択ゲームを進めることになるので、押し順選択ゲームの遊技性をさらに高めることが可能となっている。なお、星カウンタの値をマイナスでも計数するようにして、星カウンタの値が「0」以下となった場合でも、押し順選択ゲームを続けるようにしてもよい。その場合は、押し順選択ゲーム用期間の早い段階で星カウンタの値が「0」となって、特典が付与されないことが確定してしまうという事態が生じなくなるので、この点において、押し順選択ゲームの遊技性を高めることが可能となる。
また、本実施形態では、押し順選択ゲームの成果(最終的な星カウンタの値)の違いによって、付与される特典の内容(ATゲーム数)に差が付くようにしているので、押し順選択ゲームに対する遊技者の遊技意欲を高めることが可能となっている。また、押し順選択ゲームは、最終的な星カウンタの値によって特典付与の可否、特典の内容が決定されるので、押し順選択ゲーム用期間の途中段階では先(成果等)を見通すことが難しく、そのため遊技者の期待感を維持できるという優れた遊技性を有している。したがって、遊技者の遊技意欲を高めることができ、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
最後の押し順選択ゲームの結果、星カウンタの値が3未満(0〜2)となった場合には、押し順選択ゲームにおいて敗北したとされるが、この場合は復活抽選が行われる。復活抽選とは、押し順選択ゲームにおいて十分な成果を得られなかった場合(敗北の場合)に、遊技者に特典付与(獲得)のチャンスを与えるための抽選である。復活抽選における当選値および当選置数は、例えば、図11(D)に示すように設定される。すなわち、0、1の2個の当選値が設定されており、各当選値に割り当てられた当選置数の値は、当選値1が選出される確率が8分の1となるよう設定されている。復活抽選において、当選値0が選出されるとATフラグが「0」に設定され(ATは付与されず)、当選値1が選出されるとATフラグが「1」に設定される(ATが付与される)。このように、押し順選択ゲームにおいて十分な成果が得られなかった場合でも、復活抽選による特典付与のチャンスが残っているので、遊技者の遊技意欲を持続させることが可能である。なお、別態様として、星カウンタの値(0〜2)に応じて、復活抽選における当選値1の選出確率が変わるようにしてもよい。例えば、星カウンタの値が大きいほど、当選値1が選出される確率が高くなるように設定することが挙げられる。
押し順選択ゲーム用期間の途中において星カウンタの値が「0」となった場合には、押し順選択ゲームを終了し、次の遊技より、押し順選択ゲーム実行期間から押し順選択ゲーム非実行期間へと切り替える。そして、ボーナス遊技期間が終了するまでは、次遊技から主制御手段100および副制御手段200によりベル揃えナビを実行する。ベル揃えナビを実行することにより、押し順選択ゲームが終了したことを、遊技者が識別し易くなるという効果が得られる。また、これにより、押し順選択ゲームが終了したことが分からずに遊技者が戸惑うことを防止することができる。なお、押し順選択ゲーム用期間の途中において星カウンタの値が「0」となった場合は、押し順選択ゲームは敗北とされるが、この場合も復活抽選が行われるようになっている。
また、押し順選択ゲーム実行期間において有利区間クリアカウンタの値が所定の閾値(例えば「20」とするが任意に設定可)に達した場合は、それまでの押し順選択ゲームの結果等によらず押し順選択ゲームを終了し、次の遊技より、押し順選択ゲーム実行期間か
ら押し順選択ゲーム非実行期間へと切り替える。そして、ボーナス遊技期間が終了するまで、次遊技から、主制御手段100および副制御手段200においてベル揃えナビを実行する。ここでも、ベル揃えナビを実行することによって、押し順選択ゲームが終了したことを遊技者が識別し易くなるという効果が得られる。また、これにより、押し順選択ゲームが終了したことが分からずに遊技者が戸惑うことを防止することができる。
さらに、導入期間において、有利区間クリアカウンタの値が閾値に達した場合は、その後押し順選択ゲーム用期間に入っても押し順選択ゲームは実行しないようになっている。このように、有利区間クリアカウンタの値が閾値に達した場合は、押し順選択ゲームを途中で終了するか、始めから実行しないようにした理由は、押し順選択ゲームを実行した結果、特典(ATフラグ=1)が付与されたとしても、すぐに有利区間クリアカウンタの値が「0」に達し、その特典の情報がクリアされてしまうことを考慮したからである。すなわち、押し順選択ゲームを実行して特典を付与してもそれが活用されない(無駄になる)可能性が高く、そうなると遊技者が落胆して遊技の興趣が損なわれる虞があるので、押し順選択ゲームを途中で終了するかまたは始めから実行しないようにしたものである。
成果報知期間では、押し順選択ゲームの成果または復活抽選の結果が、主に副制御手段200により遊技者に報知される。例えば、AT設定の可否、ATゲーム数等が画像表示装置11等を用いて遊技者に報知される。また、復活抽選を行った場合には、その抽選結果だけではなく、復活抽選により特典を獲得できるかもしれないという遊技者の期待感を高めるような連続演出等が行われる。なお、ボーナス遊技期間において有利区間クリアカウンタの値が閾値に達した場合は、それ以降は、有利区間が間もなく終了することを遊技者に報知するための演出(「有利区間終了演出」とも称する)を、副制御手段200側において行うようにしてもよい。この有利区間終了演出は、ボーナス遊技期間以外の期間に滞在中であっても、有利区間クリアカウンタの値が閾値に達した場合に行われる。なお、ボーナス遊技期間に滞在中とそれ以外の期間に滞在中とでは、有利区間終了演出の演出態様を変えてもよいし、演出態様を共通としてもよい。また、有利区間クリアカウンタの値が「0」に達してもボーナス遊技期間が続く場合には、ボーナス遊技期間が終了するまで、有利区間終了演出を継続して実行するようにしてもよい。一方、有利区間クリアカウンタの値が「0」に達した後のボーナス遊技期間では、主制御手段100および副制御手段200によるベル揃えナビは実行しないようにしてもよい。ベル揃えナビを実行しないことによって、有利区間から通常区間へと移行したことを遊技者が識別し易くなるという効果が得られる。
上述したボーナス遊技においては、ボーナス遊技期間中、毎遊技、押し順によらず9枚の遊技メダルを獲得することができるので、ボーナス遊技期間中の出玉率が高く遊技者にとって非常に有利となる。このような出玉率を高く設定できるボーナス遊技期間中ではなく、いわゆるサブボーナス遊技期間中に押し順選択ゲームを行うようにしてもよい。サブボーナス遊技とは、特別役の成立を契機として実行されるボーナス遊技ではなく、演出等によりボーナス遊技のように見せる遊技のことであり、例えば、押し順により停止する図柄組合せが異なる場合に遊技者に有利な押し順を報知するAT中に実行される。サブボーナス遊技の場合、ボーナス遊技とは異なり小役の当選確率を高めることができないので、出玉率が低くなることもある。そのため、押し順選択ゲームを行っても、遊技メダルの獲得数が増えず、却って減少してしまうということも起こり得る。そこで、サブボーナス遊技において押し順選択ゲームを行う場合には、サブボーナス遊技期間において所定数以上の遊技メダルを獲得したこと、あるいは所定数以上の遊技メダルを獲得することが期待できるだけの遊技数のゲームが消化された後に、押し順選択ゲームを開始するようにしてもよい。こうすることにより、押し順選択ゲームの実行中あるいは実行後に遊技メダルの獲得数が極端に少なくなったり、遊技メダルがなくなってしまって遊技を継続できなかったりするというような事態が生じて、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを防止するこ
とが可能となる。
また、上述のボーナス遊技では、押し順によって異なる小役が成立する入賞の当選項目(入賞A〜D)を用いて押し順選択ゲームを行っているが、押し順によって異なる再遊技役が成立する再遊技の当選項目(「押し順リプレイ」とも称する)を設定し、これを用いて押し順選択ゲームを行うようにしてもよい。さらに、上述のボーナス遊技では、最後の押し順選択ゲームの開始時において星カウンタの値が「1」である場合は、その最後のゲームで星カウンタの値が計「2」加算されることもあるように構成しているが、「2」加算されることはないようにしてもよい。そうすると、最後の押し順選択ゲームの開始時において星カウンタの値が「1」である場合、最後の押し順選択ゲームの結果により星カウンタの値が「1」加算されても、加算後の星カウンタの値が「3」に達することはないため、最後の押し順選択ゲームの開始時点で既に敗北が確定していることになる。そこで、このように敗北が獲得した時点で、押し順選択ゲーム用期間内であっても押し順選択ゲームを終了し、押し順選択ゲーム実行期間から押し順選択ゲーム非実行期間に切り替えるようにしてもよい。
上記の態様では、押し順選択ゲーム実行期間の終了時における星カウンタの値が、初期値「3」以上であることを特典付与の条件としたが、初期値とは異なる値によって、特典付与の可否を決めてもよい。具体的には、初期値は「3」とするが、特典付与の条件としては、終了時における星カウンタの値が「5」以上であることとしてもよいし、「1」以上であることとしてもよい。また、上記の態様では、勝ち、負け、引き分けの比率を略1対1対1としたが、これに限定されるものではない。例えば、押し順の選択を6択として押し順ごとに表示される出目を設定し、勝ち、負け、引き分けの比率を1対4対1としてもよい。比率を異ならせるだけではなく、勝ち、負けのみを設定して引き分けを設定しなくてもよい。このようにすることで、押し順選択ゲームの難易度を調整することが可能となる。
〈遊技メダルの獲得数の計数および表示〉
本実施形態では、例えば、ボーナス中やAT中のように、遊技者にとって有利となる(例えば、出玉率が通常よりも高くなる)ことが期待される遊技状態(「有利遊技状態」とも称する)における遊技メダルの獲得数が、獲得数カウンタにより計数されるようになっている。この獲得数カウンタは、副制御手段200が制御するようになっているが、主制御手段100が獲得数カウンタを制御することや、副制御手段200が制御する獲得数カウンタと主制御手段100が制御する獲得数カウンタとを別々に設けることも可能である。
本実施形態では、獲得数カウンタによる遊技メダルの獲得数の計数を以下のように行う。すなわち、有利遊技状態に設定された1ゲーム目において、スタートレバー25の操作が受け付けられたことを開始条件として、獲得数カウンタによる計数を開始する(初期値は「0」)。具体的には、獲得数カウンタの初期値「0」から、1ゲーム目での遊技メダルのベット数「3」を減算し、その減算後の値「−3(=0−3)」に、1ゲーム目での遊技メダルの払出数(例えば「9」とする)を加算して加算後の値(「6(=−3+9)」を1ゲーム目の獲得数として保存する。2ゲーム以降も同様の処理を継続して行う。また、各ゲームの終了時点で、獲得数カウンタの値が負値となった場合は、獲得数カウンタの値を「0」にリセットする獲得数リセット処理を行う。
このように獲得数カウンタの値を毎遊技更新し、有利遊技状態の最後の遊技が終了した時点での獲得数カウンタの値を、有利遊技状態における遊技メダルの獲得数として表示する。本実施形態では、画像表示装置11を用いて、遊技メダルの獲得数の表示を行う。その表示の態様例を図13(A),(B)に示している。図13(A)に示す終了画像(1
)では、有利遊技状態が終了したことを報知するための情報(「終了報知情報」とも称する)として、所定の画像(ここではリボンの画像とするが適宜変更可)および文字(ここでは「終了!!」とするが適宜変更可)を、画面の中央部に表示している。また、有利遊技状態における遊技メダルの獲得数(ここでは一例として「452枚」)を、画面下部に表示している。図13(B)に示す終了画像(2)は、終了画像(1)の内容に加えて、遊技にのめり込むことを防止するための注意喚起画像(「のめり込みに注意しましょう。」「パチスロは適度に楽しむ遊びです。」という文を表示する画像)を、画面上部に表示する態様である。
このような遊技メダルの獲得数の表示は、獲得数の値に関係なく必ず表示するようにしてもよい。しかし、獲得数が少ない場合、それを目にした遊技者の遊技意欲が低下する虞がある。そこで、本実施形態では、有利遊技状態の最後の遊技が終了した時点での獲得数カウンタの値が、所定の下限値(例えば「100」とするが任意に変更可)を下回るときは、その獲得数カウンタの値、すなわち、有利遊技状態における遊技メダルの獲得数を表示しないようにしている。その場合の表示の態様例を図13(C)に示している。図13(C)に示す終了画像(3)は、有利遊技状態の最後の遊技が終了した時点での獲得数カウンタの値が下限値未満の場合の表示例であり、終了画像(1)と同様の終了報知情報を画面の中央部に表示する一方で、遊技メダルの獲得数は一切表示しない。こうすることにより、有利遊技状態における遊技メダルの獲得数を、遊技者に認識し難くすることができる。また、これにより、有利遊技状態で遊技を実行したのにも拘らず、遊技メダルの獲得数が少ないことを遊技者が明確に認識することによって、遊技者が気分を害し遊技意欲が低下してしまうことを防止することが可能となる。
一方、有利遊技状態における遊技メダルの獲得数が非常に多かった場合に、その獲得数を表示すると、それを目にした遊技者が高揚して遊技にのめり込むことも考えられる。また、遊技者の射幸心を煽ることに繋がる虞もある。そこで、本実施形態では、有利遊技状態の最後の遊技が終了した時点での獲得数カウンタの値が、所定の上限値(例えば「2999」とするが任意に変更可)を上回るときは、その獲得数カウンタの値(有利遊技状態における遊技メダルの獲得数)を表示しないようにしている。その場合の表示の態様例を図13(D)に示している。図13(D)に示す終了画像(4)は、有利遊技状態の最後の遊技が終了した時点での獲得数カウンタの値が上限値を超えた場合の表示例であり、終了画像(2)と同様の終了報知情報および注意喚起画像を表示する一方で、遊技メダルの獲得数は一切表示しない。こうすることにより、有利遊技状態における遊技メダルの獲得数を、遊技者が認識し難くすることができる。また、これにより、有利遊技状態で遊技を実行した結果、遊技メダルを非常に多く獲得したことを明確に認識した遊技者が、高揚して遊技にのめり込んでしまうことを防止することが可能となる。なお、獲得数を表示しないだけではなく、注意喚起画像を表示することにより、のめり込み防止効果を向上させることができるが、注意喚起画像は表示しないようにしてもよい。また、終了画像(3)において、注意喚起画像を表示するようにしてもよい。獲得数を表示しないときの態様は図示した態様(獲得数に関する情報は何も表示しない態様)に限られず、「獲得数 ????枚」のように、獲得数を遊技者に想像させるような態様としてもよい。
また、1回の有利遊技状態が終了すると、その直後あるいは非有利遊技状態での遊技を所定回数実行した後に、再び有利遊技状態が設定され、これにより、複数回の有利遊技状態が連続的あるいは断続的に行われるように設定してもよい。その場合、各有利遊技状態における遊技メダルの獲得数だけではなく、一連の複数回の有利遊技状態における遊技メダルの総獲得数も併せて表示してもよい。その場合の表示の態様例を図13(E)に示している。図13(E)に示す終了画像(5)では、一連の複数回の有利遊技状態のうちの最後の回の有利遊技状態における獲得数(一例として「175枚」)を表示するとともに、一連の複数回の有利遊技状態における遊技メダルの総獲得数(一例として「883枚」
)を表示している。なお、総獲得数を計数するカウンタ(「総獲得数カウンタ」とも称する)は、獲得数カウンタとは別に設けられる。また、複数回の有利遊技状態の間に非有利遊技状態での遊技が実行される場合は、その非有利遊技状態における遊技メダルの獲得数についても総獲得数カウンタにより計数する(総獲得数に含める)ようにしてもよいし、非有利遊技状態における遊技メダルの獲得数は計数しない(総獲得数には含めない)ようにしてもよい。また、総獲得数についても、それを表示するか否かを決めるための下限値や上限値を設定してもよい。
また、有利遊技状態の期間中においても、遊技メダルの獲得数を表示するようにしてもよい(図13(F)を参照)。その場合、獲得数カウンタの値に関係なく、その値をそのまま獲得数として表示してもよいし、獲得数カウンタの値が下限値を超えた場合のみ、あるいは獲得数カウンタの値が下限値を超えかつ上限値以下である場合のみ、その値を獲得数として表示するようにしてもよい。また、獲得数の表示の更新は、獲得数カウンタの値が更新されるベット時および払出時に行ってもよいし、各遊技の終了時(払出時)のみに行ってもよい。
また、有利遊技状態が単発のRBのように、その期間中における遊技メダルの獲得数が上述の下限値を上回る可能性が低いような場合には、一律に遊技メダルの獲得数を表示しないようにしてもよく、終了情報も表示しないようにしてもよい。但し、単発のRBであっても、入賞回数が所定値(例えば、8回)に達して終了する場合には終了情報を表示し、さらに、終了時点での遊技メダルの獲得数が下限値を上回った場合には、遊技メダルの獲得数を表示するようにしてもよい。
本実施形態では、上述したように、各ゲームの終了時点で獲得数カウンタの値が負値となった場合は、獲得数カウンタの値を「0」にリセットする獲得数リセット処理を行うようにしているが、このような獲得数リセット処理を行わないようにしてもよい。その場合、獲得数カウンタによって計数される値は、有利遊技状態中の遊技メダルの差数(有利遊技状態中に払い出された遊技メダルの総数から、有利遊技状態中にベットされた遊技メダルの総数を引いた値)に相当する。このように獲得数リセット処理を行わずに獲得数カウンタの値を毎遊技更新し、有利遊技状態の最後の遊技が終了した時点での獲得数カウンタの値を、有利遊技状態における遊技メダルの獲得数として表示するようにしてもよい。その場合、有利遊技状態の最後の遊技が終了した時点での獲得数カウンタの値が、所定の下限値を下回るとき、あるいは、所定の上限値以上となるときは、その獲得数カウンタの値、すなわち、有利遊技状態における遊技メダルの獲得数を表示しないようにしてもよい。
また、獲得数リセット処理を行わずに計数した獲得数カウンタの値に基づき、有利遊技状態の期間中においても、遊技メダルの獲得数を表示するようにしてもよい。その場合、獲得数カウンタの値に関係なく、その値をそのまま(負値の場合もそのまま)獲得数として表示してもよいし、獲得数カウンタの値が0以上の場合はそのまま、負値の場合は「0」を獲得数として表示するようにしてもよい。また、有利遊技状態の期間中であっても、獲得数カウンタの値が下限値を超えた場合のみ、あるいは獲得数カウンタの値が下限値を超えかつ上限値以下である場合のみ、その値を獲得数として表示するようにしてもよい。また、獲得数の表示の更新は、獲得数カウンタの値が更新されるベット時および払出時に行ってもよいし、各遊技の終了時(払出時)のみに行ってもよい。
[主要な制御処理]
以下、スロットマシン1の主制御手段100において行われる制御処理のうち、特に、遊技進行制御処理とタイマ割込処理について、図14〜図19を追加参照して説明する。なお、以下の説明において幾つかの一般的なCPUレジスタやフラグについて記載することがある。それらについてここで簡単に説明する。Aレジスタは、演算に用いるデータを
セットしたり、演算結果をセットしたりするのに用いられる専用レジスタである。Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタは、様々な目的に使用できる汎用レジスタであり、ペアレジスタ(BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ)としても使用される。Rレジスタは、順次更新される所定のカウンタ値を記憶するレジスタである。Fレジスタは、演算の結果生じる所定の条件を記憶するレジスタであり、その幾つかのビットが、キャリーフラグ、ゼロフラグ、第2ゼロフラグとして構成されている。キャリーフラグは、演算した結果、キャリーが発生したときに、セット(「1」が記憶)されるフラグであり、ゼロフラグは、直前の演算結果が「0」であるときにセット(「1」が記憶)されるフラグである。また、第2ゼロフラグは、所定のレジスタ(例えば、Aレジスタ)にデータをセットしたとき、そのデータが「0」であったときにセット(「1」が記憶)されるとともに、ゼロフラグがセット(「1」が記憶)されたときにもセット(「1」が記憶)されるフラグである。
<遊技進行制御処理>
まず、図14を参照して、遊技進行制御処理の基本的な流れについて説明する。遊技進行制御処理は、遊技中に繰り返し実行される処理であり、図14に示すように、スタートレバー25の操作が受け付けられるまでその状態で待機し(ステップS1)、受け付けられると役決定処理を行う(ステップS2)。この役決定処理では、16ビット乱数手段が発生する乱数値に基づき、役決定結果(当選項目)が選出される。選出された役決定結果の情報は、RAM63の所定の記憶領域に保存される。
役決定処理を行った後、遊技モード共通開始時処理を行う(ステップS3)。この遊技モード共通開始時処理は、いずれの遊技モードに滞在中であっても共通に行われる処理である(詳細は省略)。遊技モード共通開始時処理の後、遊技モード別開始時処理を行う(ステップS4)。遊技モード別開始時処理とは、設定されている遊技モードごとに別々に行われる各開始時処理の総称であり、遊技モード0滞在中に実行される遊技モード0開始時処理、遊技モード4滞在中に実行される遊技モード4開始時処理等がある(詳細は省略)。
遊技モード別開始処理を終えるとステップS5に進む。このステップS5ではフリーズフラグ(フリーズを行うか否かを管理するフラグ)がONであるか否かを判定する。ここで、フリーズフラグがONである場合には、所定の設定時間だけフリーズを行い(ステップS6)、フリーズ実行後にフリーズフラグをクリアし(ステップS7)、ステップS8に進む。一方、フリーズフラグがONでない場合には、ステップS6,S7の処理は行わずにステップS8に進み、押しナビ処理(役決定結果等に応じて上述の押しナビを実行する処理)を行う。
押しナビ処理の終了後、回胴開始処理を行う(ステップS9)。具体的には、各リールの回転開始から定速状態に至るまでの回転状態を管理する。次いで、回胴停止処理を行う(ステップS10)。具体的には、ストップスイッチの操作が受け付けられた場合に、その受け付けたタイミング(押し位置や押し順)と役決定結果とに応じて停止可能位置を定め、リールの減速から停止に至るまでの回転状態を管理する処理を行う。回胴停止処理を行った後、遊技モード別終了時処理(リール停止後に、設定されている遊技モード別に行われる処理)を行う(ステップS11)。この遊技モード別終了時処理は、設定されている遊技モードごとに別々に行われる各終了時処理の総称であり、遊技モード2滞在中に実行される遊技モード2終了時処理、遊技モード4滞在中に実行される遊技モード4終了時処理等がある(詳細は省略)。遊技モード別終了処理を終えると、遊技モード共通終了時処理(設定されている遊技モードに拘わらず、リール停止後に共通に行われる処理)を行い(ステップS12)、ステップS1に戻る。
次に、図15を参照して、遊技進行制御処理において実行されるボーナス遊技セット処理と、ボーナス遊技レバー時処理の流れについて説明する。ボーナス遊技セット処理は、ボーナス遊技期間における導入期間の1ゲーム目に実行される処理であり、ボーナス遊技レバー時処理は、ボーナス遊技期間において、スタートレバー25の操作が受け付けられたことを契機として毎遊技実行される処理である。なお、ボーナス遊技セット処理は、BB役の図柄組合せが揃った遊技の終了時に行ってもよい。
ボーナス遊技セット処理では、図15(A)に示すように、BBカウンタの値を「24」にセットし(ステップS21)、次に星カウンタの値を「3」にセットする(ステップS22)。セット後、ゲームレベル抽選を行い(ステップS23)、その抽選結果に応じてゲームレベルをセットし(ステップS24)、ボーナス遊技セット処理を終了する。
ボーナス遊技レバー時処理では、図15(B)に示すように、まず、BB作動中であるか否かを判定する(ステップS31)。ここで、BB作動中でない場合には、そのままボーナス遊技レバー時処理を終了し、BB作動中である場合には、BBカウンタの値が5以上16以下の数値範囲内にあるか(すなわち、押し順選択ゲーム用期間内であるか)否かを判定する(ステップS32)。ここで、BBカウンタの値が上記数値範囲内にない場合には、そのままボーナス遊技レバー時処理を終了し、BBカウンタの値が上記範囲内にある場合には、星カウンタの値が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS33)。ここで、星カウンタの値が0以下である場合には、そのままボーナス遊技レバー時処理を終了する。一方、星カウンタの値が0よりも大きい場合には、勝ちナビ抽選を行い(ステップS34)、その抽選結果に応じて勝ちナビフラグを「0」または「1」にセットし(ステップS35)、ボーナス遊技レバー時処理を終了する。
次に、図16を参照して、遊技進行制御処理において実行される押し順選択処理の流れについて説明する。押し順選択処理は、ボーナス遊技期間において、役抽選が行われた後に毎遊技実行される処理であり、図16に示すように、まず、BB作動中であるか否かを判定する(ステップS41)。ここで、BB作動中でない場合には、そのまま押し順選択処理を終了し、BB作動中である場合には、有利区間クリアカウンタの値が20以下であるか否かを判定する(ステップS42)。ここで、有利区間クリアカウンタの値が20以下である場合にはステップS45に進み、20以下でない場合にはステップS43に進む。
このステップS43では、BBカウンタの値が5以上16以下の数値範囲内にあるか否かを判定する。ここで、BBカウンタの値が上記数値範囲内にない場合にはステップS45に進み、BBカウンタの値が上記範囲内にある場合にはステップS44に進む。ステップS44では星カウンタの値が0であるか否かを判定する。ここで、星カウンタの値が0である場合にはステップS45に進み、0でない場合にはステップS49に進む。
上記ステップS45では、役抽選の結果を判定する。ここで、入賞Aまたは入賞Dが選出されていた場合には、ナビ番号を「7」(左第一の押し順に対応)にセットし(ステップS46)、入賞Bが選出されていた場合には、ナビ番号を「8」(中第一の押し順に対応)にセットし(ステップS47)、入賞Cが選出されていた場合には、ナビ番号を「9」(右第一の押し順に対応)にセットし(ステップS48)、セット後、押し順選択処理を終了する。ここでセットされるナビ番号は、いずれも出目A(「ベル・ベル・ベル」)を揃える押し順に対応するものであり、セットされたナビ番号に基づき、上記ステップS8の押しナビ処理(図14を参照)において、ベル揃えナビが実行される。
上記ステップS49では、入賞Dが選出されていたか否かを判定する。ここで、入賞Dが選出されていた場合には、勝ちナビフラグを「1」にセットし(ステップS50)、そ
の後ステップS51に進み、入賞Dが選出されていなかった場合には、直接ステップS51に進む。ステップS51では、勝ちナビフラグが「1」にセットされているか否かを判定する。ここで、勝ちナビフラグが「1」にセットされていない場合には、そのまま押し順選択処理を終了し、勝ちナビフラグが「1」にセットされている場合には、ステップS52に進む。
このステップS52では、役抽選の結果を判定する。ここで、入賞Aまたは入賞Dが選出されていた場合には、ナビ番号を「8」(中第一の押し順に対応)にセットし(ステップS53)、入賞Bが選出されていた場合には、ナビ番号を「9」(右第一の押し順に対応)にセットし(ステップS54)、入賞Cが選出されていた場合には、ナビ番号を「7」(左第一の押し順に対応)にセットし(ステップS55)、セット後、押し順選択処理を終了する。ここでセットされるナビ番号は、いずれも出目B(「ベル・リプレイ・ベル」)を揃える押し順に対応するものであり、セットされたナビ番号に基づき、上記ステップS8の押しナビ処理において、勝ちナビが実行される。
次に、図17および図18を参照して、遊技進行制御処理において実行される遊技モード5全回胴停止時処理の流れについて説明する。遊技モード5全回胴停止時処理は、遊技モード5に滞在中において、全回胴が停止した後に毎遊技実行される処理であり、図17に示すように、まず、BB作動中であるか否かを判定する(ステップS61)。ここで、BB作動中である場合には、BBカウンタの値を「1」減算してステップS63に進み、BB作動中でない場合には、そのまま遊技モード5全回胴停止時処理を終了する。
上記ステップS63では、BBカウンタの値が4以上15以下の数値範囲内にあるか(すなわち、押し順選択ゲーム用期間内であるか)否かを判定する。ここで、BBカウンタの値が上記数値範囲内にある場合にはステップS64に進み、BBカウンタの値が上記範囲内にない場合にはステップS74に進む。ステップS64では星カウンタの値が0よりも大きいか否かを判定する。ここで、星カウンタの値が0以下である場合には、そのまま遊技モード5全回胴停止時処理を終了し、星カウンタの値が0よりも大きい場合にはステップS65に進み、サブルーチンの遊技結果処理を行う。
この遊技結果処理では、図18に示すように、まず、勝ちナビフラグが「1」にセットされているか否かを判定する(ステップS81)。ここで、勝ちナビフラグが「1」にセットされている場合には、勝ちナビフラグを「0」にセットし(ステップS88)、その後ステップS89に進み、勝ちナビフラグが「1」にセットされていない場合には、ステップS82に進む。ステップS82では、出目(停止表示された図柄組合せ)が何かを判定する。ここで、出目A(押し順選択ゲームの結果が引き分け)であった場合には、そのまま遊技結果処理を終了してリターンし、出目B(押し順選択ゲームの結果が勝ち)であった場合にはステップS89に進み、出目C(押し順選択ゲームの結果が負け)であった場合にはステップS83に進む。
上記ステップS83では、星カウンタの値を「1」減算し、次いで、星カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS84)。ここで、星カウンタの値が0である場合には、復活抽選を行い(ステップS85)、当選したか否かを判定する(ステップS86)。ここで、復活抽選で当選の場合には、ATフラグを「1」にセットし(ステップS87)、遊技結果処理を終了してリターンする。また、上記ステップS84の判定において星カウンタの値が0でない場合と、上記ステップS86の判定において復活抽選で非当選の場合には、そのまま遊技結果処理を終了してリターンする。
上記ステップS89では、星カウンタの値を「1」加算し、次いで、星カウンタの値が2であるか否かを判定する(ステップS90)。ここで、星カウンタの値が2でない場合
には、そのまま遊技結果処理を終了してリターンし、星カウンタの値が2である場合には、BBカウンタの値が4(すなわち、押し順選択ゲーム用期間の最後のゲーム)であるか否かを判定する(ステップS91)。ここで、BBカウンタの値が4である場合には、星カウンタの値を再び「1」加算してから(ステップS92)、遊技結果処理を終了してリターンし、BBカウンタの値が4でない場合には、星カウンタの値の再加算は行わず、遊技結果処理を終了してリターンする。
遊技結果処理からのリターンにより、図17のステップS66に進む。このステップS66では、BBカウンタの値が4(押し順選択ゲーム用期間の最後のゲーム)であるか否かを判定する。ここで、BBカウンタの値が4でない場合には、そのまま遊技モード5全回胴停止時処理を終了し、BBカウンタの値が4である場合には、星カウンタの値が0より大きいか否かを判定する(ステップS67)。ここで、星カウンタの値が0以下である場合には、そのまま遊技モード5全回胴停止時処理を終了し、星カウンタの値が0よりも大きい場合には、星カウンタの値が3より小さいか否かを判定する(ステップS68)。
ここで、星カウンタの値が3以上の場合には、ATフラグを「1」にセットするとともに、星カウンタの値に応じた上乗せ数をセットし(ステップS73)、遊技モード5全回胴停止時処理を終了する。一方、星カウンタの値が3より小さい場合には、復活抽選を行い(ステップS71)、当選したか否かを判定する(ステップS72)。ここで、復活抽選で当選の場合には、ATフラグを「1」にセットし(ステップS73)、遊技モード5全回胴停止時処理を終了し、復活抽選で非当選の場合には、そのまま遊技モード5全回胴停止時処理を終了する。
上記ステップS74では、今回がBBの最終ゲームであるか否かを判定する。ここで、BBの最終ゲームでない場合には、そのまま遊技モード5全回胴停止時処理を終了し、BBの最終ゲームである場合には、BB(遊技モード5)に移行する前の遊技モードが遊技モード0〜2のいずれかであるか否かを判定する(ステップS75)。ここで、BB移行前の遊技モードが遊技モード0〜2のいずれかでない場合には、遊技モード3(AT準備)をセットし(ステップS78)、遊技モード5全回胴停止時処理を終了する。一方、BB移行前の遊技モードが遊技モード0〜2のいずれかである場合には、ATフラグの値が「1」であるか否かを判定する(ステップS76)。ここで、ATフラグの値が「1」の場合には、遊技モード3をセットし(ステップS78)、ATフラグの値が「1」でない場合には、BBに移行する前の遊技モードをセットし(ステップS77)、それぞれ遊技モード5全回胴停止時処理を終了する。遊技モードがセットされると、次遊技から、そのセットされた遊技モードに移行する。
〈タイマ割込処理〉
次に、タイマ割込処理について説明する。本実施形態では、遊技者により行われるベット操作等の遊技操作に応じて出力される各遊技操作信号の読込みや信号レベルの検出(確認)、各制御コマンドの送信、リールの駆動制御等の処理が、予め設定された一定の時間(例えば、2.235ミリ秒)毎に実施されるタイマ割込処理によって行われる。このタイマ割込処理では、図19に示すように、まず、割込初期処理(レジスタの退避、割込禁止等)を行い(ステップMT11)、次に、電源断が検知されたか否かを判定する(ステップMT12)。ここで、電源断が検知されていれば電源断処理を行う(ステップMT25)。電源断処理では、レジスタの退避やスタックポインタの保存、割込み状態の保存等が行われる。また、所定の記憶領域に記憶されている、役決定結果に関する情報や遊技状態に関する情報(ATに関する情報を含む)の保持や、チェックサムの算出及び記憶等の処理も行われる。
一方、電源断が検知されていなければ、割込カウンタ値を更新(「1」減算)する処理
を行い(ステップMT13)、さらにタイマ計測を行う(ステップMT14)。このタイマ計測は、上述の遊技進行制御処理においてセットされた任意のタイマのタイマ値の減算や加算処理等を行うものである。次に、入力ポートの読込みを行う(ステップMT15)。この入力ポートの読込みでは、入力ポートに入力された各遊技操作信号等の信号レベルの読込みと記憶、信号レベルの判定等が行われる。
次いで、リール3a〜3cの駆動(回転の加速、減速、定速維持や停止維持等)を制御するためのリール駆動制御処理を行う(ステップMT16)。このリール駆動制御処理では、リール駆動状態(停止、リール回転待機中、加速中、定速中、減速中等)に応じて、ステッピングモータの出力相(励磁相)を切り替えるタイミングを示すリール駆動パルス出力カウンタ値の更新や、ステッピングモータを駆動させるリール駆動パルスデータの取得、更新、出力等の処理が行われる。次のステップMT17では、リール駆動制御処理を全リールに対し実行したか否かを判定し、実行していない場合にはステップMT16に戻り、リール駆動制御処理を再度行う。一方、全リールに実行した場合には、リールやホッパー、ブロッカ等の励磁出力を行うポート出力処理を行い(ステップMT18)、さらに、制御コマンドバッファ(CB)に記憶された制御コマンドを送信する制御コマンド送信処理を行う(ステップMT19)。
次に、ステップMT20に進み、所定の記憶領域に記憶されていた外端信号(外部信号)データを読み出し、外端信号を出力する。次いで、上述の表示用ランプに所定の表示を実行させるLED表示を行う(ステップMT21)。このLED表示では、例えば、払出数表示ランプ46jにおいて、次のような表示を実行させる。すなわち、エラー(E系エラーを除く)が発生していない場合には、遊技メダルの払出数に基づき払出数「0〜9」を表示させたり、設定値に基づき「1〜6」という数値を表示させたりする。さらに、押し順の報知を行う場合には、ナビ番号の表示態様「=1」〜「=9」を表示させる。また、エラー(E系エラーを除く)が発生している場合には、エラー番号の値に基づきエラー表示を実行させる。
次に、ステップMT22に進み、エラー管理を行う。このエラー管理では、まず、エラーチェックを行う。このエラーチェックでは、H0エラーが発生したか否かの判定、CEエラーが発生したか否かの判定、CPエラーが発生したか否かの判定、CHエラーが発生したか否かの判定、C0エラーが発生したか否かの判定、C1エラーが発生したか否かの判定、E6エラーが発生したか否かの判定、E7エラーが発生したか否かの判定を行い、さらに、E6エラーまたはE7エラーが発生した場合には、払出数表示ランプ46jにエラー表示させ、遊技の実行を停止させる処理などを行う。なお、E系のエラーが発生した場合には、上述の設定変更時処理が実行されればエラー復帰が可能となる。このエラーチェックの後、エラーが発生している場合には、副制御手段200にエラー情報を送信するためのエラー検出時の出力要求セットの処理を行う。このエラー管理の処理を実行後、役決定等に用いる乱数を更新する処理行い(ステップMT23)、さらに割込復帰処理(レジスタの復帰、割込許可等)を行い(ステップMT24)、割込リターンする。
《第2のスロットマシン》
次に、本発明に係る遊技機の別の実施形態としての第2のスロットマシン(「スロットマシン301」と称する)について、図20〜図34を追加参照しながら説明する。以下では、スロットマシン301の特徴的な部分を中心に説明することとするが、その前に、スロットマシン301の基本的な構成について、図20〜図23を参照して簡単に説明する。なお、スロットマシン301は、その構造や遊技の進め方、制御方法、制御内容等の多くの部分で上記スロットマシン1と共通しており、それらについては図示および説明を省略する。
本実施形態に係るスロットマシン301は、図20に示すように、前面(前方)が開口した箱状の筐体305(本体部材)と、筐体305の前面開口部に開閉可能に取り付けられた前扉302とを備えている。前扉302は、正面視において、筐体305の左側前部に配設されたヒンジ機構306a,306bを用いて筐体305の前面開口部に対し横開き開閉可能に取り付けられている。
筐体305内の中央部には、図20に示すように、リールユニットRUが設けられている。リールユニットRUは、3個のリール303a,303b,303cと、これらのリール303a〜303cをそれぞれ回転させる3個のステッピングモータ(図示せず)とを有して構成されている。筐体305内の下部には、遊技の結果、リール303a〜303cにおいて所定の入賞態様(図柄組合せ)が構成された場合に獲得される遊技メダルを払い出すメダル払出装置900(第1のスロットマシン1のホッパー50に相当する)が設けられている。また、メダル払出装置900の左方位置には、スロットマシン301に搭載された種々の装置に電力を供給する電源装置380が設けられている。
前扉302の前面には、図21に示すように、上部から順に、上パネルアセンブリ310、中パネルアセンブリ320、下パネルアセンブリ(図示せず)および受け皿アセンブリ340が取り付けられている。中パネルアセンブリ320の中央部には、前扉302の左右方向に延びる操作パネル330が設けられており、その操作パネル330の上面側には、遊技メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口(図示せず)および投入する遊技メダルを押し当てる背板部321a(ガイド壁)を有するメダル投入口部材321、クレジットされた範囲内で遊技メダルを1枚ベットするための1−BETボタン323や3枚ベットするためのMAX−BETボタン324等を有するベットボタンユニット322、演出に関する操作を行うための演出ボタンユニット326、並びに遊技の情報を表示する遊技情報表示ユニット400(詳細後述)等が取り付けられている。また、中パネルアセンブリ320の中央部には、筐体305内に横並びに配設された3個のリール303a〜303cの表面が臨むリール窓W2が設けられている。このリール窓W2には、透明な板状の窓パネルWPが取り付けられている。
操作パネル330の前面側には、全リール303a〜303cを回転開始させる際に操作されるスタートレバー325、各リール303a,303b,303cの回転を個別に停止させるための3個のストップボタン(図示せず)、およびメダル投入口から投入されて滞留した遊技メダルを返却するためのリジェクトボタン(図示せず)等が取り付けられている。
メダル投入口部材321の下方には、投入された遊技メダルが流下する通路が設けられている。この通路は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる場合に当該遊技メダルが通過する受入通路と、投入された遊技メダルが受け入れられない場合に当該遊技メダルが通過する返却通路とに分岐しており、その分岐部にはブロッカ(図示せず)が設けられている。また、通路には、メダル投入口に投入されて有効に受け入れられた遊技メダルを検出するための2つのメダル投入センサと、メダル投入口に投入された遊技メダルを監視するためのメダル通路センサが設けられている。1つ目のメダル投入センサは、遊技メダルを検出可能な透過型の光センサであり、上記ブロッカが設置された位置よりも下流側の位置に配置されている。2つ目のメダル投入センサも、遊技メダルを検出可能な透過型の光センサであり、1つ目のメダル投入センサの下流側に並んで配置されている。メダル通路センサは、遊技メダルを検出可能な接触式センサであり、上記ブロッカが設置された位置よりも下流側において最もメダル投入口に近い位置(2つのメダル投入センサよりも上流側の位置)に配置されている。
筐体305内の上部には、図22に示すように、遊技の進行に係る主たる制御(リール
303a〜303cの駆動制御や役決定処理等を含む)を行う主制御装置500が設けられている。なお、遊技状況に応じて遊技の興趣向上等を目的とする種々の演出制御を行う副制御装置(図示せず)は前扉302の後面に設けられている。主制御装置500と副制御装置はケーブルハーネスを用いて電気通信可能に接続されており、これら装置間の情報伝達は、主制御装置500から副制御装置への一方向のみ行うことが可能となっている。
主制御装置500は、主制御手段としての機能を有する主制御基板510(図23を参照)と、主制御基板510を収容する主基板ケース610とを備えて構成されている。主基板ケース610は、図22に示すように、ケース本体(図示せず)とケース蓋621とを有し、ケース本体およびケース蓋621を結合させて形成されるケース内部に主制御基板510を収納可能に構成されている。主制御基板510をケース内部に収容した主基板ケース610は、基板ケース取付機構700を介して筐体305内の上部に取り付けられる。基板ケース取付機構700は、筐体305の背板の左側上部に取り付けられる左側ベース部材710と、背板の右側上部に取り付けられる右側ベース部材720と、左側ベース部材に前後方向に揺動可能に取り付けられるブラケット部材730とを有して構成されている。
主基板ケース610は、前方を向いてブラケット部材730の内側に装着される。ブラケット部材730の左端部は、左側ベース部材710に対して前後方向に揺動可能に連結されている。ブラケット部材730は、透明な樹脂材料を用いて前方に開口した略矩形箱状に形成され、その内部空間に主基板ケース610が装着されて主基板ケース610を支持するように構成されている。これにより、主基板ケース610は、基板ケース取付機構700を介して筐体305内の上部に揺動可能に取り付けられる。一方、ブラケット部材730の右端部は、ロック部材760を用いて右側ベース部材720に固定されるように構成されている。
ブラケット部材730には、主基板ケース610が装着されるのに加え、設定変更装置750が取り付けられるようになっている。具体的には、設定変更装置750は、ブラケット部材730内の右下部に取り付けられている。設定変更装置750は、遊技者にとっての有利度を定めるスロットマシン301の設定値(遊技役の当選確率等)を変更するときに操作される装置である。設定変更装置750に設けられた設定変更キーシリンダ(図示せず)に設定変更キー(図示せず)を差し込んで右回り(時計方向)に約90度回動操作された状態で、筐体305内の下部に設けられた電源装置380の電源スイッチがON操作されると、設定変更モード(設定値を変更可能とするモード)を開始する。設定変更装置750は、設定変更スイッチ(図示せず)が押圧操作される毎に1〜6の6段階の上記設定値を切り替え、設定値を主制御基板510上に設けられた設定表示ランプ551(図23を参照)に表示させる。そして、前扉302の前面に設けられたスタートレバー325が操作されると上記設定値を確定し、設定変更キーを元の位置に戻すと、設定変更モードを終了して通常モードに移行する。また、主制御基板510は、通常モードの状態で、上述の設定変更キーシリンダに差し込んだ設定変更キーを右回り(時計方向)に約90度回動操作されると、設定確認モードを開始し、現在の設定値を主制御基板510上の設定表示ランプ551に表示する。そして、設定変更キーを元の位置に戻すと、設定確認モードを終了して通常モードに移行するようになっている。
主制御基板510は、図23に示すように、制御チップ521と、複数のIC531A〜531B,532A〜532C,533A〜533Kと、モニタLEDとも称されるモニタランプ541と、設定表示モニタとも称される設定表示ランプ551と、役比モニタとも称される情報表示ランプ556と、複数の電気コネクタ561〜565と、これらが実装されるプリント基板511とを有して構成されている。主制御基板510は、制御チップ521のROMに記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することに
より、スロットマシン301における遊技の進行に係る制御が行われるように構成されている。また、詳細な図示を省略する(一部のものを例示して付番図示する)が、主制御基板510においては、複数のコンデンサ571〜774と、複数のトランジスタ575と、複数のダイオード576と、複数の抵抗アレイ577と、複数の抵抗器578がプリント基板511に実装されている。
プリント基板511上に実装された、制御チップ521、複数のIC、モニタランプ441、設定表示ランプ551および情報表示ランプ556等といった各素子(電気コネクタを除く)は、主制御基板510が主基板ケース610に収容された状態で、主基板ケース610のケース蓋621に覆われるようになっている。前述したように、主基板ケース610は、透明な樹脂材料を用いて形成されており、ケース蓋621の外側から、制御チップ621、複数のIC、モニタランプ641、設定表示ランプ651および情報表示ランプ656等を視認可能に構成されている。
モニタランプ541は、左右に10個ずつ並ぶ列が上下2列に並ぶ20個のLED素子542から構成され、スロットマシン301の各部の作動状態に応じて点灯、消灯するようになっている。このモニタランプ541は、故障等がないかを確認するためのものである。例えば、モニタランプ541を構成する20個のLED素子542のうち一部は、スタートレバー325の操作に応じて点灯と消灯とが切り替わる(例えば、スタートレバー325が非操作状態のときは消灯[点灯]しており、操作状態のときに点灯[消灯]する)よう構成されている。また例えば、20個のLED素子542のうちの他の一部は、MAX−BETボタン324の操作に応じて点灯と消灯とが切り替わる(例えば、MAX−BETボタン324が非操作状態のときは消灯[点灯]しており、操作状態のときに点灯[消灯]する)よう構成されている。また例えば、20個のLED素子542のうちの別の一部は、1−BETボタン323の操作に応じて点灯と消灯とが切り替わる(例えば、1−BETボタン323が非操作状態のときは消灯[点灯]しており、操作状態のときに点灯[消灯]する)よう構成されている。また例えば、20個のLED素子542のうちの更に別の一部(例えば、所定の3個のLED素子)は、各リール303a,303b,303cの回転を個別に停止させるための3個のストップボタンの操作に応じて点灯と消灯とが切り替わる(例えば、対応するストップボタンが非操作状態のときは消灯[点灯]しており、操作状態のときに点灯[消灯]する)よう構成されている。
また例えば、20個のLED素子542のうちのその他の一部(例えば、所定の3個のLED素子)は、メダル投入口から遊技メダルが投入されたことに応じて点灯と消灯とがそれぞれ切り替わるよう構成されている。例えば、所定の3個のLED素子のうちの1個のLED素子は、メダル通路センサが、メダル投入口から投入された遊技メダルを非検出状態のときは消灯[点灯]しており、検出状態のときに点灯[消灯]するよう構成されている。同様に、所定の3個のLED素子の残り2個のうちの一方のLED素子は、2つのメダル投入センサの一方のメダル投入センサが、遊技メダルを非検出状態のときは消灯[点灯]しており、検出状態のときに点灯[消灯]するよう構成されており、他方のLED素子は、他方のメダル投入センサが、遊技メダルを非検出状態のときは消灯[点灯]しており、検出状態のときに点灯[消灯]するよう構成されている。
設定表示ランプ551は、前述したように、遊技者にとっての有利度を定めるスロットマシン301の設定値を7セグメント表示するものである。設定表示ランプ551は、1桁の数字を表示可能な7セグメント表示器(8セグメント表示器)を用いて構成される。情報表示ランプ556は、役物比率に関する情報を7セグメント表示するものである。情報表示ランプ556は、4桁の数字等を表示可能な7セグメント表示器(8セグメント表示器)を用いて構成される。役物比率に関する情報として、例えば、役物比率等の種類(役物比率、連続役物比率、有利期間比率等)を示す2桁の識別子記号と、当該識別子記号
に対応する2桁の比率とを組み合わせた4桁の数字等を、情報表示ランプ556で表示することが可能である。
以上のように構成される主制御装置500において、主基板ケース610に収容された主制御基板510の各部を確認するには、前扉302を開いた状態で、前方もしくは右斜め前方から筐体305内に取り付けられた主基板ケース610を視認する。このとき、ケース蓋621を介して設定表示ランプ551で表示される設定値や、情報表示ランプ556で表示される役物比率に関する情報を確認することができる。同様に、ケース蓋621を介してモニタランプ541を構成する各LED素子542の発光状態(点灯/消灯状態)も確認することができる。
<前扉の裏面側からリール窓を通して見たときの構成>
以下、本実施形態における一つの特徴構成として、前扉302の裏面側からリール窓W2を通して見たときの前扉302の前面部の構成について、図24〜図28を追加参照して説明する。操作パネル330の上面側に設けられた遊技情報表示ユニット400には、払出数表示ランプ410(PAYOUTランプ)と、貯留数表示ランプ420と、他の7個の表示用ランプ431〜437が配置されている。なお、遊技情報表示ユニット400の上面には透明なカバーパネルが取り付けられるが、ここではその図示を省略している。払出数表示ランプ410は、2個の7セグメント表示器411,412を備えて構成され、貯留数表示ランプ420は、同じく2個の7セグメント表示器421,422を備えて構成されている。7個の表示用ランプ431〜437は、1‐BET表示ランプ、2‐BET表示ランプ、3‐BET表示ランプ、投入可能表示(INSERT)ランプ、遊技開始表示(START)ランプ、再遊技表示(REPLAY)ランプ、状態表示(GAME
OVER)ランプ等により構成される。なお、各表示用ランプの機能は、上述のスロットマシン1における各表示用ランプの機能と同様である。
図25(A)に示すように、払出数表示ランプ410における2個の7セグメント表示器411,412と、貯留数表示ランプ420における2個の7セグメント表示器421,422は、それぞれ、1桁の数字や英文字等を表示可能な7個のセグメントLED(AセグメントLED〜GセグメントLEDと称する。図25(B)を参照)と、ドット(小数点)を表示可能な1個のセグメントLED(ここでは、HセグメントLEDと称するが、DPセグメントLEDと称してもよい。図25(B)を参照)とを備えて構成される(このような構成の7セグメント表示器のことを8セグメント表示器とも称する)。貯留数表示ランプ420は、スロットマシン301に貯留(クレジット)された遊技メダルの枚数を1ずつインクリメントしながら表示するものであり、左側の7セグメント表示器421において上位桁(十の位)の数字を表示し、右側の7セグメント表示器422において下位桁(一の位)の数字を表示するよう構成されている。
払出数表示ランプ410は、小役が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を1ずつインクリメントしながら表示するものであり、左側の7セグメント表示器411において上位桁(十の位)の数字を表示し、右側の7セグメント表示器412において下位桁(一の位)の数字を表示するよう構成されている。一例として、図25(C)に、「12」を表示したときの態様を示す。また、払出数表示ランプ410は、スロットマシン301に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示す文字(アルファベット)や数字を表示するようにも構成されている。一例として、図25(D)に、「HE」(ホッパーエンプティエラー)を表示したときの態様を示す。さらに、払出数表示ランプ410は、ストップボタンの操作順(押し順)を示す、ナビ番号を表示する指示モニタとしての機能も有している。一例として、図25(E)に、「=3」(ナビ番号3)を表示したときの態様を示す。なお、7セグメント表示器412のHセグメントLEDは、有利区間に滞在しているときに点灯させてもよい。
また、払出数表示ランプ410は、設定の切り替え(設定値を変更する作業)を行う際に、設定値を変更中であることが分かるように、所定の態様で点灯するように構成されている。例えば、図26(A)に示すように、7セグメント表示器411における8個のセグメントLEDの全てと、7セグメント表示器412における8個のセグメントLEDの全てを点灯状態とする。このように、払出数表示ランプ410における全てのセグメントLEDを点灯状態(「セグメントLED全点灯状態」とも称する)とすることにより、各セグメントランプが全て点灯可能な状態である(故障のため消灯したままとはならない)ことが分かるとともに、設定値の変更作業中であることが分かるようになっている。なお、ドット表示用のHセグメントLEDは点灯させず、AセグメントLED〜GセグメントLEDの7個のセグメントLEDだけを点灯させるようにしてもよい。
上述したように設定値の変更作業は、遊技場の営業時間外に、設定変更装置750を作動させて行われる。具体的には、図20に示すように前扉302を開き、設定変更装置750に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーを差し込んで操作し、その状態で電源スイッチをON操作することにより設定変更装置750を作動させ、さらに設定変更スイッチを操作して設定値を変更する。変更される設定値の確認は、主制御基板510上に設けられた設定表示ランプ551により行う。設定変更装置750を作動させると、払出数表示ランプ410が、図26(A)に示すセグメントLED全点灯状態となる。
スロットマシン301では、前扉302を開いた状態において、前扉302の裏側に居る作業者が、リール窓W2を通して、遊技情報表示ユニット400における表示状態、例えば、払出数表示ランプ410における7セグメント表示器411,412の点灯状態を視認できるようになっている(図20、図21を参照)。そのため、設定値の変更作業を行う作業者は、前扉302が開いた状態のまま、前扉302の裏側から払出数表示ランプ410の点灯状態を確認することができ、これにより、7セグメント表示器411,412が故障していないかや、設定値を変更中であることが分かるように点灯されているのかについて、容易に確認することが可能となっているので作業能率が良い。これに対し、払出数表示ランプ410の点灯状態を前扉302の裏側から確認することができないようになっている場合は、作業者は、前扉302が開いた状態で前扉302の表側を覗き込んだり前扉302の前側に移動したり、前扉302を一旦閉じたりして払出数表示ランプ410の点灯状態を確認する必要があり、手間がかかる。
なお、設定値を変更中であることが分かるように払出数表示ランプ410を点灯させる場合の態様としては、上述したものに限らず、種々に変更可能である。例えば、図26(B)に示すように、7セグメント表示器411,412におけるドット表示用のHセグメントLEDのみを点灯させる態様や、図26(C)に示すように、7セグメント表示器411,412におけるAセグメントLED,DセグメントLED,GセグメントLEDの3個のセグメントLEDのみを点灯させる態様(7セグメント表示器411,412のうちのどちらか一方のみをこのような態様とし、他方は別の態様(全消灯を含む)としてもよい)などが挙げられる。
本実施形態では、設定値の変更中は、主制御基板510上に設けられた設定表示ランプ551において設定値を表示させて設定値の確認を行うように構成されているが、払出数表示ランプ410(例えば、7セグメント表示器412)に設定値を表示させて確認するようにしてもよい。この場合でも、設定値の変更作業を行う作業者は、前扉302が開いた状態において前扉302の裏側から、リール窓W2を通して、払出数表示ランプ410に表示される設定値を視認できるようになっているため、設定値変更の作業能率が良くなる。払出数表示ランプ410の点灯状態を前扉302の裏側から確認することができないようになっている場合は、作業者は、設定値を変更するたびに、いちいち前扉302を開
け閉めしながら、あるいは、前扉302の表側と裏側との間をいちいち移動しながら、払出数表示ランプ410に表示される設定値を確認する必要があり、非常に手間がかかる。
なお、前扉302が開いた状態において前扉302の裏側から、リール窓W2を通して、払出数表示ランプ410に表示される設定値を見る場合、作業者は、その設定値を上下逆さまの状態で見ることになる。そのため、「6」が表示されているのに「9」が表示されているように勘違いすることもあり得る。そこで、払出数表示ランプ410に設定値を表示する場合には、上下逆さまの状態で見ていることが分かるようにすることが好ましい。例えば、図26(D)に示すように、7セグメント表示器412に設定値を表示させると共に、7セグメント表示器412におけるドット表示用のHセグメントLEDを点灯させる態様(7セグメント表示器411,412の両方のHセグメントLEDを点灯させるようにしてもよい)が挙げられる。このような態様で設定値を表示すれば、作業者は、HセグメントLEDが位置する側が数字の下側であることを容易に認識することが可能となる。他の態様として、図26(E)に示すように、7セグメント表示器412に設定値を表示させると共に、7セグメント表示器411のDセグメントLEDを点灯させる態様や、図26(F)に示すように、7セグメント表示器412に設定値を表示させると共に、7セグメント表示器411のDセグメントLEDとEセグメントLEDを点灯させる態様も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
設定値の変更作業においては、上述したように、変更した設定値を確定するためにスタートレバー325を操作する必要がある。スロットマシン301では、前扉302を開いた状態において、前扉302の裏側に居る作業者が、リール窓W2を通して、スタートレバー325の位置(特に先端の球状の部分)を視認できるようになっている(図20、図21を参照)。そのため、設定値の変更作業を行う作業者は、前扉302が開いた状態のまま前扉302の裏側に留まり、リール窓W2を通してスタートレバー325の位置を確認しつつ、前扉302の裏側から表側に手を回して、スタートレバー325を操作することが可能となっているので、設定変更の作業能率が良い。これに対してスタートレバー325の位置を前扉302の裏側から確認することができないようになっている場合は、作業者がスタートレバー325の位置をよく確認しないで、前扉302の裏面側から手を回してスタートレバー325を操作しようとすると、前扉302の前面部に設けられた装飾枠等に手が接触して負傷する危険がある。そのため、作業者は、前扉302が開いた状態で前扉302の表側を覗き込んだり前扉302の前側に移動したり、前扉302を一旦閉じたりしてスタートレバー325の位置を確認する必要があり、手間がかかる。
上述したようにスロットマシン301では、主制御基板510上に、20個のLED素子542から構成されるモニタランプ541が実装されており、このモニタランプ541におけるLED素子542の点灯状態を確認することにより、スタートレバー325が操作されたことや1−BETボタン323が操作されたこと、MAX−BETボタン324が操作されたこと、あるいはメダル投入口から遊技メダルが投入されたことを、スロットマシン301がきちんと認識できているかどうかを点検するようになっている。このような点検作業は、遊技場の営業時間外または営業時間内において、モニタランプ541の表示状態を作業者が確認できるように、前扉302が開いた状態で、かつ、スタートレバー325や1−BETボタン323、MAX−BETボタン324を作業者が実際に操作し、あるいはメダル投入口に作業者が遊技メダルを実際に投入して行われる。
上述したようにスロットマシン301では、前扉302を開いた状態において、前扉302の裏側に居る作業者が、リール窓W2を通して、スタートレバー325の位置を視認できるようになっている(図20、図21を参照)。そのため、スタートレバー325の点検作業を行う作業者は、前扉302が開いた状態のまま前扉302の裏側に留まり、リール窓W2を通してスタートレバー325の位置を確認しつつ、前扉302の裏側から表
側に手を回して、スタートレバー325を操作するとともに、その操作時にモニタランプ541におけるLED素子542の点灯状態を確認することが可能となっているので、点検の作業能率が良い。これに対してスタートレバー325の位置を前扉302の裏側から確認することができないようになっている場合は、作業者は、前扉302が開いた状態で前扉302の表側を覗き込んだり前扉302の前側に移動したり、前扉302を一旦閉じたりしてスタートレバー325の位置を確認し、スタートレバー325に手を添えて操作する準備を整えた後、さらに、モニタランプ541を確認できるように前扉302を開く必要があり、非常に手間がかかる。
また、スロットマシン301では、前扉302を開いた状態において、前扉302の裏側に居る作業者が、リール窓W2を通して、1−BETボタン323の位置とMAX−BETボタン324の位置を視認できるようになっている(図20、図21を参照)。そのため、1−BETボタン323またはMAX−BETボタン324の点検作業を行う作業者は、前扉302が開いた状態のまま前扉302の裏側に留まり、リール窓W2を通して1−BETボタン323またはMAX−BETボタン324の位置を確認しつつ、前扉302の裏側から表側に手を回して、1−BETボタン323またはMAX−BETボタン324を操作するとともに、その操作時にモニタランプ541におけるLED素子542の点灯状態を確認することが可能となっているので、点検の作業能率が良い。これに対して1−BETボタン323やMAX−BETボタン324の位置を前扉302の裏側から確認することができないようになっている場合は、作業者は、前扉302が開いた状態で前扉302の表側を覗き込んだり前扉302の前側に移動したり、前扉302を一旦閉じたりして1−BETボタン323またはMAX−BETボタン324の位置を確認し、1−BETボタン323またはMAX−BETボタン324に手を添えて操作する準備を整えた後、さらに、モニタランプ541を確認できるように前扉302を開く必要があり、非常に手間がかかる。
さらに、スロットマシン301では、前扉302を開いた状態において、前扉302の裏側に居る作業者が、リール窓W2を通して、メダル投入口部材321の位置を視認できるようになっている(図20、図21を参照)。そのため、投入メダル検出の点検作業を行う作業者は、前扉302が開いた状態のまま前扉302の裏側に留まり、リール窓W2を通してメダル投入口部材321の位置を確認しつつ、前扉302の裏側から表側に手を回して、メダル投入口部材321のメダル投入口に遊技メダルを投入するとともに、その投入時にモニタランプ541におけるLED素子542の点灯状態を確認することが可能となっているので、点検の作業能率が良い。これに対してメダル投入口部材321の位置を前扉302の裏側から確認することができないようになっている場合は、作業者は、前扉302が開いた状態で前扉302の表側を覗き込んだり前扉302の前側に移動したり、前扉302を一旦閉じたりしてメダル投入口部材321の位置を確認し、手に持った遊技メダルをメダル投入口に投入できるように準備した後、さらに、モニタランプ541を確認できるように前扉302を開く必要があり、非常に手間がかかる。
なお、ここで比較のため、従来のスロットマシンについて、図28を参照して簡単に説明する。従来のスロットマシンにおいて、前扉1302の前面部に配された操作パネル1330の上面側に、メダル投入口部材1321(図28(A)を参照)やMAX−BETボタン1324(図28(B)を参照)を備え、操作パネル1330の前面側に、スタートレバー1325を備えたものは知られている。また、リール窓に、透明な板状の窓パネルWP2が取り付けられているものも知られている。しかし、従来のスロットマシンでは、前扉1302の裏面側から、窓パネルWP2を通して前扉1302の前方を見ても、メダル投入口部材1321、MAX−BETボタン1324、およびスタートレバー1325の各位置を視認することができない。また、従来のスロットマシンにおいて、操作パネル1330の上面側に、押し順を示す数字等の情報を表示する指示モニタ(図示せず)を
備えたものもあるが、やはり、前扉1302の裏面側から、窓パネルWP2を通して前扉1302の前方を見ても、指示モニタの表示を視認することはできない。
これは、スタートレバー1325の場合は、スタートレバー1325が比較的低い位置に設けられているという理由が挙げられる。一方、MAX−BETボタン1324や指示モニタを含めた場合の理由としては、窓パネルWP2の縁部が装飾等のために不透明領域UCとして構成されているタイプが多く、そのために、窓パネルWP2を通しての視界が狭くなっていること、あるいは、前扉1302の裏面側の窓パネルWP2の上部に、副制御基板等を備えた、比較的大型のサブ制御ユニットSUが設けられるタイプも多く、そのために、サブ制御ユニットSUが邪魔になって、窓パネルWP2の裏面側の上部に顔を近づけることができず、下方への視界が狭くなってしまうといった理由が挙げられる。なお、本実施形態のスロットマシン302の窓パネルWPの縁部にも装飾等は施されているが、この窓パネルWPでは、装飾等が施されていない領域を通して、スタートレバー325や1−BETボタン323、MAX−BETボタン324等の各位置を視認できるとともに、払出数表示ランプ410等の点灯状態を視認できるようになっている。勿論、窓パネルWPの縁部(特に下縁部)に装飾等を設けないようにして、窓パネルWPを通しての視界を更に広げるようにしてもよい。
以上、前扉302の裏面側からリール窓W2を通して見たときの構成について説明したが、変更態様として、図27に示す構成を採用してもよい。この変更態様では、操作パネル330の上面側に設けられるメダル投入口部材321が、背板部321aとメダル投入口321bとを含め全体的に少し、前扉302の左側(図中に示す、前扉302の中心軸線Cの側)を向くように構成されている。このような構成とすることにより、前扉302の裏面側からメダル投入口部材321の位置を確認するときに、メダル投入口321bの位置を直接視認しやすくなるので、前扉302の裏面側からメダル投入口321bに遊技メダルを投入することがより容易となる。なお、メダル投入口321bの位置を更に視認しやすくするために、背板部321aの背を低く構成してもよい。
本実施形態において、各リール303a,303b,303cの回転を個別に停止させるための3個のストップボタンは、操作パネル330の前面側に配置されており、前扉302を開いた状態において前扉302の裏側に居る作業者が、リール窓W2を通して、各ストップボタンの位置を直接視認することはできない。しかし、各ストップボタンは、スタートレバー325と同じ高さ位置に設けられているので、視認可能なスタートレバー325の位置を基準として、各ストップボタンの位置を推測することが容易となっている。そのため、MAX−BETボタン324等と同様の点検作業を各ストップボタンに対して行う場合でも、その作業能率を良くすることが可能となっている。勿論、各ストップボタンを、MAX−BETボタン324等と同様に操作パネル330の上面側等に配置して、前扉302を開いた状態において前扉302の裏側に居る作業者が、リール窓W2を通して、各ストップボタンの位置を視認できるように構成してもよい。
変更態様として、リール窓W2とは別の領域を前扉302に設け、前扉302の裏側から、その別の領域を通してメダル投入口部材321や1−BETボタン323、MAX−BETボタン324、スタートレバー325等の位置や払出数表示ランプ410の表示状態を視認できるよう構成してもよい。また、リール窓W2を開閉可能に構成し、前扉302の裏側から、リール窓W2を開いた状態において、メダル投入口部材321や1−BETボタン323、MAX−BETボタン324、スタートレバー325等の位置や払出数表示ランプ410の表示状態を視認できるよう構成してもよい。
本実施形態において、設定表示ランプ551は、主制御基板110に配設されているが、これに限られるものではなく、前扉302の後面側(裏面側)に配設されてもよい。ま
た、本実施形態において、主制御装置500は、筐体305の内面側に取り付けられているが、これに限られるものではなく、前扉302の後面側(裏面側)に取り付けられてもよい。また、本実施形態において、モニタランプ541は、主制御基板110に配設されているが、これに限られるものではなく、前扉302の後面側(裏面側)に配設されてもよい。モニタランプ541を前扉302の後面側に配設することにより、スタートレバー325等の点検を行うために、開いた状態の前扉302の裏側で作業を行う者は、リール窓W2を通してスタートレバー325等の位置を視認しつつそれを操作できると共に、その操作時におけるモニタランプ541(LED素子542)の点灯状態を、視線をあまり動かすことなく確認することが可能となる。そのため、モニタランプ541が筐体305側に配設されている場合(モニタランプ541の点灯状態を確認する際の視線の動きが大きくなる)に比べて、作業能率を高めることが可能となる。
〈リールユニットとメダル払出装置との位置関係〉
以下、本実施形態における他の特徴構成として、リールユニットRUとメダル払出装置900との位置関係の構成について図29〜図34を追加参照して説明する。筐体305内の中央部には、図29,30に示すように、筐体305の左右の側板に架け渡されるように台座部としてのリールベース860が設けられており、このリールベース860上にリールユニットRUが載置されている。リールベース860は、金属材料を用いて全体的に板状に形成され、リールベース860の前部下側には、前方を向く板状の結合用フランジ部861が形成されている。
リールユニットRUは、リール303aを有する第1リールモジュール801と、リール303bを有する第2リールモジュール802と、リール303cを有する第3リールモジュール801と、リールモジュール取付部材810とを有して構成される。リールモジュール取付部材810は、樹脂材料を用いて、前方および右方が開口した箱状に形成され、第1〜第3リールモジュール801〜803を左右に並べて収容可能に構成される。リールモジュール取付部材810の前部上側には、前方を向く板状の上側フランジ部811が形成され、リールモジュール取付部材810の前部下側には、前方を向く板状の下側フランジ部812が形成されている。
第1リールモジュール801は、リールブラケット804を有しており、このリールブラケット804の前部上側には、前方を向く板状の上側ブラケット結合部804aが形成され、リールブラケット804の前部下側には、前方を向く板状の下側ブラケット結合部804bが形成されている。第1リールモジュール801は、上側ブラケット結合部804aが、螺子(ビス)やボルト等の結合部材809aを用いて、上側フランジ部811の中間部左側に結合され、下側ブラケット結合部804bが、同様の結合部材809bを用いて、下側フランジ部812の中間部左側に結合される。
第2リールモジュール802は、リールブラケット805を有しており、このリールブラケット805の前部上側には、前方を向く板状の上側ブラケット結合部805aが形成され、リールブラケット805の前部下側には、前方を向く板状の下側ブラケット結合部805bが形成されている。第2リールモジュール802は、上側ブラケット結合部805aが、螺子(ビス)やボルト等の結合部材809cを用いて、上側フランジ部811の中間部右側に結合され、下側ブラケット結合部805bが、同様の結合部材809dを用いて、下側フランジ部812の中間部右側に結合される。
第3リールモジュール803は、リールブラケット806を有しており、このリールブラケット806の前部上側には、前方を向く板状の上側ブラケット結合部806aが形成され、リールブラケット806の前部下側には、前方を向く板状の下側ブラケット結合部806bが形成されている。第3リールモジュール802は、上側ブラケット結合部80
6aが、螺子(ビス)やボルト等の結合部材809eを用いて、上側フランジ部811の右端部近傍に結合され、下側ブラケット結合部805bが、同様の結合部材809fを用いて、下側フランジ部812の右端部近傍に結合される。
このように構成されたリールユニットRUは、リールベース860上に載置され、リールベース860に対し固定される。具体的には、第1〜第3リールモジュール801〜803を収容保持したリールモジュール取付部材810の下側フランジ部812が、リールベース860の前部下側に形成された結合用フランジ部861に対し、結合部材809b,809d,809fを用いて結合されることによって、リールユニットRUがリールベース860に着脱可能に保持される。なお、結合部材809b,809d,809fは、第1乃至第3リールモジュール801〜803とリールモジュール取付部材810とを結合するための専用の結合部材(係止部品)として用い、リールユニットRUとリールベース860とは、別の結合部材や結合機構(図示略)を用いて結合するようにしてもよい。
図30に示すように、リールユニットRUの下方にはメダル払出装置900が設置されており、メダル払出装置900の右近傍位置にはメダル補助タンク960(第1のスロットマシン1の補助収納庫85に相当する)が設置されている。メダル払出装置900は、ホッパータンク910とホッパー機構部920とホッパー基部930とを有して構成される。
ホッパータンク910は、上方に向けて開口した漏斗型のメダル収納部911と、メダル収納部911の下部から左斜め下方に向けて延びる円筒状のタンク底部912とを有し、遊技メダルを貯留する主タンク部材として構成される。メダル収納部911の内側には、図29に示すように、右方に向けて下り勾配に形成されたメインスロープ部913が設けられており、メダル収納部911に入れられた遊技メダルを、このメインスロープ部913によりタンク底部912に導くようになっている。また、メダル収納部911の右側面部914には、矩形状の開口部915が形成されており、この開口部915の近傍位置には、ガイドスロープ部916と隔壁部917とが設けられている。ガイドスロープ部916は、メインスロープ部913よりも上方の位置において、開口部915(およびメダル補助タンク960)に向けて下り勾配に設けられており、メダル収納部911から溢れた遊技メダルを開口部915から排出するようになっている。隔壁部917は、タンク底部912側の空間部と、開口部915側の空間部とを隔てるように構成されている。
ホッパー機構部920は、回転駆動するロータディスク(図示略)やロータディスクを回転駆動させるためのホッパーモータ(図示略)等を有し、ロータディスクを回転させることにより、メダル収納部911内の遊技メダルを1枚ずつメダル排出口921から排出するようになっている。ホッパー基部930は、ホッパー機構部920およびメダル収納部911を支持し、筐体305の内側底面部に固定される。
メダル補助タンク960は、上方に向けて開口した有底箱状の樹脂製容器であり、ホッパータンク910に貯蔵された余剰の遊技メダルを退避するための補助タンク部材として構成される。このメダル補助タンク960は、メダル収納部911の開口部915から排出された遊技メダルが、当該メダル補助タンク960内に落下して収納される位置に設置される。メダル補助タンク960の一側面部(筐体305内に設置された際に奥側に位置する側面部)には、筐体305の内側背面部に設けられた電極支持部965(図31を参照)から前方に延びる、満杯検知部材としての2本の電極ピン961,962(図32(A)を参照)が挿通される孔部(図示略)が形成されており、設置時には、この孔部から2本の電極ピン961,962がメダル補助タンク960内に進入するようになっている。
図32(B)に示すように、2本の電極ピン961,962は、設置されたメダル補助タンク960内の上部位置において、左右方向に所定長離れて配置されるように構成されており、図32(C)に示すように、メダル補助タンク960内に多くの遊技メダル(2点鎖線で示す)が収納されると、その収納された遊技メダルを介して、互いに導通されるようになっている。2本の電極ピン961,962は収納状態信号回路(図示略)に接続されている。この収納状態信号回路は、2本の電極ピン961,962が互いに導通されていないときには、そのことを示すレベル0(例えば、ローレベル)の収納状態信号を出力し、2本の電極ピン961,962が互いに導通されているときには、そのことを示すレベル1(例えば、ハイレベル)の収納状態信号を出力するように構成されている。
スロットマシン301の主制御手段(スロットマシン1の主制御手段100に相当する)は、収納状態信号回路から出力される収納状態信号のレベルを所定時間(例えば、2.235ミリ秒)おきに参照し、収納状態信号が所定回数(例えば、8回)以上連続してレベル1である場合に、メダル補助タンク960は満杯状態にあると判定する。このように、所定回数以上連続して収納状態信号レベルがレベル1となる場合に、メダル補助タンク960の満杯状態を判定するようにしたことによって、図32(D)に示すようにメダル補助タンク960内に落下した遊技メダルが転がって一時的に2本の電極ピン961,962が導通されるような場合に、メダル補助タンク960が満杯状態であると早まって判定しないようにすることが可能となっている。
メダル補助タンク960が満杯状態にあると判定されると、所定の処理を経て満杯エラーとして検知され、その満杯エラーの解消を図るための満杯エラー処理が実行される。満杯エラーの検知は、遊技中の任意の時点で行われるのではなく、例えば、1回の遊技の終了時点(例えば、回胴の第3停止操作受付時)から次の遊技の開始時点(例えば、ベット操作受付時)までの期間において行われる。満杯エラー処理は、払出数表示ランプ410において満杯エラーが発生していることを表示するエラー表示、主制御手段から副制御手段(スロットマシン1の副制御手段200に相当する)に対して満杯エラーが発生していることを報知するように要求するエラー報知要求、および遊技の進行を停止する遊技停止等の各処理から構成される。そのうち、エラー表示処理とエラー報知要求処理は、メダル補助タンク960の満杯状態が解消されたことを契機として停止され、遊技停止処理は、遊技店員等によりリセット操作が行われたことを契機として停止される。
なお、メダル補助タンク960内に配置される導電ピンの数や位置は、任意に設定することができる。例えば、図32(E)に示すように、2本の電極ピン961,962の下方に3本目の満杯検知部材としての電極ピン963を設けるようにしてもよい。この場合、3本の電極ピン961,962,963が互いに全て導通された場合には、メダル補助タンク960が完全な満杯状態にあると判定し、3本のうち、電極ピン961と電極ピン963とが導通された場合や電極ピン962と電極ピン963とが導通された場合には、メダル補助タンク960内において遊技メダルが偏って収納された状態にあると判定することも可能となる。
メダル払出装置900の上方には、図30に示すように、リールユニットRUが設置されている。リールユニットRUには、前述したように、複数の結合部材809a〜809f(これらを特に区別しないときは「結合部材809」と称する)が用いられているが、この結合部材809が遊技中に落下することもある。落下に至る原因としては、保守点検作業等において、緩めた結合部材809を締め直すことを忘れたり、取り外した結合部材809をリールベース860上に置き忘れたりする場合が考えられる。また、最近では、重低音を響かせるなどして、大きな振動を発生させる遊技機もあり、そのような遊技機が近くに配置されていると、その遊技機からの振動が結合部材809に伝わり、結合部材809が緩んでくることも考えられる。また、回胴の回転時や停止時に生じる振動や、前扉
302を開け閉めする際に発生する振動が結合部材809に伝わって、結合部材809が緩んでくることも考えられる。特に、前扉302の開閉される側(ヒンジ機構306a,306bが設けられる側とは反対の側のことで、以下「扉先側」とも称する)に最も近い位置に設置される結合部材809fは、前扉302の開閉時の振動が、リールベース860等を介して伝わり易いため、他の結合部材809a〜809eに比べて振動の影響を受けて緩み易く、遊技中に落下する可能性が相対的に高い。
遊技中に緩んだ結合部材809が遊技中や遊技を行っていないときにホッパータンク910内に落下し、それがホッパー機構部920のロータディスクまで導かれてしまうと、ロータディスクに結合部材809が挟まってロータディスクが正常に作動しなくなり、遊技メダルを払い出せなくなる可能性がある。そうなると、遊技を中断しなければならず、酷い場合は、遊技を続行することができなくなる虞もある。このような事態が、特に前述のボーナス遊技(押し順選択ゲーム)の実行中など、遊技者の気分が高まるような状態のときに発生すると、遊技者の気分を非常に害してしまい、遊技の興趣が大きく低下してしまう。
このような事情に鑑み、スロットマシン301では、最も緩み易い結合部材809fが抜け落ちたとしても、その結合部材809fが、メダル補助タンク960に導かれるように構成されている。具体的には、図30および図31に示すように、結合部材809fの鉛直下方に、ホッパータンク910(メダル収納部911)のガイドスロープ部916が位置するように配置している。このような構成を採用したことにより、抜け落ちた結合部材809fは、まず、図中の矢線K1に示すように、メダル収納部911内に入ってガイドスロープ部916上に落ち、次に、矢線K2に示すように、ガイドスロープ部916に沿って開口部915まで導かれて開口部915から排出され、さらに、矢線K3に示すように、メダル補助タンク960内に落下する。なお、結合部材809fよりも中央寄りに配置された結合部材809d(図30を参照)についても、それが抜け落ちた場合にはメダル収納部911内のガイドスロープ部916上に落ち、結合部材809fと同様の経路を辿ってメダル補助タンク960内に導かれるようにしてもよい。また、ガイドスロープ部916は、開口部915から突き出てメダル補助タンク960の上方位置まで延びるように構成してもよい。
結合部材809が導電性を有する金属部材で形成されている場合、メダル補助タンク960内に落下した結合部材809により2本の電極ピン961,962が導通され、その状態が満杯エラーとして誤検出される虞がある。例えば、落下した結合部材809が2本の電極ピン961,962に跨るように引っ掛かったり、落下した結合部材809が一方の電極ピン961に引っ掛かり、メダル補助タンク960内の遊技メダルを介して、他方の電極ピン962と導通したりする場合が考えられる。満杯エラーが誤検出された場合でも、満杯エラー処理が実行されるため、遊技が中断されてしまう。特にボーナス遊技(押し順選択ゲーム)の実行中などに、このような満杯エラーの誤検出が発生して遊技が中断されると、遊技者の気分を害してしまい、遊技の興趣が大きく低下してしまう。
このような事情に鑑み、スロットマシン301では、メダル補助タンク960内に結合部材809が落下しても、その結合部材809が原因で、満杯エラーが誤検出されることを防止できるように構成されている。具体的には、図33に示すように、結合部材809の長手方向の長さ(結合部材809の頭部HDの上面から軸部AXの先端までの長さ)L1(同図(A)を参照)よりも、2本の電極ピン961,962間の距離L3(同図(B)を参照)の方が長くなるように構成されている(このような構成のことを「構成P」とも称する)。また、2本の電極ピン961,962は、円柱状に形成されている。さらに、結合部材809の頭部HDの、軸部AXから外方へ張り出した部分の長さ(頭部HDの外周面と軸部AXの外周面との間の、図中横方向の距離)L2が、電極ピン961の横幅
(電極ピン961が円柱状に形成される本例の場合は直径と同じ)L4よりも短くなるように構成されている(このような構成のことを「構成Q」とも称する)。
このような構成を採用したことにより、結合部材809がメダル補助タンク960内に落下しても、その結合部材809が2本の電極ピン961,962に跨るように引っ掛かったり、落下した結合部材809が一方の電極ピン961に引っ掛かったりすることを回避することができる。また、これにより、2本の電極ピン961,962が、結合部材809を介して直接に導通されたり、結合部材809およびメダル補助タンク960内に収容された遊技メダルを介して導通されたりして、満杯エラーとして誤検出されることを防止することが可能となる。なお、電極ピンは、円柱状に形成されたものに限定されるものではなく、角柱状や板状に形成されたものであってもよい。その場合でも、上記構成Pおよび構成Qを採用することにより、同様の効果を得ることが可能である。
以上、リールユニットRUとメダル払出装置900との位置関係の構成について説明したが、変更態様として、図34に示す構成を採用してもよい。この変更態様では、上述のメダル払出装置900とメダル補助タンク960に代えて、メダル払出装置900Aとメダル補助タンク960Aを用いている。メダル払出装置900Aは、そのホッパータンク910(メダル収納部911)が結合部材809fの鉛直下方には配置されておらず、メダル補助タンク960が結合部材809fの鉛直下方に配置されている。そのため、結合部材809fが抜け落ちると、その結合部材809fは、矢線K21に示すように、メダル収納部911内には入らずに、メダル補助タンク960内に直接落下するようになっている。
一方、結合部材809fよりも中央寄りに配置された結合部材809dの鉛直下方には、メダル収納部911およびその内部に設けられたガイドスロープ部916が配置されている。そのため、結合部材809dが抜け落ちた場合には、まず、図中の矢線K11に示すように、メダル収納部911内に入ってガイドスロープ部916上に落ち、次に、矢線K12に示すように、ガイドスロープ部916に沿って開口部(上記開口部915に相当する。図示略)まで導かれて開口部から排出され、さらに、矢線K13に示すように、メダル補助タンク960A内に落下するようになっている。なお、結合部材809dよりも左方に配置された結合部材809bの鉛直下方にはメダル収納部911が位置しないように構成し、結合部材809fが抜け落ちた場合、その結合部材809bは、メダル収納部911内には入らずに、メダル収納部911の外側に落下するようにしてもよい。
また、上述したリールユニットRUは、3個のリールモジュール(第1乃至第3リールモジュール801〜803)が収容部材(リールモジュール取付部材810)内に並べて収容され、この収容部材が、台座部(リールベース860)に載置されて固定されるように構成されているが、このような構成に限定されるものではない。例えば、3個のリールモジュールが、収容部材を介さずにそれぞれ直接にあるいは収容部材とは別の中間部材を介して台座部に固定される構成のリールユニットを用いてもよい。
また、上記において、抜け落ち易いとして例示した係止部品(結合部材809f)は、リールモジュールおよび収容部材を共に台座部に結合するよう構成されているが、このような構成に限定されるものではない。例えば、リールモジュールを直接あるいは収容部材とは別の中間部材を介して台座部に固定する構成の係止部品を用いてもよい。また、リールは3つ以外でもよく、4つ、5つと備えてもよい。また、リールに限らず、可動する演出用の装置としてもよい。
報知演出管理手段212は遊技待機演出、メニュー演出を管理し、サブメイン制御手段200Aは遊技者が操作可能なサブボタンを備えてもよい。遊技待機演出は、ストップボ
タンの最終停止操作やサブボタンを操作してから所定時間の経過や遊技の終了時に行われる清算処理後に行われる遊技機の紹介等を行う演出であり、メニュー演出は、遊技者のサブボタンの操作に基づいて移行可能な演出であって、メニュー演出内で操作に応じて配当表の表示や演出のカスタム設定や、音量の設定、消費電力の設定等などが行われる演出である。
通常状態(遊技モード0)では、ベットがされていない状態でサブボタン操作に基づきメニュー演出を実行し、最後のサブボタン操作から所定時間経過すると遊技待機演出を実行する。一方、AT中(遊技モード4)やボーナス遊技中(遊技モード5)、チャンスゾーン(遊技モード2)など遊技者にとって有利な状態では、通常状態と同じくベットがされていない状態でサブボタン操作に基づきメニュー演出を実行し、最後のサブボタン操作からの経過時間を計測する。そして、所定時間経過すると遊技待機演出ではなく、メニュー演出を実行する前に実行していた演出や遊技状態に応じた演出(ATであればAT中を示す演出など)を実行する。そうすることで有利な遊技状態でメニュー画面を開いた状態で離席した際に、席に戻ってきた際に遊技待機演出ではなく元の有利な遊技状態に対応した演出が実行されているため自席が見分けやすいと共に有利な状態であることを認識しやすいので遊技をやめてしまうことを防止できる。また、有利な状態であることや遊技している者がいることを他者にアピールすることもできる。
また、メニュー演出後に元の演出を行うか否かを遊技状態に応じて定めるのではなく、通常状態において特定の演出(例えば連続演出やボーナス当選を告知する演出など)が実行されているときは、メニュー演出の表示後はメニュー演出を実行する前に実行していた演出や遊技状態に応じた演出を実行するようにしてもよい。そうすることで、AT中やボーナス遊技中のように離席して席に戻ってきた際に、自席が見分けやすいと共に有利な状態となる可能性があることを認識しやすく遊技をやめてしまうことを防止できる。また、有利な状態であることや遊技している者がいることを他者にアピールすることもできる。
以上、本発明に係る実施形態(第1のスロットマシン、第2のスロットマシン)およびその変更態様について説明したが、各実施形態に示す各部の構成は、適宜組合せて用いてもよい。また、上記実施形態では、本発明が適用される遊技機の一例として、遊技メダルを使用するスロットマシン(回胴式遊技機)を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、遊技球を使用する回胴式遊技機や、雀球遊技機、アレンジボール機、ぱちんこ機などについても同様に適用し、同様の効果を得ることが可能である。