JP2005535336A - 3’−5’エキソヌクレアーゼを有するポリメラーゼを用いる配列決定方法 - Google Patents

3’−5’エキソヌクレアーゼを有するポリメラーゼを用いる配列決定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを用いることよる遺伝子配列決定方法を提供する。
【解決手段】 前記方法は、(1)3’末端が修飾された特異的なオリゴヌクレオチドプライマーセットを調製する工程と、(2)3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ及び修飾されたプライマーからなる分子「オン/オフ」スイッチにより選択的プライマー伸長を行う工程と、(3)プライマー伸長反応の産物を可視化し遺伝子配列を決定工程とを含む。本発明で用いられる分子「オン/オフ」スイッチのフィデリティーは、校正活性を有さないポリメラーゼを用いる従来のプライマー伸長反応より高い。本方法は、既知でない配列を直接配列決定するのに用いることもでき、配列決定は既知の配列セグメントに依存しない。本方法において得られる各シグナルは、1個以上のヌクレオチドの配列情報を含む。本方法を用いて、単一ヌクレオチド多形分析及び遺伝子配列分析を大量処理スクリーニングで行うことができる。

Description

本発明は、配列決定方法に関し、具体的には、3’−5’エキソヌクレアーゼを有するポリメラーゼの破壊能力及び化学修飾から受継したアレル特異的プライマーのヌクレアーゼ抵抗特性の組み合わせを用いることによる迅速な配列決定方法を提供する。
現在、配列分析では、プライマー伸長のために、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性のないポリメラーゼを用いている。また、検出された各シグナルは、1個のヌクレオチドの情報しか提供しない。最も重大な問題は、通常の配列決定が単一ヌクレオチド多形の高処理量分析に適合していないことである。現在の配列決定方法はゲノムの配列分析での使用には成功しているが、研究で用いられているアフィメトリクス社のオリゴマイクロアレイなどの、費用効率が良く、かつ、迅速な配列決定方法が、生物工学発展における研究の最新の話題である。
典型的な配列分析は、近代の配列分析における主要な方法であるddNTPによる末端終結に基づくサンガーの酵素法である。この方法は、非常に信頼性がある。しかしながら、この方法由来のシグナルは、1個のヌクレオチドの情報しか提供せず、これによってその効率が制限される。この古典的な配列方法の根本的な問題のひとつは、該方法ではプライマー設計のために短い既知配列が必要なことである。既知配列に依存することによって、未知配列決定の速度は非常に遅くなる。さらに、古典的な配列決定方法は、配列決定される試料の最初の増幅が必要となるので効率が高くない。明らかに、本方法は時間がかかり、間接的配列分析であり、デノボ配列決定に用いることができない。
オリゴヌクレオチドマイクロアレイも配列決定に用いることができる。しかしながら、実験室研究で現在用いられているハイブリダイゼーションの不均一性によってその精度が決まる。この方法の実用上の適用は、そのうち評価されるであろう。
さらに、古典的な末端終結を含むすべての配列決定方法、及び最近開発された一塩基伸長はすべて、ターミネーターである標識されたジデオキシヌクレオチド(ddNTP)を用いる。ddNTPは、さらに脱水されて、連続するプライマー伸長と結合を形成することができず、ゆえにそれが組み込まれることによってプライマー伸長の終結が引き起こされる。したがって、この種の化学反応は、反応のサイクル又は産物=2n(ここで、nは用いられるサイクルである)と一次の関係を有する。対照的に、ターミネーター(ddNTP)がないポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、反応サイクル(産物=n2)と指数的な関係を有するので、より効率的である。
本発明の目的は、従来の技術の欠点を解決し、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを用いた新規な配列決定方法を提供することである。本発明によれば、単一ヌクレオチド多形及び未知配列の双方を決定することができる(SNPアッセイ及びデノボ配列決定)。
本発明の技術的特徴は、
1)3’末端が特異的に修飾されたアレル特異的プライマー、
2)3’から5’へとプライマーを破壊する3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ及び特異的な化学修飾から受継したエキソヌクレアーゼ抵抗特性を有するプライマーとからなる新規な「オン/オフ」スイッチを用いて、マッチした及びミスマッチした単位複製配列を識別するために、選択的プライマー伸長を行う工程と、
3)プライマー伸長産物を可視化して配列決定する工程
を含む、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有する高フィデリティーポリメラーゼを使用する配列決定方法である。
本方法で用いるプライマーは、3’末端が異なる一連のプライマー(プライマーセット)を含む。
プライマーセットは、化学修飾されたプライマーのサブセット、及び化学修飾されていないプライマーのサブセットを含む。プライマーが化学修飾による標識を有する場合、単位複製配列がマッチする場合にはそれらの産物も標識される。標識されていないプライマーは、通常可視化されるか、または、標識されたdNTPを付加することにより標識を付加する。
プライマーセットは、プライマーを3’−5’エキソヌクレアーゼ抵抗性にする化学修飾が施されたプライマーのサブセットを含む。ゆえに、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼは、ミスマッチしたプライマーを破壊することができなくなり、ミスマッチしたプライマーを校正できず、ゆえにプライマー伸長を続行することができない。
このように、分子「オン/オフ」スイッチによって、エキソヌクレアーゼに感受性であるプライマー中の標識を保持又は除去することができ、エキソヌクレアーゼ抵抗性プライマーのためにプライマー伸長をオフ又はオンにすることができる。
本発明は、以下の利点を有する:
1)本方法は、プライマー伸長を行うために、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ及び化学修飾されたプライマーセットからなる分子「オン/オフ」スイッチを用いる。そのフィデリティーは、高フィデリティー校正ポリメラーゼに基づいた通常のプライマー伸長より高い;
2)本方法は、デノボ配列決定に用いることができる;
3)本配列決定は、配列が分からなくても行うことができる;
4)本方法では、得られた各シグナルは1個以上のヌクレオチドを解読することができる;
5)本方法を用いて、高処理量スクリーニングでSNPアッセイを行うことができる。
図を参照して、本発明の適用例を詳細に説明する。
図1中、1は、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼにより仲介されるプライマー伸長を表し、2は、通常のプライマーを表し、4は、特異的に化学修飾されたプライマーを表し、6は、産物を得ることができないこと又は標識された産物を得ることができないことを表す。
図2中、1は、未知配列を有する標的を表し、2は、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼにより仲介されるプライマー伸長を表す。
図3中、−はEcoRI消化がない産物を表し、+はEcoRI消化後の産物を表す。
図5中、産物は産物を表し、バックグランドはバックグランドシグナルを表す。
図6中、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12は異なるアニーリング温度を表し、それぞれ46℃、48℃、50℃、52℃、54℃、56℃、58℃、60℃、62℃、64℃、及び66℃である。
図7中、Pは、マッチしたプライマーを表し、1、2、3、4、5、6は、3’末端から−1、−2、−3、−4、−5及び−6上流のミスマッチしたプライマーを表す。
図8及び9中、PMはマッチングしたプライマーを表し、MMはミスマッチしたプライマーを表す。
図10中、1はポリメラーゼドメインを表し、2は3’−5’エキソヌクレアーゼドメインを表し、3は産物を表し、4はミスマッチ校正プロセスを表し、5は「オン/オフ」スイッチの「オン」状態を表し、6はオン/オフスイッチの「オフ」状態を表し、Yはポリメラーゼによるマッチング試験に通った複製複合体を表し、Nは校正プロセスを引き起こすマッチング試験がうまくいかなかったことを表す。
本発明は、アレル特異的プライマーセットとアッセイされる鋳型との間の完全にマッチした又は完全にはマッチしていないマッチ状態に従って分析される鋳型の配列情報を決定するため、3’−5’エキソヌクレアーゼ機能を有するポリメラーゼと、プライマー伸長のために3’末端が修飾されたアレル特異的プライマーからなる新規な「オン/オフ」分子スイッチを用いる。プライマー伸長過程において、本発明の方法は、高フィデリティーポリメラーゼの校正活性から3’末端における及び3’末端の上流における配列情報を直接解読する。このようにして、1個以上のヌクレオチドが配列決定され、これにより既知配列のための単一ヌクレオチド(single nucleotide)アッセイ法及び未知配列のためのデノボ配列決定法が提供される。
開始過程後の最初の新たに組み込まれたヌクレオチドに関して、校正活性のないポリメラーゼは、2/1000の変異率を有する。しかしながら、プライマー伸長において、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを用いた場合、この変異率は80〜90%減少し得る。この重要な相違は、植物、動物、及び細菌のDNA複製において既知である。
より重要なことが、校正活性を有するポリメラーゼ及び校正活性のないポリメラーゼを用いたプライマー伸長の間の開始過程で起こる。開始過程においては、プライマー配列が変化したか否かが決定される。校正活性のないポリメラーゼを用いたプライマー伸長では、プライマーが鋳型とマッチするか否かに関係なく、プライマーの配列は100%変化しない。したがって、この種のプライマー伸長の産物は、必ずしも鋳型の配列情報を忠実に反映するとは限らない。対照的に、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを用いたプライマー伸長は、プライマーと鋳型とのマッチ状態によって異なり、鋳型とマッチする場合にはプライマー配列は変化せず、ミスマッチしたプライマーはエキソヌクレアーゼ消化され、伸長前にマッチしたプライマーに変化する。したがって、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを十分に設計して用いる場合には配列決定に用いることができる。
2つの異なる反応系と組み合わせた化学反応で重要なことは、異なる反応の反応条件に互換性がある必要があることである。本発明者らは、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを用いたプライマー伸長を研究し、高フィデリティーポリメラーゼが、46〜66℃の広範囲のアニーリング温度で、マッチした単位複製配列とミスマッチした単位複製配列を容易に識別できることを見出した。校正活性とdNTPの濃度は負の関係にあるので、1〜2倍のdNTPを用いた場合、完全にマッチした単位複製配列とミスマッチした単位複製配列の識別は、幾分、プライマー伸長の産物に基づく。dNTP濃度が通常の濃度の0.2〜0.8倍に低下した場合、相違が著しくなり、マッチした単位複製配列とミスマッチした単位複製配列の識別は、プライマー伸長産物の存在又は非存在により知ることができる。
3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼの適切な適用における他の重要な点は、鋳型配列の正確な認識を、高処理量スクリーニングアッセイのための検出可能なシグナルにいかにして転換するかである。本発明は、(1)校正ジェノタイピング後、2つのタイプのプライマー伸長産物を産生するためにエキソヌクレアーゼ感受性プライマーの3’末端を標識すること(マッチした単位複製配列由来の産物はプライマーから標識を受継し、標識はミスマッチした単位複製配列由来の産物の校正過程により消化される);および、(2)化学修飾によりエキソヌクレアーゼ抵抗性プライマーを調製すること(該化学修飾により、エキソヌクレアーゼ消化が処理されないため、マッチした単位複製配列が伸長するが、ミスマッチしたプライマーは、重合ドメインからエキソヌクレアーゼ消化のためのエキソヌクレアーゼドメインに送られる)により上記目的を達成する。プライマーのエキソヌクレアーゼ抵抗特性は、校正過程を著しく遅延させるか阻害し、オフスイッチの効果をもたらし、プライマー伸長産物が得られない(図1を参照)。
広範な実験により、本発明者らは、用いたポリメラーゼのタイプ又はプライマーのエキソヌクレアーゼに対して感受性であるか抵抗性であるかには関わらず、マッチした単位複製配列が伸長されることを見出した。しかしながら、ミスマッチした単位複製配列では、伸長産物のタイプ及び量は、用いたポリメラーゼのフィデリティー、及びエキソヌクレアーゼに対するプライマーの抵抗性に依存する。
したがって、エキソヌクレアーゼ抵抗性プライマーが3’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼによって伸長された場合に、早期終結が起こる。この早期終結はホスホロチオエート又はエキソヌクレアーゼ抵抗性をプライマーに与える他の修飾によって強められ、結果的に、プライマー伸長反応が完全に終結し、SNPアッセイに有用な「オフ」スイッチが形成される。互いに約3nm離れたポリメラーゼドメイン及びエキソヌクレアーゼドメインの2つの酵素ドメインによって、アレル特異的プライマーは最初の「オン/オフ」スイッチスクリーニングを受ける。マッチしたプライマーは、重合ドメイン内で、あるいは、図10に図示した「オン」スイッチにより直接重合される。しかし、ミスマッチしたプライマーは重合ドメインからエキソヌクレアーゼドメインに移動し、そこで、化学修飾から受継したプライマーのエキソヌクレアーゼ抵抗特性により、長期又は終結することのない消化過程が起こる。そのため、プライマー伸長反応の間に重合ドメインが空となり、図10に図示したように、DNA重合が「オフ」状態に変わる。マッチしたプライマーが伸長され、ミスマッチしたプライマーが伸長されないというこの種の最終結果は択一的事象(yes or no phenomenon)であり、単一ヌクレオチド多形の要求を十分に満たす。
さらに、検出可能な標識を有するエキソヌクレアーゼ感受性プライマーは、2つのタイプの産物、すなわち、一方のタイプは検出可能なシグナルを有し、他方は有さない産物を産生し、シグナル検出の観点から、実質的に「オン/オフ」スイッチとして機能する。
配列分析に好適な本発明の新規な分子オン/オフスイッチは、SNP研究にかなりの理論的及び実用的な影響を与える。
本発明の方法における検出可能なシグナルは、用いる標識方法によって変わる。アレル特異的プライマーの3つの末端を標識する方法、dNTPを標識する方法、対合プライマーを標識する方法の異なる3つの方法がある。
標識されたdNTPを用いる場合、標識されたdNTPと標識されていないdNTPの割合は1:10〜1:100の間で変動する。
対合プライマーを標識供給源として用いる場合、標識を5’末端で行うか、3’末端以外の任意のヌクレオチドで行う。
プライマーがエキソヌクレアーゼ抵抗性である場合、可視化することによってプライマー伸長産物の存在又は非存在が検出される。産物の存在は、エチジウムブロマイド、サイバーグリーン(Syber green)、又は他の染色方法などを用いた通常の方法により可視化される。
1)3’末端修飾を有するプライマーセットの調製
プライマーは、分析されるDNA配列を標的とする。その設計には、いくつかの状況が含まれる。
(1)SNPアッセイ用プライマー
一般に、各アレルは、2個のアレル特異的フォワードプライマー及び1個の対合用リバースプライマーを必要とする。プライマーセットの合計数は、実施上の必要性に応じて決まる。2つのアレル特異的フォワードプライマーはそれぞれ、鋳型と完全にマッチしているかミスマッチしており、プライマーのサブセットを形成する。標識方法は、可視化条件に応じて決まる。プライマーは、市販のDNAシンセサイザーにより合成される。
例えば、以下のプライマーが設計される:
フォワードプライマー:5’XXXXXXXXXXX3’
5’XXXXXXXXXXX3’
リバースプライマー: 5’XXXXXXXXXXXX3’
Xは鋳型とのマッチを表し、Yは鋳型とのミスマッチを表し、X、Yは、修飾後のヌクレオチドを表す。
(2)未知配列を決定するためのプライマー設計:デノボ配列決定のための3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを用いた数学モデル
プライマーのサイズは、5’変性配列及び3’配列特異的プライマーを有する4n個のプライマーからなる遺伝子特異的なヌクレオチドの数に応じて決まる。例えば、以下のプライマーセットは、3’に2個の配列特異的なヌクレオチドを有し、従って、42個のプライマー又は16個のプライマーを含有する(Xは、変性ヌクレオチドを表す)。
Xxxxxxxxaa
Xxxxxxxxag
Xxxxxxxxac
Xxxxxxxxat
Xxxxxxxxta
Xxxxxxxxtg
Xxxxxxxxtc
Xxxxxxxxtt
Xxxxxxxxca
Xxxxxxxxcg
Xxxxxxxxcc
Xxxxxxxxct
Xxxxxxxxga
Xxxxxxxxgg
Xxxxxxxxgc
Xxxxxxxxgt
配列分析は、いくつかの同一のヌクレオチドを有する隣接プライマー間の整列(alignment)又は架橋に基づく(図2を参照)。
2)3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ及び化学修飾されたプライマーからなる分子オン/オフスイッチを用いたプライマー伸長の実施
この方法において、反応条件は通常のプライマー伸長とはそんなに異ならない。
3)プライマー伸長産物の可視化及び配列分析
可視化及び検出の前に、DNA分子に結合した標識をDNA分子に結合していない標識から分離する。分離方法は、特定の要件に依存する。電気泳動を本発明で用いる場合、分離段階を省くことができる。バイオチップを本発明で用いる場合、過酷な条件下での洗浄によってDNA分子に結合していない標識が除去される。標識シグナルが、標識されたプライマーから得られ、バックグラウンドノイズが高すぎる場合、低濃度のエキソヌクレアーゼとともに25〜37℃で15分間〜1時間インキュベートすることができる。DNA分子の標識シグナルは、公知の方法によって可視化及び検出することができる。該公知の方法は、特に標識方法に依存する。酵素標識又はジゴキシン又はビオチンなどの他の化学的標識を用いる場合、特定の化学的可視化がシグナル検出前に行われる。
可視化及び検出段階において、標識方法(例えば、硫化)によって直接の走査検出ができない場合には、エチジウムブロマイド又はGYBR染色方法を用いることができ、続いて電気泳動ゲル上で分析するか、あるいは質量分析を用いて分析することができる。標識が放射性又は直接蛍光性である場合、産物を直接走査して放射能強度又は蛍光強度を検出することができるか、あるいは、オートグラフ、続いて画像走査分析を行うことができるので、可視化工程を省くことができる。化学発光又は間接蛍光の場合は、予備ブロッキング、可視化反応、及び洗浄をシグナル検出前に行う。
検出されたシグナルは、3’末端のヌクレオチド配列情報を反映する。手動で又はコンピュータプログラミングにより、配列分析を行うことができる。単一アレルがホモ接合又はヘテロ接合であるかを決定するために、以下のプライマーにより遺伝子型を決定することができる。例えば、
フォワードプライマー:5’XXXXXXXXXXX3’
5’XXXXXXXXXXX3’
リバースプライマー: 5’XXXXXXXXXXXX3’
Xはマッチしたプライマー(野生型)を表し、Yはミスマッチしたプライマー(多型遺伝子型又は変異遺伝子型)を表し、X、Yは修飾されていないヌクレオチドを表し、X、Yはそれぞれ修飾されたヌクレオチドを表す。
5’XXXXXXXXXXX3’を野生型の鋳型とともにプライマー伸長に用いた場合、産物が得られるか、標識を有する産物が得られ、5’XXXXXXXXXXX3’をプライマー伸長に用いた場合、産物又は標識された産物は得られず、このアレルがXホモ接合遺伝子型であることを示す。5’XXXXXXXXXXX3’を野生型の鋳型とともにプライマー伸長に用いた場合、産物が得られるか、標識を有する産物が得られ、5’XXXXXXXXXXX3’をプライマー伸長に用いた場合、産物又は標識された産物は得られず、このアレルがYホモ接合遺伝子型であることを示す。双方のプライマーが産物を生ずる場合、鋳型の遺伝子型はヘテロ接合である。
本発明は、新しい配列決定方法を提供する。その利点は直接的、敏感、簡単、迅速であることである。本方法は配列分析のために事前の増幅を必要とすることなく、したがって直接的配列決定方法である。さらに、本方法の高い信頼性及び感度は、迅速な配列分析を可能にする。
実施例1
プライマー伸長における、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するDeep Vent+ポリメラーゼ及び3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有さないDeep Vent−ポリメラーゼの適用。マッチしたプライマー及びミスマッチしたプライマーの試験。
この実験により、配列分析における校正活性の重要性を説明する(図3及び4を参照)。
1)プライマー設計:
以下の配列を有するマウスゲノム由来の217bpフラグメントを使用:
cccaagatat ctgagaattc tcagcagcct tccatttaga agggtgttgt tgtctctgag gcaaaaccac atttcttacc gcacaactag agactgagac cagtttctct cattgtcatt gctgctcaga gccagcagaa aagcactcat gacacacact tagaataata gtgcatctga gccaggactg cccttggggt ccattcagct gtttc
この配列を標的とするフォワードプライマーセット及びリバースプライマーセットを設計。これらのプライマー由来の産物のサイズは217bpである。産物は、EcoRI部位も有する。
マッチしたフォワードプライマー:
AGT CCT CTC CTA TCC CAA GAT ATC TGA GAA TTC
ミスマッチしたフォワードプライマー:
AGT CCT CTC CTA TCC CAA GAT ATC TGA AA TTC
リバースプライマー:
5’gaaacagctgaatggacccaa3’
これらのプライマーは、米国のMWG社により合成されたものである。
2)プライマー伸長反応:
アレル特異的なフォワードプライマー及びリバースプライマーをそれぞれ有するDeep Vent+及びDeep Vent−を用いてプライマー伸長を行った。反応条件は、95℃で5分間変性し、次いで95℃で10秒間変性、56℃で30秒間アニーリング、72℃で1秒間伸長するサイクルを30回行った。
3)結果:
PCRの結果は、エチジウムブロマイドを含有する2.5%アガロースゲルを0.5XTBEバター(butter)とともに用いた10V/cm直流下での電気泳動に基づく。図3に示す通り、マッチしたプライマーは、EcoRI酵素により消化可能な正確なサイズの産物を産生した。しかし、ミスマッチしたプライマーは、用いたポリメラーゼに応じて2つのタイプの産物を産生した。すなわち、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼによる産物はEcoRIで消化可能であったが、Deep Vent−による産物はEcoRI抵抗性であった。これらの産物を図4に示したようにさらに配列分析したところ、Deep Vent+由来の産物は、5’AGT CCT CTC CTA TCC CAA GAT ATC TGA AA TTC.........TTGGGTCCATTCAGCTGTTTC 3'の配列、Deep Vent−由来の産物は、5’AGT CCT CTC CTA TCC CAA GAT ATC TGA AA TTC.........TTGGGTCCATTCAGCTGTTTC 3'の配列を有していた。
これらの結果は、3’−5’校正活性のないポリメラーゼは、プライマー配列を変化しない(ジェノタイプ試験におけるエラー及び偽陽性)が、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼは、伸長前にマッチした単位複製配列を再構成するためにプライマーでのミスマッチしたヌクレオチドを校正することができ、プライマー配列が変化することを示している。この校正機能は、特定のアルゴリズムとともに正しく用いれば、分析される鋳型の配列の解読に用いることができる。
実施例2
同位体標識したマッチしたプライマー及びミスマッチしたプライマーとともに3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを用いたSNP検出。
1)プライマー設計:
以下の配列を有するマウスゲノム由来の217bpフラグメントを使用:
cccaagatat ctgagaattc tcagcagcct tccatttaga agggtgttgt tgtctctgag gcaaaaccac atttcttacc gcacaactag agactgagac cagtttctct cattgtcatt gctgctcaga gccagcagaa aagcactcat gacacacact tagaataata gtgcatctga gccaggactg cccttggggt ccattcagct gtttc
この配列を標的とするフォワードプライマー及びリバースプライマーを設計する。これらのプライマー由来の産物のサイズは217bpである。5’atcccaagatatctgagaatt3’の配列を有する標識されていないプライマー及び5’atcccaagatatctgagaatT3’の同一の配列を有する3’末端に3[H]標識したプライマーの2つのフォワードプライマーがあり、リバースプライマーは、5’gaaacagctgaatggacccaa3’の配列で標識されていなかった。これらのプライマーは、米国のMWG社により合成されたものである。
2)プライマー伸長:
アレル特異的なフォワードプライマー及びリバースプライマーをそれぞれ有するDeep Vent+及びDeep Vent−を用いてプライマー伸長を行った。反応条件は、95℃で5分間変性し、次いで95℃で10秒間変性、58.9℃で30秒間アニーリング、72℃で30秒間伸長するサイクルを25回行った。
3)結果:
PCRの結果は、エチジウムブロマイドを含有する2.5%アガロースゲルを0.5X TBEバターとともに用いた10V/cm直流下での電気泳動に基づく。PCR産物をゲルから切断し、同位体活性を液体シンチレーション計数器により計数した。図5に示す通り、単位複製配列がミスマッチしている場合、放射性は対照と同程度のであり、同位体標識されたプライマーから放射性はほとんど検出されず、標識された末端ヌクレオチドが3’−5’エキソヌクレアーゼ消化によって除去されたことを示している。しかしながら、マッチした単位複製配列からの放射性は1019cpmであり、対照よりも10倍以上高かった。
この実験の結果は、マッチした単位複製配列由来の産物が検出可能な同位体シグナルを有していたことを示している。しかしながら、プライマー及び鋳型がマッチしていない場合、プライマーの3’末端における同位体標識は3’−5’エキソヌクレアーゼ消化により除去され、産物は高い放射性を示さなかった。3[H]標識に加え、Deep Vent+ポリメラーゼはRox標識などの蛍光標識されたプライマーをともにSNPを非常に効率的に識別した。3’末端標識プライマーの研究により、本発明者らは、Deep Vent+などの高フィデリティーポリメラーゼによるミスマッチ校正機構は、SNPアッセイで十分に用いることができることが分かった。
実施例3
3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼをホスホロチオエート修飾されたマッチプライマー及びミスマッチプライマーと共に用いた配列分析。
1)プライマー設計:
以下の配列を有するマウスゲノム由来の217bpフラグメントを使用:
cccaagatat ctgagaattc tcagcagcct tccatttaga agggtgttgt tgtctctgag gcaaaaccac atttcttacc gcacaactag agactgagac cagtttctct cattgtcatt gctgctcaga gccagcagaa aagcactcat gacacacact tagaataata gtgcatctga gccaggactg cccttggggt ccattcagct gttt
この配列を標的とする7個のフォワードプライマー及びリバースプライマー(プライマーセット)を設計。フォワードプライマーは、完全にマッチングしたプライマーを1個及び一塩基ミスマッチしたアレル特異的プライマーを6個含み(フォワードプライマーサブセット)、これらのプライマー由来の産物は217bpであった。
完全にマッチしたプライマーは、5’atcccaagatatctgagaattc3’の配列を有する。以下のプライマー中の大文字は、3’末端の−1〜−6上流のミスマッチしたヌクレオチドである:
5’atcccaagatatctgagaattG3’
5’atcccaagatatctgagaatAc3’
5’atcccaagatatctgagaaAtc3’
5’atcccaagatatctgagaTttc3’
5’atcccaagatatctgagTattc3’
5’atcccaagatatctgaCaattc3’
すべてのフォワードプライマーを3’末端でホスホロチオエートにより修飾した。リバースプライマーは、ホスホロチオエートによる修飾をせず、その配列は5’gaaacagctgaatggacccaa3’である。これらのプライマーは、米国のMWG社により合成されたものである。
2)プライマー伸長:
アレル特異的なフォワードプライマー及びリバースプライマーをそれぞれ有するDeep Vent+及びDeep Vent−を用いてプライマー伸長を行った。反応条件は、95℃で5分間変性し、次いで95℃で40秒間変性、58℃で30秒間アニーリング、72℃で30秒間伸長するサイクルを25回行った。
3)結果:
PCRの結果は、エチジウムブロマイドを含有する2.5%アガロースゲルを0.5X TBEバターとともに用いた10V/cm直流下での電気泳動に基づく。図7に示される通り、用いたポリメラーゼのタイプに関係なく、マッチしたプライマーは伸長した。しかしながら、ホスホロチオエート修飾したミスマッチプライマーは、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性をを有するポリメラーゼによっては伸長しなかったが、3’−5’校正活性のないエキソポリメラーゼによって伸長した。これらの結果により、分析される鋳型からGAATTCが解読された。
この実験の結果は、マッチした単位複製配列由来の産物は、Deep Vent−によって変化せず、3’末端ヌクレオチドは消化されずに産物中に保持されることを示している。したがって、3’末端のホスホロチオエート修飾は、Deep Vent−によって媒介されるPCR反応に影響を及ぼさなかった。3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するDeep Vent+ポリメラーゼを用いた場合、ホスホロチオエート修飾された3’末端または3’末端近傍のミスマッチしたヌクレオチドは、該修飾によってプライマーにエキソヌクレアーゼ抵抗特性が付与されるので、速やかに消化されず、DNA複製が早期終結し、「オフ」スイッチ効果を示した。したがって、ホスホロチオエート修飾されていないミスマップライマーは、3’−5’エキソヌクレアーゼ機能を有する高フィデリティーDNAポリメラーゼによって伸長しなかった。本方法は、このように配列分析において有用であり、検出可能な同位体シグナルを有していた。
実施例4
ホスホロチオエート修飾されたマッチプライマー及びミスマッチプライマーと共に3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを用いたSNP分析(図6を参照)
1)プライマー設計:
以下の配列を有するマウスゲノム由来の217bpフラグメントを使用:
cccaagatat ctgagaattc tcagcagcct tccatttaga agggtgttgt tgtctctgag gcaaaaccac atttcttacc gcacaactag agactgagac cagtttctct cattgtcatt gctgctcaga gccagcagaa aagcactcat gacacacact tagaataata gtgcatctga gccaggactg cccttggggt ccattcagct gtttc
2個のフォワードプライマー及び1個のリバースプライマーを設計した。フォワードプライマーはアレル特異的であって、1個のマッチプライマーと1個のミスマッチプライマーを含んでいた。マッチングしたプライマーは5’atcccaagatatctgagaattc3’の配列を有し、ミスマッチした3’プライマーは5’atcccaagatatctgagaattG3’の配列を有する。双方のフォワードプライマーをホスホロチオエート修飾した。リバースプライマーは修飾せず、その配列は5’gaaacagctgaatggacccaa3’である。これらのプライマー由来の産物のサイズは217bpである。プライマーは、米国のMWG社により合成されたものである。
2)プライマー伸長:
アレル特異的なフォワードプライマー及びリバースプライマーをそれぞれ有するDeep Vent+及びDeep Vent−を用いてプライマー伸長を行った。反応条件は、95℃で5分間変性し、次いで95℃で40秒間変性、58℃で30秒間アニーリング、72℃で30秒間伸長するサイクルを25回行った。
3)結果:
PCRの結果は、エチジウムブロマイドを含有する2.5%アガロースゲルを0.5X TBEバターとともに用いた10V/cm直流下での電気泳動に基づく。図6に示す通り、10℃以上異なるアニーリング温度での3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを用いたプライマー伸長において、正確かつ信頼性があるプライマー伸長が観察された。ミスマッチプライマーは、高フィデリティーポリメラーゼにより伸長しなかった。しかしながら、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有さないDeep Vent−ポリメラーゼでは、62℃を超えるアニーリング温度で、SNPの識別のみが観察された。この実験は、本発明の方法により、多くのプライマーが必要とする同じか同様の条件又は複合条件下で配列情報を解読することができることを示す。
実施例5
3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するpfuポリメラーゼを、マッチ及びミスマッチホスホロチオエート修飾プライマーと共に用いた難聴(sensual deaf)GJB3遺伝子中のC→T点変異の検出
1)プライマー設計:
GJB3遺伝子の野生型Cアレル及び変異体を標的とする。フォワードプライマーは、5’caa cat cgt gga ctg cta cat tgc cc3’である。リバースプライマーは、5’gtg aag att ttc ttc ttg gta ggt cg3’である。5’caa cat cgt gga ctg cta cat tgc ct’のフォワードプライマー及び5’gtg aag att ttc ttc ttg gta ggt ca3’のリバースプライマーは、難聴(Deafness)変異体Tアレルを標的とした。フォワードプライマーはホスホロチオエート修飾されいる。プライマーは、Sangon社(中国、上海)により合成されたものである。
2)プライマー伸長:
プライマー対をpfu及びtaqを用いたPCRで用いた。後者は3’−5’エキソヌクレアーゼ活性がない。プライマー伸長は、95℃で5分間の変性、次いで95℃で40秒間変性、56℃で40秒間アニーリング、72℃で30秒間伸長するサイクルを30回行う条件で行った。
3)結果:
PCRの結果は、エチジウムブロマイドを含有する2.5%アガロースゲルを0.5X TBEバターとともに用いた10V/cm直流下での電気泳動に基づく。図8に示す通り、3’−5’エキソヌクレアーゼ機能を有していないtaqを用いた場合には、野生型ホモ接合DNAを鋳型として適用すると、野生型アレル及び変異アレルを標的とする双方のプライマーを伸長した。唯一の相違は、ミスマッチプライマーは比較的少量の産物を産生したことである。図9に示す通り、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するpfuポリメラーゼは一塩基ミスマッチを区別する能力が高い。鋳型と完全にマッチした野生型アレルを標的とするプライマーは、pfuにより伸長した。しかしながら、野生型ゲノムDNAと一塩基ミスマッチした変異アレルを標的とするプライマーは、pfuにより伸長されず、産物は観察されなかった。
3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するpfuと共にホスホロチオエート修飾されたプライマーを用いたプライマー伸長は、一ヌクレオチドレベルでゲノムDNAを速やかかつ正確に分析することができる。
図1は、本発明の基本原理を説明する図である。 図2は、「オン/オフ」スイッチを用いた配列分析に用いた手順である。 図3は、実施例1のゲル電気泳動図である。 図4は、実施例1で用いた配列図である。 図5は、実施例2で用いた液体シンチレーション計数を示す図である。 図6は、実施例3の電気泳動図である。 図7は、実施例4の電気泳動図である。 図8は、実施例5の電気泳動図である。 図9は、実施例5の電気泳動図である。 図10は、分子「オン/オフ」スイッチの作動を示す図である。

Claims (7)

  1. a)3’末端が特異的に修飾されたアレル特異的プライマーを調製する工程、
    b)3’から5’へとプライマーを分解する3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ及び特異的な化学修飾から受継したエキソヌクレアーゼ抵抗特性を有するプライマーとからなる新規な「オン/オフ」スイッチを用いて、マッチした単位複製配列とミスマッチした単位複製配列を識別するために選択的プライマー伸長を行う工程と、
    c)プライマー伸長産物を可視化して配列決定する工程と
    を含む、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有する高フィデリティーポリメラーゼを利用した配列決定方法。
  2. 前記アレル特異的プライマーが3’末端において異なる請求項1に記載の方法。
  3. 前記プライマーセットは化学修飾されたプライマーと化学修飾されていないプライマーからなる請求項1に記載の方法。
  4. 前記化学修飾されたプライマーは3’−5’エキソヌクレアーゼ感受性であるが標識されているか、ヌクレアーゼ抵抗性である請求項3に記載の方法。
  5. 前記分子「オン/オフ」スイッチは、前記ミスマッチした単位複製配列のためのヌクレアーゼ感受性プライマーから標識を「オフ」(除去)することができ、かつ、前記マッチした単位複製配列の標識を「オン」にすることができる、あるいは、前記ミスマッチした単位複製配列をミスマッチした単位複製配列中のヌクレアーゼ抵抗性プライマーに対してオフにし、かつ、前記プライマー伸長を前記マッチした単位複製配列のための前記ヌクレアーゼ抵抗性プライマーに対してオンにする請求項1に記載の方法。
  6. 前記プライマー伸長産物の可視化はDNAに対して通常用いられる方法で行われるか、あるいは、前記可視化は前記標識が前記産物中で保持されているか否かに特異的である請求項3に記載の方法。
  7. 前記プライマー伸長産物の可視化に、前記標識されたプライマーから受継した特有の標識を直接用いるか、または、標識されたdNTPなどからの他の標識を用いる請求項3に記載の方法。

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