JP2006001247A - 樹脂被覆アルミニウム板 - Google Patents

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Abstract

【課題】同量のニッケル粒子使用量でも導電性を示すより高い確率を付与する樹脂被覆アルミニウム板を提供するものである。
【解決手段】本発明に係る樹脂被覆アルミニウム板は、LT方向の表面平均粗さRaが0.15〜0.35μmであるアルミニウム板と、該板の表面に形成された平均膜厚が1〜3μmの樹脂皮膜とを有し、該樹脂皮膜は球状ニッケル粒子と鱗片状ニッケル粒子とを含有していることを特徴とするものである。このような構成とすることによって、同量のニッケル粒子使用量でもより高い導電率を有する樹脂被覆アルミニウム板が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気電子部品に用いられる導電性を有する樹脂被覆アルミニウム板に関するものである。
ここで本明細書では特に断らない限り、「アルミニウム板」とは1000系の純アルミニウム板およびその他の系のアルミニウム合金板を指すものとする。
例えば、PC等の電子機器の筐体や、PCに内蔵されるCD-ROM等のドライブケース、計測機器の部品は、稼動中に生じる静電気を除去するためのアースとして使用されている。
また、該筐体やドライブケース等、計測機器部品は軽量性、成形性が求められるところから、樹脂を被覆(塗布)したアルミニウム板が使用されているが、樹脂のみで被覆すると導電性が低下するので、アースをとるために樹脂皮膜中に金属粒子を添加混練した樹脂被覆アルミニウム板を採用している。金属粒子を添加した場合には、部品の複数箇所がアースとなり、導電性を示す確率が向上し、確実性が確保されている。
ここで、かかる金属粒子としては、例えば、特許文献1にあるように、球状、鱗片状、鎖状、スパイク状のニッケル粒子が例示され、これらを添加混練した樹脂被覆アルミニウム板が提案されている。
特開2001−205730公報
しかしながら、上記した形状のニッケル粒子は、製造も面倒で高価であり、しかも環境等の見地よりその使用量の低減が望まれているが、従来の技術では、かかるニッケル粒子の使用量削減には限界があった。
このため、本発明の目的は、従来と同量のニッケル粒子使用量であっても、より高い確率で導電性を示す樹脂被覆アルミニウム板を提供するものである。
本発明者らは、アルミニウム板の表面粗さを粗くし、被覆される樹脂皮膜中に添加混練されるニッケル粒子を球状ニッケル粒子と鱗片状ニッケル粒子とした場合は、使用するニッケル粒子量を同一とした場合にも、導電率が高くなることを見出して本発明を完成するに至ったのである。
即ち、本発明に係る樹脂被覆アルミニウム板は、LT方向の表面平均粗さRaが0.15〜0.35μmであるアルミニウム板と、前記アルミニウム板の表面に形成された平均膜厚が1〜3μmの樹脂皮膜とを有し、且つ、前記樹脂皮膜は球状ニッケル粒子と鱗片状ニッケル粒子とを含有していることを特徴とするものである。
好ましくは、前記球状ニッケル粒子は該ニッケル粒子の90wt%以上が粒径1〜11μmであって且つ該ニッケル粒子の平均粒径が3〜7μmであり、前記鱗片状ニッケル粒子は該ニッケル粒子の90wt%以上が長径1〜110μmであって且つ該ニッケル粒子の長径平均が10〜30μmであることを特徴とするものである。
更に好ましくは、前記球状ニッケル粒子が前記樹脂皮膜の重量に対して20〜40wt%、前記鱗片状ニッケル粒子が5〜15wt%含有していることを特徴とするものである。
本発明に係るアルミニウム板と樹脂皮膜とを採用すれば、従来と同量のニッケル粒子使用量であっても、より高い導電率を有する樹脂被覆アルミニウム板が得られる。
即ち、アルミニウム板表面に形成された樹脂皮膜中のニッケル粒子を、該アルミニウム板のLT方向の表面平均粗さRaと該板の表面に形成された樹脂皮膜の平均膜厚との関係において球状ニッケル粒子と鱗片状ニッケル粒子とした場合には、従来と同量のニッケル粒子使用量でより高い導電率を付与する樹脂被覆アルミニウム板が得られるので、十分な導電性を有し、かつ安価なPC等の電子機器の筐体や、PCに内蔵されるCD-ROM等のドライブケース、計測機器の部品等に最適となる効果を有する。
本発明におけるアルミニウム板は、合金組成を限定するものでなく、また、アルミニウム板の厚さを限定するものではないが、PC等の電子機器筐体のような比較的強度の求められるような部品の場合はJIS1000系、5000系等が用いられ、かつCD-ROM等のドライブケースのような成形性の求められるような部品の場合はJIS5000系が使用される。厚さは筐体で約0.6〜1.0mm、ドライブケースで約0.4〜0.8mmである。
該アルミニウム板の溶製および製板は常法でよく、例えば合金溶湯を脱ガス、鎮静後DC法またはCC法で鋳造し、得られたスラブを均質化熱処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍して所定の厚さの板とする。
次に本発明を、図面を用いて説明する。
図1は本発明を模式的に示した説明図である。
ここで、LT方向とは圧延工程において、ロール面粗さに起因して生ずる「粗面化方向」、即ち圧延面において圧延方向に直角な方向をいう。
1はアルミニウム板を示し、2はアルミニウム板1のLT方向の表面粗さ面を示す。
このLT方向の表面粗さ面2は従来の表面粗さ面12(図2参照)より粗くされている。表面平均粗さRaはRa=0.3μmである。3は表面粗さ面2の凸部を示す。該凸部3は従来の凸部13より高い状態になる(図2参照)。鱗片状ニッケル粒子4はこれら凸部3間を跨るように架橋され、その鱗片状ニッケル粒子4上に球状ニッケル粒子5が載置されている。該球状ニッケル粒子5は樹脂皮膜面6より一部が突出して空間に曝されている。即ち、球状ニッケル粒子5は、従来の凸部13より高い凸部3の上に跨って乗っている鱗片状ニッケル粒子4上に載置されているので、樹脂皮膜面6の膜厚が同厚であれば、容易に樹脂皮膜面6より一部が突出して空間に曝され、導電性を示す確率が高くなってアースが安定して取れることが分る。
図2は従来のアルミニウム板を模式的に示し、図1で示した球状ニッケル粒子5、鱗片状ニッケル粒子4、樹脂皮膜面6を用いた図1と同様の説明図である。
12は図1のLT方向の表面粗さ面2に相当する表面粗さ面であるが、図1の粗さ面2より平滑で、その表面平均粗さ(Ra)はRa=0.10μmである。13は表面粗さ面12の凸部を示す。該凸部13は本発明の凸部3より低い状態にある。従って球状ニッケル粒子5は凸部13間に跨って乗っている鱗片状ニッケル粒子4上に載置されているが、樹脂皮膜面6より突出し難く空間に曝される可能性が少ないので、導電性を示す確率が低くアースが安定してとれないことが分る。
アルミニウム板表面のLT方向の平均粗さ(Ra)は、圧延、熱処理の諸条件を変えることによって得られるが、特に最終冷間圧延工程の圧延ロールの表面平均粗さを規定することによって確実に得られる。即ち、最終冷間圧延工程前の圧延、熱処理の諸条件にもよるが、最終冷間圧延工程の圧延ロールの表面平均粗さをRaで0.15〜0.35μm、好ましくはこの値より例えば0.01〜0.04μm程度高めに設定しておくと確実に所望の粗度が得られる。
該素材が押出材の場合は、ダイスの粗度(Ra)を前記粗さに調整しておけば良い。
表面平均粗さ(Ra)は、JISB0601-1994 に示される算術平均粗さ(Ra)の定義および表示による。なお、カットオフ値も同JISによる。
LT方向の表面平均粗さRaを0.15〜0.35μmとしたのは、Raが0.15μm未満では、粗面化された凸部と凸部に跨るように架橋される鱗片状ニッケル粒子および該鱗片状ニッケル粒子上に載置している球状ニッケル粒子の高さが低く、被覆した樹脂皮膜に、鱗片状ニッケル粒子上に載置される球状ニッケル粒子の埋没する量が多くなって、導電性を示す確率が低下する。またRaが0.35μmを超えると、球状ニッケル粒子と鱗片状ニッケル粒子との脱落防止のために樹脂皮膜の平均膜厚を厚くしなくてはならずコスト高となる。
前記の表面平均粗さ(Ra)が0.15〜0.35μmであるアルミニウム板は、脱脂処理等の前処理で清浄化した後、直接に本発明に係る球状ニッケル粒子と鱗片状ニッケル粒子とを含有する樹脂皮膜を塗布してもよいが、該アルミニウム板と樹脂皮膜の密着性を向上させるために、該板に下地処理層を設けておくことが好ましい。即ち、本発明の“アルミニウム板の表面に形成された”における表面とは、酸またはアルカリもしくは中性剤で脱脂処理した清浄化したままの下地処理層を設けていないものでもよく、例えば燐酸クロメート処理等でクロミウムを好ましくは20〜40mg/m2程度設けて下地処理層を設けてもいいことを意味する。その他の下地処理としては、ジルコニウム系、チタニウム系、リン酸塩系、蓚酸塩系等のノンクロメート系の処理も適応できるが、これらに限定されない。
清浄化処理または更に下地処理された前記Raが0.15〜0.35μmであるアルミニウム板の表面に球状ニッケル粒子と鱗片状ニッケル粒子とを含有している樹脂皮膜を形成する。樹脂皮膜はアルミニウム板に耐食性付与とニッケル粒子の接着のために設ける。該樹脂皮膜の平均膜厚は1〜3μmとする。平均膜厚が1μm未満では樹脂皮膜の厚さが薄すぎ成形時コーナー部の樹脂皮膜が切れて、コーナー部の耐食性が低下すると共に、ニッケル粒子を接着する力が低下し脱落が多くなり、導電性を示す確率が低下する。また3μmを超えると前述したごとく、ニッケル粒子が樹脂皮膜に埋没し易くなって導電性を示す確率が低下する。
ここで樹脂皮膜の平均膜厚は、皮膜塗布材(乾燥皮膜)の10cm角の重量から皮膜を除去したアルミニウム板材の重量を差し引き、得られた乾燥皮膜重量を面積で除し、この単位面積あたりの乾燥皮膜重量をさらに乾燥皮膜の比重で除した値で表す。
球状ニッケルとは、ほぼ真球で粒子がそれぞれ独立している粒子をいう。従って、極端に異型の粒子でもなく、また粒子の連鎖した鎖状の粒子でもない。粒子が異型であると、例えば長径と短径との差が20%以上も有るような粒子であると、含有重量が多い割には樹脂皮膜に埋没する粒子が多く生じ、導電性を示す確率が低下する。また粒子の連鎖した鎖状の粒子では、粒子の分散割合が低下して、同量のニッケル粒子で導電性を示す確率が低下する。
鱗片状ニッケル粒子とは、扁平な粒子をいう。扁平であると鱗片状ニッケル粒子が粗面化されたアルミニウム板の凸部と凸部に跨るように架橋し、しかも球状ニッケルを鱗片状ニッケル粒子上に載置させ、球状ニッケル粒子と鱗片状ニッケル粒子とが相俟って、樹脂皮膜内に埋没する粒子の割合を減少させて導電性を示す確率を向上する。
球状ニッケル粒子は、90wt%以上が粒径1〜11μmであって、その粒子の平均粒径が3〜7μmである粒子を使用することが好ましい。
球状ニッケル粒子のサイズは、樹脂皮膜に含有分散させる球状ニッケル粒子のうち、90wt%以上の量が所定寸法を具備しない場合は、添加量が多い割には導電性を示す確率が低下する傾向があるからである。即ち、球状ニッケル粒子の粒径が1μm未満の粒子が多くなると、樹脂皮膜内に埋没する粒子の割合が多くなるからである。また粒子の粒径が11μmを超える粒子が多くなると、同じ添加重量でも粒子数が減ったり、樹脂皮膜面から脱落する粒子が多くなって、添加量が多い割には導電性が低下する傾向があるからである。このような場合は用途によっては配線をショートさせる虞がある。一方、90wt%以上が、粒径1〜11μmではあるが、球状ニッケル粒子の平均粒径が3μm未満では樹脂皮膜内に埋没する粒子の割合が多くなり、導電性を示す確率が低下する。また平均粒径が7μmを超えると 同じ添加重量でも粒子数が減ったり、樹脂皮膜面から脱落する粒子が多くなり、導電性を示す確率が低下する傾向がある。このような場合は用途によっては配線をショートさせる虞がある。
鱗片状ニッケル粒子は、90wt%以上が、長径1〜110μmであって粒子の長径の平均が10〜30μmであるものを使用することが好ましい。
鱗片状ニッケル粒子のサイズは、樹脂皮膜に含有分散させる鱗片状ニッケル粒子のうち、90wt%以上の量が所定寸法を具備しない場合は、添加量が多い割には導電性を示す確率が低下する傾向があるからである。即ち、鱗片状ニッケル粒子の長径が1μm未満の粒子が多くなると、アルミニウム板の表面粗さ面の凸部と凸部を跨るように架橋する粒子数が少なく、球状ニッケル粒子を燐片状ニッケル粒子上に載置させ樹脂皮膜面の十分な高さまでに達する数が少なく、導電性を示す確率が低下する傾向があるからである。また粒子の長径が110μmを超える粒子が多くなると、アルミニウム板の前記凸部と凸部に跨って架橋する粒子の高さの高い数が多く、その上に載置した球状ニッケル粒子のうち樹脂皮膜面から脱落する粒子が多くなって、添加量が多い割には導電性を示す確率が低下する傾向があるからである。このような場合は上述の如く用途によっては配線をショートさせる虞がある。一方、90wt%以上の粒子の長径が1〜110μmではあるが、長径の平均が10μm未満ではアルミニウム板の前記凸部と凸部に跨って架橋する粒子数が少なく、球状ニッケル粒子を鱗片状ニッケル粒子上に載置させ樹脂皮膜面の十分な高さまでに達する数が少なく、導電性が低下する傾向があるからである。また長径の平均粒径が30μmを超えると、アルミニウム板の前記凸部と凸部に跨って架橋する粒子の高さの高い数が多く、その上に載置した球状ニッケル粒子の樹脂皮膜面から脱落する粒子が多くなって
、添加量が多い割には導電性を示す割合が低下する傾向があるからである。このような場合は上述の如く用途によっては配線をショートさせる虞がある。
また前記所定寸法の球状ニッケル粒子を前記樹脂皮膜の重量に対して20〜40wt%および鱗片状ニッケル粒子を5〜15wt%含有させると所定の導電性が付与できて好ましい。
球状ニッケル粒子および鱗片状ニッケル粒子のいずれかが下限値未満では所定の導電性を示す確率を向上させるには添加量を多くする必要がある。またいずれかを上限値を超えて含有させても導電性を示す確率の著しい向上はなく、かえってアルミニウム板の成形性を低下させる。なお、前記樹脂皮膜の重量は溶剤等の揮発した乾燥樹脂の重量である。
球状ニッケル粒子および鱗片状ニッケル粒子を所定量含有する樹脂皮膜は、ポリエステル系、エポキシ系、フェノール系、アルキド系等の樹脂の1種もしくは混合からなり限定されない。
これら樹脂は溶剤に溶解し、プレス加工性の向上する潤滑剤としてワックス系助剤、フッ素系樹脂、またニッケル粒子の沈降防止助剤、消泡助剤、レベリング助剤等の補助剤を適宜添加する。
被覆方法は、球状ニッケル粒子、鱗片状ニッケル粒子および各種補助剤を適宜添加し、粘度調整剤を添加攪拌して均一に分散させた樹脂を、ロールコートする。ロールコートはニッケル粒子の沈降の影響を減少させるために、トップフィード方式の2ロールまたは3ロール方式が好ましいが限定しない。被覆後は室温または加熱雰囲気で乾燥させる。
[実施例]
(実施例1)
球状、鎖形、スパイク状もしくは鱗片状粒子のうち、各同量添加した場合にいずれの粒子が導電性を示す確率が高いかを知るためにテストした。
Ra0.20μmで板厚0.8mmのアルミニウム板を用いた。この板は5052のH34で、アルカリ液で脱脂洗浄し、燐酸クロメート処理でクロミウム20mg/m2となるように下地処理した。
樹脂はポリエステル系樹脂を用い、膜厚は2μm、乾燥樹脂に対して、各粒子の添加量30wt%
使用した粒子は下記のとおりである。
球状ニッケル粒子(球):粒径範囲1〜11μm、平均粒径3〜7μm。
鎖形状ニッケル粒子(鎖):粒径範囲1〜50μm、平均粒径6〜20μm。
スパイク状ニッケル粒子(ス):粒径範囲1〜30μm、平均粒径5〜10μm。
鱗片状ニッケル粒子(鱗):粒径範囲1〜110μm、平均粒径10〜30μm。
結果を表1に示す。
<導電性確率>
得られた樹脂被覆アルミニウム板について、四端子法により、鋼製のプローブ(直径10mm)荷重100grで樹脂皮膜面のランダムの個所を100点押圧した時の電気抵抗値を測定し、10Ω以下であった個所数を示す。

Figure 2006001247
表1の結果から、球状粒子は導電性の確率が高く、同じ導電性を示す確率を得るには他の粒子に対して使用量が少なくて済むことが分る。
(実施例2)
球状ニッケル粒子に各他形粒子を加え、いずれの組み合わせが一番導電性を示す確率が高いか知るために、Ra0.15μm、添加量(球)30wt%+他形状(鎖、スパイク、鱗片)各10wt%、膜厚2.5μmでテストした。
使用した粒子は実施例1と同じである。
結果を表2に示す。
Figure 2006001247
表2の結果から、球+鱗の組み合わせのアルミニウム板(試料番号2-3)が他のものより導電性を示す確率が高いことが分る。3種以上のニッケル粒子の組み合わせを混練した樹脂皮膜を被覆したアルミニウム板(試料番号 2-4,2-5,2-6,2-7)は、全ニッケル添加量が増えても 著しい効果が見られないことが分る。
(実施例3)
Raの範囲を確定するために、Ra変え、樹脂皮膜の膜厚および樹脂皮膜に含有する粒子の割合を一定としてテストした。即ち、仕上げ圧延ロールの表面粗度を種々に変えて圧延し、各種値の表面粗度のアルミニウム板を得た。この板の板厚は0.8mmとした。またこの板は5052のH34である。次ぎにアルカリ液で脱脂洗浄し、燐酸クロメート処理でクロミウム20mg/m2となるように下地処理した。
樹脂はポリエステル系樹脂を用い、乾燥樹脂に対して、90wt%以上が粒径1〜11wt%であってその粒径の平均が3〜7μmの球状ニッケル粒子の30 wt%、および90wt%以上が長径1〜110μmであってその粒子の長径の平均が10〜30μmの鱗片状ニッケル粒子の10 wt%を用いた。
溶剤に溶解した前記樹脂皮膜に前記ニッケル粒子と各種助剤を添加攪拌して均一化し、トップフィード方式の3ロール法で塗布した。200℃雰囲気で1分間保持して乾燥した。樹脂皮膜の膜厚は2μmであった。
このようにして得られた樹脂被覆アルミニウム板の粒子脱落の有無、導電性確率および耐食性を測定した。測定は下記によった。結果を表3に示す。
<粒子脱落の有無> セリ曲げ(試料を、治具を用いて摺りながら直角に曲げる)した後のニッケルの脱落痕を50倍顕微鏡で観測した。
<導電性> 実施例1と同じ。
<耐食性> 塩水噴霧試験(JIS−Z 2371)100時間
Figure 2006001247
表3の結果から、LT方向の表面平均粗さRaが本発明範囲内にあるアルミニウム板(試料番号3-2,3-3)は、高確率で導電性が良く、しかも粒子脱落が無く耐食性も好ましいことが分る。
一方、LT方向の表面平均粗さRaが小さく本発明範囲外にあるアルミニウム板(試料番号3-1)は、確率が低く導電性に劣る。また表面平均粗さRaが大きく本発明範囲外にあるアルミニウム板(試料番号3-4)は、凸部で粒子の脱落が看られ、耐食性も好ましくないことが分る。
(実施例4)
樹脂皮膜の膜厚の範囲を確定するために、樹脂皮膜の膜厚を変え、Raおよび樹脂皮膜に含有する粒子の割合を一定としてテストした。即ち、仕上げ圧延ロール変えることなく圧延し、表面粗度Ra0.25μmのアルミニウム板を得た。板厚、板の類の種、調質および板の表面処理ならびに樹脂皮膜、粒子およびその量、塗布方法ならびに乾燥等は実施例3と同じにした。
このようにして得られたアルミニウム板の成形性と導電性確率を測定した。測定は実施例3と同じである。結果を表4に示す。
Figure 2006001247
表4の結果から、樹脂皮膜の膜厚が本発明範囲内にあるアルミニウム板(試料番号4-2,4-3)は、高確率で導電性が良好でしかも粒子脱落が無く耐食性も好ましいことが分る。
一方、樹脂皮膜の膜厚が薄く本発明範囲外にあるアルミニウム板(試料番号4-1)は、低確率で導電性が好ましくなく、粒子の脱落が有り、耐食性も好ましくない。また樹脂皮膜の膜厚が厚く本発明範囲外にあるアルミニウム板(試料番号4-4)は、低確率で導電性が好ましくないことが分る。
(実施例5)
球状ニッケル粒子の粒径が1〜11μmであることを確認するために、鱗片状ニッケル粒子一定として、
球状ニッケル粒子の粒径が1μm未満の粒子、
球状ニッケル粒子の90wt%以上の粒子が粒径1〜11μmであってその粒径の平均が3〜7μmの粒子、
球状ニッケル粒子の粒径が11μm超えの粒子、および
一定とする鱗片状ニッケル粒子は、90wt%以上が長径1〜110μmであってその粒子の長径平均が10〜30μmの粒子を使用し、
表面粗度Ra0.25μmのアルミニウム板を使用し、板厚、板の類の種、調質および板の表面処理ならびに樹脂皮膜、粒子の添加量、塗布方法ならびに乾燥等は実施例3と同じにした。
このようにして得られたアルミニウム板の導電性と成形性を測定した。測定は実施例3と同じである。結果を表5に示す。
Figure 2006001247
表5から分るように、使用する粒子が本発明範囲内にあるアルミニウム板(試料番号5-1)は、高確率で導電性が良好で粒子の脱落もない。
一方、使用する粒子が細かく本発明範囲外にあるアルミニウム板(試料番号5-2)は、低確率で導電性が好ましくない。また使用する粒子が大きく本発明範囲外にあるアルミニウム板(試料番号5-3)は、粒子の脱落があり好ましくないことが分る。
(実施例6)
球状ニッケル粒子の粒径の平均が3〜7μmであることの確認するために、鱗片状ニッケル粒子一定として、
球状ニッケル粒子の90wt%以上が粒径1〜11μmであってその粒径の平均が3μm未満である粒子、
球状ニッケル粒子の90wt%以上が粒径1〜11μmであってその粒径の平均が3〜7μmであるである粒子、
球状ニッケル粒子の90wt%以上が粒径1〜11μmであってその粒径の平均が7μmを超える粒子、および
一定とする鱗片状ニッケル粒子は、90wt%以上が長径1〜110μmであってその粒子の長径平均が10〜30μmの粒子を使用し、
表面粗度Ra0.25μmのアルミニウム板を使用し、板厚、板の類の種、調質および板の表面処理ならびに樹脂皮膜、粒子の添加量、塗布方法ならびに乾燥等は実施例3と同じにした。結果を表6に示す。
Figure 2006001247
表6から分るように、使用する粒子が本発明範囲内にあるアルミニウム板(試料番号6-1)は、高確率で導電性が良好で、粒子の脱落もない。
一方、使用する平均粒子が細かく本発明範囲外にあるアルミニウム板(試料番号6-2)は、低確率で導電性が好ましくない。また使用する平均粒子が大きく本発明範囲外にあるアルミニウム板(試料番号6-3)は、粒子の脱落があり好ましくないことが分る。
(実施例7)
鱗片状ニッケル粒子の長径が1〜110μmであることの確認するために、球状ニッケル粒子一定として、
鱗片状ニッケル粒子の長径が1μm未満の粒子、
鱗片状ニッケル粒子の90wt%以上が、長径が1〜110μmであって、その粒子の長径平均が10〜30μmの粒子、
鱗片状ニッケル粒子の長径が110μm超えの粒子、および
一定とする球状ニッケル粒子は、90wt%以上が粒径1〜11μmであってその粒径の平均が3〜7μmの粒子を使用し、
表面粗度Ra0.25μmのアルミニウム板を使用し、板厚、板の類の種、調質および板の表面処理ならびに樹脂皮膜、粒子の添加量、塗布方法ならびに乾燥等は実施例3と同じにした。結果を表7に示す。
Figure 2006001247
表7から分るように、使用する鱗片状ニッケル粒子が本発明範囲内にあるアルミニウム板(試料番号7-1)は、高確率で導電性が良好で、粒子の脱落もない。
一方、使用する鱗片状ニッケル粒子が細かく本発明範囲外にあるアルミニウム板(試料番号7-2)は、低確率で導電性が好ましくない。また使用する鱗片状ニッケル粒子が大きく本発明範囲外にあるアルミニウム板(試料番号7-3)は、粒子の脱落があり好ましくないことが分る。
(実施例8)
鱗片状ニッケル粒子の長径平均が10〜30μmであることの確認するために、
球状ニッケル粒子一定として、
鱗片状ニッケル粒子の90wt%以上が、長径が1〜110μmであって、その粒子の長径平均が10〜30μmである粒子、
鱗片状ニッケル粒子の90wt%以上が、長径が1〜110μmであって、その粒子の長径平均が10μm未満である粒子、
鱗片状ニッケル粒子の90wt%以上が、長径が1〜110μmであって、その粒子の長径平均が30μm超える粒子、および
一定とする球状ニッケル粒子は粒径1〜11μmであってその粒径の平均が3〜7μmであるである粒子を使用し、
表面粗度Ra0.25μmのアルミニウム板を使用し、板厚、板の類の種、調質および板の表面処理ならびに樹脂皮膜、粒子の添加量、塗布方法ならびに乾燥等は実施例3と同じにした。結果を表8に示す。


Figure 2006001247
表8から分るように、使用する粒子が本発明範囲内にあるアルミニウム板(試料番号8-1)は、高確率で導電性が良好で、粒子の脱落もない。
一方、使用する平均粒子が細かく本発明範囲外にあるアルミニウム板(試料番号8-2)は、低確率で導電性が好ましくない。使用する平均粒子が大きく本発明範囲外にあるアルミニウム板(試料番号8-3)は、粒子の脱落があり好ましくないことが分る。
(実施例9)
添加する球状ニッケル粒子全量が20〜40wt%であることを確認するために、球状ニッケル粒子の添加量を種々に変え、鱗片状ニッケル粒子は一定とした。
90wt%以上が粒径1〜11μmであってその粒径の平均が3〜7μmである球状ニッケル粒子の添加量を種々に変え、および90wt%以上が、長径1〜110μmであってその粒子の長径平均が10〜30μmである鱗片状ニッケル粒子を10wt%添加使用した。
表面粗度Ra0.25μmのアルミニウム板を使用し、板厚、板の類の種、調質および板の表面処理ならびに樹脂皮膜、塗布方法ならびに乾燥等は実施例3と同じにした。結果を表9に示す。
Figure 2006001247
表9の結果から、球状ニッケル粒子の添加量が本発明範囲内であるアルミニウム板(試料番号9-2,9-3)は、高確率で導電性が良好で、粒子の脱落もないことが分る。
一方、球状ニッケル粒子の添加量が本発明範囲を下回るアルミニウム板(試料番号9-1)は、低確率で導電性が好ましくない。また球状ニッケル粒子の添加量が本発明範囲を上回るアルミニウム板(試料番号9-4)は、粒子の脱落があり好ましくないことが分る。
(実施例10)
添加する鱗片状ニッケル粒子量が5〜15wt%であることを確認するために、鱗片状ニッケル粒子の添加量を種々に変え、
球状ニッケル粒子は一定とした。
90wt%以上が、長径1〜110μmであってその粒子の長径平均が10〜30μmである鱗片状ニッケル粒子の添加量を種々に変え、および90wt%以上が粒径1〜11μmであってその粒径の平均が3〜7μmである球状ニッケル粒子を30wt%添加使用し、
表面粗度Ra0.25μmのアルミニウム板を使用し、板厚、板の類の種、調質および板の表面処理ならびに樹脂皮膜、塗布方法ならびに乾燥等は実施例3と同じにした。結果を表10に示す。
Figure 2006001247
表10の結果から、鱗片状ニッケル粒子の添加量が本発明範囲内であるアルミニウム板(試料番号10-2,10-3)は、高確率で導電性が良好で、粒子の脱落もないことが分る。
一方、鱗片状ニッケル粒子の添加量が本発明範囲を下回るアルミニウム板(試料番号10-1)は、低確率で導電性が好ましくない。また鱗片状ニッケル粒子の添加量が本発明範囲を上回るアルミニウム板(試料番号10-4)は、粒子の脱落がありしかも低確率で好ましくないことが分る。
本発明の樹脂被覆アルミニウム板は、同等の導電性を付与するのに樹脂皮膜中に含有させるニッケル粒子量が少なくてすみ、低廉なコストで生産が可能であるから、アースが必要な電気・電子等のケースや部品に経済的に有利に使用することができる。
本発明を模式的に示した説明図である。 従来のアルミニウム板を模式的に示す図1と同様の説明図である。
符号の説明
1 アルミニウム板
2 表面粗さ面
3 凸部
4 鱗片状ニッケル粒子
5 球状ニッケル粒子
6 樹脂皮膜面

Claims (3)

  1. LT方向の表面平均粗さRaが0.15〜0.35μmであるアルミニウム板と、前記アルミニウム板の表面に形成された平均膜厚が1〜3μmの球状ニッケル粒子と鱗片状ニッケル粒子とを含有する樹脂皮膜とから構成されていることを特徴とする樹脂被覆アルミニウム板。
  2. 前記球状ニッケル粒子は該ニッケル粒子の90wt%以上が粒径1〜11μmであって且つ該ニッケル粒子の平均粒径が3〜7μmであり、前記鱗片状ニッケル粒子は該ニッケル粒子の90wt%以上が長径1〜110μmであって且つ該ニッケル粒子の長径平均が10〜30μmであることを特徴とする請求項1記載の樹脂被覆アルミニウム板。
  3. 前記球状ニッケル粒子が前記樹脂皮膜の重量に対して20〜40wt%、前記鱗片状ニッケル粒子が5〜15wt%含有していることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂被覆アルミニウム板。

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JP2009034973A (ja) * 2007-07-09 2009-02-19 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 導電性プレコートアルミニウム合金板
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