JP2002543149A - RASオンコージンp21ペプチドワクチン - Google Patents

RASオンコージンp21ペプチドワクチン

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JP2002543149A
JP2002543149A JP2000615037A JP2000615037A JP2002543149A JP 2002543149 A JP2002543149 A JP 2002543149A JP 2000615037 A JP2000615037 A JP 2000615037A JP 2000615037 A JP2000615037 A JP 2000615037A JP 2002543149 A JP2002543149 A JP 2002543149A
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peptide mixture
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エリクセン,ヨン,アムンド
ゴーデルナック,グスタフ
ゲルトセン,マリアンヌ,クランプ
モラー,モナ
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ノルスク ハイドロ アーエスアー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は癌ワクチン及び抗癌処置用組成物中で使用するための、T細胞免疫を誘発させる合成ペプチド混合物に関する。好ましいペプチドは、RAS p21(5-21、49-73及び52-70)突然変異ペプチド、特に、突然変異G12A,G12C,G12D,G12R,G12S,G12V,G13D,Q61H,Q61K,Q61L及びQ61Rである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、癌の予防及び/又は処置のための、合成ペプチド混合物の使用に関
する。
【0002】 プロトオンコージン(癌原遺伝子)及びオンコージン(腫瘍遺伝子)及び腫瘍サプ
レッサー遺伝子における変異が癌の発生の遺伝的背景である。プロトオンコージ
ンはオンコージンになる可能性を有する、細胞の正常遺伝子である。全てのオン
コージンはタンパク質をコードしかつタンパク質を介して機能する。大多数のケ
ースにおいて、オンコージンはシグナル導入経路(signal transduction pathway
)の成分であることが示されている。オンコージンは自然界で点突然変異又は点
転位(point translocation)によりプロトオンコージンから生じ、それによって
、突然変異を有する細胞の形質転換状態を招来する。癌は、オンコージン及び腫
瘍サプレッサー遺伝子における種々の突然変異的な事象を包含する多数のプロセ
スを経て発生する。
【0003】 その最も簡単な形式においては、プロトオンコージン中の単一の塩基の置換に
より、得られる遺伝子産物において1個のアミノ酸が異なるものとなり得る。
【0004】 ネズミの腫瘍を包含する実験モデルにおいて、細胞内“自己”タンパク質にお
ける点突然変異により、正常なペプチドと単一のアミノ酸が相違するペプチドか
らなる腫瘍拒絶抗原(tumour rejection antigen)が生じ得ることが示されている
。腫瘍細胞の表面で主要組織適合性(MHC)分子との関係においてこれらのペプチ
ドを認識するT細胞は、腫瘍細胞を殺すことができ、かくして、腫瘍を宿主から
排除する(Boon,T.et al, Cell,1989,Vol.58,p293-303)。
【0005】 ヒト癌免疫学の分野においては、過去20年間に、真実の(genuine)癌特異的抗
原を特徴づけるために多大な努力がなされている。
【0006】 当初、ヒト腫瘍抗原に対する抗体の分析に特別な努力がなされた。従来の技術
から、かかる抗体を、例えば抗癌剤との関係において診断と治療の両方の目的に
使用し得ることが示唆されている。一つの問題は、抗体が腫瘍細胞の表面に暴露
されている腫瘍抗原にしか結合できないことである。この理由のため、人体の免
疫系に基づいて癌の処置を行うための努力は、期待されたほどには成功しなかっ
た。
【0007】 抗体は、典型的には、未変性コンホメーション(native conformation)中の遊
離の抗原を認識しかつ抗原表面に暴露されている殆ど任意の部位を認識し得る。
B細胞によって産生される抗体とは対照的に、T細胞は、ヒトにおいてはHLA
(human leucocyte antigen;ヒト白血球抗原)と呼ばれるMHC分子との関係におい
てだけ、また、通常、タンパク質のタンパク質分解フラグメント化(proteolytic
fragmentation)からなる、MHC分子の溝(groove)に適合するペプチドが得られる
適当な抗原プロセッシングの後にだけ、抗原を認識する。このことは、T細胞が
内部タンパク質から誘導されたペプチドも認識することを可能にする。かくして
、T細胞は腫瘍細胞の表面のMHC分子との関係において、腫瘍細胞の任意の場所
から誘導される異常な(aberrant)ペプチドを認識し、ついで、活性化されて異常
なペプチドを包含する腫瘍細胞を排除し得る。
【0008】 HLA分子はヒト染色体No.6上のHLA領域によってコードされる。クラスI分子は
HLA A、B及びC副遺伝子座(sublocus)によってコードされ、クラスII分子はDR、
DP及びDQ副遺伝子座によってコードされる。全ての遺伝子産物は高度に多形性で
ある。かくして、異なる個体は他の個体のHLA分子と異なる別個のHLA分子を発現
する。このことが、移植の際にHLA適合性器官のドナーを見つけることの困難性
の原因である。免疫生物学におけるHLA分子の遺伝的変化の重要性は、免疫-応答
遺伝子としてのその役割に反映している。そのペプチド結合能力により、ある種
のHLA分子の有無によって、ペプチドエピトープ(抗原決定基)に応答する個体の
能力が影響される。その結果、HLA分子により病気に対する抵抗性又は罹病性が
決定される。
【0009】 T細胞は種々のメカニズムによって癌の進展と生長を制御できる。細胞毒性T
細胞−HLAクラスI制限CD8+及びHLAクラスII制限CD4+の両者−は適当な腫瘍抗原
を担持している腫瘍細胞を直接死滅させ得る。CD4+ヘルパーT細胞は、細胞毒性
T細胞応答の誘発と維持、抗体応答及びマクロファージ及びLAK細胞の死滅の誘
導に必要である。
【0010】 従来の技術(即ち、本特許出願の出願人のWO 92/14756号に記載の従来技術)
では多数のオンコージン及びそのタンパク質生成物が同定されており、また、最
近発表された研究では健常な人のT細胞群は1個のp21 ras オンコージン産生物
から誘導された合成ペプチドフラグメントに対する特異性を有するT細胞を包含
していることが示されているが、WO 92/14756号以前の研究では、腫瘍特異性T
細胞免疫を生じる正確な抗原又は抗体部位が示されていない。
【0011】 WO 92/14756号は、癌を死滅させるための他のアプローチを、特殊なT細胞か
らの免疫応答の活性化と強化により身体自体の免疫系を使用することにより行う
というアイデアに基づいている。WO 92/14756号には、T細胞免疫を誘発するオ
ンコージンタンパク質生成物の合成ペプチド及びフラグメント及び癌ワクチン及
び上記ペプチド及びペプチドフラグメントを含有する抗癌処置用組成物が開示さ
れている。この先願の特許が存在するにも拘わらず、癌を撲滅することのできる
、より効果的な製品が依然として要求されている。
【0012】 ペプチド混合物中のペプチドの或るものは、免疫優性性(immunodominant)であ
り、従って、他のペプチドのHLAの提供を抑圧するという差迫った危険性のため
、患者のワクチン注射用のペプチド混合物を使用することに大きなな関心が持た
れている(Pion S, Christianson GJ, Fontaine P, Roopenian DC, Perreault
C, Blood 1999 Feb.1 93(3):952-62; Shaping the repertoire of cytotoxic
T-lympocyte response:explanation for the immunodominance effect whereby
cytotoxic T-lympocyte specific immunodominant antigens prevent recognit
ion of nondominant antigen)。
【0013】 生体外で行われた実験から、種々の突然変異rasペプチドは関連するT細胞へ
の提供(presentation)の原因となるHLA分子への結合と競合し得ること(WO
92/14756号、図4、5及び7)及び長さは同じであるが、異なる突然変異を生起
させる(represent)ペプチドが、程度の異なる効力で別の突然変異を生起させる
ペプチドの結合と認識を抑制し得ることが知られている(T.Gedde-Dahl III etal
.,Human Immunol. 33,266-274,1992及びB.H.Johanssen et al., Scand.J.Immuno
l,33,607-612,1992)。これらの事実から、免疫優性問題は突然変異RASペプチド
ワクチンに関連する問題とみなされている。
【0014】 しかしながら、これらの観察は、全て、生体外で得られる実験条件の下で行わ
れている。ワクチン注射した患者においては、種々の他の条件が他のペプチドの
混合物中の所定のペプチドの操作上の免疫優性に寄与し得る。最も興味のあるこ
とは、抗原が注入された組織中のタンパク質分解酵素による分解に対する抵抗(
これは生体内でのペプチドの半減期に影響し得る)及び組織中の関連する抗原提
供細胞によるペプチドの吸収(uptake)の速度に影響し得る疎水性の相違である。
生体外での実験から期待されることとは異なり、本発明者は、驚くべきことに、
免疫応答はWO 92/14756号に記載されるごとき単一rasペプチド処理に比較して、
突然変異rasペプチドのカクテル(混合物;cocktail)で処理された結腸直腸癌及び
膵臓癌を有する患者の群において極めて高いことを認めた。これらの結果は、他
のペプチドと競合し、かくして、免疫優性を生じさせるのではなしに、ペプチド
は混合物中の他のペプチドに対する応答を増大させる免疫応答を生起させ得るこ
とを示している。この現象は、当初、ペプチド特異性T細胞によるT細胞の活性
化の後に放出される、T-ヘルパー関連ケモカイン(chemokine)及びサイトカイン
のカスケードによって形成される正のフィードバック回路(feedback loop)によ
って最もよく説明される。これらの要因は、活性化が生起するリンパ節及びつい
でワクチンの部位への、より専門的な(professional)抗原提供細胞及びT細胞を
補給し(recruit)かつT細胞の増殖が成功するのに必要な生長及び突然変異因子
の産生を増大させるであろう。フィードバックに基づく増大効果の理論的な基礎
は、混合物中の全てのペプチドを認識するための能力を有するT細胞の数は、単
一のペプチドに特異的なT細胞の数よりまさるということである。これと対照的
に、ペプチド混合物中に存在する個々のペプチドに特異的なより多くのT細胞の
活性化は、混合物中の単一のペプチドに対する応答の大きさも増大させるであろ
う。
【0015】 更に、驚くべきことに、患者の腫瘍中に実際に存在するras突然変異に対応し
ない、投与されたカクテル中のrasペプチドも、実際の突然変異に対応するペプ
チドとの交差反応性(cross-rectivity)のために、診療に関係するT細胞を生成
することが認められた。従って、rasペプチド混合物を使用する効果は2倍であ
り、これは単一のペプチドに特異的なT細胞を増幅を生じさせそして他のペプチ
ドについて特異的であるが、腫瘍関連突然変異と交差反応するT細胞クローンか
らなる第2の成分を付加する。かかるT細胞クローンは、単一ペプチドワクチン
注射により処理された患者では観察されないので、単一ペプチドワクチン注射に
よっては誘導されないものである。
【0016】 従って、本発明の主な目的は、WO 96/14575号に記載されるものより効果的な
、癌の予防及び治療のための治療剤、ワクチン及び医薬組成物を提供することで
ある。
【0017】 本発明の他の目的は、T細胞の免疫応答及び活性化を誘発する治療剤、ワクチ
ン及び医薬組成物を提供することである。
【0018】 本発明のこれらの目的は特許請求の範囲に記載の発明によって達成される。
【0019】 WO 96/14575号に開示されているペプチド及びペプチドフラグメントは本発明
のペプチド混合物中で使用されるペプチドを構成する。従って、WO 96/14575号
の明細書が参照される。
【0020】 本発明を添付した実施例及び図面で更に説明する。
【0021】図面の説明 図1: 図1においては、位置12及び/又は位置13で突然変異が生じているRASペプチド
を結腸直腸癌患者にワクチン注射した2つの診療実験からの結果が比較されてい
る。
【0022】 図2: 図2においては、位置12で突然変異が生じているRASペプチドを膵臓癌患者に
ワクチン注射した2つの診療実験からの結果が比較されている。
【0023】 図3: 図3は、位置12及び13で突然変異を生じている5種の異なるRASペプチド、配
列 id No.2,3,4,6及び7のカクテルによるワクチン注射を行った、4人の結腸直
腸腺癌患者の異なる応答パターンを示す。
【0024】 図4: 図4は、2人の応答患者についての、個々の突然変異rasペプチドに対する、
異なるT細胞応答を示す。
【0025】 図5: 図5は、結腸直腸腺癌患者にワクチン注射をした後に得られる末梢T細胞の反
応性を示す。
【0026】 図6: 図6は、膵臓癌の進行した患者にワクチン注射をした後に得られる、腫瘍侵潤
リンパ球(TILs)の反応性を示す。
【0027】 図7: rasペプチド混合物のワクチン注射により生じたras特異性T細胞についての、
異なるras突然変異による拡張的交差反応性(extensive cross reactivity)もク
ローンレベルで示された。これは図7に示されている。
【0028】 図8: 図8は、位置61で突然変異を生じている4種の異なるRASペプチド、 配列 id No.9,10,11及び10のカクテルを黒色腫癌患者にワクチン注射して得られ
るT細胞クローンの特異性を示す。
【0029】実施例 ペプチドの合成: 固相ペプチド合成法を使用してペプチドを合成した。適当な側鎖保護(Ser(tBu
), Thr(tBu),Lys(Boc),His(Trt),Arg(Pmc),Cys(Trt),Asp(O-tBu),Glu(O-tBu))を
行ったN-a-Fmoc-アミノ酸を使用した。Fmoc-アミノ酸はカップリングの前にTBTU
によって活性化した。各々のカップリングの後、Fmocの選択的除去を行うために
DMF中の20%のピペリジンを使用した。樹脂からの脱着と側鎖保護基の最終的除
去は、適当なスキャベンジャーを含有する95%TFA(水性)を使用して行った。ペ
プチドを精製し、逆相で分析した。ペプチドを分析し、ペプチドについての標準
的な方法で特性を調べた。 この方法により、下記のRASペプチドを合成した。
【0030】 表1 位置12及び13に突然変異を有するRASペプチド及び対応する正常p21配列
【0031】 表2 位置61に突然変異を有するRASペプチド及び対応する正常p21配列
【0032】生物学的実験 単一ペプチドの代わりにrasペプチドのカクテルをワクチン注射することによ
りワクチン注射の効力が増大する。膵臓癌又は結腸直腸癌を有する癌患者群にお
ける2つのタイプのワクチン療法を比較することにより、免疫応答を取得する患
者のパーセンテージは、単一RASペプチドをワクチン注射した場合に比較して、
突然変異RASペプチドのカクテルをワクチン注射した癌患者の群において著しく
高いことが認められた。このことは、結腸直腸癌及び膵臓癌を有する患者につい
て、それぞれ、図1及び2に示されている。
【0033】 図1においては、位置12及び/又は位置13で突然変異が生じているRASペプチド
を結腸直腸癌患者にワクチン注射した2つの診療試験からの結果が比較されてい
る。一方の試験では、1種の単一突然変異RASペプチド、即ち、配列 id No.2,3,
4,6又は7のいずれか一つを患者にワクチン注射し、他方の試験では、5種の突
然変異RASペプチドの全てを含有するカクテルをワクチン注射に使用した。単一
ペプチドをワクチン注射した患者においては、52%(27人のワクチン注射患者中
、14人)が免疫応答を取得し、5種のペプチドのカクテルをワクチン注射した患
者においては免疫応答率は67%であった(23人のワクチン注射患者中、18人)。単
一ペプチドはGM-CSF(30mg)と共に、ジュークス(Dukes)B及びC患者に2つの系
列で皮内投与した;最初、100mgのペプチドを、一週間毎に4回注射し、ついで
、最後の注射から4週間後に4 x 300mgのペプチドを、同様に、一週間毎に、各
回300mgを4回投与した。5種のペプチドカクテルは、GM-CSF(30mg)と共に、ジュ
ークスC及びD患者に投与した;この場合、15人の患者に、500mgのカクテル(各
々のペプチド100mg)を、一週間毎に4回投与し、12人の患者に、2000mgのカクテ
ル(各々のペプチド400mg)を、4回投与した。応答患者数は低投与量の群では10名
(67%)であり、高投与量の群では8名(67%)であった。単一ペプチドワクチンを投
与された患者群は、主として、より良好な診療状態にある患者(主として、ジュ
ークス段階B及びCにある切除された(resected)患者)を含有しており、これに
対して、ワクチンカクテルを投与された患者群は、主として、病気の進行した患
者(化学療法/放射線治療に応答しない、肝臓に転移したジュークス段階Dの患者
)を含有していることが注目される。後者の群の患者の免疫状態は、2つの前処
置(細胞増殖抑制(cytostatics)及び放射線照射)が著しく免疫機能を損なうこと
があるため、前者の群より低いと考えられる。従って、ワクチンに対する応答数
が進行した病気を有する群において高いということは、全く、予期しなかったこ
とである。
【0034】 同一患者における単一ペプチドワクチンの投与量を増大させても、応答者の数
は増大しないので、投与量を増大させても応答者は増大せず、そして、ペプチド
カクテルの投与量の高い群及び低い群において応答者の数は同一である。
【0035】 図2においては、位置12で突然変異が生じているRASペプチドを膵臓癌患者に
ワクチン注射した2つの診療実験からの結果が比較されている。一方の実験では
、膵臓癌を切除(ホイップル手術)した患者に、1種の単一突然変異RASペプチド
、即ち、配列 id No. 2, 3,4又は6のいずれか一つをワクチン注射し、手術不可
能な(末期)膵臓癌を有する患者を包含する他方の実験では、4種の突然変異RAS
ペプチドの全てを含有するカクテルをワクチン注射に使用した。この場合も、ワ
クチンカクテルを投与した、病気の進行した患者は、診療状態が悪化しているに
も拘わらず、ワクチンに応答することができ、そして、驚くべきことに、応答者
の数は単一ペプチドワクチンを投与した癌摘出群に比較して、癌を切除していな
いこの群において多かった。単一ペプチドワクチンをワクチン注射した患者にお
いては、42%(12人のワクチン注射患者中の5人)が免疫応答を獲得し、4種のペ
プチドのカクテルを投与した患者に置いては、免疫応答率は56%(34人のワクチ
ン注射患者中の19人)であった。単一ペプチドはGM-CSF(30μg)と共に癌切除患者
に皮下投与した;この場合、100μgのペプチドを6回、即ち、最初の4回は1週
間毎に、4回目と5回目の間に2週間置いてそして5回目と6回目の間に4週間
置いてを注射した。4種のペプチドのカクテルはGM-CSF(30μg)と共に、単一ペ
プチドの投与と同一のスケジュールに従って、400μg(各々のペプチド100μg)を
6回注射した。
【0036】 同様に、ワクチンカクテルを投与した、病気の進行した患者は、診療状態が悪
化しているにも拘わらず、ワクチンに応答することができ、そして、驚くべきこ
とに、応答者の数は、ワクチンカクテルを投与した、癌を切除していない患者の
群において多かった。
【0037】 図1及び図2に示す結果は、ワクチンカクテルは単一ペプチドワクチンより優
れておりかつ免疫応答に対して好ましくない診療条件下においても効力が大きい
ことを示している。
【0038】 更に、図3及び図4にはRASペプチドの混合物をワクチン注射することにより
、混合物中の種々のペプチドの全てに対してT細胞を活性化(raise)させること
ができることが示されている。
【0039】 図3には、位置12及び13で突然変異が生じている、異なる5種のrasペプチド
、配列 id No.2,3,4,6及び7のカクテルをワクチン注射した4人の結腸直腸腺癌
患者の異なる応答パターンが示されている。ペプチドカクテルは、GM-CSF(30μg
)と共に0.5mgのペプチドカクテルを週に1回の投与回数で、4回、結腸直腸腺癌
患者に皮下注射により投与した。T細胞応答を、1回の生体外刺激(in vitro
stimu-lation)の後、ワクチン注射前及びワクチン注射後のサンプルにおいて測
定した。4人の患者の全てがワクチンカクテルに対する正のDTH反応の発生を示
した。図3に示す結果は標準的な増殖検定と配列 id No.2,3,4,6,7及び8(野生型
)を有するペプチドを使用して得られた。この結果は、一人の患者はカクテル中
の5種のペプチドの全てに対して免疫応答を示すが、他の4人の患者はワクチン
中で使用されている5種のペプチドの4種に対して免疫応答を示すことを示して
いる。
【0040】 野生型ペプチドとの反応性はワクチン注射前に採取された血液サンプルでは観
察されず、ワクチン注射後のサンプル(患者2及び3)でしか観察されないので、
また、配列 id No8を有するペプチドはワクチン混合物の一部ではないので、こ
の反応性は、野生型ras配列と、突然変異により発生したアミノ酸置換のあるも
のを含有する配列の間での交差反応の能力を有するT細胞のクローンの刺激によ
るものでなければならない。かかる交差反応性を示す患者において観察される自
己免疫反応を示唆する副反応は存在しなかった。このことは腫瘍におけるp21ras
の発現のレベルは対応する非形質転換(non-transformed)組織におけるより高い
という事実に関係している。
【0041】 図4には、2人の非切除膵臓癌患者について、個々の突然変異rasペプチドに
対する異なるT細胞応答が示されている。配列 id.No.2,3,4及び6を有する4種
の突然変異rasペプチドを含有するカクテルをワクチン注射した。T細胞応答は
末梢血液単核細胞(PBMC)中で生体外で検討した。ここでは、2人の患者からの
PBMCを、生体外での1回の刺激の後、4種の単一突然変異ペプチド(配列 Id.No.
2,3,4及び6)及び正常rasペプチド(配列 id.No.8)に対して試験した。要約すれば
、PBMCを15%の熱不活性化ヒト血清で置換したRPMI-1640(Gibco,Paisley,UK)1m
l中の、25μMの単一突然変異rasペプチド又は突然変異rasペプチド混合物と共に
、24-ウエルプレート(24-well plate)(Costar)中のウエル1個当り1 x 106個接
種した。培養3日後、培地に10U/mlのIL-2(Amersham)を補充した。培養細胞(5
x 104/ウエル)を、9−12日後、APCsとして自己、照射(30Gy)PBMC(細胞 5 x 10 4 /ウエル)を使用することにより、IL-2(1U/ml)を使用するか又は使用することな
しに、25μMの濃度の単一突然変異rasペプチド/ペプチド混合物及び正常rasペプ
チドに対する特異的増殖能力を試験した。増殖は3H-チミジン3.7x104Bq/ウエル(
Amersham)と共に終夜インキュベーションを行った後、3日目に測定した。測定
値は三重反復試験からの、1分当りの平均カウント数(cpm)で示されている。抗
原特異性応答は、刺激指数(stimulatory index)(SI)(抗原を使用した場合の応
答数を、抗原を使用しない場合の応答数で割った値)が2以上の場合、正である
と考えられる。両方の患者がワクチンの副成分(配列 id.No.2,3,4及び6)の全て
に対して免疫応答を示した。
【0042】 図5には結腸直腸腺癌を有する患者にワクチン注射した後に得られる末梢T細
胞の反応性が示されている。患者に、位置12及び13が突然変異を生じている7種
の異なるrasペプチド、配列 id No1,2,3,4,5,6及び7からなるカクテルをワクチ
ン注射した。ペプチドカクテルを結腸直腸腺癌が進行し患者(ジュークスD)に、
GM-CSF(30μg)と共に、4つの異なる部位に、0.7mgのペプチドカクテルを週1回
の投与回数で、4回注射した。試験結果は、異なるras突然変異の5つと反応する
T細胞は生じているが、野性型rasとの交差反応を示さないことを示している。
T細胞応答は前記したごとき方法で測定した。要約すれば、PBMCは配列
id No1,2,3,4,5,6,7及び8(野性型)を有するペプチドを使用して、標準的増殖検
定法に従って生体外刺激の後に試験した。
【0043】 更に、RASペプチドのカクテルをワクチン注射することにより異なる突然変異
と交差反応するT細胞が生じることが示されている。
【0044】 図6には、膵臓癌の進行した患者にワクチン注射をした後に得られる、腫瘍侵
潤リンパ球(TILs)の反応性が示されている。患者に、位置12が突然変異を生じて
いる4種の異なるrasペプチド、配列 id No.2,3,4及び6からなるカクテルを投与
した。ペプチドカクテルは、膵臓癌の進行した患者に、GM-CSF(30μg)と共に皮
下投与した;この場合、0.4mgのペプチドカクテルを6回、注射した;即ち、最
初の4回は1週間毎に、4回目と5回目の間に2週間置いてそして5回目と6回
目の間に4週間置いて注射した。患者がペプチドのワクチン注射により上首尾に
免疫された後に採取された腫瘍バイオプシー(tumour biopsy)からT細胞が得ら
れた(正のDTHテスト)。TILsは、組換え体ヒトインターロイキン2(rIL2)中で
の共培養(coculture)により生体外で広範囲に拡大し(expand)、モノクローナル
抗体を使用する分析により、同一のT細胞レセプターVβ鎖を均質に発現してい
ることが示され、モノクローナル起源のTIL細胞系統が発生していることを示し
た。図6の結果は、TIL細胞系統がワクチンカクテル中に含有されている、4種
の異なる突然変異rasペプチドの全てと交差反応することを示している。TLSを配
列 id No 2,3,4及び6を有するペプチドを使用して、標準的増殖検定法に従って
試験した。
【0045】 rasペプチドの混合物を使用するワクチン注射によって生じるras特異性T細胞
の、種々のras突然変異との広範囲の(extensive)交差反応もクロナールレベルで
示された。図7には膵臓癌の進行した患者に、位置12で突然変異が生じている4
種の異なるrasペプチド、配列 id No 2,3,4及び6からなるカクテルをワクチン注
射した後に得られる5種のT細胞クローンの特異性が要約されている。この結果
はT細胞クローンが前記したごとき単一RAS突然変異(TLC1、TLC2及びTLC4)につ
いて厳格に特異的であるか、又は、2種又はそれ以上の、異なるRAS突然変異
(TLC4及びTLC5)と交差反応性であり得ることを示している。この患者から生じた
TLCは野性型RAS(配列 id.No.8)との交差反応の証拠を示さなかった。ペプチド
カクテルは図6について述べたごとくして投与した。T細胞クローンは限定希釈
条件下でのクローニングにより、正の遅延型過敏症試験(DTH)試験によりワクチ
ンに対して免疫応答を示す患者からの血液サンプルから得られた。図7に示す結
果は、標準的増殖検定法及び配列 id No 2,3,4,6及び8(野性型)ペプチドを使
用して得られた。
【0046】 図8には、黒色腫患者に、位置61が突然変異を生じている4種の異なるRASペ
プチド、配列id.No,9,10,11及び10のカクテルをワクチン注射した後の抹消血液
から得られたT細胞クローンの特異性が示されている。この結果は、単一RAS突
然変異について厳密に特異的であるT細胞並びに4種の異なるRAS突然変異の2
種、3種と交差反応性であるT細胞が、このペプチドのカクテルのワクチン注射
によって生成されることを示している。検討したT細胞クローンはいずれも、野
生型RASとの交差反応の証拠を示さなかった。ペプチドカクテルは、癌を切除し
た患者に、GM-CSF(30μg)と共に皮下投与した;この場合、0.32mgのペプチドカ
クテルを6回注射した;即ち、最初の4回は1週間毎に、4回目と5回目の間に
2週間置いてそして5回目と6回目の間に4週間置いて注射した。T細胞クロー
ンは限定希釈条件下でのクローニングにより、正の遅延型過敏症試験(DHT)試験
によりワクチンに対して免疫応答を示す患者からの血液サンプルから得られた。
図8に示す結果は標準的増殖検定法及び配列 id No 13,14,15,16及び17(野生型)
のペプチドを使用して得られた。
【0047】 この結果は、患者の腫瘍中に実際に存在するras突然変異に対応しない、投与
されたカクテル中に含有されているRASペプチドも、交差反応性のために診療的
に関連するT細胞を生じるということを示している。交差反応性T細胞は単一ペ
プチドのワクチン注射の後には決して観察されず、従って、RASペプチドカクテ
ルを使用することは癌に関連するras突然変異に対する免疫応答を更に増大させ
るための新規な方法である。この明細書に示されているデーターは、突然変異 rasペプチドのカクテルを投与された患者の大部分において、ワクチン製剤中に
含まれる副成分の多くのものに対する免疫応答が観察されることを示している。
このことは重要であり、種々の突然変異rasペプチドの間には免疫優性(immunodo
minance)は存在しないこと及び最も普通のHLA分子によってT細胞にペプチドが
提供されることを示している。かくして、種々の突然変異rasペプチドからなる
癌ワクチンはHLA-タイピング(HLA-typing)を必要とせずにかつras突然変異の決
定の前に診療の設定において広く使用し得る。実際に、突然変異ペプチドのカク
テルを使用することにより、診療に関連する交差反応性T細胞が患者内に生じる
であろう。ペプチドワクチン注射後のビオプシー試料中で発見され得る腫瘍浸潤
リンパ球における抗突然変異ras反応性(anti mutant ras reactivity)を示す図
6に示される結果は、これらが交差反応性T細胞がその標的腫瘍領域の位置をそ
の場で決定することができることを示しているという理由で重要である。
【0048】投与 本発明によるペプチド混合物はWO 92/14576号に記載の方法で投与し得る。 本発明のプチド混合物は1ナノグラム(1ng)〜1グラム(1g)の量で、ワクチン
注射すべき平均的ヒト患者又は個体に投与し得る。1ミクログラム(1mg)〜1ミ
リグラム(1mg)の範囲の投与量を使用することが好ましい。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 位置12及び/又は位置13で突然変異が生じているRASペプチドを結腸直腸癌患者
にワクチン注射した2つの診療実験からの結果が比較されている。
【図2】 位置12で突然変異が生じているRASペプチドを膵臓癌患者にワクチン注射した
2つの診療実験からの結果が比較されている。
【図3】 位置12及び13で突然変異を生じている5種の異なるRASペプチド、配列 id No.
2,3,4,6及び7のカクテルによるワクチン注射を行った、4人の結腸直腸腺癌患
者の異なる応答パターンを示す。
【図4】 2人の応答患者についての、個々の突然変異rasペプチドに対する、異なるT
細胞応答を示す。
【図5】 結腸直腸腺癌患者にワクチン注射をした後に得られる末梢T細胞の反応性を示
す。
【図6】 膵臓癌の進行した患者にワクチン注射をした後に得られる、腫瘍侵潤リンパ球
(TILs)の反応性を示す。
【図7】 rasペプチド混合物のワクチン注射により生じたras特異性T細胞についての、
異なるras突然変異による拡張的交差反応性(extensive cross reactivity)もク
ローンレベルで示された。これは図7に示されている。
【図8】 位置61で突然変異を生じている4種の異なるRASペプチド、配列 id No.9,10,
11及び10のカクテルを黒色腫癌患者にワクチン注射して得られるT細胞クローン
の特異性を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年6月22日(2001.6.22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 モラー,モナ ノルウエー国 エヌ−3925 ポルスグル ン,スクルケロトペン 8 Fターム(参考) 4C084 AA02 BA01 BA02 BA08 BA18 BA19 BA23 CA18 CA27 DA25 MA01 MA02 NA14 ZB012 ZB261 ZC752 4C085 AA03 AA13 AA14 BB01 BB17 CC03 CC21 DD62 EE05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a) 対応するオンコージンタンパク質のフラグメントと比較し
    て突然変異点又は転位点を有し; b) 癌細胞又は他の抗原提示細胞(APC)によって提供されるごとき、加工された
    オンコージンタンパク質フラグメントに相当するか、その全体を包含するか又は
    そのフラグメントであり;そして c) プロセッシングにより前記細胞によって産生されるかつHLA分子において提
    供される実際のオンコージンタンパク質フラグメントに対する特異的なT細胞応
    答を誘発するもの; と定義されるペプチドの少なくとも2種からなるペプチド混合物の、癌の予防及
    び/又は処置用治療剤の製造のための使用。
  2. 【請求項2】 a) 対応するオンコージンタンパク質のフラグメントと比較し
    て突然変異点又は転位点を有し; b) 癌細胞又は他の抗原提示細胞(APC)によって提供されるごとき、加工された
    オンコージンタンパク質フラグメントに相当するか、その全体を包含するか又は
    そのフラグメントであり;そして c) プロセッシングにより前記細胞によって産生されるかつHLA分子において提
    供される実際のオンコージンタンパク質フラグメントに対する特異的なT細胞応
    答を誘発するもの; と定義されるペプチドの少なくとも2種からなるペプチド混合物の、癌の予防及
    び/又は処置用ワクチンの製造のための使用。
  3. 【請求項3】 a) 対応するオンコージンタンパク質のフラグメントと比較し
    て突然変異点又は転位点を有し; b) 癌細胞又は他の抗原提示細胞(APC)によって提供されるごとき、加工された
    オンコージンタンパク質フラグメントに相当するか、その全体を包含するか又は
    そのフラグメントであり;そして c) プロセッシングにより前記細胞によって産生されるかつHLA分子において提
    供される実際のオンコージンタンパク質フラグメントに対する特異的なT細胞応
    答を誘発するもの; と定義されるペプチドの少なくとも2種からなるペプチド混合物の、癌の予防及
    び/又は処置用医薬組成物の製造のための使用。
  4. 【請求項4】 ペプチドが、位置12及び/又は13の残基Gly及び/又は位置61の
    Glnが任意の他のアミノ酸によって置換されていること以外、天然のp21 ras タ
    ンパク質のごときアミノ酸配列を有する、請求項1〜3に記載の使用。
  5. 【請求項5】 ペプチドは、A及びB: A) 表1に示されるペプチド(配列同定No.1,2,3,4,5,6及び7)又はそのフラグメ
    ント; B) 表2に示されるペプチド(配列同定No.9,10,11,12,13,14,15及び16)又はそ
    のフラグメント; からなる群から選ばれる、請求項1〜3に記載の使用。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5に記載のペプチド混合物と製剤学的に許容される
    担体、稀釈剤及び/又は賦形剤とからなる医薬組成物。
  7. 【請求項7】 請求項3〜5に記載のペプチド混合物を製剤学的に許容される
    担体、稀釈剤及び/又は賦形剤に配合する工程からなる医薬組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項2、4及び5に記載のペプチド混合物と製剤学的に許容
    される担体、稀釈剤及び/又は賦形剤とからなる癌ワクチン。
  9. 【請求項9】 請求項2、4及び5に記載のペプチド混合物を製剤学的に許容
    される担体、稀釈剤及び/又は賦形剤に配合する工程からなる癌ワクチンの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 生体内又は生体外で請求項1〜5に記載のペプチド混合物で
    刺激することにより、オンコージンタンパク質に対するT細胞免疫を誘発するこ
    とからなる、癌に悩んでいる患者の処置方法。
  11. 【請求項11】 ペプチド混合物の使用量は、各々の投与当り、1ナノグラム
    (1ng)〜1グラム(1g)、好ましくは、1マイクログラム(1mg)〜1ミリグラム(1mg)で
    ある、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 生体内で請求項2、4又は5に記載のペプチド混合物で刺激
    することにより、オンコージンタンパク質に対するT細胞免疫を誘発することか
    らなる、癌の素因を有するか又は癌に悩んでいる人のワクチン注射方法。
  13. 【請求項13】 請求項2、4又は5に記載のペプチド混合物を、1回又はそ
    れ以上、特異的なT細胞免疫オンコージンタンパク質の誘発に十分な量投与する
    ことからなる、癌の素因を有するか又は癌に悩んでいる人のワクチン注射方法。
  14. 【請求項14】 ペプチド混合物の量は、各々の投与当り、1ナノグラム (1ng)〜1グラム(1g)、好ましくは、1マイクログラム(1mg)〜1ミリグラム(1mg)で
    ある、請求項13に記載の方法。
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