JP2005536759A - Maldi−マトリックス - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、新規なマトリックス、すなわちイオン性液体である、したがって室温で液体であるマトリックスを含む。これらのマトリックスは、プロトン受容体として反応するアミンの塩と、プロトン供与体として反応する有機物質とで構成され、これらのアミンまたは有機物質のいずれかはUV光を吸収する。本発明のアミンは、3−アミノキノリン、ピリジン、第1級アミンであって、そのN原子が、フェニル残基、あるいはOH基で置換されていてもよい線状または分岐の飽和C1〜C11アルキル残基と結合していてもよい第1級アミン、第2級または第3級アミンであって、そのN原子が、OH基で置換されていてもよい線状または分岐の飽和C1〜C8アルキル残基、およびフェニル残基であってよい、同種でも異種でもよい2または3個の残基と結合していてもよい第2級または第3級アミン、イミダゾール、ならびにC−および/またはN−アルキル化イミダゾール誘導体である。

Description

本発明は、プロトン受容体として反応するアミンの塩と、プロトン供与体として反応する有機物質とからなり、前記アミンまたは前記有機物質のいずれかはUV光を吸収する、紫外マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析用マトリックス、ならびにそのようなマトリックスの使用に関する。
紫外マトリックス支援レーザー脱離−/イオン化−質量分析は、一般にUV−MALDI−MSと略記される。
UV−MALDI−MSの分析の原理は、検体とUV光吸収性マトリックス物質との共結晶化で得られる生体分子を含む分子の、マトリックス支援レーザー脱離およびイオン化に基づいている。このようなUV光吸収性物質は、単にMALDIマトリックスと呼ばれる場合もある。
一般的なMALDIマトリックスは、例えば、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)、α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(CHCA)、およびtrans−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸(シナピン酸)である。
検体とマトリックスとの共結晶化は、例えば一般には、上記UV光吸収性マトリックス物質と検体との水溶液を金属製サンプルホルダー上で混合し乾燥させることによって行われる。続いて、共結晶化の固相から発生するイオンは、質量分析装置で検出され、これらの装置は、例えば、TOF、四重極、イオントラップ、またはFTICRの原理、またはこれらの技術の組み合わせに基づいている。
UV−MALDI−MSは、分子または生体分子の質量分析に主として使用され、例えば炭水化物、タンパク質、ペプチド、ヌクレオチド、および脂質、例えばそれらの対応する複合体、例えば糖タンパク質、リポタンパク質などの質量分析に使用される。細胞全体および微生物の直接的な特性決定も、MALDI−MS分析によって可能となる。これに関して、例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3を参照することができる。
MALDI−MSは多くの利点を有する。これらの中では特に、分析の高感度(単離物でフェムトモルからアトモルの範囲)、不純物および種々の緩衝物質に対する高い許容性、単純な試料調製(「乾燥液滴法」)、およびMALDI−MSの原理のハイスループット分析への統合化が挙げられる。
さらに、質量分析によって検査および検出できるよう分子を修飾するために、MALDIのターゲットまたはMALDIサンプルホルダーに対して酵素を使用することが可能である。この場合、酵素と、検体/物質と、ATTなどの中性の従来のMALDIマトリックスとの溶液がMALDIターゲット上に直接塗布される。次に、進行する酵素反応は、反応混合物の乾燥および共結晶化によって停止する。続いて、通常通り、MALDIによる反応生成物の分析を、実際の酵素反応の後に実施することができる。あるいは、後にDHBなどの酸性マトリックスを反応混合物に加えて、酵素反応を終了させることもできる。
しかし、固体マトリックスまたは固体検体の調製を伴うMALDI−MS分析の重大な欠点は、同じ調製物または同じ標本の異なる場所からの脱離中に検体の信号強度が大きくばらつくことが多いことである。このばらつきは、第1に、乾燥させた調製物の表面上で検体分子の分布が異なることが原因である。第2に、この原因は、検体/試料およびマトリックスの乾燥共結晶化で得られる結晶格子中に異なる種類の物質が異なる程度で混入することに見ることができる。そこで、より均一な結晶化を実現するために、種々の調製手順が既に提案されている。そのようなものとしては、例えば、薄層調製(非特許文献4)、結晶化の核として機能するマトリックス結晶薄層の調製、ニトロセルロースおよびフコースの添加の利用、ならびにDHBまたはCHCAなどの通常のMALDIマトリックスのグリセリン中への溶解(非特許文献5)が挙げられる。しかし、これらの最適化された手順は常に、MALDI−MS分析のいくつかの状況に関する問題を解決するのみである。
有機酸のアミン塩からなるイオン性液体も、MALDI−MS用のマトリックスとして既に提案されており、非特許文献6を参照することができる。これは、種々の桂皮酸誘導体のアミン塩、またはアミノキノリンとCHCAとから得られるアミン塩に関する(非特許文献7)。
アロミラ(Alomirah)HF,アリ(Alli)I,コニシ(Konishi)Y.,食用タンパク質およびペプチドへの質量分析の適用(Applications of mass spectrometry to food proteins and peptides),J.Chromatogr.A.2000 Sep 29;893(1);1−21,Review。 クスマン(Kussmann)M,レプストルフ(Roepstorff)P.MALDI−MSにより分析されるペプチドおよびタンパク質の試料調製技術(Sample preparation techniques for peptides and proteins analysed by MALDI−MS),Methods Mol.Biol,2000;146:405−24。 ボンク(Bonk)T,ハムニー(Humney)A.,タンパク質およびDNAのMALDI−TOF−MS分析(MALDI−TOF−MS analysis of Protein and DNA),Neuroscientist,2001,27(5),465−72。 ボーム(Vorm)O.,レプストルフ(Roepstorf),P.,マン(Mann)M.,Anal.Chem.,64、1992,1879−1884。 セー(Sze)ET,チャン(Chan)TW,ワン(Wang)G.生体分子のマトリックス支援レーザー脱離/イオン化のためのマトリックス溶液の調合(Formulation of matrix solutions for use in matrix−assisted laser desorption/ionization of biomolecules),J.Am.Soc.Mass.Spectrom.1998 Feb;9(2);166−74。 D.W.アームストロング(Armstrong)ら,Anal,Chem.2001,73,3679−3686。 コリ(Kolli)VSK,オルランド(Orlando)R,Rapid Commun.Mass Spectrom.1996,10:923−926。
本発明の目的は、誤りがなく再現性のある分析値を得ることができ、特に、純粋な質量分析を、監視が可能な酵素反応/修飾から得られるさらなる知見と組み合わせることが可能になるUV−MALDI−MS用の改善されたマトリックスを提供することである。
この目的は、請求項1から4の教示によるマトリックスによって、さらには、使用の請求項の教示によりイオン性液体の形態のこのマトリックスを使用することによって実現される。
本発明の対象は、新規なマトリックス、すなわちイオン性液体である、したがって室温で液体であるマトリックスを含む。これらのマトリックスは、プロトン受容体として反応するアミンの塩と、プロトン供与体として反応する有機物質とで構成され、これらのアミンまたは有機物質のいずれかはUV光を吸収する。本発明のアミンは、3−アミノキノリン、ピリジン、第1級アミンであって、そのN原子が、フェニル残基、あるいはOH基で置換されていてもよい線状または分岐の飽和C1〜C11アルキル残基と結合していてもよい第1級アミン、第2級または第3級アミンであって、そのN原子が、OH基で置換されていてもよい線状または分岐の飽和C1〜C8アルキル残基、およびフェニル残基であってよい、同種でも異種でもよい2または3個の残基と結合していてもよい第2級または第3級アミン、イミダゾール、ならびにC−および/またはN−アルキル化イミダゾール誘導体である。
したがって、上記C1〜C8アルキル残基は1、2、3、4、5、6、7、または8個のC原子を有することができ、第1級アミン中のC1〜C11アルキル残基は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11個のC原子を有することができる。
したがって、本発明により使用されるアミンとしては、以下のものが挙げられる;
・第1級アミンであって、そのN原子が、OH基で置換されていてもよい、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、n−ウンデシル、またはイソウンデシルの残基、あるいはフェニル残基と結合している第1級アミン。
・第2級または第3級アミンであって、そのN原子が、OH基で置換されていてもよい、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、およびイソオクチルの残基、ならびにフェニル残基からなる群より選択される、同種でも異種でもよい、2または3個の残基と結合している第2級または第3級アミン。
・3−アミノキノリン、ピリジン、イミダゾール、およびC−および/またはN−アルキル化イミダゾール誘導体(アルキル残基は、同種でも異種でもよく、特に、1、2、3、4、5、または6個のC原子を有することができる)。
上記のイソ残基は、すべての存在しうる異性体を含んでいる。
本発明の有機物質は、2,5−ジヒドロキシ安息香酸およびその異性体(特に2,6−ジヒドロキシ安息香酸)、2−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸およびその異性体、ピコリン酸、3−ヒドロキシピコリン酸、ニコチン酸、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、6−アザ−2−チオチミン、トリフルオロメタンスルホネート、2’,4’,6’−トリヒドロキシアセトフェノン一水和物、2’,6’−ジヒドロキシアセトフェノン、9H−ピリド[3,4−b]インドール、ジスラノール、trans−3−インドールアクリル酸、オサゾン類、フェルラ酸、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、1−ニトロカルバゾール、7−アミノ−4−メチルクマリン、2−(p−ヒドロキシフェニルアゾ)−安息香酸、8−アミノピレン−2,3,4−トリススルホン酸、2[2E−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−メチルプロプ−2−エニリデン]マロノニトリル(DCTB)、4−メトキシ−3−ヒドロキシ桂皮酸、および3,4−ジヒドロキシ桂皮酸である。個々の有機物質に関して挙げられている異性体と同様に、アミンとイオン性液体を形成可能であるなら、他の有機物質の異性体、特に位置異性体を使用することもでき、これに関しては後でさらに詳細に説明する。したがって、室温においてイオン性液体として存在するマトリックスに関して権利を主張する。このイオン性液体は、プロトン受容体の機能を有する前述のアミンと、プロトン供与体の機能を有する前述の有機物質とからの酸塩基反応に基づいて生成される。
本発明のアミンは、好ましくは、アニリン、エタノールアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、3−アミノキノリン、およびピリジンである。
新規マトリックスの中で好ましいものは、2,5−ジヒドロキシ安息香酸−ブチルアミン、および2−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸−ブチルアミンである。
新規マトリックスは、プロトン受容体として反応する前述のアミンの、プロトン供与体として反応する前述の有機物質による処理を、0.5:1〜1:0.5のモル比、好ましくは等モル比において、例えば、これら2種類の反応物を接触させることにより行うことによって得ることができる。反応物の一方のみが液体である場合、固体反応物を液体反応物に加えることができるし、その逆も可能である。2つが液体反応物である場合、これらを同時に加えることができる。しかし、好ましくは、2種類の反応物を、溶媒中で互いに接触させ、この溶媒は反応後に除去され、好ましくは溶媒の留去によって行われ、特に減圧下で行われる。この反応によって、または溶媒の除去後に、液体反応生成物が得られる場合、これらがイオン性液体、すなわち本発明によるマトリックスとなる。
したがって、プロトン受容体として反応する本明細書に記載のアミンと、プロトン供与体として反応する本明細書に記載の有機物質とから、室温において、イオン性液体が生成可能かどうかは、単純な実験によって直接立証することができる。上記のように生成可能であれば、それは本発明によるマトリックスである。
本発明のさらなる目的は、プロトン受容体として反応するアミンの塩と、桂皮酸または桂皮酸誘導体とからなるイオン性液体の形態の新規マトリックス、および公知のマトリックスの使用であって、前記アミンが、そのN原子が1、2、または3個の、OH基で置換されていてもよいメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルの残基、および/またはフェニル残基と結合していてもよいアミン、ピリジン、あるいは3−アミノキノリンである、(バイオ)ポリマーとの反応を実施するための媒体として、およびこれらの反応を監視するための媒体として、およびそれによって生成される反応生成物を紫外マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析によって分析するための媒体としての使用である。
これらの公知の液体マトリックスは、既に引用した文献、すなわち非特許文献6に記載されている。
本明細書の文脈において、新規マトリックスおよび公知のマトリックスは、本発明によるマトリックスと記載される。
本発明によるマトリックスは液体であるので、検体がこのマトリックス中に均一に分散する。したがって、前述の固体マトリックスの問題は発生しない。したがって、例えば調製物中の異なる位置で異なる検体成分の分離は発生しない。したがって、液体マトリックスを使用するUV−MALDI−MSを定量分析の目的でも使用することができ、このことはこれまで、例えば同位元素で標識した内部標準の使用などによるいくつかの例外的な場合でのみ可能であった。
マトリックスとしてイオン性液体を使用することのさらなる利点は、マトリックス/検体混合物を乾燥させる必要がないということにある。このため、調製物の作製時間が削減される。
にもかかわらず、イオン性マトリックスの粘度を低下させ、より管理しやすい状態にする、例えばピペットで計量できるようにするため、本発明によるマトリックス、すなわち本発明によるイオン性液体と、例えばエタノール、イソプロパノール、および長鎖アルコール、ならびにアセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびテトラヒドロフランなどの溶媒とを併用することもできる。さらに、上記溶媒を使用することによって、検体のマトリックスへの可溶化を改善することができる。
本発明によるマトリックスは、例えばN2レーザーが取り付けられているものなどの既存のUV−MALDI質量分析計における問題を発生させずに使用することができる。
さらに、液体マトリックスを使用すると、分子の広いスペクトルの分析が可能になる。このようなものとしては、工業用ポリマーおよびバイオポリマー、例えば、オリゴ糖などの炭水化物、タンパク質、ペプチド、脂質、核酸、二次代謝物、薬物、およびそれらの複合体、例えば複合糖質および複合脂質、ならびに二次植物代謝物(例えば、プロシアニジンなどのフラボノイドなど)が挙げられる。
さらに、本発明によるマトリックスを使用すると、動力学などの反応の過程および進行の研究が可能であり、任意の時点で反応を停止させる必要がない。これは、例えば、酵素、特にグリコシダーゼ、プロテアーゼ、ヌクレアーゼ、リパーゼ、またはリアーゼによって触媒される反応に利用される。したがって、特に、プロテアーゼ(例えばトリプシン、キモトリプシン、ペプシン、アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼによるペプチド/タンパク質の酵素的開裂、ならびにグリコシダーゼ(例えば、フコシダーゼ、シアリダーゼ、ガラクトシダーゼ、ヘキソサミニダーゼ、ペクチナーゼ、リアーゼ)による炭水化物および複合糖質の開裂、さらには、脂質(トリグリセリド、リン脂質、糖脂質)および核酸(DNA、RNA)の開裂を研究することができる。さらに、例えばトランスグリコシダーゼなどのトランスフェラーゼによるMALDIマトリックス中の合成反応も追跡することができる。
高濃度の検体を直接調製して希釈せずに測定することができる。さらに、脱離点依存性のばらつきが少ない異なる検体を同時に検出することが可能である。これは、物理的および化学的性質が異なる可能性のある異なる物質の種類の検体に対しても当てはまる。
液体マトリックスの使用によって、不安定な検体の分析も可能となる。この場合、この説明によって束縛しようとするものではないが、検体が結晶格子からではなく液体から気相になるため、液体マトリックスからの脱離がより穏やかに進行すると考えられる。
本発明によるマトリックスのpH値は、非共有結合錯体および酸に不安定な分子の生理学的な値に近いため、そのような検体も測定することができる。
さらに、液体マトリックスによって、HPLC、GPC、HPAECなどの分析および分取クロマトグラフィー法とMALDI−MSとを組み合わせることができる。したがって、例えば大気圧MALDIモードにおいて、本発明のマトリックスとカラム溶出液とを、原材料と混合したり、原材料の混合前に混合したりすることができる。オフラインMALDI分析においては、好適な試料適用ロボットによって、液体マトリックスと並行してカラム溶出液をターゲット上に適用して、高いクロマトグラフィー分離「画像」が得られる改善された分析が連続的に行われる。
LCと同様に、紫外マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析も、電気泳動技術(FFE、PAGE、またはCE技術など)と併用することができ、場合によっては試料適用ロボットを使用したり、(微量)調製/分離技術、特にμTAS、GYROS(登録商標)、およびLab−on−Chip(登録商標)と併用/連結したりすることができる。
本発明のさらなる目的は、方法の請求項の教示による方法である。
好ましい実施形態を例示する実施例に基づいて、以下に本発明をより詳細に説明する。原則的に本発明によるマトリックスは、プロトン受容体として反応するアミンを等モルの比率で、プロトン供与体として反応する有機物質に加えることによって調製することができ、これらのアミンまたは有機物質のいずれかがUV光を吸収する。反応は室温で実施される。イオン性液体または液体の塩が得られ、これは一般に高真空に対して安定であり、UV−MALDIマトリックスとして使用することができる。
(2,5−ジヒドロキシ安息香酸−ブチルアミン(DHB−Bu)の調製)
308.4mgの2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)を10mlのエタノール中に溶解した。次に、198.4μlのブチルアミン(Bu)を加えた。
さらなる体積の減少が起こらなくなるまで(約30分)、溶媒を約40℃および約43mbarで留去した。得られたDHB−Buの最終体積は約200μlであった。
(5−メトキシサリチル酸−ブチルアミン(MSA−Bu)の調製)
336.4mgの5−メトキシサリチル酸(MSA、2−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸とも呼ばれる)を10mlのエタノール中に溶解した。198.4μlのブチルアミン(Bu)をこれに加えた。実施例1と同様に後処理を行って、約200μlのMSAブチルアミン(MSA−Bu)を得た。
ブチルアミン−DHBをブチルアミン−MSA(10:1)(v/v)と混合することによって、ブチルアミン−DHBSを調製することができる。
(α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸−ブチルアミン(CHCA−Bu)の調製)
378.4mgのα−シアノ−ヒドロキシ桂皮酸(CHCA)を10mlのメタノール中に溶解した。続いて、198.4μlのブチルアミン(Bu)を加えた。実施例1と同様に後処理を行った。200μlのα−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸−ブチルアミン(CHCA−Bu)を得た。
(シナピン酸−トリエチルアミンの調製)
378.4mgのシナピン酸(trans−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸)を10mlのエタノール中に溶解した。続いて、278.4μlのトリエチルアミンを加えた。実施例1と同様に後処理を行った。200μlのシナピン酸−トリエチルアミンを得た。
(6−アザ−2−チオチミン−ブチルアミン(ATT−Bu)の調製)
286.4mgの6−アザ−2−チオチミン(ATT)を10mlのエタノール中に溶解した。続いて198.4μlのブチルアミン(Bu)を加えた。
さらなる体積の減少が起こらなくなるまで(約30分)、溶媒を約40℃および約43mbarで留去した。得られたATT−Buの最終体積は約200μlであった。
(2’,4’,6’−トリヒドロキシアセトフェノン一水和物−ブチルアミン(THAP−ブチルアミン)の調製)
372.4mgの2’,4’,6’−トリヒドロキシアセトフェノン一水和物(THAP)を10mlのエタノール中に溶解した。続いて、198.4μlのブチルアミン(Bu)を加えた。
さらなる体積の減少が起こらなくなるまで(約30分)、溶媒を約40℃および約43mbarで留去した。得られたTHAP−Buの最終体積は約200μlであった。
得られたイオン性マトリックスの粘度を低下させるために、これらは各場合で、溶媒、例えば純エタノールで1/1v/v比率で希釈することができ、これによって、容易にピペットで計量できるようになる。
マトリックス検体調製物の調製は、以下の一般手順によって行うことができる。
1.1μlの液体イオン性マトリックスA(未希釈、またはEtOHまたは溶媒B中1:1(v/v))を、好適な溶媒D中の1μlの検体Cと、MALDIサンプルプレート(ステンレス鋼ターゲット)上で混合する。
2.あるいは、クラウンエーテルまたはイオン交換体による1:1(v/v)希釈液中でインキュベートすることによる検体の脱塩後に、この調製を1と同様に実施することができる。
3.予備混合した試料を有するMALDIサンプルプレートが、直接MALDI高真空中に移される。続いて、MALDI−MS分析が実施される。
マトリックスAとしては、本明細書で前述したすべてのイオン性液体を使用することができ、特に、ブチルアミン−CHCA、ブチルアミン−DHB、ブチルアミン−MSA、ブチルアミン−DHBS、およびトリエチルアミン−シナピン酸が挙げられる。
溶媒Bとしては、以下のものを使用することができる。アセトン、アセトニトリル、メタノール(MetOH)、エタノール(EtOH)、ブタノール、イソプロパノール、クロロホルム、およびH2O。
検体Cは以下の物質の種類によるものであってよい。
1.工業用ポリマー(例えば、PEG、ポリアクリルアミド、PE)、
2.炭水化物(例えば、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、ならびにホモポリマー組成およびヘテロポリマー組成の多糖)、
3.タンパク質およびペプチド、
4.脂質、
5.上記検体の複合体、
6.モノ−、ジ−、トリ−、オリゴ−、およびポリヌクレオチド、
7.二次植物代謝物(フェノール系物質、フラボノイドなど)、
8.高真空において揮発性ではない原子(例えばアルカリおよびアルカリ土類金属(Na、K、Ca、Mgなど)、金属(Fe、Zn、Sn、Cu、Crなど)。
溶媒Dとしては、以下のものを使用することができる。
10〜80%MetOHの水溶液または酸性化溶液、EtOH、H2O、アセトン、アセトニトリル、イソプロパノール、ブタノール、クロロホルム、DMSO、DMF、グリセリン、およびTHF。
溶液は、例えば0.1〜5%のTFA、酢酸、またはギ酸で酸性化することができる。
(2,6−ジヒドロキシ安息香酸−ブチルアミン(2,6−DHB−Bu)の調製)
308.4mgの2,6−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)を10mlのエタノール中に溶解した。続いて、198.4μlのブチルアミン(Bu)を加えた。
さらなる体積の減少が起こらなくなるまで(約30分)、溶媒を約40℃および約43mbarで留去した。得られた2,6−DHB−Buの最終体積は約200μlであった。
(2,5−ジヒドロキシ安息香酸−1−ヘキシル−3−メチルイミダゾール(DHB−HMIM)の調製)
308,4mgの2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)を10mlのエタノール中に溶解した。続いて、371.4mgの1−ヘキシル−3−メチルイミダゾール(HMIM)を加えた。
さらなる体積の減少が起こらなくなるまで(約30分)、溶媒を約40℃および約43mbarで留去した。得られたDHB−HMIMの最終体積は約200μlであった。
(3−アミノキノリントリフレート(AC−トリフレート)の調製)
288.4mgの3−アミノキノリン(AC)を10mlのエタノール中に溶解した。続いて、298.2mgのトリフルオロメタンスルホネートを加えた。
さらなる体積の減少が起こらなくなるまで(約30分)、溶媒を約40℃および約43mbarで留去した。得られた3−アミノキノリントリフレートの最終体積は約200μlであった。
このマトリックスにおいて、3−アミノキノリン、したがって、アミンまたはプロトン受容体は、UV光を吸収可能な化合物であり、一方、他の実施例ではアミンはUV光を吸収できないが、プロトン供与体として機能する有機物質がUV光を吸収する。
前述のマトリックスにおいて、(バイオ)ポリマーの反応、特に酵素反応を実施することができる。これらの場合、マトリックスは媒体または「反応容器」としても機能する。続いて、この反応の過程を、質量分析によって直接かつ連続的に追跡することができる。
対応する調製物を製造するために、以下の手順を使用することができる(一般手順):
0.5μlの液体マトリックスA(未希釈、またはEtOHまたは他の好適な溶媒中1:1(v/v))を、好適な溶媒/緩衝液C中の0.5μlの酵素B(約1μg/μl)および好適な溶媒/緩衝液中の0.5μlの基質D(約1μg/μl)と、MALDIサンプルプレート上で均一に混合する。この後、イオン性液体MALDIマトリックス中の予備混合された酵素反応混合物を有するMALDIサンプルプレートが、直接MALDI高真空中に移される。
マトリックスAとしては、実施例7に記載のものを使用することができる。
酵素Bとしては、以下の種類の酵素を使用することができる。ヒドロラーゼ、イソメラーゼ、リアーゼ、トランスフェラーゼ、オキシドレダクターゼ、およびリガーゼ。
溶媒/緩衝液Cとしては、以下のものを使用することができる。H2O、炭酸緩衝液、酢酸アンモニウム緩衝液、トリス(Tris)緩衝液、あるいはその他の好適でMSに適合した緩衝液系または溶媒。
この場合の最終的なマトリックス−酵素−基質溶液の酵素/基質比は、1:1〜1:300(w/w)であるか、またはこれを超える。
(使用例)
・人乳からの三糖の脱シアル化:0.5μlの、25mMの酢酸NH4緩衝液(pH5.0)中のClostridium Perfringens由来シアリダーゼ1μg/μl(約0.1U/μl)を、0.5μlの、H2O中のシアリルラクトース1μg/μl、および0.5μlのDHB−Bu(EtOH中1:1)と、MALDIサンプルプレート上で混合し、直接MALDI−MS高真空中に移す。
・人乳からの五糖の脱フコシル化:0.5μlの、25mMの酢酸NH4緩衝液(pH5.0)中のウシ腎臓由来α−フコシダーゼ1μg/μl(約2mU/μl)を、0.5μlの、H2O中のLNFP 1μg/μl、および0.5μl DHB−Bu(EtOH中1:1)と、MALDIサンプルプレート上で混合し、直接MALDI−MS高真空中に移す。
・糖タンパク質の脱グリコシル化:0.5μlの、20mMトリス緩衝液(pH7.5)中の組替え型フラボバクテリウム・メニンゴセプチカム由来PNGアーゼF 1μg/μl(約0.5U/μl)を、0.5μlの、H2O中のRNアーゼB 1μg/μl、および1μlのCHCA−BuまたはDHB−Bu(EtOH中1:1)と、MALDIサンプルプレート上で混合し、直接MALDI−MS高真空中に移す。
・ヒトカゼインの酵素加水分解:0.5μlのトリプシンを、ウシ膵臓由来のTPCK0.01〜1μg/μl(約0.074〜7.4U/μl)、0.5μlの、イミダゾール緩衝液(12.5mM、pH7.6)中のβ−カゼイン1μg/μl、および1μlのCHCA−Bu(EtOH中1:1)と、MALDIサンプルプレート上で混合し、直接MALDI−MS高真空中に移す。
・ペプチド配列分析のためのカルボキシペプチダーゼ消化:0.5μlの、サッカロミセス・セレヴィシエ(CPY)由来カルボキシペプチダーゼ0.2μg/μl(約20mU/μl)を、0.5μlの、60mMクエン酸水素ジアンモニウム緩衝液(pH5)中のペプチド0.1〜1μg/μl、および1μlのCHCA−Bu(EtOH中1:1)と、MALDIサンプルプレート上で混合し、直接MALDI−MS高真空中に移す。
・ペプチド配列分析のためのアミノペプチダーゼ消化:0.5μlのAeromonas Protolytica由来アミノペプチダーゼ0.2μg/μl(約20mU/μl)を、0.5μlの、トリシン緩衝液(pH8+ZnCl2)中のペプチド0.1〜1μg/μl、および1μlのCHCA−Bu(EtOH中1:1)と、MALDIサンプルプレート上で混合し、直接MALDI−MS高真空中に移す。
・ホスホグリコペプチドの脱リン酸化:0.5μlのジャガイモ由来酸性ホスファターゼ0.01〜1μg/μl(約0.02〜2U/μl)を、0.5μlの、25mMの酢酸NH4緩衝液(pH5.0)中のβ−カゼイン1μg/μl、および1μlのCHCA−Bu(EtOH中1:1)と、MALDIサンプルプレート上で混合し、直接MALDI−MS高真空中に移す。
・リン脂質の脱リン酸化:0.5μlのミツバチ毒由来ホスホリパーゼA20.01μg/μl(約10mU/μl)を、MetOH/CHCl3(2:1)中のホスファチジルコリンジヘプタ−デカノイル1μg/μl、および1μlのDHB−Bu(EtOH中1:1)と、MALDIサンプルプレート上で混合し、直接MALDI−MS高真空中に移す。
・糖脂質/ガングリオシドの脱グリコシル化:0.5μlの、20mMトリス緩衝液(pH7.0)中のMarobdella Decora由来セラミドグリカナーゼ1μg/μl(約10mU/μl)を、H2O中のウシガングリオシドGM1 1μg/μl、および1μlのCHCA−BuまたはDHB−Bu(EtOH中1:1)と、MALDIサンプルプレート上で混合し、直接MALDI−MS高真空中に移す。
・オリゴヌクレオチドの配列決定:0.5μlの、20mMトリス緩衝液(pH8.0)中のCrotalus Adamanteus毒由来のホスホジエステラーゼI約1mU/μ1を、0.5μlの、H2O中のオリゴヌクレオチド1μg/μl、および1μlのCHCA−Bu(EtOH中1:1)と、MALDIサンプルプレート上で混合し、直接MALDI−MS高真空中に移す。
MALDI−MSスペクトルを、例えば0、5、10、20、30、60、および120分後に記録する。必要であればこのMS分析は、混合物を調製してから数日後まで延長することができる。
上記方法において、例えば基質または反応生成物の簡単なスクリーニングも可能である。したがって、例えば数百種類の異なる基質が、1種類の酵素を使用して、ただ1つのサンプルプレート上でインキュベートされる。この場合、最小量の酵素および基質(例えば1μl/μlにおいて0.5μl)のみが必要となる。質量分析によって、例えば真空中の動力学を追跡することができる。既存の自動測定プログラムを利用することで、本出願は、自動化およびコスト削減に関して非常に高い潜在能力が得られる。
これは例えば、DHB−Bu中のシアリルラクトースのジシアリル化のためにシアリダーゼを使用する場合、およびDHB−Bu中のグリコペプチド/糖タンパク質の脱グリコシル化のためにPNGアーゼFを使用する場合に利用することができる。
さらに、上記のマトリックスは、複合LC−MALDI−MSまたは電気泳動−MALDI−MS手順(PAGE、CE、FFE)に使用することができる。また、(微量)調製/分離技術、特に、μTAS、GYROS(登録商標)、およびLab−on−Chip(登録商標)と併用することも可能である。

Claims (10)

  1. プロトン受容体として反応するアミンの塩と、プロトン供与体として反応する有機物質とで構成される、紫外マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析用マトリックスであって、前記アミンまたは前記有機物質のいずれかはUV光を吸収し、
    前記マトリックスが、室温においてイオン性液体の形態であり、
    前記アミンが、3−アミノキノリン、ピリジン、第1級アミンであって、そのN原子が、フェニル残基、あるいはOH基で置換されていてもよい線状または分岐の飽和C1〜C11アルキル残基と結合していてもよい第1級アミン、第2級および第3級アミンであって、そのN原子が、OH基で置換されていてもよい線状または分岐の飽和C1〜C8アルキル残基、およびフェニル残基であってよい、同種でも異種でもよい2または3個の残基と結合していてもよい第2級および第3級アミン、イミダゾール、ならびにC−および/またはN−アルキル化イミダゾール誘導体からなる群より選択され、
    前記有機物質が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸およびその異性体、2−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸およびその異性体、ピコリン酸、3−ヒドロキシピコリン酸、ニコチン酸、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、6−アザ−2−チオチミン、2’,4’,6’−トリヒドロキシアセトフェノン一水和物、2’,6’−ジヒドロキシアセトフェノン、9H−ピリド[3,4−b]インドール、ジスラノール、trans−3−インドールアクリル酸、オサゾン類、フェルラ酸、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、1−ニトロカルバゾール、7−アミノ−4−メチルクマリン、2−(p−ヒドロキシフェニルアゾ)−安息香酸、8−アミノピレン−2,3,4−トリススルホン酸、2[2E−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−メチルプロプ−2−エニリデン]マロノニトリル(DCTB)、4−メトキシ−3−ヒドロキシ桂皮酸、トリフルオロメタンスルホネート、および3,4−ジヒドロキシ桂皮酸からなる群より選択されることを特徴とするマトリックス。
  2. 前記アミンが、アニリン、エタノールアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、3−アミノキノリン、およびピリジンであることを特徴とする請求項1に記載のマトリックス。
  3. 前記マトリックスが、2,5−ジヒドロキシ安息香酸−ブチルアミン、または2−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸−ブチルアミンであることを特徴とする請求項1または2に記載のマトリックス。
  4. 溶媒で処理されることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載のマトリックス。
  5. 紫外マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析、特に、定量または定性紫外マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析における、先行する請求項のいずれか1項に記載のイオン性液体の形態をとるマトリックスの使用。
  6. 前記請求項1から4のいずれか1項に記載のイオン性液体の形態をとるマトリックス、およびプロトン受容体として反応するアミンの塩と、桂皮酸または桂皮酸誘導体とからなる室温において液体であるイオン性液体の形態をとるマトリックスの使用であって、前記アミンが、そのN原子が1、2、または3個の、OH基で置換されていてもよいメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルの残基、および/またはフェニル残基と結合していてもよいアミン、3−アミノキノリン、およびピリジンである、(バイオ)ポリマーとの反応を実施するための媒体として、およびこれらの反応を監視するための媒体として、並びにそれによって生成される反応生成物を紫外マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析によって分析するための媒体としての使用。
  7. 前記反応が、酵素、特に、グリコシダーゼ、プロテアーゼ、ヌクレアーゼ、リパーゼ、またはリアーゼによって触媒され、前記(バイオ)ポリマーが、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸、二次代謝物、およびまたは薬物、ならびにそれらの複合体であることを特徴とする請求項6に記載の使用。
  8. 前記紫外マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析が、分析または分取液体クロマトグラフィー、特にHPLC、GPC、およびHPAEC、電気泳動技術、特にCE、CEC、PAGE、およびFFE、または(微量)調製/分離技術、特にμTAS、GYROS(登録商標)、およびLab−on−Chip(登録商標)と併用されることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の使用。
  9. (バイオ)ポリマーとの反応の実施、これらの反応の監視、およびそれにより生成される反応生成物の分析のための方法であって、これらの反応が、特に酵素、好ましくはグリコシダーゼ、プロテアーゼ、ヌクレアーゼ、リパーゼ、またはリアーゼによって触媒され、
    これらの反応が、前記請求項1から4のいずれか1項に記載のイオン性液体の形態をとるマトリックス中、またはプロトン受容体として反応するアミンの塩と、桂皮酸または桂皮酸誘導体とからなるイオン性液体の形態をとるマトリックス中で実施され、前記アミンが、そのN原子が1、2、または3個の、OH基で置換されていてもよいメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルの残基、および/またはフェニル残基と結合していてもよいアミン、3−アミノキノリン、あるいはピリジンであり、紫外マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析によって監視されることを特徴とする方法。
  10. 前記紫外マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析が、分析または分取液体クロマトグラフィー、特にHPLC、GPC、およびHPAEC、電気泳動技術、特にCE、CEC、PAGE、およびFFE、または(微量)調製/分離技術、特にμTAS、GYROS(登録商標)、およびLab−on−Chip(登録商標)と併用されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
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