JP2004354766A - 光ファイバケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】所望のスロット溝だけから光ファイバを容易に取り出すことのできる光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】スロットロッド12の外周面に上巻きテープ30を巻き、この上巻きテープ30の外側にシース14を設けた光ファイバケーブル10において、上巻きテープ30に破断誘導部32を設ける。これにより、シース14を取り除いてスロット溝13に収容されている光ファイバ20を取り出す際に、スロットロッド12に巻きつけられている上巻きテープ30が破断誘導部32から破断するので、容易に光ファイバ20を取り出すことができる。このとき、上巻きテープ30を完全に取り除かなくてもスロット溝13に沿って破断するので、容易に光ファイバ20を取り出すことができる。
【選択図】 図4
【解決手段】スロットロッド12の外周面に上巻きテープ30を巻き、この上巻きテープ30の外側にシース14を設けた光ファイバケーブル10において、上巻きテープ30に破断誘導部32を設ける。これにより、シース14を取り除いてスロット溝13に収容されている光ファイバ20を取り出す際に、スロットロッド12に巻きつけられている上巻きテープ30が破断誘導部32から破断するので、容易に光ファイバ20を取り出すことができる。このとき、上巻きテープ30を完全に取り除かなくてもスロット溝13に沿って破断するので、容易に光ファイバ20を取り出すことができる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図9に示すような光ファイバケーブルが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
図9に示すように、この光ファイバケーブル100では、中心にテンションメンバ101を有し、このテンションメンバ101の周囲に樹脂製のスロットロッド102が一体的に設けられている。スロットロッド102の外周面には、複数本の溝103が一方向にあるいは反転して平行に撚られて設けられており、溝103には光ファイバ106をテープ状に被覆したテープ心線104を積層して積層体105を形成し、この積層体105を収容している。
【0003】
スロットロッド102の外周面には上巻きテープ107が巻回されており、さらに上巻きテープ107の外側にはシース108が設けられて光ファイバケーブル100を構成している。
なお、上巻きテープ107は全面にわたって巻かれており、織布または不織布を基材としてその内側面には溝103に浸入した水の進行を防止する吸水層107aが設けられているものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−243999号公報(第3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したような光ファイバケーブル100の溝103に収容されている光ファイバ106を取り出すには、まずシース108を取り除き、上巻きテープ107を取り除く。このとき、上巻きテープ107の基材として用いられている不織布等は部分的に引き裂くのが困難であるため、一般に取り出す光ファイバ106の全長にわたって上巻きテープ107を取り除く必要があり、面倒である。
また、取り出す必要のない光ファイバ106を収容している溝103の上の上巻きテープ107も同時に取り除かれるので、取り出さない光ファイバ106が露出して、作業時に触れたりして外傷を与えるおそれもある。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、所望のスロット溝だけから光ファイバを容易に取り出すことのできる光ファイバケーブルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明にかかる光ファイバケーブルは、光ファイバを収容するスロット溝を備えたスロットロッドの外周面に上巻きテープを巻き、前記上巻きテープの外側にシースを設けた光ファイバケーブルであって、前記上巻きテープが、破断誘導部を有することを特徴としている。
【0008】
このように構成された光ファイバケーブルにおいては、光ファイバケーブルのシースを取り除いてスロット溝に収容されている光ファイバを取り出す際に、スロットロッドに巻きつけられている上巻きテープが破断誘導部から破断するので、容易に光ファイバを取り出すことができる。このとき、上巻きテープを完全に取り除かなくても破断するので、光ファイバを取り出すスロット溝以外のスロット溝に収容されている光ファイバは収容されたままの状態である。このため、作業中に他の光ファイバが邪魔にならないため作業性がよくなるとともに、他の光ファイバを傷つけることが防止できる。なお、破断誘導部としては、所望の方向へ破断を導くものであり、例えば、格子状に設けられたミシン目を例示することができる。
【0009】
また、本発明にかかる光ファイバケーブルは、前記上巻きテープが、不織布から構成されていることが望ましい。
【0010】
このように構成された光ファイバケーブルにおいては、光ファイバケーブルに水が浸入した際に、上巻きテープの吸水層により水を吸収し、ケーブルへの水の浸入を防ぐことができる。なお、不織布は吸水性のものには限定されない。
【0011】
また、本発明にかかる光ファイバケーブルは、前記破断誘導部が、前記スロット溝の幅よりも小さな間隔で設けられていることが望ましい。
【0012】
このように構成された光ファイバケーブルにおいては、破断誘導部の間隔がスロット溝の幅よりも小さいので、上巻きテープの巻き方にかかわらず光ファイバを取り出そうとするスロット溝の上に必ず破断誘導部が位置することになる。これにより、所望の光ファイバを取り出すことが可能になる。
【0013】
また、本発明にかかる光ファイバケーブルは、前記上巻きテープが、前記スロットロッドの外周面にらせん状に巻かれあるいは縦添えされていることが望ましい。
【0014】
このように構成された光ファイバケーブルにおいては、上巻きテープの巻き方にかかわらず光ファイバの取り出しが可能である。
【0015】
また、本発明にかかる光ファイバケーブルは、前記上巻きテープが、前記スロットロッドの外周面に接着されていることが望ましい。
【0016】
このように構成された光ファイバケーブルにおいては、隣合うスロット溝間にあるスロットロッドの外周面では、上巻きテープが接着されているので、スロット溝の上で上巻きテープを破断誘導部に沿って破断させても、スロット溝以外の場所では上巻きテープは剥がれない。このため、取り出したい光ファイバを収容しているスロット溝以外のスロット溝では、上巻きテープが巻かれた状態なので、他の光ファイバは露出しない。
【0017】
また、本発明にかかる光ファイバケーブルは、前記スロット溝に、前記上巻きテープを破断させるための糸状部材を引き出し可能に収納していてもよい。
【0018】
このように構成された光ファイバケーブルにおいては、取り出したい光ファイバを収容しているスロット溝の糸状部材を引き出すことにより、破断誘導部が当該スロット溝に沿って破断されることになる。これにより、所望の光ファイバを容易に取り出すことが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光ファイバケーブルの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は光ファイバケーブルの断面図、図2はスロットの斜視図、図3は上巻きテープの拡大図である。
【0020】
図1に示すように、本発明に係る光ファイバケーブルの実施形態である光ファイバケーブル10は、中心にテンションメンバ11を有し、その外側に樹脂製のスロットロッド12が押し出し成型により一体的に設けられている。図2を併せて参照するに、スロットロッド12の外周面には、光ファイバ20をテープ状に被覆したテープ心線21を積層した積層体22を収容するスロット溝13が、例えば反転して撚られて設けられている。
【0021】
再び図1を参照するに、スロットロッド12の外側には、積層体22が収容されたスロット溝13を覆うように上巻きテープ30が巻き付けられており、さらにその外側にはシース14が設けられている。
図3に示すように、上巻きテープ30は、基材である不織布31に破断誘導部としてミシン目32が設けられている。また、不織布31の下面(スロットロッド12と接する面)には、吸水機能を有する吸水層33が設けられており、外側から進入してくる水分を吸収して、内部に収容されている光ファイバ20を水から保護している。
【0022】
図4に示すように、ミシン目32の配置としては、間隔Pがスロット溝13の幅Dよりも小さくなるように、直行する格子状に設けるのがよい。このようにミシン目32を配置することにより、必ずスロット溝13の上にミシン目32が位置するため、容易に上巻きテープ30を破断させて光ファイバ20を取り出すことができる。
このような上巻きテープ30をスロットロッド12の外周に巻き付ける方法は特に限定されない。例えば、図5(A)に示すように、螺旋状に巻きつけることが可能である。あるいは、図5(B)に示すように、長手方向にまっすぐに縦添えとすることもできる。
【0023】
上巻きテープ30とスロットロッド12との間は、スロット溝13部分を除いて接着するのがよい。このため、図6に示すように、スロットロッド12の外周面でスロット溝13以外の部分に接着剤34等を塗布して、上巻きテープ30の不織布31をスロットロッド12に接着するのが好ましい。
【0024】
これにより、スロット溝13以外の場所では上巻きテープ30がスロットロッド12の外周面に接着されるので、光ファイバ20を引き出す際に不織布31をミシン目32に沿って破断させても、そのスロット溝13以外の部分では上巻きテープ30がスロットロッド12に接着されている。従って、取り出したい光ファイバ20以外の光ファイバ20は、スロット溝13に収容されていて外に出ないため、作業性が改善される。また、作業中に触れてほかの光ファイバ20を傷付けるのを防止することができる。
【0025】
さらに、図7に示すように、各スロット溝13に沿って中に糸状部材として例えば丈夫なナイロン糸35を入れておくのが好ましい。この場合には、図8に示すように、ナイロン糸35を上巻きテープ30から外側に引き出すことにより上巻きテープ30をミシン目32間を破断させて、スロット溝13に沿って切れ目36を作ることができる。
【0026】
従って、光ファイバケーブル10から所望の光ファイバ20を取り出すには、図8に示すように、まず、取り出す光ファイバ20が収容されているスロット溝13の中に収められているナイロン糸35を引き出す。ナイロン糸35は、ミシン目32を経由してスロット溝13に沿って上巻きテープ30を破断して切れ目36を形成するので、この切れ目36から所望の光ファイバ20あるいはこの光ファイバ20を含むテープ心線21を取り出す。
【0027】
以上、前述した光ファイバケーブル10によれば、光ファイバケーブル10のシース14を取り除いてスロット溝13に収容されている光ファイバ20を取り出す際に、スロットロッド12に巻きつけられている上巻きテープ30がミシン目32から破断するので、容易に光ファイバ20を取り出すことができる。このとき、上巻きテープ30を完全に取り除かなくても上巻きテープ30がスロット溝13に沿って破断するので、光ファイバ20を取り出すスロット溝13以外のスロット溝13に収容されている光ファイバ20は収容されたままの状態である。このため、作業中に他の光ファイバ20が邪魔にならないため作業性が改善されるとともに、作業中に触れて他の光ファイバ20を傷つけることが防止できる。
【0028】
また、各スロット溝13に、上巻きテープ30を引き裂くためのナイロン糸35を引き出し可能に収納しているので、取り出したい光ファイバ20を収容しているスロット溝13のナイロン糸35を引き出すことにより、上巻きテープ30の不織布31をミシン目32を通って当該スロット溝13に沿って破断することができる。これにより、所望の光ファイバ20のみを容易に取り出すことが可能になる。
【0029】
なお、本発明の光ファイバケーブル10は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した各実施形態では、スロット溝13を反転して撚っているSZスロット型の光ファイバケーブル10について説明したが、一方向に撚っている光ファイバケーブルについても適用できる。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明にかかる光ファイバケーブルによれば、請求項1に記載したように、光ファイバケーブルのシースを取り除いてスロット溝に収容されている光ファイバを取り出す際に、スロットロッドに巻きつけられている上巻きテープが破断誘導部から破断するので、容易に光ファイバを取り出すことができる。このとき、上巻きテープを完全に取り除かなくても破断するので、光ファイバを取り出すスロット溝以外のスロット溝に収容されている光ファイバは収容されたままの状態である。このため、作業中に他の光ファイバが邪魔にならないため作業性がよくなるとともに、他の光ファイバを傷つけることが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバケーブルの実施形態を示す断面図である。
【図2】スロットの斜視図である。
【図3】上巻きテープの拡大図である。
【図4】上巻きテープを巻いた状態を示す斜視図である。
【図5】(A)は上巻きテープを螺旋状に巻いた状態を示す斜視図、(B)は上巻きテープを縦添えとした場合を示す斜視図である。
【図6】上巻きテープを接着剤によりスロットロッドに接着した状態を示す斜視図である。
【図7】スロット溝にナイロン糸を入れた状態を示す斜視図である。
【図8】光ファイバケーブルから光ファイバを取り出す状態を示す斜視図である。
【図9】従来より一般的な光ファイバケーブルを示す断面図である。
【符号の説明】
10 光ファイバケーブル
12 スロットロッド
13 スロット溝
14 シース
20 光ファイバ
30 上巻きテープ
31 不織布
32 ミシン目(破断誘導部)
35 ナイロン糸(糸状部材)
D スロット溝の幅
P 破断誘導部の間隔
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図9に示すような光ファイバケーブルが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
図9に示すように、この光ファイバケーブル100では、中心にテンションメンバ101を有し、このテンションメンバ101の周囲に樹脂製のスロットロッド102が一体的に設けられている。スロットロッド102の外周面には、複数本の溝103が一方向にあるいは反転して平行に撚られて設けられており、溝103には光ファイバ106をテープ状に被覆したテープ心線104を積層して積層体105を形成し、この積層体105を収容している。
【0003】
スロットロッド102の外周面には上巻きテープ107が巻回されており、さらに上巻きテープ107の外側にはシース108が設けられて光ファイバケーブル100を構成している。
なお、上巻きテープ107は全面にわたって巻かれており、織布または不織布を基材としてその内側面には溝103に浸入した水の進行を防止する吸水層107aが設けられているものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−243999号公報(第3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したような光ファイバケーブル100の溝103に収容されている光ファイバ106を取り出すには、まずシース108を取り除き、上巻きテープ107を取り除く。このとき、上巻きテープ107の基材として用いられている不織布等は部分的に引き裂くのが困難であるため、一般に取り出す光ファイバ106の全長にわたって上巻きテープ107を取り除く必要があり、面倒である。
また、取り出す必要のない光ファイバ106を収容している溝103の上の上巻きテープ107も同時に取り除かれるので、取り出さない光ファイバ106が露出して、作業時に触れたりして外傷を与えるおそれもある。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、所望のスロット溝だけから光ファイバを容易に取り出すことのできる光ファイバケーブルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明にかかる光ファイバケーブルは、光ファイバを収容するスロット溝を備えたスロットロッドの外周面に上巻きテープを巻き、前記上巻きテープの外側にシースを設けた光ファイバケーブルであって、前記上巻きテープが、破断誘導部を有することを特徴としている。
【0008】
このように構成された光ファイバケーブルにおいては、光ファイバケーブルのシースを取り除いてスロット溝に収容されている光ファイバを取り出す際に、スロットロッドに巻きつけられている上巻きテープが破断誘導部から破断するので、容易に光ファイバを取り出すことができる。このとき、上巻きテープを完全に取り除かなくても破断するので、光ファイバを取り出すスロット溝以外のスロット溝に収容されている光ファイバは収容されたままの状態である。このため、作業中に他の光ファイバが邪魔にならないため作業性がよくなるとともに、他の光ファイバを傷つけることが防止できる。なお、破断誘導部としては、所望の方向へ破断を導くものであり、例えば、格子状に設けられたミシン目を例示することができる。
【0009】
また、本発明にかかる光ファイバケーブルは、前記上巻きテープが、不織布から構成されていることが望ましい。
【0010】
このように構成された光ファイバケーブルにおいては、光ファイバケーブルに水が浸入した際に、上巻きテープの吸水層により水を吸収し、ケーブルへの水の浸入を防ぐことができる。なお、不織布は吸水性のものには限定されない。
【0011】
また、本発明にかかる光ファイバケーブルは、前記破断誘導部が、前記スロット溝の幅よりも小さな間隔で設けられていることが望ましい。
【0012】
このように構成された光ファイバケーブルにおいては、破断誘導部の間隔がスロット溝の幅よりも小さいので、上巻きテープの巻き方にかかわらず光ファイバを取り出そうとするスロット溝の上に必ず破断誘導部が位置することになる。これにより、所望の光ファイバを取り出すことが可能になる。
【0013】
また、本発明にかかる光ファイバケーブルは、前記上巻きテープが、前記スロットロッドの外周面にらせん状に巻かれあるいは縦添えされていることが望ましい。
【0014】
このように構成された光ファイバケーブルにおいては、上巻きテープの巻き方にかかわらず光ファイバの取り出しが可能である。
【0015】
また、本発明にかかる光ファイバケーブルは、前記上巻きテープが、前記スロットロッドの外周面に接着されていることが望ましい。
【0016】
このように構成された光ファイバケーブルにおいては、隣合うスロット溝間にあるスロットロッドの外周面では、上巻きテープが接着されているので、スロット溝の上で上巻きテープを破断誘導部に沿って破断させても、スロット溝以外の場所では上巻きテープは剥がれない。このため、取り出したい光ファイバを収容しているスロット溝以外のスロット溝では、上巻きテープが巻かれた状態なので、他の光ファイバは露出しない。
【0017】
また、本発明にかかる光ファイバケーブルは、前記スロット溝に、前記上巻きテープを破断させるための糸状部材を引き出し可能に収納していてもよい。
【0018】
このように構成された光ファイバケーブルにおいては、取り出したい光ファイバを収容しているスロット溝の糸状部材を引き出すことにより、破断誘導部が当該スロット溝に沿って破断されることになる。これにより、所望の光ファイバを容易に取り出すことが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光ファイバケーブルの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は光ファイバケーブルの断面図、図2はスロットの斜視図、図3は上巻きテープの拡大図である。
【0020】
図1に示すように、本発明に係る光ファイバケーブルの実施形態である光ファイバケーブル10は、中心にテンションメンバ11を有し、その外側に樹脂製のスロットロッド12が押し出し成型により一体的に設けられている。図2を併せて参照するに、スロットロッド12の外周面には、光ファイバ20をテープ状に被覆したテープ心線21を積層した積層体22を収容するスロット溝13が、例えば反転して撚られて設けられている。
【0021】
再び図1を参照するに、スロットロッド12の外側には、積層体22が収容されたスロット溝13を覆うように上巻きテープ30が巻き付けられており、さらにその外側にはシース14が設けられている。
図3に示すように、上巻きテープ30は、基材である不織布31に破断誘導部としてミシン目32が設けられている。また、不織布31の下面(スロットロッド12と接する面)には、吸水機能を有する吸水層33が設けられており、外側から進入してくる水分を吸収して、内部に収容されている光ファイバ20を水から保護している。
【0022】
図4に示すように、ミシン目32の配置としては、間隔Pがスロット溝13の幅Dよりも小さくなるように、直行する格子状に設けるのがよい。このようにミシン目32を配置することにより、必ずスロット溝13の上にミシン目32が位置するため、容易に上巻きテープ30を破断させて光ファイバ20を取り出すことができる。
このような上巻きテープ30をスロットロッド12の外周に巻き付ける方法は特に限定されない。例えば、図5(A)に示すように、螺旋状に巻きつけることが可能である。あるいは、図5(B)に示すように、長手方向にまっすぐに縦添えとすることもできる。
【0023】
上巻きテープ30とスロットロッド12との間は、スロット溝13部分を除いて接着するのがよい。このため、図6に示すように、スロットロッド12の外周面でスロット溝13以外の部分に接着剤34等を塗布して、上巻きテープ30の不織布31をスロットロッド12に接着するのが好ましい。
【0024】
これにより、スロット溝13以外の場所では上巻きテープ30がスロットロッド12の外周面に接着されるので、光ファイバ20を引き出す際に不織布31をミシン目32に沿って破断させても、そのスロット溝13以外の部分では上巻きテープ30がスロットロッド12に接着されている。従って、取り出したい光ファイバ20以外の光ファイバ20は、スロット溝13に収容されていて外に出ないため、作業性が改善される。また、作業中に触れてほかの光ファイバ20を傷付けるのを防止することができる。
【0025】
さらに、図7に示すように、各スロット溝13に沿って中に糸状部材として例えば丈夫なナイロン糸35を入れておくのが好ましい。この場合には、図8に示すように、ナイロン糸35を上巻きテープ30から外側に引き出すことにより上巻きテープ30をミシン目32間を破断させて、スロット溝13に沿って切れ目36を作ることができる。
【0026】
従って、光ファイバケーブル10から所望の光ファイバ20を取り出すには、図8に示すように、まず、取り出す光ファイバ20が収容されているスロット溝13の中に収められているナイロン糸35を引き出す。ナイロン糸35は、ミシン目32を経由してスロット溝13に沿って上巻きテープ30を破断して切れ目36を形成するので、この切れ目36から所望の光ファイバ20あるいはこの光ファイバ20を含むテープ心線21を取り出す。
【0027】
以上、前述した光ファイバケーブル10によれば、光ファイバケーブル10のシース14を取り除いてスロット溝13に収容されている光ファイバ20を取り出す際に、スロットロッド12に巻きつけられている上巻きテープ30がミシン目32から破断するので、容易に光ファイバ20を取り出すことができる。このとき、上巻きテープ30を完全に取り除かなくても上巻きテープ30がスロット溝13に沿って破断するので、光ファイバ20を取り出すスロット溝13以外のスロット溝13に収容されている光ファイバ20は収容されたままの状態である。このため、作業中に他の光ファイバ20が邪魔にならないため作業性が改善されるとともに、作業中に触れて他の光ファイバ20を傷つけることが防止できる。
【0028】
また、各スロット溝13に、上巻きテープ30を引き裂くためのナイロン糸35を引き出し可能に収納しているので、取り出したい光ファイバ20を収容しているスロット溝13のナイロン糸35を引き出すことにより、上巻きテープ30の不織布31をミシン目32を通って当該スロット溝13に沿って破断することができる。これにより、所望の光ファイバ20のみを容易に取り出すことが可能になる。
【0029】
なお、本発明の光ファイバケーブル10は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した各実施形態では、スロット溝13を反転して撚っているSZスロット型の光ファイバケーブル10について説明したが、一方向に撚っている光ファイバケーブルについても適用できる。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明にかかる光ファイバケーブルによれば、請求項1に記載したように、光ファイバケーブルのシースを取り除いてスロット溝に収容されている光ファイバを取り出す際に、スロットロッドに巻きつけられている上巻きテープが破断誘導部から破断するので、容易に光ファイバを取り出すことができる。このとき、上巻きテープを完全に取り除かなくても破断するので、光ファイバを取り出すスロット溝以外のスロット溝に収容されている光ファイバは収容されたままの状態である。このため、作業中に他の光ファイバが邪魔にならないため作業性がよくなるとともに、他の光ファイバを傷つけることが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバケーブルの実施形態を示す断面図である。
【図2】スロットの斜視図である。
【図3】上巻きテープの拡大図である。
【図4】上巻きテープを巻いた状態を示す斜視図である。
【図5】(A)は上巻きテープを螺旋状に巻いた状態を示す斜視図、(B)は上巻きテープを縦添えとした場合を示す斜視図である。
【図6】上巻きテープを接着剤によりスロットロッドに接着した状態を示す斜視図である。
【図7】スロット溝にナイロン糸を入れた状態を示す斜視図である。
【図8】光ファイバケーブルから光ファイバを取り出す状態を示す斜視図である。
【図9】従来より一般的な光ファイバケーブルを示す断面図である。
【符号の説明】
10 光ファイバケーブル
12 スロットロッド
13 スロット溝
14 シース
20 光ファイバ
30 上巻きテープ
31 不織布
32 ミシン目(破断誘導部)
35 ナイロン糸(糸状部材)
D スロット溝の幅
P 破断誘導部の間隔
Claims (6)
- 光ファイバを収容するスロット溝を備えたスロットロッドの外周面に上巻きテープを巻き、前記上巻きテープの外側にシースを設けた光ファイバケーブルであって、
前記上巻きテープが、破断誘導部を有することを特徴とする光ファイバケーブル。 - 前記上巻きテープが、不織布から構成されていることを特徴とする請求項1に記載した光ファイバケーブル。
- 前記破断誘導部が、前記スロット溝の幅よりも小さな間隔で設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載した光ファイバケーブル。
- 前記上巻きテープが、前記スロットロッドの外周面にらせん状に巻かれあるいは縦添えされていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載した光ファイバケーブル。
- 前記上巻きテープが、前記スロットロッドの外周面に接着されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載した光ファイバケーブル。
- 前記スロット溝に、前記上巻きテープを破断させるための糸状部材を引き出し可能に収納したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載した光ファイバケーブル。
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