JP2005532443A - 長鎖分岐ポリプロピレン - Google Patents

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Abstract

本発明は、0.5〜25MeVのエネルギーを有し、50〜1000kWの出力を有する加速器により供給される電子ビームで、そして10〜120kGrayの照射量でペレット形のポリプロピレンを照射することにより、増加した溶融強度を有するポリプロピレンを製造するための方法であって、前記照射が空気の存在下で行われることを特徴とする方法を開示する。

Description

本発明は、改善された性質、特に高溶融強度を有するポリプロピレンを製造するための方法に関する。特に、本発明は、ポリプロピレンを高エネルギー電子ビームにより照射することにより改善された性質を有するポリプロピレンを製造するための方法に関する。
ポリプロピレン樹脂は種々の異なる用途で使用される。しかしながら、線状ポリプロピレン樹脂は低溶融強度を有し、このプロピレンの加工が困難であるために多数の用途でポリプロピレンの使用が制約されるという問題で悩んでいる。例えばこのポリプロピレンを電子ビームにより照射することにより、ポリプロピレンの溶融強度を増加させることは当業界で知られている。電子ビーム照射はポリプロピレン分子の構造を著しく変成することが知られている。ポリプロピレンの照射は鎖切断およびグラフト化(または分岐)を生じ、これらは同時に起こり得る。あるレベルの照射量まで、遊離末端の長い分岐を有する、あるいは長鎖分岐として既知である変成ポリマー分子をチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造した線状ポリプロピレン分子から製造することが可能である。
例えば、(特許文献1)または(特許文献2)は、ポリプロピレンを照射して、その溶融強度を増大させるための方法を開示している。線状プロピレンポリマー材料を窒素下で高エネルギーイオン化輻射線、好ましくは電子ビームにより1分間当り約1〜1×10メガラドの範囲の照射速度で鎖切断に随伴する長鎖分岐の出現に充分であるが、この材料のゲル化を引き起こすには不充分な時間照射することが開示されている。その後、この材料は、著しい量の長鎖分岐を形成させるのに充分な時間同一の不活性環境下に維持される。最終的に、この材料を処理して、この照射材料中に存在する実質的にすべてのフリーラジカルを不活性化させる。電子ビームに対しては、500〜4000kVの加速電位を有する電子発生器からこの電子のビームを発生させることが開示されている。通常、このコンベヤーベルトにより移動するのに従ってポリプロピレン粒子を連続的に照射する電子ビーム発生器の下のコンベヤーベルトで照射対象の微粉砕された線状ポリプロピレン材料が運ばれる。微粉砕とは、本出願では、典型的な平均の粒子サイズが0.25mmのオーダーであるという意味である。一定のメルトフロー速度で、得られるポリプロピレンは、長鎖分岐の生成の結果として改善された溶融強度を有する。(特許文献1)に開示されている方法の特徴は、不活性雰囲気の厳しい条件下でこの照射ポリプロピレンの製造を行わなければならないということである。
先行技術の照射方法においては、空気中で発生可能な活性酸素の存在は、活性酸素がイオン化されたポリプロピレンと反応するので、長鎖の分岐ポリプロピレンの製造に極めて有害であった。それゆえ、真空下で作業するか、あるいは空気の一部または全部を窒素などの不活性ガスにより置き換えることにより、それを除去しなければならなかった。この製造および照射段階時、この活性酸素含量を40ppmよりも低い濃度に保持しなければならなかった。
酸素が鎖切断を促進し、特に、照射対象の樹脂が粉末の形である場合、ポリマー分子量の急速な低下を生じることが当業界で知られている。この現象は、例えば(非特許文献1)、または(非特許文献2)、または(非特許文献3)に記述されている。
ポリマー樹脂の照射時に起こる主な酸化反応は次の通りである:
R−R→R+R (1)
+O→RO (2)
RO +RH→ROOH+R (3)
RO +R→ROOR (4)
RO +RO →ROOR+O (5)
ROOH→ROOH (6)
RO→R’=O+R” (7)
ポリマーイオン化を伴う方法においては、酸素が劣化反応における支配的な役割を果たす。これは、反応(2)および(3)により記述されるように酸化連鎖反応およびヒドロペルオキシド基などの分子状生成物の形成の両方から生じる。これらの基は室温でもゆっくりと分解して、反応(6)および(7)により記述されるように酸化連鎖過程を再開始する。ポリマー骨格切断反応は、反応(6)により記述されるようにアルコキシルラジカルにおけるヒドロペルオキシド種とそれに続く反応(7)により記述されるようにこれらのラジカルのβ切断の分解から、そして反応(2)により記述され、そして(非特許文献3)により説明されているようにペルオキシルラジカルから生じる。
Neudbrfiにより後照射酸化の動力学が分析され、そして定量的に述べられ(非特許文献4)、長鎖分岐に利用できるフリーラジカルの減少と酸素の消費の間の関係が開示されている。
例えばMukkerjeeら(非特許文献5)により、あるいはYoshiiら(非特許文献6)により、イオン化時の空気の存在もイオン化されたポリプロピレンの機械的性質にマイナスの影響を及ぼすことも観察された。
樹脂中の添加物の存在は照射および後照射時にこれらの性質の劣化を制限するのに寄与し得るということが憶測されたが、この文献は照射効果に対する添加物の効率についてしばしば矛盾している。ヒンダードフェノールなどの慣用のラジカル掃去剤は酸化反応を低下させることができるが、このフェノールの照射時にスチルベンまたはキノンなどの化合物の形成から生じる強い黄色の変色が起こる。更には、この初期添加物の大きな区分は照射時あるいはその後に破壊あるいは化学的にグラフトされ得る。添加物もフリーラジカルと反応し、それによって長鎖分岐の形成を減少させることもあり得る(非特許文献3)。
EP−A−190,889 US−A−5,541,236 Veselvski,R.A.,Lchenko,S.S.and Karpov,V.L.,「Some problems of the radiation chemistry of polypropylene」,Poly.Sci.USSR,10,881,1968 El Sayed A.Hegazy,Tadao Seguchi,Kazuo Arakawa and Sueo Hachi,「Radiation−induced oxidative degradation of isotactic polypropylene」,Journ.Of Appl.Polym.Sci.,26,1361,1981 Carlsson,D.J.and ChmelaS.,「polymers and high energy radiation:degradation and stabilization」, Mechanisms of polemer degradation and stabilization,Elsevier Applied Sci.,p.109,1990 Neudorfl,P.,「Zur kinetik der Oxydation von bestrahltem Polypropylen」, Kolloid Zeitschrift for Polymeren,224,132,1967 Mukkerjee,A.K.,Gupta,B.D and Sharma P.K.,「Radiation−induced changes in Polyolefins」,Rev.Macromolec.Chem.Phys.C26(3),415,1986 Yoshii,F.,Sasaki,T.,Makuuchi,K.,Meligi,G.,Rabei,A.M.and Nishimoto,S.,「Polymer degradation and stability」,49,315,1995
したがって、この雰囲気中の酸素の量を無くするか、あるいは低下させることなく、そして/あるいは添加物を使用せずに、照射ポリマーの劣化を制約する必要性が存在する。
本発明の目的は、長鎖分岐を持つポリプロピレンを空気雰囲気下で製造するための方法を提供することである。
また、本発明の目的は、改善された溶融強度のポリプロピレンを製造するための方法を提供することである。
したがって、本発明は、0.5〜25MeVのエネルギーを有し、50〜1000kWの出力を有する加速器により供給される電子ビームで、そして10〜120kGrayの照射量でペレットの形のポリプロピレンを照射することにより、増加した溶融強度を有するポリプロピレンを製造するための方法であって、この照射が空気の存在下で行われることを特徴とする方法を開示する。
この方法は他のタイプの照射源、例えばγ線に対して実施可能である。
この電子ビームのエネルギーは好ましくは5〜10MeVである。この加速器の出力は好ましくは120〜600kWであり、更に好ましくは約200kWである。この全照射量は好ましくは40〜100kGyである。
この電子ビーム下の1回の通過で、あるいは数回の通過でこの照射量をこのポリプロピレン生成物に供給することができる。例えば、各々が20kGyの線量を供給する4回の通過は独特な高照射量を置き換えることができる。
このポリプロピレンは、プロピレンのホモポリマーまたはプロピレンとエチレンおよびC4〜C10の1−オレフィンまたはジエンから選択される1つ以上のオレフィンおよび/またはジエンとのランダムあるいはブロックコポリマーであってもよく、線状あるいは分岐であってもよい。このポリプロピレンホモポリマーは、ゴム粒子、例えばエチレンプロピレンゴム(EPR)またはエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)により、通常30重量%までの量で補強されてもよい。このポリプロピレンは、場合によってはコモノマーとしてジエン、例えばノルボルナジエンを含むターポリマーであってもよい。このポリプロピレンは、また、プロピレン重合の分野で既知の任意の触媒系によっても製造可能であり、好ましくはメタロセン触媒系が使用される。
このポリマーは、ポリマーの性質を補強するのに通常使用される任意の充填剤、例えばガラスファイバー、カーボンンナノチューブ、ナノクレー、チョークまたはタルクを含有してもよい。
この改善された長鎖の分岐は、分岐インデックスを求めることにより測定可能である。本特許出願で述べる分岐インデックスは、Michel,J.C.SPEANTEC,Conf.Proceedings,paper 359,2002で充分に説明されているように、ゼロせん断粘度および交差点での流動性測定から推察される重量平均分子量Mw値の比により得られる。
本発明は、また、改善された溶融強度のポリプロピレンを製造するための方法であって、
a)窒素下で、そして酸化防止剤添加物を殆ど無添加または無添加でこのポリプロピレンフラフを押し出して、ポリプロピレンペレットまたは半完成の生成物を製造する段階;
b)場合によっては、このペレットを空気下で慣用の工業用袋中に包装する段階;
c)この電子ビームの下を通過する連続移動型コンベヤー上にこの袋または均一層に配列した袋詰めしないペレットを空気下で置く段階;
d)0.5〜25MeVのエネルギーを有する段階c)の電子ビームにより、そして10〜120kGyの線量によりこのポリプロピレンを空気下で照射する段階;
e)ポリマーを再押し出しする前に前記フリーラジカルを不活性化するために、この照射されたペレットをこの融点の下の温度で場合によっては熱処理する段階;
f)このポリプロピレンを酸化防止剤添加物と共に、そして場合によっては非照射の材料と共に窒素下で再押し出しし、この酸化防止剤を前記ポリプロピレンと共に同時にあるいは後からこの押し出し機の長さに沿ってこの押し出し機に添加する段階;
g)空気下で顆粒化し、そして包装する段階
を含んでなる方法も開示している。
段階a)で製造されるポリプロピレンペレットは、1と1000mgの間を含む重量を有する固体の非多孔質ビーズとして定義される。
段階a)の半完成生成物は、例えばチョップドストランドまたステープルファイバーまたはその他であることができる。
段階f)で場合によって添加される非照射材料は、任意のポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレンあるいはコポリマーであることができる。
この配置は本発明の種々の段階を記述する図1に表される。このコンベヤー速度は所望の線量を得るために調整される。通常、これは0.5〜20m/分であり、好ましくは1〜10m/分である。
通常、このポリプロピレンは慣用の工業用袋中に袋詰めされるか、あるいは袋詰めせずにコンベヤーベルト上に均一に広げられる。このポリプロピレン層の袋の最適な厚さは、この電子ビームのエネルギーにより求められ;この電子ビームのエネルギーの増加と共に増加する。この照射は空気下で行われる。
このペレットは粉末よりも極めて小さい比表面積を有し、それにより大気酸素の効果が制限されるために、酸化による劣化は粉末に対するよりもペレットに対して極めて低い。
次に、この酸化防止剤添加物を粉末の形か、あるいはマスターバッチの形の下のいずれかでこのペレットに添加し、そしてこのペレットを窒素雰囲気下ポリプロピレンについて典型的である温度で押し出し、そして顆粒化する。
この照射とこの第2の押し出し方法の間で経過する時間は、25℃(室温)のオーダーの温度で数分〜数週間であることができる。
本発明により照射されたポリプロピレン(PP)は改善された溶融強度を有する。この高溶融強度は卓越した加工挙動をもたらし、これによって、本発明により製造される長鎖の分岐ポリプロピレンは、特にフィルム、シート、ファイバー、パイプ、フォーム、中空物品、パネルおよびコーティング剤の製造に好適となる。
この溶融強度は、キャピラリーダイおよび巻き取り器具として回転輪を備えたCEASTレオメーター(Rheoscope 1000)を用いて測定される。ピストンの変位から生じる圧力によりこのキャピラリーダイから溶融ポリマーを押し出す。ファイバーを回転輪の周りに巻き付けることによりこの溶融押し出し物を結晶化の前に一軸延伸する。この試験においては、このピストン変位速度を固定し、そしてこのファイバーが極めて薄くなって、破断するまで、この回転巻き取り輪の速度を一定の加速で線形で変化させる。この引っ張り力をこの試験時に記録する。5mm/1mmの長さ/直径比を有する円筒形ダイによりこの試験を行った。この回転輪の直径は120mmであり、そしてこのピストンの変位速度は2mm/分であり、2.36mm/分の押し出し物スループットを与える。この回転輪の加速は10rpm/100秒、すなわち0.000628M/秒で一定である。この押し出し温度は230℃である。この溶融強度の実験時、この記録される力は迅速に一定値に達し、破裂まで輪の回転数と無関係に保たれる。
この溶融強度はこの実験時に記録される最大の引っ張り力として定義される。
等価のイオン化線量において、本発明の方法に従って空気下でイオン化されるポリプロピレン樹脂の溶融強度は、窒素雰囲気下でイオン化されるポリプロピレン樹脂のそれと等価であることが観察される。
次の非限定的な実施例を参照しながら、本発明を更に詳細に述べる。
2つの線状ポリプロピレン樹脂、メタロセンで製造したポリプロピレン樹脂mPPおよびチーグラー・ナッタで製造したポリプロピレン樹脂ZNPPを試験した。これらの性質を表Iに示す。
Figure 2005532443
この表において、MFIは標準試験ASTMD1238の方法により2.16kgの荷重下で、そして230℃の温度で測定したメルトフローインデックスを表す。
Mn、MwおよびMzは、それぞれゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される数平均分子量、重量平均分子量およびz平均分子量を表す。Dは、数平均分子量に対する重量平均分子量の比Mw/Mnである多分散性インデックスを表す。
実施例1および比較例1
貯蔵時に窒素雰囲気下で保持したメタロセンで製造したポリプロピレンフラフmPPを酸化防止剤無しで単軸押し出し機により窒素下220℃で押し出し、そしてペレット化した。この典型的な平均ペレット重量は25mgのオーダーであった。
GPC分析は押し出し時に顕著なポリマー劣化が起こらないことを示した。
次に、ガスバリアー層無しでポリエチレンフィルムから製造される標準の25kg袋中にこのペレットを空気下で袋詰めした。この充填された袋は約15cmの厚さを有するものであった。
次に、約10MeVのエネルギーを有し、そして約190kWの出力を有する電子加速器により生成する電子ビームを使用して、ペレットの形のポリプロピレンの袋を空気下でイオン化した。この線量は約60kGyであった。
配合B215としてCIBAにより販売されている酸化防止剤3000ppmおよびステアリン酸カルシウム500ppmをこのイオン化されたペレットに添加し、そしてこの混合物を第1の押し出しに使用した押し出し機により窒素下で再押し出しした。
比較例1においては、貯蔵時に窒素下に保持した同一のメタロセンで製造したポリプロピレンフラフmPPも空気下でイオン化した。
同一の酸化防止剤3000ppmおよびステアリン酸カルシウム500ppmをこのイオン化されたフラフに添加し、そしてこの混合物を実施例1の押し出し機により窒素下で押し出した。
実施例1および比較例1からの照射されたペレットのメルトフローインデックスMR、溶融強度MS、多分散性インデックスDおよび分岐インデックスにより表される数平均、重量平均およびz平均分子量および分子量分布を表2に表示する。この分岐インデックスは長鎖分岐の量の目安であり;一つの分岐インデックスは線状ポリプロピレンを表し、そして分岐の増加と共に減少する。
Figure 2005532443
照射時に鎖切断、長鎖分岐および酸化反応が起こることにより、照射樹脂のメルトフローインデックスMFIは増加する。それにも拘わらず、この非照射樹脂の4.9g/10分のMFIに比較した場合、ペレットの形で、そして空気下で照射された樹脂のMIFは、窒素雰囲気下でフラフの形で照射された樹脂のそれよりも減少がずっと少ない。
照射時に高分子量の分岐した分子が形成するために、この照射樹脂の分子量分布(MWO)曲線はこの非照射樹脂のそれよりも広幅である。表IIから判るように、実施例1のペレットの形で照射された樹脂は、比較例1のフラフの形で照射された樹脂のそれよりも広幅の分子量分布曲線を特徴とする。
一定のMFIで、この分岐した分子は樹脂の溶融強度を増加させる。フラフの形で照射された樹脂よりもこのMFIが低く、そしてこの樹脂の照射時にペレットの形で形成される分岐した分子の量が高いので、実施例1の樹脂の溶融強度は比較例1の樹脂のそれよりも極めて高い。これを表IIで観察することができる。
実施例2および比較例2
実施例2においては、貯蔵時に窒素雰囲気下で保持したチーグラー・ナッタで製造したポリプロピレンフラフZNPPを酸化防止剤無しで単軸押し出し機により窒素下220℃で押し出し、そしてペレット化した。この典型的な平均ペレット重量は25mgのオーダーであった。
次に、ガスバリアー層無しでポリエチレンフィルムから製造される標準の25kg袋中にこのペレットを空気下で袋詰めした。この充填した袋は約15cmの厚さを有するものであった。
約10MeVのエネルギーを有し、そして約190kWの出力を有する電子加速器により生成する電子ビームを使用して、ペレットの形のポリプロピレンの袋を空気下でイオン化した。この線量は約60kGyであった。
配合B215としてCIBAにより販売されている酸化防止剤3000ppmおよびステアリン酸カルシウム500ppmをこのイオン化されたペレットに添加し、そしてこの混合物を第1の押し出しに使用した押し出し機により窒素下で再押し出しした。
比較例2においては、貯蔵時に窒素下で保持した同一のチーグラー・ナッタで製造したポリプロピレンフラフZNPPを空気下でもイオン化した。
同一の酸化防止剤3000ppmおよびステアリン酸カルシウム500ppmをこのイオン化されたフラフに添加し、そしてこの混合物を第1の押し出しに使用した押し出し機により窒素下で押し出した。
実施例2および比較例2からの照射されたペレットのメルトフローインデックスMFI、溶融強度MS、多分散性インデックスDおよび分岐インデックスにより表される数平均、重量平均およびz平均分子量および分子量分布を表IIIに示す。
Figure 2005532443
実施例1で既に議論したように、照射樹脂のMFIは増加する。しかしながら、表IIIに示す結果は、ペレットの形で空気下で照射された実施例2の樹脂のMFIはフラフの形で照射された比較例2の樹脂のそれよりも増加が極めて少ないことを示す。
照射時に生じた鎖切断の量は、メタロセンで製造した樹脂に対するよりもチーグラー・ナッタで製造した樹脂に対して高かった。結果として、形成された高分子量の分岐した分子の量は、メタロセンで製造した樹脂に対するよりもチーグラー・ナッタで製造した樹脂に対して低かった。実施例2および比較例2の照射された樹脂の多分散性は非照射の樹脂に対しては増加しなかったが、フラフの形で照射された比較例2の樹脂に対するよりもペレットの形で照射された実施例2の樹脂に対しては高かった。
長鎖分岐の形成および低MFIの結果、ペレットの形で照射された実施例2の樹脂の溶融強度は、フラフの形で照射された比較例2の樹脂のそれよりもずっと高かった。
実施例3および比較例3
実施例3においては、貯蔵、袋詰め、押し出し、イオン化および再押し出しに対して使用される樹脂および運転条件は、実施例1のものと同一であった。
比較例3においては、CIBAにより販売されているこの酸化防止剤2500ppmを第1の押し出し時にこのフラフに添加した。添加物入りのこの樹脂を空気下でイオン化し、そして第1の押し出しに使用したのと同一の押し出し機によりいかなる更なる添加物も添加せずに窒素下で再押し出しした。
Figure 2005532443
イオン化時の添加物の存在は分岐にマイナスの影響を及ぼし、そして結果として表IVで判るようにこのイオン化された樹脂の溶融強度を減少させる。この添加物は、また、表IV中で黄変指数Ylにより表されるように、このイオン化されたペレットの着色も強く増加させる。黄変指数は、ここでは、白色標準に対する570〜580nmの波長範囲の色度の偏りとして定義される。Toshiba T1000PCにつないだ色彩計HUNTERLAB D25M光学センサーによりこれを測定する。それぞれ黒色板、白色板および基準板によりこの装置を較正する。次に、この95×95×49mmの測定容器を試料(このペレット)により充填し、そして黄変指数をPCにより直接に評価し、そしてコンピュータースクリーン上に表示する。
実施例4および比較例4
実施例4においては、この樹脂の貯蔵、袋詰め、押し出し、イオン化および再押し出しに対して使用される樹脂および運転条件は、実施例2のものと同一であった。
比較例4においては、貯蔵時に窒素雰囲気下に保持した実施例2(ZNPP)のポリプロピレンフラフを単軸押し出し機により窒素下220℃で押し出した。このポリプロピレンペレットを窒素下でガスバリアー層付きの工業用袋中に詰め込み、次に実施例4で使用したものと同一の照射源により窒素雰囲気下でイオン化した。
照射後、配合B215としてCIBAにより販売されている酸化防止剤3000ppmおよびステアリン酸カルシウム500ppmをこのイオン化されたペレットに添加し、そしてこの混合物を第1の押し出しに使用した押し出し機により窒素下で再押し出しした。この結果を表Vに表示する。
Figure 2005532443
このペレットは、このフラフよりも極めて低い比表面積を有し、この樹脂上の吸着酸素の最大濃度を減少させる。それゆえ、このペレットのイオン化時の空気の存在は、フラフに対するよりもイオン化されたポリプロピレンの性質に対して低有害性である。
本発明(実施例4)の方法により空気下でイオン化されたペレットの性質は窒素下でイオン化されたペレット(比較例4)のものと等価であるが、本発明による方法はさほど厳しくなく、それゆえ低コストである運転条件を必要とすることが表Vで判る。
図1は、本発明の種々の段階を説明する工程図である。

Claims (11)

  1. 0.5〜25MeVのエネルギーを有し、50〜1000kWの出力を有する加速器により供給される電子ビームで、そして10〜120kGrayの照射量でペレットの形のポリプロピレンを照射することにより、増加した溶融強度を有するポリプロピレンを製造するための方法であって、前記照射が空気の存在下で行われることを特徴とする方法。
  2. 前記電子ビームが5〜10MeVのエネルギーを有する請求項1に記載の方法。
  3. 前記加速器が120〜600kWの出力を有する請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記全照射量が40〜100kGrayである先行の請求項のいずれか一つに記載の方法。
  5. 改善された溶融強度のポリプロピレンを製造するための方法であって、
    a)窒素下で、そして酸化防止剤添加物を殆ど無添加または無添加で前記ポリプロピレンフラフを押し出して、ポリプロピレンペレットまたは半完成の生成物を製造する段階;
    b)場合によっては、前記ペレットを空気下で慣用の工業用袋中に包装する段階;
    c)前記電子ビームの下を通過する連続移動型コンベヤー上に前記袋または均一層に配列した袋詰めしないペレットを空気下で置く段階;
    d)0.5〜25MeVのエネルギーを有する段階c)の電子ビームにより、そして10〜120kGyの線量により前記ポリプロピレンを空気下で照射する段階;
    e)ポリマーを再押し出しする前に前記フリーラジカルを不活性化するために、前記照射されたペレットを前記融点の下の温度で場合によっては熱処理する段階;
    f)前記ポリプロピレンを酸化防止剤添加物と共に、そして場合によっては非照射の材料と共に窒素下で再押し出しし、前記酸化防止剤を前記ポリプロピレンと共に同時にあるいは後から前記押し出し機の長さに沿って前記押し出し機に添加する段階;
    g)空気下で顆粒化し、そして包装する段階
    を含んでなる方法。
  6. 前記電子ビームが5〜10MeVのエネルギーを有する請求項5に記載の方法。
  7. 前記全照射量が40〜100kGrayである請求項5または請求項6に記載の方法。
  8. 前記照射量を前記電子ビーム下での数回の通過で供給することができる請求項5〜7のいずれか一つに記載の方法。
  9. 照射時に前記ポリプロピレンを0.5〜20m/分の速度で前記電子ビームを通過させる請求項5〜8のいずれか一つに記載の方法。
  10. イオン化前に酸化防止剤添加物を添加しない請求項5〜9のいずれか一つに記載の方法。
  11. 前記照射と前記第2の押し出しの間に経過する時間が25℃のオーダーの温度で数分〜数週間である請求項5〜10のいずれか一つに記載の方法。
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