JP2005533387A - カメラモジュール、カメラモジュール中で使用されるホルダ、カメラシステム及びカメラモジュールの製造方法 - Google Patents

カメラモジュール、カメラモジュール中で使用されるホルダ、カメラシステム及びカメラモジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、カメラモジュール100に関する。カメラモジュール100は、光伝導チャネル121を提供するホルダ102を有している。光伝導チャネル121内には、光軸106を備えたレンズ112が設けられる。固体撮像素子又はイメージセンサ113が、光伝導チャネル121の端部122の近くに設けられている。固体撮像素子113は、光軸106に垂直に向けられた撮像部114を備えている。光伝導チャネルの端部122の近くには、撮像部114を光軸106に対して位置合わせする位置合わせ手段131がホルダ102の一部をなした状態で設けられている。カメラモジュール100の一実施形態では、ホルダ102の内壁130は、光軸106に垂直な方向に断面図で見てほぼ矩形である。矩形のコーナー部(かど)の近くに設けられた突出部131が、位置合わせ手段となっている。突出部131は、L字形凹部132を備え、固体撮像素子113の側面125がほぼ遊び無く凹部132内に位置している。撮像部114を光軸106に位置合わせするこの方法は、カメラモジュール100の製造を単純化する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、光軸を有するレンズが納められる光伝導チャネルを備えたホルダと、前記光伝導チャネルの端部の近くに設けられていて、光軸に垂直に向けられた撮像部を含む固体撮像素子とを有するカメラモジュールに関する。
本発明は又、光伝導チャネルを備えたホルダであって、光伝導チャネルが、カメラモジュール中に用いられるようになっており、光軸を有するレンズを収納するよう構成され、更に、撮像部を有する固体撮像素子を光伝導チャネルの端部の近くに配置するよう構成されているホルダに関する。
本発明は又、ホルダを備えたカメラモジュールを有するカメラシステムに関する。
本発明は更に、ホルダを有するカメラモジュールを製造する方法に関する。
かかるカメラモジュールは、欧州特許出願公開第1081944号明細書で知られている。公知のカメラモジュールは、カメラシステム、例えば電話、ポータブルコンピュータ、ディジタルフォトカメラ又はディジタルビデオカメラに組み込まれたカメラシステムに用いられるのに適している。公知のカメラモジュールでは、撮像モジュールをホルダの第2の端部に当接させる。公知のカメラモジュールの撮像モジュールは、基板を有している。ホルダから遠ざかる方向に向いていて、導電性配線パターンが形成された基板の側部上には固体撮像素子、例えばCCD(電荷結合デバイス)イメージセンサ又はCMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサが設けられている。固体撮像素子は、一部がカメラモジュールによって構成されているカメラシステム中の別の電子回路に例えば適当に選択された材料、例えば金又は別の導電性材料のバンプの形態をした導電性接続部により電気的に接続されている。基板の方に向いた固体撮像素子の一方の側部は、入射光を電気信号に変換するよう構成された光電性領域を有している。
公知のカメラモジュールの一形態では、基板は、上記の配線パターンが施された可撓性箔で被覆されている不透明な材料、例えば金属プレートから成り、金属プレートには、光を固体撮像素子の光電性領域に伝送するアパーチュアが設けられている。別の形態では、基板は、導電性配線パターンが固体撮像素子の方に向いた側部に施されている例えばガラスのような光伝送材料から成っている。
公知のカメラモジュールの一欠点は、これには複雑な製造方法が必要であり、それによりカメラモジュールが比較的コスト高になるということにある。
本発明の目的は、簡単な製造を可能にするよう設計されたカメラモジュールを提供することにある。この目的は、ホルダの一部をなす位置合わせ手段が、光伝導チャネルの端部の近くに設けられ、位置合わせ手段が、撮像部を光軸に対して位置合わせすることを特徴とする本明細書の冒頭の段落に記載されたカメラモジュールで達成される。
本発明のカメラモジュールでは、ホルダ内の固体撮像素子の位置は、位置合わせ手段により固定される。かくして、光軸に対する撮像部の位置も又固定される。したがって、製造中、撮像部を光軸に対して位置合わせするためには位置合わせ手段を用いて固体撮像素子をホルダ内に配置するだけで事足りる。この結果、カメラモジュールの製造が単純化される。
さらに注目できることとして、本発明のカメラモジュールの固体撮像素子は、公知のカメラモジュールの場合のように撮像モジュール内に収納されるということはない。これとは異なり、固体撮像素子をホルダ内に直接配置できる。この結果、すでにこれ自体により、カメラモジュールの製造が単純化される。別の結果として、特に光軸に平行な方向においてカメラモジュールの寸法形状の減少が得られる。利用可能なスペースの量がカメラモジュールが用いられる多くの用途において非常に制限され、恐らくは、将来の用途においては更に一段と減少することになることに鑑みて、これも又有利である。
本発明のカメラモジュールの一実施形態は、撮像部が、固体撮像素子の主要面に平行な平面内に延び、固体撮像素子が、主要面に少なくともほぼ垂直に向けられた側面を有し、光伝導チャネルが、光軸に垂直な方向において断面図で見て端部の近くが少なくともほぼ多角形である内壁を有し、位置合わせ手段が、多角形のコーナー部の近くに設けられた突出部から成り、突出部が、内壁に隣接して位置していて、固体撮像素子の側面に当接し、その結果、固体撮像素子が、光軸に垂直な方向においてほぼ遊び無くホルダ内に収納されることを特徴とする。
突出部によりホルダの内壁と固体撮像素子の側面との間には遊びがほぼ存在しない状態のままなので、固体撮像素子の位置及びかくして撮像部の位置は、レンズの光軸に垂直な平面内に固定される。かくして、撮像部を光軸に対して位置合わせするためには、主要面が光軸に垂直に延びると共にレンズの方に向いた状態で固体撮像素子を突出部相互間に配置するだけで事足りる。これにより、光軸に対する撮像部の位置合わせに関し、カメラモジュールの製造が一層単純化される。
本発明のカメラモジュールの別の実施形態は、突出部の内側部は、L字形の凹部を有し、その結果、各突出部は、固体撮像素子の2つの相互に隣り合う側面にほぼ遊び無く当接することを特徴とする。
突出部をこのように構成すると、主要面が光軸に垂直に延びると共にレンズの方に向いた状態で固体撮像素子を突出部相互間に配置することが一層容易になる。これにより、光軸に対する撮像部の位置合わせに関し、カメラモジュールの製造が一層単純化される。
本発明のカメラモジュールの別の実施形態は、凹部が各々、光軸に垂直な平面に平行に延びる表面を有し、該表面が、固体撮像素子の主要面がほぼ遊び無く当接する当接面を形成し、それにより撮像部からレンズまでの距離を決定することを特徴とする。
固体撮像素子をいったんホルダ内に設けると、固体撮像素子の主要面は、これが当接する当接面に平行に延びる。その結果、固体撮像素子の撮像部も又、当接面に平行に延びる。当接面は、光軸に垂直に向けられている。かくして、固体撮像素子の配置後、撮像部は光軸に垂直に向けられるようになる。この向きにより、使用中レンズにより撮像部上に投影される像の品質が向上する。これにより、カメラモジュールの製造が一段と単純化される。
このようにすると、撮像部をレンズから見て遠くの所定の距離のところに位置決めできるようになる。レンズ及びバレルの寸法公差が十分に小さい場合、バレルをホルダ内に収納する際、レンズの焦点合わせを行う必要はもはやない。一般に、焦点合わせは、十分に高い精度で実施する必要のある時間のかかる工程である。かくして、この工程を省いた結果として、カメラモジュールの製造が単純化されることになる。
本発明のカメラモジュールの別の実施形態は、別の凹部が、光伝導チャネルの端部の近くでホルダに設けられ、その結果、固体撮像素子の主要面が、別の凹部の配設場所のところではホルダに接触しないことを特徴とする。
上記凹部を設けることにより、固体撮像素子の主要面又は光伝導チャネルの端部のでこぼこがあると、これにより固体撮像素子中に機械的応力が生じる場合がある。かかる応力は、固体撮像素子の寿命を短くし、又は固体撮像素子の損傷を引き起こす場合がある。
本発明のカメラモジュールの別の実施形態は、固体撮像素子の主要面及び多角形が、形状が少なくともほぼ同一であり、多角形の表面積は小さく、その結果、側面の近くに位置する主要面の一部が、光伝導チャネルの端部の近くではホルダの外壁よりも光軸から一層遠くに位置していることを特徴とする。
この構成の利点は、固体撮像素子上の集積回路をカメラシステム中に設けられた他の電子回路に電気的に接続する機械的にかなり損傷しやすいボンディングワイヤがこのようにグロブトップ(globtop)材料で完全に被覆可能であり、このグロブトップ材料によりホルダとホルダが取り付けられた基板との間の接続部が強化されるということにある。
カメラモジュールに用いられるホルダであって、光軸を有するレンズを収納するよう構成された光伝導チャネルを備え、光伝導チャネルが更に、撮像部を有する固体撮像素子を光伝導チャネルの端部の近くに配置するよう構成されているホルダは、ホルダの一部をなす位置合わせ手段が、撮像部を光軸に対して位置合わせするために光伝導チャネルの上記端部の近くに設けられていることを特徴とする。
本発明のホルダでは、撮像部を有する固体撮像素子が配置される位置は、位置合わせ手段によって固定される。かくして、光軸に対する撮像部の位置も又固定される。かくして、カメラモジュールの製造時、撮像部を光軸に対して位置合わせするためには位置合わせ手段を用いて固体撮像素子をホルダ内に配置すれば事足りる。その結果、カメラモジュールの製造は、カメラモジュールを製造する際に本発明のホルダを用いることにより単純化される。
本発明のカメラシステムは、光軸を有するレンズが納められている光伝導チャネルを備えたホルダを有するカメラモジュールを含み、光軸に垂直に向けられた撮像部を備えた固体撮像素子が、光伝導チャネルの端部の近くに設けられ、ホルダの一部をなす位置合わせ手段が、撮像部を光軸に対して位置合わせするために光伝導チャネルの前記端部の近くに設けられていることを特徴とする。
本発明のカメラシステムは、ホルダ内での固体撮像素子の位置が位置合わせ手段によって固定されるカメラモジュールを採用している。かくして、光軸に対する撮像部の位置も又、固定される。したがって、製造の際、撮像部を光軸に対して位置合わせするためには、位置合わせ手段を用いて固体撮像素子をホルダ内に配置するだけで事足りる。この結果、カメラシステムの製造が単純化される。
ホルダを有するカメラモジュールを製造する方法は、ホルダに位置合わせ手段を設け、固体撮像素子が前記ホルダ内へのその配置の際に位置合わせ手段と接触するようにし、その結果、固体撮像素子上に設けられた撮像部を光軸に対して位置合わせすることを特徴とする。
製造の際、光軸を有するレンズをホルダ内に配置する。カメラモジュールの正確な動作を得るには、固体撮像素子を光軸に垂直な平面内において光軸に対し位置合わせすることが重要である。これを達成するために、カメラモジュールは、製造時に位置合わせ手段を備える。光軸に対する撮像部の自動位置合わせは、ホルダ内への固体撮像素子の配置時、固体撮像素子を位置合わせ手段に接触させることにより達成される。この結果、カメラシステムの製造が単純化される。
次に、図面を参照して、本発明のこれらの特徴及び他の特徴を詳細に説明する。
図中、同一の部分は同一の符号で示されている。
図1A〜図1Dは、本発明のカメラモジュールの実施形態を概略的に示している。図1Aは、本発明のカメラモジュール100の側面図である。カメラモジュールは、ホルダ102内に設けられたバレル又は鏡筒101、ホルダ102が接着材料104で取り付けられた可撓性材料(可撓性箔)の基板105、ホルダ102の内部を密封するグロブトップ(glob top)材料から成る密封体又はシール103を有する。接着材料104は、例えば適当に選択されたグルーである。カメラモジュールの光軸は、一点鎖線106で示されている。バレル101から基板105まで測定したカメラモジュールの通常の高さは、例えば約5.0〜5.5mmである。バレルの通常の直径は例えば、約5.5〜6.0mmである。しかしながら、他の寸法もまた可能である。これは、中でもレンズの直径及び焦点距離で決まる。
図1Bは、カメラモジュール100を平面図で示している。この図は、基板105、ホルダ102及びバレル101を示している。光軸106は、線110,111の交点によって表されている。これに加えて、ホルダ102は、中心軸線を備えている。カメラモジュールの組立て後、この中心軸線は、カメラモジュールの図示の実施形態の光軸106と一致する。図1Bでは、この中心軸線は、光軸と同様、線110,111の交点によって表されている。図1Bは又、バレル101内に設けられたレンズ112を更に示している。さらに、図1Bは、撮像部114を搭載した固体撮像素子113を示している。固体撮像素子113は、固体撮像素子113上に施された一体形電子回路をボンディングワイヤ116を介して基板上のパッド117に電気的に接続する結合パッド115を備えている。パッド117をパターン状の導電路によってカメラシステム中の他の電子回路に接続すると共に電源、例えばバッテリー又は電源アダプタの出力に接続するのがよい。このようにすると、固体撮像素子113に所要の電圧を供給することができ、撮像部114内で入射光により生じた電気信号を例えばカメラシステム中の他の電子回路に伝送することができる。ホルダ102の通常の長さは例えば、約6.5〜7.0mmである。ホルダ102の通常の幅は例えば、約6.0〜6.5mmである。しかしながら、他の寸法もまた可能である。これは、中でも撮像部114の寸法形状で決まり、かかる撮像部114の寸法形状は、中でも撮像部114中の画素数及び個々の画素の寸法形状で決まる。
図1Cは、図1BのAA′平面に沿って取ったカメラモジュール100の縦断面図であり、このAA′平面は、光軸106に平行に向けられている。この図は、レンズ112及び赤外フィルタ120を収納したバレル101を示している。バレル101は、ホルダ102内に設けられている。ホルダは、外壁126を有している。ホルダ102の内側には、端部122を備えた光伝導チャネル121が設けられている。図1Cに示すように、光伝導チャネル121の直径は、外壁126と光軸106との間の距離が次第に小さくなっているのでレンズ112から固体撮像素子に向かう方向に減少している。これは、縦断面の平面の前後に位置する外壁126の部分にも当てはまる。光軸106に垂直な方向で見て端部122の近くの光伝導チャネルの直径は、光軸106に垂直な方向に見た固体撮像素子113の直径よりも小さい。その結果、光伝導チャネル121の端部122は、固体撮像素子113の主要面123と向かい合って位置している。ホルダ102と基板105の取付け箇所の近くでホルダ102の外壁126に当接してグロブトップ材料103が設けられ、このグロブトップ材料103は、ホルダ102と基板との間の接続部を強化し、ボンディングワイヤ116を覆うと共に光伝導チャネルを密封している。固体撮像素子113は、レンズ112の方へ向いた主要面123及び通常のやり方で基板105に取り付けられた第2の主要面124を有している。主要面123及び第2の主要面124は、光軸106に垂直に向けられている。図1Cは、固体撮像素子113の側面125を更に示している。これら側面は、主要面123及び第2の主要面124に垂直に向けられた状態でこれらに当接している。最後に、図1Cはまた、ボンディングワイヤ116を示しており、これらボンディングワイヤは、図1Bに示されている結合パッド115をパッド117に電気的に接続している。図1Cは、図1Bに示されている結合パッド115をパッド117に電気的に接続するボンディングワイヤ116を更に示している。図1Cに更に示すように、ホルダ102の外壁126は、端部122の近くでは光軸106に非常に近く位置しているので結合パッド115が設けられている固体撮像素子113の側面125の近くの主要面123の部分は、ホルダ102の外部に位置するようになっている。
図1Dは、図1AのBB′平面に沿って取ったカメラモジュール100の断面図であり、この平面は、光軸106に垂直に向けられている。この図は、ホルダ102及び内壁130を断面図で示している。内壁130は、BB′平面に沿って見て矩形である。この矩形の中には、固体撮像素子113が設けられ、この主要面123及びその境界部内に位置する撮像部114は、平面図で示されている。主要面123は、これ又矩形であり、これは内壁130によって包囲されている。突出部又は膨出部131が、内壁の断面により形成された矩形のコーナー部(かど)の近くに設けられている。突出部131は、光伝導チャネル121の端部122を越えて延びている。突出部131は、内側部に凹部132を備え、この凹部は、図示のように断面図で見てL字形である。L字形凹部132は、ほぼ遊び無く固体撮像素子113の側面125に当接している。これにより、撮像部114が光軸106に対して位置合わせされるようになる。これは原理的には必要ではないが、突出部131は通常、ホルダ102と一体である。というのは、これにより全体の製造が簡単になるからである。既に図1Cを参照して述べたように、断面図で見て、外壁126により包囲された領域の外部でパッド117とボンディングワイヤ116のためのスペースが残されており、従って、かかるパッド及びボンディングワイヤの全体がホルダ102の外部に位置するようになっている。この構成の実利は、図1Cに示すように、機械的にかなり損傷しやすいボンディングワイヤ116をこのようにしてグロブトップ材料で完全に覆うことができるということにある。結論として、図1Dは、基板105を示している。
カメラモジュール100が用いられるカメラシステムは、小形にすることができるというこの利点を有している。というのは、カメラモジュール100の寸法形状は、公知のカメラモジュールの寸法形状と比較して小さいからである。カメラモジュール100が用いられるカメラシステムのもう1つの利点は、製造が安価であるということにある。というのは、カメラモジュール100は、単純であり、かくして公知のカメラモジュールよりも安価に製造できるからである。
図2A〜図2Cは、本発明のカメラモジュールの製造工程を概略的に示している。図2Aは、固体撮像素子113が基板105に搭載され、補剛材(stiffener)200が基板105のもう一方の側又は面上に設けられた状態を示す側面図である。図2Bは、基板105に搭載された固体撮像素子113の平面図である。固体撮像素子113の主要面123の境界部内には撮像部114が設けられ、これと同様、側面125に平行に延びた状態でこの近くに列をなして配列された結合パッド115がその境界部内に設けられている。固体撮像素子113が取り付けられている基板105の側部上にはパッド117も又設けられている。これらパッドは、側面125に平行に延びている。図2Cは、固体撮像素子113を基板105上に配置する仕方を斜視図で概略的に示している。
カメラモジュール100の組立てを開始する前に固体撮像素子113の機能性を試験することが慣例である。通常、これは、固体撮像素子113が依然としてウェーハ上に位置している間に行われる。かかる機能性試験を実施した後、ウェーハをダイシングする。機能性試験に合格した固体撮像素子113を次にカメラモジュール100の製造に用いる。これにより、機能しない固体撮像素子113がカメラモジュールの製造の際に用いられるのが防止される。
接着剤を可撓性箔基板105に塗布し、その後、固体撮像素子113を基板105に結合する。この接着剤は、通常のグルー又はPSA箔であるのがよい。次いで、固体撮像素子113をピックアンドプレイス(pick and place)機械によって基板上に置き、そして第2の主要面126を基板に接触させる。この後、接着剤を硬化させる。
図3A〜図3Cは、本発明のカメラモジュールの製造工程を概略的に示している。図3Aは、図2Aに示されている要素に加えて、結合パッド115(図示せず)を基板105上のパッド117(同様に図示せず)に接続するボンディングワイヤ116を示した側面図である。図3Bは、図2Bに示されている要素に加えて、結合パッド115を基板上のパッド116に接続するボンディングワイヤ116を示した平面図である。図3Cは、撮像部114を備えた固体撮像素子113の概略斜視図であり、この撮像部は、基板105上に位置し、この場合、固体撮像素子113の結合パッド115は、ボンディングワイヤ116によって基板上のパッド117に接続されている。
固体撮像素子113を基板105に取り付ける手段としての接着剤の硬化後、結合パッド115をパッド117に電気的に接続するボンディングワイヤ116を用意する。補剛材200が設けられていればその接続に有利な場合がある。補剛材を設けた結果として、固体撮像素子113と基板とから成る組立体は、ワイヤボンディング工程の実施中、即ち、ボンディングワイヤを用意している間における取扱いが容易になる。このワイヤボンディングは、公知のやり方で行うのがよい。また、固体撮像素子上の集積回路相互間の電気的接続と基板上の電気的接続は、異なるやり方で、例えばスタッドバンプを用いて行うことができる。しかしながら、スタッドバンプを用いた場合の一欠点は、これらスタッドバンプでは、大形のパッドを及びかくして広いスペースを固体撮像素子113上に設けなければならないということにある。
図4A〜図4Cは、本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示している。図4Aは、図3Aの場合と同一の要素を示す側面図である。図4Bは、図3Bに存在する要素に加えて、基板105に塗布した後の接着材料104を示す平面図である。接着材料104は、固体撮像素子113の主要面123のコーナ部のすぐ近くに塗布し、それにより、基板105上に設けられた固体撮像素子113の周囲に沿って基板105上に少なくともほぼ矩形のパターンを形成する。図4Cは、図3Cに示されている要素に加えて、基板105に塗布した後の接着材料124を示す斜視図である。接着材料104は、この目的で通常用いられるグルーであるのがよい。
図5A〜図5Cは、本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示している。図5Aは、基板105と当接状態にある側部から見たホルダ102の概略斜視図である。この図は、ホルダ102の外壁126のコーナ部の近くに設けられた突出部131を示している。図示のように、突出部131は、光伝導チャネル121の端部122を越えて延びている。突出部131は、中心軸線に垂直な方向において断面図で見てL字形の凹部132を備え、したがって突出部131は同じ断面図で見て同様にL字形になっている。カメラモジュールの組立てをいったん完了すると、ホルダ102の中心軸線は、図1Bに示されているように光軸106に平行に延びる。突出部131は各々、ホルダ102の中心軸線に垂直な平面内に延びる端部500を有している。これら端部は一緒になってボンディング領域を形成しており、このボンディング領域は、ホルダ102の中心軸線に垂直に向けられている。図5Aに更に示すように、ホルダ102の直径は、光伝導チャネル121の端部122に向かって減少している。
図5Bは、突出部131のうちの1つ及びホルダ102の内壁130とボンディング領域123の隣接部分の拡大図である。図5Bは更に、突出部131が光伝導チャネル122の端部を越えて延びている状態を一層明確に示している。突出部131は各々、ホルダ102の中心軸線に垂直な平面内に延びる第2の端部500を有している。これら第2の端部は一緒になって支持面を形成し、この支持面は、ホルダ102の中心軸線に垂直に向けられる。図5Bは、突出部131がホルダ102の中心軸線の方へ向いたL字形凹部132を内側部に備えている状態を更に示している。
L字形凹部132は、ホルダ102の中心軸線に垂直に向けられており、従って、組立て後に光軸106にも垂直向けられる表面501を有している。凹部132の表面501は一緒になって、これまたホルダ102の中心軸線に垂直に向けられる当接面を形成する。カメラモジュールの組立て時、固体撮像素子113の主要面123を当接面に接触させる。その結果、固体撮像素子113の撮像部114は、レンズ112から所定距離のところで組立て状態のカメラモジュール100の中心軸線106に垂直に延びることになる。撮像部114が光軸106に垂直に延びるということにより得られる利点は、これによりレンズ112により撮像部114上に投影される像の品質が向上する。撮像部114の光電性要素をこれらがレンズ112の焦点面内に一層正確に位置するよう配置することが可能である。撮像部114を所定距離だけレンズ112から間隔を置いて設けるということにより得られる利点は、バレル101及びレンズ112の寸法形状の公差が十分に小さくてもレンズ112を焦点合わせする必要がないということにある。通常、かかる焦点合わせは、バレル101をホルダ102内に配置するときに行われる。これはかなり高い精度で行われる必要があるので、一般に長い時間がかかり、比較的費用のかかる設備が必要である。かくして焦点合わせ工程を省くことができれば、組立てが単純化され、それにより生産コストが減少する。
図5Bは、光伝導チャネル121の端部122が凹部502を備えている状態を更に示している。これにより、固体撮像素子113をホルダ012内に配置した後は突出部131の凹部132の表面501にのみ当接するようになる。これにより、固体撮像素子中における機械的応力の発生を招く固体撮像素子の主要面又は光伝導チャネルの端部の凹凸が阻止される。かかる応力は、固体撮像素子113の寿命を短くし、又は固体撮像素子113の損傷さえ引き起こす場合がある。凹部502の深さが数ミクロンで既に十分である。固体撮像素子113をホルダ102内の定位置に通常のやり方で、例えば適当なグルーにより固定することができる。接着材料104を基板105に塗布した後、ホルダ102を基板105上の固体撮像素子113に被せる。他方、固体撮像素子113と基板105とから成る組立体をホルダ内に配置すると有利な場合がある。
図6A〜図6Cは、本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示している。図6Aは、ホルダ102が接着材料104によって基板105に取り付けられ、補剛材200が基板の他方の側又は面上に設けられた状態を示す側面図である。図示の側面図であは、固体撮像素子113は、光伝導チャネル121の端部122の下に配置され、その結果、固体撮像素子113の側面125のうちの一方及び結合パッド115に接続されたボンディングワイヤ116も又、図示の側面の近くで主要面123上に設けられている。図6Bは、接着材料104により基板105に取り付けられたホルダ102の平面図である。接着材料104は、部分的に突出部131の平面500の外部に延びている。これにより、先の工程での基板105への接着材料の塗布が簡単になる。というのは、接着材料の塗布が比較的不正確に行われていても適正な結合が保証された状態のままになるからである。さらに、固体撮像素子113の一部及びこの上に設けられた撮像部114は、光伝導チャネル121を介して見ることができる。
図6Cは、ホルダ102が接着材料104により基板105に取り付けられ、補剛材が基板105の他方の側上に設けられている状態を斜視図で示している。
図7A〜図7Cは、本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示している。図7Aは、図6Aに示されている要素に加えて、ホルダ102の外側部と基板105の両方に当接し、接着材料124によって形成されたこれら2つの相互間の接続部を遮蔽すると共に強化するグロブトップ材料103を示す側面図である。かかるグロブトップ材料は、ホルダ102と基板105との間の接合部をも強化する。図7Bは、図6Aに示されている要素に加えて、グロブトップ材料103を示す平面図である。図7Cは、図6Cに示されている要素に加えてグロブトップ材料103をホルダ102の周りに延びる縁部として示す斜視図である。
用いられるグロブトップ材料103の粘度は、その塗布時にあまり低すぎてはならない。というのは、もしそうでなければ、グロブトップ材料が十分な程度までホルダ102の外側部との接触状態を続けることがないからである。或る特定の状況下においてはグロブトップ材料を設けなくてもよい場合がある。ただし、接着材料104それ自体が、ホルダ102と基板105との間の十分なシール及び十分に強固な接続をもたらすこと及び光伝導チャネル121と固体撮像素子との間に残存する開口部を密封する必要がないことを条件とする。また、レンズ112を収納したバレル101をホルダ102内に配置するまでグロブトップ材料103を塗布しないようにすることが可能である。しかしながら、グロブトップ材料103は一般に、比較的高い温度で硬化させなければならないので、これはレンズ112の材料がかかる高温に耐えることができなければならないことを意味する。
図8A〜図8Cは、本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示している。図8Aは、図7Aに示されている要素に加えて、レンズ112を収納したバレル101を示す側面図である。図8Bは、図7Bに見られる要素に加えて、ホルダ102内に設けられたバレル101を示す平面図であり、バレルは、レンズ112を収納している。図8Cは、図7Cに示されている要素に加えて、ホルダ102内に設けられたバレル101を示す斜視図であり、このバレルは、レンズ112を収納している。
必要ならば、例えば寸法形状の公差が比較的大きいことにより、レンズ112を固体撮像素子113の撮像部114に対して焦点合わせするのがよく、その後、バレル101をホルダ102に対して定位置に通常のやり方で、例えば適当に選択したグルーを用い又はレーザ溶接或いは超音波溶接方によって固定する。レンズ112及びバレルの寸法形状の公差が十分に小さい場合、焦点合わせを省いてもよく、バレル101をホルダ102内に配置すれば事足りる。
本発明は本明細書に記載されている例には限定されず、本発明の範囲内で非常に多くの追加の変形例を想到できることは理解されよう。かくして、カメラモジュール100の種々の要素の組立て順序は、製造環境の必要性に応じて改変できる。さらに、図示の実施形態では1つのレンズを収納したバレルが示されているが、このレンズに代えてレンズ系を用いることが可能であることは理解されよう。また、基板105は必ずしも可撓性箔である必要はなく、この目的のために通常のPCB(プリント回路基板)材料を用いることも可能であることは理解されよう。PCB基板を用いた場合の一利点は、これにより、カメラモジュールの試験が容易になるということにある。というのは、試験用パッドをPCB基板に取り付けることが比較的容易だからである。これは、ホルダ102が取り付けられる基板の側部上の非使用部分に対して行われるのがよい。また、多くの場合において、試験用パッドを基板の他方の側に取り付けることも可能である。
以上要するに、本発明は、カメラモジュール100に関している。カメラモジュール100は、光伝導チャネル121を備えたホルダ102を有する。光伝導チャネル121内には、光軸106を備えたレンズ112が設けられる。固体撮像素子又はイメージセンサ113が、光伝導チャネル121の端部122の近くに設けられ、固体撮像素子113は、光軸106に垂直に向けられた撮像部114を備えている。光伝導チャネル121の端部122の近くには、ホルダ102の一部をなす位置合わせ手段131が設けられている。かかる位置合わせ手段は、撮像部114を光軸106に対して位置合わせする。カメラモジュール100の一実施形態では、ホルダ102の外壁126は、光軸106に垂直な方向に断面図で見て端部122の近くではほぼ矩形であり、位置合わせ手段は、矩形のコーナー部(かど)の近くに設けられた突出部131によって形成されている。突出部131は、凹部132を備え、この凹部は、ほぼ遊び無く固体撮像素子113の側面125に当接する。撮像部114を光軸106に位置合わせするこの方法は、カメラモジュール100の製造を単純化する。
本発明のカメラモジュールの実施形態を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの実施形態を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの実施形態を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの実施形態を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 カメラモジュールのホルダの別の製造工程を概略的に示す図である。 カメラモジュールのホルダの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。 本発明のカメラモジュールの別の製造工程を概略的に示す図である。

Claims (12)

  1. 光軸を有するレンズが納められる光伝導チャネルを備えたホルダと、前記光伝導チャネルの端部の近くに設けられていて、前記光軸に垂直に向けられた撮像部を含む固体撮像素子とを有するカメラモジュールにおいて、前記ホルダの一部をなす位置合わせ手段が、前記光伝導チャネルの端部の近くに設けられ、前記位置合わせ手段は、前記撮像部を前記光軸に対して位置合わせすることを特徴とするカメラモジュール。
  2. 前記撮像部は、前記固体撮像素子の主要面に平行な平面内に延び、固体撮像素子は、主要面に少なくともほぼ垂直に向けられた側面を有し、前記光伝導チャネルは、前記光軸に垂直な方向において断面図で見て端部の近くが少なくともほぼ多角形である内壁を有し、前記位置合わせ手段は、前記多角形のコーナ部の近くに設けられた突出部から成り、前記突出部は、前記内壁に隣接して位置していて、前記固体撮像素子の側面に当接し、その結果、前記固体撮像素子は、光軸に垂直な方向においてほぼ遊び無く前記ホルダ内に収納されることを特徴とする請求項1に記載のカメラモジュール。
  3. 前記多角形は、矩形であることを特徴とする請求項2に記載のカメラモジュール。
  4. 前記突出部の内側部は、L字形の凹部を有し、その結果、各突出部は、前記固体撮像素子の2つの相互に隣り合う側面にほぼ遊び無く当接することを特徴とする請求項2又は3に記載のカメラモジュール。
  5. 前記凹部は各々、前記光軸に垂直な平面に平行に延びる表面を有し、該表面は、前記固体撮像素子の主要面がほぼ遊び無く当接する当接面を形成し、それにより前記撮像部から前記レンズまでの距離を決定することを特徴とする請求項4に記載のカメラモジュール。
  6. 別の凹部が、前記光伝導チャネルの端部の近くで前記ホルダに設けられ、その結果、前記固体撮像素子の主要面は、前記別の凹部の配設場所のところでは前記ホルダに接触しないことを特徴とする請求項5に記載のカメラモジュール。
  7. 前記突出部は各々、端部を有し、該端部は一緒になって、前記光軸に少なくともほぼ垂直に向けられたボンディング領域を形成していることを特徴とする請求項2に記載のカメラモジュール。
  8. 前記カメラモジュールは、基板を有し、前記固体撮像素子は、前記基板に結合された第2の主要面を有し、前記基板は、接着材料によって、前記突出部の端部により形成された前記ボンディング領域に結合されていることを特徴とする請求項7に記載のカメラモジュール。
  9. 前記固体撮像素子の前記主要面及び前記多角形は、形状が少なくともほぼ同一であり、前記多角形の表面積は小さく、その結果、前記側面の近くに位置する主要面の一部は、前記光伝導チャネルの端部の近くでは前記ホルダの外壁よりも前記光軸から一層遠くに位置していることを特徴とする請求項2に記載のカメラモジュール。
  10. カメラモジュールに用いられるホルダであって、光軸を有するレンズを収納するよう構成された光伝導チャネルを備え、前記光伝導チャネルが更に、撮像部を有する固体撮像素子を光伝導チャネルの端部の近くに配置するよう構成されているホルダにおいて、前記ホルダの一部をなす位置合わせ手段が、前記撮像部を光軸に対して位置合わせするために前記光伝導チャネルの前記端部の近くに設けられていることを特徴とするホルダ。
  11. 光軸を有するレンズが納められる光伝導チャネルを備えたホルダを有するカメラモジュールを含むカメラシステムであって、前記光軸に垂直に向けられた撮像部を備えた固体撮像素子が、前記光伝導チャネルの端部の近くに設けられ、前記ホルダの一部をなす位置合わせ手段が、前記撮像部を前記光軸に対して位置合わせするために前記光伝導チャネルの前記端部の近くに設けられていることを特徴とするカメラシステム。
  12. ホルダを有するカメラモジュールを製造する方法であって、前記ホルダに位置合わせ手段を設け、固体撮像素子が前記ホルダ内への固体撮像素子の配置の際に位置合わせ手段と接触するようにし、その結果、前記固体撮像素子上に設けられた撮像部を光軸に対して位置合わせすることを特徴とする方法。
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