JP2005533487A - 抗腫瘍免疫療法における使用のためのペプチド - Google Patents

抗腫瘍免疫療法における使用のためのペプチド Download PDF

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Abstract

本発明は、HLA-B35対象における黒色腫の診断または治療のための、メラン-A、MAGE-A6、gp 100、チロシナーゼおよびNY-ESO-1抗原に由来する、MHC Iにより提示されるTエピトープを示す免疫原性ペプチドの使用に関する。

Description

本発明は、腫瘍抗原により共有されているエピトープを表すペプチド、および免疫療法におけるそれらの使用に関する。
免疫化またはペプチド免疫療法は、現在、癌の予防または治療への顕著な興味の主題である治療的アプローチである。その原理は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)により認識される腫瘍関連抗原(TAA)のTエピトープを再現する(reproduce)ペプチドを用いる免疫化に基づいており、CTLは、表面でこれらの抗原を発現する癌細胞を排除するのに主要な役割を演じている。
CTLは、種々の細胞の表面で発現される主要組織適合複合体(MHC)の分子により示される全体のタンパク抗原ではなく、そのペプチド断片を認識することが想起される。Tエピトープを構成するのは、これらのペプチド断片である。主要組織適合クラスI (MHC I)複合体により提示されるペプチドは、通常、8〜11アミノ酸を有し、細胞傷害性応答の主要な要素を示すCD8+ T細胞により認識される。主要組織適合複合体クラスII (MHC II)により提示されるペプチドは、通常、13〜18アミノ酸を有し、CD4+ T細胞により認識される。
したがって、これらのエピトープ、そして特にMHC Iにより提示されるもの(細胞傷害性におけるCD8+応答の必須の役割を与えられた)の同定は、抗腫瘍免疫療法用組成物を開発するための必須の工程を構成する。
黒色腫の場合、黒色腫関連抗原(MAA)の2つの主要なクラスが同定されている:正常組織ではほとんどまたは全く発現されない黒色腫特異的抗原、およびメラノサイトによっても発現されるメラノサイト分化抗原である(概説として、CASTELLIら、2000、J Cell Physiol、182、323〜31;KIRKINら、2002、Cancer Invest、20、222〜36参照)。
メラン-A/MART-1、gp-100およびチロシナーゼのようなメラノサイト分化抗原は、黒色腫型腫瘍のかなりの割合において発現される。さらに、これらの抗原は、正常な個体からのCTLおよび黒色腫を患っている患者からのものの両方により、効率的に認識される(BENLALAMら、2001、Eur J Immunol、31、2007〜15;KAWAKAMIら、2000、J Immunother、23、17〜27;LABARRIEREら、1998、Int J Cancer、78、209〜15;PITTETら、1999、J Exp Med、190、705〜15;VALMORIら、2002、Cancer Res、62、1743〜50)。現在、CTLにより認識されるこれらの抗原の30を超えるエピトープが知られており、HLA-A*0201の関係において(in the context of)存在するものの2/3に近い。
黒色腫特異的抗原は、「精巣癌共有抗原(cancer-testes shared antigens)」とよばれる抗原のファミリー:MAGE、GAGE、BAGEおよびLAGEを含む。種々の腫瘍により発現されるこれらの抗原は、HLA-BおよびHLA-C を含む多様なHLAの関係において提示されるCTLエピトープを発生する(KIRKINら、2002)。NY-ESO-1を除いて(JAGERら、1998、J Exp Med、187、265〜70)、そしてメラノサイト分化抗原とは異なり、精巣癌共有抗原は、腫瘍-浸潤リンパ球(TIL)によりめったに認識されない。これらの抗原中に存在するエピトープのほとんどは、MAGE-A6およびMAGE-A12エピトープを除いて、抗原をのせた抗原提示細胞(APC)による末梢血リンパ球(PBL)の繰返しの刺激によってエクスビボで発生したCTLにより同定される(SCHULTZら、2001、Tissue Antigens、57、103〜9)が、これは、これらがTILに由来するCTLクローンで同定されたからである(PANELLIら、2000、J Immunol、164、4382〜92;ZOONおよびHERCEND、1999、Eur J Immunol、29、602〜7)。
現在までに、黒色腫に対するペプチド免疫療法の試みのほとんどは、HLA-A*0201またはHLA-A*0101の関係において、TAAエピトープの限られた数のみを用いて行われている(LAUら、2001、J Immunother、24、66〜78;MACKENSENら、2000、Int J Cancer、86、385〜92;MARCHANDら、1999、Int J Cancer、80、219〜30;PANELLIら、2000、J Immunother、23、487〜98;ROSENBERGら、1998、J Natl Cancer Inst、90、1894〜900;SALGALLERら、1996、Cancer Res、56、4749〜57)。ここで、HLAの過少発現、およびCTLにより認識されるエピトープを失ったTAA変異体の出現が、腫瘍細胞が免疫系から逃れることを許容する機構を構築することができ(FERRONEおよびMARINCOLA、1995、Immunol Today、16、487〜94;MAEURERら、1996、Clin Cancer Res、2、641〜52)、これがペプチドを用いるワクチンの乏しい効力を説明することができた。
この問題点を克服するために、種々のTAAに由来する多数のペプチドからつくられ、種々のHLA関係において提示される多価ワクチン(polyvalent vaccines)を用いることが提案されている。しかしながら、これは、腫瘍細胞により効率的に提示される新規なペプチド/HLA複合体の同定を必要とする。
さらに、種々のHLA関係において提示されるペプチドの同定は、免疫された患者のT細胞応答を測定するための道具を開発することも可能にする。実際、新規な抗原性ペプチドの同定は、ワクチンの入手可能性および効率を増加させるのに必須であり、ペプチド、または全て組換えのタンパク質または組換えのウイルスのような抗原のその他の形態で免疫されている患者のCTL応答の監視を改良する場合にも当てはまる。
HLA-B35が、白人個体群の20%に存在する最も一般的なHLA-B対立遺伝子を構成する限りでは(そのうちの60%がB*3501 対立遺伝子に対応する;MORIら、1997、Transplantation、64、1017〜27)、HLA-B35の関係において提示される新規な抗原性ペプチドの同定は、癌の免疫療法の開発に非常に望ましい。
本発明者らは、メラノサイト抗原または精巣癌共有抗原に由来し、HLA-B35の関係において提示される新規なエピトープを同定している。
これらのエピトープを再現するペプチドは、HLA-B35 対立遺伝子、特にHLA-B*3501もしくはHLA-B*3503を発現している患者の黒色腫の予防または治療の関係において、診断または治療の目的のために用いることができる。
本発明の主題は、HLA-B35患者における抗腫瘍免疫療法用の医薬品を得るための、
a) メラン-A抗原に対する細胞傷害性応答を誘導し得る、配列EX1AGIGILX2 (配列番号1) (ここで、X1はAまたはPを表し、X2はTまたはYを表す)を含むペプチド;
b) MAGE-A6抗原に対する細胞傷害性T応答を誘導し得る、配列EVDPIGHVY (配列番号2)を含むペプチド;
c) gp100抗原に対する細胞傷害性応答を誘導し得る、配列VPLDCVLYR (配列番号3)を含むペプチド;
d) チロシナーゼ抗原に対する細胞傷害性応答を誘導し得る、配列TPRLPSSADVEF (配列番号4)を含むペプチド;
e) NY-ESO-1抗原に対する細胞傷害性応答を誘導し得る、配列MPFATPMEA (配列番号5)を含むペプチド;
から選択される、MHC Iにより提示されるTエピトープを表す少なくとも1つの免疫原性ペプチドの使用である。有利には、上記の医薬品は黒色腫の治療に向けられている。
有利には、
- TAEEAAGIGILTV (配列番号6)、EAAGIGILTVIL (配列番号7)、EAAGIGILTV (配列番号8)、EAAGIGILTY (配列番号9)、EAAGIGILY (配列番号10)、EPAGIGILTY (配列番号11)、EPAGIGILTV (配列番号12)から選択される配列に相当する少なくとも1つのペプチドa);
- 配列EVDPIGHVY (配列番号2)に相当するペプチドb);
- VPLDCVLYR (配列番号3)およびVPLDCVLYRY (配列番号13)から選択される配列に相当する少なくとも1つのペプチドc);
- TPRLPSSADVEFCL (配列番号14)およびTPRLPSSADVEF (配列番号4)から選択される配列に相当する少なくとも1つのペプチドd);
- LAMPFATPMEAEL (配列番号15)、LAMPFATPMEAE (配列番号16)、MPFATPMEAEL (配列番号17)、MPFATPMEAE (配列番号18)およびMPFATPMEA (配列番号5)から選択される配列に相当する少なくとも1つのペプチドe)
を用いることができる。
本発明の好ましい実施形態によると、少なくとも2つの腫瘍抗原に対する細胞傷害性応答を誘導可能にするために、上記で定義されるa)、b)、c)、d)およびe)のカテゴリーのうちの2つの異なるカテゴリーの少なくとも2つのペプチドを含む組み合わせを用いる。
本発明の主題は、上記のa)、b)、c)、d)およびe)のカテゴリーのうちの2つの異なるカテゴリーの少なくとも2つのペプチドを組み合わせるマルチエピトープ組成物でもある。有利には、これらの組成物は、a)、b)、c)、d)およびe)のこれらのカテゴリーの各々の少なくとも1つのペプチドを含む。
本発明によるマルチエピトープ組成物は、上記の抗原、または異なる抗原に由来する1以上のその他の免疫原性ペプチドも含み得る。これらのペプチドは、同じ抗原、または2以上の異なる抗原に由来するエピトープを表すことができる。例として、HLA-B35の関係において提示され得ることが既に知られている(PCT出願 WO 01/53833)、エピトープMAGE-A3を表すペプチドEVDPIGHLY (配列番号19)が挙げられる。
これらの組成物は、個体が異なるHLA対立遺伝子を有している個体群にもより広く利用可能とするために、HLA-B35以外のMHC I分子により提示される1以上のペプチドも含み得る。例として、本明細書の以下に記載するペプチドPLDCVLYRY (配列番号20)が挙げられる。
本発明によるマルチエピトープ組成物は、特に、選択されたエピトープの各々の1以上のコピーを含むキメラポリペプチドの形態にあることができる。
本発明によるキメラポリペプチドは、それ自体で知られている方法により、かつ特に通常の組換えDNA技術により容易に得ることができる。
本発明の主題は、本発明によるキメラポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチド、および該ポリヌクレオチドを含む核酸ベクターでもある。
本発明は、該ポリヌクレオチドまたは該核酸ベクターの抗腫瘍免疫療法における使用も包含する。
本発明の実施の限定しない例を以下に示す。
例えば、上記で定義したペプチド、キメラポリペプチドまたはマルチエピトープ組成物を、任意に適切なアジュバントと組み合わせて、治療される患者に注射することが可能である。
例えばBAKKERら(Cancer Res.、55、5330〜5334、1995)またはVAN ELSASら(Eur. J. Immunol.、26、1683〜1689、1996)により記載されたように、抗腫瘍CTLの増殖を誘導するために、インビトロでの専門の(professional) HLA-B35 抗原提示細胞、特に樹状細胞をのせるための、上記で定義したペプチドの一つを用いることも可能である。
この方法でのせられたHLA-B35抗原提示細胞も、本発明の主題の一部分でもある。
核酸ベクター、特にアデノウイルスのようなウイルスベクター中に組み込まれた本発明によるポリヌクレオチドも、注射により治療される患者に投与することができる。
上記の配列番号1〜18の配列の1つにより定義されるペプチドをエンコードする配列を含むポリヌクレオチド、および特に本発明によるキメラポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチドは、例えばKAPLANら(J. Immunol.、163(2)、699〜707、1999)またはKIMら(Annals of Surgical Oncology、5(1)、64〜76、1998)により記載されるように、インビトロでの専門のHLA-B35 抗原提示細胞、特に樹状細胞をトランスフェクションするために用いることができ、これらを次いで患者に注入する。これらのトランスフェクションされた抗原提示細胞も、本発明の主題の一部分である。
本発明は、HLA-B35個体から得られる生体試料中のメラン-A、MAGE-A6、gp100、チロシナーゼおよびNY-ESO-1の1以上の抗原に対するCTLをインビトロで検出するための上記で定義されたペプチドの使用も包含する。
これらのペプチドは、これらのCTLの特異的分類を行うために用いることもできる。このように単離されたCTLは、次いでインビトロで増幅され、(10億のオーダーの)多数で患者に再注入される。
本発明の主題は、有効成分として本発明による変異rasペプチド、マルチエピトープ組成物、キメラポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは抗原提示細胞を含む治療用組成物でもある。
本発明による治療用組成物は、通常の医薬添加物、および例えば有効成分の投与を促進し、それを安定化し、その免疫原性を増加させるなどを可能にする、免疫療法において通常用いられるアジュバントも含むことができる。
上記のカテゴリーa)、b)、c)、d)およびe)のペプチドのうち、HLA-B35以外の関係において、CTL応答の誘導が可能であることが既に知られているものがあった。
その他のものは、細胞傷害性T応答を誘導し得るエピトープとして記載されたことはなく、したがって単離されたこともない。これらは、次のペプチド:
- ペプチドEAAGIGILTY (配列番号9)、EAAGIGILY (配列番号10)、EPAGIGILTY (配列番号11)、EPAGIGILTV (配列番号12);
- ペプチドVPLDCVLYR (配列番号3)およびVPLDCVLYRY (配列番号13);
- ペプチドTPRLPSSADVEFCL (配列番号14)およびTPRLPSSADVEF (配列番号4)
である。
本発明は、これらの特定のペプチド、およびこれらのペプチドの少なくとも1つを含むいずれのマルチエピトープ組成物も包含する。これは、特にこれらのペプチドの少なくとも1つを含むキメラポリペプチドを含む。これらのキメラポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチド、およびこれらのポリヌクレオチドを含む核酸ベクターも、本発明の主題の一部分である。
本発明者らは、gp100抗原に由来するペプチドVPLDCVLYRY (配列番号13)が、HLA*A0101の関係において、黒色腫 TILの個体群に由来するCD8 Tクローン (M199.6.12)によっても認識されることに注目している。本発明者らは、このペプチドから、HLA-B35の関係においては認識されないが、A*0101の関係においては非常に効率的に認識される、より短いペプチド (PLDCVLYRY、配列番号20)を同定している。ペプチド配列番号20も、少なくともこのペプチドを含むキメラポリペプチドであるので、本発明の主題の部分である。これらのキメラポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチド、およびこれらのポリヌクレオチドを含む核酸ベクターも、本発明の主題の一部分である。このペプチド、それを含むキメラポリペプチド、およびこれらのキメラポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチドは、HLA-B35の関係において認識されるペプチドについて上述したものと同じ技術に従って、HLA-A1、特にHLA*A0101個体における黒色腫の検出または治療の関係において用いることができる。
さらに、動物モデルにおいて行われた研究は、その多数が変異された腫瘍形成性のタンパク質であるその他の腫瘍拒絶抗原を同定することを可能にしている(PREHNら、J. Natl. Cancer Inst.、18、769、1998;DE PLAENら、PNAS、85、2274、1988;DUBEYら、J. Exp. Med.、185、695、1997)。MHC分子による、腫瘍細胞表面におけるこれらのタンパク質の変異フラグメントの提示は、CTLによる該細胞の特異的な破壊、および腫瘍の拒絶を誘導する。ヒトにおいては、変異された腫瘍形成性のタンパク質は、抗腫瘍免疫療法のための特に有利な標的であるとも考えられる。しかしながら、これは、腫瘍細胞の表面に存在し、かつT細胞傷害性応答を誘導し得るエピトープの同定を含む。
種々のタイプの腫瘍に最もよく関与する腫瘍遺伝子のうち、ras p21原腫瘍遺伝子の点突然変異(単一アミノ酸の置換)によるras腫瘍遺伝子(K-ras、H-rasおよびN-ras)が挙げられる。これらの突然変異は、本質的に、コドン12、コドン13またはコドン61において起こる(BOS、Cancer Res.、49、4682、1989;WEIJZENら、Leukemia、13、502、1999)。起こり得る腫瘍形成性の置換の数が限られているので、多くの同一の腫瘍に存在するras突然変異は、ヒト腫瘍のかなりのフラクションにより提示される共有腫瘍エピトープを発生することができる(WEIJZENら、Leukemia、13、502、1999)。
よって、抗腫瘍免疫療法において、変異rasエピトープを再現する合成ペプチドを用いることが提案されている。つまり、PCT出願WO 92/14756は、コドン12またはコドン61において変異したrasエピトープを再現するペプチドの使用を提案している。しかしながら、これらのエピトープは、MHC II (DQおよびDR)により提示され、よってCD4+応答を誘導する。現在、このタイプの応答を誘導するのが有利であり得る場合には、CD4+ヘルパーリンパ球が細胞傷害性応答を増加するのが可能な範囲で(WALTERら、N. Engl. J. Medicine、333、1038、1995)、CD8+応答は細胞傷害性における必須の参加者のままである。さらに、マウスで行われた最近の研究は、MHC IIにより提示されるペプチドを用いる免疫化が、期待された防御の代わりに腫瘍増殖の刺激を誘導できたことを示唆している(SIEGELら、J. Exp. Med.、191、1945、2000)。
位置12、13または61で変異されたいくつかのrasエピトープが、MHCクラスI分子にアンカーするそれらの能力に基づいて選択されている(VAN ELSASら、Int. J. Cancer、61、389、1995;BERGMANNら、Cell Immunol.、187、103、1998;GOUTTEFANGEASら、Human Immunol.、55、117、1997)。よって、選択されたペプチドは、インビトロでPBLを用いて特定のCTLの増殖を刺激することができる。しかしながら、これらのCTLは、変異腫瘍細胞をわずかに認識し、これはこれらのエピトープの内生的な発現が限定されること (VAN ELSASら、Int. J. Cancer、61、389、1995;ABRAMSら、Cell Immunol.、182、137、1997;BERGMANNら、Cell Immunol. 187、103、1998)、そしてそれらが特定のCTLによる腫瘍細胞の効率的な除去を許容しないことを示唆し、これが免疫療法におけるこれらの価値をかなり限定している。
したがって、MHC I拘束であり、ヒト腫瘍のかなりのフラクションにより効果的に提示されるその他の変異rasエピトープを得ることが必要であると考えられる。
本発明者らは、今回、グルタミンのアルギニンでの置換(Q61R)により位置61で変異され、MHC I-拘束であるrasエピトープを同定している。このエピトープ(本明細書では以下、55-64Q61Rという)は、Q61R変異を有するras腫瘍遺伝子を発現するいくつかのHLA-A*0101+ 黒色腫株により効率的に提示される。これらの黒色腫から得られる腫瘍浸潤リンパ球(TIL)クローンの拡張(expansion)を特異的に誘導することが可能である。さらに、このペプチドをのせた樹状細胞は、正常なHLA-A*0101ドナーからの末梢血リンパ球(PBL)を用いて特定のCTLを効率的に刺激し、これらのCTLはQ61R ras腫瘍遺伝子を発現する全てのHLA-A*0101黒色腫株を認識し、非変異rasタンパク質を発現する細胞を認識しない。
ペプチド55-64Q61Rは、対応する野生株ペプチドのものよりも大きいアンカー能力を有さない。野生株ペプチドのHLA-A*0101-結合親和性は、ペプチド55-64Q61Rのものと類似である。しかしながら、高濃度においてさえも、この野生株ペプチドは特定のTILの拡張、または特定のCTLの拡張のいずれも誘導することができない。したがって、位置61でのグルタミンのアルギニンでの置換が、HLA-A*0101により提示される新規なエピトープを創出していると考えられる。
さらに、BIMASデータバンク(http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind;PARKERら、J. Immunol. 152、163、1994)について行った分析は、このペプチドがHLA-A*0101およびHLA-B*1501と同一の結合スコアを有することを示している。したがって、本発明の主題は、HLA-A*0101またはHLA-B*1501患者における腫瘍の免疫療法を基にする治療を目的とする医薬品を得るための、配列ILDTAGREEY (配列番号35)の免疫原性変異rasペプチドの使用でもある。
有利には、該医薬品は、位置61のグルタミンのアルギニンでの置換により変異されたK-ras、H-rasまたはN-rasタンパク質を発現する腫瘍の治療のために用いることができる。
特に黒色腫、ならびに先天性メラニン細胞性母斑(PAPPら、Journal of Medical Genetics、36、610、1999)、多発性骨髄腫(BEZIEAUら、Hum. Mutat.、18、281、2001)および甲状腺腫瘍(ESAPAら、Clinical Endocrinology、50、529、1999)のような残基61に影響するras変異が高い頻度で検出されるその他の腫瘍が挙げられる。
上記のペプチドは、特にマルチエピトープ組成物、特に上記のキメラポリペプチドに用い得る。このようなキメラポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチド、および該ポリヌクレオチドを含む核酸ベクターも、上記のように用いることができる。
上記のペプチドまたは上記のポリヌクレオチドは、抗腫瘍CTLの増殖を誘導するために、それぞれ、専門のHLA-A*0101もしくはHLA-B1501抗原提示細胞をインビトロでのせるか、またはトランスフェクションするのにも用いることができる。
このようにしてのせられたかまたはトランスフェクションされたHLA-A*0101もしくはHLA-B*1501 抗原提示細胞も、本発明の主題の一部分である。
上記の変異rasペプチドは、HLA-A*0101またはHLA-B*1501個体から得られた生体試料中の、それが由来する変異ras抗原に対するCTLをインビトロで検出するためにも用いることができる。これは、これらのCTLの特異的な分類を行うためにも用いることができる。
本発明は、次に続くさらなる記載により、より充分に理解されるが、この記載は、本発明による方法を実行することにより免疫療法において用いることができる本発明の変異rasペプチドの特性を説明する、非限定的な実施例に言及する。
実施例1:HLA-B35の関係において提示され、かつCTLクローンにより認識される抗原性エピトープの証明:
以前の研究(BENLALAMら、2001)において、本発明者らは、それぞれチロシナーゼ(TIL M171)、メラン-A (TIL M171およびM28)およびgp100 (TIL M171、M28およびM110)抗原を認識するHLA-B35-拘束CD8+ TILクローンを得た。
彼らは、このクローンの収集をMAGE-A3/MAGE-A6(TIL-M171)を認識するクローン、およびNH-ESO-1 (TIL M118)を認識するクローンで完了した。
関連する抗原およびHLA-B35 対立遺伝子で同時トランスフェクションされた(cotransfected) COS-7細胞についてのこれらの種々のTILクローンの応答は、それらのTNF産生を測定することにより検出される。
10%胎児ウシ血清、抗生物質およびL-グルタミンを含むDMEM培地(Sigma)で培養されたCOS-7細胞を、対立遺伝子 HLA-B*3501、HLA-A*3503、HLA-B*3508の1つをエンコードするcDNA単独、またはMAGE-A3、MAGE-A6、チロシナーゼ、メラン-A/MART-1、gp-100およびNY-ESO1/LAGE-2の抗原の1つをエンコードするcDNAと組み合わせてトランスフェクションした。トランスフェクションはDE PLAENら(Methods、12、125〜42、1997)により記載されたプロトコルに従って行った。16.5 103のCOS-7細胞を、問題のHLA-B*35 対立遺伝子のcDNAを含むプラスミドpcDNA3 (Invitrogen、San Diego、CA) 100 ng、および同時トランスフェクションのために、選択した抗原をエンコードするcDNAを含むプラスミド100 ngでトランスフェクションした。
トランスフェクションの48時間後、これらのCOS-7細胞を用いて種々のTILクローン(2×103〜104)を刺激した。培養上清を6時間後に除き、そしてそのTNF濃度を、DE PLAENら(1997、上記)に記載されたようにして、クローン13 WEHI 164についてこれらの培養上清の細胞傷害性を測定することにより決定した。
結果を図1に示す。
y軸上に、pg/mlでのTNFの濃度。
x軸上に、種々のTIL個体群。
□:HLA-B35分子をエンコードするcDNAのみでトランスフェクションされたCOS-7細胞の存在下での、TILクローンによるTNFの分泌。
■:HLA-B35分子をエンコードするcDNAおよびMAAをエンコードするcDNAで同時トランスフェクションされたCOS-7細胞の存在下での、TILクローンによるTNFの分泌。
2つのクローン(M171.95BおよびM28.10B)は、メラン-A/B*3501複合体を認識し、1つのクローン(M28.9B)はgp100/B*3501複合体を認識し、1つのクローン(M171.100B)はチロシナーゼ/B*3501複合体を認識し、1つのクローン(M171.8C)は、B*3501の関係においてMAGE-A3およびMAGE-A6エピトープを認識し、そして1つのクローン(M118.45)は、B*3501およびB*3503の関係においてNY-ESO-1エピトープを認識する。
実施例2:HLA-B35の関係において提示される抗原性エピトープの同定
TILクローンにより認識されるエピトープをエンコードする領域を同定するために、本発明者らは種々のMAAのcDNAのフラグメントの組を構築した。
エキソヌクレアーゼIIIでの消化により、メラン-A/MART-1およびNY-ESO-1 cDNAフラグメントを得た:メラン-A/MART-1またはNY-ESO-1をエンコードするcDNAを含むプラスミドを、XbaIおよびApaI、またはSpHIおよびNotIをそれぞれ用いて開裂した。次いで、得られたフラグメントを、Erase a-baseシステム (Promega、Madison、WI)を用いてエキソヌクレアーゼIIIで消化した。
開始コドンの下流1156 bpのKpnI部位とコーディング配列の末端の間に位置するヌクレオチドを含む、gp-100の制限フラグメント(1156〜1986)を、KpnIを用いる酵素消化により得た。
チロシナーゼおよびgp100抗原のフラグメントに相当するcDNAフラグメントを、これらの2つの抗原の各々をエンコードする完全配列を含むプラスミドからPCRにより得た。
COS-7細胞によるこれらの種々のフラグメントの発現は、実施例1のようにして行う。関連する抗原フラグメントおよびHLA-B35対立遺伝子で同時トランスフェクションされたこれらのCOS-7細胞に対する種々のTILクローンの応答は、実施例1のようにして測定する。
結果を、図2に示す:
潜在的なエピトープをエンコードするcDNAの領域の位置は、塩基対で示す。
Figure 2005533487
種々のTIL個体群が、ヌクレオチド95〜119 (アミノ酸32〜39)に広がるメラン-A cDNAフラグメント、gp100 cDNAフラグメント1200〜1601 (アミノ酸400〜533)、チロシナーゼcDNAフラグメント937〜975 (アミノ酸313〜325)、およびNY-ESO-1 cDNAフラグメント259〜339 (アミノ酸87〜113)によりそれぞれエンコードされるエピトープを認識するようである。
実施例3:HLA-B35の関係において提示される抗原性ペプチドの同定
野生型および修飾されたペプチド(それらの配列を次の表Iに示す)を、EPYTOP (Nimes、France)から得た。純度(>70%)を、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により調節する。ペプチドを凍結乾燥し、次いでDMSO中に10 mg/mlで溶解して、−80℃で貯蔵する。
種々のTILクローンの応答を、関心のあるペプチド10μMをのせたHLA-B*3501を発現するEBV 細胞との共培養の6時間後に、TNF-放出アッセイにより評価した。結果を表Iにまとめる。
表I
Figure 2005533487
さらに、ペプチドの抗原性を、TILクローンのBM36.1細胞を溶解する能力により試験した(KELLYら、1992、Nature、355、641〜4)が、これはTAPトランスポーターにおいて欠失しており、かつ、本来、HLA-B*3501およびHLA-A*0101を発現するものである。BM36.1細胞を、37℃で1時間、100 Ciの51Cr (Na251CrO4、ORIS、Gif-sur-Yvette、France)で標識する。次いで、細胞を、種々の合成ペプチドで20分間パルスする。このようにして処理された103のBM36.1細胞を、クローンの104のT細胞(10:1のエフェクター:標的の比)と共に4時間インキュベートする。培養上清を回収し、放出された51Crの量をβプレートカウンター(EG&G Wallac、Evry、France)により評価する。各TILクローンについて、関連しないペプチド(non-relevant peptide)を用いてネガティブコントロールを行う。
最大溶解の50%を得るのに必要なペプチドの量 (EC50)を測定した。さらに、HLA-B35へのペプチドの親和性および安定性を、TOURDOTら、Eur. J. Immunol.、30:3411〜3421、2000に記載のようにして測定した。
ペプチドの親和性を測定するために、BM36.1細胞を各ペプチドの濃度の並びと共に18時間インキュベートした。BM36.1細胞を、HLA-B35に結合する参照ペプチドの並びと共に、平行してインキュベートした (ペプチド37F、TAKAMIYAら、Int. Immunol.、6:255〜261、1994:SCHONBACHら、J. Immunol.、154:5951〜5958、1995)。次いで、結合したペプチドの相対量を、各ペプチドについて、細胞表面におけるHLA-B35安定化の測定により、各濃度において評価する。この測定は、抗HLA-B/C抗体 (これは、BM36.1細胞の場合、HLA-B*3501のみを認識し、これらの細胞は、同時にHLA-C分子を発現しない)を用いるフローサイトメトリーにより行う。次いで、B*35への結合の%を、各濃度について、各ペプチドの100μMについて100%の結合を定めることにより算出する。次いで、相対親和性(RA)を次のようにして決定する。
RA = 20%結合での[ペプチドの濃度] / 20%結合での[ペプチド37Fの濃度]
ペプチドの安定性を測定するために、BM36.1細胞を、各ペプチドの100μMと共に18時間インキュベートする。次いで、新しく合成されたHLA分子の細胞表面への移送をブロックするために、これらをBFA (10μg/ml)の存在下で1時間インキュベートする。BM36.1細胞をPBS中で洗浄し、5% SVFおよび0.5 μg/mlのBFAを含む培地中に採取し、これを時間0とする。次いで、細胞を、インキュベーションの30分、1時間、2時間、4時間および6時間後に採取する。次いで、結合したペプチドの相対量を、各ペプチドについて、細胞表面でのHLA-B35安定化の測定により各時間において評価する。この測定は、抗HLA-B/C抗体を用いるフローサイトメトリーにより行う。表IIに示す時間は、HLA-B*35上のペプチドの半減期に相当する。
結果を、図3および次の表IIに示す。
表II
Figure 2005533487
図3の凡例:y軸に沿って、得られた細胞溶解のパーセンテージ。x軸に沿って、ペプチドの(nMでの)濃度。
表IおよびII、ならびに図3の結果は次のことを示す:
* 3つのオーバーラップするメラン-Aペプチドが、クローンM28.10Bにより認識される。最も効率よく認識されるペプチドは、デカペプチド26〜35 (EAAGIGILTV、配列番号8)である。このメラン-Aペプチド26〜35は、おそらく、B*3501の関係において、黒色腫細胞により本来提示され、患者M28からのTILにより認識されるペプチドに相当する。この同じメラン-Aペプチド26〜35が、HLA分子によってであるが、HLA-A*0201の関係においてのみ提示されることが知られている(KAWAKAMIら、1994、J Exp. Med、180、347〜52;VALMORIら、1998、J Immunol、160、1750〜8)。HLAクラスI分子の種々のアイソタイプによる同じエピトープの、交叉提示(cross presentation)は、比較的まれである。
* gp100-特異的クローン(M28.9B)は、HLA-B*3501の関係において、アミノ酸470と480の間に位置する3つのオーバーラップペプチド(2つのデカマーおよび1つのノナマー)を認識する。しかし、特定のTクローンの応答を誘導するのに、ペプチドQVPLDCVLYR (配列番号24)の高い濃度(20μMでのEC50)が要求される。このペプチドについての親和性および安定性の測定結果は、それがHLA B*35に結合できないことを示す。該クローンにより得られた弱い応答は、このペプチド(70%の純度で調製)の、このTクローンにより認識される他のペプチドでの汚染により説明される。
HLA-AまたはHLA-Cの関係において提示されるいくつかのgp100-由来エピトープが知られている(CASTELLIら、1999、J Immunol、162、1739〜48;KAWAKAMIら、1998;TSAIら、1997、J Immunol、158、1796〜802)。一方、HLA-Bの関係において提示されるgp100エピトープは、現在までに知られていない。
* 3つのオーバーラップペプチド:309〜322の14マー、309〜321の13マー、および309〜320の12マーを効率的に認識するチロシナーゼ-特異的クローン (M171.100B)。12マーは、0.2 nMで得られる最大溶解の50%を有し、最も効率的に認識されるペプチドであるが、これに対して14マーおよび13マーについては、それぞれ2 nMおよび12 nMである(図3)。12マーのC末端のフェニルアラニンの欠失は、CTLによる認識を大きく減少させる。HLA-B*3501の関係においてCTL クローンにより認識されることが示されているペプチド312〜320 (MORELら、1999、Int J Cancer、83 755〜9)は、TILクローンM171.100Bにより認識されない。さらに、11マータイプ(AARNOUDSEら、1999、Int. J Cancer、82、442〜8;CHIARIら、1999、Cancer Res、59、5785〜92;KAWAKAMIら、2001、J Immunol、166、2871〜7)、および14マータイプ(PROBST-KEPPERら、2001、J Exp Med、193、1189〜98)の細胞のエピトープの例が存在するが、これらはT細胞により通常提示されるエピトープよりもかなり大きいエピトープである。
* MAGE-A3/A6-特異的クローンM171.8Cは、SCHULTZら(2001、上記)により以前に記載されたMAGE-A3/B*3501エピトープEVDPIGHLYを認識する。このTILクローンもMAGE-A6と反応するので、これは、位置8の単一アミノ酸によってMAGE-A3エピトープとは異なるMAGE-A6ペプチド168〜176 (EVDPIGHVY)が、他のHLA-B*3501-拘束黒色腫エピトープを構成することを示す。
* B*3501/B*3503の関係におけるNY-ESO-1エピトープに特異的なクローン(M118.45)は、5つのオーバーラップペプチド:92〜104の13マー、92〜103の12マー、94〜104の11マー、94〜103のデカマーおよび94〜102のノナマーを効率的に認識する。ノナマー94〜102は、1 pMで得られる最大溶解の50%を有し、最も効率的に認識されるペプチドであるが、これに対して11マーについては0.05 nM、13マーについては0.1 nM、デカマーについては1 nM、そして12マーについては5 nMである。
ノナマー94〜102および92〜100は、それぞれ、HLA-B51 (JAGERら、Cancer Immunity、2002、第2巻、12頁)およびHLA-Cw3 (GNJATICら、2000、Proc Natl Acad Sci USA、97、10917〜22)の関係において提示される。しかし、HLA-B35の関係におけるこれらの提示は、以前に記載されていない。
実施例4:HLA-B35の関係において提示される抗原性ペプチドの修飾
同定されたいくつかの抗原性ペプチドは、HLA-B*3501分子について適切なアンカー残基、すなわちノナマーについては位置2でのP、AまたはV、位置9でのY、F、M、LまたはI、そしてデカマーについては位置10 (FALKら、1993、Immunogenetics、38、161〜2 [Immunogenetics 1994;39(5):379において正誤表]) を有さない。
HLA-B*3501の関係におけるこのペプチドの親和性およびT細胞応答を増大させることを試みるために、本発明者らは、それぞれ、メラン-a/MART1ペプチドの26〜34および26〜35の位置2および/または9、または10に修飾残基を導入した。
これらの修飾ペプチドで得られた結果を、図3 (メランA)に示す。修飾デカペプチドEAAGIGILTY (配列番号9)およびEPAGIGILTY (配列番号11)が、野生型ペプチドのものより10〜50倍低い濃度でクローンM28.10Bによる最大溶解を誘導することが観察される(500 pM の代わりに10および50 pM)。さらに、これらのペプチドは向上された安定性を示す(図3)。
したがって、これらの修飾は、HLA-B*3501に対するこれらのペプチドの結合親和性を増加させ、さらに特定のTILクローンのより大きい反応性を誘導することも可能にする。
実施例5:黒色腫細胞による、HLA-B35の関係における抗原性ペプチドの自然提示
免疫療法のための標的としての、実施例3および4で同定された種々の抗原性ペプチドの価値を試験するために、本発明者らは、それらのペプチドが由来する種々の抗原、およびHLA-B*3501分子を発現する黒色腫細胞株のパネルによるそれらの提示を分析した。HLA分子の細胞表面での発現を増加させるために、ある実験については、黒色腫細胞を500 U/mlのγ-IFN (Tebu、Paris、France)を含む培地中に48時間プレインキュベートした。
これらの株についての種々のTILクローンの応答を、実施例1と同様にそれらのTNF産生を測定することにより検出する(1:3のエフェクター:標的の比)。
ネガティブコントロールを、HLA分子を発現しない黒色腫細胞株(M113)を用いて行った。
黒色腫細胞株を、転移性腫瘍、またはリンパ節に侵入した腫瘍のフラグメントから株化し、10%のウシ胎児血清(Gibco-BRL、Cergy-Pontoise、France)、ペニシリン(10 mg/ml)、ストレプトマイシン(10 U/ml) (Sigma)およびL-グルタミン(2nM) (Sigma、St. Louis、USA)を含むRPMI 1640培地(Sigma、St. Louis、USA)中の培養に付す。
結果を図4に示す:y軸に沿って、pg/mlでのTNF濃度;x軸に沿って、HLA-B35および種々の抗原を発現しているか(M47、M125、M131、M140およびM147)、またはHLA-B35対立遺伝子を発現していない(M113)黒色腫株。
■:500U/mlのγ-IFNで予め処理した黒色腫細胞。
□:γ-IFNで予め処理していない黒色腫細胞。
メラン-A、チロシナーゼおよびMAGE-A3に特異的なクローンは、γ-IFNでの処理とは無関係に黒色腫細胞株M47、M131およびM147を認識する。しかし、これらの同じクローンは、γ-IFNでの処理によるHLA-B35の発現の誘導の後にのみM125およびM140株を認識する。
gp100特異的クローンは、γ-IFNでの処理とは無関係に黒色腫株を認識する(M147)。このクローンは、γ-IFNでの処理後のM125およびM140株も認識する(M125については弱く)。
NY-ESO-1特異的クローンは、この抗原(M47)を同時に発現するこれらの株の1つ、およびγ-IFNでの処理の後の他の2つの株(M131およびM140、図4)を認識する。
M125およびM140株の場合、種々のTILクローンによるこれらの株の認識の欠如は、おそらく、これらの細胞の表面に存在するMHC/ペプチド複合体の限定された数に関係する。実際、これらの2つの細胞株は、γ-IFN での処理の後にのみHLA-B35分子を発現する。
種々のCD8 Tクローンによる黒色腫株の同時の認識は、同定されたエピトープがこれらの腫瘍により自然に提示されることを示す。
実施例6:変異RASペプチド55-64Q61Rの抗原性
野生型rasペプチド55-64WT (ILDTAGQEEY;配列番号34)、変異デカマー55-64Q61R、およびMAGE-A3ペプチド(EVDPIGHLY;配列番号20)を、SYNT:EM (Nimes、France)から得た。純度(>85%)を、逆相高速液体クロマトグラフィーにより調節する。ペプチドを凍結乾燥し、次いでDMSO中に10 mg/mlで溶解し、そして−80℃で貯蔵する。
ペプチド55-64Q61Rおよびその野生型アナログ(55-64WT)の抗原性を、これらのペプチドでパルスした樹状細胞(DC)での末梢血単核細胞(PBMC)のインビトロ刺激により特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の増殖を誘導するこれらのペプチドの能力を試験することにより評価する。
CD8+リンパ球を、磁気ビーズ(MILTENY BIOTECH、France)上のCD4+ T細胞の負の選別(negative sorting)により、HLA-A*0101ドナーのPBMCから得る。
樹状細胞を、10%胎児ウシ血清、50 ng/mlのGM-CSF (SIGMA)および50 ng/mlのIL-4 (SIGMA)を補ったRPMI培地を含む6ウェル培養プレート中での7日間の培養に付された接着PBMCから調製する。d+7に、樹状細胞の成熟を、10%ウシ胎児血清、10 ng/mlのTNF-α(SIGMA)および100μg/mlのポリ-IC (SIGMA)を補ったRPMI培地中で2日間誘導する。d+9に、成熟樹状細胞を5μg/mlのrasペプチド55-64Q61Rまたはrasペプチド55-64WTで2時間インキュベートする;次いで、遊離のペプチドを除くためにこれらを洗浄する。
rasペプチド55-64Q61Rまたはrasペプチド55-64WTでパルスした樹状細胞を用いて、CD8+リンパ球(3×107細胞)を刺激する。1週間の間隔で3回の刺激を行う。
各培養ウェルを、ペプチドに特異的なCTLの存在について試験する。
この目的のために、最後の刺激の7日後に、100μMのN-rasペプチド55-64WTまたは55-64Q61Rおよび1μMのβ2-ミクログロブリンを補ったRPMI中で、37℃で12時間インキュベートし、そしてPBS中で洗浄した2×106のHLA-A*0101発現BM36.1細胞(KELLYら、Nature. 355. 641. 1992)を各ウェルに添加する。
野生型または変異N-rasペプチドでの刺激に対する特異的CTL応答を、LABARRIEREら(Int. J. Cancer、78、209、1998)により記載されるようなγ-インターフェロン(γ-IFN)のアッセイにより測定する。
rasペプチドで刺激された5つの培養ウェルのうち2つがペプチドに特異的なCTL増殖を示す(ウェル当たりの反応性細胞の0.3および0.5%)が、ペプチド55-64WTで刺激されたウェルでは増殖は観察されない。
実施例7:ペプチド55-64Q61Rで誘導されるTリンパ球クローンの特性
リンパ球クローンを、0.5%の反応性T細胞を含む培養ウェルの細胞からの限界希釈により得た。
これらのクローンの一つに由来するT細胞の、ペプチド55-64Q61Rまたはペプチド55-64WTを提示するBM36.1細胞を溶解する能力を、標準51Cr-放出アッセイ(HERINら、Int. J. Cancer、39、390〜396、1987)に従って評価する。
BM36.1細胞を、51Cr (Na251CrO4、ORIS、Gif-sur-Yvette、France)で標識する。次いで、細胞を10μMのペプチド55-64WTまたはペプチド55-64Q61Rで、37℃で1時間パルスし、洗浄する。このように処理した103のBM36.1細胞を、被験クローンの5×103のT細胞とともに4時間インキュベートする。培養上清を回収し、放出された51Crのパーセンテージを評価する。
変異rasペプチド55-64Q61RでパルスしたBM36.1細胞のかなりの溶解が観察される。これに対して、野生型rasペプチドでパルスしたBM36.1細胞の溶解は非常に低い。
HLA-A*0101および野生型タンパク質またはQ61R変異を有するN-rasタンパク質を発現する細胞に関するこのクローンの特異性を、トランスフェクションされたCOS細胞、またはQ61R変異を発現するか、もしくは発現しないHLA-A*0101黒色腫細胞について評価する。
COS細胞のトランスフェクションのために、野生型N-rasタンパク質のフラグメントをエンコードする334 pbのcDNAを、野生型N-rasタンパク質の完全cDNAからのPCR増幅により得る。グルタミンのアルギニンでの置換により位置61で変異されたN-rasタンパク質のフラグメントをエンコードするcDNAを、特定部位の突然変異誘発により得る。
野生型または変異cDNAをベクターpcDNA3に挿入し、イー・コリ(E. coli)菌株 TOP 10 F' (INVITROGEN、参照C2020-03)中に増幅させる。
HLA-A*0101分子をエンコードするcDNAを、ベクターpcDNA 3.1 (INVITROGEN、参照CV790-20)中に導入する。
COS-7細胞を、以下に記載のようにしてこれらの構築物と同時トランスフェクションする:
COS-7細胞(BRICHARDら、J. Exp. Med.、178、489、1993)を、10%ウシ胎児血清、100 U/mlペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン(SIGMA、St Louis、USA)および2 mMのL-グルタミン(SIGMA、St Louis、USA)を含むDMEM培地(BIOWHITTAKER)中で培養する。
16.5×103のCOS細胞を、クロロキン-デキストラン-DEAE法(BRICHARDら、J. Exp. Med.、178、489、1993;SEEDら、PNAS、84、3365、1987)により、HLA-A*0101を発現するベクターpcDNA 3.1および野生型または変異N-rasタンパク質を発現するベクターpcDNA3の混合物100 ngで同時トランスフェクションする。この方法の詳細は、DE PLAENら(Methods、12、125、1997)により記載されている。
T細胞刺激を、TNFのアッセイにより測定する(DE PLAENら、Methods、12、125、1997;LABARRIEREら、Int. J. Cancer、78、209、1998)。
試験されたTクローンの2×103〜104細胞を、トランスフェクションの48時間後に3×104 COS細胞、または3×104 黒色腫細胞に添加する。培養上清を6時間後に回収し、それらのTNF含量を、MTT呈色アッセイによるWEHI 164マウス線維肉腫クローン13に対するそれらの細胞傷害性効果の測定により決定する(BRICHARDら、J. Exp. Med.、178、489、1993)。同時トランスフェクションされたCOS細胞で得られた結果を図5aに示す:x軸に沿って、野生型rasペプチド、またはグルタミンのアルギニンでの置換により位置61で変異されたrasペプチド;y軸に沿って、pg/ml でのTNF濃度。
結果は、クローンのT細胞がQ61R N-rasタンパク質を発現する細胞により強く刺激されるが、野生型N-rasタンパク質を用いては弱い刺激しか観察されないことを示す。
黒色腫細胞で得られた結果を図5bに示す:x軸に沿って、ras変異Q61Rを発現する(M6、M90、MEL4)か、またはそれを発現しない(M36、M105、M106、M122、M138、MV1)黒色腫細胞;y軸に沿ってpg/mlでのTNF濃度。
これらの結果は、HLA-A*0101黒色腫株のうち、Q61R変異を発現するもの(株M6、M90およびMEL4)だけがクローンのT細胞の応答を刺激することを示す。
実施例8:HLA-A*0101の関係において提示される抗原性ペプチドの同定
黒色腫TILの個体群に由来するCD8+ Tクローンは、A*0101の関係において、gp100抗原に由来する記載されていないペプチドを認識する(PLDCVLYRY、配列番号20)。このペプチドの抗原性を、HLA-A*0101の関係において関心のあるペプチドを提示するBM36.1細胞を溶解するクローンの能力を評価することにより試験する。BM36.1細胞を、37℃で1時間、100 Ciの51Cr (Na251CrO4、ORIS、Gif-sur-Yvette、France)で標識する。次いで、細胞を20分間、種々の合成ペプチドでパルスする。このように処理された103のBM36.1細胞を、クローンの104のT細胞と共に4時間インキュベートする(10:1のエフェクター:標的の比)。培養上清を回収し、放出された51Crの量を、βプレートカウンターにより評価する(EG&G Wallac、Evry、France)。関連していないペプチドを用いてネガティブコントロールを行う。
結果を図6に示す:y軸に沿って、得られた細胞溶解のパーセンテージ;x軸に沿って、ペプチドPLDCVLYRY (□)またはVPLDCVLYRY (◆)の濃度。ペプチドPLDCVLYRYのEC50は0.6μMであるが、ペプチドPLDCVLYRYのEC50は10μMである。
このペプチドの配列は、B*3501の関係において認識されるデカマーの配列中に含まれるが、このペプチドはクローンM28.9Bにより認識されない。一方、ペプチドVPLDCVLYRY (配列番号13)は、A*0101の関係においてクローンM199.6.12によっても認識される(表Iおよび図6)。
さらに、クローンM199.6.12による、HLA-A*0101を共有する黒色腫株の同時の認識は、このエピトープがこれらの腫瘍により効率的に提示されていることを示す。

Claims (10)

  1. HLA-B35患者における抗腫瘍免疫療法用の医薬品を得るための、
    a) メラン-A抗原に対する細胞傷害性応答を誘導し得る、配列EX1AGIGILX2 (配列番号1) (ここで、X1はAまたはPを表し、X2はTまたはYを表す)を含むペプチド;
    b) MAGE-A6抗原に対する細胞傷害性T応答を誘導し得る、配列EVDPIGHVY (配列番号2)を含むペプチド;
    c) gp100抗原に対する細胞傷害性応答を誘導し得る、配列VPLDCVLYR (配列番号3)を含むペプチド;
    d) チロシナーゼ抗原に対する細胞傷害性応答を誘導し得る、配列TPRLPSSADVEF (配列番号4)を含むペプチド;
    e) NY-ESO-1抗原に対する細胞傷害性応答を誘導し得る、配列MPFATPMEA (配列番号5)を含むペプチド;
    から選択される、MHC Iにより提示されるTエピトープを表す少なくとも1つの免疫原性ペプチドの使用。
  2. ペプチドが、
    a) TAEEAAGIGILTV (配列番号6)、EAAGIGILTVIL (配列番号7)、EAAGIGILTV (配列番号8)、EAAGIGILTY (配列番号9)、EAAGIGILY (配列番号10)、EPAGIGILTY (配列番号11)、EPAGIGILTV (配列番号12)から選択される配列のペプチド;
    b) 配列EVDPIGHVY (配列番号2)のペプチド;
    c) VPLDCVLYR (配列番号3)およびVPLDCVLYRY (配列番号13)から選択される配列のペプチド;
    d) TPRLPSSADVEFCL (配列番号15)およびTPRLPSSADVEF (配列番号4)から選択される配列のペプチド;
    e) LAMPFATPMEAEL (配列番号16)、LAMPFATPMEAE (配列番号17)、MPFATPMEAEL (配列番号18)、MPFATPMEAE (配列番号19)およびMPFATPMEA (配列番号5)から選択される配列のペプチド;
    から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  3. - EAAGIGILTY (配列番号9)、EAAGIGILY (配列番号10)、EPAGIGILTY (配列番号11)、EPAGIGILTV (配列番号12)から選択される配列のペプチド;
    - VPLDCVLYR (配列番号3)、VPLDCVLYRY (配列番号13)およびPVPLDCVLYRY (配列番号14)から選択される配列のペプチド;
    - TPRLPSSADVERFCL (配列番号15)およびTPRLPSSADVEF (配列番号4)から選択される配列のペプチド;
    から選択される、MHC Iにより提示されるTエピトープを表す免疫原性ペプチド。
  4. 請求項1または2に定義されるa)、b)、c)、d)およびe)のカテゴリーのうちの2つの異なるカテゴリーの少なくとも2つのペプチドを含む、マルチエピトープ組成物。
  5. 請求項1または2に定義されるa)、b)、c)、d)およびe)のこれらのカテゴリーの各々からの少なくとも1つのペプチドを含むことを特徴とする、請求項4に記載のマルチエピトープ組成物。
  6. ペプチドの各々の1以上のコピーを含むキメラポリペプチドからなることを特徴とする、請求項4および5のいずれか1項に記載のマルチエピトープ組成物。
  7. 請求項6に記載のキメラポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチド。
  8. 請求項1および2のいずれか1項で定義されるペプチドと共にのせられていることを特徴とする、MHC I HLA-B35対立遺伝子を発現する抗原提示細胞。
  9. 請求項7に記載のポリヌクレオチドでトランスフェクションされたことを特徴とする、MHC I HLA-B35対立遺伝子を発現する抗原提示細胞。
  10. HLA-B35個体から得られる生体試料中の、メラン-A、MAGE-A6、gp100、チロシナーゼおよびNY-ESO-1の1以上の抗原に対するCTLのインビトロにおける検出のための、請求項1〜3のいずれか1項に定義される少なくとも1つのペプチドの使用。
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