JP2006003774A - スロット型光ケーブル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 分岐接続等の作業を行う上での作業性向上を図ることのできるスロット型光ケーブルを得る。
【解決手段】 スロットロッド1の外周に形成してあるスロット溝3に光ファイバテープ心線4を収容し、その状態でスロットロッド1の外周に外被6を形成してなるスロット型光ケーブルにおいて、前記外被6をスロット溝3を含むスロットロッド1の外周上に直接形成すると共に、スロット溝3の両側に対応した外被6上に、スロットロッド1の長手方向に延びる外被切り裂き用ノッチ8を設け、スロット溝3単位で外被6を除去可能とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 スロットロッド1の外周に形成してあるスロット溝3に光ファイバテープ心線4を収容し、その状態でスロットロッド1の外周に外被6を形成してなるスロット型光ケーブルにおいて、前記外被6をスロット溝3を含むスロットロッド1の外周上に直接形成すると共に、スロット溝3の両側に対応した外被6上に、スロットロッド1の長手方向に延びる外被切り裂き用ノッチ8を設け、スロット溝3単位で外被6を除去可能とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、スロットロッドの外周に形成してあるスロット溝に光ファイバを収容し、その状態でスロットロッドの外周に外被を形成してなるスロット型光ケーブル及びその製造方法に関するものである。
通信用光ファイバケーブルとして、光ファイバ心線あるいは光ファイバテープ心線を複数本、スロットロッドの外周に形成してある複数のスロット溝の中にそれぞれ収納し、その外周に押さえテープを巻き付けた上で、さらに外被で覆った構造のスロット型光ケーブルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図4は従来のスロット型光ケーブルの一例を示す断面図である。図において、1はスロットロッド、2はその断面中心に配された抗張力体、3はスロットロッド1の外周に周方向間隔的に形成されたスロット溝、4は各スロット溝3の中に収容された光ファイバテープ心線、5はスロットロッド1の外周に巻回された押さえテープ、6は押さえテープ5の外側に被覆された全周一定厚の外被、7はスロット溝3の特定のための識別マークである。なお、押さえテープ5としては、ケーブル内部を長手方向にわたり透水することを抑止するために、一般的に吸水特性を有した吸水テープが用いられている。
ところで、図4に示した従来のスロット型光ケーブルは、スロット溝3内に光ファイバテープ心線4を収容した状態で、スロットロッド1の外周に押さえテープ5を巻回し、さらにその外側に全周一定の厚さの外被6を被覆した構造をなしているので、例えば、内部の光ファイバテープ心線4の分岐接続を行う場合に作業性が悪かった。
即ち、内部の特定の光ファイバテープ心線4を取り出す場合には、実際のところ、該当する光ファイバテープ心線4の収容されている1つのスロット溝3だけを開放すればよいのであるが、外被6が等しい厚さで周方向に連続しているので、外被6を全周にわたって除去せざるを得ず、従って、それだけ除去作業が面倒であった。更に、スロット溝3を開放するためには、外被6を取り除いた上で、押さえテープ5も除去する必要があるので、その分の手間がかかるという問題があった。また、特定の光ファイバテープ心線4以外の光ファイバテープ心線が露出するため、その保護作業にも手間がかかるという問題があった。また、光ファイバテープ心線4とスロット溝3は一体化されていないため、ケーブル布設後、ケーブルに振動が加わった場合、テープ心線がスロット溝内を長手方向へ移動することで、接続部を収納するクロージャ内へのテープ心線突き出しやクロージャ内のテープ心線がケーブル内部へ引き込まれるテープ心線引き込み現象が発生し、回線異常につながるトラブルが発生する可能性もあり、クロージャ内でテープ心線を固定する作業にも手間がかかるという問題もあった。
本発明は、上記事情を考慮し、分岐接続等の作業を行う上での作業性の向上を図ることのできるスロット型光ケーブルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1の発明は、スロットロッドの外周に形成してあるスロット溝に光ファイバを収容し、その状態でスロットロッドの外周に外被を形成してなるスロット型光ケーブルにおいて、前記スロット溝の両側に対応した前記外被上に、スロットロッドの長手方向に延びる外被切り裂き用ノッチを設け、スロット溝単位で外被を除去可能としたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項2の発明は、スロットロッドの外周に形成してあるスロット溝に光ファイバを収容し、その状態でスロットロッドの外周に外被を形成してなるスロット型光ケーブルにおいて、前記外被を前記スロット溝を含むスロットロッドの外周上に直接形成してなることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項3の発明は、スロットロッドの外周に形成してあるスロット溝に光ファイバを収容し、その状態でスロットロッドの外周に外被を形成してなるスロット型光ケーブルにおいて、前記外被を前記スロット溝を含むスロットロッドの外周上に直接形成すると共に、前記スロット溝の両側に対応した前記外被上に、スロットロッドの長手方向に延びる外被切り裂き用ノッチを設け、スロット溝単位で外被を除去可能としたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記スロットロッドと外被を弾性率の比が2以上の同質樹脂で形成したことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記外被上に、複数ある前記スロット溝のうちの任意のものの特定が可能な識別手段が形成されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スロット溝内の光ファイバの引き抜き力が5kg/m以上に設定されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項7の発明は、スロットロッドの外周に形成してあるスロット溝に光ファイバを収容し、その状態でスロットロッドの外周に外被を形成してなるスロット型光ケーブルの製造方法において、前記スロット溝に光ファイバを収容すると同時に、スロット溝内部及びスロットロッド外面に熱可塑性樹脂を押し出して前記外被を形成することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ノッチ部分で外被を簡単に切り裂くことができる。従って、両側のノッチで挟まれた部分の外被を引き裂くことにより、スロット溝単位で外被を除去することができ、特定のスロット溝のみを開放して、中の光ファイバに対する分岐接続等の作業を簡単に行うことができる。また、特定のスロット溝部分の外被だけしか除去しないですむので、外被除去部分以外のスロット溝部分に収容されている光ファイバの保護作業は必要無くなり、クロージャでの作業も少なくできる。
請求項2の発明によれば、押さえテープの巻き付けを省略したので、光ファイバの露出が容易となり、分岐接続等の作業性が向上する。また、外被をスロット溝を含むスロットロッドの外周上に直接形成してケーブル内部の隙間を埋めているので、押さえテープが有していた吸水特性と同等の透水抑え効果を確保できる。
請求項3の発明によれば、押さえテープの巻き付けを省略したので、光ファイバの露出が容易となり、分岐接続等の作業性が向上する。また、ノッチ部分で外被を簡単に切り裂くことができるので、両側のノッチで挟まれた部分の外被を引き裂くことにより、スロット溝単位で外被を除去することができ、特定のスロット溝のみを開放して、中の光ファイバに対する分岐接続等の作業を簡単に行うことができる。また、特定のスロット溝部分の外被だけしか除去しないですむので、外被除去部分以外のスロット溝部分に収容されている光ファイバの保護作業は必要無くなり、クロージャでの作業も少なくできる。
請求項4の発明によれば、スロットロッドと外被との間に十分な接着性を確保することができると共に、外被を除去する際には高い剥離性を発揮することができる。例えば、スロットロッドと外被の両方をポリエチレンで構成すると、両者が強固に接着し過ぎて、境界面での外被の剥離が困難となるが、両者の材料の弾性率の比率を2以上に設定することにより、接着性を損なわずに剥離性も良くすることができる。従って、透水抑え効果と除去容易性の両方を確保することができる。
請求項5の発明によれば、外被上に識別手段を設けたので、外被上から任意のスロット溝を識別することができ、作業の容易化を図ることができる。
請求項6の発明によれば、スロット溝内の光ファイバの引き抜き力を5kg/m以上に設定したので、スロット溝内で光ファイバの移動を防止することができる。
請求項7の発明によれば、スロット溝に光ファイバを収容すると同時に、スロット溝内部及びスロットロッド外面に熱可塑性樹脂を押し出して外被を形成するので、製造容易である。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1は一実施の形態のスロット型光ケーブルの構成を示し、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
このスロット型光ケーブルは、中心に抗張力体2を配したスロットロッド1の外周に形成してある螺旋状のスロット溝3に複数の光ファイバテープ心線(その他に光ファイバ心線でもよく、本明細書中では総称して光ファイバと言う)4を収容し、その状態でスロットロッド1の外周に熱可塑性樹脂よりなる外被6を形成したものであり、その特徴点は、外被6をスロット溝3を含むスロットロッド1の外周上に直接形成すると共に、スロット溝3の両側に対応した外被6上に、スロットロッド1の長手方向に延びる外被切り裂き用ノッチ8を設け、スロット溝3単位で外被6を除去可能とした点にある。
図1は一実施の形態のスロット型光ケーブルの構成を示し、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
このスロット型光ケーブルは、中心に抗張力体2を配したスロットロッド1の外周に形成してある螺旋状のスロット溝3に複数の光ファイバテープ心線(その他に光ファイバ心線でもよく、本明細書中では総称して光ファイバと言う)4を収容し、その状態でスロットロッド1の外周に熱可塑性樹脂よりなる外被6を形成したものであり、その特徴点は、外被6をスロット溝3を含むスロットロッド1の外周上に直接形成すると共に、スロット溝3の両側に対応した外被6上に、スロットロッド1の長手方向に延びる外被切り裂き用ノッチ8を設け、スロット溝3単位で外被6を除去可能とした点にある。
この場合、スロットロッド1と外被6は、弾性率の比が2以上の同質樹脂(例えば、ポリエチレン)で形成してある。また、外被6上には、複数あるスロット溝3のうちの任意のものの特定が可能な識別マーク(識別手段)17が形成してある。また、スロット溝3内の光ファイバテープ心線4はそのスロット溝3内からの引き抜き力が5kg/m以上となるように設定されている。
なお、図3は、スロット溝3内の光ファイバテープ心線4の引き抜き力の実測結果を示したもので、複数の光ファイバテープ心線の何れの場合も、従来のスロットレス構造品に較べて引き抜き力が高いことを表している。
なお、図3は、スロット溝3内の光ファイバテープ心線4の引き抜き力の実測結果を示したもので、複数の光ファイバテープ心線の何れの場合も、従来のスロットレス構造品に較べて引き抜き力が高いことを表している。
このスロット型光ケーブルを製造する場合、スロットロッド1のスロット溝3に光ファイバテープ心線4を収容すると同時に、スロット溝3の内部及びスロットロッド1の外面に熱可塑性樹脂を押し出して外被6を形成する。こうすることで、図示のスロット型光ケーブルが得られる。
このスロット型光ケーブルにおいて、いずれかのスロット溝3内の光ファイバテープ心線4を外部に引き出す場合には、図2に示すように、該当するスロット溝3の両側のノッチ8部分で外被6を切り裂く。そうすると、スロット溝3単位で簡単に外被6を除去することができるので、特定のスロット溝3のみを開放して、中の光ファイバテープ心線4を露出させることができ、分岐接続等の作業を簡単に行うことができる。また、特定のスロット溝3部分の外被6だけしか除去しないですむので、外被除去部分以外のスロット溝部分に収容されている光ファイバの保護作業は必要無くなり、クロージャでの作業も少なくできる。この実施の形態では、従来使用していた押さえテープの巻き付けを省略したので、光ファイバテープ心線4の露出が容易であり、その点からも、分岐接続等の作業性が向上する。また、外被をスロット溝を含むスロットロッドの外周上に直接形成してケーブル内部の隙間を埋めているので、押さえテープが有していた吸水特性と同等の透水抑え効果を確保できる。
この場合、スロットロッド1と外被6は、弾性率の比が2以上の同質樹脂で形成してあるので、スロットロッド1と外被6との間に十分な接着性を確保することができると共に、外被を除去する際には高い剥離性を発揮することができる。また、外被6上に識別マーク17を付してあるので、外被6上から任意のスロット溝3を識別することができ、作業の容易化を図ることができる。また、スロット溝3内の光ファイバテープ心線4の引き抜き力は、図3に示したように、5kg/m以上に設定してあるので、ケーブル布設後、たとえケーブルに振動が加わった場合でも光ファイバテープ心線4の長手方向にわたる移動は発生しないため、クロージャ内でテープ心線を固定する作業も省略することができる。
なお、上記実施の形態では、外被6にノッチ6を入れることと、押さえテープを省略して外被6を直接スロットロッド1の外周に被覆することの両方を実施した例を示したが、どちらかのみを単独で実施してもよい。その場合でも、ある程度の作業性の向上を図ることはできる。
次にスロットロッド1の材料と外皮6の材料の弾性率の比の違いによる外被6の引き裂き易さについての実験結果について簡単に述べる。表1は外被材料とスロット材料の組み合わせ、弾性率の比率、引き裂き易さについての検証結果を示している。この結果から、弾性率の比率が2以上であれば、満足な引き裂きやすさが確保できることがわかる。
1 スロットロッド
3 スロット溝
4 光ファイバテープ心線
6 外被
8 ノッチ
17 識別マーク
3 スロット溝
4 光ファイバテープ心線
6 外被
8 ノッチ
17 識別マーク
Claims (7)
- スロットロッドの外周に形成してあるスロット溝に光ファイバを収容し、その状態でスロットロッドの外周に外被を形成してなるスロット型光ケーブルにおいて、
前記スロット溝の両側に対応した前記外被上に、スロットロッドの長手方向に延びる外被切り裂き用ノッチを設け、スロット溝単位で外被を除去可能としたことを特徴とするスロット型光ケーブル。 - スロットロッドの外周に形成してあるスロット溝に光ファイバを収容し、その状態でスロットロッドの外周に外被を形成してなるスロット型光ケーブルにおいて、
前記外被を前記スロット溝を含むスロットロッドの外周上に直接形成してなることを特徴とするスロット型光ケーブル。 - スロットロッドの外周に形成してあるスロット溝に光ファイバを収容し、その状態でスロットロッドの外周に外被を形成してなるスロット型光ケーブルにおいて、
前記外被を前記スロット溝を含むスロットロッドの外周上に直接形成すると共に、前記スロット溝の両側に対応した前記外被上に、スロットロッドの長手方向に延びる外被切り裂き用ノッチを設け、スロット溝単位で外被を除去可能としたことを特徴とするスロット型光ケーブル。 - 前記スロットロッドと外被を弾性率の比が2以上の同質樹脂で形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスロット型光ケーブル。
- 前記外被上に、複数ある前記スロット溝のうちの任意のものの特定が可能な識別手段が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスロット型光ケーブル。
- 前記スロット溝内の光ファイバの引き抜き力が5kg/m以上に設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスロット型光ケーブル。
- スロットロッドの外周に形成してあるスロット溝に光ファイバを収容し、その状態でスロットロッドの外周に外被を形成してなるスロット型光ケーブルの製造方法において、
前記スロット溝に光ファイバを収容すると同時に、スロット溝内部及びスロットロッド外面に熱可塑性樹脂を押し出して前記外被を形成することを特徴とするスロット型光ケーブルの製造方法。
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JP2009237537A (ja) * | 2008-03-07 | 2009-10-15 | Fujikura Ltd | 光ファイバケーブル及びその光ファイバケーブルにおける口出し方法 |
JP2010191131A (ja) * | 2009-02-18 | 2010-09-02 | Fujikura Ltd | スロットコアの製造方法 |
JP2012118450A (ja) * | 2010-12-03 | 2012-06-21 | Fujikura Ltd | 光ファイバケーブル |
CN113985546A (zh) * | 2021-10-09 | 2022-01-28 | 富通集团(嘉善)通信技术有限公司 | 耐水光缆 |
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2004
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