JP2005534925A - 特異的配位子結合用混合単層膜を含んでなるナノ粒子 - Google Patents
特異的配位子結合用混合単層膜を含んでなるナノ粒子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005534925A JP2005534925A JP2004526312A JP2004526312A JP2005534925A JP 2005534925 A JP2005534925 A JP 2005534925A JP 2004526312 A JP2004526312 A JP 2004526312A JP 2004526312 A JP2004526312 A JP 2004526312A JP 2005534925 A JP2005534925 A JP 2005534925A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nanoparticles
- group
- ligand
- component
- binding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/543—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
- G01N33/54313—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals the carrier being characterised by its particulate form
- G01N33/54346—Nanoparticles
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y10/00—Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y30/00—Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/29—Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
- Y10T428/2982—Particulate matter [e.g., sphere, flake, etc.]
- Y10T428/2991—Coated
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Nanotechnology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Hematology (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Pathology (AREA)
- Composite Materials (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
- Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
Abstract
遮蔽成分と捕獲成分との比が定義された混合単層膜をコーティングした金属質ナノ粒子を、該当する配位子の特異的捕獲に合わせて単離する。
Description
本件特許出願は、2002年8月1日に出願された米国仮特許出願第60/400,144号の利益を主張するものである。
本発明は、該当する配位子の特異的結合が最大限になるように最適化した混合単層膜をコーティングした金属ナノ粒子の作製に関する。したがって、本発明の方法は、ナノ粒子上の生命体(タンパク質、DNA、細胞など)に合わせて数を制御した特異的結合部位を提供するものである。
ナノ材料やこのような材料と生体分子とのハイブリッドを、エレクトロニクス、光学、ゲノミクス、プロテオミクス、生物医学、生体分析の各分野でさまざまに活用できる可能性があることが認められている。こうしたハイブリッド材料の有用性は、無機ナノ材料と生体分子との間の特異的結合を踏まえた上でいかにうまく合理的な設計を行うことができるか否かに大きく左右される。Au、Ag、Pt、Cuなどの多くのナノ粒子は表面電荷を有することから、静電相互作用による生体分子との非特異的結合が生じるというのが一般的な認識である。アルキルチオール保護ナノ粒子であれば静電相互作用が低減されるが、もうひとつのタイプの非特異的な相互作用である疎水相互作用が生じてしまう。また、アルキルチオール保護ナノ粒子は水に可溶ではないことから、活動に水性環境を必要とする生体分子には適合できないものとなる。プライム(Prime)ら(非特許文献1)およびラヒリ(Lahiri)ら(非特許文献2)はいずれも、金薄膜上にアルカンチオールの自己組織化単層膜を形成することで、表面にタンパク質を吸着させるためのモデル系を作製するための方法について説明している。また、シング(Singh)らは、誘導体化したアルカンチオールを使用して、生体分子群を抽出する目的で金のナノロッドを用いる方法について説明(特許文献1)している。
チオプロニン(N−2−メルカプトプロピオニルグリシン、TP)をコーティングしたナノ粒子には水溶性だという利点こそあれ、生体分子配位子の非特異的結合が生じてしまう。一方、テンプルトン(Templeton)ら(JACS、1999、121、第7081頁)は、チオプロニンと酸性の水溶性配位子とからなる単層膜を1層コーティングした金のクラスターを作製した。そこでは、金とシリコンの表面にエチレングリコール誘導体がコーティングされ、平らな金の表面でのタンパク質結合が阻止されることが示された。さらに、ポリエチレングリコールをコーティングした金ナノ粒子は水溶性であることも示された。しかしながら、中性であるグリコールと生体分子との反応は容易ではなく、特に大きなポリマー鎖がある場合に単層膜の厚さをうまく定めることができない。
フーズ(Foos)ら(Chem.Mater.(2002)、14、第2401〜2408頁)は、単層膜で短鎖エチレングリコールオリゴマーをコーティングした金のナノクラスターを作製した。しかしながら、この著者らは(水性/有機混合溶媒に対するものとして)二相有機溶媒系を用いて作製を行っており、コーティングをほどこした粒子の中には水溶性であることが確認できなかった粒子もあった。
本願出願人らはかつて、単相の有機/水性溶媒系を使用し、厚さまたは長さが十分に画定された、捕獲成分と遮蔽成分とを含んでなる混合単層膜を有する水溶性の金属質ナノ粒子を構成したことがある(米国仮特許出願第60/400,144号)。厚さまたは長さが十分に画定された遮蔽成分であるチオール化エチレングリコール短鎖オリゴマーがナノ粒子と生体分子との間の非特異的相互作用を最小限に抑えるよう機能したのに対し、捕獲コーティング成分(チオプロニンなど)は生体分子を特異的に引き付ける配位子としての役割を果たした。本願出願人らは、捕獲成分と遮蔽成分との臨界比を求めるための方法を開発し、生体分子との特異的結合を維持しつつ生体分子との非特異的結合に対して不活性になる機能を最適化することで、この系を改良した。
本発明は、該当する配位子の特異的結合を明確に最適化した混合単層膜をコーティングしたナノ粒子の作製方法を提供するものである。この単層膜は遮蔽成分と捕獲成分とを含有する。遮蔽成分は、配位子、特に生体分子が単層膜に非特異的に結合するのを防止する目的で設計されるものであり、一般にはエチレングリコール誘導体である。捕獲成分は、該当する配位子(一般には核酸のペプチドなどの生体分子)に対する結合部位を持たせる目的で設計されるものである。本願出願人らは、捕獲成分と遮蔽成分との比を変えることで、ナノ粒子を操作し、他の配位子または材料をすべて除外した状態で該当する配位子を特異的に結合できることを発見した。本発明は、結合対象となる特定の配位子について2つの単層膜成分の具体的な臨界比を求める方法を提供するものである。したがって、本発明は、該当する配位子に対して特定の親和性を有する水溶性金属質ナノ粒子の集団を単離するための方法であって、
a)
i)エチレングリコール成分と、
ii)該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、を含んでなる混合単層膜で各々コーティングされた、多数の可溶性金属質ナノ粒子であって、各ナノ粒子のエチレングリコール成分と捕獲コーティング成分との比が異なる、前記可溶性金属質ナノ粒子を提供し、
b)いくつかのナノ粒子で非特異的配位子結合が生じ、かつ、他のナノ粒子では配位子結合が生じない時間および条件下で、(a)の各金属質ナノ粒子を多種多様な標準配位子の混合物と接触させ、
c)配位子結合が生じない(b)のナノ粒子の第1の小集団を同定し、
d)ナノ粒子への配位子の結合が生じる時間および条件下で、(c)のナノ粒子の第1の小集団を該当する配位子と接触させ、そして
e)ナノ粒子への配位子結合が特異的である(d)のナノ粒子の第2の小集団を単離することを含んでなる方法を提供するものである。
a)
i)エチレングリコール成分と、
ii)該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、を含んでなる混合単層膜で各々コーティングされた、多数の可溶性金属質ナノ粒子であって、各ナノ粒子のエチレングリコール成分と捕獲コーティング成分との比が異なる、前記可溶性金属質ナノ粒子を提供し、
b)いくつかのナノ粒子で非特異的配位子結合が生じ、かつ、他のナノ粒子では配位子結合が生じない時間および条件下で、(a)の各金属質ナノ粒子を多種多様な標準配位子の混合物と接触させ、
c)配位子結合が生じない(b)のナノ粒子の第1の小集団を同定し、
d)ナノ粒子への配位子の結合が生じる時間および条件下で、(c)のナノ粒子の第1の小集団を該当する配位子と接触させ、そして
e)ナノ粒子への配位子結合が特異的である(d)のナノ粒子の第2の小集団を単離することを含んでなる方法を提供するものである。
発明の詳細な記述
本発明は、特定の配位子を除外する一方で他の配位子と結合するように設計した混合単層膜をコーティングしたナノ粒子に関する。本発明の被覆ナノ粒子は、特定の方法でのタンパク質や核酸の固定化用ならびにタンパク質や核酸への付着用の結合剤および他の材料として均一な水溶性粒子が必要とされるナノデバイスの製造に有用である。さらに、本発明の被覆ナノ粒子は、電子デバイス、多機能触媒、化学センサならびに、バイオセンサや生物学的アッセイなどの多くの生物学的用途にナノスケールで用いることができるものである。
本発明は、特定の配位子を除外する一方で他の配位子と結合するように設計した混合単層膜をコーティングしたナノ粒子に関する。本発明の被覆ナノ粒子は、特定の方法でのタンパク質や核酸の固定化用ならびにタンパク質や核酸への付着用の結合剤および他の材料として均一な水溶性粒子が必要とされるナノデバイスの製造に有用である。さらに、本発明の被覆ナノ粒子は、電子デバイス、多機能触媒、化学センサならびに、バイオセンサや生物学的アッセイなどの多くの生物学的用途にナノスケールで用いることができるものである。
特許請求の範囲および明細書を解釈するにあたり、本願明細書では以下の定義および略号を使用する。
「EG2」はジエチレングリコールの略号であり、
「EG3」はトリエチレングリコールの略号であり、
「EG4」はテトラエチレングリコールの略号であり、
「GSH」はグルタチオンの略号であり、
「GST」はグルタチオンs−トランスフェラーゼの略号であり、
「TBE」はトリス−ホウ酸−EDTAの略号であり、
「DMSO」はジメチルスルホキシドの略号であり、
「EDC」は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドの略号である。
「EG2」はジエチレングリコールの略号であり、
「EG3」はトリエチレングリコールの略号であり、
「EG4」はテトラエチレングリコールの略号であり、
「GSH」はグルタチオンの略号であり、
「GST」はグルタチオンs−トランスフェラーゼの略号であり、
「TBE」はトリス−ホウ酸−EDTAの略号であり、
「DMSO」はジメチルスルホキシドの略号であり、
「EDC」は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドの略号である。
「GSH」はグルタチオンの略号である。
「MES」はモルホリノエタンスルホン酸の略号である。
「TP」はチオプロニンの略号であり、
「V/V」は容量/容量の略号である。
「V/V」は容量/容量の略号である。
本願明細書において「ナノ粒子」とは、平均粒径が1〜100nmの間にある金属質粒子であると定義する。好ましくは、粒子の平均粒径が約1〜40nmの間である。本願明細書において使用する場合、「粒度」と「粒径」は同じ意味である。金属質ナノ粒子としては、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルト、およびこれらの金属で構成される合金の粒子があげられるが、これに限定されるものではない。本願明細書において「合金」とは、2以上の金属からなる均質な混合物であると定義する。
「単層膜」とは、単一分子の厚さである、ナノ粒子にコーティングされる材料の層を示す。
「混合単層膜」とは、少なくとも2種類の分子成分を有する単層膜を示す。
「配位子」とは、捕獲コーティング成分と特異的に結合する物質を示す。配位子はどのような物質であってもよく、一般にはペプチドやタンパク質、細胞、核酸断片などのバイオポリマーである。「該当する配位子」とは、何らかの研究調査の対象となる特定の配位子である。
「多種多様な標準配位子」という表現は、該当する配位子を含有しない配位子の群を意味する。一般に、多種多様な標準配位子には、該当する(of intents)配位子が見られる環境と同じ環境で見出される生体分子が含まれる。
「結合対」という用語は、化学ポリマーまたはバイオポリマーをベースにした、互いに特異的に結合するカップルを示す。結合対の一般的な例に、抗原/抗体またはハプテン/抗ハプテン系などの免疫型の結合対がある。
「捕獲コーティング成分」とは、本願明細書において使用する場合、配位子との親和性を有する、ナノ粒子に単層膜を形成できる材料を示す。
「遮蔽用コーティング成分」とは、該当する配位子ではない物質の非特異的結合を防止する機能を有する、ナノ粒子に単層膜を形成できる材料を示す。遮蔽用コーティング成分はさまざまな材料で構成されるもので構わないが、エチレングリコールが特に適している。
混合単層膜の遮蔽成分に関連して用いる場合の「絡み合い分子量」という表現は、この分子量を超えると遮蔽成分として用いるポリマー分子が絡み合いをみせる、最低限の分子量を意味する。ポリマーの絡み合い分子量を求める方法は周知であり、たとえば、フリードリッヒ(Friedrich)ら、Progress and Trends in Rheology V、Proceedings of the European Rheology Conference、第5版、ポルトロージュ(Portoroz)、スロベニア(Slovenia)、1998年9月6〜11(1998)、387。編者(ら):エミリ(Emri),I.、出版社:シュタインコップフ(Steinkopff)、ダルムシュタット(Darmstadt)、ドイツを参照のこと。
「ナノ構造」という用語は、少なくとも1つの特徴寸法(characteristic dimension)が約100ミクロン未満である、チューブ、ロッド、シリンダ、束状構造体、ウエハ、ディスク、シート、プレート、平面、錐体、細長い小片、顆粒、楕円体、楔体、ポリマー繊維、天然繊維、このような他の物体を意味する。
「ナノロッド」という用語は、中空であっても中実であってもよく、断面(crossectional)形状が円形であっても円形でなくても構わない、さまざまなナノ構造を意味する。本発明のナノロッドには、ナノチューブ、ナノファイバ、ポリマーナノファイバ、束状構造体、多壁構造体を含み得る。
「ナノチューブ」という用語は、狭い方の寸法(直径)が約1〜200nmであり、長い方の寸法(長さ)については、短い方の寸法に対する長い方の寸法の比すなわちアスペクト比が少なくとも5である、中空の物品を示す。通常、アスペクト比は10〜2000の間である。
「ナノ平面」とは、1つの特徴寸法が500ナノメートル未満である、単層または二層のグラファイトシートまたはグラフェンシートなどの表面を意味する。
「ナノファイバ」とは、寸法が1000ナノメートル未満と小さい天然のフィラメントまたはポリマーフィラメントを意味する。
「金属結合官能基」という用語は、金属表面への分子の付着を担う化学基を示す。金属結合官能基の非限定的な一例に、金および他の金属に材料を結合させる、スルフィドラル(sulfhydral)(−SH)官能基がある。
「混合溶媒」という用語は、有機成分と水性成分の両方を含んでなり、有機成分が実質的に水混和性である溶媒を示す。
本願明細書において「実質的に水混和性の有機溶媒」とは、少なくとも80容量%の濃度になるまで水に完全に溶解する有機溶媒であると定義する。
「配位子置換法」という用語は、ナノ粒子を混合単層膜でコーティングする方法であって、混合単層膜の第1の成分をナノ粒子にコーティングした後、混合単層膜が達成されるまで第1の成分の要素を第2の成分の要素で置換する方法を示す。
「直接合成法」という用語は、混合単層膜の両方の成分が単一の溶液中で反応し、ナノ粒子で混合単層膜が形成される金属ナノ粒子の存在下にて、ナノ粒子を混合単層膜でコーティングする方法を示す。
被覆ナノ粒子
本発明は、該当する配位子の特異的結合が、他の配位子の結合を除外した状態で得られるような比で遮蔽用コーティング成分と捕獲成分を有する混合単層膜をコーティングした水溶性金属ナノ粒子を提供するものである。
本発明は、該当する配位子の特異的結合が、他の配位子の結合を除外した状態で得られるような比で遮蔽用コーティング成分と捕獲成分を有する混合単層膜をコーティングした水溶性金属ナノ粒子を提供するものである。
本発明のナノ粒子は、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルト、およびこれらの金属からなる合金を含むがこれに限定されるものではない、多種多様な金属で構成し得るものである。使用するのに好ましいのは、金からなるナノ粒子である。一般に、本発明の未被覆ナノ粒子は直径が約1nmから約100nmの範囲であり、約1nmから約40nmが好ましい。金属ナノ粒子を作製する方法は従来技術において周知(たとえば、テンプルトン(Templeton),A.C.ら、Acc.Chem.Res.2000、33、27〜36を参照のこと)であり、さらにシグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Company)などの提供元から商用入手される。
本発明のナノ粒子には、同一単層膜の一部として捕獲成分と遮蔽成分とを有する混合単層膜をコーティングする。捕獲成分については単層膜の約10%から約90%の範囲にすればよいが、捕獲成分を混合単層膜の約50%未満にする方が普通であり、約20%〜40%が好ましい。逆に、遮蔽成分は一般に、単層膜の約10%から約90%に達する、単層膜の主成分をなすものであり、単層膜の少なくとも約50%であるのが適しており、約60%から約90%が好ましい。
捕獲成分は、さまざまな材料を被覆ナノ粒子に結合するように機能する。単一の配位子に対する特定の親和性が捕獲成分にあると好ましい。本発明の典型的な配位子としては、たとえば、ペプチド、タンパク質、核酸断片、コラーゲンなどのバイオポリマーならびに、さまざまなナノ構造(本願明細書にて定義するようなナノロッド、ナノチューブ、ナノ平面、ナノ繊維)などのナノデバイスの組立てと合成に役立つナノ材料があげられる。また、配位子は結合対の一メンバーを含んでなり得る。化学ベースおよびタンパク質ベースの結合対は従来技術において周知であり、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/グルタチオン、6Xヒスチジンタグ/Ni−NTA、ストレプトアビジン/ビオチン、S−タンパク質/S−ペプチド、Cutinase/ホスホネートインヒビターなどの組み合わせを含むがこれに限定されるものではない。さらに、結合対には、抗原/抗体またはハプテン/抗ハプテン系などの免疫型のあらゆるクラスの結合対ならびに、ビオチン/アビジン;ビオチン/ストレプトアビジン;葉酸/葉酸塩結合タンパク質などの非免疫型のあらゆるクラスの結合対;ペプチド核酸配列を含む相補的核酸セグメント;タンパク質AまたはG/免疫グロブリン;マレイミドおよびハロアセチル誘導体をはじめとするスルフヒドリル反応基などの共有結合を形成する結合対、イソトリオシアネート、スクシンイミジルエステルおよびハロゲン化スルホニルなどのアミン反応基も含まれる。
捕獲成分は、該当する配位子への結合を可能にするさまざまな化学基で官能化し得るものである。このような化学反応基の非限定的な例としては、−NH2基、−COOH基、−CHO−基、−OH基、−X(Cl、Br、I)基、スクシンイミド基、エポキシ基よりなる群から選択されるものがあげられる。好適な捕獲成分の好ましい例にチオプロニンおよびGSHがある。チオプロニン(TPと略記)、N−2−メルカプトプロピオニル−グリシン、は配位子に合った都合のよい結合部位として機能する露出したカルボキシ基(下記に示す)が存在することから、特に捕獲成分として好適である。
混合単層膜の遮蔽成分は、該当するものではない配位子の被覆ナノ粒子との結合をブロックする機能を果たし、該当する特定の配位子を結合、単離または固定化する目的でナノ粒子を利用できるようにするものである。配位子を結合しないことが遮蔽成分の主な要件であり、十分に長さの定義された非荷電水溶性分子が一般的である。過剰な長さのポリマーが捕獲成分の結合部位をブロックする作用を有する場合もあるため、ポリマーの長さを制御しなければならない。好適な遮蔽成分としては、短鎖エチレングリコールオリゴマー、エチレングリコールメタクリレート、糖類、クラウンエーテル、アクリルアミドがあげられるが、これに限定されるものではなく、短鎖エチレングリコールオリゴマーが好ましい。
遮蔽成分については、金属ナノ粒子の表面に結合するように官能化することができる。ある材料に金属結合官能基を持たせる一般的な方法のひとつに、好ましい2種類の短鎖エチレングリコールオリゴマーについて下記に示すようにして、スフヒドラル(sufhydral)基を加える方法がある。
短鎖エチレングリコールオリゴマーであれば何でも適しているのではあるが、通常はオリゴマーの絡み合い分子量よりも小さくなるようにサイズを制限してあるものの方が好ましい。どういった機序でこのような選択基準になるのかを示唆するつもりはないが、捕獲成分の結合部位のブロックを回避するには、長いポリマー鎖との対比で短鎖遮蔽成分の方が適していると考えられる。捕獲成分の配位子結合部位が配位子に近付くことができるようになるのは短鎖遮蔽成分がゆえであると想定すると理にかなう。主成分の鎖長が長くなると配位子結合官能基がブロックされ、結合の発生が妨げられる場合がある。
被覆ナノ粒子の合成
本発明は、コーティング成分と遮蔽成分との比が合理的に設計された混合単層膜をコーティングしたナノ粒子を提供するものである。本願明細書において好ましいのは、配位子置換法および直接合成法と呼ばれる、このようなナノ粒子を合成するための2つの方法である。これら2つの方法は主に成分を添加する順序の点で異なるものであり、その詳細を下記にて説明する。
本発明は、コーティング成分と遮蔽成分との比が合理的に設計された混合単層膜をコーティングしたナノ粒子を提供するものである。本願明細書において好ましいのは、配位子置換法および直接合成法と呼ばれる、このようなナノ粒子を合成するための2つの方法である。これら2つの方法は主に成分を添加する順序の点で異なるものであり、その詳細を下記にて説明する。
配位子置換
配位子置換法は、金属ナノ粒子を混合単層膜の第1の成分でコーティングすることから始まり、続いて被覆粒子を第2の成分に曝露する。適切な反応条件下では、混合単層膜が形成されるような形で第1の成分の要素が第2の成分の要素に置換される。この配位子置換法は、次のような工程ステップを含んでなる。
a)該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分の単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を提供し、
b)少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒と少なくとも1種の水性溶媒とを含んでなる、pHが7.0未満の混合溶媒中で、(a)の被覆ナノ粒子を、金属結合官能基を有する遮蔽用コーティング成分と混合し、遮蔽用コーティング成分と捕獲コーティング成分との間で置換(exchange)を発生させて混合単層膜のコーティングされたナノ粒子を形成する。
配位子置換法は、金属ナノ粒子を混合単層膜の第1の成分でコーティングすることから始まり、続いて被覆粒子を第2の成分に曝露する。適切な反応条件下では、混合単層膜が形成されるような形で第1の成分の要素が第2の成分の要素に置換される。この配位子置換法は、次のような工程ステップを含んでなる。
a)該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分の単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を提供し、
b)少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒と少なくとも1種の水性溶媒とを含んでなる、pHが7.0未満の混合溶媒中で、(a)の被覆ナノ粒子を、金属結合官能基を有する遮蔽用コーティング成分と混合し、遮蔽用コーティング成分と捕獲コーティング成分との間で置換(exchange)を発生させて混合単層膜のコーティングされたナノ粒子を形成する。
場合により、濾過、遠心分離または蒸留などの標準的な方法によって、混合単層膜被覆金属ナノ粒子を溶液から単離してもよい。
混合単層膜を調製するための配位子置換法で特に重要なのは、酸性pHで混合溶媒を用いることである。混合溶媒は水性分と有機分とを含んでなり、有機分は実質的に水混和性である。好適な有機溶媒としては、C1〜C6アルカノール(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、アセトンがあげられるが、これに限定されるものではない。また、好適な溶媒には、互いに完全に混和し、実質的に水混和性の有機溶媒である混合物が得られる有機溶媒の混合物も含まれる。多成分有機溶媒の例としては、酢酸エチルとメタノール、酢酸エチルとエタノール、酢酸エチルとイソプロパノール、酢酸エチルとアセトン、酢酸エチルとジメチルホルムアミドとジメチルスルホキシド、酢酸エチルとテトラヒドロフランとジオキサンがあげられるが、これに限定されるものではない。好ましい有機溶媒はメタノールまたはエタノールである。
混合溶媒の水性分は単なる水であってもよいが、通常はpH約7.0未満(pHについては約5.5未満であると好ましい)の酸環境で反応が起こる方が好ましいため、酢酸などの酸を用いるのが普通である。
配位子置換法では、単層膜をコーティングした金属質ナノ粒子を提供することに頼っている。単一の単層膜をコーティングしたナノ粒子を合成する方法については周知である。たとえば、本願明細書に援用する、テンプルトン(Templeton)ら(Langmuir 15:66〜76(1999))には、チオプロニンまたはコエンザイムA単層膜で保護された、荷電水溶性金ナノ粒子を作製するための方法が記載されている。チオプロニン保護金ナノ粒子を作製するにあたって、四塩化金酸とN−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン(チオプロニン)とをメタノールと酢酸との混合物に同時溶解させた。素早く攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムを添加した。コエンザイムA保護金ナノ粒子についても、反応におけるチオプロニンをコエンザイムAに変えて同様にして作製した。金だけでなく、他の金属を使用してもよい。たとえば、ヒース(Heath)らの米国特許第6,103,868号明細書には、チオール、ホスフィン、ジスルフィド、アミン、オキシドまたはアミドなどの官能基を有していた有機表面パッシバントの溶液を用いて、金、銀、白金、パラジウム、コバルト、ニッケルをコーティングすることについて記載されている。本願明細書に援用する、チェン(Chen)ら(Colloids and Surfaces A 169:107〜116(2000))には、ポリ(N−ビニルイソブチルアミド)の存在下にてクロロ白金酸をエタノールで還元し、エタノール−水混合物中でナノ粒子を作製することを伴う別の方法が記載されている。他の方法についても、ハーゲマイヤー(Hagemeyer)らの米国特許第6,074,979号明細書;ウェルフィング(Wuelfing)ら(J.Am.Chem.Soc.120:12696〜12697(1998));チャン(Chan)ら(Science 281:2016〜2018(1998));ミッチェル(Mitchell)ら(J.Am.Chem.Soc.121:8122〜8123(1999));ナパー(Napper)(J.Colloid.Interface.Sci 58:390〜407(1977))などに説明がある。
したがって、本発明において用いる、捕獲成分をコーティングしたナノ粒子を合成する好ましい方法には以下の工程ステップを伴う。
a)該当する配位子に対する親和性を有する、金属結合官能基を含んでなる捕獲コーティング成分と、金属塩とを混合し、pHが7.0未満の第1の反応混合物を形成し、
b)(a)の第1の反応混合物に好適な還元剤を添加し、前記捕獲コーティング成分をコーティングした金属ナノ粒子を含んでなる第2の反応混合物を形成する。
a)該当する配位子に対する親和性を有する、金属結合官能基を含んでなる捕獲コーティング成分と、金属塩とを混合し、pHが7.0未満の第1の反応混合物を形成し、
b)(a)の第1の反応混合物に好適な還元剤を添加し、前記捕獲コーティング成分をコーティングした金属ナノ粒子を含んでなる第2の反応混合物を形成する。
上記の方法または同様の方法を使用して単一の単層膜をコーティングしたナノ粒子を作製する場合、金属塩から開始するのがよい。好適な金属塩として、金属、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルト、およびこれらの金属からなる合金の塩があげられるが、これに限定されるものではない。特に適した塩には、HAuCl4、AgNO3、Cu(CH3CO2)2、Cu(NO3)2、HPtCl6、K2PdCl4がある。
金属結合官能化捕獲成分または遮蔽成分を金属ナノ粒子の表面に結合するには還元剤が必要である。捕獲または遮蔽用コーティング成分に金属結合官能基を持たせるには、還元後に金属表面を結合するさまざまな反応基を加えるのが普通である。この種の一般的な反応基は、多くの好適な捕獲コーティング成分の誘導体化に使用できるスルフヒドラル(−SH)基である。一般的な還元剤には、捕獲成分の金属−結合官能基と相互作用するものがある。金属結合官能基が−SHである好適な還元剤には、NaBH4、トリエチル水素化ホウ素リチウム、過酸化水素がある。
直接合成
2段階での配位子置換法とは対照的に、単一ステップの直接合成法で本発明の混合単層膜被覆ナノ粒子を合成することも可能である。この方法は、遮蔽成分がエチレングリコールからなるものである場合に有用である。直接合成法は、以下の工程ステップから進む。
a)
i)金属質ナノ粒子と、
ii)金属結合官能基を有するエチレングリコール成分と、
iii)金属結合官能基を有し、かつ、該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、
iv)好適な還元剤と、
v)少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒と少なくとも1種の水性溶媒とを含んでなり、pHが7.0未満である混合溶媒と、を提供し、
b)(v)の混合溶媒中で要素(i)〜(iv)を混合して反応混合物を形成し、反応混合物中での水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであり、混合単層膜が金属質ナノ粒子上に形成される。
2段階での配位子置換法とは対照的に、単一ステップの直接合成法で本発明の混合単層膜被覆ナノ粒子を合成することも可能である。この方法は、遮蔽成分がエチレングリコールからなるものである場合に有用である。直接合成法は、以下の工程ステップから進む。
a)
i)金属質ナノ粒子と、
ii)金属結合官能基を有するエチレングリコール成分と、
iii)金属結合官能基を有し、かつ、該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、
iv)好適な還元剤と、
v)少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒と少なくとも1種の水性溶媒とを含んでなり、pHが7.0未満である混合溶媒と、を提供し、
b)(v)の混合溶媒中で要素(i)〜(iv)を混合して反応混合物を形成し、反応混合物中での水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであり、混合単層膜が金属質ナノ粒子上に形成される。
場合により、従来技術において周知のいずれかの手段で被覆ナノ粒子を単離してもよい。
あるいは、まず最初に混合溶媒の成分同士を分離する一連のステップを直接合成法で利用してもよい。金属塩、遮蔽成分、捕獲成分を有機溶媒に溶解させた上で水に溶解させた還元剤と混合した場合に、良好な結果が得られた。最終溶液をpH7.0未満としなければならないため、混合物中での水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであると好ましい。したがって、本発明は、
a)
(i)金属塩と、
(ii)金属結合官能基を有する遮蔽成分と、
(iii)金属結合官能基を有し、かつ、該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、
(iv)有機溶媒と、を含んでなる第1の反応混合物を提供し、
b)水性溶媒中に好適な還元剤を含んでなる第2の反応混合物であって、pHが7.0未満である第2の反応混合物を提供し、
c)第1および第2の反応混合物を混合し、混合物中の水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであり、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を形成することを含んでなる、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を合成するための方法を提供するものである。
a)
(i)金属塩と、
(ii)金属結合官能基を有する遮蔽成分と、
(iii)金属結合官能基を有し、かつ、該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、
(iv)有機溶媒と、を含んでなる第1の反応混合物を提供し、
b)水性溶媒中に好適な還元剤を含んでなる第2の反応混合物であって、pHが7.0未満である第2の反応混合物を提供し、
c)第1および第2の反応混合物を混合し、混合物中の水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであり、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を形成することを含んでなる、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を合成するための方法を提供するものである。
直接合成法では一反応ステップの利点が得られるが、反応混合物中の水の量を制御するのは必須である。たとえば、反応物の最終的な水分含有量を約5%から約20%(V/V)にすべきであり、約9%から約18%(V/V)が好ましい。直接合成法では、ナノ粒子の溶解性が水の濃度に影響されやすく、溶液から析出するナノ粒子に水濃度の変動が影響する場合がある。
いずれかの方法で合成して得られるナノ粒子の平均サイズについては、「Water−Soluble, Isolable Gold Clusters Protected by Tiopronin and Coenzyme A Monolayers」、A.C.テンプルトン(Templeton)、S.チェン(Chen)、S.M.グロス(Gross)、R.W.マレー(Murray)、ラングミュア(Langmuir)、1999年、15、第66〜76頁に記載されているように、金属塩と捕獲コーティング成分とのモル比を変えることで制御可能である。
上述した方法はいずれも室温で実施できるものであるが、室温よりも高い温度または低い温度を利用することも可能である。
特定の配位子と結合しているナノ粒子の単離と分離
本発明の方法を用いて、非特異的に結合する材料および配位子を除外しつつ該当する特定の配位子を結合する単層膜被覆ナノ粒子を単離する。本発明に不可欠な特徴のひとつに、単層膜の遮蔽成分と捕獲成分との比を変更して該当する配位子の最適な結合を得ると同時に、他のすべての配位子または材料を最大限に除外することがある。これを達成するには、各々が遮蔽率:捕獲成分の異なる多数のナノ粒子を提供する必要がある。これは、上述した方法のいずれにおいても遮蔽成分および捕獲成分の供給比を変えることで作製工程の間に行い得るものである。
本発明の方法を用いて、非特異的に結合する材料および配位子を除外しつつ該当する特定の配位子を結合する単層膜被覆ナノ粒子を単離する。本発明に不可欠な特徴のひとつに、単層膜の遮蔽成分と捕獲成分との比を変更して該当する配位子の最適な結合を得ると同時に、他のすべての配位子または材料を最大限に除外することがある。これを達成するには、各々が遮蔽率:捕獲成分の異なる多数のナノ粒子を提供する必要がある。これは、上述した方法のいずれにおいても遮蔽成分および捕獲成分の供給比を変えることで作製工程の間に行い得るものである。
異なる組成物の単層膜を用いてナノ粒子のプールを作製した後、これらのナノ粒子を多種多様な標準配位子の混合物と接触させればよい。これらの配位子は該当する配位子を含有せず、かつ検出対象となる該当する配位子の環境に見られる材料(通常は他の生体分子(biomoleclue))を含んでなるのが普通である。特に好適な多種多様な標準配位子混合物としては、リゾチーム、ウシ血清アルブミン、シトクロムがあげられるが、これに限定されるものではない。配位子標準は一般にナノ粒子の多くを非特異的に結合するが、中には完全にこれを耐えるものもある。こうして、さまざまな配位子の非特異的結合にうまく抵抗するナノ粒子の小集団を選別する。この小集団を該当する配位子に曝露し、該当する配位子に対して高い結合親和性を示すナノ粒子を第2の小集団として選択する。この第2の小集団に含まれるナノ粒子は、単層膜の遮蔽成分と捕獲成分との比が該当する配位子の特異的結合を行うのに最適なものとなっている。このような特定の単層膜組成物を有するナノ粒子をアッセイに利用すれば、該当する配位子を検出または単離することができる。あるいは、該当する配位子を使用し、ナノ粒子をナノワイヤまたはナノエレクトリックデバイスの他の成分に固定化またはアセンブルすることもできる。
したがって、本発明の目的は、該当する配位子に対して特定の親和性を有する水溶性金属質ナノ粒子の集団を単離するための方法であって、
a)
i)エチレングリコールからなる遮蔽成分と、
ii)該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、を含んでなる混合単層膜で各々コーティングされた多数の可溶性金属質ナノ粒子であって、各ナノ粒子の遮蔽成分と捕獲コーティング成分との比が異なる、前記可溶性金属質ナノ粒子を提供し、
b)いくつかのナノ粒子で非特異的配位子結合が生じ、かつ、他のナノ粒子では配位子結合が生じない時間および条件下で、(a)の各金属質ナノ粒子を多種多様な標準配位子の混合物と接触させ、
c)配位子結合が生じない(b)のナノ粒子の第1の小集団を同定し、
d)ナノ粒子への配位子の結合が生じる時間および条件下で、(c)のナノ粒子の第1の小集団を該当する配位子と接触させ、そして
e)ナノ粒子への配位子結合が特異的である(d)のナノ粒子の第2の小集団を単離することを含んでなる方法を提供することにある。
a)
i)エチレングリコールからなる遮蔽成分と、
ii)該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、を含んでなる混合単層膜で各々コーティングされた多数の可溶性金属質ナノ粒子であって、各ナノ粒子の遮蔽成分と捕獲コーティング成分との比が異なる、前記可溶性金属質ナノ粒子を提供し、
b)いくつかのナノ粒子で非特異的配位子結合が生じ、かつ、他のナノ粒子では配位子結合が生じない時間および条件下で、(a)の各金属質ナノ粒子を多種多様な標準配位子の混合物と接触させ、
c)配位子結合が生じない(b)のナノ粒子の第1の小集団を同定し、
d)ナノ粒子への配位子の結合が生じる時間および条件下で、(c)のナノ粒子の第1の小集団を該当する配位子と接触させ、そして
e)ナノ粒子への配位子結合が特異的である(d)のナノ粒子の第2の小集団を単離することを含んでなる方法を提供することにある。
以下の実施例において本発明をさらに定義する。これらの実施例は本発明の好ましい実施形態を示すものではあるが、例示目的であげたものにすぎない点を理解されたい。当業者であれば、上記の説明および以下の実施例から本発明に不可欠な特徴を把握することができ、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明にさまざまな変更および改変を施してこれをさまざまな用途および条件に合わせることができる。
材料および方法
特に明記しない限り、試薬はいずれもアルドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals)(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee))から購入し、それ以上精製することなく使用した。
特に明記しない限り、試薬はいずれもアルドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals)(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee))から購入し、それ以上精製することなく使用した。
略号の意味は以下のとおりである。「h」は時間(単数または複数)を意味し、「min」は分(単数または複数)を意味し、「sec」は秒(単数または複数)を意味し、「d」は日(単数または複数)を意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「L」はリットルを意味する。
実施例1
ジエチレングリコールチオール(EG2−SH)の合成
250mL容の乾燥した丸底フラスコに、1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン(90%、10.0g)と尿素(99%、8.3g)とを入れた。次に、このフラスコにエタノール(99.9%)80mLを加えた。混合物を6時間還流した。混合物を室温まで冷却した後、回転蒸発によってEtOHを回収した。続いて20%NaOH150gを加え、3時間還流した。この混合物を室温まで冷却し、500mL容のビーカーに注いだ。この混合物に、pHが2になるまで15%HCl(濃HClから調製)を攪拌しながらゆっくりと加えた。混合物をエーテル200mLで4回抽出した。エーテル相の液体分を1000mL容のビーカーに回収し、D.I.水200mLでエーテル相を抽出し、塩と他の不純物とをさらに除去した。回転蒸発によってエーテルを除去し、41〜42℃にて圧力1.2mmHgで粗生成物を蒸留した。最終生成物は一般的なチオールの臭いのする無色のもので、重量は6.0g、収率57%であった。nmR測定によって構造を確認した。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ:1.60〜1.65(t,1H)、2.70〜2.80(m,2H)、3.45(s,3H)、3.55〜3.75(m,6H)。
ジエチレングリコールチオール(EG2−SH)の合成
250mL容の乾燥した丸底フラスコに、1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン(90%、10.0g)と尿素(99%、8.3g)とを入れた。次に、このフラスコにエタノール(99.9%)80mLを加えた。混合物を6時間還流した。混合物を室温まで冷却した後、回転蒸発によってEtOHを回収した。続いて20%NaOH150gを加え、3時間還流した。この混合物を室温まで冷却し、500mL容のビーカーに注いだ。この混合物に、pHが2になるまで15%HCl(濃HClから調製)を攪拌しながらゆっくりと加えた。混合物をエーテル200mLで4回抽出した。エーテル相の液体分を1000mL容のビーカーに回収し、D.I.水200mLでエーテル相を抽出し、塩と他の不純物とをさらに除去した。回転蒸発によってエーテルを除去し、41〜42℃にて圧力1.2mmHgで粗生成物を蒸留した。最終生成物は一般的なチオールの臭いのする無色のもので、重量は6.0g、収率57%であった。nmR測定によって構造を確認した。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ:1.60〜1.65(t,1H)、2.70〜2.80(m,2H)、3.45(s,3H)、3.55〜3.75(m,6H)。
実施例2
トリエチレングリコールチオール(EG3−SH)の合成
亜リン酸の三臭化物(phosphorous tribromide)(99%、22.0g、0.081モル)をCH2Cl250mLに入れたものを、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル(98%、アルファ・エーサー(Alfa Aesar))20.0g(0.122モル)とピリジン7.0mLとCH2Cl230mLとの攪拌混合物に0℃でゆっくりと加えた。得られた混合物を室温にて16時間攪拌した。次に、D.I.水10mLを加えた。この混合物を、10%炭酸ナトリウム水溶液160mL、飽和NaOH160mL、5%硫酸160mL、D.I.水160mLで続けて洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を回転蒸発により除去した。粗生成物であるCH3O(CH2CH2O)2CH2CH2Br(7.8g、0.034モル)と、尿素(99%、5.6g、0.073モル)と、エタノール(99.9%)65mLとを混合し、6時間還流した。この混合物を室温まで冷却した後、回転蒸発によってEtOHを除去した。続いて20%NaOH150gを加え、3時間還流した。この混合物を室温まで冷却し、15%HClを用いてpHが2.0に達するまで酸性化した。混合物をエーテル200mLずつで4回抽出した。D.I.水200mLでエーテル相を抽出し、塩と他の不純物とをさらに除去した。回転蒸発によってエーテルを除去し、粗生成物を蒸留し、収率70%で最終生成物(EG3−SH)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ:1.50〜1.55(t,1H)、2.62〜2.67(dt,2H)、3.33(s,3H)、3.49〜3.51(dt,2H)および3.55〜3.62(m,8H)。
トリエチレングリコールチオール(EG3−SH)の合成
亜リン酸の三臭化物(phosphorous tribromide)(99%、22.0g、0.081モル)をCH2Cl250mLに入れたものを、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル(98%、アルファ・エーサー(Alfa Aesar))20.0g(0.122モル)とピリジン7.0mLとCH2Cl230mLとの攪拌混合物に0℃でゆっくりと加えた。得られた混合物を室温にて16時間攪拌した。次に、D.I.水10mLを加えた。この混合物を、10%炭酸ナトリウム水溶液160mL、飽和NaOH160mL、5%硫酸160mL、D.I.水160mLで続けて洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を回転蒸発により除去した。粗生成物であるCH3O(CH2CH2O)2CH2CH2Br(7.8g、0.034モル)と、尿素(99%、5.6g、0.073モル)と、エタノール(99.9%)65mLとを混合し、6時間還流した。この混合物を室温まで冷却した後、回転蒸発によってEtOHを除去した。続いて20%NaOH150gを加え、3時間還流した。この混合物を室温まで冷却し、15%HClを用いてpHが2.0に達するまで酸性化した。混合物をエーテル200mLずつで4回抽出した。D.I.水200mLでエーテル相を抽出し、塩と他の不純物とをさらに除去した。回転蒸発によってエーテルを除去し、粗生成物を蒸留し、収率70%で最終生成物(EG3−SH)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ:1.50〜1.55(t,1H)、2.62〜2.67(dt,2H)、3.33(s,3H)、3.49〜3.51(dt,2H)および3.55〜3.62(m,8H)。
実施例3
テトラエチレングリコールチオール(EG4−SH)の合成
亜リン酸の三臭化物(99%、22.0g、0.081モル)を、テトラ(エチレングリコール)モノメチルエーテル(98%、アルファ・エーサー(Alfa Aesar))10.0g(0.048モル)とピリジン2.0gとの攪拌混合物に0℃でゆっくりと加えた。得られた混合物を室温にて16時間攪拌した。次に、D.I.水10mLを加えた。この混合物を、四塩化炭素40mLずつで3回抽出した。この混合有機抽出物を、25mLの10%炭酸ナトリウム水溶液、5%硫酸、D.I.水で続けて洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を回転蒸発により除去した。粗生成物であるCH3O(CH2CH2O)3CH2CH2Br(90%、10.0g)と、尿素(99%、8.3g)と、エタノール(99.9%)80mLとを混合し、6時間還流した。この混合物を室温まで冷却した後、、回転蒸発によってEtOHを除去した。続いて20%NaOH150gを加え、3時間還流した。この混合物を室温まで冷却し、15%HClを用いてpHが2.0に達するまで酸性化した。混合物をエーテル200mLずつで4回抽出した。D.I.水200mLでエーテル相を抽出し、塩と他の不純物とをさらに除去した。回転蒸発によってエーテルを除去し、粗生成物を蒸留し、最終生成物(EG4−SH)を収率22%で得た。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ:1.50〜1.55(t,1H)、2.60〜2.65(dt,2H)、3.31(s,3H)、3.45〜3.50(dt,2H)および3.53〜3.62(m,14H)。
テトラエチレングリコールチオール(EG4−SH)の合成
亜リン酸の三臭化物(99%、22.0g、0.081モル)を、テトラ(エチレングリコール)モノメチルエーテル(98%、アルファ・エーサー(Alfa Aesar))10.0g(0.048モル)とピリジン2.0gとの攪拌混合物に0℃でゆっくりと加えた。得られた混合物を室温にて16時間攪拌した。次に、D.I.水10mLを加えた。この混合物を、四塩化炭素40mLずつで3回抽出した。この混合有機抽出物を、25mLの10%炭酸ナトリウム水溶液、5%硫酸、D.I.水で続けて洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を回転蒸発により除去した。粗生成物であるCH3O(CH2CH2O)3CH2CH2Br(90%、10.0g)と、尿素(99%、8.3g)と、エタノール(99.9%)80mLとを混合し、6時間還流した。この混合物を室温まで冷却した後、、回転蒸発によってEtOHを除去した。続いて20%NaOH150gを加え、3時間還流した。この混合物を室温まで冷却し、15%HClを用いてpHが2.0に達するまで酸性化した。混合物をエーテル200mLずつで4回抽出した。D.I.水200mLでエーテル相を抽出し、塩と他の不純物とをさらに除去した。回転蒸発によってエーテルを除去し、粗生成物を蒸留し、最終生成物(EG4−SH)を収率22%で得た。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ:1.50〜1.55(t,1H)、2.60〜2.65(dt,2H)、3.31(s,3H)、3.45〜3.50(dt,2H)および3.53〜3.62(m,14H)。
実施例4
平均直径3.5nmのチオプロニン単層膜保護金ナノ粒子[Au−(TP)n]の合成
一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)60mLと酢酸(HPLCグレード)10mLとを、250mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl4・xH2O)(99.99%)0.37g(0.94mmol)とN−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン(チオプロニン、99%)16.32mg(0.1mmol)とを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、99%)0.6g(16mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水30gに溶解させた。このNaBH4溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBH4の最初の1滴を加えると、HAuCl4溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めた。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間維持した。このチオプロニン保護金ナノ粒子は水に可溶であった。希釈すると透明な紫色になった。この粒子溶液をフィルタチューブ(50K MWカットオフ、ミリポア(Millipore))に移し、3,500rpmでの遠心により精製し、ナノピュア(Nanopure)水で4回洗浄した後、凍結乾燥器(lypholizer)で3日間かけて乾燥させた。
平均直径3.5nmのチオプロニン単層膜保護金ナノ粒子[Au−(TP)n]の合成
一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)60mLと酢酸(HPLCグレード)10mLとを、250mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl4・xH2O)(99.99%)0.37g(0.94mmol)とN−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン(チオプロニン、99%)16.32mg(0.1mmol)とを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、99%)0.6g(16mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水30gに溶解させた。このNaBH4溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBH4の最初の1滴を加えると、HAuCl4溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めた。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間維持した。このチオプロニン保護金ナノ粒子は水に可溶であった。希釈すると透明な紫色になった。この粒子溶液をフィルタチューブ(50K MWカットオフ、ミリポア(Millipore))に移し、3,500rpmでの遠心により精製し、ナノピュア(Nanopure)水で4回洗浄した後、凍結乾燥器(lypholizer)で3日間かけて乾燥させた。
[HAuCl4]と[チオプロニン]とのモル比を変更すれば、ナノ粒子の平均サイズを調節することができる。この比を大きくすると、平均粒度も大きくなる。
実施例5
グルタチオン単層膜保護金ナノ粒子の作製
一般的な反応では、メタノール(HPLCグレード)60mLと酢酸(HPLCグレード)10mLとを、エルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。四塩化金酸(HAuCl4・xH2O、99.99%)(0.37g)とグルタチオン(GSH)(最低99%、ミズーリ州セント・ルイス(St.Louis)のシグマ(Sigma)から入手)61.4mgとを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。NaBH4(99%)0.6gをナノピュア(Nanopure)(R)水30gに溶解させることによって、水素化ホウ素ナトリウム溶液を調製した。このNaBH4溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBH4溶液の最初の1滴を加えると、HAuCl4溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応は発熱を伴うものであり、溶液をおよそ15分間温めた。反応時、溶液のpHが1.2から約5.0まで変化した。この反応溶液を2時間素早く攪拌した。このグルタチオン単層膜保護金ナノ粒子は水に可溶であり、希釈すると溶液は透明な紫色になった。この粒子溶液フィルタチューブ(50K MWカットオフ、ミリポア(Millipore))に移し、3,500rpmでの遠心により精製し、ナノピュア(Nanopure)(R)水で4回洗浄した後、凍結乾燥器(lypholizer)で3日間かけて乾燥させた。
グルタチオン単層膜保護金ナノ粒子の作製
一般的な反応では、メタノール(HPLCグレード)60mLと酢酸(HPLCグレード)10mLとを、エルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。四塩化金酸(HAuCl4・xH2O、99.99%)(0.37g)とグルタチオン(GSH)(最低99%、ミズーリ州セント・ルイス(St.Louis)のシグマ(Sigma)から入手)61.4mgとを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。NaBH4(99%)0.6gをナノピュア(Nanopure)(R)水30gに溶解させることによって、水素化ホウ素ナトリウム溶液を調製した。このNaBH4溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBH4溶液の最初の1滴を加えると、HAuCl4溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応は発熱を伴うものであり、溶液をおよそ15分間温めた。反応時、溶液のpHが1.2から約5.0まで変化した。この反応溶液を2時間素早く攪拌した。このグルタチオン単層膜保護金ナノ粒子は水に可溶であり、希釈すると溶液は透明な紫色になった。この粒子溶液フィルタチューブ(50K MWカットオフ、ミリポア(Millipore))に移し、3,500rpmでの遠心により精製し、ナノピュア(Nanopure)(R)水で4回洗浄した後、凍結乾燥器(lypholizer)で3日間かけて乾燥させた。
実施例6
平均直径3.0nmのトリエチレングリコール単層膜保護金ナノ粒子(Au−EG3)の合成
一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)30mLと酢酸(HPLCグレード)5.0mLとを、150mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl4・xH2O)(99.99%)0.175g(0.44mmol)とトリエチレングリコールチオール(EG3−SH)40.0mg(0.22mmol)とを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、99%)0.15g(4.0mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水5.0mLに溶解させた。このNaBH4溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBH4の最初の1滴を加えると、HAuCl4溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めた。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間継続した。このジエチレングリコール保護金ナノ粒子は水に可溶である。希釈すると透明な赤紫色になった。この粒子溶液をフィルタチューブ(50K MWカットオフ、ミリポア(Millipore))に移し、3,500rpmでの遠心により精製し、ナノピュア(Nanopure)水で4回洗浄した後、凍結乾燥器(lypholizer)で3日間かけて乾燥させた。
平均直径3.0nmのトリエチレングリコール単層膜保護金ナノ粒子(Au−EG3)の合成
一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)30mLと酢酸(HPLCグレード)5.0mLとを、150mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl4・xH2O)(99.99%)0.175g(0.44mmol)とトリエチレングリコールチオール(EG3−SH)40.0mg(0.22mmol)とを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、99%)0.15g(4.0mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水5.0mLに溶解させた。このNaBH4溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBH4の最初の1滴を加えると、HAuCl4溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めた。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間継続した。このジエチレングリコール保護金ナノ粒子は水に可溶である。希釈すると透明な赤紫色になった。この粒子溶液をフィルタチューブ(50K MWカットオフ、ミリポア(Millipore))に移し、3,500rpmでの遠心により精製し、ナノピュア(Nanopure)水で4回洗浄した後、凍結乾燥器(lypholizer)で3日間かけて乾燥させた。
実施例7
平均直径3.0nmのテトラエチレングリコール単層膜保護金ナノ粒子(Au−EG4)の合成
一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)30mLと酢酸(HPLCグレード)5.0mLとを、150mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl4・xH2O)(99.99%)0.0885g(0.23mmol)とテトラエチレングリコールチオール(EG4−SH)22.4mg(0.1mmol)とを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、99%)0.075g(2.0mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水5.0mLに溶解させた。このNaBH4溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBH4の最初の1滴を加えたところ、HAuCl4溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めることができよう。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間継続した。このテトラエチレングリコール保護金ナノ粒子は水に可溶である。希釈すると透明な赤紫色になった。この粒子溶液をフィルタチューブ(50K MWカットオフ、ミリポア(Millipore))に移し、3,500rpmでの遠心により精製し、ナノピュア(Nanopure)水で4回洗浄した後、凍結乾燥器(lypholizer)で3日間かけて乾燥させた。
平均直径3.0nmのテトラエチレングリコール単層膜保護金ナノ粒子(Au−EG4)の合成
一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)30mLと酢酸(HPLCグレード)5.0mLとを、150mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl4・xH2O)(99.99%)0.0885g(0.23mmol)とテトラエチレングリコールチオール(EG4−SH)22.4mg(0.1mmol)とを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、99%)0.075g(2.0mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水5.0mLに溶解させた。このNaBH4溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBH4の最初の1滴を加えたところ、HAuCl4溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めることができよう。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間継続した。このテトラエチレングリコール保護金ナノ粒子は水に可溶である。希釈すると透明な赤紫色になった。この粒子溶液をフィルタチューブ(50K MWカットオフ、ミリポア(Millipore))に移し、3,500rpmでの遠心により精製し、ナノピュア(Nanopure)水で4回洗浄した後、凍結乾燥器(lypholizer)で3日間かけて乾燥させた。
実施例8
遊離EG3−SH、Au−EG3および混合単層膜保護金ナノ粒子の1H NMRスペクトル
純粋な材料3mgとCCl3D2mLとをNMRチューブ内で混合することによって、遊離EG3−SHの1H NMRサンプルを調製した。ブルカー(Bruker)500MHzを用いて、室温にてCCl3Dで遊離EG3−SHの1H NMRスペクトルを図1(a)に示すような形で記録した。乾燥ナノ粒子15.0mgをDMSO−d6溶媒2mLに溶解させ、ナノ粒子サンプルを作製した。バリアン・イノバ(Varian Inova)400MHzを用いて、室温にてDMSO−d6でAu−EG3単層膜保護ナノ粒子の1H NMRスペクトルを図1(b)に示すような形で記録した。また、バリアン・イノバ(Varian Inova)400MHzを用いて、室温にてDMSO−d6で混合単層膜(Au−EG3/Tp)保護ナノ粒子の1H NMRスペクトルを図2に示すような形で記録した。これらのサンプルについて、90°パルスを20秒間の遅延で用いて1パルス実験を行った。スプライン基線修正装置を用いて基線を平坦化した。
遊離EG3−SH、Au−EG3および混合単層膜保護金ナノ粒子の1H NMRスペクトル
純粋な材料3mgとCCl3D2mLとをNMRチューブ内で混合することによって、遊離EG3−SHの1H NMRサンプルを調製した。ブルカー(Bruker)500MHzを用いて、室温にてCCl3Dで遊離EG3−SHの1H NMRスペクトルを図1(a)に示すような形で記録した。乾燥ナノ粒子15.0mgをDMSO−d6溶媒2mLに溶解させ、ナノ粒子サンプルを作製した。バリアン・イノバ(Varian Inova)400MHzを用いて、室温にてDMSO−d6でAu−EG3単層膜保護ナノ粒子の1H NMRスペクトルを図1(b)に示すような形で記録した。また、バリアン・イノバ(Varian Inova)400MHzを用いて、室温にてDMSO−d6で混合単層膜(Au−EG3/Tp)保護ナノ粒子の1H NMRスペクトルを図2に示すような形で記録した。これらのサンプルについて、90°パルスを20秒間の遅延で用いて1パルス実験を行った。スプライン基線修正装置を用いて基線を平坦化した。
混合単層膜保護ナノ粒子の1H NMRスペクトルから、1.32〜1.36(δ)の二重線ピークはチオプロニンの−CH3基によるものであり、2.87〜2.92(δ)の三重線ピークは−SCH2基によるものであることが明らかに分かった。これらの2つのピークの積分比から、金ナノ粒子の表面にあるトリエチレングリコールとチオプロニンの比が求められる。
実施例9
平均直径3.0nmのトリエチレングリコールおよびチオプロニン混合単層膜保護金ナノ粒子の合成
平均直径3.0nmのトリエチレングリコールおよびチオプロニン混合単層膜保護金ナノ粒子の合成
トリエチレングリコールとチオプロニンとの仕込みモル比を1:1とする一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)45mLと酢酸(HPLCグレード)7.5mLとを、150mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl4・xH2O)(99.99%)0.236g(0.6mmol)とテトラエチレングリコールチオール(EG4−SH)27.0mg(0.15mmol)とチオプロニン(0.15mmol)24.5mgとを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、99%)0.225g(6.0mmol)をナノピュア(Nanopure)水(R)7.5mLに溶解させた。このNaBH4溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBH4の最初の1滴を加えると、HAuCl4溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めた。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間継続した。このトリエチレングリコール/チオプロニン混合単層膜保護金ナノ粒子は水に可溶であった。希釈すると透明な赤紫色になった。この粒子溶液をフィルタチューブ(50K MWカットオフ、ミリポア(Millipore))に移し、3,500rpmでの遠心により精製し、ナノピュア(Nanopure)水で4回洗浄した後、凍結乾燥器(lypholizer)で3日間かけて乾燥させた。
モル比の異なるトリエチレングリコールおよびチオプロニン混合単層膜保護金ナノ粒子の合成では、各試薬の重量を下記の表1に示すようにさまざまに変えた上で、上記と同じプロトコールに従った。
これらの上記の混合単層膜保護金ナノ粒子を合成した後、トリエチレングリコールおよびチオプロニンの量的な表面成分を実施例8で説明したようにして1H NMRスペクトルから求めた。結果を表2に示す。表面比を図3に示すように仕込み比に対してプロットする。図3が勾配3.2の線形関係にあるのは、混合単層膜保護金ナノ粒子の合成時においてEG3−SHの反応性がTpよりもほぼ3倍高いことを意味する。
実施例10
トリエチレングリコール(EG3−SH)およびグルタチオン(GSH)混合単層膜保護金ナノ粒子の合成
トリエチレングリコールとグルタチオンの仕込みモル比を1:1とする一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)45mLと酢酸(HPLCグレード)7.5mLとを、150mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl4・xH2O)(99.99%)0.175g(0.6mmol)とトリエチレングリコールチオール(EG3−SH)27.0mg(0.15mmol)とグルタチオン(0.15mmol)46.1mgとを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、99%)0.225g(6.0mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水5.0mLに溶解させた。このNaBH4溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBH4の最初の1滴を加えると、HAuCl4溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めることができよう。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間継続した。このEG3−SH/GSH保護金ナノ粒子は水に可溶であった。希釈すると透明な赤紫色になった。この粒子溶液をフィルタチューブ(50K MWカットオフ、ミリポア(Millipore))に移し、3,500rpmでの遠心により精製し、ナノピュア(Nanopure)水で4回洗浄した後、凍結乾燥器(lypholizer)で3日間かけて乾燥させた。
トリエチレングリコール(EG3−SH)およびグルタチオン(GSH)混合単層膜保護金ナノ粒子の合成
トリエチレングリコールとグルタチオンの仕込みモル比を1:1とする一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)45mLと酢酸(HPLCグレード)7.5mLとを、150mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl4・xH2O)(99.99%)0.175g(0.6mmol)とトリエチレングリコールチオール(EG3−SH)27.0mg(0.15mmol)とグルタチオン(0.15mmol)46.1mgとを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、99%)0.225g(6.0mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水5.0mLに溶解させた。このNaBH4溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBH4の最初の1滴を加えると、HAuCl4溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めることができよう。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間継続した。このEG3−SH/GSH保護金ナノ粒子は水に可溶であった。希釈すると透明な赤紫色になった。この粒子溶液をフィルタチューブ(50K MWカットオフ、ミリポア(Millipore))に移し、3,500rpmでの遠心により精製し、ナノピュア(Nanopure)水で4回洗浄した後、凍結乾燥器(lypholizer)で3日間かけて乾燥させた。
モル比の異なるEG3−SHおよびGSH混合単層膜保護金ナノ粒子の合成では、各試薬の重量を表3に示すようにさまざまに変えた上で、上記と同じプロトコールに従った。
実施例11
ビオチン化トリエチレングリコール/グルタチオン(EG3/GSH)混合単層膜保護金ナノ粒子の合成
この実施例は、混合単層膜保護ナノ粒子との単純な反応によって官能基または配位子を導入可能であることを示すものである。この実施例では、表面のカルボン酸基との反応によってナノ粒子にビオチン配位子を導入した。一般的な反応スキームを以下にあげておく。
ビオチン化トリエチレングリコール/グルタチオン(EG3/GSH)混合単層膜保護金ナノ粒子の合成
この実施例は、混合単層膜保護ナノ粒子との単純な反応によって官能基または配位子を導入可能であることを示すものである。この実施例では、表面のカルボン酸基との反応によってナノ粒子にビオチン配位子を導入した。一般的な反応スキームを以下にあげておく。
5mL容の丸底フラスコ内で、EG3/Tp混合単層膜保護Auナノ粒子[Au(EG3)4Tp](EG3−SHとGSHの仕込み比を4:1にして実施例10で作製)7.7mgをpH5.5で0.1MのN−モルホリノエタンスルホン酸(MES)1.5mLと混合した後、EZ−Link(R)5−(ビオチンアミド)ペンチルアミン(分子量328.48、イリノイ州ロックフォード(Rockford)のピアース(Pierce)から入手)7.3mgと1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドHCl(EDC)(イリノイ州ロックフォード(Rockford)のピアース(Pierce)から入手)50mgとを加えた。この混合物を室温にて一晩攪拌した。次に、反応混合物をフィルタチューブ(50K MWカットオフ、ミリポア(Millipore))に移し、3,500rpmでの遠心により精製し、ナノピュア(Nanopure)(R)水で4回洗浄した。
実施例12
EG3/Tp混合単層膜保護ナノ粒子−タンパク質結合のゲル電気泳動分析
タンパク質−ナノ粒子複合体は遊離Au粒子とは違った形で移動すると思われるため、Auナノ粒子へのタンパク質結合をゲル電気泳動によって都合よくモニタリングすることが可能である。ゲル電気泳動実験。1×TBE緩衝液(トリス−ホウ酸−EDTA)中にて90Vの定電圧で20分間、ゲル電気泳動を行った。HP スキャンジェット(ScanJet) 6300Cでゲルを直接走査することによって、ゲル画像を得た。ナトリウムリン酸緩衝液(50mm、pH7.3)10μL中にて1uM以内のAu粒子1μLを特定の量のタンパク質と混合することで、タンパク質結合反応を行った。室温にて10分間のインキュベーション後、反応混合物全体を1%アガロースゲルに仕込んだ。
EG3/Tp混合単層膜保護ナノ粒子−タンパク質結合のゲル電気泳動分析
タンパク質−ナノ粒子複合体は遊離Au粒子とは違った形で移動すると思われるため、Auナノ粒子へのタンパク質結合をゲル電気泳動によって都合よくモニタリングすることが可能である。ゲル電気泳動実験。1×TBE緩衝液(トリス−ホウ酸−EDTA)中にて90Vの定電圧で20分間、ゲル電気泳動を行った。HP スキャンジェット(ScanJet) 6300Cでゲルを直接走査することによって、ゲル画像を得た。ナトリウムリン酸緩衝液(50mm、pH7.3)10μL中にて1uM以内のAu粒子1μLを特定の量のタンパク質と混合することで、タンパク質結合反応を行った。室温にて10分間のインキュベーション後、反応混合物全体を1%アガロースゲルに仕込んだ。
EG3/Tp混合単層膜保護ナノ粒子で得られた結果を図4に示す。図4aでは、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、Au−(EG3)3Tp(Auナノ粒子表面での表面EG3/Tp比が3:1であることを示す)7μLを0.1mM以内で用いた場合がレーン1である。レーン2、3、4、5、6はそれぞれ、EG3とTpの比が12:1、27:1、42:1、57/1ならびに純粋なAu−EG3での同量のAu粒子の場合である。ナノ粒子表面のチオプロニンの割合が小さくなるにつれて、EG3/Tp混合単層膜保護ナノ粒子の移動速度が低下した。図4bでは、レーン1、3、5、7がそれぞれ、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、4、12、27、42の比で、EG3/Tp混合単層膜保護ナノ粒子7μLを0.1mM以内で用いた場合である。レーン2、4、6、8はそれぞれ、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、粒子をリゾジム(lysozme)7μgと混合したこと以外はレーン1、3 5、7と同じである。Tp%(モル比率)が7.7%未満の場合、EG3/Tp混合単層膜保護ナノ粒子には無視できる程度にリゾチームとの結合が生じる。
実施例13
EG3/GSH混合単層膜保護ナノ粒子−タンパク質結合のゲル電気泳動分析
ゲル移動およびタンパク質結合実験のプロトコールは実施例12で説明したものと同じである。EG3/GSH混合単層膜保護ナノ粒子での結果を図5に示す。図5aでは、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、EG3/GSH混合単層膜保護Auナノ粒子7μLを0.1mM以内でEG3−SH/GSH仕込み比3:1)とした場合がレーン1である。レーン2、3、4、5、6はそれぞれ、EG3/GSH仕込み比が4、14、19ならびに純粋なAu−EG3での同量のAu粒子の場合である。ナノ粒子表面のGSHの割合が小さくなるにつれて、EG3/GSH混合単層膜保護ナノ粒子の移動速度が低下した。図5bでは、レーン1、3、5、7がそれぞれ、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、1、4、9、14の仕込み比で、EG3/GSH混合単層膜保護ナノ粒子7μLを0.1mM以内で用いた場合である。レーン2、4、6、8はそれぞれ、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、1、4、9、14の仕込み比でリゾジム(lysozme)7μgと混合した、EG3/GSH混合単層膜保護Auナノ粒子の場合である。この実施例では、ナノ粒子表面でのEG3/GSHの比を測定しなかった。GSH%(仕込みモル比率)が20%未満の場合、EG3/GSH混合単層膜保護ナノ粒子には無視できる程度にリゾチームとの結合が生じる。
EG3/GSH混合単層膜保護ナノ粒子−タンパク質結合のゲル電気泳動分析
ゲル移動およびタンパク質結合実験のプロトコールは実施例12で説明したものと同じである。EG3/GSH混合単層膜保護ナノ粒子での結果を図5に示す。図5aでは、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、EG3/GSH混合単層膜保護Auナノ粒子7μLを0.1mM以内でEG3−SH/GSH仕込み比3:1)とした場合がレーン1である。レーン2、3、4、5、6はそれぞれ、EG3/GSH仕込み比が4、14、19ならびに純粋なAu−EG3での同量のAu粒子の場合である。ナノ粒子表面のGSHの割合が小さくなるにつれて、EG3/GSH混合単層膜保護ナノ粒子の移動速度が低下した。図5bでは、レーン1、3、5、7がそれぞれ、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、1、4、9、14の仕込み比で、EG3/GSH混合単層膜保護ナノ粒子7μLを0.1mM以内で用いた場合である。レーン2、4、6、8はそれぞれ、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、1、4、9、14の仕込み比でリゾジム(lysozme)7μgと混合した、EG3/GSH混合単層膜保護Auナノ粒子の場合である。この実施例では、ナノ粒子表面でのEG3/GSHの比を測定しなかった。GSH%(仕込みモル比率)が20%未満の場合、EG3/GSH混合単層膜保護ナノ粒子には無視できる程度にリゾチームとの結合が生じる。
実施例14
タンパク質との特異的結合を有するナノ粒子
ゲル移動およびタンパク質結合実験のプロトコールを実施例11で説明したものと同じにした。実施例12では、[EG3−SH]/[GSH]の仕込み比が14を超えるとEG3/GSH混合単層膜保護ナノ粒子にリゾチームとの無視できる程度の結合が生じることが示された。仕込み比19でナノ粒子には依然としてカソードへの相当な移動が見られたことから、このナノ粒子は表面にGSH分子を有することが分かった。このようなナノ粒子には、リゾチームのようなタンパク質との非特異的結合を排除し、特異的結合を可能にするという2つの機能があるのではないかと考えられる。図6は、このナノ粒子がSGH−GSTの相互作用によりGSTタンパク質との特異的結合をなすことを示している。レーン1は、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、GSH単層膜保護ナノ粒子を0.1mM以内で用いた場合である。レーン2はリゾチーム10μgを加えたこと以外、レーン3はグルタチオンS−トランスフェラーゼ5μgを加えたこと以外、それぞれレーン1と同一である。レーン4、5、6は、[EG3−SH]19/[GSH]Auナノ粒子を0.01mM以内の濃度で用いたこと以外、レーン1、2、3と同様である。
タンパク質との特異的結合を有するナノ粒子
ゲル移動およびタンパク質結合実験のプロトコールを実施例11で説明したものと同じにした。実施例12では、[EG3−SH]/[GSH]の仕込み比が14を超えるとEG3/GSH混合単層膜保護ナノ粒子にリゾチームとの無視できる程度の結合が生じることが示された。仕込み比19でナノ粒子には依然としてカソードへの相当な移動が見られたことから、このナノ粒子は表面にGSH分子を有することが分かった。このようなナノ粒子には、リゾチームのようなタンパク質との非特異的結合を排除し、特異的結合を可能にするという2つの機能があるのではないかと考えられる。図6は、このナノ粒子がSGH−GSTの相互作用によりGSTタンパク質との特異的結合をなすことを示している。レーン1は、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、GSH単層膜保護ナノ粒子を0.1mM以内で用いた場合である。レーン2はリゾチーム10μgを加えたこと以外、レーン3はグルタチオンS−トランスフェラーゼ5μgを加えたこと以外、それぞれレーン1と同一である。レーン4、5、6は、[EG3−SH]19/[GSH]Auナノ粒子を0.01mM以内の濃度で用いたこと以外、レーン1、2、3と同様である。
実施例15
ストレプトアビジンとの特異的結合を有するビオチン化ナノ粒子
ゲル移動およびタンパク質結合実験のプロトコールは実施例12で説明したものと同じである。ビオチン化Auナノ粒子(実施例11から)には、リゾチームのようなタンパク質との非特異的結合を排除し、特異的結合を可能にするという2つの機能がある。図7は、このナノ粒子がビオチン−ストレプトアビジン相互作用によりストレプトアビジンタンパク質との特異的結合をなすことを示している。レーン1は、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、0.1mM以内でのビオチン化ナノ粒子の場合である。レーン2、3、4はそれぞれ、BSA10μg、リゾチーム10μg、ストレプトアビジン10μgを加えたこと以外、レーン1と同一である。このゲル実験から、ビオチン化Auナノ粒子には、負に荷電したタンパク質であるBSAならびに正に荷電したタンパク質であるリゾチームとの非特異的結合がなかったが、標的タンパク質であるストレプトアビジンとは強く結合したことが明らかになった。
ストレプトアビジンとの特異的結合を有するビオチン化ナノ粒子
ゲル移動およびタンパク質結合実験のプロトコールは実施例12で説明したものと同じである。ビオチン化Auナノ粒子(実施例11から)には、リゾチームのようなタンパク質との非特異的結合を排除し、特異的結合を可能にするという2つの機能がある。図7は、このナノ粒子がビオチン−ストレプトアビジン相互作用によりストレプトアビジンタンパク質との特異的結合をなすことを示している。レーン1は、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、0.1mM以内でのビオチン化ナノ粒子の場合である。レーン2、3、4はそれぞれ、BSA10μg、リゾチーム10μg、ストレプトアビジン10μgを加えたこと以外、レーン1と同一である。このゲル実験から、ビオチン化Auナノ粒子には、負に荷電したタンパク質であるBSAならびに正に荷電したタンパク質であるリゾチームとの非特異的結合がなかったが、標的タンパク質であるストレプトアビジンとは強く結合したことが明らかになった。
Claims (16)
- 該当する配位子に対して特定の親和性を有する水溶性金属質ナノ粒子の集団を単離するための方法であって、
a)
i)エチレングリコールを含んでなる遮蔽成分と、
ii)該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、を含んでなる混合単層膜で各々コーティングされた多数の可溶性金属質ナノ粒子であって、各ナノ粒子の遮蔽成分と捕獲コーティング成分との比が異なる、前記可溶性金属質ナノ粒子を提供し、
b)いくつかのナノ粒子で非特異的配位子結合が生じ、かつ、他のナノ粒子では配位子結合が生じない時間および条件下で、(a)の各金属質ナノ粒子を多種多様な標準配位子の混合物と接触させ、
c)配位子結合が生じない(b)のナノ粒子の第1の小集団を同定し、
d)ナノ粒子への配位子の結合が生じる時間および条件下で、(c)のナノ粒子の第1の小集団を該当する配位子と接触させ、そして
e)ナノ粒子への配位子結合が特異的である(d)のナノ粒子の第2の小集団を単離することを含んでなる方法。 - 単層膜中の遮蔽成分の量が約90%から約10%である、請求項1に記載の方法。
- 捕獲コーティング成分単層膜の量が約90%から約10%である、請求項1に記載の方法。
- 多種多様な標準配位子の混合物が、核酸と、タンパク質と、ペプチドと、よりなる群から選択される配位子を含有する、請求項1に記載の方法。
- タンパク質が、リゾチームと、ウシ血清アルブミンと、チトクロムCと、よりなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
- 該当する配位子が、ペプチドと、タンパク質と、核酸断片と、コラーゲンと、ナノロッドと、ナノチューブと、ナノ平面と、ナノ繊維と、よりなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 配位子が結合対の一方のメンバーである、請求項1に記載の方法。
- 結合対が、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/グルタチオン、6×ヒスチジンTag/Ni−NTA、ストレプトアビジン/ビオチン、ビオチン/アビジン、S−タンパク質/S−ペプチド、クチナーゼ/ホスホネートインヒビター、抗原/抗体、ハプテン/抗ハプテン、葉酸/葉酸塩結合タンパク質、タンパク質AまたはG/免疫グロブリンよりなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
- 金属質ナノ粒子の金属が、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルト、およびこれらの金属で構成される合金よりなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記捕獲コーティング成分が、
a)−NH2基、−COOH基、−CHO−基、−OH基、−X(Cl、Br、I)基、スクシンイミド基、エポキシ基よりなる群から選択される反応基を有する分子と、
b)ペプチド、チオプロニン、GSHよりなる群から選択される配位子と、
よりなる群から選択される、請求項1に記載の方法。 - 前記遮蔽成分が短鎖エチレングリコールオリゴマーである、請求項1に記載の方法。
- 短鎖エチレングリコールオリゴマーの分子量が絡み合い分子量未満である、請求項11に記載の方法。
- 短鎖エチレングリコールオリゴマーが、テトラエチレングリコールチオールと、トリエチレングリコールチオールと、ジエチレングリコールチオールと、よりなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
- a)該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分の単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を提供するステップと、
b)少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒と少なくとも1種の水性溶媒とを含んでなる、pHが7.0未満の混合溶媒中で、(a)の被覆ナノ粒子を、金属結合官能基を有する遮蔽用コーティング成分と混合し、遮蔽用コーティング成分と捕獲コーティング成分との間で置換を発生させて混合単層膜のコーティングされたナノ粒子を形成するステップと、
c)場合により(b)の混合単層膜コート金属ナノ粒子を単離するステップと、を含んでなるプロセスによって、水溶性金属質ナノ粒子に混合単層膜をコーティングする、請求項1に記載の方法。 - a)
i)金属塩と、
ii)金属結合官能基を有する遮蔽成分と、
iii)金属結合官能基を有し、かつ、該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、
iv)好適な還元剤と、
v)少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒と少なくとも1種の水性溶媒とを含んでなり、pHが7.0未満である混合溶媒と、を提供するステップと、
b)(v)の混合溶媒中で要素(i)〜(iv)を混合し、反応混合物であって、該反応混合物中の水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであり、混合単層膜が金属質ナノ粒子上に形成される、前記反応混合物を形成するステップと、
c)場合により(b)の混合単層膜コート金属ナノ粒子を単離するステップと、を含んでなるプロセスによって、水溶性金属質ナノ粒子に混合単層膜をコーティングする、請求項1に記載の方法。 - a)
(i)金属塩と、
(ii)金属結合官能基を有する遮蔽成分と、
(iii)金属結合官能基を有し、かつ、該当する配位子に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、
(iv)有機溶媒と、を含んでなる第1の反応混合物を提供するステップと、
b)水性溶媒中に好適な還元剤を含んでなる第2の反応混合物であって、pHが7.0未満である第2の反応混合物を提供するステップと、
c)第1および第2の反応混合物を混合し、混合物中の水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであり、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を形成するステップと、を含んでなるプロセスによって、水溶性金属質ナノ粒子に混合単層膜をコーティングする、請求項1に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US40014402P | 2002-08-01 | 2002-08-01 | |
PCT/US2003/024120 WO2004013605A2 (en) | 2002-08-01 | 2003-07-31 | Nanoparticles comprising a mixed monolayer for specific ligand binding |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005534925A true JP2005534925A (ja) | 2005-11-17 |
Family
ID=31495796
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004526309A Pending JP2005534810A (ja) | 2002-08-01 | 2003-07-31 | エチレングリコール単層膜保護ナノ粒子 |
JP2004526312A Pending JP2005534925A (ja) | 2002-08-01 | 2003-07-31 | 特異的配位子結合用混合単層膜を含んでなるナノ粒子 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004526309A Pending JP2005534810A (ja) | 2002-08-01 | 2003-07-31 | エチレングリコール単層膜保護ナノ粒子 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7413770B2 (ja) |
JP (2) | JP2005534810A (ja) |
WO (2) | WO2004012855A2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014515009A (ja) * | 2011-03-02 | 2014-06-26 | イムラ アメリカ インコーポレイテッド | 安定コロイド状金ナノ粒子の制御可能な表面修飾及び官能化 |
WO2015159534A1 (ja) * | 2014-04-16 | 2015-10-22 | 富士フイルム株式会社 | 検出液及びそれを用いたバイオセンシング方法 |
JP2019533636A (ja) * | 2016-08-05 | 2019-11-21 | 深▲セン▼深見医薬科技有限公司Shenzhen Profound−View Pharma Tech Co., Ltd. | AuC含有物質、並びにその製造方法及びその使用 |
Families Citing this family (42)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7655474B2 (en) * | 2002-07-29 | 2010-02-02 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy | Trioxyethylene gold nanoclusters functionalized with a single DNA |
US8623448B2 (en) * | 2004-02-19 | 2014-01-07 | Nanosolar, Inc. | High-throughput printing of semiconductor precursor layer from chalcogenide microflake particles |
US8846141B1 (en) | 2004-02-19 | 2014-09-30 | Aeris Capital Sustainable Ip Ltd. | High-throughput printing of semiconductor precursor layer from microflake particles |
US7306823B2 (en) | 2004-09-18 | 2007-12-11 | Nanosolar, Inc. | Coated nanoparticles and quantum dots for solution-based fabrication of photovoltaic cells |
US8329501B1 (en) | 2004-02-19 | 2012-12-11 | Nanosolar, Inc. | High-throughput printing of semiconductor precursor layer from inter-metallic microflake particles |
US8372734B2 (en) | 2004-02-19 | 2013-02-12 | Nanosolar, Inc | High-throughput printing of semiconductor precursor layer from chalcogenide nanoflake particles |
US8642455B2 (en) * | 2004-02-19 | 2014-02-04 | Matthew R. Robinson | High-throughput printing of semiconductor precursor layer from nanoflake particles |
US8309163B2 (en) | 2004-02-19 | 2012-11-13 | Nanosolar, Inc. | High-throughput printing of semiconductor precursor layer by use of chalcogen-containing vapor and inter-metallic material |
WO2005095941A1 (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-13 | Shionogi Co., Ltd. | 金属微粒子を用いた質量分析方法 |
US7335245B2 (en) * | 2004-04-22 | 2008-02-26 | Honda Motor Co., Ltd. | Metal and alloy nanoparticles and synthesis methods thereof |
CA2589239C (en) * | 2004-12-03 | 2011-10-11 | Japan Science And Technology Agency | Stabilized inorganic nanoparticle, stabilized inorganic nanoparticle material, method for producing stabilized inorganic nanoparticle, and method for using stabilized inorganic nanoparticle |
JP5753338B2 (ja) * | 2005-07-01 | 2015-07-22 | ナショナル ユニヴァーシティー オブ シンガポール | 導電性複合材料 |
CN1332775C (zh) * | 2005-07-07 | 2007-08-22 | 上海交通大学 | 基于谷胱甘肽对金纳米粒子粒径的控制方法 |
KR101167733B1 (ko) | 2005-11-16 | 2012-07-23 | 삼성전기주식회사 | 캡핑 리간드가 표면에 결합되어 있는 나노입자용 분산제, 이를 이용한 나노입자의 분산방법 및 이를 포함하는 나노입자 박막 |
US20090220792A1 (en) * | 2006-01-20 | 2009-09-03 | Singapore Agency For Science, Tech And Research | Synthesis of Alloyed Nanocrystals in Aqueous or Water-Soluble Solvents |
JP2009536549A (ja) * | 2006-05-10 | 2009-10-15 | ナノスペクトラ バイオサイエンセズ インコーポレイテッド | プラズモン共鳴に基づく目の保護装置 |
US8481161B2 (en) * | 2006-06-28 | 2013-07-09 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Functionalized metal nanoparticle and method for formation of conductive pattern using the same |
US20100173347A1 (en) * | 2007-04-02 | 2010-07-08 | Brook Michael A | Stabilized gold nanoparticles and methods of making the same |
US20100209946A1 (en) * | 2007-04-19 | 2010-08-19 | Naiyong Jing | Uses of water-dispersible silica nanoparticles for attaching biomolecules |
EP2140264A1 (en) * | 2007-04-19 | 2010-01-06 | 3M Innovative Properties Company | Methods of use of solid support material for binding biomolecules |
US20090181183A1 (en) * | 2008-01-14 | 2009-07-16 | Xerox Corporation | Stabilized Metal Nanoparticles and Methods for Depositing Conductive Features Using Stabilized Metal Nanoparticles |
US20100015462A1 (en) * | 2008-02-29 | 2010-01-21 | Gregory Jablonski | Metallic nanoparticle shielding structure and methods thereof |
JP5369172B2 (ja) * | 2008-04-10 | 2013-12-18 | プロバイオン、カンパニー、リミテッド | 新たな質量分析信号の増幅技術 |
JP5364310B2 (ja) | 2008-07-14 | 2013-12-11 | アルフレッサファーマ株式会社 | 反応性物質が結合した微小粒子の安定化方法および該微小粒子含有試薬 |
WO2010110749A1 (en) * | 2009-03-25 | 2010-09-30 | Agency For Science, Technology And Research | Method of loading nucleic acids to noble metal surfaces |
EP2414278B1 (en) * | 2009-04-03 | 2019-11-27 | University Of Houston | Metal nanoparticles functionalized with rationally designed coatings |
KR101665464B1 (ko) * | 2009-10-20 | 2016-10-12 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 금속 나노 입자 함유 복합체, 그 분산액, 및 이들의 제조 방법 |
WO2011071452A1 (en) * | 2009-12-08 | 2011-06-16 | National University Of Singapore | Metal nanoparticles |
EP2590816B1 (en) | 2010-07-07 | 2017-11-29 | Saint Louis University | Passivated metal nanoparticles having an epoxide-based oligomer coating |
US20140186263A1 (en) * | 2011-05-31 | 2014-07-03 | The Royal Institution For The Advancement Of Learning/Mcgill University | Maleimide-functionalized gold nanoparticles |
CN102743768B (zh) * | 2012-07-03 | 2014-07-09 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 肿瘤早期诊断用隐形造影材料及其制备方法 |
CN103344576B (zh) * | 2013-07-12 | 2015-04-15 | 福州大学 | 一种用于溶菌酶检测的双输出传感器及其制备方法 |
CN103551569B (zh) * | 2013-11-04 | 2015-08-19 | 同济大学 | 牛血清白蛋白包覆金纳米粒子的制备方法 |
CN103933583B (zh) * | 2014-04-14 | 2016-08-17 | 上海交通大学 | 抑制mgc-803细胞的手性金纳米团簇的制备及其用途 |
TWI530674B (zh) | 2014-11-06 | 2016-04-21 | 財團法人工業技術研究院 | 金奈米簇組成物與其製備方法及含硫醇基物質的檢測方法 |
TWI511971B (zh) | 2014-12-22 | 2015-12-11 | Ind Tech Res Inst | 探針、偵測金屬離子的方法、與偵測化學/生化分子的方法 |
CN105056233B (zh) * | 2015-08-12 | 2018-03-13 | 苏州大学 | 具有近红外光热和体内荧光成像特性的多功能介孔二氧化硅纳米粒及其制备方法和应用 |
CN105126103B (zh) * | 2015-09-23 | 2018-05-22 | 上海师范大学 | 杂多蓝在近红外光热治疗中的应用 |
CN105214102B (zh) * | 2015-10-22 | 2018-10-23 | 北京化工大学 | 一种超分子复合光热试剂及其在光热治疗和近红外成像方面的应用 |
CN105710384B (zh) * | 2015-11-04 | 2017-12-29 | 中国科学院上海高等研究院 | 具有六边形钉帽结构的一维纳米双金属合金及其制备方法 |
CN105458288B (zh) * | 2015-12-02 | 2018-06-12 | 青岛大学 | 一种纳米金颗粒的制备方法 |
CN115365494B (zh) * | 2022-09-13 | 2023-07-07 | 嘉兴学院 | 一种银包铜粉的制备方法及其在导电浆料中的应用 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19721601A1 (de) * | 1997-05-23 | 1998-11-26 | Hoechst Ag | Polybetain-stabilisierte, Palladium-haltige Nanopartikel, ein Verfahren zu ihrer Herstellung sowie daraus hergestellte Katalysatoren zur Gewinnung von Vinylacetat |
TW539763B (en) * | 1999-06-18 | 2003-07-01 | Ibm | Method for printing a catalyst on substrates for electroless deposition |
WO2002009836A2 (en) | 2000-08-01 | 2002-02-07 | Surromed, Inc. | Methods for solid phase nanoextraction and desorption |
WO2003035278A1 (en) | 2001-10-25 | 2003-05-01 | Massachusetts Institute Of Technology | Method of depositing polyelectrolyte multilayers and articles coated thereby |
-
2003
- 2003-07-30 US US10/630,248 patent/US7413770B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2003-07-31 WO PCT/US2003/024099 patent/WO2004012855A2/en active Application Filing
- 2003-07-31 WO PCT/US2003/024120 patent/WO2004013605A2/en active Application Filing
- 2003-07-31 JP JP2004526309A patent/JP2005534810A/ja active Pending
- 2003-07-31 JP JP2004526312A patent/JP2005534925A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014515009A (ja) * | 2011-03-02 | 2014-06-26 | イムラ アメリカ インコーポレイテッド | 安定コロイド状金ナノ粒子の制御可能な表面修飾及び官能化 |
US10092661B2 (en) | 2011-03-02 | 2018-10-09 | Imra America, Inc. | Stable colloidal gold nanoparticles with controllable surface modification and functionalization |
WO2015159534A1 (ja) * | 2014-04-16 | 2015-10-22 | 富士フイルム株式会社 | 検出液及びそれを用いたバイオセンシング方法 |
JPWO2015159534A1 (ja) * | 2014-04-16 | 2017-04-13 | 富士フイルム株式会社 | 検出液及びそれを用いたバイオセンシング方法 |
JP2019533636A (ja) * | 2016-08-05 | 2019-11-21 | 深▲セン▼深見医薬科技有限公司Shenzhen Profound−View Pharma Tech Co., Ltd. | AuC含有物質、並びにその製造方法及びその使用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US7413770B2 (en) | 2008-08-19 |
WO2004012855A2 (en) | 2004-02-12 |
WO2004013605A3 (en) | 2004-05-06 |
JP2005534810A (ja) | 2005-11-17 |
WO2004012855A3 (en) | 2004-07-01 |
WO2004013605A2 (en) | 2004-02-12 |
US20050074551A1 (en) | 2005-04-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005534925A (ja) | 特異的配位子結合用混合単層膜を含んでなるナノ粒子 | |
US7507530B2 (en) | Nanoparticle complexes having a defined number of ligands | |
US8067341B2 (en) | Method for fabricating a biochip using the high density carbon nanotube film or pattern | |
US9308582B2 (en) | Solution stable and chemically reactive metallic nanoparticles | |
US8304257B2 (en) | Monolayer-protected gold clusters: improved synthesis and bioconjugation | |
Goryacheva et al. | Synthesis and bioanalytical applications of nanostructures multiloaded with quantum dots | |
JP2007506084A (ja) | ナノ粒子コンジュゲート及びその製造方法 | |
Feng et al. | Bioinspired synthesis of Au nanostructures templated from amyloid β peptide assembly with enhanced catalytic activity | |
WO2013065747A1 (ja) | 金属錯体量子結晶及びそれを用いる生化学物質の表面増強ラマン散乱(sers)分析法 | |
Zheng et al. | Development of boronate affinity-based magnetic composites in biological analysis: Advances and future prospects | |
Chak et al. | Discrete functional gold nanoparticles: hydrogen bond-assisted synthesis, magnetic purification, supramolecular dimer and trimer formation | |
Wallner et al. | Formation and NMR spectroscopy of ω-thiol protected α, ω-alkanedithiol-coated gold nanoparticles and their usage in molecular charge transport junctions | |
Valera et al. | Electrochemical coding strategies using metallic nanoprobes for biosensing applications | |
Gong et al. | Novel dye-embedded core-shell nanoparticles as surface-enhanced Raman scattering tags for immunoassay | |
WO2008010687A1 (en) | Method for selective binding, separation or purification of proteins using magnetic nanoparticles | |
DE102004027865B4 (de) | Leitende Kohlenstoff-Nanotubes, dotiert mit einem Metall, und Verfahren zur Herstellung eines Biosensors, der diese benutzt | |
Heinecke et al. | Preparation of gold nanocluster bioconjugates for electron microscopy | |
US9933421B2 (en) | Catalytic marking nanoparticles for ultrasensitive bioassay applications | |
JP2010229440A (ja) | 水分散性金属ナノ粒子 | |
US20060153929A1 (en) | Use of solid phase synthesis to modify and to assemble nanoparticles | |
Rudolf et al. | Synthesis and characterization of metallocarbonyl functionalized gold nanoparticles | |
Li et al. | Anticorrosive lipid monolayers with rigid walls around porphyrin-based 2 nm gaps on 20 nm gold particles | |
US20110294995A1 (en) | Functionalized nanoparticles and other particles and methods for making and using same | |
WO2021099557A1 (en) | Method of making nanoparticles in an aqueous solution providing functionalization and hindered aggregation in one step | |
Villalonga et al. | Hybrid magnetic nanoparticles for electrochemical biosensors |