はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.前方に開放された筐体(筐体11)と、
該筐体の前面開口部を塞ぐ前面扉(前面扉12)と、
前記筐体内に設けられ、複数の絵柄が周方向に付された円環状のリール(リール471〜473)を複数支持してユニット化し、これら各リールを左右方向に延びる軸線を中心として回転させることにより絵柄を変動表示するリール装置(リール装置406)と、
前記前面扉に設けられ、前記各リールに付された絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓23)と、
遊技開始の際に遊技メダルの投入がなされる投入部(メダル投入装置41)、該投入部への遊技メダルの投入後に前記各リールの回転を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートスイッチ45)、及び前記リール毎に設けられ前記リールの回転を停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ52〜54)が配設され、前記前面扉における前記表示窓の下方に設けられた操作領域(テーブル部40)と、
前記筐体内に設けられ、前記リール装置における各リールの駆動制御及び役の抽選を実施する制御装置(主制御装置201)と、
同筐体内に設けられ、遊技メダルを貯留する貯留タンク(貯留タンク111)及び該貯留タンクに貯留されている遊技メダルを前記前面扉に設けられた払出口(メダル払出口72)より遊技機外部へと払い出す払出装置(払出装置120)を有してなるホッパ装置(ホッパ装置110)と、
を備え、
前記各リールの回転停止後に、前記表示窓から視認できる有効位置に前記制御装置による役の抽選により当選となった役に対応する所定絵柄又は所定絵柄の組合せが停止した場合に前記ホッパ装置による遊技メダルの払い出しを行うようにした遊技機において、
前記各リールの回転中心が前記筐体の上下方向の略中央に位置するように前記リール装置を配置すると共に、
前記前面扉の前記各リールと対峙する位置に前記表示窓を配置し、
前記筐体内における前記リール装置の上方空間の上下方向寸法と下方空間の上下方向寸法とを略同一とした上で、前記上方空間には前記制御装置を配置すると共に、前記下方空間には前記ホッパ装置を配置し、
さらに前記前面扉における前記表示窓の上方に、矩形状の表示画面において遊技状況に応じた表示を行う補助表示装置(液晶表示装置600)を備え、
前記前面扉において前記表示画面と前記表示窓とを上下に区画しつつ、前記表示画面の下部が前記リール装置の上部と前後方向に重なるように前記表示画面の上下方向寸法を設定したことを特徴とする遊技機。
当該遊技機では、投入部への遊技メダルの投入が行われた後に始動操作手段が操作されることでリールの回転が開始される。そして、各停止操作手段が操作されることで操作された停止操作手段に対応したリールの回転が停止する。この場合に、表示窓から視認できる有効位置に役の抽選により当選となった役に対応した所定絵柄又は所定絵柄の組合せが停止すると、ホッパ装置から遊技メダルの払い出しが行われる。
この場合に、手段1によれば、前面扉における表示窓の上方には矩形状の表示画面が設けられており、当該表示画面において遊技状況に応じた表示が行われる。この表示内容としては、例えば、遊技状況に応じた演出や遊技機に発生した異常の内容を報知するものなどがある。なお、表示窓の上方に表示画面を設けるのは、表示窓の左右及び下方よりも上方の方が領域を広く確保し易いからである。
そして、各リールの回転中心が筐体の上下方向の略中央に位置するようにリール装置が配置されており、また前面扉における各リールと対峙する位置に表示窓が配置されている。これにより、従来の遊技機に比べ表示窓の上方の領域が拡張されている。そして、本手段では、表示画面の下部がリール装置の上部と前後方向に重なるように表示画面の上下方向寸法が設定されている。よって、表示画面の拡張が実現されており、例えば、表示画面でのダイナミックな演出が可能となり、また遊技機に発生した異常の内容をより明確に報知することができる。但し、前面扉において表示画面と表示窓とは上下に区画されているので、上記のような表示画面の拡張に伴って表示窓を介した絵柄の視認性が低下することが抑制されている。
なお、本手段における構成では、筐体内におけるリール装置の上方空間と下方空間とが略同一の大きさとなっているので、制御装置及びホッパ装置を配置するための空間が均等に確保されている。
手段2.手段1において、前記筐体内における前記リール装置の上方の空間、前記リール装置が配設された空間、及び前記リール装置の下方の空間、の上下方向寸法を略同一としたことを特徴とする遊技機。
手段2によれば、筐体内におけるリール装置の上方の空間、リール装置が配設された空間及びリール装置の下方の空間の上下方向寸法が略同一となっているので、制御装置、リール装置及びホッパ装置を配置するための空間がそれぞれ均等に確保されている。また、本構成であれば、筐体の上下方向寸法の1/3程度の上下方向寸法を有するリール装置が配設されることとなるので、各リールに付される絵柄のサイズが小さくなりすぎず、さらには各リールに付される絵柄の数が少なくなりすぎない。よって、表示窓を介した絵柄の視認性を確保することができ、さらには絵柄の停止態様を多種多様に設定することができる。
手段3.手段1又は手段2において、前記表示窓を、下端に向かうほど手前側に位置するように傾斜させたことを特徴とする遊技機。
手段3によれば、表示窓が下端に向かうほど手前側に位置するように傾斜しているので、リール装置が従来の遊技機よりも下方に位置する構成において、表示窓を介した絵柄の視認性が低下することを抑制することができる。即ち、当該遊技機において遊技が行われる場合には、遊技者の目の位置は表示窓の上方になると想定され、遊技者は表示窓を見下ろすこととなる。この場合に、表示窓をその下端に向かうほど手前側に位置するように傾斜させることで、遊技者が見下ろす角度に対して表示窓が向く構成となるからである。
手段4.手段3において、前記表示窓の上下方向の中央が前記各リールの回転中心よりも上方に位置するように前記表示窓の配置位置を設定したことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、表示窓の上下方向の中央が各リールの回転中心よりも上方に位置するように表示窓が配置されている。そして、上記手段3の構成を備えていることにより、表示窓は下端に向かうほど手前側に位置するように傾斜している。これにより、リール装置が従来の遊技機よりも下方に位置することで遊技者の目の位置が表示窓の上方となる状況下において、遊技者の視線の延長線上に表示窓及び各リールが好適に位置することとなる。これにより、リール装置が従来の遊技機よりも下方に位置する構成において、表示窓を介した絵柄の視認性が低下することを抑制することができる。
手段5.手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記表示画面の上下方向寸法を前記表示窓の上下方向寸法よりも長くし、且つ前記表示画面の面積を前記表示窓の面積よりも広くしたことを特徴とする遊技機。
手段5によれば、表示画面の上下方向寸法を表示窓の上下方向寸法よりも長くなっており、また表示画面の面積が表示窓の面積よりも広くなっているので、例えば、表示画面でのダイナミックな演出が可能となり、また遊技機に発生した異常の内容をより明確に報知することができる。
手段6.手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記制御装置からの制御信号に基づき前記補助表示装置を制御する補助表示制御装置(表示制御装置601)を備え、
該補助表示制御装置を前記リール装置の上方に設けたことを特徴とする遊技機。
手段6では、補助表示制御装置がリール装置の上方に設けられている。そして、筐体内におけるリール装置の上方空間には制御装置が設けられている。これにより、各制御装置をリール装置の上方にまとめて配置することができる。
また、この場合、補助表示制御装置がリール装置と前後方向に重ならない構成となるので、補助表示制御装置を無理なく設けることができる。例えば、補助表示制御装置とリール装置とが前後方向に重なる構成においては、補助表示制御装置とリール装置とが当接しないように補助表示制御装置の構造などを複雑にしたりする必要があるからである。
手段7.手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記制御装置からの制御信号に基づき前記補助表示装置を制御する補助表示制御装置(表示制御装置601)を備え、
該補助表示制御装置を、前記補助表示装置の背面であって、該背面における前記リール装置と前後方向に重なる部分よりも上方に偏倚させた位置に取り付けたことを特徴とする遊技機。
手段7では、補助表示制御装置が補助表示装置に対して取り付けられているので、例えば、遊技機製造時などにおいては補助表示装置と補助表示制御装置とをまとめて取り付けることができる。また、例えば、機種変更時などにおいては、補助表示装置と補助表示制御装置とをまとめて取り外すことができる。
この場合に、補助表示制御装置が補助表示装置の背面におけるリール装置と前後方向に重なる部分よりも上方に偏倚させた位置に取り付けられている。即ち、補助表示制御装置とリール装置とが前後方向に重なっていない。よって、補助表示制御装置を無理なく補助表示装置に対して取り付けることができる。例えば、補助表示制御装置とリール装置とが前後方向に重なる構成においては、補助表示制御装置とリール装置とが当接しないように補助表示制御装置の構造などを複雑にしたりする必要があるからである。
手段8.手段1乃至手段7のいずれかにおいて、前記貯留タンクは上方へと開放され遊技メダルを貯留する貯留領域(貯留部113)を有し、さらに前記払出装置は前記貯留タンクの下側開口部(出口側端部114b)に臨み該下側開口部から流出する遊技メダルを保持する回転部材(回転ディスク124)を有し該回転部材を回転駆動することにより遊技メダルの払い出しを行う構成とし、
前記貯留領域の外面の一部を貯留領域内側に凹ませることで該貯留領域の内面から膨出した膨出部(膨出部115)を形成し、該膨出部内に前記払出装置の一部(突出部位W)を収容したことを特徴とする遊技機。
当該遊技機では、上記手段1の構成を備えていることにより、筐体内におけるリール装置の下方空間が従来の遊技機よりも狭小化されている。よって、当該下方空間に配設されるホッパ装置は従来の遊技機よりも背を低くする必要がある。この場合に、貯留タンクの容量が極端に小さくなると、それに伴って貯留タンクに貯留することができる遊技メダルの量が少なくなってしまう。
ここで、貯留タンクに貯留することができる遊技メダルの量が少なくなると、ホッパ装置(貯留タンク)に対する遊技メダルの補給を頻繁に行う必要が生じる。そして、遊技メダルの補給の方式としては、遊技機を複数台配設した島設備の構成によって、自動的に遊技メダルの補給が行われる方式のものと、遊技ホールの従業員等が手作業で遊技メダルの補給を行う方式のものとがあるが、前者の方式では、島設備及び遊技機におけるホッパ装置周辺の構造が複雑となるため、多くの遊技ホールなどでは後者の方式が採用されている。従って、遊技メダルの補給作業が頻繁に発生すると、遊技の強制的な中断時間となってしまい、また遊技ホールなどにおける遊技機の管理上好ましくない。
これに対して、手段8によれば、貯留領域の外面の一部に貯留領域内側に凹ませることで貯留領域の内面から膨出した膨出部が形成されており、当該膨出部内に払出装置の一部を収容する構成となっている。よって、貯留タンクが払出装置側に近付けられ、ホッパ装置の背を従来の遊技機におけるホッパ装置よりも低くすることができる。そして、この場合に、払出装置の一部を収容する膨出部が貯留領域の内面に形成されていることにより、膨出部の周囲に遊技メダルを貯留するための空間が確保されている。これにより、ホッパ装置の背を従来の遊技機よりも低くした構成において、貯留タンクの容量を十分に確保することができ、遊技メダルの補給作業が頻繁に発生することを抑制することができる。
手段9.手段8において、前記膨出部を、前記払出装置における該膨出部内に収容される部位の外郭に沿うようにして設けたことを特徴とする遊技機。
手段9によれば、膨出部が払出装置における当該膨出部内に収容される部位の外郭に沿うようして設けられているので、膨出部が極端に大きくなるのを防止することができる。これにより、貯留タンクの容量が小さくなるのを極力抑えつつ、膨出部を設けることができる。
手段10.手段8又は手段9において、前記膨出部の上端の位置を、前記貯留タンクの上面開口部(上面開口部112)よりも下方にしたことを特徴とする遊技機。
ホッパ装置(貯留タンク)に対する遊技メダルの手作業による補給作業は、遊技ホールの従業員などが補給用の容器を用いて行うのが一般的である。この場合に、手段10によれば、膨出部の上端の位置が貯留タンクの上面開口部よりも下方となっているので、膨出部が上記補給作業の邪魔になるのを防止することができる。また、補給用の容器から貯留タンク内へと補給される遊技メダルが膨出部に衝突してその反動で貯留タンク外へと飛び出してしまうといったことも極力防止することができる。
手段11.手段8乃至手段10のいずれかにおいて、前記貯留領域の前記内面は前記下側開口部に向けて遊技メダルが流下するよう傾斜した構成であって、前記内面における前記膨出部の周囲に、前記下側開口部に向けて遊技メダルが流下していくことができる程度の領域を確保したことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、貯留領域の内面における膨出部の周囲には、下側開口部(即ち、払出装置)に向けて遊技メダルが流下していくことができる程度の領域が確保されているので、貯留領域の内面上に位置する遊技メダルが払出装置へと流下していくのを膨出部により遮られるのを極力防止することができる。
手段12.手段11において、前記膨出部における遊技メダル流下方向上流側の表面(左側面115b)を、該上流側に凸となる曲面に形成したことを特徴とする遊技機。
手段12によれば、膨出部における遊技メダル流下方向上流側の表面が上流側に凸の曲面となっているので、貯留領域の内面を流下する遊技メダルが膨出部上に留まるのを防止することができる。これにより、膨出部を設けた本構成において、内面上の遊技メダルの流下をスムーズなものとすることができる。
手段13.手段8乃至手段12のいずれかにおいて、前記貯留タンクは、前記下側開口部を有し前記貯留領域に貯留されている遊技メダルを前記払出装置へと導出する導出領域(導出部114)を備え、前記貯留タンクを隔壁(隔壁119)により上下に区画することで前記貯留領域と前記導出領域とを設けたことを特徴とする遊技機。
当該遊技機では、貯留領域と導出領域とを備えることにより、貯留タンク内において遊技メダルを貯留するための領域とこの貯留されている遊技メダルを払出装置へと導出する領域とに分けられているので、貯留タンク内に貯留されている遊技メダルの重量を分散させることができ、払出装置の回転部材にかかる遊技メダルの重量による負荷を軽減することができる。この場合に、手段13によれば、貯留タンクを隔壁により上下に区画することで貯留領域と導出領域とが設けられているので、貯留領域と導出領域とをできる限り近づけることができる。従って、上記のように両領域を備えた本構成において、貯留領域の深さ(容量)を極力大きく確保することが可能となる。
手段14.手段8乃至手段13のいずれかにおいて、前記回転部材を傾斜させた構成とし、前記膨出部に収容される前記払出装置の一部は前記回転部材の上端部(突出部W)であることを特徴とする遊技機。
手段14では、回転部材の上端部を膨出部に収容することで、貯留タンクが払出装置側に近付けられており、ホッパ装置の背を従来の遊技機におけるホッパ装置よりも低くすることができる。
なお、回転部材が傾斜した構成となっているので、貯留タンクに貯留されている遊技メダルの回転部材上にかかる重量を減少させることができ、さらに払出装置におけるメダルの払い出し部位の位置を上方にすることも可能となる。
手段15.手段1乃至手段14のいずれかにおいて、前記貯留タンクは上方に開放されており、また前記筐体内における前記リール装置の下方には上方に開放され前記貯留タンクに所定量以上の遊技メダルが貯留された場合にその余剰メダルが排出される補助タンク(補助タンク140)を前記ホッパ装置と横並びで配置し、さらに前記投入部から投入された遊技メダルを前記貯留タンクに貯留する構成とした上で、
前記ホッパ装置を、前記払出装置により前記貯留タンクが片持ち支持されることによって構成し、
前記払出装置に対して前記貯留タンクが前記補助タンク側に配置されるように位置関係を設定し、
さらに、前記貯留タンクが前記補助タンクの上方に至る位置まで延びるように当該貯留タンクを横長に形成したことを特徴とする遊技機。
当該遊技機では、筐体内におけるリール装置の下方には、ホッパ装置と共に補助タンクが配設されている。従って、継続して遊技が行われた結果、投入部から多数の遊技メダルが投入され貯留タンク内に所定量以上の遊技メダルが貯留された場合には、その余剰メダルが補助タンクに排出されるので、貯留タンクから遊技メダルが溢れ出るのを抑制することができる。
また、貯留タンクが払出装置により片持ち支持され、さらに払出装置に対して貯留タンクが補助タンク側に配置されるように位置関係が設定されていることにより、貯留タンクから払出装置への遊技メダルの導出と、貯留タンクから補助タンクへの遊技メダルの排出との両方を可能なものとしている。特に、本構成では、払出装置の片持ち支持面に対する貯留タンクに貯留されている遊技メダルの重量負荷を軽減することができる。なお、払出装置の片持ち支持面に、払出装置の、例えば、回転部材(回転ディスク124)といった駆動部が設けられている場合には、当該駆動部への遊技メダルの重量負荷が軽減されることとなる。
この場合に、手段15によれば、貯留タンクが補助タンクの上方に至る位置まで延びるよう横長に形成されている。即ち、貯留タンクが左右方向に拡張されているので、貯留タンクの容量を拡大することができる。これにより、上記手段1の構成を備えることで、筐体内におけるリール装置の下方の空間が狭小化された構成であっても、貯留タンクの容量を極力大きく確保することができる。
なお、貯留タンクの容量が小さくなることによる不都合は、上記手段8の効果に示したとおりである。
また、「貯留タンクを横長に形成した」とは、遊技機上下方向の長さよりも遊技機左右方向の長さの方が長くなるように貯留タンクを形成したことをいう。
手段16.手段15において、前記貯留タンクの底部(底部111b)を、前記払出装置側から前記補助タンク側へ近づくほど上方に位置するように形成したことを特徴とする遊技機。
手段16によれば、貯留タンクの底部が払出装置側から補助タンク側へ近づくほど上方に位置するように形成されているので、貯留タンクが補助タンク側に拡張されている構成において、貯留タンクの底部よりも下方の空間を広く確保することができる。これにより、補助タンクの高さを極力高くすることが可能となり、補助タンクの容量を十分に確保することができる。
なお、貯留タンクの底部を、払出装置側から補助タンク側へ近づくほど上方に傾斜するように形成することにより、貯留タンク内に貯留されている遊技メダルの払出装置への導出を好適に行うことができる。即ち、本構成においては、底部が補助タンク側から払出装置側に向けて下方に傾斜した構成となるので、貯留タンク内に貯留されている遊技メダルは払出装置へと自然と流下していくからである。
手段17.手段15又は手段16において、前記貯留タンクにおける前記補助タンク側の側壁部(右壁部113b)に貯留タンク内側へと凹んだ凹部(凹部116)を設け、該凹部に前記補助タンクへのメダル排出口(メダル排出口116a)を形成したことを特徴とする遊技機。
手段17によれば、貯留タンクにおける補助タンク側の側壁部には貯留タンク内側へと凹んだ凹部が設けられており、当該凹部には補助タンクへのメダル排出口が形成されている。これにより、貯留タンクの左右方向の拡張とは無関係にメダル排出口の位置を設定することができるので、貯留タンクを補助タンク側へと拡張した構成において補助タンクへの遊技メダルの排出を好適に行うことができる。
手段18.手段17において、前記凹部は、前記貯留タンクの前記側壁部から内側へとオフセットされた第1壁部(第1壁部116b)、及び該第1壁部と前記側壁部とを連結する第2壁部(第2壁部116c)から構成され、該第2壁部を前記第1壁部と直交又は略直交するように設けたことを特徴とする遊技機。
手段18によれば、メダル排出口から補助タンクに向けた空間を好適に確保しつつ、凹部の大きさを極力小さくすることができる。従って、本構成によれば、メダル排出口からの遊技メダルの排出を好適なものとしつつ、凹部を形成したことによる貯留タンクの容量の減少を極力抑えることができる。
手段19.手段18において、前記メダル排出口を前記第1壁部に形成したことを特徴とする遊技機。
上記のようにホッパ装置と補助タンクとが横並びで配置された構成においては、凹部の第1壁部は補助タンク側を向くこととなる。さらに、上記手段18により、第1壁部と第2壁部とは直交又は略直交している。この場合に、手段19によれば、第1壁部にメダル排出口が形成されているので、メダル排出口から補助タンクへと排出される遊技メダルの落下経路は、凹部の大きさに因らず確保されることとなる。従って、補助タンクへの遊技メダルの排出を好適なものとなる限界位置に第1壁部の位置を設定することができる。そして、凹部の大きさを小さくすることができれば、凹部を形成したことによる貯留タンクの容量の減少を極力抑えることができる。
手段20.手段15乃至手段19のいずれかにおいて、前記貯留タンク内に所定量以上の遊技メダルが貯留された場合に、その余剰メダルを前記補助タンクへ誘導する誘導手段(誘導プレート117)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段20によれば、誘導手段が設けられているので、貯留タンクから補助タンクへの遊技メダルの排出を好適に行うことができる。
なお、上記手段17乃至手段19のいずれかの構成を備えている場合には、誘導手段はメダル排出口を介して補助タンクへの遊技メダルの誘導を行う構成とする。
手段21.手段20において、前記誘導手段は、板状の誘導部材(誘導プレート117)であり、その底部(底部117a)が前記貯留タンク内から前記補助タンクの上方にかけて下方に傾斜するように前記貯留タンクに対して取り付けられていることを特徴とする遊技機。
手段21によれば、誘導手段を比較的簡易な構成により設けることができる。また、本構成では、貯留タンク内にどの程度の遊技メダルが貯留された場合に補助タンクへと遊技メダルの排出を行うのかを、誘導部材の貯留タンク側端部の高さで調整することができる。
なお、上記手段17乃至手段19のいずれかの構成を備えている場合には、メダル排出口が凹部に形成されているので、遊技機の設計段階などにおいて、メダル排出口の左右方向の位置を調整することで、誘導部材の傾斜角度やメダル排出口から外側へと突出する長さといった誘導部材の構成の自由度を高めることができる。特に、上記手段19を備えた構成においては、メダル排出口が補助タンク側を向いた構成となるので、誘導部材を折り曲げたりする必要はなく、誘導部材の構成の簡略化を図ることができる。
また、凹部を貯留タンクにおける補助タンク側の隅角に形成する構成とすることにより、誘導部材の貯留タンクに対する取り付けを好適に行うことができる。
手段22.手段21において、前記誘導部材の先端部が、前記補助タンクの左右方向の中央よりも前記貯留タンク側に位置するようにしたことを特徴とする遊技機。
手段22によれば、誘導部材の先端部が補助タンクの左右方向の中央よりも貯留タンク側に位置しているので、誘導部材から遊技メダルが勢いよく飛び出した場合に、その遊技メダルが補助タンク内に収容されないといった不都合の発生を抑制することができる。
手段23.手段21又は手段22において、前記誘導部材に、前記補助タンクに向けて誘導される遊技メダルを前記補助タンクの上面開口部の中央付近に到達するように案内する案内手段(案内部117c)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段23によれば、案内手段が設けられていることにより、誘導部材上を遊技メダルが勢いよく流下したとしても、その遊技メダルが補助タンク内に収容されないといった不都合の発生を防止することができる。また、遊技メダルは平面視で補助タンクの中央付近に貯まっていくこととなるので、補助タンクにおける遊技メダルの貯留を好適に行うことができる。即ち、遊技メダルが補助タンクの上面開口部の縁部側に到達する構成においては、補助タンク内において遊技メダルが当該縁部側に偏って貯留されることとなり、補助タンク内の全体に遊技メダルが貯留される前に補助タンクから遊技メダルが溢れ出るおそれがあるからである。
なお、案内手段としては、誘導部材の外側端部に、該誘導部材の底部よりも上方へと起立し、且つ前記補助タンクの上面開口部の中央付近に向けて延びる案内壁を設ける構成が考えられる。
手段24.手段15乃至手段23のいずれかにおいて、前記補助タンクを、前記筐体内における左右方向の端部に設けたことを特徴とする遊技機。
手段24では、補助タンクが筐体内における左右方向の端部に設けられているので、ホッパ装置を配設するための空間を広く確保することができる。この場合に、貯留タンクが、少なくとも補助タンクの上方まで延設されているので、貯留タンクを左右方向に大きく拡張することができる。
手段25.手段15乃至手段24のいずれかにおいて、前記補助タンクを前記筐体の底板(底板11b)上に載置したことを特徴とする遊技機。
手段25によれば、補助タンクは筐体の底板上に載置されているので、補助タンクが遊技メダルで満杯になった場合の当該補助タンクに貯留されている遊技メダルの排出作業を容易に行うことができる。
手段26.手段15乃至手段25のいずれかにおいて、前記筐体の底板(底板11b)上に、前記払出装置を前後方向にのみスライド案内可能に支持するレール(レール16)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段26では、払出装置は筐体の底板上においてレールにより前後方向にスライド案内可能に支持されているので、例えば、ホッパ装置に故障などが発生した場合には当該ホッパ装置を筐体から容易に取り出すことができる。
この場合に、上記手段15等の構成では、貯留タンクを補助タンクの上方に至る位置まで延設させることで当該貯留タンクの容量の拡大が行われているので、貯留タンクの容量の拡大に伴って払出装置のスライド案内が阻害されることはない。
手段27.手段1乃至手段14のいずれかにおいて、前記貯留タンクは上方に開放されており、また前記筐体内における前記リール装置の下方には上方に開放され前記貯留タンクに所定量以上の遊技メダルが貯留された場合にその余剰メダルが排出されることとなる補助タンク(補助タンク140)が配置される補助タンク配置領域を前記ホッパ装置と横並びで設け、さらに前記投入部から投入された遊技メダルを前記貯留タンクに貯留する構成とした上で、
前記ホッパ装置を、前記払出装置により前記貯留タンクが片持ち支持されることによって構成し、
前記払出装置に対して前記貯留タンクが前記補助タンク配置領域側に配置されるように位置関係を設定し、
さらに、前記貯留タンクが前記補助タンク配置領域の上方に至る位置まで延びるように当該貯留タンクを横長に形成したことを特徴とする遊技機。
当該遊技機では、筐体内におけるリール装置の下方には、ホッパ装置が配設されると共に補助タンク配置領域が設けられている。よって、当該補助タンク配置領域には、遊技機とは別体の補助タンクを配置することができる。従って、継続して遊技が行われた結果、投入部から多数の遊技メダルが投入され貯留タンク内に所定量以上の遊技メダルが貯留された場合には、その余剰メダルを補助タンク配置領域に配置された補助タンクに排出されることとなるので、貯留タンクから遊技メダルが溢れ出るのを抑制することができる。
また、貯留タンクが払出装置により片持ち支持され、さらに払出装置に対して貯留タンクが補助タンク配置領域側に配置されるように位置関係が設定されていることにより、貯留タンクから払出装置への遊技メダルの導出と、貯留タンクから補助タンクへの遊技メダルの排出との両方を可能なものとしている。特に、本構成では、払出装置の片持ち支持面に対する貯留タンクに貯留されている遊技メダルの重量負荷を軽減することができる。なお、払出装置の片持ち支持面に、払出装置の、例えば、回転部材(回転ディスク124)といった駆動部が設けられている場合には、当該駆動部への遊技メダルの重量負荷が軽減されることとなる。
この場合に、手段27によれば、貯留タンクが補助タンク配置領域の上方に至る位置まで延びるよう横長に形成されている。即ち、貯留タンクが左右方向に拡張されているので、貯留タンクの容量を拡大することができる。これにより、上記手段1の構成を備えることで、筐体内におけるリール装置の下方の空間が狭小化された構成であっても、貯留タンクの容量を極力大きく確保することができる。
なお、貯留タンクの容量が小さくなることによる不都合は、上記手段8の効果に示したとおりである。
また、「貯留タンクを横長に形成した」とは、貯留タンクにおける遊技機上下方向の長さよりも遊技機左右方向の長さの方が長くなるように貯留タンクを形成したことをいう。
また、手段27に、上記手段16乃至手段26のいずれかを適用することにより、当該遊技機の構成をより好適なものとすることができる。この場合に、上記各手段においては「補助タンク」を「補助タンク配置領域」に変更して適用する。
手段28.手段8乃至手段27のいずれかにおいて、前記貯留タンクの上端の位置を、前記払出装置の上端とほぼ同じ高さとしたことを特徴とする遊技機。
当該遊技機では、貯留タンクは上方に開放されており、当該貯留タンクの上方にはリール装置が位置している。従って、貯留タンクに対する遊技メダルの補給を行うためには、貯留タンクとリール装置との間に所定の間隔が確保されている必要がある。
この場合に、手段28によれば、貯留タンクの上端の位置が払出装置の上端とほぼ同じ高さとなっているので、貯留タンクの容量をできる限り大きく確保しつつ、ホッパ装置の高さを低くすることができる。即ち、貯留タンクの上端の位置を払出装置の上端よりも低くすることで、ホッパ装置の高さは本手段における構成と同じ高さとなるが、この場合、貯留タンクの容量が本手段における構成よりも小さくなってしまうからである。
なお、貯留タンクの上端に払出装置側へ延出した取付片(固定壁118)を形成し、当該取付片を払出装置の上端(上部121b)に取り付ける構成とすることで、手段14における構成を好適に実現することができる。即ち、本構成では、取付片により貯留タンクを払出装置に強固に固定するという機能が担保されるからである。
手段29.手段8乃至手段28のいずれかにおいて、前記貯留タンクを合成樹脂により成形したことを特徴とする遊技機。
手段29によれば、貯留タンクが合成樹脂により成形されるので、貯留タンクの軽量化を図ることができ、さらにはホッパ装置の軽量化を図ることができる。また、上記手段8等や上記手段17等を備えた構成においては、貯留タンクに設けられる膨出部や凹部などの成形の容易化を図ることができる。
手段30.手段1乃至手段29のいずれかにおいて、前記貯留タンクは上方に開放され、また前記筐体は内部が仕切部(下側仕切板405)により上下に区画された構成とし、該仕切部上に前記リール装置を配置すると共に、同仕切部の下方に前記ホッパ装置を配置し、
前記貯留タンクにおける上面開口部(上面開口部112)の手前側の少なくとも一部が前記仕切部と上下方向に重ならないように、前記仕切部の手前側端部にその左右両端部の少なくとも一方よりも奥側へと後退した後退部(後退部468)を設けたことを特徴とする遊技機。
当該遊技機では、筐体内は仕切部により上下に区画されており、仕切部上にはリール装置が配置され、仕切部の下方にはホッパ装置が配置されている。この場合に、上記手段1の構成を備えていることにより、筐体内における仕切部の下方空間が従来の遊技機よりも狭小化されている。ところが、仕切板の下方空間が狭小化されると、仕切板と貯留タンクとの間の距離が短くなるため、貯留タンクへの遊技メダルの補給作業が困難なものとなってしまう。
ここで、遊技機が多数配設される遊技ホールなどにおいては、遊技機の設置台数よりも圧倒的に少ない数の従業員等により各遊技機を管理する必要があるため、貯留タンクへの遊技メダルの補給作業が困難なものとなるのは好ましくない。さらに、貯留タンクに対する遊技メダルの補給作業を行っている間は、強制的な遊技の中断時間となってしまうため、当該遊技機において遊技を行う遊技者の遊技続行への意欲を減退させないためにも遊技メダルの補給作業は早急に行われるべきである。この点からも遊技メダルの補給作業が困難なものとなるのは好ましくない。
これに対して、手段30によれば、貯留タンクにおける上面開口部の手前側の少なくとも一部が仕切部と上下方向に重ならないように、仕切部の手前側端部に奥側へと後退した後退部が設けられていることにより、仕切部と貯留タンク(ホッパ装置)との間の距離が狭められた構成において貯留タンクに対する遊技メダルの補給の作業空間が確保され、貯留タンクに対する遊技メダルの補給作業を良好なものとすることができる。
また本手段における構成では、仕切部の手前側端部のすべてを奥側に後退させるのではなく、仕切部の手前側端部における少なくとも一方が手前側に維持されていることにより、仕切部を筐体内に保持するための領域を広く確保することができる。従って、仕切部におけるリール装置を支持するという機能を担保した上で上記効果を奏することができる。
手段31.手段30において、前記貯留タンクの左右方向の長さが前記仕切部の左右方向の長さよりも短い構成とし、少なくとも前記仕切部の手前側端部における前記上面開口部の上方に位置する部位の全体に渡って前記後退部を延設させたことを特徴とする遊技機。
手段31によれば、貯留タンクの上面開口部の左右方向の全体に渡って後退部が設けられているので、貯留タンクに対する遊技メダルの補給の作業空間を左右方向に最大限拡張することができる。これにより、貯留タンクに対する遊技メダルの補給の作業性をより良好なものとすることができる。
手段32.手段30又は手段31において、前記後退部における少なくとも前記上面開口部の上方に位置する部位を、左右方向に延び、且つ直線状となるように設けたことを特徴とする遊技機。
手段32では、後退部における上面開口部の上方に位置する部位が均等に奥側へと後退した構成となっているので、貯留タンクに対する遊技メダルの補給の作業空間を左右方向に均等に設けることができる。これにより、上面開口部の上方における後退部が設けられている範囲であれば、どの位置でも遊技メダルの補給作業を同じように行うことができるので、遊技メダルの補給作業の自由度を高めることができ、当該作業をより良好なものとすることができる。
手段33.手段30乃至手段32のいずれかにおいて、前記リール装置は、前記各リールを回転させる駆動手段(ステッピングモータ475)を各リール毎に備えると共に、各リール及び各駆動手段を前記仕切部上で支持する支持部(リールプレート476)を備え、
前記後退部が前記各リールにおける前後方向の中心よりも手前側に位置するようにし、
さらに前記支持部における前記仕切部への固定部分が前記後退部よりも遊技機前方に突出しない又はほとんど突出しないようにしたことを特徴とする遊技機。
手段33によれば、後退部が各リールにおける前後方向の中心よりも手前側に位置するように設けられているので、リール装置を仕切部上に安定した状態で設置することができる。また、当該支持部の下側端部が後退部よりも突出しない又はほとんど突出しないようになっているので、貯留タンクの上面開口部における仕切部と上下方向に重ならないようになっている部位の上方には、各リールの手前下側の曲面が位置することとなる。これにより、リール装置を仕切部上に安定した状態で設置した構成において、貯留タンクに対する遊技メダルの補給の作業空間を確保することができる。
なお、リールの直径を筐体の前後方向の長さよりも若干短い程度とした場合には、筐体内にかろうじて収容することができる程度の大きな径を有するリールを備えた構成となるので、各リールに対して比較的大きな絵柄を多数付与することができる。従って、絵柄の視認性の向上を図りつつ、停止絵柄の組合せの数を多様に設定することができる。
手段34.手段30乃至手段32のいずれかにおいて、前記リール装置は、前記各リールを回転させる駆動手段(ステッピングモータ475)を各リール毎に備えると共に、各リール毎に設けられ該リール中心の前後方向に所定の幅を有し各リール及び各駆動手段を保持する保持部(リールプレート476の起立部分)と、該保持部を前記仕切部上で支持する支持部(リールプレート476の底部分)とを備え、
前記後退部が、前記各リールの最前面よりも奥側であって、前記各リールにおける前後方向の中心よりも手前側に位置するようにし、
さらに前記支持部の手前側端部が前記後退部よりも遊技機前方に突出しない又はほとんど突出しないようにしたことを特徴とする遊技機。
手段34における遊技機では、後退部が各リールの最前面よりも奥側に位置し、さらに支持部の手前側端部が後退部よりも遊技機前方に突出しない又はほとんど突出しない構成であるので、貯留タンクの上面開口部における仕切部と上下方向に重ならないようになっている部位の上方には、各リールの手前下側の曲面が位置することとなる。これにより、径が比較的大きいリールを設けたとしても、貯留タンクに対する遊技メダルの補給の作業空間を確保することができる。径が比較的大きいリールを設けることができれば、各リールに対して比較的大きな絵柄を多数付与することが可能となる。この場合、絵柄の視認性の向上を図りつつ、停止絵柄の組合せの数を多様に設定することができる。また、上記のような構成において、後退部が各リールにおける前後方向の中心よりも手前側に位置するように設けられており、さらにリール中心の前後方向に所定の幅を有する保持部により各リール及び各駆動手段を保持する構成であるので、径が比較的大きいリールを設けた場合であっても、リール装置を仕切部上に安定した状態で設置することができる。
手段35.手段33又は手段34において、前記仕切部の手前側端部には、前記後退部から下方に延びる延出部(下側リール支持部467)を設け、さらに前記支持部に前記延出部に対応させて取り付け部(下側取付部478)を設け、該取り付け部を前記延出部と正面視で重ねた状態で同延出部に固定することにより、前記仕切部に前記リール装置を固定したことを特徴とする遊技機。
上記のように、後退部が設けられている構成においては、仕切部の前後方向の長さが従来の遊技機よりも短くなっているため、仕切部上におけるリール装置を設置するための領域が狭くなっている。この場合に、手段35の構成によれば、仕切部上ではなく後退部から下方へと延びる延出部にリール装置を固定するための領域が設けられているので、リール装置を固定するための領域を拡張することができる。また、延出部と取り付け部とが正面視で重なった状態となるので、延出部に対する取り付け部の固定作業を容易に行うことができる。
手段36.手段30乃至手段32のいずれかにおいて、前記リール装置は、前記各リールを回転させる駆動手段(ステッピングモータ475)を各リール毎に備えると共に、各リール及び各駆動手段を前記仕切部上で支持する支持部(リールプレート476)を備え、
前記仕切部の手前側端部には、前記後退部から下方に延びる延出部(下側リール支持部467)を設け、さらに前記支持部における前記仕切部と接する箇所の手前側端部に前記延出部に対応して下方に延びる取り付け部(下側取付部478)を設け、該取り付け部を該延出部と正面視で重ねた状態で同延出部に固定することにより、前記仕切部に前記リール装置を固定したことを特徴とする遊技機。
上記のように、後退部が設けられている構成においては、仕切部の前後方向の長さが従来の遊技機よりも短くなっているため、仕切部上におけるリール装置を設置するための領域が狭くなっている。この場合に、手段36の構成によれば、仕切部上ではなく後退部から下方へと延びる延出部にリール装置を固定するための領域が設けられているので、リール装置を固定するための領域を拡張することができる。また、延出部と取り付け部とが正面視で重なった状態となるので、延出部に対する取り付け部の固定作業を容易に行うことができる。
手段37.手段30乃至手段36のいずれかにおいて、前記仕切部の手前側端部における左右両端部(取付部462,463、折曲部465,466)が前記筐体の左右の側壁部(側板11d,11e)の手前側端部付近に位置するようにしたことを特徴とする遊技機。
手段37によれば、仕切部の手前側端部における左右両端部が筐体の左右の側壁部の手前側端部付近に位置しているので、仕切部を筐体内に保持するための領域をより広く確保することができる。従って、仕切部におけるリール装置を支持するという機能を確実に担保した上で上記効果を奏することができる。
手段38.手段30乃至手段37のいずれかにおいて、前記制御装置(主制御装置201)が搭載され、且つ前記筐体内に着脱自在に装着される枠体(ベースフレーム401)を設け、該枠体の底部として前記仕切部を設けることにより、同枠体内に前記リール装置を搭載するよう構成しことを特徴とする遊技機。
手段38によれば、リール装置及び制御装置が、筐体に対して着脱自在に装着される枠体内に搭載されているので、遊技ホールなどにおける遊技機の機種入替えの際には、枠体を交換するだけでリール装置及び制御装置の入替作業を完了することができる。よって、機種入替に要する手間やコストを大幅に削減することが可能となる。例えば、旧遊技機の筐体を島設備から取り外す作業や、新遊技機の筐体を島設備に固定する作業等(釘打ち作業など)が不要となる。また、この場合、リール装置、制御装置及び枠体以外の構成は繰り返し使用されるため、各種部材のリユースを促進することができ、環境保全の観点からも望ましいと言える。しかしながら、各機種毎にリール装置の上下方向の位置が異なる可能性があり、この場合、機種入替え時やリユース時などに交換を必要としないホッパ装置と仕切部との位置関係が変化する可能性がある。これに対して、仕切部に後退部が設けられていることにより、機種入替えをした際に新遊技機のリール装置の位置が旧遊技機のリール装置の位置よりも下方となったとしても貯留タンクに対する遊技メダルの補給の作業性が悪化するといった弊害が生じることはない。
手段39.手段1乃至手段38のいずれかにおいて、前記操作領域を前記遊技機前面部から前方へ膨出するように構成されたテーブル部(テーブル部40)に形成し、
該テーブル部上から上方へと起立し左右方向に延びる基台部(基台部51)の前面に前記各停止操作部材を横並びで配設したことを特徴とする遊技機。
当該遊技機では、表示窓を介して絵柄の変動を視認しながら当該絵柄の変動を停止させるべく停止操作部材が押圧操作されることにより遊技が行われる。この場合に、上記手段1の構成を備えていることにより、前面扉における表示窓の位置が従来の遊技機よりも下方となっていることに伴って、操作領域の位置も従来の遊技機よりも下方となっている。この場合、操作領域に配設された始動操作手段及び停止操作手段の操作性が低下することが懸念される。特に、停止操作部材は表示窓を介して視認される領域内の所定の位置に特定の絵柄を停止させるべく押圧操作されるため、停止操作部材の操作性が低下すると遊技興趣の低下を招く可能性が高い。さらに、停止操作部材は複数配設されているため、遊技回毎の操作頻度が多い。この場合に、停止操作部材(操作領域)の位置が極端に下方となり停止操作部材の操作性が低下すると、上記手段1のように表示画面を拡張した効果が消失してしまうこととなる。
これに対して、手段39によれば、複数の停止操作部材が、操作領域としてのテーブル部上から上方へと起立し左右方向に延びる基台部の前面に横並びの状態で配設されている。これにより、手を左右方向にスライドさせることで1の停止操作部材の前方に手を持っていき当該位置から手を少なくとも前後方向に移動させることにより停止操作部材を押圧操作するという従来の遊技機における停止操作部材の操作態様を維持した状態で、停止操作部材の位置を極力上方にすることができる。これにより、表示画面の拡張に伴って操作領域の位置を下方にした構成において、停止操作部材の操作性が低下することを抑制することができる。
手段40.手段39において、遊技の進行に伴う管理情報が表示される情報表示部(情報表示部60)を前記表示窓と前記テーブル部との間に配設し、前記基台部を、前記情報表示部と正面視で重なり、且つ同情報表示部の前方斜め上方から当該情報表示部への視界を確保するように当該情報表示部から前方に離間した位置関係に設定したことを特徴とする遊技機。
手段40の遊技機では、遊技の進行に伴う管理情報を表示する情報表示部が表示窓とテーブル部との間に配設されているので、当該情報表示部を遊技者が視認し易い構成となっている。また、当該遊技機で遊技を行う遊技者の目の高さは表示窓の下端よりも上方に位置するのが一般的である。この場合に、基台部が、情報表示部と正面視で重なり、且つ情報表示部の前方斜め上方から当該情報表示部への視界を確保するように情報表示部から前方に離間させた位置関係に設定されている。これにより、情報表示部を設けた構成において、情報表示部の視認性が低下するといった不都合が発生するのを防止しながら停止操作部材の位置を極力上方へとすることができ、さらには停止操作部材の位置を表示窓に近付けることができる。
手段41.手段39において、遊技の進行に伴う管理情報が表示される情報表示部(情報表示部60)を前記表示窓と前記テーブル部との間に配設し、前記基台部を、前記情報表示部と正面視で重なるように配置し、さらに同情報表示部の前方斜め上方から当該情報表示部への視界を確保するように基台部の後面(後面51b)を奥側に向けて下方に傾斜した傾斜面にて形成したことを特徴とする遊技機。
手段41の遊技機では、遊技の進行に伴う管理情報を表示する情報表示部が表示窓とテーブル部との間に配設されているので、当該情報表示部を遊技者が視認し易い構成となっている。また、当該遊技機で遊技を行う遊技者の目の高さは表示窓の下端よりも上方に位置するのが一般的である。この場合に、基台部が情報表示部と正面視で重なるように配置され、且つ情報表示部の前方斜め上方から当該情報表示部への視界を確保するように基台部の後面が奥側に向けて下方に傾斜した傾斜面により形成されている。これにより、情報表示部を設けた構成において、情報表示部の視認性が低下するといった不都合が発生するのを防止しながら、停止操作部材の位置を極力上方へとすることができ、さらには停止操作部材の位置を表示窓に近付けることができる。
なお、手段41おける基台部を情報表示部から前方に離間した位置関係に設定する構成としてもよい。この場合、離間させた距離と基台部の後面の傾斜の度合いとのバランスで情報表示部への視認性を確保することができるので、基台部の設計の自由度を高めることができる。
また、手段40及び手段41における情報表示部において表示される「管理情報」とは、例えば、遊技者が1の遊技回において獲得したメダル数や、遊技者に有利な遊技状態である特別遊技状態(例えば、ビッグボーナスゲーム)の残りゲーム数といった基礎的な情報のことであり、遊技状況に応じた演出などとは異なった性質の情報である。
手段42.手段40又は手段41において、前記基台部の上端が前記情報表示部の上端よりも低くなるようにしたことを特徴とする遊技機。
手段42では、基台部の上端が情報表示部の上端よりも低くなっているので、基台部の形状を複雑なものとしたり基台部を遊技機前面部から極端に前方に配置したりしなくても情報表示部の視認性を確保することができる。
手段43.手段39乃至手段42のいずれかにおいて、前記基台部の前面を、手前側に向けて下方に傾斜した傾斜面にて形成したことを特徴とする遊技機。
手段43によれば、基台部の前面が斜め上方を向いていることにより、停止操作部材も斜め上方を向いた構成となる。従って、基台部の位置が下方となる構成において、停止操作部材の操作性を良好なものとすることができる。即ち、停止操作部材の押圧操作を良好に行うことができる場合とは、腕を曲げ手を上方に持ってきた状態から直線的に手を移動させることで停止操作部材を押圧操作することができる場合である。そして、従来の遊技機においては、腕を曲げ手を上方へと持ち上げた状態から手を略水平方向に直線的に移動させることにより、停止操作部材を押圧操作することができた。これに対して、停止操作部材の位置が従来よりも下方となる構成においては、停止操作部材が斜め上方を向く構成とすることにより、手を従来よりも斜め下方に移動させることで、停止操作部材を押圧操作することができる。
手段44.手段39乃至手段43のいずれかにおいて、前記基台部の前面及び後面(後面51b)の上端部を近接させ、さらに該基台部の後面を奥側に向けて下方に傾斜した傾斜面にて形成したことを特徴とする遊技機。
手段44によれば、遊技に際し停止操作部材を押圧操作する場合には、基台部の後面上で手を滑らせつつ当該操作を実施することができるので、停止操作部材の操作性を良好なものとすることができる。
手段45.手段39乃至手段44のいずれかにおいて、前記基台部を、前記テーブル部上面の奥側に設け、該テーブル部上面における前記基台部の手前側の部分を平坦面としたことを特徴とする遊技機。
手段45によれば、テーブル部における基台部の手前側の部分に手や腕をついたりするための所定の領域を確保することができる。従って、遊技者はテーブル部に手や腕をついた楽な体勢で遊技を行うことができるので、継続して遊技を行う遊技者の疲労の軽減を図ることができる。
手段46.手段39乃至手段45のいずれかにおいて、前記操作領域を前記テーブル部の上面に形成したことを特徴とする遊技機。
手段46によれば、操作領域がテーブル部の上面に形成されているので、表示画面を拡張した構成において、停止操作部材以外の各種操作部材の操作性が低下するのを極力抑制することができる。
手段47.手段46において、前記テーブル部の左右方向の長さを前記前面扉の左右方向の長さに合わせ、前記基台部には前記停止操作部材以外の操作部材(ベットスイッチ42〜44、スタートスイッチ45)を配設しない構成とし、さらに前記基台部の左右方向の長さを、前記テーブル部の左右方向の長さの一部であって前記停止操作部材を近接させて並べた程度の長さとしたことを特徴とする遊技機。
手段47によれば、基台部の左右方向の長さが必要以上に長くなるのを抑えることができるので、テーブル部の上面という限られた領域を有効活用して各種操作部材を配置することができる。
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の全体構成を示す斜視図、図2はスロットマシン10の正面図、図3はスロットマシン10の側面図、図4は前面扉12を開いた状態のスロットマシン10の斜視図である。また、本スロットマシン10では、前面扉12が上下分離できる構成となっており、図5は、その分離状態の正面斜視図である。先ずは、図1〜図5に基づいて、スロットマシン10の外観上の構成について説明する。なお、以下の説明において、特に指示しない限りはスロットマシン10の正面視を基準に上下左右等の方向を特定することとする。
スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり(図6の筐体斜視図参照)、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面側が開放された箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
(前面扉12の説明)
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。前面扉12は、上下に分割可能な2体の扉体より構成されており、上側が上扉13、下側が下扉14となっている。上扉13及び下扉14は、筐体11の前側開放部を全て塞ぐように設けられ、スロットマシン10の左縁部を軸線として手前側に開放されるようになっている。この場合、上扉13及び下扉14は裏面側で連結部材により連結されており、基本的に両者一体で開放又は閉鎖される。但し、その詳細な構成は後述する。
上扉13には、正面に向けて上下2つの遊技パネル部21,22が設けられている。このうち、上側の遊技パネル部21はほぼ鉛直方向に設けられており、遊技パネル部21を通じて上扉13の背面側に設けられる液晶表示装置の画像等が表示される。この遊技パネル部21は遊技者に各種情報を与える補助表示部を構成しており、同遊技パネル部21を使って、遊技の進行に伴い各種表示演出が実行されたり、スロットマシン10に異常が発生した場合にはその旨を表示する異常報知がなされることとなる。上側の遊技パネル部21は下側の遊技パネル部22よりも大きい構成となっており、この遊技パネル部21により、大型の液晶表示装置の設置が可能となっている。本実施の形態では、例えば15インチ液晶装置が遊技パネル部21の裏面に設置される。
また、下側の遊技パネル部22は若干上を向くような角度で設けられている。下側の遊技パネル部22には、横長矩形状をなす表示窓23が形成されている。表示窓23は透明又は半透明の材質により構成されており、この表示窓23を通じてスロットマシン10の内部が視認可能となっている。なお、図示の表示窓23に代えて、縦長の複数の表示窓を設けて各表示窓を横並びにするなど、他の構成としても良い。
実際には、上下の遊技パネル部21,22は、全体として1枚の透明パネルにて構成されており、その透明パネルの背面側に貼り付けた囲い部材(例えば黒色シート、フレーム等)により表示窓23等が形成されている。また、透明パネルにおいて、上下の遊技パネル部21,22に相当する部位は平坦面であり、その間に細長く左右に延びる曲面部が形成されている。この場合、透明パネルの曲面部は表示窓23にかからず、かつその背後が視認できないよう遮蔽されている。従って、曲面部を介してマシン内部に外光が侵入し、光の屈折等により後述するリールの図柄が見にくくなる等の不都合が回避できる。なお、上下の遊技パネル部21,22が1枚の透明パネルにて構成されることで、美観向上が図られている。
また、上述したような遊技パネル部21,22の大きさや設置角度等の各構成によれば、大型の液晶表示装置を用いた表示演出によって遊技者に多大なインパクトを与えることを可能にしつつ、本スロットマシン10の主表示部たる表示窓23を通じてのリール図柄の視認を良好なものとしている。さらには、液晶表示装置における異常報知をより明確に行うことができる。即ち、スロットマシン10に単純に異常が発生した旨を表示するだけでなく、当該異常の発生箇所を絵図などを用いて明確に表示したり、当該異常の回復方法を併記したりすることができる。
スロットマシン10の正面視からすると、マシン前面部の概ね1/3又はそれ以上の面積を占めるようにして遊技パネル部21が設けられている。これにより、下側の遊技パネル部22(後述するリールを表示するための表示窓23)は、スロットマシン10のほぼ中央の高さ位置に設けられることとなっている。
上扉13の上縁部及び左右両縁部には、遊技パネル部21,22を囲むようにして当該パネル部21,22よりも前方に張り出す囲い部25が形成されており、囲い部25の上部分には中央ランプ部26と左右一対のスピーカ部27とが設けられ、左右両部分には側方ランプ部28が設けられている。中央ランプ部26及び側方ランプ部28は、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりし、スピーカ部27は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする。
(下扉14の説明)
下扉14の上端部分、即ち、遊技パネル部21,22の下方には、左右方向に延びる情報表示部60が設けられている。情報表示部60には、仮想遊技メダルとして貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部61と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部62と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部63とがそれぞれ設けられている。これら表示部61〜63は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
また、情報表示部60の左方には、ボタン状の精算スイッチ56が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルをクレジットメダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、クレジットメダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ56が押圧操作されることで、クレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ56は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルをクレジットメダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ56に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加しても良い。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)56は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押圧操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ56がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ56がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ56は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
また、下扉14には、情報表示部60の下方にスロットマシン手前側に張り出すようにしてテーブル部40が一体成形されている。テーブル部40は、手前側の縁部が弧状をなす形状をしており、両端が下扉14の左右両端側に位置する。また、テーブル部40の上面は、平坦で且つ手前側に向けて下方に傾斜している。さらに、テーブル部40と下扉14との接続部分の下側は下方に膨らんだ曲線状となっており、テーブル部40の下面は略四半球形状をなす。テーブル部40は、遊技者により操作される各種操作部材等を配備した操作領域となっており、該テーブル部40の上面には、メダル投入装置41と、ベットスイッチ42,43,44と、スタートスイッチ45と、ストップ操作装置50とが配備されている。
メダル投入装置41はテーブル部40の上面右側に設けられており、該メダル投入装置41の投入口より投資価値としてのメダルが1枚ずつ投入される。メダル投入装置41は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入装置41が遊技者によるメダルの直接投入という動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入装置41から投入されたメダルは、下扉14の背面に設けられた通路切換手段に送られる。すなわち、下扉14の背面には、通路切換手段としてのセレクタ91が設けられており、メダル投入装置41から投入されたメダルは、セレクタ91によって貯留用通路92か払出用通路93のいずれかに導かれる(図4参照)。セレクタ91にはメダル通路切換ソレノイドが設けられており、そのメダル通路切換ソレノイドの非励磁時にはメダル通路が払出用通路93側とされ、励磁時には貯留用通路92側に切り換えられる。この場合、貯留用通路92に導かれたメダルは、後述するホッパ装置110へと導かれる。一方、払出用通路93に導かれたメダルは、下扉14に設けられたメダル払出口72からメダル受皿71へと導かれ、遊技者に返却される。
ベットスイッチ42〜44はテーブル部40の上面左側に設けられており、各ベットスイッチ42〜44の押し操作によって、クレジット(仮想記憶)された仮想メダルが所定ベット数分ずつ投入される。この場合、ベットスイッチ42が押し操作されることで仮想メダルが一度に3枚投入され、ベットスイッチ43が押し操作されることで仮想メダルが一度に2枚投入され、ベットスイッチ44が押し操作されることで仮想メダルが一度に1枚投入される。以下、ベットスイッチ42をMAXベットスイッチ、ベットスイッチ43を2ベットスイッチ、ベットスイッチ44を1ベットスイッチとも言う。本実施の形態では、MAXベットスイッチ42を比較的大きなボタン状に設け、他のベットスイッチ43,44を比較的小さなボタン状に設けている。ベットスイッチ43,44は、2つ合わせて円形状となるよう半円形状で各々設けられている。各ベットスイッチ42〜44は前記メダル投入装置41とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入装置41が遊技者によるメダルの直接投入という動作を伴うのに対し各ベットスイッチ42〜44はクレジットに基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、MAXベットスイッチ42には、1遊技回につき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、MAXベットスイッチ42のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ42の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートスイッチ45は、テーブル部40の上面左側においてMAXベットスイッチ42よりも手前側に設けられており、概ねMAXベットスイッチ42と同形状をなす構成となっている。このスタートスイッチ45は、後述するリール装置の各リール(回転体)を回転始動させるための操作部材であり、各リールを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。
ストップ操作装置50は、テーブル部40の奥側のほぼ中央位置に設置されており、スロットマシン10の左右方向に延びる基台部51と、3つのストップスイッチ52,53,54とよりなる。基台部51は、テーブル部40上面から上方へと起立しており、情報表示部60と正面視で前後方向に重なった構成となっている。但し、基台部51の上端は、情報表示部60の上端よりも低くなっている。また、基台部51は、その前面51aが手前側に向けて下方に傾斜した傾斜面となっているのに対して、後面51bは奥側に向けて下方に傾斜した傾斜面となっている。そして、前面51a及び後面51bの上端部は近接した構成となっている。また、基台部51の左右方向の長さは、3個のストップスイッチ52〜54を近接させて左右方向に並べた程度の長さとなっており、その左右の両側面51c,51dは、外側に向けて下方に傾斜した傾斜面となっている。基台部51がテーブル部40の左右方向の全体に渡って設けられていないことにより、テーブル部40の上面における基台部51の左右両側には、上述したメダル投入装置41やベットスイッチ42〜44を配置するための領域が確保されている。
基台部51の前面51aにはストップスイッチ52,53,54が配設されている。各ストップスイッチ52〜54は、停止対象となるリール(左、中、右の三列のリール)に対応するよう横並びで設けられており、回転中の各リールを個別に停止させるために操作される停止操作部材を構成する。そして、基台部51の前面が斜め上方を向くように傾斜面として形成されていることにより、ストップスイッチ52〜54は若干上向きとなっている。各ストップスイッチ52〜54は、各リールが定速回転となると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。なお、テーブル部40におけるストップ操作装置50の手前側は、下方へと傾斜する平坦面となっている。これにより、テーブル部40に手や腕をついた状態でストップスイッチ52〜54等の各種操作部材を操作することができる。
テーブル部40上面から上方へと起立した基台部51にストップスイッチ52〜54が配設されていることにより、ストップスイッチ52〜54の位置をスタートスイッチ45といった他の操作部材よりも上方にすることができる。後に詳しく説明するが、本スロットマシン10では、大型の液晶表示装置を設けるべく遊技パネル部21の拡張が図られていることにより、操作領域の位置が従来機よりも下方となっている(図26参照)。この場合に、本構成であれば、ストップスイッチ52〜54の位置が極端に下方となるのを防止することができる。さらには、上記の通りストップスイッチ52〜54が若干上向きに設けられているため、ストップスイッチ52〜54の位置が従来よりも下方に位置する構成において、当該ストップスイッチ52〜54の操作性を良好なものとすることができる。ストップスイッチ52〜54の押圧操作を良好に行うことができる場合とは、腕を曲げ手を上方に持ってきた状態から直線的に手を移動させることでストップスイッチ52〜54を押圧操作することができる場合である。そして、従来機においては、腕を曲げ手を上方へと持ち上げた状態から手を略水平方向に直線的に移動させることにより、ストップスイッチ52〜54の押圧操作をすることができた。これに対して、ストップスイッチ52〜54の位置が従来機よりも下方となる構成においては、ストップスイッチ52〜54が斜め上方を向く構成とすることにより、手を従来よりも斜め下方に直線的に移動させることで、ストップスイッチ52〜54を押圧操作することができる。
また、基台部51と情報表示部60とが前後方向に重なる構成であることにより、前面扉12の前面という限られた領域を有効活用することができる。これにより、ストップスイッチ52〜54を含めた各種操作部材の位置が下方となるのを極力抑えつつ、遊技パネル部21の拡張を行うことができる。なお、情報表示部60が基台部51と前後方向に重なっていることにより、図2等の正面図で見ると、情報表示部60が見にくくなっているが、実際には、基台部51の後面51bが傾斜面となっており、かつ通常の遊技状態において遊技者は情報表示部60を斜め上方から見るため、情報表示部60が見づらいことはなく、視認し易さが確保されている。
さらには、遊技者がストップスイッチ52〜54を押圧操作する際には、一般的に右手又は左手の親指で当該ストップスイッチ52〜54が押される。この場合、基台部51の前面51a及び後面51bの上端部がほぼ重複しており、さらに後面51bが奥側に向けて下方に傾斜していることから、親指以外の指を基台部51の後面51bに回したり、基台部51の後面51bを積極的に指掛け部として利用したりすることができる。
図2に示すように、テーブル部40の下部(メダル投入装置41の下方)には、ボタン状の返却スイッチ65が設けられている。返却スイッチ65は、メダル投入装置41に投入されたメダルがセレクタ91内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチ65が押されることによりセレクタ91が機械的に連動して動作され、当該セレクタ91内に詰まったメダルが後述するメダル払出口72より返却されるようになっている。また、テーブル部40の手前側頂部付近には、テーブルランプ部66が設置されている。
テーブル部40の下方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下部プレート67が装着され、更にその下方にはメダル受皿71が設けられている。メダル受皿71には、メダル払出口72を介してスロットマシン内部のホッパ装置110等からメダルが排出される。メダル払出口72の左右にはスピーカ部73が設けられている。また、メダル受皿71の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿75が設けられている。
下扉14の前面には、上扉13の囲い部25に連続するような造形が施されており、メダル受皿71及び灰皿75の上方左右両側は側壁部76,77となっている。このうち、右側の側壁部77には切欠部78が設けられている。例えば、スロットマシン10の側方(本実施の形態では右側)にメダル貸出装置が設置され、該メダル貸出装置からメダル供給ノズル等が延出される場合、切欠部78にメダル供給ノズルが配され、このノズルを介してメダル受皿71にメダルが貸出供給される。これにより、遊技に際しノズルが邪魔になる、貸出メダルがこぼれ落ちる等の不都合が解消される。
下扉14の右端側にはその背後に貫通するキー孔80が設けられており、そのキー孔80には扉背面側からキーシリンダ655が設けられている。このキーシリンダ655は、前面扉12(上扉13及び下扉14)を開放するために操作される施錠装置を構成するものである。但し、施錠装置の詳細は後述する。
また、本スロットマシン10は、図5に示すように、上扉13の背後にリールユニット400が結合される構成となっており、上扉13とリールユニット400とを1つの結合ユニットとして当該ユニットを筐体11側より分離させることができるようになっている。その詳細は後述する。
(筐体11の内部構造)
次に、スロットマシン10の内部構造について説明する。先ずは、筐体11の内部構造について図6,図7を用いて説明する。図6は、筐体11の内部構造を示す斜視図、図7は同内部構造を示す正面図である。
図6及び図7に示すように、筐体11の内部において下側左隅部には電源ボックス100が設けられている。電源ボックス100は、各種電気装置や制御装置等に電源を供給するための電源装置であり、起動スイッチである電源スイッチや、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットスイッチや、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うための設定キー挿入孔などを備えている。つまり、本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。この場合、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチを押しながら電源スイッチをオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチがオンされている状態でリセットスイッチを押した場合には、エラー状態がリセットされる。また、ホール管理者等が設定キー挿入孔へ設定キーを挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
電源ボックス100の右側には、メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置110が設置されている。ここで、ホッパ装置110の構成について図7〜図12を用いて詳細に説明する。図8はホッパ装置110の構成を示す斜視図であり、図9はホッパ装置110の構成を示す平面図であり、図10はホッパ装置110の構成を示す右側面図であり、図11はホッパ装置110の一部を分解して示す分解斜視図であり、図12は図9のA―A線断面図である。なお、図9においては、ホッパ装置110と補助タンク140との位置関係を示すべく、補助タンク140を二点鎖線で示す。また、図12においては、便宜上、ホッパ装置110の駆動機構を簡略に示す。
ホッパ装置110は、多数枚のメダルを貯留可能な貯留タンク111と、貯留タンク111内のメダルを順次払い出す払出装置120とより構成されている。払出装置120は、当該払出装置120の外郭を形成するハウジング121を備えている。そして、ハウジング121は、払出装置120の底部を成す平板状の下部プレート121aを備えている。下部プレート121aは、筐体11の底板11b上に設置され、さらに底板11b上に左右一対として設けられたレール16により前後方向にスライド可能な状態で支持されている。なお、このようにホッパ装置110をレール16によりスライド可能な状態で支持する構成とすることで、ホッパ装置110に故障などが発生した場合には当該ホッパ装置110を筐体11から容易に取り出すことができる。従って、ホッパ装置110を底板11b上に支持させることと、ホッパ装置110のメンテナンス性の向上させることとの両立が図られている。
また、ハウジング121内には、駆動モータ123が収容されている。そして、駆動モータ123の出力軸は、ハウジング121を構成する下方に傾斜したベース板122から外側へと突出し、ベース板122上に回転可能に支持された回転ディスク124の駆動受け124dに固定されている。回転ディスク124は、ベース板122に沿うようにして円形状の底部124aを有しており、その外周には該底部124aから起立した一連の周囲壁124bが一体形成されている。そして、駆動モータ123が駆動することで、回転ディスク124は駆動受け124dを軸中心としてベース板122上で回転することとなる。
また、ハウジング121には、貯留タンク111が取り付けられている。貯留タンク111は、ハウジング121の上部121b及びベース板122に当接されており、上部121bに対しては貯留タンク111の上端をなす固定壁118がネジ止めされ、ベース板122に対しては貯留タンク111に一体形成されている返し部111aが固定板128,129により固定されている。この場合に、返し部111aはベース板122の外縁から外側に突出しており、図12に示すように、下側の返し部111aは下部プレート121aに形成された切欠部130内に収容されている。貯留タンク111は、上記のように払出装置120のハウジング121に片持ち支持されており、ハウジング121のベース板122から横方向に大きく張り出している。また、貯留タンク111の底部111bは、払出装置120側から右方(後述する、補助タンク140側)に向けて上方に傾斜するように形成されている(図7等参照)。
貯留タンク111は、合成樹脂製であり、隔壁119により貯留部113と導出部114とに区画されている(図12参照)。貯留部113は、上方に開放されており、所定の深さを有している。従って、貯留部113には多数枚のメダルを貯留することができる。また、その内面113aは、上面開口部112の外縁から中央付近に向けて下方に傾斜している。そして、この中央付近には、導出部114の入口114aが位置している。従って、貯留部113の内面113a上に位置するメダルは、自然と導出部114へと流入していくこととなる。
導出部114は、非貯留部側の端部に円形に開口された出口側端部114bが設けられており、ベース板122上に位置する回転ディスク124の周囲壁124bは、出口側端部114bに包囲されている。この場合に、出口側端部114bの内径が周囲壁124bの外径よりも若干長い構成であることにより、導出部114の出口側端部114bの内壁は、周囲壁124bの外壁と近接している。そして、貯留タンク111の底部111bがベース板122に向けて下方に傾斜しているのに伴って、導出部114の底面114cがベース板122に向けて下方に傾斜していることにより、貯留部113から導出部114へと流入してきたメダルは、回転ディスク124に向けて流下していくこととなる。なお、隔壁119は、導出部114の上側壁部を構成しており、さらに貯留部113側の面が貯留部113の内面113aを構成している。
ここで、本実施の形態では、貯留タンク111の上端を払出装置120の上端と同じ高さとすることで、ホッパ装置110の背の高さを従来のスロットマシンよりも低くしている。そして、これに伴って、図12の部分拡大図に示すように、回転ディスク124における上側の周囲壁124bの一部(以下、突出部Wとする)が、貯留部113の内面113aよりも上方に突き出たような構成となっている。そこで、貯留部113の外面における突出部Wに重なる部分を貯留部113内側に凹ませることで内面113aから膨出した膨出部115が形成されており、当該膨出部115により突出部Wが覆われている。
膨出部115は、内面113aから上方に膨らんだドーム状となっており、その右側面115aが回転ディスク124の開口部の傾斜に沿うようにして傾斜しており、その左側面115bは周囲壁124bの曲面に沿うようにして外側へと膨らんだ曲面となっている。この場合において、この左側面115bは内面113aの傾斜に対して上流側に向けて凸となっており、さらに膨出部115により貯留部113が区画されないよう当該膨出部115の前後両側に位置する内面113aは少なくとも一枚のメダルが流下できる程度の広さが確保されている。具体的には、膨出部115の手前側には、2枚のメダルが流下できる程度の広さが確保されており、膨出部115の奥側には、4枚のメダルが流下できる程度の広さが確保されている。これにより、膨出部115よりも上方に貯留されたメダルが膨出部115上に留まることなく、スムーズに流下できる構成となっている。また、膨出部115の上端は、貯留部113の上端よりも下方に位置している。
上記のように、膨出部115が形成され、該膨出部115内に突出部Wが収容されている構成とすることにより、貯留タンク111の容量を確保した状態で、貯留タンク111の上端を払出装置120の上端とほぼ同じ高さとすることができる。例えば、貯留タンク111に膨出部115が設けられていない構成において貯留タンク111の上端を払出装置120の上端と同じ高さにしようとすると、回転ディスク124における上記突出部Wに対応する部位が貯留タンク111に接触してしまうため、貯留タンク111の大きさを小さくしたり、払出装置120に対する貯留タンク111の位置を本実施の形態よりも上方にしたりしなければならないからである。
貯留タンク111の導出部114を流下してきたメダルは、回転ディスク124の底部124a上に位置することとなる。底部124aには、図11に示すように、複数(本実施の形態では、8個)のメダル収容孔124cが周方向に均等に形成されている。このメダル収容孔124cには底部124a上に位置するメダルが収容されることとなる。そして、上述したように、駆動モータ123が駆動することで回転ディスク124が回転し、この回転力によりメダル収容孔124cに収容されているメダルが所定の位置から回転ディスク124外へと排出される。この場合に、回転ディスク124よりも手前側であってベース板122の上部には、メダル払出口127が設けられている。そして、回転ディスク124外へと排出されたメダルは、周知の構成によりメダル払出口127へと送り出され、当該メダル払出口127から払い出されることとなる。なお、このメダル払出口127から払い出されたメダルは、図4等に示す開口94から払出用通路93に入り、メダル払出口72を介してメダル受皿71へと払い出される。
ここで、上述したとおり、本実施の形態では、ベース板122が下方に傾斜した構成となっている。これにより、回転ディスク124の底部124a上にかかるメダルの重量を極力減少させることができ、さらにメダル払出口127の位置を極力上方にすることができる。例えば、ベース板122が水平方向に設けられている構成においては、貯留タンク111に貯留されているメダルの重量がすべて回転ディスク124の底部124a上にかかることとなり、回転ディスク124の駆動負荷が増大し、さらに回転ディスク124の故障などが懸念される。また、この場合、メダル払出口127の位置が本実施の形態よりも下方となってしまい、当該払出装置120側のメダル払出口127と下扉14のメダル払出口72との間の距離が短くなる。そして、これに伴って、払出用通路93の長さも短くなってしまうため、メダル受皿71上に多数のメダルが貯留されている状況下でメダルの払い出しが行われると、払出用通路93内や払出装置120内でメダルが詰まってしまうおそれがある。なお、ベース板122を鉛直方向に設ける構成も考えられるが、この場合、貯留タンク111から流下してきたメダルが回転ディスク124上に到達し難くなり、メダルの払い出しが最適に行えなくなってしまう。
貯留タンク111の説明に戻り、貯留タンク111の貯留部113には、その右壁部113bと前壁部113cとのコーナー部分に内側へと凹んだ凹部116が形成されている。凹部116は、貯留部113の右壁部113bから内側へとオフセットされた第1壁部116bと、貯留部113の前壁部113cから内側へとオフセットされ第1壁部116bと直交する第2壁部116cとから構成されている。凹部116の第1壁部116bには、メダル排出口116aが形成されており、当該メダル排出口116aには誘導プレート117が取り付けられている。誘導プレート117は、例えば、アルミなどといった金属製であり、平板状の底部117aと該底部117aの手前側端部から上方へと延びる側部117bとから構成されている。そして、底部117aが外側に向けて下方に傾斜した状態で、側部117bが前壁部113cの内壁にネジ止めされている。なお、誘導プレート117は、貯留部113の内面113aから上方に離間されているので、誘導プレート117と内面113aとの間にはメダルを貯留することができる空間が確保されている。
上記のようにメダル排出口116a及び誘導プレート117が設けられていることにより、貯留タンク111に多数のメダルが貯まり、その高さが誘導プレート117の設けられた高さ以上になると、かかる余剰メダルが誘導プレート117の底部117a上を滑り落ち、メダル排出口116aを介して貯留タンク111外へと排出されるようになっている。そして、この誘導プレート117から排出されるメダルは、ホッパ装置110の横に設けられている補助タンク140内に収容されることとなる。
補助タンク140は、底板11b上における右隅に載置されており、その上面開口部140aは前後方向が長手方向となった長方形状をしている。また、補助タンク140の上面開口部140aは、貯留タンク111の右壁部113aと平面視で重なった構成となっている。これにより、貯留タンク111の左右方向への拡張が図られ、貯留タンク111の容量が極力大きく確保されている。この場合に、補助タンク140へのメダル出口としてのメダル排出口116aは凹部116の第1壁部116bに形成されており、誘導プレート117の外側端部は補助タンク140の上面開口部140aの上方であって当該補助タンク140の左右方向の中央よりも貯留タンク111側に位置している。さらに、誘導プレート117の側部117bには、奥側へと折り曲げられた案内部117cが形成されている。従って、誘導プレート117の底部117a上を滑り落ちてきたメダルは、補助タンク140の中央側に向けて排出されることとなる。よって、貯留タンク111の左右方向の拡張が図られている本構成において、補助タンク140へのメダルの排出を最適に行うことができる。
当該スロットマシン10において遊技が行われることにより、貯留タンク111には、メダル投入装置41から投入されたメダルが貯留用通路92を介して導かれる。また、後述するように、リールの回転停止時において、表示窓23を通じて視認される停止図柄が規定の図柄に合致すれば、払出装置120の駆動モータが通電されることにより回転ディスク124が回転し、払出用通路93を介してメダル払出口72からメダル受け皿71へとメダルが払い出されることとなる。また、継続して遊技が行われている過程で、メダル投入装置41からのメダルの投入が繰り返し行われ貯留タンク111内に所定量以上のメダルが投入されると、メダル排出口116a及び誘導プレート117を介して貯留タンク111から補助タンク140へとメダルが移されることとなる。
筐体11の左側板11dには、下扉14を開閉可能に支持するための扉支持金具131が取り付けられている。扉支持金具131には、上下2カ所に支軸132,133が設けられており、各支軸132,133には上方に延びる先細り形状の軸部がそれぞれ設けられている。また、筐体11の右側板11eには、下扉14を閉鎖状態で保持するための鉤受け部135が取り付けられている。
筐体11の左右両方の側板11d,11eには、後述するリールユニット400を搭載するための金属製の支持レール部材151,152が左右同じ高さで固定されている。各支持レール部材151,152は何れも同じ構造を有するものであるが、図6を用いて左側の支持レール部材151について説明すると、同支持レール部材151は、筐体11dへの取付部となる取付板部の他に、前後方向に水平に延びる水平部151aと、該水平部151aよりも前側で下方に鉛直に折り曲げられた折曲部151bと、水平部151aよりも後側で斜め下方に折り曲げられた後方傾斜部151cとを有する。折曲部151bには、手前側に延びるようにして先細り形状の突起151dが設けられている。なお、右側の支持レール部材152も同様に、水平部152a、折曲部152b、後方傾斜部152c、突起152dを有する。
筐体11の左側板11dには、そのほぼ中央位置に中継基板155が設けられている。また、筐体11の左側板11d及び右側板11eにはロック金具156,157が取り付けられており、このロック金具156,157によって、筐体11に着脱自在に組み付けられる、後述するリールユニット400が装着状態で固定されるようになっている。
更に、筐体11の背板11cの上部には、ウーハ装置(低音域再生用スピーカ)158が取り付けられている。この場合、ウーハ装置158はウーハユニットとして予め別途作製されたものであり、同ウーハ装置158が完成状態でそのまま筐体11の背板11cに取り付けられるようになっている。つまり、ウーハ設備取り付けのために、筐体11に仕切板等によりウーハ室を形成しておくことなどが不要となる。従って、筐体11単体の運搬時等の取り扱いが容易となる、ウーハ装置の取付作業が容易となる等のメリットが得られる。
(リールユニット400全体の説明)
次に、上扉13と一体化されるリールユニット400の構造について説明する。図13はリールユニット400を斜め上方から見た斜視図、図14はリールユニット400を斜め下方から見た斜視図、図15はリールユニット400の正面図、図16はリールユニット400の側面図、図17はリールユニット400の背面図、図18はリールユニット400を主要構成部品毎に分解して示す分解斜視図である。なお、リールユニット400を構成する3列のリールの外周には、複数の図柄を付したベルトが巻回されるが、図13等にはベルトを巻回していない状態を示している。
リールユニット400は、大別して、樹脂製のベースフレーム401と、同ベースフレーム401の左右両側に組み付けられる金属製の支持金具402,403と、同ベースフレーム401に組み付けられる金属製の上側仕切板404及び下側仕切板405と、これら各仕切板404,405の間に配設されるリール装置406と、主基板ユニット200とを備える。以下、各構成部品を個々に詳しく説明する。
(ベースフレーム401の説明)
先ずは、ベースフレーム401の単体構成を図19を用いて説明する。ベースフレーム401は、例えばABS等の合成樹脂により一体成形されており、大別して左枠部411、右枠部412、上枠部413及び背面枠部414よりなる。この場合、ベースフレーム401を樹脂製一体成形品とすることで、製造が容易となる、リールユニット400としての軽量化が図れる等のメリットが得られる。
左枠部411と右枠部412は概ね対称形状を有しており、背面枠部414との連結部として、左枠部411には中央連結部415と下連結部416とが形成され、右枠部412には中央連結部417と下連結部418とが形成されている。下連結部416,418は、リールユニット400を筐体11に組み付ける際において当該筐体11の支持レール部材151,152(図7参照)上に搭載される被搭載部でもあり、その下面は前後方向に延びるようにして平坦面とされている。また、下連結部416,418の後端部分は一部が下方に突出しており、当該部分がリールユニット400を筐体側に装着する際に用いる滑り部416a,418aとなっている。滑り部416a,418aは、ベースフレーム401の底部より下方に突出し、その外形線が曲線状(R形状)をなすよう形成されている。
上枠部413には、図17(リールユニット400の背面図)に見られるように、多数の補強リブ421が設けられており、その補強リブ421を設けた部分が格子状の補強バー部422となっている。補強バー部422の後方には複数箇所(図では3カ所)に開口部423が形成されており、補強バー部422を手で掴み、指を開口部423に通すことで、ベースフレーム401(リールユニット400)を容易に持ち上げることができるようになっている。また、補強バー部422の前端部には、返し部424が形成されている。リールユニット400を筐体11に組み付けた際、返し部424が筐体11の天板11aの前縁部に重なるようになっている(図4参照)。これにより、筐体11と上扉13との隙間から針金やフィルム等を侵入させようとしてもそれが阻止でき、不正行為の防止が図られている。
背面枠部414は、図16(リールユニット400の側面図)に見られるように、上背面部431と下背面部432とで2段に形成されており、上背面部431は、概ね平面形状、下背面部432は、上背面部431に対して後方に膨出するような形状となっている。下背面部432は、側方から見て上部と下部とが略四半円状をなしている。この場合、上背面部431よりも前方の空間は主基板ユニット200の設置領域となり、下背面部432よりも前方の空間はリール装置406の設置領域となる。背面枠部414の最下部には、内側に突出するようにして3カ所に突起部433が設けられている。
上記の如く背面枠部414が段差状に形成されることで、下背面部432の前方領域においてリール装置406の設置領域が十分に確保できる。故に、リール装置406が無理なく収容できる。また、リールユニット400を筐体11に装着した状態では上背面部431の後方に空間が形成され、その空間にウーハ装置158が設置されるようになっている。
背面枠部414の下面隅部において、左枠部411と右枠部412に設けた滑り部416a,418aよりも内側には、該滑り部416a,418aと同様、下方に突出するようにしてガイドリブ435,436が設けられている(図14参照)。ガイドリブ435,436は、ベースフレーム401の奥行き位置が前記滑り部416a,418aとほぼ同じであり、左右両枠部411,412の下連結部416,418の外面に対して、筐体11に固定した支持レール部材151,152の幅分だけ内側の位置に設けられている。なおガイドリブは、左右の何れか一方にのみ設ける構成であっても良い。
ベースフレーム401の上記構成によれば、リールユニット400を筐体11に組み付ける際、下連結部416,418の滑り部416a,418aが筐体11側の支持レール部材151,152に接触しながらリールユニット400が前方又は後方にスライド移動される。図20は、リールユニット400を側方から見た状態でのユニット組み付け時の様子を示す概略図である。但し図20には、ベースフレーム401の左側の構成に対応する部材番号を付している。同図に示す符号465は、下側仕切板405の前縁部に設けられる折曲部であり(図24参照)、その折曲部465には、支持レール部材151の突起151dに係合する係合孔が形成されている(下側仕切板405の詳細については後述する)。
図20の(a)に示すように、リールユニット400の装着時には、ベースフレーム401の滑り部416aを支持レール部材151の水平部151a上に載せた状態で、手前側を僅かに持ち上げるようにしてリールユニット400を筐体奥側(図の右方)に押し込む。この押し込みにより、支持レール部材151上を滑り部416aが滑るようにしてリールユニット400が移動する。このとき、滑り部416aがベースフレーム401の背面寄りに設けられているために、いち早くリールユニット400の重さを筐体11側に預けることができる。また、滑り部416aは外形線が曲線状(R形状)をなしていることから、リールユニット400の傾きの状態にかかわらず滑り部416aと支持レール部材151の水平部151aとは常に同じ状態で接触する。従って、リールユニット400の傾きの状態にかかわらず滑り部416aの接触部には常に同じ摩擦抵抗を付与することができる。
そして、図20の(b)に示すように、滑り部416aが支持レール部材151の後方傾斜部151cまで至ると、該滑り部416aが後方傾斜部151cに誘導されてはまり込み、リールユニット400が所定位置に装着される。このとき、後方傾斜部151cが設けられていないと、リールユニット400は急に落ち込んで衝撃を受けるが、本実施の形態の構成によれば、リールユニット400は後方傾斜部151cに沿って斜め下方に移動するため、衝撃を受ける等の不都合は生じない。また、リールユニット400の装着完了状態では、滑り部416aが後方傾斜部151cにはまり込んでいるため、同リールユニット400が手前側に滑ってくるといった不都合も生じない。
一方、リールユニット400を離脱させる際には、装着状態からリールユニット400を手前側に引き寄せることで、滑り部416aを後方傾斜部151cに沿って水平部151aまで持ち上げる。このとき、滑り部416aが後方傾斜部151cに誘導されるため、引き寄せは比較的容易である。そして、滑り部416aを水平部151a上で滑らせるようにしてリールユニット400を筐体手前側に引き寄せる。これにより、リールユニット400の離脱が完了する。
図21は、筐体11に対するリールユニット400の組み付け時の様子を斜め下方から見た一部破断斜視図である。この図21に示すように、リールユニット400の組み付け時には、支持レール部材151の内側端部が、背面枠部414の下隅部に設けたガイドリブ435に当たり、これによりリールユニット400がガイドされる。従って、リールユニット400が筐体11に対して斜めに挿入されるといった不都合が規制されるようになっている(便宜上図示は省略するが、右側のガイドリブ436も同等に機能する)。
ここで、ガイドリブ435,436の先端部は、滑り部416a,418aよりも下方に突出する構成となっている。従って、ユニット交換時等にリールユニット400を床等に置いた場合には、滑り部416a,418aではなくガイドリブ435,436の先端部が床等に当たることとなる。これにより、滑り部416a,418aの表面が傷ついて滑り具合が悪くなったり、滑り部416a,418aが破損したりする等の不具合が防止できる。つまり、ガイドリブ435,436は、滑り部部416a,418aの保護機能を併せ有している。
(支持金具402,403の説明)
次に、支持金具402,403の構成を説明する。この支持金具402,403は、上扉13の取付具としての機能と、ベースフレーム401の補強材としての機能とを有するものである。
図15に示すように、支持金具402は長尺状をなしており、該支持金具402には上下2カ所に支軸441,442が設けられている。支持金具402の長さはベースフレーム401の左枠部411の長さとほぼ同じである。各支軸441,442には上方に延びる先細り形状の軸部がそれぞれ設けられている。支持金具402は、ベースフレーム401の左枠部411に組み付けられ、ビス等の締結具(図示略)により固定される。支持金具402をベースフレーム401に固定した状態で支持金具402に上扉13が支持されることにより、上扉13がベースフレーム401(リールユニット400)に対して開閉可能な状態とされる。
また、支持金具403も同じく長尺状をなしており、該支持金具403には3つの鉤受け部444,445,446が設けられている。支持金具403は、ベースフレーム401の右枠部411に組み付けられ、ビス等の締結具(図示略)により固定される。支持金具403をベースフレーム401に固定した状態では、支持金具403により、ベースフレーム401(リールユニット400)に開閉可能に支持された上扉13が閉鎖状態で保持されるようになっている。
図22は、上扉13をリールユニット400に装着した状態の正面図である。同図に示すように、上扉13の上下方向の長さはベースフレーム401の上下方向の長さよりも短く、上扉13をリールユニット400に装着した状態では、リールユニット400の一部が上扉13の下方に露出する。この場合、支持金具403に設けた3つの鉤受け部444〜446のうち、上2つの鉤受け部444,445が上扉13を閉鎖状態に保持する部材として機能する。なお、最下の鉤受け部446は、筐体11側に設けた鉤受け部135(図7参照)と共に下扉14を閉鎖状態に保持する部材として機能する。
また、支持金具402の上部にはフック金具443が取り付けられている。このフック金具443は、筐体11の左側板11dに設けたロック金具156に掛止され、筐体11に装着した状態でリールユニット400を固定するものであり、ロック金具156と共にユニット固定手段を構成する。右側の支持金具403にも同様のフック金具が取り付けられているが図示は省略している。支持金具403のフック金具は筐体11の右側板11eに設けたロック金具157に掛止され、前記フック金具443と同様、筐体11に装着した状態でリールユニット400を固定するものである(これらも同様にユニット固定手段を構成する)。
(上側仕切板404、下側仕切板405の説明)
次に、上側仕切板404と下側仕切板405の構成を図23と図24を用いて説明する。図23に示すように、上側仕切板404は、長板状のベース部451を有しており、そのベース部451上にはリール駆動用の回路基板452が搭載されている。なお、回路基板452上には、リール装置406(後述する3つのリール471〜473)から延びる電気配線を束ねるためのクランプ部456が設けられている。また、ベース部451の左右両側は直角に折り曲げ形成されており、ベースフレーム401に対する取付部453,454となっている。この取付部453,454がネジ等の締結具によりベースフレーム401の中央連結部415,417に組み付けられることで、上側仕切板404がベースフレーム401に取り付けられるようになっている。ベース部451の前側縁部は取付部453,454の前端部よりも後退して設けられている。ベース部451の前側縁部は直角に折り曲げ形成されており、これが上側リール支持部455となっている。上側リール支持部455には、ねじ孔455aが2つずつ3カ所に形成されている。
また、図24に示すように、下側仕切板405は、左右方向に延びる長板状のベース部461を有している。ベース部461の左右両側と後側はそれぞれ直角に折り曲げ形成されており、ベースフレーム401に対する取付部462,463,464となっている。左右の取付部462,463がネジ等の締結具によりベースフレーム401の下連結部416,418に組み付けられることで、下側仕切板405がベースフレーム401に取り付けられるようになっている。また、後側の取付部464には、ベースフレーム401の背面枠部414に設けた突起部433に係合する係合孔464aが形成されている。
ベース部461の前側縁部には、左右両側に下方に折り曲げた折曲部465,466が形成されており、その折曲部465,466には、筐体11に固定した支持レール部材151,152の突起151d,152dに係合する係合孔465a,466aが形成されている。また、ベース部461の前側端部における両折曲部465,466の間は、当該折曲部465,466よりも後退するように後退部468が設けられている。但し、ベース部461上にリール装置406を安定した状態で支持するために、後退部468とベース部461の奥側端部との間には所定の領域が確保されている。具体的には、後退部468は後述するリール装置406の各リール471〜473の中心よりも前方に位置している。後退部468は、左右方向に延び且つ直線状となっており、ベース部461の前側端部における貯留タンク111の上方に位置する部位の全体に渡って延設されている。また、後退部468には、下方へと延出した下側リール支持部467が折り曲げ形成されている。下側リール支持部467には、2つで1組の前後方向に貫通したねじ孔467aが所定の間隔を置いて左右方向に3組形成されている。このねじ孔467aは、リール装置406を下側仕切板405に取り付ける際に使用されることとなる。この点については、後に詳細に説明する。
また、下側仕切板405(ベース部461)の前側縁部に形成された折曲部465,466と下側リール支持部467とを比べると、図16に示すように、下側リール支持部467の方が僅かに長い構成となっている(図16のA)。すなわち、下側リール支持部467の先端部が最下部となるよう構成されている。この場合、折曲部465,466は、筐体11に対してリールユニット400を位置決めし、更にリールユニット400を固定するために重要な構成であり、ユニット交換時等にリールユニット400を床等に置いた場合にも変形したり、破損したりしないようにする必要があるが、上記の如く下側リール支持部467の先端部が最下部となる構成とすることにより、リールユニット400を不用意に床等に置いた場合にも折曲部465,466の変形や破損等を防止することができる。
(リール装置406の説明)
次に、リール装置406の構成を図25と図26を用いて説明する。図25に示すように、リール装置406は、左、中、右の3つのリール471〜473(左リール471,中リール472,右リール473)を備えて構成されており、これらにより可変表示手段を構成する。なお通常は、外周にフィルム状のベルトを巻回した状態のものをリールと称するが、ここではベルトの無い状態でリールを説明する。各リール471〜473は、何れも筐体11の前後方向の長さよりも若干短い程度の直径の円筒状(円環状)にそれぞれ形成されており、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール471〜473にはそれぞれステッピングモータが連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール471〜473が個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。モータ駆動系を含め各リール471〜473は全く同一の構成を有するものであり、ここでは図26を用い、左リール471を例に挙げてその構成を説明する。
図26に示すように、リール471は、円筒状(断面、真円状)のかごを形成する円筒骨格部材であり、その外周面に図示しない帯状のベルトが巻回される構成となっている。リール471の中心部に形成されたボス部には、ステッピングモータ475の駆動軸が取り付けられている。従って、ステッピングモータ475の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心としてリール471が周回するようになっている。
リール471は、金属製のリールプレート476にて回転可能に支持されており、具体的にはリールプレート476のほぼ中央部にステッピングモータ475が固定されている。リールプレート476は垂直に起立する板状をなしており、その上側には上側取付部477が折り曲げ形成され、下側には下側取付部478が折り曲げ形成されている。各取付部477,478には、ねじ孔477a,478aが2つずつ形成されている。上側取付部477は、前記上側仕切板404の上側リール支持部455に対するリール取付部を構成するものであり、上側仕切板404の上側リール支持部455に上側取付部477を重ねた状態で、それら各部のねじ孔455a,477aにビス等の締結具を螺入することにより、上側仕切板404にリール471が取り付けられることとなる。また、下側取付部478は、前記下側仕切板405の下側リール支持部467に対するリール取付部を構成するものであり、下側仕切板405の下側リール支持部467に下側取付部478を重ねた状態で、それら各部のねじ孔467a,478aにビス等の締結具を螺入することにより、下側仕切板405にリール471が取り付けられることとなる。
また、リール471の内周側には、リール外周側に向けて発光するバックライト装置479が配置されている。
図示は省略するが、リールプレート476には、発光素子と受光素子とが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)が設けられている。また、リール471のボス部には、リール回転時において前記リールインデックスセンサの発光素子と受光素子との間を通過可能なセンサカットバンが設けられている。これにより、リール471が1回転するごとにセンサカットバンの先端部がリールインデックスセンサの発光素子と受光素子との間を通過し、その通過をリールインデックスセンサが検出する。そして、その検出信号が、後述する主制御装置201に出力され、主制御装置201はこの検出信号に基づいてリール471の角度位置を1回転ごとに検知する。
ステッピングモータ475は例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ475の回転位置、すなわちリール471の回転位置が制御される。ここで、リール471のベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。ベルトの長辺方向(周回方向)に21個の図柄が付されている場合、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。この場合、リールインデックスセンサの検出信号が出力された時点からのパルス数により、リール471の回転位置が検出され、その結果からリール471の回転位置制御が行われるようになっている。なお、リール471は、その直径が筐体11の前後方向の長さよりも若干短い程度の比較的大きなものとなっている。これにより、各リール471〜473に比較的大きい図柄を多数設定することができる。従って、図柄の視認性の向上を図りつつ、停止図柄の組合せの数を多様に設定することができる。
他のリール472,473も同様の構成を有している。図25には各々対応する符号を付してあり、簡単に説明すると、中リール472の中心部にはステッピングモータ481の駆動軸が取り付けられており、同モータ481の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心としてリール472が周回する。リールプレート482は、上側取付部483と下側取付部484とを有している。また、リール472の内周側にはバックライト装置485が配置されている。
また、右リール473の中心部にはステッピングモータ491の駆動軸が取り付けられており、同モータ491の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心としてリール473が周回する。リールプレート492は、上側取付部493と下側取付部494とを有している。また、リール473の内周側にはバックライト装置495が配置されている。
各リール471〜473を、リールユニット400に組み付けた状態を図13〜図15等に示す。この状態において、各リール471〜473は個別に取り外しが可能となっており、1つずつの部品交換が可能となっている。
なお、モータ駆動系を含め各リール471〜473が全く同一の構成を有するため、電気配線は自ずと長めとなるが、その電気配線は束ねられ、上側仕切板404上の回路基板452に設けたクランプ部456により拘束されるようになっている。モータ駆動系を含め各リール471〜473が全く同一の構成を有することにより、設計上、製造上のコストダウンが実現できる。
リールユニット400がスロットマシン10に組み付けられた状態では、各リール471〜473の表面の一部(ベルトの一部)が、上扉13に設けられた表示窓23を通じて視認可能となる。この場合、各リール471〜473が正回転すると、表示窓23を通じて各リール471〜473の表面(ベルトの図柄)は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。各リール471〜473に付された図柄のうち、表示窓23を介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓23の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施の形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール471〜473がすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
(リール図柄の説明)
ここで、各リール471〜473に付される図柄について説明する。図27には、各リール471〜473のそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール471〜473にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール471〜473に対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール471〜473に実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。左、中、右の各ベルトには図柄の数や配置順序が全く異なるものとして、上記の各図柄が付されている。
(前面扉12の背面構造)
次に、前面扉12の背面構造を図28と図29を用いて説明する。図28は前面扉12の背面図であり、図29は前面扉12の上扉13と下扉14とを分離させて示す背面図である。
(上扉13の背面構造)
上扉13の背面において、前記遊技パネル部21(図1等参照)の背面側には液晶表示装置600が配設されており、更に液晶表示装置600の背面側には表示制御装置601が配設されている。液晶表示装置600は、例えば15インチ液晶パネル600aと、該液晶パネル600aを駆動する駆動装置600bとにより構成され、液晶パネル600aの表示画像が扉前面側の遊技パネル部21を通じて前方に表示される。表示制御装置601は、液晶表示装置600をはじめ、その他ランプ類やスピーカ類等を駆動する。なお、表示制御装置601は、当該表示制御装置601の上縁が液晶表示装置600の上縁に近接させて配置されており、液晶表示装置600の下部には表示制御装置601が位置しない構成となっている。
また、液晶表示装置600の上方には左右2カ所にスピーカ603,604が配されている。
液晶表示装置600よりも下方には、前述した表示窓23が形成されており、その上方には細長形状の蛍光灯などよりなるフロントライト605が配設されている。符号606は、フロントライト605を駆動するためのフロントライト駆動回路であり、当該ライトのちらつき等を解消するためのインバータ等を含む。
上扉13の背面右端部(扉正面から見ると左端部)には基枠611が固定されており、その基枠611には、前記リールユニット400に取り付けられた支持金具402の支軸441,442に対応して上下2カ所に軸受け金具612,613が設けられている。この軸受け金具612,613には、支軸441,442の軸部を挿入するための挿入孔が形成されている。
上扉13をリールユニット400に組み付ける際、リールユニット400に取り付けた支持金具402の各支軸441,442の上方に上扉13の各軸受け金具612,613を配置した状態で上扉13を降下させる。これにより、各軸受け金具612,613の挿入孔に各支軸441,442の軸部が挿入された状態となり、リールユニット400に対して上扉13が開閉可能に支持される。つまり、上扉13はリールユニット400に対して両支軸441,442を結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によってリールユニット400に対して上扉13が開放又は閉鎖されるようになる。
また、上扉13の背面左端部(扉正面から見ると右端部)には、上下方向に延びる基枠615が固定されており、その基枠615には、当該基枠615に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆616が設けられている。連動杆616には鉤形状をなす上下一対の鉤金具617,618が設けられている。なお、図28,図29では、連動杆616の鉤金具617,618が確認しにくいため、図4の斜視図を参照されたい。図4では、上扉13の開閉端側に上下一対の鉤金具617,618が確認できる。鉤金具617,618は、その中間部分が基枠615側に軸支されており、連動杆616が上方に移動することでその先端鉤部が下方に移動する構成となっている。
上記の如くリールユニット400に対して上扉13を開閉可能に取り付けた状態で、リールユニット400に対して上扉13を閉じると、リールユニット400に取り付けられた支持金具403の鉤受け部444,445に、上扉13の連動杆616に設けられた鉤金具617,618が係合し、上扉13が閉鎖状態で保持される。
(下扉14の背面構造)
下扉14の背面には、前述した通り通路切換手段としてのセレクタ91、貯留用通路92、払出用通路93等が設けられている。また、払出用通路93の左右両側にはスピーカ631,632が設けられている。符号633は、下扉14の前面側に設けた下部プレート67用の照明装置(蛍光灯)を駆動するための照明装置駆動回路であり、当該照明装置のちらつき等を解消するためのインバータ等を含む。
下扉14の背面右端部(扉正面から見ると左端部)には基枠641が固定されており、その基枠641には、前記筐体11に取り付けられた扉支持金具131の支軸132,133に対応して上下2カ所に軸受け金具642,643が設けられている。この軸受け金具642,643には、支軸132,133の軸部を挿入するための挿入孔が形成されている。
下扉14を筐体11に組み付ける際、筐体11に取り付けた扉支持金具131の各支軸132,133の上方に下扉14の各軸受け金具642,643を配置した状態で下扉14を降下させる。これにより、各軸受け金具642,643の挿入孔に各支軸132,133の軸部が挿入された状態となり、筐体11に対して下扉14が開閉可能に支持される。つまり、下扉14は筐体11に対して両支軸132,133を結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11に対して下扉14が開放又は閉鎖されるようになる。
また、下扉14の背面左端部(扉正面から見ると右端部)には、上下方向に延びる基枠645が固定されており、その基枠645には、当該基枠645に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆646が設けられている。連動杆646には鉤形状をなす上下一対の鉤金具647,648が設けられている。なお、図28,図29では、連動杆646の鉤金具647,648が確認しにくいため、図4の斜視図を参照されたい。図4では、下扉14の開閉端側に上下一対の鉤金具647,648が確認できる。鉤金具647,648は、その中間部分が基枠645側に軸支されており、連動杆646が上方に移動することでその先端鉤部が下方に移動する構成となっている。
上記の如く筐体11に対して下扉14を開閉可能に取り付けた状態で、筐体11に対して下扉14を閉じると、リールユニット400に取り付けられた支持金具403の鉤受け部446と筐体11に取り付けられた鉤受け部135とに、下扉14の連動杆646に設けられた鉤金具647,648が係合し、下扉14が閉鎖状態で保持される。
上扉13と下扉14とは、それらの背面左端部(扉正面から見ると右端部)で連結板651により連結されている。すなわち、上扉13の基枠615と下扉14の基枠645とに重なり合わせて連結板651が設けられ、ビス等の締結具により連結が施されている。この連結により、上扉13と下扉14とは一体的に開閉する。この場合、仮に下扉14だけを開放することができる構成であれば、下扉14だけの開放行為は比較的目立ちにくいため、不正行為として行われる可能性が高いが、本スロットマシン10では、通常時において(すなわち、連結板651を取り付けた状態において)下扉14単独での開放が不可能となっているために不正行為の抑制が可能となる。つまり、不正目的で前面扉12を開放する際には、上扉13及び下扉14が共に開放されるのでその開放行為が目立ち、それにより不正行為が抑止できる。
上扉13に設けた連動杆616の下端部には水平方向に折り曲げられた折曲部616aが形成されると共に、下扉14に設けた連動杆646の上端部には水平方向に折り曲げられた折曲部646aが形成されている。これら各連動杆616,646の折曲部616a,646aは、上扉13と下扉14とを連結した状態では互いに接触している。
上扉13と下扉14に設けた連動杆616,646は、これら各扉13,14を開放不能な施錠状態で保持する施錠機構を構成するものであり、下扉14の背面左端部に設けた基枠645には、解錠操作部たるキーシリンダ655が設けられている。このキーシリンダ655は、スロットマシン10の前後方向に延びる向きで設けられており、シリンダ前面(キー挿入孔の設置側)は扉前面に設けたキー孔80から露出している。上下の各扉13,14の連動杆616,646を含む施錠機構と、キーシリンダ655と、キーシリンダ655に挿入されて所定方向に回動操作される操作キー(図示略)とがスロットマシン施錠装置を構成する。なお、キーシリンダ655として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)を用いる構成としても良い。
かかる場合、キーシリンダ655に操作キーを差し込んだ状態で、当該操作キーを時計回り方向に回動操作すると、連動杆646が上方に移動する(扉背面から見るとキーシリンダ655が反時計回り方向に回るため)。これにより、下扉14において連動杆646の鉤金具647,648の先端鉤部が下方に移動し、筐体11に対して下扉14が閉じている場合に、鉤金具647,648と、リールユニット400側の鉤受け部446及び筐体11側の鉤受け部135との係止状態(すなわち施錠状態)が解除される。これにより、筐体11に対して下扉14が開放可能となる。
またこのとき、下扉14側の連動杆646の折曲部646aにより上扉13側の連動杆616の折曲部616aが持ち上げられ、下扉14側の連動杆646に連動して上扉13側の連動杆616が上方へ移動する。そのため、上扉13において連動杆616の鉤金具617,618の先端鉤部が下方に移動し、筐体11(リールユニット400)に対して上扉13が閉じている場合に、鉤金具617,618とリールユニット400側の鉤受け部444,445との係止状態(すなわち施錠状態)が解除される。これにより、筐体11(リールユニット400)に対して上扉13が開放可能となる。
因みに、操作キーを逆方向(反時計回り方向)に回動操作すると、連動杆646が下方に移動し、それを図示しないセンサが検知することでスロットマシン10がリセットされるが、その際、下扉14側の連動杆646だけが移動し、上扉13側の連動杆616は移動しない。
(本機と従来機との比較)
ここで、本実施の形態におけるスロットマシン10の主たる特徴的構成を、既存のスロットマシンとの比較に基づいて説明する。なお便宜上、本実施の形態のスロットマシン10を「本機」、既存のスロットマシン1000を「従来機」とも言う。図30は、スロットマシンの前面構成を比較するものであり、(a)には本機の構成を、(b)には従来機の構成を示す。また、図31は、スロットマシンの内部構造を比較するものであり、(a)には本機の内部構造を、(b)には従来機の内部構造を示す。
本機と従来機との比較を説明する前にまず従来機(スロットマシン1000)の構成について主要な構成を簡単に説明する。図30の(b)において、本機と同様、従来機(スロットマシン1000)は前面に開口する筐体1001を有しており、その前面側には前面扉1002が取り付けられている。筐体の大きさは本機、従来機とも同じである。前面扉1002の上部には補助表示部1003が設けられ、その下方には表示窓1004が設けられている。表示窓1004の下方には、手前側に張り出した操作部1010が設けられている。操作部1010の上面にはメダル投入装置1011とベット操作スイッチ1012とが設けられ、同操作部1010の前面にはスタートレバー1013と3つのストップボタン1014とが設けられている。前面扉1002の下部にはメダル受皿1015が設けられている。
また、図31の(b)において、筐体1001にはその内部を上下に分割する仕切板1021が設けられており、その仕切板1021上にリール装置1022が載置されている。筐体1001の背板において、リール装置1022の上方には主制御装置1023が取り付けられている。なお、従来機の場合、本機とは異なり、リール装置1022と主制御装置1023とは各々個別に筐体1001に取り付けられている。また、仕切板1021の下方には、電源装置1024とホッパ装置1025とが配設されている。
さて、本機と従来機とを比較すると、まず第一に印象付けられるのは上側の遊技パネル21の大きさである。この遊技パネル21には、前述したように15インチ程度の表示画面600a(上述した15インチ液晶パネル)を有する大型液晶装置が搭載され、各種多様な表示演出や異常報知が行われるようになっている。
ここで、本機における表示画面の大型化を実現した具体的な構成を説明すると、本機のリール装置406の配置位置は、従来機のリール装置1022の配置位置よりも下方となっている。即ち、リール装置の載置部材(本機では下側仕切板405、従来機では仕切板1021)を基準にすると、従来機ではマシン下面から仕切板1021までの高さが「L11」であるのに対し、本機ではマシン下面から下側仕切板405までの高さが「L1」となっている(L1<L11)。この場合に、本機におけるリール装置406に設けられたリール471〜473の上下方向の中央(回転中心)は、筐体11の上下方向の中間位置(図31におけるM2−M2線にて示す)付近に位置している。
なお、本機ではリール装置406の位置を下方にしたことに伴って、筐体11内における、リール装置406の下方空間、リール装置406を配設する空間及びリール装置406の上方空間、がほぼ同一の大きさとなっている。即ち、マシン下面からリール装置406の下縁(下側仕切板405)までの距離が上述したとおり「L1」となっており、リール装置406の上下方向の長さが「L2」となっており、リール装置406の上縁(上側仕切板404)からマシン上面までの距離が「L3」となっている(L1:L2:L3≒1:1:1)。
また、リール装置406の配置位置が下方となっているのに伴って、本機の表示窓23の配置位置が従来機よりも下方となっている。即ち、従来機ではマシン下面から表示窓1004の中心までの高さが「L12」であるのに対して、本機ではマシン下面から表示窓23の中心までの高さが「L4」となっている(L4<L12)。この場合に、表示窓23を介した図柄の視認性が低下しないように、表示窓23はその上方方向の中央がリール471〜473の上下方向の中央よりも上方に位置するように配置されており、さらに下端に向かうほど手前側に位置するように傾斜している(図16参照)。
さらに、図30に示すように、従来機ではリール装置1022と補助表示部1003とがL13で示す距離だけ上下方向に離間されている構成であったのに対して、本機ではリール装置406と表示画面600aとがL5で示す距離だけ前後方向に重なる構成となっている。但し、表示画面600aと表示窓23とは前後方向に重なっていない。ちなみに、上述したとおり、表示制御装置601の上縁が液晶表示装置600(表示画面600a)の上縁に近接させて配置されており、液晶表示装置600(表示画面600a)の下部には表示制御装置601が位置しない構成となっていることにより、リール装置406と表示制御装置601とが前後方向に重ならない構成となっている。
上記のように表示窓の位置が下方にずれたことにより、操作部の各種スイッチ等の位置も下方にずれ、従来機ではマシン下面から各種スイッチ等までの高さが「L14」であるのに対し、本機ではマシン下面から各種スイッチ等までの高さが「L6」となっている(L6<L14)。この場合、操作部が下方にずれた構成でも各種スイッチ等の操作性を維持すべく、操作部をテーブル部40として構成し、さらにストップスイッチ52〜54はテーブル部40の上面から上方へと起立した基台部51上に配置されている。また、始動操作手段の操作性を良くするために、従来機のレバー部材(スタートレバー1013)を、ボタン状のスイッチ部材(スタートスイッチ45)に変更している。
リールユニットの位置変更に伴い、本機ではリールユニット400の下方領域が狭小化されており、それ故に、ホッパ装置110が背の低い構成のものに変更されており、さらに仕切板とホッパ装置との間の距離が狭く設定されている。すなわち、ホッパ装置の背の高さは、従来機で「L15」であるのに対して、本機では「L7」となっている(L7<L15)。但し、この場合において、本機における貯留タンク111の容量を従来機におけるものと同程度とすべく、ホッパ装置110の左右方向の長さが従来機よりも長く構成されている。すなわち、ホッパ装置110の左右方向の長さは、従来機で「L16」であるのに対して、本機では「L8」となっている(L16<L8)。これにより、リールユニット400の下方領域が狭小化された構成において、貯留タンク111の容量の確保が図られている。但し、本機におけるホッパ装置110の左右方向の長さが従来機よりも長くなっているのに伴って、従来機よりも背の低い補助タンク140が載置されており、さらに貯留タンク111の右側部と筐体11の底板11bとの間に補助タンク140の一部が位置する構成となっている。
本機におけるホッパ装置110の設置条件では、リールユニット400下方の下側仕切板405とホッパ装置110との距離が短くなっている。即ち、仕切板とホッパ装置との距離は、従来機で「L17」であるのに対して、本機では「L9」となっている(L9<L17)。この場合に、本スロットマシン10では、継続して遊技が行われ貯留タンク111内のメダルが不足した場合には、貯留タンク111に対してメダルを補給する必要がある。また、継続して遊技が行われ、貯留タンク111に所定量以上のメダルが貯留され、さらに補助タンク140にも所定量以上のメダルが貯留された場合には、遊技ホールの従業員等が貯留タンク111からメダルを取り出す必要がある。このような状況下において、下側仕切板405とホッパ装置110との距離が短くなっていると、貯留タンク111に対するメダルの補給及び取り出しの作業性が困難なものとなることが懸念される。
これに対して本機では、上述したように、下側仕切板405の前側端部における左右の折曲部465,466の間が、貯留タンク111の前側端部よりも大きく後方に位置するように後退した後退部468となっているため、上記作業性を良好なものとすることができる。この点について、メダルの補給作業を例に挙げ図32を用いて説明する。図32は、下側仕切板405の後退部468と貯留タンク111との位置関係を示すための説明図であり、(a)には下側仕切板405と貯留タンク111とを右側方から見た構成を簡略に示し、(b)には下側仕切板405と貯留タンク111とを上方から見た構成を簡略に示す。また、図32には、メダル補給用の容器Vを二点鎖線で示し、さらに、図32(a)には、後退部468よりも上方の構成を示すために、リール装置406のリール471〜473を簡略に示す。
図32に示すように、折曲部465,466は、貯留タンク111の前縁付近であるポイントAに位置しているのに対して、後退部468は、貯留タンク111の前縁よりも奥側となるポイントBに位置している。また、図32(a)に示すように、後退部468の上方にはリール装置406のリール471〜473が位置しており、該リール471〜473は後退部468から上方へといくほど除々に前方に張り出す曲面状となっている。さらに、後退部468とリール471〜473との間には、後退部468よりも大きく前方へと突出する部材が設けられていない。従って、貯留タンク111の手前側が下側仕切板405によって塞がれることなく開放され、メダル補給用の容器Vの先端を貯留タンク111の前縁よりも奥側に持っていくことができる。これにより、下側仕切板405の位置を従来の遊技機よりも下方にした構成において、貯留タンク111に対するメダル補給の作業性を良好なものとすることができる。なお、貯留タンク111からのメダル取り出しの作業についても同様である。
ちなみに、貯留タンク111の上方の空間を確保する構成として、各リール471〜473のリール径を小さくする構成が考えられる。しかし、各リール471〜473に付される図柄は、遊技性や遊技者の利益状態に大いに関与するものであり、各図柄の大きさが小さすぎるのは望ましくなく、また、図柄数を減らしすぎるのも望ましくない。また、例えば、駆動ローラ及び従動ローラとが上下に回転可能に支持され、両ローラ間に図柄を付したベルトを掛け渡したものとすれば、貯留タンク111の上方の空間を確保することができる。しかし、この構成では、表示窓23を介して視認可能な位置を通過する図柄は、ほぼ垂直に通過することとなるため、遊技者による図柄の視認性(識別性)が低下するという問題が生じる。また、その他に、表示窓23側、つまり手前側を円状とした半円状のリールとする構成が考えられる。しかし、この構成では、リールを回転させるための構成やリールを支持するための構成が複雑化してしまうなどといった問題が生じる。つまり、上記問題点を鑑みると、本実施の形態におけるリール471〜473の構成が望ましく、上記のように後退部468を設けることで、貯留タンク111の上方の空間を好適に確保することができる。
なお、貯留タンク111に対してのメダル補給及びメダル取り出しの方法としては、遊技ホールの従業員等が手作業により行う方法以外にも、所定の設備を設置することにより自動的に行う方法が考えられる。しかしながら、自動的に行う方法では、スロットマシン10が設置される島設備及びスロットマシン10におけるホッパ装置110周辺の構造が複雑となってしまう。また、本実施の形態のように手動で行う方法の場合には、遊技ホールの従業員などがメダル補給やメダル取り出しを行う都度、スロットマシン10に対して不正が行われていないか否かの確認を行うことができるが、自動で行う方法の場合にはこのような確認を行うことができない。また、仮に、スロットマシン10に対して不正にメダルの払出を行わせる行為が行われた場合には、メダル補給が手動であれば貯留タンク111内に貯留されているメダルが不足した時点で上記不正行為が行えなくなるが、メダル補給が自動だと継続して上記不正行為が行われてしまう。従って、貯留タンク111に対してのメダル補給及びメダル取り出しの方法は、手動で行う方法が望ましい。
また、本機の場合、筐体11の左右の側板11d,11eに各々支持レール部材151,152を設け、その支持レール部材151,152にリールユニット400を搭載する構成とした、すなわち筐体内部を上下に分割するような仕切板を設けていないため、リールユニット400を搭載していない状態においてホッパ装置111や電源ボックス100の設置領域が仕切られることはない。従って、上記の如くリールユニット400の下方領域が狭小化された構成であっても、ホッパ装置111や電源ボックス100の設置が困難になるといった不都合が生じないようになっている。そのメリットは、図6等により確認できる。
(リールユニット400の交換作業の説明)
ここで、遊技ホールでの機種入替時などにおけるリールユニット400の交換作業について説明する。この場合、先ずは規定の操作キーを用いて下扉14の施錠を解除し、上扉13と共に下扉14を開放する。また、上下の両扉13,14を連結している連結板651を取り外す。このとき、リールユニット400と、それ以外の各種部材(電源ボックス100、ホッパ装置110等々)とを結ぶ電気配線のコネクタを外しておく。その後、リールユニット400を筐体11に固定しているロック金具156,157のロック状態を解除し、上扉13のみを閉じる。そして、リールユニット400の手前側を少し持ち上げるようにしながら、当該ユニット400を支持レール部材151,152上を滑らせるようにしながら手前側に引き寄せ、リールユニット400を離脱させる。
その後、新しいリールユニット400を離脱時と逆の作業手順で装着する。すなわち、新しいリールユニット400を、支持レール部材151,152上を滑らせるようにしながら筐体奥側に押し込み、リールユニット400を筐体11に搭載する。そして、一旦上扉13を開放してロック金具156,157をロック状態とし、リールユニット400を筐体11に固定する。また、リールユニット400と、それ以外の各種部材(電源ボックス100、ホッパ装置110等々)とを結ぶ電気配線のコネクタを接続する。更に、上扉13と下扉14とを連結板651にて連結する。その後、上扉13と下扉14とを一緒に閉じると、スロットマシン10が施錠状態となり、ユニット交換が完了する。なお、機種入替時には、下部プレート67の差し替えも行われる。
上記のようにリールユニット400を交換可能ユニットとしているため、遊技ホールでの機種入替の際には、リールユニット400の交換だけで入替作業を完了することができる。故に、機種入替に要する手間やコストを大幅に削減することが可能となる。例えば、旧マシンの筐体を島設備から取り外す作業や、新マシンの筐体を島設備に固定する作業等(釘打ち作業など)が不要となる。またこの場合、リールユニット400以外の構成(筐体11、下扉13、電源ボックス100、ホッパ装置110等)は繰り返し使用されるため、各種部材のリユースを促進することができ、環境保全の観点からも望ましいと言える。
(遊技の概略説明)
次に、上記構成のスロットマシン10について、遊技者により行われる遊技の概要を簡単に説明する。遊技の開始に際し、先ず遊技者がメダル投入装置41に所定枚数のメダルを投入すると、メダルの投入数に応じてベットが設定される。このとき、投入メダル数が最大ベット(3ベット)より多ければ、余剰投入されたメダルが50を最大数としてクレジット(仮想記憶)される。また、予め規定枚数以上のクレジットが残っている場合に、遊技者がベットスイッチ42〜44の何れかを押下すると、それに対応してベットが設定される。
そして、ベット設定後において、遊技者がスタートスイッチ45を押下すると、リールユニット400の左・中・右の各リール471〜473が一斉に又は所定の順序で回転を開始する。その後、遊技者がストップスイッチ52〜54を押下すると、その押しタイミングに合わせて各々対応するリール471〜473の回転が停止される。或いは、各リール471〜473の回転開始後、ストップスイッチ52〜54の押下操作がなされないまま規定時間を経過した場合に、各リール471〜473の回転が停止される。
左・中・右の各リール471〜473の回転停止時において、表示窓23を通じて視認される停止図柄が規定の図柄に合致すれば、入賞とされて所定枚数のメダルの払出等が行われる。つまり、本実施の形態の構成では、図柄の停止時において、表示窓23を通じて縦横3×3の合計9個の図柄が視認できる構成となっており、その9個の図柄に対して、例えば上段列(上ライン)、中段列(中ライン)、下段列(下ライン)、右上がり斜め列(右上がりライン)、及び右下がり斜め列(右下がりライン)の合計5つの有効ラインが設定されている。そして、これらの有効ラインの何れかに、規定の図柄が停止した場合に、それに対応する枚数のメダルが払い出される。
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数の一例について説明する。以下に説明する図柄については前記図27の図柄を参照されたい。
小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール471の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール472及び右リール473の「チェリー」図柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール471の複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、その他の図柄に関しては、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「7」図柄又は「青年」図柄が同一図柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダル払出が行われる。なお、本実施の形態においては、例えば「7」図柄と「チェリー」図柄とが同時に成立する場合が生じ得るが、かかる場合におけるメダル払出は15枚である。これは、1回のメダル払出における上限枚数が15枚に設定されているためである。
更に、第3特別図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール471の「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
(主基板ユニット200の説明)
次に、リールユニット400にリール装置406と共に収容される主基板ユニット200の構成について説明する。図33は(a)が主基板ユニット200の平面図、(b)が(a)の下方から見た側面図、図34は同主基板ユニット200を表側から見た斜視図、図35は同主基板ユニット200を裏側から見た斜視図、図36は同主基板ユニット200の分解斜視図である。まずは、これら図33〜図36を用いて主基板ユニット200の概要について説明する。なお以下の主基板ユニット200の説明では、特に指定しない限り図33の状態を基準に左右方向を記述する。
主基板ユニット200は、遊技に関わる各種制御を実施する主制御装置201と、その主制御装置201を搭載する台座装置210とよりなる。主制御装置201は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。
主基板ユニット200において、台座装置210は、リールユニット400のベースフレーム401に固定される固定ベース板211と、この固定ベース板211に回動可能に支持される可動ベース板212とを有している。また、主制御装置201は、表裏一対のケース体271,272を有し、それら各ケース体271,272間に挟まれるようにして主基板273が収容されている。固定ベース板211、可動ベース板212及び各ケース体271,272は何れも、主基板273に合わせるようにして略横長四角状をなし、ポリカーボネート樹脂等の透明な合成樹脂材料により成形されている。なお以下の説明では、表側のケース体271を表ケース体、裏側のケース体272を裏ケース体とも言う。表ケース体271及び裏ケース体272により基板ボックスが構成されている。そして、リールユニット400のベースフレーム401に台座装置210を組み付け、更に台座装置210の可動ベース板212上に主制御装置201を装着することで、主基板ユニット200がリールユニット400に取り付けられるようになっている。
台座装置210の構成について図37を用いて詳述する。図37は、台座装置210を構成する固定ベース板211と可動ベース板212とを拡大して示す分解斜視図である。
固定ベース板211において、底板部213には、左端部及び右端部に起立部214,215がそれぞれ形成されている。そのうち左端部側の起立部214には軸支部216が2カ所に設けられ、各軸支部216には上下方向に貫通する軸孔216aが設けられている。各軸支部216の軸孔216aには例えば鋼鉄製の支柱ピン217が組み付けられる構成となっている。右端部側の起立部215には上下2カ所に係止爪部218が設けられている。また、起立部215には鍵取付金具219が取付固定されている。この鍵取付金具219は、図示しないネジ等の固定具により根元部分が固定ベース板211に固定されている。鍵取付金具219の先端部は斜め外方に折り曲げられ、その折り曲げ部に鍵挿通孔219aが形成されている(図42等参照)。
底板部213には縦横に交差するようにして複数のリブ221が形成されており、その複数のリブ221のうち中央部で左右方向に延びるリブ221上には左右両側に離れた2カ所に底孔部222a,222bが形成されている。固定ベース板211をリールユニット400のベースフレーム401に取り付ける際には、底孔部222a,222bにネジ223が装着されてこのネジ223がベースフレーム401にねじ込まれる。更に、底孔部222a,222bには、ネジ223の頭部を覆い隠すようにしてキャップ体224が組み込まれるようになっている。図40に示すように、キャップ体224には、その軸方向に延びる突起部224aと、弾性変形可能な係止爪部224bとが2カ所ずつ形成されている。
底板部213の裏面側には、その中央部に、リールユニット400のベースフレーム401外側から固定ベース板211を固定するための固定金具225が取り付けられている。固定金具225の取り付け状態は図35を併せ参照されたい。固定金具225は、略四角板状をなしており、左右2カ所で小ネジ226により底板部213に取り付けられる構成となっている。また、固定金具225の中心部にはネジ孔227が形成されている。固定金具225の四隅には、底板部213側に設けられた小突起(図示略)と係合状態となる位置決め孔228が設けられている。また、図35に示すように、底板部213の裏面には、リールユニット400のベースフレーム401に対する位置決めのための突起部229が複数箇所(本実施の形態では2カ所)に設けられている。
ここで、図42(図33のA−A線端面図)には、ベースフレーム401に対する固定ベース板211の取付構造を示す。図42に示すように、底板部213の裏面に設けられた突起部229は、ベースフレーム401に設けられた位置決め孔部231に挿入され、これによりベースフレーム401に対して固定ベース板211が位置決めされる。そして、固定ベース板211の表側(すなわちベースフレーム401の内側)から底孔部222a,222bにネジ223が螺着されることで、固定ベース板211がベースフレーム401に固定される。ネジ223の螺着後、底孔部222a,222bにキャップ体224が組み込まれる。このとき、キャップ体224は底板部213の上面から突出することなく、底孔部222a,222b内に没入した状態で保持される。キャップ体224が底孔部222a,222bに組み込まれた状態では、当該キャップ体224の係止爪部224bが底板部213側と係止状態となり、キャップ体224の抜け落ちが防止されるようになっている。これにより、ネジ223を緩めることが困難なものとなっている。
また、ベースフレーム401には挿通孔232が形成されており、その挿通孔232にはベースフレーム401外側からネジ233が挿入され、そのネジ先端部が、固定ベース板211裏側の固定金具225に設けたネジ孔227にねじ込まれる。これにより、仮にベースフレーム401内側から前記ネジ223を取り外すことができたとしても、ベースフレーム401外側からもネジ233を取り外さない限りは固定ベース板211を取り外すことができないようになっている。要するに本実施の形態では、固定ベース板211の表側に螺着されたネジ223にキャップ体224を組み込むことで固定ベース板211の取り外しを困難にしているだけでなく、ベースフレーム401外側から固定ベース板211をネジ固定することで固定ベース板211の取り外しをより一層困難なものとしている。
一方、可動ベース板212において、底板部241の長辺部(図37の上下両端部)には側板部242,243が形成され、短辺部の一側(図37の左側)には前記側板部242,243と連なるようにして段差部244が形成されている。これら側板部242,243及び段差部244は主制御装置201に合わせた高さを有する。側板部242,243の先端部には内側に折り曲げ形成された返し部242a,243aが複数箇所(本実施の形態では各6カ所)に設けられている。底板部241の右端部は、主制御装置201をスライド装着するための基板装着口245となっている。この場合、主制御装置201を基板装着口245から装着し、段差部244に当たるまでスライドさせることで、主制御装置201が可動ベース板212上の所定位置に装着されるようになっている。
段差部244には、主制御装置201のスライド方向に開口する開口部246と、その上面部(底板部241に対しての上面部分)に形成された係止孔部247と、係止孔部247を挟むようにして形成された一対の貫通孔248とが設けられている。係止孔部247と貫通孔248とが設けられた段差部244の上面部は、後述する封印シールSの貼付面となっており、その貼付面を囲むようにして囲い枠331が形成されている。
また、可動ベース板212の左端部には回動軸部249が設けられ、その回動軸部249には軸孔249aが形成されている。かかる構成において、前記固定ベース板211の軸支部216と可動ベース板212の回動軸部249とが位置合わせされ、その状態で軸支部216及び回動軸部249の軸孔216a,249aに支柱ピン217が挿通される。これにより、固定ベース板211に対して可動ベース板212が回動可能に支持される。
軸支部216の軸孔216aの孔径(設計寸法)は支柱ピン217の外径よりも僅かに小さく、回動軸部249の軸孔249aの孔径は支柱ピン217の外径よりも僅かに大きくなっており、支柱ピン217を挿通させる際にはこの支柱ピン217が軸支部216の軸孔216aに圧入される。このとき、支柱ピン217の頭部は軸支部216と面一の状態、又は軸孔216a内に没入した状態となり、支柱ピン217の抜き外しが不可能となっている。それ故、可動ベース板212は固定ベース板211に対して回動可能であるが、分離(連結解除)は不可能となっている。但し上記構成とは逆に、回動軸部249の軸孔249aの孔径(設計寸法)を支柱ピン217の外径よりも僅かに小さくして、支柱ピン217を回動軸部249の軸孔249aに圧入する構成であってもよい。回動軸部の構成としては要は、可動ベース板212が固定ベース板211に対して回動可能で、且つ分離不可能(連結解除不可能)となるよう構成すればよい。
底板部241上には、第1封印部を構成する複数(本実施の形態では4個)の封印結合部251が縦一列に並ぶようにして立設されている。封印結合部251は、その底部が底板部241にて塞がれた筒体状をなしており、図の手前側にのみ開口している。この封印結合部251を含む第1封印部の構成については後述する。
可動ベース板212の段差部244付近には、先端部に鍵挿通孔261aを有する鍵取付金具261が取付固定されている。この鍵取付金具261は、図示しないネジ等の固定具により根元部分が可動ベース板212に固定されている。
次に、主制御装置201の構成について詳述する。図38は、主制御装置201を構成する各ケース体271,272と主基板273とを拡大して示す分解斜視図である。
主基板273上には、図示しない配線パターンが施されるとともに、CPUやROM等のICチップ274を含む各種電子部品、入出力コネクタ275、検査用コネクタ276等が実装されている。特に、ICチップ274は、基板面に対してチップが立った状態で実装される、いわゆるZIP(Zigzag In-line Package)タイプ構造又はSIP(Single In-line Package)構造等の縦型素子が採用されており、チップ側面には製造メーカ、品番といった識別情報や固有情報等が印刷されている。主基板273は、隅角部に複数設けられた小孔を通じてネジ277により表ケース体271に固定されるようになっている。
表ケース体271は、主基板273上の比較的背の高い電子部品等を収容可能とする主基板収容部を有しており、周縁部には一段低い段部281が形成されている。段部281には、主基板273上の入出力コネクタ275を挿通させるための複数のコネクタ挿通孔282が形成されている。なお、符号283は、主基板273上の検査用コネクタ276に通ずる開口部である。図示は省略するが、表ケース体271の天井部分等には多数の通気孔が形成されている。
また、表ケース体271の長辺部において上下各縁部には、表ケース体271の側壁に沿って直線状に延びる突条部285が設けられ、その突条部285の内側には複数の長孔286が所定間隔で一列に並ぶようにして設けられている。
表ケース体271の左端部(主基板収容部よりも左側)には縦長四角状の切欠角孔部290が設けられており、その切欠角孔部290には、第1封印部を構成する複数(本実施の形態では4個)の封印結合部291が縦一列に並ぶようにして設けられている。その周辺構成を図39に拡大して示す。封印結合部291は筒体状をなし、左右両側の連結部292にて表ケース体271に連結されている。連結部292を切断することにより、封印結合部291を表ケース体271から切除できるようになっている。同じく切欠角孔部290には、前記複数の封印結合部291を挟むようにして、第2封印部を構成する複数(本実施の形態では2個)の封印結合部293が設けられている。封印結合部293は筒体状をなし、連結部294により表ケース体271に連結されている。連結部294を切断することにより、封印結合部293を表ケース体271から切除できるようになっている。
かかる場合、第1,第2封印部を構成する封印結合部291,293は、表ケース体271に形成された切欠角孔部290に設けられているため、基板ケースの側方に張り出すように封印部が設けられる従来一般的な構成とは異なり、封印結合部291,293が側方にはみ出て邪魔になる等の不都合は生じない。また、封印結合部291,293が側方にはみ出ていないため、主制御装置201を単体で取り扱う場合等において、封印結合部291,293をぶつけて破損させてしまう等のおそれも生じない。
表ケース体271の左端部は、主制御装置201を前記可動ベース板212にスライド装着する際の先頭部となっており、当該先端部には係止爪部295が設けられると共に、係止爪部295を挟むようにして一対のネジ孔部296が設けられている。主制御装置201を前記可動ベース板212に装着する際、係止爪部295が前記可動ベース板212に設けた係止孔部247に係止される。また、ネジ孔部296と前記可動ベース板212に設けた貫通孔248との位置が合い、その状態で貫通孔248及びネジ孔部296に小ネジ297が螺入されるようになっている。
表ケース体271の切欠角孔部290の左側には、封印シールSの貼付面を区画形成する囲い枠332が形成されている。主制御装置201を前記可動ベース板212に装着した際には、表ケース体271の囲い枠332と、前記可動ベース板212に形成した囲い枠331とが一体となり、全体として長方形枠状の囲い枠が形成されるようになっている。
図38の説明に戻り、表ケース体271の右端部には、第3封印部を構成する複数(本実施の形態では2個)の封印結合部301が設けられている。封印結合部301は筒体状をなし、連結部302により表ケース体271に連結されている。連結部302を切断することにより、封印結合部301を表ケース体271から切除できるようになっている。
更に、表ケース体271の右端部には鍵取付金具305が取付固定されている。この鍵取付金具305は、図示しないネジ等の固定具により根元部分が表ケース体271に固定されている。鍵取付金具305の先端部は斜め外方に折り曲げられ、その折り曲げ部に鍵挿通孔305aが形成されている(図42等参照)。
一方、裏ケース体272において、底板部311を挟んで図の上下両側部には、基板高さ方向に起立し先端部がL字状に形成された複数の引掛け部312が所定間隔で設けられている。引掛け部312は、前記表ケース体271の長孔286と同じ間隔で設けられており、表ケース体271の長孔286と裏ケース体272の引掛け部312とにより両ケース体271,272の組付が行われるようになっている。
図43(図33のB−B線端面図)には、表ケース体271と裏ケース体272との組付構造を示す。図43に示すように、裏ケース体272の引掛け部312は表ケース体271の長孔286に挿通され、その状態で引掛け部312が表ケース体271側の長孔286に形成された係止部286aに係止される。これにより、裏ケース体272に対して表ケース体271が浮き上がることなく保持される。因みに、図43は主制御装置201が台座装置210に組み付けられ、裏ケース体272に対して表ケース体271を横方向にスライドさせることが不可能な状態を図示しているが、台座装置210に組み付けていない状態を仮定すると、表ケース体271を一旦図43の右方向にスライドさせ、その後上方に持ち上げることで裏ケース体272に対して表ケース体271を分離させることができる(図43中の矢印Pに沿って表ケース体271を移動させる)。
可動ベース板212において、図43の左端部には返し部212aが設けられており、この返し部212aは固定ベース板211の軸支部216の下方(実際には図37に示す孔部216b)に入り込む構成となっている。従って、支柱ピン217が途中で切断されたり、同支柱ピン217が引き抜かれたりしても、それだけでは固定ベース板211に対して可動ベース板212が浮き上がらないようになっている。
再び図38の説明に戻り、裏ケース体272の左端部には、底板部311よりも左方に延出するようにして上下一対の延出部314a,314bが設けられており、その延出部314a,314bにはそれぞれ、第2封印部を構成する封印結合部315が設けられている。封印結合部315は、その底部が前記底板部311と同じ面で塞がれた筒体状をなしており、図の手前側にのみ開口している。延出部314a,314bは上下に分離して設けられており、両延出部314a,314b間のスペースは、前記可動ベース板212に設けた複数の封印結合部251との干渉を避けるための空きスペースとなっている。
図の上側の延出部314aには、先端部に鍵挿通孔316aを有する鍵取付金具316が取付固定されている。この鍵取付金具316は、図示しないネジ等の固定具により根元部分が裏ケース体272に固定されている。
また、裏ケース体272の右端部には、第3封印部を構成する複数(本実施の形態では2個)の封印結合部317が設けられている。封印結合部317は連結部318により裏ケース体272に連結されている。連結部318を切断することにより、封印結合部317を裏ケース体272から切除できるようになっている。
ここで、主制御装置201及び台座装置210の不正な取り外し行為等を抑制するための封印構造について説明する。本実施の形態では、封印構造が各々異なる3種類の封印部が設けられており、便宜上それらを第1封印部、第2封印部、第3封印部と言い分けて順に説明する。図44は図33のC−C線端面図に相当し、第1封印部の断面構造を示す。図45は図33のD−D線端面図であり、第2封印部の断面構造を示す。図46は図33のE−E線端面図であり、第3封印部の断面構造を示す。
先ず第1封印部の構成を図44に基づいて説明する。図44において、(a)は封印前の状態を、(b)は封印状態を、(c)は封印解除の状態を、それぞれ示している。第1封印部は、表ケース体271に設けられた封印結合部291と可動ベース板212に設けられた封印結合部251との結合により封印状態となり得るものであり、便宜上、前者を「差込側結合部291」、後者を「受け側結合部251」と言い換えて説明を進める。
図44(a)に示すように、表ケース体271の差込側結合部291には、その上下方向に貫通する孔部291a(便宜上、上孔部と言う)が形成されており、可動ベース板212の受け側結合部251には、前記上孔部291aに同軸で連通する孔部251a(便宜上、下孔部という)が形成されている。上孔部291aの入口部には段差部291bが設けられ、下孔部251aの入口部には上孔部291aよりも拡径された拡径部251bが設けられている。
符号251c,291cは、受け側結合部251、差込側結合部291にそれぞれ設けられた半円状の返し部であり(返し部251cは主制御装置201のスライド方向前方に、返し部291cは主制御装置201のスライド方向後方に設けられている)、この返し部251c,291cにて各結合部251,291が当接する。返し部251c,291cにより、各結合部251,291の対向接合面が隠されるようになっている。
なお、差込側結合部291を連結する連結部292は、図に隠れ線(点線)で示すように、上側が長く下側が短くなるような略逆台形状をしている。この場合特に、連結部292において差込側結合部291とは逆側の端部は、上側ほど外方に傾くようにして斜めテーパ状に形成されている。
封印処理の実施時においては、図44(b)に示すように、差込側結合部291及び受け側結合部251の各孔部291a,251aに、例えば合成樹脂製で略中空円筒状をなす封印ピン部材321が差し込まれる。封印ピン部材321は、図41に示すように、中空状の筒部321aと、フランジ状の頭部321bと、筒部321aに例えば2カ所設けられ弾性変形可能な係止爪部321cとを有しており、通常状態では係止爪部321cが筒部321aの外周よりも外方に突出し、外力を加えることで係止爪部321cが筒部321a内に没入することができる構造となっている。封印ピン部材321の頭部321bには、主制御装置201毎の識別情報(例えば識別コード)が付されている。
封印ピン部材321の差し込み時には、封印ピン部材321の係止爪部321cが弾性変形し、頭部321bが上孔部入口の段差部291bに当たるまで差し込まれる。このとき、封印ピン部材321の係止爪部321cが下孔部251aの拡径部251bに至ることで、当該係止爪部321cが起き上がり、係止爪部321cの後端面が差込側結合部291の先端面に係止される。これにより、第1封印部の封印が完了し、封印後の封印ピン部材321の抜け落ちが防止される。
主制御装置201の不具合発生時や検査時などに際し、第1封印部の封印を解除する場合には、図44(c)に示すように、差込側結合部291と表ケース体271とを連結する連結部292をニッパ等の工具により切断する。受け側結合部251には封印ピン部材321の先端部が挿入されているだけであり、これら各部材251,321は何ら係止状態にないため、前記連結部292の切断により差込側結合部291と封印ピン部材321とが表ケース体271から容易に切除できる。このとき、図44(a)で説明したとおり連結部292は上側が長く下側が短くなるような略逆台形状をしているため、ニッパ等の工具を差し入れやすい。また、連結部292において差込側結合部291とは逆側の端部は、上側ほど外方に傾くようにして斜めテーパ状に形成されているため、連結部292の切断後において差込側結合部291と封印ピン部材321とが上方に引き抜き易い。
切除された差込側結合部291と封印ピン部材321とは、封印ピン部材321の係止爪部321cを指又は工具等で押さえて弾性変形させることで容易に分離することができる。分離された封印ピン部材321は何ら変形や破壊を伴っていることはなく、同一の封印ピン部材321が次回の封印に用いられる。
前述したとおり封印ピン部材321の頭部321bには主制御装置201毎の識別情報が付されているため、封印ピン部材321の再使用により再度封印処理が行われた後には、前記識別情報を確認することで正規の手順通りに封印処理が行われたかどうかが確認できる。
第1封印部の封印を解除する際、切断(破壊)される箇所は表ケース体271側の連結部292のみであり、封印相手側、すなわちこの場合は可動ベース板212はどこも破壊されない。つまり、表ケース体271と可動ベース板212間の封印処理及びその解除が繰り返し実施されたとしても、可動ベース板212は破壊もされず、封印履歴も残らない。従って、主制御装置201を交換する場合にも、可動ベース板212(すなわち台座装置210)がそのまま再使用できる。
なお、第1封印部において、4つある封印箇所のどれを用いるかは予め順序が決められており、例えば図33において上から順に1つずつ封印が行われる。封印後に切断処理(破壊処理)が施された封印箇所ではその封印履歴が残り、過去に何回の封印処理が行われたかが容易に確認できるようになっている。各封印箇所で封印処理が実施されたことは、表ケース体271の表面部等に貼付された封印記録票に記録される。例えば、封印記録票には、封印箇所毎に、封印処理の実施年月日や封印作業者名などが記録されるようになっている。この封印記録票は、後述する第2封印部、第3封印部についても同様に封印処理記録が残されるものであっても良い。
次に、第2封印部の構成を図45に基づいて説明する。第2封印部は、表ケース体271に設けられた封印結合部293と裏ケース体272に設けられた封印結合部315との結合により封印状態となり得るものであり、便宜上、前者を「差込側結合部293」、後者を「受け側結合部315」と言い換えて説明を進める。
図45に示すように、表ケース体271の差込側結合部293には、その上下方向に貫通する孔部293a(便宜上、上孔部と言う)が形成されており、裏ケース体272の受け側結合部315には、前記上孔部293aに同軸で連通する孔部315a(便宜上、下孔部という)が形成されている。上孔部293aには、後述する封印ネジ323の頭部を収納するための大径部と、それよりも小径な小径部とが形成されている。下孔部315aには雌ネジ部が形成されている。そして、差込側結合部293及び受け側結合部315の各孔部293a,315aに封印ネジ323がねじ込まれることで、第2封印部の封印が完了する。封印ネジ323は、中間部分に破断容易な破断部(縮径部)を有する、いわゆる破断ネジにより構成されており、当該ネジ323をドライバ等の締付け工具によりねじ込む際、所定以上のトルクがかかることで前記破断部が破断される。この破断により、封印ネジ323を一旦孔部293a,315aにねじ込むと、その後は当該ネジ323を緩めることが不可能となるようになっている。
第2封印部の封印を解除するには、差込側結合部293と表ケース体271とを連結する連結部294をニッパ等の工具により切断すると共に(図のX1部)、受け側結合部315の底部をニッパ等の工具により切断する(図のX2部)。つまり、縦方向の切断処理と、それと直交する横方向の切断処理とが行われる。これにより、封印ネジ323を各ケース体271,272から分離させて第2封印部の封印を解くことができる。
次に、第3封印部の構成を図46に基づいて説明する。第3封印部は、表ケース体271に設けられた封印結合部301と裏ケース体272に設けられた封印結合部317との結合により封印状態となり得るものであり、便宜上、前者を「差込側結合部301」、後者を「受け側結合部317」と言い換えて説明を進める。
図46に示すように、表ケース体271の差込側結合部301には、その上下方向に貫通する孔部301a(便宜上、上孔部と言う)が形成されており、裏ケース体272の受け側結合部317には、前記上孔部301aに同軸で連通する孔部317a(便宜上、下孔部という)が形成されている。上孔部301aには、後述する封印ネジ325の頭部を収納するための大径部と、それよりも小径な小径部とが形成されている。下孔部317aには雌ネジ部が形成されている。そして、差込側結合部301及び受け側結合部317の各孔部301a,317aに封印ネジ325がねじ込まれることで、第3封印部の封印が完了する。封印ネジ325は、締付け方向に関してはドライバ等の締付け工具によりねじ込むことができるが、緩め方向に関しては緩めることができない、いわゆる一方向ネジ(ワンウェイネジとも称される)により構成されており、封印ネジ325を一旦孔部301a,317aにねじ込むと、その後は当該ネジ325を緩めることが不可能となるようになっている。
第3封印部の封印を解除するには、差込側結合部301と表ケース体271とを連結する連結部302と、受け側結合部317と裏ケース体272とを連結する連結部318とをまとめてニッパ等の工具により切断する(図のX3部)。これにより、封印ネジ325を各ケース体271,272から分離させて第3封印部の封印を解くことができる。
上記説明では、第2封印部及び第3封印部に関して共に封印処理が行われているような記載をしたが、実際にはこれら各封印部には何れか一方にのみ封印処理が施される。例えば、スロットマシン10の製造に際して基板ボックス(ケース体271,272)内への主基板273の収容時に第2封印部が封印される。そしてその後、検査等のために主制御装置201が回収された時、第2封印部が開封されるとともに、検査等の後に第3封印部が封印される。
一方、図34等に示すように、主基板ユニット200の左側部において、可動ベース板212及び表ケース体271の囲い枠331,332に囲まれたシール貼付面には、可動ベース板212と表ケース体271とに跨るようにして長方形状の封印シールSが貼付されている。封印シールSは、一旦貼付された後に剥がされるとシールラベルから粘着剤が剥がれ、再度貼付することができないものであり、封印シールSが剥がされた場合にはその形跡が残ることから、可動ベース板212から主制御装置201が取り外されたかどうかが確認できるものとなっている。可動ベース板212に主制御装置201を結合させた状態では、可動ベース板212に形成された係止孔部247及び貫通孔248と、表ケース体271に形成された係止爪部295及びネジ孔部296が組み合った状態となり、それらが封印シールSにより覆い隠されるようになっている。
上記のとおり封印シールSは再貼付不可能な構成となっているが、封印シールSを剥がした後に別のシール部材(貼付片)を貼付するような不正行為があり、こうした不正行為を抑制するには、封印シールSの剥がし行為を抑制することが一対策であると考えられる。そこで本実施の形態では、封印シールSの不正剥がし対策として、可動ベース板212の表面と表ケース体271の表面とからなるシール貼付面を囲い枠331,332で囲み、更にその囲い枠331,332の基端部付近、すなわち付け根部付近(シール貼付面の周縁部)を湾曲状に凹ませて形成している。具体的には、封印シールSの長辺部に合わせてテーパ面が形成されることによってシール貼付面が湾曲形成されている。
シール貼付面に封印シールSを貼付した場合、封印シールSの周縁部はシール貼付面の湾曲部に入り込み、封印シールSの周縁部を爪等で引っ掛けたりすることが困難になる。そのため、封印シールSを不正に剥がすことに対する抑止効果が得られる。本実施の形態の構成では、囲い枠331,332で囲んだシール貼付面が封印シールSの大きさにほぼ一致しており、封印シールSを貼付した状態では封印シールSの周縁部には殆ど隙間がない状態となる。それ故、封印シールSの周縁部を爪等で引っ掛けてこれを剥がすことがより一層困難となっている。
図47に示すように、主制御装置201を台座装置210に装着した状態では、可動ベース板212に設けた鍵取付金具261と、主制御装置201の裏ケース体272に設けた鍵取付金具316とが向かい合った状態となり、各鍵取付金具261,316の鍵挿通部261a,316aを通じて南京錠などの鍵部材K1が取り付けられる。更に、固定ベース板211と可動ベース板212とを重ね合わせた状態では、固定ベース板211に設けた鍵取付金具219と、表ケース体271に設けた鍵取付金具305とが向かい合った状態となり、各鍵取付金具219,305の鍵挿通部219a,305aを通じて南京錠などの鍵部材K2が取り付けられる。鍵部材K1,K2の解錠キーは遊技ホール管理者等により管理される。
かかる構成では、鍵部材K2を取り外さない限りは固定ベース板211に対して可動ベース板212を回動させることはできない。また、仮に鍵部材K2を取り外したとしても、鍵部材K1を取り外さない限りは可動ベース板212から主制御装置201を取り外すことができない。従って、適正に管理された解錠キーの所有者でなければ、主制御装置201の取り外しができないようになる。
前述した各封印部は元々切断(破壊)可能な構成となっており、開封履歴を残すことを主たる目的としているため、主制御装置201を持ち去る(盗み取る)ような不正行為に対しては抑止効果が発揮できないが、鍵部材K1,K2を取り付けた上記構成では、主制御装置201の持ち去りに対して抑止効果が発揮できる(主制御装置201の盗難防止対策となり得る)。
なお、鍵取付金具219,305の先端部は、主制御装置201から外に逃げるようにして傾けて設けられている。これにより、表ケース体271の直ぐ横に鍵部材K2が取り付けられるとしても、表ケース体271等に邪魔されることなく鍵部材K2が装着できるようになっている。
次に、主基板ユニット200をリールユニット400のベースフレーム401に取り付けた状態で主制御装置201を台座装置210から取り外す手順を図48に基づいて説明する。図48の(a)は、固定ベース板211に対して可動ベース板212を重ね合わせた状態(すなわち、通常の使用状態)を示し、(b)は、固定ベース板211に対して可動ベース板212を手前側に回動させた状態を示し、(c)は、可動ベース板212の回動状態で同可動ベース板212から主制御装置201をスライドさせた状態を示す。なお、ベースフレーム401の形状については、便宜上簡略化して示す。図48では下側がスロットマシン前方であり、上側がスロットマシン後方である。
(a)の状態では、固定ベース板211と可動ベース板212とが重なった状態となっており、固定ベース板211の係止爪部218が主制御装置201(実際には表ケース体271)の上面に係止されている。便宜上図示は省略しているが、主基板ユニット200には鍵部材K1,K2が前述のとおり取り付けられており、固定ベース板211に対して可動ベース板212が回動不能となっている。このとき、主制御装置201はその表面部分がスロットマシン10の前方側を向いており、主基板表面、すなわちICチップ等の搭載面は前方より視認される。この状態で、主制御装置201は筐体11の背板11cよりも前方に位置しているため、主制御装置201に対する不正(基板表面の不正等)が容易に確認できる。
また、(b)に示す可動ベース板212の回動時には、鍵部材(少なくとも図47の鍵部材K2)が取り外されるとともに、固定ベース板211の係止爪部218の係止が解除され、その状態で固定ベース板211に対して可動ベース板212が図示の如く回動される。このとき、可動ベース板212は支柱ピン217を回動中心として最大90度程度回動され、可動ベース板212とともに主制御装置201の回動先端部側が手前側に引き寄せられる。かかる状態では、主制御装置201の裏面側(すなわち主基板273の裏面)を視認することが可能となり、各種電子部品や電気配線等に異常や不正が無いか等の確認を行うことができる。またこのとき、主制御装置201は元々筐体11の背板11cよりも前方に位置しているため、可動ベース板212とともに主制御装置201を手前側に回動させた場合には、主制御装置201の不正確認等がより容易なものとなる。
(b)の如く可動ベース板212と主制御装置201とを固定ベース板211に対して回動させた時、主制御装置201は真正面側より視認される状態から、斜め横方より視認される状態に移行する。従って、主制御装置201の真正面からは視認しづらい箇所、すなわち主基板273の基板面に概ね垂直となる直立面部に付された情報等であっても、可動ベース板212の回動により視認容易とすることができる。例えば、主基板273上に実装された縦型のICチップ274では、チップ側面に印刷された製造メーカや品番等の情報が容易に視認できるようになる。
なお因みに、実際のスロットマシン10の構成では、図4等に示すように、主制御装置201の前方空間が開放されており、可動ベース板212の前方側への回動動作には何ら支障が生じることはない。仮に前面扉12の裏面にスロットマシン後方に突出する装置や機構が設けられていても、前面扉12の開放に伴い主制御装置201の前方空間が開放され、やはり可動ベース板212の回動動作に支障は生じない。
また、図48の(c)に示す主制御装置201のスライド時には、鍵部材(図47の鍵部材K1)が取り外されるとともに、第1封印部(可動ベース板212と表ケース体271間の封印)が開封される。更に、表ケース体271の左端部に設けた係止爪部295の係止やネジ孔部296でのネジ固定が解除される。そして、その状態で可動ベース板212上を主制御装置201がスライド動作される。これにより、可動ベース板212の回動先端部側(図37の基板装着口245)から主制御装置201を離脱させることが可能となる。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図49のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置201には、演算処理手段であるCPU701を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU701には、電源ボックス100の内部に設けられた電源装置711の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路704や、入出力ポート705などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置201は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置201の入力側には、スタートスイッチ45の操作を検出するスタート検出センサ721、各ストップスイッチ52〜54の操作を個別に検出するストップ検出センサ722,723,724、メダル投入装置41から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ725、各ベットスイッチ42〜44の操作を個別に検出するベット検出センサ726〜728、精算スイッチ56の操作を検出する精算検出センサ729、各リール471〜473の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ731、ホッパ装置110から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ732、電源ボックス100に設けたリセットスイッチ102の操作を検出するリセット検出センサ733、設定キー挿入孔103に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ734等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート705を介してCPU701へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入装置41からホッパ装置110に至る貯留用通路92は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路92には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ725が構成されている。主制御装置201は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなして異常とする。異常と判断されると、異常報知が行われるとともに異常が解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置201は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路92でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ725付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置201の入力側には、入出力ポート705を介して電源装置711に設けられた停電監視回路711bが接続されている。電源装置711には、主制御装置201を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部711aや、上述した停電監視回路711bなどが搭載されている。
停電監視回路711bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源ボックスに設けた電源スイッチによる電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路711bは、電源部711aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号を出力するように構成されている。停電信号はCPU701と入出力ポート705のそれぞれに供給され、CPU701はこの停電信号を認識することにより停電時処理を実行する。
電源部711aからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置201などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置201による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置201の出力側には、残数表示部61、ゲーム数表示部62、獲得枚数表示部63、各リール471〜473を回転させるための各ステッピングモータ475等、セレクタ91に設けられたメダル通路切替ソレノイド、ホッパ装置110、表示制御装置601、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板740等が入出力ポート705を介して接続されている。
表示制御装置601は、中央ランプ部26や側方ランプ部28等の各種ランプ、スピーカ603,604等の各種スピーカ、液晶表示装置600を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置201からの信号を受け取った上で、表示制御装置601が独自に各種ランプ、各種スピーカ及び液晶表示装置600を駆動制御する。従って、表示制御装置601は、遊技を統括管理するメイン基板たる主制御装置201との関係では補助的な制御を実行するサブ基板となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基板を設けることにより、メイン基板の負担軽減を図っている。なお、主制御装置201において上述した異常が検知された場合には、表示制御装置601に対してその旨のコマンドが出力され、さらに当該表示制御装置601により液晶表示装置600が駆動制御されることにより、遊技パネル部21において異常を報知する旨の表示がなされる。また、各種表示部61〜63を表示制御装置601が制御する構成としてもよい。
上述したCPU701には、このCPU701によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM702と、このROM702内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM703のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM702とRAM703によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種のプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM702に記憶されている。
RAM703は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置711からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM703には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源ボックス100に設けた電源スイッチの操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチの操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU701のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路711bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
各リール471〜473の上下方向の中央(回転中心)が筐体11の上下方向の中間位置付近に位置するようにリール装置406を配置し、また前面扉12における各リール471〜473と対峙する位置に表示窓23を配置する構成とすることにより、従来のスロットマシンに比べ表示窓23の上方の領域が拡張されている。そして、当該構成において、表示画面600aの下部がリール装置406の上部と前後方向に重なるように表示画面600aの上下方向寸法が設定されている。これにより、従来のスロットマシンに比べ表示画面の劇的な拡張が実現されている。具体的には、表示画面600aの左右方向寸法及び上下方向寸法が、表示窓23の左右方向寸法及び上下方向寸法よりも大きく、これに伴って表示画面600aの面積は表示窓23の面積よりも広くなっている。このように表示画面600aの拡張が実現されていることにより、表示画面600aでのダイナミックな演出が可能となり、また遊技機に発生した異常の内容をより明確に報知することができる。
ここで、各リール471〜473の上下方向の中央が筐体11の上下方向の中間位置付近に位置するようにリール装置406を配置した位置は、表示窓23を介した図柄の視認性が低下しない範囲内において表示窓23の上方領域を極力拡張できる限界位置である。即ち、当該限界位置の根拠を図54を用いて説明すると、遊技者が座る椅子のスロットマシンに対する位置はR1の範囲内であり、また椅子の高さ及び遊技者の座高を考慮すると遊技者の目の高さはR2の範囲内である。従って、遊技者の目の位置は、図54における斜線で示す範囲内となる。この場合に、遊技者の目の位置が、最もスロットマシンに近く、且つ最も高い位置となるのはE1に示す位置であり、当該位置E1から視認可能であれば図54において斜線で示した範囲内のどの位置からも視認可能となる。また、人の上下方向の視野は60〜75度程度と言われており、目や頭の動きによって上下方向の視野はより広くなる。そこで、位置E1における視野を考慮すると、リール1501の上下方向の中心をスロットマシンの上下方向の中間付近(図54におけるM3―M3線付近)に配置しそれに合わせて表示窓1502の位置を下方にする構成が、図柄の視認性が低下しない下限位置となる。
また、表示画面600aの下部がリール装置406の上部と前後方向に重なる構成としたが、表示画面600aは表示窓23とは重なっていない。当該構成によっても、表示画面600aの拡張に伴う表示窓23を介した図柄の視認性の低下が抑制されている。
また、筐体11内におけるリール装置406の上方の空間、リール装置406が配設される空間及びリール装置406の下方の空間、の上下方向寸法を略同一とした構成とすることにより、主制御装置200、リール装置406及びホッパ装置110を配置するための空間が均等に確保されている。また、本構成であれば、筐体11の上下方向寸法の1/3程度の上下方向寸法を有するリール装置406が配設されることとなるので、各リール471〜473に付される図柄の大きさを所定の大きさ(従来のスロットマシンに比べ小さくない)とすることができ、さらには各リール471〜473に付される図柄の数を所定の数(従来のスロットマシンに比べ少なくない)とすることができる。よって、表示窓23を介した図柄の視認性を確保することができ、さらには図柄の停止態様を多種多様に設定することができる。
また、表示窓23をその上下方向の中央がリール471〜473の上下方向の中央よりも上方に位置するように配置し、さらに表示窓23を下端に向かうほど手前側に位置するように傾斜させた構成とすることにより、リール装置406が従来のスロットマシンよりも下方に位置する構成において、表示窓23を介した図柄の視認性が低下することを抑制することができる。即ち、当該スロットマシンにおいて遊技が行われる場合には、遊技者の目の位置は表示窓23の上方になると想定され、遊技者は表示窓23を見下ろすこととなる。この場合に、表示窓23をその上下方向の中央がリール471〜473の上下方向の中央よりも上方に位置するように配置し、さらに表示窓23をその下端に向かうほど手前側に位置するように傾斜させることで、遊技者が見下ろす角度に対して表示窓23が向く構成となるからである。
また、液晶表示装置600に対して取り付けられる表示制御装置601がリール装置406と前後方向に重ならないようにした構成とすることにより、上記のように表示画面600aとリール装置406とが前後方向に重なるようにした構成において表示制御装置601を液晶表示装置600に対して無理なく取り付けることができる。即ち、表示制御装置600とリール装置406とが前後方向に重なる構成においては、表示制御装置601とリール装置406とが衝突しないように表示制御装置601の構造を複雑にしたりする必要が生じるからである。
ここで、上記のように表示画面600aの拡張を実現することで筐体11内におけるホッパ装置110を配設するための空間が狭小化された構成においては、ホッパ装置110の背を従来のスロットマシンよりも低くする必要がある。但し、この場合に、貯留タンク111の容量が小さくなるのは好ましくない。これに対して、貯留タンク111における貯留部113の外面を貯留部113内側に凹ませることで貯留部113の内面113aから膨出した膨出部115を形成し、当該膨出部115内に払出装置120における回転ディスク124の上端側の周囲壁124bを収容する構成とすることにより、貯留タンク111の容量を十分に確保しつつ、貯留タンク111の上端の位置を払出装置120の上端とほぼ同じ高さとすることができ、ホッパ装置110の高さを従来のスロットマシンにおけるホッパ装置よりも低くすることができる。
なお、貯留タンク111の上端の位置を払出装置120の上端よりも低くした構成であっても、ホッパ装置110の高さは上記実施の形態における構成と同じ高さとなるが、この場合、貯留タンク111の容量が上記実施の形態よりも小さくなってしまう。従って、貯留タンク111の上端の位置を払出装置120の上端とほぼ同じ高さとする構成とすることで、貯留タンク111の容量を好適に確保することができる。また、本実施の形態では、払出装置120のハウジング121の上端が回転ディスク124の上端側の周囲壁124bよりも若干高い位置にある構成となっている。これにより、ハウジング121内の容量を十分に確保しつつ、払出装置120の高さを極力低くした構成となっている。そして、払出装置120の高さを極力低くした構成において、上記のように貯留タンク111の上端の位置を払出装置120の上端とほぼ同じ高さとすることで、ホッパ装置110の高さを好適に低くすることができる。
また、膨出部115を、回転ディスク124の周囲壁124bにおける突出部Wの外郭に沿うようにして形成した構成とすることにより、膨出部115が極端に大きくなるのを防止することができる。当該膨出部115は、貯留部113の内面に設けられるため、膨出部115の大きさに応じて貯留部113の容量が小さくなってしまう。これに対して、本構成であれば、貯留部113の容量が小さくなるのを極力抑えつつ、膨出部115を設けることができる。
また、膨出部115の上端の位置を、貯留タンク111の上面開口部112よりも下方とした構成とすることにより、膨出部115が貯留タンク111へのメダルの補給作業の邪魔になるといった不都合を防止することができる。また、補給用の容器Vから貯留タンク111内へと補給されるメダルが膨出部115に衝突してその反動で貯留タンク111外へと飛び出してしまうといったことも極力防止することができる。
また、貯留部113の内面113aにおける膨出部115の周囲には、導出部114に向けてメダルが流下していくことができる程度の領域が確保されていることにより、貯留部113の内面113a上に位置するメダルが導出部114へと流下していくのを膨出部115により遮られるのを防止することができる。さらに、膨出部115におけるメダル流下方向上流側の表面である左側面115bが、上流側に凸となる曲面に形成されていることにより、貯留部113の内面113aを流下するメダルが膨出部115上に留まるのを防止することができる。これにより、膨出部115を設けた本構成において、内面113a上のメダルの流下をスムーズなものとすることができる。
また、貯留タンク111を隔壁119により上下に区画することで貯留部113と導出部114とが設けられているので、貯留部113と導出部114とをできる限り近付けることができる。これにより、貯留タンク111の高さが低くなるので、ホッパ装置110の高さを低くすることができる。この場合においても、上記のとおり膨出部115が設けられているので、貯留タンク111の容量を十分に確保することができる。
なお、貯留タンク111においてメダルを貯留する貯留部113と、この貯留されているメダルを払出装置120に導出する導出部114とを並設することにより、貯留タンク111内に貯留されているメダルの重量が払出装置120の回転ディスク124に集中するのを防止することができる。
また、貯留タンク111の貯留部113の内面113aが補助タンク140の上面開口部140aとその上方において平面視で重なるように貯留タンク111を補助タンク140側へと延設させた構成とすることにより、上記のようにホッパ装置120の高さが従来のスロットマシンよりも低く設定されている構成において、貯留タンク111を左右方向に拡張させることができ、貯留タンク111の容量を極力大きくすることができる。なお、ホッパ装置110(払出装置120)は筐体11の底板11b上においてレール16により前後方向にスライド案内可能に支持されているが、貯留タンク111は補助タンク140と上下に重なっているだけであるので、貯留タンク111の容量の拡大に伴ってホッパ装置110のスライド案内が阻害されることはない。
また、貯留タンク111の右壁部113bには内側へと凹んだ凹部116が設けられており、当該凹部116の第1壁部116bに形成されたメダル排出口116aを介して貯留タンク111内から補助タンク140の上面開口部140aの上方へと延びる誘導プレート117が設けられている。このように内側へと凹んだ凹部116にメダル排出口116aを形成した構成とすることにより、貯留タンク111の左右方向の拡張とは無関係にメダル排出口116aの位置を設定することができるため、傾斜角度やメダル排出口116aから外側に突出する長さといった誘導プレート117の構成を貯留タンク111から補助タンク140へとメダルの排出を行う上で好適なものとすることができる。
また、貯留タンク111の底部111bを、払出装置120側から補助タンク140側へ近づくほど上方に位置するように形成したことにより、貯留タンク111の底部111bよりも下方の空間が広く確保されている。これにより、補助タンク140の高さを極力高くすることが可能となり、補助タンク140の容量を十分に確保することができる。
また、凹部116を、第1壁部116bと第2壁部116cとが直交するように形成することにより、メダル排出口116aから補助タンク140に向けた空間を好適に確保しつつ、凹部116の大きさを極力小さくすることができる。これにより、メダル排出口116aからのメダルの排出を好適なものとしつつ、凹部116を形成したことによる貯留タンク111の容量の減少を極力抑えることができる。
また、凹部116を、右壁部113bと前壁部113cとのコーナー部分に設けた構成とすることにより、誘導プレート117を前壁部113cの内壁に取り付けることができるので、誘導プレート117の貯留タンク111に対する取り付けの機構を簡略化することができる。
また、誘導プレート117の外側端部が、補助タンク140の上面開口部140aにおける左右方向の中央よりも左側(貯留タンク111側)に位置するように設定した構成とすることにより、誘導プレート117からメダルが勢いよく飛び出した場合に、そのメダルが補助タンク140内に収容されないといった不都合の発生を防止することができる。
また、誘導プレート117の外側端部に、当該誘導プレート117の底部117aから上方へと起立し、且つ補助タンク140の上面開口部140aの内側に向けて延びる案内部117cを設けた構成とすることにより、誘導プレート117の底部117a上を流下するメダルは案内部117cに衝突することにより、補助タンク140内へと確実に収容されることとなる。また、本実施の形態のように、誘導プレート117が前壁部113cの内壁に取り付けられている構成においては、案内部117cが設けられていないと、誘導プレート117から排出されるメダルが補助タンク140内に収容されないおそれがあるだけでなく、補助タンク140の隅にメダルが偏って収容され補助タンク140の全体にメダルが収容される前に当該補助タンク140からメダルが溢れてしまうおそれがある。これに対して、本構成によれば、誘導プレート117から排出されるメダルは、案内部117cにより補助タンク140における上面開口部140aの中央付近へと案内されるので補助タンク140へのメダルの排出を好適に行うことができる。
また、ホッパ装置110の貯留タンク111における上面開口部112の手前側が下側仕切板405と平面視で重ならないように、下側仕切板405の手前側端部に奥側へと後退した後退部468を設けた構成とすることにより、下側仕切板405とホッパ装置110との間の距離が狭められた構成において貯留タンク111に対するメダルの補給及び取り出しの作業空間を確保され、貯留タンク111に対するメダルの補給及び取り出しの作業性を良好なものとすることができる。
また、下側仕切板405の前側端部における貯留タンク111の上方に位置する部位の全体に渡って後退部468を延設させた構成とすることにより、貯留タンク111に対するメダルの補給及び取り出しの作業空間を左右方向に最大限拡張することができ、貯留タンク111に対するメダルの補給及び取り出しの作業性をより良好なものとすることができる。また、後退部468を、左右方向に延び、且つ直線状とした構成とすることにより、上面開口部112の上方であれば、どの位置でもメダルの補給及び取り出しの作業を同じように行うことができる。これにより、メダルの補給及び取り出しの作業の自由度を高めることができ、当該作業をより良好なものとすることができる。
また、下側仕切板405の手前側端部の全体を後退させるのではなく、当該手前側端部の左右両端が筐体11の前面開口部付近に位置している構成とすることにより、下側仕切板405をベースフレーム401に固定するための領域を広く確保することができる。従って、リール装置406を安定した状態で支持するという機能を確保しつつ、貯留タンク111に対するメダルの補給及び取り出しの作業性を良好なものとすることができる。
また、操作領域としてのテーブル部40の上面から上方へと起立し左右方向に延びる基台部51の前面にストップスイッチ52〜54を配設する構成とすることにより、手を左右方向にスライドさせることで1のストップスイッチ52〜54の前方に手を持っていき当該位置から手を少なくとも前後方向に移動させることによりストップスイッチ52〜54を押圧操作するという従来機におけるストップスイッチ52〜54の操作態様を維持した状態で、ストップスイッチ52〜54の位置をテーブル部40の上面よりも上方にすることができる。従って、上記のように表示画面600aを拡張した構成であっても、ストップスイッチ52〜54の操作態様を変更させることなくストップスイッチ52〜54の位置を極力上方にすることができる。スロットマシン10の遊技は、予め設定された有効ライン上に所定の図柄の組合せを停止させるべくストップスイッチ52〜54を押圧操作することにより行われる。この場合に、ストップスイッチ52〜54の操作性が低下すると、ストップスイッチ52〜54の操作ミスが発生し、有効ライン上に所定の図柄の組合せを停止させることができる条件が成立しているにも関わらず当該所定の図柄の組合せを停止させることができずに、本来得られたであろう利益を逸脱してしまう可能性がある。さらに、ストップスイッチ52〜54は、複数あるリール471〜473と1対1に対応させて配設されており、各遊技回毎にそれぞれのストップスイッチ52〜54が操作されることとなる。よって、ストップスイッチ52〜54は、ベットスイッチ42〜44やスタートスイッチ45に比べ操作頻度が高く、ベットスイッチ42〜44やスタートスイッチ45よりも操作性が低下したときの不都合が大きい。このような状況において、表示画面600aを拡張することによりストップスイッチ52〜54の位置が極端に下方となりストップスイッチ52〜54の操作性が低下すると、遊技興趣の向上及び異常報知の明確化を図るべく表示画面600aを拡張した効果が消失してしまうこととなる。これに対して、ストップスイッチ52〜54の位置を極力上方にすることでストップスイッチ52〜54の操作性が低下するのを防止することにより、表示画面600aを拡張した効果を最適に引き出すことができる。
また、情報表示部60と基台部51とが正面視で前後方向に重なる構成となっている。情報表示部60には、残数表示部61、ゲーム数表示部62及び獲得枚数表示部63が設けられており、これら各表示部61,62,63においては遊技の進行に伴う管理的な情報が表示される。従って、これら各表示部61,62,63を遊技者が視認し易いように、表示窓23と操作領域の間に配設されるのが一般的である。なぜなら、遊技に際しては、表示窓23を介して図柄の変動が視認され、さらにスタートスイッチ45などを操作する毎に操作領域(本実施の形態では、テーブル部40)が視認されるので、遊技者の視線の移動範囲には表示窓23と操作領域との間が確実に含まれることとなるからである。この場合に、情報表示部60と基台部51とが正面視で前後方向に重なる構成となっていることにより、表示窓23とテーブル部40との間に情報表示部60が位置する構成において、ストップスイッチ52〜54の位置を極力上方にすることができる。
また、情報表示部60と基台部51とが正面視で前後方向に重なる構成において、基台部51が情報表示部60から前方に離間させて配置されており、さらに基台部の後面51bが奥側に向けて下方に傾斜していることにより、情報表示部60の前方斜め上方からの当該情報表示部60への視認性が確保されている。なお、後面51bが奥側に向けて下方に傾斜していることにより、基台部51のテーブル部40との接地面を拡張することができ、情報表示部60への視認性を確保するという効果を奏しつつ、基台部51の強度を十分に確保することができる。これにより、ストップスイッチ52〜54が力強く押下操作された際に、基台部51の破損等の不具合の発生を抑制することができる。
また、基台部51の前面51a及び後面51bの上端部が近接しており、さらに後面51bを奥側に向けて下方に傾斜した傾斜面にて形成する構成とすることにより、ストップスイッチ52〜54の操作性をより良好なものとすることができる。即ち、遊技者は多くの場合、例えば右手又は左手の親指でストップスイッチ52〜54を押圧操作する。この場合に基台部51の後面51bが上記構成となっていることにより、親指以外の指を後面51bに回したり、後面51bを積極的に指掛け部として利用したりすることができるからである。
また、基台部51の前面を、手前側に向けて下方に傾斜した傾斜面にて形成する構成とすることにより、ストップスイッチ52〜54を若干上向きに設けることができ、ストップスイッチ52〜54の位置が従来機よりも下方に位置する構成において、ストップスイッチ52〜54の操作性を良好なものとすることができる。即ち、ストップスイッチ52〜54の押圧操作を良好に行うことができる場合とは、腕を曲げ手を上方に持ってきた状態から直線的に手を移動させることでストップスイッチ52〜54を押圧操作することができる場合である。そして、従来機においては、腕を曲げ手を上方へと持ち上げた状態から手を略水平方向に直線的に移動させることにより、ストップスイッチ52〜54の押圧操作をすることができた。これに対して、ストップスイッチ52〜54の位置が従来機よりも下方となる構成においては、ストップスイッチ52〜54が斜め上方を向く構成とすることにより、手を従来よりも斜め下方に直線的に移動させることで、ストップスイッチ52〜54を押圧操作することができる。
また、ストップ操作装置50を、テーブル部40上面の奥側に配設し、当該テーブル部40におけるストップ操作装置50の手前側の部分を平坦面とする構成とすることにより、遊技者はテーブル部40の上面に手や腕をついた楽な体勢で遊技を行うことができるので、継続して遊技を行う遊技者の疲労の軽減を図ることができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)図50には、別の構成のスロットマシン800を示す。なお図50では、前記図1等で説明したスロットマシン10と構成を等しくする部材につては同じ部材番号を付し説明を省略する。
スロットマシン800では、遊技パネル21の背面側に17ワイドインチ液晶装置(縦寸法は15インチ液晶装置と同じだが、横寸法を拡張したもの)を搭載した事例を示しており、前記図1等のスロットマシン10に比べて、遊技パネル21の縁部付近にまで液晶表示画面が設定されている。ワイドタイプの液晶装置を使うことで、上記実施の形態よりもダイナミックな表示演出が可能となり、さらには異常報知をより明確に行うことができる。
なお、スロットマシン800では、テーブル部40上に設けた三角山形状のストップ操作装置50を無くし、それに代えて3つのストップスイッチ52〜54をテーブル部40上に直に設けている。この場合、前記図1等のスロットマシン10では、ストップスイッチ52〜54のスイッチ片が若干上向きでほぼ鉛直に起立しており、手前側からのスイッチ押し操作が有効となったが、スロットマシン800では、ストップスイッチ52〜54のスイッチ片がほぼ水平に寝ており、ほぼ真上からのスイッチ押し操作が有効となる。故に、テーブル部40上に手を置いた状態で、まるでパソコンキーボードを操作するような手つきでのスイッチ操作が可能となっている。
また、テーブル部40上において、手動投入式のメダル投入装置41に代えて、自動取り込み式のメダル投入装置801を設けている。メダル投入装置801は、テーブル部40の内方に電動式のメダル取込装置を備えており、皿部802に載せられたメダルが順次自動的に取り込まれるようになっている。
(2)表示画面600aを、その下部がリール装置406の上部と重なるだけでなく、各リール471〜473の上部とも重なる程度に下方へと拡張する構成としてもよい。当該構成であれば、上記実施の形態よりも表示画面600aの大きさを拡張することができる。但し、表示窓23を介した図柄の視認性が低下するのを防止すべく、下方への拡張は表示画面600aが表示窓23とは重ならない程度とする必要がある。
(3)上記実施の形態では、情報表示部60が表示窓23とテーブル部40との間に配設されている構成であったが、下側の遊技パネル部22における表示窓23の側方に配設する構成としてもよい。この場合、上記実施の形態よりも表示窓23の位置を下方にすることができる。これにより、表示窓23の上方の領域が上記実施の形態よりも拡張され、上記実施の形態よりも表示画面600aを拡張することができる。
(4)基台部51の高さを上記実施の形態よりも高くする構成としてもよい。具体的には、基台部51の上端が遊技パネル部22の下端と情報表示部60の上端との間に位置する構成としてもよい。また、基台部51の上端が遊技パネル部22の下端よりも上方に位置する構成としてもよい。これらの場合、上記実施の形態よりも上方にストップスイッチ52〜54を配置することができる。但し、情報表示部60や表示窓23の視認性を確保するために、例えば、基台部51の位置を上記実施の形態よりも前方にするといった構成の変更を行う必要がある。
(5)基台部51の形状を変更してもよい。ここでは、図51を用いながら上記実施の形態との相違点についてのみ説明する。但し、便宜上、図51においては基台部及び基台部周辺の右側面から見た構成を簡略に示し、図51(a)には、他の構成との比較のために上記実施の形態における構成を簡略に示す。
図51(b)に示す構成では、基台部501の前面501a及び後面501bの上端部が離間されておらず、重複した構成となっている。また、図51(c)に示す構成では、基台部502の後面502bは上記実施の形態と同様に奥側に向けて下方に傾斜しているのに対して、前面502aは手前側に向けて下方に傾斜しておらず、略鉛直に設けられた構成となっている。なお、これとは逆に前面は手前側に向けて下方に傾斜しているのに対して後面が略鉛直に設けられた構成としてもよい。
また、図51(d)に示す構成では、基台部503の前面503aは上記実施の形態と同様に手前側に向けて下方に傾斜しているのに対して、後面503bにはその全体に渡って左右方向に延びる溝503cが形成された構成となっている。当該溝503cが形成されていることにより、遊技者は左手又は右手の親指以外の指を溝503cへと沿えることにより基台部503を掴むような状態でストップスイッチ52〜54の操作をすることができる。
また、図51(e)に示す構成では、基台部504の前面504aは上記実施の形態と同様に手前側に向けて下方に傾斜しているのに対して、後面504bは奥側に膨らんだ曲面状となっている。一般的に、人の指は何ら力を入れていない状態においては、真直ぐに伸びた状態とはなっておらず、若干内側に曲がった状態となっている。従って、後面504bを奥側に膨らんだ曲面状とすることにより、遊技者は左手又は右手の親指以外の指を後面504b上に載置し易くなる。
また、図51(f)に示す構成では、下扉14から前方へと延びる上面505bと該上面505bのスロットマシン前方側の端部から手前側に向けて下方に傾斜した前面505aとを有する構成となっている。本構成では、図51(a)〜(e)の構成とは異なり、左手又は右手の親指以外の指を基台部の後面にまわすのではなく、上面505bに載置することができる。但し、本構成の場合、上記実施の形態のように基台部505の後方に情報表示部60を配設することができないので、情報表示部60の配置位置を変更する必要があり、例えば、下扉14の前面における基台部505の左右両側に配置したり、テーブル部40の上面に配置したりする構成が考えられる。
なお、図示による説明は省略するが、基台部51の左右方向の長さを上記実施の形態よりも長くする構成としてもよい。また、上記実施の形態では、基台部51の左右両側の側面51c,51dが外側に向けて下方に傾斜した構成であったが、鉛直又は略鉛直方向に設ける構成としてもよい。
上記いずれの構成であっても、操作領域が従来機よりも下方に位置する構成においてストップスイッチ52〜54の位置を操作領域よりも上方にすることができ、ストップスイッチ52〜54の操作性が低下するのを防止することができる。
(6)上記実施の形態では、ストップ操作装置50をテーブル部40の奥側に配置する構成であったが、テーブル部40の前後方向の中央付近又は手前側に配置する構成であってもよい。この場合、基台部51が情報表示部60から前方に離れた位置となるため、上記実施の形態のように、基台部51の後面51bを奥側に向けて下方に傾斜した傾斜面により形成しなくとも、情報表示部60の視認性を確保することができる。
(7)上記実施の形態では、テーブル部40におけるストップ操作装置50の手前側の部分が平坦面となっている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、当該部分に曲線状の凹凸を施し、手や腕を載置し易い構成としてもよい。
(8)上記実施の形態では、精算スイッチ56が下扉14の前面に配置されている構成であったが、精算スイッチ56がテーブル部40の上面に配置されている構成であってもよい。但し、ストップスイッチ52〜54などの操作時において誤って精算スイッチ56が操作されないようにすべく、精算スイッチ56はテーブル部40の奥側に配置する構成とする。
(9)上記実施の形態では、基台部51がテーブル部40に固定されている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、テーブル部40に対する基台部51の組付け角度を調整することができる角度調整手段を設ける構成としてもよい。具体的には、基台部をテーブル部40とは別体として設け、さらにテーブル部40の上面に基台部の左右両側の端部を回動可能に支持する支持部を設ける。そして、基台部をテーブル部40に対する所定の角度で固定することができるよう固定部材を設ける。これにより、遊技者が最もストップスイッチ52〜54を操作し易いように基台部の組付け角度を調整することができるので、ストップスイッチ52〜54の操作性のさらなる向上を図ることができる。
(10)貯留タンク111における補助タンク140周辺の構成を図52に示すように変更してもよい。なお、図52には、貯留タンク111における補助タンク140周辺の構成を平面視で簡略に示し、さらに便宜上、補助タンク140を破線で示す。また、上記実施の形態とは異なる構成のみを説明する。
図52(a)に示す構成では、貯留タンク111の右壁部113bが補助タンク140の上面開口部140aの右側端部よりも右方に位置している。この場合、貯留タンク111の容量を上記実施の形態よりも大きくすることができる。但し、貯留タンク111の底部と補助タンク140とが接触しないようにするために、貯留タンク111の底部の形状や補助タンク140の上下方向の長さを調整する必要がある。また、上記実施の形態では、補助タンク140が筐体11の側板11eの内向面と接触するように配設されていたが、本構成では、補助タンク140を筐体11の側板11eから若干離す必要がある。このような構成であっても、凹部116にメダル排出口が形成されていることにより、貯留タンク111から補助タンク140のメダルの排出を最適に行うことができる。
図52(b)に示す構成では、貯留タンク111を左右方向に延設させた程度は、図52(a)における構成と同程度である。但し、本構成では、上記実施の形態における誘導プレート117は設けられておらず、凹部116の第1壁部116bが補助タンク140の上面開口部140aと平面視で重なった構成となっている。そして、貯留タンク111内から凹部116の第1壁部116bに形成されたメダル排出口へとメダルを誘導すべく誘導部147が設けられている。従って、貯留タンク111から補助タンク140へのメダルの排出はメダル排出口から直接行われることとなる。
図52(c)に示す構成では、凹部116が貯留タンク111の右壁部113bと前壁部113cとのコーナー部分に形成されておらず、右壁部113bの前後方向の中央付近に形成されている。そして、貯留タンク111内からメダル排出口を介して補助タンク140の上面開口部140aの上方へと傾斜した誘導部148が支持部149により第2壁部116cに支持されている。本構成であれば、補助タンク140の前後方向の中央付近にメダルが排出されることとなる。従って、補助タンク140へと排出されるメダルはその中央付近に最初に貯まり、さらにメダルが排出されることにより除々に外縁へと広がっていくこととなるので、補助タンク140におけるメダルの貯留を最適に行うことができる。
図52(d)に示す構成では、第2壁部116cが平面視で右壁部113bから第1壁部116bへと傾斜した構成となっている。そして、誘導プレート117の第1壁部116bよりも外側の外側誘導部117dが、凹部116に形成されたメダル排出口から補助タンク140の上面開口部140aの中央付近に向けて延びた構成となっており、当該外側誘導部117dの右外側の端部にはその全体に渡って案内部117cが形成されている。これにより、貯留タンク111から補助タンク140へと排出されるメダルは、外側誘導部117dに沿って補助タンク140における上面開口部140aの中央付近へと誘導されることとなる。
(11)上記実施の形態では、貯留タンク111から補助タンク140へとメダルを誘導する誘導手段として誘導プレート117が貯留タンク111の前壁部113cの内壁に取り付けられている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、誘導プレート117とほぼ同じ形状の誘導部を貯留タンク111に一体形成する構成であってもよい。また、例えば、板状の誘導プレート117ではなく、管状の誘導管を誘導手段として設ける構成であってもよい。但し、この場合、誘導管における貯留タンク111内の部位は板状としておき、貯留タンク111の外側の部位を管状とするのが望ましい。
(12)上記実施の形態では、貯留タンク111からメダルが排出されることとなるメダル受部として箱状の補助タンク140を配置する構成であったが、これを変更してもよい。例えば、筐体11の底板11bの上記実施の形態における補助タンク140が配置されていた箇所に上下方向に貫通した貫通孔を形成し、該貫通孔の下側には遊技ホールにおけるメダルの貯留設備へと通じるメダル搬送設備を設ける構成としてもよい。但し、当該貫通孔へと確実にメダルを誘導するために、貫通孔の外周から上方へと延びる周囲壁を形成する必要がある。本構成によれば、貯留タンク111のメダル排出口116aから排出されるメダルは、自動的に遊技ホールにおけるメダルの貯留設備へと送られることとなるので、上記実施の形態のような補助タンク140からのメダルの取り出しを行う必要がないという利点がある。
なお、補助タンク140はスロットマシン10において必須のものではなく、少なくとも補助タンク140を配置するための補助タンク配置領域がホッパ装置110の横方向に設けられていればよい。この場合、例えば、遊技ホールなどにおいて当該補助タンク配置領域に上記実施の形態における補助タンク140と同様のタンクを配置することで、補助タンク140としての機能を担保することができる。但し、本構成では、貯留タンク113は補助タンク配置領域と平面視で重なるように拡張させることで、貯留タンク113の容量を極力大きくすることができる。
(13)上記実施の形態では、貯留タンク111の上端の位置が払出装置120の上端とほぼ同じ高さとなっている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、貯留タンク111の上端の位置が払出装置120の上端よりも下方となる構成としてもよい。但し、この場合、回転ディスク124の周囲壁124cの上端側が貯留部113の内面113aから上記実施の形態よりも大きく突出することとなるので、膨出部115の上方へと膨出させる長さを長くする必要がある。従って、上記実施の形態では、膨出部115の上端が貯留タンク111の上面開口部112よりも下方に位置する構成であったが、本構成においては、膨出部115の上端が貯留タンク111の上面開口部112よりも上方に位置する構成となる。
(14)後退部468の構成を図53に示すように変更してもよい。図53(a)に示す構成では、下側仕切板405の手前側端部における貯留タンク111の上方に位置する部位の全体に渡って後退部468が設けられておらず、後退部468の左右方向の長さは、貯留タンク111の左右方向の長さよりも短い構成となっている。但し、後退部468の長さは、貯留タンク111に対するメダルの補給及び取り出しの作業空間を確保することができる程度の長さとなっている。本構成の場合、貯留タンク111に対するメダルの補給及び取り出しの作業空間を確保しつつ、下側仕切板405上の領域を上記実施の形態よりも広くすることができる。従って、下側仕切板405にリール装置406をより安定した状態で設置することができる。図53(b)に示す構成では、下側仕切板405の手前側端部における右側の部位の全体に後退部468が設けられており、左側の部位は、筐体11の前面開口部付近に位置している。当該構成においても図53(a)と同様に下側仕切板405上の領域を上記実施の形態よりも広く確保することができる。また、上記のような構成以外にも、例えば、後退部468の全体を曲線状に設ける構成であってもよい。
(15)上記実施の形態では、後退部468がリール装置406におけるリール471〜473の前後方向の中心よりも前方に位置している構成であったが、これを変更してもよい。例えば、後退部468がリール471〜473の前後方向の中心とほぼ同じ位置、又はリール471〜473の前後方向の中心よりも若干後方に位置する構成としてもよい。これらの場合、上記実施の形態よりも後退部468の位置をさらに奥側へとすることができる。
(16)上記実施の形態では、後退部468には、当該後退部468から下方へと延出した下側リール支持部467が設けられている構成であったが、下側リール支持部467が設けられていない構成であってもよい。但し、この場合、下側仕切部405上にリール装置406を固定するための領域を設ける必要がある。本構成であれば、リールプレート476の底部分(下側仕切部405との固定部分)が後退部468から前方へとまったく突出しない構成とすることができる。
(17)上記実施の形態では、リールユニット400の一部として下側仕切板405が設けられている構成であったが、下側仕切板405が筐体11の側板11d,11eに直接取り付けられている構成としてもよい。
(18)上記実施の形態では、膨出部115は、回転ディスク124における上端側の周囲壁124bの突出部Wに沿うようにして形成されている構成であったが、これを変更してもよい。但し、払出装置120の一部を収容する機能を担保すべく、貯留部113の外面を凹ますことで膨出部115が形成されている必要がある。上記実施の形態とは異なる膨出部115の形状としては、例えば、膨出部115の表面を略半球状とする構成が考えられる。
(19)上記実施の形態では、膨出部115内に回転ディスク124の周囲壁124bの上端部(突出部W)を収容する構成であったが、払出装置120の一部であれば他の部位を膨出部115内に収容する構成であってもよい。例えば、ハウジング121の上部121bを膨出部115内に収容する構成であってもよい。また、ハウジング121の上部121b及び回転ディスク124の周囲壁124bの上端部を収容する構成であってもよい。
(20)上記実施の形態では、払出装置120から右方へと張り出すようにして貯留タンク111が取り付けられている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、払出装置120から左右両方向へと貯留タンク111が張り出している構成であってもよい。但し、この場合、上記実施の形態よりも大きな膨出部115を設け、当該膨出部115内に払出装置120のハウジング121及び回転ディスク124の上端部を収容する構成とする必要がある。本構成によれば、上記実施の形態よりも貯留タンク111の容量を大きく確保することができる。
(21)膨出部115の左側面115bに表面処理を施すことにより、当該左側面115bの摩擦計数を低下させる構成としてもよい。この場合、貯留部113における膨出部115よりも上面開口部112側に位置するメダルが膨出部115に衝突した際に、膨出部115上に留まるのをより確実に防止することができる。なお、表面処理としては、摩擦計数の比較的低いシール部材を左側面115bに貼り付ける方式が考えられる。本構成における技術的思想は、「膨出部の貯留タンクにおける内面の上流側に位置する面に表面処理を施すことにより、少なくとも内面よりも摩擦計数を低下させたこと」である。
(22)上記実施の形態では、リールユニット400を構成する3つのリール471〜473を、各々個別に取り外し可能としたが、3つのリール471〜473を一体化してサブアセンブリ化しても良い。
(23)上記実施の形態では、前面扉12を上扉13と下扉14とで構成し、それら各扉13,14を連結板651にて連結したが、この連結を無くした構成としても良い。つまり、連結を無くすことで、上扉13と下扉14とは各々個別に開閉操作できるようになる。
(24)上記実施の形態では、操作領域としてスロットマシン手前側に張り出すようにしてテーブル部40が設けられている構成であったが、操作領域が従来のスロットマシンのようにスロットマシン手前側に張り出していない構成としてもよい。
(25)上記実施の形態では、上扉13をリールユニット400に開閉可能に取り付けると共に、下扉14を筐体11に開閉可能に取り付けたが、この構成を変更する。例えば、上扉13と下扉14とを共に筐体11に開閉可能に取り付ける構成としても良い。又は、前面扉12を上下に分割せずに構成し、その前面扉12を筐体11に開閉可能に取り付ける構成としても良い。
(26)上記実施の形態では、リール471〜473は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材であり、その外周面に図示しない帯状のベルトが巻回される構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。この場合、円筒骨格部材とベルトとを一体形成したものが「リール」に該当する。また、円筒骨格部材を設けずに外周面に図柄が付された帯状のベルトを真円状とし、リール471〜473の変わりに用いる構成としてもよい。この場合、帯状のベルトが「リール」に該当する。
(27)上記実施の形態では、「ベル」図柄や「スイカ」図柄などが有効ライン上に左・中・右と揃うことでメダルの払い出しが行われる構成であったが、「ベル」・「スイカ」・「リプレイ」の順で有効ライン上に左・中・右と揃うことでメダルの払い出しが行われる構成であってもよい。即ち、「所定絵柄の組合せ」とは、スロットマシンの設計段階において設定された図柄(絵柄)の組合せのことをいう。