はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.遊技機前方に開放された筐体(筐体11)と、
外周に絵柄が付され回転可能に構成される円環状の回転体(リール471〜473)を有する絵柄表示装置(リール装置406)と、
前記絵柄表示装置の制御やその他遊技に関する各種制御を実施する制御基板(主基板273)を有してなる制御基板装置(主制御装置201)と、
前記筐体の前面開口部に開閉可能に設けられる扉体(前面扉12)とを備え、
前記絵柄表示装置及び前記制御基板装置を枠体(ベースフレーム401)に搭載して表示ユニット(リールユニット400)を構成し、該表示ユニットを前記筐体内に組み付けた遊技機であって、
前記制御基板装置を、前記筐体の背面部(背板11c)から浮かせた状態で且つ前記制御基板が遊技機正面方向を向くようにして前記枠体に搭載したことを特徴とする遊技機。
手段1の遊技機において、筐体内には、絵柄表示装置及び制御基板装置を枠体に搭載して構成した表示ユニットが組み付けられている。そして、制御基板装置は、筐体の背面部から浮かせた状態で且つ制御基板が遊技機正面方向を向くようにして枠体に搭載されている。従って、筐体に対して扉体を開いた時には、比較的間近に制御基板装置(制御基板を含む)が位置し、遊技ホールの従業員や管理者等が制御基板装置を確認する際、その確認作業を容易に行うことができる。その結果、制御基板装置に対する不正行為の発見等を確実に行うことができるようになり、当該制御基板装置の適正な管理が実現できる。
手段2.手段1において、前記枠体に、前記絵柄表示装置を搭載するための絵柄表示装置搭載領域(リール設置領域)を前記筐体の前後方向の所定範囲で囲み形成すると共に、該搭載領域の上下左右の何れかに並び、且つ前記絵柄表示装置搭載領域の前寄りとなる位置に前記制御基板装置を搭載するための制御基板装置搭載領域(主制御装置設置領域)を囲み形成したことを特徴とする遊技機。
手段2によれば、制御基板装置搭載領域は、絵柄表示装置搭載領域の上下左右に並び、且つ同絵柄表示装置搭載領域の前寄りとなる位置に設けられており、かかる構成により制御基板装置を筐体の背面部から浮かせる構成を実現している。それ故に、前述の通り制御基板装置の確認等が容易に実施できる。またこの場合、制御基板装置搭載領域よりも後方には筐体の背面部までの範囲で別領域が形成されるため、この別領域を用いて例えば音響装置等を配設するなども可能となる。
手段3.手段2において、前記制御基板装置搭載領域を、前記絵柄表示装置搭載領域の上方であって前記筐体の天井部(天板11a)までの領域に設けたことを特徴とする遊技機。
外周に絵柄を付した回転体(リール)を構成要件とする場合、視認性向上の目的で各絵柄寸法を大きくし、且つ遊技性向上の目的で絵柄数を多くすることが望ましく、かかる構成では回転体の径(リール径)が大きくなる可能性があるが、こうした場合にも、手段3の構成によれば、制御基板装置が回転体の陰に隠れてしまいその視認性が低下するといった不都合が解消できる。
手段4.手段2又は手段3において、前記枠体には、前記絵柄表示装置搭載領域と前記制御基板装置搭載領域とを仕切るための仕切部(上側仕切板404)を設け、該仕切部に、前記絵柄表示装置と前記制御基板装置との電気的接続を中継する基板装置(回路基板452)を設置したことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、絵柄表示装置搭載領域と制御基板装置搭載領域とを仕切る仕切部に基板装置が設けられており、この基板装置により絵柄表示装置と制御基板装置との電気的接続が中継される。この場合、仕切部を用いて効率良く基板装置を配置できる。また、絵柄表示装置と制御基板装置との電気配線等を都合良くまとめることが可能となる。
手段5.手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記枠体の背面部(背面枠部414)を、前記絵柄表示装置の搭載部分では前記筐体の背面部に近接させ、前記制御基板装置の搭載部分では前記筐体の背面部から離間させるよう設けたことを特徴とする遊技機。
手段5によれば、枠体の背面部が絵柄表示装置の搭載部分と制御基板装置の搭載部分とで段差状に形成されることとなり、この構成により、制御基板装置の搭載部分の後方に、例えば音響装置等を何ら支障なく配設することなどが可能となる。
手段6.手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記表示ユニットを、前記筐体に対して着脱自在の交換ユニットとして構成したことを特徴とする遊技機。
手段6によれば、表示ユニットは交換ユニットとして構成されており、表示ユニットの交換時には、絵柄表示装置と制御基板装置とをまとめて交換できる。つまり、遊技機毎に固有となる構成を、それ以外と区別しつつまとめて交換できる。故に、表示ユニットを交換することで遊技機の機種変更が容易に実施することなどが可能となる。
手段7.手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記枠体に対して前記制御基板装置を遊技機前方に回動可能とする回動機構(台座装置210)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、制御基板装置は、回動機構によって遊技機前方に回動可能となっている。この場合、制御基板装置を回動させることにより、制御基板装置を筐体の開口部側(手前側)に引き寄せることができ、不正確認等を間近で行うことができる。このとき、制御基板装置は正面から見て傾くようにして手前側に引き寄せられるため、正面からだけでは確認しにくい不正行為等も容易に確認できる。また、その回動により制御基板装置の裏面(枠体への装着面)が開放されるため、制御基板装置の裏面側に異常や不正が無いこと等の確認も可能となる。なお、収容ケース等に制御基板を収容して制御基板装置を構成する構成では、収容ケースを透明ケース(内部視認可能なケース)とすると良く、これにより、ケース収容の状態まま不正等の確認が容易に実施できる。
手段8.手段7において、前記回動機構は、前記枠体に固定された第1台座部材(固定ベース板211)と、前記制御基板装置を搭載し、前記第1台座部材に重なるようにして設けられた第2台座部材(可動ベース板212)とを備え、前記第2台座部材を前記第1台座部材に対して回動可能としたことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、第2台座部材は、第1台座部材に対して回動可能となっており、第2台座部材の回動により、前述の通り制御基板装置が手前側に引き寄せられ、不正等の確認が容易に実施できる。
手段9.手段8において、前記第2台座部材を前記第1台座部材に対して回動させた状態で、第2台座部材の回動先端部から前記制御基板装置を着脱可能な構成としたことを特徴とする遊技機。
手段9によれば、第2台座部材を第1台座部材に対して回動させることで、第2台座部材の回動先端部を手前側に引き寄せることができ、その状態では、第2台座部材に対して制御基板装置を容易に装着又は離脱させることができる。従って、制御基板装置の取り外しの利便性が向上し、制御基板装置の検査時や交換時における作業性を向上させることができるようになる。
手段10.手段9において、前記第1台座部材に対する前記第2台座部材の回動動作を規制する回動規制手段(鍵部材K2)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、第1台座部材に対する第2台座部材の回動動作が回動規制手段により規制されており、回動規制手段による回動規制を解除しなければ第2台座部材を回動させることができず、ひいては制御基板装置を離脱させることができない。従って、制御基板装置が不正に取り外される等の不都合を抑制することができる。回動規制手段としては、施錠解除部材の解除操作によってのみ解錠可能な鍵部材等であれば良い。
手段11.手段1乃至手段10のいずれかにおいて、前記筐体の前方開口部に少なくとも上下2つに分離可能な扉体(上扉13,下扉14)を設置する構成であって、そのうち上側の扉体(上扉13)を前記表示ユニットに開閉可能に組み付けたことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、表示ユニットと扉体とを結合させて1ユニットとして扱うことができる。また、遊技機の機種毎の外観や遊技内容が表示ユニットと上側の扉体とで確定されるような構成において、表示ユニットと扉体とを結合させて1ユニットとして扱うことにより、機種変更が容易に実施できる。
手段12.遊技機前方に開放された筐体(筐体11)と、
遊技に関する各種制御を実施する制御基板(主基板273)を有してなる制御基板装置(主制御装置201)と、
前記筐体の前面開口部に開閉可能に設けられる扉体(前面扉12)とを備え、
前記制御基板装置を、前記筐体の背面部(背板11c)から浮かせた状態で且つ前記制御基板が遊技機正面方向を向くようにして筐体内に設置したことを特徴とする遊技機。
手段12の遊技機では、筐体内においてその背面部から浮かせた状態で且つ制御基板が遊技機正面方向を向くようにして制御基板装置が設置されている。従って、筐体に対して扉体を開いた時には、比較的間近に制御基板装置(制御基板を含む)が位置し、遊技ホールの従業員や管理者等が制御基板装置を確認する際、その確認作業を容易に行うことができる。その結果、制御基板装置に対する不正行為の発見等を確実に行うことができるようになり、当該制御基板装置の適正な管理が実現できる。
手段13.手段12において、前記筐体内には、その背面部から離間した位置に、当該背面部に対向するようにして制御基板装置搭載部材を設けたことを特徴とする遊技機。
手段13によれば、筐体内に設けた制御基板装置搭載部材に制御基板装置を搭載することで、制御基板装置を、筐体の背面部から浮かせた状態で且つ制御基板が遊技機正面方向を向くようにして設置できる。これにより、所望とする位置に制御基板装置を容易に設置できるようになる。
手段14.手段13において、前記制御基板装置搭載部材に脚部を設け、この脚部を前記筐体の背面部に固定したことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、制御基板装置搭載部材に脚部を設けることで、制御基板装置搭載部材を筐体の背面部から離間させて設ける構成が実現できる。
手段15.手段13において、前記制御基板装置搭載部材を、前記筐体の背面部以外の壁面部(天板11a,側板11d,11e)に固定して設けたことを特徴とする遊技機。
手段15によれば、制御基板装置搭載部材を筐体の背面部以外の壁面部に固定することで、制御基板装置搭載部材を筐体の背面部から離間させて設ける構成が実現できる。
なお、手段14,15において、制御基板装置搭載部材を、筐体背面部からの距離を変更できる構成とすることも可能である。その手段として、前記脚部の長さが可変となる構成を設けたり、筐体内における制御基板装置搭載部材の固定位置を変更可能としたりすることが考えられる。
手段16.手段13乃至手段15のいずれかにおいて、外周に絵柄が付され回転可能に構成される円環状の回転体(リール471〜473)を有する絵柄表示装置(リール装置406)を前記筐体内に設けた遊技機であって、前記制御基板装置搭載部材を、前記筐体内で前記絵柄表示装置と筐体天井部(天板11a)との間に設けたことを特徴とする遊技機。
手段16によれば、筐体内における絵柄表示装置の上方空間を有効利用して制御基板装置搭載部材を設けることができ、更にその位置に制御基板装置を搭載することができる。特に、外周に絵柄を付した回転体(リール)を構成要件とする場合、視認性向上の目的で各絵柄寸法を大きくし、且つ遊技性向上の目的で絵柄数を多くすることが望ましく、かかる構成では回転体の径(リール径)が大きくなる可能性があるが、こうした場合にも、手段16の構成によれば、制御基板装置が回転体の陰に隠れてしまいその視認性が低下するといった不都合が解消できる。
手段17.手段1乃至手段16のいずれかにおいて、前記絵柄表示装置の絵柄の停止態様に応じて遊技者に付加される利益状態が変化する遊技機であって、前記制御基板装置は、前記絵柄の停止態様を制御するものであることを特徴とする遊技機。
上記各手段によれば、制御基板装置に対する不正行為の発見等を確実に行うことができるため、遊技者に付加される利益状態の適正化が可能となる。
手段18.手段1乃至手段17のいずれかにおいて、遊技機は、遊技媒体としてのメダルの投入(クレジットされた仮想メダルの投入を含む)と遊技者による所定の始動操作とを契機として前記絵柄表示装置としての回胴装置(リール装置406)の回転を開始すると共に、遊技者による所定の停止操作に伴い前記回胴装置の回転を停止し、その回転停止時において表示窓(表示窓23)より視認できる停止絵柄に応じて遊技者に利益状態を付与する遊技機であること。
上述した各手段は、一般にスロットマシンと称される遊技機として好適に具体化できる。この遊技機は、所定の径寸法を有する回胴装置を備えており、一般に絵柄表示装置はパチンコ機などよりも大型となる。かかる場合に、上記の如く表示ユニットの着脱が容易となれば、技術的貢献度は大きいものとなる。
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の全体構成を示す斜視図、図2はスロットマシン10の正面図、図3はスロットマシン10の側面図、図4は前面扉12を開いた状態のスロットマシン10の斜視図である。また、本スロットマシン10では、前面扉12が上下分離できる構成となっており、図5は、その分離状態の正面斜視図である。先ずは、図1〜図5に基づいて、スロットマシン10の外観上の構成について説明する。なお、以下の説明において、特に指示しない限りはスロットマシン10の正面視を基準に上下左右等の方向を特定することとする。
スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり(図6の筐体斜視図参照)、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面側が開放された箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
(前面扉12の説明)
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。前面扉12は、上下に分割可能な2体の扉体より構成されており、上側が上扉13、下側が下扉14となっている。上扉13及び下扉14は、筐体11の前側開放部を全て塞ぐように設けられ、スロットマシン10の左縁部を軸線として手前側に開放されるようになっている。この場合、上扉13及び下扉14は裏面側で連結部材により連結されており、基本的に両者一体で開放又は閉鎖される。但し、その詳細な構成は後述する。
上扉13には、正面に向けて上下2つの遊技パネル部21,22が設けられている。このうち、上側の遊技パネル部21はほぼ鉛直方向に設けられており、遊技パネル部21を通じて上扉13の背面側に設けられる液晶表示装置の画像等が表示される。この遊技パネル部21は遊技者に各種情報を与える補助表示部を構成しており、同遊技パネル部21を使って、遊技の進行に伴い各種表示演出が実行される。上側の遊技パネル部21は下側の遊技パネル部22よりも大きい構成となっており、この遊技パネル部21により、大型の液晶表示装置の設置が可能となっている。本実施の形態では、例えば15インチ液晶装置が遊技パネル部21の裏面に設置される。
また、下側の遊技パネル部22は若干上を向くような角度で設けられている。下側の遊技パネル部22には、横長矩形状をなす表示窓23が形成されている。表示窓23は透明又は半透明の材質により構成されており、この表示窓23を通じてスロットマシン10の内部が視認可能となっている。なお、図示の表示窓23に代えて、縦長の複数の表示窓を設けて各表示窓を横並びにするなど、他の構成としても良い。
実際には、上下の遊技パネル部21,22は、全体として1枚の透明パネルにて構成されており、その透明パネルの背面側に貼り付けた囲い部材(例えば黒色シート、フレーム等)により表示窓23等が形成されている。また、透明パネルにおいて、上下の遊技パネル部21,22に相当する部位は平坦面であり、その間に細長く左右に延びる曲面部が形成されている。この場合、透明パネルの曲面部は表示窓23にかからず、かつその背後が視認できないよう遮蔽されている。従って、曲面部を介してマシン内部に外光が侵入し、光の屈折等により後述するリールの図柄が見にくくなる等の不都合が回避できる。なお、上下の遊技パネル部21,22が1枚の透明パネルにて構成されることで、美観向上が図られている。
また、上述したような遊技パネル部21,22の大きさや設置角度等の各構成によれば、大型の液晶表示装置を用いた表示演出によって遊技者に多大なインパクトを与えることを可能にしつつ、本スロットマシン10の主表示部たる表示窓23を通じてのリール図柄の視認を良好なものとしている。
スロットマシン10の正面視からすると、マシン前面部の概ね1/3又はそれ以上の面積を占めるようにして遊技パネル部21が設けられている。これにより、下側の遊技パネル部22(後述するリールを表示するための表示窓23)は、スロットマシン10のほぼ中央の高さ位置に設けられることとなっている。
上扉13の上縁部及び左右両縁部には、遊技パネル部21,22を囲むようにして当該パネル部21,22よりも前方に張り出す囲い部25が形成されており、囲い部25の上部分には中央ランプ部26と左右一対のスピーカ部27とが設けられ、左右両部分には側方ランプ部28が設けられている。中央ランプ部26及び側方ランプ部28は、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりし、スピーカ部27は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする。
(下扉14の説明)
また、下扉14には、スロットマシン手前側に張り出すようにしてテーブル部40が設けられている。テーブル部40は、手前側の縁部が弧状をなす形状としており、その上面は、平坦で且つ手前側に向けて下方に傾斜している。テーブル部40は、遊技者により操作される各種操作部材等を配備した操作部となっており、該テーブル部40上には、メダル投入装置41と、ベットスイッチ42,43,44と、スタートスイッチ45と、ストップ操作装置50が配備されている。
メダル投入装置41はテーブル部40の上面右側に設けられており、該メダル投入装置41の投入口より投資価値としてのメダルが1枚ずつ投入される。メダル投入装置41は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入装置41が遊技者によるメダルの直接投入という動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入装置41から投入されたメダルは、下扉14の背面に設けられた通路切換手段に送られる。すなわち、下扉14の背面には、通路切換手段としてのセレクタ91が設けられており、メダル投入装置41から投入されたメダルは、セレクタ91によって貯留用通路92か排出用通路93のいずれかに導かれる(図4参照)。セレクタ91にはメダル通路切換ソレノイドが設けられており、そのメダル通路切換ソレノイドの非励磁時にはメダル通路が排出用通路93側とされ、励磁時には貯留用通路92側に切り換えられる。この場合、貯留用通路92に導かれたメダルは、後述するホッパ装置110へと導かれる。一方、排出用通路93に導かれたメダルは、下扉14に設けられたメダル排出口72からメダル受皿71へと導かれ、遊技者に返却される。
ベットスイッチ42〜44はテーブル部40の上面左側に設けられており、各ベットスイッチ42〜44の押し操作によって、クレジット(仮想記憶)された仮想メダルが所定ベット数分ずつ投入される。この場合、ベットスイッチ42が押し操作されることで仮想メダルが一度に3枚投入され、ベットスイッチ43が押し操作されることで仮想メダルが一度に2枚投入され、ベットスイッチ44が押し操作されることで仮想メダルが一度に1枚投入される。以下、ベットスイッチ42をMAXベットスイッチ、ベットスイッチ43を2ベットスイッチ、ベットスイッチ44を1ベットスイッチとも言う。本実施の形態では、MAXベットスイッチ42を比較的大きなボタン状に設け、他のベットスイッチ43,44を比較的小さなボタン状に設けている。ベットスイッチ43,44は、2つ合わせて円形状となるよう半円形状で各々設けられている。各ベットスイッチ42〜44は前記メダル投入装置41とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入装置41が遊技者によるメダルの直接投入という動作を伴うのに対し各ベットスイッチ42〜44はクレジットに基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、MAXベットスイッチ42には、1遊技回につき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、MAXベットスイッチ42のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ42の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートスイッチ45は、テーブル部40の上面左側においてMAXベットスイッチ42よりも手前側に設けられており、概ねMAXベットスイッチ42と同形状をなす構成となっている。このスタートスイッチ45は、後述するリール装置の各リール(回転体)を回転始動させるための操作部材であり、各リールを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。
ストップ操作装置50は、テーブル部40のほぼ中央位置に設置されており、略三角柱状をなしスロットマシン10の左右方向に延びる基台部51と、該基台部51の前面側に並設された3つのストップスイッチ52,53,54とよりなる。各ストップスイッチ52〜54は、停止対象となるリール(左、中、右の三列のリール)に対応するよう設けられており、回転中の各リールを個別に停止させるために操作される停止操作手段を構成する。この場合、ストップスイッチ52〜54は若干上向きに設けられている。各ストップスイッチ52〜54は、各リールが定速回転となると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
遊技者がストップスイッチ52〜54を押下操作する際には、例えば右手又は左手の親指で当該ストップスイッチ52〜54が押されることがあると考えられる。この場合、基台部51が略三角柱状をなしていることから、親指以外の指を基台部51の後側傾斜部に回したり、基台部51の後側傾斜部を積極的に指掛け部として利用したりすることができる。
遊技者は各ストップスイッチ52〜54を力強く押下操作することもあるが、基台部51を略三角柱状にしたことでその強度が十分に確保でき、ストップ操作装置50の破損等の不具合の発生が抑制できるようになっている。また、後で詳しく説明するが、本スロットマシン10では、各ストップスイッチ52〜54の位置が従来機よりも下方となっている(図26参照)。かかる構成であっても、上記の通りストップスイッチ52〜54が若干上向きに設けられているため、操作性が良好なものとなる。
各ベットスイッチ42〜44の上方には、ボタン状の精算スイッチ56が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルをクレジットメダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、クレジットメダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ56が押下操作されることで、クレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ56は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルをクレジットメダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ56に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加しても良い。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)56は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ56がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ56がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ56は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
また、遊技パネル部22とテーブル部40との間、すなわち下扉14の上端部分には情報表示部60が設けられている。情報表示部60には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部61と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部62と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部63とがそれぞれ設けられている。これら表示部61〜63は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、情報表示部60は、前述したストップ操作装置50の背後に位置しており、図2等の正面図で見ると、情報表示部60が見にくくなっているが、実際には、ストップ操作装置50を構成する基台部51が略三角形状をなしてその背後が傾斜面となっており、かつ通常の遊技状態において遊技者は情報表示部60を斜め上方から見るため、情報表示部60が見づらいことはなく、視認し易さが確保されている。
図2に示すように、テーブル部40の下部(メダル投入装置41の下方)には、ボタン状の返却スイッチ65が設けられている。返却スイッチ65は、メダル投入装置41に投入されたメダルがセレクタ91内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチ65が押されることによりセレクタ91が機械的に連動して動作され、当該セレクタ91内に詰まったメダルが後述するメダル排出口72より返却されるようになっている。また、テーブル部40の手前側頂部付近には、テーブルランプ部66が設置されている。
テーブル部40の下方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下部プレート67が装着され、更にその下方にはメダル受皿71が設けられている。メダル受皿71には、メダル排出口72を介してスロットマシン内部のホッパ装置110等からメダルが排出される。メダル排出口72の左右にはスピーカ部73が設けられている。また、メダル受皿71の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿75が設けられている。
下扉14の前面には、上扉13の囲い部25に連続するような造形が施されており、メダル受皿71及び灰皿75の上方左右両側は側壁部76,77となっている。このうち、右側の側壁部77には切欠部78が設けられている。例えば、スロットマシン10の側方(本実施の形態では右側)にメダル貸出装置が設置され、該メダル貸出装置からメダル供給ノズル等が延出される場合、切欠部78にメダル供給ノズルが配され、このノズルを介してメダル受皿71にメダルが貸出供給される。これにより、遊技に際しノズルが邪魔になる、貸出メダルがこぼれ落ちる等の不都合が解消される。
下扉14の右端側にはその背後に貫通するキー孔80が設けられており、そのキー孔80には扉背面側からキーシリンダ655が設けられている。このキーシリンダ655は、前面扉12(上扉13及び下扉14)を開放するために操作される施錠装置を構成するものである。但し、施錠装置の詳細は後述する。
また、本スロットマシン10は、図5に示すように、上扉13の背後にリールユニット400が結合される構成となっており、上扉13とリールユニット400とを1つの結合ユニットとして当該ユニットを筐体11側より分離させることができるようになっている。その詳細は後述する。
(筐体11の内部構造)
次に、スロットマシン10の内部構造について説明する。先ずは、筐体11の内部構造について図6,図7を用いて説明する。図6は、筐体11の内部構造を示す斜視図、図7は同内部構造を示す正面図である。
図6及び図7に示すように、筐体11の内部において下側左隅部には電源ボックス100が設けられている。電源ボックス100は、各種電気装置や制御装置等に電源を供給するための電源装置であり、起動スイッチである電源スイッチや、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットスイッチや、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うための設定キー挿入孔などを備えている。つまり、本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。この場合、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチを押しながら電源スイッチをオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチがオンされている状態でリセットスイッチを押した場合には、エラー状態がリセットされる。また、ホール管理者等が設定キー挿入孔へ設定キーを挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
電源ボックス100の右側には、メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置110が設置されている。図8はホッパ装置110の構成を示す斜視図である。ホッパ装置110は、多数枚のメダルを貯留可能な合成樹脂製の貯留タンク111と、貯留タンク111内のメダルを順次払い出す払出装置112とより構成されている。貯留タンク111は、上面開口部がほぼ正方形状をなし、下面が斜め下方に傾斜している。そして、ほぼ中央部に、払出装置112のメダル払出用回転板に通じる下部開口部113が形成されている。また、貯留タンク111には、タンク隅部にメダル排出孔114が形成されており、そのメダル排出孔114には金属製の誘導プレート115が取り付けられている。
払出装置112は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、貯留タンク111内のメダルを払出口117から排出する。払出口117から払い出されたメダルは、図4等に示す開口94から排出用通路93に入り、その排出用通路93を介してメダル受皿71へ排出される。
また、ホッパ装置110の右方には、貯留タンク111内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク120が設けられている。従って、貯留タンク111に多数のメダルが貯まり、その高さが、誘導プレート115が設けられた高さ以上になると、かかる余剰メダルが誘導プレート115により予備タンク120に導かれ、当該予備タンク120内で貯留されることとなる。
筐体11の背板11cには、貯留タンク111の上方位置に四角形状をなす孔部121が形成されている。この孔部121を介して、筐体外部から筐体内部に通じるメダル補給通路を設置することができるようになっており、メダル補給通路の設置により貯留タンク111へのメダルの自動補給が実現できるようになっている。なお、図7等では、孔部121が開放された状態を示しているが、孔部121を使用しない場合(メダルの自動補給を行わない場合等)には、孔部121は塞がれた状態となっている。但し、孔部121が塞がれた状態では、当該孔部121が容易に開放できるよう孔部121周囲に切欠が設けられていると良い。
また、筐体11の左側板11dには、下扉14を開閉可能に支持するための扉支持金具131が取り付けられている。扉支持金具131には、上下2カ所に支軸132,133が設けられており、各支軸132,133には上方に延びる先細り形状の軸部がそれぞれ設けられている。また、筐体11の右側板11eには、下扉14を閉鎖状態で保持するための鉤受け部135が取り付けられている。
筐体11の左右両方の側板11d,11eには、後述するリールユニット400を搭載するための金属製の支持レール部材151,152が左右同じ高さで固定されている。各支持レール部材151,152は何れも同じ構造を有するものであるが、図6を用いて左側の支持レール部材151について説明すると、同支持レール部材151は、筐体11dへの取付部となる取付板部の他に、前後方向に水平に延びる水平部151aと、該水平部151aよりも前側で下方に鉛直に折り曲げられた折曲部151bと、水平部151aよりも後側で斜め下方に折り曲げられた後方傾斜部151cとを有する。折曲部151bには、手前側に延びるようにして先細り形状の突起151dが設けられている。なお、右側の支持レール部材152も同様に、水平部152a、折曲部152b、後方傾斜部152c、突起152dを有する。
筐体11の左側板11dには、そのほぼ中央位置に中継基板155が設けられている。また、筐体11の左側板11d及び右側板11eにはロック金具156,157が取り付けられており、このロック金具156,157によって、筐体11に着脱自在に組み付けられる、後述するリールユニット400が装着状態で固定されるようになっている。
更に、筐体11の背板11cの上部には、ウーハ装置(低音域再生用スピーカ)158が取り付けられている。この場合、ウーハ装置158はウーハユニットとして予め別途作製されたものであり、同ウーハ装置158が完成状態でそのまま筐体11の背板11cに取り付けられるようになっている。つまり、ウーハ設備取り付けのために、筐体11に仕切板等によりウーハ室を形成しておくことなどが不要となる。従って、筐体11単体の運搬時等の取り扱いが容易となる、ウーハ装置の取付作業が容易となる等のメリットが得られる。
(リールユニット400の概略説明)
次に、上扉13と一体化されるリールユニット400の構造について説明する。図9はリールユニット400を斜め上方から見た斜視図、図10はリールユニット400を斜め下方から見た斜視図、図11はリールユニット400の正面図、図12はリールユニット400の側面図、図13はリールユニット400の背面図、図14はリールユニット400を主要構成部品毎に分解して示す分解斜視図である。なお、リールユニット400を構成する3列のリールの外周には、複数の図柄を付したベルトが巻回されるが、図9等にはベルトを巻回していない状態を示している。
リールユニット400は、大別して、樹脂製のベースフレーム401と、同ベースフレーム401の左右両側に組み付けられる金属製の支持金具402,403と、同ベースフレーム401に組み付けられる金属製の上側仕切板404及び下側仕切板405と、これら各仕切板404,405の間に配設されるリール装置406と、主基板ユニット200とを備える。以下、各構成部品を個々に詳しく説明する。
(ベースフレーム401の説明)
先ずは、ベースフレーム401の単体構成を図15を用いて説明する。ベースフレーム401は、例えばABS等の合成樹脂により一体成形されており、大別して左枠部411、右枠部412、上枠部413及び背面枠部414よりなる。この場合、ベースフレーム401を樹脂製一体成形品とすることで、製造が容易となる、リールユニット400としての軽量化が図れる等のメリットが得られる。
左枠部411と右枠部412は概ね対称形状を有しており、背面枠部414との連結部として、左枠部411には中央連結部415と下連結部416とが形成され、右枠部412には中央連結部417と下連結部418とが形成されている。下連結部416,418は、リールユニット400を筐体11に組み付ける際において当該筐体11の支持レール部材151,152(図7参照)上に搭載される被搭載部でもあり、その下面は前後方向に延びるようにして平坦面とされている。また、下連結部416,418の後端部分は一部が下方に突出しており、当該部分がリールユニット400を筐体側に装着する際に用いる滑り部416a,418aとなっている。滑り部416a,418aは、ベースフレーム401の底部より下方に突出し、その外形線が曲線状(R形状)をなすよう形成されている。
上枠部413には、図13(リールユニット400の背面図)に見られるように、多数の補強リブ421が設けられており、その補強リブ421を設けた部分が格子状の補強バー部422となっている。補強バー部422の後方には複数箇所(図では3カ所)に開口部423が形成されており、補強バー部422を手で掴み、指を開口部423に通すことで、ベースフレーム401(リールユニット400)を容易に持ち上げることができるようになっている。また、補強バー部422の前端部には、返し部424が形成されている。リールユニット400を筐体11に組み付けた際、返し部424が筐体11の天板11aの前縁部に重なるようになっている(図4参照)。これにより、筐体11と上扉13との隙間から針金やフィルム等を侵入させようとしてもそれが阻止でき、不正行為の防止が図られている。
背面枠部414は、図12(リールユニット400の側面図)に見られるように、上背面部431と下背面部432とで2段に形成されており、上背面部431は、概ね平面形状、下背面部432は、上背面部431に対して後方に膨出するような形状となっている。下背面部432は、側方から見て上部と下部とが略四半円状をなしている。この場合、上背面部431よりも前方の空間は主基板ユニット200の設置領域となり、下背面部432よりも前方の空間はリール装置406の設置領域となる。背面枠部414の最下部には、内側に突出するようにして3カ所に突起部433が設けられている。
上記の如く背面枠部414が段差状に形成されることで、下背面部432の前方領域においてリール装置406の設置領域が十分に確保できる。故に、リール装置406が無理なく収容できる。また、リールユニット400を筐体11に装着した状態では上背面部431の後方に空間が形成され、その空間にウーハ装置158が設置されるようになっている。更に、下背面部432の下部が略四半円状をなしているため、筐体11の背板11cに設けた孔部121(図7参照)にメダル補給通路を設置する場合にも、そのメダル補給通路をベースフレーム401に干渉することなく設けることができる。
背面枠部414の下面隅部において、左枠部411と右枠部412に設けた滑り部416a,418aよりも内側には、該滑り部416a,418aと同様、下方に突出するようにしてガイドリブ435,436が設けられている(図10参照)。ガイドリブ435,436は、ベースフレーム401の奥行き位置が前記滑り部416a,418aとほぼ同じであり、左右両枠部411,412の下連結部416,418の外面に対して、筐体11に固定した支持レール部材151,152の幅分だけ内側の位置に設けられている。なおガイドリブは、左右の何れか一方にのみ設ける構成であっても良い。
ベースフレーム401の上記構成によれば、リールユニット400を筐体11に組み付ける際、下連結部416,418の滑り部416a,418aが筐体11側の支持レール部材151,152に接触しながらリールユニット400が前方又は後方にスライド移動される。図16は、リールユニット400を側方から見た状態でのユニット組み付け時の様子を示す概略図である。但し図16には、ベースフレーム401の左側の構成に対応する部材番号を付している。同図に示す符号465は、下側仕切板405の前縁部に設けられる折曲部であり(図20参照)、その折曲部465には、支持レール部材151の突起151dに係合する係合孔が形成されている(下側仕切板405の詳細については後述する)。
図16の(a)に示すように、リールユニット400の装着時には、ベースフレーム401の滑り部416aを支持レール部材151の水平部151a上に載せた状態で、手前側を僅かに持ち上げるようにしてリールユニット400を筐体奥側(図の右方)に押し込む。この押し込みにより、支持レール部材151上を滑り部416aが滑るようにしてリールユニット400が移動する。このとき、滑り部416aがベースフレーム401の背面寄りに設けられているために、いち早くリールユニット400の重さを筐体11側に預けることができる。また、滑り部416aは外形線が曲線状(R形状)をなしていることから、リールユニット400の傾きの状態にかかわらず滑り部416aと支持レール部材151の水平部151aとは常に同じ状態で接触する。従って、リールユニット400の傾きの状態にかかわらず滑り部416aの接触部には常に同じ摩擦抵抗を付与することができる。
そして、図16の(b)に示すように、滑り部416aが支持レール部材151の後方傾斜部151cまで至ると、該滑り部416aが後方傾斜部151cに誘導されてはまり込み、リールユニット400が所定位置に装着される。このとき、後方傾斜部151cが設けられていないと、リールユニット400は急に落ち込んで衝撃を受けるが、本実施の形態の構成によれば、リールユニット400は後方傾斜部151cに沿って斜め下方に移動するため、衝撃を受ける等の不都合は生じない。また、リールユニット400の装着完了状態では、滑り部416aが後方傾斜部151cにはまり込んでいるため、同リールユニット400が手前側に滑ってくるといった不都合も生じない。
一方、リールユニット400を離脱させる際には、装着状態からリールユニット400を手前側に引き寄せることで、滑り部416aを後方傾斜部151cに沿って水平部151aまで持ち上げる。このとき、滑り部416aが後方傾斜部151cに誘導されるため、引き寄せは比較的容易である。そして、滑り部416aを水平部151a上で滑らせるようにしてリールユニット400を筐体手前側に引き寄せる。これにより、リールユニット400の離脱が完了する。
図17は、筐体11に対するリールユニット400の組み付け時の様子を斜め下方から見た一部破断斜視図である。この図17に示すように、リールユニット400の組み付け時には、支持レール部材151の内側端部が、背面枠部414の下隅部に設けたガイドリブ435に当たり、これによりリールユニット400がガイドされる。従って、リールユニット400が筐体11に対して斜めに挿入されるといった不都合が規制されるようになっている(便宜上図示は省略するが、右側のガイドリブ436も同等に機能する)。
ここで、ガイドリブ435,436の先端部は、滑り部416a,418aよりも下方に突出する構成となっている。従って、ユニット交換時等にリールユニット400を床等に置いた場合には、滑り部416a,418aではなくガイドリブ435,436の先端部が床等に当たることとなる。これにより、滑り部416a,418aの表面が傷ついて滑り具合が悪くなったり、滑り部416a,418aが破損したりする等の不具合が防止できる。つまり、ガイドリブ435,436は、滑り部部416a,418aの保護機能を併せ有している。
(支持金具402,403の説明)
次に、支持金具402,403の構成を説明する。この支持金具402,403は、上扉13の取付具としての機能と、ベースフレーム401の補強材としての機能とを有するものである。
図11に示すように、支持金具402は長尺状をなしており、該支持金具402には上下2カ所に支軸441,442が設けられている。支持金具402の長さはベースフレーム401の左枠部411の長さとほぼ同じである。各支軸441,442には上方に延びる先細り形状の軸部がそれぞれ設けられている。支持金具402は、ベースフレーム401の左枠部411に組み付けられ、ビス等の締結具(図示略)により固定される。支持金具402をベースフレーム401に固定した状態で支持金具402に上扉13が支持されることにより、上扉13がベースフレーム401(リールユニット400)に対して開閉可能な状態とされる。
また、支持金具403も同じく長尺状をなしており、該支持金具403には3つの鉤受け部444,445,446が設けられている。支持金具403は、ベースフレーム401の右枠部411に組み付けられ、ビス等の締結具(図示略)により固定される。支持金具403をベースフレーム401に固定した状態では、支持金具403により、ベースフレーム401(リールユニット400)に開閉可能に支持された上扉13が閉鎖状態で保持されるようになっている。
図18は、上扉13をリールユニット400に装着した状態の正面図である。同図に示すように、上扉13の上下方向の長さはベースフレーム401の上下方向の長さよりも短く、上扉13をリールユニット400に装着した状態では、リールユニット400の一部が上扉13の下方に露出する。この場合、支持金具403に設けた3つの鉤受け部444〜446のうち、上2つの鉤受け部444,445が上扉13を閉鎖状態に保持する部材として機能する。なお、最下の鉤受け部446は、筐体11側に設けた鉤受け部135(図7参照)と共に下扉14を閉鎖状態に保持する部材として機能する。
また、支持金具402の上部にはフック金具443が取り付けられている。このフック金具443は、筐体11の左側板11dに設けたロック金具156に掛止され、筐体11に装着した状態でリールユニット400を固定するものであり、ロック金具156と共にユニット固定手段を構成する。右側の支持金具403にも同様のフック金具が取り付けられているが図示は省略している。支持金具403のフック金具は筐体11の右側板11eに設けたロック金具157に掛止され、前記フック金具443と同様、筐体11に装着した状態でリールユニット400を固定するものである(これらも同様にユニット固定手段を構成する)。
(上側仕切板404、下側仕切板405の説明)
次に、上側仕切板404と下側仕切板405の構成を図19と図20を用いて説明する。図19に示すように、上側仕切板404は、長板状のベース部451を有しており、そのベース部451上にはリール駆動用の回路基板452が搭載されている。この回路基板452は、リール装置406と主制御装置201との電気的接続を中継する基板装置である。なお、回路基板452上には、リール装置406(後述する3つのリール471〜473)から延びる電気配線を束ねるためのクランプ部456が設けられている。また、ベース部451の左右両側は直角に折り曲げ形成されており、ベースフレーム401に対する取付部453,454となっている。この取付部453,454がネジ等の締結具によりベースフレーム401の中央連結部415,417に組み付けられることで、上側仕切板404がベースフレーム401に取り付けられるようになっている。ベース部451の前側縁部は取付部453,454の前端部よりも後退して設けられている。ベース部451の前側縁部は直角に折り曲げ形成されており、これが上側リール支持部455となっている。上側リール支持部455には、ねじ孔455aが2つずつ3カ所に形成されている。
また、図20に示すように、下側仕切板405は、長板状のベース部461を有している。ベース部461の左右両側と後側はそれぞれ直角に折り曲げ形成されており、ベースフレーム401に対する取付部462,463,464となっている。左右の取付部462,463がネジ等の締結具によりベースフレーム401の下連結部416,418に組み付けられることで、下側仕切板405がベースフレーム401に取り付けられるようになっている。また、後側の取付部464には、ベースフレーム401の背面枠部414に設けた突起部433に係合する係合孔464aが形成されている。
ベース部461の前側縁部には、左右両側に下方に折り曲げた折曲部465,466が形成されており、その折曲部465,466には、筐体11に固定した支持レール部材151,152の突起151d,152dに係合する係合孔465a,466aが形成されている。ベース部461を上から見て前記折曲部465,466の間は、当該ベース部461の一部が切除されたような形状(言い換えれば、一部が後退したような形状)をなしている。
折曲部465,466の間においてベース部461の前側縁部は直角に折り曲げ形成されており、これが下側リール支持部467となっている。下側リール支持部467には、ねじ孔467aが2つずつ3カ所に形成されている。
ここで、下側仕切板405(ベース部461)の前側縁部に形成された折曲部465,466と下側リール支持部467とを比べると、図12に示すように、下側リール支持部467の方が僅かに長い構成となっている(図12のA)。すなわち、下側リール支持部467の先端部が最下部となるよう構成されている。この場合、折曲部465,466は、筐体11に対してリールユニット400を位置決めし、更にリールユニット400を固定するために重要な構成であり、ユニット交換時等にリールユニット400を床等に置いた場合にも変形したり、破損したりしないようにする必要があるが、上記の如く下側リール支持部467の先端部が最下部となる構成とすることにより、リールユニット400を不用意に床等に置いた場合にも折曲部465,466の変形や破損等を防止することができる。
(リール装置406の説明)
次に、リール装置406の構成を図21と図22を用いて説明する。図21に示すように、リール装置406は、左、中、右の3つのリール471〜473(左リール471,中リール472,右リール473)を備えて構成されており、これらにより可変表示手段を構成する。なお通常は、外周にフィルム状のベルトを巻回した状態のものをリールと称するが、ここではベルトの無い状態でリールを説明する。各リール471〜473は、何れも同一径の円筒状(円環状)にそれぞれ形成されており、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール471〜473にはそれぞれステッピングモータが連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール471〜473が個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。モータ駆動系を含め各リール471〜473は全く同一の構成を有するものであり、ここでは図22を用い、左リール471を例に挙げてその構成を説明する。
図22に示すように、リール471は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材であり、その外周面に図示しない帯状のベルトが巻回される構成となっている。リール471の中心部に形成されたボス部には、ステッピングモータ475の駆動軸が取り付けられている。従って、ステッピングモータ475の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心としてリール471が周回するようになっている。
リール471は、金属製のリールプレート476にて回転可能に支持されており、具体的にはリールプレート476のほぼ中央部にステッピングモータ475が固定されている。リールプレート476は垂直に起立する板状をなしており、その上側には上側取付部477が折り曲げ形成され、下側には下側取付部478が折り曲げ形成されている。各取付部477,478には、ねじ孔477a,478aが2つずつ形成されている。上側取付部477は、前記上側仕切板404の上側リール支持部455に対するリール取付部を構成するものであり、上側仕切板404の上側リール支持部455に上側取付部477を重ねた状態で、それら各部のねじ孔455a,477aにビス等の締結具を螺入することにより、上側仕切板404にリール471が取り付けられることとなる。また、下側取付部478は、前記下側仕切板405の下側リール支持部467に対するリール取付部を構成するものであり、下側仕切板405の下側リール支持部467に下側取付部478を重ねた状態で、それら各部のねじ孔467a,478aにビス等の締結具を螺入することにより、下側仕切板405にリール471が取り付けられることとなる。
また、リール471の内周側には、リール外周側に向けて発光するバックライト装置479が配置されている。
図示は省略するが、リールプレート476には、発光素子と受光素子とが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)が設けられている。また、リール471のボス部には、リール回転時において前記リールインデックスセンサの発光素子と受光素子との間を通過可能なセンサカットバンが設けられている。これにより、リール471が1回転するごとにセンサカットバンの先端部がリールインデックスセンサの発光素子と受光素子との間を通過し、その通過をリールインデックスセンサが検出する。そして、その検出信号が、後述する主制御装置201に出力され、主制御装置201はこの検出信号に基づいてリール471の角度位置を1回転ごとに検知する。
ステッピングモータ475は例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ475の回転位置、すなわちリール471の回転位置が制御される。ここで、リール471のベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。ベルトの長辺方向(周回方向)に21個の図柄が付されている場合、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。この場合、リールインデックスセンサの検出信号が出力された時点からのパルス数により、リール471の回転位置が検出され、その結果からリール471の回転位置制御が行われるようになっている。
他のリール472,473も同様の構成を有している。図21には各々対応する符号を付してあり、簡単に説明すると、中リール472の中心部にはステッピングモータ481の駆動軸が取り付けられており、同モータ481の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心としてリール472が周回する。リールプレート482は、上側取付部483と下側取付部484とを有している。また、リール472の内周側にはバックライト装置485が配置されている。
また、右リール473の中心部にはステッピングモータ491の駆動軸が取り付けられており、同モータ491の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心としてリール473が周回する。リールプレート492は、上側取付部493と下側取付部494とを有している。また、リール473の内周側にはバックライト装置495が配置されている。
各リール471〜473を、リールユニット400に組み付けた状態を図9〜図11等に示す。この状態において、各リール471〜473は個別に取り外しが可能となっており、1つずつの部品交換が可能となっている。
なお、モータ駆動系を含め各リール471〜473が全く同一の構成を有するため、電気配線は自ずと長めとなるが、その電気配線は束ねられ、上側仕切板404上の回路基板452に設けたクランプ部456により拘束されるようになっている。モータ駆動系を含め各リール471〜473が全く同一の構成を有することにより、設計上、製造上のコストダウンが実現できる。
リールユニット400がスロットマシン10に組み付けられた状態では、各リール471〜473の表面の一部(ベルトの一部)が、上扉13に設けられた表示窓23を通じて視認可能となる。この場合、各リール471〜473が正回転すると、表示窓23を通じて各リール471〜473の表面(ベルトの図柄)は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。各リール471〜473に付された図柄のうち、表示窓23を介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓23の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施の形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール471〜473がすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
(リールユニット400全体の説明)
次に、リールユニット400の全体の構成をあらためて説明する。図9に示すように、ベースフレーム401には、右枠部411と左枠部412との間に上側仕切板404と下側仕切板405とが組み付けられており、上側仕切板404の下方にはリール装置406の設置領域(以下、リール設置領域という)が囲み形成され、上方には主基板ユニット200(主制御装置201)の設置領域(以下、主制御装置設置領域という)が囲み形成されている。そして、リール設置領域には、上側仕切板404と下側仕切板405との間に、上下方向に回転可能な状態でリール装置406が設置され、主制御装置設置領域には、ベースフレーム401の背面枠部414に、主制御装置表面が正面側(スロットマシン正面側)を向くようにして主基板ユニット200が設置されている。
この場合、リール設置領域は筐体11の前後方向の所定範囲(概ね、筐体11の前後長さに同じ範囲)で形成されるのに対し、主制御装置設置領域は、リール設置領域の上方で且つ同リール設置領域の前寄りとなる位置に形成されている。従って、リールユニット400を筐体11内に装着した場合を想定すると、図12に示すように、リール装置406は筐体11の背板11付近までの範囲で設けられるのに対し、主基板ユニット200(主制御装置201)は筐体11の背板11cから離間した状態(浮いた状態)で設けられる。筐体11の前後方向の長さ寸法(天板11aの前後方向の長さ)をXとする場合、前寄りX/2の領域内、又は前寄りX/2よりも狭い領域内に主基板ユニット200が設けられている。これにより、リールユニット400を前方から見て、比較的間近に主基板ユニット200(主制御装置201)が位置することとなる。
また、上側仕切板404には、リール装置406と主制御装置201との電気的接続を中継する回路基板452が設置されている。従って、回路基板404を効率良く配置でき、リール装置406から延びる電気配線等を都合良くまとめることが可能となる。
(リール図柄の説明)
ここで、各リール471〜473に付される図柄について説明する。図23には、各リール471〜473のそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール471〜473にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール471〜473に対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール471〜473に実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。左、中、右の各ベルトには図柄の数や配置順序が全く異なるものとして、上記の各図柄が付されている。
なお、リールユニット41の各リール471〜473は識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段はこれ以外の構成であってもよい。例えば、リール471〜473を構成する円筒枠を作製し、その円筒枠の外周面に印刷やシール貼着等により図柄を付した構成(いわゆるドラム装置)としたり、ベルトを周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としたりしてもよい。この場合、ベルトの周回軌跡は真円状でなく、楕円状であっても良い。また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
(前面扉12の背面構造)
次に、前面扉12の背面構造を図24と図25を用いて説明する。図24は前面扉12の背面図であり、図25は前面扉12の上扉13と下扉14とを分離させて示す背面図である。
(上扉13の背面構造)
上扉13の背面において、前記遊技パネル部21(図1等参照)の背面側には液晶表示装置600が配設されており、更に液晶表示装置600の背面側には表示制御装置601が配設されている。液晶表示装置600は、例えば15インチ液晶パネル600aと、該液晶パネル600aを駆動する駆動装置600bとにより構成され、液晶パネル600aの表示画像が扉前面側の遊技パネル部21を通じて前方に表示される。表示制御装置601は、液晶表示装置600をはじめ、その他ランプ類やスピーカ類等を駆動する。
また、液晶表示装置600の上方には左右2カ所にスピーカ603,604が配されている。
液晶表示装置600よりも下方には、前述した表示窓23が形成されており、その上方には細長形状の蛍光灯などよりなるフロントライト605が配設されている。符号606は、フロントライト605を駆動するためのフロントライト駆動回路であり、当該ライトのちらつき等を解消するためのインバータ等を含む。
上扉13の背面右端部(扉正面から見ると左端部)には基枠611が固定されており、その基枠611には、前記リールユニット400に取り付けられた支持金具402の支軸441,442に対応して上下2カ所に軸受け金具612,613が設けられている。この軸受け金具612,613には、支軸441,442の軸部を挿入するための挿入孔が形成されている。
上扉13をリールユニット400に組み付ける際、リールユニット400に取り付けた支持金具402の各支軸441,442の上方に上扉13の各軸受け金具612,613を配置した状態で上扉13を降下させる。これにより、各軸受け金具612,613の挿入孔に各支軸441,442の軸部が挿入された状態となり、リールユニット400に対して上扉13が開閉可能に支持される。つまり、上扉13はリールユニット400に対して両支軸441,442を結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によってリールユニット400に対して上扉13が開放又は閉鎖されるようになる。
また、上扉13の背面左端部(扉正面から見ると右端部)には、上下方向に延びる基枠615が固定されており、その基枠615には、当該基枠615に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆616が設けられている。連動杆616には鉤形状をなす上下一対の鉤金具617,618が設けられている。なお、図24,図25では、連動杆616の鉤金具617,618が確認しにくいため、図4の斜視図を参照されたい。図4では、上扉13の開閉端側に上下一対の鉤金具617,618が確認できる。鉤金具617,618は、その中間部分が基枠615側に軸支されており、連動杆616が上方に移動することでその先端鉤部が下方に移動する構成となっている。
上記の如くリールユニット400に対して上扉13を開閉可能に取り付けた状態で、リールユニット400に対して上扉13を閉じると、リールユニット400に取り付けられた支持金具403の鉤受け部444,445に、上扉13の連動杆616に設けられた鉤金具617,618が係合し、上扉13が閉鎖状態で保持される。
(下扉14の背面構造)
下扉14の背面には、前述した通り通路切換手段としてのセレクタ91、貯留用通路92、排出用通路93等が設けられている。また、排出用通路93の左右両側にはスピーカ631,632が設けられている。符号633は、下扉14の前面側に設けた下部プレート67用の照明装置(蛍光灯)を駆動するための照明装置駆動回路であり、当該照明装置のちらつき等を解消するためのインバータ等を含む。
下扉14の背面右端部(扉正面から見ると左端部)には基枠641が固定されており、その基枠641には、前記筐体11に取り付けられた扉支持金具131の支軸132,133に対応して上下2カ所に軸受け金具642,643が設けられている。この軸受け金具642,643には、支軸132,133の軸部を挿入するための挿入孔が形成されている。
下扉14を筐体11に組み付ける際、筐体11に取り付けた扉支持金具131の各支軸132,133の上方に下扉14の各軸受け金具642,643を配置した状態で下扉14を降下させる。これにより、各軸受け金具642,643の挿入孔に各支軸132,133の軸部が挿入された状態となり、筐体11に対して下扉14が開閉可能に支持される。つまり、下扉14は筐体11に対して両支軸132,133を結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11に対して下扉14が開放又は閉鎖されるようになる。
また、下扉14の背面左端部(扉正面から見ると右端部)には、上下方向に延びる基枠645が固定されており、その基枠645には、当該基枠645に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆646が設けられている。連動杆646には鉤形状をなす上下一対の鉤金具647,648が設けられている。なお、図24,図25では、連動杆646の鉤金具647,648が確認しにくいため、図4の斜視図を参照されたい。図4では、下扉14の開閉端側に上下一対の鉤金具647,648が確認できる。鉤金具647,648は、その中間部分が基枠645側に軸支されており、連動杆646が上方に移動することでその先端鉤部が下方に移動する構成となっている。
上記の如く筐体11に対して下扉14を開閉可能に取り付けた状態で、筐体11に対して下扉14を閉じると、リールユニット400に取り付けられた支持金具403の鉤受け部446と筐体11に取り付けられた鉤受け部135とに、下扉14の連動杆646に設けられた鉤金具647,648が係合し、下扉14が閉鎖状態で保持される。
上扉13と下扉14とは、それらの背面左端部(扉正面から見ると右端部)で連結板651により連結されている。すなわち、上扉13の基枠615と下扉14の基枠645とに重なり合わせて連結板651が設けられ、ビス等の締結具により連結が施されている。この連結により、上扉13と下扉14とは一体的に開閉する。この場合、仮に下扉14だけを開放することができる構成であれば、下扉14だけの開放行為は比較的目立ちにくいため、不正行為として行われる可能性が高いが、本スロットマシン10では、通常時において(すなわち、連結板651を取り付けた状態において)下扉14単独での開放が不可能となっているために不正行為の抑制が可能となる。つまり、不正目的で前面扉12を開放する際には、上扉13及び下扉14が共に開放されるのでその開放行為が目立ち、それにより不正行為が抑止できる。
上扉13に設けた連動杆616の下端部には水平方向に折り曲げられた折曲部616aが形成されると共に、下扉14に設けた連動杆646の上端部には水平方向に折り曲げられた折曲部646aが形成されている。これら各連動杆616,646の折曲部616a,646aは、上扉13と下扉14とを連結した状態では互いに接触している。
上扉13と下扉14に設けた連動杆616,646は、これら各扉13,14を開放不能な施錠状態で保持する施錠機構を構成するものであり、下扉14の背面左端部に設けた基枠645には、解錠操作部たるキーシリンダ655が設けられている。このキーシリンダ655は、スロットマシン10の前後方向に延びる向きで設けられており、シリンダ前面(キー挿入孔の設置側)は扉前面に設けたキー孔80から露出している。上下の各扉13,14の連動杆616,646を含む施錠機構と、キーシリンダ655と、キーシリンダ655に挿入されて所定方向に回動操作される操作キー(図示略)とがスロットマシン施錠装置を構成する。なお、キーシリンダ655として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)を用いる構成としても良い。
かかる場合、キーシリンダ655に操作キーを差し込んだ状態で、当該操作キーを時計回り方向に回動操作すると、連動杆646が上方に移動する(扉背面から見るとキーシリンダ655が反時計回り方向に回るため)。これにより、下扉14において連動杆646の鉤金具647,648の先端鉤部が下方に移動し、筐体11に対して下扉14が閉じている場合に、鉤金具647,648と、リールユニット400側の鉤受け部446及び筐体11側の鉤受け部135との係止状態(すなわち施錠状態)が解除される。これにより、筐体11に対して下扉14が開放可能となる。
またこのとき、下扉14側の連動杆646の折曲部646aにより上扉13側の連動杆616の折曲部616aが持ち上げられ、下扉14側の連動杆646に連動して上扉13側の連動杆616が上方へ移動する。そのため、上扉13において連動杆616の鉤金具617,618の先端鉤部が下方に移動し、筐体11(リールユニット400)に対して上扉13が閉じている場合に、鉤金具617,618とリールユニット400側の鉤受け部444,445との係止状態(すなわち施錠状態)が解除される。これにより、筐体11(リールユニット400)に対して上扉13が開放可能となる。
因みに、操作キーを逆方向(反時計回り方向)に回動操作すると、連動杆646が下方に移動し、それを図示しないセンサが検知することでスロットマシン10がリセットされるが、その際、下扉14側の連動杆646だけが移動し、上扉13側の連動杆616は移動しない。
(本機と従来機との比較)
ここで、本実施の形態におけるスロットマシン10の主たる特徴的構成を、既存のスロットマシンとの比較に基づいて説明する。なお便宜上、本実施の形態のスロットマシン10を「本機」、既存のスロットマシン1000を「従来機」とも言う。図26は、スロットマシンの前面構成を比較するものであり、(a)には本機の構成を、(b)には従来機の構成を示す。また、図27は、スロットマシンの内部構造を比較するものであり、(a)には本機の内部構造を、(b)には従来機の内部構造を示す。
既存のスロットマシン1000の構成について主要な構成を簡単に説明する。図26の(b)において、本機と同様、従来機(スロットマシン1000)は前面に開口する筐体1001を有しており、その前面側には前面扉1002が取り付けられている。筐体の大きさは本機、従来機とも同じである。前面扉1002の上部には補助表示部1003が設けられ、その下方には表示窓1004が設けられている。表示窓1004の下方には、手前側に張り出した操作部1010が設けられている。操作部1010の上面にはメダル投入装置1011とベット操作スイッチ1012とが設けられ、同操作部1010の前面にはスタートレバー1013と3つのストップボタン1014とが設けられている。前面扉1002の下部にはメダル受皿1015が設けられている。
また、図27の(b)において、筐体1001にはその内部を上下に分割する仕切板1021が設けられており、その仕切板1021上にリールユニット1022が載置されている。筐体1001の背板において、リールユニット1022の上方には主制御装置1023が取り付けられている。なお、従来機の場合、本機とは異なり、リールユニット1022と主制御装置1023とは各々個別に筐体1001に取り付けられている。また、仕切板1021の下方には、電源装置1024とホッパ装置1025とが配設されている。
図26に基づいて前面構成について比較する。まず第一に印象付けられるのは上側の遊技パネル21の大きさである。この遊技パネル21の背後には、前述したように15インチ程度の大型液晶装置が搭載され、各種多様な表示演出が行われるようになっている。そして、液晶装置の大型化に付随して表示窓23の設置位置が、従来機よりも下方となっている。比較すると、従来機ではマシン下面から表示窓1004の中心までの高さが「L11」であるのに対し、本機ではマシン下面から表示窓23の中心までの高さが「L1」となっている(L1<L11)。
また、表示窓の位置が下方にずれたことにより、操作部の各種スイッチ等の位置も下方にずれ、従来機ではマシン下面から各種スイッチ等までの高さが「L12」であるのに対し、本機ではマシン下面から各種スイッチ等までの高さが「L2」となっている(L2<L12)。この場合、操作部が下方にずれた構成でも、各種スイッチ等の操作性を維持すべく、操作部をテーブル部40として構成している。また、始動操作手段の操作性を良くするために、従来機のレバー部材(スタートレバー1013)を、ボタン状のスイッチ部材(スタートスイッチ45)に変更している。
次に、図27に基づいて筐体内部構造について比較する。ここでの最も大きな違いは、リールユニットの位置である。すなわち、リールユニットの載置部材(本機では下側仕切板405、従来機では仕切板1021)を基準にすると、従来機ではマシン下面から仕切板1021までの高さが「L13」であるのに対し、本機ではマシン下面から下側仕切板405までの高さが「L3」となっている(L3<L13)。このリールユニットの位置の違いが、スロットマシン前面部の表示窓の位置の違いとなる。
リールユニットの位置変更に伴い、本機ではリールユニット400の下方領域が狭小化されており、それ故に、ホッパ装置110が背の低い構成のものに変更されている。またこの場合、リールユニット下方の仕切板とホッパ装置との距離は、従来機で「L14」であるのに対し、本機では「L4」となっている(L4<L14)。これは、上記の如く狭小化されたリールユニット下方領域に、少しでも大きなホッパ装置を搭載したいためである。但し本機では、ホッパ装置110の高さ寸法を小さくした分、貯留タンク111の横方向(前後、左右方向)の寸法を大きくし、タンク容量の確保を図っている。
本機においてこうしたホッパ装置110の設置条件では、リールユニット下方の仕切板405とホッパ装置110との距離が短いために、貯留タンク111へのメダルの供給又は取り出しの操作が困難になることが懸念される。これに対し本機では、前述したように、下側仕切板405の前側縁部が左右の折曲部465,466の間で一部が切除されたような形状をなしている。この形状はホッパ装置110の位置に対応しており、それにより、ホッパ装置110(貯留タンク111)へのメダルの供給又は取り出しの操作を容易化している。
また、本機の場合、筐体11の左右の側板11d,11eに各々支持レール部材151,152を設け、その支持レール部材151,152にリールユニット400を搭載する構成とした、すなわち筐体内部を上下に分割するような仕切板を設けていないため、リールユニット400を搭載していない状態においてホッパ装置111や電源ボックス100の設置領域が仕切られることはない。従って、上記の如くリールユニット400の下方領域が狭小化された構成であっても、ホッパ装置111や電源ボックス100の設置が困難になるといった不都合が生じないようになっている。そのメリットは、図6等により確認できる。
(リールユニット400の交換作業の説明)
ここで、遊技ホールでの機種入替時などにおけるリールユニット400の交換作業について説明する。この場合、先ずは規定の操作キーを用いて下扉14の施錠を解除し、上扉13と共に下扉14を開放する。また、上下の両扉13,14を連結している連結板651を取り外す。このとき、リールユニット400と、それ以外の各種部材(電源ボックス100、ホッパ装置110等々)とを結ぶ電気配線のコネクタを外しておく。その後、リールユニット400を筐体11に固定しているロック金具156,157のロック状態を解除し、上扉13のみを閉じる。そして、リールユニット400の手前側を少し持ち上げるようにしながら、当該ユニット400を支持レール部材151,152上を滑らせるようにしながら手前側に引き寄せ、リールユニット400を離脱させる。
その後、新しいリールユニット400を離脱時と逆の作業手順で装着する。すなわち、新しいリールユニット400を、支持レール部材151,152上を滑らせるようにしながら筐体奥側に押し込み、リールユニット400を筐体11に搭載する。そして、一旦上扉13を開放してロック金具156,157をロック状態とし、リールユニット400を筐体11に固定する。また、リールユニット400と、それ以外の各種部材(電源ボックス100、ホッパ装置110等々)とを結ぶ電気配線のコネクタを接続する。更に、上扉13と下扉14とを連結板651にて連結する。その後、上扉13と下扉14とを一緒に閉じると、スロットマシン10が施錠状態となり、ユニット交換が完了する。なお、機種入替時には、下部プレート67の差し替えも行われる。
(遊技の概略説明)
次に、上記構成のスロットマシン10について、遊技者により行われる遊技の概要を簡単に説明する。遊技の開始に際し、先ず遊技者がメダル投入装置41に所定枚数のメダルを投入すると、メダルの投入数に応じてベットが設定される。このとき、投入メダル数が最大ベット(3ベット)より多ければ、クレジットモード下では、余剰投入されたメダルが50を最大数としてクレジット(仮想記憶)され、ダイレクトモード下では、余剰投入されたメダルがメダル受皿71に返却される。又は、クレジットモード下で、予め規定枚数以上のクレジットが残っている場合に、遊技者がベットスイッチ42〜44の何れかを押下すると、それに対応してベットが設定される。
そして、ベット設定後において、遊技者がスタートスイッチ45を押下すると、リールユニット400の左・中・右の各リール471〜473が一斉に又は所定の順序で回転を開始する。その後、遊技者がストップスイッチ52〜54を押下すると、その押しタイミングに合わせて各々対応するリール471〜473の回転が停止される。或いは、各リール471〜473の回転開始後、ストップスイッチ52〜54の押下操作がなされないまま規定時間を経過した場合に、各リール471〜473の回転が停止される。
左・中・右の各リール471〜473の回転停止時において、表示窓23を通じて視認される停止図柄が規定の図柄に合致すれば、入賞とされて所定枚数のメダルの払出等が行われる。つまり、本実施の形態の構成では、図柄の停止時において、表示窓23を通じて縦横3×3の合計9個の図柄が視認できる構成となっており、その9個の図柄に対して、例えば上段列(上ライン)、中段列(中ライン)、下段列(下ライン)、右上がり斜め列(右上がりライン)、及び右下がり斜め列(右下がりライン)の合計5つの有効ラインが設定されている。そして、これらの有効ラインの何れかに、規定の図柄が停止した場合に、それに対応する枚数のメダルが払い出される。
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数の一例について説明する。以下に説明する図柄については前記図23の図柄を参照されたい。
小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール471の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール472及び右リール473の「チェリー」図柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール471の複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、その他の図柄に関しては、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「7」図柄又は「青年」図柄が同一図柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダル払出が行われる。なお、本実施の形態においては、例えば「7」図柄と「チェリー」図柄とが同時に成立する場合が生じ得るが、かかる場合におけるメダル払出は15枚である。これは、1回のメダル払出における上限枚数が15枚に設定されているためである。
更に、第3特別図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール471の「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
(主基板ユニット200の説明)
次に、リールユニット400にリール装置406と共に収容される主基板ユニット200の構成について説明する。図28は(a)が主基板ユニット200の平面図、(b)が(a)の下方から見た側面図、図29は同主基板ユニット200を表側から見た斜視図、図30は同主基板ユニット200を裏側から見た斜視図、図31は同主基板ユニット200の分解斜視図である。まずは、これら図28〜図31を用いて主基板ユニット200の概要について説明する。なお以下の主基板ユニット200の説明では、特に指定しない限り図28の状態を基準に左右方向を記述する。
主基板ユニット200は、遊技に関わる各種制御を実施する主制御装置201と、その主制御装置201を搭載する台座装置210とよりなる。主制御装置201は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。
主基板ユニット200において、台座装置210は、リールユニット400のベースフレーム401に固定される固定ベース板211と、この固定ベース板211に回動可能に支持される可動ベース板212とを有している。また、主制御装置201は、表裏一対のケース体271,272を有し、それら各ケース体271,272間に挟まれるようにして主基板273が収容されている。固定ベース板211、可動ベース板212及び各ケース体271,272は何れも、主基板273に合わせるようにして略横長四角状をなし、ポリカーボネート樹脂等の透明な合成樹脂材料により成形されている。なお以下の説明では、表側のケース体271を表ケース体、裏側のケース体272を裏ケース体とも言う。表ケース体271及び裏ケース体272により基板ボックスが構成されている。そして、リールユニット400のベースフレーム401に台座装置210を組み付け、更に台座装置210の可動ベース板212上に主制御装置201を装着することで、主基板ユニット200がリールユニット400に取り付けられるようになっている。
台座装置210の構成について図32を用いて詳述する。図32は、台座装置210を構成する固定ベース板211と可動ベース板212とを拡大して示す分解斜視図である。
固定ベース板211において、底板部213には、左端部及び右端部に起立部214,215がそれぞれ形成されている。そのうち左端部側の起立部214には軸支部216が2カ所に設けられ、各軸支部216には上下方向に貫通する軸孔216aが設けられている。各軸支部216の軸孔216aには例えば鋼鉄製の支柱ピン217が組み付けられる構成となっている。右端部側の起立部215には上下2カ所に係止爪部218が設けられている。また、起立部215には鍵取付金具219が取付固定されている。この鍵取付金具219は、図示しないネジ等の固定具により根元部分が固定ベース板211に固定されている。鍵取付金具219の先端部は斜め外方に折り曲げられ、その折り曲げ部に鍵挿通孔219aが形成されている(図37等参照)。
底板部213には縦横に交差するようにして複数のリブ221が形成されており、その複数のリブ221のうち中央部で左右方向に延びるリブ221上には左右両側に離れた2カ所に底孔部222a,222bが形成されている。固定ベース板211をリールユニット400のベースフレーム401に取り付ける際には、底孔部222a,222bにネジ223が装着されてこのネジ223がベースフレーム401にねじ込まれる。更に、底孔部222a,222bには、ネジ223の頭部を覆い隠すようにしてキャップ体224が組み込まれるようになっている。図35に示すように、キャップ体224には、その軸方向に延びる突起部224aと、弾性変形可能な係止爪部224bとが2カ所ずつ形成されている。
底板部213の裏面側には、その中央部に、リールユニット400のベースフレーム401外側から固定ベース板211を固定するための固定金具225が取り付けられている。固定金具225の取り付け状態は図30を併せ参照されたい。固定金具225は、略四角板状をなしており、左右2カ所で小ネジ226により底板部213に取り付けられる構成となっている。また、固定金具225の中心部にはネジ孔227が形成されている。固定金具225の四隅には、底板部213側に設けられた小突起(図示略)と係合状態となる位置決め孔228が設けられている。また、図30に示すように、底板部213の裏面には、リールユニット400のベースフレーム401に対する位置決めのための突起部229が複数箇所(本実施の形態では2カ所)に設けられている。
ここで、図37(図28のA−A線端面図)には、ベースフレーム401に対する固定ベース板211の取付構造を示す。図37に示すように、底板部213の裏面に設けられた突起部229は、ベースフレーム401に設けられた位置決め孔部231に挿入され、これによりベースフレーム401に対して固定ベース板211が位置決めされる。そして、固定ベース板211の表側(すなわちベースフレーム401の内側)から底孔部222a,222bにネジ223が螺着されることで、固定ベース板211がベースフレーム401に固定される。ネジ223の螺着後、底孔部222a,222bにキャップ体224が組み込まれる。このとき、キャップ体224は底板部213の上面から突出することなく、底孔部222a,222b内に没入した状態で保持される。キャップ体224が底孔部222a,222bに組み込まれた状態では、当該キャップ体224の係止爪部224bが底板部213側と係止状態となり、キャップ体224の抜け落ちが防止されるようになっている。これにより、ネジ223を緩めることが困難なものとなっている。
また、ベースフレーム401には挿通孔232が形成されており、その挿通孔232にはベースフレーム401外側からネジ233が挿入され、そのネジ先端部が、固定ベース板211裏側の固定金具225に設けたネジ孔227にねじ込まれる。これにより、仮にベースフレーム401内側から前記ネジ223を取り外すことができたとしても、ベースフレーム401外側からもネジ233を取り外さない限りは固定ベース板211を取り外すことができないようになっている。要するに本実施の形態では、固定ベース板211の表側に螺着されたネジ223にキャップ体224を組み込むことで固定ベース板211の取り外しを困難にしているだけでなく、ベースフレーム401外側から固定ベース板211をネジ固定することで固定ベース板211の取り外しをより一層困難なものとしている。
一方、可動ベース板212において、底板部241の長辺部(図32の上下両端部)には側板部242,243が形成され、短辺部の一側(図32の左側)には前記側板部242,243と連なるようにして段差部244が形成されている。これら側板部242,243及び段差部244は主制御装置201に合わせた高さを有する。側板部242,243の先端部には内側に折り曲げ形成された返し部242a,243aが複数箇所(本実施の形態では各6カ所)に設けられている。底板部241の右端部は、主制御装置201をスライド装着するための基板装着口245となっている。この場合、主制御装置201を基板装着口245から装着し、段差部244に当たるまでスライドさせることで、主制御装置201が可動ベース板212上の所定位置に装着されるようになっている。
段差部244には、主制御装置201のスライド方向に開口する開口部246と、その上面部(底板部241に対しての上面部分)に形成された係止孔部247と、係止孔部247を挟むようにして形成された一対の貫通孔248とが設けられている。係止孔部247と貫通孔248とが設けられた段差部244の上面部は、後述する封印シールSの貼付面となっており、その貼付面を囲むようにして囲い枠331が形成されている。
また、可動ベース板212の左端部には回動軸部249が設けられ、その回動軸部249には軸孔249aが形成されている。かかる構成において、前記固定ベース板211の軸支部216と可動ベース板212の回動軸部249とが位置合わせされ、その状態で軸支部216及び回動軸部249の軸孔216a,249aに支柱ピン217が挿通される。これにより、固定ベース板211に対して可動ベース板212が回動可能に支持される。
軸支部216の軸孔216aの孔径(設計寸法)は支柱ピン217の外径よりも僅かに小さく、回動軸部249の軸孔249aの孔径は支柱ピン217の外径よりも僅かに大きくなっており、支柱ピン217を挿通させる際にはこの支柱ピン217が軸支部216の軸孔216aに圧入される。このとき、支柱ピン217の頭部は軸支部216と面一の状態、又は軸孔216a内に没入した状態となり、支柱ピン217の抜き外しが不可能となっている。それ故、可動ベース板212は固定ベース板211に対して回動可能であるが、分離(連結解除)は不可能となっている。但し上記構成とは逆に、回動軸部249の軸孔249aの孔径(設計寸法)を支柱ピン217の外径よりも僅かに小さくして、支柱ピン217を回動軸部249の軸孔249aに圧入する構成であってもよい。回動軸部の構成としては要は、可動ベース板212が固定ベース板211に対して回動可能で、且つ分離不可能(連結解除不可能)となるよう構成すればよい。
底板部241上には、第1封印部を構成する複数(本実施の形態では4個)の封印結合部251が縦一列に並ぶようにして立設されている。封印結合部251は、その底部が底板部241にて塞がれた筒体状をなしており、図の手前側にのみ開口している。この封印結合部251を含む第1封印部の構成については後述する。
可動ベース板212の段差部244付近には、先端部に鍵挿通孔261aを有する鍵取付金具261が取付固定されている。この鍵取付金具261は、図示しないネジ等の固定具により根元部分が可動ベース板212に固定されている。
次に、主制御装置201の構成について詳述する。図33は、主制御装置201を構成する各ケース体271,272と主基板273とを拡大して示す分解斜視図である。
主基板273上には、図示しない配線パターンが施されるとともに、CPUやROM等のICチップ274を含む各種電子部品、入出力コネクタ275、検査用コネクタ276等が実装されている。特に、ICチップ274は、基板面に対してチップが立った状態で実装される、いわゆるZIP(Zigzag In-line Package)タイプ構造又はSIP(Single In-line Package)構造等の縦型素子が採用されており、チップ側面には製造メーカ、品番といった識別情報や固有情報等が印刷されている。主基板273は、隅角部に複数設けられた小孔を通じてネジ277により表ケース体271に固定されるようになっている。
表ケース体271は、主基板273上の比較的背の高い電子部品等を収容可能とする主基板収容部を有しており、周縁部には一段低い段部281が形成されている。段部281には、主基板273上の入出力コネクタ275を挿通させるための複数のコネクタ挿通孔282が形成されている。なお、符号283は、主基板273上の検査用コネクタ276に通ずる開口部である。図示は省略するが、表ケース体271の天井部分等には多数の通気孔が形成されている。
また、表ケース体271の長辺部において上下各縁部には、表ケース体271の側壁に沿って直線状に延びる突条部285が設けられ、その突条部285の内側には複数の長孔286が所定間隔で一列に並ぶようにして設けられている。
表ケース体271の左端部(主基板収容部よりも左側)には縦長四角状の切欠角孔部290が設けられており、その切欠角孔部290には、第1封印部を構成する複数(本実施の形態では4個)の封印結合部291が縦一列に並ぶようにして設けられている。その周辺構成を図34に拡大して示す。封印結合部291は筒体状をなし、左右両側の連結部292にて表ケース体271に連結されている。連結部292を切断することにより、封印結合部291を表ケース体271から切除できるようになっている。同じく切欠角孔部290には、前記複数の封印結合部291を挟むようにして、第2封印部を構成する複数(本実施の形態では2個)の封印結合部293が設けられている。封印結合部293は筒体状をなし、連結部294により表ケース体271に連結されている。連結部294を切断することにより、封印結合部293を表ケース体271から切除できるようになっている。
かかる場合、第1,第2封印部を構成する封印結合部291,293は、表ケース体271に形成された切欠角孔部290に設けられているため、基板ケースの側方に張り出すように封印部が設けられる従来一般的な構成とは異なり、封印結合部291,293が側方にはみ出て邪魔になる等の不都合は生じない。また、封印結合部291,293が側方にはみ出ていないため、主制御装置201を単体で取り扱う場合等において、封印結合部291,293をぶつけて破損させてしまう等のおそれも生じない。
表ケース体271の左端部は、主制御装置201を前記可動ベース板212にスライド装着する際の先頭部となっており、当該先端部には係止爪部295が設けられると共に、係止爪部295を挟むようにして一対のネジ孔部296が設けられている。主制御装置201を前記可動ベース板212に装着する際、係止爪部295が前記可動ベース板212に設けた係止孔部247に係止される。また、ネジ孔部296と前記可動ベース板212に設けた貫通孔248との位置が合い、その状態で貫通孔248及びネジ孔部296に小ネジ297が螺入されるようになっている。
表ケース体271の切欠角孔部290の左側には、封印シールSの貼付面を区画形成する囲い枠332が形成されている。主制御装置201を前記可動ベース板212に装着した際には、表ケース体271の囲い枠332と、前記可動ベース板212に形成した囲い枠331とが一体となり、全体として長方形枠状の囲い枠が形成されるようになっている。
図33の説明に戻り、表ケース体271の右端部には、第3封印部を構成する複数(本実施の形態では2個)の封印結合部301が設けられている。封印結合部301は筒体状をなし、連結部302により表ケース体271に連結されている。連結部302を切断することにより、封印結合部301を表ケース体271から切除できるようになっている。
更に、表ケース体271の右端部には鍵取付金具305が取付固定されている。この鍵取付金具305は、図示しないネジ等の固定具により根元部分が表ケース体271に固定されている。鍵取付金具305の先端部は斜め外方に折り曲げられ、その折り曲げ部に鍵挿通孔305aが形成されている(図37等参照)。
一方、裏ケース体272において、底板部311を挟んで図の上下両側部には、基板高さ方向に起立し先端部がL字状に形成された複数の引掛け部312が所定間隔で設けられている。引掛け部312は、前記表ケース体271の長孔286と同じ間隔で設けられており、表ケース体271の長孔286と裏ケース体272の引掛け部312とにより両ケース体271,272の組付が行われるようになっている。
図38(図28のB−B線端面図)には、表ケース体271と裏ケース体272との組付構造を示す。図38に示すように、裏ケース体272の引掛け部312は表ケース体271の長孔286に挿通され、その状態で引掛け部312が表ケース体271側の長孔286に形成された係止部286aに係止される。これにより、裏ケース体272に対して表ケース体271が浮き上がることなく保持される。因みに、図38は主制御装置201が台座装置210に組み付けられ、裏ケース体272に対して表ケース体271を横方向にスライドさせることが不可能な状態を図示しているが、台座装置210に組み付けていない状態を仮定すると、表ケース体271を一旦図38の右方向にスライドさせ、その後上方に持ち上げることで裏ケース体272に対して表ケース体271を分離させることができる(図38中の矢印Pに沿って表ケース体271を移動させる)。
可動ベース板212において、図38の左端部には返し部212aが設けられており、この返し部212aは固定ベース板211の軸支部216の下方(実際には図32に示す孔部216b)に入り込む構成となっている。従って、支柱ピン217が途中で切断されたり、同支柱ピン217が引き抜かれたりしても、それだけでは固定ベース板211に対して可動ベース板212が浮き上がらないようになっている。
再び図33の説明に戻り、裏ケース体272の左端部には、底板部311よりも左方に延出するようにして上下一対の延出部314a,314bが設けられており、その延出部314a,314bにはそれぞれ、第2封印部を構成する封印結合部315が設けられている。封印結合部315は、その底部が前記底板部311と同じ面で塞がれた筒体状をなしており、図の手前側にのみ開口している。延出部314a,314bは上下に分離して設けられており、両延出部314a,314b間のスペースは、前記可動ベース板212に設けた複数の封印結合部251との干渉を避けるための空きスペースとなっている。
図の上側の延出部314aには、先端部に鍵挿通孔316aを有する鍵取付金具316が取付固定されている。この鍵取付金具316は、図示しないネジ等の固定具により根元部分が裏ケース体272に固定されている。
また、裏ケース体272の右端部には、第3封印部を構成する複数(本実施の形態では2個)の封印結合部317が設けられている。封印結合部317は連結部318により裏ケース体272に連結されている。連結部318を切断することにより、封印結合部317を裏ケース体272から切除できるようになっている。
ここで、主制御装置201及び台座装置210の不正な取り外し行為等を抑制するための封印構造について説明する。本実施の形態では、封印構造が各々異なる3種類の封印部が設けられており、便宜上それらを第1封印部、第2封印部、第3封印部と言い分けて順に説明する。図39は図28のC−C線端面図に相当し、第1封印部の断面構造を示す。図40は図28のD−D線端面図であり、第2封印部の断面構造を示す。図41は図28のE−E線端面図であり、第3封印部の断面構造を示す。
先ず第1封印部の構成を図39に基づいて説明する。図39において、(a)は封印前の状態を、(b)は封印状態を、(c)は封印解除の状態を、それぞれ示している。第1封印部は、表ケース体271に設けられた封印結合部291と可動ベース板212に設けられた封印結合部251との結合により封印状態となり得るものであり、便宜上、前者を「差込側結合部291」、後者を「受け側結合部251」と言い換えて説明を進める。
図39(a)に示すように、表ケース体271の差込側結合部291には、その上下方向に貫通する孔部291a(便宜上、上孔部と言う)が形成されており、可動ベース板212の受け側結合部251には、前記上孔部291aに同軸で連通する孔部251a(便宜上、下孔部という)が形成されている。上孔部291aの入口部には段差部291bが設けられ、下孔部251aの入口部には上孔部291aよりも拡径された拡径部251bが設けられている。
符号251c,291cは、受け側結合部251、差込側結合部291にそれぞれ設けられた半円状の返し部であり(返し部251cは主制御装置201のスライド方向前方に、返し部291cは主制御装置201のスライド方向後方に設けられている)、この返し部251c,291cにて各結合部251,291が当接する。返し部251c,291cにより、各結合部251,291の対向接合面が隠されるようになっている。
なお、差込側結合部291を連結する連結部292は、図に隠れ線(点線)で示すように、上側が長く下側が短くなるような略逆台形状をしている。この場合特に、連結部292において差込側結合部291とは逆側の端部は、上側ほど外方に傾くようにして斜めテーパ状に形成されている。
封印処理の実施時においては、図39(b)に示すように、差込側結合部291及び受け側結合部251の各孔部291a,251aに、例えば合成樹脂製で略中空円筒状をなす封印ピン部材321が差し込まれる。封印ピン部材321は、図36に示すように、中空状の筒部321aと、フランジ状の頭部321bと、筒部321aに例えば2カ所設けられ弾性変形可能な係止爪部321cとを有しており、通常状態では係止爪部321cが筒部321aの外周よりも外方に突出し、外力を加えることで係止爪部321cが筒部321a内に没入することができる構造となっている。封印ピン部材321の頭部321bには、主制御装置201毎の識別情報(例えば識別コード)が付されている。
封印ピン部材321の差し込み時には、封印ピン部材321の係止爪部321cが弾性変形し、頭部321bが上孔部入口の段差部291bに当たるまで差し込まれる。このとき、封印ピン部材321の係止爪部321cが下孔部251aの拡径部251bに至ることで、当該係止爪部321cが起き上がり、係止爪部321cの後端面が差込側結合部291の先端面に係止される。これにより、第1封印部の封印が完了し、封印後の封印ピン部材321の抜け落ちが防止される。
主制御装置201の不具合発生時や検査時などに際し、第1封印部の封印を解除する場合には、図39(c)に示すように、差込側結合部291と表ケース体271とを連結する連結部292をニッパ等の工具により切断する。受け側結合部251には封印ピン部材321の先端部が挿入されているだけであり、これら各部材251,321は何ら係止状態にないため、前記連結部292の切断により差込側結合部291と封印ピン部材321とが表ケース体271から容易に切除できる。このとき、図39(a)で説明したとおり連結部292は上側が長く下側が短くなるような略逆台形状をしているため、ニッパ等の工具を差し入れやすい。また、連結部292において差込側結合部291とは逆側の端部は、上側ほど外方に傾くようにして斜めテーパ状に形成されているため、連結部292の切断後において差込側結合部291と封印ピン部材321とが上方に引き抜き易い。
切除された差込側結合部291と封印ピン部材321とは、封印ピン部材321の係止爪部321cを指又は工具等で押さえて弾性変形させることで容易に分離することができる。分離された封印ピン部材321は何ら変形や破壊を伴っていることはなく、同一の封印ピン部材321が次回の封印に用いられる。
前述したとおり封印ピン部材321の頭部321bには主制御装置201毎の識別情報が付されているため、封印ピン部材321の再使用により再度封印処理が行われた後には、前記識別情報を確認することで正規の手順通りに封印処理が行われたかどうかが確認できる。
第1封印部の封印を解除する際、切断(破壊)される箇所は表ケース体271側の連結部292のみであり、封印相手側、すなわちこの場合は可動ベース板212はどこも破壊されない。つまり、表ケース体271と可動ベース板212間の封印処理及びその解除が繰り返し実施されたとしても、可動ベース板212は破壊もされず、封印履歴も残らない。従って、主制御装置201を交換する場合にも、可動ベース板212(すなわち台座装置210)がそのまま再使用できる。
なお、第1封印部において、4つある封印箇所のどれを用いるかは予め順序が決められており、例えば図28において上から順に1つずつ封印が行われる。封印後に切断処理(破壊処理)が施された封印箇所ではその封印履歴が残り、過去に何回の封印処理が行われたかが容易に確認できるようになっている。各封印箇所で封印処理が実施されたことは、表ケース体271の表面部等に貼付された封印記録票に記録される。例えば、封印記録票には、封印箇所毎に、封印処理の実施年月日や封印作業者名などが記録されるようになっている。この封印記録票は、後述する第2封印部、第3封印部についても同様に封印処理記録が残されるものであっても良い。
次に、第2封印部の構成を図40に基づいて説明する。第2封印部は、表ケース体271に設けられた封印結合部293と裏ケース体272に設けられた封印結合部315との結合により封印状態となり得るものであり、便宜上、前者を「差込側結合部293」、後者を「受け側結合部315」と言い換えて説明を進める。
図40に示すように、表ケース体271の差込側結合部293には、その上下方向に貫通する孔部293a(便宜上、上孔部と言う)が形成されており、裏ケース体272の受け側結合部315には、前記上孔部293aに同軸で連通する孔部315a(便宜上、下孔部という)が形成されている。上孔部293aには、後述する封印ネジ323の頭部を収納するための大径部と、それよりも小径な小径部とが形成されている。下孔部315aには雌ネジ部が形成されている。そして、差込側結合部293及び受け側結合部315の各孔部293a,315aに封印ネジ323がねじ込まれることで、第2封印部の封印が完了する。封印ネジ323は、中間部分に破断容易な破断部(縮径部)を有する、いわゆる破断ネジにより構成されており、当該ネジ323をドライバ等の締付け工具によりねじ込む際、所定以上のトルクがかかることで前記破断部が破断される。この破断により、封印ネジ323を一旦孔部293a,315aにねじ込むと、その後は当該ネジ323を緩めることが不可能となるようになっている。
第2封印部の封印を解除するには、差込側結合部293と表ケース体271とを連結する連結部294をニッパ等の工具により切断すると共に(図のX1部)、受け側結合部315の底部をニッパ等の工具により切断する(図のX2部)。つまり、縦方向の切断処理と、それと直交する横方向の切断処理とが行われる。これにより、封印ネジ323を各ケース体271,272から分離させて第2封印部の封印を解くことができる。
次に、第3封印部の構成を図41に基づいて説明する。第3封印部は、表ケース体271に設けられた封印結合部301と裏ケース体272に設けられた封印結合部317との結合により封印状態となり得るものであり、便宜上、前者を「差込側結合部301」、後者を「受け側結合部317」と言い換えて説明を進める。
図41に示すように、表ケース体271の差込側結合部301には、その上下方向に貫通する孔部301a(便宜上、上孔部と言う)が形成されており、裏ケース体272の受け側結合部317には、前記上孔部301aに同軸で連通する孔部317a(便宜上、下孔部という)が形成されている。上孔部301aには、後述する封印ネジ325の頭部を収納するための大径部と、それよりも小径な小径部とが形成されている。下孔部317aには雌ネジ部が形成されている。そして、差込側結合部301及び受け側結合部317の各孔部301a,317aに封印ネジ325がねじ込まれることで、第3封印部の封印が完了する。封印ネジ325は、締付け方向に関してはドライバ等の締付け工具によりねじ込むことができるが、緩め方向に関しては緩めることができない、いわゆる一方向ネジ(ワンウェイネジとも称される)により構成されており、封印ネジ325を一旦孔部301a,317aにねじ込むと、その後は当該ネジ325を緩めることが不可能となるようになっている。
第3封印部の封印を解除するには、差込側結合部301と表ケース体271とを連結する連結部302と、受け側結合部317と裏ケース体272とを連結する連結部318とをまとめてニッパ等の工具により切断する(図のX3部)。これにより、封印ネジ325を各ケース体271,272から分離させて第3封印部の封印を解くことができる。
上記説明では、第2封印部及び第3封印部に関して共に封印処理が行われているような記載をしたが、実際にはこれら各封印部には何れか一方にのみ封印処理が施される。例えば、スロットマシン10の製造に際して基板ボックス(ケース体271,272)内への主基板273の収容時に第2封印部が封印される。そしてその後、検査等のために主制御装置201が回収された時、第2封印部が開封されるとともに、検査等の後に第3封印部が封印される。
一方、図29等に示すように、主基板ユニット200の左側部において、可動ベース板212及び表ケース体271の囲い枠331,332に囲まれたシール貼付面には、可動ベース板212と表ケース体271とに跨るようにして長方形状の封印シールSが貼付されている。封印シールSは、一旦貼付された後に剥がされるとシールラベルから粘着剤が剥がれ、再度貼付することができないものであり、封印シールSが剥がされた場合にはその形跡が残ることから、可動ベース板212から主制御装置201が取り外されたかどうかが確認できるものとなっている。可動ベース板212に主制御装置201を結合させた状態では、可動ベース板212に形成された係止孔部247及び貫通孔248と、表ケース体271に形成された係止爪部295及びネジ孔部296が組み合った状態となり、それらが封印シールSにより覆い隠されるようになっている。
上記のとおり封印シールSは再貼付不可能な構成となっているが、封印シールSを剥がした後に別のシール部材(貼付片)を貼付するような不正行為があり、こうした不正行為を抑制するには、封印シールSの剥がし行為を抑制することが一対策であると考えられる。そこで本実施の形態では、封印シールSの不正剥がし対策として、可動ベース板212の表面と表ケース体271の表面とからなるシール貼付面を囲い枠331,332で囲み、更にその囲い枠331,332の基端部付近、すなわち付け根部付近(シール貼付面の周縁部)を湾曲状に凹ませて形成している。具体的には、封印シールSの長辺部に合わせてテーパ面が形成されることによってシール貼付面が湾曲形成されている。
シール貼付面に封印シールSを貼付した場合、封印シールSの周縁部はシール貼付面の湾曲部に入り込み、封印シールSの周縁部を爪等で引っ掛けたりすることが困難になる。そのため、封印シールSを不正に剥がすことに対する抑止効果が得られる。本実施の形態の構成では、囲い枠331,332で囲んだシール貼付面が封印シールSの大きさにほぼ一致しており、封印シールSを貼付した状態では封印シールSの周縁部には殆ど隙間がない状態となる。それ故、封印シールSの周縁部を爪等で引っ掛けてこれを剥がすことがより一層困難となっている。
図42に示すように、主制御装置201を台座装置210に装着した状態では、可動ベース板212に設けた鍵取付金具261と、主制御装置201の裏ケース体272に設けた鍵取付金具316とが向かい合った状態となり、各鍵取付金具261,316の鍵挿通部261a,316aを通じて南京錠などの鍵部材K1が取り付けられる。更に、固定ベース板211と可動ベース板212とを重ね合わせた状態では、固定ベース板211に設けた鍵取付金具219と、表ケース体271に設けた鍵取付金具305とが向かい合った状態となり、各鍵取付金具219,305の鍵挿通部219a,305aを通じて南京錠などの鍵部材K2が取り付けられる。鍵部材K1,K2の解錠キーは遊技ホール管理者等により管理される。
かかる構成では、鍵部材K2を取り外さない限りは固定ベース板211に対して可動ベース板212を回動させることはできない。また、仮に鍵部材K2を取り外したとしても、鍵部材K1を取り外さない限りは可動ベース板212から主制御装置201を取り外すことができない。従って、適正に管理された解錠キーの所有者でなければ、主制御装置201の取り外しができないようになる。
前述した各封印部は元々切断(破壊)可能な構成となっており、開封履歴を残すことを主たる目的としているため、主制御装置201を持ち去る(盗み取る)ような不正行為に対しては抑止効果が発揮できないが、鍵部材K1,K2を取り付けた上記構成では、主制御装置201の持ち去りに対して抑止効果が発揮できる(主制御装置201の盗難防止対策となり得る)。
なお、鍵取付金具219,305の先端部は、主制御装置201から外に逃げるようにして傾けて設けられている。これにより、表ケース体271の直ぐ横に鍵部材K2が取り付けられるとしても、表ケース体271等に邪魔されることなく鍵部材K2が装着できるようになっている。
次に、主基板ユニット200をリールユニット400のベースフレーム401に取り付けた状態で主制御装置201を台座装置210から取り外す手順を図43に基づいて説明する。図43の(a)は、固定ベース板211に対して可動ベース板212を重ね合わせた状態(すなわち、通常の使用状態)を示し、(b)は、固定ベース板211に対して可動ベース板212を手前側に回動させた状態を示し、(c)は、可動ベース板212の回動状態で同可動ベース板212から主制御装置201をスライドさせた状態を示す。なお、ベースフレーム401の形状については、便宜上簡略化して示す。図43では下側がスロットマシン前方であり、上側がスロットマシン後方である。
(a)の状態では、固定ベース板211と可動ベース板212とが重なった状態となっており、固定ベース板211の係止爪部218が主制御装置201(実際には表ケース体271)の上面に係止されている。便宜上図示は省略しているが、主基板ユニット200には鍵部材K1,K2が前述のとおり取り付けられており、固定ベース板211に対して可動ベース板212が回動不能となっている。このとき、主制御装置201はその表面部分がスロットマシン10の正面側を向いており、主基板表面、すなわちICチップ等の搭載面は前方より視認される。この場合、主制御装置201は筐体11の背板11cから離間した状態でベースフレーム401に搭載されているため、主制御装置201に対する不正(基板表面の不正等)が容易に確認できる。つまり、仮に主制御装置201が筐体11の背板11cに取り付けられた構成では、筐体開口部からの距離が比較的長いこと、筐体11内は比較的暗いことなどから主制御装置201の確認が困難となるが、本スロットマシン10の構成では、主制御装置201が筐体開口部から間近に配置されるために主制御装置201の確認が容易となる。
また、(b)に示す可動ベース板212の回動時には、鍵部材(少なくとも図42の鍵部材K2)が取り外されるとともに、固定ベース板211の係止爪部218の係止が解除され、その状態で固定ベース板211に対して可動ベース板212が図示の如く回動される。このとき、可動ベース板212は支柱ピン217を回動中心として最大90度程度回動され、可動ベース板212とともに主制御装置201の回動先端部側が手前側に引き寄せられる。かかる状態では、主制御装置201の裏面側(すなわち主基板273の裏面)を視認することが可能となり、各種電子部品や電気配線等に異常や不正が無いか等の確認を行うことができる。またこのとき、主制御装置201は筐体11の背板11cよりも前方に位置しており、可動ベース板212とともに主制御装置201を手前側に回動させた場合には、主制御装置201の不正確認等がより容易なものとなる。
(b)の如く可動ベース板212と主制御装置201とを固定ベース板211に対して回動させた時、主制御装置201は真正面側より視認される状態から、斜め横方より視認される状態に移行する。従って、主制御装置201の真正面からは視認しづらい箇所、すなわち主基板273の基板面に概ね垂直となる直立面部に付された情報等であっても、可動ベース板212の回動により視認容易とすることができる。例えば、主基板273上に実装された縦型のICチップ274では、チップ側面に印刷された製造メーカや品番等の情報が容易に視認できるようになる。
なお因みに、実際のスロットマシン10の構成では、図4等に示すように、主制御装置201の前方空間が開放されており、可動ベース板212の前方側への回動動作には何ら支障が生じることはない。仮に前面扉12の裏面にスロットマシン後方に突出する装置や機構が設けられていても、前面扉12の開放に伴い主制御装置201の前方空間が開放され、やはり可動ベース板212の回動動作に支障は生じない。
また、図43の(c)に示す主制御装置201のスライド時には、鍵部材(図42の鍵部材K1)が取り外されるとともに、第1封印部(可動ベース板212と表ケース体271間の封印)が開封される。更に、表ケース体271の左端部に設けた係止爪部295の係止やネジ孔部296でのネジ固定が解除される。そして、その状態で可動ベース板212上を主制御装置201がスライド動作される。これにより、可動ベース板212の回動先端部側(図32の基板装着口245)から主制御装置201を離脱させることが可能となる。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図44のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置201には、演算処理手段であるCPU701を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU701には、電源ボックス100の内部に設けられた電源装置711の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路704や、入出力ポート705などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置201は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置201の入力側には、スタートスイッチ45の操作を検出するスタート検出センサ721、各ストップスイッチ52〜54の操作を個別に検出するストップ検出センサ722,723,724、メダル投入装置41から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ725、各ベットスイッチ42〜44の操作を個別に検出するベット検出センサ726〜728、精算スイッチ56の操作を検出する精算検出センサ729、各リール471〜473の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ731、ホッパ装置110から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ732、電源ボックス100に設けたリセットスイッチ102の操作を検出するリセット検出センサ733、設定キー挿入孔103に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ734等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート705を介してCPU701へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入装置41からホッパ装置110に至る貯留用通路92は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路92には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ725が構成されている。主制御装置201は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置201は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路92でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ725付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置201の入力側には、入出力ポート705を介して電源装置711に設けられた停電監視回路711bが接続されている。電源装置711には、主制御装置201を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部711aや、上述した停電監視回路711bなどが搭載されている。
停電監視回路711bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源ボックスに設けた電源スイッチによる電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路711bは、電源部711aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号を出力するように構成されている。停電信号はCPU701と入出力ポート705のそれぞれに供給され、CPU701はこの停電信号を認識することにより停電時処理を実行する。
電源部711aからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置201などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置201による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置201の出力側には、残数表示部61、ゲーム数表示部62、獲得枚数表示部63、各リール471〜473を回転させるための各ステッピングモータ475等、セレクタ91に設けられたメダル通路切替ソレノイド、ホッパ装置110、表示制御装置601、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板740等が入出力ポート705を介して接続されている。
表示制御装置601は、中央ランプ部26や側方ランプ部28等の各種ランプ、スピーカ603,604等の各種スピーカ、液晶表示装置600を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置201からの信号を受け取った上で、表示制御装置601が独自に各種ランプ、各種スピーカ及び液晶表示装置600を駆動制御する。従って、表示制御装置601は、遊技を統括管理するメイン基板たる主制御装置201との関係では補助的な制御を実行するサブ基板となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基板を設けることにより、メイン基板の負担軽減を図っている。なお、各種表示部61〜63を表示制御装置601が制御する構成としてもよい。
上述したCPU701には、このCPU701によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM702と、このROM702内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM703のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM702とRAM703によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種のプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM702に記憶されている。
RAM703は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置711からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM703には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源ボックス100に設けた電源スイッチの操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチの操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU701のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路711bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主基板ユニット200(主制御装置201)を、筐体11の背板11cから浮かせた状態で且つ主基板271がスロットマシン正面方向を向くようにしてベースフレーム401に搭載したため、筐体11に対して前面扉12を開いた時には、比較的間近に主制御装置201(主基板を含む)が位置し、遊技ホールの従業員や管理者等が主制御装置201を確認する際、その確認作業を容易に行うことができる。その結果、主制御装置201に対する不正行為の発見等を確実に行うことができるようになり、当該主制御装置201の適正な管理が実現できる。具体的には、主基板ユニット200に施される複数箇所の封印部(いわゆるカシメ部)の状況や、封印シールSの状況や、主基板の状況(主基板に対する不正の有無)などが容易に確認できるようになっている。
主基板ユニット200(主制御装置201)を筐体11の背板11cから浮かせた構成では、主制御装置設置領域の後方には筐体11の背板11cまでの範囲で別領域(空間部)が形成されるため、この別領域を用いて例えば音響装置等を配設するなどが可能となる。
主基板ユニット200において、固定ベース板211をベースフレーム401に固定すると共に、主制御装置201を搭載した可動ベース板212を固定ベース板211に対して回動可能としたため、可動ベース板212の回動時には主制御装置201の裏面(主基板裏面)が開放される。それ故、当該裏面側において各種電子部品や電気配線等に異常や不正が無いか等の確認を行うことができる。また、可動ベース板212の回動により主制御装置201の基板面が傾くため、主基板273上に実装された縦型素子(ICチップ274)の側面情報などを容易に読みとることができ、当該素子が正規品であることなどの確認が可能となる。つまり、正面からだけでは確認しにくい不正行為等も容易に確認できる。更に、主制御装置201を筐体11の開口部側(手前側)に引き寄せることができ、不正確認等を間近で行うことができる。その結果、主制御装置201で不正行為が行われていないことなどの確認が可能となり、ひいては主制御装置201を適正に管理することができるようになる。
可動ベース板212を回動させた状態において可動ベース板212上で主制御装置201をスライドさせることにより、当該可動ベース板212の回動先端部側から主制御装置201が着脱可能となるように構成したため、可動ベース板212の回動先端部を手前側に引き寄せた状態で主制御装置201を容易に装着又は離脱させることができる。従って、主制御装置201の検査時や交換時における作業性を向上させることができる。
固定ベース板211に対する可動ベース板212の回動動作を規制すべく鍵部材K2を設けたため、鍵部材K2による回動規制を解除しなければ可動ベース板212を回動させることができず、ひいては主制御装置201を離脱させることができない。従って、主制御装置201が不正に取り外される等の不都合を抑制することができる。
本スロットマシン10では、リールユニット400を交換可能ユニットとしているため、遊技ホールでの機種入替の際には、リールユニット400の交換だけで入替作業を完了することができる。故に、機種入替に要する手間やコストを大幅に削減することが可能となる。例えば、旧マシンの筐体を島設備から取り外す作業や、新マシンの筐体を島設備に固定する作業等(釘打ち作業など)が不要となる。またこの場合、リールユニット400以外の構成(筐体11、下扉13、電源ボックス100、ホッパ装置110等)は繰り返し使用されるため、各種部材のリユースを促進することができ、環境保全の観点からも望ましいと言える。
図45及び図46には、別の構成のスロットマシン800を示す。なお図45,図46では、前記図1等で説明したスロットマシン10と構成を等しくする部材につては同じ部材番号を付し説明を省略する。
スロットマシン800では、前記図1等で説明したスロットマシン10と比較して、テーブル部40上に設けた三角山形状のストップ操作装置50を無くし、それに代えて3つのストップスイッチ52〜54をテーブル部40上に直に設けている。この場合、前記図1等のスロットマシン10では、ストップスイッチ52〜54のスイッチ片が若干上向きでほぼ鉛直に起立しており、手前側からのスイッチ押し操作が有効となったが、スロットマシン800では、ストップスイッチ52〜54のスイッチ片がほぼ水平に寝ており、ほぼ真上からのスイッチ押し操作が有効となる。故に、テーブル部40上に手を置いた状態で、まるでパソコンキーボードを操作するような手つきでのスイッチ操作が可能となっている。
また、テーブル部40上において、手動投入式のメダル投入装置41に代えて、自動取り込み式のメダル投入装置801を設けている。メダル投入装置801は、テーブル部40の内方に電動式のメダル取込装置を備えており、皿部802に載せられたメダルが順次自動的に取り込まれるようになっている。因みに、スロットマシン800では、遊技パネル21の背面側に17ワイドインチ液晶装置(縦寸法は15インチ液晶装置と同じだが、横寸法を拡張したもの)を搭載した事例を示しており、前記図1等のスロットマシン10に比べて、遊技パネル21の縁部付近にまで液晶表示画面が設定されている。ワイドタイプの液晶装置を使うことで、ダイナミックな表示演出が可能となる。
上記のとおり、図1等のスロットマシン10と図45等のスロットマシン800とでは、テーブル部40上の構成が相違するが、そのテーブル部40と各種スイッチ等とはユニット化されており、ユニット単位での交換が可能となっている。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)主制御装置201をベースフレーム401に対して回動可能とする構成において、主制御装置201を回動可能に搭載するための回動機構(台座装置)を、ベースフレーム401に一体的に設ける構成としても良い。つまりこの場合、ベースフレーム401上に回動軸部を設け、その回動軸を中心として主制御装置201が回動するよう構成する。例えば、回動軸部はベースフレーム401に一体成形される。これにより、回動機能が簡素化でき、部品点数の削減、製造工程の削減、コスト低減等を図ることができる。なおこの場合、ベースフレーム401における主制御装置搭載部分は、背後からの不正行為を防止するために閉鎖面(孔等を塞いだ状態)とするのが望ましい。
(b)主制御装置201をベースフレーム401に対して回動可能とする構成を省略しても良い。この場合、主制御装置201はベースフレーム401に固定されることになるが、主制御装置201を、筐体11の背板11cから浮かせた状態で且つ主基板271がスロットマシン正面方向を向くようにしてベースフレーム401に搭載することで、前述の通り主制御装置201に対する不正行為の発見等を確実に行うことができ、当該主制御装置201の適正な管理が実現できる。
(c)上記実施の形態では、リールユニット400において、リール装置406の上方に主制御装置201を搭載したが、これに代えて、リール装置406の左右一方、又は下方に主制御装置201を搭載する構成であっても良い。要は、主制御装置201を、筐体11の背板11cから浮かせた状態で且つ主基板271がスロットマシン正面方向を向くようにしてベースフレーム401に搭載した構成であれば良い。
(d)上記実施の形態では、主制御装置201をベースフレーム401に搭載することで主制御装置201を筐体11の背板11cから浮かせて配置したが、この構成に限定されず、他の構成にて主制御装置201を筐体11の背板11cから浮かせて配置するようにしても良い。例えば、筐体11内において、背板11cから離間した位置に、当該背板11cに対向するようにして板状又はフレーム状などをなす制御基板装置搭載部材を設ける。この場合、制御基板装置搭載部材を背板11cから離間させて設けるには、制御基板装置搭載部材に脚部を設け、この脚部を筐体11の背板11cに固定する。脚部は柱状、板状などの形状とし、少なくとも2カ所以上設けると良い。或いは、制御基板装置搭載部材を、筐体11の背板11c以外の壁面部(天板11a,側板11d,11e)に固定する。
本構成であっても、主制御装置201が、筐体11の背板11cから浮かせた状態で且つ主基板271がスロットマシン正面方向を向くようにして配置されるため、筐体11に対して前面扉12を開いた時には、その開放部から比較的間近に主制御装置201(主基板を含む)が位置し、遊技ホールの従業員や管理者等が主制御装置201を確認する際、その確認作業を容易に行うことができる。その結果、主制御装置201に対する不正行為の発見等を確実に行うことができるようになり、当該主制御装置201の適正な管理が実現できる。
制御基板装置搭載部材は、筐体11の背板11cからの距離を適宜変更することができる構成であっても良い。その手段として、前記脚部の長さが可変となる構成を設けたり、筐体11内における制御基板装置搭載部材の固定位置を変更可能としたりすることが考えられる。
(e)主制御装置201をベースフレーム401等に搭載した構成において、主制御装置201に若干の角度を持たせるようにしても良い。例えば、主制御装置201を僅かに上向きとしたり、下向きとしたりする。
(f)ベースフレーム401に、複数の制御基板装置を搭載する構成としても良い。例えば、ベースフレーム401に2つの制御基板装置を搭載する場合、リール装置406の上方において横並びの状態で2つの制御基板装置を搭載する。この場合、少なくとも何れかをベースフレーム401に対して回動可能とする構成であっても良い。
(g)前述したスロットマシン10等では、操作部として手前側の縁部が弧状をなす形状のテーブル部40を設け、該テーブル部40上に各ベットスイッチ42〜44、スタートスイッチ45、各ストップスイッチ52〜54といった操作部材を設けて構成したが、この操作部の構成を変更しても良い。テーブル部40の手前側縁部を左右方向に延びる直線状にしても良い。また、既存のスロットマシン(従来機)にあるように、手前側に帯状に張り出した操作部を設け、その上面に各ベットスイッチを、前面にスタートレバーやストップスイッチを設ける構成としても良い。
(h)上記実施の形態のスロットマシンでは、補助表示部として比較的大きな画面を有する液晶表示装置(15インチ又は17ワイドインチ液晶装置)を搭載し、それに伴い操作部(テーブル部40)を従来機よりも下方の高さ位置に設けたが、通常サイズの液晶表示装置を搭載し、操作部を従来機と同じ高さ位置に設ける構成としても良い。また、補助表示装置として、液晶表示装置以外の例えばドットマトリックス表示器などを搭載した構成、或いは補助表示部を搭載しない構成であっても良い。
(i)上記実施の形態では、リールユニット400を構成する3つのリール471〜473を、各々個別に取り外し可能としたが、3つのリール471〜473を一体化してサブアセンブリ化しても良い。
(j)筐体11の内部を仕切板で上下に分割し、その仕切板上にリールユニット400を搭載する構成としても良い。この場合、仕切板は、筐体11の左右の側板11d,11e間で設けられる。
(k)上記実施の形態では、前面扉12を上扉13と下扉14とで構成し、それら各扉13,14を連結板651にて連結したが、この連結を無くした構成としても良い。つまり、連結を無くすことで、上扉13と下扉14とは各々個別に開閉操作できるようになる。
(l)上記実施の形態では、上扉13をリールユニット400に開閉可能に取り付けると共に、下扉14を筐体11に開閉可能に取り付けたが、この構成を変更する。例えば、上扉13と下扉14とを共に筐体11に開閉可能に取り付ける構成としても良い。又は、前面扉12を上下に分割せずに構成し、その前面扉12を筐体11に開閉可能に取り付ける構成としても良い。但し、リールユニット400は、前記同様、リール装置406や主制御装置201を搭載する構成とする。前面扉12を上下に分割せずに構成した場合、リールユニット400について交換(載せ替え)が可能となる。ユニット故障時などにおいて、筐体及び扉体のリユースが可能となる。
(m)スロットマシンの前面部に、液晶表示装置に表示される各種キャラクタや背景画像等を選択的に切り換えるための選択スイッチを設けても良い。例えば、当該選択スイッチを、テーブル部40上や、メダル投入装置41の上方に設置すると良い。
(n)上記実施の形態では、リールユニット400の上部後方領域(ベースフレーム401の上背面部431の後方)を利用してウーハ装置158を配設したが、他の部材を配設しても良い。例えば、遊技者に対する利益状態に関与しない、表示制御装置や補助演出制御装置(例えば音声やランプ等を制御する制御装置)などを配設したり、電源ユニットを配設したりすることが可能である。
(o)上記実施の形態では、主基板ユニット200の第1封印部において、差込側結合部291を表ケース体271に4連で並設すると共に、それに対応させて受け側結合部251を可動ベース板212に4連で並設したが、この構成を変更する。4連の受け側結合部のうち少なくとも1つを裏ケース体272に設ける。この構成としても、適切な封印構造が実現できることに変わりない。また、表ケース体271と可動ベース板212とで行われる封印に代えて、裏ケース体272と可動ベース板212とで行われる封印とする、又は表裏のケース体271,272で行われる封印とすることも可能である。