JP2005534317A - ルーメンで保護される脂質、他の栄養剤及び薬剤を調整並びに送達するための方法及び配合物 - Google Patents

ルーメンで保護される脂質、他の栄養剤及び薬剤を調整並びに送達するための方法及び配合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、例えば反芻動物のルーメンを通過させて未変性のアミノ酸、脂質、及び/又は飼料補給剤を有効に送達するための複合ゲルを提供するものである。本発明は、また複合ゲルを形成し使用するための方法をも提供する。

Description

本出願は、Moshe Rosenbergらによって2002年8月1日に出願された「ルーメンで保護される脂質、他の栄養剤及び薬剤を調整並びに送達するための方法及び配合物」に関する米国特許仮出願第60/400,938号の優先権と利益を主張するものである。その出願の全記載が、言及によってここに含められる。
本発明は、家畜飼料補給剤の分野におけるものである。本発明は、例えばルーメンの通過中に脂質、蛋白質及び/又は他の補給剤を保護するための複合ゲル、並びにそのようなゲルの製造方法及び使用方法に関するものである。本発明の複合ゲルは、例えば牛又は他の反芻動物に食べさせることが出来て、そのことによって脂質、栄養剤及び/又は生物活性分子が分解、変性又は除去されることなくルーメンを通過し得る。その複合ゲルは、飼料補給コストを低下させ、且つミルク、それから結果的に得られる乳製品、動物組織及びそれ由来の肉製品の健康増進特性及び一般的な栄養特性を改良し得る。
人間によって消費される飽和脂肪類の多くの部分が、反芻動物からの肉及び乳製品の形を成している。これらの飽和脂肪類は、癌及び心臓病のような病気の危険を増加させることを伴うように知られている。反芻動物食料品中の飽和脂肪類の割合を低くすることは、人間の健康に実質的な利益をもたらし得るであろう。
牛、羊及びやぎのような反芻動物は、繊維(例えばセルロース)の多い飼料を消化することを可能にする四つの区画から成る胃を有する。例えば牛は、第1胃であるルーメン(rumen)、第2胃(reticulum)、第3胃(omasum)及び第4胃(abomasum)の四つの区画を備えた胃を有し、飼料が小腸に入る前にそこを通過する。ルーメン中の微生物は、反芻動物のためのエネルギー源として用いられる揮発性の脂肪酸にセルロースを変化させるセルラーゼ系酵素を有する。このエネルギー源は、馬及び豚のような他の多くの草食動物において同程度には利用され得ない。
科学者は、豚及び鶏のような非反芻動物において飽和脂肪類の割合を低減させることについて、それらの飼料(日常の食物)中に多量のポリ不飽和脂肪を含めることによって、いくつかの成功を収めて来た。但し、多量の脂肪、特にポリ不飽和脂肪がセルロースを生成する細菌のようなルーメン微生物に毒性の作用を有するので、この方策は反芻動物においてうまく働かない。その結果、ルーメン中の繊維消化が減少するので、その動物は日常の食物からあまりエネルギーを得られない。日常の食物から得られるエネルギーが減少すると、動物の生産性に低下を来たす。ルーメン微生物での不飽和脂肪の負の作用の結果として、動物による飼料の摂取量にも減少を来たす(例えば動物が食欲を無くする)。これらの出来事は、動物の働きの減少、例えばミルク、肉及び/又は乳製品の減少をもたらし得る。
ルーメン細菌に対して毒性を呈するレベルより低い量でポリ不飽和脂肪が牛の飼料に添加される場合、それらの肉及びミルク並びにそれから得られる乳製品中での脂肪の飽和は、通常低減されない。これは、ルーメンの細菌が、生体水素化(biohydrogenation)と呼ばれるプロセスにおいて日常の食物中に提供される脂肪を変性させることによる。脂肪(脂質)がルーメンに入ると、加水分解によって遊離の脂肪酸が放出される。生体水素化において、不飽和脂肪酸類の大部分(例えばいくつかの炭素間に二重結合を含む脂肪酸類)が水素化されて、飽和脂肪酸(例えば炭素間の二重結合を含まない脂肪酸類)になる。結局、飼料での脂肪の配合は、反芻動物によって生産される肉及びミルクでの脂肪の配合に反映されない。ルーメン中のポリ不飽和脂肪の生体水素化は、筋肉/脂肪の組織内並びに乳腺中における脂肪の合成に利用可能なポリ不飽和脂肪を減少させ、そのために反芻動物は、飽和脂肪酸類中でより高く、不飽和脂肪酸類中でより低く脂肪を有しがちである。これらのより飽和した脂肪は、最終的に肉及び乳製品において見られる。
少ない毒性作用および低減された生体水素化の油分の高い飼料を牛に食べさせるための方策が開発されて来た。例えば、Strohmaierに発行された「ルーメンバイパス飼料補給剤の製造方法」に関する米国特許第6,229,031号明細書では、ルーメン中での生体水素化を最小にする低毒性の高脂肪酸飼料配合物を製造するのに、脂肪類がカルシウム塩の存在下で鹸化されている。但し、その脂肪酸カルシウム塩は、動物の食欲を無くし、その動物があまり食べず、その結果それらのミルク又は肉の生産を減少させるかもしれない。更に、脂肪酸のカルシウム塩は、ルーメン中で解離を受け、変性又は生体水素化に対する望ましい保護を大幅に損なうことが知られている。ルーメン中での脂肪酸の保護における脂肪酸のカルシウム塩の機能は限定されている。
減少された毒性作用を有しより不飽和の油を反芻動物に導入するもう1つの方法が、Scottに発行された「反芻動物からの肉及びミルク製品」に関する米国特許第4,073,960号明細書に記載されている。そこでは、脂質が蛋白質アルデヒド反応生成物中にマイクロカプセル化される。脂質充填カプセル上のホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒド架橋蛋白質コートは、5以上のpHのルーメン条件下で不溶である。そのカプセルは、4以下のpHでそのカプセルが溶解される第4胃へ通されるまで、脂質を保持して保護する。そのカプセルは、牛に与えられるときに、ルーメン細菌に対する毒性が見られず、又は食欲に対して悪く作用しないようである。このカプセル封入の系は、ポリ不飽和脂肪が生体水素化されることなくルーメンを通過することを可能にする。そのポリ不飽和脂肪は、動物の肉製品及び乳製品中への組み込みのために、下部の消化管中で吸収される。但し、米国及び他の多くの国における法規は、人間の消費を意図された動物のための飼料のホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒド処理を禁止している。加えて、これらのマイクロカプセルの製造がこの用途について手が出せないほどに高価であり得る。
蛋白質カプセル中に不飽和油をルーメン保護するもう1つの方法は、Richardsonへ発行された「反芻動物からの不飽和の乳脂肪及び肉の製造方法」に関する米国特許第5,143,737号明細書に記載されるように、メイラード(Maillard)反応において蛋白質を還元糖で架橋することによるものである。Richardsonの方法において、蛋白質と還元糖の溶液中の植物油の水性エマルションが凍結乾燥されて乾燥粉末が得られる。次いで、その乾燥粉末が炉中で褐変されて、乾燥したルーメン保護粒体が生成される。そのプロセスは、ジスルフィド結合のような他の有用な架橋化学を促進し損ね得る。そのプロセスは、還元糖を必要とし、そして長い期間の間の高い温度での高価な乾燥工程を必要とするために費用がかかり得る。そのプロセスは、費用のかかるバッチ型の操作である凍結乾燥を含む。加えて、効果的なメイラード架橋速度に要する温度での乾燥焼付けは、その油の不飽和成分を酸化し、その配合物中の他の補給剤及び栄養剤を大きく損傷し得る。そのような酸化の生成物は、毒性であって、動物の組織及び物理的な活性に対して危険を及ぼすことも知られている。
ルーメン細菌は、蛋白質、抗生物質及びビタミンのような農業従事者によって添加される他の多くの飼料補給剤を変化させ又は除去させることも知られている。飼料補給剤は、前記された脂肪酸カルシウム塩又はホルムアルデヒドで架橋されたカプセルを使用することによってある程度まで保護され得るが、これらの方法の管理に付随する問題が残る。加えて、これらの技術において固有の脂肪酸又は脂質キャリアーは、特定の望ましい水溶性補給剤に適したキャリアーではない。
上記の観点において、ルーメンを通過する際に、分解、変性又は除去からポリ不飽和脂肪及び飼料補給剤を保護するための、無毒性で効率的な方法に対するニーズが存在している。本発明は、以下のレビューで明らかにされるようなこれらの及び他の特徴を提供する。
本発明は、反芻動物のルーメンを通過する間に実質上溶解されない複合ゲルを提供する。本発明のルーメンで保護される複合ゲルは、例えばルーメン細菌の存在下において分解、変性又は除去に対して飼料の栄養剤及び/又は補給剤を保護し得る。その複合ゲルは、例えば水性蛋白質マトリックスの溶液又はサスペンション中に脂質フィラー配合物を乳化させ、そしてその得られたエマルションを加熱することによって、形成され得る。そのマトリックスとフィラーの両方がルーメン保護のための栄養剤及び/又は補給剤を含有しうる。複合ゲルは、例えば通常の牛飼料とブレンドされて、カロリーの投入、補給剤の投与を提供し、及び/又はそれらのミルク及び肉の脂肪酸組成を変え得る。
本発明の一つの側面において、複合ゲルは、架橋された蛋白質の連続相マトリックス内にはめ込まれた脂質液滴の分散相である。そのゲルは、ルーメンを通過する間の変性、分解及び/又は除去に対する保護のために、脂質液滴と共に補給成分を含み得る。その補給成分は、例えば、ビタミン、ポリ不飽和脂肪、栄養剤、アミノ酸、蛋白質、ミネラル、生物活性物質、医薬、及び/又は類似物を含むことが可能で、それらはマトリックス及び/又は分散相中で保護され得る。
複合ゲルの脂質液滴は、例えば油、脂肪、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、及び/又は遊離脂肪酸を含み得る。その液滴は、例えば約0.1μmから約50μmまで、又は約0.1μmから約1μmまで、又は約0.5μmまでのサイズの範囲にあり得る。その脂質液滴は、他の望ましい成分で補給され得る。一つの側面では、その脂質が約10%から25%まで、約50%まで、又はそれ以上の共役リノール酸を含む。一つの側面では、その脂質が約10%から約25%まで、約50%まで、又はそれ以上の共役リノレン酸を含む。本発明の脂質液滴は、例えば遊離の又は共役のオレイン酸、リノレン酸、フィタン酸、ω3脂肪酸、ドコサヘキサエン酸(C22:6)、エイコサペンタエン酸、及び/又は類似物を含み得る。乳化剤及び/又はハイドロコロイドは、その脂質液滴の分散安定性を調整するため、又はその複合ゲルのテクスチャー特性を調整するために、複合ゲルの分散相及び/又は連続相中に含められ得る。好ましい態様において、そのエマルションが約15重量%〜17重量の蛋白質及び約30重量%の脂質を含む。
複合ゲル連続相マトリックスの架橋された蛋白質は、ルーメン中に見られる状態に抵抗性のある、例えばホエー(whey)蛋白質、牛血漿蛋白質、ゼラチン、ピーナッツ蛋白質、穀物蛋白質、魚蛋白質、大豆蛋白質、及び/又は豚血液蛋白質を含み得る。その蛋白質の架橋は、例えば蛋白質間のジスルフィド結合、疎水性相互作用、イオン性相互作用、及び/又は水素結合の熱誘導形成からもたらされ得る。例えばメイラード反応化学を促す特定の条件下で、その蛋白質を追加的に架橋させるために、グルコース、ラクトース、フラクトース、マンノース、マルトース、リボース、及びガラクトースのような還元糖が、マトリックス中に供給され得る。特定の好ましい態様において、そのマトリックスは、その方法の条件下でマトリックス蛋白質の架橋に大きな貢献を提供するのに有効な量の還元糖を含まない。更に他の好ましい態様において、還元糖がその配合物中に存在するにもかかわらず、メイラード反応の発生を促さない条件で、架橋の熱誘導形成が行われる。
複合ゲルの連続相は、全固形物の約10重量%〜約50重量%であり得る。これらの固形物のうちで、約10重量%〜約100重量%が蛋白質であり得る。加えて、還元糖は、全固形物の約0重量%〜約50重量%であり得る。その複合ゲルの連続相は、例えば約10重量%〜約95重量%の量の範囲で水を含有し得る。
本発明は、ルーメンで保護される複合ゲルを調整する方法を提供する。水中にマトリックス蛋白質と他の成分を溶解及び/又は懸濁させることによって、マトリックスサスペンションが調整される。脂質と補給成分を混合することによって、フィラー配合物が調整される。そのフィラー配合物は、高いせん断力でマトリックスサスペンション中に乳化されることが可能であって、そしてそのエマルションは、加熱されて、ルーメン中で分解から保護される複合ゲルを生成し得る。
そのマトリックスサスペンションは、例えば蛋白質、還元糖、及び/又は補給成分を含み得る。その蛋白質は、例えばホエー蛋白質、牛血漿蛋白質、ゼラチン、ピーナッツ蛋白質、穀物蛋白質、魚蛋白質、大豆蛋白質、及び/又は豚血液蛋白質を有用に含む。その還元糖は、例えばグルコース、ラクトース、フラクトース、マンノース、マルトース、リボース、及びガラクトースを含み得る。その補給剤は、例えばビタミン、栄養剤、ミネラル、アミノ酸、蛋白質、望ましい脂質、生物活性物質、医薬、及び/又は類似物を含み得る。そのマトリックス成分は、そのマトリックスの粘稠性、最終的に複合ゲルの流動特性に影響を及ぼすための可塑剤をも含み得る。フィラー配合物のスサスペンション及び乳化を補助するために、そのマトリックスサスペンションに水溶性乳化剤が有利に添加され得る。
フィラー配合物の脂質(そして最終的に分散相液滴又は粒子)は、油、脂肪、モノグリセリド、ジグリセリド、及び/又はトリグリセリドを含み得る。そのフィラーの脂質は、遊離の又は共役のオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フィタン酸、ω3脂肪酸、ドコサヘキサエン酸、及び/又はエイコサペンタエン酸を有利に含み得る。一つの側面では、その脂質が約25%以上の共役リノール酸を含む。
反芻動物の脂質生合成は、例えば本発明の配合物に生合成経路の基質を導入することによって調整され得る。例えば、充分な量の前駆体脂肪酸と共に油の含有が、生合成経路に沿ってもう一つの脂肪酸の合成を刺激し得る。一つの態様において、乳牛に与えられる複合ゲル中に、大きなリノレン酸(C18:3)成分を有するアマニ油を含むことが、その牛のミルク中に存在するエイコサペンタエン酸(C20:5)の量を増加させ得る。C20脂肪酸のその増加量が、ひいては例えば生合成経路で活用されることが出来て、プロスタグランジン、スロンボキサン、ロイコトリエン、及び/又はリポキシンのような生物活性分子の合成のためのエイコサノイドを生成する。
本発明は、ビタミン、栄養剤、ポリ不飽和脂質、アミノ酸、蛋白質、ミネラル、生物活性物質、及び/又は医薬のような補給成分を有するフィラー配合物を提供する。そのフィラー配合物は乳化剤を有利に含有し得る。
ルーメンで保護される複合ゲルの調整方法は、配合及び望ましい生産結果を適合させるためのプロセスパラメーターの調整における柔軟性を提供する。マトリックスサスペンションのpHは、飼料グレード(feed-grade)の酸又は飼料グレードの塩基を使用して、約pH4〜約pH9、又は約pH5〜約pH8の範囲に調節され得る。そのマトリックス成分は、約10℃から約60℃まで、又は約40℃までの温度で溶解又は懸濁され得る。そのフィラー配合物とマトリックスサスペンションは、高せん断ホモジナイザー、コロイドミル、高速混合機、高圧ホモジナイザー、及び/又はソニケーターで乳化され得て、例えば約0.1μm〜約50μm、又は約0.5μm〜約1μmの範囲の平均脂質液滴サイズが得られる。例えば、約5MPaから約75MPaまで、又は約50MPaまでの圧力で高圧ホモジナイザーを使用して、約0.1μm〜約10μmの範囲にある平均脂質液滴サイズを有するエマルションを生じさせ得る。そのマトリックスサスペンション及び/又はエマルションは、約70℃〜約95℃の温度まで加熱されて、そして約10分〜約45分の間保持され得る。そのエマルションは、熱処理を開始させる前に、約0.5時間〜約24時間の間約4℃〜約50℃の温度で保持され得る。
乳化及び保持工程の後、そのエマルションは、その熱処理のための耐熱性容器中に充填され得る。本発明は、約80℃〜約125℃の温度で約20分〜約180分の間のエマルションの熱処理を提供する。一つの態様において、そのエマルションが約120℃の温度で約2時間の間処理され、もう一つの態様では、そのエマルションが約100℃の温度で約0.5時間の間処理される。加熱は、例えばそのゲルからの過剰な水のロスを防ぐために、密封された錫の缶のような密封容器内で行い得る。連続プロセスの熱処理形式は、本発明の概念に含まれる。
本発明の複合ゲルは、ミルクを生産している反芻動物に飼料を与えるために使用され得る。その複合ゲル中の脂質は、例えばコーン油、けしの実油、魚油、綿実油、大豆油、くるみ油、べにばな油、ひまわり油、ごま油、キャノーラ油、アマニ油、及び/又は類似物の中から有利に選ばれ得る。その脂質は、例えば遊離の又は共役の形で、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フィタン酸、ω3脂肪酸、ドコサヘキサエン酸、及び/又はエイコサペンタエン酸を含み得る。本発明は、約25重量%以上のリノール酸を有する複合脂質を提供する。本発明の複合ゲルを食べさせることは、例えば約6重量%以上のリノール酸を含有する乳脂肪をもたらす、変性された脂質特性をミルクに提供し得る。本発明のミルクは収集されて、乳製品を調整するために使用され得る。本発明の複合ゲルを食べさせることは、同様に反芻動物の肉における不飽和脂肪酸の量を増加させ得る。
脂質及び/又は他の補給成分は、マトリックスサスペンション及び/又はフィラー配合物とそれらを混合し、次いでそのマトリックスサスペンション及び/又はフィラー配合物でルーメン保護複合ゲルを調整することによって反芻動物に与えられ得る。結果的に得られる複合ゲルは、そのルーメン中での分解及び/又は吸収無しで反芻動物に与えられることが出来て、それによって脂質及び/又は他の補給成分が第4胃又は下部の消化管においてその複合ゲルから放出され得る。保護された飼料補給剤は、例えばビタミン、ミネラル、栄養剤、アミノ酸、蛋白質、ポリ不飽和脂質、ホルモン、生物活性物質、及び/又は医薬を含み得る。例えばポストルミナル(post ruminal)に有効な量の脂質及び/又は他の補給成分を供給するために、反芻動物がその複合ゲルを与えられることは、本発明に一つの側面である。
定義
ここに又は明細書の以下の残余において他の定義しない限り、ここで用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する分野の当業者によって普通に理解される意味を有する。
本発明を詳細に説明する前に、本発明が特定の方法又は配合物に限定されないことが理解されるべきである。ここで用いられる用語が、特許請求の範囲に記載された発明を限定するように意図されない特定の態様を説明するためにしばしば使用されていることも理解されるべきである。
この明細書及び特許請求の範囲で用いられるように、単数形の「a」、「an」及び「the」は、その内容が他に明確に示さない限り、複数を含み得る。従って、例えば「配合剤」(a component)の言及は2種以上の配合剤の組合せを含み得て、「容器類」(containers)の言及は個々の容器類を含み得る。
ここに記載されるものに類似の、変化した、又は均等の多くの方法及び材料が、必要以上の実験無しに、本発明の実施に使用され得るが、好ましい材料及び方法がここに記載されている。本発明の説明及び特許請求の範囲において、次の用語が以下の定義に従って使用される。
ここで用いられるように、「分散相」(dispersed phase)の語は、複合ゲルの連続相蛋白質ゲルマトリックス内で保護された脂質液滴又は脂質粒子の分散体を言う。エマルションのフィラー配合物は、そのエマルションの熱処理によって、複合ゲルの分散相に実質上変換され得る。
ここで用いられるように、「脂質」(lipid)の語は、例えば油、脂肪、又は実質上疎水性の有機物質を言う。フィラー配合物又は分散相中の脂質液滴又は脂質粒子には、例えば油、脂肪、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、遊離脂肪酸;コーン油、けしの実油、魚油、綿実油、大豆油、くるみ油、べにばな油、ひまわり油、ごま油、キャノーラ油、アマニ油;遊離の、エステル化された、又は共役の:オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フィタン酸、ω3脂肪酸、エイコサペンタエン酸;そのままの又は変性された油糧種子又は豆(大豆のような)、ぶどうの種子、綿の実、べにばなの種子のような脂質含有材料;藻、微生物、イースト、原生動物など;及び/又は類似物が含まれ得る。
ここで用いられるように、「連続相」(continuous phase)の語は、本発明の複合ゲルにおける分散相液滴又は粒子を囲む架橋された蛋白質ゲルマトリックスを言う。エマルションのマトリックスサスペンションは、熱処理によって複合ゲルの連続相に実質上変換され得る。
ここで用いられるように、「エマルション」(emulsion)の語は、本発明の方法による蛋白質マトリックスサスペンション中で乳化された脂質フィラー配合物の混合物を言う。本発明のエマルションは、例えば熱処理によって本発明の複合ゲルに変換され得る。
ここで用いられるように、「複合ゲル」(composite gel)の語は、脂質液滴又は脂質粒子の分散相を囲む水性ゲルを形成する架橋された蛋白質の連続相マトリックを言う。
ここで用いられるように、「補給成分」(supplemental constituents)の語は、ルーメン通過での保護のための複合ゲルの成分を言う。補給成分は、複合ゲルの分散相及び/又は連続相に存在し得る。特定の補給成分は、その複合ゲルの脂質又は蛋白質マトリックス構造における役割を果たし得る。任意に、補給成分は、複合ゲルの脂質及び/又はマトリックス構造によって運ばれ、保護される。補給成分は、例えばポリ不飽和脂肪酸、モノ不飽和脂肪酸、遊離の及びエステル化された脂肪酸、アミノ酸、蛋白質、医薬、生物活性剤、栄養剤、ミネラル、ビタミン、抗生物質、及び/又は類似物を含み得る。
ここで用いられるように、「有効量」(effective amount)の語は、望まれる効果を提供するのに適した特定物質の量を言う。例えば、複合ゲルにおける補給成分の有効量は、望まれる効果を提供するために、ルーメンを経て、ポストルーメン消化管へ通過するのに適した量であり得る。望まれる効果は、例えば反芻動物についての改良された栄養摂取と健康、薬効、肉又はミルクの組成上の効果、肉又はミルクの生産性に関する効果、及び/又は類似のものを含み得る。
本発明は、例えば脂質、蛋白質、栄養剤及び/又は他の補給剤を、反芻動物のルーメンを通過する間の除去、変性及び/又は分解から保護するための複合ゲルを提供する。本発明は、ルーメンで保護される複合ゲルの製法及び使用の方法を提供する。
簡単には、本発明の複合ゲルは、例えば蛋白質性の架橋された連続相水性ゲルマトリックスに囲まれた分散相脂質液滴を含む。脂質と水相配合剤の両方の存在が、その複合ゲル中に例えば新油性、親水性及び/又は両親媒性の補給剤を組み込むための区画を提供する。その保護連続相マトリックスは、不溶性のまま残り、例えばルーメンの細菌又はプロテアーゼによる攻撃に対して実質上免疫性がある。次いで、本発明の複合ゲルは、例えば第4胃及び下部の消化管の条件に曝されて、溶解又は解離され得る。
複合ゲルは、例えば反芻動物の第4胃及び下部の消化管中の脂肪酸の効力を高めるために使用され得る。脂肪及び/又は油は、その複合ゲルの分散相脂質粒子又は液滴中に組み込まれることが可能で、そこではそれらがルーメンの細菌と接触するようにはならない。複合ゲルは、反芻動物の口に合ったものであり、且つルーメン細菌に対して毒の作用を避ける。相当な量の脂質が、複合ゲルによって消化管の下部領域へ送達され得て、そこではそれらが血流及び/又はリンパ液循環中に吸収され得る。その送達された脂質の高いカロリー値は、妊娠している又は授乳している反芻動物に対して特に有用である。本発明の複合ゲルは、乳牛の生産性を高め得る。
複合ゲルの分散相脂質液滴中で保護されるポリ不飽和脂肪酸は、ルーメンの細菌による生体水素化を避け得る。例えば、ポリ不飽和脂肪酸、例えばリノール酸(C18:2)が牛に与えられる場合、ルーメンの細菌は通常二つの炭素‐炭素アルケン二重結合の両方を生体水素化によって飽和させて、ステアリン酸(C18:0)を形成する。複合ゲルの分散された脂質相内のポリ不飽和脂肪酸、又は脂肪酸を含むトリグリセリドを保護することによって、この飽和が防止され得る。ルーメンを経て第4胃へ通過の後、その連続相マトリックスは溶解して、牛の血流中へ未変性で不飽和の脂肪酸を吸収させるために分散相脂質を放出する。
一旦ポリ不飽和脂肪酸が牛の血流中に入ると、それらは乳脂肪中に組み込むために乳腺によって捕獲され得る。前記されたように、本発明の複合ゲルによって送達されるポリ不飽和脂肪酸は、かくしてより高い割合のポリ不飽和脂肪を有するミルク及び肉を提供し得る。人間のダイエット健康の利益に加えて、増加されたポリ不飽和脂肪を有する食品は、望ましい味、テクスチャー及び/又は流動性を有し得る。ポリ不飽和脂肪は、一般に飽和脂肪よりも低温で融けて、例えばチーズ及びアイスクリームの融点に影響し得る。高ポリ不飽和脂肪ミルクで出来たバターは、よりスムースなテクスチャーを有し、貯蔵温度でより拡げられ易い。
本発明のもう一つの側面において、複合ゲルはルーメンを通過するときの蛋白質及びアミノ酸を保護し得る。牛に与えられる保護されていないアミノ酸及び蛋白質の約80%までが、ルーメン細菌によって分解される。本発明は、ルーメン中において非常に不溶性で分解に対して抵抗性を有する架橋された蛋白質を備えた水性連続相マトリックスを含んでいる。第4胃を通過後、その架橋された蛋白質は、溶解され加水分解されて、下流の消化管での吸収のために未変性のアミノ酸を放出し得る。次いで、吸収されたアミノ酸は、その牛による肉及びミルクの生産に利用できる。未変性のアミノ酸が利用できることは、成長中の牛、妊娠している牛又は授乳している牛において特に重要である。
連続相マトリックスは、種々の親水性及び両親媒性の補給剤を、分解、変性又は除去が無く、ルーメン中を通過させるために、例えば保護された水性環境をも提供する。例えばビタミンB類及びビタミンCのような水溶性のビタミンが、複合ゲルの水性相中で送達され得る。反芻動物の飼料は、例えば本発明の複合ゲルの水性相にそれらを添加することによって、必須アミノ酸で補給され得る。水溶性のホルモン、医薬、抗生物質及びミネラルが、複合ゲルの水性相内で有効に送達され得る。ルーメン通過中に補給剤を保護することによって、反芻動物へ栄養剤及び薬を与えるコストに大きな節約が実現され得る。本発明は、抗生物質について偶発的に細菌に曝すことを最小にして、抗生物質耐性バクテリア株の淘汰を低減させ得る。
分散相脂質液滴は、種々の親水性及び両親媒性の補給剤を、分解、変性又は除去が無く、ルーメン中を通過させるために、例えば保護された脂質区画を提供する。ビタミンA、ビタミンD及びビタミンEのような脂溶性のビタミンは、複合ゲルの分散脂質相内で有効に送達され得る。脂溶性のホルモン、ステロール、医薬、及び抗生物質が、複合ゲルの分散脂質相中で有効に送達され得る。ルーメン通過中に補給剤を保護することによって、反芻動物へ脂溶性の栄養剤及び薬を与えるコストに大きな節約が実現され得る。
複合ゲル
本発明の複合ゲルは、例えば架橋された蛋白質の連続水相マトリックス内にはめ込まれた脂質液滴の分散相であり得る。広範囲の応用可能なプロセス条件とそのゲル内で脂質及び水性区画の利用可能性によって、広く種々の補給剤がその複合ゲルと適合し得る。
その水性連続相は、例えば分散脂質相を囲んではめ込む蛋白質ゲルを含み得る。マトリックスのその蛋白質は、例えばジスルフィド結合、疎水性相互作用、イオン性相互作用、水素結合、炭水化物、及び/又は類似物によって架橋されて、その脂質相を含有する三次元ネットワークマトリックス構造を形成し得る。その連続相架橋蛋白質は、例えばルーメン中に見られる条件下での分解に対して実質上免疫性であり得る。かくして、そのマトリックスとはめ込まれた脂質成分は、ルーメンにおける除去、変性及び/又は分解から保護され得る。乳化工程中に、蛋白質が脂質液滴の表面で吸着されるようになり、その各々の液滴をコートする1層の凝集された蛋白質を形成し得る。この層の厚さは、約50〜約150nm(ナノメーター)の範囲にあり得る。油/水界面で吸着されたその蛋白質層は、例えば単一層又は複数層であり得て、それが酸化及び/又は酵素からの分散相の保護に重要な役割を演じ得る。その界面に埋め込まれる蛋白質の割合は、例えばその複合ゲルの調整に伴うプロセスの乳化工程及び/又は加熱工程の間に、調整され得る。界面に吸着された蛋白質の層は、例えば蛋白質‐蛋白質相互作用及び他の結合の形成によって三次元蛋白質マトリックスネットワークに繋げられ得る。
複合ゲルの連続相は、水、並びに溶液、懸濁液中で、又はその架橋蛋白質マトリックスに統合された種々の割合の成分を含み得る。例えば乾燥基準の重量で特定される全固形物は、複合ゲルの約10重量%〜約50重量%の範囲にあり得る。蛋白質は、例えば全固形物の約10重量%〜約100重量%で存在し得る。任意に、還元糖のような炭水化物は、例えば全固形物の約0重量%〜約50重量%で存在し得る。
本発明の複合ゲル中の水は、重要な役割を担い得る。例えば、水が、例えば酸素を排除し、水の水和を蛋白質に提供し、及び/又はプロセス中のピーク温度を低下させることによって、ゲル成分の安定性を強化し得る。複合ゲル中の水は、蛋白質を架橋させるジスルフィド結合のような化学反応を促進し得る。複合ゲル中の水は、ゲルマトリックスのための支持を提供し、溶解成分を運搬し、そのゲルの風味の良さを強化し、及び/又はそのゲルに望ましい流動特性を提供し得る。連続相は、例えば約10重量%〜約95重量%の水を含み得る。
マトリックスは、種々の補給成分、例えば水溶性の又は蛋白質結合の栄養剤、アミノ酸、蛋白質、ミネラル、医薬、生物活性分子、ビタミン、及び/又は類似物を含むように配合され得る。そのような補給剤は、反芻動物への有効な飼料提供のために有利にルーメン保護され得る。例えばナトリウム、カルシウム、マグネシウム、ホスフェート、及び/又は類似物のようなミネラル補給剤も、その複合ゲルの物理的特性に影響を与え得る。例えば、二価のカチオンの存在が、複合ゲル構造物の引張り強さ、展性、柔軟性、圧縮強さ、凹凸性、及び/又は類似特性を変え得る。
分散相は、例えばマトリックスで囲まれた脂質液滴であり得る。その分散相の脂質は、例えば油、脂肪、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、及び/又は遊離脂肪酸であり得る。分散相液滴は、例えば約0.1μmから約50μmまで、約0.1μmから約1μmまで、又は約0.5μmまでのサイズの範囲にあり得る。
分散相液滴は、例えばルーメンを通過して高カロリー内容物を送達するため、及び/又は反芻動物のミルク又は肉に高められたモノ‐又はポリ不飽和脂肪含有量を提供するために、選択される補給剤であり得る。その分散相液滴は、例えば反芻動物のミルク及び/又は肉中に含めるための25%以上の共役リノール酸又はリノレン酸を有するコーン油又は他の油を含み得る。複合ゲルの分散相のための好ましい油は、例えばコーン油、けしの実油、魚油、綿実油、大豆油、くるみ油、べにばな油、ひまわり油、ごま油、キャノーラ油、及びアマニ油を含む。
分散相の脂質は、例えば脂質溶解性の栄養剤、医薬、生物活性分子、ポリ不飽和脂質、及び/又はビタミンのような他の種々の補給剤を含むように配合され得る。そのような補給剤は、反芻動物への有効な投与のために有利にルーメン保護され得る。
複合ゲルの調整方法
本発明の複合ゲルは、例えば水に蛋白質と他のマトリックス成分を溶解又は分散させて、架橋可能な混合物の溶液又は分散液を形成すること、脂質と他のフィラー配合剤のフィラー配合物を調整すること、マトリックスサスペンション中にそのフィラー配合物を乳化させてそのマトリックス相中に分散されたフィラー相と共にエマルションを得ること、容器中にそのエマルションを充填すること、その容器を封入すること、及びそのエマルションを加熱して架橋された蛋白質の連続相マトリックス中にはめ込まれた脂質の液滴又は粒子の分散相を含む複合ゲルを形成することによって、調整され得る(図1参照)。
マトリックスサスペンション
連続マトリックスの共有及び/又は非共有の架橋形成は、例えばルーメン中での消化、変性、除去、及び/又は生体水素化に対して、フィラー相、及び/又は他の含有補給剤を複合ゲルが保護する程度を決定する重要な事象であり得る。これらの天然の架橋は、油/水(O/W)界面(即ちフィラーとマトリックス相間の界面)で吸着された蛋白質分子の間;O/W界面で吸着された蛋白質分子とマトリックス相中に含まれる蛋白質分子の間;及び全てマトリックス相中にある蛋白質分子の間で、形成され得る。2次元又は3次元における複数の蛋白質分子の架橋は、ゲルマトリックスを提供し得る。
本発明のマトリックス中で使用されるのに適した蛋白質は、例えば熱処理によって自然に架橋され得る蛋白質であり得る。例えば、少なくとも1種のシステイン残基を含有する蛋白質が、活性なスルフヒドリル(SH)基を曝し、そのことによって蛋白質分子間の共有ジスルフィド(S-S)結合の形成を促進する加熱誘導された展開によって架橋され得る。そのようなジスルフィド結合の架橋は、例えばアルカリpH、80℃以上の温度で促進され得る。
疎水性相互作用、水素結合、イオン性相互作用、及び/又は類似のもののような非共有型引力が、マトリックス蛋白質の架橋を提供し得る。熱が蛋白質を展開させて、非共有型引力による架橋を誘導し得る。例えば、熱が球状の蛋白質類内に埋もれていた疎水性アミノ酸を露出させることが出来て、それらの蛋白質がその近傍の疎水性アミノ酸と相互に作用し合い、凝集体又はマトリックス構造体の要素を形成する。もう一つの例では、熱が、イオン性相互作用に対して反対の電荷のイオン性アミノ酸、又は例えば二価のカチオンのような反対に荷電されたイオンの周りに整合するように同じ電荷を持ったアミノ酸を露出させ、錯体を形成し得る。本発明の多くの態様において、水性サスペンション中及び/又は脂質液滴との界面の蛋白質間に複数のタイプの相互作用が生じ、ゲルマトリックスを形成する。
還元糖の存在下でのメイラード反応により蛋白質が架橋されることも可能である。本発明の水性複合ゲルの調整で通常用いられる温度及び条件が、メイラード反応を著しく促進し損ね得るけれども、いくつかの場合にはそれが架橋に貢献し得る。メイラード反応は、還元糖のアルデヒド基とペプチド鎖中のリシン残渣のイプシロンアミノ基との間で生じ得る。メイラード反応における反応体として作用し得る還元糖は、例えばグルコース、ラクトース、フラクトース、マンノース、マルトース、リボース、及びガラクトースを含む。他の還元糖及び/又は多糖類が本発明の蛋白質を架橋するために使用され得る。
本発明のマトリックスの例示的な蛋白質は、それらに限定されるものではないが、ホエー蛋白質、牛血漿蛋白質、ゼラチン、ピーナッツ蛋白質、穀物蛋白質、魚蛋白質、大豆蛋白質、及び/又は豚血液蛋白質を含む。そのゲルの調整での使用に適した蛋白質を含有する材料は、これらの蛋白質の溶液又は分散液の形で、或いはそのような蛋白質を含有する乾燥粉末の形であり得る。その蛋白質含有材料は、精製された蛋白質を含むことが出来、或いは例えば異なるミネラル、炭水化物及び/又は脂質と混合された蛋白質を含み得る。例えば、ホエー蛋白質材料は、例えば30〜90%の蛋白質を含有するホエー蛋白質濃縮物(WPC)、90%より多く蛋白質を含有するホエー蛋白質単離物(WPI)、蛋白質粉末、脱ミネラル化又は脱ラクトースされたホエー粉末、分別及び変性されたホエー蛋白などを含み得る。そのような粉末は、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、リンなどのような種々のミネラルを異なる濃度で含有し得る。蛋白質含有材料は、0〜約70%又はそれより多い炭水化物(乾燥基準)をも含有し得る。ホエー蛋白質を含有する材料は、チーズ産業における液状ホエーの通常の加工中に得られる蛋白質の溶液又は分散液として、発生し得る。これらの普通に入手できる材料は、例えば10〜60%の蛋白質(乾燥基準)を含有し得て、例えば膜濾過操作、蒸発、延伸分離、スプレー乾燥、及び/又は類似の操作によって濃縮され得る。
マトリックスサスペンションを調整するために、蛋白質が、望ましい水溶性補給成分と共に水に懸濁又は溶解され得る。そのサスペンションの全固形分は、例えば全重量の約10%〜約50%の範囲にあり得る。更に蛋白質は、例えば全固形分の約10重量%〜約100重量%の範囲にあり得る。還元糖は、例えば全固形分の約0重量%〜約50重量%であり得る。
補給成分、可塑剤、乳化剤、安定剤、抗酸化剤、酸化還元電位変性剤、ミネラル、テクスチャー変性剤、増粘剤などのような他のマトリックス成分は、全マトリックスサスペンション固形分の約0重量%から約20重量%まで又はそれより多い範囲であり得る。そのようなマトリックス成分は、それらに限定されないが、飼料又は食べ物の調整において使用が許されている天然の又は変性されたガム、澱粉、変性澱粉、デキストリン、マルトデキストリンなどのような材料であり得る。マトリックスサスペンションに添加され得る補給成分は、例えばビタミン、栄養剤、アミノ酸、ペプチド、ミネラル、ホルモン、生物活性物質、生体工学処理された化合物、医薬、及び/又は類似物を含む。
特定の配合によっては、全マトリックスサスペンション成分を懸濁又は溶解させるために、異なる方策が必要とされ得る。いくつかの場合には、マトリックスの混合物が、例えば約10℃〜約60℃の範囲の温度で攪拌して、成分の溶解又は懸濁を得ることを必要とし得る。配合によっては、溶解困難な成分のようなある成分で予備サスペンションが調整されて、続いてより安定性の低い補給剤のような他の成分が更に添加される。その予備サスペンションは、約70℃〜約95℃の範囲に約10分〜約45分の間加温されて、均一なサスペンションを得て、及び/又は蛋白質成分を活性化し得る。次いで、そのサスペンションは、他の例えばより可溶性の又はより熱安定性の低い成分を添加する前に、約15℃〜約70℃の間に冷却され得る。
サスペンション調整の間又は後に、マトリックスサスペンション成分のpHが調整され得て、例えば約pH4〜約pH8の間のpHを得ることが出来る。その技術において知られているように、ある蛋白質又は補給成分を分解無しで溶解させるために、pHと温度の熟練した使用が要求されるかもしれない。溶液のpH値は、例えば飼料グレードの酸又は塩基で妥当なように調整され得る。
フィラー配合物
本発明のフィラー配合物に使用するのに適した脂質は、例えばマトリックスサスペンション中で実質上不溶性であって反芻動物の摂取に適した脂質であり得る。フィラー配合物は、熱の適用で複合ゲルの分散相として保護されるために、水性マトリックスサスペンションで乳化され得る。そのフィラー配合物は、保護されてルーメンを通過するために、例えば1種以上の望ましいフィラー及び/又は他の補給剤を含有し得る。
本発明のフィラーの例示的な脂質は、例えば植物又は動物由来の、油、脂肪、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、リン脂質、及び/又はトリグリセリドを含む。脂質は、液体状態又は固体状態のいずれかであり得る。フィラー配合物脂質は、例えば種々の割合における前記された好適な脂質のブレンドを含み得て、固体成分及び/又は液体成分の混合物であり得る。本発明の脂質は、例えば遊離の、エステル化された、又は共役の:オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フィタン酸、ω3脂肪酸、エイコサペンタエン酸、及び/又は類似物を有利に含み得る。フィラー配合物中にも使用され得る脂質含有材料は、例えばそのままの又は変性された油糧種子又は豆(大豆のような)、ぶどうの種子、綿の実、べにばなの種子、及び/又は類似物を有利に含む。そのような材料は、望ましい脂質又は活性成分を含有する、藻、微生物、イースト、原生動物なども含み得る。そのような脂質含有材料は、そのままで、又は例えば破砕、粉砕、破断、剥離、熱処理、及び/又は類似の操作によって変性されたものであり得る。
補給成分及び乳化剤のような他の成分の範囲は、例えば全フィラー配合物の約0重量%〜約75重量%、又は約10重量%〜約20重量%であり得る。フィラー脂質自体は、複合ゲルの望ましい補給成分と考えられ得る。フィラー配合物中に含めるための補給成分は、例えばビタミン、栄養剤、アミノ酸、ペプチド、蛋白質、微生物、ポリ不飽和脂質成分、炭水化物、ホルモン、生物活性物質、脂肪酸、抗酸化剤、安定剤、医薬、及び/又は類似物を含み得る。
フィラー配合物を調整するために、1種以上の脂質が望ましい補給剤と組合されて混合され得る。そのフィラー配合物中にいくつかの資質又は補給剤を溶解するために、熱の適用が必要とされるかもしれない。
例えばマトリックスの均質化中にエマルションの形成を補助するために、乳化剤がマトリックス又はフィラー相のいずれかに、又は両方の相に添加され得る。乳化剤は、エマルション中への補給剤のブレンドをも補助し得る。乳化剤は、その技術において知られているように、例えば飼料又は食べ物の適用において使用が許されている天然の又は合成された表面活性化合物及び材料のいずれかであり得る。
乳化/均質化
最終の複合ゲルの物理的性質、及びルーメン中での消化、変性、又は生体水素化に対してゲル成分が保護される程度は、フィラー相の粒子サイズ分布によって大きく左右され得る。これらの性質は、例えばマトリックスサスペンションとフィラー配合物を組合わせるために使用されるエマルション及び/又は均質化の条件によって決定され得る。不合理な実験をすること無しに望ましい分散相液滴サイズを得るために、温度、時間、せん断、圧力、マトリックス/フィラー割合、添加剤、及び/又は操作の回数の条件を調整することを、当業者は知っている。
マトリックス相におけるフィラー相のエマルションを調整する第1の工程は、例えばフィラー相中にマトリックス相の粗いエマルションを調整することであり得る。そのようなエマルションは、乳化デバイスを備えた高せん断ホモジナイザーを使用することによって形成され得る。その乳化は、例えば約5℃〜約65℃の範囲の温度で、約1分〜約15分の範囲の時間の間に実施され得る。この粗いエマルションにおける平均粒子サイズは、例えば約5μm〜約100μmの範囲にあり得る。粗いエマルションの形成は、その配合物における乳化剤及び/又は飼料グレードの界面活性剤の存在によって促進され得る。その粗いエマルションは、本発明の複合ゲル中に直接加工されることが可能で、或いは更に均質化され得る。粗いエマルションは、例えば本発明の方法において細かいエマルションを形成するために通常使用されるホモジナイザー中への投入のための均一な調整を提供し得る。
細かいエマルションは、例えばマトリックス相におけるフィラー相の粗いエマルションから調整され得る。粗いエマルションは、細かいエマルションを調整するための、高圧ホモジナイザー、流動化装置、ソニケーター、及び/又は類似の装置で加工され得る。この種の通常の高容積装置は、約0.1μm〜約100μmの範囲のサイズにある有用な資質液滴粒子を達成し得る。約5MPaから約75MPaまで、又は約50MPaまでの範囲の圧力で高圧ホモジナイザーを使用した粗いエマルションの処理が、約0.1μm〜約10μmの範囲にある脂質液滴粒子サイズを生じさせ得る。エマルションをそのホモジナイザーに2回以上通過させることによって、より細かい及び/又はより均一な(単一基準寸法の)脂質液滴粒子サイズが達成され得る。
本発明の一側面において、脂質の液滴又は粒子は、約0.5μm以下の平均直径を有する。そのような分散相は、約10m/mlより大きいフィラー相の、又は約15m/mlより大きいフィラー相の比表面積を有し得る。特別の理論に縛られることなく、高度に架橋された蛋白質によるこの大きなカプセル封入表面領域の排他的な作用によって、分子状酸素と酵素からの脂質相の著しく強化された保護が得られ得る。
エマルションは、熱処理を進める前の約0.5時間〜約24時間の範囲の間、約4℃〜約50℃の範囲の温度に維持され得る。特別の理論に縛られることなく、蛋白質が脂質/水の界面で吸着されるようになること、及び最初の架橋のいくつかの相互作用のための時間が開始することを、保持時間が可能にすると考えられる。
本発明のもう一つの側面において、脂質のエマルションは、例えば全連続相成分よりも少なく調整され、そして予備熱処理され得る。例えば、全成分よりも少ない成分のエマルションが、例えばそのエマルションの条件をあらかじめ整えるために、70〜90℃で10〜45分間熱処理され得る。このように調整されたエマルションは、次いで例えば最終熱処理のための最終のエマルションを準備して本発明の複合ゲルを形成するために使用され得る。エマルションの予備的な熱処理の後に、残りの連続相成分が溶解及び/又は分散のためにそのエマルションに添加され得る。他の態様において、1〜10%の蛋白質を含有する蛋白質溶液が前記されるように調整され、70〜90℃で10〜45分間熱処理され得る。そのように処理された溶液は、例えば10〜50℃の温度に冷却され、そしてそれから複合ゲルが調整され得るようなエマルションを調整するのに使用され得る。
熱処理
マトリックスサスペンションのセクションにおいて前述されたように、共有又は非共有の結合から成る架橋の形成によってマトリックスサスペンションの蛋白質を架橋するために、熱処理が使用され得る。例えばマトリックス相中のO/W界面での蛋白質‐蛋白質相互作用の結果として、及び/又はO/W界面で吸着された蛋白質分子とマトリックス相中に含まれるそれらの蛋白質分子の間で、これらの結合が形成され得る。ジスルフィド結合、疎水性相互作用、及び類似のものによって、マトリックス相中で蛋白質を架橋するために、熱処理が使用され得る。その蛋白質を架橋するための方法、例えばpH処理又は二価のリンカー分子の添加が有ることを、当業者は理解し得る。但し、熱処理は、例えば低コスト及び規制問題が無いことのような特定の利点を有している。
熱処理のために、例えば熱、圧力、及び化学的処理に適合した容器中にエマルションが充填され得る。バッチ処理の場合、例えば好適な大きさの金属缶、ガラス瓶、又はプラスチック容器中に、そのエマルションが充填され得る。貯蔵寿命を増加させ、細菌汚染を防止し、及び/又は熱処理後の酸化劣化を低減させるために、容器が大気圧で又は減圧(減圧シール)で密封され得る。例えばパイプ又はベルトの連続フロー系においてエマルションを熱処理するために、連続加工スキームが工夫され得ることを、当業者は理解するであろう。
個々の配合及び/又はプロセス効率との適合性のために、熱処理のスケジュールが確立され得る。一般的に、本発明のエマルションを複合ゲルに変換するための熱処理は、例えば約80〜約125℃の範囲の温度で約20分〜約180分の範囲の間そのエマルションを維持することを要する。これらの範囲の高温及び長時間では、その技術において知られるように、複合ゲルを低温殺菌又は滅菌する望ましい効果が得られる。より低温で短時間の条件は、例えば簡単に架橋される蛋白質又は安定性の低い補給剤を含む配合物で有利に使用され得る。
熱処理は、いくつかのメカニズムによるマトリックス蛋白質の架橋を提供し得る。連続マトリックスゲルの相互に連結されたネットワーク中にマトリックスサスペンションの可溶な蛋白質を変化させるために相互に作用し合い得るアミノ酸側鎖のような化学基を露出させるための熱によって、蛋白質の四次構造、三次構造、二次構造が崩壊され得る。例えばジスルフィド結合、疎水性相互作用、イオン性相互作用、水素結合、炭水化物、及び/又は類似のものによって、そのマトリックスの蛋白質が架橋されて、脂質相を含有する三次元ネットワークマトリックス構造を形成し得る。
還元糖によるメイラード反応の蛋白質架橋が本発明の方法において役割を演じ得るが、多くの態様ではそれが重要なものではなく又は実在しないものであり得る。ある態様(実施例1参照)では、還元糖の無い同様なゲル(実施例2参照)に比較して、還元糖の存在が、複合ゲルの保護効果を実際に低減させることが示されている。他の態様では、還元糖がある量で存在するが、例えば他の結合及び相互作用の圧倒的な貢献、少量の還元糖、及び/又は反応を著しく促進し損ねる方法の反応条件のため、それらが蛋白質の架橋に著しく貢献することがない(実施例6参照)。メイラード反応が反応生成物として水を放出するので、その方法におけるゲル形成の水性条件によって、その反応が阻害され得る。加えて、前記の他の結合又は相互作用を提供するために必要な時間及び温度が、しばしばメイラード反応を促進するのに適さない。任意に、重要なメイラード反応の蛋白質架橋をもたらすために、還元糖、並びに妥当な熱処理時間と温度が提供され得る。
熱処理に続いて、本発明の複合ゲルは、周囲温度又はそれよりも低く冷却されて、使用されるまで貯蔵され得る。貯蔵の寿命は、例えば貯蔵温度、熱処理時間と温度、貯蔵容器、抗酸化剤成分の存在、抗微生物剤成分の存在、及び配合物蛋白質又は脂質の安定性に依存する。
複合ゲルの使用
本発明の複合ゲルは、牛、やぎ及び羊のような反芻動物に直接与えられ、又はそれらの常用の飼料中に混合され得る。牧畜の反芻動物及び野生の反芻動物は、例えば牧草ブロック中にこれらの補給剤を、或いは牧畜領域における自由な接近のために分配された粒状のかいばを含めることによって、本発明の配合物を与えられ得る。複合ゲルは、反芻動物に望ましい利益を与えるのに適した特定の蛋白質、脂質及び補給剤と共に配合され得る。
その複合ゲルは、それらに限定されることのない、干草、新鮮保存飼料、穀粒又は濃縮成分、アルファルファなどのような反芻動物用の飼料中に均一に混合するために、例えば直径で約2インチからの、又はそれよりも小さいサイズの粒状に細断又は砕かれ得る。
成長している、妊娠している、授乳している、病気の、又は栄養不良の動物の場合、高濃度のアミノ酸又はペプチドの複合ゲルが給餌のために配合され得る。アミノ酸、特に必須アミノ酸、又は必須アミノ酸を含有するペプチドが、複合ゲルの連続相内への組み込み及び保護のために、マトリックスサスペンション中に溶解され得る。フィラー配合物は、
分散相の液滴又は粒子内への組み込み及び保護のために、フェニルアラニン、トリプトファン、又はそれらを含有するペプチドのような特定のアミノ酸を収容し得る。連続相マトリックスの架橋された蛋白質、及びこの相中に含有され得るペプチドは、ポスト‐ルーメン消化管内で加水分解される場合にアミノ酸及びペプチドの重要な補給を提供するために、ルーメン保護され得る。
複合ゲルの分散相中の脂質は、ポリ不飽和である望ましい脂質を給餌及び/又は提供するために、高カロリー値を満たすように配合され得る。脂質含有不飽和(モノ‐、ポリ‐)脂肪酸成分と共に配合された複合ゲルを給餌することによって、ミルク又は肉中のポリ不飽和脂肪の割合が、反芻動物中で増加され及び/又は調整され得る。反芻動物は、脂質が例えば全飼料の約1重量%〜約25重量%に相当する量で複合ゲルを与えられ得る。精製された、再循環された、又は高価でなく低いグレードの脂肪及び油が、カロリー値のコスト効率の良い送達のために、複合ゲル脂質中に配合され得る。例えばコーン油、けしの実油、綿実油、大豆油、くるみ油、キャノーラ油、アマニ油、べにばな油、ひまわり油、ごま油、魚油、及び/又は類似物のような植物又は動物由来の油が使用され得る。分散相中の脂質は、例えば、望ましい不飽和脂肪酸、遊離の脂肪酸、コレステロールエステル、リン脂質などを含有するモノ‐、ジ‐、又はトリグリセリドを含み得る。フィラー配合物中の脂質としても使用され得る脂質含有材料は、例えばそのままの又は変性された油糧種子又は豆(大豆のような)、ぶどうの種子、綿の実、べにばなの種子、及び/又は類似物を含む。そのような材料は、望ましい脂質又は活性成分を含有する藻、微生物、イースト、原生動物などをも含み得る。そのような脂質含有材料は、そのままで、或いは例えば破砕、粉砕、破断、剥離、熱処理、及び/又は類似の操作によって変性されたものであり得る。
複合ゲルは、反芻動物へ補給剤を有効に送達するために使用され得る。複合ゲルの調整方法のセクションにおいて前述されたように、補給剤は、各配合物について、補給剤の溶解性及び安定性のような問題点を考慮する必要の有る多種の群である。どの場合にも、例えばエマルションが複合ゲル中に変換される最終の熱処理工程において又はその前に、補給剤がゲル調整プロセス中に投入され得る。補給剤が特に不安定である場合、その補給剤の分解を最小にするために、適度に緩やかな時間、温度、及び/又はpH条件が確立され得る。不安定な成分を用いた配合物は、反芻動物への給餌の前の貯蔵を低温にして期間を短くすることも要し得る。
複合ゲルを反芻動物に与えた後、数分又は数時間以内に血流、及び/又はリンパ系中への吸収のために、アミノ酸、脂質、及び/又は他の補給剤がルーメンを通過し、下流の消化管に出現し得る。分散相資質液滴からのポリ不飽和脂肪が、数時間以内に複合ゲルを与えられた動物の乳脂肪中に観察され得る(下記の実施例参照)。血液循環及びリンパ系から、分散相脂質の液滴及び粒子からの脂質又は脂質成分が、例えば脂肪組織と結合した脂質液胞中での貯蔵のために動物の身体内の脂肪細胞によって変性されないで吸収され得る。最終的に、複合ゲルの脂質が、筋肉を覆う脂質と同様に、反芻動物の肉の大理石模様の脂肪細胞に出現し得る(筋内脂質(intramascular lipid))。血液循環及びリンパ系から、送達され保護される脂質又はそれらの成分が、乳脂肪に組み込まれるようになり得る。血液循環から及びリンパ系から、送達される脂質又はそれらの成分が、動物の生理学、病気の調整、免疫系の調節、生殖系の側面などに関連した自然のメカニズムによって活用され得る。
本発明の一つの態様において、脂質生合成が合成経路成分の準備によって調整され得る。例えば、生合成経路反応の基質分子が、反芻動物の飼料中に供給されて、本発明の複合ゲル中でルーメン通過中に保護されて、そして反芻動物の細胞に入り、反応経路生成物の合成を刺激することが出来る。特定の態様において、エイコサン酸系の脂肪酸が増加された生産物を提供する生合成経路を刺激するために、リノレン酸(C18:3)が豊富な油を有する複合ゲルが牛に与えられ得る。増加された量のエイコサノイドは、更に例えばプロスタグランジン、スロンボキサン、ロイコトリエン、リポキシン、及び/又は類似物のような特定の生物活性分子の生成を支持し又は刺激し得る。
複合ゲルの連続相及び/又は分散相中の他の補給成分は、有効量でルーメンを通過して運ばれて、例えば健康、栄養及び生産性における利益を提供し得る。例えば、複合ゲルは、ビタミン、栄養剤、アミノ酸、ペプチド、蛋白質、微生物、ポリ不飽和脂質成分、炭水化物、ホルモン、生物活性物質、脂肪酸、抗酸化剤、医薬、及び/又は類似物を有利に与えるために反芻動物に給餌され得る。一つの態様において、ルーメンでの実質的な損失無しに、ビタミンが授乳している牛に経済的に与えられ得る。もう一つの態様において、例えば抵抗性を増加させ得たルーメン細菌での選択的な圧力の適用無しに呼吸性感染症と戦うために、抗生物質が与えられ得る。
以下の実施例は、説明のために提供されるものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するためのものではない。種々のパラメータが変化され得るが、実質上類似の結果が得られることを、当業者は理解するであろう。
実施例1−WPC中の大豆油
ホエー蛋白質とラクトース系のマトリックス並びに大豆油系分散相を有する複合ゲルを調整して、牛の飼料に添加した。その大豆油系複合ゲルを与えられたホルスタイン乳牛が、それらの飼料の補給の後に、増加したリノール酸(C18:2)含有量及び増加したリノレン酸(C18:3)含有量を有する乳脂肪を生産した。
その複合ゲルは、次のように調整された。
1. ホエー蛋白質濃縮物(WPC)4.33kgを40℃で18.77kgの水に溶解させた。そのWPCは、約82.3%のホエー蛋白質、5.65mg/gのカルシウム、0.55mg/gのマグネシウム、2.25mg/gのナトリウム、及び約4.4%のラクトースを含有した。
2. 大豆油をそのWPC溶液中に30%w/wに添加した。
3. 2分間の高速攪拌ブレンドの2工程プロセスにより、さらに続けて第1及び第2の均質化ステージに対してそれぞれ50MPa及び5MPaで2ステージ高圧ホモジナイザーを3回通過させることによって、大豆油/WPC混合物からエマルションを調整した。その乳化で、0.395μmの平均油(フィラー配合物脂質液滴)粒子サイズ、及び15.173m/mlの比表面積のフィラー相を形成した。その粒子サイズ分布を図2に示す。
4. そのエマルションを錫缶中に封入して、120℃で138分間加熱し、次いで冷水に浸漬して25℃に冷却した。
その複合ゲルを、各牛への基本の日常の飼料中に混合した550gとして、1日2回各給餌で3頭の試験牛に与えた。対照の牛の同様の群に、複合ゲルの形でなくて、当量の大豆油及びWPCを与えた。それらの牛について毎日2回搾乳して、そのミルクの脂肪酸組成を当技術で知られた標準のガスクロマトグラフィー法によって監視した。
全体のミルクの生産量及び乳脂肪濃度は、試験牛と対照牛の間で大きく異ならなかった。更に、複合ゲル補給剤を添加したときと、複合ゲル補給剤を試験牛の飼料から引き抜いたときとで、全体のミルクの生産量が大きく変化しなかった。図3に示されるように、対照牛30と試験牛31のミルクの生産量は、補給開始の時点32、又は補給終了の時点33で顕著に変化しなかった。
試験乳脂肪における脂肪酸含有量は、複合ゲル飼料補給剤によって顕著に影響されていた。図4に示されるように、補給開始の時点42と補給終了の時点43の間の期間において、試験牛ミルク40におけるC18:2脂肪酸の割合が全脂肪酸の5.92%の平均に高まったのに対して、対照牛ミルク41が3.33%の平均レベルに留まった。これは、WPC/大豆油複合ゲルでの飼料の補給に随伴したC18:2脂肪酸の約77%増加を示している。図5に示されるように、補給開始の時点52と補給終了の時点53の間の期間において、試験牛ミルク50におけるC18:3脂肪酸の割合が全脂肪酸の0.84%の平均に高まったのに対して、対照牛ミルク51が0.50%の平均レベルに留まった。これは、WPC/大豆油複合ゲルでの飼料の補給に随伴したC18:3脂肪酸の約68%増加を示している。
実施例2−WPI(ラクトース無し)中の大豆油
ホエー蛋白質系のマトリックス並びに大豆油系分散相を有する複合ゲルを調整して、牛の飼料に添加した。その大豆油系複合ゲルを与えられたホルスタイン乳牛が、それらの飼料の補給の後に、増加したリノール酸(C18:2)含有量及び増加したリノレン酸(C18:3)含有量を有する乳脂肪を生産した。メイラード架橋のための還元糖無しのこの複合ゲルは、実施例1において前記したようにラクトースを含む複合ゲルで給餌した場合よりも多い量のミルク中ポリ不飽和脂肪を提供した。
その複合ゲルは、次のように調整された。
1. ホエー蛋白質単離物(WPI)3.62kgを40℃で19.47kgの水に溶解させた。そのWPIは、約95%のホエー蛋白質及び0%のラクトースを含有した。
2. 大豆油をそのWPC溶液中に30%w/wに添加した。
3. 2分間の高速攪拌器中でのブレンドの2工程プロセスにより、さらに続けて第1及び第2の均質化ステージに対してそれぞれ50MPa及び5MPaで2ステージ高圧ホモジナイザーを3回通過させることによって、大豆油/WPI混合物からエマルションを調整した。その乳化で、0.44μmの平均油粒子サイズ、及び13.594m/mlの比表面積のフィラー相を形成した。その粒子サイズ分布は実施例1のものと同様であった。
4. そのエマルションを錫缶中に封入して、120℃で138分間加熱し、次いで冷水に浸漬して25℃に冷却した。
その複合ゲルを、実施例1のように試験牛と対照牛に与えて、その乳脂肪酸含有量をガスクロマトグラフィーによって監視した。
実施例1のように、全体のミルクの生産量及び乳脂肪濃度は、試験牛と対照牛の間で大きく異ならなかった。但し、試験乳脂肪における脂肪酸含有量は、複合ゲル飼料補給剤によって顕著に影響されていた。図6に示されるように、補給開始の時点62と補給終了の時点63の間の期間において、試験牛ミルク60におけるC18:2脂肪酸の割合が全脂肪酸の7.12%の平均に高まったのに対して、対照牛ミルク61が2.81%の平均レベルに留まった。これは、WPI/大豆油複合ゲルでの飼料の補給に随伴したC18:2脂肪酸の約153%増加を示している。図7に示されるように、補給開始の時点72と補給終了の時点73の間の期間において、試験牛ミルク70におけるC18:3脂肪酸の割合が全脂肪酸の1.17%の平均に高まったのに対して、対照牛ミルク71が0.52%の平均レベルに留まった。これは、WPI/大豆油複合ゲルでの飼料の補給に随伴したC18:3脂肪酸の約125%増加を示している。
この実施例における試験牛についてのデータは、マトリックスが還元糖ラクトースを含んだ実施例1についての試験牛のデータを超えて、ミルク中に組み込まれた大豆脂肪酸において著しい増加を示した。対照牛についての乳脂肪酸組成のデータは、この実施例と実施例1の間で類似している。これらのデータは、疎水性相互作用、水素結合、ジスルフィド結合、及び/又はイオン性相互作用による蛋白質架橋が、褐変メイラード反応による架橋を伴う又は伴わない方法の利益を提供し得ることを示唆している。
実施例3−WPI中の大豆油+アマニ油
ホエー蛋白質系のマトリックス並びに50:50の大豆油:アマニ油系分散相を有する複合ゲルを調整して、牛の飼料に添加した。その大豆油/アマニ油系複合ゲルを与えられたホルスタイン乳牛が、それらの飼料の補給の後に、増加したリノール酸(C18:2)含有量、増加したリノレン酸(C18:3)含有量、及び増加したエイコサペンタエン酸(C20:5)含有量を有する乳脂肪を生産した。アマニ油の付加的なC18:3脂肪酸の割合は、ミルク中へのC18:3脂肪酸の組み込みの強化された増加を提供し、そしてミルク中で検知され得るC20:5の生合成を刺激するための基質を提供し得る。
その複合ゲルは、次のように調整された。
1. ホエー蛋白質単離物(WPI)3.88kgを40℃で21.12kgの水に溶解させた。そのWPIは、約95%のホエー蛋白質及び0%のラクトースを含有した。
2. アマニ油及び大豆油をそのWPI溶液中にそれぞれ15%w/wに添加した。
3. 2分間の高速攪拌器中でのブレンドの2工程プロセスにより、さらに続けて第1及び第2の均質化ステージに対してそれぞれ50MPa及び5MPaで2ステージ高圧ホモジナイザーを3回通過させることによって、大豆油+アマニ油/WPI混合物からエマルションを調整した。その乳化で、0.417μmの平均油粒子サイズ、及び14.34m/mlの比表面積のフィラー相を形成した。その粒子サイズ分布は実施例1のものと同様であった。
4. そのエマルションを錫缶中に封入して、120℃で138分間加熱し、次いで冷水に浸漬して25℃に冷却した。
その複合ゲルを、実施例1のように試験牛と対照牛に与えて、その乳脂肪酸含有量をガスクロマトグラフィーによって監視した。
実施例1のように、全体のミルクの生産量及び乳脂肪濃度は、試験牛と対照牛の間で大きく異ならなかった。但し、試験乳脂肪における脂肪酸含有量は、複合ゲル飼料補給剤によって顕著に影響されていた。図8に示されるように、補給開始の時点82と補給終了の時点83の間の期間において、試験牛ミルク80におけるC18:2脂肪酸の割合が全脂肪酸の5.47%の平均に高まったのに対して、対照牛ミルク81が3.54%の平均レベルに留まった。これは、WPC/大豆油+アマニ油複合ゲルでの飼料の補給に随伴したC18:2脂肪酸の約55%増加を示している。図9に示されるように、補給開始の時点92と補給終了の時点93の間の期間において、試験牛ミルク90におけるC18:3脂肪酸の割合が全脂肪酸の2.7%の平均に高まったのに対して、対照牛ミルク91が0.70%の平均レベルに留まった。これは、WPI/大豆油+アマニ油複合ゲルでの飼料の補給に随伴したC18:3脂肪酸の約253%増加を示している。複合ゲル中に大豆油のみを含む実施例に比較して、この実施例の試験牛においてC18:3が相対的に大きく増加したことは、ミルク中への脂肪酸の組み込みが、ゲル分散相についての油の選択によって調整され得ることを示している。マトリックス中に還元糖を存在させないで、再度これらの結果を得た。
この実施例の驚くべき側面は、ガスクロマトグラフィーによって試験牛の乳脂肪中に検出されたC20:5(エイコサペンタエン酸;EPA)における増加であった。これは、大豆油又はアマニ油のいずれもC20:5を含有しない場合でさえも見られた。図10に示すように、補給開始の時点102と補給終了の時点103の間の期間において、試験牛ミルク100におけるC20:5脂肪酸の割合が全脂肪酸の0.08%の平均に高まったのに対して、対照牛ミルク101が0.04%の平均レベルに留まった。これは、WPI/大豆油+アマニ油複合ゲルでの飼料の補給に随伴したC20:5脂肪酸の約100%増加を示している。特別の理論に縛られることなく、アマニ油の投入によるC18:3脂肪酸の高められたレベルが、C18:3をC20:5に変換し得る酵素Δ6デサチュラーゼ、エンロンガーゼ、及びΔ5デサチュラーゼとの生合成反応のための刺激性基質を提供し得る。C20:5、即ちω3脂肪酸は、特定の魚油において普通に見られ、その技術において知られた健康上の利益を提供し得るものである。
実施例4−WPC80HG中の大豆油
熱安定性/ゲル化性のホエー蛋白質濃縮物系のマトリックス並びに大豆油系分散相を有する複合ゲルを調整して、牛の飼料に添加した。その蛋白質濃縮物は、4%ラクトース、及びここに記載した他の実施例に対して大きく異なるミネラル含有量を有していた。ホエー蛋白質のゲル化特性に精通しているものには、ミネラル類の組成が熱誘導されるゲルの形成、構造及び物理的特性に影響し得ることが知られている。例えば、二価カチオンの存在が少ないほど、ゲルが軟らかく又は強靭でなくなり得る。
その複合ゲルは、次のように調整された。
1. ホエー蛋白質濃縮物(WPC80HG)5.33kgを40℃で19.7kgの水に溶解させた。そのWPC80HGは、約82.3%のホエー蛋白質、5.08mg/gのカルシウム、10.26mg/gのナトリウム、0.36mg/gのマグネシウム、及び4%のラクトースを含有した。
2. 大豆油をそのWPC80HG溶液中に30%w/wに添加した。
3. 2分間の高速攪拌器中でのブレンドの2工程プロセスにより、さらに続けて第1及び第2の均質化ステージに対してそれぞれ50MPa及び5MPaで2ステージ高圧ホモジナイザーを3回通過させることによって、大豆油/WPC80HG混合物からエマルションを調整した。その乳化で、0.41μmの平均油粒子サイズ、及び14.639m/mlの比表面積のフィラー相を形成した。その粒子サイズ分布は実施例1のものと同様であった。
4. そのエマルションを錫缶中に封入して、120℃で138分間加熱し、次いで冷水に浸漬して25℃に冷却した。
その複合ゲルを、実施例1のように試験牛と対照牛に与えて、その乳脂肪酸含有量をガスクロマトグラフィーによって監視した。
この大豆油/WPC80HG複合ゲルについての結果は、二価カチオン含有量がより高くナトリウムのレベルがより低い実施例1の大豆油/WPC複合ゲルの場合より顕著に異ならなかった。実施例1のように、全体のミルクの生産量及び乳脂肪濃度は、試験牛と対照牛の間で大きく異ならなかった。図11に示されるように、補給開始の時点112と補給終了の時点113の間の期間において、試験牛ミルク110におけるC18:2脂肪酸の割合が全脂肪酸の6.58%の平均に高まったのに対して、対照牛ミルク111が3.6%の平均レベルに留まった。これは、大豆油/WPC80HG複合ゲルでの飼料の補給に随伴したC18:2脂肪酸の約83%増加を示している。図12に示されるように、補給開始の時点122と補給終了の時点123の間の期間において、試験牛ミルク120におけるC18:3脂肪酸の割合が全脂肪酸の0.96%の平均に高まったのに対して、対照牛ミルク121が0.52%の平均レベルに留まった。これは、大豆油/WPC80HG複合ゲルでの飼料の補給に随伴したC18:3脂肪酸の約85%増加を示している。
この実施例で得られた結果は、複合ゲルのミネラル含有量が、ルミナル(ruminal)生体水素化に対する油の保護におけるゲルの機能に大きく影響しなかったことを示している。無機塩における調整と共に、複合ゲルのテクスチャー及び機械的性質は変化し得るが、一方ではルミナル変性に対する保護バリヤーを保持する。
実施例5−WPC中の大豆油+魚油
ホエー蛋白質濃縮物系のマトリックス並びに大豆油+魚油系分散相を有する複合ゲルを調整して、牛の飼料に添加した。この実施例は、大豆油の一部を魚油(C22:6及びC20:5)で置き換える以外は、実施例1と同様である。
その複合ゲルは、次のように調整された。
1. ホエー蛋白質濃縮物(WPC)5.3kgを40℃で19.7kgの水に溶解させた。そのWPC80は、約82.3%のホエー蛋白質及び4.4%のラクトースを含有した。
2. そのWPC溶液中に、大豆油を22.5%w/wに、魚油を7.5%w/wに添加した。
3. 2分間の高速攪拌器中でのブレンドの2工程プロセスにより、さらに続けて第1及び第2の均質化ステージに対してそれぞれ50MPa及び5MPaで2ステージ高圧ホモジナイザーを3回通過させることによって、大豆油+魚油/WPC混合物からエマルションを調整した。その乳化で、0.382μmの平均油粒子サイズ、及び15.818m/mlの比表面積のフィラー相を形成した。その粒子サイズ分布は実施例1のものと同様であった。
4. そのエマルションを錫缶中に封入して、120℃で138分間加熱し、次いで冷水に浸漬して25℃に冷却した。
その複合ゲルを、実施例1のように試験牛と対照牛に与えて、その乳脂肪酸含有量をガスクロマトグラフィーによって監視した。
実施例1のように、全体のミルクの生産量及び乳脂肪濃度は、試験牛と対照牛の間で大きく異ならなかった。実施例1のように、C18:2の量が、対照牛の場合を超えて、試験牛の乳脂肪中で顕著に増加した。
この実施例の興味深い側面では、図13に示されるように、補給開始の時点131と補給終了の時点132の間の期間において、試験牛ミルク130におけるC20:5脂肪酸の割合が0.055%の平均に高まった。図14に示されるように、補給開始の時点141と補給終了の時点142の間の期間において、試験牛ミルク140におけるC22:6脂肪酸の割合が全脂肪酸の0.075%の平均に高まった。
これらの結果は、C20:5とC22:6の補給に対する乳脂肪組み込みの応答が、C18:2とC18:3の補給の場合よりも小さいことを示す。これらのデータは、WPC/大豆油+魚油ゲルの乏しい機能を反映するものではなく、飼料中の吸収されたC20:5とC22:6の脂肪酸の大部分が、異化反応で使用され又は他の脂肪酸に変換されるとする報告(J. Opstvedtの「Fish Lipids in Animal Nutrition」 International Association of Fish Meal Manufacturers. Technical Bulletin No. 22, October, 1985)と一致している。更に、この結果は、乳腺でのC20:5とC22:6の脂肪酸の取込みと活用の効率が低いとする報告(P. Lacasse、J.J. Kennelly、L. Delbecchi及びC.E. Ahnadiの「Addition of Fish Oil to Diets for Dairy Dows. I. Effects on the Yield, Composition and Taste of Milk」J. Dairy Sci. 69:511-520, 2002)と一致する。Lacasseは、C20:5とC22:6の脂肪酸含有量が、血漿のリン脂質部分において最も高いが、リン脂質がリポプロテインリパーゼに対して芳しくない基質であるために、乳腺へ多くの脂肪酸を供給しないことを示した。それ故、ルーメンで保護された脂肪酸C18:2又は脂肪酸C18:3に付随するものに比較して、乳脂肪における脂肪酸C20:5及びC22:6の含有量に対する低い応答が、現状の科学と一致している。この実験の結果は、複合ゲルがC20:5とC22:6の脂肪酸をルーメンで保護し損ねたことを示してはいない。
C20:5とC22:6の脂肪酸が、乳腺を経て、血漿に送られるか又は組織中に送られるかにかかわらず、ルーメン通過時の保護は顕著な利益を有し得る。血漿中におけるそのような脂肪酸は、顕著な健康上の利益を有し得る。C20:5とC22:6の脂肪酸は、反芻動物における生物活性分子を形成するための重要な生合成経路における基質として有用な役割を担い得る。
実施例6−簡単な100℃加熱を用いたWPC中のコーン油
ホエー蛋白質濃縮物系のマトリックス並びにコーン油系分散相を有する複合ゲルを100℃で調整して、牛の飼料に添加した。
その複合ゲルは、次のように調整された。
1. ホエー蛋白質濃縮物(WPC)2.0kgを40℃で8kgの水に溶解させた。そのWPC80は、約82.3%のホエー蛋白質及び4.4%のラクトースを含有した。
2. そのWPC溶液中に、コーン油を30%w/wに添加した。
3. 2分間の高速攪拌器中でのブレンドの2工程プロセスにより、さらに続けて第1及び第2の均質化ステージに対してそれぞれ50MPa及び5MPaで2ステージ高圧ホモジナイザーを3回通過させることによって、コーン油/WPC混合物からエマルションを調整した。その乳化で、0.364μmの平均油粒子サイズ、及び15.638m/mlの比表面積のフィラー相を形成した。
4. そのエマルションを錫缶中に減圧封入して、100℃水浴中に据えた。30分後にその缶をその水浴から取り出して、その缶の内容物を85℃にし、次いで冷水に浸漬して25℃に冷却した。
その複合ゲルを、実施例1のように試験牛と対照牛に与えて、その乳脂肪酸含有量をガスクロマトグラフィーによって監視した。
図15に示されるように、補給開始の時点150と補給終了の時点151の間の期間において、試験牛についての乳脂肪のC18:2脂肪酸の含有量が、約3.3%から約6.6%に増加した。これは、C18:2において100%の増加を示す。WPC80/コーン油ゲルを牛に与えたことの結果が、そのゲルのフィラー相中に含まれた脂質がルーメンで保護されたことを示している。
フィラー相に提供されたルーメンでの生体水素化に対する保護は、ゲルを調整するために使用されるプロセスの熱誘導されるゲル化ステージ中での、そのゲルの蛋白質成分間の熱誘導天然架橋の形成に帰され得る。WPC80/コーン油が比較的緩やかな熱処理条件(100℃以下で30分)で調整されたことは、注目に値する。これらの条件は、油/水(O/W)界面で吸着された蛋白質分子どうしの間;O/W界面で吸着された蛋白質分子とゲルのマトリックス相中に含まれた蛋白質分子との間;及びゲルのマトリックス相中に含まれた蛋白質分子どうしの間で、疎水性結合、イオン性結合、及び水素結合のような非共有相互作用と共に、共有のジスルフィド結合(S−S結合)の熱誘導形成による、含有された蛋白質の天然架橋形成を誘導することが、知られている。この実施例のゲルの調整に用いられた比較的緩やかな熱処理条件が、この反応でかなりの架橋の形成をもたらし得るその程度を明らかにすることを可能にするものではないことは、メイラード反応に精通した者に知られている。WPC80/コーン油ゲルで得られたルーメンでの変性に対する保護が、その配合物の蛋白質成分間の共有又は非共有の結合の熱誘導形成の結果に帰され得る。従って、そのゲルのルーメンでの保護特性が、蛋白質の熱誘導ゲル化に付随した物理化学的な反応のカスケードの結果に帰されるべきであるとするわれわれの前記結論を、結果が更に証明した。実施例1〜5のゲルについて得られた結果と共に、この実施例のゲルで得られた結果は、一般にデバイスの機能を中和するものではないが、配合物中の還元糖の存在が、そのルーメンでの保護特性に必ずしも必要ではないことを示している。
ここに記載された実施例と態様が説明目的だけのものであって、それらの知見における種々の修正又は変更が、当業者にとって示唆され、そして本出願の精神と理解の範囲並びに特許請求の範囲における範囲内に含められるべきであることが、理解されよう。
ここに引用された全ての刊行物、特許及び特許出願は、すべての目的について、それら全体で言及してここに組み込まれるものである。
複合ゲルを形成するための方法の例示的ブロックフローダイヤグラムである。
エマルション脂質の粒子サイズ分布の例示的チャートである。
本発明の複合ゲルを与えられた試験牛について、及び複合ゲルの形にない当量の脂質と蛋白質を与えられた対照牛についての、時間に関するミルク生産量のチャートである。
WPC/大豆油複合ゲルを与えられた試験牛について、及び複合ゲルの形にない当量の脂質と蛋白質を与えられた対照牛についての、時間に対する乳脂肪中のC18:2のチャートである。
WPC/大豆油複合ゲルを与えられた試験牛について、及び複合ゲルの形にない当量の脂質と蛋白質を与えられた対照牛についての、時間に対する乳脂肪中のC18:3のチャートである。
有意な還元糖を有さないWPI/大豆油複合ゲルを与えられた試験牛について、及び複合ゲルの形にない当量の脂質と蛋白質を与えられた対照牛についての、時間に対する乳脂肪中のC18:2のチャートである。
有意な還元糖を有さないWPI/大豆油複合ゲルを与えられた試験牛について、及び複合ゲルの形にない当量の脂質と蛋白質を与えられた対照牛についての、時間に対する乳脂肪中のC18:3のチャートである。
WPI/大豆+アマニ油複合ゲルを与えられた試験牛について、及び複合ゲルの形にない当量の脂質と蛋白質を与えられた対照牛についての、時間に対する乳脂肪中のC18:2のチャートである。
WPI/大豆+アマニ油複合ゲルを与えられた試験牛について、及び複合ゲルの形にない当量の脂質と蛋白質を与えられた対照牛についての、時間に対する乳脂肪中のC18:3のチャートである。
WPI/大豆+アマニ油複合ゲルを与えられた試験牛について、及び複合ゲルの形にない当量の脂質と蛋白質を与えられた対照牛についての、時間に対する乳脂肪中のC20:5のチャートである。
WPCHG/大豆油複合ゲルを与えられた試験牛について、及び複合ゲルの形にない当量の脂質と蛋白質を与えられた対照牛についての、時間に対する乳脂肪中のC18:2のチャートである。
WPCHG/大豆油複合ゲルを与えられた試験牛について、及び複合ゲルの形にない当量の脂質と蛋白質を与えられた対照牛についての、時間に対する乳脂肪中のC18:3のチャートである。
WPC/大豆+魚油複合ゲルを与えられた試験牛について、及び複合ゲルの形にない当量の脂質と蛋白質を与えられた対照牛についての、時間に対する乳脂肪中のC20:5のチャートである。
WPC/大豆+魚油複合ゲルを与えられた試験牛について、及び複合ゲルの形にない当量の脂質と蛋白質を与えられた対照牛についての、時間に対する乳脂肪中のC22:6のチャートである。
100℃で熱処理されたWPC/コーン油複合ゲルを与えられた試験牛についての時間に対する乳脂肪中のC18:2のチャートである。

Claims (66)

  1. a)脂質の液滴又は粒子を含む分散相;
    b)1種以上の架橋された蛋白質を含む連続相水性マトリックス;並びに
    c)補給成分;
    を含む複合ゲルであって、そこでは、該分散相が該連続相マトリックス内にはめ込まれており、そのことにより、反芻動物の摂取に適した補給成分又は脂質液滴が、ルーメン通過の間に分解、変性又は除去に対して保護されるものである、複合ゲル。
  2. 該補給成分が、ビタミン、栄養剤、蛋白質、アミノ酸、ポリ不飽和脂質、ミネラル、生物活性物質、及び医薬から成る群から選ばれたものである、請求項1に記載の複合ゲル。
  3. 該補給成分が該分散相中にある、請求項1に記載の複合ゲル。
  4. 該補給成分が該連続相マトリックス中にある、請求項1に記載の複合ゲル。
  5. 該脂質液滴が約0.1μm〜約50μmのサイズの範囲にある、請求項1に記載の複合ゲル。
  6. 該脂質液滴が約0.1μm〜約1μmのサイズの範囲にある、請求項5に記載の複合ゲル。
  7. 該脂質液滴が、約10m/mlより大きい比表面積のフィラー相を含む、請求項5に記載の複合ゲル。
  8. 該脂質液滴が、1種以上の油、脂肪、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、又は遊離脂肪酸を含む、請求項1に記載の複合ゲル。
  9. 該脂質が、約10%から約50%まで、又はそれより多い共役リノール酸を含む、請求項1に記載の複合ゲル。
  10. 該脂質が、約25%以上の共役リノール酸を含む、請求項9に記載の複合ゲル。
  11. 該分散相脂質が、コーン油、けしの実油、魚油、綿実油、大豆油、くるみ油、べにばな油、ひまわり油、ごま油、キャノーラ油、アマニ油、そのままの又は変性された油糧種子、そのままの又は変性された豆、ぶどうの種子、綿の実、べにばなの種子、藻、微生物、イースト及び原生動物から成る群から選ばれた油を含む、請求項1に記載の複合ゲル。
  12. 該脂質が、オレイン酸、共役リノール酸、リノレン酸、フィタン酸、ω3脂肪酸、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸から成る群から選ばれた脂肪酸を含む、請求項1に記載の複合ゲル。
  13. 1種以上の乳化剤を更に含む、請求項1に記載の複合ゲル。
  14. 1種以上のハイドロコロイドを更に含む、請求項1に記載の複合ゲル。
  15. 該蛋白質が、ホエー蛋白質、牛血漿蛋白質、ゼラチン、ピーナッツ蛋白質、穀物蛋白質、魚蛋白質、大豆蛋白質、及び豚血液蛋白質から成る群から選ばれる、請求項1に記載の複合ゲル。
  16. 該連続相マトリックスがルーメンにおいて見られる状態に抵抗性を有する、請求項1に記載の複合ゲル。
  17. 該連続相が1種以上の還元糖を更に含む、請求項1に記載の複合ゲル。
  18. 該還元糖が、グルコース、ラクトース、フラクトース、マンノース、マルトース、リボース、及びガラクトースから成る群から選ばれる、請求項17に記載の複合ゲル。
  19. 該蛋白質が還元糖によって架橋されている、請求項1に記載の複合ゲル。
  20. 該蛋白質が、該蛋白質間のジスルフィド結合の熱誘導形成によって架橋されている、請求項1に記載の複合ゲル。
  21. 該蛋白質が、ジスルフィド結合、疎水性相互作用、イオン性相互作用、又は水素結合によって優勢に架橋されている、請求項1に記載の複合ゲル。
  22. 該連続相が、全固形物の約10重量%〜約50重量%を構成する、請求項1に記載の複合ゲル。
  23. 該全固形物が、蛋白質を約10重量%〜約100重量%含む、請求項22に記載の複合ゲル。
  24. 該全固形物が、還元糖を約0重量%〜約50重量%含む、請求項22に記載の複合ゲル。
  25. 該連続相が、水を約10%〜約95%含む、請求項1に記載の複合ゲル。
  26. 該連続相がカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、又はホスフェートを含む、請求項1に記載の複合ゲル。
  27. ルーメンで保護される複合ゲルを調整するための方法であって、
    a)1種以上の蛋白質を含むマトリックス成分を水中に溶解又は懸濁させることによってマトリックスサスペンションを調整する工程;
    b)1種以上の脂質を含むフィラー配合剤を混合することによってフィラー配合物を
    調整する工程;
    c)該マトリックスサスペンション中に該フィラー配合物を乳化させる工程;並びに
    d)該エマルションを加熱して複合ゲルを生成する工程;
    を含み、それによって該複合ゲルがルーメンにおける分解から保護される、方法。
  28. 該蛋白質が、ホエー蛋白質、牛血漿蛋白質、ゼラチン、ピーナッツ蛋白質、穀物蛋白質、魚蛋白質、大豆蛋白質、及び豚血液蛋白質から成る群から選ばれる、請求項27に記載の方法。
  29. 該マトリックス成分が還元糖を更に含む、請求項27に記載の方法。
  30. 該還元糖が、グルコース、ラクトース、フラクトース、マンノース、マルトース、リボース、及びガラクトースから成る群から選ばれる、請求項29に記載の方法。
  31. 該マトリックスサスペンション成分が、該方法の条件下でマトリックス蛋白質を著しく架橋するのに有効な量で還元糖を含まない、請求項27に記載の方法。
  32. 該マトリック成分が、ビタミン、栄養剤、ミネラル、蛋白質、アミノ酸、生物活性物質、及び医薬を含む群から選ばれた補給成分を更に含む、請求項27に記載の方法。
  33. 該フィラー配合剤が、ビタミン、ポリ不飽和脂質、栄養剤、アミノ酸、ミネラル、生物活性物質、及び医薬を含む群から選ばれた補給成分を更に含む、請求項27に記載の方法。
  34. 該フィラー配合剤又はマトリック成分が1種以上の乳化剤を更に含む、請求項27に記載の方法。
  35. 該マトリック成分が1種以上の可塑剤を更に含む、請求項27に記載の方法。
  36. 飼料グレードの酸又は飼料グレードの塩基を使用して、該マトリックスサスペンションのpHを約pH4〜約pH9の範囲に調節する工程を更に含む、請求項27に記載の方法。
  37. 該マトリックスサスペンションを溶解又は懸濁することが、約10℃〜約60℃の温度で行われる、請求項27に記載の方法。
  38. 該脂質が、1種以上の油、脂肪、モノグリセリド、ジグリセリド、遊離脂肪酸、リン脂質、又はトリグリセリドを含む、請求項27に記載の方法。
  39. 該フィラー配合物中の該脂質が約25%以上の共役リノール酸を含む、請求項27に記載の方法。
  40. 該脂質が、オレイン酸、共役リノール酸、共役リノレン酸、フィタン酸、ω3脂肪酸、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸から成る群から選ばれた脂肪酸を含む、請求項27に記載の方法。
  41. 該エマルションが、脂質を約30重量%及び蛋白質を約15重量%含む、請求項27に記載の方法。
  42. 該複合ゲル中に基質を添加することによって、反芻動物の脂質の生合成を調整する工程を更に含む、請求項27に記載の方法。
  43. 該基質がC18:3の脂肪酸を含み、該脂質の生合成がC20:5の脂肪酸を生成する、請求項42に記載の方法。
  44. プロスタグランジン、スロンボキサン、ロイコトリエン、及びリポキシンから成る群から選ばれるエイコサノイドを、該C20:5脂肪酸から生成する工程を更に含む、請求項43に記載の方法。
  45. 乳化する工程が、高せん断ホモジナイザー、コロイドミル、高速混合機、高圧ホモジナイザー、又はソニケーターを用いて、該フィラー配合物と該マトリックスサスペンションを混合する工程を含む、請求項27に記載の方法。
  46. 該乳化する工程が、約1μm〜約100μmの範囲にある平均脂質液滴サイズを有するエマルションを生じる、請求項27に記載の方法。
  47. 該乳化する工程が、約10m/mlより大きいフィラー相の脂質液滴比表面積を有するエマルションを生じる、請求項27に記載の方法。
  48. 約5MPa〜約75MPaの範囲の圧力で高圧ホモジナイザーを使用して該エマルションを処理して、約0.1μm〜約10μmの範囲にある平均脂質液滴サイズを有するエマルションを生じさせる工程を更に含む、請求項27に記載の方法。
  49. 該マトリックスサスペンション中に該フィラー配合物を乳化させた後に、追加の成分を添加する工程を更に含む、請求項27に記載の方法。
  50. 約70℃〜約95℃の温度まで該マトリックスサスペンション又は該エマルションを加熱して、約10分〜約45分の間その温度で維持する工程を更に含む、請求項27に記載の方法。
  51. 約4℃〜約50℃の温度で約0.5時間〜約24時間の間該エマルションを保持する工程を更に含む、請求項27に記載の方法。
  52. 該エマルションを耐熱性容器に充填する工程を更に含む、請求項27に記載の方法。
  53. 前記加熱工程が、約80℃〜約125℃の温度で約20分〜約180分の間該エマルションを保持する工程を含む、請求項27に記載の方法。
  54. 前記加熱工程が、約120℃の温度で約2時間の間該エマルションを保持する工程を含む、請求項27に記載の方法。
  55. 加熱工程が、密封された容器中で該エマルションを加熱する工程を含む、請求項27に記載の方法。
  56. 該複合ゲルを反芻動物に与える工程;並びに
    該反芻動物を搾乳し、それによって変性脂質特性を有するミルクを収集する工程
    を更に含む、請求項27に記載の方法。
  57. 該フィラー脂質が、リノール酸を約25重量%以上含む、請求項56に記載の方法。
  58. 該フィラー脂質が、コーン油、けしの実油、魚油、綿実油、大豆油、くるみ油、べにばな油、ひまわり油、ごま油、キャノーラ油、アマニ油、そのままの又は変性された油糧種子、そのままの又は変性された豆、ぶどうの種子、綿の実、べにばなの種子、藻、微生物、イースト及び原生動物から成る群から選ばれた油を含む、請求項56に記載の方法。
  59. 該フィラー脂質が、オレイン酸、共役リノール酸、フィタン酸、ω3脂肪酸、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸から成る群から選ばれた脂肪酸を含む、請求項56に記載の方法。
  60. 該ミルクを加工して、乳製品を調整する工程を更に含む、請求項56に記載の方法。
  61. 1種以上の補給成分又は1種以上の脂質を反芻動物に与える方法であって、該方法が、
    該補給成分又は脂質をマトリックスサスペンション又はフィラー配合物と混合する工程;
    該マトリックスサスペンション又は該フィラー配合物を含むルーメンで保護される複合ゲルを調整する工程;並びに
    該反芻動物に該複合ゲルを食べさせる工程;
    を含み、そこでは、該補給成分又は脂質がルーメンを通過し、そして該ルーメンの通過の後に該複合ゲルから該補給成分又は脂質が有効な量で放出される、方法。
  62. 飼料補給剤が、ビタミン、ミネラル、ホルモン、栄養剤、アミノ酸、蛋白質、ポリ不飽和脂質、生物活性物質、及び医薬から成る群から選ばれる、請求項61に記載の方法。
  63. マトリックス成分が、該方法の条件下でマトリックス蛋白質を著しく架橋するのに有効な量で還元糖を含まない、請求項61に記載の方法。
  64. 前記混合工程が、該マトリックスサスペンション中に該フィラー配合物を乳化させ、それによって約0.1μm〜1μmの平均サイズを備えるフィラー配合物液滴を生成する工程を含む、請求項61に記載の方法。
  65. 前記混合工程が、該マトリックスサスペンション中に該フィラー配合物を乳化させ、それによって約10m/mlより大きい比表面積のフィラーを含むフィラー配合物液滴を生成する工程を含む、請求項64に記載の方法。
  66. 前記調整工程が、密封された容器中で該マトリックスサスペンション又は該フィラー配合物を加熱する工程を含む、請求項61に記載の方法。
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