JP2006005137A - 位置決めステージ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、高速化に伴う移動ステージの温度変動によって生じる制御位置精度の悪化を、高精度に補正する位置決めステージ装置を得ることを目的とする。
【解決手段】 定盤4のガイドに沿って所定の方向に往復移動自在である移動ステージ2と、移動ステージ2を駆動させるリニアモーター3と、前記移動ステージ2と一体であるミラー5の反射光に基づいて移動ステージの現在位置を検出するレーザー干渉計6を有し、さらに、移動ステージの駆動の履歴を記憶する記憶手段と、予め求めた補正式と前記記憶手段に記憶させたデータから移動ステージのその時点での補正量を算出する演算手段と、前記レーザー干渉計6の出力及び前記演算手段の出力に基づいて前記リニアモーターの駆動量を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 定盤4のガイドに沿って所定の方向に往復移動自在である移動ステージ2と、移動ステージ2を駆動させるリニアモーター3と、前記移動ステージ2と一体であるミラー5の反射光に基づいて移動ステージの現在位置を検出するレーザー干渉計6を有し、さらに、移動ステージの駆動の履歴を記憶する記憶手段と、予め求めた補正式と前記記憶手段に記憶させたデータから移動ステージのその時点での補正量を算出する演算手段と、前記レーザー干渉計6の出力及び前記演算手段の出力に基づいて前記リニアモーターの駆動量を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体露光装置や形状計測装置などにおいて、特に制御位置誤差を補正することも可能な位置決めステージ装置に関する。
図1は一従来例による位置決めステージ装置を示すもので、定盤4のガイドに沿って所定の方向に移動できる移動ステージ2と、移動ステージ2を駆動させるリニアモーター3と、前記移動ステージ2と一体であるミラー5の反射光に基づいて移動ステージ2の現在位置を検出するレーザー干渉計6を有する。
図2にも示すように、移動ステージのガイドに対向する面には、静圧パッド8と与圧を確保するための永久磁石7を配置し、移動ステージを定盤に対して非接触で支持している。これによって、移動ステージ速度の高速化、高精度化、メンテナンスフリー化を実現している。また、特開平8−137550に開示されているように、従来技術によって移動ステージに温度センサーを取り付けることで位置決め精度の低下を防ぐことが可能である。
特開平8−137550号公報
近年の半導体デバイス製造工程においては、デバイスの生産性の指標のひとつである、単位時間あたりのウエハー処理枚数を向上することが必要とされている。そのためには、移動ステージの移動速度を上げることが必須である。
しかしながら前述の従来技術によれば、移動ステージを駆動させた場合に、移動ステージに配置された与圧磁石が移動ステージの駆動と伴って移動するため、対向する定盤に磁束の変化をもたらし、定盤に誘導起電流を発生させる。発生した電流によって定盤は発熱し、定盤の発熱に伴って移動ステージも温度変動を起こす。
移動ステージの温度変化による熱変形で、移動ステージ上のレチクルやウエハー等の位置決め対象物体1や基準マーク(不図示)とレーザー干渉計用のミラー5との距離が変化する傾向があり、このことにより露光の位置精度を悪化させる。
ステージが駆動することによって、発生する熱量は以下のように表される。
ステージが駆動することによって、発生する熱量は以下のように表される。
W=K×v2
式において、Wは発熱量、vは移動速度、Kは係数である。この式で表されるように、移動ステージの移動による発熱量は速度の2乗で大きくなる。
式において、Wは発熱量、vは移動速度、Kは係数である。この式で表されるように、移動ステージの移動による発熱量は速度の2乗で大きくなる。
本来、前述のような移動ステージの熱変形は極めて微少なものであり、位置決め精度に影響を与えるものではなかったが、半導体デバイス製造の上で要求される精度が向上を続けていることや、生産性向上のために移動ステージの移動速度をより高速化させることにより、前述のような移動ステージの熱変形による位置精度の悪化は無視できなくなってくる。
また、この位置決めステージ装置を用いた露光装置においては、露光位置精度の悪化を防ぐために、レチクルステージとウエハーステージの相対原点出し等のシーケンスを頻繁に挿入せざるを得なくなり、生産性の向上が難しい。
本発明は、前述の従来技術の有する未解決な課題に鑑みてなされたものであり、高速化に伴う移動ステージの温度変動によって生じる制御位置精度の悪化を、高精度に補正する位置決めステージ装置およびこれを用いた投影露光装置を得ることを目的としたものである。
上記目的を達成するため、本発明の位置決めステージ装置は、定盤4のガイドに沿って所定の方向に往復移動自在である移動ステージ2と、移動ステージ2を駆動させるリニアモーター3と、前記移動ステージ2と一体であるミラー5の反射光に基づいて移動ステージの現在位置を検出するレーザー干渉計6を有し、さらに、図3に示すように、移動ステージの駆動の履歴を記憶する記憶手段と、予め求めた補正式と前記記憶手段に記憶させたデータから移動ステージのその時点での補正量を算出する演算手段と、前記レーザー干渉計6の出力及び前記演算手段の出力に基づいて前記リニアモーターの駆動量を制御する制御手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、移動ステージの温度変化に起因する位置精度の悪化を良好に防ぐことができる。また、本発明の位置決めステージ装置を露光装置に用いた場合、露光位置変動を良好に補正できる。また、ベースライン補正を頻繁に行う必要がなくなり、生産性が向上する。
移動ステージの駆動を開始すると、移動ステージの駆動履歴に伴って移動ステージが温度変化し、位置決め精度の悪化や露光位置変動が生じる。
これに対応するために、予め移動ステージの駆動と位置誤差の変動との関係を、実験などによってデータとして求めておく。解析を行って位置誤差の変動を予測したものをデータとしても良い。求めたデータは補正式としてモデル化しておく。
そして、移動ステージの駆動を開始すると同時に、駆動の履歴をデータとして逐次記憶手段に記憶していく。
その後、随時、記憶手段に記憶した移動ステージの駆動の履歴から、前記演算手段を用いて、位置誤差の変動を補正する補正式より位置誤差の変動量を算出し、前記レーザー干渉計の出力および前記演算手段から算出された補正量に基づいて、前記リニアモーターの駆動量を制御し、移動ステージを補正量を加えた位置に位置決めするように制御する。
補正方法の流れを図4に示した。この補正により、移動ステージの温度変動に伴う位置決め精度の悪化を防ぐように構成されている。
なお、位置決めステージ装置は、露光装置に用いることができ、補正の対象とする前記の移動ステージは、レチクルステージであってもウエハーステージであっても良い。
走査型縮小投影露光装置では、レチクルステージとウエハーステージを同期させて駆動させる。また、レチクルに形成されたパターンを縮小露光する構造から、ウエハーステージに対して、露光縮小率の逆数倍だけレチクルステージの速度を上げて走査させる必要がある。
本実施例では、前記の移動ステージを走査型縮小投影露光装置のレチクルステージとして用い、位置決め対象物体はレチクルステージに載置されたレチクルであるとして説明する。
図5は本実施例による走査型縮小投影露光装置を説明する図である。照明系、レチクルr1、レチクルステージr2、レチクルステージ定盤r4、投影レンズ、ウエハーw1、ウエハーステージw2、ウエハーステージ定盤w4、アライメント用顕微鏡(不図示)、レチクルステージ上に形成した基準マーク(不図示)、ウエハーステージ上に形成した基準マーク(不図示)、現在位置取得手段であるレーザー干渉計r6w6とミラーr5w5、ステージを駆動させる手段であるリニアモーターr3w3、制御手段(不図示)、記憶手段(不図示)、演算手段(不図示)である。
レチクルステージには、レチクルステージ定盤のガイドに対向する面に静圧パッドr8と予圧を得るための永久磁石r7が配置されている。上述のように、レチクルステージを駆動させた場合、レチクルステージに配置された与圧磁石がレチクルステージの駆動と伴って移動するため、対向するレチクルステージ定盤に磁束の変化をもたらし、レチクルステージ定盤に誘導起電流を発生させる。発生した電流によってレチクルステージ定盤は発熱し、レチクルステージ定盤の発熱に伴って、レチクルステージも温度変動を起こす。レチクルステージの温度変化による熱変形で、レチクルステージ上のレチクルや基準マークとレーザー干渉計用のミラーとの距離が変化する傾向があり、このことにより露光位置精度を悪化させる。
以下、この位置精度の悪化を良好に補正する方法を説明する。
露光位置変動を予測するために、予めレチクルステージの駆動に伴う露光位置変動量を把握しておく。
例えば、レチクルステージを休止安定状態から連続で露光を行い、その後休止させて安定状態に戻す。さらに、移動速度等の条件を様々に変え、そのときのレチクルステージの駆動の履歴と露光位置変動量をそれぞれ計測することにより、レチクルステージの駆動と休止による露光変動を定量的に求める実験を行えば良い。また、解析によって露光位置変動を推定しても良い。
以上によって求めた露光位置変動をモデル化する。モデルの一例は、Hをレチクルステージ駆動時の露光位置変動、Cをレチクルステージ休止時の露光位置変動、IとTを係数、時間をtとすると、次式のように表せる。
H=I(1−e−(t/T))
C=I(e−(t/T))
図6は上記モデルを図にしたものである。
C=I(e−(t/T))
図6は上記モデルを図にしたものである。
なお、図6と上記式は、本実施例による露光位置変動量を単純化してモデル化し、最も簡単な関数として表したものであるが、実際には、全体構造および各部位の性質等を考慮した適切な関数を導出し、これに基づいて前述の補正量をより正確に求める。
露光装置の起動時には、ウエハーステージとレチクルステージの相対位置を求めるために、アライメント用顕微鏡を利用して両ステージ上に形成したマークを観察し、マークが重なる位置で、干渉計の計測値をプリセットすることで相対原点出しを行う。そのため、原点出し以降にレチクルステージの温度変化があると、結果としてウエハーへのレチクルパターンの転写像の位置が変動する。
そこで、実際にウエハーの露光を行う際には、レチクルステージの駆動が開始されると同時に、時間と速度変化などの情報をレチクルステージ駆動制御部より得て、露光装置の記憶手段に記憶していき、その後も逐次レチクルステージの駆動情報を記憶していく。
その後、随時、記憶手段に記憶した装置起動時からのレチクルステージの駆動の履歴と前記の補正式モデルから、演算手段を用いて露光位置変動量を算出し、レーザー干渉計の出力および前記演算手段から算出された補正量に基づいて前記リニアモーターの駆動量を制御し、レチクルステージを補正値を加えた位置に位置決めするように制御する。
例えば、レチクルステージが駆動を開始し、1ショット分の露光が終わって静止し、逆方向に駆動を始める直前までを1つの期間として、その期間中のレチクルステージの速度変化から、単位時間あたりの発熱量に相当する値を算出し、その値と前記補正式モデルより、レチクルステージの駆動ごと(1スキャン毎)の補正量を得る。そして、次の駆動時に、レーザー干渉計からの現在位置情報に補正量を反映した位置へ移動させる、というような補正方法が良い。
また、重ね合わせ露光時などに事前にアライメント計測を行うが、補正量を反映させる対象は、このアライメント計測値であっても良い。
装置休止状態から、ウエハーの露光を3ロット行った例が図7である。装置が休止して安定している状態aを補正量ゼロとし、1ロット目の露光のためにレチクルステージが駆動を始めると、即座に補正すべき量を算出し、露光位置変動量に追従している。この補正により、重ね合わせ露光時などに、事前のアライメント計測値から変動することなく露光ができる。なお、cとeはロットが終了し次のロットまでの待ち時間であり、gは露光が終了して装置が休止している状態である。
この例で、各ロットの開始時にアライメント精度の経時的な変動を取り除くためのベースライン補正Aを行った場合には図8のようになる。この場合にも、ステージ駆動の履歴の情報は引き続いて記憶され、その時点でのステージの熱変形による露光位置変動を補正できる。
従来ならアライメント値が大きく変動してしまうようなステージ駆動をさせた場合、重ね合わせ位置誤差を取り除くには頻繁にベースライン補正を行う必要があり、生産性を低下させる要因となっていた。しかし、本発明の露光装置においては、駆動に伴うステージの熱変動に起因するアライメント値の変動を随時補正することができるため、ベースライン補正シーケンスの実行頻度を最小限に抑えることができ、生産性を向上させることができる。
温度センサーを構成として追加して、定盤あるいは移動ステージの温度変化を計測し、その計測値を用いて位置誤差を補正しても良い。実験や解析等によって求めた定盤あるいは移動ステージの温度と露光位置変動量の関係を求めておき、随時温度計測値を用いてその時点での補正値を算出することができる。
また、装置起動時などにおいて、移動ステージ熱変形のための補正の原点をとるために温度センサーの計測値を利用しても良い。前記のように定盤あるいは移動ステージの温度と露光位置変動量の関係を得ておけば、移動ステージの駆動履歴が不明の時や存在しないときにも、その時点での補正量を温度計測値から算出することができる。
上記のように、この構成によってレチクルステージの温度変動に伴う露光位置変動を高精度に取り除くことができ、製造する半導体デバイスの不良を防ぐことができる。
1 位置決め対象物体
r1 レチクル
w1 ウエハー
2 移動ステージ
r2 レチクルステージ
w2 ウエハーステージ
3,r3,w3 リニアモーター
4 定盤
r4 レチクルステージ定盤
w4 ウエハーステージ定盤
5,r5,w5 レーザー干渉計用ミラー
6,r6,w6 レーザー干渉計
7,r7 永久磁石(予圧磁石)
8,r8 静圧パッド
a 装置安定状態
b,d,f 露光時
c,e ロット交換時
g ロット終了時
A ベースライン補正シーケンス実行
r1 レチクル
w1 ウエハー
2 移動ステージ
r2 レチクルステージ
w2 ウエハーステージ
3,r3,w3 リニアモーター
4 定盤
r4 レチクルステージ定盤
w4 ウエハーステージ定盤
5,r5,w5 レーザー干渉計用ミラー
6,r6,w6 レーザー干渉計
7,r7 永久磁石(予圧磁石)
8,r8 静圧パッド
a 装置安定状態
b,d,f 露光時
c,e ロット交換時
g ロット終了時
A ベースライン補正シーケンス実行
Claims (1)
- 定盤上を駆動手段によって移動する移動ステージと、該移動ステージと一体であるミラーの反射光に基づいて移動ステージの現在位置を検出する現在位置検出手段を有する位置決めステージ装置において、移動ステージの駆動の履歴を記憶する記憶手段と、予め求めた補正式と前記移動ステージ駆動履歴から前記移動ステージの移動誤差補正量を算出する演算手段と、該演算手段の出力に基づいて前記駆動手段の駆動量を制御する制御手段を具備することを特徴とする位置決めステージ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004179499A JP2006005137A (ja) | 2004-06-17 | 2004-06-17 | 位置決めステージ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004179499A JP2006005137A (ja) | 2004-06-17 | 2004-06-17 | 位置決めステージ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006005137A true JP2006005137A (ja) | 2006-01-05 |
Family
ID=35773254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004179499A Withdrawn JP2006005137A (ja) | 2004-06-17 | 2004-06-17 | 位置決めステージ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006005137A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009033062A (ja) * | 2007-07-30 | 2009-02-12 | Nikon Corp | 露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 |
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JP2015162396A (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-07 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | ステージ装置およびそれを用いた荷電粒子線装置 |
US9887064B2 (en) | 2014-02-25 | 2018-02-06 | Hitachi High-Technologies Corporation | Stage device and charged particle beam device using the same |
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CN111352307A (zh) * | 2018-12-21 | 2020-06-30 | 佳能株式会社 | 输送装置、基板处理装置以及制造制品的方法 |
-
2004
- 2004-06-17 JP JP2004179499A patent/JP2006005137A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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