JP2006202914A - 解析方法、評価方法、制御方法、露光方法、解析装置、制御装置及び露光装置 - Google Patents

解析方法、評価方法、制御方法、露光方法、解析装置、制御装置及び露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】走査露光での同期移動制御動作中のレチクルステージ及びウエハステージの同期誤差を低減する。
【解決手段】レチクルステージ、ウエハステージの同期移動制御動作の前にウエハステージの所定の制御動作が行われる場合、その所定の制御動作を互いに独立な複数の異なる基本制御動作に分解し、各基本制御動作と同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を、基本制御動作、動作条件毎に行うとともに、同期移動制御動作中における両ステージ間の同期誤差の時系列データを計測する(ステップ601)。複数の異なる基本制御動作それぞれに対応する計測の結果を比較し、その比較結果に基づいて、同期移動制御動作開始前の各基本制御動作に起因する、同期移動制御動作中における両ステージ間の同期誤差の時系列データの成分を抽出する(ステップ603〜ステップ609)。
【選択図】図7

Description

本発明は、解析方法、評価方法、制御方法、露光方法、解析装置、制御装置及び露光装置に係り、更に詳しくは、2つの移動体の同期移動制御動作の制御状態を解析する解析方法、2つの移動体の同期移動制御を行う際の制御性能を評価する評価方法、2つの移動体の同期移動制御を行う制御方法、該制御方法を用いた露光方法、2つの移動体の同期移動制御動作の制御状態を解析する解析装置、該解析装置を用いた制御装置及び該制御装置を用いた露光装置に関する。
従来より、半導体素子(集積回路)、液晶表示素子等の電子デバイスを製造するリソグラフィ工程では、マスクステージ(レチクルステージ)に保持されたマスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)のパターン像を、物体のステージ上に保持されレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の感光性の基板(以下、「基板」又は「ウエハ」と呼ぶ)上に、投影光学系を介して転写する投影露光装置が使用されている。この種の投影露光装置としては、従来、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)が多用されていたが、最近では、レチクルとウエハとを同期走査しつつ露光を行うステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)が注目されている。
このステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置は、レチクルを保持するレチクルステージと、ウエハを保持するウエハステージとを、投影光学系の投影倍率に応じた速度比を保ちながら、走査方向に関して同期移動させつつ(両ステージに対する同期制御動作を行いつつ)露光を行い、レチクルに形成されたパターンをウエハの複数のショット領域にそれぞれ転写する。このため、レチクルステージとウエハステージとの同期移動制御動作中に生じる一方のステージに対する他方のステージの追従誤差(同期誤差)が、ウエハ上に転写されたパターン像の位置ずれ(又はディストーション)や分解能の低下等の要因となる。従って、走査露光装置では、走査露光時の両ステージ間の同期誤差を極力小さくすることが望ましいことから、従来より、両ステージ間の同期誤差を低減するために、予め両ステージを試運転してその同期誤差を実測しておき、その計測結果に基づく補正量を、両ステージの制御系に与えることにより同期誤差を低減する技術が提案されている(例えば、特許文献1等)。
この同期誤差は、同期移動制御動作中の両ステージの制御状態を規定する制御パラメータに大きく依存することがわかっている。例えば、同期移動制御動作中のスキャン速度、スキャン方向(走査方向)などの制御パラメータが、その同期誤差を増減させる主な要因として挙げられる。そのため、特許文献1に開示された技術においても、同期誤差を有効に低減するために、上記各種制御パラメータの設定値を変更しながら、同期移動制御動作を複数回行って各回の同期誤差を測定して、その測定結果に基づく補正情報を作成しておき、実際の走査露光を行う際には、制御パラメータの設定値が同じであったときの測定結果に基づく補正情報から得られる補正量を、同期誤差をキャンセルすべく、両ステージの制御系に与えるようにしている。
また、最近の研究により、ある同期制御動作中に生じる同期誤差は、その同期移動制御動作の開始前に開始された両ステージの制御動作、例えば、前回の同期制御動作、ウエハステージのステッピング動作(露光領域を次のショット領域に移動させるための移動動作)などにも影響を受けることがわかってきており、その影響の程度も、同期移動制御動作開始前の制御動作を規定する両ステージの制御パラメータに大きく依存することがわかってきている。すなわち、ステッピング移動中のステージのステップ速度、そのステージの移動方向、ステージの動作のプロトコル(ステッピングの経路等を規定する規約)などの制御パラメータの設定値により、同期誤差が変動する。
したがって、同期移動制御動作開始前に開始される制御動作の影響も考慮すると、同期誤差に関連する制御パラメータの数が増えて、その設定値の組合せが膨大なものとなり、すべての組合せについて同期誤差を測定するには膨大な時間が必要となる。
特開平11−067655号公報
上記事情の下になされた本発明は、第1の観点からすると、2つの移動体(WST、RST)の同期移動制御動作の制御状態を解析する解析方法であって、前記同期移動制御動作開始前に開始される、前記2つの移動体のうちの少なくとも一方の移動体に対する所定の制御動作を分解して得られる動作成分に相当する互いに独立な複数の異なる基本制御動作各々と、前記同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を行った場合に、前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報を基本制御動作毎に計測する計測工程と;前記複数の異なる基本制御動作それぞれに対応する前記計測の結果を比較し、その比較結果に基づいて、前記各基本制御動作に起因する、前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を抽出する抽出工程と;を含む解析方法である。
これによれば、2つの移動体の同期移動制御動作を行う前に少なくとも一方の移動体の所定の制御動作が開始される場合、その所定の制御動作を互いに独立な複数の異なる基本制御動作に分解し、各基本制御動作と同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を、基本制御動作毎に行うとともに、同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報を計測する。そして、複数の異なる基本制御動作それぞれに対応する計測の結果を比較し、その比較結果に基づいて、同期移動制御動作開始前の各基本制御動作に起因する、同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を抽出する。このようにすれば、各基本制御動作に起因する、同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の線形性が保証されている場合には、同期移動制御動作開始前の基本制御動作それぞれの同期誤差への影響を分離抽出し、その影響を詳細に解析することが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、2つの移動体(WST,RST)の同期移動制御動作を行う際の制御性能を評価する評価方法であって、本発明の解析方法を用いて、前記同期移動制御動作開始前に開始される前記2つの移動体のうちの少なくとも一方の移動体に対する所定の制御動作を分解して得られる動作成分に相当する互いに独立な複数の異なる基本制御動作それぞれに起因する、前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を抽出する第1工程と;前記所定の制御動作と前記同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を行って、その同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報をそれぞれ計測する第2工程と;前記第1工程で抽出された各基本制御動作に対応する成分の和と、前記第2工程での計測の結果とに基づいて、前記各基本制御動作に起因する、前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の線形性を評価する第3工程と;を含む評価方法である。かかる場合には、本発明の解析方法を用いて、各基本制御動作に対応する、同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報を精度良く抽出することができるので、各基本制御動作に起因する前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の線形性を精度良く評価することができる。
本発明は、第3の観点からすると、2つの移動体(WST、RST)の同期移動制御動作を行う制御方法であって、本発明の解析方法を用いて、前記同期移動制御動作開始前に開始される前記2つの移動体のうちの少なくとも一方の移動体に対する所定の制御動作を分解して得られる動作成分に相当する互いに独立な複数の異なる基本制御動作それぞれに起因する、前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を抽出する工程と;前記同期移動制御動作開始前に開始される前記少なくとも一方の移動体に対する制御動作を分解して得られる動作成分に相当する基本制御動作に起因する前記時系列情報の成分を重ね合わせて、前記2つの移動体の同期移動制御動作に関する制御情報を算出する工程と;前記算出された制御情報に基づいて、前記同期移動制御動作を行う工程と;を含む制御方法である。かかる場合には、本発明の解析方法を用いて、同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を精度良く抽出することができ、同期移動制御動作開始前に開始される少なくとも一方の移動体に対する制御動作を分解して得られる動作成分に相当する基本制御動作に起因するその抽出された各成分を重ね合わせて制御情報を算出する。このようにすれば、各基本制御動作に起因する、同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報線形性が保証されている場合には、算出された制御情報に基づいて、2つの移動体の同期移動制御動作を精度良く行うことができる。
本発明は、第4の観点からすると、本発明の制御方法を用いて、マスク(R)を保持して移動可能な移動体(RST)と、物体(W)を保持して移動可能な移動体(WST)とを、所定の走査方向に同期移動させつつ、前記マスクに形成されたパターンを前記物体上に転写する工程を含む露光方法である。かかる場合には、本発明の制御方法を用いて、マスクと物体とをそれぞれ保持する2つの移動体の同期移動動作を精度良く行うことができるので、高精度な露光を実現することができる。
本発明は、第5の観点からすると、2つの移動体(WST、RST)の同期移動制御動作を行う制御系の制御状態を解析する解析装置であって、前記同期移動制御動作開始前に開始される、前記2つの移動体のうちの少なくとも一方の移動体に対する所定の制御動作を分解して得られる動作成分に相当する互いに独立な複数の異なる基本制御動作各々と、前記同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を行った場合に、前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報を基本制御動作毎に計測する計測装置と;前記複数の異なる基本制御動作にそれぞれに対応する前記計測の結果を比較し、その比較結果に基づいて、前記同期移動制御動作開始前の各基本制御動作に起因する、前記同期移動制御中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を抽出する抽出装置と;を備える解析装置である。
これによれば、制御系により、2つの移動体の同期移動制御動作の前に少なくとも一方の移動体の所定の制御動作を開始するような制御動作を行う場合、その所定の制御動作を互いに独立な複数の異なる基本制御動作に分解し、各基本制御動作と同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を、基本制御動作毎に行うとともに、その同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報を計測装置により計測する。そして、複数の異なる基本制御動作それぞれに対応する計測の結果を比較し、その比較結果に基づいて、同期移動制御動作開始前に開始される各基本制御動作に起因する、同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を抽出装置により抽出する。このような各装置の動作により、各基本制御動作に起因する、同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の線形性が保証されている場合には、同期移動制御動作開始前の基本制御動作それぞれの同期誤差への影響を分離抽出し、その影響を詳細に解析することが可能となる。
本発明は、第6の観点からすると、2つの移動体の同期移動制御動作を行う制御装置であって、本発明の解析装置と;前記解析装置による抽出された前記同期移動制御動作開始前の各基本制御動作に起因する、前記同期移動制御中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を重ね合わせて、前記同期移動制御動作中の制御情報を算出する算出装置と;前記算出された制御情報に基づいて、前記同期移動制御動作を行う同期制御装置と;を備える制御装置である。かかる場合には、本発明の解析装置により、同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を精度良く抽出することができ、同期移動制御動作開始前に開始される前記少なくとも一方の移動体に対する制御動作を分解して得られる動作成分に相当する基本制御動作に起因するその抽出された各成分を重ね合わせて制御情報を算出装置により算出する。このようにすれば、各基本制御動作に起因する、同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の線形性が保証されている場合には、算出された制御情報に基づいて、2つの移動体の同期移動制御動作を精度良く行うことができる。
本発明は、第7の観点からすると、マスクを保持して移動可能な第1の移動体と;物体を保持して移動可能な第2の移動体と;前記マスクに形成されたパターンを前記物体上に転写する際に、前記第1、第2の移動体の同期移動制御動作を行う本発明の制御装置と;を備える露光装置である。かかる場合には、本発明の制御装置により、マスクを保持する第1の移動体と、物体を保持する第2の移動体の同期移動制御動作を精度良く行うことができるので、高精度な露光を実現することができる。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図7に基づいて説明する。
図1には、本発明の解析方法、制御方法及び露光方法の実施に好適な一実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。この露光装置100は、マスクとしてのレチクルRを保持する移動体(第1の移動体)としてのレチクルステージRST、投影光学系PL、物体としてのウエハWを保持する移動体(第2の移動体)としてのウエハステージWST、ステージ制御装置19及び装置全体を統括制御する主制御装置20等を備えている。
前記レチクルステージRST上には、回路パターン等が描かれたレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルR上には、不図示の照明系からの照明光ILが均一に照明される。照明光ILによるレチクルR上の照明領域は、主制御装置20によりその動作が制御される不図示のレチクルブラインド(照明系の内部に備えられている)により規定される。レチクルステージRSTは、レチクルRの位置制御のため、レチクルステージ駆動部23により、不図示の照明系の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここではY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報RP(X軸方向に関する位置情報をRPXとし、Y軸方向に関する位置情報をRPYとし、まとめてRP(RPX,RPY)とする)は、ステージ制御装置19に送られている。ステージ制御装置19は、レチクルステージRSTの位置情報RPに基づいてレチクルステージ駆動部23を介してレチクルステージRSTを駆動する。なお、レチクルステージRSTの位置情報RPは、ステージ制御装置19を介して、主制御装置20に供給されている。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている(不図示の照明系の光軸と一致する)。投影光学系PLとしては、両側テレセントリックな光学系であり、所定の縮小倍率β(例えば1/4)を有する屈折光学系が使用されている。このため、照明光ILによってレチクルRの照明領域が照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のレチクルRの回路パターンの縮小像(部分倒立像)が、表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上に形成される。
不図示のウエハホルダを介してウエハWを保持可能なウエハステージWSTは、リニアモータ、ボイスコイルモータ(VCM)等を含んで構成されるウエハステージ駆動部24の駆動により、XY2次元平面内(Z軸回りの回転を含む)方向に駆動可能に構成されている。ウエハステージWSTのXY平面内での位置は、ウエハレーザ干渉計18(以下、「ウエハ干渉計18」と略述する)によって、移動鏡17を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。ウエハステージWSTの位置情報WP(WPX,WPY)は、ステージ制御装置19に送られている。ステージ制御装置19は、この位置情報WPに基づいてウエハステージWSTの位置を制御する。
ウエハステージWSTは、不図示の駆動部により、投影光学系PLの光軸AXの直交面に対し、任意方向に傾斜可能で、かつ投影光学系PLの光軸AX方向(Z軸方向)にも微動可能に構成されている。露光装置100では、例えば特開平5−190423号公報に開示されるような不図示の多点フォーカス検出系が設けられている。ステージ制御装置19は、この多点フォーカス検出系からのウエハの露光対象面の位置情報に基づいて、ウエハステージ駆動部24を介して、ウエハステージWSTをZ軸方向及び傾斜方向に駆動する。
主制御装置20は、ステージ制御装置19や上記検出系などの、露光装置100の動作全般を統括制御する。また、主制御装置20は、レチクルステージRST及びウエハステージWSTに対する軌道条件(例えば、走査開始位置(及び初期速度)、走査終了位置(及び最終速度)等)に関する情報を含む指令STDを、ステージ制御装置19に供給する。主制御装置20には、1つ又は複数のCPUやメモリなど、ソフトウエアプログラムを実行可能なハードウエアが実装されているものとし、CPUがそのプログラムを処理することにより、上記各機能が実現されるものとする。
ステージ制御装置19は、上位装置である主制御装置20の指示の下で、ウエハステージWST及びレチクルステージRSTの位置制御を行う。より具体的には、主制御装置20から送られた上記指令STDに従って、ウエハステージ駆動部24に対してウエハステージWSTの駆動指令を出力し、レチクルステージ駆動部23に対してレチクルステージRSTの駆動指令を出力するとともに、これらの駆動指令に対し、レチクルステージRSTがウエハステージWSTに追従するように、フィードバック制御を行う。なお、ステージ制御装置19の各機能に関しては、これらをハード・ワイヤードで実現してもよいが、設計変更の容易性の観点から、ソフトウエアプログラムによって実現するのが望ましい。
さらに、ステージ制御装置19は、レチクル干渉計16から送られるレチクルステージRSTの実測位置情報RPと、内部の演算により得られるレチクルステージRSTに対する位置指令RP’とを主制御装置20に送る。主制御装置20は、この実測位置情報RP及び位置指令RP’を取得することにより、後述するレチクルステージRSTとウエハステージWSTの同期誤差の時系列データを算出し、内部メモリに記憶する。
図2には、ステージ制御装置19の概略構成が示されている。図2に示されるように、ステージ制御装置19は、ウエハステージWST及びレチクルステージRSTの同期制御を統括する同期制御ユニット80と、ウエハステージWSTの位置制御を行うウエハステージコントローラWSCと、レチクルステージRSTの位置制御を行うレチクルステージコントローラRSCとを含んで構成されている。なお、図2において示されるウエハステージ系Wpは、ウエハステージ駆動部24、ウエハステージWST、ウエハ干渉計18、不図示の多点フォーカス検出系を含んで構成されるウエハステージコントローラWSCの制御対象全体を示すブロックである。また、レチクルステージ系Rpは、レチクルステージ駆動部23、レチクルステージRST、レチクル干渉計16を含んで構成されるレチクルステージコントローラRSCの制御対象全体を示すブロックである。
前記同期制御ユニット80は、太線の両矢印で示されるように、主制御装置20とデータを送受信するためのインターフェイスを有している。これにより、同期制御ユニット80は、主制御装置20からの指示(上記指令STD)を受け取り、その指示の下、ステージ制御装置19内の他の構成要素を統括制御する。例えば、同期制御ユニット80は、主制御装置20から送られた指令STDに基づいて、ウエハステージWSTに対し位置指令WP’を作成して出力する。なお、この位置指令WP’は、ウエハ干渉計18の計測値WPに対応させるべく、X軸方向に関する位置指令と、Y軸方向に関する位置指令とを含んでいるものとする。
位置指令WP’は、減算器50に入力される。減算器50は、位置指令WP’からウエハ干渉計18の計測値WPを減算し、その減算結果を位置偏差ΔPWとして出力する。前記ウエハステージコントローラWSCは、例えば(比例+積分)制御動作を行うPIコントローラから成り、ウエハステージWSTに対する目標駆動量(ウエハステージ駆動部24が発生すべき推力指令)を、ウエハステージ系Wp(具体的には、ウエハステージ駆動部24)に対して出力する。ウエハステージ系Wpから出力されるフィードバック情報(すなわちウエハ干渉計18の計測値WP等)は、前述のように減算器50に入力される。すなわち、この減算器50、ウエハステージ系Wp及びウエハステージコントローラWSCで、ウエハステージWSTのフィードバック制御系が構築されている。
ウエハステージ系Wpから出力されるフィードバック情報WPは、同期制御ユニット80にも出力されている。前記同期制御ユニット80は、両ステージWST、RSTの同期移動制御動作を行う場合には、ウエハステージWSTに対しレチクルステージRSTを追従させるため、ウエハステージ系Wpの出力であるウエハステージWSTの位置情報WPに基づいて算出される同期位置を、レチクルステージRSTに対する位置指令RP’として出力する。また、同期制御ユニット80は、ウエハステージWSTとは無関係にあるいは単独でレチクルステージRSTを移動させる場合などには、ウエハステージWSTの位置とは独立した位置指令を位置指令RP’として出力する。
なお、同期制御ユニット80は、後述する補正関数を用いて算出される補正量にしたがって、この位置指令RP’を補正する機能を有している。この補正関数は、後述する主制御装置20の補正情報算出処理により算出される関数であり、主制御装置20により求められたこの関数の各項の係数などの補正関数に関する情報が、制御パラメータとして同期制御ユニット80に設定され、同期制御ユニット80は、その情報に基づいて補正量を算出する。この補正関数は、時間を操作変数とする関数であり、同期移動開始時を時間軸の原点とする関数である。同期制御ユニット80では、両ステージWST、RSTの同期移動開始からの時間を測定する不図示のタイマを有しており、そのタイマは、同期移動開始時にリセットされた後、カウントアップされる。同期制御ユニット80は、サンプリング毎に、このタイマにより計測された時間を補正関数に入力して、その出力結果である補正量を算出し、その補正量をレチクルステージRSTに対する位置指令RP’に加算する。
位置指令RP’は、減算器60に入力される。減算器60は、この位置指令RP’から、レチクルステージ系Rpを構成するレチクル干渉計16より得られるレチクルステージRSTの実測位置情報RPを減算し、その減算結果を位置偏差ΔPRとして出力する。前記レチクルステージコントローラRSCは、例えば(比例+積分)制御動作を行うPIコントローラであり、レチクルステージRSTに対する目標駆動量(レチクルステージ駆動部(不図示)が発生すべき推力指令に相当する駆動量)をレチクルステージ系Rp(具体的には、レチクルステージ駆動部)に対し出力する。レチクルステージ系Rpから出力されるフィードバック情報(すなわちレチクル干渉計16の計測値RP等)は、前述のように減算器60に入力される。すなわち、この減算器60、レチクルステージ系Rp及びレチクルステージコントローラRSCで、レチクルステージRSTのフィードバック制御系が構築されている。また、この計測値RPは、同期制御ユニット80にも入力されており、同期制御ユニット80はこの計測値RPを、前述の通り、主制御装置20に送信する。
次に、1つのショット領域の走査露光を行う際の両ステージWST,RSTの基本的な同期走査手順について図3(A)及び図3(B)を参照しつつ、簡単に説明する。
図3(A)には、投影光学系PLの有効フィールドPL’に内接する、ウエハW上の幅wのスリット状の照明領域(レチクルR上の照明領域と共役な領域;以下、「照明スリット」という)STとショット長Lのショット領域Sとの関係が平面図にて示され、図3(B)には、ステージ移動時間tとY軸方向に関するウエハステージWSTの速度Vyとの関係が示されている。なお、実際には、ショット領域Sが照明スリットSTに対して矢印Yの反対方向に移動することで露光が行なわれるが、図3(A)では、図3(B)のステージ移動時間とウエハステージWSTのY速度Vyの関係と対応付けるため、照明スリットSTがショット領域Sに対し移動するように示されている。
まず、一般的な同期走査手順としては、ショット領域Sの端部から所定量離れた位置に照明スリットSTの中心Pが位置付けられ、その位置からウエハステージWSTの加速が開始される。それと同時にレチクルRとウエハWの同期制御が開始され、レチクルステージRSTは、ウエハステージWSTと反対向き、かつウエハステージWSTの速度の投影倍率βの逆数倍の速度で、ウエハステージWSTの動きに追従するように同期移動を開始する。そして、この両ステージWST、RSTの加速開始時点から加速が終了し、一定の速度となるまでの時間Taを、加速時間と呼ぶ。加速終了後には、ウエハWとレチクルRとの変位誤差が所定の関係になるまでレチクルステージRSTによるウエハステージWSTに対する追従制御が行われた状態で、露光が開始される。この加速終了後、露光開始までの時間Tbを、整定時間と呼ぶ。また、照明光ILが照射され、実際の走査露光が行われる時間Tcを、露光時間と呼ぶ。また、露光時間終了後のウエハステージWSTが、等速で移動する時間Tdを、等速度オーバースキャン時間(後整定時間)と呼び、両ステージWST,RSTが減速する時間Teを、減速オーバースキャン時間と呼ぶ。
露光装置100では、上述したような速度に従って走査露光を行うべく、主制御装置20が、速度波形等に基づいて両ステージWST,RSTが移動するような軌道条件を含む指令STDを、ステージ制御装置19に送信する。ステージ制御装置19では、その指令STDに基づいて、ウエハステージWST及びレチクルステージRSTを同期移動させる。
本実施形態では、1つのショット領域に対する走査露光を行う場合には、両ステージWST、RSTを上述のように同期移動させるが、実際のプロセスでは、この走査露光を連続して行って、複数のショット領域をウエハW上に転写形成する必要がある。ウエハW上に複数のショット領域を転写形成するには、各ショット領域での走査露光の合間にウエハステージWSTをX軸方向又はY軸方向に移動させる必要がある。このような走査露光の合間に行われるウエハステージWSTの移動を「ステッピング移動」という。
図4には、ショット領域Sのうち、同一行に位置する隣接ショット領域、ファーストショットS1、セカンドショットS2を順次露光する場合の、ショット領域間における照明スリットSTの移動経路が示されている。
まず、ファーストショットS1の露光を開始する時点では、照明スリットSTが点O(0,0)に位置するように両ステージWST、RSTが位置しており、上述したように同期移動が行われて、ファーストショットS1の走査露光が行われる。そして、ウエハステージWSTは、露光時間Tcから等速度オーバースキャン時間Tdに遷移するときに、図4に示される如く、照明領域が点A(Ax(=0),Ay)に位置するような位置に到達する。
点Aに到達した時点から、ウエハステージWSTは、時間Tdでは、スキャン速度を維持したまま+Y方向に進み、その後の時間Teでは、減速を開始するが、これと同時に、例えば一定のステップ速度で−X方向への移動を開始する。これにより、時間Teが経過した時点で照明領域の中心Pは別の区画領域としてのショット領域S2に対するプリスキャンが開始される分岐点B(Bx,By)に到達する。この時点で、ウエハステージWSTのY軸方向の速度は0となり、セカンドショットS2の走査露光を行うべく、再びウエハステージWSTとレチクルステージRSTとの同期移動制御動作が開始される。この後も、ウエハステージWSTは、−X方向へのステッピング移動が継続されている。両ステージWST、RSTの上述したような同期移動により、ウエハステージWSTのY軸方向の速度が、スキャン速度に到達し、X軸方向へのステッピング移動が終了したときには、照明領域は、点C(Cx(=Lx),Cy)に到達している。この後、両ステージWST、RSTの同期移動により、セカンドショットS2に対する走査露光が行われる。
このように、ファーストショットS1とセカンドショットS2との走査露光の合間には、ウエハステージWSTのX軸方向へのステッピング移動が行われる。その際のウエハステージWSTの軌跡は、図4に示されるように放物線状となり、ウエハステージWSTはショット領域間の移動中に停止することなく、スキャン方向の助走動作と並行してステッピング動作を行う。これにより、ウエハステージWSTのショット領域間の短時間での移動動作(走査方向及び非走査方向を含む)が可能となり、スループットの向上が可能となる。
ウエハWの複数のショット領域に対する走査露光は、上述のようなスキャン動作とステッピング移動動作とスキャン動作とを含む(それらを繰り返し行う)一連の制御動作により行われる。図5には、ウエハW上の複数(例えば76個)のショット領域に対する走査露光を行う場合の照明スリットSTの中心Pが各ショット領域上を通過する軌跡が示されている。この軌跡は、図4に示されるような、各ショット領域の露光の際の照明スリットSTの中心P(以下、「点P」とも記述する)の移動経路を示している。また、この軌跡の実線部は、実際に露光が行われている区間での点Pの移動経路を示し、点線部は、非走査方向の同一行内の隣接ショット領域間における点Pの移動経路を示し、一点鎖線部は、異なる行間における点Pの移動軌跡を示している。なお、実際には点Pが固定でウエハWが移動するのであるが、図5においては説明の便宜上、ウエハW上を点P(照明スリットSTの中心)が移動するかのように図示している。いずれの経路においても、各ショット領域の走査露光の合間には、ウエハステージWSTがX軸方向又はY軸方向にステッピング移動している。
なお、露光装置100において、ウエハW上のショット領域の配列及び経路は、図5に示されるものには限られない。ショット領域の配列は、この露光装置100が稼働するリソグラフィ工程を統括制御するホストコンピュータから送られるいわゆるプロセスプログラムに含まれるショットマップに応じて決定される。ショット領域の配列が変更されれば、それに応じて照明スリットSTの移動経路も変わるようになるのは勿論である。
本実施形態では、前述したように、走査露光中において、同期制御ユニット80において、同期誤差を低減するためにレチクルステージRSTの位置指令RP’の補正を行う。具体的には、予め測定された同期誤差の測定結果に基づいて作成された補正関数に基づいて、レチクルステージRSTの位置指令RP’の補正を行う。
ところで、走査露光中に発生する両ステージWST、RSTの同期誤差の主な発生要因としては、主に、同期移動制御動作を行うステージ制御装置19の制御系における同期移動中の制御遅れが考えられるが、この他にも様々な要因が考えられる。例えば、その同期移動を開始する前に開始されるウエハステージWSTのステッピング移動や前回の走査露光中の同期移動なども、同期誤差の発生要因として挙げられる。例えば、ステッピング移動の制御動作や前回の走査露光での同期移動制御動作の影響で、制御系内に加わった振動成分が、同期移動制御動作開始後も残留した場合には、その振動成分がそのまま同期誤差となって表れるようになる。すなわち、同期誤差の発生要因には、
(1)今回の同期移動制御動作に起因する追従誤差
(2)ステッピング移動制御動作や前回の同期移動制御動作中に発生した残留誤差
の2つが存在する。
本実施形態では、ショット領域間のウエハステージWSTの移動経路が、点線で示されるような経路である場合もあれば、一点鎖線で示される経路である場合もある。このように、同期移動制御動作開始前のウエハステージWSTの移動経路が異なれば、その制御動作中に発生する上記追従誤差や残留誤差も当然異なったものとなる。しかも、露光装置100においては、ウエハステージWSTのステップ速度、スキャン速度などの制御パラメータとしては、様々な値を設定することが可能であり、これらの設定値が異なれば、上記追従誤差や残留誤差の大きさも当然変化する。そこで、本実施形態では、同期制御動作開始前に行われるステッピング移動などの制御動作の影響による同期誤差を、スキャン前のウエハステージWSTの複数の経路や各種制御パラメータの設定値の複数の組合せについてそれぞれ予め計測しておき、それぞれの計測結果に基づいてその制御動作に応じた補正関数を算出し、実際の走査露光のときに行われる制御動作と、設定される制御パラメータの設定値の組合せとに対応する補正関数を選択してレチクルステージRSTの位置制御の補正に用いる。
なお、同期制御動作開始前に行われる制御動作は、図6(A)〜図6(D)に示される基本制御動作に分解することができる。以下では、この分解された動作成分に相当する制御動作を、基本制御動作ともいう。図6(A)〜図6(D)において、X点で示される点は、照明スリットSTが、その点で静止していることを示している。
図6(A)では、同期移動制御動作開始前には、ウエハステージWSTがその定位置(加速開始位置)に静止している場合の照明スリットSTの中心Pの経路が示されている。すなわち、この図6(A)における基本制御動作は、ウエハステージWSTの一定位置での静止制御動作であり、全体の制御動作としては、ウエハステージWSTが一定位置へ静止した後、レチクルステージRSTとの同期移動動作を行って照明スリットSTの中心Pが点線矢印で示されるように移動するようになる。以下では、この一連の制御動作を、「Aの制御動作」と呼ぶこととする。
図6(B)では、同期移動制御動作開始前にウエハステージWSTがX軸方向に関するステッピング移動を行う場合の照明スリットSTの中心Pの経路が示されている。この制御動作では、ウエハステージWSTは、実線で示されるように、静止した状態からX軸方向へのステッピング移動を開始し、そのステッピング移動中に、点線で示されるように、レチクルステージRSTとのY軸方向に関する同期移動制御動作を開始する。ステッピング移動と、同期移動制御動作が並行して行われる期間では、実際の経路は、一点鎖線で示される経路となる。すなわち、図6(B)に示される基本制御動作は、ウエハステージWSTのX軸方向へのステッピング移動である。以下では、この一連制御動作を、「Bの制御動作」とも呼ぶこととする。
図6(C)には、同期移動制御動作開始前にウエハステージWSTがY軸方向に関するステッピング移動を行う場合の照明スリットSTの中心Pの経路が示されている。この制御動作では、ウエハステージWSTは、静止した状態からY軸方向へのステッピング移動を開始し、そのステッピング移動を終了後に、レチクルステージRSTとのY軸方向に関する同期移動制御動作を開始する。すなわち、図6(C)に示される基本制御動作は、ウエハステージWSTのY軸方向へのステッピング移動である。以下では、この一連の制御動作を、「Cの制御動作」と呼ぶこととする。
図6(D)には、同期移動制御動作開始前にその同期移動制御動作とは逆方向の同期移動を行う場合の照明スリットSTの中心Pの経路が示されている。この制御動作では、ウエハステージWSTは、静止した状態から、例えば実線で示されるように−Y方向にレチクルステージRSTとの同期移動を開始し、その同期移動終了後に、点線で示されるように、+Y方向にレチクルステージRSTと同期移動を行う。すなわち、図6(D)に示される基本制御動作は、前回の走査露光中に行われた同期移動制御動作である。以下では、この一連の制御動作を「Dの制御動作」と呼ぶこととする。
本実施形態では、図6(A)〜図6(D)にそれぞれ示されるA〜Dの制御動作を行って、両ステージWST、RSTを試運転し、そのときの同期誤差を計測する。なお、実際の走査露光においては、図5に示されるような交互スキャンを行うため、図6(A)〜図6(D)に示される方向の経路だけでなく、そのスキャン方向やステッピング方向が逆の経路で上記4つの制御動作を行った場合の計測も行う必要がある。Aの制御動作では、+Y方向と−Y方向との2つのスキャン方向で2通り、Bの制御動作では、±X方向のステップ方向、±Y方向のスキャン方向で4通り、Cの制御動作では、±X方向のステップ方向、±Y方向のスキャン方向で4通り、Dの制御動作では、+Y方向の後の−Y方向、−Y方向の後の+Y方向で2通りの経路が存在する。そこで、本実施形態では、上記両ステージWST、RSTの試運転では、このような数通りの経路も想定し、全ての経路について同期誤差の計測を行う。また、実際の走査露光においては、プロセスプログラムに含まれるショットマップに応じて、様々なスキャン速度、加速度、移動距離などの制御パラメータの設定値が設定されるようになる。そこで、本実施形態では、設定することが予想される設定値の組合せについて、両ステージWST、RSTの試運転による同期誤差の計測を行う。
以下の表には、この経路や、制御パラメータの組合せを含めた組合せ数の一例が示されている。
Figure 2006202914

本実施形態では、上記表1に示される制御パラメータの設定値の組み合わせ数だけA〜Dの制御動作を繰り返し行い、その都度、同期誤差を計測する。
図7には、この補正関数を算出するための主制御装置20の処理手順を示すフローチャートが示されている。図7に示されるように、まず、ステップ601において、上記表1に示される組合せ数分の両ステージWST、RSTの試運転を行い、その都度、同期誤差を計測し、その計測結果を不図示の記憶装置に格納する。主制御装置20は、レチクルステージRSTの実測位置RPと目標位置RP’とが送られてきており、それらから同期誤差を容易に求めることができる。
なお、B、C、Dの制御動作での試運転を行う際には、Aの制御動作に対応する、スキャン速度、スキャン方向、加速度等のスキャンに関連する制御パラメータに関しては、Aの制御動作での制御パラメータのいずれか1つの組合せを設定しておけばよい。すなわち、本実施形態では、A、B、C、Dの制御動作での全ての制御パラメータの組合せ(上記表1では、例えば、Bの制御動作では、12×6通り)での同期誤差を計測する必要はなく、6通りだけでよい。
ここで、その設定値の組合せの下で、Aの制御動作で計測された同期誤差のデータを表す関数を、eA(t)とする。さらに、B、C、Dの制御動作で得られた計測データをそれぞれeB(t)、eC(t)、eD(t)とする。なお、ここで、時点tは、走査露光(スキャン)開始時点を0としている。
この同期誤差eA(t)は、ウエハステージWSTが静止した状態(一定の位置に留まるように制御された状態)から、同期移動制御動作を開始した場合において、その同期移動制御動作中に計測された同期誤差の時系列データである。そこで、次のステップ603では、次式で示されるように、各組合せ(vscan(スキャン速度),ascan(加速度),dscan(スキャン方向))でそれぞれ得られたeA(t)を、同期移動制御動作単独の同期誤差の成分の時系列データescan(t;vscan,ascan,dscan)として取得し、不図示の記憶装置に格納する。
Figure 2006202914

そして、Bの制御動作の同期誤差の時系列データeB(t)は、ウエハステージWSTがX軸方向に関するステッピング移動の制御動作と、同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を行った場合において、その同期移動制御動作中に計測された同期誤差の時系列データである。ステージ制御装置19の制御対象が線形システムであると仮定すると、Bの制御動作での同期誤差の時系列データeB(t)と、Aの制御動作での同期誤差の時系列データeA(t)との差が、Bの制御動作のみに含まれるウエハステージWSTのX軸方向に関するステッピング移動に起因する同期誤差の成分であるとみなすことができる。そこで、次のステップ605では、次式のex_step(t;dx_step,lx_step)に相当する、ウエハステージWSTのX軸方向に関するステッピング移動の影響による同期誤差の成分を、制御パラメータの設定値の組合せ(dx_step(ステップ方向),lx_step(移動距離))についてそれぞれ求める。ここでは、設定値の組合せが12通りで、12個のeB(t)が計測されるので、それぞれのeB(t)からeA(t)を減算して、12個の同期誤差の成分ex_step(t;dx_step,lx_step)を求める。
Figure 2006202914

なお、このex_step(t;dx_step,lx_step)は、X軸方向のステッピング移動を開始した時点でそのステッピング移動に起因して制御系に加えられたインパルス入力に対する制御系の応答であると考えることができる。このex_step(t;dx_step,lx_step)の発生時期(入力があった時点)は、スキャン開始の時点t=0よりも前の、例えばステッピング移動の開始時点となるので、このステッピング移動の開始時点を原点とする時間軸tx_stepを考えると、ステッピング移動の影響による同期誤差は、tの関数とするより、tx_stepの関数であるとした方が考えやすい。スキャン開始の時点t=0と、ステッピング移動の開始時点tx_step=0との時間差Fx_stepは、そのときのステップ距離lx_stepと、ステップ速度とによって変わるので、上記12通りの同期誤差の算出結果ex_step(t;dx_step,lx_step)を用いて、ステッピング移動の影響による同期誤差を表す関数を求めるには、そのときのステップ距離lx_stepによって決まるこの時間差Fx_stepを考慮する必要がある。すなわち、この同期誤差を表す関数を、例えば最小二乗法によるフィッティングを行って求める場合には、この関数を、ex_step(tx_step(=t+Fx_step);dx_step,lx_step)とし、スキャン開始を原点とする時間軸tに対し、ステッピング距離lx_stepに応じて時間差が変動する時間軸tx_stepの下でもとめる必要がある。求められた同期誤差を表す関数ex_step(tx_step;dx_step,lx_step)は、不図示の記憶装置に格納される。
そして、Cの制御動作の同期誤差の時系列データeC(t)は、ウエハステージWSTがY軸方向に関するステッピング移動の制御動作と、同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を行った場合において、その同期移動制御動作中に計測された同期誤差の時系列データである。ステージ制御装置19の制御対象が線形システムであると仮定すると、Cの制御動作の同期誤差の時系列データeC(t)と、Aの制御動作の同期誤差の時系列データeA(t)との差を、Cの制御動作のみに含まれるウエハステージWSTのY軸方向に関するステッピング移動の影響による同期誤差成分であるとみなすことができる。そこで、次のステップ607では、ウエハステージWSTのY軸方向に関するステッピング移動の影響による同期誤差の成分ey_step(t;vy_step,dscan,dy_step,ly_step)を、次式を用いて設定値の各組み合わせ(vy_step(ステップ速度),dscan(スキャン方向),dy_step(ステップ方向),ly_step(ステップ距離))について求める。
Figure 2006202914

なお、このey_step(t;vy_step,dscan,dy_step,ly_step)は、Y軸方向のステッピング移動を開始した時点でそのステッピング移動に起因して制御系に加えられたインパルス入力に対する制御系の応答であると考えることができる。このey_step(t;vy_step,dscan,dy_step,ly_step)の発生時期(入力があった時点)は、スキャン開始の時点t=0よりも前の、例えばステッピング移動の開始時点となるので、このステッピング移動の開始時点を原点とする時間軸ty_stepを考えると、ステッピング移動の影響による同期誤差は、tの関数とするより、ty_stepの関数であるとした方が考えやすい。スキャン開始の時点t=0と、ステッピング移動の開始時点ty_step=0との時間差Fy_stepは、そのときのステップ距離ly_stepと、ステップ速度vy_stepとによって変わるので、上記6通りの同期誤差の成分の算出結果ey_step(t;vy_step,dscan,dy_step,ly_step)を用いて、ステッピング移動の影響による同期誤差を表す関数を求めるには、そのときのステップ距離ly_step及びステップ速度vy_stepによって決まるこの時間差Fy_stepを考慮する必要がある。すなわち、この同期誤差を表す関数を、例えば最小二乗法によるフィッティングを行って求める場合には、この関数を、ey_step(ty_step(=t+Fy_step);vy_step,dscan,dy_step,ly_step)とし、スキャン開始を原点とする時間軸tに対し、ステップ距離lx_step及びステップ速度vy_stepに応じて時間差が変動する時間軸ty_stepの下でもとめる必要がある。求められた同期誤差を表す関数ey_step(ty_step;vy_step,dscan,dy_step,ly_step)は、不図示の記憶装置に格納される。
そして、Dの制御動作の同期誤差の時系列データeD(t)は、ウエハステージWSTのレチクルステージRSTとの、前回のスキャンにおける同期移動制御動作と、今回の同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を行った場合において、その同期移動制御動作中に計測された同期誤差の時系列データである。ステージ制御装置19の制御対象が線形システムであると仮定すると、Dの制御動作の同期誤差の時系列データeD(t)と、Aの制御動作の同期誤差の時系列データeA(t)との差が、Dの制御動作のみに含まれるウエハステージWSTのレチクルステージRSTとの同期移動の影響による同期誤差の成分であるとみなすことができる。そこで、次のステップ609では、ウエハステージWSTのX軸方向に関するステッピング移動の影響による同期誤差の成分ep_scan(t;vp_scan,dp_scan)を次式を用いて制御パラメータの設定値の組合せ(vp_scan(前スキャン速度),dp_scan(前スキャン方向))についてそれぞれ求める。
Figure 2006202914

なお、このep_scan(t;vp_scan,dp_scan)は、前回の走査露光を開始した時点で前回のスキャンに起因して制御系に加えられたインパルス入力に対する制御系の応答であると考えることができる。このep_scan(t;vp_scan,dp_scan)の発生時期(入力があった時点)は、今回のスキャン開始の時点t=0よりも前の、例えば前回のスキャンの開始時点となるので、この前回のスキャンの開始時点を原点とする時間軸tp_scanを考えると、前回のスキャンの影響による同期誤差は、tの関数とするより、tp_scanの関数であるとした方が考えやすい。スキャン開始の時点t=0と、前回のスキャンの開始時点tp_scan=0との時間差Fp_scanは、そのときのスキャン速度vp_scanなどによって変わるので、上記36通りの同期誤差の算出結果ep_scan(t;vp_scan,dp_scan)を用いて、前回のスキャンの影響による同期誤差を表す関数を求めるには、そのときのスキャン速度vp_scanなどによって決まるこの時間差Fp_scanを考慮する必要がある。すなわち、この同期誤差を表す関数を、例えば最小二乗法によるフィッティングを行って求める場合には、この関数を、ep_scan(tp_scan;vp_scan,dp_scan)とし、スキャン開始を原点とする時間軸tに対し、スキャン速度vp_scanなどに応じて時間差が変動する時間軸tp_scanの下でもとめる必要がある。求められた同期誤差を表す関数ep_scan(tp_scan;vp_scan,dp_scan)は、不図示の記憶装置に格納される。
ステップ609の終了後は、処理を終了する。
次に、本実施形態の露光動作について説明する。前提として、図7のフローチャートに示される処理がすでに実行されており、escan(t;vscan,ascan,dscan)、ex_step(tx_step;dx_step,lx_step)、ey_step(ty_step;vy_step,dscan,dy_step,ly_step)、ep_scan(tp_scan;vp_scan,dp_scan)が不図示の記憶装置に格納されているものとする。また、露光対象のウエハWには、既に1層以上の露光が行われており、主制御装置20には、ホストコンピュータからプロセスプログラムが送られ、そのショットマップ及び走査露光の際の露光スリットSTの経路は、図5に示される経路であるものとする。また、ウエハステージWST上には、そのウエハWがすでにロードされ、ベースライン計測、レチクルアライメント、そのウエハWに対するウエハアライメントが行われているものとする。
まず、主制御装置20は、ステージ制御装置19に対し、まず、最初に露光されるファーストショットS1の露光に必要な各種設定情報を、同期制御ユニット80に伝送する。ここで、各種設定情報には、レチクルステージRST、ウエハステージWSTの位置制御に関連する制御情報、例えば露光に先立って行われるEGA方式のウエハアライメントにより得られるEGAパラメータ(ウエハのX,Y方向のオフセット、ウエハの移動を規定するステージ座標系の直交度誤差、ウエハWの回転誤差、ウエハWのX,Y方向の拡大縮小誤差)の設定値及び設定された制御パラメータに関するデータ(スキャン速度、スキャン方向(プラススキャンかマイナススキャンか)の情報が含まれる)や、補正関数に関する情報などが含まれる。なお、このファーストショットS1の走査露光においては、Aの制御動作であるとみなすことができる。そこで、主制御装置20では、同期移動制御動作期間中に用いる補正関数として、次式で示される補正関数eall(t)に関する情報を、同期制御ユニット80に送る。
Figure 2006202914

これらの情報を受けて、ステージ制御装置19の同期制御ユニット80は、ウエハW上のファーストショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)にウエハWを移動させるための位置指令WP’を減算器50へ供給する。これにより、ウエハステージコントローラWSCによってウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTが上記の加速開始位置に移動される。次いで、同期制御ユニット80は、ウエハ干渉計18及びレチクル干渉計16の計測値(WP,RP)をモニタしつつ、ウエハステージコントローラWSC、レチクルステージコントローラRSCをそれぞれ介してレチクルステージ駆動部23及びウエハステージ駆動部24を制御し、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY軸方向の相対走査を開始する。同期制御ユニット80では、ウエハステージWSTの位置情報に基づいて作成されるレチクルステージRSTの位置指令に対し、不図示のタイマにより検出されたスキャン開始からの時間を補正関数eall(t)に代入することにより得られる補正量を加算してレチクルステージRSTの位置指令RP’を補正する。これにより、両ステージWST、RSTが加速を始め、設定されたスキャン速度での等速同期状態に達し、整定時間を経過すると、不図示の照明系からの照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上のファーストショットS1の走査露光が終了する。すなわち、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介してファーストショットS1に縮小転写される。
上記の走査露光中、主制御装置20は、セカンドショットS2の露光に必要な各種設定情報を、同期制御ユニット80に送る。この情報の転送は、同期制御ユニット80によって、露光終了直後の走査方向に関するウエハステージWST及びレチクルステージRSTの等速オーバースキャン(後整定)動作が行われている間に行われる必要がある。
なお、ファーストショットS1の走査露光と、セカンドショットS2の走査露光との合間には、ウエハステージWSTは、X軸方向に関するステッピング移動を行う必要がある。換言すれば、セカンドショットS2の走査露光中の同期移動制御動作の開始直前には、ファーストショットS1の走査露光中の同期移動制御動作と、ウエハステージWSTのX軸方向に関するステッピング動作とが行われる。すなわち、セカンドショットS2の走査露光中の同期移動制御動作の開始前には、Aの制御動作と、Bの制御動作と、Dの制御動作とが合成された制御動作が開始されているとみなすことができる。そこで、主制御装置20では、次式で示される補正関数eall(t)に関する情報を、同期制御ユニット80に送る。
Figure 2006202914

なお、eall(t)を算出する際には、設定されているスキャン速度等の制御パラメータの設定値から、今回のスキャン開始時点とステッピング移動の開始時点との時間差、今回スキャン開始時点と前回のスキャン開始時点との時間差を求め、その時間差により、すべての関数の時間軸をtに変換した上で、上記式(6)の演算を行う必要がある。以下では、eall(t)を算出する際には、各関数の時間軸の調整を必ず行う。
同期制御ユニット80では、ウエハステージWSTの位置情報WPに基づいて作成されるレチクルステージRSTの位置指令RP’に対し、タイマにより検出されたスキャン開始からの時間を補正関数eall(t)に代入することにより得られる補正量を加算することにより、セカンドショットS2の走査露光を行う際の同期移動制御動作中のレチクルステージRSTの位置指令RP’を補正する。
以降、セカンドショットS2〜ショット領域S7の走査露光をそれぞれ行う間には、ファーストショットS1とセカンドショットS2の走査露光と同様に、Aの制御動作と、Bの制御動作と、Dの制御動作とが合成された制御動作が行われる。そこで、主制御装置20では、上記式(6)に示される補正関数eall(t)に関する情報を、同期制御ユニット80に送り、同期制御ユニット80では、タイマにより検出されたスキャン開始からの時間を補正関数eall(t)に代入することにより得られる補正量を、ウエハステージWSTの位置情報WPに基づいて作成されるレチクルステージRSTの位置指令RP’に加算することにより、レチクルステージRSTに対する位置指令RP’を補正する。
ショット領域S7の走査露光中には、主制御装置20は、ショット領域S8の露光に必要な各種設定情報を、同期制御ユニット80に送る。ショット領域S7の走査露光と、ショット領域S8の走査露光との合間には、ウエハステージWSTは、Y軸方向に関するステッピング移動を行う必要がある。換言すれば、セカンドショットS8の走査露光中の同期移動制御動作の開始直前には、ウエハステージWSTのY軸方向に関するステッピング動作とが行われるようになる。この制御動作は、Aの制御動作と、Cの制御動作とが合成された制御動作であるとみなすことができる。そこで、主制御装置20では、次式で示される補正関数eall(t)に関する情報を、同期制御ユニット80に送る。
Figure 2006202914

同期制御ユニット80では、ウエハステージWSTの位置情報に基づいて作成されるレチクルステージRSTの位置指令RP’に対し、タイマにより検出されたスキャン開始からの時間を補正関数eall(t)に代入することにより得られる補正量を加算することによりレチクルステージRSTの位置指令RP’を補正する。
なお、ショット領域S7の走査露光と、ショット領域S8の走査露光との合間には、−Y方向へのステッピング移動とスキャンとが行われるので、その方向に応じた、ey_step(ty_step;vy_step,dscan,dy_step,ly_step)、escan(t;vscan,ascan,dscan)を用いる必要がある。
以降、ショット領域S8〜ショット領域S16の走査露光をそれぞれ行う間には、ファーストショットS1とセカンドショットS2の走査露光と同様に、Aの制御動作と、Bの制御動作と、Dの制御動作とが合成された制御動作であるとみなすことができる。そこで、主制御装置20では、上記式(6)で示される補正関数eall(t)に関する情報を、同期制御ユニット80に送り、同期制御ユニット80では、ウエハステージWSTの位置情報WPに基づいて作成されるレチクルステージRSTの位置指令RP’に対し、タイマにより検出されたスキャン開始からの時間を補正関数eall(t)に代入することにより得られる補正量を加算することにより、レチクルステージRSTの位置指令RP’を補正する。なお、この場合も、交互スキャン及びステッピング移動の方向に応じた補正関数(上記式(6))を用いる必要がある。
ショット領域S16の走査露光中には、主制御装置20は、ショット領域S17の露光に必要な各種設定情報を、同期制御ユニット80に送る。ショット領域S16の走査露光と、ショット領域S17の走査露光との合間には、ウエハステージWSTは、Y軸方向に関するステッピング移動を行う必要がある。換言すれば、セカンドショットS2の走査露光中の同期移動制御動作の開始直前には、ウエハステージWSTのY軸方向に関するステッピング動作とが行われるようになる。この制御動作は、Aの制御動作とCの制御動作とが合成された制御動作であるとみなすことができる。そこで、主制御装置20では、上記式(7)で示される補正関数eall(t)に関する情報を、同期制御ユニット80に送る。同期制御ユニット80では、ウエハステージWSTの位置情報に基づいて作成されるレチクルステージRSTの位置指令に対し、タイマにより検出されたスキャン開始からの時間を補正関数eall(t)に代入することにより得られる補正量を加算することにより、レチクルステージRSTの位置指令RP’を補正する。
以降、主制御装置20では、ショット領域S17〜ショット領域S60の走査露光での同期制御動作開始前に開始される制御動作に応じた補正関数(上記式(6)又は式(7))を、同期制御ユニット80に設定し、同期制御ユニット80では、設定された補正関数eall(t)でレチクルステージRSTの位置指令RP’を補正する。
ショット領域S60の走査露光中には、主制御装置20は、ショット領域S61の露光に必要な各種設定情報を、同期制御ユニット80に送る。ショット領域S60の走査露光と、ショット領域S61の走査露光との合間には、ウエハステージWSTは、X軸方向及びY軸方向に関するステッピング移動を行う必要がある。換言すれば、ショット領域S61の走査露光中の同期移動制御動作の開始直前には、ウエハステージWSTのX軸方向及びY軸方向に関するステッピング動作とが行われるようになる。この制御動作は、Aの制御動作と、Bの制御動作と、Cの制御動作が合成された制御動作であるとみなすことができる。そこで、主制御装置20では、次式で示される補正関数eall(t)に関する情報を、同期制御ユニット80に送る。なお、ショット領域S69とショット領域S70の走査露光中に用いられる補正関数も次式が用いられる。
Figure 2006202914

同期制御ユニット80では、ショット領域S80の走査露光での同期移動制御動作中に、ウエハステージWSTの位置情報WPに基づいて作成されるレチクルステージRSTの位置指令RP’に対し、タイマにより検出されたスキャン開始からの時間を補正関数eall(t)に代入することにより得られる補正量を加算することにより補正する。
このようにして、ウエハW上のショット領域の走査露光とショット領域間のステッピング動作とが、交互スキャンにて繰り返し行われ、ウエハW上の最終ショット領域であるショット領域S76に対するレチクルRのパターンの転写が終了する。この後、ウエハWは、不図示のウエハアンローダにより、ウエハステージWSTからアンロードされ、次に露光するウエハWがある場合には、そのウエハWをロードし、そのウエハに対し、上述した処理を再び行う。
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、主制御装置20のCPUが行う、図7のステップ601が計測工程に対応し、図7のステップ603〜ステップ609が抽出工程に対応する。また、主制御装置20が、計測装置、抽出装置、算出装置に対応し、ステージ制御装置19が同期制御装置に対応する。したがって、主制御装置20と、ステージ制御装置19とで、制御装置を構成する。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る解析方法によれば、2つのステージ(レチクルステージRST、ウエハステージWST)の同期移動制御動作の前にウエハステージWSTの所定の制御動作(図5の経路で示される制御動作)が行われる場合、その所定の制御動作を互いに独立な複数の異なる基本制御動作に分解し、各基本制御動作と同期移動制御動作とを含む一連の制御動作(A.B.C.Dの基本制御動作)を行うとともに、同期移動制御動作中における両ステージWST、RST間の同期誤差の時系列データ(eA(t)〜eD(t))を計測する。そして、複数の異なる基本制御動作それぞれに対応する計測の結果を比較し、その比較結果に基づいて、同期移動制御動作開始前の各基本制御動作に起因する、同期移動制御動作中における両ステージWST、RST間の同期誤差の時系列データの成分を表す関数(escan(t;vscan,ascan,dscan)、ex_step(tx_step;dx_step,lx_step)、ey_step(ty_step;vy_step,dscan,dy_step,ly_step)、ep_scan(tp_scan;vp_scan,dp_scan))を抽出する。
この複数の異なる基本制御動作には、ウエハステージWSTに対する定位置への静止制御動作と、X軸方向に関するウエハステージWSTに対するステッピング移動制御動作と、Y軸方向に関するウエハステージWSTに対するステッピング移動制御動作と、前回の両ステージWST、RSTの同期移動制御動作とが含まれる。このような基本制御動作に起因する同期誤差を分離抽出することにより、各時系列データの線形性が保証されている場合には、同期移動制御動作の開始前に開始される制御動作に起因する同期誤差をほぼ完全に表現することができる。
本実施形態では、上述のような、両ステージWST、RSTの同期制御動作を詳細に解析することができる解析方法を用いて、同期移動制御動作中における両ステージWST、RST間の同期誤差の時系列情報の成分を精度良く抽出することができ、同期移動制御動作開始前に開始されるウエハステージWSTに対する制御動作を分解して得られる動作成分に相当する基本制御動作に起因するその抽出された各成分を重ね合わせて制御情報(eall(t))を算出する。このようにすれば、各基本制御動作に起因する、同期移動制御動作中における両ステージWST、RST間の同期誤差の時系列データの線形性が保証されている場合、すなわち制御対象を線形システムとみなせる場合には、算出された制御情報に基づいて、両ステージWST、RSTの同期移動制御動作を精度良く行うことができる。
なお、本実施形態によれば、図7のステップ601では、複数の異なる制御パラメータの下で、各基本制御動作と同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を行い、各制御パラメータに対応する同期誤差の時系列データを計測する。このような制御パラメータには、ウエハステージWSTの速度vscan,vy_step,vx_step,vp_scan、移動方向dscan,dp_scan,dx_step,dy_step、移動距離lx_step,ly_step、加速度ascanなどが含まれる。このようにすれば、制御パラメータの設定値が異なる場合でも、それぞれの設定値に応じた補正関数を用いて、レチクルステージRSTの位置指令RP’の補正をすることができるので、高精度な同期制御が可能となる。
なお、本実施形態では、制御動作が行われた時間を制御パラメータとして用いるようにしても良い。
なお、本実施形態のように線形性が保証されている場合には、設定されなければならない制御パラメータの数が多くても、制御対象が線形システムであり、基本制御動作が互いに独立しているとみなすことができるため、図7のステップ601での計測数のように、計測する必要がある制御パラメータの設定値の組合せの数を少なくすることができるので、計測に要する時間を短縮することができるようになる。
そして、本実施形態では、上述のような制御方法を用いて、レチクルRを保持して移動可能なレチクルステージRSTと、ウエハWを保持して移動可能なウエハステージWSTとを、Y軸方向に同期移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンをウエハW上に転写する。かかる場合には、この制御方法を用いて、レチクルRとウエハWとをそれぞれ保持する両ステージWST、RSTの同期移動動作を精度良く行うことができるので、高精度な露光を実現することができる。
このように、本実施形態に係る制御方法は、線形性が保証されているという前提の下で、行われるものである。すなわち、両ステージWST、RSTの同期移動動作により生じる同期誤差は、その同期移動制御動作開始前に開始される制御動作に起因する成分と、同期移動により生じる成分との線形和に相当するとみなされる場合には、この制御方法は、有効となる。しかしながら、実際の露光装置によっては、このような線形性が保証されていない場合もあり、その場合には、本実施形態の制御方法をそのまま適用することが困難となる。そこで、上記解析方法は、露光装置において上記線形性が保証されているか否かを判断する場合にも適用することができる。
まず、図7のステップ601〜ステップ609と同様の処理を行い、同期移動制御動作開始前に行われるウエハステージWSTに対する所定の制御動作(図4のステッピング移動+交互スキャン制御動作)を分解して得られる動作成分に相当する互いに独立な複数の異なる基本制御動作それぞれに起因する、同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を抽出する(第1工程)。そして、図4のステッピング移動+交互スキャン制御動作(以下、「U字スキャン」と呼ぶ)を行い、その同期移動制御動作中における両ステージWST、RST間の同期誤差の時系列データをそれぞれ計測する(第2工程)。そして、抽出された各基本制御動作に対応する同期誤差の成分の和と、図4のU字スキャンでの同期誤差とを比較して、各基本制御動作に起因する同期移動制御動作中における両ステージWST、RST間の同期誤差の時系列データの線形性が保たれているか否かを評価する(第3工程)。このように、本実施形態に係る解析方法を用いて、各基本制御動作に対応する、同期移動制御動作中における両ステージWST、RST間の同期誤差の時系列情報を精度良く抽出することができるので、各基本制御動作に起因する前記同期移動制御動作中における両ステージWST、RST間の同期誤差の時系列データの線形性を精度良く評価することができる。
上記方法により、線形性が保証されていると判断された場合には、上記実施形態と同様の制御により高精度な露光を実現することができる。いずれにしても、本実施形態の解析方法により、同期移動制御動作開始前の基本制御動作それぞれの同期誤差への影響を分離抽出し、その影響を詳細に解析することが可能となる。
なお、上記実施形態におけるウエハW上のショット領域に対し走査露光を行う場合には、各スキャン動作の一部と、ステッピング動作とを同時に行うようにしたが、図8の経路に示されるように、スキャン動作と、ステッピング動作とを完全に分離して行うようにしてもよい。このような場合にも、補正関数eall(t)は、スキャン動作の補正関数escan(t;vscan,ascan,dscan)と、ex_step(tx_step;dx_step,lx_step)との和に相当する関数とすることができる。この和を計算する場合にも、上記実施形態と同様に、時間軸tと、時間軸tx_stepとの調整を行う必要があることはいうまでもない。
また、上記実施形態では、制御パラメータを、ステージの各動作における速度、移動方向、移動距離、加速度などとしたが、さらにジャーク(加速度の微分)なども制御パラメータとして含めることも可能である。
また、上記実施形態では、補正関数の時間軸の原点をスキャン開始時点としたが、これには限らず、整定時間Tbから露光時間Tcに移り変わる時間、すなわち、露光開始時間を原点としても良い。
また、上記実施形態ではウエハステージWSTに対しレチクルステージRSTを追従させる同期制御を行なっているが、本発明がこれに限定されるものではなく、レチクルステージRSTを主とし、ウエハステージWSTを従として、追従制御を行なうことも勿論可能である。
また、上記実施形態では露光用照明光として波長が100nm以上の紫外光、具体的にはKrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光あるいはF2レーザ光(波長157nm)などを用いる場合について説明したが、これに限らず、例えばg線、i線などのKrFエキシマレーザと同じ遠紫外域に属する遠紫外(DUV)光などを用いることもできる。なお、YAGレーザの高調波などを用いても良い。さらに、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。なお、単一波長発振レーザとしては例えばイッテルビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いることができる。
また、上記実施形態の露光装置において、露光用照明光としては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことは勿論である。例えば、近年、70nm以下のパターンを露光するために、SORやプラズマレーザを光源として、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を発生させるとともに、その露光波長(例えば13.5nm)の下で設計されたオール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置の開発が行なわれている。この装置においては、円弧照明を用いてマスクとウエハを同期走査してスキャン露光する構成が考えられるので、かかる装置も本発明の適用範囲に含まれるものである。
ところで、上記実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影露光装置(スキャニング・ステッパ)に本発明が適用された場合について説明したが、例えばミラープロジェクション・アライナ、プロキシミティ方式の露光装置(例えばX線が照射される円弧状照明領域に対してマスクとウエハとを一体的に相対移動する走査型のX線露光装置)などにも本発明を適用できる。
また、投影光学系は縮小系だけでなく等倍系、又は拡大系(例えば液晶ディスプレイ製造用露光装置など)を用いても良い。さらに、投影光学系は屈折系、反射系、及び反射屈折系のいずれであっても良い。
さらに、本発明は、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、角型のガラスプレート上に液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、プラズマディスプレイや有機ELなどの表示装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置、さらにはマスク又はレチクルの製造に用いられる露光装置などにも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、プロキシミティ方式のX線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、光露光装置(DUV光やVUV光)などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、あるいは水晶などが用いられる。また、EUV露光装置では反射型マスクが用いられ、プロキシミティ方式のX線露光装置、又はマスク投影方式の電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
さらに、露光装置以外の検査装置、加工装置などの装置であっても、2つ以上の移動体を同期移動させつつ所定の処理を行う装置であれば、本発明を適用することができる。
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
以上説明したように、本発明の解析方法は、2つの移動体の同期移動制御の解析に適しており、本発明の評価方法は、2つの移動体の同期移動制御の制御性能の評価に適しており、本発明の露光方法は、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程に適している。
本発明の一実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。 図1のステージ制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図3(A)は、走査露光を説明するための図であり、図3(B)は走査露光におけるウエハステージの速度波形を示す図である。 ショット領域S1、S2を走査露光する際に、照明スリットSTの中心Pが軌跡を示す図である。 本発明に係る露光装置でウエハ上の複数のショット領域に対する露光を行う際の照明領域スリット中心の移動軌跡を概略的に示す図である。 図6(A)は、Aの制御動作を行ったときの基本制御動作及び照明スリット中心の移動軌跡を示す図であり、図6(B)は、Bの制御動作を行ったときの基本制御動作及び照明スリット中心の移動軌跡を示す図であり、図6(C)は、Cの制御動作を行ったときの基本制御動作及び照明スリット中心の移動軌跡を示す図であり、図6(D)は、Dの制御動作を行ったときの基本制御動作及び照明スリット中心の移動軌跡を示す図である。 本発明の一実施形態に係る解析方法を行う主制御装置20の処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明に係る露光装置でウエハ上の複数のショット領域に対する露光を行う際の照明領域スリット中心の移動軌跡の他の例を概略的に示す図である。
符号の説明
15…移動鏡、16…レチクル干渉計、17…移動鏡、18…ウエハ干渉計、19…ステージ制御装置(制御装置)、20…主制御装置(検出装置、演算装置)、23…レチクルステージ駆動部、24…ウエハステージ駆動部、50…減算器、60…減算器、80…同期制御ユニット、100…露光装置、AX…光軸、IL…照明光、L…ショット長、P…照明スリット中心、PL…投影光学系、PL’…有効フィールド、R…レチクル(マスク)、RP…レチクルステージ位置情報、RP’…レチクルステージへの位置指令、Rp…レチクルステージ系、RSC…レチクルステージコントローラ、RST…レチクルステージ(第1の移動体)、S、S1、S2…ショット領域、ST…照明スリット、STD…主制御装置からの指令、Ta…加速時間、Tb…整定時間、Tc…露光時間、Td…後整定時間、Te…減速オーバースキャン時間、Vy…ウエハステージY速度、W…ウエハ(物体)、WP…ウエハステージ位置情報、Wp…ウエハステージ系、WSC…ウエハステージコントローラ、WST…ウエハステージ(第2の移動体)、β…投影倍率。

Claims (10)

  1. 2つの移動体の同期移動制御動作の制御状態を解析する解析方法であって、
    前記同期移動制御動作開始前に開始される、前記2つの移動体のうちの少なくとも一方の移動体に対する所定の制御動作を分解して得られる動作成分に相当する互いに独立な複数の異なる基本制御動作各々と、前記同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を行った場合に、前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報を基本制御動作毎に計測する計測工程と;
    前記複数の異なる基本制御動作それぞれに対応する前記計測の結果を比較し、その比較結果に基づいて、前記各基本制御動作に起因する、前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を抽出する抽出工程と;を含む解析方法。
  2. 前記複数の異なる基本制御動作には、前記少なくとも一方の移動体に対する定位置への静止制御動作と、前記同期移動制御動作中の前記各移動体の移動方向に関する前記少なくとも一方の移動体に対する単独移動制御動作と、前記同期移動制御動作中の前記各移動体の移動方向に直交する方向に関する前記少なくとも一方の移動体に対する単独移動制御動作と、前記同期移動制御動作開始前に行われる前記2つの移動体の同期移動制御動作とが含まれることを特徴とする請求項1に記載の解析方法。
  3. 前記計測工程では、
    複数の異なる制御パラメータの下で、前記各基本制御動作と前記同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を行い、前記各制御パラメータに対応する前記同期誤差の時系列情報を計測することを特徴とする請求項1又は2に記載の解析方法。
  4. 前記制御パラメータには、各制御動作中の前記移動体の速度、移動方向、移動距離、加速度及び時間が含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の解析方法。
  5. 2つの移動体の同期移動制御動作を行う際の制御性能を評価する評価方法であって、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の解析方法を用いて、前記同期移動制御動作開始前に開始される前記2つの移動体のうちの少なくとも一方の移動体に対する所定の制御動作を分解して得られる動作成分に相当する互いに独立な複数の異なる基本制御動作それぞれに起因する、前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を抽出する第1工程と;
    前記所定の制御動作と前記同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を行って、その同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報をそれぞれ計測する第2工程と;
    前記第1工程で抽出された各基本制御動作に対応する成分の和と、前記第2工程での計測の結果とに基づいて、前記各基本制御動作に起因する、前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の線形性を評価する第3工程と;を含む評価方法。
  6. 2つの移動体の同期移動制御動作を行う制御方法であって、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の解析方法を用いて、前記同期移動制御動作開始前に開始される前記2つの移動体のうちの少なくとも一方の移動体に対する所定の制御動作を分解して得られる動作成分に相当する互いに独立な複数の異なる基本制御動作それぞれに起因する、前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を抽出する工程と;
    前記同期移動制御動作開始前に開始される前記少なくとも一方の移動体に対する制御動作を分解して得られる動作成分に相当する基本制御動作に起因する前記時系列情報の成分を重ね合わせて、前記2つの移動体の同期移動制御動作に関する制御情報を算出する工程と;
    前記算出された制御情報に基づいて、前記同期移動制御動作を行う工程と;を含む制御方法。
  7. 請求項6に記載の制御方法を用いて、マスクを保持して移動可能な移動体と、物体を保持して移動可能な移動体とを、所定の走査方向に同期移動させつつ、前記マスクに形成されたパターンを前記物体上に転写する工程を含む露光方法。
  8. 2つの移動体の同期移動制御動作を行う制御系の制御状態を解析する解析装置であって、
    前記同期移動制御動作開始前に開始される、前記2つの移動体のうちの少なくとも一方の移動体に対する所定の制御動作を分解して得られる動作成分に相当する互いに独立な複数の異なる基本制御動作各々と、前記同期移動制御動作とを含む一連の制御動作を行った場合に、前記同期移動制御動作中における移動体間の同期誤差の時系列情報を基本制御動作毎に計測する計測装置と;
    前記複数の異なる基本制御動作にそれぞれに対応する前記計測の結果を比較し、その比較結果に基づいて、前記同期移動制御動作開始前の各基本制御動作に起因する、前記同期移動制御中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を抽出する抽出装置と;を備える解析装置。
  9. 2つの移動体の同期移動制御動作を行う制御装置であって、
    請求項8に記載の解析装置と;
    前記解析装置により抽出された前記同期移動制御動作開始前の各基本制御動作に起因する、前記同期移動制御中における移動体間の同期誤差の時系列情報の成分を重ね合わせて、前記同期移動制御動作中の制御情報を算出する算出装置と;
    前記算出された制御情報に基づいて、前記同期移動制御動作を行う同期制御装置と;を備える制御装置。
  10. マスクを保持して移動可能な第1の移動体と;
    物体を保持して移動可能な第2の移動体と;
    前記マスクに形成されたパターンを前記物体上に転写する際に、前記第1、第2の移動体の同期移動制御動作を行う請求項9に記載の制御装置と;を備える露光装置。
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