JP2005534810A - エチレングリコール単層膜保護ナノ粒子 - Google Patents

エチレングリコール単層膜保護ナノ粒子 Download PDF

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Abstract

厚さまたは長さが十分に定義された混合単層膜をコーティングした金属質ナノ粒子を作製する。この混合単層膜は、材料の特異的捕獲に有用な捕獲コーティング成分と、捕獲成分に対する材料の非特異的結合を排除するための遮蔽用コーティング成分とを含んでなる。

Description

関連出願の相互参照
本件特許出願は、2002年8月1日に出願された米国仮特許出願第60/400,144号の利益を主張するものである。
本発明は、混合単層膜をコーティングした金属ナノ粒子の作製に関する。この混合単層膜は、さまざまなリガンドを捕獲するための捕獲成分と単層膜に対する非特異的結合材料をブロックするよう機能する遮蔽成分とを含んでなる。
ナノ材料やこのような材料と生体分子とのハイブリッドを、エレクトロニクス、光学、ゲノミクス、プロテオミクス、生物医学、生体分析の各分野でさまざまに活用できる可能性があることが認められている。これらのハイブリッド材料の有用性は、無機ナノ材料と生体分子との間の特異的結合を踏まえた上でいかにうまく合理的な設計を行うことができるか否かに大きく左右される。Au、Ag、Pt、Cuなどの多くのナノ粒子は表面電荷を有することから、静電相互作用による生体分子との非特異的結合が生じるというのが一般的な認識である。アルキルチオール保護ナノ粒子であれば静電相互作用が低減されるが、もうひとつのタイプの非特異的な相互作用である疎水相互作用が生じてしまう。また、アルキルチオール保護ナノ粒子は水に可溶ではないことから、活動に水性環境を必要とする生体分子には適合できないものとなる。プライム(Prime)ら((非特許文献1))およびラヒリ(Lahiri)ら((非特許文献2))はいずれも、金薄膜上にアルカンチオールの自己組織化単層膜を形成することで、表面にタンパク質を吸着させるためのモデル系を作製するための方法について説明している。また、シング(Singh)らは、誘導体化したアルカンチオールを使用して、生体分子群を抽出する目的で金のナノロッドを用いる方法について説明((特許文献1))している。
米国特許出願第20020034827号明細書 Science(1991)、252(5009)、1164〜7 Analytical Chemistry、1999年2月15日、71(4)777〜90
チオプロニン(N−2−メルカプトプロピオニルグリシン、TP)をコーティングしたナノ粒子には水溶性だという利点こそあれ、生体分子の非特異的結合が生じてしまう。一方、テンプルトン(Templeton)ら(JACS、1999、121、第7081頁)は、チオプロニンと酸性の水溶性リガンドとからなる単層膜を1層コーティングした金のクラスターを作製した。そこでは、金とシリコンの表面にエチレングリコール誘導体がコーティングされ、平らな金の表面でのタンパク質結合が阻止されることが示された。さらに、ポリエチレングリコールをコーティングした金ナノ粒子は水溶性であることも示された。しかしながら、中性であるグリコールと生体分子との反応は容易ではなく、特に大きなポリマー鎖がある場合に単層膜の厚さをうまく定めることができない。
フーズ(Foos)ら(Chem.Mater.(2002)、14、第2401〜2408頁)は、単層膜で短鎖エチレングリコールオリゴマーをコーティングした金のナノクラスターを作製した。しかしながら、この著者らは(水性/有機混合溶媒に対するものとして)二相有機溶媒系を用いて作製を行っており、コーティングをほどこした粒子の中には水溶性であることが確認できなかった粒子もあった。
本願出願人らは、単相の有機/水性溶媒系を使用し、厚さまたは長さが十分に画定された、捕獲成分と遮蔽成分とを含んでなる混合単層膜を有する水溶性の金属質ナノ粒子を構成することで、従来技術の欠点を解決した。遮蔽成分(厚さまたは長さが十分に画定されたチオール化エチレングリコール短鎖オリゴマー)がナノ粒子と生体分子との間の非特異的相互作用を最小限に抑えるよう機能するのに対し、捕獲コーティング成分(チオプロニンなど)は生体分子を特異的に引き付けるリガンドとしての役割を果たす。
一実施形態において、本発明は、
a)捕獲部分に対する親和性を有する捕獲コーティング成分の単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を提供し、
b)少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒と少なくとも1種の水性溶媒とを含んでなる、pHが7.0未満の混合溶媒中で、(a)の被覆ナノ粒子を、金属結合官能基を有する遮蔽用コーティング成分と混合し、遮蔽用コーティング成分と捕獲コーティング成分との間で置換を発生させて混合単層膜のコーティングされたナノ粒子を形成し、
c)場合により(b)の混合単層膜コート金属ナノ粒子を単離することを含んでなる、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を作製するための方法を提供するものである。
別の実施形態において、本発明は、
a)
i)金属塩と、
ii)金属結合官能基を有する遮蔽成分と、
iii)金属結合官能基を有し、かつ、捕獲部分に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、
iv)好適な還元剤と、
v)少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒と少なくとも1種の水性溶媒とを含んでなり、pHが7.0未満である混合溶媒と、を提供し、
b)(v)の混合溶媒中で要素(i)〜(iv)を混合し、反応混合物であって、該反応混合物中の水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであり、混合単層膜が金属質ナノ粒子上に形成される、前記反応混合物を形成し、そして
c)場合により(b)の混合単層膜コート金属ナノ粒子を単離することを含んでなる、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を作製するための方法を提供するものである。
同様の実施形態において、本発明は、
a)
(i)金属塩と、
(ii)金属結合官能基を有する遮蔽成分と、
(iii)金属結合官能基を有し、かつ、捕獲部分に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、
(iv)有機溶媒と、を含んでなる第1の反応混合物を提供し、
b)水性溶媒中に好適な還元剤を含んでなる第2の反応混合物であって、pHが7.0未満である第2の反応混合物を提供し、
c)第1および第2の反応混合物を混合し、混合物中の水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであり、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を形成することを含んでなる、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を合成するための方法を提供するものである。
もうひとつの好ましい実施形態において、本発明は、
a)金属塩と、捕獲部分に対する親和性を有し、かつ金属結合官能基を含んでなる捕獲コーティング成分とを混合し、pHが7.0未満である第1の反応混合物を形成し、
b)(a)の第1の反応混合物に好適な還元剤を添加し、前記捕獲コーティング成分をコーティングした金属ナノ粒子を含んでなる第2の反応混合物を形成することを含んでなる、捕獲コーティング成分の単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を作製するための方法を提供するものである。
もうひとつの態様において、本発明は、
a)金塩とSH官能基を含んでなるチオプロニンとを、アルコールと水とを含んでなる混合溶媒中で一緒に混合し、pHが7.0未満である第1の反応混合物を形成し、
b)(a)の第1の反応混合物にNaBHを添加し、前記チオプロニンをコーティングした金ナノ粒子を含んでなる第2の反応混合物を形成し、
c)SH官能基を有する短鎖エチレングリコールオリゴマーを添加することにおいて、チオプロニンと短鎖エチレングリコールオリゴマーとを含んでなる混合単層膜を金粒子上に形成することを含んでなり、ナノ粒子が水溶性であり、
d)場合により、(c)の混合単層膜コート金ナノ粒子を単離することを含んでなる、混合単層膜をコーティングした水溶性金ナノ粒子を作製するための方法を提供するものである。
また、本発明は、金属結合官能基を有するエチレングリコールからなる遮蔽用コーティング成分と、捕獲部分に対する結合官能基を有する捕獲コーティング成分と、を含んでなる混合単層膜をコーティングした水溶性金属ナノ粒子を提供するものである。
同様に、本発明は、本発明の水溶性金属ナノ粒子と捕獲部分とを、捕獲部分の捕獲コーティング成分への結合が可能になる条件下で接触させることにおいて、捕獲部分を固定化させることを含んでなる、捕獲部分を固定化するための方法を提供するものである。
発明の詳細な記述
本発明は、混合単層膜をコーティングしたナノ粒子に関する。混合単層膜は遮蔽用コーティング成分と捕獲コーティング成分とを含んでなる。捕獲成分は、ペプチドまたは核酸などのさまざまな捕獲部分を結合するよう作用する。遮蔽成分は、捕獲部分ではない材料の非特異的結合からナノ粒子を保護するよう作用する。被覆ナノ粒子は一般に、金属を主成分とする水溶性のものである。本発明はさらに、混合単層膜被覆ナノ粒子の合成方法に関する。
本発明の被覆ナノ粒子は、特定の方法でのタンパク質や核酸の固定化用ならびにタンパク質や核酸への付着用の結合剤および他の材料として均一な水溶性粒子が必要とされるナノデバイスの製造に有用である。さらに、本発明の被覆ナノ粒子は、電子デバイス、多機能触媒、化学センサならびに、バイオセンサや生物学的アッセイなどの多くの生物学的用途にナノスケールで用いることができるものである。
特許請求の範囲および明細書を解釈するにあたり、本願明細書では以下の定義および略号を使用する。
「DMSO」はジメチルスルホキシドの略号であり、
「THF」はテトラヒドロフランの略号であり、
「DMF」はジメチルホルムアミドの略号であり、
「GSH」は化合物グルタチオンを示す。
「TP」はチオプロニンの略号であり、
本願明細書において「ナノ粒子」とは、平均粒径が1〜100nmの間にある金属質粒子であると定義する。好ましくは、粒子の平均粒径が約1〜40nmの間である。本願明細書において使用する場合、「粒度」と「粒径」は同じ意味である。金属質ナノ粒子としては、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルト、およびこれらの金属で構成される合金の粒子があげられるが、これに限定されるものではない。本願明細書において「合金」とは、2以上の金属からなる均質な混合物であると定義する。
「単層膜」とは、単一分子の厚さである、ナノ粒子にコーティングされる材料の層を示す。
「混合単層膜」とは、少なくとも2種類の分子成分を有する単層膜を示す。
「捕獲部分」とは、捕獲コーティング成分と特異的に結合する物質を示す。捕獲部分はどのような物質であってもよく、一般にはペプチドやタンパク質、核酸断片などのバイオポリマーである。
「捕獲コーティング成分」とは、本願明細書において使用する場合、いくつかのリガンドまたは捕獲部分との親和性を有する、ナノ粒子に単層膜を形成できる材料を示す。「捕獲」成分は、混合単層膜の少ない方の部分をなし、単層膜の50%未満を含んでなるものであればよい。
「遮蔽用コーティング成分」とは、捕獲部分ではない物質の非特異的結合を防止する機能を有する、ナノ粒子に単層膜を形成できる材料を示す。遮蔽用コーティング成分はさまざまな材料を含んでなるもので構わないが、エチレングリコールが特に適している。
混合単層膜の遮蔽成分に関連して用いる場合の「絡み合い分子量」という表現は、この分子量を超えると遮蔽成分として用いるポリマー分子が絡み合いをみせる、最低限の分子量を意味する。ポリマーの絡み合い分子量を求める方法は周知であり、たとえば、フリードリッヒ(Friedrich)ら、Progress and Trends in Rheology V、Proceedings of the European Rheology Conference、第5版、ポルトロージュ(Portoroz)、スロベニア(Slovenia)、1998年9月6〜11(1998)、387。編者(ら):エミリ(Emri),I.、出版社:シュタインコップフ(Steinkopff)、ダルムシュタット(Darmstadt)、ドイツを参照のこと。
「ナノ構造」という用語は、少なくとも1つの特徴寸法(characteristic dimension)が約100ミクロン未満である、チューブ、ロッド、シリンダ、束状構造体、ウエハ、ディスク、シート、プレート、平面、錐体、細長い小片、顆粒、楕円体、楔体、ポリマー繊維、天然繊維、このような他の物体を意味する。
「ナノロッド」という用語は、中空であっても中実であってもよく、断面形状が円形であっても円形でなくても構わない、さまざまなナノ構造を意味する。本発明のナノロッドには、ナノチューブ、ナノファイバ、ポリマーナノファイバ、束状構造体、多壁構造体を含み得る。
「ナノチューブ」という用語は、狭い方の寸法(直径)が約1〜200nmであり、長い方の寸法(長さ)については、短い方の寸法に対する長い方の寸法の比すなわちアスペクト比が少なくとも5である、中空の物品を示す。通常、アスペクト比は10〜2000の間である。
「ナノ平面」とは、1つの特徴寸法が500ナノメートル未満である、単層または二層のグラファイトシートまたはグラフェンシートなどの表面を意味する。
「ナノファイバ」とは、寸法が1000ナノメートル未満と小さい天然のフィラメントまたはポリマーフィラメントを意味する。
「金属結合官能基」という用語は、金属表面への分子の付着を行う化学基を示す。金属結合官能基の非限定的な一例に、金および他の金属に材料を結合させる、スルフィドラル(sulfhydral)(−SH)官能基がある。
「混合溶媒」という用語は、有機成分と水性成分の両方を含んでなり、有機成分が実質的に水混和性である溶媒を示す。
本願明細書において「実質的に水混和性の有機溶媒」とは、少なくとも80容量%の濃度になるまで水に完全に溶解する有機溶媒であると定義する。
「リガンド置換法」という用語は、ナノ粒子を混合単層膜でコーティングする方法であって、混合単層膜の第1の成分をナノ粒子にコーティングした後、混合単層膜が達成されるまで第1の成分の要素を第2の成分の要素で置換する方法を示す。
「直接合成法」という用語は、混合単層膜の両方の成分が単一の溶液中で反応し、ナノ粒子で混合単層膜が形成される金属ナノ粒子の存在下にて、ナノ粒子を混合単層膜でコーティングする方法を示す。
被覆ナノ粒子
本発明は、混合単層膜をコーティングした水溶性金属ナノ粒子を提供するものである。この混合単層膜は遮蔽用コーティング成分と捕獲コーティング成分とを含んでなる。捕獲成分は、特定の捕獲部分に対する親和性を有し、金属ナノ粒子の表面に貼り付くものである。遮蔽成分には、捕獲部分ではない材料が混合単層膜の捕獲成分と非特異的に結合するのをブロックする作用がある。
本発明のナノ粒子は、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルト、およびこれらの金属からなる合金を含むがこれに限定されるものではない、多種多様な金属で構成し得るものである。使用するのに好ましいのは、金からなるナノ粒子である。一般に、本発明の未被覆ナノ粒子は直径が約(bout)1nmから約100nmの範囲であり、約1nmから約40nmが好ましい。金属ナノ粒子を作製する方法は従来技術において周知(たとえば、テンプルトン(Templeton),A.C.ら、Acc.Chem.Res.2000、33、27〜36を参照のこと)であり、さらにシグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Company)などの提供元から商用入手される。
本発明のナノ粒子には、同一単層膜の一部として捕獲成分と遮蔽成分とを有する混合単層膜をコーティングする。一般に、捕獲成分は混合単層膜の約50%未満を占め、約20%〜40%が好ましい。逆に、遮蔽成分は単層膜の主成分をなし、単層膜の少なくとも約50%を占め、60%から約90%が好ましい。
捕獲成分は、さまざまな材料を被覆ナノ粒子に結合するように機能する。捕獲成分が単一の捕獲部分に対する特定の親和性を有するものであると好ましいが、多種多様な異なる捕獲部分に対する複数の結合部位を有する捕獲成分を含めることも本発明の範囲内である。本発明の典型的な捕獲部分としては、たとえば、ペプチド、タンパク質、核酸断片、コラーゲンなどのバイオポリマーならびに、さまざまなナノ構造(本願明細書にて定義するようなナノロッド、ナノチューブ、ナノ平面、ナノ繊維)などのナノデバイスの組立てと合成に有用なナノ材料があげられる。捕獲成分は、捕獲部分への結合を可能にするさまざまな化学基で官能化し得るものである。このような化学反応基の非限定的な例としては、−NH基、−COOH基、−CHO−基、−OH基、−X(Cl、Br、I)基、スクシンイミド基、エポキシ基よりなる群から選択されるものがあげられる。好適な捕獲成分の好ましい例にチオプロニンおよびGSHがある。チオプロニン(TPと略記)はN−2−メルカプトプロピオニル−グリシンであり、生体分子に合った都合のよい結合部位として機能する露出したカルボキシ基(下記に示す)が存在することから、特に捕獲成分として好適である。
Figure 2005534810
混合単層膜の遮蔽成分は、非捕獲部分の材料の被覆ナノ粒子との結合をブロックする機能を果たし、特定の捕獲部分を結合、単離または固定化する目的でナノ粒子を利用できるようにするものである。捕獲部分を結合しないことが遮蔽成分の主な要件であり、十分に長さの定義された非荷電水溶性分子が一般的である。過剰な長さのポリマーが捕獲成分の結合部位をブロックする作用を有する場合もあるため、ポリマーの長さを制御しなければならない。好適な遮蔽成分としては、短鎖エチレングリコールオリゴマー、エチレングリコールメタクリレート、糖類、クラウンエーテル、アクリルアミドがあげられるが、これに限定されるものではなく、短鎖エチレングリコールオリゴマーが好ましい。
遮蔽成分については、金属ナノ粒子の表面に結合するように官能化される。ある材料に金属結合官能基を持たせる一般的な方法のひとつに、好ましい2種類の短鎖エチレングリコールオリゴマーについて下記に示すようにして、スフヒドラル(sufhydral)基を加える方法がある。
Figure 2005534810
短鎖エチレングリコールオリゴマーであれば何でも適しているのではあるが、通常はオリゴマーの絡み合い分子量よりも小さくなるようにサイズを制限してあるものの方が好ましい。どういった機序でこのような選択基準になるのかを示唆するつもりはないが、捕獲成分の結合部位のブロックを回避するには、図1に示すように長いポリマー鎖との対比で短鎖遮蔽成分の方が適していると考えられる。捕獲成分の捕獲部分結合部位が捕獲部分に近付くことができるようになるのは短鎖遮蔽成分がゆえであると想定すると理にかなう。主成分の鎖長が長くなると捕獲部分結合官能基がブロックされ、結合の発生が妨げられる場合がある。
被覆ナノ粒子の合成
本発明は、新規である本発明の被覆ナノ粒子を合成する方法を提供するものである。本願明細書では2つの主要な方法を実行するが、リガンド置換法および直接合成法とする。これら2つの方法は主に成分を添加する順序の点で異なるものであり、その詳細を下記にて説明する。
リガンド置換
リガンド置換法は、金属ナノ粒子を混合単層膜の第1の成分でコーティングすることから始まり、続いて被覆粒子を第2の成分に曝露する。適切な反応条件下では、混合単層膜が形成されるような形で第1の成分の要素が第2の成分の要素に置換される。このリガンド置換法は、次のような工程ステップを含んでなる。
a)捕獲部分に対する親和性を有する捕獲コーティング成分の単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を提供し、
b)少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒と少なくとも1種の水性溶媒とを含んでなる、pHが7.0未満の混合溶媒中で、(a)の被覆ナノ粒子を、金属結合官能基を有する遮蔽用コーティング成分と混合し、遮蔽用コーティング成分と捕獲コーティング成分との間で置換(exchange)を発生させて混合単層膜のコーティングされたナノ粒子を形成する。
場合により、濾過、遠心分離または蒸留などの標準的な方法によって、の(of)混合単層膜被覆金属ナノ粒子を溶液から単離してもよい。
混合単層膜を調製するためのリガンド置換法で特に重要なのは、酸性pHで混合溶媒を用いることである。混合溶媒は水性分と有機分とを含んでなり、有機分は実質的に水混和性である。好適な有機溶媒としては、C1〜C6アルカノール(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、アセトンがあげられるが、これに限定されるものではない。また、好適な溶媒には、互いに完全に混和し、実質的に水混和性の有機溶媒である混合物が得られる有機溶媒の混合物も含まれる。多成分有機溶媒の例としては、酢酸エチルとメタノール、酢酸エチルとエタノール、酢酸エチルとイソプロパノール、酢酸エチルとアセトン、酢酸エチルとジメチルホルムアミドとジメチルスルホキシド、酢酸エチルとテトラヒドロフランとジオキサンがあげられるが、これに限定されるものではない。好ましい有機溶媒はメタノールまたはエタノールである。
混合溶媒の水性分は単なる水であってもよいが、通常はpH約7.0未満(pHについては約5.5未満であると好ましい)の酸環境で反応が起こる方が好ましいため、酢酸などの酸を用いるのが普通である。
リガンド置換法では、単層膜をコーティングした金属質ナノ粒子を提供することに頼っている。単一の単層膜をコーティングしたナノ粒子を合成する方法については周知である。たとえば、本願明細書に援用する、テンプルトン(Templeton)ら(Langmuir 15:66〜76(1999))には、チオプロニンまたはコエンザイムA単層膜で保護された、荷電水溶性金ナノ粒子を作製するための方法が記載されている。チオプロニン保護金ナノ粒子を作製するにあたって、四塩化金酸とN−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン(チオプロニン)とをメタノールと酢酸との混合物に同時溶解させた。素早く攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムを添加した。コエンザイムA保護金ナノ粒子についても、反応におけるチオプロニンをコエンザイムAに変えて同様にして作製した。金だけでなく、他の金属を使用してもよい。たとえば、ヒース(Heath)らの米国特許第6,103,868号明細書には、チオール、ホスフィン、ジスルフィド、アミン、オキシドまたはアミドなどの官能基を有していた有機表面パッシバントの溶液を用いて、金、銀、白金、パラジウム、コバルト、ニッケルをコーティングすることについて記載されている。本願明細書に援用する、チェン(Chen)ら(Colloids and Surfaces A 169:107〜116(2000))には、ポリ(N−ビニルイソブチルアミド)の存在下にてクロロ白金酸をエタノールで還元し、エタノール−水混合物中でナノ粒子を作製することを伴う別の方法が記載されている。他の方法についても、ハーゲマイヤー(Hagemeyer)らの米国特許第6,074,979号明細書;ウェルフィング(Wuelfing)ら(J.Am.Chem.Soc.120:12696〜12697(1998));チャン(Chan)ら(Science 281:2016〜2018(1998));ミッチェル(Mitchell)ら(J.Am.Chem.Soc.121:8122〜8123(1999));ナパー(Napper)(J.Colloid.Interface.Sci 58:390〜407(1977))などに説明がある。
したがって、本発明において用いる、捕獲成分をコーティングしたナノ粒子を合成する好ましい方法には以下の工程ステップを伴う。
a)捕獲部分に対する親和性を有する、金属結合官能基を有する捕獲コーティング成分と、金属塩とを混合し、pHが7.0未満の第1の反応混合物を形成し、
b)(a)の第1の反応混合物に好適な還元剤を添加し、前記捕獲コーティング成分をコーティングした金属ナノ粒子を含んでなる第2の反応混合物を形成する。
上記の方法または同様の方法を使用して単一の単層膜をコーティングしたナノ粒子を作製する場合、金属塩から開始するのがよい。好適な金属塩として、金属、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルト、およびこれらの金属からなる合金の塩があげられるが、これに限定されるものではない。特に適した塩には、HAuCl、AgNO、Cu(CHCO、Cu(NO、HPtCl、KPdClがある。
金属結合官能化捕獲成分または遮蔽成分を金属ナノ粒子の表面に結合するには還元剤が必要である。捕獲または遮蔽用コーティング成分に金属結合官能基を持たせるには、還元後に金属表面を結合するさまざまな反応基を加えるのが普通である。この種の一般的な反応基は、多くの好適な捕獲コーティング成分の誘導体化に使用できるスルフヒドラル(−SH)基である。一般的な還元剤には、捕獲成分の金属−結合官能基と相互作用するものがある。金属結合官能基が−SHである好適な還元剤には、NaBH、トリエチル水素化ホウ素リチウム、過酸化水素がある。
直接合成
2段階でのリガンド置換法とは対照的に、単一ステップの直接合成法で本発明の混合単層膜被覆ナノ粒子を合成することも可能である。この方法は、遮蔽成分がエチレングリコールからなるものである場合に有用である。直接合成法は、以下の工程ステップから進む。
a)
i)金属質ナノ粒子と、
ii)金属結合官能基を有するエチレングリコール成分と、
iii)金属結合官能基を有し、かつ、捕獲部分に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、
iv)好適な還元剤と、
v)少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒と少なくとも1種の水性溶媒とを含んでなり、pHが7.0未満である混合溶媒と、を提供し、
b)(v)の混合溶媒中で要素(i)〜(iv)を混合して反応混合物を形成し、反応混合物中での水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであり、混合単層膜が金属質ナノ粒子上に形成される。
場合により、従来技術において周知のいずれかの手段で被覆ナノ粒子を単離してもよい。
あるいは、まず最初に混合溶媒の成分同士を分離する一連のステップを直接合成法で利用してもよい。金属塩、遮蔽成分、捕獲成分を有機溶媒に溶解した上で水に溶解させた還元剤と混合した場合に、良好な結果が得られた。最終溶液をpH7.0未満としなければならないため、混合物中での水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであると好ましい。したがって、本発明は、
a)
(i)金属塩と、
(ii)金属結合官能基を有する遮蔽成分と、
(iii)金属結合官能基を有し、かつ、捕獲部分に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、
(iv)有機溶媒と、を含んでなる第1の反応混合物を提供し、
b)水性溶媒中に好適な還元剤を含んでなる第2の反応混合物であって、pHが7.0未満である第2の反応混合物を提供し、
c)第1および第2の反応混合物を混合し、混合物中の水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであり、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を形成することを含んでなる、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を合成するための方法を提供するものである。
直接合成法では一反応ステップの利点が得られるが、反応混合物中の水の量を制御するのは必須である。たとえば、反応物の最終的な水分含有量を約5%から約20%(V/V)にすべきであり、約9%から約18%(V/V)が好ましい。直接合成法では、ナノ粒子の溶解性が水の濃度に影響されやすく、溶液から析出するナノ粒子に水濃度の変動が影響する場合がある。
いずれかの方法で合成して得られるナノ粒子の平均サイズについては、「Water−Soluble, Isolable Gold Clusters Protected by Tiopronin and Coenzyme A Monolayers」、A.C.テンプルトン(Templeton)、S.チェン(Chen)、S.M.グロス(Gross)、R.W.マレー(Murray)、ラングミュア(Langmuir)、1999年、15、第66〜76頁に記載されているように、金属塩と捕獲コーティング成分とのモル比を変えることで制御可能である。
上述した方法はいずれも室温で実施できるものであるが、室温よりも高い温度または低い温度を利用することも可能である。
捕獲
本発明の被覆ナノ粒子を利用して、多種多様な材料をさまざまな形式で捕獲または固定化することができる。たとえば、ナノ粒子を操作してタンパク質リガンドを特異的に結合し、特定の配列の核酸に対する親和性を有するようにさせることができると考えられる。この形式を利用し、連続したナノ粒子を単一の核酸テンプレート上にアライメントし、導電用のナノワイヤを形成することが可能であろう。
あるいは、本発明のナノ粒子を、特定のタンパク質または核酸に対する親和性を有するように官能化することも可能であろう。遊離タンパク質または核酸を、ナノ粒子の表面で捕獲した後、電気泳動を用いるか磁場または電磁場を印加して精製することが可能であろう。
以下の実施例において本発明をさらに定義する。これらの実施例は本発明の好ましい実施形態を示すものではあるが、例示目的であげたものにすぎない点を理解されたい。当業者であれば、上記の説明および以下の実施例から本発明に不可欠な特徴を把握することができ、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明にさまざまな変更および改変を施してこれをさまざまな用途および条件に合わせることができる。
材料および方法
特に明記しない限り、試薬はいずれもアルドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals)(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee))から購入し、それ以上精製することなく使用した。
略号の意味は以下のとおりである。「h」は時間(単数または複数)を意味し、「min」は分(単数または複数)を意味し、「sec」は秒(単数または複数)を意味し、「d」は日(単数または複数)を意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「L」はリットルを意味する。
実施例1
ジエチレングリコールチオール(EG2−SH)の合成
250mL容の乾燥した丸底フラスコに、1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン(90%、10.0g)と尿素(99%、8.3g)とを入れた。次に、このフラスコにエタノール(99.9%)80mLを加えた。混合物を6時間還流した。混合物を室温まで冷却した後、回転蒸発によってEtOHを回収した。続いて20%NaOH150gを加え、3時間還流した。この混合物を室温まで冷却し、500mL容のビーカーに注いだ。この混合物に、pHが2になるまで15%HCl(濃HClから調製)を攪拌しながらゆっくりと加えた。混合物をエーテル200mLで4回抽出した。エーテル相の液体分を1000mL容のビーカーに回収し、D.I.水200mLでエーテル相を抽出し、塩と他の不純物とをさらに除去した。回転蒸発によってエーテルを除去し、41〜42℃にて圧力1.2mmHgで粗生成物を蒸留した。最終生成物は一般的なチオールの臭いのする無色のもので、重量は6.0g、収率57%であった。NMR測定によって構造を確認した。H NMR(500MHz、CDCl)δ:1.60〜1.65(t,1H)、2.70〜2.80(m,2H)、3.45(s,3H)、3.55〜3.75(m,6H)。
実施例2
テトラエチレングリコールチオール(EG4−SH)の合成
亜リン酸の三臭化物(phosphorous tribromide)(9.0g、0.033モル)(PBr、99%)を、テトラ(エチレングリコール)モノメチルエーテル(98%、アルファ・エーサー(Alfa Aesar)、マサチューセッツ州ウォード・ヒル(Ward Hill))10.0g(0.048モル)とピリジン2gとの攪拌混合物に0℃でゆっくりと加えた。得られた混合物を室温にて16時間攪拌した。D.I.水10mLを反応後の混合物に加えた。この混合物を四塩化炭素40mLで3回抽出した。この混合有機抽出物を、25mLの10%炭酸ナトリウム水溶液、5%硫酸、D.I.水で続けて洗浄した。有機相をさらに無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を回転蒸発により除去した。粗生成物を以後のテトラエチレングリコールチオール合成にさらに利用した。これらの手順はジエチレングリコールチオール合成の場合の手順と同一である。EG4−SHの水に対する可溶性が極めて高く、エーテル抽出ステップで多量の生成物が失われたため、収率は20%以内であった。EG4−SHの色は淡い黄色味を帯びており、臭いはチオール化合物に特有のものであった。NMRスペクトルによって構造を確認した。H NMR(500MHz、CDCl3)δ:4.46(s,1H)、3.37(s,3H)、3.53〜3.59(t,2H)、3.59〜3.66(m,14H)。
実施例3
平均直径3.5nmのチオプロニン単層膜保護金ナノ粒子[Au−(TP)]の合成
一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)60mLと酢酸(HPLCグレード)10mLとを、250mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl・xHO)(99.99%)0.37g(1.0mmol)とN−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン(チオプロニン、99%)16.32mg(0.1mmol)とを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、99%)0.6g(16mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水30gに溶解させよ。このNaBH溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBHの最初の1滴を加えると、HAuCl溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液が15分以内で温められた。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間維持した。このチオプロニン保護金ナノ粒子は水に可溶であった。希釈すると透明な紫色になった。
[HAuCl]と[チオプロニン]とのモル比を変更すれば、ナノ粒子の平均サイズを調節することができる。この比を大きくすると、平均粒度も大きくなる。
実施例4
置換反応によるジ(エチレングリコール)保護ナノ粒子の合成
Au−EG2の一般的な合成は、チオプロニン単層膜保護金ナノ粒子(20mg、チオプロニン5×10−3ミリモル)水溶液5mLと、EG2−SH(0.22mmol、金ナノ粒子表面のチオプロニン40×以内)30mgを含有するEtOH0.75mLを、25mL容の丸底フラスコ内で混合するものであった。混合物を室温にて24時間攪拌した後、フィルタサンプルバイアルに移し、遠心処理して金ナノ粒子を回収した。次に、サンプルをナノピュア(Nanopure)(R)水で2回洗浄し、精製EG2−SH保護金ナノ粒子(Au−EG2)を得た。Au−EG2ナノ粒子については、容易に水に再溶解させることが可能である。
Au−EG4の一般的な合成は、チオプロニン単層膜保護金ナノ粒子(粒度3nm、0.185g、チオプロニン0.05ミリモル以内)水溶液20mLと、EG4−SHエタノール溶液(EG4−SH448mg、2.0モル、40×以内)6mLとを50mL容の丸底フラスコ内で混合し、室温にて24時間攪拌するものであった。Au−EG4ナノ粒子を透析または遠心処理のいずれかによって精製した。透析の場合、Au−EG4溶液を膜チューブ(スペクトラム(Spectrum)、MWCO 3,500)に移した。Au−EG4を充填した膜を2Lのナノピュア(Nanopure)(R)水の中で4時間ごとに水を交換しながら24時間攪拌した。Au−EG4ナノ粒子を遠心によって精製することも可能である。Au−EG4反応混合物をフィルタサンプルバイアルに移し、遠心処理して金ナノ粒子を回収した。次に、サンプルをナノピュア(Nanopure)(R)水で2回洗浄し、精製EG4保護金ナノ粒子(Au−EG4)を得た。Au−EG4ナノ粒子については、容易に水に再溶解させることが可能である。
Au−TP粒子、Au−EG2粒子、Au−EG4粒子を乾燥後に試験管から取り出し、ToF−SIMSに直接のせた。フィジカル・エレクトロニクス(Physical Electronics)社のモデル7200飛行型二次イオン質量分析装置を使用して、これらのサンプルを分析した。200ミクロン×200ミクロンの領域を走査する8KeV Cs+のイオンビームを表面に照射した。質量範囲5〜1500で正負両方の二次イオンを集めた。ToF−SIMSは表面の最も外側の10Åを測定できるほど表面の特異性が高く、ナノ粒子の表面構造をプローブする目的でこれを用いた。正負両方の二次イオンを集め、検討した。Au−TP、Au−EG2、Au−EG4のそれぞれの表面構造を以下に示す。
Figure 2005534810
意味:Au−TP:チオール付着の質量(162)
Figure 2005534810
意味:Au−EG2:チオール付着の質量(135)
Figure 2005534810
意味:Au−EG4:チオール付着の質量(223)
分析した表面ではいずれも、明らかなAu (x=1〜6)シリーズならびにAuS、AuS、Au、AuS、Au、Auの各負イオンが認められた。これらの断片から、3種類のナノ粒子すべてにAu−S結合があることが確認できた。
Au−TP粒子:Au−TPのスペクトルでは、質量162でTPリガンドに対する強い負の二次イオンシグナルが認められた。質量359 Au(TP)および556 Au(TP)での別の負イオンのピークもはっきりと観察された。Auリガンドイオンが存在するのは、イオン照射(SIMS作用)後のクラスターイオンの形成、あるいは分析前に表面にあるAuリガンド錯体のイオン化という2つの要因に帰因し得る点に留意されたい。質量26でCN、質量42でCNOが指定されたイオンはそれぞれ、負のイオンスペクトルで観察された。これはアミドに典型的な徴候であり、Au粒子の表面に存在するTPの相対量を示す(Au−に対する比)目的で用いられる。3通りのサンプル各々についての質量比42/197(CNO/Au)を以下に示す。
Figure 2005534810
Auナノ粒子表面のチオプロニンとEG−SH(n=2および4)との量的な比についてはデータから導き出すことができなかったが、上記の比データから、EG2−SHおよびEG4−SHによる置換反応後に金ナノ粒子に存在するチオプロニンが有意に減少したことが分かる。
Au−EG2粒子:上述したAuおよびAuクラスターだけでなく、332 Au(EG2)および529 Au(EG2)イオンに負イオンのピークが存在することが、Au−EG2粒子の表面が他とは異なる特徴であった。これらの表面ではAu−TPサンプルに比してナトリウムが有意に減少した。負イオンのスペクトルに高いPO およびSO が認められたことから、この系に含まれる緩衝液溶液でこれらのアニオンが導入されたことが明らかになった。
Au−EG4粒子:Au−EG4粒子の負イオンのスペクトルは、Auクラスターイオン、Auスルフィドイオンシリーズ、PO およびSO が存在する点で、Au−EG2表面の場合と同様であった。420 Au(EG4)および617 Au(EG4)での負イオンのピークも観察された。
実施例5
単層膜保護ナノ粒子による金属イオンキレート化
1MのCaCl溶液1滴を、チオプロニン保護ナノ粒子(Au−TP)、Au−EG2、Au−EG4の各水溶液0.2mLに別々に加えた。Au−TP溶液はCa+2の添加時に一瞬で青く変化し、以下に示すように異なる粒子からの−COOH基でCa+2イオンがキレート化されたことで粒子の凝塊が形成された。EDTA溶液1滴を加えると、凝集溶液の色が黒から元のAu−TPの色である赤紫色に変化したことから、凝集溶液が再度可溶性になったことが分かった。Au−EG2水溶液およびAu−EG4水溶液へのCaClの添加時、色の変化や沈殿は全く観察されず、Au−EG2ナノ粒子およびAu−EG4ナノ粒子の表面には無視できる程度のチオプロニン分子があることが分かった。このデータは、チオプロニン分子の大部分がEG2−SHおよびEG4−SHで置換され、EG2保護ナノ粒子およびEG4保護ナノ粒子が形成されるという、Tof−SIMSでのデータと一致する。
実施例6
タンパク質結合のゲル電気泳動分析
タンパク質−ナノ粒子複合体は遊離Au粒子とは違った形で移動すると思われるため、Auナノ粒子へのタンパク質結合をゲル電気泳動によって都合よくモニタリングすることが可能である。ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中にて1μM以内のAu粒子1μlを特定の量のタンパク質と混合することで、タンパク質結合反応を行った。室温にて10分間のインキュベーション後、反応混合物全体を1%アガロースゲルに仕込んだ。1×TBE緩衝液(トリス−ホウ酸−EDTA)中にて90Vの定電圧で20分間、ゲル電気泳動を行った。HP スキャンジェット(ScanJet) 6300Cでゲルを直接走査することによって、ゲル画像を得た。
結果を図2に示す。レーン1:ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、Au−EG41μLを1μM以内で用いた場合であり、レーン2は、ナトリウムリン酸緩衝液(50mM、pH7.3)10μL中、同じ量のAu粒子を4μgのリゾジム(lysozme)と混合、レーン3は同じくストレプトアビジン4μgと混合した場合である。レーン4から6は、Au−Tp粒子を用いたこと以外はレーン1〜3と同様である。
Au−Tp粒子をストレプトアビジンおよびリゾチームと混合すると、バンドシフトで示されるような、程度の異なる非特異的結合が観察された。Au−EG4粒子で同じ実験を実施したところ、何ら変化は観察されなかった。最も劇的な相違は、Au−Tp粒子とリゾチームとの間の反応によって得られた。リゾチームをAu−Tp粒子溶液に加えると、一瞬のうちに色が桃色を帯びた赤から青に変化することから、Au粒子が凝塊を形成することが分かる。これは、おそらく正に荷電したリゾチーム(pI=11)分子が負に荷電したAu−Tp粒子と架橋することが原因であろうと思われる。しかしながら、リゾチームをAu−EG4溶液と混合しても、何ら変化は観察されなかった。
実施例7
Au−EG4に対するタンパク質結合のイオン交換クロマトグラフィ分析
BioCAD/SPRINT HPLC系(パーセプティブ・バイオシステムズ(PerSeptive Biosystems)、マサチューセッツ州フラミンハム(Framingham))をカチオン交換カラムHS20(パーセプティブ・バイオシステムズ(PerSeptive Biosystems))と併用して、Au−EG4およびAu−チオプロニン粒子に対するタンパク質結合のイオン交換クロマトグラフィ分析を実施した。いずれの場合も、0.1M MES(2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸)緩衝液pH7を、流量10mL/分で0から2M NaSCN塩勾配で使用した。一般的な実施の場合、NaHPO/KHPO緩衝液(pH=7.3)に入れたAu−EG4またはAu−Tp(濃度:2uM以内)0.3mLを同容量の1mg/mlタンパク質またはリン酸緩衝液と混合し、室温にて2時間インキュベートした。反応混合物をエッペンドルフ5415Cにて13000rpmで10分間遠心処理し、カラムに仕込み、次いで0から2MのNaSCN塩勾配で溶出した。結果を図3に示す。リゾチームをAu−Tp粒子溶液に加えると、一瞬のうちに色が桃色を帯びた赤から青に変化したことから、Au粒子が凝塊を形成することが分かった。これは、おそらく正に強く荷電したリゾチーム(pI=11)分子が負に荷電したAu−Tp粒子と架橋することが原因であろうと思われる。Au−Tp/リゾチーム反応混合物を遠心処理すると透明な上清が得られたことから、この上清中には可溶性Au−Tp粒子が残っていないことが明らかであった。カチオン交換カラムクロマトグラフィによって、図3に示すように上清中にはリゾチームタンパク質だけしか存在しないことが分かった。しかしながら、リゾチームをAu−EG4溶液と混合した場合は、色の変化は全く観察されなかった。Au−EG4/リゾチーム反応物を遠心処理しても溶液に何ら変化は生じなかった。HS20カチオン交換カラムから、反応混合物が、リゾチームとAu−EG4粒子とに対応する2種類の別々の種として溶出された。この結果から、Au−EG4とリゾチームタンパク質との間には結合反応が生じていないことが分かる。また、チトクロムC、リボヌクレアーゼA、ミオグロビンについても試験を実施した。いずれの場合も被験タンパク質であるAu−EG4との結合は観察されなかったが、Au−Tpとこれらのタンパク質との間にはさまざまな度合いで結合が観察された。
また、イオン交換カラムHQ20(パーセプティブ・バイオシステムズ(PerSeptive Biosystems))のAu−EG4粒子についても試験した(図4に示す)。この例では、濃度1μM以内のAu−EG4およびAu−Tp混合物(〜1:5)1mLをHQ20カラムに仕込み、0.1M MES緩衝液でpH7にて塩勾配0から2M NaSCNで溶出させた。1回目のピークはAu−EG4に対応し、2回目のピークはAu−Tpからのものである。Au−EG4ナノ粒子はカチオン交換カラムとアニオン交換カラムのどちらからも空隙容量で溶出されたことから、Au−EG4粒子の表面が電荷中性であり、いずれのカラムにも結合しないことが分かる。これは、アガロースゲルでのAu−EG4粒子の移動結果に整合する。
実施例8
平均直径3.0nmのテトラエチレングリコール単層膜保護金ナノ粒子(Au−EG4)の合成
一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)30mLと酢酸(HPLCグレード)5.0mLとを、150mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl・xHO)(99.99%)0.0885g(0.23mmol)とテトラエチレングリコールチオール(EG4−SH)22.4mg(0.1mmol)とを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、99%)0.075g(2.0mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水5.0mLに溶解させた。このNaBH溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBHの最初の1滴を加えると、HAuCl溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めることができよう。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間継続した。このテトラエチレングリコール保護金ナノ粒子は水に可溶である。希釈すると透明な赤紫色になった。
HAuClとEG4−SHとのモル比を変更すれば、ナノ粒子の平均サイズを調節することができる。比を大きくすると、平均粒度も大きくなる。
実施例9
平均直径3.0nmのジエチレングリコール単層膜保護金ナノ粒子(Au−EG2)の合成
一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)30mLと酢酸(HPLCグレード)5.0mLとを、150mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl・xHO)(99.99%)0.0885g(0.23mmol)とテトラエチレングリコールチオール(EG4−SH)13.6mg(0.1mmol)とを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、99%)0.075g(2.0mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水5.0mLに溶解させた。このNaBH溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBHの最初の1滴を加えると、HAuCl溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めることができよう。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間継続した。このジエチレングリコール保護金ナノ粒子は水に可溶である。希釈すると透明な赤紫色になった。HAuClとEG2−SHとのモル比を変更すれば、ナノ粒子の平均サイズを調節することができる。比を大きくすると、平均粒度も大きくなる。
実施例10
平均直径3.0nmのテトラエチレングリコールおよびチオプロニン単層膜保護金ナノ粒子(Au−EG4)の合成
一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)30mLと酢酸(HPLCグレード)5.0mLとを、150mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl・xHO)(99.99%)0.0885g(0.23mmol)と、テトラエチレングリコールチオール(EG4−SH)22.4mg(0.1mmol)と、チオプロニン(0.01mmol)1.63mgとを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、99%)0.075g(2.0mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水5.0mLに溶解させた。このNaBH溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBHの最初の1滴を加えると、HAuCl溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めることができよう。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間継続した。このテトラエチレングリコール保護金ナノ粒子は水に可溶であった。希釈すると透明な赤紫色になった。HAuClと(EG4−SH+チオプロニン)とのモル比を変更すれば、ナノ粒子の平均サイズを調節することができる。比を大きくすると、平均粒度も大きくなる。
実施例11
平均直径3.0nmのジエチレングリコールおよびチオプロニン単層膜保護金ナノ粒子(Au−EG2)の合成
一般的な反応では、MeOH(HPLCグレード)30mLと酢酸(HPLCグレード)5.0mLとを、150mL容のエルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。次に、四塩化金酸(HAuCl・xHO)(99.99%)0.0885g(0.23mmol)と、ジエチレングリコールチオール(EG4−SH)13.6mg(0.1mmol)と、チオプロニン(0.01mmol)1.63mgとを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。次に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、99%)0.075g(2.0mmol)をナノピュア(Nanopure)(R)水5.0mLに溶解させた。このNaBH溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBHの最初の1滴を加えると、HAuCl溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応が発熱を伴うものであることに気付いた。反応時に生成された熱により、溶液を15分以内で温めることができよう。反応時、溶液のpHが1.2から5.0以内まで変化した。素早い攪拌を2時間継続した。このテトラエチレングリコール保護金ナノ粒子は水に可溶である。希釈すると透明な赤紫色になった。HAuClと(EG2−SH+チオプロニン)とのモル比を変更すれば、ナノ粒子の平均サイズを調節することができる。比を大きくすると、平均粒度も大きくなる。
実施例12
Au−S−Eg4ナノ粒子のNMR分析
実施例4のようにして作製した遊離EG−SHおよびAu−S−EGナノ粒子についてのH NMRスペクトルを記録した。遊離EG−SHのH NMRスペクトルについては、ブルカー(Bruker)500MHzを用いて室温にてCClDで記録した。スペクトルでピークを標識した。Au−S−EGナノ粒子のH NMRスペクトルについては、バリアン・イノバ(Varian Inova)400MHzを用いて室温にてDMSO−dで記録した。このサンプルについて、90°パルスを20秒間の遅延で用いて1パルス実験を行った。スプライン基線修正装置を用いて基線を平坦化した。δ:DMSO不純物から1.14(s)および1.24(s);DMSOから2.32(s)、2.5(s)および2.68(s);2.9(−CH−S−Auからt,2H);3.22(−OCHからs,3H);HOから3.3(s,広域);3.43(−CHCHS−Auからdt,2H)および3.5(m,10H)および3.64(−CHOCHからt,2H)。
遊離EG4−SH分子およびAu−S−EG4ナノ粒子の両方のNMRスペクトルを図5に示す。Au−S−EG4ナノ粒子での−SHプロトンシグナルの消失(t,1.50〜1.56ppm)は、金ナノ粒子がEG4−S−単層膜と結合していることを明らかに裏付けている。化学シフトおよび残りのプロトンの積分値から、結合したエチレングリコール分子には遊離分子と同じ構造があることが確認できる。
実施例13
RNAおよびDNAの結合アッセイ
このアッセイでは、細菌E.coli野生型細胞MG1655を選択した。細胞抽出液を以下のようにして調製した。LB加培地でOD600=0.2まで細胞を成長させた。3回の凍結解凍によって細胞膜を破壊した。E.coli細胞からの全RNAおよび染色体DNAを標準的な分子生物学的プロトコールに従って精製した。指定量のAu−EG粒子RNAおよびDNAを室温にて混合し、結合アッセイを実施した。10分間のインキュベーション後、混合物全量に対して実施例6で説明したようにしてゲル電気泳動を行った。結果を図6に示す。
図6に示すように、細菌細胞から精製したRNAおよびDNAはいずれもAu−EG4粒子と結合することができなかった。これらの結果から、この粒子が核酸による非特異的結合に対する耐性を有することが分かる。
1個の結合リガンドを有する短鎖保護金ナノ粒子と1個の結合リガンドを有する長鎖保護金ナノ粒子とを示す図である。 Au−EG4粒子およびAu−Tp粒子に対するタンパク質結合アッセイのゲル電気泳動画像である。 リゾチームとのAu−Tp結合およびAu−EG4結合についての強いカチオン交換クロマトグラフィの結果を示すクロマトグラフである。 強いアニオン交換カラムでのAu−EG4粒子およびAu−Tp粒子のクロマトグラフである。 遊離EG4−SH分子およびAu−S−EG4ナノ粒子のNMRスペクトルである。 RNAおよびDNAに対するAu−EG粒子の結合アッセイのゲル電気泳動画像である。

Claims (32)

  1. a)捕獲部分に対する親和性を有する捕獲コーティング成分の単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を提供し、
    b)少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒と少なくとも1種の水性溶媒とを含んでなる、pHが7.0未満の混合溶媒中で、(a)の被覆ナノ粒子を、金属結合官能基を有する遮蔽用コーティング成分と混合し、遮蔽用コーティング成分と捕獲コーティング成分との間で置換を発生させて混合単層膜のコーティングされたナノ粒子を形成し、
    c)場合により(b)の混合単層膜コート金属ナノ粒子を単離することを含んでなる、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を作製するための方法。
  2. a)
    i)金属塩と、
    ii)金属結合官能基を有する遮蔽成分と、
    iii)金属結合官能基を有し、かつ、捕獲部分に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、
    iv)好適な還元剤と、
    v)少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒と少なくとも1種の水性溶媒とを含んでなり、pHが7.0未満である混合溶媒と、を提供し、
    b)(v)の混合溶媒中で要素(i)〜(iv)を混合し、反応混合物であって、該反応混合物中の水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであり、混合単層膜が金属質ナノ粒子上に形成される、前記反応混合物を形成し、そして
    c)場合により(b)の混合単層膜コート金属ナノ粒子を単離することを含んでなる、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を作製するための方法。
  3. a)
    (i)金属塩と、
    (ii)金属結合官能基を有する遮蔽成分と、
    (iii)金属結合官能基を有し、かつ、捕獲部分に対する親和性を有する捕獲コーティング成分と、
    (iv)有機溶媒と、を含んでなる第1の反応混合物を提供し、
    b)水性溶媒中に好適な還元剤を含んでなる第2の反応混合物であって、pHが7.0未満である第2の反応混合物を提供し、
    c)第1および第2の反応混合物を混合し、混合物中の水の最終濃度が約9%から約18%V/Vであり、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を形成することを含んでなる、混合単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を合成するための方法。
  4. a)金属塩と、捕獲部分に対する親和性を有し、かつ金属結合官能基を含んでなる捕獲コーティング成分とを混合し、pHが7.0未満である第1の反応混合物を形成し、
    b)(a)の第1の反応混合物に好適な還元剤を添加し、前記捕獲コーティング成分をコーティングした金属ナノ粒子を含んでなる第2の反応混合物を形成することを含んでなる、捕獲コーティング成分の単層膜をコーティングした水溶性金属質ナノ粒子を作製するための方法。
  5. 金属質ナノ粒子の金属が、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルト、およびこれらの金属で構成される合金よりなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 金属塩が、HAuCl、AgNO、Cu(CHCO、Cu(NO、HPtCl、KPdClよりなる群から選択される、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 捕獲部分が、ペプチド、タンパク質、核酸断片、コラーゲン、ナノロッド、ナノチューブ、ナノ平面、ナノ繊維よりなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記捕獲コーティング成分が、
    a)−NH基、−COOH基、−CHO−基、−OH基、−X(Cl、Br、I)基、スクシンイミド基、エポキシ基よりなる群から選択される反応基を有する分子と、
    b)ペプチド、チオプロニン、GSHよりなる群から選択される生体分子と、
    よりなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  9. 金属結合官能基が、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルト、およびこれらの金属で構成される合金よりなる群から選択される金属を結合する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記金属結合官能基がSH基であり、前記金属が金である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1種の実質的に水混和性の有機溶媒が、C1〜C6アルカノール、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、アセトンよりなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記少なくとも1種の水性ベースの溶媒が、水と酢酸とよりなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記好適な還元剤が、NaBH、トリエチル水素化ホウ素リチウム、過酸化水素よりなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記遮蔽成分が、短鎖エチレングリコールオリゴマー、エチレングリコールメタクリレート、糖類、クラウンエーテル、アクリルアミドよりなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記遮蔽成分が短鎖エチレングリコールオリゴマーである、請求項14に記載の方法。
  16. 短鎖エチレングリコールオリゴマーの分子量が絡み合い分子量未満である、請求項15に記載の方法。
  17. 短鎖エチレングリコールオリゴマーが、テトラエチレングリコールチオールとジエチレングリコールチオールとよりなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  18. ステップ(b)の後に、前記捕獲コーティング成分をコーティングした金属ナノ粒子を場合により単離および断片化する、請求項1に記載の方法。
  19. 遮蔽成分が混合単層膜の少なくとも50%を含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  20. a)金塩とSH官能基を含んでなるチオプロニンとを、アルコールと水とを含んでなる混合溶媒中で一緒に混合し、pHが7.0未満である第1の反応混合物を形成し、
    b)(a)の第1の反応混合物にNaBHを添加し、前記チオプロニンをコーティングした金ナノ粒子を含んでなる第2の反応混合物を形成し、
    c)SH官能基を有する短鎖エチレングリコールオリゴマーを添加することにおいて、チオプロニンと短鎖エチレングリコールオリゴマーとを含んでなる混合単層膜を金粒子上に形成することを含んでなり、ナノ粒子が水溶性であり、
    d)場合により、(c)の混合単層膜コート金ナノ粒子を単離することを含んでなる、混合単層膜をコーティングした水溶性金ナノ粒子を作製するための方法。
  21. 短鎖エチレングリコールオリゴマーの分子量が絡み合い分子量未満である、請求項20に記載の方法。
  22. 金塩がHAuClである、請求項20に記載の方法。
  23. 金属結合官能基を有し、エチレングリコールからなる遮蔽用コーティング成分と、捕獲部分に対する結合官能基を有する捕獲コーティング成分と、を含んでなる混合単層膜をコーティングした水溶性金属ナノ粒子。
  24. 金属が、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルト、およびこれらの金属で構成される合金よりなる群から選択される、請求項23に記載の水溶性金属ナノ粒子。
  25. 捕獲部分が、ペプチド、タンパク質、核酸断片、コラーゲン、ナノロッド、ナノチューブ、ナノ平面、ナノ繊維よりなる群から選択される、請求項23に記載の水溶性金属ナノ粒子。
  26. 前記捕獲コーティング成分が、
    a)−NH基、−COOH基、−CHO−基、−OH基、−X(Cl、Br、I)基、スクシンイミド基、エポキシ基よりなる群から選択される反応基を有する分子と、
    b)ペプチド、チオプロニン、GSHよりなる群から選択される生体分子と、
    よりなる群から選択される、請求項23に記載の水溶性金属ナノ粒子。
  27. 金属が金であり、捕獲コーティング成分がチオプロニンである、請求項23に記載の水溶性金属ナノ粒子。
  28. 遮蔽用コーティング成分が短鎖エチレングリコールオリゴマーである、請求項23に記載の水溶性金属ナノ粒子。
  29. 短鎖エチレングリコールオリゴマーの分子量が絡み合い分子量未満である、請求項28に記載の水溶性金属ナノ粒子。
  30. 遮蔽成分が混合単層膜の少なくとも50%を含んでなる、請求項23に記載の水溶性金属ナノ粒子。
  31. 請求項23に記載の水溶性金属ナノ粒子を、捕獲コーティング成分に対する捕獲部分の結合を可能にする条件下で捕獲部分と接触させることにおいて、捕獲部分を固定化することを含んでなる、捕獲部分を固定化するための方法。
  32. 金属が金であり、捕獲コーティング成分がチオプロニンであり、捕獲部分がタンパク質と核酸とよりなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
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